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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20120101AFI20220317BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20220317BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
G06Q10/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017225920
(22)【出願日】2017-11-24
(65)【公開番号】P2019096128
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 勇登
(72)【発明者】
【氏名】松尾 景樹
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 献
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-279146(JP,A)
【文献】特開2014-139751(JP,A)
【文献】特開2014-115741(JP,A)
【文献】特開2012-089033(JP,A)
【文献】特開2014-029600(JP,A)
【文献】特開2012-003670(JP,A)
【文献】特開2005-293583(JP,A)
【文献】特開2014-232377(JP,A)
【文献】はい!提案書 旅費/経費精算・勤怠管理を自動化し基幹連携を実現する,Notes/Domino Magazine,日本,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2000年01月13日,第5巻, 第1号 ,p.150-153
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使途及び証憑種類毎に、証憑が必要となる金額が記憶された判定基準情報を記憶する記憶手段と、
使途及び金額を含む申請情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記申請情報に含まれる使途及び金額に基づいて前記記憶手段の前記判定基準情報を参照することで、前記申請情報で示される前記使途及び前記金額に対する前記証憑の要否及び必要となる証憑の種類を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された判定結果を出力する出力手段と、
を備えたこと、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付手段は、表示画面の入力エリアに入力された前記申請情報を受け付け、
前記出力手段は、前記要否及び必要となる前記証憑の種類の前記判定結果を前記表示画面に表示情報として出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、
前記証憑を必要とする場合、前記証憑の添付を指示する情報を印字データとしてプリンタに出力する印字出力手段と、
前記申請情報と前記判定結果とを含む情報をファイルに出力するファイル出力手段と、
をさらに備えたこと、
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ファイルに出力された前記申請情報と前記判定結果とを含む情報を取得する取得手段をさらに備えたこと、
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定基準情報を設定する設定手段をさらに備えたこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置で実行される方法であって、
使途及び証憑種類毎に、証憑が必要となる金額が記憶された判定基準情報を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
使途及び金額を含む申請情報の入力を受け付ける受付ステップと、
受け付けられた前記申請情報に含まれる使途及び金額に基づいて前記記憶手段の前記判定基準情報を参照することで、前記申請情報で示される前記使途及び前記金額に対する前記証憑の要否及び必要となる証憑の種類を判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果を出力する出力ステップと、
を含むこと、
を特徴とする方法。
【請求項7】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに実行させるための、
使途及び証憑種類毎に、証憑が必要となる金額が記憶された判定基準情報を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
使途及び金額を含む申請情報の入力を受け付ける受付ステップと、
受け付けられた前記申請情報に含まれる使途及び金額に基づいて前記記憶手段の前記判定基準情報を参照することで、前記申請情報で示される前記使途及び前記金額に対する前記証憑の要否及び必要となる証憑の種類を判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果を出力する出力ステップと、
を含むこと、
