(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】アレイ基板、表示パネル、アレイ基板を備える表示装置及びアレイ基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20220318BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220318BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20220318BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20220318BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220318BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 612C
H01L29/78 619A
H01L29/78 627C
G02F1/1343
G02F1/1368
G09F9/00 338
G09F9/30 338
G09F9/30 348Z
(21)【出願番号】P 2017564910
(86)(22)【出願日】2016-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2016104348
(87)【国際公開番号】W WO2018081953
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2019-06-24
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】517000346
【氏名又は名称】重▲慶▼京▲東▼方光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHONGQING BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.7 Yunhan Rd.,Shuitu Hi-tech Industrial Zone,Beibei District,Chongqing,400714,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュオ・シュ
(72)【発明者】
【氏名】ヤジェ・バイ
(72)【発明者】
【氏名】シャオリン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ルイ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】フェイ・シャン
(72)【発明者】
【氏名】ハイジュン・チウ
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】恩田 春香
【審判官】小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-157916(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104617115(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103021959(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0291096(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0228772(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1343-1/1345,1/135-1/1368
G09F9/00-9/46
H01L21/336,29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
画素電極と共通電極から選ばれる2つの異なる電極である第1電極と第2電極と、
活性層、前記活性層の前記ベース基板から離れる側に位置するエッチング停止層、第1ノードと第2ノードを含む薄膜トランジスタと、
前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に位置する補助エッチング停止層と、
を含み、
前記補助エッチング停止層と前記エッチング停止層とは同一の層に位置し、同じ材料で製作され、
前記補助エッチング停止層は前記第1電極のエッチングを防止するように構成されており、
前記活性層はチャネル領域、第1ノードコンタクト領域と第2ノードコンタクト領域を含み、前記チャネル領域の前記ベース基板への投影は、前記エッチング停止層の前記ベース基板への投影に実質的に重なり、前記第1ノードコンタクト領域と前記第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板への投影は前記エッチング停止層の外側に位置し、前記第1ノードは前記第1ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記第2ノードは前記第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に位置し、
前記活性層と前記第1電極とは同一の層に位置し、同じパターニングプロセスのステップにおいて同時に形成された単一の層であり、同じIGZO半導体材料で製作されている、アレイ基板。
【請求項2】
データラインをさらに含み、
前記データラインは第1サブ層および第2サブ層を含み、前記第1サブ層は、前記第2サブ層の前記ベース基板に近い側に位置し、
前記第1サブ層は、前記活性層と前記第1電極と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作され、
前記第2サブ層は、前記第1ノードと前記第2ノードと同一の層に位置し、前記第1ノードと前記第2ノードと同じ材料で製作されている、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第2電極は、前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に位置する、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記第2電極は、前記第1電極の前記ベース基板に近い側に位置する、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第1電極は前記画素電極であり、前記第2電極は前記共通電極である、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記ベース基板に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作された共通電極信号線と、
前記ゲート電極と前記共通電極信号線の前記ベース基板から離れる側に位置するゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層の前記共通電極信号線から離れる側に位置する不活性化層と、
前記ゲート絶縁層および前記不活性化層を通過し延びている貫通孔と、
をさらに含み、
前記共通電極は前記不活性化層の前記ゲート絶縁層から離れる側に位置し、前記貫通孔を介して前記共通電極信号線に電気的に接続されている、請求項
5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記ベース基板に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極と同様に同一の層に位置する共通電極信号線と、
前記ゲート電極と前記活性層との間に位置するゲート絶縁層と、
をさらに含み、
前記共通電極は前記ゲート絶縁層の前記ベース基板に近い側に位置し、前記共通電極信号線に電気的に接続されている、請求項
5に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記第1電極は前記共通電極であり、前記第2電極は前記画素電極である、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記ベース基板に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極と前記活性層との間に位置するゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層を通過し延びている貫通孔と、
をさらに含み、
前記画素電極は前記ゲート絶縁層の前記ベース基板に近い側に位置し、前記貫通孔を介して前記第2ノードに電気的に接続されている、請求項
8に記載のアレイ基板。
【請求項10】
請求項1~
9の何れか一項に記載のアレイ基板を含む表示装置。
【請求項11】
ベース基板に画素電極と共通電極から選ばれる2つの異なる電極である第1電極と第2電極を形成するステップと、
活性層、前記活性層の前記ベース基板から離れる側に位置するエッチング停止層、第1ノードと第2ノードを含む薄膜トランジスタを形成するステップと、
前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に補助エッチング停止層を形成するステップと、
を含み、
前記補助エッチング停止層と前記エッチング停止層とは同一の層に形成され、同じ材料で製作されており、
