IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧 ▶ 日本システム技術株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-データ登録システム 図1
  • 特許-データ登録システム 図2
  • 特許-データ登録システム 図3
  • 特許-データ登録システム 図4
  • 特許-データ登録システム 図5
  • 特許-データ登録システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】データ登録システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20220318BHJP
   H04L 9/14 20060101ALI20220318BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20220318BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
G08G1/00 D
H04L9/14
G06F21/60 320
G07C5/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018236010
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2019149147
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2018033145
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500529414
【氏名又は名称】日本システム技術株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仙石 浩嗣
(72)【発明者】
【氏名】川崎 俊介
(72)【発明者】
【氏名】有馬 康介
(72)【発明者】
【氏名】宿谷 久雄
(72)【発明者】
【氏名】森田 智也
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-63381(JP,A)
【文献】特開2013-213692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
H04L 9/14
G06F 21/60
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局の時系列的な移動状態を表す移動状態データと、当該移動局と同時に移動する車両のエネルギ消費割合を表す消費割合データと、前記車両のナビゲーション演算結果及び設定状態を表すナビデータと、前記移動局が存在した領域の天候を表す天候データとを含む複数種類のデータと、前記車両及び当該車両の所有者の少なくとも一方を特定するための車両特定データとがネットワークを介して入力されるデータ受信手段と、
前記移動状態データと、前記消費割合データと、前記ナビデータと、前記天候データと前記車両特定データとを互いに紐付けしたデータ群を作成するデータ群作成手段と、
当該データ群を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮するともに、当該圧縮したデータ群を用いて、登録データを作成する登録データ作成手段と、
当該登録データを記憶領域に記憶するデータ記憶手段と、
を備えることを特徴とするデータ登録システム。
【請求項2】
前記データ群作成手段は、前記車両特定データと前記移動状態データと前記消費割合データとを互いに紐付けした第1データ群と、前記車両特定データと前記移動状態データと前記ナビデータとを互いに紐付けした第2データ群と、前記移動状態データと前記天候データとを互いに紐付けした第3データ群とを作成し、当該第1~第3データ群を用いて、前記データ群を作成することを特徴とする請求項1に記載のデータ登録システム。
【請求項3】
前記複数種類のデータは、前記車両の製造状況及び修理状況の少なくとも一方を表す車両状況データをさらに含み、
前記データ群作成手段は、前記移動状態データ、前記消費割合データ、前記ナビデータ、前記天候データ及び前記車両特定データに加えて、前記車両状況データをさらに互いに紐付けすることにより、前記データ群を作成することを特徴とする請求項1に記載のデータ登録システム。
【請求項4】
前記データ群作成手段は、前記車両特定データと前記移動状態データと前記消費割合データとを互いに紐付けした第1データ群と、前記車両特定データと前記移動状態データと前記ナビデータとを互いに紐付けした第2データ群と、前記移動状態データと前記天候データとを互いに紐付けした第3データ群と、前記車両特定データと前記移動状態データと前記車両状況データとを互いに紐付けした第4データ群とを作成し、当該第1~第4データ群を用いて、前記データ群を作成することを特徴とする請求項3に記載のデータ登録システム。
【請求項5】
前記移動状態データ及び前記ナビデータは、サンプリング時の車両位置をデータとして備えており、
前記データ群作成手段は、前記第2データ群を作成する場合において、前記移動状態データ及び前記ナビデータにおける前記サンプリング時の車両位置が互いに一致していないときには、前記移動状態データ及び前記ナビデータのうちの前記サンプリング時の車両位置が最も近いデータ同士を互いに紐付けすることを特徴とする請求項2又は4に記載のデータ登録システム。
