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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】接続モジュールおよび蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20220318BHJP
   H01G 2/16 20060101ALI20220318BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20220318BHJP
   H01G 11/16 20130101ALI20220318BHJP
   H01G 11/72 20130101ALI20220318BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20220318BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20220318BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20220318BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20220318BHJP
【FI】
H01M50/507
H01G2/16 101
H01G11/10
H01G11/16
H01G11/72
H01M50/209
H01M50/50 101
H01M50/51
H01M50/583
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018128149
(22)【出願日】2018-07-05
(65)【公開番号】P2020009583
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2020-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】平光 宏臣
(72)【発明者】
【氏名】筒木 正人
【審査官】松岡 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-157276(JP,A)
【文献】特開2017-098108(JP,A)
【文献】特開2017-174590(JP,A)
【文献】特開2009-004323(JP,A)
【文献】特開2016-213026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20
H01G 11/10
H01G 11/16
H01G 11/72
H01G 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極端子を有する蓄電素子が複数並んで構成される蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、
前記蓄電素子の前記電極端子が接続される複数のバスバと、
前記複数のバスバを保持する保持部材と、
前記バスバに接続された電流遮断素子とを備え、
前記蓄電素子は、電池本体と、前記電池本体の一縁から第1方向に突出し、かつ前記第1方向と直交する第2方向に離間して配された一対の電極端子と、を備えて構成され、
互いに異なる極性の前記電極端子が、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に隣り合うように複数の前記蓄電素子が前記第3方向に重ねて並べられており、
前記電流遮断素子は、前記保持部材において前記複数の蓄電素子の前記一対の電極端子間に亘って設けられた電極間領域に配置されており、
前記電流遮断素子は、前記複数のバスバのうち前記蓄電素子群の一の極性の電力を出力する出力バスバに接続される第1リード部と、外部機器用の外部接続バスバに接続される第2リード部と、前記第1リード部と前記第2リード部との間の電流を遮断する素子本体と、制御線に接続される第3リード部と、を有しており、
前記第1リード部と前記第2リード部は、前記素子本体の両側において前記電極間領域に配されており、
前記第3リード部は、前記複数のバスバのうち前記第3方向に並ぶ前記バスバの間に設けられたバスバ間領域に配置されている接続モジュール。
【請求項2】
前記複数の蓄電素子は、前記複数のバスバによって直列に接続されており、
前記複数のバスバのうち、直列に接続された前記複数の蓄電素子の端部に接続された前記バスバは、前記蓄電素子群の一の極性の電力を出力する出力バスバとされており、
前記電流遮断素子は、前記出力バスバに接続されている請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項3】