前記活性層はチャネル領域、第1ノードコンタクト領域、第2ノードコンタクト領域を含み、前記チャネル領域の前記ベース基板への投影は、前記エッチング停止層の前記ベース基板への投影に実質的に重なり、前記第1ノードコンタクト領域と前記第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板への投影は前記エッチング停止層の外側に位置し、前記第1ノードは前記第1ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に形成され、前記第2ノードは前記第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に形成され、
前記活性層と前記第1電極とは同一の層に形成され、同じパターニングプロセスのステップにおいて同時に形成された単一の層であり、同じIGZO半導体材料で製作されている、アレイ基板の製造方法。
【請求項12】
データラインを形成するステップをさらに含み、
前記データラインを形成するステップは第1サブ層および第2サブ層を形成することを含み、前記第1サブ層は、前記第2サブ層の前記ベース基板に近い側に形成され、
前記第1サブ層は、前記活性層と前記第1電極と同一の層に形成され、前記活性層と前記第1電極と同じ材料で形成され、
前記第2サブ層は、前記第1ノードと前記第2ノードと同一の層に形成され、前記第1ノードと前記第2ノードと同じ材料で形成されている、請求項
11に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項13】
前記第2電極は、前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に形成されている、請求項
11に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項14】
前記第2電極は、前記第1電極の前記ベース基板に近い側に形成されている、請求項
11に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項15】
前記第1電極は画素電極であり、前記第2電極は共通電極であるアレイ基板の製造方法であって、
前記ベース基板にゲート電極と共通電極信号線を形成するステップと、
前記ゲート電極と前記共通電極信号線の前記ベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、
前記ゲート絶縁層の前記ゲート電極と前記共通電極信号線から離れる側に半導体材料層を形成
するステップと、
前記半導体材料層の前記ゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、
マスクプレートを用いて前記エッチング停止材料層をパターニングすることで、前記エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、
前記エッチング停止層と前記補助エッチング停止層の前記半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、
単一のマスクプレートを用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングすることで、前記第1ノード、前記第2ノード、前記活性層、前記第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成するステップと、
前記第1ノード、前記第2ノードと前記データラインの前記ゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップと、
前記不活性化層および前記ゲート絶縁層を通過し延びている貫通孔を形成するステップと、
前記不活性化層の前記ゲート絶縁層から離れる側に前記第2電極を形成するステップと、
を含み、
前記第2電極は前記貫通孔を介して前記共通電極信号線に電気的に接続されているように形成され、前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をエッチングすることを含む、請求項
11に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項16】
前記第1電極は前記画素電極であり、前記第2電極は前記共通電極であるアレイ基板の製造方法であって、
前記ベース基板にゲート電極、共通電極信号線と前記共通電極信号線に電気的に接続されているように形成された前記第2電極を形成するステップと、
前記ゲート電極、前記共通電極信号線と前記第2電極の前記ベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、
前記ゲート絶縁層の前記ゲート電極、前記共通電極信号線と前記第2電極から離れる側に半導体材料層を形成
するステップと、
前記半導体材料層の前記ゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、
マスクプレートを用いて前記エッチング停止材料層をパターニングすることで、前記エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、
前記エッチング停止層と前記補助エッチング停止層の前記半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、
単一のマスクプレートを用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングすることで、前記第1ノード、前記第2ノード、前記活性層、前記第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成するステップと、
前記第1ノード、前記第2ノードと前記データラインの前記ゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップと、
を含み、
前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をエッチングすることを含む、請求項
11に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項17】
前記第1電極は前記共通電極であり、前記第2電極は前記画素電極であるアレイ基板の製造方法であって、
前記ベース基板にゲート電極、共通電極信号線と前記第2電極を形成するステップと、
前記ゲート電極、前記共通電極信号線と前記第2電極の前記ベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、
前記ゲート絶縁層を通過し延びている第1貫通孔と第2貫通孔を形成するステップと、
前記ゲート絶縁層の前記ゲート電極、前記共通電極信号線と前記第2電極から離れる側に半導体材料層を形成するステップと、
前記半導体材料層の前記ゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、
マスクプレートを用いて前記エッチング停止材料層をパターニングすることで、前記エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、
前記エッチング停止層と前記補助エッチング停止層の前記半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、
単一のマスクプレートを用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングすることで、前記第1ノード、前記第2ノード、前記活性層、前記第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成し、前記第1電極は前記第1貫通孔を介して前記共通電極信号線に電気的に接続され、前記第2ノードは前記第2貫通孔を介して前記第2電極に電気的に接続されているステップと、
前記第1ノード、前記第2ノードと前記データラインの前記ゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップと、
を含み、
前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をエッチングすることを含む、請求項
11に記載のアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、特に、アレイ基板、表示パネル、アレイ基板を備える表示装置及びアレイ基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の非晶質シリコン薄膜トランジスタと比較して、金属酸化物または金属酸窒化物の薄膜トランジスタは、より高いキャリア密度やより高い移動速度のような多くのユニークな利点を有している。従って、金属酸化物または金属酸窒化物の薄膜トランジスタをより小さくすることができ、このような薄膜トランジスタから作られた表示パネルは、より高い解像度とより良好な表示効果を得ることができる。金属酸化物または金属酸窒化物の薄膜トランジスタは表示分野で広く応用されている。しかし、一般的に、金属酸化物または金属酸窒化物の薄膜トランジスタに対し、活性層にエッチング停止層を配置しないと、トランジスタの信頼性が低下するおそれがある。エッチング停止層を製造するには別のパターニングプロセスの追加を必要とし、製造コストを増加させる。パターニングプロセスの数を減らす試み、例えばハーフトーンマスクプレートを使用することは、結果として往々さらに複雑になって、制御しにくく、製品の品質に影響する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一側面のアレイ基板は、ベース基板と、画素電極と共通電極から選ばれる2つの異なる電極である第1電極と第2電極と、活性層、前記活性層の前記ベース基板から離れる側に位置するエッチング停止層、第1ノードと第2ノードを含む薄膜トランジスタと、を含み、前記活性層はチャネル領域、第1ノードコンタクト領域と第2ノードコンタクト領域を含み、前記チャネル領域の前記ベース基板への投影は、前記エッチング停止層の前記ベース基板への投影に実質的に重なり、前記第1ノードコンタクト領域と前記第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板への投影は前記エッチング停止層の外側に位置し、前記第1ノードは前記第1ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記第2ノードは前記第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記活性層と前記第1電極とは同一の層に位置し、M1OaNbを含む半導体材料で製作され、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である圧アレイ基板となる。
