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特許7042703情報処理装置、情報処理装置を備える荷降しシステム、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置を備える荷降しシステム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20220318BHJP
   B65G 47/12 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
B25J13/08 A
B65G47/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018114848
(22)【出願日】2018-06-15
(65)【公開番号】P2019217570
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 武
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-47544(JP,A)
【文献】実開昭56-65416(JP,U)
【文献】特開平9-248779(JP,A)
【文献】特開平11-291187(JP,A)
【文献】特開平3-202706(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2009-0003251(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B65G 47/12
B65G 59/04
G01B 11/00 - 11/24
B66C 13/00
B23Q 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を把持して移動させるロボットアームの位置姿勢を示す情報を取得する第1インタフェースと、
センサが配置されたセンサ高さにおける、前記センサから前記ロボットアームが把持している物品までの距離を測定するセンサの出力情報を取得する第2インタフェースと、
前記第2インタフェースにより取得する前記センサの出力情報に基づいて前記物品が前記ロボットアームにより前記センサ高さを超えたことを検出した場合、前記第1インタフェースにより前記ロボットアームの位置姿勢を示す情報を取得し、取得した位置姿勢と、前記センサ高さと、前記物品が前記センサ高さを超えたことを検出してから前記位置姿勢を取得するまでの時間及び前記ロボットアームの移動速度とに基づいて前記物品の高さを導出する制御部と、
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
物品を把持して移動させるロボットアームの移動速度を取得する第1インタフェースと、
センサが配置されたセンサ高さにおける、前記センサから前記ロボットアームが把持している物品までの距離を測定するセンサの出力情報を取得する第2インタフェースと、
前記第2インタフェースにより取得する前記センサの出力情報に基づいて前記センサが前記物品を検出した検出開始時刻から前記物品を検出しなくなった検出終了時刻までの所要時間を特定し、前記所要時間と前記所要時間における前記ロボットアームの移動速度とに基づいて前記物品の高さを導出する制御部と、
を具備する情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置と、
前記物品を把持する把持部を有する、前記ロボットアームと、
前記センサと、
前記ロボットアームの動作を制御するロボット制御装置と、
前記センサの動作を制御するセンサ制御装置と、
を具備する、荷降しシステム。
【請求項4】
前記センサを昇降させるセンサ昇降機構をさらに具備し、
前記センサ制御装置は、前記センサ昇降機構を動作させて、前記センサ高さを前記物品の上面の高さに基づいて変更させる、請求項3に記載の荷降しシステム。
【請求項5】
物品を把持して移動させるロボットアームが引き上げている物品の高さを導出することをコンピュータに実行させるプログラムであって、
センサが配置されたセンサ高さにおける、前記センサから前記ロボットアームが把持している物品までの距離を測定するセンサの出力情報に基づいて、前記物品が前記ロボットアームにより前記センサ高さを超えたことを検出し、
前記ロボットアームの位置姿勢を取得し、
取得した位置姿勢と、前記センサ高さと、前記物品が前記センサ高さを超えたことを検出してから前記位置姿勢を取得するまでの時間及び前記ロボットアームの移動速度とに基づいて前記物品の高さを導出する、プログラム。
【請求項6】
物品を把持して移動させるロボットアームが引き上げている物品の高さを導出することをコンピュータに実行させるプログラムであって、
センサが配置されたセンサ高さにおける、前記センサから前記ロボットアームが把持している物品までの距離を測定するセンサの出力情報を取得し、
取得した出力情報に基づいて前記センサが前記物品を検出した検出開始時刻から前記物品を検出しなくなった検出終了時刻までの所要時間を特定し、
