(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】水平ジブを備えた揚重装置
(51)【国際特許分類】
B66C 23/04 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
B66C23/04 A
(21)【出願番号】P 2017252569
(22)【出願日】2017-12-27
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】在田 浩徳
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 康浩
(72)【発明者】
【氏名】西村 淳
(72)【発明者】
【氏名】三木 洋一
(72)【発明者】
【氏名】前之園 怜二
(72)【発明者】
【氏名】田畑 宏明
(72)【発明者】
【氏名】小松 晴夫
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-254781(JP,A)
【文献】特開平05-116887(JP,A)
【文献】特開平10-120369(JP,A)
【文献】特開昭59-138592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00 ー 23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ジブ
と、前記固定ジブ
に対して水平の軸線方向に相対的に進退自在に設けられた単数あるいは複数のスライドジブ
と、からなる水平ジブと、
上下方向の軸線周りに旋回可能に前記水平ジブを支持する旋回フレームと、
前記旋回フレームに一体に取り付けて前記水平ジブと反対側に水平に延設された張出フレームと、
前記張出フレームの延出方向先端
部に配設され、吊りフックに繋がるワイヤーを巻き上げ、繰り出して前記吊りフックを昇降させる巻上装置とを備え、
前記スライドジブは、後端部側に前記巻上装置との干渉を防ぐ切り欠き部を備えて形成され、
前記スライドジブの最後退位置が、
前記水平の軸線方向に直交する方向から見たときに前記スライドジブの後端部と前記巻上装置とが
重なる位置となるように構成されていることを特徴とする水平ジブを備えた揚重装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平ジブを備えた揚重装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高層ビルなどの建設工事では、資材や解体物等の揚重運搬や組み立て作業の手段として起伏式のクレーンや、シャトルジブ式のクライミングクレーン、水平ジブ式のクレーンなどの揚重装置が多用されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0003】
このうち、水平ジブクレーンは、ジブ(ブーム)が水平に張り出して配設されるため、起伏ジブ式のクレーンなどと比較し、高さ(ジブの上下方向の占有領域/範囲)を小さく抑えることができ、上方領域に制限が生じる場合に非常に好適に用いることができる。
【0004】
また、水平ジブクレーンには、上下方向に延びる軸線中心に旋回可能に設けられて水平ジブを支持する旋回フレームを備えるとともに、水平ジブが、旋回フレームに後端部を接続し、軸線方向を水平方向に向けて支持される固定ジブ(主ジブ)と、固定ジブに対して同軸上に設けられ、且つ固定ジブに対して軸線方向に進退自在(横行自在、スライド自在)に設けられるスライドジブ(単数あるいは複数の補ジブ)とを備えて構成したものがある。
【0005】
さらに、水平ジブクレーンは、旋回架構からジブと反対の側に張出部を設け、この張出部上に吊りフックに繋がるワイヤーの巻上装置が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-180887号公報
【文献】特開平07-315766号公報
【文献】特開平07-113333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、上記のように構成した水平ジブクレーンにおいては、スライドジブの横行ストローク量を極力大きくし、水平ジブクレーンの作業範囲(作業領域)を拡大して、水平ジブクレーンの作業性能を向上させることが強く望まれている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、好適に揚重作業範囲を拡大することを可能にした水平ジブを備えた揚重装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0010】