一対の電極端子を有する蓄電素子が複数並んで構成される蓄電素子群と、前記蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールとを備えた蓄電モジュールであって、
前記蓄電素子の前記電極端子が接続される複数のバスバと、
前記複数のバスバを保持する保持部材と、
前記バスバに接続された電流遮断素子とを備え、
前記蓄電素子は、電池本体と、前記電池本体の一縁から第1方向に突出し、かつ前記第1方向と直交する第2方向に離間して配された一対の電極端子と、を備えて構成され、
互いに異なる極性の前記電極端子が、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に隣り合うように複数の前記蓄電素子が前記第3方向に重ねて並べられており、
前記電流遮断素子は、前記保持部材において前記複数の蓄電素子の前記一対の電極端子間に亘って設けられた電極間領域に配置されており、
前記電流遮断素子は、前記複数のバスバのうち前記蓄電素子群の一の極性の電力を出力する出力バスバに接続される第1リード部と、外部機器用の外部接続バスバに接続される第2リード部と、前記第1リード部と前記第2リード部との間の電流を遮断する素子本体と、制御線に接続される第3リード部と、を有しており、
前記第1リード部と前記第2リード部は、前記素子本体の両側において前記電極間領域に配されており、
前記第3リード部は、前記複数のバスバのうち前記第3方向に並ぶ前記バスバの間に設けられたバスバ間領域に配置されている蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、接続モジュールおよび蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複数の電池モジュールにより構成されるバッテリスタックに取り付けられるバスバモジュールとして、特開2017-199563号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。このバスバモジュールは、バスバを保持する絶縁性のモジュール本体を有しており、バスバモジュールがバッテリスタックに装着されたときに、バスバが各蓄電モジュールの端子に接続されて複数の電池モジュールが直列に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-199563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のバスバモジュールは、直列に接続された電池モジュールの間にバスバモジュールとは別にヒューズ等の電流遮断素子を有する安全装置を設け、安全性を確保している。
【0005】
しかしながら、上記のバスバモジュールは、バスバモジュールとは別に安全装置のためのスペースを確保する必要があり、設計自由度が小さくなる。また、安全装置のためのスペースを確保する必要があるため、安全装置を含むバスバモジュールの配置スペースが大型化することが懸念される。
【0006】
本明細書では、安全性を確保しつつ、バスバモジュールに相当する接続モジュールの配置スペースが大型化することを抑制する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される技術は、一対の電極端子を有する蓄電素子が複数並んで構成される蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、前記蓄電素子の前記電極端子が接続される複数のバスバと、前記複数のバスバを保持する保持部材と、前記バスバに接続された電流遮断素子とを備え、前記電流遮断素子は、前記保持部材において前記複数の蓄電素子の前記一対の電極端子間に亘って設けられた電極間領域に配置されている構成とした。
【0008】
また、本明細書によって開示される技術は、一対の電極端子を有する蓄電素子が複数並んで構成される蓄電素子群と、前記蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールとを備えた蓄電モジュールであって、前記蓄電素子の前記電極端子が接続される複数のバスバと、前記複数のバスバを保持する保持部材と、前記バスバに接続された電流遮断素子とを備え、前記電流遮断素子は、前記保持部材において前記複数の蓄電素子の前記一対の電極端子間に亘って設けられた電極間領域に取り付けられている構成とした。
【0009】
このような構成の接続モジュールおよび蓄電モジュールによると、本来であればデッドスペースとなる一対の電極端子間の電極間領域に電流遮断素子が配置されているから、接続モジュールとは別に電流遮断素子を有する安全装置を別途構成することを不要とするだけでなく、接続モジュールが大型化することを抑制しつつ、安全性を確保することができる。したがって、例えば、蓄電モジュールを構成する場合においても、安全性を確保しつつ、蓄電モジュール内の設計自由度を向上させることができると共に、蓄電モジュールが大型化することを抑制することができる。