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「企業における小口清算の実務において、現金による交通機関利用時の料金清算を行った領収書原本の添付などがある場合に、領収書原本の添付申請を一括で申請することにより業務の効率化を図る小口金清算装置」が開示されている(0072段落、0074段落等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-176267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、企業は、税務調査や、社員による不正経費申請の防止を目的に、申請の際に証憑を添付するか否かのルールを社内規定として設けている。このルールにおいては、電車運賃やバス運賃等の小額申請については多数発生することが予想され、申請者の負担になることから、金額の大小や、経費の種類などにより証憑を添付するか否かの線引きを行っている。また、社員による不正経費の申請を防止する観点から、申請者の役職や、経費の特性などに応じても線引きを行っている。しかし、従来は、申請者が一件毎に、その社内規定のルールを確認しながら、証憑が必要か不要かを自ら判断し、必要な証憑を添付して申請を行う。社内規定のルールには、申請者の役職や、申請対象の経費の種類や、利用した交通手段や、それらの組み合わせなどに応じて、証憑の添付が必要となる金額が変わるため、申請者側で証憑の添付を見落とすミスが生じやすかった。また、上司による申請内容の確認の際にも、見た目では証憑の要否の見分けが付き難いため、証憑の添付漏れを見逃すミスが生じやすい。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、証憑の添付ミスを低減する情報処理装置、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、使途及び証憑種類毎に、証憑が必要となる金額が記憶された判定基準情報を記憶する記憶手段と、使途及び金額を含む申請情報の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた前記申請情報に含まれる使途及び金額に基づいて前記記憶手段の前記判定基準情報を参照することで、前記申請情報で示される前記使途及び前記金額に対する前記証憑の要否及び必要となる証憑の種類を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された判定結果を出力する出力手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記受付手段は、表示画面の入力エリアに入力された前記申請情報を受け付け、前記出力手段は、前記要否の前記判定結果を前記表示画面に表示情報として出力する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報処理装置においては、前記出力手段は、前記証憑を必要とする場合、前記証憑の添付を指示する情報を印字データとしてプリンタに出力する印字出力手段と、前記申請情報と前記判定結果とを含む情報をファイルに出力するファイル出力手段と、をさらに備えたこと、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報処理装置においては、前記ファイルに出力された前記申請情報と前記判定結果とを含む情報を取得する取得手段をさらに備えたこと、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報処理装置においては、前記判定基準情報を設定する設定手段をさらに備えたこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る方法は、情報処理装置で実行される方法であって、使途及び証憑種類毎に、証憑が必要となる金額が記憶された判定基準情報を記憶手段に記憶する記憶ステップと、使途及び金額を含む申請情報の入力を受け付ける受付ステップと、受け付けられた前記申請情報に含まれる使途及び金額に基づいて前記記憶手段の前記判定基準情報を参照することで、前記申請情報で示される前記使途及び前記金額に対する前記証憑の要否及び必要となる証憑の種類を判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果を出力する出力ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータに実行させるための、使途及び証憑種類毎に、証憑が必要となる金額が記憶された判定基準情報を記憶手段に記憶する記憶ステップと、使途及び金額を含む申請情報の入力を受け付ける受付ステップと、受け付けられた前記申請情報に含まれる使途及び金額に基づいて前記記憶手段の前記判定基準情報を参照することで、前記申請情報で示される前記使途及び前記金額に対する前記証憑の要否及び必要となる証憑の種類を判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果を出力する出力ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、証憑の添付ミスを低減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、マスタテーブルの構成の一例を示す図である。
図3図3は、判定基準情報の設定例を示す図である。
図4図4は、申請処理の一例を示すフロー図である。
図5図5は、申請画面の一例を示す図である。
図6図6は、台紙の印字レイアウトの一例を示す図である。
図7図7は、確認処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る情報処理装置、方法およびプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
本実施形態においては、申請者による経費や交通費等の申請情報を表示画面(申請画面)の入力エリアなどから受け付け、その申請金額が、証明として証憑の添付を必要とするか否か(以下、「証憑の要否」と記述する場合もある)を判定基準情報を基に判定し、当該申請情報と、当該申請情報についての証憑の要否判定結果とを、上記表示画面へ表示情報として出力、好ましくは、さらに台紙へ印字データとして出力することができる情報処理装置、方法およびプログラムを提供している。また、当該申請情報と当該要否判定結果とを取得してチェック者の表示画面(確認画面)に表示し、チェック者が上記台紙に添付されている証憑と見比べて証憑の添付漏れがないかを確認することができる情報処理装置、方法およびプログラムを提供している。
【0017】
