(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-16
(45)【発行日】2022-03-25
(54)【発明の名称】月経カップ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/455 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
A61F5/455
(21)【出願番号】P 2020536919
(86)(22)【出願日】2018-09-14
(86)【国際出願番号】 US2018051187
(87)【国際公開番号】W WO2019055855
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-09-06
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520091650
【氏名又は名称】ザ フレックス カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, アンドリュー ロス
(72)【発明者】
【氏名】アダメ, ジェーン ハートマン
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201612751(CN,U)
【文献】国際公開第2014/056257(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0110060(US,A1)
【文献】登録実用新案第3026468(JP,U)
【文献】米国特許第05342331(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
月経カップであって、
伸展された状態において略円形の周囲を画定する弾性的に折曲可能な縁
と側壁
とを有する受器であって、前記側壁は、前記側壁の中に空洞を画定する内壁表面を有し、前記空洞は、第1の開口部を伴う前記
弾性的に折曲可能な縁の近位にある上部
と、第2の開口部を伴う底部
とを有
し、前記空洞は、流体を回収するように構成され
ている、受器と、
近位端
と遠位端と
前記近位端と前記遠位端との間の伸長中央部分とを有
する伸長茎部であって、前記近位端は、前記側壁に取り付けられ
ている、伸長茎部と
を備え、
前記
伸長茎部は、前記第2の開口部内に着座
することにより、それと流体シールを形成し、
前記伸長茎部の前記遠位端の操作
が前記内壁表面に
引張力を印加し、
これにより、前記側壁内の折曲が生成され、
前記受器は、
折曲位置と展開位置とを含む少なくとも2つの位置
を有することが可能であり、
前記折曲位置では、前記側壁内の前記折曲が前記空洞の中心に向かって内向きに延在
し、
前記展開位置では、前記
弾性的に折曲可能な縁が
前記伸展された状態にある、月経カップ。
【請求項2】
前記
受器の前記底部は、前記
伸長茎部との締り嵌めを形成するようにさらに構成され
ている、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項3】
前記
伸長茎部は、前記
伸長茎部の長さに沿った点に配置され
ている停止部をさらに備え
、前記停止部の直径は、前記伸長茎部の直径よりも大きく、前記停止部は、所定の距離の後に前記伸長茎部が前記流体シールを通って引き込まれることを防止する、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項4】
前記
月経カップは、シリコーン材料
および熱可塑性エラストマ
から成る群から選択される材料から形成され
ている、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項5】
前記
流体シールは、
前記流体シールが前記側壁より厚
いように補強材料であるように構成され
ている、請求項2に記載の月経カップ。
【請求項6】
前記
伸長茎部は、弾性的に折曲可能なリングを備え、前記弾性的に折曲可能なリングは
、前記受器の前記
弾性的に折曲可能な縁および前記側壁の中に形成され
ている溝と協働可能に係合するように構成され
ており、前記溝の深度は、前記側壁の厚さを超過せず、前記
弾性的に折曲可能なリングは、前記
伸長茎部
がユーザによって作動されて引き込まれると、前記
弾性的に折曲可能な縁
および前記側壁
および前記内壁に対して引動するように構成され
ている、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項7】
前記
伸長茎部は、前記
弾性的に折曲可能な縁の連続的な延在部である、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項8】
前記
伸長茎部は、前記近位端から前記遠位端を通して延在するように構成され
ている伸長開口をさらに備え、
これにより、前記折曲位置および
前記展開位置のそれぞれにおいて
空気圧が適切に平衡され得る、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項9】
前記月経カップは、前記
月経カップの除去のために圧力を均等化するための少なくとも1つの孔をさらに備える、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの孔は、前記伸長茎部を通して配置され
ている、請求項
9に記載の月経カップ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの孔は、前記上部の近傍の前記
受器の前記側壁を通して配置され
ている、請求項
9に記載の月経カップ。
【請求項12】
前記
伸長茎部の
前記遠位
端は、
前記月経カップの除去のためにユーザによって把持されるように構成されている把持部分をさらに備える、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項13】
前記
月経カップは、パリレンでコーティングされ
ている、請求項1に記載の月経カップ。
【請求項14】
前記伸長茎部の
前記近位端は、前記受器の
前記内壁に接続され
ており、前記伸長中央部分は、前記遠位端
が前記受器の下方に延在するように、前記受器の前記空洞および前記底部の前記第2の開口部を通過するように構成され
ている、請求項1に記載の月経カップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、月経カップおよびそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
月経カップは、さらに、Goddardの米国特許第1,891,761号、Hagedomの第1,996,242号、Chalmersの第2,089,113号、Crawfordの第5,827,248号、およびCrawfordの意匠特許第D323,212号に説明されるように使用され、公知である。そのようなデバイスは、一般的には、タンポンおよび生理用ナプキン等の他の生理用品の代替品として使用される。
【0003】
典型的な月経カップは、膣内に挿入され、月経血を捕捉するために設計される、カップのようなデバイスである。従来の月経カップは、膣壁と、カップが除去される前に破壊されなければならないシールを形成する。従来のカップ上に存在する、空気均等化孔が、ユーザが、側壁を押下し、均等化孔を垂直の配向に回転させると、カップの上方および下方の空気圧を均等化させる。従来の月経カップは、複数回の再利用のために設計され、ユーザの意思で挿入および除去されることができる。
【0004】
