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特許7042326動的な充電電流分布を有する充電ステーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】動的な充電電流分布を有する充電ステーション
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20220317BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220317BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20220317BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20220317BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20220317BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20220317BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
H02M3/155 W
B60L53/67
B60L53/30
B60L53/62
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020502300
(86)(22)【出願日】2018-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-03
(86)【国際出願番号】 EP2018070293
(87)【国際公開番号】W WO2019020747
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-01-17
(31)【優先権主張番号】102017116887.7
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516129275
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】ブロームバッハ, ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】シュトラフィール, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ゲルトイェゲルデス, ステファン
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/137501(WO,A1)
【文献】特開2013-027236(JP,A)
【文献】特開2015-109790(JP,A)
【文献】特表2007-535282(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102012218738(DE,A1)
【文献】米国特許第05926004(US,A)
【文献】中国特許出願公開第105480110(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02J 7/00
H02M 3/155
B60L 53/67
B60L 53/30
B60L 53/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気車両を充電するための充電ステーション(100)であって、
-前記充電ステーションに電力を供給するための供給装置(104)と、
-それぞれ少なくとも1台の電気車両を充電するための複数の充電端末(116)と、
を備え、
各充電端末は、
-前記供給装置から電力を引き出すための供給入力(120)と、
-それぞれの接続された電気車両を充電するために、それぞれの充電電流を出力するための1つ以上の充電接続を持つ充電出力(122)と、
-前記供給装置の電力からそれぞれのチョッパ電流を生成するために、供給入力と充電出力との間に配置された少なくとも1つのDCチョッパ(126)、または、代替として、DCチョッパによって前記充電端末の外側で生成されるチョッパ電流を提供するために、前記供給入力と前記充電出力との間に配置された少なくとも1つのチョッパ端末と、
を有し、
いずれの場合も、
-各充電電流(IL1,IL2)は、1つまたは複数のチョッパ電流(IS1,IS2,IS3)から形成され、
-前記充電端末は、チョッパ電流を相互に交換するために、電気交換ライン(128)を介して相互に接続されており
前記充電ステーション(100)は、前記供給装置(104)から電力を受け取り、前記充電端末にそれを転送する少なくとも1つの供給端末(114)を有し、
それぞれの供給端末は、
-前記供給装置からそれによって電力を引き出すために、メイン供給ライン(110)を介して供給装置に接続されたメイン供給入力(112)と、
-それによって前記供給装置から前記充電端末へ、該当する場合は、少なくとも1つの補助電流端末へ引き出された電力を転送するために、少なくとも1つの供給出力と、
を有する、
充電ステーション。
【請求項2】
複数の電気車両を充電するための充電ステーション(100)であって、
-前記充電ステーションに電力を供給するための供給装置(104)と、
-それぞれ少なくとも1台の電気車両を充電するための複数の充電端末(116)と、
を備え、
各充電端末は、
-前記供給装置から電力を引き出すための供給入力(120)と、
-それぞれの接続された電気車両を充電するために、それぞれの充電電流を出力するための1つ以上の充電接続を持つ充電出力(122)と、
-前記供給装置の電力からそれぞれのチョッパ電流を生成するために、供給入力と充電出力との間に配置された少なくとも1つのDCチョッパ(126)、または、代替として、DCチョッパによって前記充電端末の外側で生成されるチョッパ電流を提供するために、前記供給入力と前記充電出力との間に配置された少なくとも1つのチョッパ端末と、
を有し、
いずれの場合も、
-各充電電流(I L1 ,I L2 )は、1つまたは複数のチョッパ電流(I S1 ,I S2 ,I S3 )から形成され、
-前記充電端末は、チョッパ電流を相互に交換するために、電気交換ライン(128)を介して相互に接続されており、
前記充電ステーション(100)は、少なくとも1つの充電端末にこれらを提供するために、1つ以上の追加のチョッパ電流を提供する少なくとも1つの補助電流端末(118)を有し、前記補助電流端末は、それ自体には、充電出力を有しておらず、
それぞれの補助電流端末は、
-前記供給装置から電力を引き出すための充電端末の供給入力に対応する供給入力と、
-少なくとも1つの前記充電端末にチョッパ電流を送信する充電端末の交換接続に対応する少なくとも1つの交換接続と、
-前記供給入力と少なくとも1つの前記交換接続との間に配置され、前記供給装置の電力からそれぞれのチョッパ電流を生成するために、前記充電端末のDCチョッパに対応する少なくとも1つのDCチョッパ、または、代替として、前記供給入力と少なくとも1つの前記交換接続の間に配置され、DCチョッパによって前記補助電流端末の外側で生成されるチョッパ電流を提供するために、前記充電端末のチョッパ端末に対応する少なくとも1つのチョッパ端末と、
を有している
電ステーション。
【請求項3】
前記充電端末、場合によっては、少なくとも1つの補助電流端末は、
-各充電端末および該当する場合には各補助電流端末が、隣接する充電端末、補助電流端末または供給端末から、その供給電流を受け取るように、それぞれの場合に2つの前記供給入力が互いに接続され、それにより、それぞれの供給電流またはその一部を前記供給入力から隣接する電源に転送するように、構造的に同一の供給入力(200)を有しており、および/または、
-それぞれの場合に選択的に2つの前記充電端末、場合によっては、補助電流端末および前記供給端末を相互に交換可能に接続するために、前記供給入力および/または前記交換接続のそれぞれは、物理的および機能的に構造的同一の接続手段(220,224)を有している、
請求項2に記載の充電ステーション。
【請求項4】
それぞれの充電端末は、以下のリストに含まれる制御可能な少なくとも1つのスイッチング手段を有している、
-隣接する充電端末または補助電流端末を用いて交換手段を介した少なくとも1つのチョッパ電流の交換を制御するために、それぞれの交換接続に電気的に接続された交換スイッチング手段(A1,A2,A3)、
-前記充電接続への充電電流の出力を制御するために、それぞれの充電接続に電気的に接続された充電スイッチング手段(C1,C2)、および
-2つの前記DCチョッパまたは前記チョッパ端末の前記チョッパ電流の重畳を制御するために、前記充電端末において2つのDCチョッパまたはチョッパ端末に電気的に接続されたブリッジスイッチング手段(B1)、
請求項2に記載の充電ステーション。
【請求項5】
複数の電気車両を充電するための充電ステーション(100)であって、
-前記充電ステーションに電力を供給するための供給装置(104)と、
-それぞれ少なくとも1台の電気車両を充電するための複数の充電端末(116)と、
を備え、
各充電端末は、
-前記供給装置から電力を引き出すための供給入力(120)と、
