(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】カメラモジュール、感光アセンブリ、感光アセンブリジョイントパネル、並びにその成形金型及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/14 20060101AFI20220317BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20220317BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220317BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
B29C45/14
B29C45/26
G03B17/02
H04N5/225 700
(21)【出願番号】P 2020517882
(86)(22)【出願日】2018-09-19
(86)【国際出願番号】 CN2018106351
(87)【国際公開番号】W WO2019062609
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-03-27
(31)【優先権主張番号】201710895910.4
(32)【優先日】2017-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201721262500.8
(32)【優先日】2017-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518168041
【氏名又は名称】▲寧▼波舜宇光▲電▼信息有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 武彦
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 波杰
(72)【発明者】
【氏名】梅 哲文
(72)【発明者】
【氏名】郭 楠
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-180523(JP,A)
【文献】特開2016-100573(JP,A)
【文献】特開2016-092021(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0089884(US,A1)
【文献】中国実用新案第205961279(CN,U)
【文献】国際公開第2017/094502(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 - 45/84
B29C 33/00 - 33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールの感光アセンブリの製造方法であって、
回路基板ジョイントパネルを成形金型の第2金型に固定し、ここで、前記回路基板ジョイントパネルは、1列又は複数列の回路基板を含み、各列の回路基板は並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の前記回路基板は結合されている剛性領域と可撓性領域とを含み、且つ各々の前記回路基板には感光素子が作動可能に接続されているステップと、
前記第2金型と第1金型を締めて、少なくとも1つの光窓成形部に対応する位置
へモールド材料が充填されないように、溶融した
前記モールド材料を前記成形金型内のベースジョイントパネル成形案内溝に充填するステップと、
前記ベースジョイントパネル成形案内溝内の前記モールド材料を硬化して、前記ベースジョイントパネル成形案内溝に対応する位置に一体化モールドベースを形成し、ここで、前記一体化モールドベースは、対応する1列又は複数列の前記回路基板及び1列又は複数列の前記感光素子に一体成形されて、感光アセンブリジョイントパネルを形成し、前記光窓成形部に対応する位置に各々の前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、前記ベースジョイントパネル成形案内溝は、前記可撓性領域に近接した前記一体化モールドベースの第1端側に対応する第1導流溝と、前記可撓性領域から離れた前記一体化モールドベースに対応する第2導流溝と、前記第1導流溝と前記第2導流溝の間に延びている複数の充填溝とを有し、前記第1導流溝は、前記光窓に向かう第1側面を有し、前記第2導流溝は、前記光窓に向かう第2側面を有し、前記第1側面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、前記第2側面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きいステップとを含み、
前記第1導流溝、第2導流溝及びに充填溝の上側の成形面は、平坦面とされ、且つ面一にする、
製造方法。
【請求項2】
前記感光アセンブリジョイントパネルを切断して複数の感光アセンブリを得て、ここで、それぞれの前記感光アセンブリは、前記回路基板、前記感光素子及び前記モールドベースを含み、前記モールドベースは、前記回路基板及び前記感光素子に一体成形され、前記感光素子に光路を提供する前記光窓が形成されているステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1角度及び前記第3角度は3°~80°である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2角度及び第4角度は0°~20°である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記感光素子表面に垂直な方向における前記第1部分表面及び第3部分表面のそれぞれの第1高さ及び第3高さが、0.05mm~0.7mmである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記感光素子表面に垂直な方向における前記第2部分表面及び第4部分表面のそれぞれの第2高さ及び第4高さが、0.02mm~0.6mmである、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1導流溝の底端の幅が0.2mm~1mmである、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記一体化モールドベースは、1列の前記回路基板及び1列の前記感光素子に一体に形成され、若しくは、前記一体化モールドベースは、隣接する2列の前記回路基板及び隣接する2列の前記感光素子に一体成形され、前記2列の隣接する前記回路基板は、可撓性領域が互いに離間し剛性領域が互いに接近するように配設されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
カメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルであって、
各列の回路基板が、並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の前記回路基板が結合されている剛性領域と可撓性領域とを含む複数列の回路基板と、
複数列の感光素子と、
1つ又は複数の一体化モールドベースと、を含み、
各々の前記一体化モールドベースは、2列の隣接する前記回路基板及び2列の隣接する前記感光素子に一体的に形成され、各々の前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、且つ前記2列の隣接する前記回路基板は、可撓性領域が互いに離間し剛性領域が互いに近接するように配設され、各々の前記一体化モールドベースが前記可撓性領域に近接した2つの端側を有するようにし、前記可撓性領域に近接した前記一体化モールドベースの第1端側に対応して、光窓に向かう第1側面を有し、前記第1側面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、前記2列の隣接する前記感光素子の間に延びている前記一体化モールドベースの第2端側には、光窓に向かう第2側面を有し、前記第2側面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きく、
前記一体化モールドベースの上側の面は、平坦面である、
ことを特徴とするカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネル。
【請求項10】
カメラモジュールの感光アセンブリであって、
回路基板と、
前記回路基板に作動可能に接続されている感光素子と、
前記回路基板及び前記感光素子に一体的に結合され、光窓が形成されており、前記感光素子に近接した1つ又は複数の第1部分内面と前記感光素子から離れており前記第1部分内面に接続される1つ又は複数の第2部分内面とを有し、前記第1部分内面と前記感光アセンブリの光軸との間に夾角αを有し、前記第2部分内面と前記感光アセンブリの光軸との間に夾角βを有し、β<αであるモールドベースと、を含み、
前記モールドベースの上側の面は、平坦面である、
ことを特徴とする
カメラモジュールの感光アセンブリ。
【請求項11】
αの数値の範囲が3°~80°、βの数値の範囲が0°~20°である、
請求項10に記載の感光アセンブリ。
【請求項12】
前記モールドベースは、前記光窓の周囲にある感光素子結合部と頂側延び部を含み、前記感光素子結合部は、前記感光素子から一体的に延びている内面により前記第1部分内面を画定し、前記頂側延び部は、前記感光素子結合部に一体的に延びており、且つその表面により前記第2部分内面が画定されており、前記第2部分内面は前記第1部分内面に一体的に延びている、
請求項10に記載の感光アセンブリ。
【請求項13】
βの数値が0°であり、この場合、前記感光素子結合部は垂直延び部となる、
請求項12に記載の感光アセンブリ。
【請求項14】
前記頂側延び部の厚さ範囲が0.02mm~0.6mm、前記感光素子結合部の厚さ範囲が0.05mm~0.7mmである、
請求項12に記載の感光アセンブリ。
【請求項15】
前記モールドベースは、回路基板結合部をさらに含み、前記感光素子結合部は、前記回路基板結合部から一体的に延びており、且つ前記頂側延び部と前記回路基板結合部との間に位置し、前記回路基板結合部は前記回路基板に一体的に結合され、且つ前記感光素子の周囲に位置している、
請求項12に記載の感光アセンブリ。
【請求項16】
前記第1部分内面と前記第2部分内面が一体的に接続された位置と、前記感光アセンブリの光軸との間の間隔が、前記感光素子の外縁と前記感光アセンブリの光軸との間の間隔より小さい、
請求項12に記載の感光アセンブリ。
【請求項17】
前記回路基板及び前記感光素子は、一連の接続ワイヤを介して接続され、前記一連の接続ワイヤは、前記モールドベースに埋め込まれ、前記回路基板と前記感光素子の間のワイヤボンディング方向は、前記回路基板から前記感光素子への方向であり、若しくは、前記回路基板と前記感光素子の間のワイヤボンディング方向、前記感光素子から前記回路基板への方向である、
請求項10に記載の感光アセンブリ。
【請求項18】
前記第1部分内面と前記第2部分内面が接続された位置は、前記接続ワイヤの内側にある、
請求項17に記載の感光アセンブリ。
【請求項19】
感光アセンブリは感光アセンブリジョイントパネルから切断され、
回路基板は1列又は複数列の回路基板から切断され、各列の回路基板が並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の前記回路基板が結合されている剛性領域と可撓性領域とを含み、
感光素子は1列又は複数列の感光素子から切断され、
モールドベースは1つ又は複数の一体化モールドベースから切断され、
各々の前記一体化モールドベースは、1列の前記回路基板及び1列の前記感光素子に一体的に形成され、各々の前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、前記可撓性領域に近接した前記一体化モールドベースの第1端側に対応して、光窓に向かう第1側面を有し、前記第1側面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、前記可撓性領域から離れた前記一体化モールドベースの反対の第2端側に対応して、光窓に向かう第2側面を有し、前記第2側面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項10に記載の感光アセンブリ。
【請求項20】
感光アセンブリは感光アセンブリジョイントパネルから切断され、
回路基板は複数列の回路基板から切断され、各列の回路基板が、並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の前記回路基板が結合されている剛性領域と可撓性領域とを含む、
感光素子は複数列の感光素子から切断され、
モールドベースは1つ又は複数の一体化モールドベースから切断され、
各々の前記一体化モールドベースは、2列の隣接する前記回路基板及び2列の隣接する前記感光素子に一体的に形成され、各々の前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、且つ前記2列の隣接する前記回路基板は、可撓性領域が互いに離間し剛性領域が互いに近接するように配設され、各々の前記一体化モールドベースが前記可撓性領域に近接した2つの端側を有するようにし、前記可撓性領域に近接した前記一体化モールドベースの第1端側に対応して、光窓に向かう第1側面を有し、前記第1側面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、前記2列の隣接する前記感光素子の間に延びている前記一体化モールドベースの第2端側には、光窓に向かう第2側面を有し、前記第2側面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きい、
ことを特徴とする、請求項10に記載の感光アセンブリ。
【請求項21】
レンズと、請求項10に記載の感光アセンブリとを含むカメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュールの分野に関し、さらに、モールドプロセスにより製造される感光アセンブリ、感光アセンブリジョイントパネル、及びその製造方法、並びに前記感光アセンブリを備えたカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラモジュールのモールドパッケージ技術は、従来のCOBパッケージに基づいて発展してきた新たしいパッケージ技術である。
図1A~
図1Cには、従来の一体化パッケージ技術を用いて封止された回路基板が示されている。このような構造では、パッケージ部1が一体化パッケージの手段により回路基板2と感光チップ3にパッケージされて、一体化パッケージアセンブリを形成し、且つパッケージ部1が前記回路基板2の複数の電子デバイス201及び前記感光チップ3と前記回路基板2を電気的に接続するいくつかのリード線202を覆い、それにより、カメラモジュールの長さと幅及び厚さの減少、組立公差減少を可能にし、一体化パッケージアセンブリの上方のレンズ又はレンズアセンブリが平たんに取り付けられるようになり、且つ電子デバイスに付着した粉塵によるカメラモジュールの結像品質への悪影響という問題を解决する。
【0003】
より具体的には、
図1A及び
図1Bに示されるように、生産性を向上させるために、一般には、ジョイントパネル生産の方法で前記一体化パッケージアセンブリを生産し、即ち、複数の前記一体化パッケージアセンブリを一括して生産する。より具体的には、
図1A及び
図1Bには、成形金型を用いて前記一体化パッケージアセンブリをジョイントパネルとして生産することが示されている。前記成形金型は、上型101と下型102とを含み、1つの回路基板ジョイントパネルが成形金型の下型102に配置され、前記回路基板ジョイントパネルは、複数列の回路基板を含み、各列の回路基板は複数の回路基板2を含み、且つそれぞれの回路基板2には感光チップ3が作動可能に接続されている。上型101と下型102が締められて成形キャビティを形成し、それにより上型101が前記回路基板ジョイントパネルに圧着されるようになり、各列の回路基板上の前記感光チップ3の2つの端側に対応して、前記上型内には、ランナー103及び104という二つのランナーが形成されており、且つ上型101は複数のボス(突起)105を有し、隣接する2つの前記ボス105の間に中央ランナー106が形成され、このように複数の中央ランナー106は2つのランナー103及び104の間に延びている。
【0004】
モールドプロセスでは、流体状のパッケージ材料4がランナー103及び104という2つのランナーに沿って前へ流れて、且つ隣接する2つのボス105の間にある中央ランナー106に充填され、このようにして、隣接する2つの前記感光チップ3の間の領域にも前記パッケージ材料4が充填され、前記パッケージ材料4が硬化されると、対応する各々の前記回路基板2及び各々の前記感光チップ3に前記パッケージ部1が形成され、そして、各々の前記ボス105に対応する位置には、前記パッケージ部1の中央にある光窓が形成され、且つ、
図1Cに示されるように、これらパッケージ部1は一体成形されて一体化構造となる。
【0005】
図1Eに示されるように、モールドプロセスでは、熱硬化性の前記パッケージ材料4は、硬化時間Tを有し、その粘度が経時的に最低点に減少した後、最高点まで徐々に上昇して、完全に硬化する。好適な場合、前記パッケージ材料4の粘度が小さな値である時に、前記パッケージ材料4は、前記ランナー103、104及び106を満たし、前記パッケージ材料4が高粘度でありながら前へ流れているとき、前記回路基板2と前記感光チップ3との間にある前記リード線202へ大きな摩擦を与えるため、前記リード線202の変形及び破損を引き起こしやすい。
【0006】
上記モールドプロセスでは、前記パッケージ材料4は、熱硬化性材料であり、溶融した後、ランナー103及び104という2つのランナーに入り込み、且つ加熱条件の作用下で硬化する。しかしながら、実際に生産したところ、モールドプロセスでは、パッケージ材料4がランナー103及び104という2つのランナーに沿って前へ流れるとき、ランナー103及び104の幅が小さいと、問題となる恐れがある。
【0007】
より具体的には、前記パッケージ材料4は、所定の粘度を有する流体であるので、ランナー103及び104の両方のサイズが小さく、そして例えばランナー103が狭いランナーである場合、ランナー103内の流量が小さく、そして、ランナー103の内壁がランナー内の流体状の前記パッケージ材料4に与える摩擦による流速への影響が大きく、よって、ランナー103内の前記パッケージ材料4の流速が低くなる。この場合、前記パッケージ材料4の硬化時間T内で、前記ランナー103内の前記パッケージ材料4は前記硬化時間T内に供給端から末端まで流れることができない可能性があり、その結果、
図1Dに示される領域Sのように、ランナー103の一部の位置が十分に満たされず、上型101と下型102との間に一連の完全な形状を有する前記パッケージ部1の一体化構造が形成できず、領域Sに対応する位置では、前記パッケージ部1にノッチが形成され、周囲が密閉された光窓が形成できなくなる。さらに、ランナー104の幅が狭い場合、ランナー104には、
図1Dに示されるような状況が発生することもある。
【0008】
また、例えばランナー103内の前記パッケージ材料4の前への流動速度が低すぎることにより、前記パッケージ材料4は、粘度が大きくなっていても、ランナー103内で前へ流れると、流れる前記リード線202への摩擦力を増やし、それにより、前記リード線202が前へ大幅にずれて、前記リード線202に変形及び破損が発生したり、前記リード線202がパッドから脱離したりする。
【0009】
図1Fに示されるように、従来の一体化パッケージ技術を用いて封止されたカメラモジュールは、パッケージ部1、回路基板2、感光チップ3、フィルタ5、レンズアセンブリ6を含む。このような構造では、該パッケージ部1は、一体化パッケージ方式で該回路基板2及び該感光チップ3にパッケージされて、一体化パッケージアセンブリを形成し、且つ該パッケージ部1は、該回路基板2のいくつかの電子デバイス201及び該感光チップ3と該回路基板2を電気的に接続する一連のリード線202を覆い、それによって、カメラモジュールの長さと幅及び厚さの減少、組立公差の減少を可能にし、一体化パッケージアセンブリの上方の該レンズアセンブリ6が平たんに取り付けられるようになり、且つ該電子デバイス201に付着した粉塵によるカメラモジュールの結像品質への悪影響という問題を解决する。
【0010】
また、離型の利便さから、通常、形成されている該パッケージ部1の該内面が該感光チップ3から一体的に傾斜して延びており、それによって、該パッケージ部1の上面の面積が減少し、該パッケージ部1の頂側は該カメラモジュールの上方にある光学デバイス、例えば上記レンズアセンブリ6又は付加のレンズホルダーなどの部品が取り付けられるものである。しかしながら、該パッケージ部1の上面の面積が小さいと、該カメラモジュールの上方の光学デバイスの取り付けに十分な取り付け面を提供できない場合があり、それにより、上方の光学デバイスの取り付け安定性が不十分になったり、取り付け面からの接着剤のブリードアウトが発生しやすくなったりする。
【0011】
図1Bに示される一体化アセンブリの製造プロセスでは、該感光チップ3が接続された該回路基板201を金型に入れて、ボス105をプレスヘッドとして該感光チップ3に押し当て、且つ金型内のランナー103、104及び106により該ボス105を取り込む溝107が実質的に形成され、流体状態であるパッケージ材料4が該溝107に充填され、硬化すると該パッケージ部1を形成し、ボス105に対応する位置には該パッケージ部1の貫通孔が形成される。該ボス105は、傾斜した外面1051を有し、それによって、該パッケージ部1の一体的に延びている該内面が形成される。
【0012】
しかしながら、一体化パッケージプロセスでは、流体状の該パッケージ材料は、該感光チップ3と該ボス105の底面との間に入り込み、該感光チップ3の感光領域まで到達して、「バリ」を引き起こし、該感光チップ3の感光効果に影響することがある。さらに、該感光チップ3と該ボス105の傾斜した外面1051との間では、該溝107の底側に充填溝1071が形成されており、該一体化パッケージプロセスでは、該パッケージ材料は該充填溝1071に入り込み、傾斜して延びている該ボス105の該傾斜外面1051は該パッケージ材料が該充填溝1071に入り込むようにガイドする傾向があり、それによって、該充填溝1071の容積が大きくなり、且つ流体状の該パッケージ材料により大きな圧力及び圧力の強さが生じて、該パッケージ材料が該感光チップ3と該ボス105の底面との間に入り込む確率が高くなり、この場合、該パッケージ材料は、該感光チップ3の感光領域を汚染して、該感光チップ3の感光性能に影響することが発生しやすい。一方、「バリ」の発生を減少するために、該ボス105が該感光チップ3に圧着するときの圧力を増やす場合、該感光チップ3の破損を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【0013】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、感光アセンブリのジョイントパネルの製造方法において、モールドプロセスでは、モールド材料は、成形金型内のベースジョイントパネル成形案内溝を満たすことができるため、感光アセンブリの不良品の発生を回避することができる。