本発明に係る水平ジブを備えた揚重装置は、固定ジブと、前記固定ジブに対して水平の軸線方向に相対的に進退自在に設けられた単数あるいは複数のスライドジブと、からなる水平ジブと、上下方向の軸線周りに旋回可能に前記水平ジブを支持する旋回フレームと、前記旋回フレームに一体に取り付けて前記水平ジブと反対側に水平に延設された張出フレームと、前記張出フレームの延出方向先端部に配設され、吊りフックに繋がるワイヤーを巻き上げ、繰り出して前記吊りフックを昇降させる巻上装置とを備え、前記スライドジブは、後端部側に前記巻上装置との干渉を防ぐ切り欠き部を備えて形成され、前記スライドジブの最後退位置が、前記水平の軸線方向に直交する方向から見たときに前記スライドジブの後端部と前記巻上装置とが重なる位置となるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水平ジブを備えた揚重装置においては、好適に揚重作業範囲を拡大することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーン(タワークレーン/揚重装置)を示す側面視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンを示す側面視図である。
【
図3】
図2のX1-X1線矢視図であり、本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンを示す上面視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る水平ジブの固定ジブと中間スライドジブを示す縦断面視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る水平ジブの中間スライドジブと先端スライドジブを示す縦断面視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの中間ジブ用進退駆動機構を示す側面視図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの中間ジブ用進退駆動機構を示す上面視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの中間ジブ用進退駆動機構を示す側面視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの先端ジブ用進退駆動機構を示す側面視図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの先端ジブ用進退駆動機構を示す上面視図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの先端ジブ用進退駆動機構を示す側面視図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの水平ジブを伸ばした状態を示す側面視図である。
【
図13】
図12に対し、本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの水平ジブの中間スライドジブを最後方まで縮めた状態を示す側面視図である。
【
図14】
図13に対し、本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの水平ジブの先端スライドジブを最後方まで縮めた状態を示す側面視図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンの進退駆動機構(中間ジブ用進退駆動機構)を示す側面視図である。
【
図16】(a)は
図15のX1-X1線矢視図、(b)は
図15のX2-X2線矢視図、(c)は
図15のX3-X3線矢視図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンのローラーを示す斜視図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンのスリップリング構造を示す側面視図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンのスリップリング構造を示す側面視図であり、スリップリングを退避させた状態を示す図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る水平ジブクレーンのスリップリング構造のローラー及び突起部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1から
図20を参照し、本発明の一実施形態に係る水平ジブを備えた揚重装置について説明する。
【0014】
ここで、本実施形態では、高層建物の建設工事における資材や解体物等の揚重運搬や組み立て作業の手段として、本発明の水平ジブを備えた揚重装置を用いるものとして説明を行う。言い換えれば、本実施形態では、本発明の水平ジブを備えた揚重装置が水平ジブクレーン(タワークレーン)であるものとして説明を行う。
なお、本発明に係る水平ジブを備えた揚重装置は、必ずしも高層建物の建設工事に適用することにその用途を限定しなくてもよく、あらゆる荷の搬送手段として適用可能である。
【0015】
本実施形態の水平ジブクレーン(水平ジブを備えた揚重装置)Aは、
図1に示すように、建物に支持されて鉛直に立設されるとともに建物の最上層から上方に突設されるマスト1に支持されて、マスト1の頂部側に設けられている。