-それぞれの接続された電気車両を充電するために、それぞれの充電電流を出力するための1つ以上の充電接続を持つ充電出力(122)と、
-前記供給装置の電力からそれぞれのチョッパ電流を生成するために、供給入力と充電出力との間に配置された少なくとも1つのDCチョッパ(126)、または、代替として、DCチョッパによって前記充電端末の外側で生成されるチョッパ電流を提供するために、前記供給入力と前記充電出力との間に配置された少なくとも1つのチョッパ端末と、
を有し、
いずれの場合も、
-各充電電流(I L1 ,I L2 )は、1つまたは複数のチョッパ電流(I S1 ,I S2 ,I S3 )から形成され、
-前記充電端末は、チョッパ電流を相互に交換するために、電気交換ライン(128)を介して相互に接続されており、
-それぞれの充電端末は、それぞれが複数の交換接続(224)を持つ第1および第2接続エリア(204,206)を有し、
-1つの接続エリアのm個の交換接続により、m本の縦線が提供されるように、一方の接続エリア(204)のそれぞれの交換接続を他方の接続エリア(206)のそれぞれの交換接続に電気的に接続するために、縦線(LL,LL,LL)が、接続エリアのいずれかの交換接続ごとに提供され、
-充電接続(222)は各DCチョッパ(226)またはチョッパ端末に割り当てられ、n個のDCチョッパまたはn個のチョッパ端末を使用して、n本の横線が提供されるように、前記DCチョッパまたは前記チョッパ端末を前記充電接続に接続するために、横線(QL1,QL2)が提供され、
-それぞれの縦線は、接続ノードを介して、少なくとも1つの前記横線に直接的に接続され、および/または、
-正確にn-1個のブリッジスイッチング手段が、それぞれ2本の横線を電気的に接続するために提供されており、および/または、
-前記充電接続への充電電流の出力を制御するために、それぞれの充電接続に電気的に接続された充電スイッチング手段へのそれぞれの横線は、別のスイッチング手段がなく、および/または、
-以下の条件m=n+1が適用されるように、横線よりも1本多い縦線が各充電端末に設けられ、
-前記充電端末における縦線は、
-2つの前記接続ノード間の前記ブリッジスイッチング手段の1つを用いて、それぞれの接続ノードを介して2つの横線に直接的に接続され、または、
-前記充電端末に前記ブリッジスイッチング手段を持たずに、前記接続ノードを介してただ1本の横線に接続されている
電ステーション。
【請求項6】
-少なくとも1つの制御ユニットが設けられ、充電端末の充電電流が1つのチョッパ電流または複数のチョッパ電流から形成されることができるように、前記制御ユニットは、前記充電端末(116)および/または前記補助電流端末(118)を制御するように設計され、
-前記充電電流は、同じ充電端末の1つ以上のDCチョッパまたはチョッパ端末からのチョッパ電流、および/または、1つ以上の他の充電端末の1つ以上のDCチョッパまたはチョッパ端末からのチョッパ電流、および/または、複数の充電端末の1つ以上のDCチョッパまたはチョッパ端末からのチョッパ電流から形成される、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項7】
-前記充電ステーション(100)は、駆動される様に構成されているため、
-それにより充電される電気車両のために充電電流を生成するために、それにより少なくとも1つの隣接する充電端末から少なくとも1つのチョッパ電流を引き出すために、充電される前記電気車両が接続される充電端末の少なくとも1つの交換スイッチング手段が閉じられ、および/または、
-前記充電電流を生成するために、それにより前記充電端末に配置された複数のDCチョッパまたはチョッパ端末から複数のチョッパ電流を組み合わせるために、前記電気車両が接続される前記充電端末の少なくとも1つのブリッジスイッチング手段が閉じれ、および/または、
-前記充電電流を生成するために、それにより隣接するまたは別の充電端末または補助電流端末から少なくとも1つのチョッパ電流を引き出して組み合わせるために、少なくとも1つの隣接するまたは別の充電端末および/または隣接するまたは別の補助電流端末の少なくとも1つの交換スイッチング手段が閉じられ、および/または、
-前記充電電流を生成するために、少なくとも1つの交換線を介して、隣接する充電端末に配置された複数のDCチョッパまたはチョッパ端末から少なくとも1つのチョッパ電流を引き出すために、少なくとも1つの隣接するまたは別の充電端末の少なくとも1つのブリッジスイッチング手段が閉じられる、
請求項1からのいずれか1項に記載の充電ステーション。
【請求項8】
複数の電気車両を充電するための充電ステーション(100)であって、
-前記充電ステーションに電力を供給するための供給装置(104)と、
-それぞれ少なくとも1台の電気車両を充電するための複数の充電端末(116)と、
を備え、
各充電端末は、
-前記供給装置から電力を引き出すための供給入力(120)と、
-それぞれの接続された電気車両を充電するために、それぞれの充電電流を出力するための1つ以上の充電接続を持つ充電出力(122)と、
-前記供給装置の電力からそれぞれのチョッパ電流を生成するために、供給入力と充電出力との間に配置された少なくとも1つのDCチョッパ(126)、または、代替として、DCチョッパによって前記充電端末の外側で生成されるチョッパ電流を提供するために、前記供給入力と前記充電出力との間に配置された少なくとも1つのチョッパ端末と、
を有し、
いずれの場合も、
-各充電電流(I L1 ,I L2 )は、1つまたは複数のチョッパ電流(I S1 ,I S2 ,I S3 )から形成され、
-前記充電端末は、チョッパ電流を相互に交換するために、電気交換ライン(128)を介して相互に接続されており、
-少なくとも1つの交換スイッチング手段および少なくとも1つのブリッジスイッチング手段が相互接続されることにより、
-充電電流を生成するために、少なくとも1つの別のチョッパ電流と組み合わせるために、
-第1充電端末または第1補助電流端末のDCチョッパまたはチョッパ端末のチョッパ電流が、第1縦線および少なくとも1つの前記交換スイッチング手段を介して、第2充電端末へ流れ、
-前記第2充電端末における前記チョッパ電流は、第1接続ノードおよび第1横線を介して、第2縦線へ流れてもよく、
-前記チョッパ電流は、第2接続ノード、少なくとも1つの前記ブリッジスイッチング手段および第3接続ノードを介して、前記第2充電端末の第2横線に流れてもよい
電ステーション。
【請求項9】
-前記充電ステーションは、駆動されるように構成され、
-前記制御可能なスイッチング手段は、充電電流が少なくとも3つのチョッパ電流から形成されるように切り替えられる、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項10】
-前記制御ユニットは、以下のリストから選択される制御基準に応じて、前記充電電流の生成を制御することができる、
-前記充電接続に接続された電気車両の種類、
-前記充電接続に接続された前記電気車両の保管状態、
-接続された前記電気車両の保管状態に依存する電流要件、
-接続された前記電気車両の電流要求、
-前記充電接続に接続された前記電気車両を充電するためにユーザによって指定された充電希望、および、
-充電電流を生成するために組み合わされるチョッパ電流を生成または提供するための多数の利用可能なDCチョッパおよび/またはチョッパ端末、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項11】
前記電気車両は、電気自動車を含む、
請求項1に記載の充電ステーション。
【請求項12】
前記供給装置(104)は、電気供給グリッド(102)に接続するために設けられている、
請求項1に記載の充電ステーション。
【請求項13】
前記供給装置で生成されるチョッパ電流が提供される、
請求項1に記載の充電ステーション。
【請求項14】
少なくとも1つの前記補助電流端末(118)は、1つ以上の追加のチョッパ電流を提供する、
請求項2に記載の充電ステーション。
【請求項15】
前記チョッパ電流は、前記供給装置において生成される、
請求項2に記載の充電ステーション。
【請求項16】
前記補助電流端末の前記DCチョッパまたは前記チョッパ端末は、全ての前記電気交換ラインに前記チョッパ電流を供給するために、前記補助電流端末の全ての前記交換接続に接続されている、
請求項2に記載の充電ステーション。
【請求項17】
少なくとも1つの供給出力は、全ての充電端末に電力を転送するために設けられている、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項18】
前記充電端末および該当する場合には少なくとも1つの補助電流端末の前記交換接続に対応する交換接続は、少なくとも1つの接続エリアにおいて、それぞれの隣接する充電端末および/または、場合によっては、前記供給端末を介して少なくとも1つのチョッパ電流をルーティングできるようにするために、前記供給端末の第1および第2接続エリアに存在する、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項19】
前記物理的および機能的に構造的同一の接続手段(220,224)は、プラグコネクタを含む、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項20】
