(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】無線周波数回路、無線周波数信号を処理する方法、及びパッケージ状モジュール
(51)【国際特許分類】
H03H 9/72 20060101AFI20220318BHJP
H01P 1/213 20060101ALI20220318BHJP
H03H 9/70 20060101ALI20220318BHJP
H03H 9/17 20060101ALI20220318BHJP
H03H 7/46 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
H03H9/72
H01P1/213 N
H03H9/70
H03H9/17 F
H03H7/46 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019201142
(22)【出願日】2019-11-06
(62)【分割の表示】P 2016127220の分割
【原出願日】2016-06-28
【審査請求日】2019-11-14
(32)【優先日】2015-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ニー、 チエンシン
(72)【発明者】
【氏名】キャロン、 ジョシュア ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤラーマン、 スリバツァン
(72)【発明者】
【氏名】カスナビ、 レザ
(72)【発明者】
【氏名】フリード、 ジョン ジー.
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-254281(JP,A)
【文献】特開2012-253497(JP,A)
【文献】国際公開第2013/080428(WO,A1)
【文献】特開2005-184143(JP,A)
【文献】特開2015-201808(JP,A)
【文献】特開2006-211057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P1/20-H01P1/219
H03H3/007-H03H3/10
H03H9/00-H03H9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数回路であって、
複数の
入力ノードと、
共通ノードと、
前記複数の
入力ノードのそれぞれと前記共通ノードとの間に実装された信号経路と
を含み、
各対応信号経路は、第1Qファクタ値を有するフィルタと、前記第1Qファクタ値よりも高い第2Qファクタ値を有して
前記対応信号経路において前記フィルタに
直列に接続される共振器とを含み、
前記共通ノードは出力ノードに対応する、無線周波数回路。
【請求項2】
複数の対応信号経路は、前記共通ノードを通るそれぞれの信号のキャリアアグリゲーションをアイソレーション性能及び挿入損失性能の点でサポートするべく構成される、請求項1の無線周波数回路。
【請求項3】
前記無線周波数回路は、マルチプレクサとして構成される、請求項1の無線周波数回路。
【請求項4】
前記マルチプレクサは、ダイプレクサ、トライプレクサ又はクアッドプレクサとして構成される、請求項3の無線周波数回路。
【請求項5】
前記複数の信号経路はそれぞれが対応共振器を含む、請求項1の無線周波数回路。
【請求項6】
少なくとも一つの信号経路が共振器を含まない、請求項1の無線周波数回路。
【請求項7】
前記共振器は、前記複数の
入力ノードと前記フィルタとの間に実装される、請求項
1の無線周波数回路。
【請求項8】
前記共振器は、前記フィルタと前記共通ノードとの間に実装される、請求項
1の無線周波数回路。
【請求項9】
各フィルタが、弾性波共振器を含まない非弾性フィルタである、請求項1の無線周波数回路。
【請求項10】
各共振器が弾性波共振器である、請求項
9の無線周波数回路。
【請求項11】
前記弾性波共振器は、弾性表面波(SAW)共振器又はバルク弾性波(BAW)共振器である、請求項
10の無線周波数回路。
【請求項12】
無線周波数信号を処理する方法であって、
複数の
入力ノードのそれぞれと共通ノードとの間の経路を通して信号を与えることと、
それぞれの経路における各信号に対し、前記信号を前記経路に沿ってフィルタを通るように通過させることと、前記信号を前記経路に沿って前記フィルタに
直列に接続される共振器を通るように通過させることと、
を含み、
前記フィルタは第1Qファクタ値を有し、