【0016】
マスト1は、建物に上下方向に連通形成されたマスト用開口部に設けられ、建物を貫通するように配設されている。
【0017】
マスト1は、複数のマストピースを継ぎ足し、あるいは撤去して適宜所望の長さに調整可能なマスト本体2と、マスト本体2の上部(頂部)側から下部側にむけて順に、マスト本体2に一体に取り付けられた旋回装置3、昇降装置4、上部支持部5、下部支持部6とを備えている。
【0018】
旋回装置3は、マスト本体2の頂部に設けられており、モータによって歯車を回転させることによりマスト本体2の上下方向に延びる軸線O1中心に正逆回転する旋回フレーム(旋回架構)7を備えて構成されている。また、旋回フレーム7の上端部には水平板状の開閉式歩道が設けられ、この開閉式歩道のマスト本体の直上に、マストピースを挿通可能な貫通孔が形成されている。また、旋回フレーム7の側部外側に運転室8が配設されている。
【0019】
昇降装置4は、ロックピン機構及び昇降油圧ジャッキ等の昇降駆動/固定手段を備え、昇降装置4の下方に配設されたクライミング構台とともに、昇降駆動/固定手段を用いることによってマスト本体2を上昇あるいは下降できるように構成されている。
【0020】
上部支持部5は、クライミング構台と上下方向に所定の間隔をあけてマスト本体2の所定位置に配設されるとともに、所定階層の床スラブなどの建物躯体に着脱可能に固定し、マスト本体2に作用する水平荷重及び垂直荷重を支持する。
【0021】
下部支持部6は、上部支持部5と上下方向に所定の間隔をあけてマスト本体2の下部に配設され、上部支持部5と同様、所定階層の床スラブなどの建物躯体に一部を着脱可能に固定し、マスト本体2に作用する水平荷重を支持する。
【0022】
そして、水平ジブクレーンAは、上記の旋回装置3の旋回フレーム7に接続してマスト1の頂部に配設されている。
【0023】
具体的に、本実施形態の水平ジブクレーンAは、
図1から
図3に示すように、軸線O2方向を水平に配して設けられる水平ジブ10と、水平ジブ10の後端部を旋回フレーム7に接続して支持させるための固定支持フレーム11と、旋回フレーム7に一体に取り付けて水平ジブ10と反対側に水平に延設された張出フレーム12と、水平ジブ10の先端部に設けられたシーブ13と、シーブ13を介してワイヤー14で昇降可能に吊り下げ支持された吊りフック15と、張出フレーム12の延出方向先端部側に配設され、吊りフック15に繋がるワイヤー14を巻き上げ、繰り出して吊りフック15を昇降させる巻上装置16とを備えて構成されている。
【0024】
水平ジブ10は、後端部を固定支持フレーム11に接続して配設される固定ジブ20と、固定ジブ20に対して直接的又は間接的に水平方向の軸線O2方向に進退可能(スライド可能、横行可能)に支持された複数のスライドジブ21、22とを備えている。なお、本実施形態では、複数のスライドジブ21、22が中間スライドジブ21と先端スライドジブ22の2つのスライドジブであるものとして説明を行う。
【0025】
固定ジブ20は、鉄骨を組み付けてトラス構造として、且つ内部を中空状にして形成されている。また、
図2、
図4に示すように、本実施形態の固定ジブ20は、軸線O2方向後端部側が軸線O2に直交する縦断面視で略方形状に形成された方形枠部20aとされている。一方、方形枠部20aから先端部までの部分は、その下端部の軸線O2に直交する幅方向T1中央に、先端部から方形枠部まで達する連通部23が設けられ、縦断面視で略コ字状に形成された連通枠部20bとされている。
【0026】
中間スライドジブ21及び先端スライドジブ22は、
図1から
図3に示すように、固定ジブ20と同様、鉄骨を組み付けトラス構造として、且つ内部を中空状にして形成されている。また、先端スライドジブ22は、
図5に示すように、縦断面視で略方形状に形成されている。中間スライドジブ21は、
図2に示すように、軸線O2方向後端部側に方形枠部21aが設けられる一方、方形枠部21aから先端部までの部分が連通枠部21bとされ、
図4、
図5に示すように、先端部から後端部まで、その下端部の幅方向T1中央に連通部24が設けられて縦断面視で略コ字状に形成されている。
【0027】
また、中間スライドジブ21はその縦断面形状(断面積)が固定ジブ20よりも小さく、先端スライドジブ22はその縦断面形状(断面積)が中間スライドジブ21よりも小さく形成され、固定ジブ20の内部に中間スライドジブ21が、中間スライドジブ21の内部に先端スライドジブ22がそれぞれ軸線O2方向を同方向に向けつつ進退自在(出没自在)に挿通して設けられている。
【0028】
さらに、
図2に示すように、中間スライドジブ21と先端スライドジブ22はそれぞれ、その後端部が、側面視で上端部から下端部に向かうに従い漸次後端部から先端部側に傾斜して形成されている。すなわち、中間スライドジブ21と先端スライドジブ22は、後端部側の下方に、側面視で略直角三角形状の切欠き部25が設けられている。
【0029】
次に、固定ジブ20に対して中間スライドジブ21、先端スライドジブ22をそれぞれ軸線O2方向に進退/横行させるための進退駆動機構(中間ジブ用進退駆動機構26と先端ジブ用進退駆動機構27)について説明する。