前記所要時間と前記所要時間における前記ロボットアームの移動速度とに基づいて前記物品の高さを導出する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理装置を備える荷降しシステム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流倉庫などの現場において、収納された商品等の荷物を搬送用コンベア等に荷降しする場合に、荷降し装置が用いられることがある。例えば、ロボットアーム、及びロボットアームの先端に設けられる、物品を把持する把持部を有する荷降し装置が知られている。
【0003】
このような荷降し装置において、ロボットアームが把持する物品の高さを検出するには、把持する物体の上面の位置、及び距離を検出する三次元カメラ等のセンサに加えて、把持する物体の側面を検出するための別の三次元カメラ等のセンサを設ける必要がある。しかしながら、該別のセンサを設けるためのコストが増加する問題や、該センサから得られる画像情報を処理するための処理時間が増加する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-12567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、三次元カメラ等の高価なセンサを用いずにロボットアームが把持している物品の高さを導出できる情報処理装置、情報処理装置を備える荷降しシステム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報処理装置は、物品を把持して移動させるロボットアームの位置姿勢を示す情報を取得する第1インタフェースと、センサが配置されたセンサ高さにおける、前記センサから前記ロボットアームが把持している物品までの距離を測定するセンサの出力情報を取得する第2インタフェースと、前記第2インタフェースにより取得する前記センサの出力情報に基づいて前記物品が前記ロボットアームにより前記センサ高さを超えたことを検出した場合、前記第1インタフェースにより前記ロボットアームの位置姿勢を示す情報を取得し、取得した位置姿勢と、前記センサ高さと、前記物品が前記センサ高さを超えたことを検出してから前記位置姿勢を取得するまでの時間及び前記ロボットアームの移動速度とに基づいて前記物品の高さを導出する制御部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、荷降しシステムの一例を概略的に示す模式図である。
図2図2は、荷降しシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、物品引き抜き検知及び物品高さ測定の一例を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、荷降しシステムの動作の一例を示す図である。
図4B図4Bは、荷降しシステムの動作の一例を示す図である。
図4C図4Cは、荷降しシステムの動作の一例を示す図である。
図4D図4Dは、荷降しシステムの動作の一例を示す図である。
図4E図4Eは、荷降しシステムの動作の一例を示す図である。
図5図5は、物品高さ測定の第1の方法を説明するための図である。
図6A図6Aは、物品高さ測定の第2の方法を説明するための図であって、荷降しシステムの動作の一例を示す模式図である。
図6B図6Bは、物品高さ測定の第2の方法を説明するための図であって、LRFによる物品検出における距離と時間との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、荷降しシステムにおけるレーザーレンジファインダ(LRF)を用いた荷物の抜き取り検知及び荷物の高さ測定の手法を提案する。
【0009】
図1は、実施形態に係る荷降しシステム1の一例を概略的に示す模式図である。図1に示されるように、X方向とY方向(水平方向)、及びZ方向(鉛直方向又は上下方向)を定義する。
【0010】
荷降しシステム1は、物流現場などで用いられる、ロボットによる荷降しを行うシステムである。荷降しシステム1は、ロボットアーム10と、第1距離センサ2と、第2距離センサ3と、第2距離センサ昇降機構4と、制御システム20とを有している。荷降しシステム1は、例えば荷降し対象の荷物である物品51を搬送用コンベア40に搬送するシステムである。搬送用コンベア40は、荷降し後の物品51を搬送する搬送機構である。
【0011】
ロボットアーム10は、物品を移動させる装置である。本実施形態では、ロボットアーム10は、物品群50の荷降しに用いられる。ここで、物品群50とは、1以上の物品を含み、例えば、複数の物品が鉛直方向(Z方向)に積み重ねられた段が水平方向(X方向、Y方向、又はその両方)に複数並べられたもの(物品のスタック)を指す。ロボットアーム10は、ネットワーク30を介して、制御システム20と通信する。ロボットアーム10は、制御システム20の後述するロボット制御装置60(図2参照)により動作を制御される。ロボットアーム10は、アーム機構11と、アーム機構11の先端に設けられた把持部12とを有している。
