(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】HMF製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 307/46 20060101AFI20220317BHJP
C07D 307/68 20060101ALI20220317BHJP
C07C 51/00 20060101ALI20220317BHJP
C07C 53/02 20060101ALI20220317BHJP
C07C 59/185 20060101ALI20220317BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220317BHJP
【FI】
C07D307/46
C07D307/68
C07C51/00
C07C53/02
C07C59/185
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2019529185
(86)(22)【出願日】2017-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2017081236
(87)【国際公開番号】W WO2018100184
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-10-21
(31)【優先権主張番号】102016224073.0
(32)【優先日】2016-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515053771
【氏名又は名称】ズートツッカー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クンツ,マルクヴァルト
(72)【発明者】
【氏名】ハジ ベグリ,アリレザ
(72)【発明者】
【氏名】クローネ,クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】ワッハ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】グラフ,アラン-ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】クラウス,ヴォルフガング
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04740605(US,A)
【文献】特表2015-504069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00-521/00
C07C 1/00-409/44
C07B 31/00- 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を準備するステップ、
b)フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を混合して、5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物乾燥物)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物乾燥物に対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得るステップ、
c)ステップb)で得られた反応溶液を、連続式反応器系へと供給し、1モル%から40モル%のフルクトース変換率に調整しながら、80℃から165℃の温度において、反応溶液中に存在するフルクトースをHMFへと変換して、HMF含有生成物混合物を得るステップ、
d)生成物混合物を20℃から80℃の温度へと調整するステップ、
及び
e)クロマトグラフィーを使用してHMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を含む少なくとも4つの画分を分離することにより、ステップd)で得られた生成物混合物を精製するステップ
を含む、連続工程での5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の製造方法。
【請求項2】
以下のステップ:
f)HMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分から選択される少なくとも1つの画分を得るステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)において、フルクトース含有水性出発溶液、返送されたフルクトース含有水性画分及び少なくとも1つの均一系酸性触媒が準備され、
ステップb)において、フルクトース含有水性出発溶液、返送されたフルクトース含有水性画分及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を混合して、5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物乾燥物)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物乾燥物に対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得、並びに、
ステップe)で分離されるか又は
請求項2に定義されるステップf)で得られるフルクトース画分を、連続的に、少なくとも部分的にステップa)へと返送する、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb)で得られた反応溶液を80℃から165℃の温度へと予備加熱する、請求項1
から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップb)の前に、ステップa)で準備される成分の少なくとも1つを80℃から165℃の温度へと予備加熱する、請求項1
から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの均一系酸性触媒の濃度が、0.5重量%から5重量%(反応溶液の総重量に対する重量%)である、請求項1から
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの均一系酸性触媒が、硫酸、塩酸、リン酸、脂肪族又は芳香族カルボン酸、及び脂肪族又は芳香族スルホン酸から選択される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法において有機溶媒を使用しない、請求項1から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップc)での、フルクトースをHMFへと変換するステップが、0.1から20分の時間行われる、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ステップc)でのHMF選択性が、60モル%から100モル%である、請求項1から
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
クロマトグラフィーが、イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーである、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップe)でのクロマトグラフィー
が、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、又はNew MCI法(NMCI)である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ステップe)でのイオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーが、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、又はNew MCI法(NMCI)である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ステップe)でのクロマトグラフィーが多段工程である、請求項1から
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ステップe)でのクロマトグラフィーが、カチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーである、請求項1から
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ステップe)での、カチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーを、H
+型のカチオン交換樹脂を使用して行う、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
クロマトグラフィーの前に、生成物混合物のろ過、活性炭上での生成物混合物の脱色及び/又は精製を行う、請求項1から
16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ステップe)を40℃から80℃の温度において行う、請求項1から
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、20重量%から50重量%の乾燥物含有量へと濃縮する、請求項1から
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ステップe)で分離されるか又は
請求項2に定義されるステップf)で得られる炭水化物/酸画分を、エタノールの製造に使用する、請求項1から
19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
ステップe)で分離されるか又は
請求項2に定義されるステップf)で得られるレブリン酸及びギ酸画分を、レブリン酸及びギ酸を単離するために使用する、請求項1から
20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ステップe)で分離されるか又は
請求項2に定義されるステップf)で得られるHMFを、直接、手間のかかるさらなる精製の必要なく、さらなる一ステップにおいて、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)へと酸化する、請求項1から
21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分が得られ、得られた画分の純度に基づき、有利なことに、本方法で得られたフルクトース画分を製造工程へと直接返送すること、及びその他の画分を、手間のかかる追加的な精製ステップの必要なしに後続加工工程で使用することを可能にする連続工程において、5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)は、芳香族性5環系、アルデヒド基、及びアルコール基を有する多官能分子である。多数の官能基が、この分子を、非常に多数のさらなる化合物のベースとして役立ち得る、多様に使用可能なプラットフォームケミカルとさせる。HMFをベースに製造され得る化合物に数えられるのは、一方では、今日バルクスケールで石油化学法によりすでに製造される化学物質、例えば、カプロラクタム又はアジピン酸であるが、さらには、それ用にこれまでのところ技術的製造工程がまだ提供されていない、多大な適用潜在性を有する化合物、例えば、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)である。
【0003】
HMF及びFDCAの多大な潜在性にもかかわらず、これまでのところ、これらの化合物の経済的な、技術的に確立された製造方法が欠けている。HMFの最大の利点の1つであるこの分子の多官能性は、その結果として生じる、起こり得る下流化学反応(Folgechemie)に関連して、同じく、合成の際の主要不利点でもあると判明した。HMFは、特に水性系中における、合成に不可欠な反応条件下(より酸性のpH値、高まった温度)では不安定であり、一方では、それ自体及び/又は反応物及び中間生成物と重合反応して、鎖長に応じて可溶性又は不溶性であり、反応溶液の褐色から黒色までの変色をもたらすいわゆるフミンとなる。望ましくないもう1つの連続反応(Folgereaktion)は、HMFからレブリン酸及びギ酸への酸性加水分解であり、特にレブリン酸がHMFと反応して、望ましくないさらなる副生成物になり得る。したがって、HMFのできるだけ経済的な製造には、この副反応の出現並びにHMF及びレブリン酸の連続反応をできる限り回避することがどうしても不可欠である。
【0004】