しかしながら、公知の月経カップは、多くの欠点を有する。挿入および除去の容易性は、ユーザが、あまり理想的ではない収集方法に頼ることにつながり得る、ある難点を提示し得る。例えば、公知のカップは、概して、カップの除去を補助するための機能を欠いており、小さい把持部が付けられた茎部のみを有し、これは、引動されると、かつカップと膣の間に形成されるシールに起因して、カップと膣との間に機械的吸引力を生じさせ、頸部は、除去を補助せず、妨げる。カップはまた、挿入することも困難である。既存のカップは、器用さと、折曲された形状を維持させるための把持強度とを要求し、ユーザが、指を膣の中に挿入することを要求する、具体的な折曲技法を用いて挿入される。特に、器用さまたは把持強度の喪失を伴う個人が、既存のカップを用いた挿入を実施することは、困難である。さらに、漏出を伴わない適切な機能のために、カップは、膣内で完全に伸展されなければならないが、しかしながら、既存の月経カップは、多くの場合、それら自体の機械的ばね力下では完全に伸展せず、ユーザが、空洞中にさらに到達し、形状を検査し、必要である場合、伸展を完成させるためにカップを操作することを要求する。既存のカップが、身体の中に理想的に設置されない場合、装着者は、漏出および不快感を被り得る。
【0005】
したがって、先行技術の欠点のうちの1つ以上のものを克服する、改良された月経カップの必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、先行技術に優る、使用および機能を改良する月経カップと、それらの使用方法とを対象とする。
【0007】
いくつかの実施形態は、伸展された状態において略円形の周囲を画定する、弾性的に折曲可能な縁を伴う、受器を有する、月経カップを対象とする。加えて、カップは、その中に空洞を画定する内壁表面を伴う、側壁を有する。さらに、空洞は、第1の開口部を伴う、折曲可能な縁の近位にある上部と、第2の開口部を伴う底部とを有し、空洞は、流体を回収するように構成される。加えて、カップは、近位端および遠位端と、その間の伸長中央部分とを有する、伸長茎部を伴って構成される。茎部は、第2の開口部内に着座し、流体シールを形成する。伸長茎部は、引張力が、その遠位端に印加されると、引張力を内壁表面に印加するように構成される。受器は、2つの別個の位置に構成されてもよい。折曲可能な縁の一部が、変形され、上部の少なくとも一部を空洞の中心に向かって内向きに延在させる、折曲位置が、存在する。折曲可能な縁が、上部の第1の開口部が、伸展された弾性的に折曲可能な縁の略円形の周囲に共形化するように伸展される、展開位置もまた、存在する。
【0008】
他の実施形態では、カップの底部はさらに、茎部との締り嵌めを形成するように構成される。
【0009】
さらに他の実施形態では、茎部はさらに、茎部の長さに沿った点に配置される、停止部を備える。
【0010】
さらに他の実施形態では、カップは、シリコーン材料と、熱可塑性エラストマとから成る群から選択される、材料から形成される。
【0011】
なおもさらに他の実施形態では、シールは、これが側壁より厚くなるような補強材料であるように構成される。
【0012】
他の実施形態では、シールは、ラジアルシールと、ワイパシールとから成る群から選択される。
【0013】
さらに他の実施形態では、茎部は、溝の深度が、側壁の厚さを超過しないように、受器の折曲可能な縁および側壁の中に形成される、溝と協働可能に係合するように構成される、弾性的に折曲可能なリングを備え、リングは、茎部が、ユーザによって作動され、引き込まれると、折曲可能な縁、側壁、および内壁に対して引動するように構成される。
【0014】
さらに他の実施形態では、茎部は、折曲可能な縁の連続的な延在部である。
【0015】
なおもさらに他の実施形態では、茎部はさらに、近位端から遠位端を通して延在するように構成される、伸長開口を備え、それによって、空気圧が、折曲位置および展開位置のそれぞれにおいて適切に平衡され得る。
【0016】
他の実施形態では、カップは、カップの除去のために圧力を均等化するための、少なくとも1つの孔を備える。
【0017】
さらに他の実施形態では、少なくとも1つの孔は、伸長茎部を通して配置される。
【0018】
さらに他の実施形態では、少なくとも1つの孔は、上部の近傍のカップの側壁を通して配置される。
【0019】
なおもさらに他の実施形態では、茎部の遠位部分はさらに、把持強化部を備える。
【0020】
他の実施形態では、把持強化部は、隆起と、渦巻状隆起と、ループと、リングと、独立的構造とから成る群から選択される。
【0021】
さらに他の実施形態では、カップは、パリレンでコーティングされる。
【0022】
さらに他の実施形態では、伸長茎部の近位端は、受器の内壁に接続され、伸長中央部分は、遠位端が、受器の下方に延在するように、受器の空洞および底部の第2の開口部を通過するように構成される。
【0023】
なおもさらに他の実施形態では、リングは、カップの中にオーバーモールド加工される。
【0024】
他の実施形態では、茎部は、ひもであり、ひもは、カップの中に成型される。
【0025】
さらに他の実施形態では、ひもは、共成型と、オーバーモールドとから成る群から選択される方法によって、カップの中に成型される。
【0026】
他の実施形態は、その上部の近傍に円錐形空洞を画定する、外壁と、輪郭が形成される内壁とを伴う、円筒形本体を有する、月経カップのためのアプリケータツールを含む。加えて、アプリケータは、近位端と、遠位端とを有する、円筒形本体と摺動自在に係合される、少なくとも2つの伸長パドルを有し、パドルの近位端が、月経カップの本体と係合するように構成されるように、伸長パドルは、近位端の近傍に接続され、遠位端において分離される。さらに、アクチュエータは、遠位端と、近位端とを伴うアクチュエータ機構を有し、円筒形本体と摺動自在に係合し、それによって、遠位端の開口部が、円筒形本体を通して近位に摺動されると、月経カップ茎部と係合し、茎部上で干渉して閉鎖するように構成される。アクチュエータ機構は、月経カップとの干渉係合が、機構のカップから遠位の軸方向変位を用いたカップの折曲を引き起こすような、挿入および除去位置を有する。アクチュエータ機構は、アクチュエータ機構が、カップとの係合を解放し得、少なくとも2つのパドルが、パドルが、上向きの運動で摺動され、カップを挿入するにつれて、カップを同心円状に受けるように構成され得る、展開位置を有する。
【0027】
他の実施形態では、円筒形本体はさらに、その内壁上に配置される、複数の隆起を備え、パドルおよびアプリケータとの係合が、月経カップとの接触をもたらすように、アプリケータの上部の近傍に収縮面積を画定するように構成される。
【0028】
さらに他の実施形態では、アクチュエータ機構は、最大遠位位置が、最大半径方向開口部に関連し、最大近位位置が、最小半径方向開口部に関連する、収縮面積を通過する、広げられたプラスチック茎部である。
【0029】
他の実施形態は、月経カップを取得することを要求する、月経カップを挿入する方法を含み得る。次いで、その上部の近傍に円錐形空洞を画定する、外壁と、輪郭が形成される内壁とを有する、円筒形本体を有する、アプリケータが、得られる。加えて、アプリケータは、近位端と、遠位端とを有する、少なくとも2つの伸長パドルを有し、伸長パドルは、近位端の近傍に接続され、遠位端において分離され、かつパドルの近位端は、月経カップの本体と係合するように構成される、円筒形本体と摺動自在に係合される。アプリケータは、アクチュエータ機構であって、該アクチュエータ機構は、遠位端と、近位端とを有し、該アクチュエータ機構が、伸長パドルの間に同心円状に配置され、円筒形本体の上部の近傍の月経カップと干渉して係合するように、円筒形本体および少なくとも2つのパドルと摺動自在に係合するように構成される、アクチュエータ機構を有する。アクチュエータ機構は、月経カップとの干渉係合が、機構のカップから遠位の軸方向変位を用いた、カップの折曲を引き起こすような、挿入および除去位置を有する。加えて、アクチュエータ機構は、アクチュエータ機構が、カップとの係合を解放し得、少なくとも2つのパドルが、パドルが、上向きの運動で摺動され、カップを挿入するにつれて、カップを同心円状に受けるように構成され得る、展開位置を有する。次いで、月経カップは、説明されるアプリケータの中に折曲され、その後、アプリケータを用いて展開されてもよい。