【0012】
アーム機構11は、例えば、複数のアームと、アーム間を連結している複数の関節機構とを有している。関節機構は、ロボット制御装置60の制御により動作し、連結している2つのアームの相対的な角度を変化させる。すなわち、関節機構の動作によってアームが移動する。
【0013】
把持部12は、物品を把持する。例えば、把持部12は、物品に吸着する吸着パッドを含む。吸着パッドの数は、1つでもよいし、複数であってもよい。吸着パッドが物品の表面に接した状態で、ロボット制御装置60の制御により吸着パッド内が負圧にされると、吸着パッドは、物品の表面に吸着(真空吸着)する。吸着パッド内の負圧が解除されると、吸着パッドは物品をリリースする。このように、把持部12は、例えば吸着によって物品を把持する。
【0014】
あるいは、把持部12は、物品を把持するグリッパを含むものであってよい。グリッパは、例えば、複数の指と、複数の指を連結している複数の関節機構とを備える。関節機構は、ロボット制御装置60の制御により動作し、関節機構の動作に連動して指が動作するように構成されてよい。グリッパは、例えば、複数の指による2点以上の接点で、対向する複数の方向から物品に対して力を加える。これにより、把持部12は、指と物品との間に生じる摩擦によって物品を把持する。
【0015】
把持部12として、吸着による把持機構である吸着パッド、挟持による把持機構であるグリッパを挙げたが、把持部12はこれに限定されない。物品群50の物品を把持可能な種々の把持機構を採用してよい。
【0016】
第1距離センサ2は、物品群50の各物品までの距離を計測するセンサである。第1距離センサ2は、ネットワーク30を介して、制御システム20と通信する。第1距離センサ2は、ロボット制御装置60により動作を制御される。第1距離センサ2は、図1に示されるように、荷降し対象の物品群50の上方に配置される。第1距離センサ2は、例えば、異なる2点から物品を撮像した際の視差に基づいて物品までの距離を計測するステレオカメラである。第1距離センサ2は、物品群50のなかからロボットアーム10が把持する把持対象物品を決定するために用いられる。
【0017】
第2距離センサ3は、例えばレーザーレンジファインダ(LRF)である。以下、第2距離センサ3をLRF3、第2距離センサ昇降機構4をLRF昇降機構4として説明する。また、第1距離センサ2を単に距離センサ2と称する。LRF3は、物品群50の近傍に配置される。LRF3は、ネットワーク30を介して、制御システム20と通信する。LRF3は、制御システム20の後述する情報処理装置70(図2参照)により動作を制御される。LRF3は、例えば半導体レーザーからレーザー光を発振して照射し、例えば物品群50の物品である対象物までの距離を測定する。測定された距離の値に基づいて、物品の有無が判断される。例えばLRF3により有効な値が検出された場合に、物品が存在すると判断される。有効な値とは、測定された距離の値が、対象物である把持する物品が存在し得る範囲の値である。LRF3は、物品群50が設置されている範囲全体を測定範囲(LRF監視範囲)とする。LRF監視範囲は、例えば図1にLRF3を始点とする所定の角度範囲のドット領域で示されている。なお、LRF3以外の距離センサ、あるいは物品の有無を検知可能な他の一次元センサを採用してもよい。
【0018】
LRF昇降機構4は、LRF3を上下方向に移動させるリフト機構である。LRF昇降機構4は、例えば、鉛直方向に延びた支柱5と、支柱に鉛直方向に形成されたスリット6と、スリット6に嵌め込まれて上下移動可能な台座7とを有している。台座7の上にLRF3が載置されている。LRF昇降機構4は、ネットワーク30を介して、制御システム20と通信する。LRF昇降機構4は、情報処理装置70により動作を制御される。例えば、LRF昇降機構4の不図示のモータが、情報処理装置70の制御により駆動され、台座7及びその上のLRF3を上昇又は降下させる。つまり、LRF昇降機構4の動作により、LRF3はLRF測定位置であるセンサ高さを変更可能である。
【0019】
荷降し対象である物品は、図1に示されるように、物品群50として搬送用コンベア40の近傍に配置されている。物品群50は、サイズの異なる種々の物品を含んでよいし、あるいは、同一サイズの複数の物品を含んでよい。
【0020】
搬送用コンベア40は、物流現場で用いられる一般的なベルトコンベアである。荷降し後の物品が搬送用コンベア40で搬送される。
【0021】
図2は、荷降しシステム1の構成の一例を示すブロック図である。制御システム20は、例えば、ロボット制御装置60と、情報処理装置70とを含む。
【0022】
ロボット制御装置60は、通信インタフェース61と、プロセッサ62と、メモリ63と、ストレージ64とを有している。これらは、バスライン65を介して通信可能である。
【0023】