【0010】
本明細書によって開示される接続モジュールは、以下の構成としてもよい。
前記複数の蓄電素子は、前記複数のバスバによって直列に接続されており、前記複数のバスバのうち、直列に接続された前記複数の蓄電素子の端部に接続された前記バスバは、前記蓄電素子群の一の極性の電力を出力する出力バスバとされており、前記電流遮断素子は、前記出力バスバに接続されている構成としてもよい。
【0011】
一般に、複数の蓄電素子が直列に接続された蓄電素子群の一の極性の電力を出力する出力バスバに接続される電流遮断素子は、蓄電素子群の出力に合わせて大型化する傾向にある。しかしながら、本構成によると、電流遮断素子は、本来であればデッドスペースとなる電極間領域に取り付けられているから、電流遮断素子が大きくなる場合においても、接続モジュールが大型化することを抑制することができ、非常に有効である。
【0012】
前記電流遮断素子は、前記出力バスバに接続される第1リード部と、外部機器用の外部接続バスバに接続される第2リード部と、前記第1リード部と前記第2リード部との間の電流を遮断する素子本体と、前記蓄電素子の状態を検知する基板からの出力を受けて前記素子本体において前記第1リード部と前記第2リード部との間の電流を遮断する第3リード部とを有しており、前記第1リード部と前記第2リード部は、前記素子本体の両側において前記電極間領域に配されており、前記第3リード部は、前記複数のバスバのうち前記蓄電素子の並び方向に沿って並ぶ前記バスバの間に設けられたバスバ間領域に配置されている構成としてもよい。
【0013】
このような構成によると、蓄電素子群と外部機器とに接続される第1リード部および第2リード部を、電極間領域に配するだけでなく、本来であればデッドスペースとなるバスバの間のバスバ間領域に第3リード部を配置しているから、第3リード部を配置するスペースを別途設ける必要がなく、接続モジュールが大型化することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本明細書によって開示される技術によれば、安全性を確保しつつ、接続モジュールの配置スペースが大型化することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】蓄電モジュールの斜視図
図2】蓄電モジュールの平面図
図3図2のA-A線断面図
図4】接続モジュールの平面図
図5】外部接続バスバが取り外された接続モジュールの斜視図
図6】ヒューズが取り外された接続モジュールの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
本明細書に開示された技術における一実施形態について図1から図6を参照して説明する。
本実施形態は、車両に搭載されるエンジン始動用の低圧の蓄電モジュール10を例示している。蓄電モジュール10は、複数の蓄電素子21によって構成される蓄電素子群20と、蓄電素子群20に組み付けられる接続モジュール40と、蓄電素子群20が内部に収容されて接続モジュール40が上部に固定されるケースCとを備えて構成されている。
【0017】
蓄電素子21は、ラミネート型の電池であり、全体として扁平な直方体状に構成されている。各蓄電素子21は、図3に示すように、蓄電要素をラミネートフィルムによって包むとともに縁部を溶着した電池本体21Aと、蓄電要素に接続されるとともに電池本体21Aの一縁である上縁から外側に突出する一対の電極端子22とを備えて構成されている。一対の電極端子22は、それぞれが箔状に形成されており、図1および図2に示すように、一方が正極端子22Pとされ、他方が負極端子22Nとされている。
【0018】
各蓄電素子21は、図3に示すように、電極端子22が隣り合うように前後方向に複数(本実施形態では4つ)重ねて並べることにより蓄電素子群20を構成している。互いに隣り合う蓄電素子21は、図2に示すように、互いに異なる極性の電極端子22が隣り合うように(一の蓄電素子21の正極端子22Pと、これと隣り合う他の蓄電素子21の負極端子22Nとが互いに隣り合うように)配置されている。
【0019】
ケースCは、合成樹脂製であって、図1に示すように、上方に向かって開口する箱形状に形成されている。ケースC内には、蓄電素子群20の蓄電素子21が上端開口から完全に収容されるようになっており、接続モジュール40が、図1および図2に示すように、蓄電素子群20が収容されたケースCの上端開口を塞ぐようにケースCに組み付けられている。
【0020】
