(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】制御装置及び電動家具
(51)【国際特許分類】
A47C 17/04 20060101AFI20220318BHJP
A61G 7/015 20060101ALI20220318BHJP
A61G 7/012 20060101ALI20220318BHJP
A47C 21/00 20060101ALI20220318BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
A47C17/04 Z
A61G7/015
A61G7/012
A47C21/00
A47C7/62 Z
(21)【出願番号】P 2017088849
(22)【出願日】2017-04-27
【審査請求日】2019-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】細川 雄史
(72)【発明者】
【氏名】松本 孝樹
(72)【発明者】
【氏名】下川 真人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 友毅
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-121628(JP,U)
【文献】特開2012-040146(JP,A)
【文献】特表2000-515033(JP,A)
【文献】国際公開第2010/149788(WO,A1)
【文献】特開2000-312392(JP,A)
【文献】特開2016-095989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00- 7/74
A47C 17/00-23/34
A61G 7/00- 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動家具の可動部の上昇及び下降の一方の第1制御操作を受け付け可能な第1操作ボタンと、
前記第1制御操作を受け付け可能な第2操作ボタンと、
前記可動部の上昇及び下降の他方の第2制御操作を受け付け可能な第3操作ボタンと、
前記第2制御操作を受け付け可能な第4操作ボタンと、
前記第1操作ボタン、前記第2操作ボタン、前記第3操作ボタン、及び、前記第4操作ボタンが設けられた操作面を含む操作部と、
を備え、
前記操作面は、
前記第1操作ボタン及び前記第3操作ボタンが設けられた第1領域と、
前記第2操作ボタン及び前記第4操作ボタンが設けられ、前記第1領域と連続した第2領域と、
を含み、
前記第1領域は、
前記第2領域の色とは異なる色、
前記第2領域の表面凹凸とは異なる表面凹凸、及び、
前記第2領域の材料とは異なる材料、
の少なくともいずれかを有した電動家具の制御装置。
【請求項2】
前記第1操作ボタンは、
前記第2操作ボタンの大きさとは異なる大きさ、
前記第2操作ボタンの形とは異なる形、及び、
前記第2操作ボタンの色とは異なる色、
の少なくともいずれかを有した、請求項
1に記載の電動家具の制御装置。
【請求項3】
前記可動部は、背ボトム、膝ボトム、脚ボトム及び高さ変更部の少なくとも1つを含み、
前記可動部の上昇及び下降の前記一方は、前記背ボトムの上昇及び下降の一方、前記膝ボトムの上昇及び下降の一方、前記脚ボトムの上昇及び下降の一方、並びに、高さ変更部上昇及び下降の一方の少なくとも1つを含む、請求項
1または
2に記載の電動家具の制御装置。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1つに記載の制御装置を備えた電動家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置及び電動家具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高さや背もたれの角度を変更可能な電動家具(例えば、電動ベッドまたは電動椅子など)がある。これらの電動家具は、手元スイッチなどの制御装置(例えばリモートコントローラ:リモコン)により操作される。このような制御装置において、操作性の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、操作性を向上できる制御装置及び電動家具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、制御装置は、第1操作ボタン及び第2操作ボタンを含む。前記第1操作ボタンは、電動家具の可動部の上昇及び下降の一方の第1制御操作を受け付け可能である。前記第2操作ボタンは、前記第1制御操作を受け付け可能である。
別の実施形態によれば、制御装置は、操作部及びカバー部材を含む。前記操作部は、電動家具の可動部の制御操作を受け付け可能な複数の操作ボタンを含む。前記カバー部材は、前記複数の操作ボタンの一部と重なり前記複数の操作ボタンの他の一部と重ならない状態と、前記複数の操作ボタンの前記一部と重ならず前記複数の操作ボタンの前記他の一部とも重ならない状態と、を有する。
別の実施形態によれば、制御装置は、電動家具の複数の可動部の1つの第1制御操作を受け付け可能な操作ボタンと、前記複数の可動部の別の1つと、前記複数の可動部の前記1つと、の記憶された第2制御操作を受付可能な別の操作ボタンと、を含む。
