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特許7042233メッセージ管理装置、メッセージ管理システム及びメッセージ管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】メッセージ管理装置、メッセージ管理システム及びメッセージ管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/00 20220101AFI20220317BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20220317BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
H04L51/00
H04L51/04
H04M11/00 302
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019049838
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020154403
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2020-11-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】山口 啓介
(72)【発明者】
【氏名】金泉 実
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-101684(JP,A)
【文献】特開2009-086804(JP,A)
【文献】特開2009-292951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
H04L 51/04
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信端末が第2通信端末を宛先として送信する予定のメッセージと、前記第1通信端末のユーザが指定した、前記メッセージを送信する予定の将来の送信予定時刻とを含む送信予定情報を、前記第1通信端末から受信する受信部と、
前記第1通信端末に関する通信及び前記第2通信端末に関する通信の通信履歴を取得する通信履歴取得部と、
前記送信予定時刻より前の判定時刻に、前記通信履歴に含まれる、前記第1通信端末及び前記第2通信端末の両方に関連する発着信の履歴に基づいて前記メッセージを送信するか否かを判定する送信判定部と、
前記送信判定部が前記メッセージを送信すると判定した場合に、前記メッセージを前記送信予定時刻に送信するための送信指示を出力する出力部と、
を有する、メッセージ管理装置。
【請求項2】
前記通信履歴取得部は、前記判定時刻より前の履歴取得基準時刻から、前記判定時刻までの前記通信履歴を取得する、請求項1に記載のメッセージ管理装置。
【請求項3】
前記通信履歴取得部は、前記受信部が前記送信予定情報を受信した時刻と前記送信予定時刻との差に基づいて、前記履歴取得基準時刻を決定する、請求項2に記載のメッセージ管理装置。
【請求項4】
前記通信履歴取得部は、前記第1通信端末及び前記第2通信端末の少なくとも一方に記憶された前記通信履歴を取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項5】
前記通信履歴取得部は、前記第1通信端末に関する通信及び前記第2通信端末に関する通信を管理する、前記第1通信端末及び前記第2通信端末とは異なる装置から、前記通信履歴を取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項6】
前記送信判定部は、前記通信履歴が、前記第1通信端末が前記第2通信端末へ行った発信と、前記第1通信端末が前記第2通信端末から受けた着信とのどちらか一方を含む場合に、前記メッセージを送信すると判定する、請求項1から5のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項7】
前記送信判定部は、前記通信履歴が、前記第1通信端末が前記第2通信端末へ行った発信と、前記第1通信端末が前記第2通信端末から受けた着信との両方を含む場合に、前記メッセージを送信すると判定する、請求項1から5のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項8】
前記通信履歴取得部は、前記第1通信端末が行った通信及び前記第2通信端末が行った通信の前記通信履歴を取得し、
前記送信判定部は、前記通信履歴が第3通信端末と前記第1通信端末との間の通信を含み、かつ前記通信履歴が前記第3通信端末と前記第2通信端末との間の通信を含む場合に、前記メッセージを送信すると判定する、請求項1から7のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項9】
前記送信判定部は、前記通信履歴が、前記第2通信端末を含むグループと、前記第1通信端末との間の通信を含む場合に、前記メッセージを送信すると判定する、請求項1から8のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項10】
前記送信判定部が前記メッセージを送信しないと判定した場合に、前記第1通信端末へ所定の通知を送信する通知部をさらに有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項11】
前記受信部は、前記通知部が前記通知を送信した前記第1通信端末から、前記メッセージを送信するか否かを示す入力情報を受信し、
前記出力部は、前記送信判定部が前記メッセージを送信しないと判定した場合であって、前記入力情報が前記メッセージを送信することを示す場合に、前記送信指示を出力する、請求項10に記載のメッセージ管理装置。
【請求項12】
前記受信部は、前記メッセージ及び前記送信予定時刻に加えて前記第1通信端末の第1ユーザの名前及び前記第2通信端末の第2ユーザの少なくとも一方の名前を含む前記送信予定情報を、前記第1通信端末から受信し、
前記出力部は、前記第1通信端末及び前記第2通信端末の少なくとも一方に、前記第1ユーザの名前及び前記第2ユーザの少なくとも一方の名前の入力を要求する入力要求を送信し、
前記送信判定部は、前記送信予定情報が含む前記第1ユーザの名前及び前記第2ユーザの少なくとも一方の名前と、前記入力要求を受信した前記第1通信端末及び前記第2通信端末の少なくとも一方において入力された前記第1ユーザの名前及び前記第2ユーザの少なくとも一方の名前とを比較することによって、前記メッセージを送信するか否かを判定する、請求項1から11のいずれか一項に記載のメッセージ管理装置。
【請求項13】
メッセージ管理装置と、前記メッセージ管理装置と通信可能なメッセージ制御装置とを備え、
前記メッセージ管理装置は、
第1通信端末が第2通信端末を宛先として送信する予定のメッセージと、前記第1通信端末のユーザが指定した、前記メッセージを送信する予定の将来の送信予定時刻とを含む送信予定情報を、前記第1通信端末から受信する受信部と、