【0004】
本発明のアレイ基板では、前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に位置する補助エッチング停止層をさらに含み、前記補助エッチング停止層と前記エッチング停止層とは同一の層に位置し、同じ材料で製作されてもよい。
【0005】
本発明のアレイ基板では、データラインをさらに含み、前記データラインは第1サブ層および第2サブ層を含み、前記第1サブ層は、第2サブ層の前記ベース基板に近い側に位置し、前記第1サブ層は、前記活性層と前記第1電極と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作されてもよい。
【0006】
本発明のアレイ基板では、前記第2電極は、前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に位置してもよい。
【0007】
本発明のアレイ基板では、前記第2電極は、前記第1電極の前記ベース基板に近い側に位置してもよい。
【0008】
本発明のアレイ基板では、前記第1電極は前記画素電極であり、前記第2電極は前記共通電極であってもよい。
【0009】
本発明のアレイ基板では、前記ベース基板に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作された共通電極信号線と、前記ゲート電極と前記共通電極信号線の前記ベース基板から離れる側に位置するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層の前記共通電極信号線から離れる側に位置する不活性化層と、前記ゲート絶縁層および前記不活性化層を通過し延びている貫通孔と、をさらに含み、前記共通電極は前記不活性化層の前記ゲート絶縁層から離れる側に位置し、前記貫通孔を介して前記共通電極信号線に電気的に接続されてもよい。
【0010】
本発明のアレイ基板では、前記ベース基板に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極と同様に同一の層に位置する共通電極信号線と、前記ゲート電極と前記活性層との間に位置するゲート絶縁層と、をさらに含み、前記共通電極は前記ゲート絶縁層の前記ベース基板に近い側に位置し、前記共通電極信号線に電気的に接続されてもよい。
【0011】
本発明のアレイ基板では、前記第1電極は前記共通電極であり、前記第2電極は前記画素電極であってもよい。
【0012】
本発明のアレイ基板では、前記ベース基板に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極と前記活性層との間に位置するゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層を通過し延びている貫通孔と、をさらに含み、前記画素電極は前記ゲート絶縁層の前記ベース基板に近い側に位置し、前記貫通孔を介して前記第2ノードに電気に接続されてもよい。
【0013】
本発明のアレイ基板では、前記M1OaNbはインジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウム亜鉛ハフニウム、インジウム亜鉛ジルコニウム酸化物、インジウム亜鉛錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛インジウムアルミニウム酸化物、酸化亜鉛、亜鉛インジウムアルミニウム酸化物のいずれかであってもよい。
【0014】
本発明の別の側面のアレイ基板の製造方法は、ベース基板に画素電極と共通電極から選ばれる2つの異なる電極である第1電極と第2電極を形成するステップと、活性層、前記活性層の前記ベース基板から離れる側に位置するエッチング停止層、第1ノードと第2ノードを含む薄膜トランジスタを形成するステップと、を含み、前記活性層はチャネル領域、第1ノードコンタクト領域、第2ノードコンタクト領域を含み、前記チャネル領域の前記ベース基板への投影は、前記エッチング停止層の前記ベース基板への投影に実質的に重なり、前記第1ノードコンタクト領域と前記第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板への投影は前記エッチング停止層の外側に位置し、前記第1ノードは前記第1ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に形成され、前記第2ノードは前記第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に形成され、前記活性層と前記第1電極とは同一の層に形成され、M1OaNbを含む半導体材料で形成され、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。
【0015】
本発明のアレイ基板の製造方法では、前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に補助エッチング停止層を形成するステップをさらに含み、前記補助エッチング停止層と前記エッチング停止層とは同一の層に形成され、同じ材料で製作されてもよい。
【0016】
本発明のアレイ基板の製造方法では、データラインを形成するステップをさらに含み、前記データラインを形成するステップは第1サブ層および第2サブ層を形成することを含み、前記第1サブ層は、前記第2サブ層の前記ベース基板に近い側に形成され、第1サブ層は、前記活性層と前記第1電極と同一の層に形成され、前記活性層と前記第1電極と同じ材料で形成され、第2サブ層は、第1ノードと第2ノードと同一の層に形成され、前記第1ノードと前記第2ノードと同じ材料で形成されてもよい。
【0017】
本発明のアレイ基板の製造方法では、前記第2電極は、前記第1電極の前記ベース基板から離れる側に形成されてもよい。
【0018】
本発明のアレイ基板の製造方法では、前記第2電極は、前記第1電極の前記ベース基板に近い側に形成されてもよい。
【0019】
本発明のアレイ基板の製造方法では、前記第1電極は画素電極であり、前記第2電極は共通電極であるアレイ基板の製造方法であって、前記ベース基板にゲート電極と共通電極信号線を形成するステップと、前記ゲート電極と前記共通電極信号線の前記ベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、前記ゲート絶縁層の前記ゲート電極と前記共通電極信号線から離れる側に半導体材料層を形成し、ただし、半導体材料はM1OaNbを含み、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0であるステップと、前記半導体材料層の前記ゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、マスクプレートを用いて前記エッチング停止材料層をパターニングすることで、前記エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、前記エッチング停止層と前記補助エッチング停止層の前記半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、単一のマスクプレートを用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングすることで、前記第1ノード、前記第2ノード、前記活性層、前記第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成するステップと、前記第1ノード、前記第2ノードと前記データラインの前記ゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップと、前記不活性化層および前記ゲート絶縁層を通過し延びている貫通孔を形成するステップと、前記不活性化層の前記ゲート絶縁層から離れる側に前記第2電極を形成するステップと、を含み、前記第2電極は前記貫通孔を介して前記共通電極信号線に電気的に接続されているように形成され、前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をエッチングしてもよい。
【0020】