別の実施形態によれば、上記のいずれか1つの制御装置と、前記可動部と、を含む電動家具が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、操作性を向上できる制御装置及び電動家具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係る制御装置及び電動家具を例示する模式図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る制御装置を例示する模式的斜視図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、第1実施形態に係る別の制御装置を例示する模式的平面図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る別の制御装置を例示する模式的平面図である。
【
図5】
図5(a)~
図5(c)は、第2実施形態に係る制御装置を例示する模式図である。
【
図6】第3実施形態に係る制御装置を例示する模式図である。
【
図7】実施形態に係る制御装置を含む別の電動家具を例示する模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1(a)及び
図1(b)は、第1実施形態に係る制御装置及び電動家具を例示する模式図である。
図1(a)は、斜視図である。
図1(b)は、平面図である。
図2(a)及び
図2(b)は、第1実施形態に係る制御装置を例示する模式的斜視図である。
【0010】
図1(a)に示すように、第1実施形態に係る制御装置130は、電動家具310と共に用いられる。制御装置130は、電動家具310の可動部70を制御することができる。制御装置130は、例えば、電動家具310のリモートコントローラ(リモコン)である。制御装置130は、例えば、手元スイッチである。制御装置130は、照明の入り切り機能、看護者または介護者の呼び出し機能、または、電源の入り切り機能などの種々の機能を有しても良い。
【0011】
電動家具310は、例えば、病院、介護施設、または、家庭などで使用される。
【0012】
この例では、電動家具310は、電動ベッドである。電動ベッドは、可動部70を有する。可動部70は、例えば、背ボトム70a、膝ボトム70b、脚ボトム70c及び高さ変更部70dなどを含む。背ボトム70a、膝ボトム70b及び脚ボトム70cにおいて、互いの角度は変更可能である。背ボトム70aの動作により、身体の上体の角度が変更可能である。背ボトム70aと膝ボトム70bとの間の角度の変更により、例えば、腰の角度が変更可能である。膝ボトム70bと脚ボトム70cとの間の角度の変更により、膝の角度が変更可能である。これらの角度は、連動して変化しても良い。高さ変更部70dは、例えば、床面とベッド面との間の距離(高さ)を変更可能である。これらの可動部70には、例えばアクチュエータなどが用いられる。可動部70の動作により、「背上げ」、「膝上げ」及び「高さ調整」などの少なくともいずれかが可能である。
【0013】
制御装置130は、上記の可動部70と電気的に接続される。制御装置130と可動部70との間に、制御回路が設けられても良い。このように、間に他の回路が設けられる場合も、電気的に接続される状態に含まれる。
【0014】
図1(a)に示すように、制御装置130は、ケーブル15により、電動家具310と接続される。制御装置130は、無線通信により、電動家具310と接続されても良い。制御装置130は、操作部10を含む。
【0015】
図2(a)に示すように、制御装置130(操作部10)は、第1面10a及び第2面10bを有する。第2面10bは、第1面10aと反対側の面である。第1面10aは、例えば、表側の面である。第2面10bは、例えば、裏面である。第1面10aは、例えば、操作面である。
【0016】
第1面10aに、複数の操作ボタン(操作ボタン20及び操作ボタン26など)が設けられる。一方、
図2(b)に示すように、第2面10bに、スイッチ50が設けられても良い。スイッチ50は、例えば、任意の機能を有することができる。スイッチ50は、例えば、制御装置130のオン/オフなどのスイッチとして機能しても良い。
【0017】
図1(b)及び
図2(a)に示すように、第1面10aに表示領域28が設けられても良い。表示領域28は、例えば、電動家具310の可動部70に関する情報(ボトムの角度や高さなど)を表示可能である。表示領域28は、複数の操作ボタン20の機能または動作状態に関する情報を表示しても良い。
【0018】
図1(b)及び
図2(a)に示すように、制御装置130(操作部10)は、操作ボタン20及び操作ボタン26を含む。操作ボタン26は、例えば、電動家具310(例えば電動ベッドなど)の使用者(例えば被介護者)が操作するのに適している。操作ボタン20は、例えば、介護者が操作するのに適している。介護者は、使用者の介護を行う。
【0019】
例えば、複数の操作ボタン20が設けられる。複数の操作ボタン20により、電動家具310の複数の可動部70を個別に制御できる。複数の操作ボタン20による可動部70の動作の種類は複数である。
【0020】
一方、操作ボタン26の機能はシンプルである。操作ボタン26の数は、操作ボタン20の数よりも少ない。
【0021】