互いに接続された全ての前記充電端末、場合によっては補助電流端末および前記供給端末が全体としてモジュール構造を形成する、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項21】
前記供給端末は、この目的に適合した交換接続および/または供給出力を有する、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項22】
前記ブリッジスイッチング手段(B1)は、2つの横線を介して、前記充電端末において2つのDCチョッパまたはチョッパ端末に電気的に接続されている、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項23】
それぞれの充電端末は、それぞれが同じ数の交換接続(224)を持つ第1および第2接続エリア(204,206)を有する、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項24】
m本の前記縦線は、電気的に互いに平行に走る、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項25】
前記充電ステーション(100)は、1つまたは少なくとも1つの制御ユニットを介して駆動される、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項26】
第2横線に接続された電気車両が充電される、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項27】
前記充電ステーションは、1つまたは少なくとも1つの制御ユニットを介して駆動される、
請求項に記載の充電ステーション。
【請求項28】
前記制御可能なスイッチング手段は、充電電流が少なくとも5つまたは7つのチョッパ電流から形成されるように切り替えられる、
請求項に記載の充電ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電気車両、特に、電気自動車を充電する充電ステーションに関する。本発明はまた、複数の電気車両を充電する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路に登録される電気車両の数が増えると、将来的には、電気車両を充電するためのインフラストラクチャの包括的な拡張が必要になることが予想される。ここでの充電インフラストラクチャの特定の要件の1つは、電気車両をできるだけ早く充電できることである。特に、電気車両の量が多い地域では、急速充電システムに対する特に高い要件が予想される。そのような地域の例は、高速道路のサービスステーション、または電気車両にとって長時間のダウンタイムが望ましくない大都市の都心エリアである。
【0003】
充電ステーションを構築または設計する場合には、その過程で満たさなければならない技術的課題が生じる。電気車両を充電するために充電ステーションを操作するときの問題の1つは、例えば、充電ステーションの充電コラムまたは充電端末に接続された異なる車両タイプが、充電電流と充電電圧とに関して非常に異なる要件を持つことである。例えば、一部の車両タイプでは、急速充電のために非常に高い充電電流が必要になる場合があるが、この充電電流もまた急速に低下する。しかしながら、他の車種では、比較的一定の電流が長時間にわたって必要である。通常、充電端末は、全ての車種を充電できるように設計されているため、したがって、充電カラムは、平均的には比較的小さな範囲で全負荷でのみ使用される。電気車両は、それを必要としないか、または一時的にしか必要としないため、充電端末は、具体的には、電気車両に最大充電電流を常に出力するとは限らない。
【0004】
本願の優先権主張出願について、ドイツ特許商標庁は、以下の先行技術文献をサーチした:米国特許出願公開第2010/0106631号明細書、米国特許出願公開第2013/0057209号明細書、米国特許出願公開第2014/0320083号明細書、特開平05-276673号公報および国際公開第2013/137501号。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2010/0106631号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0057209号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0320083号明細書
【文献】特開平05-276673号公報
【文献】国際公開第2013/137501号
【発明の概要】
【0006】
よって、本発明の目的は、上述の問題の少なくとも1つに対処することである。その意図は、特に、少なくとも充電ステーションの充電端末の全負荷でより良い使用を可能にする解決策を提案することである。その意図は、少なくとも、これまでに知られている解決策の代替解決策を提案することを目的とする。
したがって、本発明によれば、請求項1に記載の充電ステーションが提案される。これは、複数の電気車両、特に、電気自動車を充電することを目的とする。
【0007】
したがって、充電ステーションは、充電ステーションに電力を供給するために、特に、電力供給グリッドに接続するための供給装置を備えている。したがって、充電ステーションは、電力供給グリッドから電力または電気エネルギーを引き出し、充電端末に提供する。この目的のために、供給装置は、特に、変圧器を介して電力供給グリッドに接続されてもよい。加えて、電力供給グリッドから引き出されたAC電流を整流し、それを充電端末に提供するために、整流器が供給装置に提供されてもよい。供給装置は、電気エネルギーを緩衝するために、エネルギー貯蔵装置、特に、バッテリーを備えていてもよい。
【0008】
供給装置に加えて、充電ステーションは、複数の充電端末も備えている。特に充電コラムとしても設計できる充電端末は、固定端末であり、従来の給油所の燃料ポンプと同様に、充電のために充電ケーブルを介して電気車両を接続することができる。複数の電気車両も1つの充電端末に接続できるようにすることが好ましい。この場合、接続も同時に行うことができる。一実施形態によれば、充電のために2台の電気車両を同じ充電端末に同時に接続することができる。
【0009】
この場合の各充電端末は、供給装置から電力を引き出すための供給入力を含み、これは同義的に供給入力領域とも呼ばれる。これは、直接または間接的に行われる。したがって、各充電端末は、供給装置に電気的に結合されており、供給入力で供給装置によって提供される電力を引き出す。
供給入力に加えて、各充電端末は、それぞれの接続された電気車両を充電するためのそれぞれの充電電流を出力するための1つまたは複数の充電接続を備えた、充電出力領域とも呼ばれる充電出力も備えている。したがって、各充電端末が少なくとも1つの充電接続を有することが提案されており、それぞれの電気自動車を各充電接続に接続することができる。したがって、充電接続の数は、端末に接続できる電気車両の数に対応する。この場合、充電接続は、電気車両を端末に接続するために、例えば、充電ケーブルが接続される充電端末上の接続ポイントである。このような充電ケーブルは、接続ポイントの一部と見なすこともできる。
【0010】
充電端末の別の構成として、供給装置の電力からそれぞれのチョッパ電流を生成し、またチョッパ電流を制御するために、充電端末の供給入力と充電出力との間に配置された少なくとも1つのDCチョッパが提案されている。DCチョッパは、単純かつ同義的にチョッパとも呼ばれる。
例えば、充電端末に2つのDCチョッパがあり、供給入力と充電出力との間に本質的に互いに並列に接続されている場合、2つのチョッパ電流は、それぞれのDCチョッパによって互いに独立して生成される。この場合のDCチョッパは、供給入力を介して引き込まれ、供給装置によって供給される第1DC電圧または第1DC電流を、電気車両に適合した第2DC電流に変換する。DC-DCコンバータとも呼ばれるDCチョッパの一般的な電力範囲は50kWであって、このコンバータは400VのDC電圧で125A、または800VのDC電圧で62.5Aのチョッパ電流を生成することができる。これらは、電気車両を充電するための充電電流の典型的な値である。
【0011】
したがって、それも考慮に入れられ、少なくとも1つのDCチョッパ、特に全てのDCチョッパが、充電される車両の要件に応じてそれぞれの電圧レベルを変更するように、内部で変更可能、特に、切り替え可能にすることが提案されている。特に、それぞれの出力電流を2倍または半分にしながら、同時に電圧を2倍または半分にできることが提案されている。
【0012】
代替案として、充電端末は、DCチョッパによって充電端末の外側で発生するチョッパ電流、特に、供給装置で発生するチョッパ電流を提供するために、供給入力と充電出力との間に配置された少なくとも1つのチョッパ端末を持つことが提案されている。したがって、この変形例では、チョッパ端末は、チョッパ電流を提供するが、これ自体は生成しない。
【0013】
このため、チョッパ電流は、充電端末の外側に配置され、特に、好ましくは、供給装置に配置される外部DCチョッパによって生成されてもよい。チョッパ電流は、対応するラインを介してそのような外部DCチョッパによってチョッパ端末に供給されてもよい。これらのラインは、単一のDCチョッパのこのチョッパ電流に対してのみ寸法を決める必要がある。チョッパ端末は、DCチョッパが内部DCチョッパとも呼ばれる他のバリエーションのDCチョッパと全く同じ方法でチョッパ電流を供給する。