前記共振器は、前記第1Qファクタ値よりも高い第2Qファクタ値を有し、
前記共通ノードは出力ノードに対応する、方法。
【請求項13】
前記信号を、前記フィルタを通るように通過させることは、前記信号を、それぞれの共振器を通るように通過させる前に行われる、請求項
12の方法。
【請求項14】
前記信号を、前記フィルタを通るように通過させることは、前記信号を、それぞれの共振器を通るように通過させた後に行われる、請求項
12の方法。
【請求項15】
パッケージ状モジュールであって、
複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板と、
前記パッケージング基板上に実装された無線周波数回路と
を含み、
前記無線周波数回路は、複数の
入力ノードと、共通ノードと、前記複数の
入力ノードのそれぞれと前記共通ノードとの間に実装された信号経路とを含み、
各対応信号経路は、第1Qファクタ値を有するフィルタと、前記第1Qファクタ値よりも高い第2Qファクタ値を有して
前記対応信号経路において前記フィルタに
直列に接続される共振器とを含み、
前記共通ノードは出力ノードに対応する、パッケージ状モジュール。
【請求項16】
前記無線周波数回路が、受信した信号のキャリアアグリゲーションをアイソレーション性能及び挿入損失性能の点でサポートするように、前記無線周波数回路に結合された一つ以上の低雑音増幅器をさらに含む、請求項
15のパッケージ状モジュール。
【請求項17】
前記一つ以上の低雑音増幅器は、前記無線周波数回路の前記共通ノードに結合された入力部を有する広帯域低雑音増幅器を含む、請求項
16のパッケージ状モジュール。
【請求項18】
前記一つ以上の低雑音増幅器は、各信号経路に沿って実装された狭帯域低雑音増幅器を含む、請求項
16のパッケージ状モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線周波数(RF)アプリケーション用のマルチプレクサに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、共振器付きハイブリッド回路を有するマルチプレクサとの名称の、2015年6月29日出願の米国仮出願第62/186,348号の優先権を主張する。その開示は全体が、ここに参照により明示的に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレスアプリケーションのようないくつかの無線周波数(RF)アプリケーションにおいて、2以上のRF信号を多重化(マルチプレクシング)により一緒にして、かかる信号が共通経路を通っての引き回しを可能にすることができる。2つのRF信号を結合することは典型的に二重化(デュプレクシング)と称され、3つのRF信号を結合することは典型的に三重化(トライプレクシング)と称され、以下同様である。
【発明の概要】
【0004】
一定数の実装によれば、本開示は、無線周波数信号を処理するマルチプレクサに関する。マルチプレクサは、複数のノードと、共通ノードと、当該ノードのそれぞれと当該共通ノードとの間に実装された信号経路とを含む。信号経路はそれぞれがフィルタを含み、信号経路の少なくともいくつかはそれぞれがさらに、対応フィルタに結合された共振器も含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、共振器付き信号経路は、共振器なし信号経路よりも鋭いV字曲線の無線周波数信号を与え得る。複数のノードは複数の入力ノードに対応し、共通ノードは出力ノードに対応する。マルチプレクサは、例えば、2つの入力ノードがそれぞれの信号経路を通って共通出力ノードに結合されるようなダイプレクサとし、3つの入力ノードがそれぞれの信号経路を通って共通出力ノードに結合されるようなトライプレクサとし、又は4つの入力ノードがそれぞれの信号経路を通って共通出力ノードに結合されるようなクワッドプレクサとすることができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、複数の信号経路はそれぞれが対応共振器を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの信号経路は共振器を含まなくともよい。それぞれの共振器を有する信号経路は、共振器なしの一以上の信号経路の周波数よりも高い周波数を有する無線周波数信号を処理するべく構成される。
【0007】