本発明のアレイ基板の製造方法では、前記第1電極は前記画素電極であり、前記第2電極は前記共通電極であるアレイ基板の製造方法であって、前記ベース基板にゲート電極、共通電極信号線と前記共通電極信号線に電気的に接続されているように形成された前記第2電極を形成するステップと、前記ゲート電極、前記共通電極信号線と前記第2電極の前記ベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、前記ゲート絶縁層の前記ゲート電極、前記共通電極信号線と前記第2電極から離れる側に半導体材料層を形成し、ただし、前記半導体材料はM1OaNbを含み、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0であるステップと、前記半導体材料層の前記ゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、マスクプレートを用いて前記エッチング停止材料層をパターニングすることで、前記エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、前記エッチング停止層と前記補助エッチング停止層の前記半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、単一のマスクプレートを用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングすることで、前記第1ノード、前記第2ノード、前記活性層、前記第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成するステップと、前記第1ノード、前記第2ノードと前記データラインの前記ゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップと、を含み、前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をエッチングしてもよい。
【0021】
本発明のアレイ基板の製造方法では、前記第1電極は前記共通電極であり、前記第2電極は前記画素電極であるアレイ基板の製造方法であって、前記ベース基板にゲート電極、共通電極信号線と前記第2電極を形成するステップと、前記ゲート電極、前記共通電極信号線と前記第2電極の前記ベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、前記ゲート絶縁層を通過し延びている第1貫通孔と第2貫通孔を形成するステップと、前記ゲート絶縁層の前記ゲート電極、前記共通電極信号線と前記第2電極から離れる側に半導体材料層を形成するステップと、前記半導体材料層の前記ゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、マスクプレートを用いて前記エッチング停止材料層をパターニングすることで、前記エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、前記エッチング停止層と前記補助エッチング停止層の前記半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、単一のマスクプレートを用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングすることで、前記第1ノード、前記第2ノード、前記活性層、前記第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成し、前記第1電極は前記第1貫通孔を介して前記共通電極信号線に電気的に接続され、前記第2ノードは前記第2貫通孔を介して前記第2電極に電気的に接続されているステップと、前記第1ノード、前記第2ノードと前記データラインの前記ゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップと、を含み、前記電極材料層と前記半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて前記電極材料層と前記半導体材料層をエッチングしてもよい。
【0022】
本発明の別の側面の表示パネルは、本明細書に記載のアレイ基板または本明細書に記載の製造方法によって製造されたアレイ基板を含む。
【0023】
本発明の別の側面の表示装置は、本明細書に記載の表示パネルを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係るアレイ基板を示す構造図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るアレイ基板を示す構造図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るアレイ基板を示す構造図である。
【
図4A】本発明の実施形態に係るアレイ基板を示す構造図である。
【
図5A】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図5B】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図5C】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図5D】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図5E】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図6A】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図6B】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図6C】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図6D】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【
図6E】本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態および添付図面は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0026】
以下の実施例を参照して本発明を詳しく説明する。ここで、実施例についての記述は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0027】
ソース電極とドレイン電極をパターニングするためのエッチング液から活性層のチャンネル領域を保護するために、従来の金属酸化物または金属酸窒化物の薄膜トランジスタを有するアレイ基板は一般的にエッチング停止層を含む。特に、「サイドウイング接触」型の薄膜トランジスタを有するアレイ基板に対し、複数のマスクプレートと複数種類の金属酸化物または金属酸窒化物エッチングを利用する複雑な製造プロセスが必要とするので、結果として製造コストを増加させる。
【0028】
本発明は、従来技術の制限と欠点による課題の一つまたは少なくとも一部を実質的に解決するために、特に、アレイ基板、表示パネル、アレイ基板を備える表示装置及びアレイ基板の製造方法を提供する。本発明のアレイ基板は、ベース基板と、画素電極と共通電極から選ばれる2つの異なる電極である第1電極と第2電極と、活性層、活性層のベース基板から離れる側に位置するエッチング停止層、第1ノードと第2ノードを含む薄膜トランジスタと、を含む。当該アレイ基板の活性層は、チャネル領域、第1ノードコンタクト領域と第2ノードコンタクト領域を含む。チャネル領域のベース基板への投影は、エッチング停止層のベース基板への投影に実質的に重なっている。第1ノードコンタクト領域と第2ノードコンタクト領域のベース基板への投影はエッチング停止層の外側に位置する。第1ノードは第1ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に位置し、第2ノードは第2ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に位置する。活性層と第1電極とは同一の層に位置し、M1OaNbを含む半導体材料で製作され、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。
【0029】
ここで、「同一の層」とは、同一ステップで同時に形成された層の間の関係をいう。一つの例において、同じ材料層において同じパターニングプロセスの一つまたは複数のステップを行うことにより活性層と第1電極が形成された時に、活性層と第1電極とは同一の層に位置する。別の例において、活性層を形成するステップと第1電極を形成するステップを同時に実行することにより、活性層と第1電極とは同一の層に形成されることができる。「同一の層」とは常に断面図における層の厚さまたは層の高さが同じであることを意味しない。
【0030】
幾つかの実施形態では、半導体材料は金属酸化物である。幾つかの実施形態では、半導体材料は金属酸窒化物である。活性層と第1電極を製造するための適当な金属酸化物材料として、インジウムガリウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化インジウム、HfInZnO(HIZO)、非晶質InGaZnO(非晶質IGZO)、InZnO、非晶質InZnO、ZnO:F、In2O3:Sn、In2O3:Mo、Cd2SnO4、ZnO:Al、TiO2:NbとCd-Sn-Oが挙げられるが、これらに限定されるものではない。活性層と第1電極を製造するための適当な金属酸窒化物材料として、窒素酸化亜鉛、窒素酸化インジウム、窒素酸化ガリウム、窒素酸化錫、酸素化カドミウム、窒素酸化アルミ、窒素酸化ゲルマニウム、窒素酸化チタン、酸素窒化シリコンまたはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、半導体材料は、一つまたは複数の金属元素をドープしたM1OaNbを含んでもよい。なお、半導体材料は、一つまたは複数の非金属元素をドープしたM1OaNbを含んでもよい。なお、半導体材料は、一つまたは複数の金属元素と一つまたは複数の非金属元素をドープしたM1OaNbを含んでもよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、半導体材料は感光性の半導体材料である。なお、感光性の半導体材料は、金属酸化物でもよい。なお、感光性の半導体材料は、金属酸窒化物でもよい。感光性の半導体材料として、インジウムガリウム亜鉛酸化物、インジウム亜鉛ハフニウム、インジウム亜鉛ジルコニウム酸化物、インジウム亜鉛錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛インジウムアルミニウム酸化物、酸化亜鉛、亜鉛インジウムアルミニウム酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、感光性の半導体材料は、インジウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、カドミウム、ガリウム、モリブデン、錫、ハフニウム、銅、チタン、バリウムとジルコニウムから選ばれた少なくとも一つの金属を含んでもよい。なお、感光性の半導体材料は、インジウムガリウム亜鉛酸化物を含んでもよい。