【0014】
チョッパ電流の別の利用は、基本的に両方のバリエーションで同じである。
この場合、電気車両を充電するための充電接続で使用される各充電電流は、1つまたは複数のチョッパ電流から形成される。充電端末が、例えば、2つのDCチョッパまたは2つのチョッパ端末と2つの充電接続とで構成される場合には、充電端末は、必要に応じて2つの充電接続の1つで2つのチョッパ電流から重畳充電電流を生成するように構成されている。特定の例では、1つの電気車両のみが2つの充電接続を持つ充電端末に接続されている場合、両方のDCチョッパまたは両方のチョッパ端末を使用して車両を充電することができる。別の例では、2台の車両が充電端末に同時に接続されている場合、充電電流としてチョッパ電流を1つだけ使用して、車両を個別に充電することもできる。したがって、充電端末は、有利には、内部に設置されたDCチョッパまたはチョッパ端末を理想的に一緒に利用して、電気車両を充電し、それらをオンおよびオフに切り替えることができる。これは、充電のために1台の電気車両のみが接続され、高充電電流または高充電電力が必要な場合に特に有益である。ここで、例えば、例として挙げた2つのDCチョッパまたは2つのチョッパ端末によって、高い充電電力が提供される。
【0015】
電気車両を充電するために、複数のDCチョッパまたは各場合に1つの充電端末のみの複数のチョッパ端末のチョッパ電流を使用する可能性に加えて、本発明によれば、充電端末の充電電流が複数の充電端末からの複数のチョッパ電流から構成されるように、充電端末は、電気交換ラインを介して交換接続で互いに接続され、それにより、チョッパ電流を互いに交換することが提供される。
【0016】
充電端末または補助電流端末のDCチョッパの配置および/または接続に関する以下の説明は、特に明記しない限り、または明白な場合を除き、チョッパ端末にも同様に適用する必要がある。充電端末または補助電流端末のDCチョッパの説明された動作モードは、特に供給装置に配置されたDCチョッパを含む、他のポイントに配置されたDCチョッパにも関係する。
【0017】
車両の種類によって、充電電流および充電電圧の要件が非常に異なることが認識されている。例として、一部の車種の場合、急速充電中に時間の経過とともに充電電流が非常に急速に低下する。したがって、例えば、このような急速充電用に設計された単一の充電カラムは、平均的に非常にわずかな程度まで全負荷で使用される。1つの簡単な例では、電気車両には、2つのチョッパ電流の充電電流要件がある。ただし、しばらくすると、この電流要件は低下し、例えば、車両は既に80%充電されているため、充電に必要なチョッパ電流は1つだけになる。このような第2チョッパ電流を供給した後、それを供給する必要がなくなった充電カラムは、別の方法で供給することができる。その後、未使用のチョッパ電流を、交換ラインを介して別の充電端末で利用できるようにするか、独自の充電出力で充電電流を提供する。
【0018】
したがって、充電端末をより有効に活用するために、車両が必要とする電力または電流の要件に応じて、端末の充電側の交換ラインを介してチョッパ電流を動的に交換することを可能にする解決策が提案されている。したがって、例えば、この隣接する端末に車両が接続されていなくても、電気車両は、隣接する充電端末からチョッパ電流を引き出すこともありえる。したがって、本発明による充電ステーションは、電気車両を充電するために使用される充電電流を、隣接する充電端末から直接引き出すことも、または、電気車両の充電に高い充電電流が必要とされない場合には、チョッパ電流を別の充電端末が利用できるようにすることも可能にする。利用可能な電力がさまざまに分配される状況を達成できるだけでなく、小型または中型のDCチョッパを使用して電気自動車の充電を可変に実行することもできる。この場合、単一のDCチョッパが提供できるよりもはるかに高い充電電流が必要になる。したがって、DCチョッパでコストを節約することも可能である。
【0019】
この変動の特定の特徴の1つは、充電端末でローカルに実現されることである。この場合、複数のチョッパ電流を組み合わせて大きな充電電流を形成することにより、そのような高電流を伝導できる適切に設計されたラインも必要であることに留意すべきである。数100Aの電流では、このようなラインの要件は高くなる。しかしながら、このような大電流は、特定の車両にのみ必要であって、その後も短時間しか必要とされない。しかし、このような高電流を伝送するために原則的に考慮される全ての回線は、そのような高電流用にも設計する必要がある。ほとんどのラインは、ほとんどの場合、非常に大きくなる。本発明による解決策は、これが充電端末の領域でのみ必要になることを可能にする。この目的のために、ラインは、例えば、充電ステーション間のバスバーとして設計されてもよい。特に、これにより、供給装置と充電端末との間に特大のラインが必要なくなる。
【0020】
これは、特に充電端末の領域で柔軟な相互接続を行うことで実現される。特に、供給装置と充電端末との間の過大または過大なラインの回避は、充電端末自体にチョッパ電流を生成するためのDCチョッパがあるかどうか、または外部電流チョッパからチョッパ電流を受け取っているかどうかに関係なく達成される。いずれの場合でも、充電端末の領域では、要件に応じたチョッパ電流を組み合わせる、つまり追加するための柔軟な相互接続が行われる。チョッパ電流を供給するために、各チョッパ端末に専用の外部ラインが必要であるが、このチョッパ電流に合わせて寸法を決める必要がある。過剰な寸法化を回避することができる。
【0021】
一実施形態によれば、充電ステーションには、異なる充電端末、特に、DCチョッパを備えた1つ以上の充電端末と、チョッパ端末を備えた1つ以上の充電端末を備えた設備も用意されている。これは、充電ステーションが、大きな供給ラインを介して供給装置から電力を受け取るDCチョッパを備えた複数の充電端末を有する場合、充電ステーションを後付けするのに特に有利であり得る。この充電ステーションは、供給装置に対応するDCチョッパを配置し、そこから新しい充電端末に対応する小さなラインのみを敷設することにより、それぞれが現在の端末のみを持つ1つ以上の充電端末によって簡単に拡張される。新しい充電端末は、既存の充電端末の柔軟なアーキテクチャに統合することができる。必要に応じて、内部DCチョッパからのチョッパ電流を外部DCチョッパからのチョッパ電流と組み合わせたり、追加したりすることができる。
【0022】
好ましくは、充電ステーションが少なくとも1つの充電端末にこれらを提供するために1つ以上の追加のチョッパ電流を提供する、特に、生成するための少なくとも1つの補助電流端末を有することが提案される。この場合の補助電流端末自体には、充電出力がない。このため、各補助電流端末は、供給装置から電力を引き出すための充電端末の供給入力に対応する供給入力と、チョッパ電流を充電端末の少なくとも1つに送信するための充電端末の交換接続に対応する少なくとも1つの交換接続と、供給入力と少なくとも1つの交換接続との間に配置され充電端末のDCチョッパに対応する少なくとも1つのDCチョッパとを備えている。これらの接続は、供給装置の電力からそれぞれのチョッパ電流を生成するために提供されている。補助電流端末のDCチョッパは、特に、全ての交換ラインにチョッパ電流を供給できるように、補助電流端末の全ての交換接続に接続されている。
【0023】
この場合も、代替手段として、DCチョッパによって補助電流端末の外部で生成されるチョッパ電流、特に、供給装置で生成されるチョッパ電流を提供するために、供給入力と少なくとも1つの交換接続との間に配置され、充電端末のチョッパ端末に対応する少なくとも1つのチョッパ端末が設けられてもよい。したがって、充電端末に関して説明したように、それぞれのチョッパ電流は、ここで内部DCチョッパによって内部で生成されるか、外部DCチョッパによって生成され、チョッパ端末によって提供される。いずれの場合でも、補助電流端末は、充電端末の1つの充電電流を増加させるために柔軟に使用できる少なくとも1つの追加のチョッパ電流を提供する。ここでは、特に、供給装置と補助電流端末との間の長い過剰な寸法のラインも回避される。
【0024】
したがって、充電端末と比較して、補助電流端末は、充電端末に追加のチョッパ電流を供給するためにのみ使用される。例えば、充電端末の電力が、電気車両が要求する電流要件を満たすのに十分でない場合には、補助電流端末は1つまたは複数の追加のチョッパ電流を提供することができる。この場合、補助電流端末は、交換ラインを介して交換接続で隣接する充電端末に電気的に接続される。それに応じて、補助電流端末は、追加の電流またはチョッパ電流を要求する。このため、補助電流端末は、充電端末に応じた寸法になっているため、構造的に同一のDCチョッパまたはチョッパ端末を補助電流端末で使用することができる。
【0025】
別の実施形態では、充電ステーションは、供給装置から電力を受け取り、それを充電端末に転送するための少なくとも1つの供給端末を備えている。この場合の各供給端末は、供給装置から電力を引き出すために、メイン供給ラインを介して供給装置に接続されたメイン供給入力を含む。供給端末は、付加的に、それにより供給装置から引き出された電力を充電端末へ転送するために、少なくとも1つの供給出力を有し、そして該当する場合には、特に、全ての充電端末へ電力を転送するために、少なくとも1つの補助電流端末を有している。