前記第1通信端末に関する通信及び前記第2通信端末に関する通信の通信履歴を取得する通信履歴取得部と、
前記送信予定時刻より前の判定時刻に、前記通信履歴に含まれる、前記第1通信端末及び前記第2通信端末の両方に関連する発着信の履歴に基づいて前記メッセージを送信するか否かを判定する送信判定部と、
前記送信判定部が前記メッセージを送信すると判定した場合に、前記メッセージを前記送信予定時刻に送信するための送信指示を前記メッセージ制御装置へ送信する出力部と、
を有し、
前記メッセージ制御装置は、
前記メッセージ管理装置から前記送信指示を受信する受信部と、
前記受信部が前記送信指示を受信した場合に、前記メッセージを前記送信予定時刻に前記第2通信端末へ送信する送信部と、
を有するメッセージ管理システム。
【請求項14】
プロセッサが実行する、
第1通信端末が第2通信端末を宛先として送信する予定のメッセージと、前記第1通信端末のユーザが指定した、前記メッセージを送信する予定の将来の送信予定時刻とを含む送信予定情報を、前記第1通信端末から受信するステップと、
前記第1通信端末に関する通信及び前記第2通信端末に関する通信の通信履歴を取得するステップと、
前記送信予定時刻より前の判定時刻に、前記通信履歴に含まれる、前記第1通信端末及び前記第2通信端末の両方に関連する発着信の履歴に基づいて前記メッセージを送信するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップが前記メッセージを送信すると判定した場合に、前記メッセージを前記送信予定時刻に送信するための送信指示を出力するステップと、
を有するメッセージ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって指定された送信予定時刻にメッセージを送信するためのメッセージ管理装置、メッセージ管理システム及びメッセージ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによって指定された送信予定時刻にSMS(Short Message Service)等のメッセージを送信するシステムが知られている。このようなシステムでは、送信予定時刻より前に、既にメッセージの送信先である電話番号等の契約が解除され、該電話番号等が他のユーザによって保有されている可能性がある。そのため、送信予定時刻に、送信元のユーザが意図していない他のユーザへメッセージが送信されてしまう可能性がある。
【0003】
特許文献1には、多数の電話番号に対して定期的に発呼を行うことによって電話番号が有効か無効かの情報を蓄積し、SMSの送信先の電話番号が過去に所定期間以上無効になっていないことを条件としてSMSを送信するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-12602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたシステムは、多数の電話番号に対して定期的に発呼を行う必要がある。したがって、SMSの送信先である電話番号に対しては定期的に発呼が行われ、またSMSの送信先でない電話番号に対しても無駄な発呼が行われるため、多大な通信負荷が掛かる。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、送信元のユーザが意図した送信先のユーザへメッセージを到達させるための通信負荷を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様のメッセージ管理装置は、第1通信端末が第2通信端末を宛先として送信する予定のメッセージと、前記メッセージを送信する予定の送信予定時刻とを含む送信予定情報を、前記第1通信端末から受信する受信部と、前記第1通信端末に関する通信及び前記第2通信端末に関する通信の通信履歴を取得する通信履歴取得部と、前記送信予定時刻より前の判定時刻に、前記通信履歴に基づいて前記メッセージを送信するか否かを判定する送信判定部と、前記送信判定部が前記メッセージを送信すると判定した場合に、前記メッセージを前記送信予定時刻に送信するための送信指示を出力する出力部と、を有する。
【0008】
前記通信履歴取得部は、前記判定時刻より前の履歴取得基準時刻から、前記判定時刻までの前記通信履歴を取得してもよい。
【0009】
前記通信履歴取得部は、前記受信部が前記送信予定情報を受信した時刻と前記送信予定時刻との差に基づいて、前記履歴取得基準時刻を決定してもよい。
【0010】
前記通信履歴取得部は、前記第1通信端末及び前記第2通信端末の少なくとも一方に記憶された前記通信履歴を取得してもよい。
【0011】
前記通信履歴取得部は、前記第1通信端末に関する通信及び前記第2通信端末に関する通信を管理する、前記第1通信端末及び前記第2通信端末とは異なる装置から、前記通信履歴を取得してもよい。
【0012】
前記送信判定部は、前記通信履歴が、前記第1通信端末が前記第2通信端末へ行った発信と、前記第1通信端末が前記第2通信端末から受けた着信とのどちらか一方を含む場合に、前記メッセージを送信すると判定してもよい。
【0013】
前記送信判定部は、前記通信履歴が、前記第1通信端末が前記第2通信端末へ行った発信と、前記第1通信端末が前記第2通信端末から受けた着信との両方を含む場合に、前記メッセージを送信すると判定してもよい。
【0014】
前記通信履歴取得部は、前記第1通信端末が行った通信及び前記第2通信端末が行った通信の前記通信履歴を取得し、前記送信判定部は、前記通信履歴が第3通信端末と前記第1通信端末との間の通信を含み、かつ前記通信履歴が前記第3通信端末と前記第2通信端末との間の通信を含む場合に、前記メッセージを送信すると判定してもよい。
【0015】
前記送信判定部は、前記通信履歴が、前記第2通信端末を含むグループと、前記第1通信端末との間の通信を含む場合に、前記メッセージを送信すると判定してもよい。
【0016】
前記メッセージ管理装置は、前記送信判定部が前記メッセージを送信しないと判定した場合に、前記第1通信端末へ所定の通知を送信する通知部をさらに有してもよい。
【0017】
前記受信部は、前記通知部が前記通知を送信した前記第1通信端末から、前記メッセージを送信するか否かを示す入力情報を受信し、前記出力部は、前記送信判定部が前記メッセージを送信しないと判定した場合であって、前記入力情報が前記メッセージを送信することを示す場合に、前記送信指示を出力してもよい。
【0018】