接続モジュール40は、図1から図6に示すように、全体としては前後方向よりも左右方向に長い形態をなしており、蓄電素子21の電極端子22に接続される複数のバスバ41と、複数のバスバ41を保持する保持部材80とを備えている。
【0021】
バスバ41は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)などの導電性に優れた金属板や、アルミニウム板と銅板とを貼り合せた金属板などをプレス加工するなどして形成されている。本実施形態では、後述する接続バスバは、アルミニウム板と銅板とによって構成された、いわゆるクラッド材によって形成されており、後述する出力バスバは、出力する極性に合わせて選択される。
【0022】
複数のバスバ41は、隣り合う蓄電素子21の電極端子22同士を接続する複数の接続バスバ50と、蓄電素子21の電極端子22に接続されて蓄電素子群20の電力を出力する複数の出力バスバ55とを含んで構成されている。
【0023】
接続バスバ50は、図2図4および図5に示すように、接続モジュール40の一方側である右側に配された2つと、他方側である左側の前後方向略中央部に配された1つの合計3箇所に配置されており、右側配された接続バスバ50は、蓄電素子21の右側の電極端子22同士を接続する接続バスバ50とされ、左側配された接続バスバ50は、蓄電素子21の左側の電極端子22同士を接続する接続バスバ50とされている。
【0024】
各接続バスバ50は、長い略矩形状の平板状をなすバスバ本体51を有しており、バスバ本体51の前後方向両側の側縁部には、前後方向に隣り合う蓄電素子21の電極端子22が上方から載置され、溶接等によって電気的に接続されるようになっている。また、バスバ本体51の左右方向の一方の端部51Aには、突出する係止突部52が設けられ、バスバ本体51の左右方向の他方の端部51Bには、凹んで設けられた係止凹部53が設けられている。
【0025】
出力バスバ55は、図2図4および図5に示すように、接続モジュール40の左側における前後方向両端部の2箇所に配置されている。出力バスバ55のうち前側に配された前側出力バスバ55Fは、接続バスバ50に比べて左右方向に長い形態とされている。
【0026】
前側出力バスバ55Fの左右方向略中央部よりも左側の部分は前側バスバ本体56とされ、前側バスバ本体56の前側縁部は、蓄電素子21の電極端子22が上方から載置され、電極端子22が溶接等によって電気的に接続されるようになっている。前側出力バスバ55Fの右側端部は、曲げ部55Aを介して前側バスバ本体56よりも一段高く形成された前側ボルト締結部57とされている。
【0027】
出力バスバ55のうち後側に配された後側出力バスバ55Rは、前側出力バスバ55Fと同様、接続バスバ50に比べて左右方向に長い形態とされている。後側出力バスバ55Rの左右方向略中央部よりも右側の部分は後側バスバ本体58とされ、後側バスバ本体58の後側縁部は、蓄電素子21の電極端子22が上方から載置されて、電極端子22が溶接等によって電気的に接続されるようになっている。後側出力バスバ55Rの左側端部は、曲げ部55Bを介して後側バスバ本体58よりも一段高く形成された後側ボルト締結部59とされている。
【0028】
また、各接続バスバ50および各出力バスバ55の端部には、各バスバ41の電圧を検出する為の電圧検知線Wが接続されており、これらの電圧検知線Wは、コネクタCNを介して接続モジュール40に装着される基板Pに接続されるようになっている。
【0029】
保持部材80は、合成樹脂製であって、図3図5および図6に示すように、やや厚みのある略矩形状の本体部81を有している。本体部81の表裏両面のうちの表面(上面)には、接続バスバ50を保持する複数の接続バスバ保持部82と、出力バスバ55を保持する複数の出力バスバ保持部90とが設けられている。
【0030】
本実施形態では、本体部81の左右方向略中央部よりも一方側(図4の右側)に2つの接続バスバ保持部82が前後方向に並列して配置されており、本体部81の略中央部よりも他方側(図4の左側)に1つの接続バスバ保持部82が設けられている。また、本体部81の左側の接続バスバ保持部82の前後方向両側には、2つの出力バスバ保持部90が接続バスバ保持部82と前後方向に並列して配置されている。
【0031】
右側の2つの接続バスバ保持部82と、左側の前後方向略中央部に配された接続バスバ保持部82は、図2および図6に示すように、接続バスバ50が載置されるバスバ載置部83と、バスバ載置部83の前後方向両側に設けられた一対の挿通孔84と、バスバ載置部83の左右方向両側にそれぞれ設けられたバスバ受部86とバスバ嵌合片87とを備えている。
【0032】
バスバ載置部83は、平面視略矩形状をなし、バスバ載置部83の前後左右の長さ寸法は、接続バスバ50の前後左右の長さ寸法とほぼ同じ大きさに設定されている。
【0033】