このため、供給端末を少なくとも1つの接続エリアでそれぞれの隣接する充電端末に接続するために、充電端末と、該当する場合、少なくとも1つの補助電流端末との交換接続に対応する交換接続が、供給端末の第1および第2接続エリア、および/または、少なくとも1つのチョッパ電流を供給端末にルーティングできるようにするための補助電流端末、に存在する。この場合、2つの接続エリアは、端末の任意の場所、例えば、端末の右側と左側、または端末の背面だけに配置される。
【0026】
したがって、少なくとも1つの供給端末は、供給装置を充電端末または補助電流端末に接続するための一種の接続および配電端末である。次いで、充電端末または補助電流端末を供給端末に接続することができる。
充電端末と補助電流端末とを比較して、この場合の供給端末は、メイン供給ラインを介して供給装置から電力を引き出すために、別個のメイン供給入力を備えている。この場合、このメイン供給ラインは、高電力ケーブルとして設計されることが好ましい。電気車両に供給される全ての電力は、幹線を介して引き出されるためである。したがって、供給端末のみが供給装置に直接接続される。一方、補助電流端末と充電端末とは、供給端末を介して供給装置に間接的に接続されている。したがって、供給端末は、供給装置から引き出された電力を、供給端末に接続された端末に流し、または分配する。
【0027】
供給端末は、この場合、DCチョッパおよびチョッパ端末の両方を有していない。
つまり、充電ステーションの好ましい一実施形態では、3つの異なる端末、具体的には電気車両を充電する充電端末、追加のチョッパ電流を提供する補助電流端末、および供給装置から充電端末、そしておそらく補助電流端末に電力を供給する供給端末が提案されている。
【0028】
充電端末および少なくとも1つの補助電流端末は、構造的に同一の供給入力を有することが好ましい。したがって、供給入力のうちの2つは、それぞれ互いに接続されて、それぞれの場合に、供給電流またはその一部を1つの供給入力から隣接する供給入力に送ることができる。この場合、各充電端末、および該当する場合、各補助電流端末は、隣接する充電端末、補助電流端末、または供給端末から供給電流を受け取ってもよい。この場合、供給ラインは、供給端末を介してループされてもよい。
【0029】
追加または代替として、各供給入力は、構造的に同一の接続手段、特に、プラグコネクタを備えている。したがって、供給入力は、それぞれの端末のセクションを記述する。これは、エリア、特に、同義語として入力エリアとも呼ばれ、それぞれの場合に、充電端末または補助電流端末と供給端末の2つの端末を相互に交換可能に接続するために有利である。特に、互いに接続可能なすべての充電端末、補助電流端末、および供給端末は、モジュール構造を形成する。このため、供給端末は、それに適合した交換接続も備えており、それに加えて、または代替として、供給入力も備えている。
【0030】
したがって、構造的に同一の供給入力の利点の1つは、長いバスラインと同様に、充電端末と補助電源端末とを直列に接続できるため、充電ステーションを必要に応じて拡張できることである。したがって、充電ステーションは、補助電流端末、充電端末、および供給端末から完全にモジュール式に構築することができる。さらに、端末に欠陥がある場合、または必要に応じて充電ステーションを拡張する場合には、端末が一致した供給入力で迅速に交換され、接続を交換できることが特に有利である。
【0031】
各充電端末は、少なくとも1つの制御可能なスイッチング手段を有することが好ましい。この場合の可能な制御可能なスイッチング手段は、異なる機能を有し、交換スイッチング手段、充電スイッチング手段およびブリッジスイッチング手段に区別される。
交換スイッチング手段は、隣接する充電端末または隣接する補助電流端末との交換スイッチング手段を介した少なくとも1つのチョッパ電流の交換を制御するために、それぞれの交換接続に電気的に接続されるスイッチング手段である。
【0032】
充電スイッチング手段は、充電電流の出力を充電接続に切り替えるために、それぞれの充電接続に電気的に接続された切り替え手段である。
ブリッジスイッチング手段は、2つのDCチョッパまたはチョッパ端末のチョッパ電流の重畳を制御するために、特に、2本の横線を介して、充電ターミナルの2つのDCチョッパまたは2つのチョッパ端末に電気的に接続されたスイッチング手段である。結果として、別の方法で、例えば、隣接する充電ターミナルから2本の横線の1つに到達する別のチョッパ電流も接続される。
【0033】
この場合、特に、チョッパ電流を動的に分配し、充電接続の必要に応じて充電電流を生成できるようにするために、制御可能なスイッチング手段は、充電端末の充電接続に向かって充電側に本質的または単独で配置される。
別の実施形態では、各充電端末には、それぞれ複数、特に、同数の交換接続を備えた第1および第2の接続エリアを設けることが提案されている。このため、1つの接続エリアのそれぞれの交換接続を他の接続エリアのそれぞれの交換接続に電気的に接続するために、接続エリアの1つの交換接続ごとに縦線が提供される。したがって、1つの接続エリアのm個の交換接続では、特に、互いに電気的に平行に走るm本の縦線が設けられている。
【0034】
この場合、第1または第2の接続エリアは、供給入力の接続エリアと同様に、端末上、すなわち、例えば右側および/または左側、またはちょうど右側、あるいはターミナルの背面に、任意に配置することができる。
さらに、充電接続は、各DCチョッパまたは各チョッパ端末に割り当てられ、DCチョッパを充電接続に接続するために、各DCチョッパまたは各チョッパ端末に横線が提供される。DCチョッパまたはチョッパ端末がn個ある場合には、n本の横線が提供される。
【0035】
接続ノードを介して少なくとも1本の横線に直接接続される各縦線も用意されている。それにより、別の充電端末および/または補助電流端末のチョッパ電流または複数の既に重畳されたチョッパ電流を、関連する横線に導入することができる。
それに加えて、またはその代替として、正確にn-1個のブリッジスイッチング手段が提供され、2つのそれぞれの横線を電気的に接続する。これにより、それぞれの場合に複数のチョッパ電流から重畳される可能性のある2本の横線のチョッパ電流を結合することができる。
【0036】
特定の一実施形態では、それに加えて、または代替として、充電スイッチング手段に対する各横線について、さらなるスイッチング手段を持たないことが提案される。したがって、各横線は、DCチョッパまたはチョッパ端末から充電接続まで延びており、充電接続に向かうスイッチがあるが、それ以上のスイッチはない。ここで、特に、複数のDCチョッパまたはチョッパ端末またはそれらの横線の柔軟な相互接続は、横線に追加のスイッチング手段も必要としないことが認識されている。
【0037】
追加または代替として、また、以下のことが当てはまるように、各充電端末に横線よりも1本多い縦線を設けることも提案されている。m=n+1。ここで、多くの充電端末と、必要に応じて補助電流端末を非常に可変的な方法で相互接続できるが、特に、多くのチョッパ電流を充電端末と、必要に応じて、補助電流端末のチョッパ電流とで補う。横線と同じ数の縦線がある場合には、充電端末の各横線は、他の横線とは異なる縦線に接続される。その場合、追加の縦線は、1つまたは複数のチョッパ電流をそれぞれの充電端末にルーティングする可能性もさらに提供する。
【0038】
さらに特定の実施形態によれば、充電端末にブリッジスイッチング手段を持たないで、充電端末の縦線を、それぞれ接続ノードを介して2つの横線に直接接続するか、あるいは、2つの接続ノード間のブリッジスイッチング手段の1つに接続するか、あるいは、接続ノードを介して1つの横線だけに接続することがさらに提案される。これにより、上記の柔軟性は多大な労力をかけずに実現される。
【0039】
つまり、それに応じて、縦線と横線とは、充電端末内の異なる制御可能なスイッチング手段と相互接続され、一種のマトリックス形式のこの種の相互接続により、隣接端末からチョッパ電流を引き出したり出力したりすることができ、また、内部で全てのDCチョッパまたは充電端末のチョッパ端末を使用する。ただし、この場合には、完全なマトリックス形式は、非常に的を絞った方法で特定のポイントでのみスイッチング手段を使用することにより回避されます。
充電端末、場合によっては、補助電流端末も接続する縦線の数も全体的に非常に低く抑えられる。特に、充電ステーションの各横線に対して、つまり各充電端末に対してだけではなく、1本の縦線を持つ完全なスイッチングマトリックスと比較して、それぞれが2つのDCチョッパまたは2つのチョッパ端末を有する5つの充電端末、つまり2つの横線の場合には、これは10の縦線になる。一方、提案された一実施形態によれば、このような例では、3本の縦線のみが必要である。
【0040】
特に、前述のスイッチング手段と縦線および横線との相互接続の形態が可能とされ、提供されるチョッパ電流の数が、自動車が接続されている端末だけでなく、隣接する端末が電気自動車の充電に使用できるように制御される。