【0030】
中間ジブ用進退駆動機構26は、
図2、
図4、
図5、
図6から
図8に示すように、縦断面視で方形枠状の固定ジブ20の内側にローラー面を配して設けられたローラー28、29と、中間スライドジブ21の外側に設けられたレール30、31と、中間ジブ用横行駆動装置32とを備えて構成されている。
【0031】
中間ジブ用進退駆動機構26のローラー28、29は、固定ジブ20の上部の後端部側と下部の先端部側の幅方向T1両側部側にそれぞれ設けられている。すなわち、中間ジブ用進退駆動機構26は、固定ジブ20の上部の後端部側に2つ、上部の後端部よりも先端部側の下部に2つ、計4つのローラー28、29を備えている。また、各ローラー28、29は、固定ジブ20の幅方向T1に回転軸を向けて取り付けられている。
【0032】
中間ジブ用進退駆動機構26のレール30、31は、
図4、
図5に示すように、中間スライドジブ21の先端部から後端部まで軸線O2方向に沿って延設され、中間スライドジブ21の上部外側の幅方向T1両側部側と、下部外側の幅方向T1両側部側とにそれぞれ延設されている。すなわち、中間ジブ用進退駆動機構26は、中間スライドジブ21の上部外側に2条、下部外側に2条、計4条のレール30、31を備えている。
【0033】
そして、中間スライドジブ21は、固定ジブ20の内部に互いの軸線O2方向を一致させつつ挿入するとともに、固定ジブ20の上部の後端部側の2つのローラー28と、中間スライドジブ21の上部外側の2条のレール30を係合させ、固定ジブ20の下部の先端部側の2つのローラー29と、中間スライドジブ21の下部外側の2条のレール31を係合させて、固定ジブ20に対して軸線O2方向に進退自在に設けられている。
【0034】
中間ジブ用横行駆動装置32は、
図6から
図8に示すように、電動モータなどの駆動手段33と、一対のスプロケット(固定ジブ側スプロケット、回転支持体)34と、ドライブチェーン(索体)35とを備えている。
【0035】
電動モータなどの駆動手段33は、スプロケットが取り付けられた回転駆動軸を幅方向T1に向けて固定ジブ20に固定して設けられている。
【0036】
一対のスプロケット34は、駆動手段33の回転駆動軸に対して後端部側と先端部側の直下近傍にそれぞれ設けられ、回転軸を幅方向T1に向けて固定ジブ20に軸支されている。
【0037】
ドライブチェーン35は、両端部をそれぞれ、尻手金物36で中間スライドジブ21の後端部側と先端部側の上端部に固定し、一対のスプロケット34と、駆動手段33の回転駆動軸に取り付けられたスプロケットとに噛合して巻き掛け、平面視で中間スライドジブ21の軸線O2方向に延設されている。
【0038】
また、本実施形態の中間ジブ用進退駆動機構26は、一対の中間ジブ用横行駆動装置32を備え、一対の中間ジブ用横行駆動装置32が水平ジブ10の幅方向T1両側部側にそれぞれ設けられている。
【0039】
先端ジブ用進退駆動機構27は、
図2、
図4、
図5、
図9から
図11に示すように、縦断面視で方形枠状の先端スライドジブ22の外側にローラー面を配して設けられたローラー40、41と、中間スライドジブ21の内部側に設けられたレール42、43と、先端ジブ用横行駆動装置44とを備えて構成されている。
【0040】
先端ジブ用進退駆動機構27のローラー40、41は、
図4、
図5に示すように、先端スライドジブ22の切欠き部25を形成する上部の後端部と下部の後端部との幅方向T1両側部側にそれぞれ設けられている。すなわち、先端ジブ用進退駆動機構27は、先端スライドジブ22の上部の後端部側に2つ、上部の後端部よりも先端部側の下部の後端部側に2つ、計4つのローラー40、41を備えている。また、各ローラー40、41は、先端スライドジブ22の幅方向T1に回転軸を向けて取り付けられている。
【0041】
先端ジブ用進退駆動機構27のレール42、43は、中間スライドジブ21の先端部から後端部まで軸線O2方向に沿って延設され、中間スライドジブ21の上部内側の幅方向T1両側部側と、下部内側の幅方向T1両側部側とにそれぞれ延設されている。すなわち、中間ジブ用進退駆動機構26は、中間スライドジブ21の上部内側に2条、下部内側に2条、計4条のレール42、43を備えている。
【0042】
そして、先端スライドジブ22は、中間スライドジブ21の内部に互いの軸線O2方向を一致させつつ挿入するとともに、先端スライドジブ22の上部の後端部側の2つのローラー40と、中間スライドジブ21の上部内側の2条のレール42を係合させ、先端スライドジブ22の下部の後端部側の2つのローラー41と、中間スライドジブ21の下部内側の2条のレール43を係合させて、中間スライドジブ21及び固定ジブ20に対して軸線O2方向に進退自在に設けられている。
【0043】
先端ジブ用横行駆動装置44は、
図9から
図11に示すように、電動モータなどの駆動手段45と、一対の固定ジブ側スプロケット(回転支持体)46と、一対の中間ジブ側スプロケット(回転支持体)47と、ドライブチェーン(索体)48とを備えている。
【0044】