【0014】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、モールドプロセスでは、前記モールド材料は、回路基板ジョイントパネル上に一体化モールドベースを形成し、且つ前記一体化モールドベースには、それぞれの感光素子に対応する位置に周囲が密閉された光窓が形成されているため、形成された一体化感光アセンブリジョイントパネルが切断されると、それぞれの回路基板及び対応する前記感光素子に前記光窓を有するモールドベースを形成することで、前記モールドベースの一部にノッチが形成されて前記光窓を前記モールドベースの外部へ連通させることを回避する。
【0015】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記ベースジョイントパネル成形案内溝は、1列の回路基板に前記一体化モールドベースを形成することに用いられ、両側における2つの導流溝、及び2つの導流溝の間にある横方向に延びている複数の充填溝を有し、前記モールド材料は前記導流溝及び前記充填溝内で流れて硬化し、2つの導流溝の側壁が導流溝の容積を増やすように設計され、これにより前記モールド材料は、2つの前記導流溝の供給端から前へ流れ、前記ベースジョイントパネル成形案内溝の前記導流溝及び前記充填溝の全体を満たすようになる。
【0016】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記ベースジョイントパネル成形案内溝は、剛性領域に一体的に結合された2列の隣接する回路基板に前記一体化モールドベースを形成することに用いられ、両側にある2つの第1導流溝、中央にある第2導流溝、及びそれぞれ2つの第1導流溝と前記第2導流溝との間にある複数の充填溝を有し、前記モールド材料は、前記導流溝及び前記充填溝内で流れて硬化し、2つの前記第1導流溝及び前記第2導流溝の側壁が導流溝の容積を増やすように設計され、これにより、前記モールド材料は、2つの前記導流溝の供給端から前へ流れ、前記ベースジョイントパネル成形案内溝の前記導流溝及び前記充填溝を満たすようになる。
【0017】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、小型化された前記感光アセンブリを形成するために前記導流溝のサイズを小さくする場合、導流溝の側壁の形状が導流溝の容積を増やすように設計され、それにより、小サイズの前記導流溝、例えば上記第1導流溝の底端の幅が1mmより小さい場合においても、モールドプロセスにおいて前記ベースジョイントパネル成形案内溝の全体が満たされる。
【0018】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記モールド材料はその粘度が高い値になり硬化する前に、前記モールド材料は前記ベースジョイントパネル成形案内溝を満たし、それによって、前記回路基板と前記感光素子との間の接続ワイヤが前へ流れる高粘度のモールド材料により破損することを回避する。
【0019】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記導流溝の側壁が導流溝の容積を増やすように設計され、それにより、モールドプロセスでは、前記モールド材料は各々の前記導流溝の供給端からその末端に至ることができ、ある導流溝中の前記モールド材料が別の導流溝に流れて、当該別の導流溝中の前記モールド材料の前への流動を邪魔することを回避する。
【0020】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記モールドプロセスは、複数の回路基板を有する1列の回路基板及び1列の感光素子に前記一体化モールドベースを一括して形成し、さらにジョイントパネルプロセスで1列の複数の感光アセンブリ、例えば、好ましくは2個-12個の前記感光アセンブリを製造することができる。
【0021】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記感光アセンブリは、感光素子及び回路基板に一体的にモールドされるモールドベースを含み、一体化モールドプロセスにより前記モールドベースを形成する過程には、前記モールドベースをモールド形成するモールド材料が前記感光素子と成形金型の光窓成形部の底面との間に入って「バリ」を形成することは発生しにくく、これにより前記感光素子の感光領域が汚染される可能性を低減させる。
【0022】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記感光素子と前記光窓成形部の外面との間の充填溝の容積を減少させることにより、前記充填溝に入った前記モールド材料により生じた圧力及び圧力の強さを減少させ、さらに前記モールド材料が前記感光素子と前記光窓成形部の底面との間に入り込み「バリ」を形成する可能性を低減させる。
【0023】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記光窓成形部の外面には、異なる方向に延びている外面を有し、前記光窓成形部の頂側の外面と前記感光アセンブリの光軸との間の夾角が、底側の外面と光軸との間の夾角より小さく、それによって、前記光窓成形部の前記底側の外面と前記感光素子との間に形成された前記充填溝の容積が減少し、「バリ」の発生の可能性が低減する。
【0024】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記光窓成形部の前記頂側の外面は、光軸との夾角がより小さい方向に延びており、それにより、前記充填溝に入った前記モールド材料の流速をある程度で低下させ、前記モールド材料が前記充填溝に入ったときに生じた圧力を減少させ、さらに「バリ」の発生の可能性を低減させる。
【0025】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、一体化モールドプロセスでは、前記モールド材料が「バリ」を引き起こしにくいため、前記光窓成形部が大きな圧力で前記感光素子に圧着しなくてもよく、それで、前記感光素子が押されて壊れることを回避する。
【0026】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記成形金型の前記光窓成形部の外面と光軸との間に2つの角度が形成され、底側の外面には傾斜角度を有し、且つ傾斜して延びている底側の外面は0.05mm以上の高さを有し、それにより、前記光窓成形部に被覆された弾性被膜がモールドプロセスにおいて突き刺されにくくなる。
【0027】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記モールドベースは、一体的に延びている複数の内面を有し、且つその頂側の内面と光軸との間には、底側の内面と光軸との間のそれよりも小さい夾角を有することにより、前記モールドベースの内面が曲がって延びており、その底側の内面と前記感光素子との間には小さなサイズの前記モールド材料を有することにより、前記モールド材料で前記感光素子に「バリ」が形成されにくい。
【0028】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記モールドベースは、一体的に延びている感光素子結合部及び頂側延び部を有し、その内面に異なる延び角度を有し、前記頂側延び部と光軸との間に小さな夾角を有することで、前記頂側延び部の上面の面積を増大し、さらに前記カメラモジュールの上方のレンズ又はフィルタリング素子ホルダー又はレンズアセンブリのためにより大面積の取り付け面を提供し、前記レンズ、前記フィルタリング素子ホルダー又は前記レンズアセンブリを安定的に取り付けることを可能にする。
【0029】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記モールドベースの前記感光素子結合部の内面は傾斜して延びており、それによって、モールドプロセスにおける離型操作を実施しやすくし、前記感光素子への迷光を減少させ、一方、前記頂側延び部の内面が前記感光素子結合部の内面から一体的に曲がって延びており、このようにして、前記感光素子結合部と前記頂側延び部が嵌合し、それにより、迷光を減少させながら前記モールドベースの上面の面積をできるだけ増大する。
【0030】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記頂側延び部の内面は一体的に曲がって前記感光素子結合部から延びており、それにより、モールドプロセスでは、成形金型の光窓成形部が前記感光素子と前記回路基板を接続する接続ワイヤに押されて、前記接続ワイヤの破損を引き起こすことを回避する。
【0031】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記頂側延び部と光軸との間に小さな夾角を有することにより、前記フィルタリング素子の面積を減少させることができる。
【0032】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、前記カメラモジュールの前記感光アセンブリのフィルタリング素子のフィルタリング素子本体に遮光層が設置されることで、前記フィルタリング素子本体の中央領域に有効な光透過領域が形成されて、モールドベース内部への迷光を減少させる。
【0033】
本発明の1つの目的は、カメラモジュール、その感光アセンブリ及び製造方法を提供することであり、いくつかの実施例では、前記遮光層が前記フィルタリング素子本体の底側に設置されることによって、前記頂側延び部の内面に入射される光線を減少させ、さらに、この光線が前記頂側延び部の内面に入射され反射されて前記感光素子に到達し迷光となり、前記カメラモジュールの結像品質に影響することを回避する。
【0034】
以上の発明目的の少なくとも1つを達成させるために、本発明は、カメラモジュールの感光アセンブリの製造方法を提供し、
回路基板ジョイントパネルを成形金型の第2金型に固定し、ここで、前記回路基板ジョイントパネルは、1列又は複数列の回路基板を含み、各列の回路基板は並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の前記回路基板は結合されている剛性領域と可撓性領域とを含み、且つ各々の前記回路基板には感光素子が作動可能に接続されているステップ(a)と、
前記第2金型と第1金型を締めて、少なくとも1つの光窓成形部に対応する位置へ前記モールド材料が充填されないように、溶融したモールド材料を前記成形金型内のベースジョイントパネル成形案内溝に充填するステップ(b)と、
前記ベースジョイントパネル成形案内溝内の前記モールド材料を硬化して、前記ベースジョイントパネル成形案内溝に対応する位置に一体化モールドベースを形成し、ここで、前記一体化モールドベースは、対応する1列又は複数列の前記回路基板及び1列又は複数列の前記感光素子に一体化成形されて、感光アセンブリジョイントパネルを形成し、かつ前記光窓成形部に対応する位置に各々の前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、前記ベースジョイントパネル成形案内溝は、前記可撓性領域に近接した前記一体化モールドベースの第1端側に対応する第1導流溝と、前記可撓性領域から離れた前記一体化モールドベースに対応する第2導流溝と、前記第1導流溝と前記第2導流溝の間に延びている複数の充填溝とを有し、前記第1導流溝は、前記光窓に向かう第1側面を有し、前記第2導流溝は、前記光窓に向かう第2側面を有し、前記第1側面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、前記第2側面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きいステップ(c)と、を含む。
【0035】
前記感光アセンブリジョイントパネルは複数の前記感光アセンブリを製造することに用いられ、前記方法は、前記感光アセンブリジョイントパネルを切断して複数の感光アセンブリを得て、それぞれの前記感光アセンブリは、前記回路基板、前記感光素子及び前記モールドベースを含み、前記モールドベースは、前記回路基板及び前記感光素子に一体成形され、かつ前記感光素子に光路を提供する前記光窓が形成されているステップをさらに含む。
【0036】
本発明の別の態様によれば、本発明は、カメラモジュールの感光アセンブリを提供し、
結合されている剛性領域と可撓性領域とを含む回路基板と、
感光素子と、
モールドベースと、を含み、
前記モールドベースは、前記回路基板及び前記感光素子に一体成形され、かつ前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、前記可撓性領域に近接した前記モールドベースの第1端側に対応して、光窓に向かう第1側表面を有し、前記第1側表面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、前記可撓性領域から離れた前記モールドベースの反対の第2端側に対応して、光窓に向かう第2側表面を有し、前記第2側表面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きい。
【0037】
本発明の別の態様によれば、本発明は、カメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルをさらに提供し、
各列の回路基板が並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の前記回路基板が結合されている剛性領域と可撓性領域とを含む1列又は複数列の回路基板と、
1列又は複数列の感光素子と、
1つ又は複数の一体化モールドベースと、を含み、
各々の前記一体化モールドベースは、1列の前記回路基板及び1列の前記感光素子に一体に形成され、かつ各々の前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、前記可撓性領域に近接した前記一体化モールドベースの第1端側に対応して、光窓に向かう第1側表面を有し、前記第1側表面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、前記可撓性領域から離れた前記一体化モールドベースの反対の第2端側に対応して、光窓に向かう第2側表面を有し、前記第2側表面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きい。
【0038】
本発明の別の態様によれば、本発明は、カメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルをさらに提供し、
各列の回路基板が、並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の前記回路基板が結合されている剛性領域と可撓性領域とを含む複数列の回路基板と、
複数列の感光素子と、
1つ又は複数の一体化モールドベースと、を含み、
各々の前記一体化モールドベースは、2列の隣接する前記回路基板及び2列の隣接する前記感光素子に一体に形成され、かつ各々の前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、且つ前記2列の隣接する前記回路基板は、可撓性領域が互いに離遠し剛性領域が互いに近接するように配設され、各々の前記一体化モールドベースが前記可撓性領域に近接した2つの端側を有するようにし、前記可撓性領域に近接した前記一体化モールドベースの第1端側に対応して、光窓に向かう第1側表面を有し、前記第1側表面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、前記2列の隣接する前記感光素子の間に延びている前記一体化モールドベースの第2端側には、光窓に向かう第2側表面を有し、前記第2側表面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きい。
【0039】
本発明の別の態様によれば、本発明は、カメラモジュールをさらに提供し、
レンズと、
結合されている剛性領域と可撓性領域とを含む回路基板と、
感光素子と、
モールドベースと、を含み、
前記モールドベースは、前記回路基板及び前記感光素子に一体成形され、かつ前記感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、前記レンズは、前記感光素子の感光経路に位置し、前記可撓性領域に近接した前記モールドベースの第1端側に対応して、光窓に向かう第1側表面を有し、前記第1側表面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、前記可撓性領域から離れた前記モールドベースの反対の第2端側に対応して、光窓に向かう第2側表面を有し、前記第2側表面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きい。
【0040】
本発明の別の態様によれば、本発明は、カメラモジュールに用いられる感光アセンブリジョイントパネルを製造するための成形金型を提供し、該成形金型は、分離及び型締可能な第1金型と第2金型を含み、前記第1金型及び第2金型は、締められると成形キャビティを形成し、且つ前記成形キャビティ内には、少なくとも1つの光窓成形部と、前記光窓成形部の周囲に位置するベースジョイントパネル成形案内溝とが配置されており、且つ前記成形キャビティには回路基板ジョイントパネルが固定されるようにされており、該回路基板ジョイントパネルは、1列又は複数列の回路基板を含み、各列の回路基板は、並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の該回路基板は結合されている剛性領域と可撓性領域とを含み、且つ各々の該回路基板には感光素子が作動可能に接続されており、前記ベースジョイントパネル成形案内溝には、該モールド材料が充填されて前記ベースジョイントパネル成形案内溝に対応する位置に一体化モールドベースを形成するようにされており、該一体化モールドベースは、対応する各列の該回路基板及び各列の該感光素子に一体成形されて、該感光アセンブリジョイントパネルを形成し、前記光窓成形部に対応する位置に各々の該感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、前記ベースジョイントパネル成形案内溝は、該可撓性領域に近接した該一体化モールドベースの第1端側に対応する第1導流溝と、該可撓性領域から離れた該一体化モールドベースに対応する第2導流溝と、前記第1導流溝と前記第2導流溝の間に延びている複数の充填溝とを有し、各々の前記光窓成形部は、隣接する2つの前記充填溝の間に位置し、前記第1導流溝は、前記光窓に向かう第1側表面を有し、前記第2導流溝は、前記光窓に向かう第2側表面を有し、前記第1側表面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、前記第2側表面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きい。
【0041】
本発明の別の態様によれば、本発明は、カメラモジュールに用いられる感光アセンブリジョイントパネルを製造するための成形金型をさらに提供し、該成形金型は、分離及び型締可能な第1金型と第2金型を含み、前記第1金型及び第2金型は、締められると成形キャビティを形成し、且つ前記成形キャビティ内には、光窓成形部と、前記光窓成形部の周囲に位置するベースジョイントパネル成形案内溝とが配置されており、且つ前記成形キャビティには回路基板ジョイントパネルが固定されるようにされており、該回路基板ジョイントパネルは、複数列の回路基板を含み、各列の回路基板は、並べて配列された1つ又は複数の回路基板を含み、各々の該回路基板は結合されている剛性領域と可撓性領域とを含み、且つ各々の該回路基板には感光素子が作動可能に接続されており、前記ベースジョイントパネル成形案内溝には、モールド材料が充填されて前記ベースジョイントパネル成形案内溝に対応する位置に一体化モールドベースを形成するようにされており、該一体化モールドベースは、隣接する2列の該回路基板及び隣接する2列の該感光素子に一体成形されて、該感光アセンブリジョイントパネルを形成し、前記光窓成形部に対応する位置に各々の該感光素子に光路を提供する光窓が形成されており、この2列の隣接する該回路基板は、可撓性領域が互いに離間し剛性領域が互いに隣接するように配設され、前記ベースジョイントパネル成形案内溝は、該可撓性領域に近接した該一体化モールドベースの2つの端側に対応する2つの第1導流溝と、該2列の隣接する該感光素子の間の領域に対応する第2導流溝と、2つの前記第1導流溝と前記第2導流溝の間に延びている複数の充填溝とを有し、各々の前記光窓成形部は、隣接する2つの前記充填溝の間に位置し、前記第1導流溝は、前記光窓に向かう第1側表面を有し、前記第2導流溝は、前記光窓に向かう第2側表面を有し、前記第1側表面は、前記感光素子に近接して設置される第1部分表面と第1部分表面に接続された第2部分表面とを含み、前記第2側表面は、前記感光素子に近接して設置される第3部分表面と第3部分表面に接続された第4部分表面とを含み、前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面の第4角度よりも大きい。
【0042】
本発明は、感光アセンブリをさらに提供し、
回路基板と、
前記回路基板に作動可能に接続されている感光素子と、
前記回路基板及び前記感光素子に一体的に結合され、かつ光窓が形成されており、前記感光素子に近接した1つ又は複数の第1部分内面と前記感光素子から離れており前記第1部分内面に接続される1つ又は複数の第2部分内面とを有し、前記第1部分内面と前記感光アセンブリの光軸との間に夾角αを有し、前記第2部分内面と前記感光アセンブリの光軸との間に夾角βを有し、β<αであるモールドベースと、を含む。
【0043】
本発明の別の態様によれば、本発明は、カメラモジュールをさらに提供し、
レンズと、
回路基板と、
前記回路基板に作動可能に接続されており、前記レンズがその感光経路に位置する感光素子と、
モールドベースと、を含み、
前記モールドベースは、前記回路基板及び前記感光素子に一体成形され、かつ光窓が形成されており、前記感光素子に近接した第1部分内面と、前記感光素子から離れており前記第1部分内面に接続された第2部分内面とを有し、前記第1部分内面と前記カメラモジュールの光軸との間に夾角αを有し、前記第2部分内面と前記カメラモジュールの光軸との間に夾角βを有し、β<αである。
【0044】