通信インタフェース61は、外部機器との通信に用いるインタフェースである。通信インタフェース61は、例えばロボットアーム10及び距離センサ2と通信するための通信規格などに対応した端子及び回路を備える。通信インタフェース61は、プロセッサ62の制御に基づいて、ロボットアーム10及び距離センサ2と通信する。
【0024】
プロセッサ62は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。メモリ63は、読み出し専用のデータメモリであるROM(Read Only Memory)又はデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)を含む。ストレージ64は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの大容量ストレージであってよい。メモリ63又はストレージ64は、荷降しシステム1の各機器の制御プログラムや各種データを記憶している。プロセッサ62は、メモリ63又はストレージ64に記憶されているプログラム等に基づいて種々の処理を行う。つまり、プロセッサ62は、ソフトウェア機能部として各種プログラムを実行する。プロセッサ62に代わって、ハードウェア機能部としてのASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)などが用いられてもよい。
【0025】
情報処理装置70は、通信インタフェース71と、プロセッサ72と、メモリ73と、ストレージ74とを有している。これらは、バスライン75を介して通信可能である。
【0026】
通信インタフェース71は、外部機器との通信に用いるインタフェースである。通信インタフェース71は、例えばLRF3及びLRF昇降機構4と通信するための通信規格などに対応した端子及び回路を備える。通信インタフェース71は、プロセッサ72の制御に基づいて、LRF3及びLRF昇降機構4と通信する。
【0027】
プロセッサ72は、例えば、CPUにより構成される。メモリ73は、読み出し専用のデータメモリであるROM又はデータを一時的に記憶するRAMを含む。ストレージ74は、HDD又はSSDなどの大容量ストレージであってよい。メモリ73又はストレージ74は、荷降しシステム1の各機器の制御プログラムや各種データを記憶している。プロセッサ72は、メモリ73又はストレージ74に記憶されているプログラム等に基づいて種々の処理を行う。つまり、プロセッサ72は、ソフトウェア機能部として各種プログラムを実行する。プロセッサ72に代わって、ハードウェア機能部としてのASIC又はFPGAなどが用いられてもよい。
【0028】
なお、制御システム20において、ロボット制御装置60と情報処理装置70とが通信可能である。ロボット制御装置60と情報処理装置70とは、通信インタフェース61、71により通信する。
【0029】
制御システム20は、図示しない操作端末を有している。操作端末は、例えば、画面表示と制御システム20(ロボット制御装置60と情報処理装置70との少なくとも一方)への指示入力とに用いられるタッチパネルであってよい。操作端末は、タッチパネルに代わって、ディスプレイなどの表示装置とキーボード又はマウスなどの入力装置とを有してもよい。
【0030】
制御システム20は、ロボットアーム10及び距離センサ2の動作を制御する第1制御部としてのロボット制御装置60と、LRF3及びLRF昇降機構4の動作を制御する第2制御部としての情報処理装置70とを含むとして説明しているが、制御システム20に含まれる制御部の数はこれに限定されない。1つの制御装置、又は互いに通信可能な複数の制御部がそれぞれの機器の制御を実行してもよい。
【0031】
図3及び図4A乃至図4Eを参照して、荷降しシステム1の荷降し動作における物品引き抜き検知及び物品高さ測定の一例について説明する。荷降しシステム1では、例えば、制御システム20の情報処理装置70が、ロボットアーム10の荷降し動作における物品群50からの物品引き抜きを検知して、ロボットアーム10の位置姿勢に基づいて、引き抜いた物品の高さを導出する。なお、図4A乃至図4Eでは、LRF昇降機構4及びロボットアーム10を簡略化して図示している。
【0032】
図3は、制御システム20による物品引き抜き検知及び物品高さ測定の一例を示すフローチャートである。例えば、ユーザーが不図示の操作端末から荷降し開始指示を入力することにより、制御システム20による荷降し動作が開始される。
【0033】
ステップS11からステップS15までの処理は、情報処理装置70による、LRF3を物品群50のうち最も高い位置の物品の上面の高さよりも所定量高い高さに合わせる高さ合わせ処理である。
【0034】
ステップS11において、情報処理装置70は、LRF3がLRF測定位置(センサ高さ)で測定した、LRF3から物品群50の物品までの距離に基づいて、LRF測定位置における物品の有無を判定する。LRF測定位置に物品がないと判定された場合には(ステップS11-No)、処理はステップS12に進む。ここで、LRF測定位置に物品がないと判定された場合とは、LRF3が物品群50のうち最も高い位置の物品の上面の高さよりも高い位置に位置している場合である。
