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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】扉装置
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/12 20060101AFI20220317BHJP
   E05D 15/10 20060101ALI20220317BHJP
   E05F 17/00 20060101ALI20220317BHJP
   E05F 15/643 20150101ALI20220317BHJP
【FI】
E05D15/12
E05D15/10
E05F17/00 A
E05F15/643
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017240044
(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公開番号】P2019105143
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】507418692
【氏名又は名称】トヨフレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】近野 一郎
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-151388(JP,A)
【文献】特開平06-185272(JP,A)
【文献】特開昭61-169597(JP,A)
【文献】実公昭48-017087(JP,Y1)
【文献】米国特許第04495978(US,A)
【文献】西独国特許出願公開第02555755(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00 - 15/58
E05F 1/00 - 13/04,17/00
E06B 9/02,9/04
E05F 15/00 - 15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の扉及び前記第1の扉の引出し方向後ろ側に設けられた第2の扉と、
前記第1の扉及び前記第2の扉の上下に設けられた第1の保持板及び第2の保持板と、
前記第1の扉及び前記第2の扉の上側又は下側に設けられ、前記第1の扉と前記第2の扉とを連結するリンク部と、
を備え、
前記第1の保持板には、延設方向が折れ曲がった第1の案内ガイドが設けられ、
前記第2の保持板には、延設方向が折れ曲がった第2の案内ガイドであって、平面視において前記第1の案内ガイドと重なる位置に形成された第2の案内ガイドが設けられ、
前記第1の扉の上下方向の両端には、それぞれ、前記引出し方向後端の近傍に、前記第1の案内ガイドに挿入される第1のガイド用突起及び前記第2の案内ガイドに挿入される第2のガイド用突起が設けられ、
前記第2の扉の上下方向の両端には、それぞれ、前記引出し方向後端の近傍に、前記第1の案内ガイドに挿入される第3のガイド用突起及び前記第2の案内ガイドに挿入される第4のガイド用突起が設けられ、
前記第2の扉の上下方向の両端面には、それぞれ、前記第2の扉の長手方向に略沿った第1の長孔及び第2の長孔が形成され、
前記第1の長孔及び前記第2の長孔には、それぞれ、内周面に、前記第2の扉の長手方向に略沿った第1のラックギア及び第2のラックギアが設けられ、
前記第2の扉には、前記第2の扉の上下方向に沿って棒状のリンク支持軸が設けられ、
前記リンク部は、前記第1のガイド用突起又は前記第2のガイド用突起と、前記リンク支持軸とに対して回転自在に設けられ、
前記リンク支持軸には、前記第1のラックギアと噛み合う第1の歯車が設けられ、前記第2のラックギアと噛み合う第2の歯車が設けられ、
前記第1の扉と前記第2の扉との大部分が重なる収納状態では、前記リンク支持軸は前記第2の扉の前記引出し方向後端の近傍に位置し、前記リンク部は前記第1の扉及び前記第2の扉に対して傾いており、
前記第1の扉と前記第2の扉とが重ならない展開状態では、前記リンク支持軸は前記第2の扉の前記引出し方向前端の近傍に位置し、前記リンク部は前記第1の扉及び前記第2の扉と略平行である
ことを特徴とする扉装置。
【請求項2】
前記第1の保持板又は前記第2の保持板に、前記第1の扉及び前記第2の扉の移動方向に沿って設けられたガイド板と、
前記ガイド板に設けられた駆動源と、
前記ガイド板に回転可能に設けられ、前記駆動源と同期して回転する第1のプーリと、
前記ガイド板に回転可能に設けられた第2のプーリと、
前記第1のプーリ及び前記第2のプーリに掛け渡され、前記第1のプーリの回転によって移動する索状体と、
前記索状体が巻き掛けられ、前記索状体の移動に伴って回転する駆動プーリと、
前記駆動プーリに挿入され、前記駆動プーリと同期して回転する駆動軸と、
前記駆動軸に設けられ、前記駆動軸と同期して回転する駆動歯車と、
前記第1の保持板又は前記第2の保持板の前記ガイド板の近傍に設けられるラックギアであって、前記駆動歯車と噛み合うラックギアと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の扉装置。
【請求項3】
前記駆動プーリの両側には、2個のガイドプーリが前記駆動プーリに隣接して設けられ、
前記索状体は、前記駆動プーリと前記ガイドプーリとによって挟まれる
ことを特徴とする請求項2に記載の扉装置。
【請求項4】
前記第1の保持板には、第3の案内ガイドが設けられ、