以下、操作ボタン20の例について説明する。
図1(b)に示すように、複数の操作ボタン20は、「連動」に関する上昇のボタン21a、「連動」に関する下降のボタン21b、「頭」に関する上昇のボタン22a、「頭」に関する下降のボタン22b、「足」に関する上昇のボタン23a、「足」に関する下降のボタン23b、「高さ」に関する上昇降のボタン24a、及び、「高さ」に関する下降のボタン24bなどを含む。
【0022】
例えば、「頭」に関する上昇のボタン22aが押されると、背ボトム70aの角度が大きくなる。例えば、「頭」に関する下降のボタン22bが押されると、背ボトム70aの角度が小さくなる。例えば、「足」に関する上昇のボタン23aが押されると、膝ボトム70b及び脚ボトム70cの角度が大きくなる。例えば、「足」に関する下降のボタン23bが押されると、膝ボトム70b及び脚ボトム70cの角度が小さくなる。これらの角度は、例えば、水平面からの角度である。例えば、「高さ」に関する上昇のボタン24aが押されると、ベッド面が高くなる。例えば、「高さ」に関する下降のボタン24bが押されると、ベッド面が低くなる。例えば、「連動」に関する上昇のボタン21aが押されると、「頭」及び「足」が連動して変化する。例えば、「連動」に関する下降のボタン21bが押されると、「頭」及び「足」が連動して変化する。これらの変化は、可動部70の動作により行われる。例えば、操作ボタンを押し続けている期間に、上記の動作が行われる。これにより、安全な動作が得られる。
【0023】
一方、例えば、操作ボタン26により、上記の操作ボタン20(ボタン22a~24b)のいずれかの制御動作が可能である。操作ボタン26は、例えば、ボタン26a及び26bを含む。ボタン26aの機能は、例えば、ボタン21aの機能と同じである。ボタン26bの機能はボタン21bの機能と同じである。
【0024】
このように、実施形態においては、同じ機能を有する複数のボタンが設けられる。制御装置130は、第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)及び第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)を含む。第1操作ボタンは、電動家具310の可動部70の上昇及び下降の一方の第1制御操作を受け付け可能である。この例では、第1操作ボタン(ボタン26a)が押されることで、「頭」及び「足」が連動して変化する。そして、第2操作ボタン(ボタン21a)を押したときも、「頭」及び「足」が連動して変化する。
【0025】
このように、同じ機能を有する複数のボタンが設けられる。電動家具310の使用者は、第1操作ボタン(ボタン26a)を押すことを意識し、第2操作ボタン(ボタン21a)を押すことを意識しないで良い。このため、使用者が制御装置130を誤って操作することが抑制される。使用者において、制御装置130の制御性が向上する。一方、介護者においては、第2操作ボタン(ボタン21a)を含む複数の操作ボタン20(ボタン21a~24b)を操作できる。これにより、介護者は、電動家具310の複数の可動部70を個別に細かく制御できる。
【0026】
電動家具310の使用者にとって複雑な操作ボタンは、煩雑であり、誤動作が生じ易い。一方、介護者においては、電動家具310の可動部70を細かく所望の状態に制御したいと望む。使用者が望む制御と、介護者が望む制御と、が互いに異なっている。使用者は、シンプルな制御を望む。介護者は、シンプルさではなく、所望の状態を得るための高度な制御を望む。
【0027】
このような事情において、使用者用の制御装置と、介護者用の制御装置と、を別に設ける参考例が考えられる。すなわち、この参考例では2つのリモートコントローラが設けられる。しかし、この場合は、制御装置(リモートコントローラ)の数が増え、無駄である。価格の上昇に繋がる。
【0028】
本実施形態においては、1つの制御装置130に、同じ機能を有する複数の操作ボタンを設ける。これにより、たとえば、使用者は、第1制御ボタン(例えば、ボタン26a)を操作する。このとき、使用者は、第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)などを含む複数の操作ボタン20を気にしなくて良い。一方、介護者は、第2操作ボタン(例えば,ボタン21a)などを含む複数の操作ボタン20を使うことで、所望の状態を設定できる。同じ機能を有する複数の操作ボタンを1つの制御装置130に設けるという特殊な構成は、使用者が望む制御と介護者が望む制御とが互いに異なっているという認識の基で創出されたものである。
【0029】
上記のような第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)及び第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)を設ける場合、以下のような第3操作ボタン(例えば、ボタン26b)及び第4操作ボタン(例えば、ボタン21b)をさらに設けることが好ましい。
【0030】
第1操作ボタン及び第3操作ボタンは、1つの対となる。第2操作ボタン及び第4操作ボタンは、別の1つの対となる。
【0031】
