(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】飲料または食品カートリッジ用のカートリッジ受入れ部品
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
B67D3/00 J
(21)【出願番号】P 2019047926
(22)【出願日】2019-03-15
(62)【分割の表示】P 2018554629の分割
【原出願日】2017-01-12
【審査請求日】2019-12-25
(31)【優先権主張番号】102016200254.6
(32)【優先日】2016-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016212012.3
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016212013.1
(32)【優先日】2016-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016218507.1
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016218509.8
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016218884.4
(32)【優先日】2016-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518245593
【氏名又は名称】フレーツィオ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】エムプル,ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ダニエル
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-533626(JP,A)
【文献】実開平02-079300(JP,U)
【文献】特開2014-076814(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009052513(DE,A1)
【文献】登録実用新案第3164948(JP,U)
【文献】特開平05-270592(JP,A)
【文献】特表2008-516862(JP,A)
【文献】特開2006-027661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 3/00
B67D 1/04
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
希釈液と飲料基体または食品基体とが混合される混合チャンバ(13)と、前記混合チャンバ(13)内を横方向に流す希釈液の流入部分(15)と、前記混合チャンバ(13)で混合された飲料または食品を流出させる流出部分(11)とを有して、前記飲料基体または食品基体を密封したカートリッジ(1)に接続するカートリッジ受入れ部品(10)であって、
前記希釈液の横方向の流れに関して前記混合チャンバ(13)内の流れ断面が最初に拡張され後に再び縮小されるように、前記流入部分(15)と前記流出部分(11)とが、前記カートリッジ受入れ部品(10)に設けた前記混合チャンバ(13)の横方向周囲の両端に配置され、
前記流出部分(11)が、前記混合チャンバ(13)の横方向周囲から突出する突出部(23)内に設けられていることを特徴とするカートリッジ受入れ部品(10)。
【請求項2】
前記混合チャンバ(13)内に少なくとも1つの混合要素(28)が、設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のカートリッジ受入れ部品(10)。
【請求項3】
前記カートリッジ(1)を密封する膜(14)に穴を開ける穿刺手段(16)を有していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカートリッジ受入れ部品(10)。
【請求項4】
前記カートリッジ受入れ部品(10)が、スパイク案内部分(32)を有し、
前記穿刺手段(16)が、前記スパイク案内部分(32)内に変位可能に取り付けられ、
前記穿刺手段(16)が、前記膜(14)から離れた後退位置と前記穿刺手段(16)が前記膜(14)を穿刺して前記カートリッジ(1)の中に突出する伸長位置との間で変位可能であることを特徴とする、請求項3に記載のカートリッジ受入れ部品(10)。
【請求項5】
