(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】シュリンクラベル
(51)【国際特許分類】
G09F 3/04 20060101AFI20220317BHJP
G09F 3/02 20060101ALI20220317BHJP
B65D 23/08 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
G09F3/04 C
G09F3/02 E
B65D23/08 Z
(21)【出願番号】P 2018039228
(22)【出願日】2018-03-06
【審査請求日】2020-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000202154
【氏名又は名称】相互印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】藤井 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】森本 泰介
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-208488(JP,A)
【文献】特開2011-215396(JP,A)
【文献】特開平09-330030(JP,A)
【文献】特開2014-131917(JP,A)
【文献】特開2007-125860(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0037875(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0087144(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00 - 3/20
B65D 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱により収縮するフィルム体と、
前記フィルム体の一方の主面に形成される画像と、
前記フィルム体の他方の主面に形成され
る凹凸模様であって、
無色透明又は有色透明であり、UV硬化インクを含む液体材料の硬化物から形成される凸部
と、前記他方の主面における前記凸部を形成すべき領域以外の領域に撥液剤を含む無色透明又は有色透明の撥液塗料から形成され、前記液体材料を撥液する撥液層とを含む凹凸模様
とを備える、シュリンクラベル。
【請求項2】
前記凹凸模様は、複数のグループに区分して形成され、前記複数のグループのそれぞれに対し異なる前記凸部の形状が設定され、前記複数のグループは形状が同じである複数の前記凸部をそれぞれ含む請求項1記載のシュリンクラベル。
【請求項3】
前記凹凸模様の高低差は、1~50μmである請求項1又は請求項2に記載のシュリンクラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水、洗剤などの包装容器に装着されるシュリンクラベルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装容器に装着されるシュリンクラベルとして、特許文献1には、シュリンクラベルのデザイン性を高めるように、画像が形成されたシュリンクラベルが記載されている。特許文献1に記載のシュリンクラベルにおいては、機能層が更に表面に形成されている。機能層は、反射防止機能及び光散乱機能を有する。機能層がシュリンクラベルの表面における光の反射を抑えることによって、画像の視認性が向上され、シュリンクラベルのデザイン性が向上される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシュリンクラベルにおいては、機能層は、シュリンクラベルの表面における光の反射を抑えるだけであり、画像独自のデザイン性に新たなデザイン性を付加するものではない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像独自のデザイン性に新たなデザイン性を付加することによって、画像を有するシュリンクラベルのデザイン性を向上させることができるシュリンクラベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示するシュリンクラベルは、加熱により収縮するフィルム体と、前記フィルム体の一方の主面に形成される画像と、前記フィルム体の他方の主面に形成される凹凸模様とを備える。