(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】揚重管理システム、及び揚重管理方法
(51)【国際特許分類】
B66C 13/46 20060101AFI20220318BHJP
B66C 13/00 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
B66C13/46 G
B66C13/00 Z
(21)【出願番号】P 2017220445
(22)【出願日】2017-11-15
【審査請求日】2020-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 康浩
(72)【発明者】
【氏名】中村 寛
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-046184(JP,A)
【文献】特開2013-129503(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00727382(EP,A2)
【文献】特開2004-362088(JP,A)
【文献】特開2009-208878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00
B66C 13/46
B66C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ入力端末と、稼働ログ取得装置と、揚重管理サーバと、を有する揚重管理システムであって、
前記データ入力端末は、
揚重装置による揚重の内容に関する揚重情報の入力を受け付ける入力部と、
計測の開始及び終了が前記入力部から入力されることに応じて、前記揚重に要した揚重の開始から終了までの揚重時間を計測する揚重時間計測部と、
前記揚重時間を含む、前記入力部によって入力された前記揚重情報を前記揚重管理サーバへ送信する揚重情報送信部と、
を備え、
前記稼働ログ取得装置は、
前記揚重情報に基づく前記揚重における前記揚重装置の稼働ログを取得する稼働ログ取得部と、
前記稼働ログ取得部によって取得された前記稼働ログを前記揚重管理サーバへ送信する稼働ログ送信部と、
を備え、
前記揚重管理サーバは、
前記揚重情報送信部から送信された前記揚重情報と、前記稼働ログ送信部から送信された前記稼働ログと、を記憶する記憶部、
を備えることを特徴とする揚重管理システム。
【請求項2】
前記揚重管理サーバは、
前記揚重情報と前記稼働ログとを対応付けて集計した揚重実績データを、前記揚重装置を利用するユーザごとに生成する集計部
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の揚重管理システム。
【請求項3】
前記データ入力端末は
、
前記集計部は、前記揚重時間計測部によって計測された前記揚重時間に基づいて集計した前記揚重実績データを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の揚重管理システム。
【請求項4】
前記入力部は、揚重単価を示す前記揚重情報の入力を受け付け、
前記集計部は、前記入力部によって受け付けられた前記揚重情報に基づく前記揚重単価に基づいて、前記揚重における揚重費用を示す揚重費集計表を生成する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の揚重管理システム。
【請求項5】
入力部が、揚重装置による揚重の内容に関する揚重情報の入力を受け付ける入力ステップと、
計測の開始及び終了が前記入力ステップにおいて入力されることに応じて、前記揚重に要した揚重の開始から終了までの揚重時間を計測する揚重時間計測ステップと、
稼働ログ取得部が、前記揚重情報に基づく前記揚重における前記揚重装置の稼働ログを取得する稼働ログ取得ステップと、
記憶部が、前記
揚重時間を含む揚重情報と前記稼働ログとを記憶する記憶ステップと、
を有することを特徴とする揚重管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揚重管理システム、及び揚重管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高層ビル等の建物の建設現場には、多くの資材が搬入される。ここで搬入される資材としては、例えば、建築資材、設備資材、躯体材、及び仮設材等、様々なものがある。これらの搬入された資材、仮設機械、及び作業員(以下、これらを「資材等」と総称する)は、建設現場に設置された揚重エレベータ及びクレーン等の揚重装置によって、建設中の建物内部の各階へと揚重される。