前記受信部は、前記メッセージ及び前記送信予定時刻に加えて前記第1通信端末の第1ユーザの名前及び前記第2通信端末の第2ユーザの少なくとも一方の名前を含む前記送信予定情報を、前記第1通信端末から受信し、前記出力部は、前記第1通信端末及び前記第2通信端末の少なくとも一方に、前記第1ユーザの名前及び前記第2ユーザの少なくとも一方の名前の入力を要求する入力要求を送信し、前記送信判定部は、前記送信予定情報が含む前記第1ユーザの名前及び前記第2ユーザの少なくとも一方の名前と、前記入力要求を受信した前記第1通信端末及び前記第2通信端末の少なくとも一方において入力された前記第1ユーザの名前及び前記第2ユーザの少なくとも一方の名前とを比較することによって、前記メッセージを送信するか否かを判定してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様のメッセージ管理システムは、メッセージ管理装置と、前記メッセージ管理装置と通信可能なメッセージ制御装置とを備え、前記メッセージ管理装置は、第1通信端末が第2通信端末を宛先として送信する予定のメッセージと、前記メッセージを送信する予定の送信予定時刻とを含む送信予定情報を、前記第1通信端末から受信する受信部と、前記第1通信端末に関する通信及び前記第2通信端末に関する通信の通信履歴を取得する通信履歴取得部と、前記送信予定時刻より前の判定時刻に、前記通信履歴に基づいて前記メッセージを送信するか否かを判定する送信判定部と、前記送信判定部が前記メッセージを送信すると判定した場合に、前記メッセージを前記送信予定時刻に送信するための送信指示を前記メッセージ制御装置へ送信する出力部と、を有し、前記メッセージ制御装置は、前記メッセージ管理装置から前記送信指示を受信する受信部と、前記受信部が前記送信指示を受信した場合に、前記メッセージを前記送信予定時刻に前記第2通信端末へ送信する送信部と、を有する。
【0020】
本発明の第3の態様のメッセージ管理方法は、プロセッサが実行する、第1通信端末が第2通信端末を宛先として送信する予定のメッセージと、前記メッセージを送信する予定の送信予定時刻とを含む送信予定情報を、前記第1通信端末から受信するステップと、前記第1通信端末に関する通信及び前記第2通信端末に関する通信の通信履歴を取得するステップと、前記送信予定時刻より前の判定時刻に、前記通信履歴に基づいて前記メッセージを送信するか否かを判定するステップと、前記判定するステップが前記メッセージを送信すると判定した場合に、前記メッセージを前記送信予定時刻に送信するための送信指示を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、送信元のユーザが意図した送信先のユーザへメッセージを到達させるための通信負荷を低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の実施形態に係るメッセージ管理システムの模式図である。
図2】第1の実施形態に係るメッセージ管理システムのブロック図である。
図3】送信予定設定画面を表示している送信元端末の正面図である。
図4】送信元端末に関する通信及び送信先端末に関する通信の通信履歴の模式図である。
図5】送信確認画面を表示している送信元端末の正面図である。
図6】第1の実施形態に係るメッセージ管理システムが実行するメッセージ管理方法のシーケンス図である。
図7】送信予定設定画面を表示している送信元端末の正面図である。
図8】送信元認証画面を表示している送信元端末の正面図である。
図9】送信先認証画面を表示している送信先端末の正面図である。
図10】第2の実施形態に係るメッセージ管理システムが実行するメッセージ管理方法のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
[メッセージ管理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係るメッセージ管理システムSの模式図である。メッセージ管理システムSは、メッセージ管理装置1と、メッセージ制御装置2と、送信元端末3Aと、送信先端末3Bとを含む。メッセージ管理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0024】
メッセージ管理システムSは、送信元端末3Aが送信先端末3Bへ送信するメッセージの送受信を管理するシステムである。例えばメッセージは、SMSのメッセージ、RCS(Rich Communication Services)のメッセージ又は電子メールのメッセージである。以下では、SMSのメッセージを単にSMSといい、RCSのメッセージを単にRCSといい、電子メールのメッセージを単に電子メールという。SMS又はRCSの宛先は電話番号であり、電子メールの宛先はメールアドレスである。メッセージ管理システムSが管理するメッセージは、通信を介して送受信可能なその他の方式のメッセージであってもよい。
【0025】
メッセージ管理装置1は、送信元端末3Aからメッセージの送信予定の指定を受け付け、メッセージの送信可否を判定し、送信先端末3Bへメッセージを送信するための送信指示を出力するコンピュータである。メッセージ管理装置1は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して、メッセージ制御装置2、送信元端末3A及び送信先端末3Bと通信可能である。
【0026】
メッセージ制御装置2は、メッセージ管理装置1から受信した送信指示に従って、送信元端末3Aから送信先端末3Bへのメッセージの送信を実行するコンピュータである。例えばメッセージ制御装置2は、SMSの送受信を制御するSMSC(Short Message Service Center)、RCSの送受信を制御するIMS(IP Multimedia Subsystem)、又は電子メールの送受信を制御するメールサーバである。メッセージ制御装置2は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して、メッセージ管理装置1、送信元端末3A及び送信先端末3Bと通信可能である。
【0027】
送信元端末3A(第1通信端末)及び送信先端末3B(第2通信端末)は、ユーザの操作を受け付けるとともに、様々な情報を表示する通信端末である。例えば送信元端末3A及び送信先端末3Bは、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末、又はパーソナルコンピュータである。送信元端末3A及び送信先端末3Bは、ユーザによる操作を受け付け可能なタッチパネル等の操作部と、情報を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示部とを有する。送信元端末3Aはメッセージの送信元である送信元ユーザ(第1ユーザ)によって保持され、送信先端末3Bはメッセージの送信先である送信先ユーザ(第2ユーザ)によって保持される。
【0028】
本実施形態に係るメッセージ管理システムSがメッセージを送信する処理の概要を以下に説明する。まず送信元ユーザは、送信元端末3Aにおいて、メッセージの送信予定を指定する(a)。送信予定は、メッセージと、該メッセージを送信する予定の送信予定時刻とを含む。メッセージ管理装置1は、送信予定を示す情報を送信元端末3Aから受信し、記憶部に記憶させる。
【0029】
メッセージ管理装置1は、送信元端末3Aに関する通信及び送信先端末3Bに関する通信の通信履歴を取得する(b)。そしてメッセージ管理装置1は、送信予定時刻より前の判定時刻(例えば送信予定時刻の所定時間前)に、通信履歴に基づいてメッセージの送信可否を判定する(c)。例えばメッセージ管理装置1は、通信履歴が、送信元端末3Aが送信先端末3Bへ行った発信と、送信元端末3Aが送信先端末3Bから受けた着信との少なくとも一方を含む場合に、メッセージを送信すると判定する。