【0035】
ステップS12において、情報処理装置70は、LRF昇降機構4を動作させて、LRF3を所定量下降させる。
【0036】
次いで、ステップS13において、情報処理装置70は、LRF3がLRF測定位置(センサ高さ)で測定した、LRF3から物品群50の物品までの距離に基づいて、LRF測定位置における物品の有無を再度判定する。LRF測定位置に物品がないと判定された場合には(ステップS13-No)、処理はステップS12に戻る。LRF測定位置に物品があると判定された場合には(ステップS13-Yes)、処理はステップS14に進む。
【0037】
ステップS11においてLRF測定位置に物品があると判定された場合(ステップS11-Yes)、あるいは、ステップS13においてLRF測定位置に物品があると判定された場合(ステップS13-Yes)、処理はステップS14に進む。ここで、LRF測定位置に物品があると判定された場合とは、LRF3が物品群50のうち最も高い位置の物品の上面の高さ以下の位置に位置している場合である。
【0038】
ステップS14において、情報処理装置70は、LRF昇降機構4を動作させて、LRF3を所定量上昇させる。例えば図4Aに示されるように、LRF昇降機構4により、LRF3が矢印A1で示される鉛直方向に移動される。
【0039】
次いで、ステップS15において、情報処理装置70は、LRF3がLRF測定位置(センサ高さ)で測定した、LRF3から物品群50の物品までの距離に基づいて、LRF測定位置における物品の有無を再度判定する。LRF測定位置に物品があると判定された場合には(ステップS15-Yes)、処理はステップS14に戻る。LRF測定位置に物品がないと判定された場合には(ステップS15-No)、処理はステップS16に進む。
【0040】
以上のステップS11からステップS15により、LRF3の測定位置(LRF測定位置)、すなわちセンサ高さが、物品群50のうち最も高い位置の物品の上面の高さよりも所定量高い高さに合わせられる。例えば図4Aでは、LRF3は、高さH1に高さ合わせされている。
【0041】
ステップS16からステップS19までの処理は、ロボット制御装置60及び情報処理装置70による、ロボットアーム10が物品群50のうち最も高い物品を把持して引き抜く際の物品の引き抜きを検知する処理である。本実施形態では、LRF3が上述のようにして所定の高さに位置決めされるのを待ってから、ロボット制御装置60がロボットアーム10を動作させる。つまり、ロボット制御装置60は、ステップS15までの処理を完了した旨を情報処理装置70から受けた後にステップS16の処理に進む。
【0042】
ステップS16において、ロボット制御装置60は、制御プログラムにしたがってロボットアーム10を動作させて、物品群50のうち最も高い位置にある物品を引き上げる。以下、ロボット制御装置60による、物品群50のうち最も高い位置にある物品の特定の一例について説明する。
【0043】
ロボット制御装置60は、距離センサ2を動作させる。例えばステレオカメラである距離センサ2が、異なる2点から撮像した際の視差に基づいて距離センサ2と物品群50の各物品との距離を計測する。ロボット制御装置60は、距離センサ2が計測した距離情報を取得することにより、物品群50の各物品の位置を検知する。すなわち、ロボット制御装置60は、3次元空間における物品の位置情報を表す物品位置情報を取得する。
【0044】
そして、ロボット制御装置60は、取得した物品位置情報に基づいて、ロボットアーム10で把持する物品として、上面位置が最も高い物品をロボットアーム10の把持対象物品と決定する。把持対象物品は1つに限定されず、複数であってもよい。
【0045】
ロボット制御装置60は、かくして決定した把持対象物品をロボットアーム10の把持部12で把持して鉛直方向へ引き上げる動作をロボットアームに行わせる。例えば図4Aに示されるように、把持部12の吸着バッドが、物品群50のうち上面が最も高い位置にある物品51の上面に接触する。そして、例えば図4Bに示されるように、吸着パッドが物品51を吸着した状態で、物品51が鉛直方向(矢印A2で示される方向)に引き上げられる。
【0046】
ステップS17において、情報処理装置70は、LRF3がLRF測定位置(センサ高さ)で測定した、LRF3から物品群50の物品までの距離に基づいて、LRF測定位置における物品の有無を判定する。LRF測定位置に物品がないと判定された場合には(ステップS17-No)、処理はステップS16に戻る。LRF測定位置に物品があると判定された場合には(ステップS17-Yes)、処理はステップS18に進む。ここで、LRF測定位置に物品があると判定された場合とは、ロボットアーム10の把持部12が把持対象物品を把持して引き上げ始めている状態を表す。これは、例えば図4Bに示される状態である。
【0047】
ステップS18において、ロボット制御装置60は、制御プログラムにしたがってロボットアーム10を動作させて、例えば図4Cに示されるように、把持部12で把持している物品51を鉛直方向(矢印A3に示される方向)にさらに引き上げる。
