(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】新規のイヤホン装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
(21)【出願番号】P 2021185326
(22)【出願日】2021-11-15
【審査請求日】2021-11-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】719005873
【氏名又は名称】SMARTI株式会社
(72)【発明者】
【氏名】韓 碩
【審査官】辻 勇貴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0198436(US,A1)
【文献】特開平9-271094(JP,A)
【文献】特開平10-200989(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0004042(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のイヤーピース(1a)と第二のイヤーピース(1b)と筐体部(2)と電子端末に接続するためのコネクタ部(3)とがケーブル(4)を介して電気的に接続されているイヤホン装置であって、
前記筐体部(2)は、音源を保存し、保存された音源の電気信号(S1)を発信する音源保存部(2a)と、
電子端末からコネクタ部(3)を介して電子端末の電話信号(S2)を受信する電話信号受信部(2b)と
前記音源保存部(2a)から発信された音源の電気信号(S1)を、電話信号受信部(2b)に受信された電子端末の電話信号(S2)とをミキシングして混合音声信号(S3)を生成するミキシング部(2c)とを備え、
前記電気信号(S1)はケーブルを介して第一のイヤーピース(1a)に送信され、前記混合音声信号(S3)は、ケーブルを介して第二のイヤーピース(1b)に送信されることを特徴とするイヤホン装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のイヤホン装置に関し、より具体的には、電話使用時(通話時)において、使用者の好みの音楽・音声(BGM)を流しながらも、明瞭な(聞き取りやすい)通話が可能となる新規のイヤホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、携帯電話などの電子端末を使用して電話をする際に、電子端末を持ちながら、耳に当てながら通話をするのではなく、イヤホン装置を使用した通話ができるハンズフリーキットが販売されている(特許文献1)。
【0003】
このような通話形式(ハンズフリー通信)は、両手が使用できるため、利便性に優れており、通常、通話者の会話を第三者に聞かれないようにするため、イヤホン装置を用いて、通話が行われる。
【0004】
また、近年、電子端末は、音楽再生装置としての機能も備えている。使用者は、MP3など音声圧縮方式で所望の音声データ(音楽)を保存することにより、高品質の音楽を任意の時間・場所で再生することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子端末に音楽を再生している状態におけるハンズフリー通信では、通話の際に、音楽(BGM)のため、相手方からの音声(通話)が聞き取りにくく、BGMを流しながらの電話による通話は両立することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明者は、従来のハンズフリー通信に使用されるイヤホン装置の構造を鋭意検討した。その結果、所定の音源保存部、電話信号受信部およびミキシング部を設け、更には電話信号受信部の電気信号単独を第一のイヤーピースに送信し、かつ、所定の混合音声信号を第二のイヤーピースに送信することで、従来の課題を解決できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、電話使用時(通話時)において、使用者の好みの音楽・音声(BGM)を流しながらも、明瞭な(聞き取りやすい)通話が可能となる新規のイヤホン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るイヤホン装置は、第一のイヤーピース(1a)と第二のイヤーピース(1b)と筐体部(2)と電子端末に接続するためのコネクタ部(3)とがケーブル(4)を介して電気的に接続されているイヤホン装置であって、
前記筐体部(2)は、音源を保存し、保存された音源の電気信号(S1)を発信する音源保存部(2a)と、
電子端末からコネクタ部(3)を介して電子端末の電話信号(S2)を受信する電話信号受信部(2b)と
前記音源保存部(2a)から発信された音源の電気信号(S1)を、電話信号受信部(2b)に受信された電子端末の電話信号(S2)とをミキシングして混合音声信号(S3)を生成するミキシング部(2c)とを備え、