【請求項6】
前記移動状態データ及び前記ナビデータは、サンプリング時のタイムスタンプ及びサンプリング時の車両位置をデータとして備えており、
前記データ群作成手段は、前記第2データ群を作成する場合において、前記移動状態データ及び前記ナビデータにおける前記サンプリング時の車両位置が互いに一致するデータが複数存在するときには、当該複数のデータのうちの前記サンプリング時のタイムスタンプが最も近いデータ同士を互いに紐付けすることを特徴とする請求項2、4及び5のいずれかに記載のデータ登録システム。
【請求項7】
前記登録データ作成手段は、前記圧縮したデータ群を所定の暗号化アルゴリズムで暗号化することにより、前記登録データを作成することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のデータ登録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して入力される車両などに関連するデータを登録するデータ登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両運行データの管理システムとして、特許文献1に記載されたものが知られている。この管理システムは、車載装置及び運行管理装置を備えており、この車載装置は、車両の各種装置や各種センサから、車両の走行速度、走行距離、加速度、地理的位置、運転操作及び燃料噴射量などを運行データとして取得する。
【0003】
この車載装置では、運行データの取得開始以降、運行データと運転者を識別するための識別情報とを紐付け(関連付け)して記憶し、運転者による終業操作があったときに、紐付けした運行データと識別情報を運行管理装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-27545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、様々な分野において、データを順次、登録してビッグデータ化し、それを分析して活用することが望まれており、この点は車両などに関連するデータにおいても同様である。これに対して、上記特許文献1の管理システムの場合、データをビッグデータ化して活用することが前提となっていない関係上、有効性の高いデータを効率よく登録できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、車両などに関連する有効性の高いデータを効率よく登録することができるデータ登録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るデータ登録システム1は、移動局(ナビゲーション装置、携帯情報端末)の時系列的な移動状態を表す移動状態データと、移動局と同時に移動する車両14のエネルギ消費割合を表す消費割合データと、車両14のナビゲーション演算結果及び設定状態を表すナビデータと、移動局が存在した領域の天候を表す天候データとを含む複数種類のデータと、車両14及び車両14の所有者の少なくとも一方を特定するための車両特定データ(車両ID、ユーザID)とがネットワーク10を介して入力されるデータ受信手段(データ処理サーバ2)と、移動状態データと、消費割合データと、ナビデータと、天候データと車両特定データとを互いに紐付けしたデータ群(データマート)を作成するデータ群作成手段(統合処理サーバ3、STEP22~26)と、データ群(データマート)を所定の圧縮アルゴリズム(Lzoアルゴリズム)により圧縮するともに、圧縮したデータ群(データマート)を用いて、登録データを作成する登録データ作成手段(統合処理サーバ3、STEP27~28)と、登録データを記憶領域に記憶するデータ記憶手段(統合データベースサーバ4、STEP80~90)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このデータ登録システムによれば、移動状態データ、消費割合データ、ナビデータ、天候データ及び車両特定データを互いに紐付けしたデータ群が作成される。この場合、移動状態データは移動局の時系列的な移動状態を、消費割合データは移動局と同時に移動する車両のエネルギ消費割合を、ナビデータは車両のナビゲーション演算結果及び設定状態を、天候データは車両が存在した領域の天候をそれぞれ表すものであり、車両特定データは車両及び/又は車両のユーザを特定するためのものであるので、これらのデータを互いに紐付けしたデータ群は、車両などに関連するデータをビッグデータ化して分析する際に有効性の高いものとなる。さらに、データ群を所定の圧縮アルゴリズムにより圧縮するともに、圧縮したデータ群を用いて、登録データが作成され、登録データが記憶領域に記憶されるので、登録データのサイズを減少させることができ、それにより、同じ容量の記憶領域に対して、登録データの記憶数を相対的に増大させることができる。以上により、有効性の高いデータを効率よく登録することができる(なお、本明細書における「車両のナビゲーション演算結果及び設定状態を表すナビデータ」は、車両に搭載されたナビゲーション装置での演算結果及び設定状態を表すデータに限らず、サーバや携帯情報端末において車両のナビゲーション装置から受信したデータに基づいてルート演算や位置演算などを実施し、その演算結果をナビゲーション装置に送信したときのデータを含む)。
