(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】バスダクト幹線における一部構造、他のバスダクト構造、バスダクトシステム及びバスダクトシステムの接続方法。
(51)【国際特許分類】
H02G 5/06 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
H02G5/06 311J
(21)【出願番号】P 2017218625
(22)【出願日】2017-10-26
【審査請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000162135
【氏名又は名称】共同カイテック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小峯 功
(72)【発明者】
【氏名】田口 年寿
(72)【発明者】
【氏名】千明 孝司
(72)【発明者】
【氏名】石川 靖英
(72)【発明者】
【氏名】坂本 圭
(72)【発明者】
【氏名】市野 正樹
(72)【発明者】
【氏名】清水 敬太
(72)【発明者】
【氏名】小林 幸博
【審査官】北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-208185(JP,A)
【文献】特開2003-036900(JP,A)
【文献】特開昭54-125492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 5/00-5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してバスダクト幹線を形成し、
前記バスダクト幹線の導体の一部に導電性部材が取り付けられており、
前記バスダクト幹線の導体と前記導電性部材が絶縁部材により絶縁されていることを特徴とするバスダクト幹線における一部構造。
【請求項2】
導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してバスダクト幹線が形成され、
既に通電中のバスダクト幹線に対して接続される他のバスダクト構造において、
他のバスダクトの導体の一部に導電性部材が取り付けられており、
前記他のバスダクトの導体と前記導電性部材が絶縁部材により絶縁されていることを特徴とする他のバスダクト構造。
【請求項3】
導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してなるバスダクト幹線と、
既に通電中の前記バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトと、
前記バスダクト幹線の導体と他のバスダクトの導体を接続可能な導電性部材からなるバスダクトシステムにおいて、
前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体を前記導電性部材で接続した際に、少なくとも前記バスダクト幹線の導体と前記導電性部材の間、又は前記導電性部材と前記他のバスダクトの導体の間の何れか一方が絶縁部材で絶縁されていることを特徴とするバスダクトシステム。
【請求項4】
導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してなるバスダクト幹線と、
既に通電中の前記バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトと
を有し、
前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体とは互いに重ね合わせて接続される構造であり、
前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体を
重ね合わせて接続した際に、少なくとも前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体の間
に絶縁部材
を介在させて前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体とが絶縁されていることを特徴とするバスダクトシステム。
【請求項7】
導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してなるバスダクト幹線と、既に通電中の前記バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトを接続するバスダクトシステムの接続方法において、
前記バスダクト幹線の導体と他のバスダクトの導体を絶縁部材により絶縁した状態で導電性部材を用いて接続する工程と、
前記絶縁部材を取り外し、前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体を通電状態にする工程を有することを特徴とするバスダクトシステムの接続方法。
【請求項8】
導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してなるバスダクト幹線と、既に通電中の前記バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトを接続するバスダクトシステムの接続方法において、
前記バスダクト幹線の導体と他のバスダクトの導体を絶縁部材により絶縁した状態で接続する工程と、