【0030】
メッセージ管理装置1は、メッセージを送信すると判定した場合に、メッセージを送信予定時刻に送信するための送信指示を、メッセージ制御装置2へ送信する(d)。送信指示は、メッセージ及び送信予定時刻を含む。メッセージ制御装置2は、メッセージ管理装置1から送信指示を受信した場合に、送信指示が含む送信予定時刻に、送信指示が含むメッセージを、送信先端末3Bへ送信する(e)。
【0031】
このように本実施形態に係るメッセージ管理システムSは、送信元端末3Aに関する通信及び送信先端末3Bに関する通信の通信履歴に基づいて、メッセージの送信可否を判定する。そのため、メッセージ管理システムSは、送信元ユーザが意図した送信先ユーザへメッセージを到達させる確率を向上できる。また、メッセージ管理システムSは、送信元端末3Aに関する通信及び送信先端末3Bに関する通信の通信履歴を用いて判定をするため、判定のために送信先端末3Bへ発呼する必要がなく、判定に係る通信負荷を低減することができる。
【0032】
[メッセージ管理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係るメッセージ管理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0033】
メッセージ管理装置1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、受信部111と、通信履歴取得部112と、送信判定部113と、通知部114と、出力部115とを有する。記憶部12は、送信予定情報記憶部121を有する。
【0034】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、メッセージ管理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。送信予定情報記憶部121は、メッセージ及び送信予定時刻を含む送信予定を示す情報を記憶する。送信予定情報記憶部121は、記憶部12上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部12上で構成されたデータベースであってもよい。
【0035】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部111、通信履歴取得部112、送信判定部113、通知部114及び出力部115として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部はネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0036】
メッセージ制御装置2は、制御部21と、記憶部22とを有する。制御部21は、受信部211と、送信部212とを有する。記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、メッセージ制御装置2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部21との間でデータの授受を行ってもよい。
【0037】
制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部211及び送信部212として機能する。制御部21の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部21の機能の少なくとも一部はネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0038】
本実施形態に係るメッセージ管理システムSは、図2に示す具体的な構成に限定されない。メッセージ管理装置1、メッセージ制御装置2、送信元端末3A及び送信先端末3Bは、それぞれ2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0039】
[メッセージ管理方法の説明]
以下、本実施形態に係るメッセージ管理システムSが実行するメッセージ管理方法を詳細に説明する。まず送信元端末3Aは、送信予定設定画面を表示部に表示させる。送信元ユーザは、送信予定設定画面を表示している送信元端末3Aに対して、メッセージの送信予定を指定する操作を行う。
【0040】
図3は、送信予定設定画面を表示している送信元端末3Aの正面図である。送信予定設定画面は、送信予定時刻欄31と、宛先欄32と、内容欄33と、確定ボタン34とを含む。送信予定時刻欄31は、メッセージを送信する予定の送信予定時刻を入力するための領域である。宛先欄32は、送信する予定のメッセージの宛先(すなわち、送信先端末3Bの識別情報)を入力するための領域である。内容欄33は、送信する予定のメッセージの内容(文字列や画像等)を入力するための領域である。確定ボタン34は、ユーザが押下可能な仮想的なボタン又はアイコンである。
【0041】
送信元ユーザは、送信元端末3Aの操作部を用いて、送信予定時刻欄31、宛先欄32及び内容欄33を入力した後、確定ボタン34を押下する。確定ボタン34が押下されたことを契機として、送信元端末3Aは、送信元ユーザによって指定された送信予定時刻及びメッセージ(すなわちメッセージの宛先及び内容)を含む送信予定を示す送信予定情報を、送信元端末3Aを識別可能な識別情報とともにメッセージ管理装置1へ送信する。例えば送信元端末3Aの識別情報は、送信元端末3Aの電話番号や、送信元端末3Aに関連付けられたユーザIDである。
【0042】
メッセージ管理装置1において、受信部111は、送信予定情報を、送信元端末3Aの識別情報とともに送信元端末3Aから受信する。また、受信部111は、メッセージの送信可否の判定を行う判定時刻を決定する。判定時刻は、受信部111が送信予定情報を受信した時刻(すなわち送信元ユーザが送信予定を指定した時刻)より後であって、送信予定情報が示す送信予定時刻より前の時刻である。
【0043】
例えば受信部111は、送信予定時刻の所定時間前の時刻を、判定時刻として決定する。所定時間は、1日や1週間等の固定された時間、あるいは送信元ユーザによって予め設定された時間である。また、例えば受信部111は、特定の時刻(毎月1日の0時、毎週月曜の0時等)を、判定時刻として決定してもよい。受信部111は、受信した送信予定情報と、受信した送信元端末3Aの識別情報と、決定した判定時刻とを関連付けて送信予定情報記憶部121に記憶させる。
【0044】
送信予定情報記憶部121に記憶されている送信予定情報に関連付けられた判定時刻に、通信履歴取得部112は、履歴取得基準時刻から判定時刻までの、送信元端末3Aに関する通信及び送信先端末3Bに関する通信の通信履歴を取得する。通信履歴取得部112が取得する通信履歴は、送信元端末3A及び送信先端末3Bがそれぞれ送受信したメッセージの履歴と、送信元端末3A及び送信先端末3Bがそれぞれ行った通話の履歴とを含む。
【0045】