前記凹凸模様は、凸部と撥液層とを含む。前記凸部は、無色透明又は有色透明であり、UV硬化インクを含む液体材料の硬化物から形成される。前記撥液層は、前記他方の主面における前記凸部を形成すべき領域以外の領域に撥液剤を含む無色透明又は有色透明の撥液塗料から形成され、前記液体材料を撥液する。なお、本発明において、「凹凸模様」とは、形状が認識可能である凸部を含む模様をいう。形状が認識できない程度の微細な凸部のみを含む模様は、本発明における「凹凸模様」には含まれない。また、個別に存在を知覚できない程度の微細な凸部は、本発明における「凸部」には含まれない。
【0007】
本願に開示するシュリンクラベルにおいて、前記凹凸模様は、複数のグループに区分して形成され、前記複数のグループのそれぞれに対し異なる前記凸部の形状が設定され、前記複数のグループは形状が同じである複数の前記凸部をそれぞれ含む。
【0008】
また、本願に開示するシュリンクラベルにおいて、前記凹凸模様の高低差は、1~50μmである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシュリンクラベルによれば、画像が、フィルム体の一方の主面に形成され、凹凸模様が、フィルム体の他方の主面に形成される。従って、画像と凹凸模様とがフィルム体を透かして視認可能となり、画像独自のデザイン性に凹凸模様に由来するデザイン性を付加することができ、両者の相乗効果によって、画像を有するシュリンクラベルのデザイン性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るシュリンクラベルを示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るシュリンクラベルを示す断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る他方の主面を示す部分拡大図である。
【
図4】本発明の他の実施形態に係るシュリンクラベルを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るシュリンクラベルを図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0012】
〈実施形態〉
以下、
図1~
図3を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るシュリンクラベルを示す斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係るシュリンクラベルを示す断面図である。
【0013】
図1、
図2に示すように、実施形態に係るシュリンクラベルは、加熱により収縮するフィルム体1と、画像2と、凹凸模様3とを備える。画像2は、フィルム体1の第1主面1aに形成される。実施形態における第1主面1aが請求の範囲における一方の主面に対応している。凹凸模様3は、フィルム体1の第2主面1bに形成される。実施形態における第2主面1bが請求の範囲における他方の主面に対応している。また、凹凸模様3は、凸部4を含む。凸部4は、液体材料の硬化物から形成される。
【0014】
フィルム体1は、無色透明又は有色透明であり、可撓性を有する樹脂シートから形成される。樹脂シートは、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、及びポリオレフィンから選択される少なくとも1種を含む。フィルム体1の厚みは、5~100μm(マイクロ・メートル)であることが好ましく、6~80μmであることがより好ましく、12~50μmであることが更に好ましい。
【0015】
また、フィルム体1は、
図1に示すように、長方形状であり、長辺方向X1の一端部に方形状の糊代部1cを有する。糊代部1cにおける長辺方向X1の長さは、特に限定されないが、2~15mmである。糊代部1cは、フィルム体1における長辺方向X1の他端部に重ね合わされ、当該他端部と接合される。糊代部1cと当該他端部とが接合されることによって、シュリンクラベルは円筒状になる。より具体的には、糊代部1cにおける第2主面1bが、上記他端部における第1主面1aに接合される。糊代部1cと上記他端部との接合方法には、糊代部1cにおける第2主面1bに溶剤を塗布し、糊代部1cを溶融し、糊代部1cを上記他端部に押圧することによって、糊代部1cを上記他端部に接着する溶剤シール方法がある。また、糊代部1cにおける第2主面1bに接着剤を塗布し、糊代部1cを上記他端部に接着する接着シール方法がある。また、糊代部1cにおける第2主面1bを溶融させ、糊代部1cを上記他端部に融着する溶着シール方法がある。