前記絶縁部材を取り外し、前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体を通電状態にする工程を有することを特徴とするバスダクトシステムの接続方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に布設されたバスダクト幹線の一部の構造、バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクト構造、バスダクト幹線とこのバスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトからなるバスダクトシステム及びバスダクトシステムの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバスダクト幹線の一部の構造に関して、バスダクト幹線のエンド部において、特許文献1に示すようにハウジングが切りっ放し状態で、この切りっ放し部がエンドキャップにより被覆された構造があった。
【0003】
特許文献1に開示されたバスダクトは増設することを想定しておらず、仮に今後増設する予定がある場合には、その増設予定のバスダクトも予めバスダクト幹線に入れておくことにより対応する必要があった。また、どうしてもバスダクトを増設する必要が生じた場合には、エンド部を構成するバスダクト自体を通常のバスダクトに取り換える必要があり、多大なコストと労力が必要であった。
【0004】
上記問題を解消するために、特許文献2には、一方の配電ユニットのバスダクト終端と他方の配電ユニットのバスダクト始端には、バスダクト継ぎ足し用連結部が設けられており、この連結部にキャップを被せる構成が開示されている。例えば、
図14に示すように増設することを前提にバスダクトのエンド部が継ぎ足し用連結部として構成されており、増設するバスダクトを接続する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実公昭47-6528号公報
【文献】特開平8-149666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2に開示されたバスダクトでは、バスダクトの増設は可能であるが、バスダクトが通電している状態では増設することはできず、一度バスダクト幹線の電源を落として、増設作業を行わなければならなかった。
【0007】
近年、データセンター等の複数のサーバを管理する施設にバスダクトが採用されてきており、このような施設は今後サーバの数を増やすことが容易に想定される。そこで、特許文献2に開示されたバスダクトのように、一度バスダクト幹線の電源を落としてしまうと、その間サーバがダウンし、アクセスできなくなるため、電源を落とさずに増設できることが望まれている。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みて提案するものであって、その目的は、バスダクト幹線の一部において、安全かつ容易にバスダクトの増設が可能なバスダクト幹線の一部構造、バスダクト幹線に対して増設可能な他のバスダクト構造、バスダクト幹線とバスダクト幹線に接続される他のバスダクトからなるバスダクトシステム及びバスダクトシステムの接続方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決するための手段として、本発明のバスダクト幹線における一部構造は、導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してバスダクト幹線を形成し、前記バスダクト幹線の導体の一部に導電性部材が取り付けられており、前記バスダクト幹線の導体と前記導電性部材が絶縁部材により絶縁されていることを特徴とする。
【0010】
本構成により、例えばバスダクト幹線における導電性部材に増設すべき他のバスダクトを接続したとしても、通電中のバスダクト幹線と他のバスダクトが絶縁部材により通電されることがないので、安全かつ容易にバスダクトの増設を行うことができる。
【0011】
また、本発明の他のバスダクト構造は、導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してバスダクト幹線が形成され、既に通電中のバスダクト幹線に対して接続される他のバスダクト構造において、他のバスダクトの導体の一部に導電性部材が取り付けられており、前記他のバスダクトの導体と前記導電性部材が絶縁部材により絶縁されていることを特徴とする。
【0012】
本構成により、例えば既に通電中のバスダクト幹線に対して、他のバスダクトを接続したとしても、通電中のバスダクト幹線と他のバスダクトが絶縁部材により通電されることがないので、安全かつ容易にバスダクトの増設を行うことができる。
【0013】
また、本発明のバスダクトシステムは、導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してなるバスダクト幹線と、既に通電中の前記バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトと、前記バスダクト幹線の導体と他のバスダクトの導体を接続可能な導電性部材からなるバスダクトシステムにおいて、前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体を前記導電性部材で接続した際に、少なくとも前記バスダクト幹線の導体と前記導電性部材の間、又は前記導電性部材と前記他のバスダクトの導体の間の何れか一方が絶縁部材で絶縁されていることを特徴とする。
