(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】アジュバント
(51)【国際特許分類】
A01N 25/30 20060101AFI20220317BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20220317BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20220317BHJP
A01N 25/14 20060101ALI20220317BHJP
A01N 47/36 20060101ALI20220317BHJP
A01N 47/10 20060101ALI20220317BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20220317BHJP
A01N 41/06 20060101ALI20220317BHJP
A01N 43/56 20060101ALI20220317BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20220317BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
A01N25/30
A01N25/00 101
A01N25/02
A01N25/14
A01N47/36 101E
A01N47/10 A
A01N43/90 103
A01N41/06 Z
A01N43/56 C
A01P13/00
A01P3/00
(21)【出願番号】P 2019532103
(86)(22)【出願日】2017-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2017082273
(87)【国際公開番号】W WO2018108835
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-10
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】300091441
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100136249
【氏名又は名称】星野 貴光
(72)【発明者】
【氏名】ラムゼイ ジュリア リン
(72)【発明者】
【氏名】ベル ゴードン アラステア
(72)【発明者】
【氏名】テイラー フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ストック デイヴィッド
【審査官】▲高▼岡 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-038425(JP,A)
【文献】特表2010-513239(JP,A)
【文献】特表2011-513209(JP,A)
【文献】特表2002-532391(JP,A)
【文献】特表2015-532266(JP,A)
【文献】国際公開第2014/047934(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)式(I)
R-O-[PO]
m-[EO]
n-H (I)
(式中、Rは、C
16~C
18直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基であり、mは、
4~9であり、およびnは、
4~15である)
の化合物と;
(ii)農薬と
を含む組成物。
【請求項2】
SC(懸濁液濃縮物);SL(可溶性液体);EC(乳剤);DC(分散性濃縮物);WG(水分散性顆粒剤);SG(可溶性顆粒剤);EW(水中エマルジョン);SE(懸濁液-エマルジョン);CS(カプセル懸濁液)またはOD(油分散系)である、請求項
1に記載の組成物。
【請求項3】
農薬の生物学的性能を向上させるための、式(I)
R-O-[PO]
m-[EO]
n-H (I)
(式中、Rは、C
16~C
18直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基であり、mは、
4~9であり、およびnは、
4~15である)
の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある種の(生物学的性能向上)アルコールアルコキシレートアジュバントと農薬とを含む組成物および農薬の生物学的性能を向上させるためのアジュバントの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アジュバントは、農薬の生物学的効能を向上させ得ることと、ある種のアルコールアルコキシレートは、そのようなアジュバントとして挙動し得ることとが公知である。本発明は、これまでアジュバントであることが知られておらず、かつ他の公知のアジュバントよりも驚くほど良好に挙動するアルコールアルコキシレートのクラスに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のアジュバントは、構造R-O-[R1O]m-[R2O]n-H(式中、Rは、C16~C18(C16-18;すなわちC16~C18)直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基であり、R1は、イソプロピルであり、R2は、エチルであり、mは、1~15であり、およびnは、1~25である)を有する。これは、各R1Oがプロピレンオキシド[PO]単位を表し、および各R2Oがエチレンオキシド[EO]単位を表すことを意味する。本アジュバントは、農薬と併せて製剤中に存在し得る。
【発明を実施するための形態】
【0004】
したがって、一実施形態において、本発明は、
(i)式(I)
R-O-[PO]m-[EO]n-H (I)