前記膜(14)が前記穿刺手段(16)によって穿刺されると、前記飲料基体または食品基体を前記混合チャンバ(13)の方向に送る横方向の流出チャネル(17)が、前記穿刺手段(16)の外壁に導入されていることを特徴とする、請求項4に記載のカートリッジ受入れ部品(10)。
【請求項6】
圧縮空気ライン(34)が、前記穿刺手段(16)に一体化され、
圧縮空気源に接続する前記圧縮空気ライン(34)の圧縮空気接続部が、前記カートリッジ(1)から離れた前記穿刺手段(16)の側に形成され、
前記圧縮空気接続部が、前記カートリッジ受入れ部品(10)の外側からアクセス可能であり、
前記カートリッジ(1)に圧縮空気を吹き込む前記圧縮空気ライン(34)の圧縮空気出口が、前記カートリッジ(1)に面する前記穿刺手段(16)の側に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のカートリッジ受入れ部品(10)。
【請求項7】
前記穿刺手段(16)が、前記流入部分(15)および前記流出部分(11)と整列された態様で設けられていることを特徴とする、請求項3~請求項6のいずれか一項に記載のカートリッジ受入れ部品(10)。
【請求項8】
前記カートリッジ(1)が提供される請求項3~請求項7のいずれか一項に記載のカートリッジ受入れ部品(10)を有するシステムであって、
前記カートリッジ(1)が壁領域(6)を有し、その一方の端部が、前記膜(14)によって閉鎖される接続領域(4)によって隣接され、その反対側の端部に任意選択的に底部領域(7)が設けられ、
前記壁領域(6)および前記底部領域(7)が、飲料基体または食品基体を収容するキャビティを画成するシステム。
【請求項9】
前記接続領域(4)が、位置決め手段または被覆手段(8)が設けられたフランジ(5)を有していることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記位置決め手段または被覆手段(8)が、窪みまたは前記フランジ(5)の周囲から突出する突出部(8)であることを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記壁領域(6)と前記接続領域(4)との間に首部(3)が、設けられていることを特徴とする、請求項8~請求項10のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希釈液、特に、水の流入部分、希釈液と飲料基体または食品基体とが混合される混合チャンバ、ならびに、流出部分を有するカートリッジ受入れ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなカートリッジ受入れ部品は、例えば、欧州特許出願公開第2017221A1号明細書および国際公開第2006/005401A2号明細書などの従来技術から知られており、例えば、カートリッジを用いて冷たい飲料を製造するために使用される。
良好な清潔さに加えて、カートリッジ受入れ部品の中で混合される飲料基体または食品基体と溶媒、特に、水との良好な混合が重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、これらの要件を満たすカートリッジ受入れ部品を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、希釈液、特に、水の流入部分、希釈液と飲料基体または食品基体とが混合される混合チャンバ、ならびに、流出部分を有するカートリッジ受入れ部品であって、希釈液の流れの方向に関して、流れ断面が最初に拡張され、次いで、再び、縮小されるカートリッジ受入れ部品によって達成される。
【0005】
本発明の主題は、本発明の他の主題に等しく当てはまり、逆もまた同様である。
【0006】
本発明は、可逆的または不可逆的にカートリッジを部分的に受け入れるカートリッジ受入れ部品に関する。
カートリッジは、飲料または食品製造前に飲料基体または食品基体が配置され、気密式に密封されるキャビティを有している。
飲料または食品を製造するために、カートリッジは、次に開封され、穿刺され、飲料基体または食品基体は、カートリッジ受入れ部品の混合チャンバに入りまたは流れ込み、カートリッジ受入れ部品は、溶媒、特に、水の流入部分も有し、溶媒、特に、水の流入部分は、出来上がった飲料または食品を製造するために飲料基体または食品基体と混合され、出来上がった飲料または食品は、カートリッジ受入れ部品に設けられた流出部分を介して混合チャンバから出る。
溶媒の体積流量は、飲料基体または食品基体の体積流量よりも一般にはるかに多い。
【0007】
本発明によれば、流れ断面、すなわち、液体の流れのために、特に、溶媒の流れまたは溶媒および飲料基体または食品基体の混合物のために取ることができる断面は、溶媒の流れの方向に関して、流速が最初に低減され、その後、再び加速されるように設けられている。