【0014】
本構成により、既に通電中のバスダクト幹線に対して、他のバスダクトを接続したとしても、通電中のバスダクト幹線と他のバスダクトが絶縁部材により通電されることがないので、安全かつ容易にバスダクトの増設を行うことができる。
【0015】
また、本発明のバスダクトシステムは、導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してなるバスダクト幹線と、既に通電中の前記バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトとを有し、前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体とは互いに重ね合わせて接続される構造であり、前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体を重ね合わせて接続した際に、少なくとも前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体の間に絶縁部材を介在させて前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体とが絶縁されていることを特徴とする。
【0016】
本構成により、既に通電中のバスダクト幹線に対して、他のバスダクトを接続したとしても、通電中のバスダクト幹線と他のバスダクトが絶縁部材により通電されることがないので、安全かつ容易にバスダクトの増設を行うことができる。
【0017】
更に、本発明のバスダクト幹線における一部構造、他のバスダクト構造又はバスタクトシステムは、前記絶縁部材が存在する近傍のハウジング部分に絶縁性の遮蔽部材を有することを特徴とする。
【0018】
本構成により、他のバスダクトが接続される箇所に絶縁性の遮蔽部材が存在することから、安全性が増すと共に、絶縁部材の周辺部分の空間距離や沿面距離を考慮する必要性が少なくなり、大型化を未然に防止することができる。
【0019】
更に、本発明のバスダクト幹線における一部構造、他のバスダクト構造又はバスダクトシステムは、前記絶縁部材が可撓性を有する素材で構成されていることを特徴とする。
【0020】
本構成により、絶縁部材の取り扱いが容易となると共に、絶縁部材近傍部分の設計自由度が増すこととなる。
【0021】
また、本発明のバスダクトシステムの接続方法は、導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してなるバスダクト幹線と、既に通電中の前記バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトを接続するバスダクトシステムの接続方法において、前記バスダクト幹線の導体と他のバスダクトの導体を絶縁部材により絶縁した状態で導電性部材を用いて接続する工程と、前記絶縁部材を取り外し、前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体を通電状態にする工程を有することを特徴とする。
【0022】
本構成により、通電中のバスダクト幹線と他のバスダクトを導電性部材で安全に増設することが可能となると共に、増設後の他のバスダクトへの通電も容易に行うことが可能となる。
【0023】
また、本発明のバスダクトシステムの接続方法は、導体をハウジングにより被覆してなるバスダクトを接続部で複数接続してなるバスダクト幹線と、既に通電中の前記バスダクト幹線に対して接続される他のバスダクトを接続するバスダクトシステムの接続方法において、前記バスダクト幹線の導体と他のバスダクトの導体を絶縁部材により絶縁した状態で接続する工程と、前記絶縁部材を取り外し、前記バスダクト幹線の導体と前記他のバスダクトの導体を通電状態にする工程を有することを特徴とする
【0024】
本構成により、通電中のバスダクト幹線と他のバスダクトを安全に増設することが可能となると共に、増設後の他のバスダクトへの通電も容易に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のバスダクト幹線における一部構造、他のバスダクト構造、バスダクトシステム及びバスダクトシステムの接続方法は、安全かつ容易にバスダクトの増設が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】(a)は本発明の第1実施例のバスダクトを接続部で接続する前の状態を示す視斜視説明図、(b)は
図1(a)の接続後の状態を示す斜視説明図
【
図2】(a)は本発明の第1実施例のバスダクト幹線におけるエンド部の構造を示す分解斜視説明図、(b)は
図2(a)の組立後の斜視説明図
【
図3】(a)はエンド部の他のバスダクトの接続前の状態を示す斜視説明図、(b)は他のバスダクトを接続する寸前の斜視説明図、(c)は他のバスダクトを接続し、その後バスダクト幹線を形成する前の状態を示す斜視説明図
【
図4】(a)はエンド部にバスダクト幹線が形成された後に操作部及び絶縁部材を取り外した状態を示す斜視説明図、(b)は被覆部材を被せる前の状態を示す斜視説明図
【