(式中、Rは、C16-18直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基であり、mは、1~15であり、およびnは、1~25である)
の化合物と;
(ii)農薬と
を含む組成物を提供する。
【0005】
好適には、Rの炭素鎖は、それがC16とC18とのブレンドであるようなものである。
【0006】
一態様において、Rは、好ましくは、C16~C18直鎖アルキルであり;より好ましくは、それは、C16とC18とのブレンドである。
【0007】
別の態様において、Rは、好ましくは、オレイルである。
【0008】
mは、好ましくは、2~10;より好ましくは4~9;さらにより好ましくは4~6である。
【0009】
nは、好ましくは、2~20;より好ましくは4~15;さらにより好ましくは4~12である。
【0010】
好ましくは、mは、PO単位の平均数である。
【0011】
好ましくは、nは、EO単位の平均数である。
【0012】
名詞「農薬」および用語「農芸化学的有効成分」は、本明細書では同じ意味で用いられ、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤、殺真菌剤、植物成長調整剤および薬害軽減剤;好ましくは除草剤、殺虫剤および殺真菌剤;より好ましくは殺真菌剤および除草剤を含む。
【0013】
下に与えられるものから選択される農薬または農薬の塩が本発明に好適である。
【0014】
好適な除草剤としては、ピノキサデン、ビシクロピロン、メソトリオン、ホメサフェン、トラルコキシジム、ナプロパミド、アミトラズ、プロパニル、ピリメタニル、ジクロラン、テクナゼン、トクロフォスメチル、フラムプロップM、2,4-D、MCPA、メコプロップ、クロジナホップ-プロパルギル、シハロホップ-ブチル、ジクロホップメチル、ハロキシホップ、キザロホップ-P、インドール-3-イル酢酸、1-ナフチル酢酸、イソキサベン、テブタム、クロルタルジメチル、ベノミル、ベンフレセート、ジカンバ、ジクロベニル、ベナゾリン、トリアゾキシド、フルアズロン、テフルベンズロン、フェンメディファム、アセトクロール、アラクロール、メトラクロール、プレチラクロール、テニルクロール、アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、シクロジム、セトキシジム、テプラロキシジム、ペンジメタリン、ジノテルブ、ビフェノックス、オキシフルオルフェン、アシフルオルフェン、フルアジホップ、S-メトラクロール、グリホセート、グルホシネート、パラクアット、ジクアット、フルオログリコフェン-エチル、ブロモキシニル、アイオキシニル、イマザメタベンズ-メチル、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマザピック、イマザモックス、フルミオキサジン、フルミクロラック-ペンチル、ピクロラム、アモドスルフロン、クロルスルフロン、ニコスルフロン、リムスルフロン、トリアスルフロン、トリアレート、ペブレート、プロスルホカルブ、モリネート、アトラジン、シマジン、シアナジン、アメトリン、プロメリン、テルブチラジン、テルブチリン、スルコトリオン、イソプロツロン、リニュロン、フェニュロン、クロロトルロン、メトキスロン、イオドスルフロン、メソスルフロン、ジフルフェニカン、フルフェナセット、フルロキシピル、アミノピラリド、ピロクスラム、XDE-848 Rinskorおよびハロウキシフェン-メチルが挙げられる。
【0015】
好適な殺真菌剤としては、イソピラザム、マンジプロパミド、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、クレソキシムメチル、メフェノキサム、ファモキサドン、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、シプロダニル(cyprodanil)、カルベンダジム、チアベンダゾール、ジメトモルフ、ビンクロゾリン、イプロジオン、ジチオカルバメート、イマザリル、プロクロラズ、フルキンコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ヘキサコナゾール、パクロブトラゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリチチコナゾール(trtiticonazole)、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、マンコゼブ、メチラム、クロロタロニル、チラム、ジラム、カプタホール、キャプタン、ホルペット、フルアジナム、フルトラニル、カルボキシン、メタラキシル、ブピリメート、エチリモール、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、オリサストロビン、メトミノストロビン、プロチオコナゾール、アデピジン、ビキサフェン、フルキサピロキサド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、レヴィソル、ソラテノールおよびゼミウムが挙げられる。
【0016】
好適な殺虫剤としては、チアメトキサム、イミダクロプリド、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、ニテンピラム、フィプロニル、アバメクチン、エマメクチン、テフルトリン、エマメクチン、ベンゾエート、ベンジオカルブ、カルバリル、フェノキシカルブ、イソプロカルブ、ピリミカルブ、プロポクスル、キシリルカルブ、アスラム、クロルプロファム、エンドスルファン、ヘプタクロル、テブフェノジド、ベンスルタップ、ジエトフェンカルブ、ピリミホスメチル、アルジカルブ、メソミル、シプルメトリン(cyprmethrin)、ビオアレトリン、デルタメトリン、ラムダシハロトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ペルメトリン、ハルフェンプロックス、オキサミル、フルピラジフロン、セダキサン、インスカリス、リナキシピル、シアントラニリプロール、スルホキサフロルおよびスピネトラムが挙げられる。