基本的には、HMFの製造に関し従来技術において記載された多数の異なる合成方法においては、単相反応系と二相反応系との間で区別できる。両アプローチにおいて、均一系触媒と同様に不均一系触媒も使用され得る。単相系では、HMF合成を、純粋な水性系の他に有機溶媒、例えばDMSO、DMF、及びスルホラン中、又はイオン液体中でも実施できる。水性系の回避は、純粋にその化学反応に関しては、HMFの選択性の改善をもたらすが、溶媒を除去するために頻繁に、HMFの熱分解をもたらしかねない高温が不可欠であり、それにより、他方ではHMFの純度及び収率が明らかに悪化する。無水系を使用する場合、溶媒にかかる費用、並びに安全面及び環境面がさらに非常に重要である。HMF合成に使用されるヘキソース、特にフルクトース及び/又はグルコースが、慣用の多数の有機溶媒中で不十分な溶解度を有することが不利であるとさらに判明している。
【0005】
二相反応系の場合、ヘキソースの、HMFへの反応を水性相中で行い、生成したHMFを、有機溶媒を使用して連続的に抽出する。その際、溶媒は、水と混合可能であってはならず、HMFの効率的な抽出を保証するためには、水性相と有機相との間でのHMFに対する十分に高い分配係数を有する必要がある。特に、たいていの溶媒の分配係数はあまり高くないため、そのような系では非常に多量の溶媒を頻繁に使用する必要がある。その際、二相反応系で最も頻繁に使用される有機溶媒は、場合によっては相修飾剤、例えば2-ブタノールと組み合わせて使用されるメチルイソブチルケトン(MIBK)である。しかしながら、単相無水反応系に関してすでに描写したように、この場合も、使用された溶媒(複数可)の最終的な除去が、適切な溶媒の高沸点ゆえに問題をはらむと判明している。
【0006】
EP0230250B1は、溶媒として水を単独使用する、結晶性生成物も含めた5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法を開示する。記載されるバッチ法では、水性溶液中の糖類を、100℃を超える温度において酸性触媒を用いてヘキソースとHMFとの混合物へと分解し、続いて、その形成されたHMFを、イオン交換カラムを介して35から85℃の温度において副生成物から分離し、HMF画分の他に、記載の方法によるHMF再合成に提供される糖類画分を獲得することができる。この文書で開示されるバッチ式変換は、高いフルクトース変換率、及びその結果として直接に生じる、反応溶液中の高いHMF濃度を伴い、その高濃度が、支配的な条件下において、副生成物及び分解生成物の形成の増大をもたらすため、変換されたフルクトース量に対して低下したHMF収率をもたらす。
【0007】
WO2013/106136A1は、エタノール発酵中での直接使用に適切な未変換糖の回収を含む、糖からHMF及びHMF誘導体を製造するための方法に関する。その際、水性相中のヘキソース含有溶液を、酸触媒による脱水反応を介してHMFへと変換させ、続いて、生成物混合物中に含有される未変換糖を、吸着及び/又は溶媒抽出により、生成物混合物から分離し、この未変換糖を、最終的に好気性発酵法又は嫌気性発酵法においてエタノール獲得に使用する。酸触媒による脱水反応を、175から205℃の温度において行うことが教示される。
【0008】
WO2015/113060A2は、フルクトース含有出発原料からHMF含有生成物への変換を開示する。記載の方法を使用して、フルクトース、水、酸触媒、及び少なくとも1つのさらなる溶媒を、反応ゾーンで混合し、適切な反応パラメータの選択により、80%のHMF収率を超えないようにおよそ1から60分の間、反応させる。望ましくない副生成物の形成を最低限に抑えるためには、指定の変換率に達成したら反応成分を直ちに冷却する。
【0009】
低価格かつ効率的な、HMFの製造方法の確保にとって決定的であるのは、適切な反応条件及び方法ステップの選択し、未変換のフルクトースを、脱水反応中に形成された妨害となる副生成物から分離して連続的製造工程への返送に向けてできるだけ純粋な形で提供することにより、フルクトース含有出発溶液をHMFに変換する間、望ましくない副生成物の形成、及び酸触媒による脱水反応において形成されるHMFの分解をできる限り回避することである。
【0010】
低価格かつ効率的に、連続工程においてHMFを製造するための対応する方法は、これまでのところ従来技術からは公知ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】EP0230250B1
【文献】WO2013/106136A1
【文献】WO2015/113060A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の課題は、従来技術から公知の方法の前記の不利点及び制限を克服すること、特に、高選択的酸触媒作用下にフルクトースを変換する方法を提供すること、及び副生成物の形成を最大限回避して低価格かつ効率的な様式でHMFへと変換する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の課題は、特に独立請求項の技術的教示によって解決される。
【0014】
本発明は、特に、
a)フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を準備するステップ、
b)5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物乾燥物)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物乾燥物に対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得るために、フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を混合するステップ、
c)ステップb)で得られた反応溶液を、連続式反応器系へと供給し、1モル%から40モル%のフルクトース変換率に調整しながらHMF含有生成物混合物を得るために、80℃から165℃の温度において、反応溶液中に存在するフルクトースを、HMFへと変換するステップ、
d)20℃から80℃の温度へと生成物混合物を調整するステップ、並びに
e)HMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を含む少なくとも4つの画分を分離(Auftrennung)するためのクロマトグラフィーを使用して、ステップd)で得られた生成物混合物を精製するステップ
を含む、連続工程での5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の製造方法に関する。
【0015】
本発明の好ましい一実施形態では、前記の5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の製造方法が、もう1つのステップf)において、少なくとも1つのHMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を得るステップを含む。
【0016】
本発明は、特に、
a)フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を準備するステップ、
b)5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物乾燥物)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物乾燥物に対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得るために、フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を混合するステップ、
c)ステップb)で得られた反応溶液を、連続式反応器系へと供給し、1モル%から40モル%のフルクトース変換率に調整しながらHMF含有生成物混合物を得るために、80℃から165℃の温度において、反応溶液中に存在するフルクトースを、HMFへと変換するステップ、
d)20℃から80℃の温度へと生成物混合物を調整するステップ、
e)HMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を含む少なくとも4つの画分を分離するためのクロマトグラフィーを使用して、ステップd)で得られた生成物混合物を精製するステップ、並びに
f)少なくとも1つのHMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を得るステップ
を含む、連続工程での5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の製造方法に関する。
【0017】
好ましい一実施形態では、本発明は、
a)フルクトース含有水性出発溶液、返送されたフルクトース含有水性画分、及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を準備するステップ、
b)5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物乾燥物)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物の乾燥物に対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得るために、フルクトース含有水性出発溶液、返送されたフルクトース含有水性画分、及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を混合するステップ、
c)ステップb)で得られた反応溶液を、連続式反応器系へと供給し、1モル%から40モル%のフルクトース変換率に調整しながらHMF含有生成物混合物を得るために、80℃から165℃の温度において、反応溶液中に存在するフルクトースを、HMFへと変換するステップ、
d)20℃から80℃の温度へと生成物混合物を調整するステップ、
e)HMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を含む少なくとも4つの画分を分離するためのクロマトグラフィーを使用して、ステップd)で得られた生成物混合物を精製するステップであって、得られたフルクトース画分を、連続的に少なくとも部分的にステップa)へと返送するステップ
を含む、連続工程での5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の製造方法に関する。
【0018】
本発明の好ましい一実施形態では、前記の5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の製造方法が、もう1つのステップf)において、少なくとも1つのHMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を得るステップであって、得られたフルクトース画分が、連続的に少なくとも部分的にステップa)へと返送されるステップを含む。
【0019】
それに応じて、本発明によると、連続工程において、フルクトース含有水性出発溶液のフルクトースの、及び好ましい実施形態では、その方法から得られ返送されたフルクトース含有画分のフルクトースの選択的、好ましくは高選択的な、酸触媒による変換により、5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造する方法が提供される。本発明によるHMFの製造方法は、本発明によると、ステップc)で使用される連続式反応器系において、温度、好ましくはさらに反応時間の調整により1モル%から40モル%のフルクトースの限定された変換が起こるように行われ、それにより、驚くべき高いHMF選択性が達成可能になる。最高40モル%の限定的なフルクトース変換率の達成後、得られた生成物混合物を、ステップd)において20℃から80℃の温度へと調整することにより、望ましくない副生成物の形成、及び形成されたHMFの分解が大いに阻止される。続くステップe)では、クロマトグラフィー法を使用して、特にイオン交換樹脂、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーを使用して、特にイオン交換樹脂、特にカチオン交換樹脂を用いる一段式又は多段式のクロマトグラフィーを使用して、生成物混合物中に含有されるHMFを生成物混合物の他の成分から分離する。好ましくは、続いて行われるステップf)において、つまりクロマトグラフィー法の実施後に、HMF画分の他に、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分が得られる、特に単離される。有利なことに、使用されるクロマトグラフィー法を介して得られる個々の画分は、高い純度を有するため、直接、場合によっては濃縮後に、つまりさらなる精製をせずに、様々な後続工程で使用することができる。
【0020】
本発明により好ましくは、得られたフルクトース画分が、形成されたレブリン酸をほとんど含まない、特に全く含まない。本発明により好ましくは、得られたフルクトース画分が、形成されたレブリン酸及びギ酸をほとんど含まない、特に全く含まない。
【0021】