【0030】
他の方法は、伸展された状態において略円形の周囲を画定する、弾性的に折曲可能な縁を伴う、受器を有する、反転された月経カップを設計することを含む、月経カップを製造する方法を含む。加えて、カップは、その中に空洞を画定する内壁表面を伴う、側壁を有する。さらに、空洞は、第1の開口部を伴う、折曲可能な縁の近位にある上部と、第2の開口部を伴う底部とを有し、空洞は、流体を回収するように構成される。加えて、カップは、近位端および遠位端と、その間の、伸長中央部分とを有する、伸長茎部を伴って構成される。茎部は、第2の開口部内に着座し、流体シールを形成する。伸長茎部は、引張力が、その遠位端に印加されると、引張力を内壁表面に印加するように構成される。受器は、2つの別個の位置に構成されてもよい。折曲可能な縁の一部が、変形され、上部の少なくとも一部を空洞の中心に向かって内向きに延在させる、折曲位置が、存在する。折曲可能な縁が、上部の第1の開口部が、伸展された弾性的に折曲可能な縁の略円形の周囲に共形化するように伸展される、展開位置もまた、存在する。
【0031】
加えて、反転された月経カップ設計と整合するように構成される、金型工具が、取得されなければならない。
【0032】
いったん工具および設計が、完成すると、カップは、工具を使用して成型されてもよく、次いで、カップは、工具から抽出されてもよい。最後に、カップは、所望される最終形状に逆転されなければならない。
【0033】
付加的実施形態および特徴が、部分的に、続く説明内に記載され、部分的に、明細書の考察の結果、当業者に明白となる、または本開示の実践によって習得され得る。本開示の性質および利点のさらなる理解が、本開示の一部を形成する、本明細書および図面の残りの部分を参照することによって実現され得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
月経カップであって、
受器であって、前記受器は、伸展された状態において略円形の周囲を画定する弾性的に折曲可能な縁と、その中に空洞を画定する内壁表面を有する側壁と、第1の開口部を伴う前記折曲可能な縁の近位にある上部と、第2の開口部を伴う底部とを有する空洞とを有し、前記空洞は、流体を回収するように構成される、受器と、
伸長茎部であって、前記伸長茎部は、近位端および遠位端と、その間の伸長中央部分とを有する、伸長茎部と
を備え、
前記茎部は、前記第2の開口部内に着座し、それと流体シールを形成し、
前記伸長茎部は、引張力が、その前記遠位端に印加されると、引張力を前記内壁表面に印加するように構成され、
前記受器は、
折曲位置であって、前記折曲可能な縁の一部が、変形され、前記上部の少なくとも一部を前記空洞の中心に向かって内向きに延在させる、折曲位置と、
展開位置であって、前記折曲可能な縁が、伸展された弾性的に折曲可能な縁の前記略円形の周囲に前記上部の第1の開口部が共形化するように伸展される、展開位置と
に構成され得る、月経カップ。
(項目2)
前記カップの底部はさらに、前記茎部との締り嵌めを形成するように構成される、項目1に記載の月経カップ。
(項目3)
前記茎部はさらに、前記茎部の長さに沿った点に配置される停止部を備える、項目1に記載の月経カップ。
(項目4)
前記カップは、シリコーン材料と、熱可塑性エラストマとから成る群から選択される材料から形成される、項目1に記載の月経カップ。
(項目5)
前記シールは、これが前記側壁より厚くなるような補強材料であるように構成される、項目2に記載の月経カップ。
(項目6)
前記シールは、ラジアルシールと、ワイパシールとから成る群から選択される、項目2に記載の月経カップ。
(項目7)
前記茎部は、弾性的に折曲可能なリングを備え、前記弾性的に折曲可能なリングは、溝の深度が、前記側壁の厚さを超過しないように、前記受器の前記折曲可能な縁および側壁の中に形成される溝と協働可能に係合するように構成され、前記リングは、前記茎部が、ユーザによって作動され、引き込まれると、前記折曲可能な縁、側壁、および内壁に対して引動するように構成される、項目1に記載の月経カップ。
(項目8)
前記茎部は、前記折曲可能な縁の連続的な延在部である、項目1に記載の月経カップ。
(項目9)
前記茎部はさらに、前記近位端から前記遠位端を通して延在するように構成される伸長開口を備え、それによって、空気圧が、前記折曲位置および展開位置のそれぞれにおいて適切に平衡され得る、項目1に記載の月経カップ。
(項目10)
前記カップの除去のために圧力を均等化するための少なくとも1つの孔をさらに備える、項目1に記載の月経カップ。
(項目11)
少なくとも1つの孔は、前記伸長茎部を通して配置される、項目10に記載の月経カップ。
(項目12)
前記少なくとも1つの孔は、前記上部の近傍の前記カップの側壁を通して配置される、項目10に記載の月経カップ。
(項目13)
前記茎部の遠位部分はさらに、把持強化部を備える、項目1に記載の月経カップ。
(項目14)
前記把持強化部は、隆起と、渦巻状隆起と、ループと、リングと、独立的構造とから成る群から選択される、項目13に記載の月経カップ。
(項目15)
前記カップは、パリレンでコーティングされる、項目1に記載の月経カップ。
(項目16)
前記伸長茎部の近位端は、前記受器の内壁に接続され、前記伸長中央部分は、前記遠位端が、前記受器の下方に延在するように、前記受器の空洞および底部の第2の開口部を通過するように構成される、項目1に記載の月経カップ。
(項目17)
月経カップのためのアプリケータツールであって、
円筒形本体であって、前記円筒形本体は、その上部の近傍に円錐形空洞を画定する外壁と、輪郭が形成される内壁とを有する、円筒形本体と、
少なくとも2つの伸長パドルであって、前記少なくとも2つの伸長パドルは、前記円筒形本体と摺動自在に係合され、近位端と、遠位端とを有し、前記伸長パドルは、前記近位端の近傍に接続され、前記遠位端において分離され、前記パドルの近位端は、月経カップの前記本体と係合するように構成される、少なくとも2つの伸長パドルと、
アクチュエータ機構であって、前記アクチュエータ機構は、遠位端と、近位端とを有し、前記円筒形本体と摺動自在に係合し、それによって、前記遠位端の開口部が、前記円筒形本体を通して近位に摺動されると、月経カップ茎部と係合し、前記茎部上で干渉して閉鎖するように構成され、前記アクチュエータ機構は、
挿入および除去位置であって、前記月経カップとの干渉係合が、前記機構の前記カップから遠位の軸方向変位を用いた前記カップの折曲を引き起こす、挿入および除去位置と、
展開位置であって、前記アクチュエータ機構が、前記カップとの前記係合を解放し得、前記パドルが、上向きの運動で摺動され、前記カップを挿入するにつれて、前記少なくとも2つのパドルが、前記カップを同心円状に受けるように構成され得る、展開位置と
を有する、アクチュエータ機構と
を備える、アプリケータツール。
(項目18)
前記円筒形本体はさらに、その前記内壁上に配置される複数の隆起を備え、前記パドルおよび前記アプリケータとの前記係合が、月経カップとの接触をもたらすように、前記アプリケータの上部の近傍に収縮面積を画定するように構成される、項目17に記載のアプリケータツール。
(項目19)