本発明の別の態様によれば、本発明は、カメラモジュールに用いられる少なくとも1つの感光アセンブリを製造するための成形金型をさらに提供し、該成形金型は、前記感光アセンブリは、回路基板、感光素子及びモールドベースを含み、前記モールドベースは、前記回路基板及び前記感光素子に一体成形され、かつ光窓が形成されており、分離及び型締可能な第1金型と第2金型を含み、且つ形成キャビティ内には、少なくとも1つの光窓成形部と、前記光窓成形部の周囲に位置するベース成形案内溝とが配置されており、該感光素子が接続された該回路基板は、前記成形金型内に配置され、且つ前記第1金型と第2金型が締められると、溶融したモールド材料が前記ベース成形案内溝に充填され、硬化されると該モールドベースを形成し、前記光窓成形部に対応する位置には該光窓が形成されており、前記光窓成形部は、底側から頂側に向かう方向に少なくとも1つの第1部分外面と少なくとも1つの第2部分外面とを有し、前記第1部分外面及び第2部分外面と該感光素子に垂直な光軸との間にそれぞれ夾角α及びβが形成されており、且つα>βである。
【0045】
本発明の別の態様によれば、本発明は、上記1つ又は複数の前記カメラモジュールを含む電子機器をさらに提供する。前記電子機器は、携帯電話、コンピュータ、テレビ、スマートウェアラブル機器、交通工具、カメラや監視装置を含むが、これらに制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1A】従来の一体化パッケージプロセスにより封止された感光アセンブリの成形金型の構造模式図である。
【
図1B】従来の一体化パッケージプロセスにより一体化パッケージアセンブリを形成する成形過程の模式図である。
【
図1C】従来の一体化パッケージプロセスにおいてパッケージ材料が2つのランナーに沿って前へ流れている場合の拡大構造模式図を示す。
【
図1D】従来の一体化パッケージプロセスにおいて局所にパッケージ材料が満たされていない場合の拡大構造模式図を示す。
【
図1E】硬化時間内のモールド材料の粘度変化の模式図である。
【
図1F】従来の一体化パッケージプロセスにより封止された感光アセンブリを用いて製造されるカメラモジュールの構造模式図を示す。
【
図2】本発明の第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの製造装置のブロック図である。
【
図3A】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの製造装置の成形金型の構造模式図である。
【
図3B】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの製造装置の成形金型の第1金型の
図3Aの部分領域Aの拡大構造模式図である。
【
図4】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの構造模式図である。
【
図5A】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリの拡大構造模式図である。
【
図5B】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリの拡大上面構造模式図である。
【
図6A】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリの
図5AのC-C線に沿う断面図である。
【
図6B】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリの第2端側がさらに切断された場合の断面図である。
【
図7A】本発明の上記第1の好ましい実施例に係る前記感光アセンブリジョイントパネルの前記成形金型において溶融したモールド材料をベースジョイントパネル成形案内溝に押す場合の断面図を示し、該断面図は、
図4に示されるA-A線方向に相当する断面図である。
【
図8】本発明の上記第1の好ましい実施例に係る前記感光アセンブリジョイントパネルの前記成形金型において溶融したモールド材料をベースジョイントパネル成形案内溝に満たした場合の断面図を示し、該断面図は、
図4に示されるA-A線方向に相当する断面図である。
【
図9】本発明の上記第1の好ましい実施例に係る前記感光アセンブリジョイントパネルの前記成形金型において溶融したモールド材料をベースジョイントパネル成形案内溝に満たした場合の断面図を示し、該断面図は、
図4に示されるB-B線方向に相当する断面図である
【
図10】本発明の上記第1の好ましい実施例に係る前記感光アセンブリジョイントパネルの前記成形金型において離型ステップを実行して形成された一体化モールドベースの
図4のA-A線方向に相当する断面図を示す。
【
図11】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの立体構造模式図を示す。
【
図12】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの分解構造模式図を示す。
【
図13A】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの
図12のD-D線に沿う断面図を示す。
【
図13B】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの
図12のE-E線に沿う断面図を示す。
【
図14】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの一変形実施形態の断面図を示す。
【
図15】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの別の変形実施形態のカメラモジュールの断面図を示す。
【
図16】本発明の上記第1の好ましい実施例に係るカメラモジュールの別の変形実施形態のカメラモジュールの断面図を示す。
【
図17A】本発明の第2の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの製造装置の成形金型の構造模式図である。
【
図17B】本発明の上記第2の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの製造装置の成形金型の
図17Aの第1金型のC部の拡大構造模式図である。
【
図18】本発明の上記第2の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの構造模式図である。
【
図19A】本発明の上記第2の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの
図18のD部の拡大構造模式図である。
【
図19B】本発明の上記第2の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの隣接する2つの感光アセンブリの拡大上面構造模式図である。
【
図20A】本発明の上記第2の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルの
図19AのH-H線に沿う断面図である。
【
図20B】本発明の上記第2の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリジョイントパネルが切断されて得た2つの感光アセンブリの構造模式図である。
【
図21A】本発明の上記第2の好ましい実施例に係る前記感光アセンブリジョイントパネルの前記成形金型において溶融したモールド材料をベースジョイントパネル成形案内溝に押す場合の断面図を示し、該断面図は、
図18に示されるF-F線方向に相当する断面図である。
【
図22】本発明の上記第2の好ましい実施例に係る前記感光アセンブリジョイントパネルの前記成形金型において溶融したモールド材料をベースジョイントパネル成形案内溝に満たした場合の断面図を示し、該断面図は、
図18に示されるF-F線方向に相当する断面図である。
【
図23】本発明の上記第2の好ましい実施例に係る前記感光アセンブリジョイントパネルの前記成形金型において溶融したモールド材料をベースジョイントパネル成形案内溝に満たした場合の断面図を示し、該断面図は、
図18に示されるG-G線方向に相当する断面図である。
【
図24】本発明の上記第2の好ましい実施例に係る前記感光アセンブリジョイントパネルの前記成形金型において離型ステップを実行して形成した一体化モールドベースの
図18のF-F線方向に相当する断面図を示す。
【
図25A】本発明の上記第1及び第2の好ましい実施例の一変形実施形態に係る感光アセンブリジョイントパネルの断面図及び切断して得た感光アセンブリの拡大構造模式図を示す。
【
図25B】本発明の上記第1及び第2の好ましい実施例の一変形実施形態に係る感光アセンブリジョイントパネルの断面図及び切断して得た感光アセンブリの拡大構造模式図を示す。
【
図25C】本発明の上記第1及び第2の好ましい実施例の一変形実施形態に係る感光アセンブリジョイントパネルの断面図及び切断して得た感光アセンブリの拡大構造模式図を示す。
【
図26A】本発明の上記第2の好ましい実施例に係る別の変形実施形態の感光アセンブリジョイントパネルの構造模式図を示す。
【
図26B】本発明の上記第2の好ましい実施例に係る別の変形実施形態の感光アセンブリの拡大構造模式図を示す。
【
図27】本発明の上記第2の好ましい実施例に係る別の変形実施形態の感光アセンブリの
図26BのI-I線に沿う断面図を示す。
【
図28】本発明の第3の好ましい実施例に係るカメラモジュールの立体分解模式図である。
【
図29A】本発明の第3の好ましい実施例に係るカメラモジュールの構造模式図である。
【
図30】本発明の上記第3の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリ底側に遮光層を貼り付けることで感光素子に反射される迷光を効果的に減少させる場合の模式図を示す。
【
図31A】本発明の上記第3の好ましい実施例に係るモールドプロセスでは成形金型において溶融したモールド材料をベース成形案内溝に押す場合の断面図を示す。
【
図31B】本発明の上記第3の好ましい実施例に係る溶融したモールド材料をベース成形案内溝に満たした場合の断面図を示す。
【
図31C】本発明の上記第3の好ましい実施例に係る離型ステップを実行して形成したモールドベースの断面図を示す。
【
図32A】本発明の上記第3の好ましい実施例に係る一変形実施例において、感光アセンブリの両側に遮光層を貼り付けて迷光を効果的に減少させる場合の模式図を示す。
【
図32B】本発明の上記第3の好ましい実施例に係る別の変形実施形態のカメラモジュールの断面図を示す。
【
図33】本発明の上記第3の好ましい実施例に係る別の変形実施例のカメラモジュールの断面図を示す。
【
図34】本発明の上記第3の好ましい実施例に係る別の変形実施形態のカメラモジュールの断面図を示す。
【
図35】本発明の第4の好ましい実施例に係るカメラモジュールの立体分解模式図を示す。
【
図36A】本発明の上記第4の好ましい実施例に係るカメラモジュールの
図35のK-K線方向に沿う断面図である。
【
図37】本発明の上記第4の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリの底側に遮光層を貼り付けて感光素子に反射される迷光を効果的に減少させる場合の模式図を示す。
【
図38】本発明の上記第4の好ましい実施例に係る一変形実施形態のカメラモジュールの断面図である。
【
図39】本発明の第5の好ましい実施例に係るカメラモジュールの立体分解模式図である。
【
図40】本発明の上記第5の好ましい実施例に係るカメラモジュールの
図39のM-M線方向に沿う断面図である。
【
図41】本発明の上記第5の好ましい実施例に係るカメラモジュールの感光アセンブリの底側に遮光層を貼り付けて感光素子に反射される迷光を効果的に減少させる場合の模式図を示す。
【
図42】本発明の上記第5の好ましい実施例に係る一変形実施形態のカメラモジュールの断面図を示す。
【
図43】本発明の上記第5の好ましい実施例に係る別の変形実施形態のカメラモジュールの断面図を示す。
【
図44】本発明に係る上記カメラモジュールをスマート電子機器に適用した場合の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の説明は、当業者が本発明を実施できるように、本発明を開示する。以下の説明における好ましい実施例は、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、ほかの明らかな変形を想到し得る。以下の説明により定義される本発明の基本的な原理は、ほかの実施態様、変形態様、改良態様、同等態様及び本発明の趣旨や範囲を逸脱しないほかの技術的態様に適用できる。
【0048】
当業者が理解できるように、本発明の開示において、用語「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などにより示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜及び説明の簡素化のために過ぎず、示される装置又は素子が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成・操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、したがって、上記用語は、本発明を制限するものとして理解できない。
【0049】
なお、用語「一(a)」は、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」として理解すべきであり、即ち、一実施例では、ある素子の数は1つであるが、別の実施例では、該素子の数は複数のであってもよく、用語「一」は、数に対する制限と理解できない。
【0050】
図2~
図14には、本発明の第1の好ましい実施例に係るカメラモジュール100、感光アセンブリ10及びその製造方法が示されている。前記カメラモジュール100は、さまざまな電子機器300に適用でき、前記電子機器300は、機器本体301と、前記機器本体301に取り付けられる1つ又は複数のカメラモジュール100とを含み、
図44に示されるように、前記電子機器30の例には、スマートフォン、ウェアラブル機器、コンピュータ機器、テレビ、交通工具、カメラ、監視装置などが挙げられるが、これらに制限されず、前記カメラモジュールは、前記電子機器と組み合わせて目的対象の画像を収集・再現する。
【0051】
より具体的には、図面には、前記カメラモジュール100の感光アセンブリ10及びその製造装置200が示されている。前記感光アセンブリ10は、回路基板11、モールドベース12及び感光素子13を含み、前記モールドベース12は、前記回路基板11及び前記感光素子13に一体成形され、かつ前記感光素子13に光路を提供する光窓122が形成されている。本発明の前記モールドベース12は、前記製造装置200を用いて、モールドプロセス、より具体的にはトランスファーモールドプロセスにより、前記回路基板11及び前記感光素子13に一体的にモールド成形され、それによって、前記モールドベース12は、従来のカメラモジュールのレンズホルダー又はホルダーの代わりとして機能することができ、且つ従来のパッケージプロセスのようにレンズホルダー又はホルダーを接着剤で前記回路基板11に貼り付ける必要がない。
【0052】
さらに、
図2-
図4及び
図7A~
図10に示されるように、本発明は、前記製造装置200を用いて感光アセンブリジョイントパネル1000を製造し、即ち、ジョイントパネルプロセスによって複数の感光アセンブリ10を有する前記感光アセンブリジョイントパネル1000を製造する。前記感光アセンブリジョイントパネル1000は、回路基板ジョイントパネル1100及び1つ又は複数の一体化モールドベース1200を含む。前記回路基板ジョイントパネル1100は、複数列の回路基板、例えば
図4に示される4列の回路基板を含み、各列の回路基板は、複数の回路基板11、例えば2個-12個の前記回路基板11を含み、図面には、6個の前記回路基板11が示されており、各々の前記回路基板11は、感光素子13に作動可能に接続される。各々の前記一体化モールドベース1200は、1列の前記回路基板に形成され、且つ1列の前記感光素子13におけるそれぞれの前記感光素子13の少なくとも一部の非感光エリア132に一体化成形され、前記感光素子13の感光エリア131を露出させる。各々の前記一体化モールドベース1200は、複数の光窓122を有し、各々の前記光窓122の位置は、対応する前記感光素子13に光路を提供するように、各々の前記感光素子13に対応する。
【0053】
前記カメラモジュール100の前記感光アセンブリジョイントパネル1000の製造装置200は、成形金型210、モールド材料供給機構220、金型固定装置230、温度制御装置250及びコントローラ260を含み、前記モールド材料供給機構220は、ベースジョイントパネル成形案内溝215にモールド材料14を供給する。前記金型固定装置230は、前記成形金型210の型開き及び型閉じ(型締)を制御し、前記温度制御装置250は、熱硬化性の前記モールド材料14を加熱し、前記コントローラ260は、モールドプロセスにおいて前記モールド材料供給機構220、前記金型固定装置230、及び前記温度制御装置250の操作を自動的に制御する。
【0054】
前記成形金型210は、前記金型固定装置230の作用下で型開きと型閉じが可能な第1金型211及び第2金型212を含み、即ち、前記金型固定装置230は、前記第1金型211と前記第2金型212を分離又は締めて成形キャビティ213を形成することができ、型締めたとき、前記回路基板ジョイントパネル1100は、前記成形キャビティ213内に固定され、且つ流体状の前記モールド材料14が前記成形キャビティ213に入り込み、各列の前記回路基板11及び対応する各列の前記感光素子13に一体成形され、そして、硬化すると各列の前記回路基板11及び各列の前記感光素子13に一体成形される前記一体化モールドベース1200を形成する。
【0055】
より具体的には、前記成形モジュール210は、さらに、1つ又は複数のベースジョイントパネル成形案内溝215を有するとともに、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215内の複数の光窓成形部214を含む。前記第1金型211と第2金型212が締めたとき、前記光窓成形部214及び前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は、前記成形キャビティ213内に延びており、且つ流体状の前記モールド材料14が前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に充填され、一方、前記光窓成形部214に対応する位置に流体状の前記モールド材料14が充填されず、このようにして、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に対応する位置では、流体状の前記モールド材料14は、硬化すると前記一体化モールドベース1200を形成し、前記一体化モールドベース1200は、各々の前記感光アセンブリ10に対応する前記モールドベース12の環状モールド本体121を含み、前記光窓成形部214に対応する位置には、前記モールドベース12の前記光窓122が形成される。前記モールド材料14は、ナイロン、LCP(Liquid Crystal Polymer、液晶ポリマー)、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)、エポキシ樹脂などであり得るが、これらに制限されない。
【0056】
前記第1金型211及び第2金型212は、相対移動可能な2つの金型であり、例えば、2つの金型のうち、一方は固定されており、他方は移動可能であり、若しくは、2つの金型はともに移動可能であり、本発明では、それについて制限しない。本発明の本実施例の例では、具体的には、前記第1金型211は、固定上型、前記第2金型212は可動下型として構成される。前記固定上型及び前記可動下型は同軸に設置され、例えば、前記可動下型は、複数の位置決め軸に沿って上へ摺動して、前記固定上型と締めたときに、しっかり閉まった前記成形キャビティ213を形成することができる。
【0057】
前記第2金型212、即ち前記下型は、前記回路基板11を取り付けて固定するために、凹溝状を呈するか又は位置決め柱により形成されることができる回路基板位置決め溝2121を有してもよく、前記光窓成形部214及び前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は、前記第1金型211、即ち前記上型に形成されることができ、前記第1金型211と第2金型212が型閉じすると、前記成形キャビティ213が形成される。さらに、流体状の前記モールド材料14は、前記回路基板ジョイントパネル1100の頂側の前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に注入され、各列の前記回路基板11及び各列の前記感光素子13の頂側に前記一体化モールドベース1200を形成する。
【0058】
なお、前記回路基板位置決め溝2121は、前記第1金型211即ち前記上型に設置され、前記回路基板ジョイントパネル1100を取り付けて固定するようにしてもよく、前記光窓成形部214及び前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は前記第2金型211に形成されてもよく、前記第1金型211、第2金型212が型閉じすると、前記成形キャビティ213が形成される。前記回路基板ジョイントパネル1100は、前記上型において正面が対向するように配設されることができ、且つ流体状の前記モールド材料14は、逆さまとなった前記回路基板ジョイントパネル1100の底側の前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に注入されて、逆さまとなった前記回路基板ジョイントパネル1100の底側に前記一体化モールドベース1200を形成する。
【0059】
より具体的には、前記第1金型211と第2金型212が締められてモールドステップを実行する際に、前記光窓成形部214は、前記感光素子13の上面に重なり合って密着し、それにより、流体状の前記モールド材料14が前記回路基板11上の前記感光素子13の上面131の感光領域1311に入り込むことが回避され、最終的に前記光窓成形部214に対応する位置に前記一体化モールドベース1200の前記光窓122が形成され得る。なお、前記光窓成形部214は、中実構造であってもよく、図示したように内部に凹溝のある形状の構造であってもよい。
【0060】
なお、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215を形成するための前記第1金型211の成形面は、平坦面とされ、且つ面一にすることができ、この場合、前記モールドベース12が硬化成形されると、前記モールドベース12の上面が比較的平坦であり、よって、前記カメラモジュール100の前記感光アセンブリ10の上方にある光学部品、例えばドライバ、レンズ、固定鏡筒のために平坦な取り付け条件を提供し、組み立てられた前記カメラモジュール100の傾斜誤差を減少させる。
【0061】