前記第2の保持板には、第4の案内ガイドであって、平面視において前記第3の案内ガイドと重なる位置に形成された第4の案内ガイドが設けられ、
前記第1の扉の上下方向の両端には、それぞれ、前記引出し方向前端の近傍に、前記第3の案内ガイドに挿入される第5のガイド用突起及び前記第4の案内ガイドに挿入される第6のガイド用突起が設けられ、
前記第2の扉の上下方向の両端には、それぞれ、前記引出し方向前端の近傍に、前記第の案内ガイドに挿入される第7のガイド用突起及び前記第の案内ガイドに挿入される第8のガイド用突起が設けられる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の扉装置。
【請求項5】
前記第1の扉には、前記リンク部の旋回を制限するリンク制限部が設けられた
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の扉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド扉を開閉する扉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スライド扉として一般的な雨戸は、各戸が独立しており、戸袋への収容を一枚ずつ行わなければならず、不便である。このような問題を解消するものとして、特許文献1、2が開示されている。
【0003】
特許文献1には、一つの引戸を開閉操作するだけで他の引戸をも開閉されるような連結構造を備えた並列収納式引戸構造が開示されている。
【0004】
特許文献2には、連結金具で連結された複数の雨戸と、雨戸を引き込んで収納する収納部を備えた戸皿と、戸皿から引き出された雨戸を案内支持するレールとを備えてなる雨戸装置であって、雨戸が、横枠と縦枠とからなる枠体と、枠体を覆って取り付けられた面材とからなり、隣接する雨戸が、対向する横枠の側面から垂直端面側に沿って摺動しながら移動可能になされた連結金具で連結されている雨戸装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-131897号公報
【文献】特開2000-8734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明では、複数の引戸を連結するためにフックとフックキャッチを用いている。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、フックとフックキャッチとの係合のために引戸の重ね方向の距離を高い精度で保つ必要があるにも関わらず、引戸の引出しのために引戸の重ね方向に余裕が必要であるという、矛盾を生じる構造となっている。
【0007】
また特許文献2に記載の発明では、連結金具と雨戸に形成されたスリットとの間にガタつきが必要であるため、連結金具がスリットの内部で暴れていまい、雨戸がスムーズに移動できないおそれがある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、複数の扉をスムーズに移動させることができる扉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の扉装置は、第1の扉及び前記第1の扉の引出し方向後ろ側に設けられた第2の扉と、前記第1の扉及び前記第2の扉の上下に設けられた第1の保持板及び第2の保持板と、前記第1の扉及び前記第2の扉の上側又は下側に設けられ、前記第1の扉と前記第2の扉とを連結するリンク部と、を備え、前記第1の保持板には、延設方向が折れ曲がった第1の案内ガイドが設けられ、前記第2の保持板には、延設方向が折れ曲がった第2の案内ガイドであって、平面視において前記第1の案内ガイドと重なる位置に形成された第2の案内ガイドが設けられ、前記第1の扉の上下方向の両端には、それぞれ、前記引出し方向後端の近傍に、前記第1の案内ガイドに挿入される第1のガイド用突起及び前記第2の案内ガイドに挿入される第2のガイド用突起が設けられ、前記第2の扉の上下方向の両端には、それぞれ、前記引出し方向後端の近傍に、前記第1の案内ガイドに挿入される第3のガイド用突起及び前記第2の案内ガイドに挿入される第4のガイド用突起が設けられ、前記第2の扉の上下方向の両端面には、それぞれ、前記第2の扉の長手方向に略沿った第1の長孔及び第2の長孔が形成され、前記第1の長孔及び前記第2の長孔には、それぞれ、内周面に、前記第2の扉の長手方向に略沿った第1のラックギア及び第2のラックギアが設けられ、前記第2の扉には、前記第2の扉の上下方向に沿って棒状のリンク支持軸が設けられ、前記リンク部は、前記第1のガイド用突起又は前記第2のガイド用突起と、前記リンク支持軸とに対して回転自在に設けられ、前記リンク支持軸には、前記第1のラックギアと噛み合う第1の歯車が設けられ、前記第2のラックギアと噛み合う第2の歯車が設けられ、前記第1の扉と前記第2の扉との大部分が重なる収納状態では、前記リンク支持軸は前記第2の扉の前記引出し方向後端の近傍に位置し、前記リンク部は前記第1の扉及び前記第2の扉に対して傾いており、前記第1の扉と前記第2の扉とが重ならない展開状態では、前記リンク支持軸は前記第2の扉の前記引出し方向前端の近傍に位置し、前記リンク部は前記第1の扉及び前記第2の扉と略平行であることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る扉装置によれば、リンク支持軸に設けられた第1の歯車及び第2の歯車は、第2の扉の長手方向に略沿った第1のラックギア及び第2のラックギアと噛み合っている。