特に大規模な建設現場においては、揚重装置は、多数の施工業者によって頻繁に利用される。そのため、施工業者間で揚重装置を効率的に共用することが求められる。例えば、特許文献1に記載の資材揚重管理システムは、揚重装置の利用スケジュール情報をデータベースにより一元管理し、当該利用スケジュール情報の集計及び出力を行うことにより揚重作業の効率化を図る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特に中規模以上の建設現場においては、揚重専門業者が施工業者各社の揚重作業を一括して請け負うことがある。この場合、揚重専門業者が施工業者各社に対して、実施した揚重作業に対する労務費を請求するが、そのためには揚重実績を記録しておく必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の資材揚重管理システムは、揚重装置の利用スケジュールを管理するが、揚重実績の記録は行わない。従来、揚重専門業者は、例えば、建設現場において揚重実績を手書きのメモ等によって逐次記録していたため、揚重実績の記録及び集計に手間が掛かるという課題があった。また、手作業での記録によって揚重実績が現場内で埋没し、当該揚重実績が次の揚重作業計画に対して活かされないという課題があった。上述の課題を鑑み、本発明は、効率的に揚重実績を記録し一元管理することができる揚重管理システム、及び揚重管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様としては、データ入力端末と、稼働ログ取得装置と、揚重管理サーバと、を有する揚重管理システムであって、前記データ入力端末は、揚重装置による揚重の内容に関する揚重情報の入力を受け付ける入力部と、計測の開始及び終了が前記入力部から入力されることに応じて、前記揚重に要した揚重の開始から終了までの揚重時間を計測する揚重時間計測部と、前記揚重時間を含む、前記入力部によって入力された前記揚重情報を前記揚重管理サーバへ送信する揚重情報送信部と、を備え、前記稼働ログ取得装置は、前記揚重情報に基づく前記揚重における前記揚重装置の稼働ログを取得する稼働ログ取得部と、前記稼働ログ取得部によって取得された前記稼働ログを前記揚重管理サーバへ送信する稼働ログ送信部と、を備え、前記揚重管理サーバは、前記揚重情報送信部から送信された前記揚重情報と、前記稼働ログ送信部から送信された前記稼働ログと、を記憶する記憶部、を備えることを特徴とする揚重管理システムである。
【0006】
また、本発明の一態様としては入力部が、揚重装置による揚重の内容に関する揚重情報の入力を受け付ける入力ステップと、計測の開始及び終了が前記入力ステップにおいて入力されることに応じて、前記揚重に要した揚重の開始から終了までの揚重時間を計測する揚重時間計測ステップと、稼働ログ取得部が、前記揚重情報に基づく前記揚重における前記揚重装置の稼働ログを取得する稼働ログ取得ステップと、記憶部が、前記揚重時間を含む揚重情報と前記稼働ログとを記憶する記憶ステップと、を有することを特徴とする揚重管理方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、効率的に揚重実績を記録し一元管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】揚重管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】稼働ログ取得装置による稼働ログ取得を説明するための図である。
【
図3】揚重管理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図4】データ入力端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】データ入力端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】データ入力端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】データ入力端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】データ入力端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
[揚重管理システムの全体構成]
以下、揚重管理システムの全体構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る揚重管理システムの全体構成を示すブロック図である。揚重管理システム1は、揚重装置LFに付設される情報システムである。本実施形態においては、揚重装置LFは、高層建築物の建設現場に設置された仮設の揚重エレベータであるものとする。なお、本発明を適用することができる揚重装置は、揚重エレベータに限られるものではない。本発明は、例えば、タワークレーンや移動式クレーン等のその他の揚重装置に対しても適用することができる。