【0009】
本発明において、データ群作成手段は、車両特定データ(車両ID、ユーザID)と移動状態データと消費割合データとを互いに紐付けした第1データ群(FCD-燃費の暫定データマート)と、車両特定データ(車両ID、ユーザID)と移動状態データとナビデータとを互いに紐付けした第2データ群(FCD-ナビの暫定データマート)と、移動状態データと天候データとを互いに紐付けした第3データ群(FCD-天候の暫定データマート)とを作成し、第1~第3データ群を用いて、データ群(データマート)を作成することが好ましい。
【0010】
このデータ登録システムによれば、移動状態データと消費割合データを互いに紐付けした第1データ群と、移動状態データと天候データを互いに紐付けした第2データ群と、移動状態データとナビデータを互いに紐付けした第3データ群とを作成し、第1~第3データ群を用いて、データ群が作成されるので、データ群を一度に作成する場合と比べて、データ群作成時の負荷を低減することができる。
【0011】
本発明において、複数種類のデータは、車両14の製造状況及び修理状況の少なくとも一方を表す車両状況データをさらに含み、データ群作成手段は、移動状態データ、消費割合データ、ナビデータ、天候データ及び車両特定データに加えて、車両状況データをさらに互いに紐付けすることにより、データ群を作成することが好ましい。
【0012】
このデータ登録システムによれば、データ群として、車両特定データ、移動状態データ、消費割合データ、ナビデータ及び天候データに加えて、車両の製造状況及び修理状況の少なくとも一方を表す車両状況データをさらに互いに紐付けすることにより、データ群が作成されるので、データをビッグデータ化して分析する際のデータ群の有効性をさらに高めることができる。
【0013】
本発明において、データ群作成手段は、車両特定データ(車両ID、ユーザID)と移動状態データと消費割合データとを互いに紐付けした第1データ群(FCD-燃費の暫定データマート)と、車両特定データ(車両ID、ユーザID)と移動状態データとナビデータとを互いに紐付けした第2データ群(FCD-ナビの暫定データマート)と、移動状態データと天候データとを互いに紐付けした第3データ群(FCD-天候の暫定データマート)と、車両特定データ(車両ID、ユーザID)と移動状態データと車両状況データとを互いに紐付けした第4データ群(FCD-車両状況の暫定データマート)とを作成し、第1~第4データ群を用いて、データ群(データマート)を作成することが好ましい。
【0014】
このデータ登録システムによれば、移動状態データと消費割合データを互いに紐付けした第1データ群と、移動状態データと天候データを互いに紐付けした第2データ群と、移動状態データとナビデータを互いに紐付けした第3データ群と、移動状態データと車両状況データを互いに紐付けした第4データ群とを作成し、第1~第4データ群を用いて、データ群が作成されるので、データ群を一度に作成する場合と比べて、データ群作成時の負荷を低減することができる。
【0015】
本発明において、移動状態データ及びナビデータは、サンプリング時の車両位置をデータとして備えており、データ群作成手段は、第2データ群を作成する場合において、移動状態データ及びナビデータにおけるサンプリング時の車両位置が互いに一致していないときには、移動状態データ及びナビデータのうちのサンプリング時の車両位置が最も近いデータ同士を互いに紐付けする(STEP40,41)ことが好ましい。
【0016】
このデータ登録システムによれば、第2データ群を作成する場合において、移動状態データ及びナビデータにおけるサンプリング時の車両位置が互いに一致していないときには、移動状態データ及びナビデータのうちのサンプリング時の車両位置が最も近いデータ同士が互いに紐付けされるので、サンプリング時の車両位置が最も近いことで、関連性が高いと推定されるデータ同士を紐付けしながら、第2データ群を作成することができる。それにより、第2データ群の作成精度を向上させることができる。
【0017】
本発明において、移動状態データ及びナビデータは、サンプリング時のタイムスタンプ及びサンプリング時の車両位置をデータとして備えており、データ群作成手段は、第2データ群を作成する場合において、移動状態データ及びナビデータにおけるサンプリング時の車両位置が互いに一致するデータが複数存在するときには、複数のデータのうちのサンプリング時のタイムスタンプが最も近いデータ同士を互いに紐付けする(STEP40,42,44)ことが好ましい。
【0018】
このデータ登録システムによれば、第2データ群を作成する場合において、移動状態データ及びナビデータにおけるサンプリング時の車両位置が互いに一致するデータが複数存在するときには、複数のデータのうちのサンプリング時のタイムスタンプが最も近いデータ同士が互いに紐付けされるので、サンプリング時のタイムスタンプが最も近いことで、関連性が高いと推定されるデータ同士を紐付けしながら、第2データ群を作成することができ、その作成精度を向上させることができる。
【0019】
登録データ作成手段は、圧縮したデータ群を所定の暗号化アルゴリズムで暗号化することにより、登録データを作成する(STEP28)ことが好ましい。
【0020】