そのため、第1の扉、すなわちリンク支持軸が第2の扉の長手方向に沿って移動するときに、リンク支持軸の上側と下側とが平面視において常に略同じ位置にあり、かつ常に同じタイミングで移動する。また、第1の歯車及び第2の歯車が第1のラックギア及び第2のラックギアと噛み合っているため、リンク支持軸が第2の扉に沿って平行移動するときに、リンク支持軸が暴れない。これにより、第1の扉をスムーズに移動させることができる。さらに、リンク部は、第1のガイド用突起又は第2のガイド用突起と、リンク支持軸とに対して回転自在に設けられており、第1の扉と第2の扉との大部分が重なる収納状態では、リンク部は第1の扉及び第2の扉に対して傾いており、第1の扉と第2の扉とが重ならない展開状態では、リンク部は前記第1の扉及び前記第2の扉と略平行である。このように、リンク部を平行移動させた後で旋回させることで、収納時に第1の扉及び第2の扉を重ね合わせることができる。
【0011】
ここで、前記第1の保持板又は前記第2の保持板に、前記第1の扉及び前記第2の扉の移動方向に沿って設けられたガイド板と、前記ガイド板に設けられた駆動源と、前記ガイド板に回転可能に設けられ、前記駆動源と同期して回転する第1のプーリと、前記ガイド板に回転可能に設けられた第2のプーリと、前記第1のプーリ及び前記第2のプーリに掛け渡され、前記第1のプーリの回転によって移動する索状体と、前記索状体が巻き掛けられ、前記索状体の移動に伴って回転する駆動プーリと、前記駆動プーリに挿入され、前記駆動プーリと同期して回転する駆動軸と、前記駆動軸に設けられ、前記駆動軸と同期して回転する駆動歯車と、前記第1の保持板又は前記第2の保持板の前記ガイド板の近傍に設けられるラックギアであって、前記駆動歯車と噛み合うラックギアと、をさらに備えてもよい。これにより、電動で第1の扉及び第2の扉を開閉することができる。また、第1のプーリ及び第2のプーリに掛け渡された駆動ロープがガイド板に沿うことで、曲線に沿って第1の扉及び第2の扉を移動させることができる。
【0012】
ここで、前記駆動プーリの両側には、2個のガイドプーリが前記駆動プーリに隣接して設けられ、前記索状体は、前記駆動プーリと前記ガイドプーリとによって挟まれてもよい。ガイドプーリは、駆動ロープを駆動プーリに向けてすくい上げ、かつ、駆動ロープをガイド板に向けて押し戻す。これにより、駆動ロープの動きをスムーズにすることができる。
【0013】
ここで、前記第1の保持板には、第3の案内ガイドが設けられ、前記第2の保持板には、第4の案内ガイドであって、平面視において前記第3の案内ガイドと重なる位置に形成された第4の案内ガイドが設けられ、前記第1の扉の上下方向の両端には、それぞれ、前記引出し方向前端に前記第3の案内ガイドに挿入される第5のガイド用突起及び前記第4の案内ガイドに挿入される第6のガイド用突起が設けられ、前記第2の扉の上下方向の両端には、それぞれ、前記引出し方向前端に前記第1の案内ガイドに挿入される第7のガイド用突起及び前記第3の案内ガイドに挿入される第8のガイド用突起が設けられてもよい。第1の扉及び第2の扉は、上下四隅近傍にそれぞれ設けられたガイド用突起が上下4本の案内ガイドで案内支持される。これにより、第1の扉及び第2の扉を垂直に保ちながらスムーズに移動させることができる。
【0014】
ここで、前記第1の扉には、前記リンク部の旋回を制限するリンク制限部が設けられてもよい。これにより、収納部の内部で第1の扉及び第2の扉を平行移動させ、第1の扉及び第2の扉を重ねて収納することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の扉をスムーズに移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態である扉装置1の概略を示す斜視図である。
図2】1枚目の扉110が収納部から引き出された状態において、扉装置1の扉110、120、130を斜め下方から見た斜視図である。
図3】1枚目の扉110が収納部から引き出された状態において、扉装置1の扉110、120、130を上方から見た平面図である。
図4】扉装置1の図1の面Bにおいて切断した断面図である。
図5】扉110、120、130を収納部200から引き出す様子を示す図であり、(A)は扉110、120、130を収納した状態を示し、(B)は1枚目の扉110が展開した中間状態を示し、(C)は3枚の扉110、120、130が展開した後の最終展開直前の状態を示す。
図6】本発明の第2の実施形態である扉装置2の概略を示す斜視図である。
図7】扉装置2の概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。以下の実施の形態では、扉の用途として雨戸を想定して説明を行うが、スライド式の扉であれば雨戸以外に適用することができる。例えば、扉を屋内用のパーティションとし、本発明をパーティションを移動させる装置として用いてもよい。また、以下の実施の形態では、機構部分のみを図示しているが、本発明の装置は外装等を含んでもよい。
【0018】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施形態である扉装置1の概略を示す斜視図である。扉装置1は、主として、3枚の扉110、120、130と、保持板350、360と、を有する。保持板350、360は、扉110、120、130の上下方向の両端を覆うように設けられた板状の部材であり、保持板350と保持板360とが対となっている。保持板350、360は、それぞれ、対となる収納部210、220とからなる収納部200と、対となる案内部310、320からなる案内部300と、を有する。