図1に図示するように、揚重管理システム1は、データ入力端末10と、稼働ログ取得装置20と、揚重管理サーバ30と、出力装置40と、通信ネットワーク50と、を含んで構成される。
【0011】
データ入力端末10は、揚重エレベータである揚重装置LFの籠(例えば箱状の、資材等を載せる構造物)の中において、揚重装置LFのオペレータによって用いられる端末装置である。データ入力端末10は、例えば、タブレット型の小型情報端末、スマートフォン、またはパーソナルコンピュータであり、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30と通信接続する。
【0012】
図1に図示するように、データ入力端末10は、入力部11と、揚重情報送信部12と、揚重時間計測部13と、を含んで構成される。入力部11は、揚重装置LFのオペレータの操作による揚重情報の入力を受け付ける。ここでいう揚重情報とは、例えば、揚重される資材等の種別、委託会社名(施工業者名)、揚重資材名、及び積込階や行先階等の揚重に関する内容を示す情報である。入力部11は、例えばタッチパネル等の入力デバイスを含んで構成される。なお、入力部11は、キーボード、マウス、またはポインティングデバイス等を含むような構成であってもよい。揚重情報送信部12は、入力部11によって入力された揚重情報を、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30へ送信する。揚重情報送信部12は、通信ネットワーク50を介して外部の装置と通信接続するための通信インターフェースである。揚重時間計測部13は、揚重開始時刻及び揚重終了時刻を計測する。なお、計測された揚重開始時刻及び揚重終了時刻は、揚重情報送信部12により、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30へ送信される。
【0013】
稼働ログ取得装置20は、揚重装置LFに接続された装置であり、揚重装置LFの稼働ログを取得する。稼働ログ取得装置20は、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30と通信接続することができる。
【0014】
図1に図示するように、稼働ログ取得装置20は、稼働ログ取得部21と、稼働ログ送信部22と、を含んで構成される。稼働ログ取得部21は、揚重装置LFの稼働ログを取得する。稼働ログ送信部22は、稼働ログ取得部21によって取得された稼働ログを、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30へ送信する。
【0015】
以下、稼働ログ取得装置20による稼働ログの取得について、
図2を参照しながらさらに詳しく説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る揚重管理システムの稼働ログ取得装置による稼働ログ取得を説明するための図である。図示するように、揚重装置LFは、コントローラLF1と、運転操作部LF2と、センサー部LF3と、動力部LF4と、を備えている。
【0016】
コントローラLF1は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)等の制御装置である。運転操作部LF2は、オペレータが揚重装置LFを操縦する(籠を移動させる)ための操作入力を行うための入力デバイスである。運転操作部LF2は、当該操作入力に基づく操作状態を示す情報をコントローラLF1へ出力する。センサー部LF3は、揚重装置LFの機器状態を検知するセンサーを含んで構成される。センサー部LF3は、検知した機器状態を示す情報をコントローラLF1へ出力する。動力部LF4は、運転操作部LF2から出力された操作状態を示す情報を、コントローラLF1を介して取得する。動力部LF4は、取得した操作状態を示す情報に基づいて、揚重装置LFを作動させる(籠を移動させる)。また、動力部LF4は、作動させた揚重装置LFの機器状態を検知する。動力部LF4は、検知した機器状態を示す情報をコントローラLF1へ出力する。また、コントローラLF1は、運転操作部LF2から取得した操作状態を示す情報、センサー部LF3から取得した機器状態を示す情報、及び動力部LF4から取得した機器状態を示す情報に基づいて、揚重装置LFの稼働ログを生成する。
【0017】