【0017】
好適な植物成長調整剤としては、パクロブトラゾール、トリネキサパック-エチルおよび1-メチルシクロプロペンが挙げられる。
【0018】
好適な薬害軽減剤としては、ベノキサコール、クロキントセット-メキシル、シオメトリニル、ジクロルミド、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルクソフェニム、メフェンピル-ジエチル、MG-191、ナフタル酸無水物およびオキサベトリニルが挙げられる。
【0019】
好適には、農薬は、ビシクロピロン、メソトリオン、ピノキサデン、ホメサフェン、トラルコキシジム、ナプロパミド、アミトラズ、プロパニル、ピリメタニル、ジクロラン、テクナゼン、トクロフォスメチル、フラムプロップM、2,4-D、MCPA、メコプロップ、クロジナホップ-プロパルギル、シハロホップ-ブチル、ジクロホップメチル、ハロキシホップ、キザロホップ-P、インドール-3-イル酢酸、1-ナフチル酢酸、イソキサベン、テブタム、クロルタルジメチル、ベノミル、ベンフレセート、ジカンバ、ジクロベニル、ベナゾリン、トリアゾキシド、フルアズロン、テフルベンズロン、フェンメディファム、アセトクロール、アラクロール、メトラクロール、プレチラクロール、テニルクロール、アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、シクロジム、セトキシジム、テプラロキシジム、ペンジメタリン、ジノテルブ、ビフェノックス、オキシフルオルフェン、アシフルオルフェン、フルオログリコフェン-エチル、ブロモキシニル、アイオキシニル、イマザメタベンズ-メチル、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマザピック、イマザモックス、フルミオキサジン、フルミクロラック-ペンチル、ピクロラム、アモドスルフロン、クロルスルフロン、ニコスルフロン、リムスルフロン、トリアスルフロン、トリアレート、ペブレート、プロスルホカルブ、モリネート、アトラジン、シマジン、シアナジン、アメトリン、プロメリン、テルブチラジン、テルブチリン、スルコトリオン、イソプロツロン、リニュロン、フェニュロン、クロロトルロン、メトキスロン、イソピラザム、マンジプロパミド、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、クレソキシムメチル、ファモキサドン、メトミノストロビンおよびピコキシストロビン、シプロダニル(cyprodanil)、カルベンダジム、チアベンダゾール、ジメトモルフ、ビンクロゾリン、イプロジオン、ジチオカルバメート、イマザリル、プロクロラズ、フルキンコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ヘキサコナゾール、パクロブトラゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、トリアジメホン、トリチチコナゾール、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、マンコゼブ、メチラム、クロロタロニル、チラム、ジラム、カプタホール、キャプタン、ホルペット、フルアジナム、フルトラニル、カルボキシン、メタラキシル、ブピリメート、エチリモール、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、オリサストロビン、メトミノストロビン、プロチオコナゾール、チアメトキサム、イミダクロプリド、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、ニテンピラム、フィプロニル、アバメクチン、エマメクチン、ベンジオカルブ、カルバリル、フェノキシカルブ、イソプロカルブ、ピリミカルブ、プロポクスル、キシリルカルブ、アスラム、クロルプロファム、エンドスルファン、ヘプタクロル、テブフェノジド、ベンスルタップ、ジエトフェンカルブ、ピリミホスメチル、アルジカルブ、メソミル、シプルメトリン(cyprmethrin)、ビオアレトリン、デルタメトリン、ラムダシハロトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ペルメトリン、ハルフェンプロックス、パクロブトラゾール、1-メチルシクロプロペン、ベノキサコール、クロキントセット-メキシル、シオメトリニル、ジクロルミド、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルクソフェニム、メフェンピル-ジエチル、MG-191、ナフタル酸無水物およびオキサベトリニルから選択される。
【0020】
好ましい農薬有効成分は、ホメサフェン(好適にはナトリウム塩として)、メソトリオン、ニコスルフロン、ピノキサデン、イソピラザム、エポキシコナゾール、ソラテノールおよびシアントラニリプロールから選択される。
【0021】
より好ましくは、農薬は、ホメサフェン(好適にはナトリウム塩として)、メソトリオン、ニコスルフロンまたはピノキサデンである。
【0022】
The Pesticide Manualの様々な版[とりわけ第14版および第15版]はまた、農薬の詳細を開示しており、それらの任意の1つが好適に本発明に使用され得る。
【0023】
好適には、本発明の組成物は、上に記載された農薬の1つまたは複数を含み得る。
【0024】
一般に、任意の農芸化学的有効成分は、約0.000001%~約90%w/w;好ましくは約0.001%~約90%w/wの濃度で存在するであろう。
【0025】