【0019】
保持板350には、2本の案内ガイド351、352が収納部210と案内部310とにわたって設けられており、保持板360には、2本の案内ガイド361、362が収納部220と案内部320とにわたって設けられている。案内ガイド351、352、361、362は、扉110、120、130の移動方向に沿って設けられる。案内ガイド351、352、361、362は、溝であってもよいし、孔であってもよい。
【0020】
平面視(図1のA方向から見たとき)において、保持板350に形成された2本の案内ガイド351、352の位置と、保持板360に形成された2本の案内ガイド361、362の位置とが重なる。
【0021】
案内部300においては、案内ガイド351と案内ガイド352とは略平行であり、保持板350の長手方向に略沿っている。また、案内部300においては、案内ガイド361と案内ガイドと422とは略平行であり、保持板360の長手方向に略沿っている。
【0022】
案内ガイド351、361は、収納部200と案内部300との境界部近傍で延設方向が折れ曲がっている。また、案内ガイド352、362は、収納部200の内部において延設方向が折れ曲がっている。折れ曲がった部分より収納部200奥側においては、案内ガイド351と案内ガイド352とは略平行であり、案内ガイド361と案内ガイド362とは略平行である。なお、案内ガイド351、361の折れ曲がり角度は図示した形態に限定されない。
【0023】
案内部300においては、案内ガイド351と案内ガイド352との距離及び案内ガイド361と案内ガイド362との距離は、扉110、120、130の長手方向に沿った中心線と、ガイド用突起111a、111b、121a、121b、131a、131b(後に詳述、図3参照)との距離d(図3参照)と略等しい。従って、案内部300においては、扉110、120、130を垂直に保ちながら移動が可能である。
【0024】
扉装置1を雨戸として実施する場合には、下側の案内部310は窓や建物の戸口等の下縁に固定され、上部の案内部320は窓や建物の戸口等の上縁に固定される。また収納部200の外側には外装を設ける。
【0025】
なお、本実施の形態では、3枚構成の扉110、120、130を有するが、本発明は2枚以上の扉があれば実施可能である。
【0026】
次に、扉110、120、130について詳細に説明する。図2は、1枚目の扉110が収納部から引き出された状態において、扉装置1の扉110、120、130を斜め下方から見た斜視図である。図2では、扉110、120、130の上側の構成については図示を省略する。図3は、1枚目の扉110が収納部から引き出された状態において、扉装置1の扉110、120、130を上方から見た平面図である。
【0027】
扉110、120、130は、それぞれ、下側の枠体116a、126a、136aと、上側の枠体116b、126b、136bと、上下の枠体116a、116b、126b、126a、136a、136bに挟まれた面材115、125、135と、を有する。なお、扉110、120、130の構造は必要に応じて変更可能であり、例えば扉110、120、130の左右側面に枠体を設けてもよい。
【0028】
枠体116a、126a、136aは、それぞれ、保持板350(図1参照)に対向する端面である支持面114a、124a、134aを有し、枠体116b、126b、136bは、それぞれ、保持板360(図1参照)に対向する端面である支持面114b、124b、134bを有する。
【0029】
支持面114a、114bの引出し方向前端の近傍にはガイド用突起111a、111bが設けられており、支持面114a、114bの引出し方向後端の近傍にはガイド用突起112a、112bが設けられている。支持面124a、124bの引出し方向前端の近傍にはガイド用突起121a、121bが設けられており、支持面124a、124bの引出し方向後端の近傍にはガイド用突起122a、122bが設けられている。支持面134a、134bの引出し方向前端の近傍にはガイド用突起131a、131bが設けられており、支持面134a、134bの引出し方向後端の近傍にはガイド用突起132a、132bが設けられている。
【0030】
枠体116a、126a、136aには、それぞれ、中央部に長孔118a、128a、138aが設けられており、枠体116b、126b、136bには、それぞれ、中央部に長孔118b、128b、138bが設けられている。長孔118a、118bは、扉110の長手方向に略沿って設けられ、長孔128a、128bは、扉120の長手方向に略沿って設けられ、長孔138a、138bは、扉130の長手方向に略沿って設けられている。
【0031】
長孔118a、長孔118bには、それぞれ、内周面に、扉110の長手方向に略沿ってラックギア119a、119bが設けられている。長孔128a、長孔128bには、それぞれ、内周面に、扉120の長手方向に略沿ってラックギア129a、129bが設けられている。長孔138a、長孔138bには、それぞれ、内周面に、扉130の長手方向に略沿ってラックギア139a、139bが設けられている。なお、長孔118a、118b及びラックギア119a、119bは、扉110を扉120、130と同形状とするために設けられているものであり、機能的には不要である。
【0032】