【0048】
ステップS19において、情報処理装置70は、LRF3がLRF測定位置(センサ高さ)で測定した、LRF3から物品群50の物品までの距離に基づいて、LRF測定位置における物品の有無を判定する。LRF測定位置に物品があると判定された場合には(ステップS19-Yes)、処理はステップS18に戻る。LRF測定位置に物品がないと判定された場合には(ステップS19-No)、処理はステップS20に進む。ここで、LRF測定位置に物品がないと判定された場合とは、ロボットアーム10の把持部12が物品を引き上げ切った、すなわち引き抜き完了状態を表す。これは、例えば図4Cに示される状態である。
【0049】
ステップS19までの処理で、物品群50の物品のうち上面の高さが最も高い物品の引き抜きが完了しているため、物品群50の物品のうち上面の高さが最も高い物品は、物品51から物品52に変わっている。したがって、LRF測定位置が再度物品群50の物品のうち上面の高さが最も高い物品に合わせられる必要がある。しかしながら、LRF3がLRF昇降機構4によって下げられる下端位置に既に達している場合には、LRF3をこれ以上下げることができず、所望のLRF測定位置に高さ合わせできない可能性がある。
【0050】
そこで、ステップS20において、情報処理装置70は、LRF3がまだ下げられるか否かを判定する。つまり、LRF3がLRF昇降機構4によって下げられる下端位置に達しているか否かが判定される。まだ下げられると判定された場合には(ステップS20-Yes)、処理はステップS12に進む。ステップS12以後、LRF3のLRF測定位置が物品群50の最も高い位置にある物品の上面の高さよりも幾分高い高さに合わせられて、再度の物品引き抜き検知が行われる。例えば図4Dに示されるように、LRF3がLRF昇降機構4の動作により矢印A4で示されるように下降されて新たな高さH2(H2<H1)に高さ合わせされて、物品群50の物品52の引き抜き、及び引き抜き検知が行われる。
【0051】
一方、ステップS20において、LRF3がこれ以上下げられないと判定された場合には(ステップS20-No)、処理はステップS16に進む。この場合には、ステップS16以後、LRF3が下端位置に位置している状態で、すなわち、LRF3が下端位置に固定された状態で、再度の物品引き抜き検知が行われる。例えば図4Eに示されるように、LRF3が下端位置の高さH3に固定されて、物品群50の物品53の引き抜き、及び引き抜き検知が行われる。
【0052】
ステップS19における物品引き抜き検知の後、ステップS20とともにステップS21の処理が行われる。ステップS21からステップS23までの処理は、物品引き抜き検知後に、ロボットアーム10の把持部12が把持している物品の高さを導出する処理である。
【0053】
ステップS21において、情報処理装置70は、引き抜き検知に伴い、ロボットアーム10の位置姿勢を算出する指令を出す。例えば、情報処理装置70が、引き抜き検知(ステップS19-Yes)により時刻Tに物品の引き抜きを検知して、ロボット制御装置60にロボットアーム10の位置姿勢を算出する指令を送信する。ロボット制御装置60は、情報処理装置70からの指令を受けてロボットアーム10の位置姿勢を算出する。
【0054】
ステップS22において、情報処理装置70は、ロボット制御装置60が算出したロボットアーム10の位置姿勢を取得する。ここで、ロボット制御装置60が算出したロボットアーム10の位置姿勢VECTOR_armは、時刻T+dTにおけるロボットアーム10の位置姿勢である。ここで、dTは、処理時間、通信時間、又はその両方による遅延を表す。取得される位置姿勢VECTOR_armは、物品の引き抜きを検知した時刻Tでのロボットアーム10の位置姿勢ではなく、ロボット制御装置60による処理時間又はロボット制御装置60及び情報処理装置70の通信時間等に由来する遅延dT後の時刻T+dTのロボットアーム10の位置姿勢である。
【0055】
ステップS23において、情報処理装置70は、ステップS22で取得したロボットアーム10の位置姿勢に基づいて、ロボットアーム10の把持部12が把持している物品の高さを導出する。例えば、情報処理装置70が、ステップS22で取得したロボットアーム10の位置姿勢VECTOR_armに基づいて、ロボットアーム10が把持している物品51の高さh_itemを求める。ここで、位置姿勢ベクトルVECTOR_armは、地面に対する把持部12の座標と吸着面を示す単位ベクトル(各ベクトルの角度)を表す。
【0056】
図5を参照して、ステップS23における物品高さ測定の第1の方法について説明する。
【0057】
物品51の引き抜きが検知された時刻t=TにおけるLRF3の高さをh_lrfとする。その後、時刻t=T+dTにおけるロボットアーム10の位置姿勢VECTOR_armが取得される。ここで、ロボットアームの位置姿勢VECTOR_armは、時刻t=T+dTでのロボットアーム10のアーム機構11の例えばハンド高さ位置をh_handにおける位置姿勢ベクトルである。なお、ハンドはアーム機構11の先端と同義である。