具体的には、まず通信履歴取得部112は、履歴取得基準時刻を決定する。履歴取得基準時刻は、受信部111が送信予定情報を受信した時刻より後であって、判定時刻より前の時刻である。例えば通信履歴取得部112は、判定時刻の所定時間前の時刻を、履歴取得基準時刻として決定する。所定時間は、1日や1週間等の固定された時間、あるいは送信元ユーザによって予め設定された時間である。
【0046】
また、通信履歴取得部112は、受信部111が送信予定情報を受信した時刻と送信予定時刻との差が大きいほど所定時間を長くし、受信部111が送信予定情報を受信した時刻と送信予定時刻との差が小さいほど所定時間を短くしてもよい。これにより、送信予定時刻が近い将来の場合には短期間の通信履歴を用い、送信予定時刻が遠い将来の場合には長期間の通信履歴を用いて、メッセージの送信可否を判定できる。
【0047】
図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、送信元端末3Aに関する通信及び送信先端末3Bに関する通信の通信履歴の模式図である。通信履歴取得部112は、決定した履歴取得基準時刻から判定時刻までの、図4(a)、図4(b)及び図4(c)のうち少なくとも1つに示す通信履歴を取得する。
【0048】
図4(a)は、送信元端末3Aと送信先端末3Bとの間の通信C1が行われたことを表している。図4(b)は、共通端末3Cと送信元端末3Aとの間の通信C2が行われ、かつ共通端末3Cと送信先端末3Bとの間の通信C3が行われたことを表している。共通端末3C(第3通信端末)は、送信元端末3A及び送信先端末3Bとは異なる通信端末であり、送信元ユーザ及び送信先ユーザの両方と連絡を取るユーザによって保持されている。
【0049】
図4(c)は、送信元端末3Aと、送信先端末3Bを含むグループGとの間の通信C4が行われたことを表している。グループGは、送信先端末3Bと、その他端末3Dとを含むように定義されている。グループGには、グループGを識別可能な識別情報(例えばグループアドレスや同報送信番号)が割り当てられている。送信元端末3AがグループGの識別情報を宛先としてメッセージを送信すると、該メッセージはグループGに含まれる送信先端末3B及びその他端末3Dに送信される。
【0050】
通信履歴取得部112は、送信元端末3A及び送信先端末3Bの少なくとも一方に記憶された通信履歴、あるいは送信元端末3A及び送信先端末3Bが行った通信を管理する、送信元端末3A及び送信先端末3Bとは異なる装置(例えばメッセージ制御装置2又はその他の通信サーバ)に記憶された通信履歴を受信して取得する。また、通信履歴取得部112は、送信元端末3A、送信先端末3B、メッセージ制御装置2又はその他の通信サーバから予め受信されて記憶部12に記憶された通信履歴を読み出すことによって取得してもよい。
【0051】
送信予定情報記憶部121に記憶されている送信予定情報に関連付けられた判定時刻に、送信判定部113は、通信履歴取得部112が取得した通信履歴に基づいて、送信予定情報が示すメッセージを送信するか否かを判定する。具体的には、送信判定部113は、以下の第1の判定方法~第4の判定方法のうち少なくとも1つによって、メッセージの送信可否を判定する。
【0052】
第1の判定方法として、送信判定部113は、通信履歴が、送信元端末3Aが送信先端末3Bへ行った発信(すなわち、メッセージ又は通話の発信)と、送信元端末3Aが送信先端末3Bから受けた着信(すなわち、メッセージ又は通話の着信)とのどちらか一方を含む場合に、メッセージを送信すると判定する。これによりメッセージ管理システムSは、送信予定時刻の前に送信元ユーザと送信先ユーザとが連絡をとっていたことを条件としてメッセージを送信するため、送信元ユーザが意図した送信先ユーザへメッセージを到達させる確率を向上できる。
【0053】
第2の判定方法として、送信判定部113は、通信履歴が、送信元端末3Aが送信先端末3Bへ行った発信(すなわち、メッセージ又は通話の発信)と、送信元端末3Aが送信先端末3Bから受けた着信(すなわち、メッセージ又は通話の着信)との両方を含む場合に、メッセージを送信すると判定する。これによりメッセージ管理システムSは、送信予定時刻の前に送信元ユーザと送信先ユーザとが双方向に連絡をとっていたことを条件としてメッセージを送信するため、送信元ユーザが意図した送信先ユーザへメッセージを到達させる確率をさらに向上できる。
【0054】
第3の判定方法として、送信判定部113は、通信履歴が、送信元端末3A及び送信先端末3Bとは異なる共通端末3Cと送信元端末3Aとの間の通信を含み、かつ共通端末3Cと送信先端末3Bとの間の通信を含む場合に、メッセージを送信すると判定する。これによりメッセージ管理システムSは、送信予定時刻の前に送信元ユーザ及び送信先ユーザが共通のユーザと連絡をとっていたことを条件としてメッセージを送信するため、送信元ユーザが意図した送信先ユーザへメッセージを到達させる確率を向上できる。
【0055】
第4の判定方法として、送信判定部113は、通信履歴が、送信先端末3Bを含むグループGと送信元端末3Aとの間の通信を含む場合に、メッセージを送信すると判定する。これによりメッセージ管理システムSは、送信元ユーザが送信先ユーザを含むグループと連絡をとっていたことを条件としてメッセージを送信するため、送信元ユーザが意図した送信先ユーザへメッセージを到達させる確率を向上できる。
【0056】
送信判定部113は、第1の判定方法~第4の判定方法によって、通信履歴に基づいてメッセージを送信すると判定できなかった場合に、メッセージを送信しないと判定する。
【0057】
さらに送信判定部113は、送信元端末3Aがメッセージを送信するための契約が維持されているか否かに基づいて、メッセージの送信可否を判定してもよい。この場合には、送信判定部113は、送信元端末3Aの契約状況を、契約を管理する装置(契約管理サーバ等)から取得する。契約状況は、送信元端末3Aの契約が維持されているか否かを示す情報と、解約されている場合には解約時刻とを含む。
【0058】
送信判定部113は、契約状況が含む解約時刻から判定時刻まで所定時間以上経過している場合に、メッセージを送信しないと判定し、そうでない場合に、メッセージを送信すると判定する。所定時間は、解約された電話番号やメールアドレスが他のユーザに渡らない時間(例えば6ヶ月)である。これにより、送信判定部113は、送信元端末3Aが解約された場合であって、電話番号やメールアドレスが他のユーザに渡らない期間を経過した場合にはメッセージの送信を許可しないため、送信先ユーザが受信したメッセージに返信した際に、返信メッセージが他のユーザに届いてしまう確率を低減できる。
【0059】
送信判定部113がメッセージを送信しないと判定した場合に、通知部114は、送信元ユーザにメッセージの送信可否を確認するための通知を送信元端末3Aへ送信する。送信元端末3Aは、メッセージ管理装置1から通知を受信した場合に、送信確認画面を表示部に表示させる。
【0060】