電動モータなどの駆動手段45は、スプロケットが取り付けられた回転駆動軸を幅方向T1に向けて固定ジブ20に固定して設けられている。
【0045】
一対の固定ジブ側スプロケット46は、駆動手段45の回転駆動軸に対して後端部側と先端部側の直下近傍にそれぞれ設けられ、回転軸を幅方向T1に向けて固定ジブ20に軸支されている。
【0046】
一対の中間ジブ側スプロケット47は、中間スライドジブ21の上部の後端部側と先端部側にそれぞれ、回転軸を幅方向T1に向けて中間スライドジブ21に軸支されている。
【0047】
ドライブチェーン48は、両端部をそれぞれ、尻手金物49で先端スライドジブ22の後端部側の上部に固定し、一対の固定ジブ側スプロケット46と、一対の中間ジブ側スプロケット47と、駆動手段45の回転駆動軸に取り付けられたスプロケットとに噛合して巻き掛け、平面視で中間スライドジブ21、先端スライドジブ22の軸線O2方向に延設されている。
【0048】
また、本実施形態の先端ジブ用横行駆動装置44は、水平ジブ10の幅方向T1中央にドライブチェーン48を配して設けられている。すなわち、一対の中間ジブ用横行駆動装置32の一対のドライブチェーン35の間に先端ジブ用横行駆動装置44のドライブチェーン48が配されるようにして構成されている。
【0049】
固定支持フレーム11は、
図2に示すように、固定ジブ20の後端部を旋回フレーム7に接続固定して、水平ジブ10を支持するとともに、吊り荷からの水平荷重、鉛直荷重をマスト1に伝達させるためのものである。
【0050】
本実施形態の固定支持フレーム11は、一対の前方鉛直支持部材50と、一対の後方斜設支持部材51と、一対の前方斜設支持部材52とを備えて構成されている。
【0051】
一対の前方鉛直支持部材50はそれぞれ、その下端を、旋回フレーム7の水平ジブ10が配される側の先端部側の両側部にピン結合して鉛直方向上方に延設され、その上端を、接続板53を介して固定ジブ20の後端部の上部にピン結合して配設されている。
【0052】
一対の後方斜設支持部材51はそれぞれ、その下端を、旋回フレーム7の後端部側の両側部にそれぞれピン結合し、その上端を、接続板53を介して前方鉛直支持部材50の上端にピン接合する。前方鉛直支持部材50の上端は固定ジブ20の上部の後端部にピン結合して配設されている。
【0053】
一対の前方斜設支持部材52はそれぞれ、その下端を、旋回フレーム7の先端部にピン結合した固定ジブ20の下部の後端部よりも前方側の固定ジブ20の下端部にピン結合し、その上端を、接続板53を介して固定ジブ20の上部の後端部、前方鉛直支持部材50の上端、及び後方斜設支持部材51の上端にピン結合して配設されている。
【0054】
張出フレーム12は、
図2及び
図3に示すように、平面視略矩形状に形成され、先端部を旋回フレーム7に固定し、旋回フレーム7を間に水平ジブ10の反対側に延出して設けられている。また、張出フレーム12の上面は板材などを取り付けて平面状に形成され、旋回フレーム7の開閉式歩道の上面と略面一とされている。
【0055】
巻上装置16は、張出フレーム12の後端部側の上面に設置されている。巻上装置16から繰り出されたワイヤー14は、固定支持フレーム11、固定ジブ20、中間スライドジブ21、先端スライドジブ22の内部を挿通し、水平に延設されている。ワイヤー14は先端スライドジブ22の先端部に取り付けられたシーブ13に巻き掛けられ、吊りフック15に接続されている。
【0056】
また、本実施形態においては、
図2に示すように、張出フレーム12及び巻上装置16を支持するカウンター斜設支持部材55が設けられている。
【0057】
カウンター斜設支持部材55は、その上端を、接続板53を介して固定ジブ20の後端の上端、前方鉛直支持部材50の上端、後方斜設支持部材51の上端、前方斜設支持部材52の上端にピン結合し、その下端を、張出フレーム12の後端部側にピン結合して配設されている。
【0058】
そして、上記のように構成した本実施形態の水平ジブクレーンAにおいては、
図8、
図11、
図2、
図12から
図14に示すように、中間ジブ用横行駆動装置32の駆動手段33を正逆回転駆動させると、ドライブチェーン35が正逆回転に合わせて前後に従動(正逆回動)し、中間スライドジブ21を固定ジブ20に対して前後に進退(横行、スライド)移動させることができる。
【0059】
先端ジブ用横行駆動装置44の駆動手段45を正逆回転駆動させると、ドライブチェーン48が正逆回転に合わせて前後に従動(正逆回動)し、先端スライドジブ22を固定ジブ20、さらには中間スライドジブ21に対して前後に進退(横行、スライド)移動させることができる。
【0060】
これにより、水平ジブ10を適宜伸縮させてその長さを変えることが可能になる。また、このとき、駆動機構として、従来のラックピニオンやシリンダではなく、ドライブチェーン35、48とスプロケット34、46、47を用いていることにより、固定ジブ20、中間スライドジブ21、先端スライドジブ22のたわみによって噛合がずれたり、進退移動により軸ぶれするなどがあっても、従来と比較し、円滑な横行移動を実現することが可能になる。