各社には、証憑を添付するか否かについて社内規定されたルールがあり、申請者の役職や、出張地区や、交通手段や、金額などの組み合わせに応じて証憑が必要か不要かの設定が独自に決められている。本実施形態においては、「申請情報」の一例として、「申請金額」の他に、申請者の役職を示す「役職」と、「交通手段」と、「出張地区」と、「経費種類」とを適宜組み合わせたものを示す。また、「証憑」として「領収書」と「理由書」との2種類があるときの例を示す。また、「判定基準情報」については、一例として、各社において社内規定のルールを適宜設定可能なテーブルを用いた例を示す。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0018】
[2.構成]
本実施形態に係る情報処理装置の構成について、図1に示す精算申請確認システムの全体図を用いて説明する。図1には、当該情報処理装置の構成の一例として情報処理装置100を示している。
【0019】
情報処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、情報処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0020】
情報処理装置100は、図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。情報処理装置100が備えている各部は、バスなどを介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、情報処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。ネットワーク300は、例えばLAN(Local Area Network)やインターネット等である。通信インターフェース部104は、ネットワーク300を介し、所定のプロトコルによりサーバ200と通信する。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。ここでは一例として出力装置114としてモニタ(液晶ディスプレイなど)とプリンタとが接続されているものとする。入力装置112には、キーボードや、マウスや、マイクや、タッチパネルなどを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、出力先の一つであるモニタ114と記載したり、出力先の他の一つであるプリンタ114と記載したりする場合がある。また、入力装置112を一例のキーボード112やマウス112と記載する場合がある。
【0023】
記憶部106は、「記憶手段」として各種のプログラムやデータなどを記憶する。これらは、可搬型記録媒体や、サーバからダウンロードするなどしてインストールされる。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような補助記憶装置、その他、フレキシブルディスクや光ディスク等を用いることができる。
【0024】
本実施形態では、記憶部106に、データベースを格納している。当該データベースには、証憑種類マスタ106aと、交通手段マスタ106bと、宿泊費マスタ106cと、経費種類マスタ106dと、社員マスタ106eと、出張地区マスタ106fとが含まれる。これらは、マスタテーブルであり、ユーザ(企業など)に応じて適宜設定の変更も可能である。各マスタテーブルの概略は次に示すとおりである。なお、各マスタテーブルが含む項目の詳細は、以下[3.処理の具体例]で説明する。
【0025】
証憑種類マスタ106aは、証憑の種類(「領収書」や「理由書」など)を設定するマスタテーブルである。
【0026】
交通手段マスタ106bは、交通手段毎に証憑が必要になる金額を設定するマスタテーブルである。
【0027】
宿泊費マスタ106cは、申請者の役職と出張地区の組み合わせ毎に証憑が必要になる金額を設定するマスタテーブルである。
【0028】
経費種類マスタ106dは、経費の種類毎に証憑が必要になる金額を設定するマスタテーブルである。
【0029】
社員マスタ106eは、社員についての情報(役職など)が設定されているマスタテーブルである。
【0030】
出張地区マスタ106fは、出張地区が首都圏か首都圏外かを示す情報が設定されているマスタテーブルである。
【0031】
制御部102は、情報処理装置100を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部102は、OS(Operating System)などの基本プログラムや、アプリケーションなどのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。本実施形態では、記憶部106にOSや各種のプログラム(申請アプリや、データベース管理ソフトなどを含む)を格納し、CPUが記憶部106のプログラムをロードして実行するものとして説明するが、プログラムの一部または全てを制御部102の内部メモリに記憶させておき、それを実行してもよい。
【0032】
制御部102は、機能概念的に、(1)受付手段としての受付部102aと、(2)判定手段としての判定部102bと、(3)出力手段としての出力部102cと、(4)設定手段としての設定部102dと、(5)取得手段としての取得部102eと、を備えている。この内、取得部102eは、申請と確認の内の申請のみを行う情報処理装置においては省略することができる。各部は、制御部102にCPUが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、各部の処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0033】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について詳細に説明する。ここでは、図2に示す各マスタテーブルのテーブル構成下で図3に示す設定(「判定基準情報」についての設定)を行った場合の、申請処理と確認処理について説明する。先ず、図2に示す各マスタテーブルのテーブル構成の一例と図3に示す設定例とについて説明し、申請処理、続いて確認処理の順に説明する。
【0034】
(各マスタテーブルのテーブル構成)