また、通知部114は、判定時刻に、送信先端末3Bへ発呼し、送信先端末3Bが発呼に対して応答可能でない場合(例えば、送信先端末3Bが圏外である場合等)に、送信元ユーザにメッセージの送信可否を確認するための通知を送信元端末3Aへ送信してもよい。
【0061】
図5は、送信確認画面を表示している送信元端末3Aの正面図である。送信確認画面は、確認メッセージ35と、許可ボタン36aと、拒否ボタン36bとを含む。確認メッセージ35は、送信元ユーザにメッセージの送信可否を尋ねる文字列であり、送信予定時刻と、メッセージの宛先及び内容とを含む。許可ボタン36a及び拒否ボタン36bは、ユーザが押下可能な仮想的なボタン又はアイコンである。
【0062】
送信元ユーザは、送信元端末3Aの操作部を用いて、メッセージを送信する場合に許可ボタン36aを押下し、メッセージを送信しない場合に拒否ボタン36bを押下する。許可ボタン36a又は拒否ボタン36bが押下されたことを契機として、送信元端末3Aは、メッセージを送信するか否かを示す入力情報を、メッセージ管理装置1へ送信する。メッセージ管理装置1において、受信部111は、通知部114が通知を送信した送信元端末3Aから、入力情報を受信する。
【0063】
通知部114が送信元端末3Aへ通知を送信した後、所定時間が経過しても受信部111が送信元端末3Aから入力情報を受信しなかった場合には、通知部114は送信元端末3Aへ再度通知を送信してもよい。この場合に、通知部114は、送信予定時刻まで、送信元端末3Aへ繰り返し通知を送信する。
【0064】
送信判定部113がメッセージを送信すると判定した場合、又は受信部111がメッセージを送信することを示す入力情報を受信した場合に、出力部115は、メッセージを送信予定時刻に送信するための送信指示を、メッセージ制御装置2へ送信(出力)する。送信指示は、送信予定情報が含む送信予定時刻と、送信予定情報が含むメッセージ(宛先及び内容)とを含む。
【0065】
メッセージ制御装置2において、受信部211は、メッセージ管理装置1から送信指示を受信する。送信部212は、受信部211が送信指示を受信した場合に、送信指示が含む送信予定時刻に、送信指示が含む内容のメッセージを、送信指示が含む宛先の送信先端末3Bへ送信する。送信先端末3Bは、メッセージ制御装置2から受信したメッセージを表示部に表示させる。さらに送信部212は、送信先端末3Bに対するメッセージの送信結果を、メッセージ管理装置1へ送信してもよい。
【0066】
メッセージ制御装置2の機能は、メッセージ管理装置1に含まれてもよい。この場合に、メッセージ管理装置1の制御部11は、送信部212を有する。出力部115は、送信判定部113がメッセージを送信すると判定した場合に、メッセージを送信予定時刻に送信するための送信指示を、送信部212へ出力する。送信部212は、出力部115が送信指示を出力した場合に、送信指示が含む送信予定時刻に、送信指示が含む内容のメッセージを、送信指示が含む宛先の送信先端末3Bへ送信する。送信先端末3Bは、メッセージ管理装置1から受信したメッセージを表示部に表示させる。これにより、メッセージ管理装置1は、メッセージの送信可否の判定とメッセージの送信との両方を行うことができる。
【0067】
[メッセージ管理方法のシーケンス]
図6は、本実施形態に係るメッセージ管理システムSが実行するメッセージ管理方法のシーケンス図である。送信元ユーザは、送信元端末3A上で、送信予定時刻及びメッセージを含む送信予定を指定する操作を行う(S11)。送信元端末3Aは、送信元ユーザによって指定された送信予定時刻及びメッセージを含む送信予定を示す送信予定情報を、送信元端末3Aを識別可能な識別情報とともにメッセージ管理装置1へ送信する。
【0068】
メッセージ管理装置1において、受信部111は、送信予定情報を、送信元端末3Aの識別情報とともに送信元端末3Aから受信する。また、受信部111は、メッセージの送信可否の判定を行う判定時刻を決定する。受信部111は、受信した送信予定情報と、受信した送信元端末3Aの識別情報と、決定した判定時刻とを関連付けて送信予定情報記憶部121に記憶させる。
【0069】
送信予定情報記憶部121に記憶されている送信予定情報に関連付けられた判定時刻に、通信履歴取得部112は、履歴取得基準時刻から判定時刻までの、送信元端末3Aに関する通信及び送信先端末3Bに関する通信の通信履歴を取得する(S12)。送信判定部113は、通信履歴取得部112が取得した通信履歴に基づいて、送信予定情報が示すメッセージを送信するか否かを判定する(S13)。
【0070】
送信判定部113がメッセージを送信しないと判定した場合に(S14のNO)、通知部114は、送信元ユーザにメッセージの送信可否を確認するための通知を送信元端末3Aへ送信する(S15)。通知を受信した送信元端末3Aにおいて、送信元ユーザは、メッセージを送信するか否かを入力する操作を行う(S16)。送信元端末3Aは、ユーザによって入力されたメッセージを送信するか否かを示す入力情報を、メッセージ管理装置1へ送信する。
【0071】
受信部111がメッセージを送信しないことを示す入力情報を受信した場合に(S17のNO)、メッセージ管理システムSは、メッセージを送信することなく処理を終了する。送信判定部113がメッセージを送信すると判定した場合(S14のYES)、又は受信部111がメッセージを送信することを示す入力情報を受信した場合に(S17のYES)、出力部115は、メッセージを送信予定時刻に送信するための送信指示を、メッセージ制御装置2へ送信する(S18)。
【0072】
メッセージ制御装置2において、受信部211は、メッセージ管理装置1から送信指示を受信する。送信部212は、受信部211が送信指示を受信した場合に、送信指示が含む送信予定時刻に、送信指示が含む内容のメッセージを、送信指示が含む宛先の送信先端末3Bへ送信する(S19)。送信先端末3Bは、メッセージ制御装置2から受信したメッセージを表示部に表示させる(S20)。
【0073】
[実施形態の効果]
本実施形態に係るメッセージ管理システムSは、送信元端末3Aに関する通信及び送信先端末3Bに関する通信の通信履歴に基づいて、メッセージの送信可否を判定する。送信予定時刻より前に送信元端末3A及び送信先端末3Bとの間で直接的又は間接的に通信が行われていれば、送信元ユーザは送信先ユーザと知り合いであり、送信予定の指定時点から送信先ユーザが変わっていない確率が高いといえるため、メッセージ管理システムSは、送信元ユーザが意図した送信先ユーザへメッセージを到達させる確率を向上できる。また、メッセージ管理システムSは、送信元端末3Aに関する通信及び送信先端末3Bに関する通信の通信履歴を用いて判定をするため、判定のために送信先端末3Bへ発呼する必要がなく、判定に係る通信負荷を低減することができる。
【0074】
(第2の実施形態)
本実施形態に係るメッセージ管理システムSは、送信予定時刻が指定されたメッセージを送信する前に、送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前を確認することによって、送信元のユーザが意図した送信先のユーザへメッセージを到達させる確率を向上させる。本実施形態に係るメッセージ管理システムSの構成は、図2の構成と同様である。以下、第1の実施形態とは異なる処理について説明する。