さらなる実施形態では、少なくとも1つの制御ユニットを充電ステーションに設けることが提案されており、制御ユニットは、充電端末の充電電流が1つのチョッパ電流または複数のチョッパ電流から形成されるように、充電端末および/または補助電流端末を制御するように設計されている。この場合、充電電流は、1つまたは複数のDCチョッパまたは同じ充電端末のチョッパ端末からのチョッパ電流、追加または代替として、1つ以上のDCチョッパまたは1つ以上の他の充電端末のチョッパ端末からのチョッパ電流から、または、1つ以上の他の端末のDCチョッパおよび1つ以上の他の充電端末のチョッパ端末のいずれかから形成される。そのような制御ユニットは、特に、内部および/または外部にあるスイッチング手段と、おそらくDCチョッパを駆動する。例えば、店舗へのアクセスを制御したり、少なくとも店舗の内容を考慮したり、そこに配置された外部DCチョッパを駆動したりするために、供給装置との調整も考慮される。
【0041】
特定の一実施形態では、少なくとも1つの制御ユニットを分散制御ユニットにすることが提案されており、それぞれの分散制御ユニットは、充電端末および/または補助電流端末に配置されている。この場合、制御ユニットは、調整された方法で充電電流の生成を制御するために、少なくとも1つの別の制御ユニットと通信することが提案される。分散制御ユニットを使用すると、各充電ステーションの入力ユニットに簡単に結合できるという利点がある。
【0042】
さらに特定の実施形態では、さらに、少なくとも1つの制御ユニットが上位の中央制御ユニットであることが提案されている。中央制御ユニットは、充電端末および/または補助電流端末を直接制御するように構成される。追加または代替として、中央制御ユニットは、充電電流の生成を調整するために、充電端末に配置された分散制御ユニットを介して間接的に充電端末および/または補助電流端末を制御してもよい。全ての充電端末の全体的な調整は、中央の上位コントローラを介して特にうまく実現できる。上位コントローラが故障した場合には、フォールバックオプションとして各充電端末がDCチョッパまたはチョッパ端末の少なくとも1つの単純なチョッパ電力を提供できるようにすることが望ましい。好ましくは、各充電端末は、上位コントローラの故障の場合に、充電端末のチョッパ電流の1つ、いくつか、または全てから少なくとも1つの充電電流を独立して生成するように設計される。
【0043】
充電ステーションは、好ましくは、充電される電気車両が接続される充電端末の少なくとも1つの交換スイッチング手段ができるように、特に1つまたは少なくとも1つの制御ユニットを介して駆動できるように構成される。それにより、少なくとも1つの隣接する充電端末から少なくとも1つのチョッパ電流を引き出し、それにより充電される電気車両の充電電流を生成するために閉じられる。
【0044】
特定の一実施形態では、追加または代替として、充電電流を生成するために、充電端末に配置された複数のDCチョッパまたはチョッパ端末からの複数のチョッパ電流を結合するために、充電ステーションは、電気車両が接続されている充電端末の少なくとも1つのブリッジスイッチング手段を閉じることができるように構成されている。
さらに特定の実施形態では、追加または代替として、少なくとも1つの隣接するまたは別の充電端末および/または隣接するまたは別の補助電流端末の少なくとも1つの交換スイッチング手段は、充電電流を生成するために、隣接するまたは別の充電端末または補助電流端末から少なくとも1つのチョッパ電流を引き出して結合するために、制御ユニットによってさらに閉じられる。
【0045】
さらに、充電電流を生成するために少なくとも1つの交換ラインを介して、隣接する充電端末に配置された複数のDCチョッパまたはチョッパ端末から少なくとも1つのチョッパ電流を引き出すために、少なくとも1つの隣接するまたは別の充電端末の少なくとも1つのブリッジスイッチング手段を閉じることができることが提案されている。
これにより、チョッパ電流の可変分布または割り当てを実現する様々な可能性が提供される。これは、特に、スイッチング手段を切り替えることにより達成される。説明されたスイッチング動作の全ては、全体的な概念において特に好ましく調整される。これは特に、3つのスイッチタイプ、特に、交換スイッチング手段、充電スイッチング手段およびブリッジスイッチング手段のスイッチを調整する。
【0046】
制御ユニットは、特に、制御信号を介して充電端末内に配置された制御可能なスイッチング手段を制御するようにも構成される。このために、制御ユニットは、従来の制御接続または別の通信システムを介して直接的に等、従来の制御接続を介してスイッチング手段を駆動することができる。
第1の充電端末または第1の補助電流端末のDCチョッパまたはチョッパ端末のチョッパ電流が、第1の縦線および少なくとも1つの交換スイッチング手段を介して第2の充電端末に流れることができるように、少なくとも1つの交換スイッチング手段および少なくとも1つのブリッジスイッチング手段を相互接続することが提案されることが好ましい。第2の充電端末のチョッパ電流は、第1の接続ノードおよび第1の横線を介して第2の縦線に追加的に流れることができる。チョッパ電流はさらに、第2の接続ノード、少なくとも1つのブリッジスイッチング手段、および第3の接続ノードを介して、第2の充電端末の第2の横線に流れることもできる。
【0047】
したがって、充電電流を生成するため、特に第2の横線に接続された電気自動車を充電するために、これらの特定の相互接続の変形により、交換スイッチング手段と少なくとも1つのブリッジスイッチング手段を相互接続して、少なくとも1つのさらなるチョッパ電流を組み合わせることが可能になる。
充電ステーションは、充電電流が少なくとも3つのチョッパ電流、好ましくは少なくとも5つのチョッパ電流、特に少なくとも7つのチョッパ電流からなるか、またはそれから形成されるように制御可能な切り替え手段が切り替えられるように、特に、1つまたは少なくとも1つの制御ユニットを介して駆動できるように、構成されることが好ましい。
【0048】
複数のチョッパ電流から充電電流を生成する特定の利点の1つは、従来のDCチョッパが生成可能な電流要件よりも大きい電流要件をカバーするために、内部または外部を問わず、DCチョッパを使用する必要がないことである。例として、したがって、400Aの充電電流を必要とする電気車両は、大型の400Aのチョッパを使用する代わりに、それぞれ100Aの4つのチョッパ電流で充電することができる。高充電電流の必要性が再び低下した場合、この例にとどまるために、使用されるチョッパ電流の数を、さらに4から3にすばやく減らすことができる。その後、解放されたDCチョッパは、別の充電手順のためにチョッパ電流を供給する。
【0049】
別の実施形態では、制御ユニットが、以下のリストから選択される制御基準に応じて、充電電流の生成、特に、充電接続において提供されるチョッパ電流の数を制御することができる、
-充電接続に接続された電気車両の種類、
-充電接続に接続された電気車両の保管状態、
-接続された電気車両の保管状態に依存する電流要件、
-接続された電気車両の電流要求、
-充電接続に接続された電気車両を充電するためにユーザによって指定された充電希望、および、
-充電電流を生成するために組み合わされるチョッパ電流を生成または提供するための多数の利用可能なDCチョッパおよび/またはチョッパ端末。
【0050】
したがって、従来の充電ステーションに対する主な利点は、内部または外部を問わず、一時的に未使用のDCチョッパの未使用チョッパ電流またはチョッパ電流を、制御基準に応じて、隣接する充電端末で他の電気自動車に提供できることである。さらに、車両が比較的長い時間、充電端末にあり、すでに完全に充電されている場合には、未使用のDCチョッパも同様に簡単に前方に切り替えることができる。
【0051】
本発明によりさらに提案されるのは、充電ステーションを介して複数の電気車両、特に電気自動車を充電する方法であって、この方法は以下のステップを含む。
-充電ステーションの供給装置を介して、充電ステーションへ電力を供給するステップと、
-いずれの場合でも、充電ステーションの複数の充電端末の1つによって少なくとも1つの電気車両を充電するステップと、
を備え、
以下のステップを含む、
-充電端末の供給入力において供給装置から電力を引き出すステップと、
-充電出力において1つまたは複数の充電接続と接続され充電電流が出力される充電接続の1つに接続された電気車両を充電するためのそれぞれの充電電流を出力するステップ、
-供給入力と充電出力との間に配置された少なくとも1つのDCチョッパは、供給装置の電力からそれぞれのチョッパ電流を生成する、または、それぞれの場合に、供給入力と充電出力との間に配置された少なくとも1つのチョッパ端末は、それぞれのDCチョッパによって充電端末の外側で生成されるチョッパ電流、特に、供給装置で生成されるチョッパ電流を提供し、
いずれの場合でも、
-充電電流は、チョッパ電流あるいは複数のチョッパ電流から形成され、
-充電端末は、電気交換を介して交換接続において互いに接続され、付加的に、
-それにより、チョッパ電流を互いに交換する。
【0052】
このように提案されるのは、少なくとも1つの電気車両を充電するために、上述の少なくとも1つの実施形態による充電ステーションを有利に使用する方法である。したがって、この方法は、充電ステーションに関して述べた利点および特性を実装および/または利用することができる。