前記アクチュエータ機構は、前記収縮面積を通過する広げられたプラスチック茎部であり、最大遠位位置は、最大半径方向開口部に関連し、最大近位位置は、最小半径方向開口部に関連する、項目18に記載のアプリケータツール。
(項目20)
月経カップを挿入する方法であって、
月経カップを取得することと、
アプリケータを取得することであって、前記アプリケータは、
円筒形本体であって、前記円筒形本体は、その上部の近傍に円錐形空洞を画定する外壁と、輪郭が形成される内壁とを有する、円筒形本体と、
少なくとも2つの伸長パドルであって、前記少なくとも2つの伸長パドルは、前記円筒形本体と摺動自在に係合され、近位端と、遠位端とを有し、前記伸長パドルは、前記近位端の近傍に接続され、前記遠位端において分離され、前記パドルの近位端は、月経カップの前記本体と係合するように構成される、少なくとも2つの伸長パドルと、
アクチュエータ機構であって、前記アクチュエータ機構は、遠位端と、近位端とを有し、前記アクチュエータ機構が、前記伸長パドルの間に同心円状に配置され、前記円筒形本体の上部の近傍の月経カップと干渉して係合するように、前記円筒形本体および前記少なくとも2つのパドルと摺動自在に係合するように構成され、前記アクチュエータ機構は、
挿入および除去位置であって、前記月経カップとの前記干渉係合が、前記機構の前記カップから遠位の軸方向変位を用いた、前記カップの折曲を引き起こす、挿入および除去位置と、
展開位置であって、前記アクチュエータ機構が、前記カップとの前記係合を解放し得、前記パドルが、上向きの運動で摺動され、前記カップを挿入するにつれて、前記少なくとも2つのパドルが、前記カップを同心円状に受けるように構成され得る、展開位置と
を有する、アクチュエータ機構と
を備える、ことと、
前記月経カップを前記アプリケータの中に折曲することと、
前記アプリケータを用いて前記月経カップを展開することと
を含む、方法。
(項目21)
月経カップを製造する方法であって、
反転された月経カップを設計することであって、前記反転された月経カップは、
受器であって、前記受器は、伸展された状態において略円形の周囲を画定する弾性的に折曲可能な縁と、その中に空洞を画定する内壁表面を有する側壁と、第1の開口部を伴う前記折曲可能な縁の近位にある上部と第2の開口部を伴う底部とを有する空洞とを有し、前記空洞は、流体を回収するように構成される、受器と、
伸長茎部であって、前記伸長茎部は、近位端および遠位端と、その間の伸長中央部分とを有する、伸長茎部と
を有し、
前記茎部は、前記第2の開口部内に着座し、それと流体シールを形成し、
前記伸長茎部は、引張力が、その前記遠位端に印加されると、引張力を前記内壁表面に印加するように構成され、
前記受器は、
折曲位置であって、前記折曲可能な縁の一部が、変形され、前記上部の少なくとも一部を前記空洞の中心に向かって内向きに延在させる、折曲位置と、
展開位置であって、前記折曲可能な縁が、前記上部の第1の開口部が、伸展された弾性的に折曲可能な縁の略円形の周囲に共形化するように伸展される、展開位置と
に構成され得る、ことと、
前記反転された月経カップ設計と整合するように構成される金型工具を取得することと、
前記金型工具を用いて前記反転された月経カップを成型することと、
前記型から前記反転された月経カップを抽出することと、
前記月経カップを所望される最終形状に逆転させることと
を含む、方法。
(項目22)
前記リングは、前記カップの中にオーバーモールド加工される、項目7に記載の月経カップ。
(項目23)
前記茎部は、ひもであり、前記ひもは、前記カップの中に成型される、項目1に記載の月経カップ。
(項目24)
前記ひもは、共成型と、オーバーモールドとから成る群から選択される方法によって、前記カップの中に成型される、項目23に記載の月経カップ。
【図面の簡単な説明】
【0034】
説明は、本発明の例示的実施形態として提示され、本発明の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない、以下の図を参照して、より完全に理解されるであろう。
【0035】
【
図1】
図1は、本発明のある実施形態の断面図を図示する。
【0036】
【
図2】
図2は、月経カップ内での使用のための茎部のある実施形態を図示する。
【0037】
【
図3】
図3は、月経カップの一部としての、茎部の例示的実施形態を図示する。
【0038】
【
図4】
図4は、月経カップの茎部のある実施形態を図示する。
【0039】
【
図5】
図5は、月経カップのある実施形態を図示する。
【0040】
【
図6】
図6は、種々の実施形態による、カップの断面図を図示する。
【0041】
【
図7】
図7は、種々の実施形態による、カップの斜視図を図示する。
【0042】
【
図8】
図8は、種々の実施形態による、カップの側面図を図示する。
【0043】
【
図9】
図9は、茎部がカップの空洞から除去された、月経カップおよび茎部のある実施形態を図示する。
【0044】
【
図10】
図10は、本明細書に説明される実施形態による、月経カップのある実施形態を図示する。
【0045】
【
図11】
図11は、作動される茎部を伴う、月経カップの例示的実施形態を図示する。
【0046】
【
図12】
図12は、茎部が除去された、カップのある実施形態の側面図を図示する。
【0047】
【
図13】
図13Aおよび13Bは、種々の実施形態による、カップの作動を図示する。
【0048】
【
図14】
図14Aおよび14Bは、多くの実施形態による、茎部の種々の位置を図示する。
【0049】
【
図15】
図15は、公知の実践に従って月経カップを挿入するための折曲様式を図示する。
【0050】
【
図16】
図16は、除去の間の本発明の例示的実施形態を図示する。
【0051】
【
図17】
図17は、本明細書に説明される種々の実施形態による、月経カップの挿入を包含する、ある実施形態を図示する。
【0052】
【
図18】
図18は、種々の実施形態による、挿入デバイスを図示する。
【0053】
【
図19】
図19は、本明細書に説明される種々の実施形態による、挿入デバイスを図示する。
【0054】
【
図20】
図20は、本明細書に説明される種々の実施形態による、挿入デバイスの分解図を図示する。
【0055】
【
図21】
図21は、本明細書に説明される多くの実施形態による、挿入デバイスの断面図である。
【0056】
【
図22】
図22は、種々の実施形態による、カップ製造のプロセスフローを図示する。
【0057】
【
図23】
図23は、多くの実施形態による、成型カップ反転設計の斜視図を図示する。
【0058】
【
図24】
図24は、多くの実施形態による、カップの反転設計の断面図を図示する。
【0059】
【
図25】
図25は、種々の実施形態による、反転設計金型工具セットの断面図を図示する。
【0060】
【
図26】
図26は、種々の実施形態による、反転設計金型の斜視図を図示する。
【0061】
【
図27】
図27は、種々の実施形態に従って、工具から反転された成型されたカップを除去するプロセスを図示する。
【0062】
【
図28】
図28は、種々の実施形態に従って、反転された成型されたカップを逆転させるプロセスを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0063】
ここで図面に目を向けると、多くの実施形態は、月経カップと、それらの使用方法に加えて、膣内での月経カップの改良された挿入および除去のための、アプリケータシステムとを含む。
【0064】