各挿通孔84は、本体部81を板厚方向である上下方向に貫通して形成されており、バスバ載置部83の前後両側縁に沿って配置されている。各挿通孔84には、接続モジュール40をケースCに組み付けた際に、ケースC内に配された蓄電素子群20の電極端子22が下方から挿通されるようになっている。そして、挿通孔84に挿通された電極端子22は、図1および図2に示すように、接続バスバ50側に折り曲げられてバスバ本体51上に載置され、各接続バスバ50に接続されている。
【0034】
つまり、蓄電素子群20の前から2つの蓄電素子21における右側の電極端子22が右前の接続バスバ50と、蓄電素子群20の前から2番目と3番目の蓄電素子21における左側の電極端子22が左側の接続バスバ50と、蓄電素子群20の後から2つの蓄電素子21における右側の電極端子22が右後の接続バスバ50と接続されることで、蓄電素子群20における全ての蓄電素子21が直列に接続されるようになっている。
また、全ての蓄電素子21が直列に接続されると、前側出力バスバ55Fおよび後側出力バスバ55Rが、蓄電素子群20の正極もしくは負極の何れか一方の電力を出力する出力バスバ55となる。
【0035】
バスバ受部86は、本体部81から上方に突出した形態をなしている。バスバ受部86のバスバ載置部83側の端部は、接続バスバ50の係止突部52が挿入可能とされており、バスバ受部86に係止突部52が挿入されると、バスバ受部86が係止突部52を前後方向および上方に移動しないよう係止するようになっている。
【0036】
バスバ嵌合片87は、左右方向に弾性変形可能な弾性片87Aの上端部にバスバ載置部83側に向かって突出する係止爪87Bが設けられた形態とされている。バスバ嵌合片87は、接続バスバ50が係止突部52をバスバ受部86に挿入した状態でバスバ載置部83に載置されると、弾性片87Aが係止凹部53内に嵌合され、係止爪87Bとバスバ本体51とが上下方向に係止することで接続バスバ50の上方への離脱を規制する。これにより、接続バスバ50が接続バスバ保持部82によって保持されるようになっている。
【0037】
一方、出力バスバ保持部90は、出力バスバ55が載置される出力バスバ載置部91と、出力バスバ載置部91の前後方向両側に設けられた一対の挿通孔92と、出力バスバ載置部91の左右方向両側にそれぞれ設けられたバスバ受部93とバスバ嵌合片94とを備えている。なお、出力バスバ保持部90のバスバ受部93およびバスバ嵌合片94は、接続バスバ保持部82と同様の構成とされているため、説明を省略する。
【0038】
後側の出力バスバ保持部90の出力バスバ載置部91は、接続バスバ保持部82のバスバ載置部83よりも左側に大きい形態とされ、本体部81の左側後端部に設けられた締結台座95に亘って設けられている。締結台座95には、後側出力バスバ55Rが保持部材80に載置された際に、後側出力バスバ55Rの後側ボルト締結部59が載置されるようになっている。また、後側の出力バスバ保持部90における一対の挿通孔92は、左右方向の長さ寸法が左側の接続バスバ保持部82における挿通孔84の左右方向の長さ寸法とほぼ同じ大きさに設定されており、接続バスバ保持部82の挿通孔84と後側の出力バスバ保持部90の挿通孔92とは前後方向に真っ直ぐ一列に並んで配置されている。
【0039】
前側の出力バスバ保持部90の出力バスバ載置部91は、接続バスバ保持部82のバスバ載置部83よりも右側に大きい形態とされ、本体部81の左右方向略中央部に設けられた前側中央台座96に亘って設けられている。前側中央台座96には、前側出力バスバ55Fが保持部材80に載置された際に、前側出力バスバ55Fの前側ボルト締結部57が載置されるようになっている。また、前側の出力バスバ保持部90における一対の挿通孔92は、左右方向の長さ寸法が左側の接続バスバ保持部82における挿通孔84の左右方向の長さ寸法とほぼ同じ大きさに設定されており、接続バスバ保持部82の挿通孔84と前側の出力バスバ保持部90の挿通孔92とは前後方向に真っ直ぐ一列に並んで配置されている。
【0040】
さて、保持部材80における左右方向略中央部は、図2から図6に示すように、右側の接続バスバ保持部82における挿通孔84に挿通された右側の複数の電極端子22と、左側の接続バスバ保持部82および出力バスバ保持部90における挿通孔84,92に挿通された左側の複数の電極端子22との間に亘って設けられた電極間領域A1とされ、この電極間領域A1には、ヒューズ(「電流遮断素子」の一例)70が取り付けられている。
【0041】
電極間領域A1は、蓄電素子群20の複数の蓄電素子21における一対の電極端子22間に亘って設けられた領域であって、保持部材80において接続バスバ50、前側出力バスバ55Fの前側バスバ本体56および後側出力バスバ55Rが配されない部分とされている。
【0042】