【0032】
感光性の半導体材料を用いることにより、第1電極(例えば、画素電極)を製造し、光照射(例えばバックライトからの光)により、当該アレイ基板の第1電極の移動速度はより大幅に改善できる。一方、活性層のチャンネル領域は、ゲート電極による光照射からシールドされている。従って、チャネル領域の移動速度は光照射から著しい影響を受けず、薄膜トランジスタには光照射により著しい漏れ電流を生じることがない。画素電極をバックライトの照射に曝露させたデザインを持つことによって、当該アレイ基板の画素電極にはより高い導通電流が達成されることができる。従って、画素電極を短時間で充電できる。
【0033】
幾つかの実施形態では、第2電極は第1電極のベース基板から離れる側に位置する。なお、第1電極は画素電極であり、第2電極は共通電極であってもよい。逆に、第1電極は共通電極であり、第2電極は画素電極であってもよい。
【0034】
幾つかの実施形態では、第2電極は第1電極のベース基板に近い側に位置する。なお、第1電極は画素電極であり、第2電極は共通電極であってもよい。逆に、第1電極は共通電極であり、第2電極は画素電極であってもよい。
【0035】
第1ノード(例えば、ソース電極またはドレイン電極)は第1ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に位置し接触してもよい。また、第2ノード(例えば、ドレイン電極またはソース電極)は第2ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に位置し接触してもよい。また、第1ノード(例えば、ソース電極またはドレイン電極)は第1ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に位置し、薄膜トランジスタは第1ノードと第1ノードコンタクト領域との間のオーミックコンタクト層を更に含んでもよい。また、第2ノード(例えば、ドレイン電極またはソース電極)は第2ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に位置し、薄膜トランジスタは第2ノードと第2ノードコンタクト領域との間のオーミックコンタクト層を更に含んでもよい。
【0036】
幾つかの実施形態では、アレイ基板は第1電極のベース基板から離れる側に位置する補助エッチング停止層をさらに含み、補助エッチング停止層とエッチング停止層とは同一の層に位置し、同じ材料、例えばシリコンを含む化合物で製作されている。エッチング停止層や補助エッチング停止層を製造するためのシリコンを含む化合物として、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化ケイ素、炭素酸化ケイ素、シリコンとシリコンゲルマニウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
幾つかの実施形態では、アレイ基板は第1サブ層および第2サブ層を含むデータラインをさらに含み、第1サブ層は、第2サブ層のベース基板に近い側に位置する。第1サブ層は、活性層と第1電極と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作され、例えば、M1OaNbを含む半導体材料で製作され、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。なお、第2サブ層は、第1ノードと第2ノードと同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作され、例えば、電極材料で製作されている。
【0038】
図1は、本発明の実施形態に係るアレイ基板を示す構造図である。
図1に示すように、アレイ基板は、ベース基板BSと、ベース基板BSに設けられたゲート電極G及び共通電極信号線CESLと、ゲート電極Gと共通電極信号線CESLのベース基板BSから離れる側に位置するゲート絶縁層GIと、ゲート絶縁層GIのベース基板BSから離れる側に位置する活性層AL及び第1電極E1(例えば、画素電極)と、活性層ALのゲート絶縁層GIから離れる側に位置する第1ノードN1(例えば、ソース電極)及び第2ノードN2(例えば、ドレイン電極)とを含む。
【0039】
図1に示すように、活性層ALは、チャネル領域CR、第1ノードコンタクト領域NCR1と第2ノードコンタクト領域NCR2を含む。チャネル領域CRのベース基板BSへの投影は、エッチング停止層ESLのベース基板BSへの投影に実質的に重なっている。第1ノードコンタクト領域NCR1と第2ノードコンタクト領域NCR2の前記ベース基板BSへの投影はエッチング停止層ESLの外側に位置する。第1ノードN1は第1ノードコンタクト領域NCR1のベース基板BSから離れる側に位置し、第2ノードN2は第2ノードコンタクト領域NCR2のベース基板BSから離れる側に位置する。
【0040】
幾つかの実施形態では、活性層ALと第1電極E1とは同一の層に位置し、M1OaNbを含む半導体材料で製作され、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。第1電極E1が画素電極であるときに、第1電極E1は活性層ALに電気的に接続され、例えば、活性層ALと第1電極E1とは連続層である。なお、第1電極E1が共通電極であるときに、第1電極E1と活性層ALとは互いに絶縁されている。
【0041】
図1に示すように、本実施形態のアレイ基板は、第1電極E1のベース基板BSから離れる側に位置する補助エッチング停止層AESLをさらに含む。補助エッチング停止層AESLとエッチング停止層ESLとは同一の層に位置し、同じ材料で製作されている。本説明における「エッチング停止層」とは、下面にある活性層に対するエッチングを防止する層を指す。本説明における「補助エッチング停止層」とは、下面にある第1電極に対するエッチングを防止する層を指す。また、エッチング停止層や補助エッチング停止層とは、第1ノードと第2ノード(例えば、ソース電極とドレイン電極)をエッチングするためのエッチング液に実質的に抵抗する。なお、エッチング停止層や補助エッチング停止層とは、第1ノードと第2ノード(例えば、ソース電極とドレイン電極)をエッチングするための湿式エッチング液に実質的に抵抗してもよい。エッチング停止層や補助エッチング停止層はシリコンを含む化合物で製作されている。エッチング停止層や補助エッチング停止層を製造するためのシリコンを含む化合物として、酸化シリコン、窒化シリコン、窒素酸化ケイ素、炭化ケイ素、炭素酸化ケイ素、シリコンとシリコンゲルマニウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
図1に示すように、本実施形態のアレイ基板は、データラインDLをさらに含む。データラインDLは第1サブ層DL1および第2サブ層DL2を含み、第1サブ層DL1は、第2サブ層DL2のゲート絶縁層GIに近い側に位置する。本アレイ基板において、第1サブ層DL1は、活性層ALと第1電極E1と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作されている。なお、第1サブ層DL1、活性層ALと第1電極E1とは同じパターニングプロセスで形成されている。本アレイ基板において、第2サブ層DL2は、第1ノードN1と第2ノードN2と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作されている。なお、第2サブ層DL2、第1ノードN1と第2ノードN2とは同じパターニングプロセスで形成されている。例えば、幾つかの実施形態では、まず、ベース基板BSに半導体材料層を形成する。次に、半導体材料層のベース基板BSから離れる側にエッチング停止材料層(シリコンを含む化合物)を形成し、エッチング停止材料層がパターニングされることにより、半導体材料層のベース基板BSから離れる側にエッチング停止層ESLと補助エッチング停止層AESLを形成する。続いて、エッチング停止層ESLと補助エッチング停止層AESLの半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成する。単一のマスクプレートを用いて活性層AL、第1電極E1、第1サブ層DL1、第2サブ層DL2、第1ノードN1と第2ノードN2をパターニングし、例えば、エッチング液で導電性の電極材料層をエッチングすることで、第1ノードN1、第2ノードN2と第2サブ層DL2が形成され、半導体材料層をエッチング液に晒す場合に、エッチング液は半導体材料層をエッチングし、エッチング停止層ESL、補助エッチング停止層AESL、第1ノードN1、第2ノードN2と第2サブ層DL2を有する半導体材料層はその上面において保護されている。このように、活性層AL、第1電極E1、第1サブ層DL1と第2サブ層DL2を含むデータラインDLが形成されている。
【0043】
図1に示すように、本実施形態のアレイ基板は、第1ノードN1と第2ノードN2のベース基板BSから離れる側に位置する不活性化層PVXを更に含む。