【0061】
さらに、本実施形態では、駆動手段33、45の回転駆動軸の直下近傍(回転駆動軸の下方で軸線O2方向の前後近傍)に一対のスプロケット34、46を設けることにより、これらスプロケット34、46から駆動手段33、45の回転駆動軸に巻き掛けられる部分のドライブチェーン35、48がスプロケット34、46、47から外れることなく、確実に動力を伝えることができる。この点からも信頼性の高い円滑な横行移動を実現することが可能になる。
【0062】
なお、ドライブチェーン35、48とスプロケット34、46、47に替えてワイヤー(索体)とプーリー(回転支持体)を用いても同様の作用効果を得ることが可能である。また、一対のスプロケット34、46は、駆動手段33、45の回転駆動軸の直上近傍(回転駆動軸の上方で軸線O2方向の前後近傍)に設けてもよく、この場合においても上記と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0063】
また、本実施形態の水平ジブクレーンAにおいては、
図2、
図12から
図14に示すように、中間ジブ用横行駆動装置32を駆動して中間スライドジブ21を後端部が巻上装置16に干渉する直前まで中間スライドジブ21を後退させることができる。これとともに、固定ジブ20の連通枠部20bと中間スライドジブ21の連通枠部21bとが連通部23、24を備えて縦断面略コ字状に形成されているため、先端スライドジブ22の先端部のシーブ13から垂下したワイヤー14及び吊りフック15が中間スライドジブ21の連通部24、固定ジブ20の連通枠部20bの連通部23を通ることで固定ジブ20や中間スライドジブ21に干渉しない。これにより、先端スライドジブ22の先端部が固定ジブ20の連通枠部20bの後端部に位置するまで、先端スライドジブ22を大きく後退させることができる。
【0064】
よって、本実施形態の水平ジブクレーンAは、
図1に示すように、水平ジブ10を最伸長させた位置(最大作業半径)から先端スライドジブ22を最も後退させた最縮長させた位置(最小作業半径)までの作業範囲を非常に大きくとることが可能になる。
【0065】
さらに、中間スライドジブ21と先端スライドジブ22の最後退位置は、巻上装置16に干渉しない位置までという制約を受ける。これに対し、本実施形態の水平ジブクレーンAにおいては、中間スライドジブ21と先端スライドジブ22の後端部側に側面視で略直角三角形の切欠き部25が設けられている。これにより、
図13、
図14に示すように、切り欠き部25が巻上装置16に対する逃げ部となり、後端部の上部が巻上装置16の上方に配されても巻上装置16に干渉することがなく、中間スライドジブ21、先端スライドジブ22の最後退位置をさらに後方にすることができる。よって、固定ジブ20の連通枠部20bの長さを大きくとり、さらなる作業範囲の拡大を図ることが可能になる。
【0066】
一方、上記のように固定ジブ20の連通枠部20bと中間スライドジブ21の連通枠部21bがその下面の中央部に軸線O2方向に沿って延びる連通部23、24を備えて縦断面略コ字状に形成されている場合には、吊りフック15で荷を吊り上げた場合などに、作用する荷重によって連通部23、24の幅が拡大するように固定ジブ20の連通枠部20bや中間スライドジブ21にたわみ変形が発生するおそれがある。
【0067】
これに対し、本実施形態においては、例えば
図15、
図16(a)、
図16(b)、
図16(c)に示すように、まず、固定ジブ20や先端スライドジブ22に、中間スライドジブ21に設けられたレール30、31、42、43に対して幅方向T1に所定の間隔をあけた状態でストッパー(サイドシュー)37が第一の安全機構として具備されている。そして、本実施形態では、固定ジブ20や中間スライドジブ21に荷重が作用して連通部23、24の幅が拡大するように開き変形し、レールスパンが変わっても、第一の安全機構のストッパー37がレール30、31、42、43に当ることで、その影響を受けず、レール30、31、42、43からローラー28、29、40、41が脱輪(脱落)することを防止できる。
【0068】
これに加え、
図16、
図17に示すように、一部のローラー28、29、40、41(28b、29b、40b、41b)には、レール30、31、42、43が当接する当接面56の両側に、径方向外側に突出し、ローラー28、29、40、41の軸中心の周方向に延びて環状に繋がる一対のフランジ57が第二の安全機構として具備されている。第二の安全機構を備えることで、固定ジブ20や中間スライドジブ21に荷重が作用して連通部23、24の幅が拡大するように固定ジブ20や中間スライドジブ21が開き変形した際に、レール30、31、42、43がローラー28、29、40、41(28b、29b、40b、41b)のフランジ57に当り、レール30、31、42、43からローラー28、29、40、41が脱輪することを防止できる。
【0069】