このデータ登録システムによれば、圧縮したデータ群を所定の暗号化アルゴリズムで暗号化することにより、登録データが作成されるので、登録データのセキュリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るデータ登録システムの構成を模式的に示す図である。
図2】紐付けデータ作成処理を示すフローチャートである。
図3】データ統合処理を示すフローチャートである。
図4】FCD-ナビの暫定データマート作成処理を示すフローチャートである。
図5】暗号化データマート作成処理を示すフローチャートである。
図6】データ記憶処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るデータ登録システムについて説明する。図1に示すように、本実施形態のデータ登録システム1は、データ処理サーバ2、統合処理サーバ3及び統合データベースサーバ4を備えている。
【0023】
以上のサーバ2~4はいずれもプロセッサ、メモリ及びI/Oインターフェースなどを備えており、メモリ内の演算プログラム及び入出力データに基づいて、各種の演算処理を実行可能に構成されている。
【0024】
データ処理サーバ2は、後述する紐付けデータ作成処理などを実行するものであり、多数のユーザ情報データを記憶領域内に記憶している。このユーザ情報データは、車両のユーザの個人情報と、ユーザ登録日と、ユーザIDと、車両IDとを互いに紐付けしたものであり、サーバの管理者により図示しない入力インターフェースを介して上記のデータが入力されたときに、これらを用いて作成される。なお、本実施形態では、データ処理サーバ2がデータ受信手段に相当し、ユーザID及び車両IDが車両特定データに相当する。
【0025】
このデータ処理サーバ2には、ネットワーク10を介して、天候サーバ11、多数の工場12(1つのみ図示)、多数のディーラ13(1つのみ図示)及び多数の車両14(1つのみ図示)の図示しないナビゲーション装置などが接続されており、これらの要素から以下の各種データが入力される。なお、以下の説明では、車両14を内燃機関が動力源であるものとする。
【0026】
具体的には、天候データが、天候サーバ11からデータ処理サーバ2に入力される。この天候データは、車両の使用国のメッシュコードと、天候と、天候を測定した時点のタイムスタンプなどを互いに紐付けしたものである。
【0027】
また、製造時データが、工場12からデータ処理サーバ2に入力される。この製造時データは、車両IDと、車両製造時のタイムスタンプと、製造工場名と、車両の製造ロットナンバーなどを互いに紐付けしたものである。
【0028】
さらに、ディーラデータが、ディーラ13からデータ処理サーバ2に入力される。このディーラデータは、車両IDと、車両のメンテナンス又は修理時のタイムスタンプと、ディーラ名と、車両のメンテナンス内容又は修理内容などを互いに紐付けしたものである。なお、以下の説明では、製造時データ及びディーラデータをまとめて「車両状況データ」という。
【0029】
また、移動状態データ、燃費データ及びナビデータが、車両14のナビゲーション装置(移動局)からデータ処理サーバ2に入力される。これらの移動状態データ、燃費データ及びナビデータは、車両14のイグニッション・スイッチがオンされてからオフされるまでの間において、所定の制御周期でサンプリングされ、そのサンプリング結果がデータ処理サーバ2に入力される。その場合、イグニッション・スイッチがオフされたタイミングでサンプリングされたデータは、次回のイグニッション・スイッチがオンされたタイミングでナビゲーション装置からデータ処理サーバ2に入力される。
【0030】
移動状態データは、ナビゲーション装置の位置(経度、緯度)である車両14の位置と、当該位置のサンプリング時のタイムスタンプと、ユーザIDとを互いに紐付けしたものであり、以下、この移動状態データを「FCD」という。また、燃費データは、車両14の燃費と、当該燃費のサンプリング時のタイムスタンプと、ユーザIDとを互いに紐付けしたものである。
【0031】
さらに、ナビデータは、車両14のナビゲーション装置における出発地と、目的地の設定状態と、現在地の緯度・経度及び出発地から目的地までのルートの演算結果と、これらのデータのサンプリング時のタイムスタンプと、ユーザIDとを互いに紐付けしたものである。
【0032】
なお、以下の説明では、天候データ、車両状況データ、移動状態データ、燃費データ及びナビデータが入力されたときに、これらのデータに含まれているタイムスタンプをまとめて「サンプリング時タイムスタンプ」という。
【0033】
データ処理サーバ2は、後述する紐付けデータ作成処理により、紐付けデータを作成し、それを統合処理サーバ3に出力する。
【0034】
統合処理サーバ3では、データ処理サーバ2から入力された紐付けデータを用いて、後述するデータ統合処理より、データマートを作成し、これを暗号化して暗号化データマートを作成するとともに、この暗号化データマートを統合データベースサーバ4に出力する。なお、本実施形態では、統合処理サーバ3がデータ群作成手段及び登録データ作成手段に相当し、データマート及び暗号化データマートがデータ群及び登録データにそれぞれ相当する。
【0035】
統合データベースサーバ4では、統合処理サーバ3から入力された暗号化データマートを、後述するように記憶領域内に記憶する。
【0036】