稼働ログ取得装置20の稼働ログ取得部21は、定期的に(例えば、1秒毎に)コントローラLF1にアクセスし、揚重装置LFの稼働ログの読み出しを行う。ここでいう稼働ログとは、例えば、荷重、階数、電流/電圧値、及び警報/故障情報等である。稼働ログ取得部21は、取得した複数の稼働ログを、時系列に並べて、揚重管理サーバ30へ送信するためのデータ形式(例えば、CSV形式)に加工した稼働ログファイルを生成する。稼働ログ取得部21は、一定期間(例えば、600秒間)分の稼働ログ毎に1つの稼働ログファイルを生成し、生成した稼働ログファイル(以下、単に「稼働ログ」とも言う)を稼働ログ送信部22へ出力する。稼働ログ送信部22は、稼働ログ取得部21から出力された稼働ログを、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30へ送信する。
【0018】
再び
図1に戻って説明する。揚重管理サーバ30は、データ入力端末10から送信された揚重情報、及び、稼働ログ取得装置20から送信された稼働ログを取得する。揚重管理サーバ30は、取得した揚重情報及び稼働ログを、自動的に(例えば、取得する毎に、または一定期間ごとに)、あるいは出力装置40からの要求(指示)に応じて、集計したり加工したりする。揚重管理サーバ30は、集計や加工をしたデータ(以下、「揚重実績データ」とも言う)を、出力装置40からの要求に応じて出力する。
【0019】
揚重管理サーバ30は、例えば、インターネット上に構築されたクラウド環境に接続されたクラウドサーバである。揚重管理サーバ30は、例えば、汎用コンピュータ等の情報処理装置を含んで構成される。
図1に図示するように、揚重管理サーバ30は、通信部31と、記憶部32と、集計部33と、を含んで構成される。
【0020】
通信部31は、通信ネットワーク50を介して外部の装置と通信接続するための通信インターフェースである。通信部31は、データ入力端末10の揚重情報送信部12から送信された揚重情報(揚重時間計測部13によって計測された揚重時間を示す情報を含む)を、通信ネットワーク50を介して受信する。また、通信部31は、稼働ログ取得装置20の稼働ログ送信部22から送信された稼働ログを、通信ネットワーク50を介して受信する。通信部31は、受信した揚重情報及び稼働ログを、記憶部32に記憶させる。また、通信部31は、出力装置40から送信されたデータ取得要求を取得する。通信部31は、取得したデータ取得要求に応じて、記憶部32に記憶された揚重実績データ、あるいは集計部33によって随時集計された揚重実績データを、通信ネットワーク50を介して出力装置40へ送信する。
【0021】
記憶部32は、通信部31が受信した揚重情報及び稼働ログを記憶する。また、記憶部32は、集計部33によって揚重情報及び稼働ログが集計・加工された揚重実績データを記憶する。記憶部32は、例えば、HDD(Hard Disk Drive;ハードディスクドライブ)、半導体メモリ等の記憶媒体、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0022】
集計部33は、記憶部32に記憶された揚重情報及び稼働ログを、自動的に、あるいは出力装置40からの要求に応じて、集計したり加工したりする。集計部33は、例えば、揚重情報及び稼働ログを集計してグラフ化した揚重実績データを生成したり、揚重情報及び稼働ログを帳票形式の揚重実績データに加工したりする。集計部33は、集計・加工した揚重実績データを記憶部32に記憶させる。なお、グラフ化した揚重実績データとは、例えば、揚重実績グラフ、稼働率集計グラフ、フロア別集計グラフ、資材別集計グラフ、及び資機材管理グラフ等である。また、帳票形式の揚重実績データとは、例えば、委託会社(施工会社)毎に揚重費用を集計した揚重費集計表等である。
【0023】
出力装置40は、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30へ、データ取得要求を送信する。データ取得要求は、例えば、ユーザによる操作入力に基づいて生成される。出力装置40は、送信したデータ取得要求に応じて揚重管理サーバ30から送信された揚重実績データを、通信ネットワーク50を介して取得する。出力装置40は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
【0024】
図1に図示するように、出力装置40は、出力部41を含んで構成される。出力部41は、上記取得した揚重実績データに基づくグラフ及び帳票等を表示する。出力部41は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0025】