流れ断面の狭窄によって達成される加速は、溶媒および飲料基体または食品基体がブレンドされた後、可能な限り発生する。
【0008】
拡張された流れ断面の領域と、狭窄した流れ断面の領域との間の特定の移行部は、混合チャンバの壁の輪郭によって画定される。
このため、この壁は、湾曲したまたは段付きの、あるいは、角度の付いた輪郭を移行部領域に有し得る。
【0009】
本発明によれば、混合チャンバは、突出部を有する。
【0010】
本発明の主題は、本発明の他の主題に等しく当てはまり、逆もまた同様である。
【0011】
この突出部は、カートリッジ受入れ部品の2つの端部側の間に延在する周囲、特に、横方向周囲から突出する。
突出部は、混合チャンバの一部である。
混合チャンバの周囲は、円形の形状を有し、突出部は、この円形の形状から突出する。
出来上がった飲料または食品の流出部分は、突出部の中に設けられている。
【0012】
カートリッジ受入れ部品は、固定リングまたは固着リングを有している。
この固定リングまたは固着リングは、カートリッジを受け入れ、カートリッジは、カートリッジ受入れ部品に固定される。
固定リングまたは固着リングには、混合チャンバに所定の変形点または破断点が設けられる。
飲料または食品の製造前に、この点は、変形または破壊され、不可逆的に変形される。
これは、例えば、カートリッジおよびカートリッジ受入れ部品が互いに移動されることによって生じることができる。
変形または破壊の結果として、カートリッジ受入れ部品は、一度だけ使用でき、または、カートリッジ受入れ部品とカートリッジとの間の相互接続は、解除できない。
【0013】
少なくとも1つの混合要素が、混合チャンバに設けられ、混合要素は、溶媒または溶媒と飲料基体または食品基体の混合物が渦巻かせられることを保証する。
混合要素は、底部に突出部として設けられる。
混合要素は、溶媒中に溶解される炭酸が抜けないようにまたはわずかしか抜けないように設計される。
混合要素は、わずかな圧力低下だけを示すように設計される。
【0014】
カートリッジ受入れ部品は、膜に穴を開ける穿刺手段を有している。
この穿刺手段は、混合チャンバの底部から突出するスパイクとして設計される。
穿刺手段は、その外周に少なくとも1つの、好ましくは、複数の窪みまたは突出部を有し、これが飲料基体または食品基体の流出部分として働く。
窪みまたは突出部の量およびサイズは、飲料基体または食品基体の粘度に依存する。
穿刺手段は、先端部でまたは先端部の領域で終端するチャネルを有している。
飲料基体または食品基体の調製を加速するためにまたは計量するために、このチャネルを介して、ガス、特に、空気またはCO2をカートリッジに吹き込むことが可能である。
【0015】
カートリッジ受入れ部品は、スパイク案内部分を有し、穿刺手段は、スパイク案内部分内に変位可能に取り付けられ、穿刺手段は、膜から離れた後退位置と、カートリッジの膜を貫きカートリッジ内に突出する伸長位置との間で変位可能である。
膜が穿刺手段によって穿刺されると、飲料基体または食品基体を混合チャンバの方向に流すための少なくとも1つの横方向の流出チャネルが、穿刺手段の外壁に導入される。
さらに、圧縮空気ラインが、穿刺手段に一体化され、圧縮空気源に接続するための圧縮空気接続部が、カートリッジから離れた穿刺手段の側に形成され、前記圧縮空気接続部は、カートリッジ受入れ部品の外側からアクセス可能であり、圧縮空気をカートリッジに吹き込むための圧縮空気ラインの圧縮空気出口が、カートリッジに面する穿刺手段の側に形成されている。
【0016】
流入部分および流出部分は、カートリッジ受入れ部品の両端に設けられている。
穿刺手段は、流入部分および流出部分と整列された態様で設けられる。
【0017】
本発明によれば、出口は、移動可能な方法で、回動可能な方法で混合チャンバに設けられるか、または、出口を配向することができる、特に、出来上がった飲料または食品を受ける容器の側壁の方向に方向付けることができる手段を有している。
この実施形態は、泡立つ傾向のある飲料または食品の場合に有利である。
出口は、手動でまたはモータによって移動させることができる。
カートリッジが識別子を有する場合、ディスペンサがカートリッジを認識した後で自動的に回動が生じることができる。
【0018】
本発明は、カートリッジ受入れ部品、または、本発明によるカートリッジ受入れ部品を有するシステムであり、カートリッジ受入れ部品にカートリッジが提供され、このカートリッジは、壁領域を有し、その一方の端部は、膜によって閉鎖された接続領域に隣接され、その反対側の端部に任意選択的に底部領域が提供され、壁領域および底部領域は、飲料基体または食品基体を収容するキャビティを画成する。