また、枠体116a、126a、136aには、緩衝部117a、127a、137aが設けられており、枠体116b、126b、136bには、緩衝部117b、127b、137bが設けられている。これらは、扉110、120、130同士が衝突して傷付くことや、扉110、120、130が壁面(図示省略)と衝突して傷付くこと防ぐものである。
【0033】
枠体116b、126b、136bの引出し方向前端には、それぞれ緩衝部117c、127c、137cが設けられており、枠体116b、126b、136bの引出し方向後端には、それぞれ緩衝部117d、127d、137dが設けられている。これらは扉110、120、130同士が衝突して傷付くことを防止し、また閉状態において扉110、120、130間の隙間を埋める役割を果たす。なお、緩衝部117c、127c、137cは、枠体116a、126a、136aに設けられていてもよい。
【0034】
扉110と扉120とは、リンク部151により連結されている。扉120と扉130とは、リンク部161により連結されている。図3では、扉110、120、130上部のリンク部151、161についての図示を省略している。リンク部151、161については後に詳述する。
【0035】
枠体116a、126a、136aには、それぞれ、リンク部151、161の動きを制限するリンク制限部113a、123a、133aが設けられており、枠体116b、126b、136bには、それぞれ、リンク部151、161の動きを制限するリンク制限部113b、123b、133bが設けられている。リンク制限部113a、123a、133a、113b、123b、133bは略円柱形状の突起である。
【0036】
リンク制限部113a、113bは、それぞれ、支持面114a、114bの引出し方向後端側近傍の、収納部200に収納されているときに扉120が配置される側の側面近傍に設けられている。リンク制限部123a、123bは、それぞれ、支持面124a、124bの引出し方向後端側近傍の、収納部200に収納されているときに扉130が配置される側の側面近傍に設けられている。なお、リンク制限部133a、133bは、扉130を扉110、120と同形状とするために設けられているものであり、機能的には不要である。
【0037】
ガイド用突起111a、121a、131aは案内ガイド351(図1参照)に挿入され、ガイド用突起112a、122a、132aは案内ガイド352(図1参照)に挿入される。ガイド用突起111b、121b、131bは案内ガイド361(図1参照)に挿入され、ガイド用突起112b、122b、132bは案内ガイド362に(図1参照)に挿入される。つまり、扉110、120、130は、上下四隅近傍にそれぞれガイド用突起111a、111b、112a、112b、121a、121b、122a、122b、131a、131b、132a、132bが設けられており、それらが上下4本の案内ガイド351、352、361、362で案内支持される構造になっている。
【0038】
ガイド用突起111a、111b、112a、112b、121a、121b、122a、122b、131a、131b、132a、132bは、略棒状の軸と、軸より太い先端部とを有し、軸部が案内ガイド351、352、361、362に挿入される。これにより、先端部により、扉110、120、130が案内ガイド351、352から外れることがない。なお、ガイド用突起111a、111b、112a、112b、121a、121b、122a、122b、131a、131b、132a、132bの先端部は必須ではない。
【0039】
次に、リンク部151、161及びリンク部151、161の取付構造について、図2、3を用いて詳細に説明する。図3では、リンク部151、161の図示を省略する。
【0040】
リンク部151は、ガイド用突起112a、112bを介して扉110と接続され、リンク支持軸152を介して扉120と接続される。リンク部151は、ガイド用突起112a、112b及びリンク支持軸152に対して回転自在であり、リンク部151は支持面114a、114b、124a、124bと平行な面内で旋回する。リンク部161は、ガイド用突起122a、122bを介して扉120と接続され、リンク支持軸162を介して扉130と接続される。リンク部161は、ガイド用突起122a、122b及びリンク支持軸162に対して回転自在であり、リンク部161は支持面124a、124b、134a、134bと平行な面内で旋回する。
【0041】
図4は、扉120を図3の面Bにおいて切断した断面図である。図4では、図3における右側から扉120を見ている。リンク支持軸152は、扉120の上下方向に沿って設けられた棒状の部材である。リンク支持軸152には、下端近傍に歯車153aが設けられ、上端近傍に歯車153bが設けられる。歯車153a、153bは、リンク支持軸152に対して回転可能である。歯車153aは、長孔128aに形成されたラックギア129a(図4では図示省略、図2参照)と噛み合い、歯車153bは、長孔128bに形成されたラックギア129b(図4では図示省略、図3参照)と噛み合う。
【0042】
図2、3の説明に戻る。歯車153a、153bとラックギア129a、129bとが噛み合っているため、リンク支持軸152は、扉120の内部を面材125と略平行を保ちながら、長孔128a、128bに沿ってスムーズに移動する。
【0043】
リンク支持軸162は、扉130の上下方向(図1の方向A)に沿って設けられた棒状の部材である。リンク支持軸162には、下端近傍に歯車163aが回転可能に設けられ、上端近傍に歯車163bが回転可能に設けられる。歯車163aは、長孔138aに形成されたラックギア139aと噛み合い、歯車163bは、長孔138bに形成されたラックギア139bと噛み合う。リンク支持軸162及び歯車163a、163bは、リンク支持軸152及び歯車153a、153bと同様の構成である。