【0058】
ロボットアーム10が速度Vzで高速移動している場合、遅延dTの間にもロボットアーム10は動き続けている。このため、ロボットアーム10の位置姿勢ベクトルが算出された時刻t=T+dTでは、ロボットアーム10が把持している物品51の下端高さは、図5に示されるようにアーム行き過ぎ距離L=Vz・dTの分だけ上方に移動している。したがって、時刻t=T+dTにおける物品51の下端高さをh_item_bottom=h_lrf+Lとする。
【0059】
ロボットアーム10の把持部12で物品を把持する際に、ロボット制御装置60は、把持対象物品の上面の情報を距離センサ2から取得している。ロボット制御装置60は、把持対象物品の上面のどの位置を把持部12が把持するのか認識しているため、ロボット制御装置60では、把持部12の中心軸から把持対象物品の上面の四隅までの距離が算出可能である。把持部12の吸着部の厚さを一定とすれば、ロボット制御装置60は、把持対象物品の上面の四隅の座標を算出することができ、また、把持部12の角度から、最も下端にある1点の座標を特定可能である。
【0060】
ロボットアーム10の把持部12の吸着面の頂点のうち、上述のようにして特定された、最も下端にある1点から、ロボットアーム10の位置姿勢VECTOR_armと、これと逆方向に延びるベクトルVECTOR_vertexとが求まる。また、物品51の下端高さの水平面をPlane_item_bottomとする。ロボットアーム10の位置姿勢の逆ベクトルVECTOR_vertexと、物品51の下端高さの水平面Plane_item_bottomとの交点を求めることで、物品高さh_itemを導出可能である。例えば、ロボットアーム10の位置姿勢VECTOR_armの座標を上記最も下端にある1点の座標に平行移動し、ロボットアーム10の位置姿勢VECTOR_armが有するベクトル成分のうち、吸着面の法線ベクトルに相当する成分の延長線と、物品51の下端高さの水平面Plane_item_bottomとの交点を求めることで、物品高さh_itemを導出可能である。
【0061】
以上のことから、制御システム20は、情報処理装置70により時刻t=Tで物品51の引き抜きを検知して、引き抜き検知を受けてロボット制御装置60によりロボットアーム10の位置姿勢VECTOR_armを算出する。ここで算出されるロボットアーム10の位置姿勢VECTOR_armは、処理時間や通信時間による遅延dTのため、時刻t=T+dTにおける位置姿勢のベクトルである。また、情報処理装置70は、例えばロボット制御装置60がもつロボットアーム10の制御情報から、ロボットアーム10の把持部12の吸着面の頂点のうち、最も下端にある1点の三次元位置座標を取得する。また、情報処理装置70は、時刻t=TでのLRF3の高さh_lrfに、遅延dTにおけるアーム行き過ぎ距離L、すなわちアーム移動速度Vzと遅延dTとの積を加えることで、時刻t=T+dTでの物品51の下端高さにある平面Plane_item_bottomを特定する。そして、情報処理装置70は、上述のような法線ベクトル成分の延長線と平面Plane_item_bottomとの交点を算出することで、物品51の高さh_itemを算出する。
【0062】
つまり、情報処理装置70は、アーム行き過ぎ距離Lを用いて物品高さを補正することで、遅延dTによる物品高さへの影響を打ち消して物品高さを精度よく算出する。
【0063】
例えば、第1の方法では、情報処理装置70は、物品を把持して移動させるロボットアームの位置姿勢を示す情報を取得する第1インタフェースと、LRF3が配置されたLRF測定位置(センサ高さ)における、LRF3からロボットアーム10が把持している物品までの距離を測定するLRF3の出力情報を取得する第2インタフェースとを備える。第1インタフェース及び第2インタフェースは、例えば、情報処理装置70の通信インタフェース71である。また、情報処理装置70のプロセッサ72は、第2インタフェースにより取得するLRF3の出力情報に基づいて物品がロボットアーム10によりLRF測定位置(センサ高さ)を超えたことを検出した場合、第1インタフェースによりロボットアーム10の位置姿勢を示す情報を取得し、取得した位置姿勢と、LRF測定位置と、物品がLRF測定位置を超えたことを検出してから位置姿勢を取得するまでの時間及びロボットアーム10の移動速度とに基づいて物品の高さを導出する。
【0064】
本実施形態によれば、情報処理装置70は、ロボットアーム10で把持して引き抜いた物品の高さを導出する。情報処理装置70は、ロボットアーム10で把持している物品の引き抜きを検知してからロボットアーム10の位置姿勢を取得するまでにロボットアーム10が移動した距離を、ロボットアーム10の移動速度Vz及び処理時間又は通信時間由来の遅延dTから算出し、算出した距離に基づく補正を物品高さに与えることで、物品高さを導出することが可能となる。したがって、ロボットアーム10が高速移動していても物品高さを精度よく求めることが可能となる。
【0065】