【0019】
本発明は、本発明の他の主題に等しく当てはまり、逆もまた同様である。
【0020】
カートリッジは、プラスチックから成形または吹込み成形プロセスによって製造されている。
カートリッジは、例えば、円形、長方形、正方形、円錐形または楕円形の断面を有する側壁を有している。
底部は、側壁の一方の端部に一体部品として設けられている。
側壁および任意選択的に底部領域は、液体の形態の飲料基体または食品基体が提供されるキャビティを画成する。
壁領域の他方の端部に提供されるのは、接続領域であり、これによって、カートリッジは、カートリッジ受入れ部品に接続される。
このカートリッジ受入れ部品は、ディスペンサの一部またはディスペンサと別個の構成要素であることができる。
【0021】
接続領域は、フランジを有するように設けられる。
フランジは、接続領域から突出し、壁領域からある角度で、好ましくは直角に突き出る。
飲料または食品を製造するために、フランジは、水平に配向されている。
フランジは、固体材料から作られ、すなわち、中空に作製されない。
【0022】
さらに、フランジには、位置決め手段または被覆手段が設けられている。
位置決め手段は、カートリッジが特定の位置でのみ、特に特定の回転角度でカートリッジの長手方向中心軸に対して、ディスペンサ上にまたはカートリッジ受入れ部品上に配置されることを保証する。
被覆手段は、ある領域を、出来上がった飲料または食品が通り抜けて流出する領域を被覆する。
位置決め手段および被覆手段は、同一のものである。
【0023】
位置決め手段または被覆手段は、窪みまたはフランジの周囲から突出する突出部である。
位置決め手段または被覆手段は、フランジと一体の部材として設けられている。
例えば、位置決め手段または被覆手段は、フランジの周囲の一点で一体的に形成される突起として構成されている。
位置決め手段または被覆手段の厚さは、実質的にフランジの厚さに一致する。
【0024】
首部が、壁領域と接続領域との間に設けられている。
この首部は、例えば、丸い断面を有することができる。
首部は、接続領域と壁領域との間を示す。
フランジは、直角に首部に隣接する。
【0025】
カートリッジを使用前に閉鎖する、特に、気密式に密封する膜が、フランジに、特に、その端面に密封式に設けられる。
このため、フランジの端面は、密封の間、この密封器具と協働するビード、特に、円形リングのようなビードを有することができる。
膜の外周は、フランジの外周よりも短い。
【0026】
固定手段が、壁領域または首部の領域に設けられている。
この固定手段を介して、カートリッジをディスペンサに接続することができる。
固定手段は、例えば、ディスペンサ上の固定手段と係合する溝であることができる。
【0027】
カートリッジ受入れ部品は、カートリッジに固定式に接続されるか、または、カートリッジの使用後にカートリッジから取り外され、新しいカートリッジに接続される交換部品であることができる。
カートリッジ受入れ部品は、射出成形によってプラスチックから作られている。
カートリッジ受入れ部品は、ディスペンサに接続される。
【0028】
被覆手段は、カートリッジのフランジに設けられ、カートリッジ受入れ部品の流出部分を被覆する。
【0029】
カートリッジの周囲のフランジは、カートリッジ受入れ部品と密封式に協働する。
このため、フランジの周囲は、例えば、カートリッジ受入れ部品の溝に係合することができる。
このフランジまたは溝接続は、圧力嵌めとして作用することもでき、それにより、飲料または食品製造の間、カートリッジ受入れ部品に対してカートリッジが移動することを防止し、また、カートリッジとカートリッジ受入れ部品との間の接続が、その密着性を喪失することを防止する。
【0030】
カートリッジおよびカートリッジ受入れ部品は、膜が穿刺される前、長手方向に互いに変位可能であるように提供される。
この長手方向の変位の結果として、穿刺手段は、膜と係合され、膜を穿刺することができる。
【0031】
カートリッジおよびカートリッジ受入れ部品は、一体回転できるように固定された方法で相互に接続される。
【0032】
穿刺手段は、チャネルを有している。
このチャネルを介してガスをカートリッジに押し込むことができ、ガスは、飲料基体または食品基体をカートリッジから押し出し、カートリッジ受入れ部品の混合スペースに押し込む。
【0033】
以下、本発明を
図1~
図15を参照して説明する。
これらの説明は、本発明による一般概念を制限しない。
説明は、本発明によるカートリッジおよびシステムに等しくあてはまる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の第1実施形態であるシステムを示す。