ただし、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215及び前記光窓成形部214は、前記第1金型211に一体成形されてもよい。また、前記第1金型211は、取り外し可能な成形構造を含み、前記成形構造には、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215及び前記光窓成形部214が形成されているようにしてもよい。このようにして、前記感光アセンブリ10の形状及びサイズに応じて前記モールドベースの直径や厚さなどが要求されることで、さまざまな形状及びサイズの前記ベースジョイントパネル成形案内溝215及び前記光窓成形部214を設計することができる。したがって、成形構造を交換するだけで、前記製造装置は、さまざまな規格の前記感光アセンブリ10に適用できる。なお、これに対応して、前記第2金型212も、さまざまな形状及びサイズの前記凹溝2121を提供するための取り外し可能な固定ブロックを含んでもよく、それによって、さまざまな形状及びサイズの前記回路基板11に適用できるように簡便に交換可能である。
【0062】
なお、前記モールド材料14は、熱硬化性材料であり、固体状態の熱硬化性材料は加熱されて溶融することで流体状の前記モールド材料14となる。前記モールド成形中に、熱硬化性の前記モールド材料14は、さらに加熱されて硬化し、そして一旦硬化すると再溶融することができず、それによって、前記一体化モールドベース1200が形成される。
【0063】
なお、本発明の前記モールドプロセスでは、前記モールド材料14は、塊状、顆粒状であってもよく、粉末状であってもよく、加熱されると前記成形金型210内に流体となり、次に硬化して前記一体化モールドベース1200を形成する。
【0064】
より具体的には、本発明では、各々の前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は、ほぼ平行する第1導流溝2151及び第2導流溝2152、及び前記第1導流溝2151と前記第2導流溝2152の間に延びている複数の充填溝2153を有し、ここで、隣接する2つの前記光窓成形部214の間には前記充填溝2153が形成されており、図示するように、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は、7個の前記充填溝2153を有し、6個の前記光窓成形部214は、それぞれ隣接する2つの前記充填溝2153の間に位置する。前記モールド材料14は、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152に沿ってその供給端215Aから末端215Bヘ流れ、且つ前記モールド材料14は、各々の前記充填溝2153を満たし、それにより、前記モールド材料14は、硬化すると前記一体化モールドベース1200を形成する。
【0065】
図7A~
図10には、本発明の本好ましい実施例に係る前記カメラモジュール100の前記感光アセンブリジョイントパネル1000の製造過程の模式図が示されており、
図7Aに示されるように、前記成形金型210は、型閉じ状態であり、モールド対象となる前記回路基板ジョイントパネル1100及び固体状態の前記モールド材料14が所望の位置に配置されており、固体状態の前記モールド材料14は、加熱されて溶融し、流体状態又は半固体半流体状態となった時に前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に送られ、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152に沿って前へ流れ、隣接する2つの前記光窓成形部214の間の充填溝2153に充填される。
【0066】
図8及び
図9に示されるように、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に亘って流体状の前記モールド材料14が充填されると、流体状の前記モールド材料14は硬化プロセスにより硬化して、各列の前記回路基板11及び各列の前記感光素子13に一体成形される前記一体化モールドベース1200を形成する。
【0067】
図10に示されるように、前記モールド材料14が硬化して前記一体化モールドベース1200を形成した後、本発明の離型工程が実行され、即ち、前記金型固定装置230は、前記第1金型211、第2金型212を互いに離間させ、このように前記光窓成形部214が前記一体化モールドベース1200から離れ、前記一体化モールドベース1200内には、各々の前記感光素子13に対応する前記光窓122が形成される。
【0068】
図4~
図6に示されるように、製造された前記感光アセンブリジョイントパネル1000は、さらに切断されて、前記感光アセンブリ10の単体となることができる。それぞれの前記感光アセンブリ10は、少なくとも1つの前記回路基板11、少なくとも1つの前記感光素子13、及び、前記回路基板11及び前記感光素子13に一体的にモールド成形される前記モールドベース12を含む。各々の前記回路基板11は、結合されている剛性領域111と可撓性領域112とを含み、つまり、各々の前記回路基板11は、本発明の本実施例で、リジッドフレキシブル基板として実装できる。前記モールドベース12は、前記回路基板11の前記剛性領域111及び前記感光素子13の少なくとも一部の非感光エリア132に一体成形され、前記感光素子13の前記感光エリア131に光路を提供する前記光窓122が形成されている。
【0069】
ただし、本発明の前記感光アセンブリジョイントパネル1000の製造方法は、小サイズの前記感光アセンブリ10の製造に適用できる。したがって、モールドプロセスでは、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152の容積が小さい。
図7A~
図10から分かるように、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152の断面がほぼ台形形状である。前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152の底端の幅は、サイズにより制限され、拡大することができない。
【0070】
したがって、本発明の実施例によれば、光窓122に向かう一体化モールドベース1200の内面、即ち、第1導流溝2151の第1側面1201及び第2導流溝2152の第2側面1202は、両端式の構造とされている。
【0071】
具体的には、
図6A及び
図6Bに示されるように、前記第1側面1201は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面に接続された第2部分表面1204とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きい。つまり、
図6A及び
図6Bから明らかなように、第1部分表面1203及び第2部分表面1204は、下から上への方向に延びており、且つ第1部分表面1203の傾斜程度が第2部分表面1204の傾斜程度よりも大きい。それによって、第2部分表面1204が第1部分表面1203に対して光窓の方向へ傾斜することにより、第1導流溝2151の断面面積が増大し、さらに第1導流溝2151の容積が増大する。
【0072】
同様に、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面に接続された第4部分表面1206とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4表面部分1206の第4角度よりも大きい。つまり、
図6A及び
図6Bから明らかなように、第3部分表面1205及び第4部分表面1206は、下から上への方向に延びており、且つ第3部分表面1205の傾斜程度が、第4部分表面1206の傾斜程度よりも大きい。それによって、第4部分表面1206が第3部分表面1205に対して光窓の方向へ傾斜することにより、第2導流溝2152の断面面積が増大し、さらに第2導流溝2152の容積が増大する。
【0073】
好適には、本発明の実施例では、第1導流溝2151と第2導流溝2152の断面が対称性を有するように設計され、即ち、前記第1部分表面1203の第1角度は、前記第3部分表面1205の第3角度に等しく、且つ前記第2部分表面1204の第2角度は、前記第4部分表面1206の第4角度に等しい。
【0074】
カメラモジュールの迷光による影響を考慮すると、前記第1角度及び前記第3角度は3°~80°に設定される。さらに、モジュールプロセスのほかの要因及びカメラモジュールのモールドベースの構造や材料の特性を考慮すると、第2角度及び第4角度は0°~20°に設定される。
【0075】
ここで、本発明の実施例における第2角度及び第4角度は、さらに好適には0度に設定され、即ち、第2部分表面1204及び第4部分表面1206は、感光素子13の表面に対して上向きに垂直に延びており、それにより、導流溝の断面面積を最大限に増大できる一方、カメラモジュールの感光チップに入射される光線への影響をなくする。
【0076】
当業者が理解できるように、導流溝の断面形状は、モールド材料の流動に影響する一方、製造されるモールドベースの断面形状を直接に決定する。
【0077】
第1側面1201と第2側面1202の2段式設計、即ち、第1部分表面1203に対する第2部分表面1204の小さな傾斜、及び第3部分表面1205に対する第4部分表面1206の小さな傾斜によって、モールドベースの上面の面積をさらに増大し、レンズホルダーなどのカメラモジュールのほかの素子をより容易に載置できるようにする。
【0078】
したがって、本発明の実施例では、具体的な形状やサイズの要因による導流溝の断面形状への影響に加えて、この形状やサイズの要因によるモールドベースの形状の影響も考慮する。
【0079】
具体的には、モールドベースが接続ワイヤ15を覆う必要があるため、感光素子13の表面に垂直な方向における第1側面1201及び第2側面1202の高さをさらに限定する。
【0080】
好適には、本発明の実施例では、感光素子13の表面に垂直な方向における第1部分表面1203及び第3部分表面1205のそれぞれの第1高さ及び第3高さが0.05mm~0.7mmである。このようにすると、形成されたモールドベースが接続ワイヤ15をよく覆うことが確保される。さらに、モールドベースが全体として接続ワイヤ15を覆うこと、及びレンズホルダーをさらに載置する構造要素を考慮すると、感光素子13の表面に垂直な方向における第2部分表面1204及び第4部分表面1206のそれぞれの第2高さ及び第4高さが0.02mm~0.6mmである。
【0081】
第2部分表面1204及び第4部分表面1206により、モジュールベースの高さがさらに大きくなり、カメラモジュールのほかの素子例えばレンズホルダーを取り付けるときに接続ワイヤ15が押圧されて、カメラモジュールの性能へ影響が与えられることが避けられる。
【0082】
このように導流溝の側面を2段式の形状に設計することで、流体であるモールド材料の導流溝でのスムーズな流動が確保でき、具体的には、流体状の前記モールド材料14は、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152に沿って前へ流れ、且つ硬化前に前記ベースジョイントパネル成形案内溝215全体を満たすことができる。
【0083】
これに対応して、本発明のモールドプロセスにより得られた前記感光アセンブリジョイントパネル1000は、1列又は複数列の前記回路基板11、1列又は複数列の前記感光素子13及び1つ又は複数の前記一体化モールドベース1200を含む。各列の前記回路基板11は、並べて配列された1つ又は複数の前記回路基板11を含み、各々の前記回路基板11は、結合されている前記剛性領域111と前記可撓性領域112とを含む。各々の前記一体化モールドベース1200は、1列の前記回路基板11及び1列の前記感光素子13に一体的に形成され、各々の前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122が形成されている。前記可撓性領域112に近接した前記一体化モールドベース1200の第1端側に対応する前記一体化モールドベースの部分1200Aは、第1側面1201を有し、前記第1側面1201は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面に接続された第2部分表面1204とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、前記可撓性領域112から離れた前記一体化モールドベース1200の反対の第2端側に対応する前記一体化モールドベースの部分1200Bは、第2側面1202を有し、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面に接続された第4部分表面1206とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4表面部分1206の第4角度よりも大きい。前記一体化モールドベース1200の前記第1端側は、前記回路基板11の前記剛性領域111と前記可撓性領域112との結合側、即ち、前記可撓性領域112に近接した近端側に対応し、前記一体化モールドベース1200の前記第2端側は、前記可撓性領域112から離れた前記回路基板11の遠端側に対応する。
【0084】
前記感光アセンブリジョイントパネル1000が切断されると、前記感光アセンブリ10の単体が得られ、切断ステップでは、前記第1端側及び前記第2端側を除く前記一体化モールドベース1200の2つの翼側で切断して、前記モールドベース12を得て、一方、対応する前記第2端側の前記モールドベースの部分1200Bを切断しないようにしてもよく、このようにすれば、一対の反対の翼側に前記一体化モールドベースの部分1200Cを有する前記感光アセンブリ10が得られる。
【0085】
図6Aに示されるように、対応的に、前記感光アセンブリ10は、前記回路基板11、前記感光素子13及び前記モールドベース12を含む。前記回路基板11は、結合されている前記剛性領域111と前記可撓性領域112とを含む。前記モールドベース12は、前記回路基板11及び前記感光素子13に一体成形され、かつ前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122が形成されている。前記回路基板11及び前記感光素子13は、一連の接続ワイヤ15を介して接続される。前記可撓性領域112に近接した前記モールドベース12の第1端側に対応する前記モールドベースの部分12Aは、第1側面1201を有し、前記第1側面1201は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面に接続された第2部分表面1204とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側に対応する前記モールドベースの部分12Bは、第2側面1202を有し、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面に接続された第4部分表面1206とを含み、且つ前記カメラモジュールの光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4表面部分1206の第4角度よりも大きい。
【0086】
図6Bに示されるように、対応的に、前記感光アセンブリ10のサイズをさらに減少させるために、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側における前記感光アセンブリ10の少なくとも一部は、好ましくは、例えば刃物による切断又は研磨により除去される。ここで、当業者が理解できるように、その側面の配置は、
図6Aに示される場合と同じであり、ここで詳しく説明しない。
【0087】
モールド材料14が導流溝においてスムーズに流動すると、モールドプロセスでは、前記モールド材料14は、前記回路基板ジョイントパネル1100に前記一体化モールドベース1200を形成することができ、且つ前記一体化モールドベース1200には、それぞれの前記感光素子13に対応する位置に周囲が密閉された前記光窓122を形成することができ、これにより、形成された一体化された前記感光アセンブリジョイントパネル1200が切断された後、それぞれの回路基板11及び対応する前記感光素子13には、前記光窓122を有するモールドベース12が形成され、それにより、前記モールドベースの局所に
図1Cと類似した開口が形成されて前記光窓122を前記モールドベース12の外部に連通させることが回避される。
【0088】
つまり、本発明の前記モールド材料14は、2つの前記導流溝2151及び2152の供給端215Aから前へ流れ、且つ前記ベースジョイントパネル成形案内溝215全体の前記導流溝2151、2152及び前記充填溝2153を満たすことができる。前記モールド材料14は、硬化前に2つの前記導流溝2151及び2152に沿ってその供給端215Aから末端215Bに流れる。さらに、前記モールド材料14が高粘度になりながら硬化しないときに、前記モールド材料14は、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215を満たすことで、前記回路基板11と前記感光素子13の間にある前記接続ワイヤ15が前へ流れる高粘度の前記モールド材料14により破損されることを回避する。且つ、2つの前記導流溝2151及び2152を対称的に設計することにより、前記2つの導流溝2151及び2152中の流体は、ほぼ同じ歩幅で前へ流れ、2本の流体は、ほぼ前記充填溝2153で合流し、これにより、一方の導流溝中の前記モールド材料14が他方の導流溝に流れて、当該他方の導流溝中の前記モールド材料14の前への流動を邪魔することが回避される。そして、乱流が生じて、前記回路基板11と前記感光素子13を接続する前記接続ワイヤ15がランダムに移動して変形や破損を発生させることも回避できる。
【0089】
これに対応して、本発明の前記モールド材料14として、高粘度範囲の材料が使用可能であり、それにより、低粘度範囲の材料が使用される場合、モールドプロセスでは、前記モールド材料14が前記感光素子13の前記感光領域131に入り込みバリを成形し易いことを回避する。
【0090】
また、
図7Bに示されるように、離型及び前記回路基板11の前記剛性領域111への圧着の利便性から、前記第1金型211は、複数の圧着ブロック216をさらに含み、前記モールドベース12の前記外縁1201と前記回路基板11の前記剛性領域111の外縁により圧着縁1111が形成され、即ち、モールドプロセスでは、前記圧着ブロック216は前記回路基板11の前記剛性領域111上の領域に簡便に圧着できる。前記圧着ブロック216は、さらに各列の前記回路基板11の前記可撓性領域112の上方に圧着されることで、モールド材料14の前記可撓性領域112への流動を防止する。また、各列の前記回路基板11の前記剛性領域111が一体成形され、全体としての剛性領域ジョイントパネル110が形成され、それにより、前記第1金型は各列の前記回路基板11に簡便に圧着できる。
図7Aに示されるように、前記可撓性領域112に近接した側には、前記第1導流溝2151の底端の幅Wは0.2mm~1mmであり、この場合、小サイズの前記感光アセンブリ10の製造に適している。これに対応して、製造された前記感光アセンブリ10は、前記可撓性領域112に近接した一側の前記モールドベースの部分12Aでは、内縁と外縁との間の間隔Wが0.2mm~1mmである。
【0091】
これに対応して、本発明は、前記カメラモジュール100の前記感光アセンブリ12の製造方法を提供し、該製造方法は、
前記回路基板ジョイントパネル1100を前記成形金型210の前記第2金型212に固定し、ここで、前記回路基板ジョイントパネル1100は、1列又は複数列の回路基板を含み、各列の回路基板は並べて配列された1つ又は複数の回路基板11を含み、各々の前記回路基板11は結合されている剛性領域111と可撓性領域112とを含み、且つ各々の前記回路基板111には前記感光素子13が作動可能に接続されているステップと、
前記金型固定装置213によって前記第2金型212と前記第1金型211を締めて、前記光窓成形部214に対応する位置へ前記モールド材料14が充填されないように、溶融した前記モールド材料14を前記成形金型210内の前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に充填するステップと、
前記ベースジョイントパネル成形案内溝215内の前記モールド材料14を硬化して、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に対応する位置に前記一体化モールドベース1200を形成し、ここで、前記一体化モールドベース1200は、対応する各列の前記回路基板11及び各列の前記感光素子13に一体成形されて、感光アセンブリジョイントパネル1000を形成し、前記光窓成形部214に対応する位置に各々の前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122が形成されており、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は、前記可撓性領域112に近接した前記一体化モールドベース1200の第1端側に対応する第1導流溝2151と、前記可撓性領域112から離れた前記一体化モールドベース1200に対応する第2導流溝2152と、前記第1導流溝2151と前記第2導流溝2152との間に延びており各列の前記感光素子13のうち隣接する2つの前記感光素子13の間に前記モールド材料14を充填するための、隣接する2つの前記光窓成形部214の間にある充填溝2153とを有し、前記第1導流溝2151は、前記光窓に向かう第1側面1201を有し、前記第2導流溝2152は、前記光窓に向かう第2側面1202を有し、前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きく、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152の断面形状によって、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152が前記一体化モールドベース1200を形成するモールドプロセスでは、前記モールド材料14は、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215を満たし、且つ前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152の供給端215Aからそれぞれ前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152の末端215Bに到達できるようになるステップと、
前記感光アセンブリジョイントパネル1000を切断して複数の前記感光アセンブリ10を得て、ここで、それぞれの前記感光アセンブリ10は、前記回路基板11、前記感光素子13及び前記モールドベース12を含み、前記モールドベース12は、前記回路基板11及び前記感光素子13に一体成形され、前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122が形成されているステップと、を含む。
【0092】