ここで、本実施形態では、固定ジブ20や中間スライドジブ21が開き変形した際に、第二の安全機構のローラー28、29、40、41のフランジ57よりも先に、レール30、31、42、43が第一の安全機構のストッパー37に当るように構成されている。これにより、万一、第一の安全機構のストッパー37による脱輪防止機能が十分に働かない場合であっても第二の安全機構のローラー28、29、40、41のフランジ57で脱輪を防止できる。よって、ダブルの安全性能を付与し、より確実に脱輪の発生を防止することが可能になる。また、フランジ57を備えたローラー28、29、40、41(28b、29b、40b、41b)は、幅方向T1に幅広にすることでレール30、31、42、43はより脱輪(脱落)しにくくなる。
【0070】
また、ローラー28、29、40、41は、
図17に示すように、軸中心の径方向外側を向くレールが当接する当接面(ローラー面)56が、断面視で回転軸中心の径方向外側に凸の円弧状(凸円弧面状)に形成されている。これにより、固定ジブ20や中間スライドジブ21が開き変形し、レール30、31、42、43の当接面が傾斜して角度が変わった場合であっても、確実且つ好適にレール30、31、42、43の当接面をローラー28、29、40、41の当接面(ローラー面)に当接させることが可能になり、吊り荷重の変化に対し、常時、中間スライドジブ21や先端スライドジブ22の進退/横行移動を円滑で好適に行うことが可能になる。
【0071】
さらに、本実施形態では、
図2、
図15、
図16に示すように、中間ジブ用進退駆動機構26のローラー28、29として、ローラー支持アームと、ローラー支持アームの両端側にそれぞれ同方向に回転軸を配して回転自在に支持された左右一対のローラー(28、29)とを備えたロッカー式(スイング式、シーソー式)のローラー装置38を用いている。ロッカー式のローラー装置38は、ローラー支持アームの左右一対のローラー(28、29)の間の中央に設けられ、ローラー(28、29)と同方向に延びる回転軸を固定ジブ20に軸支させ、固定ジブ20の幅方向T1に延びる軸線周りに回動自在に取り付けられる。
【0072】
ロッカー式のローラー装置38を用いると、固定ジブ20と中間スライドジブ21の相対変位にローラー装置38が回転して従動するため、ローラー28、29のローラー面を常時好適にレール30、31に当接させることができ、円滑で好適な進退/横行移動が可能になる。さらに、ロッカー式のローラー装置38を用いると、ローラー(28、29)の径を小さくすることができ、水平ジブ10の高さを小さく抑えることが可能になる。なお、先端ジブ用進退駆動機構27のローラー40、41として、ロッカー式のローラー装置38を用いても勿論構わない。そして、この場合においても同様の作用効果を得ることが可能である。
【0073】
また、本実施形態の水平ジブクレーンAにおいては、張出フレーム12及び巻上装置16を支持するカウンター斜設支持部材55が設けられている。これにより、張出フレーム12及び巻上装置16がカウンター斜設支持部材55で支持されるとともに、カウンター斜設支持部材55が固定支持フレーム11を介して、固定支持フレーム11にピン結合した水平ジブ10と繋がる。このため、張出フレーム12及び巻上装置16をカウンターウェイトとして機能させることが可能になる。
【0074】
これにより、本実施形態の水平ジブクレーンAにおいては、従来のようにカウンターウェイトを別途設ける必要がない(あるいは重量が小さいカウンターウェイトで対応することが可能になる)。
【0075】
さらに、中間スライドジブ21、先端スライドジブ22をそれぞれ進退駆動させるための駆動手段33、45(横行駆動装置32、44)が固定ジブ20にまとめて取り付けられている。これにより、取扱性、メンテナンス性に優れた水平ジブクレーンAを実現することができる。
【0076】
さらに、固定支持フレーム11が前方鉛直支持部材50、後方斜設支持部材51、前方斜設支持部材52とを備えて構成され、且つ、前方鉛直支持部材50、後方斜設支持部材51、前方斜設支持部材52、カウンター斜設支持部材55、固定ジブ20がピン結合されている。これにより、各部材50、51、52を容易に分解することができ、運搬、設置場所での組立を容易に行うことが可能になる。また、後方斜設支持部材51によって固定ジブ20を後方から支持するように構成されていることにより、固定支持フレーム11の高さを従来よりも大幅に小さく抑えることが可能になる。
【0077】
よって、本実施形態の水平ジブクレーンAによれば、円滑に横行移動させることが可能で、且つ高さを極力小さく抑えることが可能な水平ジブ10を備えた揚重装置を実現することが可能になる。
【0078】
ここで、本実施形態の水平ジブクレーンAには、
図18、
図19に示すように、旋回装置3、駆動手段33、45、巻上装置16等に給電を行うためのスリップリング58が設けられている。
【0079】
一般に、スリップリング58は、旋回フレーム7の直上に配置されている。しかしながら、本実施形態の水平ジブクレーンAにおいては、中間スライドジブ21、先端スライドジブ22の各ジブが水平方向に進退/横行するため、旋回フレーム7の直上にスリップリング58を配置すると、水平ジブ10と干渉してしまう。
【0080】