本発明の農薬組成物は、直ちに使える製剤の形態またはエンドユーザーによるさらなる希釈に好適な濃縮物形態であり得、農薬および式(I)の化合物の濃度は、状況に応じて調整されるであろう。濃縮形態において、本発明の組成物は、典型的には、全組成物の5~90%w/w、より好ましくは5~75%w/w、さらにより好ましくは10~50%w/wで農薬を含有する。本発明の直ちに使える組成物は、典型的には、全組成物の0.000001%~1%w/w、より好ましくは0.000001%~0.5%w/w、より好ましくはさらに0.001%~0.1%w/wで農薬を含有するであろう。
【0026】
典型的には、式(I)の化合物は、全組成物の約0.0005%~約90%w/w;好ましくは約0.01%~約90%w/wの濃度を有するであろう。濃縮形態である場合、本発明の組成物は、典型的には、全組成物の1%~80%w/w、好ましくは5%~60%w/w、より好ましくは5%w/w~40%w/w、さらにより好ましくは5%w/w~20%w/wで式(I)の化合物を含有する。本発明の直ちに使える組成物は、典型的には、全組成物の約0.0005%~約2%w/w、より好ましくは全組成物の約0.01%~約1%w/w、さらにより好ましくは0.05%w/w~0.5%w/wで式(I)の化合物を含有する。式(I)の具体的な個々の化合物が様々な値のmおよびnのために式(I)の他の化合物のブレンドで存在する場合、個々の化合物についてのこれらの濃度範囲は、下限が10倍低下し、および上限が2倍低下するように変わり得る。
【0027】
本発明の組成物は、農夫の水の圧縮空気タンクに添加されるように設計された濃縮物に関連し得、またはそれらは、さらなる希釈なしに直接散布され得る。
【0028】
好ましくは、組成物は、SC(懸濁液濃縮物);SL(可溶性液体);EC(乳剤);DC(分散性濃縮物);WG(水分散性顆粒剤);SG(可溶性顆粒剤);EW(水中エマルジョン);SE(懸濁液-エマルジョン);CS(カプセル懸濁液);およびOD(油分散系)から選択される。
【0029】
さらに、本明細書に記載されるようなアジュバント系は、(例えば、農夫の圧縮空気タンクにおいて水と混合することによって)農薬の製剤に添加されるように設計され得る。
【0030】
したがって、さらなる態様において、本発明は、農薬の生物学的性能を向上させるための式(I)の化合物の使用に関する。
【0031】
本発明の組成物は、当業者に周知である分散剤、界面活性剤、乳化剤、溶媒、ポリマー、消泡剤、抗菌剤、着色剤および香料などの他の成分を含み得る。標準的な製剤刊行物は、本発明での使用に好適なそのような製剤構成成分を開示している(例えば、1998年にKluwer Academic Publishers,The Netherlandsによって出版されたChemistry and Technology of Agrochemical Formulations,Alan Knowles編;および2006年12月にInforma UK Ltdによって出版されたAdjuvants and Additives:Alan Knowlesによる2006年版Agrow Report DS256)。組成物は、本発明のアルコールアルコキシレートアジュバントと一緒の使用に好適であり得る、国際公開第12052545号に考察されているような、ハイドロトロープおよび粘度低下助剤などの製剤相溶性を向上させるための他の成分も含み得る。
【0032】
本発明の組成物は、他のアジュバントを含み得る。好適なアジュバントは、当業者に公知であり、例は、Hazen,Weed Technology,2000,14,773-784“Adjuvants-terminology,classification and chemistry”に与えられている。例は、界面活性剤(例えば、非イオン、アニオン、カチオンまたは両性)、湿潤剤、展着剤、固着剤、保湿剤および浸透剤である。好適なアジュバントのさらなる例は、鉱油、植物油、脂肪酸エステル、脂肪族または芳香族ジカルボン酸のエステル、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルアミンエトキシレート、トリグリセリドのエトキシレート、脂肪酸のエトキシレート、脂肪酸エステルのエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステルのエトキシレート、アルキルポリグルコシドおよびシリコーン系アジュバントである。好ましい好適なアジュバントは、改善された湿潤性または改善された散布保持特性を提供する界面活性剤である。
【0033】
以下の実施例は、本発明のアジュバントの生物学的性能への影響を実証し、使用されるアジュバントは、比較アジュバントと一緒に表Aに一覧にされる。使用されるさらなる比較アジュバントは、市販のアジュバントATPLUS(登録商標)411F(鉱油アジュバント);Turbocharge(登録商標)(油-アジュバントブレンド);Tween(登録商標)20(ポリオキシエチレンソルビタンラウレートエステルアジュバント)およびアジュバントトリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート[TEHP]であった。
【0034】
【0035】
本発明の一態様において、アジュバント1が好ましく;代わりの態様において、アジュバント2が好ましく;別の代わりの態様において、アジュバント5が好ましい。
【実施例】
【0036】
実施例1