次に、図2を参照しながら、前述した紐付けデータ作成処理について説明する。この処理は、データ処理サーバ2に入力される各種データ(すなわち移動状態データ、燃費データ、ナビデータ、車両状況データ及び天候データ)を用いて、紐付けデータを作成し、それを統合処理サーバ3に出力するものであり、データ処理サーバ2において、所定の制御周期ΔT(例えば5min)で実行される。
【0037】
同図に示すように、まず、データ処理サーバ2に入力された各種のデータを読み込む(図2/STEP1)。次いで、読み込んだ各種のデータに対して、読み込み時のタイムスタンプ(以下「読込時タイムスタンプ」という)を紐付けする(図2/STEP2)。
【0038】
次に、読込時タイムスタンプを紐付けしたデータにおけるユーザIDが、データ処理サーバ2に記憶されているユーザ情報データのユーザIDと一致したか否かを判定する(図2/STEP3)。
【0039】
この判定が肯定であるとき(図2/STEP3…YES)、すなわち読込時タイムスタンプを紐付けしたデータがユーザIDを備えているデータ(FCD、燃費データ又はナビデータ)であるときには、読込時タイムスタンプを紐付けしたデータに対して、ユーザ情報データのユーザIDに対応する車両IDを紐付けする(図2/STEP4)。
【0040】
次いで、以上のような紐付けを実施した紐付けデータ(すなわちFCD、燃費データ又はナビデータ)を、統合処理サーバ3に出力する(図2/STEP5)。その後、本処理を終了する。
【0041】
一方、前述した判定が否定であるとき(図2/STEP3…NO)、すなわち読込時タイムスタンプを紐付けしたデータがユーザIDを備えていないデータ(車両状況データ又は天候データ)であるときには、読込時タイムスタンプを紐付けしたデータにおける車両IDが、データ処理サーバ2に記憶されているユーザ情報データの車両IDと一致したか否かを判定する(図2/STEP6)。
【0042】
この判定が肯定であるとき(図3/STEP6…YES)、すなわち読込時タイムスタンプを紐付けしたデータが車両IDを備えている車両状況データであるときには、この車両状況データに対して、ユーザ情報データの車両IDに対応するユーザIDを紐付けする(図2/STEP7)。
【0043】
次いで、以上の紐付け処理を実施した車両状況データである紐付けデータを、統合処理サーバ3に出力する(図2/STEP5)。その後、本処理を終了する。
【0044】
一方、上述した判定が否定であるとき(図2/STEP6…NO)、すなわち読込時タイムスタンプを紐付けしたデータがユーザID及び車両IDを備えていない天候データであるときには、読込時タイムスタンプのみを紐付けした天候データである紐付けデータをそのまま、統合処理サーバ3に出力する(図2/STEP5)。その後、本処理を終了する。
【0045】
次に、図3を参照しながら、データ統合処理について説明する。この処理は、データ処理サーバ2から入力された紐付けデータを用いて、暗号化データマートを作成し、作成した暗号化データマートを統合データベースサーバ4に出力するものであり、統合処理サーバ3において、前述した所定の制御周期ΔTで実行される。
【0046】
同図に示すように、まず、データ処理サーバ2から入力された紐付けデータを記憶領域内に記憶する(図3/STEP20)。
【0047】
次いで、暗号化データマートの作成タイミングであるか否かを判定する(図3/STEP21)。この作成タイミングは、1日のうちの所定タイミング(例えば24:00)に設定される。
【0048】
この判定が否定であるとき(図3/STEP21…NO)には、そのまま本処理を終了する。
【0049】
一方、この判定が肯定であるとき(図3/STEP21…YES)には、FCD-燃費の暫定データマートを作成する(図3/STEP22)。このFCD-燃費の暫定データマート(第1データ群)は、ユーザID及び車両IDをキーとして、記憶領域に記憶されている直近30日間分のFCDと燃費データを検索し、互いに紐付けすることにより、ユーザIDと、車両IDと、FCDと、燃費データと、燃費データのサンプリング時タイムスタンプと、燃費データの読込時タイムスタンプとを互いに紐付けしたデータ群(マップ)として作成される。
【0050】
次いで、FCD-ナビの暫定データマートを作成する(図3/STEP23)。このFCD-ナビの暫定データマート(第2データ群)の作成は、具体的には、図4に示すように実行される。
【0051】
同図に示すように、まず、ユーザID及び車両IDをキーとして、直近30日間分のFCDとナビデータを比較し、FCDとナビデータの緯度・経度すなわち車両位置が完全一致しているか否かを判定する(図4/STEP40)。
【0052】
この判定が否定であるとき(図4/STEP40…NO)、すなわちFCDとナビデータの緯度・経度が完全一致していないときには、FCDとナビデータの緯度・経度が最も近いデータ同士を紐付けする(図4/STEP41)。
【0053】
一方、この判定が肯定であるとき(図4/STEP40…YES)には、緯度・経度が完全一致したデータが1つであるか否かを判定する(図4/STEP42)。
【0054】
この判定が肯定であるとき(図4/STEP42…YES)には、そのFCDとナビデータを互いに紐付けする(図4/STEP43)。
【0055】
一方、上記の判定が否定(図4/STEP42…NO)で、緯度・経度が完全一致したデータが複数あるときには、ナビデータのサンプリング時タイムスタンプと、FCDのサンプリング時タイムスタンプとが最も近いデータ同士を紐付けする(図4/STEP44)。
【0056】