多くの実施形態では、月経カップは、開放している上部から底部まで延在する、受器を画定する、本体を含み、底部は、開口部と、茎部であって、(例えば、上部の長さに沿った、またはその近傍の)カップの側壁に接続し、茎部が、カップの下方からアクセス可能であるように、底部内の開口部を通して内部受器面積を通して延在する、茎部とを伴って構成される。多くの実施形態では、茎部は、茎部の作動もまた、カップの側壁を作動させ、カップの側壁に沿って折曲を作成し、膣とのシールを破壊し、除去を可能にするように、これが接続する、カップの側壁を機械的に作動させてもよい。
【0065】
多くの実施形態では、受器は、流体を回収するために適合される空洞を画定する、内壁表面と、対向する外壁表面とを有する、壁を含む。開放上部は、膣内の解剖学的嵌合部に対応する、所定の直径と、可撓性かつ弾性であるように適合される、所定の厚さと、堅性とを伴う、辺縁とを有する。カップの底部内の開口部は、受器からのいかなる漏出も防止するための茎部構成要素と界面接触する、シールを備えてもよい。茎部はさらに、これが、カップの除去のために把持され、使用され得るように、底部内の開口部の下方に延在してもよい。カップの底部から引動されると、茎部は、(例えば、上部開口部の近傍の)側壁を所定の形状に変形させ、最小限の漏出を伴って膣からのカップの除去を補助し、カップが除去された後、月経血を外に傾注することを補助する。
一般的なアセンブリ
【0066】
図1に図示されるように、本発明の多くの実施形態による、月経カップが、概して、番号7によって示される。多くの実施形態による、膣(図示せず)内での使用のために適合される、カップと、茎部とのアセンブリ7は、円錐のような形状を形成する、側壁14から構成される、受器部分13を含む。側壁14は、流体(図示せず)を回収するために適合される空洞16を画定する、内壁表面15と、外壁表面17とを備えてもよい。多くの実施形態による、受器13は、幾分か伸長され、概して、開放上部または上側部分18から底部または下側部分19内に位置する開口部まで延在してもよく、底部/下側部分19は、上端部18より直径が小さくてもよい。いくつかの実施形態では、カップ7は、円錐形状を形成してもよい。多くの実施形態によると、下側部分19は、本明細書にさらに説明されるであろうように、シール6を伴って構成されてもよい。多くの実施形態によると、カップアセンブリ7はまた、側壁14の長さに沿って内壁表面15に取り付けられ得る、茎部8を含んでもよい。種々の実施形態では、取付点は、側壁の上部近傍、例えば、縁1の真下にあってもよい。多数の実施形態では、茎部8は、空洞16を通して、かつシール6を越えて延在し、カップの下方で握持され得る、把持部が付けられた下端部20を備える。
【0067】
多くの実施形態による、カップアセンブリ7は、少なくとも2つの構成、すなわち、展開構成と、折曲構成とを有してもよい。
図1は、概して、縁1および側壁14が、伸展された状態において、略円形の周囲を画定する、展開構成におけるカップ7を図示する。多くの実施形態では、カップ7は、概して、これが折曲構成に折曲可能であることを可能にする、弾性材料から作製される。展開構成は、縁1が、カップ7と膣壁(図示せず)との間にシールを形成することを可能にする。折曲構成は、他の図を参照してより詳細に説明されるであろう。
茎部の実施形態
【0068】
前述に議論されるように、多くの実施形態は、ある方式でその上側部分の近傍のカップの側壁に取り付けられる、茎部8を含む。
図2は、いくつかの実施形態による、茎部8のある実施形態を図示する。いくつかの実施形態は、除去され得る月経カップの別個の部分であるものとして、茎部8を含んでもよい。
図2に図示されるように、茎部8は、近位端11と、遠位端12とを有する、伸長部分を備えてもよく、遠位端は、月経カップの底部19を通して、より具体的には、
図1に図示されるようなシール6を通して挿入されるように構成される。
【0069】
図1に図示されるが、茎部8のある実施形態として説明されるように、多くの実施形態は、茎部8内に配置される、開口2を含んでもよい。いくつかの実施形態による、開口は、茎部8内に配置されると、茎部8の伸長部分の長さ全体を近位端11から遠位端12まで延びてもよい。そのような開口は、月経カップ7の除去および挿入の間、空洞の内側および外側の空気圧を均等化するように設計される。開口2は、カップが、展開形状(
図1に示される)にあるとき、膣壁(図示せず)によって遮断され、使用時に吸引シールが形成されることを可能にする。除去に関して、下方から茎部8を引動することは、開口2を垂直に配向させ、それによって、カップの上方の領域と下方の領域との間の空気のための導管を作成する。したがって、開口を伴って構成される茎部8を引動することは、シールを破壊することを補助し、カップの除去を促進する。開口を伴って構成されるカップは、ユーザが、その指を用いてカップの側壁14を圧縮し、シールを破壊する必要なく、カップを除去することを可能にする。
【0070】
図2はさらに、本明細書に説明される種々の実施形態による、近位端11において伸長茎部に接続されるリング部分3を伴う、茎部を図示する。そのような実施形態では、リング部分は、カップ部分に関してより詳細に説明されるであろうように、月経カップ7の側壁14に取り付けられるように構成されてもよい。多くの実施形態による、リング部分3は、これが、本明細書の全体を通して説明される作動プロセスの間の弾性操作を可能にするであろうように、カップ7および茎部8に類似する材料から製造されてもよい。多くの実施形態による、リングへの近位端11の接続は、接続が、しっかりしたものであり、作動の間に接続解除しないような締り嵌めとして機能し得る。茎部が、作動されると、弾性リング部分3は、カップの側壁14が、作動され、前述に言及される折曲を作成するように、カップ7の側壁14と協調して弾性的に変形してもよい。
【0071】
使用の間、月経カップ7が、本明細書に説明される実施形態に従って作動されるにつれて、茎部8は、月経カップ7の開放している下端部19を通して移動してもよい。そのような移動に伴って、茎部は、任意の維持される液体が、カップ7の受器13から逃散し得るような、カップ7の過度の変形を防止するように構成されてもよい。茎部の多くのそのような実施形態は、茎部の長さの一部に沿って配置される、停止部5を有する。停止部は、類似する材料から作製されてもよく、また、茎部8の一体型部分であってもよい。多くの実施形態による、停止部5は、茎部の直径を包含し、茎部自体より大きい直径を有する。より大きい直径は、茎部8がカップ7のシール6を通して過度に遠くに引き出されることを防止し、側壁14が所定の距離だけ変形することのみを可能にし、停止部5が、カップ7上の底部に達した後、茎部7に印加される付加的な力がカップ7に伝達され、除去を補助することを提供する。
【0072】
茎部8の多くの実施形態は、それによって茎部がユーザによって容易に握持され得る、把持部を伴って構成されてもよい。例えば、
図2は、遠位端12の近傍の茎部の長さに沿って半径方向に変位される、3次元隆起10を組み込み得る、いくつかの実施形態による、茎部を図示する。そのような隆起10は、ユーザが茎部をより良好に握持し、カップ7の除去を補助することを可能にし得る。
【0073】
他の実施形態によると、
図3は、茎部8の遠位端12が、開口部20Aを備え得る、茎部8を図示する。開口部20Aは、ユーザが、
図9Bにさらに図示され得るように、単一の指を用いて茎部8を把持することを可能にするように構成されてもよい。開口部20Aを伴う実施形態は、摘み把持を用いて茎部8を適切に握持することが可能ではない場合がある、減少された器用さを伴うユーザによる、側壁14の作動を促進するように構成される。多くの実施形態による、開口部20Aは、ループまたはリングの形状に構成されてもよい。さらに、多くの実施形態によると、開口部20Aを伴って構成される茎部8はまた、開口部20Aの下方に延在し、茎部8を握持し、カップ7を作動させるための付加的手段を提供する、その小さい部分20Bを有してもよい。多くの実施形態によると、開口部20Aは、茎部8の連続部分であってもよく、言い換えると、これは、後で追加されるのではなく、茎部の一部として形成されてもよい。多くの実施形態によると、構成される茎部8はまた、ユーザが上部開口部18の上方から茎部8を引動することによって茎部8をリセットすると、ノミナルの茎部位置を示す触覚フィードバックをユーザに提供し得る、小さい隆起21を有してもよい。