除草剤ニコスルフロンのためのアジュバントとしてのアジュバント1の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。ニコスルフロンを標準WG(水分散性顆粒剤)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0037】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり30および60グラムの農薬の比率でニコスルフロンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント1、アジュバント3、アジュバント4または商業的に入手可能なタンクミックスアジュバントAtplus 411F(登録商標)と併せてニコスルフロンを使用しても実施された。アジュバントを、0.5%v/vの比率で添加されたAtplus 411F(登録商標)を除いて0.2%v/vの比率で散布液に添加した。雑草種および散布時のそれらの成長段階は、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH;成長段階13)、シロザ(Chenopodium album)(CHEAL;成長段階13~14)、メヒシバ(Digitaria sanguinalis)(DIGSA;成長段階13~21)およびエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI;成長段階14~21)であった。
【0038】
各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表1に示される結果は、2つの比率のニコスルフロン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0039】
【0040】
結果は、アジュバント1がニコスルフロンにとって有効なアジュバントであり、かつ商業的に入手可能なタンクミックスアジュバントAtplus 411F(登録商標)と少なくとも同様に効果があることを示す。アジュバント1は、比較アルコキシル化アジュバントのアジュバント3およびアジュバント4よりもニコスルフロンにとって良好な効能を示す。
【0041】
実施例2
除草剤メソトリオンのためのアジュバントとしてのアジュバント1の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。メソトリオンを標準SC(懸濁液濃縮物)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0042】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり30および60グラムの農薬の比率でメソトリオンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント1、アジュバント3、アジュバント4または周知のアジュバントTween(登録商標)20と併せてメソトリオンを使用しても実施しされた。アジュバントを、0.5%v/vの比率で添加されたTween(登録商標)20を除いて0.2%v/vの比率で散布液に添加した。4つの雑草種は、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)(POLCO;成長段階13~15)、ブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)(BRAPL;成長段階13~21)、マルバツユクサ(Commelina benghalensis)(COMBE;成長段階12~13)およびメヒシバ(Digitaria sanguinalis)(DIGSA;成長段階13~14)であった。
【0043】
各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表2に示される結果は、2つの比率のメソトリオン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0044】
【0045】
結果は、アジュバント1がメソトリオンにとって有効なアジュバントであり、かつ公知のアジュバントTween(登録商標)20とほとんど同様に効果があることを示す。アジュバント1は、比較アルコキシル化アジュバントのアジュバント3およびアジュバント4よりもメソトリオンにとって良好な効能を示す。
【0046】
実施例3
除草剤ピノキサデンのためのアジュバントとしてのアジュバント1の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。ピノキサデンを標準EC(乳剤)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0047】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり7.5および15グラムの農薬の比率でピノキサデンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント1、アジュバント3、アジュバント4または標準アジュバントのトリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートと併せてピノキサデンを使用しても実施された。アジュバントを0.2%v/vの比率で散布液に添加した。雑草種および散布時のそれらの成長段階は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)(ALOMY;成長段階12~13)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA;成長段階12~13)、ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE;成長段階13)およびエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI;成長段階12~13)であった。各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表3に示される結果は、2つの比率のピノキサデン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0048】