図2に示すように、交通手段マスタ106bは、設定項目として、「交通手段」と、「証憑種類」と、「証憑必要金額」とを含む。この内、「交通手段」と「証憑種類」とは、キーに設定されている。また、宿泊費マスタ106cは、設定項目として、「役職」と、「出張地区」と、「証憑種類」と、「証憑必要金額」とを含む。この内、「役職」と「出張地区」と「証憑種類」とは、キーに設定されている。また、経費種類マスタ106dは、設定項目として、「経費種類」と、「証憑種類」と、「証憑必要金額」とを含む。この内、「経費種類」と「証憑種類」とは、キーに設定されている。
【0035】
交通手段マスタ106bと、宿泊費マスタ106cと、経費種類マスタ106dとは、「証憑種類」が証憑種類マスタ106aを参照するように設定されている。証憑種類マスタ106aは、「証憑種類」をキーとして含み、「証憑種類」に設定されているデータ一覧(「領収書」や「理由書」など)を参照元に渡す。
【0036】
宿泊費マスタ106cは、さらに、「役職」が社員マスタ106eを参照するように設定され、「出張地区」が出張地区マスタ106fを参照するように設定されている。社員マスタ106eは、設定項目として、「社員(社員コード)」と「役職」とを含み、参照元に役職の一覧を渡す。出張地区マスタ106fは、「出張地区」をキーとして含み、「出張地区」の分類、この例では首都圏か首都圏外かを参照元に渡す。
【0037】
(「判定基準情報」の設定例)
「判定基準情報」の設定は、制御部(設定部102d)が行う。例えば、制御部(設定部102d)は、当該マスタテーブルの「判定基準情報」についてデータの入力を受け付ける受付画面をモニタ114に表示し、その受付画面で、ユーザからデータの入力を受け付け、その受け付けたデータによりマスタテーブルの該当するデータ(デフォルト値)を更新する。
【0038】
「判定基準情報」の設定は、作業負担の削減の観点や、社員による不正申請の防止の観点などから設定する。例えば、作業負担を削減する観点で言えば、小額のものについては証憑不要に設定する。また、飛行機は必要とするが電車は不要に設定する。不正申請を防止する観点では、申請者の役職に応じ証憑の要否基準を変えて設定する。例えば部長以上は領収書のみでよいが、一般社員は領収書の他に理由書(例えば会議参加者の名詞等)が必要などと設定する。また、出張地区が首都圏と首都圏外とで証憑の基準金額を変えて設定する。以下に「判定基準情報」の一例を示す。
【0039】
図3(a)は、証憑種類マスタ106aの設定例を示している。証憑種類マスタ106aの「証憑種類」には、受付画面においてユーザから一例として「領収書」と「理由書」との入力を受け付けた場合の設定例を示している。ユーザの企業等が定める添付が必要な証憑が「領収書」や「理由書」以外の名称のものであれば、それを受付画面においてユーザが入力し、証憑種類マスタ106aの「証憑種類」に設定する。
【0040】
図3(b)には、交通手段マスタ106bの各項目の設定例を示している。例えば、二行目に示すレコードB2は、「証憑種類」に対し「領収書」が設定され、「交通手段」に対し「バス」が設定され、「証憑必要金額」に対し「1000(円)」が設定されている。この設定において、「領収書」は、例えば、証憑種類マスタ106aの「証憑種類」に設定されている全てのデータを受付画面においてプルダウンボックスなどでリスト表示し、その内の一つ(「領収書」)をユーザに選択させて受け付ける。「バス」や「1000(円)」は、ユーザから任意に入力されたデータを受付画面で受け付ける。なお、「交通手段」については、種類が限られているため、例えば交通手段の種類を登録したテーブルを別途設け、その一覧を受付画面においてプルダウンボックスなどでリスト表示してユーザに交通手段の一つを選択させてもよい。
【0041】
ここで、当該レコードB2に示されるレコード情報は、バスの運賃が1000(円)以上の場合に領収書が必要になることを規定する基準情報(「判定基準情報」の一例)である。交通手段マスタ106bに、「証憑種類」と「交通手段」と「証憑必要金額」との組み合わせのレコードを追加していくことにより、図3(b)に示すように多数の基準情報を設定することができる。
【0042】
図3(c)には、宿泊費マスタ106cの各項目の設定例を示している。例えば、一行目に示すレコードC1は、「証憑種類」に対し「領収書」が設定され、「役職」に対し「係長」が設定され、「出張地区」に対し「首都圏」が設定され、「証憑必要金額」に対し「0(円)」が設定されている。この設定において、「領収書」と「係長」は、それぞれ、証憑種類マスタ106aの「証憑種類」に設定されているデータの一つ(領収書)と、社員マスタ106eの「役職」に設定されているデータの一つ(係長)が選択されて設定されたものである。
【0043】
「首都圏」は、出張地区マスタ106fの「出張地区」において分けられている「首都圏」および「首都圏外」の内の「首都圏」が選択されて設定されたものである。各項目のデータの選択は、例えば受付画面においてプルダウンボックスなどでリスト表示し、その中から一つをユーザに選択させるなどして行うことができる。「0(円)」は、ユーザから任意に入力されたデータを受付画面で受け付けたものである。
【0044】
ここで、当該レコードC1に示されるレコード情報は、係長が首都圏内を出張した場合は金額に関係なく領収書が必要になることを規定する基準情報(「判定基準情報」の一例)である。宿泊費マスタ106cに、「証憑種類」と「役職」と「出張地区」と「証憑必要金額」との組み合わせのレコードを追加していくことにより、図3(c)に示すように多数の基準情報を設定することができる。
【0045】
図3(d)には、経費種類マスタ106dの各項目の設定例を示している。例えば、二行目に示すレコードD2は、「証憑種類」に対し「領収書」が設定され、「経費種類」に対し「新聞図書費」が設定され、「証憑必要金額」に対し「1000(円)」が設定されている。この設定において、「領収書」は、証憑種類マスタ106aの「証憑種類」に設定されているデータの一つ(「領収書」)が選択されて設定されたものである。また、「新聞図書費」や「1000(円)」は、ユーザから任意に入力されたデータを受付画面で受け付けて設定されたものである。なお、「経費種類」については、種類が限られているため、例えば経費種類を登録したテーブルを別途設け、その一覧を受付画面においてプルダウンボックスなどでリスト表示してユーザにその内の一つを選択させてもよい。