【0044】
歯車163a、163bとラックギア139a、139bとが噛み合っているため、リンク支持軸162は、扉130の内部を面材135と略平行を保ちながら、長孔138a、138bに沿ってスムーズに移動する。
【0045】
次に、扉110、120、130を収納部200から引き出し、案内部300に展開する動作について示す。図5は、扉110、120、130を収納部200から引き出す様子を示す図であり、(A)は扉110、120、130を収納した収納状態を示し、(B)は1枚目の扉110が展開した中間状態を示し、(C)は3枚の扉110、120、130が展開した後の最終展開直前の状態を示す。説明のため、図5では、扉装置1を上方向(図1のA方向)から見ており、要部を透視している。
【0046】
図5(A)における収納状態では、3枚の扉110、120、130は、収納部200内に、重なり合って収納されている。収納状態では、扉110、120、130の大部分が重なり、リンク支持軸152は扉120の引出し方向後端の近傍に位置し、リンク支持軸162は扉130の引出し方向後端の近傍に位置する。また、リンク部151、161は扉110、120、130に対して傾いている。
【0047】
ここから、1枚目の扉110を引き出すと、リンク部151及びリンク支持軸152が図5(A)の下方向へと移動し始める。歯車153a、153bがそれぞれラックギア129a、129bと噛み合っているため、リンク支持軸152は、支持面124a、124bと略垂直な状態を保ちながら平行移動し、リンク部151は、扉120に対して一定の角度で傾いた状態を保ったまま平行移動していく。このとき、扉120は移動していない。
【0048】
リンク支持軸152により連結されているため、上側のリンク部151と下側のリンク部151とは同期しており、上側のリンク部151の位置及び扉110、120に対する傾きと、下側のリンク部151の位置及び扉110、120に対する傾きは略一致している。
【0049】
1枚目の扉110が収納部200から完全に引き出されると、リンク部151がリンク支持軸152及びガイド用突起112a、112bに対して回動し始める。そのままさらに扉110を引き出すと、リンク部151が扉110と略平行となるまで旋回し、図5(B)に示す位置まで収納部200内で扉120が平行移動する。
【0050】
図5(B)に示す中間状態からさらに扉110を引き出すと、扉120が案内部300内に侵入し、案内ガイド351、352、361、362に沿って移動する。それに伴い、リンク部161及びリンク支持軸162が扉130内を図5(B)の下方向へと移動し始める。このとき、歯車163a、163bがそれぞれラックギア139a、139bと噛み合っているため、リンク支持軸162は、支持面134a、134bと略垂直な状態を保ちながら平行移動し、リンク部161は、扉130に対して一定の角度で傾いた状態を保ったまま平行移動していく。このとき、扉130は移動していない。
【0051】
リンク支持軸162により連結されているため、上側のリンク部161と下側のリンク部161とは同期しており、上側のリンク部161の位置及び扉120、130に対する傾きと、下側のリンク部161の位置及び扉120、130に対する傾きは略一致している。
【0052】
2枚目の扉120が収納部200から引き出されると、リンク部161がリンク支持軸162及びガイド用突起122a、122bに対して旋回を開始する。そのままさらに扉120を引き出すと、リンク部161が旋回し、リンク部161が扉130を案内部300へと引き出して(図5(C)参照)展開し、最終的に扉110、120、130を閉位置まで移動する。展開状態では、扉110、120、130が重ならず、リンク支持軸152は扉120の引出し方向前端の近傍に位置し、リンク支持軸162は扉130の引出し方向前端の近傍に位置する。また、リンク部151、161は扉110、120、130と略平行である。
【0053】
扉110、120、130の収納時は、ここまで説明してきた展開時と逆方向に動作する。収納時は扉110を収納部200の方向に移動させることで、扉130から順に収納部200に収納されていく。扉110の収納動作は、リンク部151によって扉120に伝達されに、リンク部161によって扉130に伝達される。
【0054】
扉130が収納部200の内部に到達する(図5(C)の二点鎖線参照)と、リンク部161が旋回し、それにともなって扉130が収納部200の内部で平行移動する(図5(C)の二点鎖線矢印参照)。その後、リンク部161及びリンク支持軸162が平行移動しながら、扉120が収納部200へ向けて移動する。
【0055】
リンク部161及びリンク支持軸162が扉130の内部を移動し終わったときには、扉120が収納部200の内部に到達する(図5(C)の二点鎖線参照)。リンク部151が旋回し、それにともなって扉120が収納部200の内部で平行移動する(図5(C)の二点鎖線矢印参照)。その後、リンク部151及びリンク支持軸152が平行移動しながら、扉110が収納部200へ向けて移動する。
【0056】
このとき、リンク制限部113a、113b、123a、123bは、リンク部151、161が必要以上に旋回しないよう、リンク部151、161の旋回を制限する(図2、3参照)。これにより、収納部200において、扉120、130は、案内ガイド351、352に沿って平行移動する。その結果、扉120が扉130とほぼ重なるように収納部200に収納され、扉110が扉120とほぼ重なるように収納部200に収納される。