したがって、上記の実施形態の1つによる充電ステーションを使用する方法も提案されることが好ましい。
【0053】
別の実施形態は、
-充電される電気車両が接続される充電端末の少なくとも1つの交換スイッチング手段が閉じられ、それにより、少なくとも1つの隣接する充電端末から少なくとも1つのチョッパ電流が引き出され、これにより充電電流が、充電される電気車両のために生成され、および/または、
-充電電流を生成するために、電気車両が接続される充電端末の少なくとも1つのブリッジスイッチング手段が閉じれ、充電端末に配置された複数のDCチョッパまたはチョッパ端末からの複数のチョッパ電流がそれによって結合または重畳され、および/または、
-充電電流を生成するために、少なくとも1つの隣接するまたは別の充電端末および/または隣接するまたは別の補助電流端末の少なくとも1つの交換スイッチング手段が閉じられ、それにより、少なくとも1つのチョッパ電流が、隣接するまたは別の充電端末または補助電流端末から引き出され、結合あるいは重畳され、および/または、
-充電電流を生成するために、少なくとも1つの隣接するまたは別の充電端末の少なくとも1つのブリッジスイッチング手段が閉じられ、これにより、少なくとも1つの交換線を介して、隣接する充電端末に配置された複数のDCチョッパまたはチョッパ端末から少なくとも1つのチョッパ電流を引き出される、
ことを提案する。
【0054】
充電ステーションに関して上記で説明された利点および特性は、これらの方法ステップによって達成または利用されてもよい。上述した4つの特徴は、複数のチョッパ電流から充電電流を有利に形成するために、特に、有利に組み合わせて一緒に使用される。
ここで、添付の図面を参照して例示的な実施形態に基づいて、本発明を実施例により以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】充電ステーションの一実施形態を示す図。
図2】充電端末、補助電流端末、および供給端末のより詳細な実施形態を示す図。
図3】3つの異なる車両クラスの3つの異なる充電電流プロファイルを示すグラフ。
図4図1の代替である充電ステーションの一実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、グリッド接続ポイントNAPを介して、電力供給グリッド102に接続された充電ステーション100を示している。供給グリッド102から電気車両を充電するための電力を引き出すことができるようにするために、供給装置104が提供される。この場合の供給装置104は、少なくとも1つの変圧器106と、変圧器の下流に接続された整流器ユニット108とを含む。この場合、変圧器106は、グリッド接続ポイントNAPを介して供給グリッド102に直接接続され、プロセスにおいて、第1のAC電圧、特にグリッド電圧を、整流器ユニット108に適した第2のAC電圧に変換する。具体的な例として、この点に関して、図1に中電圧変圧器を示す。この中電圧変圧器は、グリッド電圧を20kVから400VのAC電圧に変換する。この場合に示される整流器ユニット108は、第2のAC電圧からのDC電圧出力でDC電圧を生成し、したがって、供給グリッドから引き出される電力を提供することができる。したがって、供給装置104は、特に、電力供給グリッド102に接続し、充電ステーションに電力を供給するために設けられている。
【0057】
図1に示される充電ステーション100は、5つの充電端末116、供給端末114、および簡略化のために端末とも呼ばれ得る補助電流端末118をさらに備えている。上記端末の詳細な説明は、図2に関する説明に続く。
具体例では、充電ステーション100の端末(114,116,118)は、駐車スペースP1からP6に互いに隣接して配置される。したがって、複数の電気車両を充電することができ、これらは充電のために駐車スペースP1~P6に駐車される。駐車スペースは、特に例示的なものであって、充電する車両の数を6台に制限するものではなく、原則として、図示の充電ステーションで10台の車両を充電することもできる。
【0058】
この場合、供給装置104によって供給される電力をDC電圧の形で端末に転送するために、供給端末114が設けられている。このために、供給端末は、メイン供給ライン110を介して整流器ユニット108に電気的に接続されている。メイン供給ライン110への電気接続を確立するために、メイン供給入力112が供給端末114に設置されている。したがって、電力は、メイン供給入力112を介して供給装置104から引き出すことができる。このように引き出された電力は、複数の供給ライン130を介して他の端末(116,118)に分配される。したがって、供給端末114は、供給装置から電力を受け取り、それを充電端末116、および適切な場合には、補助電流端末118に転送するためのものである。
【0059】
充電ステーション100は、供給端末に加えて、それぞれ少なくとも1台の電気車両を充電するための複数の充電端末116を備えている。
この場合の各充電端末は、供給入力120と充電出力122とを備えている。この場合、供給入力120は、端末を供給入力で互いに接続することができる接続を供給入力120に設けることにより、供給装置104から電力を引き出すように構成される。この場合の図1は、例えば、供給端末114を基準にして、2つの充電端末116が左側に配置され、3つの充電端末と補助電流端末118が右側に配置されることを示している。この場合、すべての端末は、供給ライン130を介してそれぞれの供給入力120で互いに電気的に結合される。示されている例では、したがって、2つの隣接する端末間に存在する供給ライン130のそれぞれのセクションがあり、バスバーまたはバスラインの場合に通例であるような単一の連続した長い供給ラインは存在しない。充電端末は、供給端末114によって供給ライン130を介して直接転送される電力を引き出すことができる。しかしながら、充電ステーション内の端末の配置に応じて、充電端末116および補助電流端末118は、別の端末を介して間接的に供給端末114の転送電力を引き出すこともできる。この場合、供給入力は、隣接する端末の電源出力と見なすこともできる。
【0060】
供給入力120に加えて、1つ以上の充電接続を有する充電出力122が各充電端末116に追加的に提供され、その充電接続は、それぞれの接続された電気車両を充電するためのそれぞれの充電電流を出力するために使用される。図2では、例えば、2台の電気車両を、それぞれの場合、5つの充電端末116のうちの1つの2つの充電出力に接続することができる。
【0061】
この場合、少なくとも1つのDCチョッパ126は、各場合にチョッパまたはDC/DCコンバータ当たり1つのチョッパ電流を生成するために、供給入力120と充電出力122との間の各充電端末116に配置される。このように生成された電流は、充電端末の1つの充電出力122に接続された電気車両を充電するために使用される。
充電ステーションには、別の端末として補助電流端末が設けられている。この補助電流端末は、電気車両を充電するための追加の電流を生成および提供する役割を果たす。この場合、電気車両を充電するための充電出力には、充電接続がない。充電端末が過負荷になった場合等には、追加の電流が供給される。この場合、例えば、電気車両の電流要件が、端末が生成できる最大電流を超える場合等には、全負荷での過度の使用につながる可能性がある。具体的な例の1つは、車両が400Aの充電電流を必要とし、充電端末が最大100Aしか供給できない場合である。したがって、補助電流端末は、1つまたは複数の追加の補助電流、特に、チョッパ電流を生成して、これらを少なくとも1つの充電端末に提供するために提供され、補助電流端末自体は充電出力を有していない。
【0062】
特に、図1に示される充電ステーション100から、充電端末の充電出力122が生成されたチョッパ電流を互いに交換できるようになるために、電気交換ライン128を介して交換接続で互いに接続されていることが分かる。同様に、供給端末114および補助電流端末118も、出力側で交換ライン128を介して充電端末116に電気的に結合されるようになっている。よって、例えば、駐車スペースP1に駐車された電気車両は、DCチョッパによって少なくとも部分的に生成された充電電流を別の充電端末または補助電流端末から引き出すことができる。
【0063】
図2は、図1の充電端末116、補助電流端末118および供給端末114にそれぞれ対応する充電端末A、補助電流端末Bおよび供給端末Cのより詳細な実施形態を示す。
この場合の充電端末Aには、供給入力200と充電出力202とがある。この場合、2つの接続手段220が供給入力200に配置され、その接続手段は、例えば、プラグコネクタとして設計されてもよい。したがって、これらの端末の供給入力を互いに接続するために、他の充電端末、補助電流端末、または供給端末をこれらの接続手段に接続することができる。
【0064】
この場合、各充電端末Aは、供給入力200と充電出力202との間に互いに並列に配置された2つのDCチョッパ226を有し、それぞれがチョッパ電流IS1またはIS2を充電出力に配置されたそれぞれの横線QLおよびQLに印加する。この場合、各DCチョッパ226には、各DCチョッパに対して正確に1つの充電接続222と1つの横線QLまたはQLが割り当てられている。したがって、n個のDCチョッパを用いて、DCチョッパを充電接続に接続するために、n本の横線が使用される。充電端末Aにおいて2つのDCチョッパを用いて、したがって、端末は、2つの横線QL,QL、および2つの充電接続222で構成される。