【0016】
また、シュリンクラベルを飲料水のペットボトルなどの包装容器に装着する際には、包装容器の胴部を包むようにシュリンクラベルを円筒状にし、加熱する。シュリンクラベルの加熱によって、フィルム体1が収縮し、第1主面1aが包装容器の外側面に圧接し、シュリンクラベルが包装容器に装着される。なお、包装容器に装着されたシュリンクラベルが位置ずれしないように、接着剤によって、シュリンクラベルを包装容器に固定することができる。接着剤によって、シュリンクラベルを包装容器に固定するとき、加熱前に、フィルム体1の第1主面1aに接着剤を塗布する。そして、加熱により接着剤が軟化し、シュリンクラベルが包装容器に位置ずれしないように固定される。
【0017】
また、
図1に示すように、フィルム体1は、糊代部1cを除く部分において、短辺方向X2の両端部に一対の余白部1dを有する。一対の余白部1dはそれぞれ方形状である。そして、フィルム体1のうち糊代部1c及び一対の余白部1dを除く部分が、デザイン部11である。デザイン部11は、方形状であり、画像2及び凹凸模様3はデザイン部11に形成される。
【0018】
画像2は、
図1、
図2に示すように、フィルム体1の第1主面1aに形成される。画像2は、模様、図柄、絵柄、文字、及び記号の少なくとも1つを示す。第1主面1aは、実施形態においては、シュリンクラベルの内側面であり、シュリンクラベルがペットボトルなどの包装容器に装着されているときに包装容器に接する側の面である。
【0019】
また、実施形態においては、画像2は、インク又は塗料を第1主面1aに塗工することによって形成される。インク又は塗料の塗工は、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷方法によって行われる。インク又は塗料としては、フィルム体1に対する接着性が良好であり、フィルム体1から剥離しにくいインク又は塗料が使用される。具体的には、インク又は塗料は、バインダと、顔料、染料、金属顔料、無機顔料、及び透明顔料から選択される少なくとも1種と、添加剤とを含む。バインダは樹脂を含み、樹脂は、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、繊維素系樹脂、エポキシ、及びポリウレタンから選択される少なくとも1種を含む。
【0020】
画像2は、実施形態においては、濃色部2aと、薄色部2bとを含む。濃色部2aには、比較的に濃い色合いのインク又は塗料か、金属顔料又は無機顔料を含むインク又は塗料が塗工される。なお、金属顔料又は無機顔料を含むインク又は塗料を濃色部2aに塗工すると、濃色部2aとして、隠蔽性が高い隠蔽部を形成することができる。また、濃色部2aとして、金属色部を形成することもできる。金属色部は、金属、金属酸化物、金属フッ化物、金属ハロゲン化物、金属窒化物、金属硫化物などの金属含有材料を使用して形成される。金属色部は、真空蒸着、スパッタリング、又はイオンプレーティングによって、形成することができる。一方、薄色部2bには、比較的に薄い色合いのインク又は塗料か、又は透明顔料を含むインク又は塗料が塗工される。
【0021】
凹凸模様3は、
図1、
図2に示すように、フィルム体1の第2主面1bに形成される。凹凸模様3は、凸部4を含み、凸部4は、液体材料Mの硬化物Hから形成される。液体材料Mは、例えばUV硬化インクである。また、液体材料Mの硬化物Hは、無色透明又は有色透明である。
【0022】
液体材料MとしてUV硬化インクを使用することによって、精細性が高い凹凸模様3を形成することができ、シュリンクラベルのデザイン性を更に向上させることができる。また、精細性が高い凹凸模様3の形成が容易であることから、後述の高低差L1の範囲が好適な範囲になるように凸部4を形成することが容易になる。また、UV硬化インクは、乾燥が早く、直ちに硬化できる。従って、凹凸模様3をフィルム体1に形成した後、フィルム体1を直ちに巻き取ることができる。
【0023】