【0057】
本実施の形態によれば、リンク支持軸152に設けられた歯車153a、153bがそれぞれラックギア129a、129bと噛み合っており、リンク支持軸162に設けられた歯車163a、163bがそれぞれラックギア139a、139bと噛み合っているため、リンク支持軸152、162が傾かず、リンク支持軸152、162の上側と下側とが平面視において常に略同じ位置にあり、かつ常に同じタイミングで移動する。また、扉110、120、130の上側に設けられたリンク部151、161と、扉110、120、130の下側に設けられたリンク部151、161とが確実に同期する。したがって、扉110、120、130をスムーズに移動させることができる。また、ラックギア139a、139bを用いて上下のリンク部151、161を同期させるため、省スペース化することができる。
【0058】
本実施の形態によれば、リンク部151、161が旋回してからリンク支持軸152、162が扉120、130に沿って平行移動するため、収納時に扉110、120、130を重ね合わせることができる。また、歯車153a、153bとラックギア129a、129bとが噛み合っており、歯車163a、163bとラックギア139a、139bとが噛み合っているため、リンク支持軸152、162が扉120、130に沿って平行移動するときにリンク支持軸152、162が暴れず、扉110、120をスムーズに移動させることができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、扉110、120、130の上下にリンク部151、161を設けたが、歯車153a、153bがそれぞれラックギア129a、129bと噛み合っており、リンク支持軸162に設けられた歯車163a、163bがそれぞれラックギア139a、139bと噛み合っていれば、少なくとも扉110、120、130の上側又は下側にリンク部151、161が設けられていればよい。
【0060】
また、本実施の形態では、保持板350に2本の案内ガイド351、352が設けられ、保持板360に2本の案内ガイド361、362が設けられたが、2本の案内ガイド351、352、361、362は必須ではない。例えば、案内ガイド351、361は、案内部300全体に設けられていなくてもよく、収納部200側の一部にのみ設けられていてもよい。
【0061】
また、本実施の形態では、案内部300において保持板350、360、すなわち案内ガイド351、352、361、362が湾曲していたが、案内部300における保持板350、360や案内ガイド351、352、361、362の形状はこれに限らず、例えば案内部300において保持板350、360や案内ガイド351、352、361、362が直線状に延設されていてもよい。
【0062】
<第2の実施の形態>
【0063】
本発明の第1の実施の形態にかかる扉装置1は、手動で扉110、120、130を開閉したが、本発明の第2の実施の形態は、電動で扉110、120、130を開閉するものである。以下、本発明の第2の実施の形態にかかる扉装置2を、図面を参照して詳細に説明する。扉装置2における扉110、120、130の移動機構は扉装置1と同一であるため説明を省略し、以下扉装置2の電動化機構についてのみ説明する。
【0064】
図6は、本発明の第2の実施形態である扉装置2の概略を示す斜視図である。扉装置2は、電動化機構400を有する。電動化機構400は、主として、駆動源であるモータ410と、第1プーリ421と、第2プーリ422と、ガイドプーリ431、432と、駆動軸440と、駆動プーリ441と、駆動歯車442と、駆動ロープ450と、ラックギア460と、ロープガイドレール470と、を有する。
【0065】
案内部320の上側には、ロープガイドレール470が設置されている。平面視において、ロープガイドレール470は、案内ガイド351、352、361、362(案内ガイド361、362は図示省略)と略平行である。
【0066】
ロープガイドレール470の収納部220に近い端には、モータ410が設けられている。モータ410の軸は、ロープガイドレール470を貫通し、先端には第1プーリ421が固定されている。第1プーリ421は、モータ410と同期して回転する。なお、駆動源はモータ410に限られない。また、モータ410には、要求される回転数やトルクの必要に応じてギア機構を組み込むことが可能である。ギア機構を組み込んだ場合には、第1プーリ421はギア機構の出力軸に設けられる。
【0067】
第1プーリ421及び第2プーリ422は、ロープガイドレール470の両端近傍に設けられている。第2プーリ422は、案内部320の引出し方向前端(収納部220と反対側の端)に設けられている。
【0068】
扉110の引出し方向前端(ガイド用突起111a、111b(図示省略)が設けられている側)には、駆動軸440が設けられている。なお、駆動軸440は、扉110に設けられていればよく、配設位置はこれに限られない。
【0069】
図7は、扉装置2の概略を示す平面図である。保持板360には、ロープガイドレール470と略平行な長孔461が形成されており、駆動軸440は長孔461を貫通している。保持板360には、長孔461と略平行なラックギア460が設けられている。ラックギア460及び長孔461は、保持板360のロープガイドレール470の近傍に、案内部320の全体にわたって設けられている。
【0070】