【0074】
さらに、
図3は、多くの実施形態の中に組み込まれ得るような、カップ7の縁1および側壁14の中に連続的に組み込まれる、茎部8を図示する。カップ7の縁1および側壁14の中への茎部8の連続的な組み込みは、製造性を改良し、使用後に清掃されるべき部分の数を低減させることができる。
【0075】
茎部の他の実施形態は、
図4に図示されるように、単純なひも機構8aを含んでもよい。ひも機構は、茎部8の任意の他の実施形態に類似する様式で配置されてもよく、近位部分は、カップの上側部分18内の縁1に接続され、遠位部分は、カップの下側部分19内の側壁14を通して延在する。ある実施形態が、図示されているが、茎部8は、カップ7の除去をより良好に促進するために好適である、任意の数の形状を呈し得ることを理解されたい。
【0076】
カップの実施形態
【0077】
ここで
図4に目を向けると、前述で議論されるように、月経カップは、流体(図示せず)を回収するための内側空洞16を形成する、受器部分を有する。多くの実施形態によると、カップ7は、受器の底部19の近傍に位置する、シール6を備えてもよい。多くの実施形態によると、シール6は、それを通して通過する茎部8の一部と係合する締り嵌めを伴う環状の形状であり、それによって、流体が貫通不可能な障壁(流体は図示せず)を作成し、空洞16が流体(図示せず)を回収することを可能にする。多くの実施形態によると、シールは、好ましくは、受器13の側壁14のものを上回る厚さを伴う、補強された側壁を有する。本増加された厚さは、
図5に寸法Aとして図示される。
【0078】
他の実施形態では、受器は、半径方向に延び、カップの縁1の近傍に位置する、溝4を伴って構成されてもよい。溝は、
図2を参照して議論される、茎部8に取り付けられるリングと協働するように構成されてもよい。加えて、リング3を伴う茎部8を組み込むカップ7の実施形態が、カップの縁1を通して配置され、茎部8の近位端11が、茎部のリング3と係合し、したがって、相互接続される茎部8およびカップ7のアセンブリを作成することを可能にするように構成される、接続孔9を有してもよい。
【0079】
カップ7の他の実施形態は、
図6に図示されるようなオーバーモールドプロセスから形成される、カップ7を含んでもよい。オーバーモールドの実施形態では、茎部8は、茎部8を捕捉し、それをカップ7に添着させるための手段としてオーバーモールド加工される、1部品から構成されてもよい。多くの実施形態によると、オーバーモールド加工される設計は、本明細書に説明される任意の他の実施形態と同一の様式で動作するように構成されてもよく、茎部8は、シール6を通して下向きに引動され、それによって、カップ7の側壁14を作動させる。
【0080】
さらに他の実施形態では、カップ7は、半円形であり、シールは、
図6-8に図示されるように、カップ上に側方に位置する。例えば、
図6-8に図示されるようなカップは、カップ7の底部19が、半円形の断面を有する、鉢状の形状を有するように構成されてもよい。種々のオーバーモールドの実施形態によると、茎部は、シール6が、カップ7の中心軸の側方に位置するように、上側部分内の辺縁1からカップ7の下側部分内の側壁の一部を通して下方に延在してもよい。加えて、多くの実施形態は、輪郭が形成される縁1aを有してもよく、縁は、
図7および8に図示されるような、1つ以上の輪郭が形成される縁1bを有してもよい。
【0081】
本明細書の全体を通して議論されるように、本明細書に説明される実施形態は、挿入および除去プロセスをより良好に促進するように設計される、月経カップを対象とする。茎部に関して説明されるように、カップ7の多くの実施形態は、カップ7の側壁14内に配置される、開口2を組み込んでもよい。
図9は、明確化のために、種々の実施形態に従ってシールから除去されている茎部8を図示する。示されるように、多くの実施形態では、カップ7の空洞部分16は、その中に配置される、少なくとも1つの開口2を有する。開口2は、側壁の厚さを通して延びるように構成されてもよく、茎部8内に配置される開口2と同一の様式で構成される。使用の間、開口2は、カップが展開形状にあるとき、膣壁(図示せず)によって遮断され、使用中に吸引シールが形成されることを可能にする。同様に、下方から茎部8を引動することは、開口2を垂直に配向させ、それによって、カップ7の上方の領域と下方の領域との間に空気のための導管を作成するであろう。空気の導管は、ひいては、吸引の解放を可能にし、カップ7の除去を促進するであろう。
カップアセンブリの作動
【0082】
ここで、カップおよび茎部の作動を対象とし、カップの除去を促進することに役立つ実施形態が、参照される。
図10は、カップ7の底部の近傍のシール6を通した、茎部8の作動のある実施形態を図示する。示されるように、下向きの運動でシール6を通して茎部8を引動することは、(
図1に示されるような)側壁14の内壁15に相応の力を印加し、カップの側壁内に折曲14Aを生成する。側壁14および縁1の折曲は、カップ7を、前述に議論される、折曲構成に設置する。折曲構成では、茎部は、側壁および縁が、所定の距離で折曲されるように、受器13の中心に向かって側壁14および縁1を引動するように作用する。
【0083】
前述で説明されるように、多くの実施形態による折曲は、カップ7と膣壁(図示せず)との間のシールが、解放され、それによって、単に茎部を下向きに引動することによってカップの除去を促進するように、開口2を整合させる。
図10は、開口が茎部の中に配置され、握持手段が、一連の半径方向隆起10である、種々の実施形態による、カップの作動を図示する。
【0084】
図11は、遠位端12に開口部20Aを伴う茎部を備える、実施形態による、月経カップ7の類似する作動を図示する。示されるように、開口部は、前述で説明されるように、ユーザが、開口部20Aを通して鉤状にされた単一の指を用いて下向きに引動し、したがって、カップの側壁14を作動させることを可能にする。示されるように、そのような実施形態は、挿入から形成されるシールを緩和させるように作用し、カップ7を展開される状態に設置する、側壁内に配置される、開口2を有してもよい。典型的な月経カップが、適切に挿入されると、これは、カップおよび膣壁との干渉から生じる、自然の吸引に起因して定位置に留まる。本明細書に説明される実施形態は、ユーザが、カップの側壁の広範囲にわたる手動操作を伴わずにそのシールをより容易に破壊することを可能にする。いくつかの実施形態が、図によって図示されているが、図は、限定するようには意図されていないこと、および任意の好適な構成が、使用され得ることを理解されたい。
【0085】
ここで
図12-14Bに目を向けると、カップ7および茎部8の作動の種々の実施形態が、示される。
図12は、例えば、茎部8が、空洞(図示せず)から除去されている、実施形態による、カップ7を示す。カップ7の使用は、定期的な清掃を要求し得るため、カップの空洞16から茎部8を除去するための能力は、種々の構成要素およびシール6のより容易な清掃を可能にし、それによって、カップの使用を衛生上より魅力的にし得る。
【0086】
多くの実施形態によると、カップ7の茎部8および側壁14は、種々の方法で作動されるように設計される。例えば、