【0046】
ここで、当該レコードD2に示されるレコード情報は、新聞図書費が1000(円)以上の場合に領収書が必要になることを規定する基準情報(「判定基準情報」の一例)である。経費種類マスタ106dに、「証憑種類」と「経費種類」と「証憑必要金額」との組み合わせのレコードを追加していくことにより、図3(d)に示すように多数の基準情報を設定することができる。
【0047】
(申請処理および確認処理の位置づけ)
続いて、各マスタテーブルの設定に基づく申請処理と確認処理について説明する。一般に、交通費などの精算申請を行う申請者(例えば社員)は、精算申請用紙に交通費などを記入し、社内規定により領収書が必要なものには領収書を添付して、チェック者(例えば上司)に提出する。チェック者は、申請内容をチェックし、不備が無ければ経理などへ回し、精算金額の支払いの手続きを進めてもらうことになる。
【0048】
本実施形態では、申請と確認とを情報処理装置100において行う場合の例を示している。情報処理装置100は、申請用と確認用とで同一の端末でもよいし、別々の端末でもよい。申請は、例えば、情報処理装置100で申請アプリを起動し、申請画面から申請情報の入力を行って、申請情報をサーバ200にアップする。その際に、申請者は、証憑を必要とする精算が含まれる場合は台紙を出力し、その台紙に証憑を貼り付けてチェック者(上司)に回す。確認は、チェック者が、情報処理装置100においてサーバ200から申請情報を取得して表示し、別途受け取った台紙と共に記入漏れや証憑の貼り忘れがないかを確認する。申請に不備がなければ、承認し、経理などへ手続きを回す。
【0049】
(申請処理)
続いて、申請処理について、図4図6を用いて説明する。図4は、申請処理の一例を示すフロー図である。図5は、申請画面の一例を示す図である。図6は、台紙の印字レイアウトの一例を示す図である。
【0050】
図4は、申請者が社員コードを入力するなどして情報処理装置100にログインし、申請アプリを起動した後の情報処理装置100における処理である。先ず、入力装置112から申請アプリの起動を受け付けると、制御部102(出力部102c)は、申請画面を出力装置114に出力する(S1)。
【0051】
続いて、制御部102(受付部102a)は、申請画面の各入力項目において、1件分の申請情報の入力を受け付ける(S2)。
【0052】
続いて、制御部102(受付部102a)は、1件分の申請情報の入力を受け付けたかを判定し(S3)、1件分の申請情報の入力を受け付けるまで判定を繰り返す(S3:No)。例えば、制御部102(受付部102a)は、1件分の各入力項目の入力ボックスがエンターキーなどにより確定されたかを判定し、1件分の各入力項目の入力ボックスが全て確定された場合に1件分の申請情報の入力を受け付けたと判定する。
【0053】
1件分の申請情報の入力を受け付けた場合(S3:Yes)、制御部102(判定部102b)は、証憑の要否判定処理を行う(S4)。
【0054】
証憑の要否判定処理により証憑の要否結果が得られると、制御部102(出力部102c)は、申請画面において入力された当該1件分の入力情報に対応する証憑の要否結果を示す表示欄に、要否判定処理により得た証憑の要否結果を表示する(S5)。
【0055】
続いて、制御部102(受付部102a)は、次の1件分について入力項目への入力が開始されたか、それとも申請処理の終了を示す入力(例えば申請終了ボタンの押下信号)を受け付けたかを判定し(S6)、次の1件分について入力項目への入力が開始された場合、ステップS2からの処理を繰り返す。
【0056】
一方、申請処理の終了を示す入力を受け付けた場合、制御部102(出力部102c)は、「印字出力手段」として台紙の出力処理を行う(S7)。
【0057】
そして、制御部102(出力部102c)は、「ファイル出力手段」として、当該申請者の各件の申請情報(証憑の要否を含む)をファイル(例えばCSV形式等のファイル等)としてチェック者用の記憶エリアに出力し(S8)、その後、本申請処理(申請画面の表示を含む)を終了する。
【0058】
(要否判定処理の具体例)
制御部102(判定部102b)は、申請者が入力した申請情報を、一申請毎に、各マスタテーブルに設定されている基準情報に従って証憑が必要か不要かを判定する要否判定処理を行う。証憑の種類が複数ある場合は、それらの種類毎に要否を判定する。具体的に、図5の申請画面114aの入力例を参考に説明する。
【0059】
図5において、交通費の精算情報を入力する第1の入力欄11の1行目B21には、「交通手段」として「電車」が入力され、「金額」として「1070(円)」が入力されている。制御部102(判定部102b)は、第1の入力欄11における申請が「交通費」の申請であることから、1行目B21の申請についての基準情報の参照先として交通手段マスタ106bを指定し、当該マスタテーブルの中から「交通手段」をキーに、申請内容(電車)に該当する「証憑必要金額(下限値)」を証憑種類(「領収書」、「理由書」)毎に抽出する。この場合、図3(b)に示す設定の内の1行目のレコードB1に示す組み合わせ(「領収書」に対応)と、5行目のレコードB5に示す組み合わせ(「理由書」に対応)とが該当する。この設定の場合、役職や出張地区などには依らず、金額が「99999999(円)」未満ならば「領収書」も「理由書」も不要の扱いとなる。つまり、実質、常に「領収書」および「理由書」は不要の扱いである。従って、第1の入力欄11の1行目B21に入力された1件の申請は、証憑の要否判定結果が「領収書:不要、理由書:不要」となり、当該要否判定結果が「必要証憑」表示欄1に反映される。当該申請画面114aの例では、何れの証憑も不要であることから、当該1件分の申請に対応する証憑の要否結果を示す表示欄B210に何も表示されていない。
【0060】