結果は、アジュバント1がピノキサデンにとって有効なアジュバントであり、かつピノキサデンにとって非常に有効なアジュバントである標準アジュバントのトリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートとほとんど同様に効果があることを示す。アジュバント1は、比較アルコキシル化アジュバントのアジュバント3およびアジュバント4よりもピノキサデンにとって良好な効能を示す。
【0049】
【0050】
実施例4
除草剤ホメサフェン(ナトリウム塩としての)のためのアジュバントとしてのアジュバント1の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。ホメサフェンナトリウム塩を標準SL(可溶性液体)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0051】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり60および120グラムの農薬の比率でホメサフェンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント1、アジュバント3、アジュバント4または商業的に入手可能なアジュバントTurbocharge(登録商標)と併せてホメサフェンを使用しても実施された。アジュバントを、0.5%v/vの比率で添加されたTurbocharge(登録商標)を除いて0.2%v/vの比率で散布液に添加した。雑草種および散布時のそれらの成長段階は、シロザ(Chenopodium album)(CHEAL;成長段階13~15)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH;成長段階12~14)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI;成長段階13~21)およびマルバツユクサ(Commelina benghalensis)(成長段階12~13)であった。
【0052】
各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表4に示される結果は、2つの比率のホメサフェン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0053】
【0054】
結果は、アジュバント1がホメサフェンにとって有効なアジュバントであり、かつ商業的に入手可能な農薬アジュバントTurbocharge(登録商標)と少なくとも同様に有効あることを実証する。アジュバント1は、比較アルコキシル化アジュバントのアジュバント3およびアジュバント4よりもホメサフェンにとって良好な効能を示す。
【0055】
実施例5
除草剤ニコスルフロンのためのアジュバントとしてのアジュバント2の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。ニコスルフロンを標準WG(水分散性顆粒剤)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0056】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり30および60グラムの農薬の比率でニコスルフロンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント2または商業的に入手可能なタンクミックスアジュバントAtplus 411F(登録商標)と併せてニコスルフロンを使用しても実施された。これらのアジュバントをそれぞれ0.2%v/vまたは0.5%v/vの比率で散布液に添加した。雑草種は、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、シロザ(Chenopodium album)(CHEAL)、メヒシバ(Digitaria sanguinalis)(DIGSA)およびエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)であった。
【0057】
各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表5に示される結果は、2つの比率のニコスルフロン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0058】
【0059】
結果は、アジュバント2がニコスルフロンにとって有効なアジュバントであり、かつ商業的に入手可能なタンクミックスアジュバントAtplus 411F(登録商標)と少なくとも同様に効果があることを示す。
【0060】
実施例6
除草剤メソトリオンのためのアジュバントとしてのアジュバント2の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。メソトリオンを標準SC(懸濁液濃縮物)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0061】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり30および60グラムの農薬の比率でメソトリオンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント2または周知のアジュバントTween(登録商標)20と併せてメソトリオンを使用しても実施された。これらのアジュバントをそれぞれ0.2%v/vまたは0.5%v/vの比率で散布液に添加した。4つの雑草種は、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)(POLCO)、ブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)(BRAPL)、マルバツユクサ(Commelina benghalensis)(COMBE)およびメヒシバ(Digitaria sanguinalis)(DIGSA)であった。各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表6に示される結果は、2つの比率のメソトリオン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0062】