以上の紐付け処理に続けて、全データの紐付けが終了したか否かを判定する(図4/STEP45)。この判定が否定であるとき(図4/STEP45…NO)には、以上の処理を再度、実行する。
【0057】
一方、この判定が肯定であるとき(図4/STEP45…YES)、すなわち直近30日間分のFCDとナビデータの紐付けが終了したときには、本処理を終了する。以上により、FCD-ナビの暫定データマートは、ユーザIDと、車両IDと、FCDと、ナビデータと、ナビデータのサンプリング時タイムスタンプと、ナビデータの読込時タイムスタンプとを互いに紐付けしたデータ群(マップ)として作成される。
【0058】
図3に戻り、FCD-ナビの暫定データマートを以上のように作成した後、FCD-天候の暫定データマートを作成する(図3/STEP24)。具体的には、記憶領域に記憶されている直近30日間分のFCDの緯度・経度のデータに基づいて、メッシュコードをこれらのFCDに紐付けする。次いで、FCDと天候データを比較し、互いのメッシュコードが一致するものを検索するとともに、一致したもの同士を互いに紐付けする。以上により、FCD-天候の暫定データマート(第3データ群)は、ユーザIDと、車両IDと、メッシュコードと、FCDと、天候データと、天候データのサンプリング時タイムスタンプと、天候データの読込時タイムスタンプとを互いに紐付けしたデータ群(マップ)として作成される。
【0059】
次いで、FCD-車両状況の暫定データマートを作成する(図3/STEP25)。このFCD-車両状況の暫定データマート(第4データ群)は、ユーザID及び車両IDをキーとして、記憶領域に記憶されている直近30日間分のFCDと車両状況データを検索し、互いに紐付けすることにより、ユーザIDと、車両IDと、FCDと、車両状況データと、車両状況データのサンプリング時タイムスタンプと、車両状況データの読込時タイムスタンプとを互いに紐付けしたデータ群(マップ)として作成される。
【0060】
次に、データマートを作成する(図3/STEP26)。具体的には、ユーザID及び車両IDをキーとして、以上のように作成された4つの暫定データマートを互いに紐付けすることにより、データマートは、ユーザIDと、車両IDと、FCDと、ナビデータと、天候データと、車両状況データと、サンプリング時タイムスタンプと、読込時タイムスタンプとを互いに紐付けしたデータ群(マップ)として作成される。
【0061】
次いで、Lzoアルゴリズムを用いて、データマートをLzo形式のデータに圧縮する(図3/STEP27)。その後、暗号化データマート作成処理を実行する(図3/STEP28)。この暗号化データマート作成処理は、具体的には図5に示すように実行される。
【0062】
同図に示すように、まず、暗号化条件フラグF_ENCを読み込む(図5/STEP50)。この暗号化条件フラグF_ENCは、統合処理サーバ3の管理者により、以下に述べるようなデータマートの使用目的(分析目的)に応じて、「1」~「5」のいずれかに設定される。
【0063】
(a)一定程度の位置において車両IDが変化してもデータ分析に問題がないとき、例えば、特定交差点の交通量・混雑具合を分析したいときには、暗号化条件フラグF_ENCが「1」に設定される。
(b)一定程度の時間において車両IDが変化してもデータ分析に問題がないとき、例えば、観光地や店舗の商圏を分析したいときには、暗号化条件フラグF_ENCが「2」に設定される。
(c)ユーザの移動嗜好を分析したいときには、暗号化条件フラグF_ENCが「3」に設定される。
(d)車種毎の市場での使用方法を分析したいときには、暗号化条件フラグF_ENCが「4」に設定される。
(e)以上の(a)~(d)以外の目的のときには、暗号化条件フラグF_ENCが「5」に設定される。
【0064】
次に、読み込んだ暗号化条件フラグF_ENCが「1」であるか否かを判定する(図5/STEP51)。この判定が肯定であるとき(図5/STEP51…YES)には、暗号鍵を、メッシュコードの一部と固定鍵を合わせたものに設定する(図5/STEP52)。この固定鍵は予め設定されている。
【0065】
一方、上述した判定が否定であるとき(図5/STEP51…NO)、すなわちF_ENC≠1であるときには、暗号化条件フラグF_ENCが「2」であるか否かを判定する(図5/STEP53)。この判定が肯定であるとき(図5/STEP53…YES)には、暗号鍵を、ナビデータのサンプリング時タイムスタンプの一部と固定鍵を合わせたものに設定する(図5/STEP54)。
【0066】
一方、上述した判定が否定であるとき(図5/STEP53…NO)、すなわちF_ENC≠1,2であるときには、暗号化条件フラグF_ENCが「3」であるか否かを判定する(図5/STEP55)。この判定が肯定であるとき(図5/STEP55…YES)には、暗号鍵を、ユーザIDの一部と固定鍵を合わせたものに設定する(図5/STEP56)。
【0067】
一方、上述した判定が否定であるとき(図5/STEP55…NO)、すなわちF_ENC≠1~3であるときには、暗号化条件フラグF_ENCが「4」であるか否かを判定する(図5/STEP57)。この判定が肯定であるとき(図5/STEP57…YES)には、暗号鍵を、車両IDの一部と固定鍵を合わせたものに設定する(図5/STEP58)。
【0068】
一方、上述した判定が否定であるとき(図5/STEP57…NO)、すなわちF_ENC=5であるときには、暗号鍵を固定鍵に設定する(図5/STEP59)。
