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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】防災機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20220318BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20220318BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
H05K5/02 A
G08B17/00 G
G08B17/00 L
H05K5/03 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018065188
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019176096
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(74)【代理人】
【識別番号】100195006
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勇蔵
(72)【発明者】
【氏名】竹下 敦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 正樹
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-79898(JP,A)
【文献】特開2000-250111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
G08B 17/00
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に取り付けられる扉と、
前記扉に形成される開口部に嵌合され、表示画面部を有するパネルユニットと、
前記扉の裏面に設けられ、前記パネルユニットを前記扉に対して固定させる固定部とを備え、
前記パネルユニットは、前記表示画面部の外周にフランジを有し、
前記フランジの外縁は前記扉の前記開口部の内縁と接し、
前記フランジには、前記外縁に沿って、前記フランジの前記外縁から内側に向かって高くなる面取部が形成され、
前記フランジの前記外縁の外側には、前記扉の前記裏面に当接する当接部が設けられる
防災機器。
【請求項2】
前記面取部は平坦な傾斜面を有する、請求項1に記載の防災機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災受信機等の防災機器に関する。
【背景技術】
【0002】
火災受信機や消火システム制御盤等の防災機器には、本体と扉とを有し、扉には液晶ディスプレイ等が搭載されたパネルユニットを着脱可能に取り付けられるようにしたものがある。このような防災機器の例として、例えば特許文献1には、扉に設けた開口部に表示操作ユニットを、受信機の正面側から嵌め込むようにして取り付けた火災受信機が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載される火災受信機では、特許文献1の図11に示すように、表示操作ユニットの外周には、フランジが設けられている。表示操作ユニットを扉の開口部に嵌め込む際には、このフランジを扉の正面側から開口部の周りに当接させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-274317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載される火災受信機では、図4(a)に示すように、扉105の開口部105aに嵌め込まれた表示操作ユニットのフランジ120と扉105との境界が目立ってしまい、見た目に違和感が生じるという問題があった。
【0006】
また、従来の火災受信機では、図4(a)に示すように、表示操作ユニットのフランジ120に設けられたフランジ側係合部123と、扉105の裏側に設けた扉側係合部材116の係合孔116aとを係合させる。ここで、扉105の厚みt11が、図4(b)のに示すように、異なる厚みt12となった場合、フランジ側係合部123と扉側係合部材116の係合孔116aとの相対的な位置がずれてしまい、表示操作ユニットを扉105に固定させることができなくなる。そのため、防災機器の扉の厚みに応じて、扉側係合部材116の寸法を変える必要があり、製造コストが嵩んでしまうという問題があった。
【0007】
この発明は、このような問題を解決するためになされ、外観の意匠性を向上させるとともに、製造コストを抑えることができる防災機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明に係る防災機器は、本体と、本体に取り付けられる扉と、扉に形成される開口部に嵌合され、表示画面部を有するパネルユニットとを備え、パネルユニットは、表示画面部の外周にフランジを有し、フランジの外縁は扉の開口部の内縁と接し、フランジには、外縁に沿って、フランジの外縁から内側に向かって高くなる面取部が形成され、フランジの外縁の外側には、扉の裏面に当接する当接部が設けられる。
【0009】