図5】はエンド部の接続部の操作方法を示す一部切り欠き斜視説明図であり、(a)は他のバスダクトの導体が挿入される前の状態を示し、(b)は他のバスダクトの導体が挿入された状態を示し、(c)は他のバスダクト側の操作部を90度回転させた状態を示し、(d)は他のバスタクト側の操作部を取り外した状態を示し、(e)は既設のバスダクト幹線側の操作部を180度回転させた状態を示し、(f)は既設のバスダクト幹線側の絶縁部材を取り外した状態を示し、(g)は既設のバスダクト幹線側の操作部を90度回転させた状態を示し、(g)は既設のバスダクト幹線側の操作部を取り外した状態を示す
【
図6】(a)は本発明の第2実施例のバスダクトを接続部で接続した状態を示す一部切り欠き平面説明図、(b)は(a)の正面説明図
【
図8】(a)はエンド部の被覆部材を被せる前の状態を示す斜視説明図、(b)は被覆部材を被せた後の状態を示す斜視説明図
【
図9】(a)他の第1例の既設のバスダクトの導体、他のバスダクトの導体、導電性部材及び絶縁部材の関係を示す平面説明図、(b)他の第2例の既設のバスダクトの導体、他のバスダクトの導体、導電性部材及び絶縁部材の関係を示す平面説明図、(c)他の第3例の既設のバスダクトの導体、他のバスダクトの導体、導電性部材及び絶縁部材の関係を示す平面説明図、(d)他の第4例の既設のバスダクトの導体、他のバスダクトの導体、導電性部材及び絶縁部材の関係を示す平面説明図、(e)他の第5例の既設のバスダクトの導体、他のバスダクトの導体及び絶縁部材の関係を示す平面説明図
【
図10】バスダクト幹線の導体のエンド部以外に他のバスダクトの導体を接続する際の斜視説明図であり、(a)は接続前の状態を示し、(b)は絶縁部材の取り外し前に接続した状態を示し、(c)は絶縁部材を取り外した状態を示す
【
図11】(a)は他の第1例の絶縁部材の構成を示す斜視説明図、(b)は他の第2例の絶縁部材の構成を示す斜視説明図、(c)は他の第3例の絶縁部材の構成を示す斜視説明図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のバスダクト幹線の一部構造、他のバスダクト構造、バスダクトシステム及びバスダクトシステムの接続方法について、図面に沿って説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0028】
<第1実施例>
図1~
図5は本発明の第1実施例のバスダクトシステムを示し、
図1は第1実施例のバスダクト及び接続部を示す斜視説明図であり、
図2はバスダクト幹線における一部(エンド部)を示す斜視説明図であり、
図3は他のバスダクトを増設する手順1を示す斜視説明図であり、
図4は他のバスダクトを増設する手順2を示す斜視説明図であり、
図5は今までのエンド部における接続部の操作方法を示す一部切り欠き斜視説明図である。
【0029】
図1(a)及び(b)に示すように第1実施例のバスダクト100は、図示省略したホルダーにより所定間隔離間した状態で支持された4線からなる平板状の導体110を上面121及び2本の凹溝123を有する側面122並びに底面124からなる断面略矩形のハウジング120にて被覆してなり、バスダクト100の端部において、ハウジング120の上面121に切り欠き部125が設けられている。所謂空気絶縁型バスダクトである。
【0030】
上記バスダクト100を接続部200により接続することによりバスダクト幹線300が形成されている。
【0031】
接続部200は、バスダクト100の導体110の各相を電気的に接続するための略長方形からなる導電性部材である接続導体210と、接続導体210の各相並びに接続導体210とハウジング120とを絶縁する接続絶縁部材220と、接続絶縁部材220の上面222から接続導体210と導体110との接続圧力を操作する操作部230で構成されている。
【0032】
接続導体210は、一対で1セットとなり、上端及び下端にそれぞれ補強片211が外方に屈曲して形成され、接続導体210の内面で長さ方向の両端部近傍に、接続導体210の幅方向に延設された押さえ凸部212が形成されている。つまり、接続導体210の内面ではなく、押さえ凸部212で導体110を挟持して電気的及び機械的に接続する構成である。
【0033】
前記接続導体210の結合は、結合手段213であるリベット(ボルトナットであっても良い)が使用され、対向する接続導体210にリベットを貫通して結合している。リベットのリベット頭部と接続導体210との間に、上下互い違いに複数配置された皿バネを弾性材214として設けると共に、前記リベット頭部の反対側でカシメられた端部と接続導体210との間にも同様に、上下互い違いに複数配置された皿バネを弾性材214として設け、接続導体210間の挟持力を生み出す構成である。尚、1相につき上下に2セットの接続導体210が設けられている。
【0034】
また、接続絶縁部材220は、平面視略方形の側面221と、平面視略方形の上面222並びに下面223からなる断面矩形状に形成され、矩形断面を高さ方向略中央に中面224、各相を仕切る仕切面225が形成された状態で2×4個の略矩形形状の筒状が形成されている。つまり、1相につき2セットの接続導体210を上下に形成された筒状に収納可能であり、4線からなるバスダクト100の導体110を各相2セットずつの接続導体210で接続できるようになっている。
【0035】