通信ネットワーク50は、例えば、インターネットであり、有線の通信ネットワークであってもよいし、一部または全部が無線の通信ネットワークであってもよい。例えば、データ入力端末10及び稼働ログ取得装置20は、無線通信によって当該無線通信の通信基地局(アクセスポイント)にアクセスしてインターネットに接続し、当該インターネットを介して揚重管理サーバ30と通信接続する。
【0026】
[揚重管理システムの動作]
以下、揚重管理システム1の動作の一例について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る揚重管理システムの動作を示すフローチャートである。本フローチャートが示す揚重管理システム1の動作は、定期的に(例えば、1秒毎に)開始する。(ステップS001)データ入力端末10の入力部11に、揚重装置LFのオペレータの操作による揚重情報の入力があった場合、ステップS003へ進む。そうでない場合、ステップS002へ進む。(ステップS002)稼働ログ取得装置20の稼働ログ取得部21が揚重装置LFの稼働ログを取得した場合、ステップS006へ進む。そうでない場合、ステップS001へ戻る。(ステップS003)データ入力端末10の入力部11は、入力された揚重情報を、揚重情報送信部12へ出力する。揚重情報送信部12は、入力部11から出力された揚重情報を取得し、取得した揚重情報を、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30へ送信する。その後、ステップS004へ進む。(ステップS004)揚重管理サーバ30の通信部31は、データ入力端末10の揚重情報送信部12から送信された揚重情報を受信する。通信部31は、受信した揚重情報を記憶部32に記憶させる。その後、ステップS005へ進む。(ステップS005)稼働ログ取得装置20の稼働ログ取得部21が揚重装置LFの稼働ログを取得した場合、ステップS006へ進む。そうでない場合、ステップS008へ進む。(ステップS006)稼働ログ取得装置20の稼働ログ取得部21は、取得した稼働ログを、稼働ログ送信部22へ出力する。稼働ログ送信部22は、稼働ログ取得部21から出力された稼働ログを取得し、取得した稼働ログを、通信ネットワーク50を介して揚重管理サーバ30へ送信する。その後、ステップS007へ進む。(ステップS007)揚重管理サーバ30の通信部31は、稼働ログ取得装置20の稼働ログ送信部22から送信された稼働ログを受信する。通信部31は、受信した稼働ログを記憶部32に記憶させる。その後、ステップS008へ進む。(ステップS008)揚重管理サーバ30の集計部33は、記憶部32に記憶された揚重情報及び稼働ログを集計・加工する。 以上で本フローチャートの処理が終了する。
【0027】
[揚重情報の入力例]
以下、揚重装置LFのオペレータによるデータ入力端末10への揚重情報の入力の一例について、図面を参照しながら説明する。
図4~
図8は、本発明の一実施形態に係る揚重管理システムのデータ入力端末に表示される画面の一例を示す図である。
【0028】
揚重装置LFのオペレータがデータ入力端末10へ揚重情報を入力する際、オペレータは、まず
図4に示す揚重種別選択画面Scr1をデータ入力端末10に表示させる。
図4に図示するように、揚重種別選択画面Scr1の上段には、「建築資材」や「設備資材」等の揚重種別を示す文言が表示されている。揚重装置LFのオペレータは、揚重する資材等に該当する揚重種別が表示された表示領域内の「揚重開始」ボタン画像の部分をタップすることにより、揚重種別が選択される。例えば、揚重装置LFのオペレータは、建築資材の揚重作業を行う場合には、揚重種別選択画面Scr1に表示された「建築資材」の文言の下に表示されている「揚重開始」ボタン画像の部分をタップする。なお、「揚重開始」ボタン画像の部分がタップされると、データ入力端末10の揚重時間計測部13により揚重時間の計測が開始される。
【0029】
図4に図示するように、揚重種別選択画面Scr1の中段には、揚重装置LFのオペレータによってそれまでに選択された内容が表示される。揚重種別選択画面Scr1において揚重種別が選択されると、「1.揚重選択」の文言が表示された表示領域の下に、上記選択された揚重種別を示す文言が表示される。なお、
図4は、揚重種別が選択される前の時点での揚重種別選択画面Scr1を表したものであるため、選択された揚重種別を示す文言は表示されていない。
【0030】
図4に図示するように、揚重種別選択画面Scr1の下段には、「ホーム画面へ」ボタン画像、揚重時間を示す文字列、及び「次へ」ボタン画像が表示されている。「揚重開始」ボタン画像の部分がタップされると、揚重情報の入力の操作はキャンセルされ、データ入力端末10のホーム画面(図示せず)へ画面遷移する。揚重時間を示す文字列は、「揚重開始」ボタン画像の部分がタップされると、1秒ごとに表示が更新されていく。これにより、揚重装置LFのオペレータは、揚重作業を開始してから経過した時間を随時把握することができる。「次へ」ボタン画像の部分がタップされると、