さらに、前記方法は、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側に対応する前記感光アセンブリの部分、即ち、モールドベースの部分12Bの一部と前記回路基板11の一部を切断して、前記モールドベース12Bが前記可撓性領域112から離れた反対の第2端側に切断面125を有するようにするステップをさらに含む。
【0093】
図5A~
図6Bに示されるように、前記回路基板11は、前記剛性領域111に形成される、例えばSMTプロセスで貼設される複数の電子デバイス113を含み、前記電子デバイス113は、抵抗、コンデンサ、ドライブデバイスなどを含むが、これらに制限されない。本発明の本実施例では、前記モールドベース12は、前記電子デバイス113に一体的に被覆されており、従来のカメラモジュールの粉塵、異物が前記電子デバイス113へ粘着して、さらに前記感光素子13を汚染して、結像効果へ影響することを回避する。また、好適には、前記複数の電子デバイス113は、前記可撓性領域112に近接した、及び前記可撓性領域112から離れた前記回路基板11の前記剛性領域111の第1端側11A及び第2端側11Bを除く、前記剛性領域111の前記感光素子11の両側にある少なくとも1つの翼側11Cに設置され、前記モールドベース12は、前記電子デバイス113を一体的に埋め込む。
【0094】
つまり、
図8及び
図9に示されるように、対応する前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152内には、前記電子デバイス113がなく、前記電子デバイス113は、前記充填溝2153に集中して設置されてもよく、この場合、モールドプロセスでは、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152には障害物がなく、さらに前記モールド材料14が前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152に沿って前へ流れることに対する邪魔がなく、それにより、前記モールド材料14は、できるだけ短時間内でその供給端215Aから末端215Bへ流れる。
【0095】
なお、前記接続ワイヤ15は、前記感光素子13の四側に設置されてもよいし、前記回路基板11の前記剛性領域111の両翼側11Cに集中して設置されてもよく、後者の場合、モールドプロセスでも前記充填溝2153に集中しており、これにより、前記モールド材料14が前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152に沿って前へ流れることに影響することがない。
【0096】
図11~
図14は、本発明の前記感光アセンブリ10を用いて製造される前記カメラモジュール100である。前記カメラモジュールは、前記感光アセンブリ10、レンズ20及びフィルタリングアセンブリ30を含む。前記感光アセンブリ10は、前記回路基板11、前記モールドベース12及び前記感光素子13を含む。前記レンズ20は、構造材21と、前記構造材21に収納される1つ又は複数のレンズエレメント22とを含む。前記フィルタリングアセンブリ30は、フィルタリング素子レンズホルダー31とフィルタリング素子32とを含み、前記フィルタリング素子レンズホルダー31は、前記モールドベース12の頂側に装着され、前記レンズ20は、前記フィルタリング素子レンズホルダー31の頂側に直接装着されて、固定焦点カメラモジュールを形成する。本実施例では、前記モールドベース12の頂側は平面であり、前記フィルタリング素子レンズホルダー31は、前記モールドベース12の平面である上面に装着され、前記フィルタリング素子32は、前記レンズ20を透過した光線をフィルタリングする役割を果たし、例えば、赤外線をフィルタリングするフィルタとして実装でき、前記レンズ20と前記感光素子13との間にある。このようにして、前記レンズ30を透過した光線は、前記フィルタリング素子32を透過し、且つ前記光窓122を介して前記感光素子13に至り、光電変換の作用により前記カメラモジュール100が光学画像を提供するようになる。
【0097】
図13Aに示されるように、前記カメラモジュール100の前記感光アセンブリ10では、前記可撓性領域112に近接した前記モールドベース12の第1端側に対応する前記モールドベースの部分12Aは、前記光窓に向かう第1側面1201を有し、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側に対応する前記モールドベースの部分12Bは、前記光窓に向かう第2側面1202を有し、前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きく、これにより、小サイズの前記感光アセンブリ10が得られ、前記カメラモジュール100全体のサイズもさらに減少する。なお、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側はさらに切断される側となってもよく、それによって、
図14に示されるように、前記モールドベース12の切断後の残りの部分は切断面125を有する。また、
図13Bに示されるように、前記電子デバイス113は、前記感光アセンブリ10の2つの翼側のうちの少なくとも一方側に集中して設置されてもよく、例えば2つの翼側に集中してもよい。
【0098】
なお、別の変形実施例では、前記フィルタリング素子レンズホルダー31を省略して、前記フィルタリング素子32を前記モールドベース12に直接装着し、若しくは、前記フィルタリング素子32を前記レンズ20に装着し、若しくは、前記フィルタリング素子32を前記レンズ20の載置部材、例えばドライバ又は固定鏡筒に装着するようにしてもよい。
【0099】
図15に示されるように、前記カメラモジュール100は、載置部材40を含むことができ、この載置部材40は、ドライバ又は固定鏡筒であり、この図には、ボイスコイルモータ、圧電モータなどのドライバである場合が示されており、この場合、可変焦点カメラモジュールが形成され、前記レンズ20は前記ドライバに取り付けられている。前記モールドベース12の頂側には、前記フィルタリング素子レンズホルダー31を取り付けるための凹溝123を有し、前記ドライバは、前記モールドベース12の頂側に直接装着できる。なお、別の変形実施形態では、前記載置部材40は、前記フィルタリング素子レンズホルダー31に取り付けられ、若しくは、一部が前記フィルタリング素子レンズホルダー31に取り付けられ、残りの部分が前記モールドベース12に取り付けられるようにしてもよい。
【0100】
図16に示されるように、本発明の本実施例及び図面では、前記カメラモジュール100は、載置部材40を含むことができ、該載置部材40は、固定鏡筒であり、前記レンズ20は、前記固定鏡筒に取り付けられる。前記モールドベース12の頂側には、前記フィルタリング素子レンズホルダー31を取り付けることのできる凹溝123を有し、前記固定鏡筒は、前記モールドベース12の頂側に取り付けられる。
【0101】
図17A~
図24には、本発明の第2実施例に係る前記カメラモジュール100の前記感光アセンブリ10及びその製造過程が示されている。本実施例では、同様にジョイントパネル作業方式で感光アセンブリジョイントパネル1000を製造し、次に切断して前記感光アセンブリ10を得る。
図2~
図16に示される実施例では、複数列の回路基板は、1列の回路基板の前記剛性領域111が別の1列の回路基板の前記可撓性領域112に近接するように配列されている。本実施例では、隣接する2列の回路基板は、前記剛性領域111が近接し、対応する前記可撓性領域112が離間するように配設される。より好適には、隣接する2列の回路基板の前記剛性領域111が一体成形されることで、隣接する2列の回路基板の間には、全体としての剛性領域が形成される。
【0102】
これに対応して、より具体的には、前記成形金型210は、締めたときに成形キャビティ213を形成し、且つ複数の光窓成形部214と1つ又は複数のベースジョイントパネル成形案内溝215を提供し、各々の前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は、ほぼ平行しており縦方向に配列されている両端の第1導流溝2151と、2つの前記第1導流溝2151の間にある第2導流溝2152と、2つの前記第1導流溝2151と前記第2導流溝2152の間に延びており横方向に配列された複数の充填溝2153とを有し、2列の前記充填溝2153は、それぞれ2つの前記第1導流溝2151と前記第2導流溝2152との間に延びている。
【0103】
例えば本実施例では、前記回路基板ジョイントパネル1100は、4列の前記回路基板11を含み、且つ2列の前記回路基板11を1組とし、各組の前記回路基板11の2列の前記回路基板11の前記剛性領域111は、中央にあり且つ一体成形され、例えば、各列の前記回路基板11は、6個の前記回路基板を有し、その剛性領域111が一体成形される。前記成形金型210は、2つの前記ベースジョイントパネル成形案内溝215を有し、それぞれの前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は、各々の前記第1導流溝2151と前記第2導流溝2152との間に7個の前記充填溝2153を有し、隣接する2つの光窓成形部214の間には前記充填溝2153を有し、各々の前記光窓成形部214は、隣接する2つの前記充填溝2153の間にある。前記モールド材料14は、2つの前記第1導流溝2151及び中央にある前記第2導流溝2152に沿って、その供給端215Aからその末端215Bへ流れ、且つ前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152の光窓に向かう側面に2段式設計が採用され、前記モールド材料14は、各々の前記充填溝2153を満たすことができ、それにより、前記モールド材料14は、硬化すると前記一体化モールドベース1200を形成する。
【0104】
本発明の本実施例では、前記一体化モールドベース1200は、隣接する2列の前記回路基板11及び隣接する2列の前記感光素子13に一体成形され、感光アセンブリジョイントパネル1000を形成し、前記光窓成形部214に対応する位置に各々の前記感光素子13に光路を提供する光窓122が形成されている。
【0105】
図21A~
図24には、本発明の本好ましい実施例に係る前記カメラモジュール100の前記感光アセンブリジョイントパネル1000の製造過程の模式図が示されており、
図21Aに示されるように、前記成形金型210は、型閉じ状態であり、モールド対象となる前記回路基板11及び固体状態の前記モールド材料14が所望の位置に配置されており、固体状態の前記モールド材料14は、加熱されて溶融し、流体状態又は半固体半流体状態となった時に前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に送られ、前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152に沿って前へ流れ、隣接する2つの前記光窓成形部214の間の前記充填溝2153に充填される。
【0106】
図22及び
図23に示されるように、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215の2つの前記第1導流溝2151、前記第2導流溝2152及び前記充填溝2153のすべてに流体状の前記モールド材料14が満たされると、流体状の前記モールド材料14は硬化プロセスにより硬化して、隣接する2列の前記回路基板11及び2列の前記感光素子13に一体成形される前記一体化モールドベース1200を形成する。
【0107】
図24に示されるように、前記モールド材料14が硬化して前記一体化モールドベース1200を形成した後、本発明の離型工程が実行され、即ち、前記金型固定装置230は、前記第1金型211、第2金型212を互いに離間させ、前記光窓成形部214が前記一体化モールドベース1200から離れ、前記一体化モールドベース1200には、各々の前記感光素子13に対応する2列の前記光窓122が形成される。
【0108】
図20Bに示されるように、製造された前記感光アセンブリジョイントパネル1000は、さらに切断されて、前記感光アセンブリ10の単体となることができる。それぞれの前記感光アセンブリ10は、少なくとも1つの前記回路基板11、少なくとも1つの前記感光素子13、及び、前記回路基板11及び前記感光素子13に一体的にモールド成形される前記モールドベース12を含む。
図19A~
図20Bに示されるように、隣接する2列の前記回路基板11の間に一体成形された剛性領域111が分割されており、各々の前記回路基板11は結合されている前記剛性領域111と前記可撓性領域112とを含むようになる。前記モールドベース12は、前記回路基板11の前記剛性領域111及び前記感光素子13の少なくとも一部の非感光エリア132に一体成形され、前記感光素子13の前記感光エリア131に光路を提供する前記光窓122が形成されている。
【0109】
ただし、前記感光アセンブリジョイントパネル1000を切断して製造した各々の前記感光アセンブリ10の単体が可変焦点カメラモジュール、即ちオートフォーカスカメラモジュールの製造に適用される場合、前記成形金型210は、複数のドライバピン溝成形ブロック218をさらに提供し、各々の前記ドライバピン溝成形ブロック218は、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215の前記充填溝2153内に伸び、3つの前記導流溝2151、2152及び2153での前記モールド材料14の流動に影響することがなく、そして、モールド成形過程では、流体状の前記モールド材料14は各々の前記ドライバピン溝成形ブロック218に対応する位置に充填されず、それにより、硬化ステップの後、前記感光アセンブリジョイントパネル1000の前記一体化モールドベース1200には、複数の前記光窓122及び複数のドライバピン溝124が形成され、切断して得た各々の前記感光アセンブリ10の単体の前記モールドベース12に前記ドライバピン溝124が配置されているようになり、よって、前記可変焦点カメラモジュール100を製造する場合、ドライバのピンは、溶接又は導電性接着剤による貼設などの方式で前記感光アセンブリ10の前記回路基板11に接続される。
【0110】
ただし、本発明の前記感光アセンブリジョイントパネル1000の製造方法は、小サイズの前記感光アセンブリ10の製造に適用できる。モールドプロセスでは、各々の前記第1導流溝2151は、前記光窓に向かう第1側面1201を有し、前記第2導流溝2152は、前記光窓に向かう第2側面1202を有し、前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きい。それによって、流体状の前記モールド材料14は、外側にある2つの前記第1導流溝2151及び中央にある前記第2導流溝2152に沿って前へ流れ、且つ硬化前に前記ベースジョイントパネル成形案内溝215全体を満たすことができる。
【0111】
これに対応して、本発明のモールドプロセスにより得られた前記感光アセンブリジョイントパネル1000は、1列又は複数列の前記回路基板11、1列又は複数列の前記感光素子13、及び1つ又は複数の前記一体化モールドベース1200を含む。各列の前記回路基板11は、並べて配列された1つ又は複数の前記回路基板11を含み、各々の前記回路基板11は、結合されている前記剛性領域111と前記可撓性領域112とを含む。各々の前記一体化モールドベース1200は、2列の隣接する前記回路基板11及び2列の隣接する前記感光素子13に一体に形成され、各々の前記感光素子13に光路を提供する光窓122が形成されており、且つ前記2列の隣接する前記回路基板11は、可撓性領域112が互いに離間し剛性領域11が互いに近接するように配設され、各々の前記一体化モールドベース1200が前記可撓性領域112に近接した2つの端側を有するようにし、前記可撓性領域112に近接した前記一体化モールドベース1200の各々の端側に対応する前記一体化モールドベースの部分1200Aは、前記光窓に向かう第1側面1201を有し、前記2列の隣接する前記感光素子13の間に延びている前記一体化モールドベース1200の部分1200Bは、前記光窓に向かう第2側面1202を有し、前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きい。前記一体化モールドベース1200の各々の前記端側は、前記回路基板11の前記剛性領域111と前記可撓性領域112との結合側、即ち、前記可撓性領域112に近接した近端側に対応し、前記回路基板11の前記可撓性領域112から離れた前記一体化モールドベース1200の遠端側は2列の隣接する前記感光素子13の間に延びている。
【0112】
前記感光アセンブリジョイントパネル1000が切断されると、前記感光アセンブリ10の単体が得られ、切断ステップでは、前記端側を除く前記一体化モールドベース1200の部分1200Aのほかの側で切断して、前記モールドベース12を得ることができ、ただし、隣接する2列の前記感光素子13の間に対応する前記モールドベースの部分1200Bも切断される。
【0113】
これに対応して、
図20Bに示されるように、切断により得られた前記感光アセンブリ10は、前記回路基板11、前記感光素子13及び前記モールドベース12を含む。前記回路基板11は、結合されている前記剛性領域111と前記可撓性領域112とを含む。前記モールドベース12は、前記回路基板11及び前記感光素子13に一体成形され、前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122が形成されている。前記回路基板11及び前記感光素子13は、一連の接続ワイヤ15を介して接続される。前記感光アセンブリジョイントパネル1000が切断されると、上記実施例と同様に、各々の前記感光アセンブリ10は未切断の第1端側と切断により得られた第2端側とを有するようにする。前記可撓性領域112に近接した前記モールドベース12の第1端側に対応する前記モールドベースの部分12Aは、前記光窓に向かう第1側面1201を有し、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側に対応する前記モールドベースの部分12Bは、前記光窓に向かう第2側面1202を有し、前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きい。このように設置される断面の形状は、モールドプロセスでは、前記モールド材料14が前記ベースジョイントパネル成形案内溝215を満たせるようにし、感光アセンブリの不良品の発生を回避する。
【0114】
つまり、本発明の本実施例では、前記モールド材料14は、3つの前記導流溝2151及び2152の供給端215Aから前へ流れ、且つ前記ベースジョイントパネル成形案内溝215の前記導流溝2151、2152及び前記充填溝2153をすべて満たすことができる。前記モールド材料14は、硬化前に3つの前記導流溝2151及び2152に沿ってその供給端215Aから末端215Bに流れる。さらに、前記モールド材料14が高粘度になりながら硬化しないときに、前記モールド材料14は、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215を満たすことで、止前記回路基板11と前記感光素子13の間にある前記接続ワイヤ15が前へ流れる高粘度の前記モールド材料14により破損されることを回避する。且つ、3つの前記導流溝2151及び2152中の流体は、ほぼ同じ歩幅で前へ流れ、これにより、一方の導流溝中の前記モールド材料14が他方の導流溝に流れて、この他方の導流溝中の前記モールド材料14の前への流動を邪魔することが回避される。そして、乱流が生じて、前記回路基板11と前記感光素子13を接続する前記接続ワイヤ15がランダムに移動して変形や破損を発生させることも回避できる。
【0115】
図21Bに示されるように、離型及び前記回路基板11の前記剛性領域111への圧着の利便性から、前記第1金型211は、複数の圧着ブロック216をさらに含み、前記モールドベース12の前記外縁1201と前記回路基板11の前記剛性領域111の外縁により圧着縁1111が形成され、即ち、モールドプロセスでは、2つの前記圧着ブロック216はそれぞれ2列の前記回路基板11の前記剛性領域111における領域に圧着できる。2つの前記圧着ブロック216は、隣接する2列の前記回路基板11の各組の前記可撓性領域112の上方に圧着されることで、モールド材料14の前記可撓性領域112への流動を防止する。また、隣接する2列の前記回路基板11の前記剛性領域111が一体成形され、全体としての剛性領域ジョイントパネル110が形成され、2つの前記圧着ブロック216はそれぞれ全体としての剛性領域ジョイントパネル110の2つの端側に圧着され、それにより、前記第1金型211は隣接する2列の前記回路基板11に簡便に圧着できる。また、前記第1導流溝2151の底端の幅Wは0.2mm~1mmであり、この場合、小サイズの前記感光アセンブリの製造に適している。これに対応して、製造された前記感光アセンブリ10は、前記可撓性領域112に近接した一側の前記モールドベースの部分12Aでは、内縁と外縁との間の間隔Wが0.2mm~1mmである。
【0116】
これに対応して、本発明の本実施例は、前記カメラモジュール100の前記感光アセンブリ12の製造方法を提供し、該製造方法は、
前記回路基板ジョイントパネル1100を前記成形金型210の前記第2金型212に固定し、ここで、前記回路基板ジョイントパネル1100は、1列又は複数列の回路基板を含み、各列の回路基板は並べて配列された1つ又は複数の回路基板11を含み、各々の前記回路基板11は結合されている剛性領域111と可撓性領域112とを含み、且つ各々の前記回路基板111には前記感光素子13が作動可能に接続されているステップと、
前記金型固定装置213によって前記第2金型212と前記第1金型211を締めて、前記光窓成形部214に対応する位置へ前記モールド材料14が充填されないように、溶融した前記モールド材料14を前記成形金型210内の前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に充填するステップと、
前記ベースジョイントパネル成形案内溝215内の前記モールド材料14を硬化して、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に対応する位置に前記一体化モールドベース1200を形成し、ここで、前記一体化モールドベース1200は、隣接する2列の前記回路基板11と隣接する2列の前記感光素子13に一体成形されて、感光アセンブリジョイントパネル1000を形成し、前記光窓成形部214に対応する位置に各々の前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122を形成し、前記2列の隣接する前記回路基板12は、可撓性領域112が互いに離間し剛性領域11が互いに近接するように配設され、前記ベースジョイントパネル成形案内溝215は、前記可撓性領域112に近接した前記一体化モールドベース1200の2つの端側に対応する2つの第1導流溝2151と、前記2列の隣接する前記感光素子13の間の領域に対応する第2導流溝2152と、2つの前記第1導流溝2151と前記第2導流溝2152の間に延びており各列の前記感光素子13の隣接する2つの前記感光素子13の間に前記モールド材料14を充填するための、隣接する2つの前記光窓成形部214の間にある充填溝2153とを有し、前記第1導流溝2151は、前記光窓に向かう第1側面1201を有し、前記第2導流溝2152は、前記光窓に向かう第2側面1202を有し、前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きいステップと、