図1において、アレイ基板は、不活性化層PVXのベース基板BSから離れる側に位置する第2電極E2(例えば共通電極)を更に含む。第2電極E2は共通電極である場合に、アレイ基板は、不活性化層PVXおよびゲート絶縁層GIを通過し延びている貫通孔Vを更に含み、第2電極E2は貫通孔Vを介して共通電極信号線CESLに電気的に接続されている。第2電極E2はインジウム亜鉛錫酸化物で製造されてもよい。
【0044】
図2は本発明の実施形態に係るアレイ基板を示す構造図である。
図2に示すように、アレイ基板は、ベース基板BSと、ベース基板BSに設けられたゲート電極G、第2電極E2(例えば共通電極)及び共通電極信号線CESLと、ゲート電極G側に位置するゲート絶縁層GIと、第2電極E2と、ベース基板BSから離れる共通電極信号線CESLと、ゲート絶縁層GIのベース基板BSから離れる側に位置する活性層AL及び第1電極E1(例えば画素電極)と、活性層ALのゲート絶縁層GIから離れる側に位置するエッチング停止層ESLと、活性層ALのゲート絶縁層GIから離れる側に位置する第1ノードN1(例えばソース電極)と第2ノードN1(例えばドレイン電極)を含む。
【0045】
図2に示すように、活性層ALは、チャネル領域CR、第1ノードコンタクト領域NCR1と第2ノードコンタクト領域NCR2を含む。チャネル領域CRのベース基板BSへの投影は、エッチング停止層ESLのベース基板BSへの投影に実質的に重なっている。第1ノードコンタクト領域NCR1と第2ノードコンタクト領域NCR2のベース基板BSへの投影はエッチング停止層ESLの外側に位置する。第1ノードN1は第1ノードコンタクト領域NCR1のベース基板BSから離れる側に位置し、第2ノードN2は第2ノードコンタクト領域NCR2のベース基板BSから離れる側に位置する。
【0046】
幾つかの実施形態では、活性層ALと第1電極E1とは同一の層に位置し、M1OaNbを含む半導体材料で製作され、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。第1電極E1が画素電極であるときに、第1電極E1は活性層ALに電気的に接続され、例えば、活性層ALと第1電極E1とは連続層である。なお、第1電極E1が共通電極であるときに、第1電極E1と活性層ALとは互いに絶縁されている。
【0047】
図2に示すように、実施形態に係るアレイ基板は、第1電極E1の基板BSから離れる側に位置する補助エッチング停止層AESLを更に含む。補助エッチング停止層AESLとエッチング停止層ESLとは同一の層に位置し、同じ材料で製作されている。
【0048】
図2に示すように、本実施形態のアレイ基板は、データラインDLをさらに含む。データラインDLは第1サブ層DL1および第2サブ層DL2を含み、第1サブ層DL1は、第2サブ層DL2のゲート絶縁層GIに近い側に位置する。本アレイ基板において、第1サブ層DL1は、活性層ALと第1電極E1(例えば、画素電極)と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作されている。幾つかの実施形態では、第2サブ層DL2は、第1ノードN1と第2ノードN2と同様に同一の層に位置し、同じ材料で製作されている。活性層AL、第1電極E1、第1サブ層DL1、第2サブ層DL2、第1ノードN1と第2ノードN2とは単一のパターニングプロセスでパターニングされている。例えば、幾つかの実施形態では、まず、ベース基板BSに半導体材料層を形成する。次に、半導体材料層のベース基板BSから離れる側にエッチング停止材料層(シリコンを含む化合物)を形成し、エッチング停止材料層がパターニングされることにより、半導体材料層のベース基板BSから離れる側にエッチング停止層ESLと補助エッチング停止層AESLを形成する。続いて、エッチング停止層ESLと補助エッチング停止層AESLの半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成する。単一のマスクプレートを用いて活性層AL、第1電極E1、第1サブ層DL1、第2サブ層DL2、第1ノードN1と第2ノードN2をパターニングし、例えば、エッチング液で導電性の電極材料層をエッチングすることで、第1ノードN1、第2ノードN2と第2サブ層DL2が形成され、半導体材料層がエッチング液に晒される場合に、エッチング液は半導体材料層をエッチングし、エッチング停止層ESL、補助エッチング停止層AESL、第1ノードN1、第2ノードN2と第2サブ層DL2を有する半導体材料層はその上面において保護されている。このように、活性層AL、第1電極E1、第1サブ層DL1と第2サブ層DL2を含むデータラインDLが形成されている。
【0049】
図2に示すように、本実施形態のアレイ基板は、第1ノードN1と第2ノードN2のベース基板BSから離れる側に位置する不活性化層PVXを更に含む。
【0050】
図2に示すように、本実施形態の第2電極E2は共通電極である。
図2において、第2電極E2は共通電極信号線CESLに電気的に接続されている。第2電極E2はゲート絶縁層GIのベース基板BSに近い側に位置する。第2電極E2はインジウム亜鉛錫酸化物で製造されてもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、第2電極E2は画素電極であり、第1電極E1は共通電極である。
図3は、本発明の実施形態に係るアレイ基板を示す構造図である。
図3に示すように、アレイ基板は
図2に似ている構造を有し、異なる所も多く有する。
図3の第1電極E1は共通電極であり、第2電極E2は画素電極である。第2電極E2は第1電極E1のベース基板BSに近い側に位置する。
図3に示すように、活性層ALは第1電極E1から絶縁され、第2電極E2(画素電極)は共通電極信号線CESLに電気的に接続されていない(すなわち絶縁)。
図3のアレイ基板は、ゲート絶縁層GIを通過し延びている第1貫通孔Vを更に含む。第1電極E1(すなわち共通電極)は第1貫通孔Vを介して共通電極信号線CESLに電気的に接続されている。アレイ基板は、ゲート絶縁層GIを通過し延びている第2貫通孔(図示せず)を更に含み、第2ノードN2(すなわちドレイン電極)は第2貫通孔を介して第2電極E2に電気的に接続されている。第1貫通孔Vの共通電極信号線CESLへの投影はただ共通電極信号線CESLに部分的に重なることで、第1貫通孔Vは共通電極信号線CESLにより完全にシールドされていなくてもよい。光照射により、第1貫通孔Vにおける半導体材料の導電性を増加させることができる。第1貫通孔Vの共通電極信号線CESLへの投影は共通電極信号線CESLに最小限に重なってもよい。第1貫通孔Vのベース基板BSへの投影は共通電極信号線CESLの外側に位置してもよく、アレイ基板は、第1貫通孔Vにおける半導体材料と共通電極信号線CESLとに電気的に接続された透明電極橋(transparent electrode bridge)を更に含む。透明電極橋は第2電極
E2と同一の層に形成され、透明の電極材料(例えばインジウム錫酸化物)で製作されてもよい。
【0052】
図4Aは、本発明の実施形態に係るアレイ基板を示す構造図である。
図4Bは、
図4Aのアレイ基板のA-A’に沿う断面図である。
図4Cは、
図4Aのアレイ基板のB-B’に沿う断面図である。
図4Dは、
図4Aのアレイ基板のC-C’に沿う断面図である。
図4A-
図4Dのアレイ基板において、第1電極E1は第2電極E2のベース基板BSに近い側に位置する。本実施形態の第1電極E1は画素電極であり、第2電極E2は共通電極である。以上のように、このようなアレイ基板を製造する際に、単一のマスクプレートを用いて活性層AL、第1電極E1とデータラインDLをパターニングすることができる。従って、従来のアレイ基板に比べて、単一のマスクプレートを用いて当該アレイ基板を製造することができ、よって、製造プロセスを簡略化とし、低コスト化を実現する。また、本アレイ基板の開口率を向上し、薄膜トランジスタの移動速度を増加させる。
図4A-
図4Dに示すアレイ基板は74%の開口率を実現する。類似なアレイ基板は一般的に約72%の開口率を持つ。従って、本アレイ基板は
2%の開口率を増加する。
【0053】
本発明の別の側面はアレイ基板の製造方法を提供する。幾つかの実施形態では、当該アレイ基板の製造方法は、ベース基板に画素電極と共通電極から選ばれる2つの異なる電極である第1電極と第2電極を形成するステップと、活性層、活性層のベース基板から離れる側に位置するエッチング停止層、第1ノードと第2ノードを含む薄膜トランジスタを形成するステップとを含む。本製造方法による活性層はチャネル領域、第1ノードコンタクト領域、第2ノードコンタクト領域を含む。チャネル領域のベース基板への投影は、エッチング停止層のベース基板への投影に実質的に重なっている。第1ノードコンタクト領域と第2ノードコンタクト領域のベース基板への投影はエッチング停止層の外側に位置する。第1ノードは第1ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に形成され、第2ノードは第2ノードコンタクト領域の前記ベース基板から離れる側に形成されている。活性層と第1電極とは同一の層に形成され、M1OaNbを含む半導体材料で形成され、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。半導体材料は半導体材料であってもよい。
【0054】
感光性の半導体材料を用いることにより、第1電極(例えば、画素電極)を製造し、光照射(例えばバックライトからの光)により、当該アレイ基板の第1電極の移動速度はより大幅に改善できる。一方、活性層のチャンネル領域は、ゲート電極による光照射からシールドされている。従って、チャネル領域の移動速度は光照射から著しい影響を受けず、薄膜トランジスタには光照射により著しい漏れ電流を生じることがない。画素電極をバックライトの照射に曝露させたデザインを持つことによって、当該アレイ基板の画素電極にはより高い導通電流が達成されることができる。従って、画素電極を短時間で充電できる。
【0055】