レブリン酸は、不利なことに、HMF合成中にフミン物質形成を促進する。したがって、好ましい一実施形態により返送された水性フルクトース画分が引き起こす、反応溶液中の高まったレブリン酸含有量が、HMF及び炭水化物からのフミン物質の形成の増大をもたらすかもしれず、それにより、工程の経済性を明らかに低下させるだろう。しかしながら、本発明による方法のステップe)において分離され、好ましくはステップf)において得られるフルクトース画分は、有利なことに、それほどに高い純度を有し、特に、形成されたレブリン酸を含まない、特に好ましくはレブリン酸及びギ酸を含まないため、好ましい一実施形態では、直接、場合によっては濃縮後に、特に精製ステップなしに、さらなる変換のために、本方法、特にステップa)へと返送できる。特に、本発明の方法により想定される限定的なフルクトース変換、並びにそれに伴う、副生成物及び分解生成物、特にレブリン酸及びギ酸、及びフミン物質の形成の低下により、並びに好ましい実施形態では、生成物混合物から分離された未変換フルクトース画分の返送により、高いHMF選択性及び高いHMF収率がもたらされる。
【0022】
本発明によると、本方法は、ステップa)からe)、好ましくはa)からf)を含む。したがって、好ましい実施形態では、本方法が、ステップa)からe)、特に好ましくはa)からf)の他に、さらなる方法ステップ、例えば、少なくとも1つのろ過ステップ、例えば活性炭を使用する少なくとも1つの脱色ステップ及び/若しくは精製(Reinigung)ステップ、並びに/又は少なくとも1つの濃縮ステップを含むことも可能である。特に好ましい実施形態では、本方法が、方法ステップa)からe)、好ましくはa)からf)からなる。好ましい実施形態では、本方法が、方法ステップa)、b)、c)、d)及びe)、好ましくはa)、b)、c)、d)、e)及びf)の順序で行われる。
【0023】
本発明によると、ステップa)からe)、好ましくはa)からf)による、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法において、連続式反応器系における反応混合物中に存在するフルクトースののHMFへの変換、及びそれに続く、少なくとも4つの画分を分離するためのクロマトグラフィーを使用して得られた生成物混合物の精製が、連続的に行われ、つまり、反応物が連続的に供給され、生成物が連続的に取り出される。
【0024】
本発明による連続工程とは、好ましくは、反応器系のみならずクロマトグラフィーによる精製も連続的である工程と理解される。
【0025】
本発明によると、本発明の方法を行うために使用される温度は、好ましい実施形態では、常に最高165℃、好ましくは最高160℃、特に最高150℃である。
【0026】
本発明は、出発原料、つまりフルクトース含有出発溶液及び場合によっては返送されたフルクトース含有画分から、HMF及び/又はギ酸及び/又はレブリン酸を製造するための方法、特に同時製造するための方法の提供を可能にする。
【0027】
したがって、本発明によるHMFの製造方法は、好ましい実施形態では、ステップa)からe)、好ましくはa)からf)を含み、目的の3つの生成物の特定の製造に使用される、HMF及びギ酸及びレブリン酸の製造方法でもある。
【0028】
したがって、本発明によるHMFの製造方法は、好ましい実施形態では、ステップa)からe)、好ましくはa)からf)を含み、目的の2つの有益物質の製造に使用される、HMF及びギ酸の製造方法でもある。
【0029】
したがって、本発明によるHMF製造方法は、好ましい実施形態では、ステップa)からe)、好ましくはa)からf)を含み、目的の2つの有益物質の製造に使用される、HMF及びレブリン酸の製造方法でもある。
【0030】
好ましくは、出発溶液として、特にフルクトース/グルコースシロップ又はフルクトースシロップを使用する。
【0031】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップb)の前に、ステップa)で準備される成分の少なくとも1つ、好ましくはすべてを、50℃から165℃、好ましくは60℃から165℃、好ましくは70℃から165℃、好ましくは80℃から165℃の温度へと予備加熱する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップb)の前に、ステップa)で準備される成分の少なくとも1つ、好ましくはすべてを、50℃から160℃、好ましくは60℃から160℃、好ましくは70℃から160℃、好ましくは80℃から160℃の温度へと予備加熱する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップb)の前に、ステップa)で準備される成分の少なくとも1つ、好ましくはすべてを、50℃から150℃、好ましくは60℃から150℃、好ましくは70℃から150℃、好ましくは80℃から150℃の温度へと予備加熱する。
【0032】
好ましくは、ステップb)で得られた反応溶液を、好ましくはステップb)の後ステップc)の前に、50℃から165℃、好ましくは60℃から165℃、好ましくは70℃から165℃、好ましくは80℃から165℃の温度へと予備加熱する。好ましくは、ステップb)で得られた反応溶液を、好ましくはステップb)の後ステップc)の前に、50℃から160℃、好ましくは60℃から160℃、好ましくは70℃から160℃、好ましくは80℃から160℃の温度へと予備加熱する。好ましくは、ステップb)で得られた反応溶液を、好ましくはステップb)の後ステップc)の前に、50℃から150℃、好ましくは60℃から150℃、好ましくは70℃から150℃、好ましくは80℃から150℃の温度へと予備加熱する。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップa)で準備される成分を、ステップb)において混合して、5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物乾燥物(以下ではTSとも記す))及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物乾燥物に対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得、続いて方法ステップc)による反応器中で反応させる。
【0034】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、ステップa)で準備されるフルクトース含有水性出発溶液及び場合によっては提供される返送されたフルクトース含有水性画分を、ステップb)の前に、50℃から165℃、好ましくは60℃から165℃、好ましくは70℃から165℃、好ましくは80℃から165℃の温度へと、好ましくは50℃から160℃、好ましくは60℃から160℃、好ましくは70℃から160℃、好ましくは80℃から160℃の温度へと、好ましくは50℃から150℃、好ましくは60℃から150℃、好ましくは70℃から150℃、好ましくは80℃から150℃の温度へと予備加熱し、少なくとも1つの均一系酸性触媒、好ましくは少なくとも1つの均一系無機酸触媒をそれとは別個に、ステップb)の前に、50℃から165℃、好ましくは60℃から165℃、好ましくは70℃から165℃、好ましくは80℃から165℃の温度へと、好ましくは50℃から160℃、好ましくは60℃から160℃、好ましくは70℃から160℃、好ましくは80℃から160℃の温度へと、好ましくは50℃から150℃、好ましくは60℃から150℃、好ましくは70℃から150℃、好ましくは80℃から150℃の温度へと予備加熱し、予備加熱した成分を、ステップb)において混合して、5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物TS)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物のTSに対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得る。
【0035】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、ステップa)で準備されるフルクトース含有水性出発溶液及び返送されたフルクトース含有水性画分を、ステップb)の前に、好ましくは50℃から165℃、好ましくは60℃から165℃、好ましくは70℃から165℃、好ましくは80℃から165℃の温度へと、好ましくは50℃から160℃、好ましくは60℃から160℃、好ましくは70℃から160℃、好ましくは80℃から160℃の温度へと、好ましくは50℃から150℃、好ましくは60℃から150℃、好ましくは70℃から150℃、好ましくは80℃から150℃の温度へと予備加熱し、少なくとも1つの均一系酸性触媒、好ましくは少なくとも1つの均一系無機酸触媒を、予備加熱した成分と、ステップb)において混合して、5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物TS)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物のTSに対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得る。
【0036】
本発明の好ましい一実施形態では、少なくとも1つの均一系酸性触媒、好ましくは少なくとも1つの均一系無機酸触媒の濃度が、0.5重量%から5重量%、好ましくは0.75重量%から3重量%、好ましくは1重量%から2.5重量%である(それぞれ、反応溶液の総重量に対する重量%)。好ましくは、少なくとも1つの均一系酸性触媒、好ましくは少なくとも1つの均一系無機酸触媒の濃度が、5重量%未満、好ましくは4重量%未満、好ましくは3重量%未満、好ましくは2重量%未満である(それぞれ、反応溶液の総重量に対する重量%)。好ましくは、少なくとも1つの均一系酸性触媒、好ましくは少なくとも1つの均一系無機酸触媒の濃度が、0.5重量%超、好ましくは0.75重量%超、好ましくは1重量%超である(それぞれ、反応溶液の総重量に対する重量%)。
【0037】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つの均一系酸性触媒が、均一系無機酸触媒である。
【0038】
本発明の好ましい一実施形態では、少なくとも1つの均一系酸性触媒が、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、リン酸(H3PO4)、脂肪族又は芳香族カルボン酸、及び脂肪族又は芳香族スルホン酸から選択される。好ましい一実施形態では、少なくとも1つの均一系酸性触媒が硫酸(H2SO4)である。さらなる好ましい一実施形態では、少なくとも1つの均一系酸性触媒が塩酸(HCl)である。本発明のさらなる好ましい一実施形態では、少なくとも1つの酸性触媒がリン酸(H3PO4)である。さらなる好ましい一実施形態では、少なくとも1つの均一系酸性触媒が有機酸、特に脂肪族又は芳香族カルボン酸、例えば、シュウ酸、酢酸、又は安息香酸、又は脂肪族若しくは芳香族スルホン酸である。
【0039】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップb)での反応溶液の炭水化物含有量が、5重量%から50重量%、好ましくは5重量%から45重量%、好ましくは7.5重量%から40重量%、好ましくは7.5重量%から35重量%、好ましくは10重量%から30重量%である(それぞれ、反応溶液の総重量に対するTS)。
【0040】
好ましい一実施形態では、反応溶液のフルクトース含有量が、40重量%から100重量%、好ましくは70重量%から100重量%、好ましくは80重量%から100重量%、好ましくは90重量%から100重量%、好ましくは95重量%から100重量%、好ましくは40重量%から99重量%、好ましくは45重量%から99重量%、好ましくは50重量%から95重量%、好ましくは45重量%から90重量%、好ましくは50重量%から85重量%である(それぞれ、炭水化物寄与部分、つまり、反応溶液中に存在するすべての炭水化物の乾燥物に対するフルクトースTS)。
【0041】
特に好ましい実施形態では、反応溶液の製造に使用される成分、つまり、特にフルクトース含有水性出発溶液、場合によっては返送されたフルクトース含有水性画分、及び少なくとも1つの均一系酸性触媒の混合を、混合装置中及び/又は配管中で行う。混合装置及び連続式反応器系は、少なくとも1つの配管によって互いに接続されている、空間的に別々の部品であってもよく、さらには、別々ではあるものの、一装置の不可欠な構成要素であってもよい。
【0042】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップc)での、フルクトースを、HMFへと変換するステップが、0.1から20分、特に0.1から15分、特に8から13分、特に4から10分、特に8から10分、好ましくは0.1から8分、好ましくは0.2分から7分、好ましくは0.5から5分、好ましくは1から4分、好ましくは1から3分の時間内に行われる。好ましくは、ステップc)での、フルクトースを、HMFへと変換するステップが、最高10分、好ましくは最高9分、好ましくは最高8分、好ましくは最高7分、好ましくは最高5分、好ましくは最高4分、好ましくは最高3分の時間内に行われる。
【0043】