既に説明したように、第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)は、電動家具310の可動部70の上昇及び下降の一方の第1制御操作を受け付け可能である。第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)も、この第1制御操作を受け付け可能である。例えば、第1制御操作は、「連動」に関する上昇である。
【0032】
一方、第3操作ボタン(例えば、ボタン26b)は、可動部70の上昇及び下降の他方の第2制御操作を受け付け可能である。第4操作ボタン(例えば、ボタン21b)も、この第2制御操作を受け付け可能である。例えば、第2制御操作は、「連動」に関する下降である。
【0033】
このように、可動部の1つの機能について、上昇または下降の2つの制御操作(対となる制御操作)がある。このとき、2つの制御操作のそれぞれに対応して複数のボタンが設けられる。第1制御ボタン及び第3制御ボタンを電動家具310の使用者が操作するときにおいて、シンプルな制御が可能である。第2制御ボタン及び第4制御ボタンを介護者が操作するときにおいて、所望の状態を得るための高度な制御が可能である。使用者及び介護者の両方において、良好な操作性が得られる。
【0034】
上記の例では、第1操作ボタン及び第2操作ボタンは、「連動」に関するボタンである。これらのボタンは、他の制御動作に関しても良い。例えば、第1操作ボタン及び第2操作ボタンは、「頭」、「足」または「高さ」に関しても良い。第1操作ボタン及び第2操作ボタンは、複数の可動部70の制御の任意の1つに関する。
【0035】
図1(b)に示すように、制御装置130においては、操作部10は、操作面(第1面10a)を含む。この操作面(第1面10a)に、第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)及び第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)が設けられる。第1操作ボタンは、第2操作ボタンと、この操作面(第1面10a)上で並ぶ。同様に、操作面(第1面10a)に、第3操作ボタン(例えば、ボタン26b)及び第4操作ボタン(例えば、ボタン21b)が設けられる。第3操作ボタンは、第4操作ボタンと、この操作面(第1面10a)上で並ぶ。このように、使用者用の操作ボタン26が、介護者用の操作ボタン20と同じ面上(同じ面内)にあっても良い。後述するように、使用者用の操作ボタン26が、介護者用の操作ボタン20とは異なる面上にあっても良い。
【0036】
使用者用の操作ボタン26が、介護者用の操作ボタン20と同じ面上にある場合に、これらをより識別し易くすることか好ましい。以下のような構成を適用することで、例えば、識別性が向上できる。
【0037】
図1(b)に示すように、操作面(第1面10a)は、第1領域10apと、第2領域10aqと、を含む。第1領域10apにおいて、第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)が設けられる。第2領域10aqにおいて、第2操作ボタン(例えば、ボタン21aなど)が設けられる。後述するように、これらの領域において、色、表面凹凸、または、材料が互いに異なっても良い。
【0038】
図3(a)及び
図3(b)は、第1実施形態に係る別の制御装置を例示する模式的平面図である。
図3(a)に示すように、制御装置130aにおいては、第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)の大きさは、第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)の大きさとは異なる。第3操作ボタン(例えば、ボタン26b)の大きさは、第4操作ボタン(例えば、ボタン21b)の大きさとは異なる。第1操作ボタンは、第2操作ボタンよりも大きい。第3操作ボタンは、第4操作ボタンよりも大きい。これにより、第1操作ボタン及び第3操作ボタンは、第2操作ボタン及び第4操作ボタンと比べて、見易い。操作が容易になる。これにより、例えば、使用者において、良好な操作性が得られる。一方、介護者用の操作ボタン20においては、サイズが小さい。このため、所定の面積の操作面(第1面10a)内に、多くの操作ボタンを設けることができる。複雑で高度な制御が可能になる。
【0039】
図3(b)に示すように、制御装置130bにおいては、第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)の形は、第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)の形とは異なる。第3操作ボタン(例えば、ボタン26b)の形は、第4操作ボタン(例えば、ボタン21b)の形とは異なる。例えば、第1操作ボタン及び第3操作ボタンにおいて、より感覚的に把握し易い形が適用される。より良好な操作性が得られる。
【0040】
この他、使用者用の操作ボタン26の色などを、介護者用の操作ボタン20の色とは変えても良い。これにより、操作ボタン26と操作ボタン20とをより区別し易くできる。
【0041】
このように、例えば、第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)は、第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)の大きさとは異なる大きさ、第2操作ボタンの形とは異なる形、及び、第2操作ボタンの色とは異なる色、の少なくともいずれかを有しても良い。