図13Aは、茎部8が、摘み様(pinch like)の握持で握持され得る、ある実施形態を図示する。多くの実施形態では、茎部およびカップは、開口部20Aが、ユーザが茎部8を作動させるにつれて、摘み様の握持によって圧縮され得るように、弾性材料から作製される。茎部8の解放に応じて、ユーザが、カップの上部側から茎部8を手動で引動することによって茎部8をリセットするまで、開口部20Aは、カップと茎部との間の干渉シール6内の摩擦に起因して、変形された状態のままであるであろう。把持領域の上方の茎部8上の小さい隆起21(
図12および14Bに最も詳細に図示される)は、ユーザに触覚フィードバックを提供し、茎部をリセットするときに引動する距離を示す。同様に、側壁もまた、茎部8が作動されると、弾性的に変形してもよい。
【0087】
他の実施形態では、茎部8は、鉤のような握持状態の単一の指を使用することによって、ユーザによって作動されてもよい。例えば、
図13Bは、茎部8の遠位端12における開口部20Aを通して鉤状にされた、ユーザの指を図示する。ユーザは、次いで、下向きの運動で引動し、カップ7の茎部8および側壁14を作動させるであろう。また、前述にも説明されるような、多くの実施形態によると、茎部8は、茎部8上に位置付けられる停止部5に起因して、所定の距離だけ移動するように設計されてもよい。
【0088】
前述に議論されるような茎部8の運動は、
図14Aおよび14Bに最も詳細に図示される。例えば、展開位置では、茎部8は、開口部20Aが、カップ7の底部19の近傍に位置付けられるように、
図14Aに図示されるように、空洞の中に上方に位置付けられるであろう。加えて、作動されると、茎部8は、開口部が、
図14Bに図示されるように、カップの底部19から遠位に位置するように位置付けられる。シール6を通過する茎部8は、より長い膣管を含む、より大きい範囲のユーザの解剖学的構造に適応し得る、調整可能な茎部長を提供する。茎部8は、カップ7の空洞内に常駐し、茎部8の把持領域20Aが、側壁を作動させることなく、
図10Aの近位状態に位置付けられ、
図10Bの遠位状態、およびその間の任意の状態に位置付けられ得るように、追加の長さ分の材料を含むことができる。茎部のさらなる撓みが、側壁を作動させ始める。
【0089】
当技術分野において公知である多くの技法による、挿入のための折曲の1つの方法が、
図15に図示される。
【0090】
多くの実施形態によると、カップ7は、除去および挿入のために部分的に折曲されてもよい。種々の実施形態による、かつ前述に説明される、除去のための部分的な折曲は、さらに
図16にも図示される。示されるように、現行の実施形態による、月経カップは、所定の変形構成を用いたカップの除去を可能にする。特に、茎部8上における停止部5の存在は、受器13の容積が大きいままであることを可能にし、したがって、除去の間の液体漏出のリスクを最小限にさせる。
【0091】
多くの実施形態によると、挿入の後、カップ7の自然ばね力は、茎部8をノミナル位置まで復元させ、かつカップをその自然の弛緩された状態まで開放させるために十分な力を提供し得る。多くの好ましい実施形態では、カップ7は、液体に対して不浸透性である、任意のタイプの弾性材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、カップ7は、医療グレードのシリコーンから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、カップ7および茎部8は、同一材料である。いくつかの実施形態では、カップ7および茎部8は、異なる材料である。いくつかの実施形態では、茎部8は、ひもから作製される。いくつかの実施形態によると、カップ7は、パリレン等の湿気障壁でコーティングされてもよい。
アプリケータの実施形態
【0092】
種々の実施形態はまた、
図17から
図21に示されるように、アプリケータ170を用いたカップの除去および挿入のためのシステムを提供する。多くのそのような実施形態では、アプリケータは、
図17の分解図に描写される、3つの主要構成要素を含んでもよく、これは、主本体22と、アクチュエータ29と、挿入のためのパドル32とを含む。
【0093】
ここで
図17および18を参照すると、アプリケータ本体22は、形状が円錐形であってもよく、さらに、形状がカップの外壁表面17に対応する内側輪郭26を伴う、受容空洞23を備えてもよい。多くの実施形態によると、受容空洞23は、傾斜され、螺旋状の方式で膣(図示せず)内に前進されると、アプリケータに対してカップ7を同心円状に中心合わせさせる役割を果たす、前縁36を作成してもよい。アプリケータ22の本体はさらに、受容空洞23の真下の円筒形シャフト24の終端に収縮面積を作成する、リブ25から形成される、内部円筒形シャフト24を備えてもよい。
【0094】
図17および18に示されるように、多くの実施形態では、アクチュエータ29は、把持機構27と、ハンドル28とを備えてもよい。把持機構27は、本体22のリブ25によって形成される収縮面積を通して引き戻されると、円筒形断面(
図19に示される)に可塑的に変形される、2つの湾曲したビーム30から成ってもよい。
【0095】
多くの実施形態によると、ビーム30の遠位端は、ビームが直線状になると、茎部8の外径未満になる内径を形成する、歯31を備える。歯31は、挿入および除去の間、カップを定位置に保持するように、カップ7の茎部8の周囲に圧着するように設計されてもよい。多くの実施形態によると、歯は、ビームに取り付けられる、連続構造であってもよい。ある実施形態が、図示されているが、任意の数の構成もまた、使用され得ることを理解されたい。
【0096】
図17に戻って参照すると、多くの実施形態による、パドル32は、アプリケータ本体22内に嵌合し、アクチュエータ29を囲繞するように設計されてもよい。加えて、多くの実施形態は、パドル32を利用し、カップ7の適切な挿入および除去を確実にする。多くの実施形態によると、パドル32は、アプリケータ本体22上の溝35と界面接触する、スナップ33を有してもよい。スナップ33は、ユーザが、
図19に示されるように、挿入のために
図21に示される展開位置に、および/またはカップの除去のために後退位置にパドル32を手動で摺動させることを可能にするであろう、突出体34を伴って構成されてもよい。多くの実施形態によると、突出体34は、ユーザ内の改良される機能性のために人間工学的に設計されてもよい。さらに、パドル32の多くの実施形態は、除去される物質の区分を含有し、さらなる可撓性および/または軽量化を可能にし得る。
【0097】
多くの実施形態によると、アプリケータ170は、
図19に示されるように、カップ7を除去するように構成されてもよい。カップ7を除去するために、アプリケータ170は、最初に、膣(図示せず)の中に挿入され、螺旋状に前進され、それによって、本体22の前縁36が、アプリケータ170に対してカップ7を同心円状に中心合わせさせる、螺着力をカップの茎部8および外壁表面17に印加する。いったんアプリケータが、カップ7がアプリケータの受容空洞23内に静置するように前進されると、ユーザは、アクチュエータ29のハンドル28を引動し、ビーム30および歯31をカップの茎部8上に圧着させ、それを引き下げさせ、それによって、カップの縁1および側壁14を作動させ、月経血の除去および傾注のために最適化される位置に折曲させてもよい。アプリケータ170は、次いで、膣(図示せず)から除去されてもよく、月経血は、次いで、外に傾注されてもよい。
【0098】
他の実施形態によると、アプリケータ170は、
図21に図示されるように、カップ7を挿入するために構成されてもよい。カップ7を挿入するために、ユーザは、突出体34を押動することによってパドル32を摺動させ、それによって、パドル32を展開してもよい(