特に好ましい一実施形態では、ステップc)での変換するステップが、130から150℃、特に140℃の温度において、8から10分、特に9分の時間で行われる。
【0044】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップc)での、フルクトースを、HMFへと変換するステップが、1モル%から40モル%、好ましくは5モル%から35モル%、好ましくは10モル%から30モル%、好ましくは15モル%から25モル%、好ましくは20モル%から25モル%のフルクトース変換率に調整されながら行われる。好ましくは、ステップc)での、フルクトースを、HMFへと変換するステップが、最高40モル%、好ましくは最高35モル%、好ましくは最高30モル%、好ましくは最高25モル%、好ましくは最高20モル%のフルクトース変換率に調整されながら行われる。
【0045】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップc)でのHMF選択性が、60モル%から100モル%、好ましくは65モル%から100モル%、好ましくは70モル%から100モル%、好ましくは75モル%から100モル%、好ましくは80モル%から100モル%、好ましくは85モル%から100モル%、好ましくは90モル%から100モル%である。好ましくは、ステップc)でのHMF選択性が、少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも65モル%、好ましくは少なくとも70モル%、好ましくは少なくとも75モル%、好ましくは少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも85モル%、好ましくは少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも95モル%である。
【0046】
本発明との関連では、HMF選択性は、変換されたフルクトース含有量に基づくものであり、他の炭水化物、特にグルコースの含有量は考慮されない。
【0047】
特に好ましい実施形態では、ステップc)で使用する連続式反応器系を、栓流管型反応器系として実施する。そのような連続式反応器系は、当業者に公知の反応器系である。特に好ましい実施形態では、連続式反応器系、特にバックミキシングがわずかである連続式系(Konti-System)も使用できる。特に好ましい実施形態では、連続式反応器系として、プラグフロー反応器(PFR)を使用できる。好ましい実施形態では、連続式反応器系が、栓流反応器、攪拌槽反応器、又は攪拌槽反応器カスケードとして実施されていてもよい。
【0048】
特に好ましい実施形態では、ステップc)を、80から165℃、特に80から160℃、特に80から150℃、特に85から165℃、特に90から160℃、特に130から155℃、特に135から153℃、特に140から150℃、特に80から145℃、特に100から145℃、特に140℃の温度において行う。
【0049】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップc)において、反応溶液中に存在するフルクトースをHMFへと変換するための連続式反応器系中の圧力を、反応溶液の沸騰が回避されるように調整する。好ましくは、反応溶液中に存在するフルクトースをHMFへと変換するための連続式反応器系中の圧力が、0.1から15MPaである。
【0050】
本発明は、ステップc)において、1モル%から40モル%のフルクトース変換率に調整することを提供する。これは、本発明によると、80℃から165℃の温度において行われる。好ましくは、本発明により設定されるパラメータの枠内で、特に、ステップc)に対して与えられた反応温度の使用により、場合によっては好ましい実施形態においてステップc)に対する反応時間の使用によっても、適切に、定義されたフルクトース変換率を提供することが、本発明により可能である。これらのパラメータに基づき、本発明により好ましいHMF選択性も調整できる。本発明により好ましい様式で、望ましいフルクトース変換率及び場合によってHMF選択性を、工程中の試料採取、試料の分析、並びにそれに続いて行う、維持すべき又は調整すべき望ましいフルクトース変換率値及び場合によって望ましいHMF選択性の計算によって、調整することができる。
【0051】
本発明の好ましい一実施形態では、生成物混合物を、ステップd)において、20℃から80℃、好ましくは25℃から70℃、好ましくは30℃から60℃、好ましくは30℃から55℃、好ましくは30℃から50℃、好ましくは30℃から45℃、好ましくは30℃から40℃、好ましくは正確に80℃、好ましくは正確に70℃、好ましくは正確に60℃、好ましくは正確に55℃、好ましくは正確に50℃、好ましくは正確に45℃、好ましくは正確に40℃、好ましくは正確に35℃、好ましくは正確に30℃の温度に調整する。好ましくは、生成物混合物を、ステップd)において、最高75℃、好ましくは最高70℃、好ましくは最高60℃、好ましくは最高55℃、好ましくは最高50℃、好ましくは最高45℃、好ましくは最高40℃、好ましくは最高35℃の温度に調整する。
【0052】
本発明の好ましい一実施形態では、生成物混合物の温度を、ステップd)において、0.1から10分、好ましくは0.1から9分、好ましくは0.1から8分、好ましくは0.2から7分、好ましくは0.2から6分、好ましくは0.5から5分、好ましくは0.5から4分、好ましくは0.5から3分の範囲の期間内に調整する。好ましくは、生成物混合物の温度を、ステップd)において、最高10分、好ましくは最高9分、好ましくは最高8分、好ましくは最高7分、好ましくは最高6分、好ましくは最高5分、好ましくは最高4分、好ましくは最高3分、好ましくは最高2分、好ましくは最高1分、好ましくは最高0.5分内に調整する。
【0053】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物が、5から50重量%の乾燥物含有量を有する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物が、5から70重量%の乾燥物含有量を有する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物が、少なくとも5重量%の乾燥物含有量を有する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物が、最高70重量%の乾燥物含有量を有する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物が、少なくとも10重量%の乾燥物含有量を有する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物が、最高60重量%の乾燥物含有量を有する。さらなる好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、20から50重量%、好ましくは25から50重量%、好ましくは25から45重量%、好ましくは30から45重量%、好ましくは30から40重量%の乾燥物含有量へと濃縮する。
【0054】
さらなる好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、10から70重量%の乾燥物含有量へと濃縮する。さらなる好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、少なくとも5、好ましくは少なくとも10重量%の乾燥物含有量へと濃縮する。さらなる好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、最高70、好ましくは最高60重量%の乾燥物含有量へと濃縮する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、5から70重量%の乾燥物含有量へと調整する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、少なくとも5重量%の乾燥物含有量へと調整する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、最高70重量%の乾燥物含有量へと調整する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、少なくとも10重量%の乾燥物含有量へと調整する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップd)で得られる生成物混合物を、最高60重量%の乾燥物含有量へと調整する。
【0055】
好ましくは、ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、50から80重量%、好ましくは50から75重量%、好ましくは55から75重量%、好ましくは55から70重量%、好ましくは60から70重量%の含水量へと調整する。
【0056】
好ましくは、ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、30から95重量%の水含有量へと調整する。
【0057】
好ましくは、ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、30から95重量%の液体含有量へと調整する。
【0058】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)に供給される生成物混合物が、5から70重量%の乾燥物含有量を有する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)に供給される生成物混合物が、10から60重量%の乾燥物含有量を有する。本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)に供給される生成物混合物が、15から55重量%の乾燥物含有量を有する。
【0059】
本発明の好ましい一実施形態では、クロマトグラフィーが、イオン交換樹脂、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーである。
【0060】
本発明の特に好ましい一実施形態では、クロマトグラフィーが、特に、イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィー、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーであり、イオン交換クロマトグラフィー、特にカチオン交換クロマトグラフィーである。
【0061】
好ましくは、ステップd)で得られる生成物混合物の精製を、ステップe)によりクロマトグラフィーを使用して連続的に行う。連続クロマトグラフィーとは、好ましくは擬似向流クロマトグラフィー、例えば、擬似移動床クロマトグラフィー(Simulated Moving Bed Chromatography (SMB))とも理解される。
【0062】
連続クロマトグラフィー法は、当業者には一般的に公知である。例えば、US2011/0137084A1が、SMB法の動作原理を示す。さらなる適切なクロマトグラフィー法が、A. Rajendranら、J. Chromatogr. A 1216 (2009)、709~738ページに開示されている。
【0063】
擬似移動床 (SMB)系、又はSMB系のさらなる発展、例えば、逐次(Sequential) SMB (SSMB)、断続(Intermittent)/改良型(Improved) SMB (ISMB)、若しくはNew MCI (NMCI)は、有利な様式で、連続的な操作モードでの記載された4つの画分の分離及び獲得を可能にする。
【0064】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)でのクロマトグラフィー、特にイオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーが、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、又は改良型擬似移動床法、若しくは断続擬似移動床法(ISMB)である。好ましくは、ステップe)でのクロマトグラフィー、特にイオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーが、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、又はNew MCI法(NMCI)である。ステップe)での擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、又はNew MCI法(NMCI)の使用により、有利なことに、HMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を分離するための、ステップd)で得られた生成物混合物の精製を連続的な方法で行うことができる。