【0042】
実施形態において、操作面(第1面10a)に、第1領域10ap及び第2領域10aqが設けられる。例えば、第1領域10apは、第2領域10aqの色とは異なる色、第2領域10aqの表面凹凸とは異なる表面凹凸、及び、第2領域10aqの材料とは異なる材料、の少なくともいずれかを有しても良い。これにより、例えば、第1操作ボタンと第2操作ボタンとの区別がより分かりやすくなる。例えば、操作ボタン26と操作ボタン20とをより区別し易くできる。
【0043】
図4(a)及び
図4(b)は、第1実施形態に係る別の制御装置を例示する模式的平面図である。
これらの図は、制御装置131における2つの状態を示している。
制御装置131は、第1部材11及び第2部材12を含む。第1部材11には、第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)及び第3操作ボタン(例えば、ボタン26b)を含む操作ボタン26が設けられる。第2部材12には、第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)及び第4操作ボタン(例えば、ボタン21b)を含む操作ボタン20が設けられる。
【0044】
第1部材11は、
図4(a)に示す第1状態、及び、
図4(b)に示す第2状態を有する。第1状態において、第1部材11は、第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)の少なくとも一部と重なる。第2状態において、第1部材11は、第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)と重ならない。
【0045】
第1部材11は、例えば、蓋状である。第1状態において、第1部材11は、介護者用の操作ボタン20を覆う。第2状態において、介護者用の操作ボタン20は、第1部材11に覆われない。
【0046】
第1状態において、使用者は、第1部材11に設けられた第1操作ボタン(例えば、ボタン26a)及び第3操作ボタン(例えば、ボタン26b)を操作する。このとき、介護者用の操作ボタン20は、第1部材11により隠されている。このため、使用者は、どのボタンを押せば良いかが簡単に分かる。一方、第2状態において、介護者は、第1部材11を第2部材12の上から移動させ、第1部材12に設けられた第2操作ボタン(例えば、ボタン21a)などを含む操作ボタン20を操作できる。これにより、複雑で高度な制御ができる。
【0047】
制御装置131においても、制御性の高い制御装置が得られる。
【0048】
図4(a)及び
図4(b)に示した例では、第1部材11は、第2部材12に対して相対的に回転することで、上記の2つの状態が形成可能である。第1部材11は、第2部材12に対して相対的にスライドすることで、上記の2つの状態が形成可能でも良い。このように、例えば、第1部材11は、第2部材12に対して、回転可能、または、スライド可能でも良い。
【0049】
実施形態において、第1部材11と第2部材12との間において、色、表面凹凸、または、材料が互いに異なっても良い。例えば、第1部材11は、第2部材12の色とは異なる色、第2部材12の表面凹凸とは異なる表面凹凸、及び、第2部材12の材料とは異なる材料、の少なくともいずれかを有しても良い。これにより、例えば、第1操作ボタンと第2操作ボタンとの区別がより分かりやすくなる。例えば、操作ボタン26と操作ボタン20とをより区別し易くできる。
【0050】
(第2実施形態)
図5(a)~
図5(c)は、第2実施形態に係る制御装置を例示する模式図である。
図5(a)は、斜視図である。
図5(b)及び
図5(c)は、異なる2つの状態を例示する平面図である。
【0051】
第2実施形態に係る制御装置132も、
図1(a)に関して説明した電動家具310と共に用いられる。制御装置132は、電動家具310に設けられる可動部70を制御する。制御装置132は、例えば、手元スイッチである。
【0052】
図5(a)に示すように、制御装置132は、複数の操作ボタン20及びカバー部材18を含む。複数の操作ボタン20は、電動家具310の可動部70の制御操作を受け付け可能である。この例では、複数の操作ボタン20は、既に説明したボタン21a~24bなどを含む。
【0053】
カバー部材18は、少なくとも2つの状態(第1状態及び第2状態)を有する。
【0054】
図5(c)に示すように、第1状態においては、カバー部材18は、複数の操作ボタン20の一部と重なり、複数の操作ボタン20の他の一部と重ならない。この例では、カバー部材18は、ボタン22a~24bと重なり、ボタン21a及び21bと重ならない。
【0055】
図5(b)に示すように、第2状態においては、カバー部材18は、複数の操作ボタン20の上記の一部と重ならず、複数の操作ボタン20の上記の他の一部とも重ならない。第2状態においては、例えば、複数の操作ボタン20は、カバー部材18に覆われない。
【0056】
例えば、電動家具310の使用者は、