幾つかの実施形態では、当該アレイ基板の製造方法は、第1電極のベース基板から離れる側に補助エッチング停止層を形成するステップをさらに含み、補助エッチング停止層とエッチング停止層とは同一の層に形成され、同じ材料、例えばシリコンを含む化合物で製作されている。エッチング停止層や補助エッチング停止層を製造するためのシリコンを含む化合物として、酸化シリコン、窒化シリコン、窒素酸化ケイ素、炭化ケイ素、炭素酸化ケイ素、シリコンとシリコンゲルマニウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
幾つかの実施形態では、当該アレイ基板の製造方法は、第1サブ層および第2サブ層を含むデータラインを形成するステップをさらに含み、第1サブ層は、第2サブ層のベース基板に近い側に形成されている。第1サブ層は、活性層と画素電極と同様に同一の層に形成され、同じ材料で製作され、例えば、M1OaNbを含む半導体材料で製作され、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。なお、第2サブ層は、第1ノードと第2ノードと同様に同一の層に形成され、同じ材料で製作され、例えば、電極材料で製作されている。
【0057】
幾つかの実施形態では、第2電極は、第1電極のベース基板から離れる側に形成されている。なお、第1電極は画素電極であり、第2電極は共通電極であってもよい。逆に、第1電極は共通電極であり、第2電極は画素電極であってもよい。
【0058】
幾つかの実施形態では、第2電極は第1電極のベース基板に近い側に形成されている。なお、第1電極は画素電極であり、第2電極は共通電極であってもよい。逆に、第1電極は共通電極であり、第2電極は画素電極であってもよい。
【0059】
第1ノード(例えば、ソース電極またはドレイン電極)は第1ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に形成され、第1ノードコンタクト領域に接触してもよい。また、第2ノード(例えば、ドレイン電極またはソース電極)は第2ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に形成され、第2ノードコンタクト領域に接触してもよい。また、第1ノード(例えば、ソース電極またはドレイン電極)は第1ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に形成され、当該アレイ基板の製造方法は、第1ノードと第1ノードコンタクト領域との間のオーミックコンタクト層を形成するステップを更に含んでもよい。また、第2ノード(例えば、ドレイン電極またはソース電極)は第2ノードコンタクト領域のベース基板から離れる側に形成され、当該アレイ基板の製造方法は、第2ノードと第2ノードコンタクト領域との間のオーミックコンタクト層を形成するステップを更に含んでもよい。
【0060】
一つの実施形態では、第1電極は画素電極であり、第2電極は共通電極である。当該アレイ基板の製造方法は、ベース基板にゲート電極と共通電極信号線を形成するステップと、ゲート電極と共通電極信号線のベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、ゲート絶縁層のゲート電極と共通電極信号線から離れる側に半導体材料層を形成し、ただし、半導体材料はM1OaNbを含み、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0であるステップと、半導体材料層のゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、マスクプレートを用いてエッチング停止材料層をパターニングすることで、エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、エッチング停止層と補助エッチング停止層の半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、単一のマスクプレートを用いて電極材料層と半導体材料層をパターニングすることで、第1ノード、第2ノード、活性層、第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成するステップと、第1ノード、第2ノードとデータラインのゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップと、不活性化層およびゲート絶縁層を通過し延びている貫通孔を形成するステップと、不活性化層のゲート絶縁層から離れる側に第2電極を形成するステップとを含む。第2電極は貫通孔を介して共通電極信号線に電気的に接続されているように形成されている。電極材料層と半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて電極材料層と半導体材料層をエッチングすることを含む。
【0061】
他の実施形態では、第1電極は画素電極であり、第2電極は共通電極である。当該アレイ基板の製造方法は、ベース基板にゲート電極、共通電極信号線と共通電極信号線に電気的に接続されているように形成された第2電極を形成するステップと、ゲート電極、共通電極信号線と第2電極のベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、ゲート絶縁層のゲート電極、共通電極信号線と第2電極から離れる側に半導体材料層を形成し、ただし、半導体材料はM1OaNbを含み、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0であるステップと、半導体材料層のゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、マスクプレートを用いてエッチング停止材料層をパターニングすることで、エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、エッチング停止層と補助エッチング停止層の半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、単一のマスクプレートを用いて電極材料層と半導体材料層をパターニングすることで、第1ノード、第2ノード、活性層、第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成するステップと、第1ノード、第2ノードとデータラインのゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップとを含む。電極材料層と半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて電極材料層と半導体材料層をエッチングすることを含む。
【0062】
さらに他の実施形態では、第1電極は共通電極であり、第2電極は画素電極である。当該アレイ基板の製造方法は、ベース基板にゲート電極、共通電極信号線と第2電極を形成するステップと、ゲート電極、共通電極信号線と第2電極のベース基板から離れる側にゲート絶縁層を形成するステップと、ゲート絶縁層を通過し延びている貫通孔を形成するステップと、ゲート絶縁層のゲート電極、共通電極信号線と第2電極から離れる側に半導体材料層を形成するステップと、半導体材料層のゲート絶縁層から離れる側にエッチング停止材料層を形成するステップと、マスクプレートを用いてエッチング停止材料層をパターニングすることで、エッチング停止層と補助エッチング停止層を形成するステップと、エッチング停止層と補助エッチング停止層の半導体材料層から離れる側に電極材料層を形成するステップと、単一のマスクプレートを用いて電極材料層と半導体材料層をパターニングすることで、第1ノード、第2ノード、活性層、第1電極、第1サブ層と第2サブ層を含むデータラインを形成し、第2ノードは貫通孔を介して第2電極に電気的に接続されているステップと、第1ノード、第2ノードとデータラインのゲート絶縁層から離れる側に不活性化層を形成するステップとを含む。電極材料層と半導体材料層をパターニングするステップは同じエッチング液を用いて電極材料層と半導体材料層をエッチングすることを含む。
【0063】
図5A-
図5Eは、本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
図5Aに示すように、まず、当該アレイ基板の製造方法は、ベース基板BSにゲート電極Gと共通電極信号線CESLを形成することを含む。
図5Bは、ゲート電極Gと共通電極信号線CESLのベース基板BSから離れる側にゲート絶縁層GIを形成するステップと、ゲート絶縁層GIのゲート電極Gと共通電極信号線CESLから離れる側に半導体材料層SCMLを形成するステップと、半導体材料層SCMLのゲート絶縁層GIから離れる側にエッチング停止材料層ESLと補助エッチング停止層AESLを形成するステップを示す。半導体材料はM1O
aN
bを含み、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。半導体材料層SCMLのゲート絶縁層GIから離れる側にエッチング停止材料層を堆積させることにより、エッチング停止層ESLと補助エッチング停止層AESLを形成し、マスクプレートを用いてエッチング停止材料層をパターニングしてもよい。
【0064】
塗布、マグネトロンスパッタリング、プラズマ増強化学蒸着(PEVCD)などの蒸着により、半導体材料層を形成してもよい。
【0065】
塗布、マグネトロンスパッタリング、プラズマ増強化学蒸着(PEVCD)などの蒸着により、エッチング停止材料層を形成してもよい。
【0066】
例えばドライエッチングプロセスなどのエッチングプロセスにより、エッチング停止材料層を除去してもよい。
【0067】