【0065】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)でのクロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂を用いる、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーが一段工程である。ステップe)でのクロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂を用いる、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーが、好ましくは多段工程、好ましくは二段工程である。
【0066】
好ましくは、ステップe)でのクロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂を用いる、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーが、多段階、好ましくは少なくとも2段階、好ましくは少なくとも3段階、好ましくは正確に2段階、好ましくは正確に3段階を含む。
【0067】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)での、クロマトグラフィーの第1段階目において、少なくとも1つの画分、好ましくは正確に1つの画分、特にHMF画分又は炭水化物/酸画分、好ましくは少なくとも2つの画分、好ましくは正確に2つの画分、好ましくは正確に3つの画分が分離される。
【0068】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、ステップe)での、クロマトグラフィーの第2段階目において、少なくとも1つの画分、好ましくは正確に1つの画分、好ましくは少なくとも2つの画分、好ましくは正確に2つの画分、好ましくは正確に3つの画分、特に炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分、又はHMF画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分が分離される。
【0069】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)でのクロマトグラフィーの第1段階目が、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、及びNew MCI法(NMCI)からなる群から選択されるクロマトグラフィー法である。
【0070】
好ましくは、ステップe)でのクロマトグラフィーの第1段階目が、改良型擬似移動床法(ISMB)である。好ましくは、ステップe)での第1段階目において、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、及びNew MCI法(NMCI)からなる群から選択されるクロマトグラフィー法を使用して、好ましくは改良型擬似移動床法(ISMB)を使用して、少なくとも1つの画分、好ましくは正確に1つの画分、特にHMF画分又は炭水化物/酸画分が分離される。
【0071】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)でのクロマトグラフィーの第2段階目が、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、及びNew MCI法(NMCI)からなる群から選択されるクロマトグラフィー法である。
【0072】
好ましくは、ステップe)でのクロマトグラフィーの第1段階目が、New MCI法(NMCI)である。好ましくは、ステップe)での第2段階目において、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、及びNew MCI法(NMCI)からなる群から選択されるクロマトグラフィー法を使用して、好ましくはNew MCI法(NMCI)を使用して、少なくとも1つの画分、好ましくは正確に1つの画分、好ましくは少なくとも2つの画分、好ましくは正確に2つの画分、好ましくは少なくとも3つの画分、好ましくは正確に3つの画分、特に炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分、又はHMF画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分が分離される。
【0073】
特に、その第1段階目においてHMF画分が分離される、少なくとも2段階のクロマトグラフィー分画が好ましい。別法として、第1段階目において、炭水化物/酸画分も分離可能である。好ましくは、少なくとも2段階のクロマトグラフィー分画の第1段階目がMoving Bed法(ISMB)である。好ましくは、少なくとも2段階のクロマトグラフィー分画の第2段階目が、New MCI法(NMCI)である。
【0074】
特に、その第1段階目においてHMF画分が分離される2段階クロマトグラフィー分画が好ましい。別法として、第1段階目において、炭水化物/酸画分も分離可能である。好ましくは、2段階クロマトグラフィー分画の第1段階目がMoving Bed法(ISMB)である。好ましくは、2段階クロマトグラフィー分画の第2段階目が、New MCI法(NMCI)である。好ましくは、2段階クロマトグラフィー分画の第2段階目において、レブリン酸及びギ酸画分、フルクトース画分、並びに炭水化物/酸画分が互いに分離される。別法として、2段階クロマトグラフィー分画の第2段階目において、レブリン酸及びギ酸画分、フルクトース画分、並びにHMF画分が互いに分離される。本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)でのクロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーが、カチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーである。
【0075】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)でのクロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーを、H+型のカチオン交換樹脂を使用して行う。
【0076】
さらなる好ましい一実施形態では、クロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーに、生成物混合物のろ過、好ましくは適切なフィルター又は適切なフィルター系を介するろ過、並びに生成物混合物の脱色及び/又は精製、好ましくは活性炭上での脱色及び/又は精製を前置接続する(vorgeschalten)。好ましくは、適切なフィルター又は適切なフィルター系を介する生成物混合物のろ過、並びに例えば、活性炭上での、生成物混合物の脱色及び/又は精製を、ステップd)の後に行う。好ましくは、適切なフィルター又は適切なフィルター系を介する生成物混合物のろ過、並びに例えば、活性炭上での、生成物混合物の脱色及び/又は精製を、ステップe)の前に行う。特に好ましい実施形態では、方法ステップc)の後、特に方法ステップd)の後、ステップe)の前に、任意の順序で、適切なフィルター又は適切なフィルター系を介するろ過、特に活性炭上での、生成物混合物の脱色及び/又は精製、濃縮、並びに場合によっては、適切なフィルター又は適切なフィルター系を介する再度のろ過を行ってもよい。特に好ましい実施形態では、ステップc)の後、特にステップd)の後、ステップe)の前に、まず、適切なフィルター又は適切なフィルター系を介するろ過、次いで、特に活性炭上での脱色及び/又は精製、次いで濃縮、並びに場合によっては、適切なフィルター又は適切なフィルター系を介する再度のろ過をこの順序で行う。
【0077】
好ましくは、適切なフィルター又は適切なフィルター系を介する生成物混合物のろ過、並びに例えば活性炭上での脱色及び/又は精製により、望ましくない副生成物、特に可溶性及び不溶性のフミン物質を、生成物混合物から除去する。好ましくは、望ましくない副生成物、特に可溶性及び不溶性のフミン物質の除去により、クロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーに使用される材料、特に樹脂の寿命が長くなる。
【0078】
好ましい一実施形態では、ステップe)でのクロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーを、40℃から80℃、好ましくは40℃から70℃、好ましくは40℃から60℃、好ましくは50℃から80℃、好ましくは50℃から70℃、好ましくは50℃から60℃、好ましくは60℃から80℃、好ましくは60℃から70℃の温度において行う。
【0079】
ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるフルクトース画分を、好ましくは連続的に方法ステップ段階a)へと返送する。その際、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるフルクトース画分が、有利なことに、形成されたレブリン酸をほとんど、好ましくは全く含まない。さらなる好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるフルクトース画分が、有利なことに、形成されたレブリン酸及びギ酸をほとんど、好ましくは全く含まない。
【0080】
特に好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるフルクトース画分を、場合によっては濃縮後に、連続的に完全にステップa)へと返送する。さらなる好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるフルクトース画分を、連続的に、場合によっては濃縮後に、少なくとも部分的に、特に少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、ステップa)へと返送する(それぞれ、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるフルクトース画分に対する、返送されたフルクトース画分の重量%)。
【0081】
特に好ましい実施形態では、返送されたフルクトース画分中での、フルクトースのグルコースに対する比率が、ステップa)で準備されるフルクトース含有水性出発溶液中での比率を下回らない。
【0082】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られる炭水化物/酸画分が、十分に高い純度を有し、特に、発酵阻害剤を含まないため、場合によっては濃縮後に、発酵工程、特にエタノール製造用の発酵工程、特にエタノール発酵におけるフィード(供給材料)としても、化学工程、特にグルコースからグルコン酸への酸化における反応物としても直接に使用できる。
【0083】
さらなる好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られる炭水化物/酸画分を、エタノール製造、特にエタノール発酵用、特にバイオエタノール製造用に、及びグルコン酸の製造に使用する。
【0084】
したがって、本発明は、発酵工程、特にエタノール製造のための発酵工程、特にエタノール発酵用のフィードの製造方法、又は出発原料、つまり化学工程、特にグルコン酸を製造するための反応物の製造方法も提供し、その枠内では、方法ステップa)からe)、好ましくはa)からf)を有する本発明の方法が、フィード又は反応物として使用できる炭水化物/酸画分を得るために行われる。
【0085】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られる炭水化物/酸画分を、エタノール製造用、特にエタノール発酵用、特にバイオエタノール製造用に使用する。
【0086】
特に好ましい一実施形態では、エタノール製造、特にエタノール発酵用の方法が提供され、その枠内では、本発明による方法、特に方法ステップa)からe)、好ましくはa)からf)が、特に炭水化物/酸画分を得るために行われ、得られた炭水化物/酸画分は、エタノール製造、特にエタノール発酵用、特にバイオエタノール製造用に使用される。
【0087】
さらなる好ましい一実施形態では、均一系酸性触媒、好ましくは無機酸触媒として硫酸を使用する場合、本発明による方法において、硫酸を、ステップe)で硫酸画分として分離し、ステップf)で、得られた硫酸画分を、エタノール製造、特にエタノール発酵用、特にバイオエタノール製造用に使用する。
【0088】
さらなる好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られる炭水化物/酸画分を、場合によっては濃縮後に、グルコン酸製造のために使用する。
【0089】
特に好ましい一実施形態では、特に、グルコースの製造、及びグルコースからグルコン酸への続く酸化に使用される炭水化物/酸画分を獲得するための本発明による方法、特に方法ステップa)からe)、好ましくはa)からf)を含む、グルコン酸の製造方法が提供される。
【0090】