前記感光アセンブリジョイントパネル1000を切断して複数の前記感光アセンブリ10を得て、ここで、それぞれの前記感光アセンブリ10は、前記回路基板11、前記感光素子13及び前記モールドベース12を含み、前記モールドベース12は、前記回路基板11及び前記感光素子13に一体成形され、前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122が形成されているステップと、を含む。
【0117】
さらに、前記方法は、前記隣接する2列の前記感光素子13の間にある前記感光アセンブリ10の部分を切断して、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の他端側に対応する前記モールドベースの部分12Bを得るステップをさらに含む。即ち、前記隣接する2列の前記感光素子13の間の前記感光アセンブリ10の前記モールドベース12と前記回路基板11の前記剛性領域111を切断して、前記可撓性領域112から離れた隣接する2列の前記感光アセンブリ10の遠端側はそれぞれ切断側となり、且つそれぞれ切断面125が形成されているようにする。
【0118】
前記回路基板11は、前記剛性領域111に形成される、例えばSMTプロセスで貼設される複数の電子デバイス113を含み、対応する2つの前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152内には、前記電子デバイス113がなく、前記電子デバイス113は、前記充填溝2153に集中して設置されてもよく、この場合、モールドプロセスでは、2つの前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152には障害物がなく、さらに前記モールド材料14が2つの前記第1導流溝2151及び前記第2導流溝2152に沿って前へ流れることに対する影響がなく、それにより、前記モールド材料14は、できるだけ短時間内でその供給端215Aからその末端215Bへ流れる。
【0119】
前記感光アセンブリ10の単体を製造するステップでは、前記感光アセンブリジョイントパネル1000を切断して、独立した前記感光アセンブリ10を複数得て、カメラモジュールの単体製造に供することができる。また、一体的に接続された2つ又は複数の前記感光アセンブリ10を前記感光アセンブリジョイントパネル1000から切断して分離し、分割式アレイカメラモジュールの製造に供することもでき、即ち、前記アレイカメラモジュールの各々の前記カメラモジュールは、独立した前記感光アセンブリ10を有し、そのうち、2つ又は複数の前記感光アセンブリ10はそれぞれ同一電子機器の制御マザーボードに接続することができ、このようにすれば、2つ又は複数の前記感光アセンブリ10を用いて製造されるアレイカメラモジュールは、複数のカメラモジュールにより撮像された画像を前記制御マザーボードに伝送して画像情報処理を行うことができる。
【0120】
図25Aに示されるように、本発明に係る第1実施例の別の変形実施形態の感光アセンブリジョイントパネル1000は、本発明のモールドプロセスにより得られた前記感光アセンブリジョイントパネル1000を含み、前記感光アセンブリジョイントパネル1000は、1列又は複数列の前記回路基板11、1列又は複数列の前記感光素子13、1列又は複数列の保護枠16、及び1つ又は複数の前記一体化モールドベース1200を含む。各列の前記回路基板11は、並べて配列された1つ又は複数の前記回路基板11を含み、各々の前記回路基板11は、結合されている前記剛性領域111と前記可撓性領域112とを含む。各々の前記保護枠16は、前記感光素子13に形成され、且つ前記感光素子13の前記非感光エリア132に位置し、即ち、前記感光エリア131の外側に位置し、各々の前記一体化モールドベース1200は、1列の前記回路基板11、1列の前記感光素子13及び1列の前記保護枠16に一体的に形成され、各々の前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122が形成されている。
【0121】
つまり、前記一体化モールドベース1200をモールド形成する前に、各々の前記感光素子13には、前記保護枠16を予め形成しておいてもよく、前記保護枠16は、前記モールド材料14と異なる別の材料で形成されることができ、例えば前記感光素子13の前記非感光エリア132に塗布される接着剤であってもよく、接着剤で前記感光素子13の前記非感光エリア132に貼設された硬質枠であってもよい。よって、前記一体化モールドベース1200のモールド形成プロセスでは、前記光窓成形部214は、所定硬度の前記保護枠16に圧着され、流体状の前記モールド材料14が前記ベースジョイントパネル成形案内溝215に入り込んだとき、流体状のモールド材料14が前記感光素子13の前記感光エリア131内に流れてモールドバリを引き起こすことを回避できる。例えば一具体例では、前記保護枠16は、接着剤からなるものであり、所定の弾性及び硬度を有し、また、製造されたカメラモジュールの前記感光アセンブリ10内の粉塵粒子を粘着するように、硬化後にも粘性を有するようになされていてもよい。より具体的には、いくつかの実施例では、前記保護枠16は、ショア硬度の範囲がA50-A80、弾性率の範囲が0.1Gpa-1Gpaである。
【0122】
同様に、前記可撓性領域112に近接した前記一体化モールドベース1200の第1端側に対応する前記一体化モールドベースの部分1200Aは、前記光窓に向かう第1側面1201を有し、前記可撓性領域112から離れた前記一体化モールドベース1200の反対の第2端側に対応する前記一体化モールドベースの部分1200Bは、前記光窓に向かう第2側面1202を有する。前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きい。前記一体化モールドベース1200の前記第1端側は、前記回路基板11の前記剛性領域111と前記可撓性領域112との結合側、即ち、前記可撓性領域112に近接した近端側に対応し、前記一体化モールドベース1200の前記第2端側は、前記可撓性領域112から離れた前記回路基板11の遠端側に対応する。
【0123】
前記感光アセンブリジョイントパネル1000が切断されると、前記感光アセンブリ10の単体が得られ、
図25Cに示されるように、切断ステップでは、前記第1端側及び前記第2端側を除く前記一体化モールドベース1200の2つの翼側で切断して、前記モールドベース12を得て、対応する前記第2端側の前記モールドベースの部分1200Bを切断しないようにしてもよく、このようにすれば、一対の反対の翼側に前記一体化モールドベースの部分1200Cを有する前記感光アセンブリ10が得られる。
【0124】
これに対応して、前記感光アセンブリ10は、前記回路基板11、前記感光素子13、前記保護枠16及び前記モールドベース12を含む。前記回路基板11は、結合されている前記剛性領域111と前記可撓性領域112とを含む。前記モールドベース12は、前記回路基板11、前記感光素子13及び前記保護枠16に一体成形され、前記感光素子13に光路を提供する前記光窓122が形成されている。前記回路基板11及び前記感光素子13は、一連の接続ワイヤ15を介して接続される。前記保護枠16は、前記接続ワイヤ15の内側に位置してもよく、前記接続ワイヤ15の少なくとも一部を覆ってもよい。前記可撓性領域112に近接した前記モールドベース12の前記第1端側に対応する前記モールドベースの部分12Aは、第1側面1201を有し、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側に対応する前記モールドベースの部分12Bは、第2側面1202を有する。前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きい。
【0125】
図25Cに示されるように、これに対応して、前記感光アセンブリ10のサイズをさらに減少させるために、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側における前記感光アセンブリ10の少なくとも一部は、好ましくは、除去されて切断面125となる。
【0126】
図25Bに示されるように、本発明の上記第2実施例の変形実施形態におけるモールドプロセスにより得られた前記感光アセンブリジョイントパネル1000は、1列又は複数列の前記回路基板11、1列又は複数列の前記感光素子13、1列又は複数列の保護枠16、及び1つ又は複数の前記一体化モールドベース1200を含み、各々の前記保護枠16は、対応する前記感光素子13に形成される。各列の前記回路基板11は、並べて配列された1つ又は複数の前記回路基板11を含み、各々の前記回路基板11は、結合されている前記剛性領域111と前記可撓性領域112とを含む。各々の前記一体化モールドベース1200は、2列の隣接する前記回路基板11、2列の隣接する前記感光素子13、2列の隣接する前記保護枠16に一体的に形成され、各々の前記感光素子13に光路を提供する光窓122が形成されており、且つ前記2列の隣接する前記回路基板11は、可撓性領域112が互いに離間し剛性領域11が互いに近接するように配設され、各々の前記一体化モールドベース1200が前記可撓性領域112に近接した2つの端側を有するようにし、前記可撓性領域112に近接した前記一体化モールドベース1200の各々の端側に対応する前記一体化モールドベースの部分1200Aは、第1側面1201を有し、前記一体化モールドベース1200は、前記2列の隣接する前記感光素子13の間に延びており、且つ第2側面1202を有する。前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は、前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きい。前記一体化モールドベース1200の各々の前記端側は、前記回路基板11の前記剛性領域111と前記可撓性領域112との結合側、即ち、前記可撓性領域112に近接した近端側に対応し、前記一体化モールドベース1200の対応する前記回路基板11の前記可撓性領域112から離れた遠端側は2列の隣接する前記感光素子13の間に延びている。
【0127】
前記感光アセンブリジョイントパネル1000が切断されると、前記感光アセンブリ10の単体が得られ、切断ステップでは、前記端側を除く前記一体化モールドベース1200の部分1200Aのほかの側で切断して、前記モールドベース12を得ることができ、ただし、隣接する2列の前記感光素子13の間に対応する前記モールドベースの部分1200Bも切断され、このようにすれば、一対の反対の翼側に前記一体化モールドベースの部分1200Cを有する前記感光アセンブリ10が得られる。前記可撓性領域112に近接した前記モールドベース12の第1端側に対応する前記モールドベースの部分12Aは、第1側面1201を有し、前記可撓性領域112から離れた前記モールドベース12の反対の第2端側に対応する前記モールドベースの部分12Bは、第2側面1202を有する。
図25Cに示されるように、前記第1側面は、前記感光素子13に近接して設置される第1部分表面1203と第1部分表面1203に接続された第2部分表面1204とを含み、前記第2側面1202は前記感光素子13に近接して設置される第3部分表面1205と第3部分表面1205に接続された第4部分表面1206とを含み、カメラモジュールの光軸に対する前記第1部分表面1203の第1角度が、前記光軸に対する前記第2部分表面1204の第2角度よりも大きく、且つ前記光軸に対する前記第3部分表面1205の第3角度が、前記光軸に対する前記第4部分表面1206の第4角度よりも大きい。
【0128】
図26A~
図27に示されるように、前記ジョイントパネル作業のモールドプロセスは、2つ又は複数の前記光窓122を有する感光アセンブリ10の製造にも適用でき、このような前記感光アセンブリ10は、基板を共有するアレイカメラモジュールの製造に適用できる。つまり、デュアルカメラモジュールを製造する前記感光アセンブリ10を例にすれば、前記回路基板ジョイントパネル1100の各々の回路基板11に関して、モールド成形プロセスでは、1つの前記回路基板111には、2つの前記光窓成形部214が対応して設置されており、この場合、モールドプロセス及び切断が終了した後、各々の前記回路基板11には、1つの前記回路基板11を共用し2つの前記光窓122を有するモールドベース12が形成され、このモールドベース12は、2つの前記感光素子13と2つの前記レンズ30を対応して取り付ける。さらに、前記回路基板11は電子機器の制御マザーボードに接続することができ、このようにすれば、本実施例で製造されたアレイカメラモジュールは、複数のカメラモジュールにより撮像された画像を前記制御マザーボードに伝送して画像情報処理を行うことができる。
【0129】
図28~
図31Cには、本発明の第3の好ましい実施例に係るカメラモジュール100及びその感光アセンブリ410が示されている。前記カメラモジュール400は、さまざまな電子機器300に適用でき、
図44に示されるように、前記電子機器300は、機器本体301と、前記機器本体301に取り付けられた1つ又は複数の前記カメラモジュールとを含み、前記電子機器300の例には、スマートフォン、ウェアラブル機器、コンピュータ機器、テレビ、交通工具、カメラ、監視装置などを含むが、これらに制限されず、前記カメラモジュールは、前記電子機器と組み合わせて目的対象の画像を収集・再現する。
【0130】
より具体的には、図面に示される前記カメラモジュール400は、前記感光アセンブリ410及びレンズ430を含む。前記感光アセンブリ410は、回路基板411、モールドベース412、感光素子413及びフィルタリング素子414を含み、前記モールドベース412はベース本体4121を含み、前記回路基板411及び前記感光素子413に一体成形され、光窓4122が形成されており、前記光窓4122は、密閉空間であり、かつ前記感光素子413に光路を提供する。本発明の前記モールドベース412は、モールドプロセス、例えばトランスファーモールドプロセスにより、前記回路基板411及び前記感光素子413に一体にモールド成形され、それによって、前記モールドベース412は、従来のカメラモジュールのレンズホルダー又はホルダーの代わりとして機能することができ、且つ従来のパッケージプロセスのようにレンズホルダー又はホルダーを接着剤で前記回路基板411に貼り付ける必要がない。前記フィルタリング素子414、例えば赤外線フィルタリング素子は、前記モールドベース412の頂側に装着され、前記レンズ430を透過した赤外光線をフィルタリングするために、前記感光素子413と前記レンズ430との間にある。
【0131】
前記回路基板411は、剛性基板、可撓性基板、リジッドフレキシブル基板、セラミックス基板などであってもよい。本実施例では、前記回路基板411は、リジッドフレキシブル基板であり、基板4111と、前記基板4111に形成される、例えばSMTプロセスで貼設される複数の電子デバイス4112とを含み、前記電子デバイス4112は、抵抗、コンデンサ、ドライブデバイスなどを含むが、これらに制限されない。本発明の本実施例では、前記モールドベース412は、一体的に前記電子デバイス4112に被覆されており、従来のカメラモジュールの粉塵、異物が前記電子デバイス4112へ粘着して、さらに前記感光素子413を汚染して、結像効果へ影響することを回避する。なお、前記回路基板411には前記電子デバイス4112がない場合もあり、前記電子デバイス4112は、前記基板4111の上面に貼設されてもよく、前記基板4111の底面に貼設されてもよく、前記基板4111に埋め込まれてもよい。前記基板4111の上面に設置された場合、前記電子デバイス4112は、前記感光素子413の周囲に設置され、且つ前記感光素子413の複数の側面に位置するようにしてもよく、例えば前記電子デバイス4112は、前記感光素子413の2対の対向側に設置されてもよいし、前記電子デバイス4112の1対の対向側に設置されてもよい。
【0132】
前記回路基板411及び前記感光素子413は、作動可能に接続されており、図示するように、前記回路基板411及び前記感光素子413の表面のそれぞれには、電気接続素子、例えばパッドがあり、且つ両者は、1組又は複数組の接続ワイヤ415を介して接続され、前記モールドベース412は前記接続ワイヤ415を一体として埋め込む。
【0133】
本発明の本好ましい実施例では、前記カメラモジュール400は、前記感光アセンブリ410、前記レンズ430及びレンズ載置素子440を含む。前記レンズ430は、前記レンズ載置素子440に装着されて、レンズアセンブリを形成する。前記レンズ載置素子440は、ドライバ又は固定鏡筒であり得る。本実施例では、前記レンズ載置素子は、ドライバであり、前記ドライバは、ボイスコイルモータ、圧電モータ、熱力学ドライバ、MEMSドライバなどとして実装され、オートフォーカス機能を実現することができ、それによって、オートフォーカスカメラモジュールが形成される。なお、別の実施例では、前記レンズ430は、前記感光アセンブリ410の前記モールドベース412に直接装着できる。
【0134】
前記フィルタリング素子414は、フィルタリング素子本体4141及び遮光層4142を含み、前記遮光層4142は、前記フィルタリング素子本体4141の底側であって前記フィルタリング素子本体4141と前記モールドベース412との間に位置し、前記遮光層4142は、吸光材料であり、前記フィルタリング素子本体4141において中央有効光透過領域41411と周囲領域41412を形成し、それにより、前記レンズ430を透過した光線が前記モールドベース412の内部に到達するには前記有効光透過領域41411を透過しなければならず、前記フィルタリング素子本体141の材料には、IRフィルム(赤外線カットフィルム)、ARフィルム(反射防止コーティング)、白いガラス、青いガラス、樹脂材料、塗布複合材料、水晶などが含まれる。前記遮光層4142は、環状構造であり、中央に窓が形成されており、つまり、前記遮光層4142は、光線が前記光窓4122に入り込み、前記感光素子413の光路41420に至るようにするとともに、前記感光素子413までの迷光を減少させるように構成されている。
【0135】
前記感光素子413は、中央にある感光エリア4131と、前記感光エリア4131の周囲に位置する非感光エリア4132とを有し、前記遮光層4142は、内縁41421と外縁41422を有する。前記遮光層4142の前記内縁41421と光軸Xとの間の間隔が、前記感光エリア4131の外縁41311と光軸Xとの間の間隔以上であるか、又はこの間隔よりも僅かに小さい。
【0136】
前記遮光層4142の外縁41422は、前記モールドベース412の上面4124の内縁41241の外側に位置し、即ち、前記モールドベース412の前記上面4124の前記内縁41241と前記遮光層4142の前記外縁41422との間に光透過エリアを形成することがない。
【0137】
本発明の本実施例では、前記モールドベース412の前記ベース本体4121の内面は、円周方向に多段内面例えば4段内面を有し、各段の内面は、異なる方向に延びている複数の部分を有し、例えば前記モールドベース412の前記ベース本体4121は、
図29Aに示されるように、前記光窓4122の周囲に位置する感光素子結合部41211、頂側延び部41212、及び前記感光素子413の周囲に位置し前記感光素子413の外周面と前記回路基板411の上面に一体的に結合される回路基板結合部41213という3つの部分を有し、この3つの部分は、一体的に延びて一体化構造を形成する。前記感光素子結合部41211及び前記感光素子結合部41211は、前記感光素子413から一体的に延びている内面を有し、前記感光素子413から一体的に延びている環状内面のうち少なくとも1段の内面は、前記モールドベース412の第1部分内面41231として画定され、前記頂側延び部41212は、前記感光素子結合部41211から一体的に延びている内面を有し、前記モールドベース412の第2部分内面41232となり、前記第2部分内面41232は、前記第1部分内面41231に一体的に延びている。なお、各々の前記第1部分内面41231及び前記第2部分内面41232は、前記ベース本体4121の環状内面のある段の内面であり、若しくは、多段内面はすべて、同じ構造の前記第1部分内面41231及び前記第2部分内面41232を有し、若しくは、すべての内面は、前記第1部分内面41231及び前記第2部分内面41232を有する。
【0138】
前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212の各々の内面41231、41232は、それぞれ異なる傾きで延びており、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、前記感光素子結合部41211の前記第1部分内面41231に対して、より大きな傾きで上へ延びており、若しくは、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、ほぼ傾き無しで上へ延びており、即ち、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、前記感光素子413の上面にほぼ垂直となるように延びており、前記頂側延び部41212は、垂直延び部となり、それにより、前記頂側延び部41212の上面の面積が比較的大きくなり、つまり、前記頂側延び部41212の上面は、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を決定し、前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212のこのような延在構造により、前記モールドベース412の前記上面4124の面積が増え、さらに前記感光アセンブリ410の上方におけるレンズ又はレンズアセンブリにより大きな取り付け面積を提供し、上方のレンズ又はレンズアセンブリをより安定的に取り付け、且つ前記フィルタリング素子414の面積を減少させることができる。
【0139】
つまり、モールドプロセスの離型の利便性及び迷光防止のために、前記感光素子結合部41211は、その内面により画定された前記第1部分内面41231が小さな傾きで傾斜して前記感光素子413から上へ延びるように構成されており、前記頂側延び部41212の内面により画定された前記第2部分内面41232が前記第1部分内面41231から曲がって一体的に延び、そして大きな傾き又は傾き無しで上へ延びており、即ち、前記モールドベース412の前記第2部分内面41232と前記第1部分内面41231の間に夾角をなし、それにより、固定傾きで傾斜して上へ延びる場合に比べて、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を効果的に増大できる。