第1の方法では、アーム行き過ぎ距離L=Vz・dTを算出する際のロボットアーム10の移動速度Vzの値の持つ誤差が小さく、dTも比較的小さい値であるため、導出される物品高さに誤差が生じにくい。
【0066】
本実施形態では、物品の引き抜き検知のためにロボットアーム10とLRF3とを組み合わせたことにより、引き抜き動作の無駄を削減してロボットアーム10の動作経路計画の最適化を図ることができる。例えば、距離センサ2は、物品群50のなかからロボットアーム10が把持する把持対象物品として決定するために用いることはできるものの、情報から撮像される画像情報のみを物品の引き抜きの検出に用いることは難しい。本実施形態では、物品までの距離を測定するセンサ、例えばLRF3を用いることで、LRF監視範囲における物品の有無に基づいて引き抜き動作を確認することが可能である。
【0067】
例えば物品群50の物品の側面を検出可能な三次元カメラ等のセンサを用いれば、物品群50の物品の引き抜きの検出及び高さの測定は可能である。しかしながら、そのようなセンサは高価であり、物流現場での使用は実際的でない。また、そのようなセンサでの画像認識に要する処理時間を考えると、高速移動するロボットアーム10で把持している物品の引き抜きや高さ測定に用いることは実用的でない。本実施形態では、比較的安価な一次元センサ、例えば物品までの距離を測定するLRF3を用いることで、ロボットアーム10が把持している物品の高さを導出することができる。本実施形態では、画像認識に要する処理時間の問題も生じない。
【0068】
また、本実施形態では、LRF3はLRF昇降機構4により上下方向に移動する。LRF3のLRF測定位置を物品群50のうち最も高い物品の上面の高さに合わせて順次移動させていくことで、ロボットアーム10による引き抜き動作の無駄を削減することができる。
【0069】
図6A及び図6Bを参照して、物品高さ測定の第2の方法について説明する。第2の方法では、情報処理装置70は、図3に示されるステップS21からステップS23に代わって、LRF3が物品を検出した検出開始時刻(ステップS17-Yes)から物品を検出しなくなった検出終了時刻(ステップS19-No)までの所要時間と物品の移動速度とに基づいて、物品の高さを導出する。
【0070】
図6Aに示されるように、物品54を把持しているロボットアーム10が上方に速度Vzで高速移動している場合に物品54の高さh_itemを求めることを考える。図6Bには、LRF3による物品検出における距離Sと時間tとの関係の一例が示される。
【0071】
例えば、LRF3からの距離S=s1にロボットアーム10の把持対象物品である物品54が存在するとする。ロボットアーム10が物品54を鉛直方向に引き上げているとき、情報処理装置70は、例えば図6Bに示されるように、LRF監視範囲にある距離s1の点において、時刻t=t1から時刻t=t2まで物品54を検出する。検出開始時刻t1は、引き抜き開始時刻とみなされ、検出終了時刻t2は、引き抜き終了時刻とみなされる。引き抜き終了時刻と引き抜き開始時刻との差であるt2-t1が、物品54の引き抜きに要した時間である。したがって、例えば鉛直方向に速度Vzでまっすぐ引き抜かれた物品54の高さは、h_item=Vz・(t2-t1)で算出される。
【0072】
第2の方法では、情報処理装置70は、物品を把持して移動させるロボットアームの移動速度を取得する第1インタフェースと、LRF3が配置されたLRF測定位置における、LRF3からロボットアーム10が把持している物品までの距離を測定するLRF3の出力情報を取得する第2インタフェースと、を備える。第1インタフェース及び第2インタフェースは、例えば、情報処理装置70の通信インタフェース71である。情報処理装置70のプロセッサ72は、第2インタフェースにより取得するLRF3の出力情報に基づいてLRF3が物品を検出した検出開始時刻から物品を検出しなくなった検出終了時刻までの所要時間を特定し、特定した所要時間と当該所要時間におけるロボットアーム10の移動速度とに基づいて物品の高さを導出する。
【0073】
つまり、第2の方法では、ロボットアーム10による物品の引き抜き前後のLRF3の検出時間と、ロボットアーム10の移動速度Vzとから、物品の高さを求めることができる。情報処理装置70は、LRF3の検出結果に基づく物品通過の所要時間と、ロボット制御装置60から取得されるロボットアーム10の移動速度とから、物品高さを算出する。特に、第2の方法では、ロボットアーム10の位置姿勢を示す情報を取得することなく、簡便な手法で物品の高さが求められる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…荷降しシステム、2…距離センサ、3…レーザーレンジファインダ(LRF)、4…LRF昇降機構、10…ロボットアーム、11…アーム機構、12…把持部、20…制御システム、30…ネットワーク、40…搬送用コンベア、50…物品群、51,52,53,54…物品、60…ロボット制御装置、70…情報処理装置。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B