図21に示される)。カップ7は、半分に折曲され、パドル32の中に挿入される。パドル32の外径は、折曲されたカップ7の直径に対応する。アプリケータ21およびカップ7は、次いで、膣(図示せず)の中に挿入される。いったんカップ7が所望される場所に入ると、ユーザは、突出体34を引き下げ、したがって、パドル32を下方に摺動させ、カップ7が、それ自体のばね力下で展開形状(図示せず)に拡張することを可能にする。アプリケータの使用を用いて、カップは、組織が、指の挿入を用いて達成され得るより敏感ではない膣のさらに内側(図示せず)に挿入され得ることに留意されたい。
【0099】
いくつかの実施形態によると、本明細書に説明されるアプリケータを用いた月経カップの挿入および除去は、弾性デバイスによって補助されてもよい。多くの実施形態では、弾性デバイスは、アプリケータ内に配置され、本体22と、パドル32と、アクチュエータ29との間の係合を補助するように構成される、ばねであってもよい。
【0100】
ここで
図22-28を参照すると、本明細書に説明される月経カップを製造するプロセスが、多くの実施形態に従って説明される。側壁を作動させるための統合された茎部システムを伴う月経カップの性質および複雑性を前提として、そのような製品の設計および製造は、従来の成型プロセスより複雑であり得る。前述で説明されるように、多くの実施形態によると、本明細書に説明される月経カップは、例えば、医療グレードのシリコーン材料等の弾性材料から製造されてもよい。
【0101】
弾性材料から作製される月経カップを製造する従来のプロセスは、所望される設計にカップを設計することを伴うであろう。典型的な月経カップ設計は、カップ部分と、カップの底部に添着される、下側茎部とを有する。前述の設計を製造するための従来の方法は、射出成型を使用する。金型工具は、典型的には、いったん除去されると、最終製品または月経カップが残される、いくつかの部品から成る。小規模なトリミングのみが、製品の周囲から余分な材料を除去するために要求され得る。そのような従来のプロセスは、時間がかかりすぎ、かつ高価すぎるものであり、本明細書に説明される新規設計を適切に生産することができないであろう。そのような製造のための新しい方法が、必要とされるであろう。
【0102】
本明細書に説明される多くの実施形態によると、製造プロセスは、
図22に従って説明され得る。
図22は、それによって反転された金型設計が、最初に作成される、プロセスを図示する(220)。いったん反転された設計が作成される(220)と、金型工具が、製造され(230)、故に、カップを成型することを可能にすることができる。種々の実施形態による、工具を製造することは、本明細書にさらに説明されるであろう。いったん工具が、定位置に置かれると、反転された部品が、成型され得る(240)。成型プロセスの間またはそれに先立って、逆転工具固定具が、取得され(270)、最終製品を生産することを補助してもよい。いったん成型プロセスが完了すると、反転されて成型されたカップが、工具から除去されてもよい(250)。いったん工具から除去されると、製品は、反転された部品を反転させることによって、その最終使用状態に戻されなければならない。これは、本明細書に説明される種々の逆転プロセス(260)によって行われることができる。
反転された設計
【0103】
多くの実施形態によると、除去の容易性のために側壁を作動させる、茎部を伴う月経カップの設計は、カップを反転された形状で成型されるように設計することによって、より良好に促進されるであろう。
図23は、多くの実施形態による、カップ7と、茎部8とを伴う、反転された成型されたカップ設計280を図示する。
図23に図示されるものは、外壁17が金型工具の下半分と接触している間、暴露されている、内壁15である。言い換えると、
図23は、月経カップの、
図1と比較して反転された形状を図示する。
【0104】
図24を参照すると、反転されたカップ設計280の断面図が、示される。
図1に図示されるものと同一の構成要素が、
図24に、反転された設計で図示されることが、
図24で見られ得る。前述に説明されるような下側部分19によって見られる反転が、ここで、製造の目的のための設計の上側部分のように現れる。
図23および24に図示されるような反転された設計は、これが、工具と、カップを成型し、部品を抽出するプロセス全体とを単純化させるため、従来の方法を改良している。
図1に図示されるような「従来の」構成のカップを成型することは、月経カップの所望される形状およびサイズを達成するために、種々の構成要素を伴う、はるかにより複雑な工具を要求するであろう。設計を反転させることによって、工具は、2つの構成要素に単純化されることができる。
金型工具
【0105】
ここで
図25および26に目を向けると、反転された金型工具が、種々の実施形態に従って図示される。
図25は、種々の実施形態による、反転された金型工具設計の断面図を図示する。反転された金型工具290は、
図26に図示されるような複数の構成要素、すなわち、上部構成要素290Aと、底部構成要素290Bとを含んでもよい。上部構成要素290Aは、
図25に300によって示される、カップの内部表面に対応するであろう、金型の部分を含有してもよい。底部構成要素290Bは、
図25に305によって示される、カップの外部表面に対応してもよい。2つの構成要素は、継合されてもよく、反転される部品280は、任意の数のプロセスを使用して成型されてもよい。多くの実施形態によると、成型プロセスは、射出成型またはオーバーモールド加工によって行われてもよい。
抽出および逆転
【0106】
ここで
図27および28に目を向けると、種々の実施形態による、除去または抽出プロセスが、説明される。
図27は、金型工具の一部が除去されていて、反転された成型された部品280が、金型工具の一部の中に残る、ある実施形態を図示する。種々の実施形態によると、ロボットアーム350が、次いで、工具から反転された成型された部品280を除去するために使用されてもよい。ロボットアーム350は、ロボットアーム350が、工具から部品280を抽出することに役立つ、任意の数の必要な工具を伴って構成され得るため、単純化された取扱および改良された加工時間を可能にし得る、単純な除去方法を例証する。ロボットアームが図示されるが、抽出のための任意の数の方法が、使用され得ることを理解されたい。
【0107】
いったん反転された成型された部品280が、工具から除去されると、これは、所望される最終製品の形状に逆転されなければならない。本明細に例証示される多くの実施形態によると、逆転工具360が、反転された成型された形状280を所望される最終製品に逆転させるために設計され、使用されてもよい。逆転工具360は、任意の数の形態を呈してもよく、例えば、これは、プレートから外向きに延在する茎部を伴う、単純なプレートであってもよい。茎部は、カップの下側部分に、その反転された形状で係合し、カップが所望される最終製品形状を呈するまで、下側部分を押下するように構成されてもよい。種々の実施形態によると、茎部は、金型工具の一部に類似するように構成されてもよい。他の実施形態では、逆転工具は、金型工具の一部であってもよい。種々の実施形態によると、ロボットアーム350は、逆転プロセスの間、反転された部品280を取り扱うために使用されてもよい。
均等論
【0108】
上記の議論から推測され得るように、上記に述べられる概念は、本発明の実施形態に従って、種々の配列で実装されることができる。故に、本発明は、ある具体的な側面において説明されているが、多くの付加的な修正および変形例が、当業者に明白であろう。したがって、本発明は具体的に説明されるものとは別様に実践され得ることを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、全ての点で、例証的であり、制限的ではないものとして考慮されるべきである。