【0140】
図29Bに示されるように、前記感光素子結合部41211の内面により画定された前記第1部分内面41231と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角はαであり、前記頂側延び部41212の内面により画定された前記第2部分内面41232と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角はβであり、ただし、αの数値の範囲が3°~80°であり、βの数値の範囲が0°~10°であり、且つα>βである。例えば、具体的な実施例では、αの数値が3°であり、βの数値が0°であり、具体的な実施例では、αの数値が30°であり、βの数値が0°であり、具体的な実施例では、αの数値が60°であり、βの数値が0°であり、具体的な実施例では、αの数値が45°であり、βの数値が5°であり、具体的な実施例では、αの数値が80°であり、βの数値が10°である。
【0141】
つまり、前記頂側延び部41212の内面により画定された前記第2部分内面41232と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角βは、前記感光素子結合部41211の内面により画定された前記第1部分内面41231と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角αよりも小さく、それによって、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、より大きな傾きで、又は前記感光素子413に垂直な方向に沿って上へ延び、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を増やす。
【0142】
図29Bに示されるように、本発明の本好ましい実施例では、好適には、前記感光素子結合部41211の厚さH1の数値の範囲が0.05mm~0.7mmであり、前記頂側延び部41212の厚さH2の数値の範囲が0.02mm~0.6mmである。例えば、具体的な実施例では、前記感光素子結合部41211の厚さH1の数値の範囲が0.08mmであり、前記頂側延び部41212の厚さH2の数値の範囲が0.5mmであり、具体的な実施例では、前記感光素子結合部41211の厚さH1の数値の範囲が0.4mmであり、前記頂側延び部41212の厚さH2の数値の範囲が0.3mmであり、具体的な実施例では、前記感光素子結合部41211の厚さH1の数値の範囲が0.5mmであり、前記頂側延び部41212の厚さH2の数値の範囲が0.1mmである。
【0143】
なお、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、前記第1部分内面41231から曲がって光軸Xとの角度がより小さくなるような方向に延びており、それによって、モールドプロセスでは、前記感光素子413に圧着されるプレスヘッドが前記回路基板411と前記感光素子413との間の前記接続ワイヤ415を避け、前記接続ワイヤ415が押されて壊れることを回避する。つまり、いくつかの場合では、形成しようとする前記モールドベース412が小さな固定傾きで延びている場合、例えば内面と光軸Xとの間の夾角が45°~80°である場合、モールドプロセスでは、前記感光素子413に圧着されるプレスヘッドが、前記接続ワイヤ415に触れて前記接続ワイヤ415の破損を引き起こすことがある。
【0144】
図30に示されるように、前記感光素子結合部41211の内面により画定された前記第1部分内面41231と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角αを比較的に大きくしてもよく、このようにすれば、前記第1部分内面41231に入射される光線L12が直接に前記感光素子413に反射されて迷光となることがない。つまり、前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212は組み合わせており、前記感光素子結合部41211の構造は、離型を実施しやすくするとともに迷光を減少させ、前記頂側延び部41212は、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を増やし、前記頂側延び部41212のこのような構造によれば、モールドプロセスでは、前記接続ワイヤ415がプレスヘッドにより押されて壊れることを回避できる。
【0145】
つまり、好適には、
図29Bに示されるように、前記第1部分内面41231と前記第2部分内面41232が接続された位置41230は、前記感光素子413の外縁41321の内側に位置し、即ち、前記第1部分内面41231と前記第2部分内面41232が接続された位置41230と光軸Xとの間の間隔D1が、前記感光素子413の前記非感光エリア4132の外縁41321と光軸Xとの間の間隔D2より小さく、それにより、前記感光素子結合部41211と前記感光素子413の間の部分のサイズが小さくなり、モールドプロセスでは、前記モールド材料416での「バリ」発生の可能性を低減させる。
【0146】
さらに好適には、前記第1部分内面41231と前記第2部分内面41232が接続された位置41230は、前記接続ワイヤ415の内側に位置し、前記第1部分内面41231と前記第2部分内面41232が接続された位置41230と光軸Xとの間の間隔D1が、前記接続ワイヤ415と光軸Xとの間の間隔D3より小さい。前記感光素子結合部41211と前記頂側延び部41212の間の曲がり点は、前記接続ワイヤ415の位置を乗り越えておらず、即ち、前記感光素子結合部41211は、前記接続ワイヤ415の位置まで延びる前に、前記頂側延び部41212への遷移を完了し、それにより、前記接続ワイヤ415がモールドプロセスにおいてプレスヘッドにより押されて壊れることを回避する。例えば、前記頂側延び部41212が垂直延び部である場合、前記モールドベース412の前記上面4124の内縁41241の位置と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の間隔が、前記接続ワイヤ415と前記カメラモジュールの光軸Xとの間の間隔以上であり、それにより、前記頂側延び部41212は、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を増やし、且つ前記接続ワイヤ415を一体的に埋め込んで、前記接続ワイヤ415の破損を回避する。
【0147】
なお、前記モールドベース412の前記感光素子結合部41211の内面41231は、傾斜して延びることにより、モールドプロセスにおける離型操作の利便性を向上させ、前記感光素子413までの迷光を減少させ、一方、前記頂側延び部41212の内面41232は、前記感光素子結合部41211の内面41231から一体的に曲がって延びており、それにより、前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212は組み合わせて迷光を減少させながら、前記モールドベース412の上面の面積をできるだけ増やす。
【0148】
また、前記フィルタリング素子414の底側に前記遮光層4142が設置されている場合、
図30に示されるように、前記フィルタリング素子414の前記フィルタリング素子本体4141の上面に入射された迷光線L11の一部は、前記フィルタリング素子本体4141の上面により反射されるが、前記モールドベース412の前記光窓4122に入り込むことがなく、且つ、屈折により前記遮光層4142の上方の前記光透過領域41411外側の周囲領域41412に入ったとき、前記遮光層4142により吸収されるが、前記モールドベース412の内部の前記光窓4122に入られなくなり、よって、迷光の一部を遮断するという目的を達成させる。
【0149】
残りの迷光L12は、前記フィルタリング素子本体4141の前記有効光透過領域41411を透過して前記第1部分内面41231に入射されると、前記モールドベース412の傾斜した前記第1部分内面41231により上へ前記遮光層4142に反射され、又はさらに前記第2部分内面41232により前記遮光層4142に反射され、前記遮光層4142により吸収され、それにより、さらに前記感光素子413に反射され、前記カメラモジュール400の結像品質へ影響することがない。
【0150】
これに対応して、前記遮光層4142と前記モールドベース412の前記第2部分内面41232は近接しており、前記モールドベース412の前記第2部分内面41232は前記遮光層4142から下へ延びており、且つ前記遮光層4142と、前記第1部分内面41231及び第2部分内面41232との間には、前記光窓4122の外側部分に迷光抑制溝41221が形成され、前記迷光抑制溝41221は、迷光出射を抑制する空間である。より具体的には、
図30に示されるように、迷光L12は、前記迷光抑制溝41221に入り込むため、前記迷光抑制溝41221から出射できない。
【0151】
なお、前記遮光層4142と前記モールドベース412の前記第2部分内面41232が近接しているため、前記遮光層4142は、前記フィルタリング素子本体4141を透過して前記第2部分内面41232に至る光線を効果的に減少させ、それによって、前記第2部分内面41232に入射された光線が前記第2部分内面41232により前記感光素子413に反射され、迷光となり前記カメラモジュール400の結像品質へ影響することを回避する。
図30に示されるように、前記第2部分内面41232は、前記遮光層4142から下へ延び、前記遮光層4142は、前記第2部分内面41232から水平方向に延び、前記遮光層4142と前記第2部分内面41232との間には夾角γをなし、夾角γが鋭角又は直角であり、それによって、このような構造に形成された前記迷光抑制溝41221は、前記内面4123に入射された光線が前記感光素子413へ反射されて迷光となることを回避する。
【0152】
前記フィルタリング素子4141は、前記モールドベース412の前記上面4124に貼設されてもよく、例えば接着剤で前記モールドベース412の前記上面4124に粘着される。前記遮光層4142は、黒色の吸光性・非光透過性材料であり、さまざまな方式で前記フィルタリング素子本体4141の底面に形成されることができ、例えば、前記フィルタリング素子本体4141の底面に粘着したり、フォトリソグラフィプロセス又はスクリーン印刷プロセスを用いて前記遮光層4142を前記フィルタリング素子本体4141の底面に形成したりする。
【0153】
図31A~
図31Cは、本発明に係る前記感光アセンブリ410の、一体成形された前記回路基板411、前記モールドベース412及び前記感光素子413の一体化アセンブリの製造過程の模式図である。その製造装置4200は、成形金型4210を含み、前記成形金型4210は、型開きと型閉じが可能な第1金型4211及び第2金型4212を含み、即ち、金型固定装置は、前記第1金型4211と前記第2金型4212を分離・結合して成形キャビティ4213を形成することができ、型閉じたとき、前記感光素子413に接続された前記回路基板411は、前記成形キャビティ4213内に固定され、且つ流体状の前記モールド材料416が前記成形キャビティ4213に入り込み、前記回路基板411及び前記感光素子413に一体成形され、そして、硬化すると前記回路基板411及び前記感光素子413に一体成形される前記モールドベース412を形成する。なお、生産プロセスでは、通常、ジョイントパネル方式で上記一体化アセンブリを作製し、即ち、回路基板ジョイントパネルに一体化モールドベースを形成し、次に切断して本発明の前記一体化アセンブリを形成する。
図31A~
図31Cには、前記一体化アセンブリの形成過程を例として説明する。
【0154】
より具体的には、前記成形金型4210は、さらに、ベース成形案内溝4215を有するとともに、前記ベース成形案内溝4215内の光窓成形部4214を含む。前記第1金型4211、第2金型4212が締めたとき、前記光窓成形部4214及び前記ベース成形案内溝4215は、前記成形キャビティ4213内に延びており、且つ流体状の前記モールド材料416が前記ベース成形案内溝4215に充填され、一方、前記光窓成形部4214に対応する位置に流体状の前記モールド材料416が充填されず、このようにして、前記ベース成形案内溝4215に対応する位置では、流体状の前記モールド材料416は、硬化すると前記モールドベース412を形成し、前記モールドベース412は、各々の前記感光アセンブリ410に対応する前記モールドベース412の環状モールドベース本体4121を含み、前記光窓成形部4214に対応する位置には、前記モールドベース412の前記光窓4122が形成される。前記モールド材料416は、ナイロン、LCP(Liquid Crystal Polymer、液晶ポリマー)、PP(Polypropylene、ポリプロピレン)、エポキシ樹脂などであり得るが、これらに制限されない。
【0155】
より具体的には、前記第1金型4211、第2金型4212が締めてモールドステップを実行する際に、前記光窓成形部4214は、前記感光素子413の上面に重なり合って密着し、それにより、流体状の前記モールド材料416が前記回路基板411上の前記感光素子413の前記感光エリア4131に入り込むことが回避され、最終的に前記光窓成形部4214に対応する位置に前記モールドベース412の前記光窓4122が形成され得る。なお前記光窓成形部4214は、中実構造であってもよく、図示したように内部に凹溝のある形状の構造であってもよい。なお、別の変形では、前記第1金型4211の底側には、緩衝を与えて、モールドプロセスの後の離型を容易にするために、弾性膜4217がさらに設置されてもよい。
【0156】
図31A~
図31Cに示されるように、前記光窓成形部4214は、前記感光素子413に圧着され、前記モールドベース412の前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212が対応して形成されており、前記光窓成形部4214は、底側成形部42141と頂側成形部42142を有し、前記底側成形部42141は、錐台形構造であり、底側から頂側に向かうに従って大きくなる内径を有する。前記底側成形部42141の外面421411と前記感光素子413に垂直な光軸X(図に示される垂直方向)との間に夾角αをなし、頂側成形部42142の外面421421と前記感光素子413に垂直な光軸Xとの間に夾角βをなす。これに対応して、αの数値の範囲が3°~80°であり、βの数値の範囲が0°~10°であり、且つα>βである。前記頂側成形部42142は、前記底側成形部42141から向きを変更して延びており、モールドプロセスでは、前記接続ワイヤ415に押圧して前記接続ワイヤ415の破損を起こすことがない。前記底側成形部42141の外面411411は、シャープな直角を直接形成するのではなく、傾斜して延びており、その高さが少なくとも0.05mmであり、これによって、モールドプロセスでは、弾性膜4217が突き刺されることを回避できる。
【0157】
前記光窓成形部4214は、底側から頂側への方向において第1部分外面421411と第2部分外面421421を有し、第1部分外面421411と第2部分外面421421のそれぞれと前記感光素子413に垂直な光軸Xとの間に夾角α及びβをなし、αの数値の範囲が3°~80°であり、βの数値の範囲が0°~10°であり、且つα>βである。それによって、モールドプロセス終了後、前記モールドベース412には、前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212が形成され、且つ、前記感光素子結合部41211は、その内面により画定された前記第1部分内面41231が小さな傾きで傾斜して前記感光素子413から上へ延びるように構成されており、前記頂側延び部41212の内面により画定された前記第2部分内面41232が、前記第1部分内面41231から曲がって一体的に延び、そして大きな傾き又は傾き無しで上へ延びている。即ち、前記感光素子結合部41211の内面により画定された前記第1部分内面41231と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角はαであり、前記頂側延び部41212の内面により画定された前記第2部分内面41232と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角はβであり、ただし、αの数値の範囲が3°~80°であり、βの数値の範囲が0°~10°であり、且つα>βであり。なお、前記光窓成形部4214の、このように曲がって延びている構造は、モールドプロセスでは、前記感光素子413の前記非感光エリア4132及び前記光窓成形部4214の前記第1部分外面421411の前記ベース成形案内溝4215の底側部分の空間41251に入り込む前記モールド材料416を減少させ、それにより、該空間内の前記モールド材料416の体積が減少し、生じる圧力及び圧力の強さが小さくなり、前記感光素子413の前記感光エリア4131に入りにくくなり、即ち、「バリ」の発生が避けられる。
【0158】
本発明の本モールドプロセスでは、前記ベース成形案内溝4215の底側において、前記感光素子413と前記モールドベース412の前記第1部分外面421411との間にある部分が充填溝42151となる。前記モールドベース412をモールド形成する前記モールド材料416は、前記感光素子413と前記光窓成形部4214の底面との間に入り込み「バリ」を引き起こしにくく、よって、前記感光素子413の前記感光エリア4131が汚染される可能性を低減させる。より具体的には、前記感光素子413と前記光窓成形部4214の第1部分外面421411との間の前記充填溝42151の容積を減少させることで、前記充填溝42151に入った前記モールド材料416により生じる圧力及び圧力の強さを減少させ、さらに前記モールド材料416が前記感光素子413と前記光窓成形部4214の底面との間に入り込み「バリ」を形成する可能性を低減させる。
【0159】
本発明の本好ましい実施例では、前記光窓成形部4214の外面には、異なる方向に延びている外面を有し、その頂側の外面である第2部分外面421421と前記感光アセンブリの光軸Xとの間の夾角が、底側の外面である第1部分外面421411と光軸Xとの間の夾角より小さく、それによって、前記光窓成形部4214の前記第1部分外面421411と前記感光素子413との間に形成された前記充填溝42151の容積が減少し、「バリ」の発生の可能性が低減する。
【0160】
また、前記光窓成形部の前記頂側の第2部分外面421421は、光軸Xとの夾角がより小さい方向に延びており、それにより、
図1Bに示される傾斜外面のようにパッケージ材料を該充填溝に容易にガイドすることができず、本発明の本実施例では、前記光窓成形部の前記頂側の第2部分外面421421は一定程度の阻止効果を果たし、つまり、前記第1部分外面421411から曲がって一体的に延びているため、
図1Bのように線形的に傾斜して延びているガイド面構造と異なり、よって、前記充填溝42151に入り込む前記モールド材料416の流速を一定程度で低下させ、前記モールド材料416が前記充填溝42151に入ったときに生じる圧力を減少させ、さらに「バリ」の発生の可能性を低減させる。さらに、一体化モールドプロセスでは、前記モールド材料416が「バリ」を形成しにくいので、前記光窓成形部4214は、大きな圧力で前記感光素子413に圧着しなくてもよく、前記感光素子413が押されて壊れることが避けられる。
図32Aに示されるように、本発明の上記第3の好ましい実施例の一変形実施形態によれば、本実施例では、前記フィルタリング素子本体4141の上面には、頂側遮光層4143がさらに設置されており、前記頂側遮光層4143と前記遮光層4142の組み合わせにより迷光低減の効果が高まる。より具体的には、前記頂側遮光層4143に入射された光線L21が前記頂側遮光層4143により吸収され、また、光線L22が前記遮光層4142によって吸収される。なお、上記第3の好ましい実施例では、前記頂側遮光層4143が設置されていてもよい。
【0161】
図32Bに示されるように、本発明に係る上記第3の好適例の一変形実施形態では、前記カメラモジュール400は、前記感光アセンブリ410、前記レンズ430及びレンズ載置素子440を含む。前記レンズ430は、前記レンズ載置素子440に装着されて、レンズアセンブリを形成する。前記レンズ載置素子440は、固定鏡筒であってもよく、この場合、固定焦点カメラモジュールが形成される。
【0162】
これに対応して、前記感光アセンブリ410は、回路基板411、モールドベース412、感光素子413及びフィルタリング素子414を含み、前記モールドベース412はベース本体4121を備え、前記回路基板411及び前記感光素子413に一体成形され、光窓4122が形成されており、前記光窓4122は、前記感光素子413に光路を提供する密閉空間である。前記フィルタリング素子414は、フィルタリング素子本体4141と遮光層4142を含み、前記遮光層4142は、吸光性・非光透過性材料であり、前記フィルタリング素子本体4141の底側であって前記フィルタリング素子本体4141と前記モールドベース412との間に位置する。
【0163】
前記モールドベース412では、その頂側には、前記フィルタリング素子414を装着するための頂側凹溝4125を有する。つまり、本発明の本実施例では、前記モールドベース412の上面4124は、多段階面であってもよく、前記上面4124は、面一ではない複数の部分の上面、例えば第1部分上面4124a及び第2部分上面4124bに分割され、前記第1部分上面4124aは、前記第2部分上面4124bに対して、前記感光素子413へ窪み、それにより、前記第1部分上面4124aの頂側に前記頂側凹溝4125が形成され、前記フィルタリング素子414は、前記頂側凹溝4125に装着される。
【0164】
これに対応して、前記モールドベース412の前記頂側延び部41212は、2段式となり、且つその頂側には、前記頂側凹溝4125が形成されている。このような場合、前記モールドベース412の内面4123は、前記感光素子結合部41211の前記第1部分内面41231、及び前記頂側延び部41212が形成した第2部分内面41232と第3部分内面41233を含み、前記遮光層4142は、前記モールドベース412の前記第2部分内面41232に近接しており、且つ前記第1部分内面41231及び前記第2部分内面41232との間には、上記迷光抑制溝41221が形成され、迷光出射を抑制する空間が形成される。即ち、前記第1部分内面41231に入射された光線が、直接に前記遮光層4142に反射され、又はさらに前記第2部分内面41232により前記遮光層4142に反射され、前記遮光層4142により吸収され、それによって、迷光が減少する。前記フィルタリング素子414の頂側にも、迷光解消効果を高めるために、前記頂側遮光層4143が設置されている。
【0165】
なお、上記
図28~
図33の実施例では、前記接続ワイヤ415のワイヤボンディング方向は、前記感光素子413から前記回路基板411への方向であり、即ち、前記感光素子413に前記感光素子接続ディスクが設置され、ワイヤボンディング治具は、まず前記感光素子接続ディスクの頂端にワイヤボンディングして、前記感光素子接続ディスクまで接続される前記接続ワイヤ415の第1端を形成し、次に所定の位置を上げて、回路基板上の回路基板接続ディスクへ移動して、その後、降下して前記回路基板接続ディスクに接続される前記接続ワイヤ415の第2端を前記回路基板接続ディスクの頂端に形成する。