更に、上面222の長さ方向略中央には、後述する操作部230を挿通可能な1相につき2つの穴226が穿設されて、この穴226に挿通された操作部230は、中面224及び下面223を貫通する構成となっている。また、下面223及び中面224の長さ方向端部近傍にはバスダクト100の導体110を挿通可能な凹状切欠き部227が形成されている。
【0036】
また、操作部230は、長辺と短辺を有する断面略楕円形からなる棒状からなり、上部に略90度に屈曲延設してなる把持部231を有し、1相につき2つ使用し、接続導体210相互間で且つ結合手段213であるリベットの前後にそれぞれ挿入して、接続導体210相互間を拡開保持する。導体110相互の接続を行う前の接続導体210間に介材する操作部230は、把持部231がリベットを中心に離反するように配置され、この配置状態で接続導体210間で拡開保持されている距離は操作部230の長辺であり、この長辺が介在する状態で導体110の厚さよりも押さえ凸部212相互間の距離が長くなるように形成されている。換言すれば、この状態においては、導体110相互を接続導体210の押さえ凸部212で挟持していないこととなる。
【0037】
尚、導体110相互を接続する場合は、前記操作部230を90度回転させて、接続導体210間に短辺が介在する状態として接続完了する。この短辺が介在する状態で導体110の厚さよりも押さえ凸部212相互間の距離が短くなるように形成されている。換言すれば、この状態においては、導体110相互を接続導体210の押さえ凸部212で挟持していることとなる。
【0038】
以上から成るバスダクト100を接続部200で接続する場合、バスダクト100の端部相互を当接する。このバスダクト100の端部相互の当接により、同相の導体110端部相互が一定距離離間した状態となり、ハウジング120の上面121に形成された対向する切り欠き部125により大きな開口が形成される。
【0039】
その後、前記開口に接続部200を挿通し、操作部230の把持部231を90度回転させ、操作部230を取り除くことによりバスダクト100の導体110相互が電気的及び機械的に接続がされる。その後開口部をカバー126で被覆することによりバスダクト100の接続が完了する。このようにバスダクト100を複数接続することによりバスダクト幹線300が形成されることとなる。
【0040】
前記形成されたバスダクト幹線300における一部である端部(エンド部)には、
図2に示すように通常のバスダクト100の端部が存在し、通常のバスダクト100の導体110の端部に、断面コ字形で、導体の長さ方向端面と、厚さ方向両端面を被覆した状態でシート状の絶縁部材240を介在させ、その絶縁部材240が介在した状態で、接続部200を配置し、この配置された接続部200の長さ方向端部をエンドカバー130により被覆している。
【0041】
前記エンドカバー130は、導体110が収納されておらず、バスダクト100のハウジング120同様に、上面131及び2本の凹溝133を有する側面132並びに底面134からなる断面略矩形で、長さ方向端部が蓋状の端側面135で閉塞されており、上面131には切り欠き135が形成されている。
【0042】
以上からなるエンドカバー130をバスダクト100の端部に接続した場合に上面121・131に開口が形成され、この開口に絶縁性の遮蔽部材140を被覆している。この遮蔽部材140は板状で形成し、接続部200の操作部230を挿通するための穴141と、前記絶縁部材240を挿通するためのスリット部142を有しており、遮蔽部材140を絶縁性にすることにより接続導体210とハウジング120との沿面距離を確保している。
【0043】
上記遮蔽部材140と、遮蔽部材140の上面から突出した状態で存在する操作部230及び絶縁部材240を、上方からハット状の被覆部材150で被覆することによりバスダクト幹線300のエンド部が構成されている。
【0044】
上記構成により、バスダクト幹線300が通電状態であったとしても、絶縁部材240により、エンド部に存在する接続部200の接続導体210は絶縁されて、非通電状態となっていることとなる。
【0045】
以上からなるバスダクト幹線300のエンド部にバスダクト100を接続する場合、
図3~
図4に示すように、先ず被覆部材150とエンドカバー130を取り外す。この際、外部に露出する接続部200の接続導体210が非通電状態のため、安全に取外しを行うことができる。その後、接続すべき他のバスダクト100を接続部200の接続導体210に仮接続し、その後、接続すべきバスダクト100を次々に接続部200で接続していき、新たなバスダクト幹線300が増設される。この際、新たに増設されたバスダクト幹線300は上記の通りまだ非通電状態であり、安全に作業を行える。そして新たなバスダクト幹線300の接続が完了した後に仮接続状態の今までのエンド部の接続作業を行い、最後に被覆部材150で被覆することにより、全ての接続作業が完了することとなる。
【0046】
尚、今までのエンド部の接続作業は
図5に示す順に操作する。先ず
図5(a)及び(b)に示すように、接続すべきバスダクト100の導体110が接続部200の接続導体210の間に挿入される。その後
図5(c)及び(d)に示すように、新たなバスダクト幹線300を増設した後に、増設接続された側の操作部230を90度回転して取り外すことにより、増設接続されたバスダクト100の導体110と接続部200の接続導体210とが電気的及び機械的に接続される。その後