また、この発明に係る防災機器のパネルユニットの面取部は、平坦な傾斜面を有していてもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る防災機器によれば、外観の意匠性を向上させるとともに、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態に係る防災機器の外観を示す斜視図である。
図2図1に示す防災機器の扉の裏面側の斜視図である。
図3図1に示す防災機器のパネルユニットと扉との係合部分を、切断線III-IIIで切断した様子を示す拡大断面図であり、図3(a)~(c)は、各々、扉の厚みが異なる場合の例を示している。
図4】従来の例に係る防災機器のパネルユニットと扉との係合部分を示す拡大断面図であり、図4(a)及び(b)は、各々、扉の厚みが異なる場合の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、防災機器としての火災受信機100は、内部に制御機器等が収納される本体1と、本体1の正面側に開閉可能に取り付けられる扉5とを有している。扉5には開口部50が形成される。扉5の開口部50にはパネルユニット20が嵌合される。パネルユニット20は、表示部21と操作部11とを有している。ここで、表示部21は、長方形状の表示画面部21aと、表示画面部21aの外周の四辺に亘って設けられる帯状のフランジ21bとを有する。表示画面部21aは、火災関連情報等を表示する液晶画面である。また、操作部11は表示部21の下に一体的に設けられている。操作部11には、使用者が表示画面部21aを見ながら操作することが可能なタッチキー(図示せず)が設けられる。
なお、以下の説明において、火災受信機100の本体1に対してパネルユニット20が取り付けられている側を正面側X1とし、正面側X1の反対側を裏面側X2とする。
【0013】
図2に示すように、パネルユニット20の外縁部には、裏面側X2に立ち上がる側壁部26が設けられる。裏面側X2から見て、側壁部26の左側壁部26aおよび右側壁部26bには、各々、3つのフック23が設けられている。また、側壁部26の上側壁部26cおよび下側壁部26dの各々には、外側に突出する2個の係合突起部22が形成されている。係合突起部22の各々には、第一係合孔22aが形成される。
【0014】
さらに、扉5の裏面には、パネルユニット20を間に挟む一対の板形状の扉側係合部材16が設けられている。扉側係合部材16には、パネルユニット20の側壁部26のフック23の各々が係合可能な第二係合孔16aが形成される。また、扉5の裏面には、係合突起部22の各々の第一係合孔22aに挿入されて係合可能な、ネジ穴が加工された4つの突出部15が設けられている。
なお、扉側係合部材16は、パネルユニット20を扉5に対して固定する固定部を構成する。
【0015】
図1及び図3(a)に示すように、正面側X1から見て、パネルユニット20の表示部21の上辺側、左辺側および右辺側のフランジ21bの外縁21cは、扉5の開口部50の内縁50aに接している。また、フランジ21bは、外縁21cに沿って設けられる傾斜面24を有する。傾斜面24は、フランジ21bの外縁21cから内側に向かって、正面側X1に突出するように高くなる平坦な面である。また、フランジ21bの外縁21cの外側には、扉5の裏面に当接する当接部25が形成される。
なお、傾斜面24は、面取部を構成する。
【0016】
パネルユニット20を扉5の開口部50に取り付ける際は、扉5を開けて、扉5の裏面側X2からパネルユニット20の設置作業を行う。パネルユニット20のフック23を扉側係合部材16の第二係合孔16aに係合させ、さらに、パネルユニット20の係合突起部22の各々の第一係合孔22aに扉5の突出部15を挿入し、ネジにより固定することにより、パネルユニット20は扉5に対して固定される。この時、パネルユニット20の当接部25を扉5の裏面に当接させることにより、パネルユニット20は扉5に対して安定的に位置決めされる。
【0017】
以上より、この実施の形態1に係る火災受信機100のパネルユニット20のフランジ21bには、外縁21cに沿って、外縁21cから内側に向かって高くなる傾斜面24が形成される。
ここで、図3(a)に記載される扉5の厚みは、t1=1.2mmであり、図3(b)に記載される扉35の厚みは、t2=1.6mmであり、図3(c)に記載される扉45の厚みは、t3=2.0mmである。このように、扉5,35,45の厚みが各々異なっても、フランジ21bの外縁21cに沿って傾斜面24が形成されることにより、いずれの場合も、フランジ21bと扉5,35,45との間の境界が目立たなくなり、見た目の違和感が解消される。従って、パネルユニット20を取付ける扉の厚みに関わらず、火災受信機100の外観の意匠性がより向上する。
【0018】
また、図3(a)~(c)に示すように、フランジ21bの外縁21cの外側には、扉5,35,45の裏面に当接する当接部25が設けられる。これにより、パネルユニット20を取付ける扉の厚みが異なる場合でも、扉側係合部材16の寸法を変える必要なく、パネルユニット20を扉の裏面側X2から安定して取付けることができる。従って、火災受信機100の製造コストを抑えることが可能となる。
【0019】
なお、この実施の形態において、面取部は、Rを有する丸み面取部であってもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 本体、5,35,45 扉、16 扉側係合部材(固定部)、20 パネルユニット、21a 表示画面部、21b フランジ、24 傾斜面(面取部)、25 当接部、100 火災受信機(防災機器)。
図1
図2
図3
図4