【0075】
図7は、送信予定設定画面を表示している送信元端末3Aの正面図である。送信予定設定画面は、図3と同様の送信予定時刻欄31、宛先欄32、内容欄33及び確定ボタン34に加えて、送信元名前欄37と、送信先名前欄38とを含む。送信予定設定画面は、送信元名前欄37及び送信先名前欄38のどちらか一方のみを含んでもよい。送信元名前欄37は、送信元ユーザの名前を入力するための領域である。送信先名前欄38は、送信先ユーザの名前を入力するための領域である。
【0076】
送信元ユーザは、送信元端末3Aの操作部を用いて、送信予定時刻欄31、宛先欄32、内容欄33、送信元名前欄37及び送信先名前欄38を入力した後、確定ボタン34を押下する。確定ボタン34が押下されたことを契機として、送信元端末3Aは、送信元ユーザによって指定された送信予定時刻、メッセージ、送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を含む送信予定を示す送信予定情報を、送信元端末3Aを識別可能な識別情報とともにメッセージ管理装置1へ送信する。
【0077】
メッセージ管理装置1において、受信部111は、送信予定情報を、送信元端末3Aの識別情報とともに送信元端末3Aから受信する。受信部111は、受信した送信予定情報と、受信した送信元端末3Aの識別情報と、決定した判定時刻とを関連付けて送信予定情報記憶部121に記憶させる。
【0078】
メッセージ管理装置1は、第1の実施形態と同様に、通信履歴に基づいてメッセージの送信可否を判定する。そして送信判定部113がメッセージを送信すると判定した場合に、出力部115は、メッセージ制御装置2へ送信指示を送信する代わりに、送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前の入力を要求する入力要求を、送信元端末3A及び送信先端末3Bへ送信する。入力要求は、送信元端末3A及び送信先端末3Bの識別情報を含む。出力部115は、入力要求を、送信元端末3A及び送信先端末3Bのどちらか一方のみに送信してもよい。
【0079】
送信元端末3Aは、メッセージ管理装置1から入力要求を受信した場合に、送信元認証画面を表示部に表示させる。図8は、送信元認証画面を表示している送信元端末3Aの正面図である。送信元認証画面は、送信元端末3A及び送信先端末3Bの識別情報を表すとともに、送信元名前欄39aと、送信先名前欄39bとを含む。送信元認証画面は、送信元名前欄39a及び送信先名前欄39bのどちらか一方のみを含んでもよい。送信元名前欄39aは、送信元ユーザの名前を入力するための領域である。送信先名前欄39bは、送信先ユーザの名前を入力するための領域である。
【0080】
送信元ユーザは、送信元端末3Aの操作部を用いて、送信元名前欄39a及び送信先名前欄39bを入力した後、確定ボタン34を押下する。確定ボタン34が押下されたことを契機として、送信元端末3Aは、送信元ユーザによって入力された送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を、送信元端末3Aを識別可能な識別情報とともにメッセージ管理装置1へ送信する。
【0081】
送信先端末3Bは、メッセージ管理装置1から入力要求を受信した場合に、送信先認証画面を表示部に表示させる。図9は、送信先認証画面を表示している送信先端末3Bの正面図である。送信先認証画面は、送信元端末3A及び送信先端末3Bの識別情報を表すとともに、送信元名前欄39aと、送信先名前欄39bとを含む。送信先認証画面は、送信元名前欄39a及び送信先名前欄39bのどちらか一方のみを含んでもよい。送信元名前欄39aは、送信元ユーザの名前を入力するための領域である。送信先名前欄39bは、送信先ユーザの名前を入力するための領域である。
【0082】
送信先ユーザは、送信先端末3Bの操作部を用いて、送信元名前欄39a及び送信先名前欄39bを入力した後、確定ボタン34を押下する。確定ボタン34が押下されたことを契機として、送信先端末3Bは、送信先ユーザによって入力された送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を、送信先端末3Bを識別可能な識別情報とともにメッセージ管理装置1へ送信する。
【0083】
送信元端末3A及び送信先端末3Bは、送信元認証画面及び送信先認証画面において、送信元ユーザ及び送信先ユーザの平仮名又は片仮名の名前に対応する、送信元ユーザ及び送信先ユーザの漢字の名前の入力を受け付けてもよい。この場合に、メッセージ管理装置1は、送信元端末3Aから、送信元ユーザ及び送信先ユーザの平仮名又は片仮名の名前と漢字の名前との設定を予め受け付ける。そしてメッセージ管理装置1は、送信元端末3A及び送信先端末3Bの識別情報に加えて、送信元ユーザ及び送信先ユーザの平仮名又は片仮名の名前を含む入力要求を送信元端末3A及び送信先端末3Bへ送信する。
【0084】
送信元端末3A及び送信先端末3Bは、送信元認証画面及び送信先認証画面において、入力要求が含む送信元ユーザ及び送信先ユーザの平仮名又は片仮名の名前を表示させ、送信元ユーザ及び送信先ユーザの漢字の名前の入力を受け付ける。これにより、送信元ユーザ及び送信先ユーザは、電話番号等の識別情報から名前を想到するのが難しい場合であっても、平仮名又は片仮名の名前を参照して漢字の名前を入力し、認証を受けることができる。
【0085】
送信元端末3A及び送信先端末3Bは、送信元認証画面及び送信先認証画面を表示する際に、送信元端末3A及び送信先端末3Bに予め記憶された電話帳(すなわち登録された連絡先の一覧)のデータから、入力要求が含む送信元端末3A及び送信先端末3Bの識別情報に対応する名前を抽出してもよい。送信元端末3A及び送信先端末3Bは、名前を抽出できた場合に、抽出した名前を送信元認証画面及び送信先認証画面上に表示し、あるいは抽出した名前を自動的にメッセージ管理装置1へ送信する。これにより、送信元ユーザ及び送信先ユーザは、電話帳に登録済の名前を用いて認証を受けることができる。
【0086】
メッセージ管理装置1において、受信部111は、入力要求を受信した送信元端末3A及び送信先端末3Bの少なくとも一方から、送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前を受信する。そして送信判定部113は、送信予定情報記憶部121に記憶された送信予定情報が含む送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前と、入力要求を受信した送信元端末3A及び送信先端末3Bの少なくとも一方において入力された送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前とを比較する。送信判定部113は、名前が一致した場合にメッセージを送信すると判定し、そうでない場合にメッセージを送信しないと判定する。
【0087】