電極間領域A1の前後方向略中央部は、略矩形状のヒューズ載置部97とされており、ヒューズ載置部97の前側に前側中央台座96が配されている。ヒューズ載置部97の後側には、外部機器用の外部接続バスバ60が配される後側中央台座98が設けられている。
【0043】
外部接続バスバ60は、後側中央台座98から右方に延びた後、前方に屈曲した形態をなしており、外部接続バスバ60の右側端部は、保持部材80の右側端部に設けられた右側台座88上に配置されるようになっている。
【0044】
ヒューズ70は、平面視略矩形状のヒューズ本体(「素子本体」の一例)71と、ヒューズ本体71の側面に設けられた3つのリード部72とを備えて構成されている。
【0045】
3つのリード部72のうち、ヒューズ本体71の一の側面(後側の側面)に設けられたリード部72は、前側出力バスバ55Fの前側ボルト締結部57に接続される平板状の第1リード部73とされている。第1リード部73には、板厚方向に貫通して設けられたボルト挿通孔73Aが設けられており、第1リード部73のボルト挿通孔73Aと前側ボルト締結部57に設けられた締結孔57AとにボルトBを挿通して前側中央台座96のナットNにボルトBを締め込むことにより第1リード部73と前側ボルト締結部57とが電気的に接続された状態で保持されるようになっている。
【0046】
また、3つのリード部72のうち、ヒューズ本体71において第1リード部73が設けられた面とは反対側に位置する他の側面(前側の側面)に設けられたリード部72は、外部接続バスバ60に接続される第2リード部74とされている。第2リード部74には、板厚方向に貫通して設けられたボルト挿通孔74Aが設けられており、第2リード部74のボルト挿通孔74Aと外部接続バスバ60に設けられた図示しない締結孔とにボルトBを挿通して後側中央台座98のナットNにボルトBを締め込むことにより第2リード部74と外部接続バスバ60とが電気的に接続された状態で保持されるようになっている。
【0047】
また、3つのリード部72のうち、ヒューズ本体71において第1リード部73が設けられた面および第2リード部74が設けられた面と隣り合う面(左側の側面)に設けられたリード部72は、コネクタCNを介して基板Pに接続された制御線W1に接続される第3リード部75とされている。
【0048】
第3リード部75は、図2および図4に示すように、保持部材80の右側において蓄電素子21の並び方向に沿って並ぶ2つの接続バスバ保持部82の間に配されている。つまり、保持部材80の右側に配された2つの接続バスバ保持部82に保持される2つの接続バスバ50の間は、蓄電素子群20の電極端子22に接続された接続バスバ50や出力バスバ55が配されないバスバ間領域A2とされている。また、このバスバ間領域A2は、電極間領域A1の右側に連なった領域とされ、バスバ間領域A2の前後方向の長さ寸法は、保持部材80の左側に配された接続バスバ保持部82の前後方向の長さ寸法とほぼ同じ長さに設定されている。
【0049】
バスバ間領域A2におけるヒューズ載置部97の右側には、右側中央台座89が設けられており、第3リード部75と制御線W1の端末に接続された丸形端子Tのボルト挿通孔T1にボルトBを挿通して右側中央台座89のナットNにボルトBを締め込むことにより第3リード部75と丸形端子Tとが電気的に接続された状態で保持されるようになっている。
【0050】
ヒューズ本体71は、第1リード部73と第2リード部74との間に流れる電流が定格以上となった場合に、内部の金属を溶断させ、第1リード部73と第2リード部74との間の電流を遮断する。
また、ヒューズ本体71は、基板Pから制御線W1を通じて電流を流し、第3リード部75が加熱されることにより、内部の金属を溶断させ、第1リード部73と第2リード部74との間の電流を遮断する。
【0051】
すなわち、蓄電素子群20の正極もしくは負極のいずれか一方の極性の電力を出力する前側出力バスバ55Fに接続された第1リード部73と、外部機器用の外部接続バスバ60に接続された第2リード部74との間を流れる電流が、例えば、蓄電素子群20と外部機器との間の不具合によって定格以上となった場合には、ヒューズ70において電流が遮断することができるようになっている。また、例えば、蓄電素子群20のいずれかの蓄電素子21が過放電となる虞がある場合には、基板Pから制御線W1を通じて第3リード部75を加熱し、ヒューズ本体71において電流を遮断することで、蓄電素子21が過放電となることを防ぐようになっている。
【0052】
本実施形態は、以上のような構成であって、続いて、接続モジュール40の作用および効果について説明する。
【0053】