【
図2】本発明の第1実施形態であるシステムを示す。
【
図3】本発明の第1実施形態であるシステムを示す。
【
図4】本発明の第1実施形態であるシステムを示す。
【
図5】本発明のさらなる実施形態であるシステムを示す。
【
図6】本発明のさらなる実施形態であるシステムを示す。
【
図7】本発明のさらなる実施形態であるシステムを示す。
【
図8】本発明のさらなる実施形態であるシステムを示す。
【
図12】ディスペンサのカートリッジ受入れ部品のホルダを示す。
【
図13】本発明のさらなる実施形態によるシステムのカートリッジを示す。
【
図14】本発明のさらなる実施形態によるシステムのカートリッジ受入れ部品を示す。
【
図15】本発明のさらなる実施形態によるカートリッジ受入れ部品のスパイクを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1~
図4は、カートリッジ1とカートリッジ受入れ部品10とからなる本発明の第1実施形態であるシステムを示す。
カートリッジ1は、射出成形または吹込み成形技術によって、プラスチック材料から製造されている。
カートリッジ1は、正方形の壁領域6を有し、その上端部は、底部領域7に隣接している。
壁領域6および底部領域7は、キャビティの境界を定め、キャビティ内に飲料基体または食品基体、具体的には、濃縮物が配置され、それを用いて飲料または食品を製造することができる。
底部領域7と反対側の壁領域6のより低い端部に接続領域4が設けられ、この接続領域4は、首部3およびフランジ5を有している。
カートリッジ1のキャビティは、充填された後、クロージャ14、本例では、膜14によって気密式に密封される。
プラスチックフォイルからなる膜14は、接着式のシール19によって、フランジ5に接続されている。
カートリッジ1は、接続領域4を介して、カートリッジ受入れ部品10に接続される。
突起状の突出部として設けられる位置決めまたは被覆手段8が、フランジ5に設けられる。
突起は、フランジ5に一体的に形成されている。
さらに、
図1b)および
図1c)から理解できるように、このシステムは、カートリッジ受入れ部品10を有している。
このカートリッジ受入れ部品10は、溶媒、特に、水の流入部分15(
図2参照)、ならびに、溶媒と飲料基体または食品基体とが混合される混合チャンバ13を有している。
混合物の流れの方向は、
図1c)中に物質プラス溶媒または水の流れの方向12を示す矢印で示されている。
出来上がった飲料または食品は、流出部分11を介して混合チャンバ13を出て、容器、例えば、グラスに収集される。
さらに、
図2から理解できるように、カートリッジ受入れ部品10は、
図3のスパイクからなる穿刺手段16を有し、この穿刺手段16は、カートリッジ1のフランジ領域に封じ付けられる膜14を穿刺し、その結果、飲料基体または食品基体は、スパイク16の外面に沿って混合チャンバ13に流れ込むことができ、スパイク16には、このために、その外側に流出チャネル17が設けられている。
【0036】
図2は、穿刺手段16が、膜14と係合する前のシステムを示す。
係合を達成するために、カートリッジ1またはカートリッジ受入れ部品10は、長手方向に互いにシフトされ、その結果、スパイク16は、膜14を貫通し、これは、
図3c)から見ることができる。
前記図中、飲料基体または食品基体が混合チャンバ13に流れ込む流出チャネル17も、識別することができる。
混合チャンバ13に入る飲料基体または食品基体の流れは、穿刺するスパイク16内のダクトであるガス入口18を介してカートリッジ1に押し込まれるガスによって、目標とする態様で加速および制御することができる。
例えば、カートリッジ1内の圧力は、溶媒の体積流量に適合させることができる。
【0037】
図1d)および
図4のように、カートリッジ1のフランジ5は、カートリッジ受入れ部品10と密封式に協働し、その結果として、液体が流出部分11だけを通って混合チャンバ13を出ることを保証する。
さらに、突出部8は、位置決め手段であるだけでなくカートリッジ受入れ部品10内の流出部分11を密封式に被覆する。
フランジ5およびそれに設けられた突出部8は、それらの端面またはそれらの周囲を介して、カートリッジ受入れ部品10の対応する面と密封式に協働することができる。
【0038】
図5~
図8は、本発明のさらなる実施形態であるシステムを示す。
カートリッジ1に関して、
図1~
図4を参照することができ、ここで、カートリッジ1は、フランジ5に加えて、その接続領域に固定手段20も有し、この固定手段20は、カートリッジ1をカートリッジ受入れ部品10に接続する。
さらに、壁領域6は、