【0166】
図33に示されるように、本発明に係る上記第3の好適例の別の変形実施形態では、前記電子デバイス4112は、前記カメラモジュール400の前記感光アセンブリ410の前記回路基板411の底側に貼設されており、これに対応して、前記感光アセンブリ410は、前記電子デバイス4112を一体的に埋め込む1つ又は複数の底側モールド部419をさらに含む。つまり、前記回路基板411の頂側には、前記電子デバイス4112が貼設されておらず、これら電子デバイス4112は、前記回路基板411の底側に設置され、前記底側モールド部419によって複数の独立した部分に分割されることができ、また、一体としてのモールドベースを形成して、前記電子デバイス4112をこの一体としてのモールドベースに埋め込んで、底側が平たんな支持面を形成してもよい。前記底側モールド部419及び前記モールドベース412は、個別に形成されてもよいし、一回のモールドプロセスにより形成されてもよく、例えば、モールドプロセスでは前記モールド材料416が前記回路基板411の両側に到達できるように、前記回路基板411には貫通孔を有してもよい。
【0167】
なお、前記感光素子413の下方にある前記回路基板411の底側の空間にも、前記電子デバイス4112を配設することもでき、それで、上記実施例のように前記電子デバイス4112を前記感光素子413の周囲に配設する必要がなく、本実施例では、前記回路基板411の面積サイズが大幅に減少する。
【0168】
これに対応して、前記モールドベース412は、前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212を含み、このような場合、前記感光アセンブリ410のサイズをさらに減少させながら、前記頂側延び部41212が曲がって延びることにより、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を増大し、前記レンズ載置素子440及び前記フィルタリング素子414のためにより大きな取り付け面を提供する。さらに、前記フィルタリング素子414は、前記フィルタリング素子本体4141の両側に設置される底側遮光層4142と頂側遮光層4143を含み、それにより、迷光解消効果が高まる。
【0169】
図34に示されるように、前記感光素子413と前記回路基板411の間のワイヤボンディング方式は、前記回路基板411から前記感光素子413への方式である。つまり、前記回路基板411に前記回路基板接続ディスクが設置され、ワイヤボンディング治具は、まず前記回路基板接続ディスクの頂端にワイヤボンディングして、前記回路基板接続ディスクまで接続される前記接続ワイヤ415の第2端を形成し、次に所定の位置を上げて、その後、回路基板接続ディスクへ並進移動して、感光素子接続ディスクに接続される前記接続ワイヤ415の反対の第1端を前記感光素子接続ディスクの頂端に形成し、それによって、前記接続ワイヤ415は屈曲状に延びており、且つ前記接続ワイヤ415の頂端の高さh2が、
図28~
図33の実施例、例えば
図33を例にして、接続ワイヤの頂端の高さh1より低くなり、したがって、モールドプロセスでは、前記成形金型4210の前記光窓成形部4214の前記接続ワイヤ415を避ける空間が減少し、さらに前記前記頂側延び部41212の高さがより高くなってもよい。
【0170】
図35~
図37には、本発明の第4の好ましい実施例に係るカメラモジュール400が示されており、前記カメラモジュール400は、感光アセンブリ410とレンズ430とを備える。前記レンズ430は、前記感光アセンブリに装着されて、固定焦点カメラモジュールを形成する。なお、別の変形実施形態では、前記レンズは、ドライバ又は固定鏡筒に設置されて、レンズアセンブリを形成するようにしてもよく、前記レンズアセンブリは、前記感光アセンブリに装着される。
【0171】
これに対応して、前記感光アセンブリ410は、回路基板411、モールドベース412、感光素子413、フィルタリング素子414及びフィルタリング素子ホルダー417を含み、前記モールドベース412は、ベース本体4121を含み、前記回路基板411及び前記感光素子413に一体成形され、光窓4122が形成されており、前記光窓4122は、前記感光素子413に光路を提供する密閉空間である。
【0172】
前記フィルタリング素子ホルダー417は、前記モールドベース412に装着され、且つ底側の窓4171と、頂側取り付け溝4172を有し、前記フィルタリング素子414は、前記頂側取り付け溝4172に装着され、つまり、前記フィルタリング素子414は、前記フィルタリング素子ホルダー417に装着され、前記モールドベース412に直接装着される場合に比べて、より破損しにくくなる。
【0173】
前記フィルタリング素子414は、フィルタリング素子本体4141、底側遮光層4142及び頂側遮光層4143を含み、前記遮光層4142は、前記フィルタリング素子本体4141の底側であって前記フィルタリング素子本体4141と前記フィルタリング素子ホルダー417の内側上面との間に位置し、前記遮光層4142は、吸光性材料であり、前記フィルタリング素子本体4141において中央有効光透過領域41411と周囲領域41412を形成し、それにより、前記レンズ430を透過した光線が前記モールドベース412の内部に到達するには前記有効光透過領域41411を透過しなければならない。前記遮光層4142は、環状構造であり、中央に窓が形成されており、つまり、前記遮光層4142は、光線が前記光窓4122に入り込む光路41420を形成し、且つ前記感光素子413までの迷光を減少させ、前記頂側遮光層4143は、迷光低減効果を高める。
【0174】
前記感光素子413は、中央にある感光エリア4131と、前記感光エリア4131の周囲に位置する非感光エリア4132とを有し、前記遮光層4142は、内縁41421と外縁41422を有する。前記遮光層4142の前記内縁41421と光軸Xとの間の間隔が、前記感光エリア4131の外縁41311と光軸Xとの間の間隔以上であるか、又は前記感光エリア4131の外縁41311と光軸Xとの間の間隔よりも僅かにより小さい。
【0175】
前記遮光層4142の外縁41422は、前記フィルタリング素子ホルダー417の上面の内縁41701の外側に位置し、即ち、前記フィルタリング素子ホルダー417の前記上面の前記内縁と前記遮光層4142の前記外縁41422との間に光透過エリアを形成することがない。
【0176】
本発明の本実施例では、前記モールドベース412の前記ベース本体4121は、円周方向における多段内面を有し、各段の内面は、異なる方向に延びている複数の部分を有し、例えば前記モールドベース412の前記ベース本体4121は、
図36A及び
図36Bに示されるように、前記光窓4122の周囲に位置する感光素子結合部41211、頂側延び部41212、及び前記感光素子結合部41211の底側における回路基板結合部41213という3つの部分を有する。前記感光素子結合部41211は、前記感光素子413から一体的に延びている内面を有し、そのうち、前記感光素子413から一体的に延びている少なくとも1段の内面は、前記モールドベース412の第1部分内面41231として画定され、前記頂側延び部41212は、前記感光素子結合部41211から一体的に延びている内面を有し、前記モールドベース412の第2部分内面41232となり、前記第2部分内面41232は、前記第1部分内面41231に一体的に延びている。なお、各々の前記第1部分内面41231及び前記第2部分内面41232は、前記ベース本体4121の環状内面のある段の内面であり、若しくは、多段内面はすべて、同じ構造を有する前記第1部分内面41231及び前記第2部分内面41232を有し、若しくは、すべての内面は、前記第1部分内面41231及び前記第2部分内面41232を有する。
【0177】
前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212の各々の内面41231、41232は、それぞれ異なる傾きで延びており、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、前記感光素子結合部41211の前記第1部分内面41231に対して、より大きな傾きで上へ延びており、若しくは、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、ほぼ傾き無しで上へ延びており、即ち、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、前記感光素子413の上面にほぼ垂直となるように延びており、それにより、前記頂側延び部41212の上面の面積が比較的大きくなり、つまり、前記頂側延び部41212の上面は、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を決定し、前記感光素子結合部41211及び前記頂側延び部41212のこのような延在構造により、前記モールドベース412の前記上面4124の面積が増え、さらに前記感光アセンブリ410の上方におけるレンズ又はレンズアセンブリ又は前記フィルタリング素子ホルダー417により大きな取り付け面積を提供し、例えば本実施例では、前記モールドベース412の前記上面4124には、上方の前記フィルタリング素子ホルダー417をより安定的に取り付けることができる。さらに、このような構造は、前記フィルタリング素子414の面積を減らすことができる。
【0178】
つまり、モールドプロセスの離型の利便性及び迷光防止のために、前記感光素子結合部41211は、その内面により画定された前記第1部分内面41231が小さな傾きで傾斜して前記感光素子413から上へ延びるように構成されており、前記頂側延び部41212の内面により画定された前記第2部分内面41232が前記第1部分内面41231から曲がって一体的に延び、そして大きな傾き又は傾き無しで上へ延びており、即ち、前記モールドベース412の前記第2部分内面41232と前記第1部分内面41231の間に夾角をなし、それにより、固定傾きで傾斜して上へ延びる場合に比べて、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を効果的に増大できる。なお、前記モールドベース412の円周方向に延びている内面はすべて上記第1部分内面41231と上記第2部分内面41232を有するようにしてもよく、これら第1部分内面41231の夾角αは、同一であってもよく、異なってもよい。これら第2部分内面41232の夾角βも、同一であってもよく、異なってもよい。
【0179】
図36Bに示されるように、前記感光素子結合部41211の内面により画定された前記第1部分内面41231と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角はαであり、前記頂側延び部41212の内面により画定された前記第2部分内面41232と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角はβであり、ただし、αの数値の範囲が3°~80°であり、βの数値の範囲が0°~10°であり、且つα>βである。
【0180】
つまり、前記頂側延び部41212の内面により画定された前記第2部分内面41232と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角βは、前記感光素子結合部41211の内面により画定された前記第1部分内面41231と前記カメラモジュール400の光軸Xとの間の夾角αよりも小さく、それによって、前記頂側延び部41212の前記第2部分内面41232は、より大きな傾きで、又は前記感光素子413に垂直な方向に沿って上へ延び、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を増やし、前記フィルタリング素子の面積を減らし、さらにモールドプロセスではモールド材料416による「バリ」の発生の可能性を低減させる。
【0181】
図36Bに示されるように、本発明の本好ましい実施例では、好適には、前記感光素子結合部41211の厚さH1の数値の範囲が0.05mm~0.7mmであり、前記頂側延び部41212の厚さH2の数値の範囲が0.02mm~0.6mmである。
【0182】
また、前記フィルタリング素子414には、前記遮光層4142と前記頂側遮光層4143がさらに設置されており、
図37に示されるように、前記フィルタリング素子414の前記フィルタリング素子本体4141の上面に入射された迷光線L31の一部は、前記頂側遮光層4143により吸収されることで、迷光の一部を遮断するという目的を達成させる。
【0183】
残りの迷光L32は、前記フィルタリング素子本体4141の前記有効光透過領域41411を透過して前記第1部分内面41231に入射されると、前記モールドベース412の傾斜した前記第1部分内面41231により上へ前記遮光層4142に反射され、又はさらに前記第2部分内面41232により前記遮光層4142に反射され、前記遮光層4142により吸収され、それにより、さらに前記感光素子413に反射されて前記カメラモジュール400の結像品質へ影響することがない。
【0184】
これに対応して、前記遮光層4142と前記フィルタリング素子の下方に位置する前記フィルタリング素子ホルダー417の内面41702は近接しており、前記フィルタリング素子の下方に位置する前記フィルタリング素子ホルダー417の内面41702は、前記遮光層4142から下へ延びており、且つ前記遮光層4142と、前記フィルタリング素子の下方に位置する前記フィルタリング素子ホルダー417の内面41702、前記第1部分内面41231及び第2部分内面41232との間には、前記光窓4122の外側部分に迷光抑制溝41221が形成され、前記迷光抑制溝41221は、迷光出射を抑制する空間である。より具体的には、
図37に示されるように、迷光L32は、前記迷光抑制溝41221に入り込むため、前記迷光抑制溝41221から出射できない。
【0185】
図38に示されるように、本発明の上記第4の好ましい実施例に係る一変形実施形態では、前記モールドベース412の頂側には、頂側凹溝4125が形成されており、前記フィルタリング素子ホルダー417は、位置を下へ移動するために、前記頂側凹溝4125に装着され、且つ、前記レンズ430は、前記モールドベース412の頂側に装着できる。つまり、多段式で延びることにより大きくなる前記モールドベース412の前記上面4124は、前記フィルタリング素子ホルダー417及び前記レンズ430を装着することに用いられる。
【0186】
図39~
図41には、本発明の第5の好ましい実施例に係るカメラモジュール400が示されており、そのカメラモジュール400の構造は、上記第4の好ましい実施例と類似し、前記カメラモジュール400は、感光アセンブリ410とレンズ430を含む。前記レンズ430は、前記感光アセンブリに装着されて、固定焦点カメラモジュールを形成する。なお、別の変形実施形態では、前記レンズは、ドライバ又は固定鏡筒に設置されて、レンズアセンブリを形成するようにしてもよく、前記レンズアセンブリは、前記感光アセンブリに装着される。
【0187】
これに対応して、前記感光アセンブリ410は、回路基板411、モールドベース412、感光素子413、フィルタリング素子414及びフィルタリング素子ホルダー417を備え、前記モールドベース412は、ベース本体4121を含み、前記回路基板411及び前記感光素子413に一体成形され、光窓4122が形成されており、前記光窓4122は、前記感光素子413に光路を提供する密閉空間である。前記モールドベース412は、前記光窓4122の周囲に位置する感光素子結合部41211及び頂側延び部41212を含み、多段式で延びており、且つ内面41231、41232はそれぞれ異なる方向に沿って延びることで、迷光を減少させて、前記モールドベース412の上面4124の面積を増大する。
【0188】
前記フィルタリング素子ホルダー417は、前記モールドベース412に装着され、且つ頂側の窓4171及び底側取り付け溝4173を有し、前記フィルタリング素子414は、反転貼付方式で前記底側取り付け溝4173に装着される。前記フィルタリング素子414は、フィルタリング素子本体4141と遮光層4142を含み、前記遮光層4142は、前記フィルタリング素子本体4141の底側に設置される。同様に、前記遮光層4142は、前記感光素子413までの迷光を減少させる役割を果たす。
【0189】
また、前記レンズ430は、載置部材431と、前記載置部材431に装着される1つ又は複数のレンズエレメント432とを含み、前記フィルタリング素子414は、前記フィルタリング素子ホルダー417にフリップして装着されるため、前記フィルタリング素子414は、前記フィルタリング素子ホルダー417の上面に凸起することがなく、前記レンズ430の前記1つ又は複数のレンズエレメント432のうち、最底側にあるレンズエレメントの位置を比較的下方にすることで、前記感光素子413との間の間隔を減少させ、さらに前記カメラモジュール400のバックフォーカスを減少させることができる。
【0190】
前記フィルタリング素子414の底側に前記遮光層4142が設置されている場合、
図41に示されるように、前記フィルタリング素子ホルダー417の上面に入射された迷光線L41の一部は反射されるため、前記モールドベース412の前記光窓4122に入り込むことがなく、迷光の一部を遮断するという目的を達成させる。
【0191】
残りの迷光L42は、前記フィルタリング素子本体4141の前記有効光透過領域41411を透過して前記第1部分内面41231に入射されると、前記モールドベース412の傾斜した前記第1部分内面41231により上へ前記遮光層4142に反射され、又はさらに前記第2部分内面41232により前記遮光層4142に反射され、前記遮光層4142により吸収され、それにより、前記感光素子413に反射されて前記カメラモジュール400の結像品質へ影響することがない。
【0192】
これに対応して、前記遮光層4142と前記モールドベース412の前記第2部分内面41232は近接しており、前記モールドベース412の前記第2部分内面41232は前記遮光層4142から下へ延びており、且つ前記遮光層4142と、前記第1部分内面41231及び第2部分内面41232との間には、前記光窓4122の外側部分に迷光抑制溝41221が形成され、前記迷光抑制溝41221は、迷光出射を抑制する空間である。より具体的には、
図41に示されるように、迷光L42は、前記迷光抑制溝41221に入り込むため、前記迷光抑制溝41221から出射できない。
【0193】
さらに、前記遮光層4142と前記モールドベース412の前記第2部分内面41232によって、前記遮光層4142は、前記フィルタリング素子本体4141を透過して前記第2部分内面41232に至る光線を効果的に減少させ、それによって、前記第2部分内面41232に入射された光線が反射されて前記感光素子413に至り、迷光となり前記カメラモジュール400の結像品質へ影響することを回避する。
【0194】
図42に示されるように、本発明に係る上記第5実施例の別の一変形実施形態では、前記接続ワイヤ415のワイヤボンディング方向は、前記回路基板411から前記感光素子413への方向であり、この場合、モールドプロセスでは、前記光窓成形部4214は、前記接続ワイヤ415を避ける空間をできるだけ必要としてなくてもよく、且つ前記頂側延び部41212は、前記モールドベース412の前記上面4124の面積を増大するように、大きな高さを有する。
【0195】
また、前記フィルタリング素子ホルダー417の頂側には、窓4171が形成されており、前記フィルタリング素子ホルダー417の頂側部分4174の内への延び長さが、前記遮光層4142の内への延び長さ以上であってもよく、この場合、前記窓4171の面積は、前記光路41420の面積以下であってもよく、このようにすれば、前記フィルタリング素子ホルダー417の上面は、迷光L51の一部を遮断する効果を奏し、それによって、前記フィルタリング素子414の頂側に前記頂側遮光層4143を設置する必要がなくなる。迷光L52は、前記遮光層4142により吸収され得る。
【0196】
図43に示されるように、本発明の上記第5実施例に係る別の変形実施形態では、前記感光アセンブリ410は、回路基板411、モールドベース412、感光素子413、フィルタリング素子414、フィルタリング素子ホルダー417及び遮断枠418を含む。前記モールドベース412は、前記回路基板、前記感光素子413及び前記遮断枠418に一体的に結合され、前記フィルタリング素子414は、前記フィルタリング素子ホルダー417に装着され、前記フィルタリング素子ホルダー417は、前記モールドベース412の頂側に装着される。前記フィルタリング素子414の前記遮光層4142は、上記第3の好ましい実施例と同様に、そのフィルタリング素子本体142の底側に設置され、迷光低減作用を果たすことができる。
【0197】
環状の前記遮断枠418は、前記感光素子413に設置され、モールドプロセスでは、前記光窓成形部4214を前記遮断枠418に圧着し、これにより、流体である前記モールド材料416が前記感光素子413の前記感光エリア4131に流れることを防止し、前記モールドベース412は、前記回路基板、前記感光素子413及び前記遮断枠418に一体成形され、前記遮断枠418は、好ましい実施例では、所定の弾性を有し、例えば弾性率の範囲が0.1Gpa-1Gpaである接着剤であってもよい。
【0198】
前記モールドベース412のベース本体4121は、前記光窓4122の周囲に位置する感光素子結合部41211及び頂側延び部41212、及び前記感光素子結合部41211の底側、前記感光素子413の周囲及び前記回路基板411の頂側に位置する回路基板結合部41213を含む。前記感光素子結合部41211は、前記回路基板411、前記感光素子413及び前記遮断枠418に一体的に結合され、且つ前記遮断枠418から傾斜して延びている第1部分内面41231を有し、前記頂側延び部41212は、前記第1部分内面41231から向きを変更して延びている第2部分内面41232を有し、このような構造によれば、傾斜した前記第1部分内面41231の反射作用により迷光を減少させることができ、向きを変更して延びている第2部分表面1232は、前記頂側延び部41212の上面により大きな取り付け面積を持たせ、前記フィルタリング素子414の面積を減少させ、さらに前記モールド材料416がモールドプロセスにおいて「バリ」を起こすことを回避し、また、2つの部分内面と光軸Xとの間の夾角は、前述実施例と同様である。なお、本実施例の前記遮断枠418は、本発明のほかの実施例に適用される。
【0199】
当業者であれば、上記説明及び図面に示される本発明の実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明の目的は、完全かつ効果的に実現されている。本発明の機能及び構造の原理は、実施例にて示されて説明されており、本発明の実施形態は、前記原理を逸脱することなく、任意の変形又は修正を有し得る。