【0065】
さらに、第1および第2の接続エリアは、充電端末Aに対して矢印204および206によって示され、各接続エリアは、複数の、特に、同じ数の交換接続224を有する。端末は、実質的に平行な交換ライン228を介してこれらの交換接続に接続することができる。これらは、図2に破線で示されている。
1つの接続エリアのm個の交換接続では、m本の縦線が提供されるように、一方の接続エリア204,206のそれぞれの交換接続224を他方の接続エリア206,204のそれぞれの交換接続に電気的に接続するために、接続エリアのいずれかの交換接続ごとに、ターミナル内に縦線LL,LL,LLが用意されている。この場合、縦線は、特に、電気的に互いに平行に走っている。このために、充電端末Aの特定の設計は、例えば、接続エリア206に3つの交換接続を有し、これにより3本の縦線が提供される。この場合、縦線LL,LLおよびLLは、2つの接続エリア204および206を接続する。
【0066】
生成されたチョッパ電流を動的に交換できるようにするために、各縦線LL,LL,LLは、それぞれの接続ノードを介して横線QL,QLの少なくとも1つに直接接続される。
充電電流IL1またはIL2を、充電出力222の1つで必要に応じてさらに生成できるようにするには、制御ユニットによって駆動可能な複数の制御可能な切り替え手段が充電端末に存在する。この場合、各充電端末は、制御ユニット自体を備えていてもよいし、上位の制御ユニットが制御可能なスイッチング手段の駆動を引き継いでもよい。各充電端末の制御ユニットと上位の制御ユニットの混合形式も同様に実装できる。ただし、これは図2には示されていない。
【0067】
3つの交換スイッチング手段A1,A2およびA3は、交換手段を介して、隣接する充電端末または補助電流端末との少なくとも1つのチョッパ電流の交換を制御するために、この場合、制御可能なスイッチング手段として図2の充電端末Aに示されており、この交換スイッチング手段は、それぞれの交換接続224に電気的に接続される。別の制御可能なスイッチング手段は、ブリッジスイッチング手段B1であって、これは、2つのDCチョッパ226のチョッパ電流IS1およびIS2の重畳を制御するために、充電ターミナル内の2つのDCチョッパを、この場合は2つの横線QLおよびQLを介して互いに電気的に接続する。それぞれの充電スイッチング手段C1またはC2は、IL1またはIL2のいずれかの充電電流の出力を制御するために、同様に充電接続222上に配置される。
【0068】
したがって、図2に示す充電端末Aは、チョッパ電流IS1またはIS2または複数のチョッパ電流から充電電流IL1またはIL2を形成し、交換接続を介してさらにチョッパ電流を引き出したり出力したりすることができる。
充電端末Aと比較して、補助電流端末Bでは、この場合、DCチョッパ226は、全ての交換ライン228にチョッパ電流IS3を供給するために、全ての交換接続224に接続される。したがって、補助電流端末は、追加の電流を出力するように設計されている。しかしながら、チョッパ電流も制御された方法で出力できるようにするために、充電端末Aと同様に、3つの交換スイッチング手段A1,A2,A3が補助電流端末に設けられている。これらはまた、例えば、チョッパ226が補助電流端末に電流IS3を生成しない場合、隣接する端末のチョッパ電流を転送するために使用されてもよい。
【0069】
端末AおよびBを比較すると、供給端末Cは、追加のメイン供給入力212と、端末AおよびBの供給入力と構造的に同一の2つのそれぞれの供給出力221を備えている。この場合、供給出力221は、それにより供給装置から引き出された電力を充電端末、該当する場合には、特に、全ての充電端末へ電力を転送するために少なくとも1つの補助電流端末へ、転送するために使用される。
【0070】
端末AおよびBと同様に、供給端末Cも、該当する場合、少なくとも1つのチョッパ電流を供給端末にルーティングできるようにするために、少なくとも1つの接続エリア208または210をそれぞれの隣接する充電端末および/または補助電流端末に接続するための交換接続224を備えている。
端末A,B,Cの供給入力/出力および交換接続は、この場合、実質的に構造的に同一である。したがって、充電ステーションは、一種のケースのように、端末A,Bおよび/またはCからモジュール方式で望み通りに構築することができる。
【0071】
図1および2を参照して、本発明は、特に、それぞれが1つ以上のDCチョッパを有する充電端末および補助電流端末について説明されてきた。この説明および上記の利点は、同様に、それぞれが1つまたは複数のDCチョッパの代わりに1つまたは複数のチョッパ端末を使用する変形例に同様に転送されてもよい。例として、2つのDCチョッパ226と126の代わりに、充電端末Aまたは116に2つのチョッパ端末を設けることができ、各チョッパ端末は、供給装置104からチョッパ電流を受け取り、それをチョッパ電流IS1またはIS2の形で提供する。このために、図1による供給装置104への接続ラインだけでなく、各チョッパ端末用の供給装置104にDCチョッパを設けることができる。充電端末116の1つ、いくつか、または全てに、DCチョッパ126の代わりにチョッパ端末を設けてもよい。同じことが、補助電流端末118または他の補助電流端末にも同様に当てはまる。
【0072】
図4は、図1の代替である充電ステーションの一実施形態を例示的に示している。分かりやすくするために、同じまたは類似の要素には同じ参照符号が使用される。図4の充電ステーション400は、右端に示される充電端末416が2つのDCチョッパ126の代わりに2つのチョッパ端末427を有するという点で、図1の充電ステーション100と異なっている。チョッパ端末427はそれぞれ、供給装置404内のDCチョッパ126にそれぞれ接続されたそれぞれの個別ライン410を介してチョッパ電流を受け取る。したがって、チョッパ端末427は、2つのDCチョッパ126のうちのそれぞれ1つによって生成されたそれぞれ1つのチョッパ電流のみを本質的に提供する。ここで、横線QL1またはQL2の準備も行われる。その相互接続については、図2で詳しく説明する。これは、図4の変形にも同様に適用される。別の方法として、2つの個々のライン410は、供給端末114を介して、次いで供給入力120を介してルーティングされてもよい。
【0073】
図3は、3つの異なる車両クラスAM1,AM2,AM3の3つの異なる充電電流プロファイルI,I,Iをパーセントで示したグラフを示している。充電ステーションの負荷は、縦軸にパーセントでプロットされている。ここで、この例の充電端末は、車両クラスAM1の最大電流に対応する100%負荷で100Aの充電電流を出力することができる。時間tは、横軸に分単位でプロットされる。
【0074】
この場合、3つの電流特性曲線I,I,Iのプロファイルは非常に異なる。ここで、3つの特性曲線のそれぞれは、異なる車両クラスAM1、AM2またはAM3の現在の特性曲線に対応する。車両クラスAM3の場合、車両クラスAM1およびAM2の約2倍の充電電圧が必要である。車両タイプAM3に対して最初に図3にプロットされている400%の充電電流は、車両クラスAM1に対して約800%の充電電力に相当する。同様に、満充電の80%の充電状態を示す充電状態の80%SOCポイントは、非常に異なる時間に到達する。例えば、車両クラスAM1は小型車クラスに対応でき、車クラスAM2はプレミアムクラスに対応でき、クラスAM3はスーパーカークラスに対応できる。車種または車種に応じて、充電特性曲線または電流特性曲線I,I,Iは異なるプロファイルを採用している。2つのチョッパは、並列(二重電流)または直列(二重電圧)で動作する。
【0075】
車種AM1の場合、DCチョッパを備えた充電端末に100%の負荷が掛かるように、例えば、約20分間、100Aの比較的一定の充電電流が必要である。この場合、100Aを供給できるチョッパはすでに十分であった。一方、高級車やスポーツカーの場合、1つの充電端末だけでは、車種の充電に必要な充電電流を供給できなかった。DCチョッパのサイズをスーパーカーの充電電流(例えば400A)に合わせる必要がないように、提案された充電端末は、第1の充電エリアAO1でスーパーカーを充電できるように、隣接する端末を介してDCチョッパ電流を引き出すことができる。充電エリアAO2では、これらが不要になった場合には、スーパーカーの現在の要件は、比較的急速に低下する、あるいは、不要なDCチョッパは、車両の現在の要件に応じて、コントロールユニットによってアクティブ化、スイッチオフ、またはスイッチオーバーされる場合がある。
【0076】
したがって、スーパーカーの具体例に関して、充電ステーションは、最初のほぼ7分間で、それぞれ約50AのDCチョッパを7~8個同時に最大300%の負荷でスーパーカーを充電することができる。例として挙げたスーパーカーは2倍の充電電圧を必要とするため、DCチョッパごとに約100Aの代わりに約50Aしか供給できないため、この大きな数が必要である。300%から200%の間、必要なDCチョッパは6~5つだけで、200%からはDCチョッパは4~3つだけ必要である。22.5分後、スポーツカーを完全に充電するために操作エリアAO3に必要なDCチョッパは2つまたは1つだけである。
図1
図2
図3
図4