図5(e)、(f)に示すように既設のバスダクト幹線300側の絶縁部材240を取り外すために、操作部230を180度回転させて絶縁部材240を取り外す。最後に既設のバスダクト幹線300側の操作部230を90度回転させて取り外すことにより、既設のバスダクト幹線300と、新たなバスダクト幹線300が電気的に接続導体210で接続されることとなる。尚、絶縁部材240が可撓性を有する部材で構成されている場合は、操作部を180度回転させずに取り外すことができる。
【0047】
以上、本発明の第1実施例のバスダクト幹線の一部構造、他のバスダクト構造、バスダクトシステム及びバスダクトシステムの接続方法を使用することにより、他のバスダクトを接続する際に、通電状態の導体が露出せずに接続できると共に、接続作業時は通電状態の導体との接続を行う必要がないため、安全にバスダクトの接続を行うことが可能となる。
【0048】
また、既設のバスダクト幹線側のエンド部のバスダクト及び他のバスダクトが同一形状及び仕様であるため、安価にバスダクトシステムを構築することが可能となる。
【0049】
また、接続部に関しても、通常の接続部にシート状の絶縁部材を介在させただけであるため、安価にバスダクトシステムを構築することが可能となる。尚、絶縁部材の取り外しの際、接続導体間に操作部の長辺が位置する状態で行っているため、絶縁部材に圧力がかかっておらず、容易に取り外すことが可能となる。
【0050】
<第2実施例>
次に、本発明の第2実施例について、第1実施例と異なる箇所の詳細を説明する。
図6から
図8は本発明の第2実施例のバスダクトシステムを示し、
図6は第2実施例のバスダクト及び接続部を示し、
図7は第2実施例のバスダクトのエンド部を示す分解斜視説明図であり、
図8はエンド部を示す斜視説明図である。
【0051】
図6に示すように第2実施例のバスダクト400は、3線からなる平板状の導体410を絶縁物411で被覆し、各相並設密着してハウジング420で被覆してなる所謂絶縁密着型バスダクトである。
【0052】
前記ハウジング420は、筒状からなる一対のスペーサ421と、これらスペーサ421と絶縁被覆された導体410を一対の側板422で挟持し、ボルトナット等の締着具で挟持固定している。側板422は平板状の基面423と基面423の幅方向両端部をバスダクト400の外方に屈曲延設してなる第1補強部424と、第1補強部424の端部を互いに向き合う方向に前記基面423と水平に屈曲延設してなる第2補強部425で形成されており、前記ボルトナット等の締着具が基面423相互を締め付けることによりバスダクトが形成されている。
【0053】
また、導体410及び側板422の基面423の長さ方向端部には、後述する接続部500で接続するために拡開部が形成されている。
【0054】
接続部500は、異相の導体410相互を絶縁するための絶縁セパレータ501と、同相の導体410の両側に沿わされて電気的に接続するための導電性部材である導体継板502と、これらの厚さ方向外方に位置する接続継板503と、絶縁セパレータ501、導体継板502及び接続継板503を一括締着する締着具510で構成された接続ユニットである。
【0055】
締着具510は、ボルト511、ナット512、ワッシャー513及び断面コ字形の押さえ部材514で構成し、押さえ部材によりバスダクト400の導体410と接続部500の導体継板502を好適な圧力で接続する構成となっている。
【0056】
以上からなるバスダクト400を接続部500で接続する場合、同相の導体410を同相の導体継板502間に挿通し、締着具510でこれらを仮締付し、バスダクト400の側板422と接続部500の接続継板503をビスで固定する。その後接続が問題なければ締着具510を本締付し、最後に接続部500の幅方向両端面の対応開放面には、断面コ字形の接続部カバー426を被覆し、バスダクト400の第1補強部424にビス等で固定することにより接続作業が完了し、これらバスダクト400を複数接続部500で接続することによりバスダクト幹線600が形成される。
【0057】
このバスダクト幹線600のエンド部においては、
図7に示すように、通常のバスダクト400と通常の接続部500を接続する箇所(導体410と導体継板502との間)に断面コ字形で中心に折り目541を有したシート状の絶縁部材540を介在させることによりバスダクト幹線600の導体410と導体継板502とを通電しない状態にしており、長手方向端部はエンドカバー430を被覆している。
【0058】
前記エンドカバー430は、導体410が収納されておらず、上面431、側面432、底面434並びに長さ方向端部に蓋状の端側面433が設けられており両側面432には、接続部500の接続継板503とビス等で固定可能な穴が、上面431及び底面434には、接続部カバー426及び後述する遮蔽部材440とビス等で固定可能な穴が穿設されている。
【0059】
以上からなるエンドカバー430をバスタクト400の端部に取り付けた場合、端部に存在する接続部500の接続継板503とエンドカバー430の側面432とをビス等で固定し、接続部500の幅方向両端面の対応開放面の一方側(図では下方側)に断面コ字形の接続部カバー426を被覆し、バスダクト400の第1補強部424とエンドカバー430の底面434とをそれぞれビス等で固定し、対応開放面の他方側(図では上方側)に断面コ字形で、絶縁部材540を挿通可能なスリット部442が穿設された遮蔽部材440をバスダクト400の第1補強部424とエンドカバー430の底面434とをそれぞれビス等で固定している。