【0069】
以上のように、暗号化条件フラグF_ENCの値に応じて、暗号鍵を設定した後、その暗号鍵を用いて、所定の暗号化アルゴリズム(例えばSHA-256)により、データマートにおける車両ID及びユーザIDを暗号化する(図5/STEP60)。
【0070】
次いで、車両ID及びユーザIDを暗号化したデータマートに、車種データと暗号化条件フラグを紐付けすることにより、暗号化データマートを作成する(図5/STEP61)。この車種データは、車両IDの一部に相当する。その後、本処理を終了する。
【0071】
図3に戻り、暗号化データマート作成処理を以上のように実行した後、暗号化データマートを統合データベースサーバ4に出力する(図3/STEP29)。その後、本処理を終了する。
【0072】
次に、図6を参照しながら、データ記憶処理について説明する。この処理は、統合データベースサーバ4において、統合処理サーバ3から入力された暗号化データマートを記憶領域に記憶するものであり、暗号化データマートが入力される毎に実行される。
【0073】
同図に示すように、まず、暗号化データマートを読み込む(図6/STEP80)。次いで、暗号化データマートに含まれる車種データに基づき、車種を判定する(図6/STEP81)。以下、この判定した車種を「判定車種」という。
【0074】
次に、暗号化データマートに含まれる暗号化条件フラグF_ENCが「1」であるか否かを判定する(図6/STEP82)。
【0075】
この判定が肯定であるとき(図6/STEP82…YES)には、暗号化データマートを判定車種用の第1領域に登録データとして記憶する(図6/STEP83)。その後、本処理を終了する。
【0076】
一方、上述した判定が否定であるとき(図6/STEP82…NO)、すなわちF_ENC≠1であるときには、暗号化条件フラグF_ENCが「2」である否かを判別する(図6/STEP84)。
【0077】
この判定が肯定であるとき(図6/STEP84…YES)には、暗号化データマートを判定車種用の第2領域に登録データとして記憶する(図6/STEP85)。その後、本処理を終了する。
【0078】
一方、上述した判定が否定であるとき(図6/STEP84…NO)、すなわちF_ENC≠1,2であるときには、暗号化条件フラグF_ENCが「3」である否かを判別する(図6/STEP86)。
【0079】
この判定が肯定であるとき(図6/STEP86…YES)には、暗号化データマートを判定車種用の第3領域に登録データとして記憶する(図6/STEP87)。その後、本処理を終了する。
【0080】
一方、上述した判定が否定であるとき(図6/STEP86…NO)、すなわちF_ENC≠1~3であるときには、暗号化条件フラグF_ENCが「4」である否かを判別する(図6/STEP88)。
【0081】
この判定が肯定であるとき(図6/STEP88…YES)には、暗号化データマートを判定車種用の第4領域に登録データとして記憶する(図6/STEP89)。その後、本処理を終了する。
【0082】
一方、この判定が否定であるとき(図6/STEP88…NO)、すなわちF_ENC=5であるときには、暗号化データマートを判定車種用の第5領域に登録データとして記憶する(図6/STEP90)。その後、本処理を終了する。
【0083】
以上のように、本実施形態のデータ登録システム1によれば、ネットワーク10を介して入力されるFCD、天候データ、車両状況データ、燃費データ及びナビデータと、車両ID及びユーザIDとを互いに紐付けしたデータ群として、データマートが作成され、これが圧縮される。さらに、暗号鍵を用いた暗号化アルゴリズムにより、圧縮したデータマートの車両ID及びユーザIDのみを暗号化して、暗号化データマートが作成され、これが登録データとして統合データベースサーバ4内の記憶領域に記憶される。
【0084】
この場合、FCD、天候データ、車両状況データ、燃費データ及びナビデータは、車両に関連するデータをビッグデータ化して分析する際に有効性の高いものであるので、そのような有効性の高いデータを、その秘匿性を高めながら効率よく登録することができる。
【0085】
また、FCD-燃費の暫定データマート、FCD-ナビの暫定データマート、FCD-天候の暫定データマート及びFCD-車両状況の暫定データマートを作成し、これらの暫定データマートをまとめて紐付けすることにより、データマートが作成されるので、データマートを一度に作成する場合と比べて、データマート作成時の負荷を低減することができる。
【0086】
これに加えて、図4に示すFCD-ナビの暫定データマートの作成処理において、FCDとナビデータの緯度・経度すなわちサンプリング時の車両位置が互いに完全一致していないときには、FCDとナビデータの緯度・経度が最も近いデータ同士が互いに紐付けされるので、サンプリング時の車両位置が最も近いことで、関連性が高いと推定されるデータ同士を紐付けしながら、FCD-ナビの暫定データマートを作成することができる。
【0087】
一方、FCDとナビデータの緯度・経度が完全一致するデータが複数存在するときには、複数のデータのうちのサンプリング時のタイムスタンプが最も近いデータ同士が互いに紐付けされるので、サンプリング時のタイムスタンプが最も近いことで、関連性が高いと推定されるデータ同士を紐付けしながら、FCD-ナビの暫定データマートを作成することができる。以上により、FCD-ナビの暫定データマートの作成精度を向上させることができる。