前記電気信号(S1)はケーブルを介して第一のイヤーピース(1a)に送信され、前記混合音声信号(S3)は、ケーブルを介して第二のイヤーピース(1b)に送信されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明に係るイヤホン装置の一態様を示すための図である。
【0011】
【
図2】
図2は、本発明に係るイヤホン装置において、音源の電気信号(S1)、電話信号(S2)および混合音声信号(S3)の送信経路を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るイヤホン装置は、
図1に示されるように、2つのイヤーピース(第一のイヤーピース1aと第二のイヤーピース1b)と、後述する部品を収容する筐体部2と、電子端末(スマートフォン、携帯電話、タブレット端末など電話機能を有する電子端末)に接続するためのコネクタ部3とを有する。ここで、
図1に示されるように、コネクタ部3と筐体部2とが、筐体部2と第一のイヤーピース1aとが、および筐体部2と第二のイヤーピース1bとが、ケーブル4によって接続されており、これらの間は電気的に接続され、後述する電気信号の通信ケーブルとして機能する。
【0013】
また、ケーブル4の材質は特に限定されず、一般的なケーブルの材質のもの(たとえば、銅線)が使用され、塩化ビニル等で被覆された被覆線が汎用される。
【0014】
なお、筐体部2の材質は特に限定されず、たとえば、プラスチック製であることが一般的である。
【0015】
図2は、本発明に係るイヤホン装置において、音源の電気信号(S1)、電話信号(S2)および混合音声信号(S3)の送信経路を示す。本図に示されるように、この経路は、筐体部2内部に備わる音源保存部2a、電話信号受信部2bおよびミキシング部2cにおけるものである。
【0016】
前記音源保存部2aは、音楽、音声メッセージなど音源(音声データ)を保存し、保存された音源の電気信号S1を発信する機能を有する。ここで、音声データは、たとえば、MP3など一般的な音声圧縮方式で保存されていてもよい。
また、音源保存部2aは、USB等のコネクタ部を有し、外部から音声データを適宜入力したり、不要な音声データを削除したりできるように構成されていてもよい。また、早送り、巻き戻しなど操作ボタンを有していてもよい。
【0017】
また、電話信号受信部2bは、電子端末(スマートフォン、携帯電話等)からコネクタ部3を介して電子端末の電話信号S2を受信する機能を有する。ここで、コネクタ部は、たとえば、ライトニング端子やUSBなど、電子端末の電話信号を送受信できるものであれば特に限定されるものではない。
【0018】
ミキシング部2cは、前記音源保存部2aから発信された音源(音声データ)の電気信号S1を、電話信号受信部2bに受信された電子端末の電話信号S2とをミキシングして混合音声信号S3を生成する。
【0019】
図2に示されるように、音源の電気信号S1は、第一のイヤーピースに送信される一方で、混合音声信号S3は、第二のイヤーピースに送信される。すなわち、電気信号S1は、直接第一のイヤーピースに送信されるとともに、ミキシング部2cにおいて混合音声信号S3に変換されて第二のイヤーピースに送信されることになる。
【0020】
たとえば、第一のイヤーピースとして左耳用のイヤーピースに、所望のBGMの音声データの電気信号S1が送信されて、当該左耳用のイヤーピースからは、所望のBGMが流れ、対して、第二のイヤーピースとして右耳用のイヤーピースからは、混合音声信号S3が送信されて、当該右耳用のイヤーピースから、電話の相手方からの音声とともにBGMが流れることになる。なお、第一のイヤーピースおよび第二のイヤーピースには、それぞれ、電気信号S1および混合音声信号S3を音声に変換できる回路を有している。
【0021】
また、本発明に係るイヤホン装置においては、筐体部2またはケーブル4など任意の位置において、マイクなどその他の部材を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明によれば、電話使用時(通話時)において、使用者の好みの音楽・音声(BGM)を流しながらも、明瞭な(聞き取りやすい)通話が可能となる新規のイヤホン装置を提供できる。
【符号の説明】
【0023】
1a:第一のイヤーピース
1b:第二のイヤーピース
2:筐体部
3:コネクタ部
4:ケーブル
2a:音源保存部
2b:電話信号受信部
2c:ミキシング部
S1,S1´:音源の電気信号
S2:電子端末の電話信号
S3:混合音声信号
【要約】
【課題】電話使用時(通話時)において、使用者の好みの音楽・音声(BGM)を流しながらも、明瞭な(聞き取りやすい)通話が可能となる新規のイヤホン装置を提供すること。
【解決手段】
本発明に係るイヤホン装置は、第一のイヤーピース(1a)と第二のイヤーピース(1b)と筐体部(2)と電子端末に接続するためのコネクタ部(3)とがケーブル(4)を介して電気的に接続され、所定の音源保存部(2a)、電話信号受信部(2b)およびミキシング部(2c)とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図1