【0060】
上記遮蔽部材440と、遮蔽部材440の上面から突出した状態で存在する絶縁部材540を、
図8に示すように上方からハット状の被覆部材450で被覆することによりバスダクト幹線600のエンド部が構成されている。
【0061】
上記構成により、バスダクト幹線600が通電状態であったとしても、絶縁部材540により、エンド部に存在する接続部500の導体継板502は絶縁されて、非通電状態となっておりこととなる。
【0062】
以上からなるバスダクト幹線600のエンド部にバスダクト400を接続する場合、図示省略するが、先ず被覆部材450とエンドカバー430を取り外す。この際、外部に露出する接続部500の導体継板502が非導通状態のため、安全に取外しを行うことができる。その後、接続すべき他のバスダクト400を接続部500の導体継板502に接続し、遮蔽部材440及び接続部カバー426と他のバスダクト400の第1補強部424をビス等で固定する。その後、接続すべきバスダクト400を次々に接続部500で接続していき、新たなバスダクト幹線600が増設される。この際、新たに増設されたバスダクト幹線600は上記の通りまだ非導通状態であり、安全に作業を行うことができる。新たなバスダクト幹線600の接続が完了し、その後絶縁部材540を取り外して締着具510を本締着し、最後に被覆部材450で被覆することにより、全ての接続作業が完了することとなる。
【0063】
以上、本発明の第2実施例のバスダクト幹線の一部構造、他のバスダクト構造、バスダクトシステム及びバスダクトシステムの接続方法を使用することにより、第1実施例同様に他のバスダクトを接続する際に、通電状態の導体が露出せずに接続できると共に、接続作業時は通電状態の導体との接続を行う必要がないため、安全にバスダクトの接続を絶縁密着型バスダクトであっても行うことが可能となる。
【0064】
また、絶縁部材540に折り目541を設けていることから、スリット部442をより細くすることが可能となり、工具等を接続部に誤って挿入してしまう等の不具合を未然に防止することが可能となる。尚、スリット部442は必ずしも長方形状である必要はなく、絶縁部材に合わせてU字状に形成しても良く、より開口面積を減らすことが可能となる。
【0065】
<実施例の変形例等>
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は要旨の範囲内において、拡張及び変形が可能であり、各発明や実施例の構成の他に、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれ、例えば下記のような変形例も包含される。
【0066】
例えば、導電性部材は必須条件ではなく、また、導電性部材は板状の部材である必要はなく、
図9に示すようにクリップ状であっても良く、更に、絶縁部材の取り付け位置も既設のバスダクト幹線の導体と導電性部材の間である必要はない。
図9(a)に示すように、図示左側が既設のバスダクト幹線の導体711であって、図示右側が他のバスダクトの導体712の場合、既設のバスダクト幹線に導電性部材720が取り付けられており、他のバスダクトの導体712に絶縁部材740を設ける構成であっても良い。逆に、図示右側が他のバスダクトの導体711であって、図示左側が既設のバスダクト幹線の導体712の場合、他のバスダクトの導体711も導電性部材720が取り付けられており、既設のバスダクト幹線側の導体712に絶縁部材740を設ける構成であっても良い。また、
図9(b)に示すように、図示左側が既設のバスダクト幹線の導体711に導電性部材720が取り付けられた状態であって、図示右側が他のバスダクトの導体712である場合、既設のバスダクト幹線の導体711に取り付けられた導電性部材720の、他のバスダクトの導体712が接続される箇所に絶縁部材740を設ける構成であっても良く、逆に図示右側が他のバスダクトの導体711に導電性部材720が取り付けられた状態であって、図示右側が既設のバスダクトの導体712である場合、他のバスダクトの導体711に取り付けられた導電性部材720で既設のバスダクトの導体712が接続される箇所に絶縁部材740を設ける構成であっても良い。尚、この場合は、導体712を挿入する際に絶縁部材740が変形しないように先端部分に広がり部741を設けると好適である。また、
図9(c)に示すように、図示左側が既設のバスダクト幹線の導体711に絶縁部材740が設けられた状態で導電性部材720が取り付けられ、図示右側が他のバスダクトの導体712であっても良く、逆に図示左側が他のバスダクトの導体711に絶縁部材740を設けられた状態で導電性部材720が取り付けられ、図示右側が既設のバスダクト幹線の導体712であっても良い。また、
図9(d)に示すように、導電性部材720が一対の部材である必要がなく、1つの部材であっても良い。また、
図9(e)に示すように、導電性部材がなくても良く、この場合は他の部材で導体711・712相互間に圧力を与えれば良い。更に、絶縁部材は既設バスダクトの1本の導体、導電性部材、他のバスダクトの導体に対して1箇所である必要はなく、複数箇所設けても良く、例えば、既設バスダクト導体と接続導体の間及び接続導体と他のバスダクトの導体の間等に設けても良い。更に、複数線のバスダクトに対して、絶縁部材が取り付けられる位置は同一位置である必要もなく、バスダクトの導体の相毎に異なる位置に設けられていても良い。