図5Cに示すように、当該アレイ基板の製造方法は、ゲート絶縁層GIのベース基板BSから離れる側に第1ノードN1、第2ノードN2、活性層AL、第1電極E1とデータラインDLを形成するステップを含む。従来の方法に比べて、本製造方法において単一のマスクプレートを用いて、つまり、シングルのパターニングステップで一つのマスクプレートを用いて、第1ノードN1、第2ノードN2、活性層AL、第1電極E1とデータラインDLを形成する。具体的に、当該アレイ基板の製造方法は、エッチング停止層ESLと補助エッチング停止層AESLの半導体材料層SCMLから離れる側に電極材料層を堆積させるステップと、第1ノードN1、第2ノードN2とデータラインDLに対応するパターンを持つ単一のマスクプレートを用いて例えば電極材料層と半導体材料層SCMLをパターニングできるエッチング液を用いて、電極材料層と半導体材料層SCMLをパターニングするステップとを更に含む。第1ノードN1、第2ノードN2とデータラインDLに対応する領域以外の領域において電極材料層を除去することにより、第1ノードN1、第2ノードN2とデータラインDLが形成されている。半導体材料層SCMLはエッチング液によりオーバーエッチングされ、半導体材料層SCMLはエッチング液に晒す領域で除去された。半導体材料層SCMLはエッチング停止層ESLや補助エッチング停止層AESLによって保護された領域またはデータラインDL、第1ノードN1と第2ノードN2とに対応する領域に残る。オーバーエッチングが完了するときに、活性層AL、第1ノードN1、第2ノードN2、第1サブ層DL1および第2サブ層DL2を含むデータラインDLが形成される。
【0068】
様々の適当な電極材料と様々の適当な製造方法を使って電極材料層を製造することができる。例えば、電極材料層をベース基板に堆積させ(例えばスパッタリング、蒸着、溶液塗布、スピンコーティングの利用)、パターニングすることにより、第1ノード、第2ノードとデータラインの第2サブ層が形成された。電極材料層を製造するための適当な半導体材料として、ナノ銀、モリブデン、アルミニウム、銀、クロム、タングステン、チタン、タンタル、銅などの金属材料、合金、これらを含む積層体、及びインジウム錫酸化物のような様々の導電性金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
図5Dに示すように、当該アレイ基板の製造方法は、第1ノードN1、第2ノードN2とデータラインDLのゲート絶縁層GIから離れる側に不活性化層PVXを形成するステップと、不活性化層PVXおよびゲート絶縁層GIを通過し延びている貫通孔Vを形成するステップとを更に含む。
【0070】
図5Eに示すように、当該アレイ基板の製造方法は、不活性化層PVXのゲート絶縁層GIから離れる側に第2電極E2を形成するステップを含み、第2電極E2は貫通孔Vを介して共通電極信号線CESLに電気的に接続されている。
図5A-
図5Eの製造プロセスによるアレイ基板の第1電極E1は画素電極であり、第2電極E2は共通電極である。
【0071】
図6A-
図6Eは、本発明の実施形態に係るアレイ基板の製造プロセスを示す図である。
図6Aに示すように、まず、当該アレイ基板の製造方法は、ベース基板BSにゲート電極G、共通電極信号線CESLと第2電極E2を形成するステップを含む。第2電極E2は共通電極信号線CESLに電気的に接続されている。
図6Bに示すように、当該アレイ基板の製造方法は、ゲート電極G、共通電極信号線CESLと第2電極E2のベース基板BSから離れる側にゲート絶縁層GIを形成するステップを更に含む。
図6Cに示すように、当該アレイ基板の製造方法は、ゲート絶縁層GIのゲート電極G、共通電極信号線CESLと第2電極E2から離れる側に半導体材料層SCMLを形成するステップと、半導体材料層SCMLのゲート絶縁層GIから離れる側にエッチング停止材料層ESLと補助エッチング停止層AESLを形成するステップを更に含む。半導体材料はM1O
aN
bを含み、ただし、M1は単一の金属または金属の組み合わせであり、かつa>0、b≧0である。半導体材料層SCMLのゲート絶縁層GIから離れる側にエッチング停止材料層を堆積させることにより、エッチング停止層ESLと補助エッチング停止層AESLを形成し、マスクプレートを用いてエッチング停止材料層をパターニングしてもよい。
【0072】
図6Dに示すように、当該アレイ基板の製造方法は、ゲート絶縁層GIのベース基板BSから離れる側に第1ノードN1、第2ノードN2、活性層AL、第1電極E1とデータラインDLを形成するステップを含む。従来の方法に比べて、本製造方法において単一のマスクプレートを用いて、つまり、シングルのパターニングステップで一つのマスクプレートを用いて、第1ノードN1、第2ノードN2、活性層AL、第1電極E1とデータラインDLを形成する。具体的に、当該アレイ基板の製造方法は、エッチング停止層ESLと補助エッチング停止層AESLの半導体材料層SCMLから離れる側に電極材料層を堆積させるステップと、第1ノードN1、第2ノードN2とデータラインDLに対応するパターンを持つ単一のマスクプレートを用いて例えば電極材料層と半導体材料層SCMLをパターニングできるエッチング液を用いて、電極材料層と半導体材料層SCMLをパターニングするステップとを更に含む。第1ノードN1、第2ノードN2とデータラインDLに対応する領域以外の領域において電極材料層を除去することにより、第1ノードN1、第2ノードN2とデータラインDLが形成されている。半導体材料層SCMLはエッチング液によりオーバーエッチングされ、半導体材料層SCMLはエッチング液に晒す領域で除去された。半導体材料層SCMLはエッチング停止層ESLや補助エッチング停止層AESLによって保護された領域またはデータラインDL、第1ノードN1と第2ノードN2とに対応する領域に残る。オーバーエッチングが完了するときに、活性層AL、第1ノードN1、第2ノードN2、第1サブ層DL1および第2サブ層DL2を含データラインDLが形成される。
【0073】
図6Eに示すように、当該アレイ基板の製造方法は、第1ノードN1、第2ノードN2とケーブルDLのゲート絶縁層GIから離れる側に不活性化層PVXを形成するステップを更に含む。
図6A-
図6Eの製造プロセスによるアレイ基板の第1電極E1は画素電極であり、第2電極E2は共通電極である。
【0074】
当該アレイ基板の製造方法において、同じマスクプレートを用いて同じパターニングプロセスで活性層と第1電極層(例えば画素電極)を形成するので、活性層と画素電極をそれぞれにパターニングするための二つの個別のマスクプレートを使う必要がない。電極材料層をエッチングすることにより第1ノードと第2ノードを形成するプロセスにおいて、活性層と画素電極層を形成するように、第1ノードと第2ノードを形成するためのマスクプレートを用いて電極材料層の下方にある半導体材料層をエッチングし、エッチング停止層と補助エッチング停止層を保護マスクとするので、二つの個別のエッチングステップが要らない。結果として、製造プロセスが簡単になった。本発明の製造方法による薄膜トランジスタには、活性層の上面にエッチング停止層があるので、トランジスタの信頼性を維持することができる。
【0075】
本発明の別の側面は、以上で説明したアレイ基板または以上で説明した製造方法によるアレイ基板を有する表示パネルを提供することができる。
【0076】
本発明の別の側面は、以上で説明した表示パネルを有する表示装置を提供することができる。適切な表示装置として、液晶表示パネル、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、携帯電話、タブレット、テレビ、モニター、ノートパソコン、デジタルアルバム、GPS等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
本発明の実施例についての記述は本発明を説明するためのものである。以上の内容は本発明を具体的な実施例や開示した実施例に限定するものではない。従って、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明を説明するためのものと見なされるべきである。多くの修正および変更は当業者にとって明らかである。実施例を選ぶまたは説明するのは本発明の原理や最適の応用を説明するためであり、これにより、当業者は、本発明の様々な実施例や特定の使用または実行に適している種々の変形を理解すべきである。本発明の範囲は請求の範囲またはそれと等価な内容により限定され、特に明記しない限り、すべての用語は最も広く合理的な意味を持つ。したがって、「当該発明」、「本発明」という用語が必ず請求の範囲を特定の実施例に制限せず、また、本発明の典型的な実施例を参照することは、本発明に対する制限を意味しない。このような制限を推測できない。本発明は権利要求の旨と範囲によって限定されている。これらの請求の範囲において、「第1」、「第2」などは名詞または要素とともに使われている。このような用語は命名するためのものであることが理解すべき、具体的な番号が与えられていない限り、このような命名を付けた要素の番号に制限を与えることを解釈してはならない。いずれの述べた長所と利点は、本発明のすべての実施例に適用されない可能性があります。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、変更、改良され得ることはいうまでもない。なお、以下の請求の範囲において要素や構成が明確に記載されているかどうかにかかわらず、本公開の要素と構成は、公衆に対する目的ではない。
【符号の説明】
【0078】
BS ベース基板
G ゲート電極
CESL 共通電極信号線
GI ゲート絶縁層
AL 活性層
E1 第1電極
N1 第1ノード
N2 第2ノード
CR チャネル領域
NCR1 第1ノードコンタクト領域
NCR2 第2ノードコンタクト領域
ESL エッチング停止層
AESL 補助エッチング停止層
DL データライン
DL1 第1サブ層
DL2 第2サブ層
PVX 不活性化層
V 貫通孔
E2 第2電極
SCML 半導体材料層