図5に示す会社選択画面Scr2へ画面遷移する。なお、揚重種別が選択されていない場合には、会社選択画面Scr2へ画面遷移できないようにしてもよい。
【0031】
図5に図示するように、会社選択画面Scr2の上段には、「A社」や「B社」等の委託会社(施工業者)の会社名が表示されている。揚重装置LFのオペレータは、資材等を揚重する委託会社の会社名に該当する会社名が表示された表示領域の部分をタップすることにより、委託会社が選択される。
【0032】
図5に図示するように、会社選択画面Scr2の中段には、揚重種別選択画面Scr1と同様に、揚重装置LFのオペレータによってそれまでに選択された内容が表示される。会社選択画面Scr2において委託会社が選択されると、「2.会社選択」の文言が表示された表示領域の下に、上記選択された委託会社の会社名を示す文言が表示される。なお、
図5は、委託会社が選択される前の時点での会社選択画面Scr2を表したものであるため、選択された委託会社の会社名を示す文言は表示されていない。なお、
図5に図示するように「1.揚重選択」の文言が表示された表示領域の下には、揚重種別選択画面Scr1において選択された揚重種別を示す文言が表示される。
図5は、揚重種別選択画面Scr1において揚重種別として「建築資材」が選択された場合における会社選択画面Scr2を表したものである。
【0033】
図5に図示するように、会社選択画面Scr2の下段には、「戻る」ボタン画像、揚重時間を示す文字列、及び「次へ」ボタン画像が表示されている。「戻る」ボタン画像の部分がタップされると、委託会社の選択の操作がキャンセルされ、
図4に示した揚重種別選択画面Scr1へ再び画面遷移する(戻る)。揚重時間を示す文字列は、揚重種別選択画面Scr1と同様に、揚重作業を開始してから経過した時間が表示される。「次へ」ボタン画像の部分がタップされると、
図6に示す資材選択画面Scr3へ画面遷移する。なお、委託会社が選択されていない場合には、資材選択画面Scr3へ画面遷移できないようにしてもよい。
【0034】
図6に図示するように、資材選択画面Scr3の上段には、「耐火壁ボード」や「ボード」等の資材名が表示されている。揚重装置LFのオペレータは、揚重する資材に該当する資材名が表示された表示領域の部分をタップすることにより、資材が選択される。なお、資材名が表示された表示領域の下には任意指定欄が表示されている。揚重装置LFのオペレータは、この任意指定欄において、揚重する資材の「山数/台数」や「揚重単価」を任意で指定(入力)することができる。
【0035】
図6に図示するように、資材選択画面Scr3の中段には、揚重種別選択画面Scr1及び会社選択画面Scr2と同様に、揚重装置LFのオペレータによってそれまでに選択された内容が表示される。資材選択画面Scr3において資材が選択されると、「3.資材選択」の文言が表示された表示領域の下に、上記選択された資材の資材名を示す文言が表示される。なお、
図6は、資材が選択される前の時点での資材選択画面Scr3を表したものであるため、選択された資材の資材名を示す文言は表示されていない。なお、
図6に図示するように「2.会社選択」の文言が表示された表示領域の下には、会社選択画面Scr2において選択された委託会社の会社名を示す文言が表示される。
図6は、揚重種別選択画面Scr1において揚重種別として「建築資材」が選択され、会社選択画面Scr2において委託会社として「B社」が選択された場合における資材選択画面Scr3を表したものである。
【0036】
図6に図示するように、資材選択画面Scr3の下段には、「戻る」ボタン画像、揚重時間を示す文字列、及び「次へ」ボタン画像が表示されている。「戻る」ボタン画像の部分がタップされると、資材の選択の操作がキャンセルされ、
図5に示した会社選択画面Scr2へ再び画面遷移する(戻る)。揚重時間を示す文字列は、揚重種別選択画面Scr1及び会社選択画面Scr2と同様に、揚重作業を開始してから経過した時間が表示される。「次へ」ボタン画像の部分がタップされると、
図7に示す階数選択画面Scr4へ画面遷移する。なお、資材が選択されていない場合には、階数選択画面Scr4へ画面遷移できないようにしてもよい。
【0037】
図7に図示するように、階数選択画面Scr4の上段には、揚重する資材等の積込階の入力欄と、行先階の入力欄と、「回数選択 終了」ボタン画像と、が表示されている。なお、