【0063】
結果は、アジュバント2がメソトリオンにとって有効なアジュバントであり、かつ周知のアジュバントTween(登録商標)20と少なくとも同様に効果があることを示す。
【0064】
実施例7
除草剤ピノキサデンのためのアジュバントとしてのアジュバント2の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。ピノキサデンを標準EC(乳剤)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0065】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり7.5および15グラムの農薬の比率でピノキサデンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント2または標準アジュバントのトリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートと併せてピノキサデンを使用しても実施された。これらのアジュバントを0.2%v/vの比率で散布液に添加した。雑草種は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)(ALOMY)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA)、ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE)およびエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)であった。
【0066】
各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表7に示される結果は、2つの比率のピノキサデン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0067】
結果は、アジュバント2がピノキサデンにとって有効なアジュバントであり、かつピノキサデンにとって非常に有効なアジュバントである標準アジュバントのトリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートとほとんど同様に効果があることを示す。
【0068】
【0069】
実施例8
除草剤ホメサフェン(ナトリウム塩としての)のためのアジュバントとしてのアジュバント2の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。ホメサフェンナトリウム塩を標準SL(可溶性液体)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0070】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり60および120グラムの農薬の比率でホメサフェンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント2または商業的に入手可能な農薬アジュバントTurbocharge(登録商標)と併せてホメサフェンを使用しても実施された。これらのアジュバントをそれぞれ0.2%v/vまたは0.5%v/vの比率で散布液に添加した。雑草種は、シロザ(Chenopodium album)(CHEAL)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、エノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)およびオナモミ(Xanthium strumarium)(XANST)であった。
【0071】
各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表8に示される結果は、2つの比率のホメサフェン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0072】
【0073】
結果は、アジュバント2がホメサフェンにとって有効なアジュバントであり、かつ商業的に入手可能な農薬アジュバントTurbocharge(登録商標)とほとんど同様に効果があることを実証する。
【0074】
実施例9
除草剤メソトリオンのためのアジュバントとしてのアジュバント5の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。メソトリオンを標準SC(懸濁液濃縮物)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0075】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり30または60グラムの農薬の比率でメソトリオンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント5、アジュバント6または周知のアジュバントTween(登録商標)20と併せてメソトリオンを使用しても実施された。アジュバントを、0.5%v/vの比率で添加されたTween(登録商標)20を除いて0.2%v/vの比率で散布液に添加した。4つの雑草種は、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)(POLCO)、ブラキアリア・プランタギネア(Brachiaria plantaginea)(BRAPL)、マルバツユクサ(Commelina benghalensis)(COMBE)およびメヒシバ(Digitaria sanguinalis)(DIGSA)であった。