また、凹凸模様3は、形状が認識可能である少なくとも1つの凸部4を含む。「形状が認識可能である」とは、通常の視力を有するユーザー(例えば、視力が1.0であるユーザー)が第2主面1bにおける法線方向に沿って50cmから1mの距離で凹凸模様3を見たときに、凸部4において、円形、四角形、三角形、星形、雲形などの外形をユーザーが認識可能であることをいう。また、凸部4は、個別に存在を知覚できる程度のサイズを有する。例えば、艶消しのためにフィルム表面に設けられる多数の微細な凸部などは、個別に存在を知覚できず、凸部4に該当しない。
【0024】
また、凹凸模様3は、複数のグループに区分して形成することができる。グループごとに凸部4の形状を設定し、形状が同じである多数の凸部4によって、グループごとに模様を描くように、凹凸模様3を形成する。そして、異なる形状の凸部4を含む各グループを隣接配置することによって、デザインに多様性を付与し、シュリンクラベルのデザイン性を更に向上させることができる。
【0025】
第2主面1bは、実施形態においては、シュリンクラベルの外側面であり、シュリンクラベルがペットボトルなどの包装容器に装着されているとき外部に露出する側の面である。第2主面1bがシュリンクラベルの外側面であることによって、ユーザーは凸部4を視認することが容易になる。また、ユーザーが凸部4を触覚によって認識することが容易になり、シュリンクラベルが装着された包装容器の手触り感を向上させることができる。更に、凹凸模様3を滑り止めとして機能させることができ、シュリンクラベルが装着された包装容器の把持を容易にすることができる。
【0026】
[凹凸模様3]
次に、
図2を参照して、凹凸模様3を更に詳細に説明する。
図2に示すように、凹凸模様3は、撥液層5を更に含む。撥液層5は、撥液剤を含む無色透明又は有色透明の撥液塗料Kを第2主面1bに塗工することによって形成される。撥液剤としては、シリコーン含有化合物、フッ素系化合物などを含む撥液剤が挙げられる。撥液層5の厚みは、0.5~1μmであることが好ましい。
【0027】
また、凹凸模様3の凸部4は、第2主面1bにおける法線方向において、画像2の濃色部2aと重なり合う位置に形成される。凸部4が濃色部2aと重なり合うことによって、濃色部2aを背景として無色透明又は有色透明である凸部4が視認しやすくなり、シュリンクラベルのデザイン性を更に向上させることができる。
【0028】
また、
図2に示すように、凹凸模様3の高低差L1は、1~50μmであることが好ましく、2~30μmであることがより好ましい。なお、高低差L1とは、凸部4の平均的な高さと、撥液層5の平均的な厚みとの差を示す。凸部4の平均的な高さとは、各凸部4の頂部と第2主面1bとの垂直距離を平均化したものである。高低差L1を1μm以上にすることによって、凸部4の形状が視認しやすくなり、シュリンクラベルのデザイン性を効果的に向上させることができる。一方、高低差L1を50μm以下にすることによって、凹凸模様3に触れたときのざらつき感が大きくなりすぎることを防止でき、シュリンクラベルの手触り感を向上させることができる。
【0029】
[凹凸模様3の形成方法]
次に、
図1から
図3を参照して、フィルム体1に凹凸模様3を形成する形成方法を詳細に説明する。本実施形態に係る凹凸模様3の形成方法は、第1工程から第3工程を含む。
図3は、本発明の実施形態に係る第2主面1bを示す部分拡大図である。
図3に示すように、フィルム体1のデザイン部11における第2主面1b上の全領域を第1領域11aとする。第1領域11aのうち、凸部4が形成される領域を第2領域11bとし、第2領域11bを除いた領域を第3領域11cとする。
【0030】
第1工程においては、第3領域11cに、撥液塗料Kが塗工され、撥液層5が形成される。撥液塗料Kの塗工は、例えばフレキソ印刷によって行われる。第3領域11cに撥液塗料Kを塗工する際の位置合わせは、例えば画像2に光電管マークを含ませることによって行うことができる。
【0031】
第2工程においては、第2領域11bに、UV硬化インクを含む液体材料Mが塗工される。液体材料Mの塗工は、第1領域11aに液体材料Mをベタ印刷することによって行われる。液体材料Mのベタ印刷は、フレキソ印刷によって行われる。第1領域11aに液体材料Mをベタ印刷すると、液体材料Mは、第3領域11cにおいては撥液層5によって撥液され、第2領域11bのみに塗工される。
【0032】
第3工程においては、第2領域11bに塗工された液体材料Mに紫外線が照射される。紫外線の照射によって、液体材料Mが硬化し、第2領域11bに、硬化物Hが形成され、凸部4が形成される。なお、液体材料Mの塗工と硬化は、所望の高低差L1を得るように、繰り返し行うことができる。