図5(c)に示す第1状態において、制御装置132を使用する。第1状態においては、使用者が操作するボタン(ボタン21a及びボタン21b)だけが露出している。使用者が操作しないボタン(ボタン22a~24b)は、カバー部材18に覆われている。使用者は、操作しないボタンを見ない。使用者は、どのボタンを押すかが分かりやすい。
【0057】
一方、介護者は、
図5(b)に示す第2状態において、制御装置132を操作する。第2状態においては、例えば、複数の操作ボタン20の全てが見える。これにより、電動家具310を所望の状態に制御できる。複雑で高度な制御が実施できる。
【0058】
制御装置132により、使用者と介護者との両方において、良好な操作性が提供できる。
【0059】
図5(a)~
図5(c)に示した例では、カバー部材18は、回転扉型である。これにより、上記の第1状態及び第2状態を形成する。本実施形態において、カバー部材18は、スライド型でも良い。この場合も、第1状態及び第2状態が形成できる。
【0060】
このように、カバー部材18は、操作部10に対して回転可能でも良い。カバー部材18は、操作部10に対して相対的にスライド移動しても良い。相対的なスライド移動の方向は、例えば、操作部10の長手方向(表示の上下方向)である。カバー部材18は、操作部10に対して着脱可能でも良い。カバー部材18の着脱により、上記の第1状態及び第2状態が形成可能でも良い。
【0061】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る制御装置を例示する模式図である。
図6に示すように、本実施形態に係る制御装置133は、操作ボタン(この例では、操作ボタン20)及び、別の操作ボタン(この例では、操作ボタン26)を含む。操作ボタン26は、例えば、ボタン26a及びボタン26bの少なくともいずれかを含む。操作ボタン20は、ボタン22a~24bの少なくともいずれかを含む。
【0062】
既に説明したように、電動家具310(例えば電動ベッドなど)において、複数の可動部70が設けられる。複数の可動部70は、例えば、背ボトム70a、膝ボトム70b、脚ボトム70c及び高さ変更部70dなどを含む。
【0063】
本実施形態において、操作ボタン20は、電動家具310の複数の可動部70の1つの第1制御操作を受け付け可能である。例えば、操作ボタン20の1つであるボタン22aは、「頭」に関する上昇の制御操作を受け付ける。
【0064】
一方、別の操作ボタン(操作ボタン26)は、複数の可動部70の別の1つと、複数の可動部70の上記の1つと、の第2制御操作を受付可能である。複数の可動部70の別の1つは、例えば、「足」の制御である。複数の可動部70の上記の1つは、「頭」の制御である。このような第2制御操作により得られる可動部70の状態は、記憶されている。すなわち、別の操作ボタン(操作ボタン26)を操作することで、複数の可動部70の少なくとも2つが、記憶された状態になる。
本実施形態によっても、操作性を向上できる制御装置が提供できる。第2制御操作により得られる可動部70の状態は、例えば、制御装置133及び電動家具310の少なくともいずれかに設けられる任意の記憶部に記憶されても良い。
【0065】
図7は、実施形態に係る制御装置を含む別の電動家具を例示する模式的斜視図である。
図7に示すように、電動家具311は、電動椅子である。電動家具311は、可動部70を含む。可動部70は、例えば、背もたれ部70e及び座面部70fを含む。実施形態に係る制御装置130(または130a、130b、131または132など)により、これらの可動部70が制御される。電動家具311においても、操作性を向上できる電動家具が提供できる。
【0066】
実施形態によれば、操作性を向上できる制御装置及び電動家具が提供できる。
【0067】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、制御装置に含まれる操作ボタン、操作部、第1部材、第2部材及びカバー部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0068】
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0069】
その他、本発明の実施形態として上述した制御装置及び電動家具を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての制御装置及び電動家具も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0070】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0071】
10…操作部、 10a…第1面(操作面)、 10ap、10aq…第1、第2領域、 10b…第2面、 11…第1部材、 12…第2部材、 15…ケーブル、 18…カバー部材、 20…操作ボタン、 21a…ボタン(第2操作ボタン)、 21b…ボタン(第4操作ボタン)、 22a~24b…ボタン、 26…操作ボタン、 26a…ボタン(第1操作ボタン)、 26b…ボタン(第3操作ボタン)、 50…スイッチ、 28…表示領域、 70…可動部、 70a…背ボトム、 70b…膝ボトム、 70c…脚ボトム、 70d…高さ変更部、 70e…背もたれ部、 70f…座面部、 130、130a、130b、131、132、133…制御装置、 310、311…電動家具