【0076】
各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表9に示される結果は、2つの比率のメソトリオン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0077】
【0078】
結果は、アジュバント5がメソトリオンにとって有効なアジュバントであり、かつ公知のアジュバントTween(登録商標)20よりも効果があることを示す。アジュバント5はまた、比較アジュバント6よりもメソトリオンによって良好な効能を示す。
【0079】
実施例10
除草剤ピノキサデンのためのアジュバントとしてのアジュバント5の効能を4つの雑草種に対して温室中で試験した。ピノキサデンを標準EC(乳剤)製剤として圧縮空気タンクに添加した。
【0080】
植物に対し、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、1ヘクタール当たり7.5または15グラムの農薬の比率でピノキサデンを(アジュバントの不在下で)散布した。散布試験は、アジュバント5、アジュバント6または標準アジュバントのトリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートと併せてピノキサデンを使用しても実施された。アジュバントを0.2%v/vの比率で散布液に添加した。雑草種は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)(ALOMY)、カラスムギ(Avena fatua)(AVEFA)、ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE)およびエノコログサ(Setaria viridis)(SETVI)であった。各散布試験を3回反復した。除草剤の効能を目視評価し、枯れた葉面積の百分率として表した。試料を散布後21日の期間で評価した。以下の表10に示される結果は、2つの比率のピノキサデン、3つの反復および4つの雑草種にわたる平均である。
【0081】
結果は、アジュバント5がピノキサデンにとって有効なアジュバントであり、かつピノキサデンにとって非常に有効なアジュバントである標準アジュバントのトリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートとほとんど同様に効果があることを示す。アジュバント5は、比較アジュバント6よりもピノキサデンにとって良好な効能を示す。
【0082】
【0083】
実施例11
アジュバント1を、イソピラザムを含む農薬組成物のためのアジュバントとして試験した。
【0084】
2週齢のコムギ植物に真菌セプトリア・トリチチ(Septoria tritici)を植菌した。植菌の4日後、2バールのフラットファンノズル(LU 90-01)を使用して、1ヘクタール当たり200リットルの比率で水性散布組成物を送達する実験トラックスプレイヤーを用いて、散布液の1リットル当たり6.5、16、40または100ミリグラムの殺真菌剤の比率で殺真菌剤イソピラザムの希釈懸濁液濃縮物製剤を(アジュバントの不在下で)植物に散布した。散布試験は、散布液の量を基準として0.1%v/vの比率で散布液に添加された、アジュバント1をさらに含む希釈イソピラザム懸濁液濃縮物を用いても実施された。植物の葉を感染の14日後に目視評価し、感染葉面積の百分率として損傷を表した。各散布試験を4つの散布率にわたって4回反復した。
【0085】
以下の表11に示される結果は、4つの比率のイソピラザムおよび4つの反復にわたる平均である。
【0086】
【0087】
表11から理解できるように、イソピラザムのためのアジュバントとしてのアジュバント1の包含は、アジュバントなしのイソピラザムSCによって達成されるものと比較してS.トリチチ(S.tritici)による感染の百分率の著しい低下をもたらした。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕(i)式(I)
R-O-[PO]
m
-[EO]
n
-H (I)
(式中、Rは、C
16
~C
18
直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基であり、mは、1~15であり、およびnは、1~25である)
の化合物と;
(ii)農薬と
を含む組成物。
〔2〕mは、2~10である、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕nは、2~20である、前記〔1〕または〔2〕に記載の組成物。
〔4〕SC(懸濁液濃縮物);SL(可溶性液体);EC(乳剤);DC(分散性濃縮物);WG(水分散性顆粒剤);SG(可溶性顆粒剤);EW(水中エマルジョン);SE(懸濁液-エマルジョン);CS(カプセル懸濁液)またはOD(油分散系)である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔5〕農薬の生物学的性能を向上させるための、式(I)
R-O-[PO]
m
-[EO]
n
-H (I)
(式中、Rは、C
16
~C
18
直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケニル基であり、mは、1~15であり、およびnは、1~25である)
の化合物の使用。