【0088】
また、データマートが圧縮されてから暗号化されるので、暗号化データマートのサイズを減少させることができる。それにより、登録データのセキュリティを向上させながら、同じ容量の記憶領域に対して、登録データの記憶数を相対的に増大させることができる。
【0089】
なお、実施形態は、FCD-燃費の暫定データマート、FCD-ナビの暫定データマート、FCD-天候の暫定データマート及びFCD-車両状況の暫定データマートを作成し、これらの4つの暫定データマートをまとめて紐付けすることにより、データ群としてのデータマートを作成した例であるが、FCD-燃費の暫定データマート、FCD-ナビの暫定データマート及びFCD-天候の暫定データマートをまとめて紐付けすることにより、データ群としてのデータマートを作成するように構成してもよい。
【0090】
その場合には、実施形態の図3のSTEP25を省略し、前述したSTEP22~24,26と同様の手法により、データ群としてのデータマートを作成すればよい。
【0091】
また、実施形態は、移動局として、ナビゲーション装置を用いた例であるが、本発明の移動局はこれに限らず、車両と同時に移動するものであればよい。例えば、移動局として、スマートフォンなどの携帯情報端末を用いてもよい。
【0092】
その場合には、携帯情報端末が車両のECUやナビゲーション装置との間でデータ通信を実施し、車両ID及び/又はユーザIDのデータを携帯情報端末側で受信しているように構成するとともに、移動状態データとして、携帯情報端末の位置(緯度、経度)、当該位置のサンプリング時のタイムスタンプ及びユーザIDなどを紐付けしたデータが、携帯情報端末、車両のECU及びナビゲーション装置のいずれかから、データ処理サーバ2に入力されるように構成すればよい。
【0093】
また、携帯情報端末を移動局として用いた場合、車両のイグニッション・スイッチがオンからオフされるまでの間に限らず、車両のイグニッション・スイッチがオフされた以降においても、使用者が携帯情報端末において将来のルート演算などを実施した結果がナビデータとして携帯情報端末からデータ処理サーバ2に入力され、移動状態データが携帯情報端末からデータ処理サーバ2に入力されるように構成してもよい。さらに、そのように構成した場合には、例えば、車両のイグニッション・スイッチがオフ中において変化しないデータ(すなわち燃費データなど)を一定値や空のデータとして、データマートを作成すればよい。
【0094】
さらに、実施形態は、車両特定データとして、車両ID及びユーザIDを用いた例であるが、本発明の車両特定データはこれに限らず、車両及び車両のユーザの少なくとも一方を特定するためのものであればよい。例えば、車両特定データとして、車両ID又はユーザIDを用いてもよい。その場合には、例えば、実施形態の図2の紐付けデータ作成処理において、天候データ以外のデータに対して、車両ID及びユーザIDの一方のみを紐付けし、図3のSTEP22~26において、車両ID及びユーザIDの一方のみをキーとして、データマートを作成すればよい。
【0095】
一方、実施形態は、本発明のデータ登録システムを、内燃機関を動力源とする車両に適用した例であるが、本発明のデータ登録システムはこれに限らず、内燃機関以外を動力源とする車両にも適用可能である。例えば、燃料電池車両や電気自動車などにも適用可能である。
【0096】
また、実施形態は、消費割合データとして、燃費を用いた例であるが、本発明の消費割合データはこれに限らず、車両のエネルギ消費割合を表すものであればよい。例えば、燃料電池車両の場合には、水素の消費割合が消費割合データに相当し、電気自動車の場合には、電力の消費割合が消費割合データに相当する。
【0097】
さらに、実施形態は、データマートを圧縮するときの圧縮アルゴリズムとして、Lzoアルゴリズムを用いた例であるが、データマートを圧縮するときの圧縮アルゴリズムはこれに限らず、データを圧縮できるものであればよい。例えば、データマートを作成するときの圧縮アルゴリズムとして、Gzipなどを用いてもよい。
【0098】
一方、実施形態は、図3に示す手法により、データマートを作成したが、データマートの作成手法はこれに限らない。例えば、図3の手法において、STEP25,26を省略し、STEP22,23で作成した2つの暫定データマートに、天候データと車両状況データを紐付けすることにより、データマートを作成してもよい。
【0099】
また、実施形態は、圧縮したデータマートを暗号化することにより、暗号化データマートを作成し、この暗号化データマートを登録データとして統合データベースサーバ4に記憶した例であるが、圧縮したデータマートを暗号化することなく、そのまま統合データベースサーバ4に記憶するように構成してもよい。
【0100】
さらに、実施形態は、データ登録システムを3つのサーバで構成した例であるが、データ登録システムを2つ以下、又は4つ以上のサーバで構成してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 データ登録システム
2 データ処理サーバ(データ受信手段)
3 統合処理サーバ(データ群作成手段、登録データ作成手段)
4 統合データベースサーバ(データ記憶手段)
10 ネットワーク
14 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6