【0067】
また、バスダクト幹線の一部構造は、必ずしもバスダクト幹線のエンド部である必要はなく、例えば
図10に示すように、既設のバスダクトの導体811の中間部分に立ち上がる方向に導電性部材820が取り付けられ、その導電性部材820の他のバスダクトの導体812が接続される箇所に絶縁部材830を設ける構成であっても良い。この場合、
図10(c)に示すように絶縁部材830は既設のバスダクトの導体811長さ方向に取り外す構成となる。また、当然のことながら、接続される他のバスダクトも端部で接続する必要はなく、中間部で接続しても良く、既設のバスダクトが端部で他のバスダクトが中間部、既設のバスダクトが中間部で他のバスダクトも中間部でも良い。
【0068】
また、第1実施例及び第2実施例ともに通常の接続部とエンド部に存在する接続部を同一仕様のものを使用し、絶縁部材のみ追加する構成について説明したが、当然のことながら、通常の接続部とエンド部の接続部の構造が違うものであっても良い。つまり、通常の接続部は、導体相互を重ね合わせて単にボルトナットで締着する接続部であっても良いこととなる。
【0069】
また、第1実施例及び第2実施例ともに導電性部材が絶縁部材を介して接続されている例を説明したが、例えば第1実施例の導電性部材に予め1本以上余分にバスダクト(通常よりも短い方が好適)を接続しておき、増設する際に他のバスダクトをその余分のバスダクトと接続し、最後に導電製剤の絶縁部材を取り外す構成であっても良い。この場合、本発明の構成要件である導電性部材は、接続導体及び予め余分に接続されたバスダクトの導体(複数接続されている場合等は接続部も追加される)を意味している。
【0070】
また、接続部が同相の導体を突き合わせて導電性部材を沿わせる所謂突き合わせ接続について説明したが、同相の導体を重ね合わせる所謂重ね合わせ接続であっても良く、この重ね合わせ接続をバスダクトシステムに使用する場合、重ね合される箇所に予め絶縁部材を介在させておけば良く、この場合は板状の絶縁部材を使用することが可能で、例えば
図9(e)のような構成となる。
【0071】
また、絶縁部材920として
図11(a)に示すように、可撓性を有し、上方部分(遮蔽部材から突出した部分)を一体化し、持ちやすくする構成にしても良く、また、
図11(b)に示すように、複数線(3線)からなるバスダクトの場合は全ての線における絶縁部材920が上方部分で一体化されていても良く、また、
図11(c)に示すように、複数線(3線)における絶縁部材920が別の連結部材921により一体化されていても良く、取り外し作業が容易となると共に、取り外し忘れも未然に防止することが可能となる。
【0072】
また、本発明のバスダクト及び接続部、エンド部等の構造は本実施例に限定されるものではなく、2線式以下のバスダクト、5線式以上のバスダクトであっても良く、更には導体に絶縁物を被覆し、一定距離離間するバスダクトであっても良い。
【0073】
また、遮蔽部材や被覆部材は必須条件でなく、無くても良く、沿面距離が確保されているのであれば、遮蔽部材が絶縁性である必要はない。
【0074】
また、第1実施例の操作部の操作は実施例に限定されず、予め全ての操作部を他のバスダクト側に把持部が位置するように配置しても良く、絶縁部材を取り外す際の180度の回転を省略することができる。また、既設のバスダクト幹線側は90度回転した状態(既設のバスダクトと接続導体が絶縁部材を挟んで挟持している状態)を通常の状態とし、絶縁部材を取り外す際に90度回転して挟持状態を緩めて取り外す構成としても良い。尚、接続導体の圧力があまりない場合等は、圧力がかかった状態で絶縁部材を取り外すことも可能である。更に、操作部による接続導体にかかる圧力の操作を実施例とは90度異なる構成としても良い。この場合、実施例の長辺が短辺となり、実施例の短辺が長辺となる。
【0075】
また、第1実施例の操作部は、エンド部のみ絶縁性を有すればよく、通常の接続部は導電性の操作部であっても良い。尚、エンド部の操作部は、絶縁性素材で成形する、或いは導電性の素材で形成し絶縁素材で被覆する等適宜であり、また、把持部のみ絶縁性であっても良い。
【0076】
また、エンド部においては操作部を抜き取らずに、導体を挟持した状態で放置しておいても良い。この場合、例えば被覆部材の内面に操作部の把持部が離反する方向に存在する場合は干渉し、90度回転した方向に存在する場合は干渉しないような突出部を設けると好適であり、操作部の操作忘れを未然に防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のバスダクト幹線の一部構造、他のバスダクト構造、バスダクトシステム及びバスダクトシステムの接続方法は、例えば通電状態で増設を行う必要のあるデータセンターなどで利用することができ、工場、マンション、オフィスビル等でも要望があれば利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
100、400・・・バスダクト
110、410、711、712、811、812・・・導体
120、420・・・ハウジング
140、440・・・遮蔽部材
200、500・・・接続部
210・・・接続導体(導電性部材)
230・・・操作部
240、540、740、830、920・・・絶縁部材
300、600・・・バスダクト幹線
502・・・導体継板(導電性部材)
720、820・・・導電性部材