図8に示す窪み24を有し、この窪み24は、カートリッジ1とカートリッジ受入れ部品10および任意選択的にディスペンサとの間の長手方向の変位を可能にし、また、カートリッジ1の案内部分24に相当する。
【0039】
カートリッジ受入れ部品10に関しても、
図1~
図4を参照することができる。
しかしながら、
図7から理解できるように、カートリッジ受入れ部品10は、所定の変形点または所定の破断点22によって混合チャンバ13に接続される固定リングまたは固着リング21を有している。
この固定リングまたは固着リング21は、固定手段20、例えば、カートリッジ1に設けられたカラー20と圧力嵌め式に協働する。
また、カートリッジ受入れ部品10に関し、混合チャンバ13は、突出部23を有し、流出部分11は、突出部23内に設けられている。
さらに、カートリッジ受入れ部品10は、ガス入口18に加えて穿刺手段16も有することが、
図7から分かる。
ガス入口18を介して、ガスが、カートリッジ1に押し込まれ、ガスは、飲料基体または食品基体をカートリッジ1から押し出す。
開封手段である穿刺手段16は、斜めの切り込みによって膜14に切り込み、斜めの切り込みは、その後、フラップを形成し、フラップは、飲料基体または食品基体の圧力により下方へ押され、飲料基体または食品基体がより簡単に流れ出ることを可能にする。
穿刺手段16は、十分であり得ること、または、
図1~
図4を参照して説明したような膜14の穿刺および飲料基体または食品基体の流出に使用することも可能である。
この開封手段である穿刺手段16、ガス入口18を、
図1~
図4による実施形態に移行することもできる。
【0040】
図5は、穿刺前のシステムを示す。
図6は、膜14が穿刺された後のシステムを示す。
図6にて移動方向2の矢印によって示される混合チャンバ13とカートリッジ1との間の相対移動を介して、所定の変形点または所定の破断点22が、それぞれ変形または破壊され、その結果、カートリッジ1は、固定リング21または固着リング21と一緒に混合チャンバ13の方向に動くことができる。
この結果、フランジ5が同じく溝27に導入され、密封式に溝27と協働し、膜14は、穴を開けられ、飲料基体または食品基体は、カートリッジ1から混合チャンバ13に流れ込むことができ、混合チャンバ13内で溶媒と混合され、溶媒は、流入部分15を介して混合チャンバ13に計量供給され、流出部分11を介して混合チャンバ13を出る。
【0041】
図9は、カートリッジ1の壁領域6の固定手段である、本例においては、溝状の形状合致手段25を示す。
固定手段26は、それによってカートリッジ1がディスペンサに固定され、この溝状の形状合致手段25に係合することが可能である。
【0042】
図10および
図11は、それぞれ混合チャンバ13を平面図で示す。
混合チャンバ13には、混合要素28が設けられ、それぞれいくつかの構成要素からなる。
図10では、構成要素は、円形リングの断片の形態であり、円形リングの直径は、異なっていてもよい。
図11において、構成要素は、角度が付いている。
混合要素28は、飲料基体または食品基体と溶媒とを容易にブレンドするように設計されるが、できるだけ小さい圧力損失しか生じないように設計されている。
【0043】
図12に、カートリッジ1とカートリッジ受入れ部品10とからなるシステムが、右側に示されている。
本例においては、流出部分11の方向からのものである。
図12の左側の図は、ホルダ29を示し、それを用いて、このシステム、すなわち、カートリッジ1、カートリッジ受入れ部品10は、ディスペンサに保持される。
ホルダ29は、切欠きを有し、そこに、混合チャンバ13の底部が、少なくとも部分的に突出する。
ホルダ29は、システムの支持部として働く。
ホルダ29の下に配置されるのは、容器であり、出来上がった飲料または食品は、この容器に流れ込む。
さらに、ホルダ29は、案内部分30を有し、これは、カートリッジ受入れ部品10と形状合致式に協働し、また、カートリッジ受入れ部品10を横へ滑ることから、および、ホルダ29に対してねじれることから守る。
案内部分30は、切欠きから離れて設けられる。
滑りまたはねじれから守る機能は、切欠きとカートリッジ受入れ部品10の底部との間の形状の合致によっても担うことができる。
切欠きは、溶媒の接続部によって隣接されるが、接続部は、ホルダ29の一部でないことが好ましい。
【0044】
図13は、本発明のさらに実施形態によるカートリッジ1の4つの図を示す。
カートリッジ1ならびにカートリッジ1およびカートリッジ受入れ部品10の関連システム(
図14に示す)は、本発明の第1実施形態による
図1~
図4を参照して説明されるシステムと機能の点で似ている。
【0045】
しかしながら、
図13に示されるカートリッジ1は、2つのフランジ5を有している。