第1の入力欄11の2行目B22については、「交通手段」として「タクシー」が入力され、「金額」として「720(円)」が入力されている。この場合、図3(b)に示す設定の内の4行目のレコードB4に示す組み合わせと、8行目のレコードB8に示す組み合わせとが該当する。この設定の場合、役職や出張地区などには依らず、金額が「0(円)」未満ならば「領収書」は不要の扱いとなる。つまり、常に「領収書」が必要となる。また、金額が「99999999(円)」未満ならば「理由書」は不要の扱いとなる。つまり、実質、常に「理由書」が不要となる。従って、第1の入力欄11の2行目B22に入力された1件の申請については、証憑の要否判定結果が「領収書:必要、理由書:不要」となり、当該申請画面114aの例では、当該1件分の申請に対応する証憑の要否結果を示す表示欄B220に、添付が必要な証憑の種類を示す「領収書」が表示されている。第1の入力欄11のその他の表示例も、詳しい説明は省略するが、これらと同様に、該当する基準を示す情報から証憑の要否が判定され、添付が必要な証憑の種類が表示されている。
【0061】
宿泊費の精算情報を入力する第2の入力欄12の1行目C21については、「出張地区」として「首都圏」が入力され、「金額」として「10600(円)」が入力されている。また、ログインした申請者の社員コードから社員マスタ106eにより「役職」が「係長」であることが判明し、申請者の欄14に表示されている。制御部102(判定部102b)は、第2の入力欄12における申請が「宿泊費」の申請であることから、1行目C21の申請についての基準情報の参照先として宿泊費マスタ106cを指定し、当該マスタテーブルの中から「役職」と「出張地区」とをキーに、申請内容(係長、首都圏)に該当する各証憑種類の「証憑必要金額(下限値)」を抽出する。この場合、図3(c)に示す設定の内の1行目のレコードC1に示す組み合わせと、5行目のレコードC5に示す組み合わせとが該当する。この設定の場合、金額が「0(円)」未満ならば「領収書」は不要の扱いとなる。つまり、常に「領収書」が必要となる。また、金額が「12000(円)」未満ならば「理由書」は不要の扱いとなる。従って、第2の入力欄12の1行目C21に入力された1件の申請については、証憑の要否判定結果が「領収書:必要、理由書:不要」となり、当該申請画面114aの例では、当該1件分の申請に対応する証憑の要否結果を示す表示欄C210に、添付が必要な証憑の種類を示す「領収書」が表示されている。
【0062】
第2の入力欄12の2行目C22については、「出張地区」として「首都圏外」が入力され、「金額」として「10500(円)」が入力されている。この場合、図3(c)に示す設定の内の2行目のレコードC2に示す組み合わせと、6行目のレコードC6に示す組み合わせとが該当する。この設定の場合、金額が「0(円)」未満ならば「領収書」は不要の扱いとなる。つまり、常に「領収書」が必要となる。また、金額が「10000(円)」未満ならば「理由書」は不要の扱いとなる。従って、第2の入力欄12の2行目C22に入力された1件の申請については、証憑の要否判定結果が「領収書:必要、理由書:必要」となり、当該申請画面114aの例では、当該1件分の申請に対応する証憑の要否結果を示す表示欄C220に、添付が必要な証憑の種類を示す「領収書」と「理由書」とが表示されている。
【0063】
その他の経費の精算情報を入力する第3の入力欄13の1行目D21については、「経費種類」として「消耗品費」が入力され、「金額」として「1070(円)」が入力されている。制御部102(判定部102b)は、第3の入力欄13における申請が「経費」の申請であることから、1行目D21の申請についての基準情報の参照先として経費種類マスタ106dを指定し、当該マスタテーブルの中から「経費種類」をキーに、申請内容(消耗品費)に該当する各証憑種類の「証憑必要金額(下限値)」を抽出する。この場合、図3(d)に示す設定の内の1行目のレコードD1に示す組み合わせと、3行目のレコードD3に示す組み合わせとが該当する。この設定の場合、金額が「99999999(円)」未満ならば「領収書」も「理由書」も不要の扱いとなる。従って、第3の入力欄13の1行目D21に入力された1件の申請については、証憑の要否判定結果が「領収書:不要、理由書:不要」となり、当該申請画面114aの例では、当該1件分の申請に対応する証憑の要否結果を示す表示欄D210に、何も表示されていない。
【0064】
第3の入力欄13の2行目D22については、「経費種類」として「新聞図書費」が入力され、「金額」として「1070(円)」が入力されている。この場合、図3(d)に示す設定の内の2行目のレコードD2に示す組み合わせと、4行目のレコードD4に示す組み合わせとが該当する。この設定の場合、金額が「1000(円)」未満ならば「領収書」は不要の扱いとなる。金額が「99999999(円)」未満ならば「理由書」は不要の扱いとなる。従って、第3の入力欄13の2行目D22に入力された1件の申請については、証憑の要否判定結果が「領収書:必要、理由書:不要」となり、当該申請画面114aの例では、当該1件分の申請に対応する証憑の要否結果を示す表示欄D220に、添付が必要な証憑の種類を示す「領収書」が表示されている。
【0065】
(台紙の出力処理の具体例)
制御部102(出力部102c)は、申請者が入力した申請情報を所定の配置にして台紙に出力する。また、要否判定処理の判定結果として「領収書:必要」または「理由書:必要」が含まれている申請については、当該申請に該当する出力エリアに、それぞれの貼り付け欄を示す情報(罫線や「証憑の種類」を示す情報など)を付加して出力する。具体的に、図6に示す台紙114bにおける出力例を参考に説明する。
【0066】
図6に示す台紙114bには、申請画面114a(図5参照)により入力された申請情報と、「必要証憑」表示欄1に表示した証憑についての貼り付け欄とが、1件毎に対応付けられたレイアウトで印字されている。なお、この例では、証憑の確認を容易にするために、申請者がまとめて申請した申請情報の内の証憑の添付が必要な申請のみを出力させた場合の出力例を示している。このように出力させる場合、申請情報の内の全ての申請において証憑の添付が必要なければ、台紙114bそのものの出力を省略することもできる。
【0067】
図6の出力例について一例を挙げて説明すると、次の通りである。図5に示す第1の入力欄11の1行目B21には、「必要証憑」の表示欄B210に何も表示されていない。このため、1行目B21の申請は図6に示す台紙114bへ出力されず、印字されていない。第1の入力欄11の2行目B22の申請については、「必要証憑」の表示欄B220に「領収書」が表示されている。このため、2行目B22の申請は図6に示す台紙114bに1件分のデータとして出力され、印字されている。この例では、台紙114bの上段の左側の領域B2200に印字している。