図7に例示する階数選択画面Scr4においては、積込階と行先階との組み合わせが3組分まで入力可能である。揚重装置LFのオペレータによって、揚重する資材等の積込階と行先階とがそれぞれ入力された後、「回数選択 終了」ボタン画像の部分がタップされることにより、階数(積込階及び行先階)が選択される。
【0038】
図7に図示するように、階数選択画面Scr4の中段には、揚重種別選択画面Scr1、会社選択画面Scr2、及び資材選択画面Scr3と同様に、揚重装置LFのオペレータによってそれまでに選択された内容が表示される。階数選択画面Scr4において階数が選択されると、「4.階数選択」の文言が表示された表示領域の下に、上記選択された階数を示す文言が表示される。なお、
図7は、階数が選択される前の時点での階数選択画面Scr4を表したものであるため、選択された階数を示す文言は表示されていない。なお、
図7に図示するように「3.資材選択」の文言が表示された表示領域の下には、資材選択画面Scr3において選択された資材の資材名を示す文言が表示される。
図7は、揚重種別選択画面Scr1において揚重種別として「建築資材」が選択され、会社選択画面Scr2において委託会社として「B社」が選択され、資材選択画面Scr3において資材として「耐火壁ボード」が選択された場合における階数選択画面Scr4を表したものである。
【0039】
図7に図示するように、階数選択画面Scr4の下段には、「戻る」ボタン画像、揚重時間を示す文字列、及び「次へ」ボタン画像が表示されている。「戻る」ボタン画像の部分がタップされると、階数の選択の操作がキャンセルされ、
図6に示した資材選択画面Scr3へ再び画面遷移する(戻る)。揚重時間を示す文字列は、揚重種別選択画面Scr1、会社選択画面Scr2及び資材選択画面Scr3と同様に、揚重作業を開始してから経過した時間が表示される。「次へ」ボタン画像の部分がタップされると、
図8に示す揚重実績修正及び終了画面Scr5へ画面遷移する。なお、階数が選択されていない場合には、揚重実績修正及び終了画面Scr5へ画面遷移できないようにしてもよい。
【0040】
図8に図示するように、揚重実績修正及び終了画面Scr5には、完了した揚重作業の揚重実績データが表示される。
図7に例示する揚重実績修正及び終了画面Scr5においては、3つの揚重実績データまで一度に表示可能である。
図8に図示するように、例えば、1つめの揚重実績データを示す「揚重資材1」の文言が表示された表示領域には、揚重種別が「建築資材」であり、委託会社名が「B社」であり、資材名が「耐火壁ボード」である資材が、積込階である「1階」から行先階である「15階」へ揚重されたことを示す情報が表示されている。また、揚重された資材(耐火壁ボード)の台数が「2」台であり、揚重単価は「3000」円であることが表示されている。以上の表示内容は、上述した、揚重種別選択画面Scr1、会社選択画面Scr2、及び資材選択画面Scr3、及び階数選択画面Scr4において、揚重装置LFのオペレータによって入力された内容に基づく情報である。
【0041】
また、各揚重実績データの表示領域には、それぞれ、揚重作業を開始してから経過した時間である揚重時間を示す文字列、「修正」ボタン画像、及び「終了」ボタン画像が表示されている。揚重装置LFのオペレータは、「修正」ボタン画像の部分をタップすることにより、揚重実績データの修正を行うことができる。例えば、揚重種別選択画面Scr1、会社選択画面Scr2、及び資材選択画面Scr3、及び階数選択画面Scr4において入力された内容と実際の揚重内容とが異なっている場合には、揚重装置LFのオペレータは、この揚重実績修正及び終了画面Scr5において、実際の揚重内容と一致するように揚重実績データの修正を行う。また、揚重装置LFのオペレータは、実際の揚重作業が完了した場合、当該揚重作業に該当する揚重実績データの表示領域内の「終了」ボタン画像の部分をタップする。これにより、データ入力端末10の揚重時間計測部13による、当該揚重作業に対する揚重時間の計測が終了する。揚重時間の計測が終了することにより、当該揚重作業に該当する揚重実績データの表示領域内の揚重時間を示す文字列の表示の更新が停止する。これにより、揚重装置LFのオペレータは、当該揚重作業に要した揚重時間を把握することができる。また、当該揚重時間を示す情報は、揚重管理サーバ30の記憶部32に記憶される。
【0042】
[揚重実績及び稼働ログの集計例]
以下、揚重管理サーバ30の集計部33による揚重情報及び稼働ログの集計の一例について説明する。本実施形態に係る揚重管理システム1は、データ入力端末10から入力された揚重情報(揚重時間計測部13によって計測された揚重時間を示す情報を含む)と、稼働ログ取得装置によって取得された稼働ログと、を対応付けてデータを集計・加工することができるため、揚重情報または稼働ログのいずれか一方だけでは把握できない揚重実績データを生成し、出力装置40に出力することができる。