図6の説明に戻る。駆動軸440の上端近傍には、駆動プーリ441及び駆動歯車442が設けられている。駆動プーリ441及び駆動歯車442は、駆動軸440と同期して回転する。
【0071】
第1プーリ421及び第2プーリ422には、ロープガイドレール470に沿って駆動ロープ450が一周するように掛け渡されている。また、駆動ロープ450は、駆動プーリ441に巻き掛けられている。駆動ロープ450の移動にともない、駆動プーリ441、すなわち駆動軸440及び駆動歯車442が駆動ロープ450に沿って移動する。なお、駆動ロープ450は、索状体であればよく、ロープに限定されない。
【0072】
図7に示すように、ガイドプーリ431、432は、駆動プーリ441の両側に、駆動プーリ441に隣接して設けられている。駆動ロープ450は、ガイドプーリ431と駆動プーリ441とによって挟まれ、かつガイドプーリ432と駆動プーリ441とによって挟まれる。ガイドプーリ431、432は駆動ロープ450を駆動プーリ441に向けてすくい上げる役割と、駆動ロープ450をロープガイドレール470に向けて押し戻す役割を果たす。ガイドプーリ431、432は、駆動プーリ441と一体化されており、駆動プーリ441と共に移動する。なお、ガイドプーリ431、432は必須ではないが、ガイドプーリ431、432によって駆動ロープ450の動きをスムーズにすることができる。
【0073】
図6の説明に戻る。モータ410が回転すると、それに伴って第1プーリ421が回転し、駆動ロープ450が移動する。駆動ロープ450が駆動プーリ441に巻き掛けられているため、駆動ロープ450の移動に伴って駆動プーリ441が回転する。駆動プーリ441と同期して回転する駆動歯車442は、ラックギア460と噛み合っている。したがって、駆動歯車442の回転に伴って、駆動軸440がラックギア460及び長孔461に沿って移動し、それによって扉110が移動する。
【0074】
扉110、120、130を収納するときには、扉110、120、130を引き出す時と反対周りにモータ410を回転させる。モータ410の正逆回転により、扉110、120、130の開閉が可能となる。
【0075】
本実施の形態によれば、モータ410を用いて駆動ロープ450を移動させ、駆動ロープ450を用いて扉110を移動させることで、電動で扉110、120、130を開閉することができる。また、駆動ロープ450をロープガイドレール470に沿わせることで、曲線に沿って駆動軸440、すなわち扉110を移動させることができる。
【0076】
なお、本実施の形態では、駆動ロープ450がロープガイドレール470に当接しているが、ロープガイドレール470と駆動ロープ450の間に別途ローラーを設け、駆動ロープ450とロープガイドレール470が当接しないようにしてもよい。これにより、駆動ロープ450をよりスムーズに駆動することができる。
【0077】
また、本実施の形態では、電動化機構400が扉装置2の上側に設けられたが、電動化機構400が扉装置2の下側に設けられていてもよい。
【0078】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0079】
例えば、扉装置1、2は、縦置きの扉を水平方向に移動させて開閉するものであるが、本発明の扉装置は、横置きの扉を縦方向、横方向、斜め方向に移動させて開閉するものに適用することが可能である。例えば、本発明の扉装置をシャッター等にも用いることができる。本発明の扉装置を横置きの扉の開閉に用いる場合には、扉の左右両側に扉を連結するリンク部が必要となる。
【0080】
また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、略平行、略直交とは、厳密に平行、直交の場合には限られない。また、例えば、単に平行、直交等と表現する場合においても、厳密に平行、直交等の場合のみでなく、略平行、略直交等の場合を含むものとする。また、本発明において「近傍」とは、例えばAの近傍であるときに、Aの近くであって、Aを含んでも含まなくてもよいことを示す概念である。
【符号の説明】
【0081】
1、2 :扉装置
110、120、130:扉
111a、111b、112a、112b、121a、121b、122a、122b、131a、131b、132a、132b:ガイド用突起
113a、113b、123a、123b、133a、133b:リンク制限部
114a、114b、124a、124b、134a、134b:支持面
115、125、135:面材
116a、116b、126a、126b、136a、136b:枠体
117a、117b、117c、117d、127a、127b、127c、127d、137a、137b、137c、137d:緩衝部
118a、118b、128a、128b、138a、138b:長孔
119a、119b、129a、129b、139a、139b:ラックギア
151、161:リンク部
152、162:リンク支持軸
153a、153b、163a、163b:歯車
200、210、220:収納部
300、310、320:案内部
350、360:保持板
351、361:案内ガイド
352、362:案内ガイド
400 :電動化機構
410 :モータ
421 :第1プーリ
422 :第2プーリ
431、432:ガイドプーリ
440 :駆動軸
441 :駆動プーリ
442 :駆動歯車
450 :駆動ロープ
460 :ラックギア
461 :長孔
470 :ロープガイドレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7