両方のフランジ5は、カートリッジ受入れ部品10をカートリッジ1に固定する働きをする。
加えて、膜14は、外側のフランジ5に封じ付けられる。
【0046】
2つのフランジ5の(カートリッジ1の長手方向軸に対して垂直な)断面は、丸い周囲を有し、直線的な周囲領域31が一方の側に設けられている。
平坦なまたは直線的な周囲領域31において、周囲は、実質的に直線として延在し(
図13の右側の図中、フランジ5の下側において見ることができる)、一方で、直線的な周囲領域31から離れたフランジ5の周囲は、曲線として延在する。
直線的な周囲領域31は、位置決め手段として機能し、それを介して、カートリッジ1の向きは、カートリッジ受入れ部品10に対して固定される。
【0047】
図14に、適合するカートリッジ受入れ部品10を見ることができる。
カートリッジ受入れ部品10の周囲が、
図13に示される2つのフランジ5の輪郭に対応する形状を有し、カートリッジ1およびカートリッジ受入れ部品10は、互いに特別な向きにおいてのみ接続できる。
かくして、直線的な周囲領域31は、ねじれ防止手段として機能する。
これは、ガスがキャビティに押し込まれるカートリッジ1の領域も決定する。
【0048】
混合チャンバ13内に配置されているのは、スパイク16(穿刺手段16とも呼ばれる)が移動可能にその中を案内されるスパイク案内部分32である。
従って、膜14の穴開けは、カートリッジ1とカートリッジ受入れ部品10との間の相対移動によってもたらされるのではなく、スパイク16は、カートリッジ1に対して固定されたカートリッジ受入れ部品10の中を移動可能に案内される。
このようにして、スパイク16は、膜14から離れた後退位置(システムの初期状態に対応する)から、カートリッジ1のキャビティの中へ突出し、その過程で、膜14に穴を開ける伸長位置へ移行することができる。
この伸長位置において、カートリッジ1は、開封され、飲料基体または食品基体は、スパイク16の外面の流出チャネル17を介して膜14を越えて混合チャンバ13へ流れ込むことができる。
【0049】
ラッチストリップ33が、カートリッジ1に面するカートリッジ受入れ部品10の側に設けられ、カートリッジ1をカートリッジ受入れ部品10に固定するために、2つのフランジ5の1つの周囲に形状合致式または圧力嵌め式に係合する。
このようにして、カートリッジ1とカートリッジ受入れ部品10との間の相対移動は、防止される。
【0050】
図15は、
図14に示されるスパイク案内部分32の中を案内されるスパイク16の概略図を示す。
スパイク16は、ガス入口18として機能する内側の圧縮空気ライン34と、外側の流出チャネル17とを有し、外側の流出チャネル17を介して、飲料基体または食品基体は、スパイク16によって穿刺された膜14を越えて混合チャンバ13へ流れ込むことができる。
圧縮空気源に接続するための圧縮空気ライン34の圧縮空気接続部分は、カートリッジ1から離れたスパイク16の側に形成され、前記圧縮空気接続部分は、カートリッジ受入れ部品10の外側からアクセス可能であり、圧縮空気をカートリッジ1に吹き込むための圧縮空気ライン34の圧縮空気出口は、カートリッジ1に面するスパイク16の側に形成される。
【0051】
図15に示すスパイク16が、
図14に示すカートリッジ受入れ部品10のスパイク案内部分32の中に配置され、
図14に示すカートリッジ受入れ部品10が
図13に示すカートリッジ1に接続される配置は、本発明のさらなる実施形態によるシステムを示す。
【符号の説明】
【0052】
1 ・・・カートリッジ
2 ・・・移動方向
3 ・・・首部
4 ・・・接続領域
5 ・・・フランジ
6 ・・・壁領域
7 ・・・底部領域
8 ・・・位置決め手段または被覆手段、窪みまたは突出部
9 ・・・物質の流入部分、穿刺手段
10 ・・・カートリッジ受入れ部品
11 ・・・物質プラス溶媒または水の流出部分
12 ・・・物質プラス溶媒または水の流れの方向
13 ・・・混合チャンバ
14 ・・・膜(クロージャ)
15 ・・・溶媒(水)の流入部分
16 ・・・穿刺手段(スパイク)
17 ・・・流出チャネル
18 ・・・ガス入口
19 ・・・シール(カラーシール)
20 ・・・固定手段(カラー)
21 ・・・固定リング(固着リング)
22 ・・・変形点(破断点)
23 ・・・カートリッジ受入れ部品の窪み(突出部)
24 ・・・窪み、案内部分
25 ・・・固定手段26の形状合致手段
26 ・・・固定手段
27 ・・・密封手段、溝
28 ・・・混合要素
29 ・・・ホルダ
30 ・・・カートリッジ受入れ部品の案内部分
31 ・・・直線的な周囲領域
32 ・・・スパイク案内部分
33 ・・・ラッチストリップ
34 ・・・圧縮空気ライン