【0043】
上述したように、揚重管理サーバ30の集計部33は、記憶部32に記憶された揚重情報及び稼働ログを、自動的に、あるいは出力装置40からの要求に応じて、集計したり加工したりする。集計部33は、例えば、揚重情報及び稼働ログを、集計してグラフ化した揚重実績データを生成したり、帳票形式の揚重実績データに加工したりする。集計部33は、揚重情報及び稼働ログを集計・加工し、例えば、揚重実績グラフや揚重費集計表等の揚重実績データを生成する。
【0044】
揚重実績グラフは、例えば、1日の各時間帯における揚重装置LFの稼働状態(稼働状態であるか非稼働状態であるか)を、揚重装置LF毎に示したグラフである。揚重実績グラフにより、ユーザは、時間帯毎の揚重装置LFの空き状況を確認することができ、確認された情報を次のサイクルにおける揚重計画に反映させることができる。これにより、ユーザは、例えば、各揚重装置LFの負荷分散を図ることができ、より効率的に各揚重装置LFを稼働させることができる。
【0045】
揚重費集計表は、例えば、データ入力端末10の揚重時間計測部13によって計測された揚重作業毎の揚重時間や、データ入力端末10に表示された資材選択画面Scr3において入力された揚重単価等に基づいて、揚重作業に要した揚重費用を委託会社(施工会社)毎に集計した表である。揚重費集計表により、例えば揚重専門業者は、委託会社毎に請求する揚重費用を容易に把握することができ、揚重費用の請求に係る作業負担が軽減される。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る揚重管理システム1は、データ入力端末10から送信された揚重情報と稼働ログ取得装置20から送信された稼働ログとを取得して記憶する揚重管理サーバ30を備える。揚重管理サーバ30は、取得した揚重情報及び稼働ログを、自動的に、あるいは出力装置40からの要求に応じて、集計したり加工したりして、出力することができる。このような構成により、本実施形態に係る揚重管理システム1は、従来手作業によって行われてきた揚重実績の記録方法に比べて、より効率的に揚重実績を記録し一元管理することができる。すなわち、従来、手作業で記録されていたことによって現場内で埋没していた揚重実績がデータベースによって一元管理されるため、揚重実績を次の揚重作業計画に活かすようにすることが可能になる。また、以上のような構成により、本実施形態に係る揚重管理システム1は、揚重作業が行われると同時に自動的に揚重実績データを生成してデータベースに記憶させることができ、揚重実績の集計に係るユーザの作業負担を軽減することができる。また、以上のような構成により、本実施形態に係る揚重管理システム1は、データ入力端末10から入力された揚重情報と稼働ログ取得装置によって取得された稼働ログとを対応付けてデータを集計・加工することができるため、揚重情報または稼働ログのいずれか一方だけでは把握することができない揚重実績データを、ユーザに対して提示することができる。また、以上のような構成により、本実施形態に係る揚重管理システム1は、揚重作業を委託する施工業者ごとに揚重実績データを生成するため、揚重作業を一括して請け負う揚重専門業者は、各施工業者の揚重装置の利用状況に即した揚重費用の請求を容易に行うことができる。
【0047】
以上、この発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0048】
なお、上述した実施形態における揚重管理システム1の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、揚重管理システム1に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信回線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上述した実施形態における揚重管理システム1の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。揚重管理システム1の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1・・・揚重管理システム、10・・・データ入力端末、11・・・入力部、12・・・揚重情報送信部、13・・・揚重時間計測部、21・・・稼働ログ取得部、22・・・稼働ログ送信部、20・・・稼働ログ取得装置、30・・・揚重管理サーバ、31・・・通信部、32・・・記憶部、33・・・集計部、40・・・出力装置、41・・・出力部、50・・・通信ネットワーク、LF・・・揚重装置