【0068】
制御部102(出力部102c)は、図5の申請画面114aに表示した申請情報と必要証憑(種類)とを、1件毎に(例えば上から下の順に)読み取り、必要証憑があるものについて、その1件分の申請情報を、申請情報の所定の印字欄に配置し、必要証憑の貼り付け欄、この例では必要証憑の種類に応じた一つ又は複数(この例の場合、2つまで)の貼り付け欄を、当該申請情報に対応する位置に配置し、申請者の欄14に申請者等の情報(申請日、申請者、役職、伝票番号等)を配置して印字データを生成する。
【0069】
例えば、制御部102(出力部102c)は、図5に示す第1の入力欄11の2行目B22の申請について、図6に示す台紙114bの領域B2200に対応する申請情報印字欄2201に申請情報を配置し、その下に「領収書」の貼り付け欄(罫線等を含む)を配置する。更に、制御部102(出力部102c)は、図5に示す3行目B22の申請についての申請情報および貼り付け欄を、図6に示す台紙114bの領域B2200の右隣に配置する。更に、制御部102(出力部102c)は、図5に示す1行目C21の申請についての申請情報および貼り付け欄を、図6に示す台紙114bの領域B2200の下段の左側に配置する。更に、制御部102(出力部102c)は、図5に示す2行目C22の申請についての申請情報および貼り付け欄を、図6に示す台紙114bの領域B2200の下段の右側の領域C2200に配置する。この場合、必要証憑は、「領収書」と「理由書」との2点であるため、領域C2200の申請情報印字欄2201の下に「領収書」の貼り付け欄(罫線等を含む)と「理由書」の貼り付け欄(罫線等を含む)とを並べて配置する。更に、制御部102(出力部102c)は、図5に示す2行目D22の申請についての申請情報および貼り付け欄を、更に下段の左側に配置する。
【0070】
制御部102(出力部102c)は、このように配置した印字データをプリンタ114に出力し、プリンタ114が印字データに基づいて印字を実行することにより当該レイアウトの台紙114bが出力される。申請者は、図6に矢印Yで示すように、台紙114bの各貼り付け欄に対して該当する証憑Xを貼り付ける。
【0071】
なお、図6に示す配置は一例であり、その他の配置に適宜設定してもよい。例えば、申請画面114aの各件の申請情報の並び順と同様に上から下に並べて配置してもよい。
【0072】
(確認処理)
チェック者(上司)は、情報処理装置100を操作し、サーバ200から申請ファイルを取得してモニタ114に表示させる。具体的には、制御部102(取得部102e)がサーバ200のチェック者用のフォルダから、チェック者が指定する申請ファイルを取得し、その申請ファイルを制御部102(出力部102c)がモニタ114に所定のレイアウトで出力する。
【0073】
図7には、申請画面114aと同じレイアウトで申請内容を表示させた場合の確認画面と、当該確認画面に表示されている申請内容と対の台紙とを並べて示したものである。図7に示すように、確認画面には、証憑が必要な申請に対応付けて、証憑の種類を示す情報が表示されている。このため、チェック者は、この表示と台紙とを見比べることにより、証憑の貼り付けを忘れている申請を見つけやすくなる。つまり、チェック者による申請内容の不備の見落としを低減することができる。例えば、印字レイアウトの順序が決まっていれば、図7において、チェック者は確認画面において「領収書」が必要とされる最上段の申請を、図7に矢印で示す位置に目線を動かすだけで発見することができ、領収書が貼られていない場合に申請不備と直ぐに判断することができる。また、この例では、台紙に証憑が必要な申請だけを印字しているため、証憑の添付漏れを一目で発見することができる。
【0074】
このように、本実施形態では、申請者が申請画面に申請情報を入力すると、入力した申請ごとに証憑が必要か否かを示す判定結果が表示される。本例のように領収書や理由書など証憑の種類が複数ある場合は、それぞれの特定する情報が表示される。つまり、申請者が証憑の要否を規定した社内ルールを覚えたり、覚えていない場合にルールを確認したりするという手間がなくなる。また、ルールを間違えて証憑の添付を行わずに申請すると、再申請が必要になり、チェック者において初回申請時と再申請時とにおいてチェックが繰り返されることになるが、ルールの間違えが発生しないため、チェックの作業負担を減らすことができる。
【0075】
つまり、証憑が必要か否か、どのような種類の証憑が必要かの情報が、申請ごとに表示されるため、申請者は、この表示により証憑の添付漏れを低減することができる。また、台紙に証憑の添付が必要な申請のみを印字する場合においては、申請者が台紙に証憑を漏れなく貼り付けることで、証憑の添付漏れを一目で確認できるため、証憑の添付漏れを防止することができる。
【0076】
チェック者については、確認画面において証憑についての表示と台紙とを見比べることができるので、証憑の添付漏れを見逃すというリスクを低減することができる。
また、本実施形態では、各マスタテーブルへ設定を各社の判定基準情報に更新することができるため、各社に合わせてシステムを作り込む必要がないというメリットがある。
【0077】
(本実施形態に係る情報処理装置の適用範囲)
申請および確認に使用する情報処理装置100は、申請および確認に共通のものでもよいし、申請用と確認用とで別々に設けてもよい。例えば、情報処理装置100を申請と確認とに使用する共通専用端末として設け、この共通専用端末からサーバ200に接続することにより行ってもよい。また、申請は、社員などの各情報処理装置100をサーバ200に接続することにより行い、確認は、チェック者(上司)の情報処理装置100をサーバ200に接続することにより行うようにしてもよい。
【0078】
また、申請情報を、ネットワーク300上のサーバ200を経由せずに可搬型の記録媒体を介して行ってもよい。例えば、各情報処理装置100をオフラインで使用し、申請者の情報処理装置100において申請情報を可搬型の記録媒体に格納し、確認時にチェック者の情報処理装置100に上記可搬型の記録媒体を装着して申請情報を読み取る。