従来、蓄電モジュールのケース内に収容される接続モジュールは、直列に接続された電池モジュールの間に接続モジュールとは別にヒューズ等を有する安全装置を設け、安全性を確保している。しかしながら、このような構成では、ケース内に接続モジュールとは別に安全装置のためのスペースを確保する必要があり、ケース内における設計自由度が小さくなってしまう。また、設計自由度を確保しつつ、安全装置を設ける場合には、ケース内に安全装置を配置するためのスペースを確保する必要があるため、蓄電モジュールが大型化することが懸念される。
【0054】
また、一般に、複数の蓄電素子が直列に接続された蓄電素子群の電力を出力する出力バスバに接続されるヒューズは、蓄電素子群の出力に合わせて大型化する傾向にあるため、接続モジュールとは別に安全装置を設ける場合には、安全装置を配置するスペースの確保がさらに困難となってしまう。
ところが、本実施形態によると、蓄電素子群20と外部機器との間の電流を遮断するヒューズ70を、本来であればデッドスペースとなる電極間領域A1に取り付けている。
【0055】
詳しくは、蓄電素子群20側の前側出力バスバ55Fに接続される第1リード部73と、外部機器側の外部接続バスバ60に接続される第2リード部74と、これらの間の電流を遮断するヒューズ本体71とを電極間領域A1に配置しているから、保持部材80上に余裕をもってヒューズ70を配置することができ、接続モジュール40とは別にヒューズ70を有する安全装置を別途構成することを不要とすることができる。これにより、接続モジュール40が大型化することを抑制しつつ、安全性を確保することができる。
【0056】
また、本実施形態によると、蓄電素子群20と外部機器との間の電流が定格以上となった場合だけでなく、蓄電素子群20のいずれかの蓄電素子21が過放電となることを防ぐ為に設けられた第3リード部75をバスバ間領域A2に配置しいている。
【0057】
すなわち、第3リード部75についても、本来であればデッドスペースとなるバスバ間領域A2に配置しているから、保持部材80において電極端子22およびバスバ41などの配置場所の自由度が損なわれることを防ぎつつ、接続モジュール40が大型化することを抑制することができるようになっている。
【0058】
以上のように、本実施形態によると、本来であれば、保持部材80においてデッドスペースとなる電極間領域A1とバスバ間領域A2とにヒューズ70のニューズ本体71と3つのリード部72を配置しているから、接続モジュール40とは別にヒューズを有する安全装置を別途構成することを不要とするだけでなく、接続モジュール40が大型化することを抑制しつつ、安全性を確保することができる。
【0059】
ひいては、接続モジュール40を収容する蓄電モジュール10のケースC内の設計自由度を向上させることができると共に、蓄電モジュール10が大型化することを抑制することができる。
【0060】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、蓄電素子群20の蓄電素子21が前後方向に4つ重なるように並べた構成とした。しかしながら、これに限らず、蓄電素子を5つ以上重ねて並べた蓄電素子群に構成してもよい。
【0061】
(2)上記実施形態では、蓄電素子群20の全ての蓄電素子21を直列に接続する構成とした。しかしながら、これに限らず、一部の蓄電素子を並列に接続した蓄電素子群を構成してもよい。
【0062】
(3)上記実施形態では、蓄電素子21がラミネート型の電池であって、電極端子22を箔状に構成し、電極端子22と接続バスバ50とを溶接によって接続する構成とした。しかしながら、これに限らず、蓄電素子が箱形の電池であってもよく、電極端子がボルト状をなし、電極端子と接続バスバとがボルト締結される構成としてもよい。
【0063】
(4)上記実施形態では、ヒューズ本体71に第3リード部75が設けられたヒューズ70を構成した。しかしながら、これに限らず、ヒューズ本体に第1リード部と第2リード部のみが設けられたヒューズに構成してもよい。
【0064】
(5)上記実施形態では、ヒューズ本体71の内部において金属が溶断されることで、第1リード部73と第2リード部74との間の電流を遮断するヒューズ70を構成した。しかしながら、これに限らず、MOSFETなどの半導体スイッチ素子などの電流遮断素子により、第1リード部と第2リード部との間の電流が遮断する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10:蓄電モジュール
20:蓄電素子群
21:蓄電素子
22:電極端子
40:接続モジュール
41:バスバ
50:接続バスバ
55:出力バスバ
60:外部接続バスバ
70:ヒューズ(「電流遮断素子」の一例)
71:ヒューズ本体(「素子本体」の一例)
73:第1リード部
74:第2リード部
75:第3リード部
80:保持部材
A1:電極間領域
A2:バスバ間領域
P:基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6