本発明の好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるレブリン酸及びギ酸画分を、レブリン酸及びギ酸を単離するために使用する。さらなる好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるレブリン酸及びギ酸画分を、レブリン酸を単離するために使用する。さらなる好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるレブリン酸及びギ酸画分を、ギ酸を単離するために使用する。
【0091】
したがって、本発明は、レブリン酸、ギ酸、又はレブリン酸及びギ酸の製造方法であって、本発明のステップa)からe)、好ましくはa)からf)を含む方法が行われ、ステップf)において、レブリン酸、ギ酸、又はレブリン酸及びギ酸が得られる、方法にも関する。
【0092】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるHMF画分を、直接、場合によっては濃縮後に、つまりさらなる精製の必要なく、追加的な一工程において、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)へと酸化する。
【0093】
したがって、本発明は、FDCAを製造するための、本発明のステップa)からe)、好ましくはa)からf)を含む方法であって、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるHMF画分を、好ましくは直接、場合によっては濃縮後に、手間のかかるさらなる精製の必要なくFDCAへと酸化する、方法にも関する。
【0094】
本発明によると、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られる炭水化物/酸画分は、生成物混合物中に含有されるグルコースの少なくとも20重量%を含む(それぞれ、生成物混合物に対するTS)。
【0095】
本発明によると、炭水化物/酸画分は、0.8重量%から100重量%のグルコース、0重量%から99.2重量%のフルクトース、最高2重量%、好ましくは最高1重量%、好ましくは最高0.5重量%、好ましくは最高0.1重量%のレブリン酸及びギ酸、並びに最高10重量%、好ましくは最高5重量%、好ましくは最高2重量%、さらに好ましくは最高1重量%、好ましくは最高0.5重量%、好ましくは最高0.1重量%のHMFを含有する(それぞれ、分析された成分(グルコース、フルクトース、レブリン酸、ギ酸、HMF、ジフルクトース無水物(DFA))の合計に対するTS)。本発明により好ましくは、炭水化物/酸画分が、最高10重量%、さらに好ましくは最高5重量%のHMFを含有する。
【0096】
ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるフルクトース画分は、本発明によると、生成物混合物中に含有されるフルクトースの少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%を含有する(それぞれ、生成物混合物に対するTS)。
【0097】
本発明によると、フルクトース画分は、0重量%から60重量%のグルコース、40重量%から100重量%のフルクトース、最高2重量%、好ましくは最高1重量%、好ましくは最高0.5重量%、好ましくは最高0.1重量%のレブリン酸、最高2重量%、好ましくは最高1.5重量%、好ましくは最高1重量%、好ましくは最高0.5重量%、好ましくは最高0.25重量%、好ましくは最高0.1重量%のギ酸、及び最高2重量%、好ましくは最高1.5重量%、好ましくは最高1重量%、好ましくは最高0.8重量%、好ましくは最高0.6重量%、好ましくは最高0.4重量%、好ましくは最高0.2重量%、好ましくは最高0.1重量%のHMFを含有する(それぞれ、分析された成分(グルコース、フルクトース、レブリン酸、ギ酸、HMF、ジフルクトース無水物(DFA))の合計に対するTS)。本発明により好ましくは、フルクトース画分が、最高2重量%のHMFを含有する。本発明により好ましくは、フルクトース画分が、最高2重量%のレブリン酸を含有する。特に好ましい実施形態では、フルクトース画分中での、フルクトースのグルコースに対する比率が、ステップa)で準備されるフルクトース含有水性出発溶液中での比率を下回らない。
【0098】
本発明によると、ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるレブリン酸及びギ酸画分は、生成物混合物中に含有されるレブリン酸及びギ酸の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも65重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも98重量%、好ましくは少なくとも99重量%、好ましくは少なくとも99.5重量%、好ましくは少なくとも99.8重量%、好ましくは100重量%を含有する(それぞれ、生成物混合物に対するTS)。
【0099】
本発明によると、レブリン酸及びギ酸画分は、50重量%から100重量%、好ましくは60重量%から100重量%、好ましくはさらに好ましくは65重量%から100重量%、好ましくは70重量%から100重量%、好ましくは80重量%から100重量%、好ましくは90重量%から100重量%、好ましくは95重量%から100重量%、好ましくは98重量%から100重量%、好ましくは99重量%から100重量%、好ましくは99.5重量%から100重量%、好ましくは99.7重量%から100重量%のレブリン酸及びギ酸を含有する(それぞれ、分析された成分(グルコース、フルクトース、レブリン酸、ギ酸、HMF、ジフルクトース無水物(DFA))の合計に対するTS)。本発明により好ましくは、レブリン酸及びギ酸画分が、少なくとも50重量%のレブリン酸、さらに好ましくは少なくとも60重量%のレブリン酸、さらに好ましくは少なくとも70重量%のレブリン酸を含有する。
【0100】
ステップe)で分離され、好ましくはステップf)で得られるHMF画分は、本発明によると、生成物混合物中に含有されるHMFの少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、さらに好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも98重量%、好ましくは少なくとも99重量%、好ましくは少なくとも99.5重量%、好ましくは少なくとも99.8重量%、好ましくは100重量%を含有する(それぞれ、生成物混合物に対するTS)。
【0101】
本発明によると、HMF画分は、80重量%から100重量%、好ましくは85重量%から100重量%、好ましくは90重量%から100重量%、好ましくは95重量%から100重量%、好ましくは98重量%から100重量%、好ましくは99重量%から100重量%、好ましくは99.5重量%から100重量%、好ましくは99.7重量%から100重量%のHMF、並びに最高16重量%、好ましくは最高14重量%、好ましくは最高12重量%、好ましくは最高10重量%、好ましくは最高8重量%、好ましくは最高6重量%、好ましくは最高4重量%、好ましくは最高2重量%、好ましくは最高1重量%のレブリン酸及びギ酸、最高2重量%、好ましくは最高1重量%、好ましくは最高0.8重量%、好ましくは最高0.6重量%、好ましくは最高0.4重量%、好ましくは最高0.2重量%、好ましくは最高0.1重量%のグルコース、並びに最高2重量%、好ましくは最高1重量%、好ましくは最高0.8重量%、好ましくは最高0.6重量%、好ましくは最高0.4重量%、好ましくは最高0.2重量%、好ましくは最高0.1重量%のフルクトースを含有する(それぞれ、分析された成分(グルコース、フルクトース、レブリン酸、ギ酸、HMF、ジフルクトース無水物(DFA))の合計に対するTS)。
【0102】
好ましい一実施形態では、本発明による方法において、特にステップa)からe)、好ましくはa)からf)の際中に、有機溶媒を使用しない。
【0103】
好ましい一実施形態では、本発明による方法を、特にステップa)からe)、好ましくはa)からf)中に、酸素を低下させた条件下では行わない。
【0104】
好ましい一実施形態では、反応溶液を、蒸気噴射によっては80から165℃の温度としない。
【0105】
本発明との関連で、プラグフロー反応器(PFR)とはいわゆる理想的な栓流反応器(IR)、つまり、その中では液滴流(Tropfenstroemung)が存在する管状反応器と理解される。そのような反応器は、特に、通過させる反応溶液の混合、バックミキシング、又は乱流が起こらず、むしろ均等な貫流と同時に物質変換が起こることでも傑出している。プラグフロー反応器は、特に、プラグフロー反応器へと供給されるすべての物質、特に、供給されるすべての成分が、同一条件下で連続的に変換される、つまりすべての成分が、同一時間に変換工程にさらされることを確保する。
【0106】
本発明によると、「返送されたフルクトース含有水性画分」とは、本発明による方法により行ったクロマトグラフィー、特に、イオン交換樹脂、特にカチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーから得られる、フルクトース変換中に形成される副生成物、特にレブリン酸及びギ酸、並びにフミン物質をほとんど、好ましくは全く含まない、未変換フルクトースの水性画分と理解される。その際、得られた未変換フルクトースの水性画分は、高い純度を有するため、好ましい一実施形態では、直接、場合によっては濃縮後に、つまりさらなる精製の必要なく方法ステップa)へと返送され、フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒と混合した後、HMFへのさらなる変換に提供される。この好ましい一実施形態では、本発明による方法の開始時には、まず、返送されたフルクトース含有水性画分がまだ提供されないため、この場合、その代わりに好ましくは相応により大量のフルクトース含有水性出発溶液を使用する。
【0107】
本発明との関連で、「フルクトース変換率の調整」とは、フルクトースからHMFへの変換に使用される反応パラメータ、特に反応器中の反応温度及び反応時間を、最高40モル%の、フルクトースの限定された変換のみが起こるように選択することと理解され、その結果、高いHMF選択性及びそれに伴う低い副生成物形成が達成され得る。
【0108】
用語「及び/又は」とは、本発明との関連では、用語「及び/又は」で結合されている、一群の全構成要素が、任意の組み合わせで、互いに代案的にも、それぞれ互いに累積的にも開示されていると理解される。これは、表現「A、B及び/又はC」の場合、次の開示内容:A又はB又はC、或いは(A及びB)又は(A及びC)又は(B及びC)、或いは(A及びB及びC)と理解されるということを意味する。
【0109】
本発明との関連で、用語「含む」とは、この用語によって明示的に包括される要素に追加的に、さらなる、明示的には挙げられてない要素も加わり得ると理解される。本発明との関連で、この用語は、明示的に挙げられた要素のみが包括され、さらなる要素は存在しないとも理解される。この特別な実施形態では、用語「含む」の意味は、用語「からなる」と同義である。用語「含む」は、明示的に挙げられた要素の他にさらなる挙げられていない、ただし機能的及び質的には副次的な性質である要素も含有する全体もさらに包括する。この実施形態では、用語「含む」は、用語「本質的には~からなる」と同義である。
【0110】
さらなる好ましい実施形態は、従属請求項からもたらされる。
【0111】
本発明を、以下の例及び帰属の図により説明する。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【
図1】成分の混合に先立つ、炭水化物溶液及び酸性触媒の別々の予備加熱を伴う本発明による方法の工程概要を示す。
【
図2】成分の混合に続く、成分の共同の予備加熱を伴う本発明による方法の工程概要を示す。
【
図3】事前の予備加熱のない、反応器前での炭水化物溶液及び酸性触媒の混合を伴う本発明による方法の工程概要を示す。
【
図4】例1の反応進行を示す。クロマトグラフィーから返送された18.5重量%の炭水化物溶液、0.75重量%の硫酸、150℃、VWZ(滞留時間、つまり方法ステップc)による変換時間)6分。その際、炭素収支(6)、HMF選択性(7)、フルクトース変換率(8)、ギ酸(9)、レブリン酸(10)である。
【
図5】例2の反応進行を示す。20重量%の炭水化物、0.75重量%の硫酸、150℃、VWZ6分。その際、炭素収支(6)、HMF選択性(7)、フルクトース変換率(8)、ギ酸(9)、レブリン酸(10)である。
【
図6】例3の反応進行を示す。15重量%の炭水化物、0.5重量%の硫酸、153℃、VWZ7分。その際、炭素収支(6)、HMF選択性(7)、フルクトース変換率(8)、ギ酸(9)、レブリン酸(10)である。
【
図7】例4の反応進行を示す。25重量%の炭水化物、0.75重量%の硫酸、150℃、VWZ6分。その際、炭素収支(6)、HMF選択性(7)、フルクトース変換率(8)、ギ酸(9)、レブリン酸(10)である。
【
図8】例5の反応進行を示す。15重量%の炭水化物(23時間以降、20重量%炭水化物に高める)、1.0%の硫酸、140℃、VWZ9分。その際、炭素収支(6)、HMF選択性(7)、フルクトース変換率(8)、ギ酸(9)、レブリン酸(10)である。