【0033】
以上、
図1から
図3を参照して、説明したように、本実施形態によれば、画像2が、フィルム体1の第1主面1aに形成され、凹凸模様3が、フィルム体1の第2主面1bに形成される。従って、フィルム体1を透かして画像2と凹凸模様3とが視認可能となり、画像2独自のデザイン性に凹凸模様3に由来するデザイン性を付加することができ、両者の相乗効果によって、画像2を有するシュリンクラベルのデザイン性を向上させることができる。
【0034】
また、
図1、
図3を参照して説明したように、本実施形態によれば、凹凸模様3は、撥液層5を更に含む。従って、フレキソ印刷のように、高速印刷が容易な印刷方法によって、凹凸模様3をフィルム体1に形成することができ、シュリンクラベルの大量生産を容易にすることができる。
【0035】
〈他の実施形態〉
以下、
図4を参照して、本発明の他の実施形態を説明する。
図4は、本発明の他の実施形態に係るシュリンクラベルを示す断面図である。本実施形態に係るシュリンクラベルは、上記した実施形態に係るシュリンクラベルと比較して、凹凸模様3Aが撥液層5を有していない点で相違する。以下、本実施形態が上記した実施形態と相違する点を主に説明し、上記した実施形態と重複する部分の説明は割愛する。
【0036】
本実施形態においては、凹凸模様3Aは、凸部4と、平面部5Aとから形成される。平面部5Aは、デザイン部11の第2主面1bにおいて、凸部4が形成されていない部分である。また、凹凸模様3Aの高低差L2は、1~50μmであることが好ましく、2~30μmであることがより好ましい。なお、高低差L2とは、凸部4の平均的な高さを示す。高低差L2を1μm以上にすることによって、凸部4の形状が視認しやすくなり、シュリンクラベルのデザイン性を効果的に向上させることができる。一方、高低差L2を50μm以下にすることによって、凹凸模様3Aに触れたときのざらつき感が大きくなりすぎることを防止でき、シュリンクラベルの手触り感を向上させることができる。
【0037】
[凹凸模様3の形成方法]
次に、
図3及び
図4を参照して、本実施形態に係る凹凸模様3Aの形成方法を説明する。本実施形態に係る凹凸模様3Aの形成方法は、第4工程及び第5工程を含む。
【0038】
第4工程においては、
図3に示す第2領域11bにインクジェット印刷によって、UV硬化インクを含む液体材料Mが塗工される。液体材料Mを第2領域11bに塗工する際の位置合わせは、例えば画像2に光電管マークを含ませることによって行うことができる。第5工程においては、第2領域11bに塗工された液体材料Mに紫外線が照射され、液体材料Mが硬化し、第2領域11bに、液体材料Mの硬化物Hが形成され、凸部4が形成される。なお、液体材料Mの塗工と硬化は、所望の高低差L2を得るように、繰り返し行うことができる。
【0039】
以上、
図3及び
図4を参照して説明したように、本実施形態によれば、凹凸模様3Aは撥液層5を含まず、インクジェット印刷によって液体材料Mが第2領域11bに塗工され、凹凸模様3Aが第2主面1bに形成される。従って、第2主面1bに撥液層5を形成する工程が省略でき、シュリンクラベルの製造工程における工数を低減できる。
【0040】
以上、図面(
図1~
図4)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(2))。
【0041】
(1)
図1~
図4を参照して説明したように、上記実施形態では、凹凸模様3の凸部4が、第2主面1bにおける法線方向において、画像2と重なり合う位置に形成されるが、デザイン部11内の領域であれば、凸部4は画像2と重なり合わない位置に形成されてもよい。
【0042】
(2)
図1を参照して説明したように、上記実施形態では、フィルム体1は、短辺方向X2の両端部に一対の余白部1dを有するが、フィルム体1は、短辺方向X2の一端部にだけ余白部1dを有していてもよく、余白部1dを有していなくてもよい。また、フィルム体1は、円筒状にするための接合に支障がなければ、糊代部を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0043】
L1、L2…高低差
1…フィルム体
1a…第1主面(一方の主面)
1b…第2主面(他方の主面)
2…画像
3、3A…凹凸模様
4…凸部
5…撥液層