このため、本実施形態では、マスト頂部の上方で開閉式歩道の下方(旋回フレーム7の内部)にスリップリング58が配設されている。また、上端部を旋回フレーム7に接続し、下方に垂設された吊り下げ支持フレーム60の下端部に取り付けられた載置台にスリップリング58を載置し、スリップリング58を吊り下げ支持するように構成されている。
【0081】
これにより、水平ジブ10や巻上装置16から繰り出されたワイヤー14にスリップリング58が干渉することがなく、好適に水平ジブクレーンAを構成、駆動操作することが可能になる。
【0082】
一方、このように構成した場合には、タワークレーンのマスト1を継ぎ足す際などに、スリップリング58を開閉式歩道の貫通孔と上下方向に重ならない位置までを退避移動させる必要がある。
【0083】
これに対し、本実施形態では、旋回フレーム7の上端部に横方向に延びるレール7aが設けられている。なお、本実施形態では、このレール7aとして旋回フレーム7の構成部材を兼用している。また、
図20に示すように、吊り下げ支持フレーム60の上端部に、上下一対のローラー61を設けておく。そして、上方のローラー61と下方のローラー61の間にレール7aを挟み込むようにして吊り下げ支持フレーム60を吊り下げ設置し、載置台にスリップリング58を載置固定する。
【0084】
このよう構成することにより、
図18、
図19に示すように、吊り下げ支持フレーム60を作業者が押し引きすると、レール7aに当接した上下一対のローラー61が回転し、小さな力で容易に吊り下げ支持フレーム60ひいてはスリップリング58をレール7aに沿って横方向に移動することができる。
【0085】
これにより、旋回フレーム7の内部にスリップリング58を配置した場合であっても、マスト1を継ぎ足す際などに吊り下げ支持フレーム60を作業者が押して、容易に且つ安全にマスト1の直上から大重量のスリップリング58を退避させることができる。また、吊り下げ支持フレーム60を作業者が引いて、容易にマスト1の直上の所定位置に戻すこともできる。
【0086】
さらに、例えば、マスト1の直上の所定位置やスリップリング58の退避位置の旋回フレーム7などにピン挿通孔62を予め設けておく。また、吊り下げ支持フレーム60の所定位置にもピン挿通孔62を設けておく。そして、マスト1の直上の所定位置やスリップリング58の所定の退避位置に配置された状態で、作業者が旋回フレーム7と吊り下げ支持フレーム60に設けられ、互いに連通したピン挿通孔62にピンを差し込むことで、これら所定位置に配置されたスリップリング58を固定することができる。
【0087】
また、本実施形態では、吊り下げ支持フレーム60の上端部に、一対のローラー61とともに、一対の突起部63が、一対の突起部63の設置点を結ぶ直線の中点と、一対のローラー61の設置点を結ぶ直線の中点が重なるように設けられている。これにより、スリップリング58を吊り下げる際は、自ずと、ローラー61がレール7aに係合し、レール7aを把持することができる。これとともに、スリップリング58に上向き荷重及び水平荷重が作用した際に、吊り下げ支持フレーム60が浮き上がり反転しないように突起部63で係止する(ストッパをかける)ことが可能になる。さらに、スリップリング退避時に過剰な力がかかった際にも突起部63で係止する(ストッパをかける)ことができる。これにより、操作性を大幅に向上させることが可能になる。
【0088】
以上、本発明に係る水平ジブクレーンの一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 マスト
2 マスト本体
3 旋回装置
4 昇降装置
5 上部支持部
6 下部支持部
7 旋回フレーム(旋回架構)
7a レール
8 運転室
10 水平ジブ
11 固定支持フレーム
12 張出フレーム
13 シーブ
14 ワイヤー
15 吊りフック
16 巻上装置
20 固定ジブ
20a 方形枠部
20b 連通枠部
21 中間スライドジブ(スライドジブ)
21a 方形枠部
21b 連通枠部
22 先端スライドジブ(スライドジブ)
23 連通部
24 連通部
25 切り欠き部
26 中間ジブ用進退駆動機構(進退駆動機構)
27 先端ジブ用進退駆動機構(進退駆動機構)
28 ローラー
29 ローラー
30 レール
31 レール
32 中間ジブ用横行駆動装置(横行駆動装置)
33 駆動手段
34 スプロケット(回転支持体)
35 ドライブチェーン(索体)
36 尻手金物
37 ストッパー
38 ロッカー式のローラー装置
40 ローラー
41 ローラー
42 レール
43 レール
44 先端ジブ用横行駆動装置(横行駆動装置)
45 駆動手段
46 固定ジブ側スプロケット(回転支持体)
47 中間ジブ側スプロケット(回転支持体)
48 ドライブチェーン(索体)
49 尻手金物
50 前方鉛直支持部材
51 後方斜設支持部材
52 前方斜設支持部材
53 接続板
55 カウンター斜設支持部材
56 ローラーの当接面
57 ローラーのフランジ
60 吊り下げ支持フレーム
61 ローラー
62 ピン挿通孔
63 突起部
A 水平ジブクレーン(水平ジブを備えた揚重装置)
O1 軸線
O2 軸線