【
図9】本発明による工程からのHMF溶液の酸化の結果を示す。HMF=5-ヒドロキシメチルフルフラール(25)、HMCA=5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸(29)、FFCA=5-ホルミル-2-フランカルボン酸(26)、FDCA=2,5-フランジカルボン酸(27)、FDC=2,5-フランジカルボキシアルデヒド(28)、NaOH曲線からの変換率(30)。
【
図10】低い乾燥物含有量を有するHMF含有生成物混合物の、HMF画分(抽出物)、フルクトース画分(P画分)、レブリン酸及びギ酸画分(Q画分)、並びに炭水化物/酸画分(R画分)への2段階クロマトグラフィー分画の実施を図示する。ISMB=改良型擬似移動床、NMCI=New MCI。
【
図11】低い乾燥物含有量を有するHMF含有生成物混合物の、炭水化物/酸画分(ラフィネート)、レブリン酸及びギ酸画分(P画分)、HMF画分(Q画分)、並びにフルクトース画分(R画分)への2段階クロマトグラフィー分画の実施を図示する。ISMB=改良型擬似移動床、NMCI=New MCI。
【
図12】高い乾燥物含有量を有するHMF含有生成物混合物の、HMF画分(抽出物)、フルクトース画分(P画分)、レブリン酸及びギ酸画分(Q画分)、並びに炭水化物/酸画分(R画分)への2段階クロマトグラフィー分画の実施を図示する。ISMB=改良型擬似移動床、NMCI=New MCI。
【
図13】高い乾燥物含有量を有するHMF含有生成物混合物の、炭水化物/酸画分(ラフィネート)、レブリン酸及びギ酸画分(P画分)、HMF画分(Q画分)、並びにフルクトース画分(R画分)への2段階クロマトグラフィー分画の実施を図示する。ISMB=改良型擬似移動床、NMCI=New MCI。
【発明を実施するための形態】
【0113】
[例]
A)
図2による一般的実験構成
反応溶液として、0.5~1.0重量%の硫酸中の、フルクトース/グルコース比率が変動する炭水化物溶液を使用する。炭水化物寄与部分は、15%から25%乾燥物である(TS、反応溶液の総重量に対して)。
【0114】
HPLCポンプを使用して、反応溶液を、まず二重管式熱交換器(内径3mm、長さ1614mm、体積11.4ml)を通し、続いて連続運転の栓流管型反応器(内径6mm、長さ630mm、体積17.8ml)へと圧送する(
図2、別法としての、
図1による別々の予備加熱を伴う実施)。その際、二重管式熱交換器の調温は、加熱媒体としてのエチレングリコールで作動する恒温槽を使って行う。実際の反応器の調温は、発熱ホースの形態での電気加熱を使用して行う。その際、発熱ホースを制御するための温度センサは、発熱ホースの内部のおよそ半分の高さにある。検査測定は、使用した滞留時間範囲では、発熱ホース内の温度センサと反応器の反応溶液の温度との間で最高の温度差が存在することを示した(管中央の反応溶液中で測定)。記載するのは、それぞれ発熱ホースの設定温度である。反応器の加熱ゾーンの後に、冷却ゾーンへと直接移行する(内径6mm、長さ400mm、体積11.3mlの二重管式熱交換器)。冷却ゾーン内では、生成物混合物を、反応温度からおよそ50℃へと冷却し、それに続いて、焼結フィルター(孔径7μm)を介して溶液をろ過して収集する。反応系内の圧力は、圧力保持弁を使用して、反応溶液の沸騰(したがってガス放出)が回避されるように調整する(150℃の反応温度においておよそ0.5~0.6MPa)。
【0115】
B)例1:クロマトグラフィーから返送されたフルクトース溶液(18.5重量%)を用いる、150℃における0.75%酸中でのHMF合成
炭水化物寄与部分の100%が、クロマトグラフィーによる分離工程から返送されたフルクトース画分からなる18.5重量%の炭水化物溶液(前記Aによる)(フルクトース86.1%、グルコース13.8%、0.75重量%の硫酸)を、まず80℃へと予備加熱し、次いでステップc)において、150℃の温度、6分の滞留時間(加熱ゾーンに対する)で、25時間の実験時間にわたり連続的に反応させた。反応進行中、定期的に試料を採取し、組成をHPLCを使用して分析した。
図4は、フルクトース変換率、選択性、及び炭素収支(炭素収支=(Σ[未変換糖、HMF及びギ酸(モル)]x100/使用した糖(モル)))に関して得られた結果を示す。選択した反応条件下では、グルコースは、大幅には変換されなかったため、選択性は、変換されたフルクトースに対してである。
【0116】
生成物混合物の組成は、実験時間全体にわたって一定であった。フルクトース変換率(8)はおよそ20%、HMF選択性(7)はおよそ83%、及び炭素収支(6)は97%だった。炭素収支中の欠けている3%は、分析により捕捉されなかった中間生成物及び副生成物、例えば特に可溶性及び不溶性のフミン物質から構成される。
【0117】
例2:20%炭水化物溶液を用いる、150℃における0.75%酸によるHMF合成
0.75重量%の硫酸中の20重量%のフルクトース溶液(前記Aによる)(フルクトース80%、グルコース20%)を、まず80℃の温度へと予備加熱し、次いでステップc)において、150℃の温度、6分の滞留時間(加熱ゾーンに対する)で、40時間の実験時間にわたり連続的に反応させた。反応進行中、定期的に試料を採取し、組成をHPLCを使用して分析した。
図5は、フルクトース変換率、選択性、及び炭素収支に関して得られた結果を示す。
【0118】
実験全体にわたり、生成物混合物の組成は一定であった。フルクトース変換率(8)はおよそ19%、HMF選択性(7)はおよそ84%、及び炭素収支(6)は98.6%だった。炭素収支中の欠けている1.4%は、分析により捕捉されなかった中間生成物及び副生成物、例えば特に可溶性及び不溶性のフミン物質から構成される。
【0119】
例3:15%炭水化物溶液を用いる、153℃における0.5%酸によるHMF合成
0.5重量%の硫酸中の15重量%のフルクトース溶液(前記Aによる)(フルクトース80%、グルコース20%)を、まず75℃の温度へと予備加熱し、次いでステップc)において、153℃の温度、7分の滞留時間(加熱ゾーンに対する)で、68時間の実験時間にわたり連続的に反応させた。反応進行中、定期的に試料を採取し、組成をHPLCを使用して分析した。
図6は、フルクトース変換率、選択性、及び炭素収支に関して得られた結果を示す。
【0120】
実験全体にわたり、生成物混合物の組成は一定であった。フルクトース変換率(8)はおよそ20%、HMF選択性(7)はおよそ80%、及び炭素収支(6)は98%だった。炭素収支中の欠けている2%は、分析により捕捉されなかった中間生成物及び副生成物、例えば特に可溶性及び不溶性のフミン物質から構成される。
【0121】
例4:25%炭水化物溶液を用いる、150℃における0.75%酸によるHMF合成
0.75重量%の硫酸中の25重量%のフルクトース溶液(前記Aによる)(フルクトース80%、グルコース20%)を、まず80℃へと予備加熱し、次いでステップc)において、150℃の温度、6分の滞留時間(加熱ゾーンに対する)で、31時間の実験時間にわたり連続的に反応させた。反応進行中、定期的に試料を採取し、組成をHPLCを使用して分析した。
図7は、フルクトース変換率、選択性、及び炭素収支に関して得られた結果を示す。
【0122】
実験全体にわたり、生成物混合物の組成は一定であった。フルクトース変換率(8)はおよそ19.5%、HMF選択性(7)はおよそ81%、及び炭素収支(6)は98%だった。炭素収支中の欠けている2%は、分析により捕捉されなかった中間生成物及び副生成物、例えば特に可溶性及び不溶性のフミン物質から構成される。
【0123】
例5:15(20)%炭水化物溶液を用いる、140℃における1.0%酸によるHMF合成
1.0重量%の硫酸中の15重量%のフルクトース溶液(前記Aによる)(フルクトース80%、グルコース20%)を、まず75℃へと予備加熱し、次いでステップc)において、140℃の温度、9分の滞留時間(加熱ゾーンに対する)で、まず23時間の実験時間にわたり連続的に反応させた。23時間後に、フィード中の炭水化物濃度を20重量%に高めて、その他の点では不変の条件下でさらなる12時間反応を続行した。反応進行中、定期的に試料を採取し、組成をHPLCを使用して分析した。
図8は、フルクトース変換率、選択性、及び炭素収支に関して得られた結果を示す。
【0124】
実験全体にわたり、生成物混合物の組成は一定であった。フルクトース変換率(8)はおよそ19.5%、HMF選択性(7)はおよそ81%、及び炭素収支(6)は98%だった。炭素収支中の欠けている2%は、分析により捕捉されなかった中間生成物及び副生成物、例えば特に可溶性及び不溶性のフミン物質から構成される。
【0125】
例6:2段階クロマトグラフィー法におけるHMF含有生成物混合物の連続分離
I)第1段階目でのHMF画分の分離及び第2段階目での残余画分の分離
ステップd)で得られた生成物混合物を、17重量%の低い乾燥物含有量へと調整した。生成物混合物は、7.8重量%のHMF、1.8重量%のレブリン酸、<0.1重量%のギ酸、63.9重量%のフルクトース、22.5重量%のグルコース、及び4重量%の酸を含み、ステップe)での2段階クロマトグラフィー法において連続的に、60℃において4つの画分に分離される。
【0126】
第1段階目では、生成物混合物を、50lの、H
+型のダイヤイオンUBK 530クロマトグラフィー樹脂(三菱ケミカル株式会社)を用いるISMB系を介して、溶離剤として水を用い、1.84の水/生成物混合物比で、HMF画分(抽出物)及びラフィネート画分へと分離する(
図10)。
【0127】
HMF画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:93.9%、レブリン酸:12.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:0.0%、グルコース:0.0%、酸:0.0%がもたらされた。
【0128】
ラフィネート画分を、続いて、濃縮後に第2段階目において、141lの、H
+型のダイヤイオンUBK 530クロマトグラフィー樹脂を用いるNMCI系を介して、溶離剤として水を用い、4.51の水/生成物混合物比で、フルクトース画分(P画分)、レブリン酸及びギ酸画分(Q画分)、並びに炭水化物/酸画分又はグルコース画分(R画分)へと分離する(
図10)。
【0129】
フルクトース画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:2.0%、レブリン酸:0.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:80.3%、グルコース:35.2%、酸:0.0%がもたらされた。
【0130】
レブリン酸及びギ酸画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:4.0%、レブリン酸:73.7%、ギ酸:0.0%、フルクトース:0.5%、グルコース:0.0%、酸:0.0%がもたらされた。
【0131】
炭水化物/酸画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:0.0%、レブリン酸:14.4%、ギ酸:0.0%、フルクトース:19.2%、グルコース:64.0%、酸:100.0%がもたらされた。
【0132】
II)第1段階目での炭水化物/酸画分の分離及び第2段階目での残余画分の分離
ステップd)で得られた生成物混合物を、17重量%の低い乾燥物含有量へと調整した。生成物混合物は、7.8重量%のHMF、1.8重量%のレブリン酸、<0.1重量%のギ酸、63.9重量%のフルクトース、22.5重量%のグルコース、及び4重量%の塩を含み、ステップe)での2段階クロマトグラフィー法において連続的に、60℃において4つの画分に分離される。
【0133】
第1段階目では、フィードを、135lの、H
+型のダイヤイオンUBK 530クロマトグラフィー樹脂(三菱ケミカル株式会社)を用いるISMB系を介して、溶離剤として水を用い、3.111の水/生成物混合物比で、炭水化物/酸画分(ラフィネート)及び抽出物画分へと分離する(
図11)。
【0134】
炭水化物/酸画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:4.0%、レブリン酸:0.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:15.1%、グルコース:43.1%、酸:95.9%がもたらされた。
【0135】
抽出物画分を、続いて、濃縮後に第2段階目において、190lの、H
+型のダイヤイオンUBK 530クロマトグラフィー樹脂を用いるNMCI系を介して、溶離剤として水を用い、7.49の水/生成物混合物比で、レブリン酸及びギ酸画分(P画分)、HMF画分(Q画分)、並びにフルクトース画分(R画分)へと分離する(
図11)。
【0136】
レブリン酸及びギ酸画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:6.9%、レブリン酸:79.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:0.0%、グルコース:0.0%、酸:0.0%がもたらされた。