記憶された名前と入力された名前とが一致しない場合に、通知部114は、送信元ユーザに名前が一致しないことを示す通知を送信元端末3Aへ送信してもよい。送信元端末3Aは、メッセージ管理装置1から通知を受信した場合に、名前が一致しないことを示す情報を表示部に表示させる。これにより、送信元ユーザは、送信先端末3Bの所有者が意図した送信先ユーザでない可能性が高いことを認識でき、以降の送信予定のメッセージを取り消す等の判断を行うことができる。
【0088】
出力部115は、送信判定部113が送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前に基づいてメッセージを送信すると判定した場合に、メッセージを送信予定時刻に送信するための送信指示を、メッセージ制御装置2へ送信(出力)する。メッセージ制御装置2において、受信部211は、メッセージ管理装置1から送信指示を受信する。送信部212は、受信部211が送信指示を受信した場合に、送信指示が含む送信予定時刻に、送信指示が含む内容のメッセージを、送信指示が含む宛先の送信先端末3Bへ送信する。送信先端末3Bは、メッセージ制御装置2から受信したメッセージを表示部に表示させる。
【0089】
メッセージ制御装置2は、送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前が入力された送信先端末3Bの画面上に、Webサービスとしてメッセージの内容を表示させてもよい。これにより、メッセージ制御装置2は、送信先端末3Bへメッセージを送信する必要がなく、送信先ユーザは、即座にメッセージの内容を見ることができる。
【0090】
本実施形態に係るメッセージ管理装置1は、通信履歴に基づいたメッセージの送信可否の判定を行った後に名前に基づいたメッセージの送信可否の判定を行っているが、通信履歴に基づいたメッセージの送信可否の判定を行わずに名前に基づいたメッセージの送信可否の判定のみを行ってもよい。
【0091】
[メッセージ管理方法のシーケンス]
図10は、本実施形態に係るメッセージ管理システムSが実行するメッセージ管理方法のシーケンス図である。まず、メッセージ管理システムSは、図6と同様にステップS11~S17を実行する。ただし、ステップS11において、送信元ユーザは、送信元端末3A上で、送信予定時刻及びメッセージに加えて、送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を含む送信予定を指定する操作を行う。送信元端末3Aは、送信予定時刻、メッセージ、送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を含む送信予定を示す送信予定情報を、メッセージ管理装置1へ送信する。
【0092】
送信判定部113がメッセージを送信すると判定した場合(S14のYES)、又は受信部111がメッセージを送信することを示す入力情報を受信した場合に(S17のYES)、出力部115は、送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前の入力を要求する入力要求を、送信元端末3A及び送信先端末3Bへ送信する(S21)。
【0093】
送信元ユーザは、送信元端末3A上で、送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を入力する操作を行う(S22)。送信元端末3Aは、送信元ユーザによって入力された送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を、メッセージ管理装置1へ送信する。送信先ユーザは、送信先端末3B上で、送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を入力する操作を行う(S23)。送信先端末3Bは、送信先ユーザによって入力された送信元ユーザ及び送信先ユーザの名前を、メッセージ管理装置1へ送信する。
【0094】
メッセージ管理装置1において、受信部111は、入力要求を受信した送信元端末3A及び送信先端末3Bの少なくとも一方から、送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前を受信する。そして送信判定部113は、送信予定情報記憶部121に記憶された送信予定情報が含む送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前と、入力要求を受信した送信元端末3A及び送信先端末3Bの少なくとも一方において入力された送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前とを比較する(S24)。
【0095】
送信判定部113は、名前が一致した場合(S25のYES)、メッセージを送信すると判定し、ステップS18に進む。送信判定部113は、名前が一致しない場合に(S25のNO)、メッセージを送信しないと判定し、処理を終了する。
【0096】
[実施形態の効果]
本実施形態に係るメッセージ管理システムSは、送信元端末3A及び送信先端末3Bにおいて、送信元ユーザ及び送信先ユーザの少なくとも一方の名前を入力させ、予め設定された名前と比較することによって、メッセージの送信可否を判定する。送信元ユーザ及び送信先ユーザが互いの名前を知っていれば、送信元ユーザは送信先ユーザと知り合いであり、送信予定の指定時点から送信元ユーザ及び送信先ユーザが変わっていない確率が高いといえるため、メッセージ管理システムSは、送信元ユーザが意図した送信先ユーザへメッセージを到達させる確率を向上できる。また、メッセージ管理システムSは、送信元端末3A及び送信先端末3Bにおいて入力された名前を用いて判定をするため、判定のために送信先端末3Bへ発呼する必要がなく、判定に係る通信負荷を低減することができる。
【0097】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0098】
メッセージ管理装置1、メッセージ制御装置2、送信元端末3A及び送信先端末3Bのプロセッサは、図6及び図10に示すメッセージ管理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、メッセージ管理装置1、メッセージ制御装置2、送信元端末3A及び送信先端末3Bのプロセッサは、図6及び図10に示すメッセージ管理方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行してメッセージ管理システムSの各部を制御することによって、図6及び図10に示すメッセージ管理方法を実行する。図6及び図10に示すメッセージ管理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0099】
S メッセージ管理システム
1 メッセージ管理装置
11 制御部
111 受信部
112 通信履歴取得部
113 送信判定部
114 通知部
115 出力部
2 メッセージ制御装置
21 制御部
211 受信部
212 送信部
3A 送信元端末
3B 送信先端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10