【0079】
(実施形態の変形例)
本実施形態では、係る情報処理装置を情報処理装置100に適用し、情報処理装置100が、受付部102aと、判定部102bと、出力部102cと、設定部102dと、取得部102eと、データベースとを実装する例を示したが、受付部102aや、判定部102bや、出力部102cや、設定部102dや、取得部102eや、データベースなどを、サーバ200側に実装することにより、本実施形態に係る情報処理装置をサーバ200側に適用してもよい。
【0080】
例えば、サーバ200を、当該データベースを有し、受付部102aと、判定部102bと、出力部102cと、設定部102dと、取得部102eとを含む一連の機能をクライアントに提供するWebアプリケーションサーバとして構築する。情報処理装置100は、従来のPCや携帯型情報処理装置などにWebクライアントソフトを備えるなどしてWebクライアントとして動作させる。
【0081】
情報処理装置100はWebビューアなどにサーバ200のURL(Uniform Resource Locator)を設定し、サーバ200とHTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信を開始する。情報処理装置100は、サーバ200から送信された申請画面(HTML(HyperText Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)などの画面情報)をモニタ114に表示し、入力装置112から入力した申請情報をサーバ200に送信する。
【0082】
サーバ200は、情報処理装置100から送信された申請情報を受信すると、受付部で申請情報を受け付け、判定部がデータベースに接続して証憑の要否を判定する。出力部は、その判定結果を要求元に指定し、サーバ200から要求元の情報処理装置100に判定結果の表示情報が送信される。情報処理装置100は、表示情報を受信すると、申請画面に判定結果を表示する。また、情報処理装置100の申請画面において印刷を示すボタンが押下されると、サーバ200の出力部は、ネットワーク300上の指定したネットワークプリンタに印字データを出力し、ネットワークプリンタで台紙に印字が行われる。また、情報処理装置100の申請画面において申請が完了すると、サーバ200の出力部は、サーバ200の記憶部に申請情報と判定結果をファイル出力する。
【0083】
設定部は、情報処理装置100から指示があった場合に情報処理理装置100に受付画面を渡し、情報処理装置100から受付画面で設定された判定基準情報をデータベースに設定する。取得部102aは、チェック者の情報処理装置100から申請ファイルの要求があると、対象の申請ファイルを記憶部から取得してチェック者の情報処理装置100に送信する。その後、申請ファイルにチェック者の承認情報を付加した承認ファイルを受け付けたり、その承認ファイルを記憶部に記憶したりする処理は、適宜設けてよい。
【0084】
このように、本実施形態に係る情報処理装置は、情報処理装置100に限らずサーバ200への適用も可能である。サーバ200に適用した場合にも情報処理装置100に適用した場合と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
【0085】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0086】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われる処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0087】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、データベースの構成、各マスタテーブルの項目数や名称、画面の構成などについては、適宜変更することができる。
【0088】
また、情報処理装置100に示す構成は、一例では、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0089】
例えば、情報処理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよいし、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置100に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0090】
また、このコンピュータプログラムは、情報処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0091】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0092】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した情報処理装置100が記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0093】
また、情報処理装置100は、パーソナルコンピュータの他、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよい。
【0094】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、特に、精算申請のルールについて独自に規定した会社などにおいて有用である。
【符号の説明】
【0096】
100 情報処理装置
102 制御部
102a 受付部
102b 判定部
102c 出力部
102d 設定部
102e 取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 証憑種類マスタ
106b 交通手段マスタ
106c 宿泊費マスタ
106d 経費種類マスタ
106e 社員マスタ
106f 出張地区マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7