【0137】
HMF画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:82.2%、レブリン酸:0.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:0.0%、グルコース:0.0%、酸:1.3%がもたらされた。
【0138】
フルクトース画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:6.9%、レブリン酸:21.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:84.9%、グルコース:57.0%、酸:2.8%がもたらされた。
【0139】
III)第1段階目でのHMF画分の分離及び第2段階目での残余画分の分離
ステップd)で得られた生成物混合物を、55重量%の高い乾燥物含有量へと調整した。生成物混合物は、7.6重量%のHMF、1.7重量%のレブリン酸、<0.1重量%のギ酸、62.8重量%のフルクトース、23.3重量%のグルコース、及び4.6重量%の塩を含み、ステップe)での2段階クロマトグラフィー法において連続的に、60℃において4つの画分に分離される。
【0140】
第1段階目では、生成物混合物を、14lの、H
+型のダイヤイオンUBK 530クロマトグラフィー樹脂(三菱ケミカル株式会社)を用いるISMB系を介して、溶離剤として水を用い、1.84の水/生成物混合物比で、HMF画分(抽出物)及びラフィネート画分へと分離する(
図12)。
【0141】
HMF画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:87.5%、レブリン酸:12.7%、ギ酸:0.0%、フルクトース:0.0%、グルコース:0.0%、酸:0.0%がもたらされた。
【0142】
ラフィネート画分を、続いて、濃縮後に第2段階目において、104lの、H
+型のダイヤイオンUBK 530クロマトグラフィー樹脂を用いるNMCI系を介して、溶離剤として水を用い、5.42の水/生成物混合物比で、フルクトース画分(P画分)、レブリン酸及びギ酸画分(Q画分)、並びに炭水化物/酸画分(R画分)へと分離する(
図12)。
【0143】
フルクトース画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:1.8%、レブリン酸:0.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:89.4%、グルコース:56.4%、酸:0.0%がもたらされた。
【0144】
レブリン酸及びギ酸画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:0.7%、レブリン酸:74.8%、ギ酸:0.0%、フルクトース:0.1%、グルコース:0.0%、酸:2.2%がもたらされた。
【0145】
炭水化物/酸画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:9.9%、レブリン酸:13.3%、ギ酸:0.0%、フルクトース:10.6%、グルコース:43.8%、酸:97.9%がもたらされた。
【0146】
IV)第1段階目での炭水化物/酸画分の分離及び第2段階目での残余画分の分離
ステップd)で得られた生成物混合物を、55重量%の高い乾燥物含有量へと調整した。生成物混合物は、7.6重量%のHMF、1.7重量%のレブリン酸、<0.1重量%のギ酸、62.8重量%のフルクトース、23.3重量%のグルコース、及び4.6重量%の塩を含み、ステップe)での2段階クロマトグラフィー法において連続的に、60℃において4つの画分に分離される。
【0147】
第1段階目では、フィードを、39lの、H
+型のダイヤイオンUBK 530クロマトグラフィー樹脂(三菱ケミカル株式会社)を用いるISMB系を介して、溶離剤として水を用い、3.67の水/生成物混合物比で、炭水化物/酸画分(ラフィネート)及び抽出物画分へと分離する(
図13)。
【0148】
炭水化物/酸画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:6.4%、レブリン酸:0.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:10.4%、グルコース:37.3%、酸:99.1%がもたらされた。
【0149】
抽出物画分を、続いて、濃縮後に第2段階目において、105lの、H
+型のダイヤイオンUBK 530クロマトグラフィー樹脂を用いるNMCI系を介して、溶離剤として水を用い、7.49の水/生成物混合物比で、レブリン酸及びギ酸画分(P画分)、HMF画分(Q画分)、並びにフルクトース画分(R画分)へと分離する(
図13)。
【0150】
レブリン酸及びギ酸画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:1.4%、レブリン酸:82.2%、ギ酸:0.0%、フルクトース:0.3%、グルコース:0.2%、酸:0.0%がもたらされた。
【0151】
HMF画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:76.4%、レブリン酸:0.0%、ギ酸:0.0%、フルクトース:0.0%、グルコース:0.0%、酸:0.0%がもたらされた。
【0152】
フルクトース画分に関しては、次の回収率(ステップd)から供給された生成物混合物のそれぞれの含有量に対する):HMF:16.1%、レブリン酸:18.2%、ギ酸:0.0%、フルクトース:89.7%、グルコース:62.8%、酸:1.0%がもたらされた。
【0153】
例7:本発明による工程からのHMF溶液の酸化
10重量%のフルクトース溶液(フルクトース96%、グルコース2.3%、残余糖類1.7%)から得られた生成物混合物を、クロマトグラフィーにより分離した。その際に得られたHMF画分は、98.1g/100g乾燥物の純度を有し、0.4mol/lの濃度に濃縮され、酸化実験において、次の反応条件下で、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)へと変換させた。
調合サイズ=500g
cHMF=0.4mol/l
c触媒=5.94g/l(触媒の乾燥物に対して)
触媒=5%Pt/1%Bi/C(Degussa/Evonik)
T=60℃
pH=9.0
滴定剤=16重量%のNaOH
圧力=大気圧
O2=500ml/分
【0154】
定期的に試料を採取し、これらの試料の組成をHPLC(BIORAD、Aminex 87-H、5mmol/l H
2SO
4、50℃)を使用して検査した。実験結果を
図9に示す。
【0155】
使用したHMF(25)は完全に変換できた。酸化させた溶液から、続いて、塩酸を加えてpH値を低下させることで遊離2,5-フランジカルボン酸(27)を沈殿させ、乾燥させて分析した。その際に得られたFDCAの純度は、98.2%だった。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
a)フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を準備するステップ、
b)フルクトース含有水性出発溶液及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を混合して、5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物乾燥物)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物乾燥物に対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得るステップ、
c)ステップb)で得られた反応溶液を、連続式反応器系へと供給し、1モル%から40モル%のフルクトース変換率に調整しながら、80℃から165℃の温度において、反応溶液中に存在するフルクトースをHMFへと変換して、HMF含有生成物混合物を得るステップ、
d)生成物混合物を20℃から80℃の温度へと調整するステップ、及び
e)クロマトグラフィーを使用してHMF画分、炭水化物/酸画分、フルクトース画分、並びにレブリン酸及びギ酸画分を含む少なくとも4つの画分を分離することにより、ステップd)で得られた生成物混合物を精製するステップ
を含む、連続工程での5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の製造方法。
[実施形態2]
ステップa)において、フルクトース含有水性出発溶液、返送されたフルクトース含有水性画分及び少なくとも1つの均一系酸性触媒が準備され、
ステップb)において、フルクトース含有水性出発溶液、返送されたフルクトース含有水性画分及び少なくとも1つの均一系酸性触媒を混合して、5重量%から50重量%の炭水化物含有量(反応溶液の総重量に対する炭水化物乾燥物)及び40重量%から100重量%のフルクトース含有量(炭水化物乾燥物に対するフルクトース乾燥物)を有する反応溶液を得、並びに、
ステップe)で分離されるか又はステップf)で得られるフルクトース画分を、連続的に、少なくとも部分的にステップa)へと返送する、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
ステップb)で得られた反応溶液を80℃から165℃の温度へと予備加熱する、実施形態1又は2に記載の方法。
[実施形態4]
ステップb)の前に、ステップa)で準備される成分の少なくとも1つを80℃から165℃の温度へと予備加熱する、実施形態1又は2に記載の方法。
[実施形態5]
少なくとも1つの均一系酸性触媒の濃度が、0.5重量%から5重量%(反応溶液の総重量に対する重量%)である、実施形態1から4のいずれかに記載の方法。
[実施形態6]
少なくとも1つの均一系酸性触媒が、硫酸、塩酸、リン酸、脂肪族又は芳香族カルボン酸、及び脂肪族又は芳香族スルホン酸から選択される、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
[実施形態7]
前記方法において有機溶媒を使用しない、実施形態1から6のいずれかに記載の方法。
[実施形態8]
ステップc)での、フルクトースをHMFへと変換するステップが、0.1から20分の時間行われる、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
[実施形態9]
ステップc)でのHMF選択性が、60モル%から100モル%である、実施形態1から8のいずれかに記載の方法。
[実施形態10]
クロマトグラフィーが、イオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーである、実施形態1から9のいずれかに記載の方法。
[実施形態11]
ステップe)でのクロマトグラフィー、特にイオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーが、擬似移動床法(SMB)、逐次擬似移動床法(SSMB)、改良型擬似移動床法(ISMB)、又はNew MCI法(NMCI)である、実施形態1から10のいずれかに記載の方法。
[実施形態12]
ステップe)でのクロマトグラフィーが多段工程である、実施形態1から11のいずれかに記載の方法。
[実施形態13]
ステップe)でのクロマトグラフィーが、カチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーである、実施形態1から12のいずれかに記載の方法。
[実施形態14]
ステップe)での、カチオン交換樹脂を用いるクロマトグラフィーを、H
+
型のカチオン交換樹脂を使用して行う、実施形態13に記載の方法。
[実施形態15]
クロマトグラフィーの前に、生成物混合物のろ過、活性炭上での生成物混合物の脱色及び/又は精製を行う、実施形態1から14のいずれかに記載の方法。
[実施形態16]
ステップe)を40℃から80℃の温度において行う、実施形態1から15のいずれかに記載の方法。
[実施形態17]
ステップd)で得られる生成物混合物を、ステップe)の前に、20重量%から50重量%の乾燥物含有量へと濃縮する、実施形態1から16のいずれかに記載の方法。
[実施形態18]
ステップe)で分離されるか又はステップf)で得られる炭水化物/酸画分を、エタノールの製造に使用する、実施形態1から17のいずれかに記載の方法。
[実施形態19]
ステップe)で分離されるか又はステップf)で得られるレブリン酸及びギ酸画分を、レブリン酸及びギ酸を単離するために使用する、実施形態1から18のいずれかに記載の方法。
[実施形態20]
ステップe)で分離されるか又はステップf)で得られるHMFを、直接、手間のかかるさらなる精製の必要なく、さらなる一ステップにおいて、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)へと酸化する、実施形態1から19のいずれかに記載の方法。