いくつかの実施形態において、共振器及びフィルタは、対応信号経路において直列に接続することができる。共振器は、フィルタの上流側、又はフィルタの下流側に実装可能である。いくつかの実施形態において、対応信号経路はさらに、付加共振器を含み得る。かかるフィルタは、例えば2つの共振器間に実装可能である。
【0008】
いくつかの実施形態において、各共振器は、対応フィルタのQファクタ値よりも高いQファクタ値を有し得る。いくつかの実施形態において、各フィルタは、帯域通過フィルタとすることができる。各共振器は、弾性表面波共振器、弾性バルク波共振器、又は高Qファクタ値の共振器とすることができる。
【0009】
いくつかの教示において、本開示は、無線周波数信号を多重化する方法に関する。方法は、複数の無線周波数信号を受信する共通経路を与えることと、当該複数の無線周波数信号を処理して、当該無線周波数信号のそれぞれがフィルタリングされるように、かつ、当該無線周波数信号の少なくともいくつかのそれぞれがさらに共振器も通過するように対応信号経路を通すこととを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、共振器及び対応フィルタを通過した無線周波数信号は、フィルタのみを通過した無線周波数信号よりも鋭いV字曲線を有し得る。
【0011】
一定数の実装において、本開示は、複数のコンポーネントを受容するべく構成されたパッケージング基板と、当該パッケージング基板に対して実装されたマルチプレクサとを含む無線周波数モジュールに関する。マルチプレクサは、複数のノードと、共通ノードと、当該複数のノードのそれぞれと当該共通ノードとの間に実装された信号経路とを含む信号経路はそれぞれがフィルタを含み、信号経路の少なくともいくつかはそれぞれがさらに、対応フィルタに結合された共振器も含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、共振器付き信号経路は、共振器なし信号経路よりも鋭いV字曲線の無線周波数信号を与え得る。いくつかの実施形態において、無線周波数モジュールはさらに、マルチプレクサに結合された低雑音増幅器を含み得る。いくつかの実施形態において、低雑音増幅器の入力は、マルチプレクサの共通ノードに結合することができる。いくつかの実施形態において、低雑音増幅器は広帯域低雑音増幅器とすることができる。いくつかの実施形態において、低雑音増幅器は、所与の信号経路に固有に実装可能である。いくつかの実施形態において、低雑音増幅器は、フィルタの下流側、又はフィルタの上流側に置くことができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、無線周波数モジュールは、例えば、フロントエンドモジュール又はダイバーシティ受信モジュールとすることができる。
【0014】
いくつかの実装によれば、本開示は、無線周波数信号を処理するべく構成された受信器と、当該受信器と通信する無線周波数モジュールとを含むワイヤレスデバイスに関する。無線周波数モジュールは、複数のノード及び共通ノードを有するマルチプレクサを含む。マルチプレクサさらに、複数のノードのそれぞれと共通ノードとの間に実装された信号経路を含む。信号経路はそれぞれがフィルタを含み、信号経路の少なくともいくつかはそれぞれがさらに、対応フィルタに結合された共振器も含む。ワイヤレスデバイスはさらに、無線周波数モジュールと通信するアンテナを含み、当該アンテナは、無線周波数信号を受信するべく構成される。
【0015】
いくつかの実施形態において、共振器付き信号経路は、共振器なし信号経路よりも鋭いV字曲線の無線周波数信号を与え得る。
【0016】
本開示を要約する目的で本発明の一定の側面、利点及び新規な特徴がここに記載された。理解すべきことだが、かかる利点のすべてが必ずしも、本発明の任意の特定実施形態によって達成できるわけではない。すなわち、本発明は、ここに教示される一の利点又は一群の利点を、ここに教示又は示唆される他の利点を必ずしも達成することなく、達成又は最適化する態様で具体化又は実施をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1ノード及び第2ノード間にハイブリッド回路を有する無線周波数(RF)信号経路を描く。
【
図2】
図1のハイブリッド回路を一以上含み得るRFマルチプレクサを描く。
【
図3】
図3Aは、いくつかの実施形態において、
図2のマルチプレクサがダイプレクサであり得ること示す。
図3Bは、いくつかの実施形態において、
図2のマルチプレクサがトライプレクサであり得ることを示す。
図3Cは、いくつかの実施形態において、
図2のマルチプレクサがクワッドプレクサであり得ることを示す。
【
図4】それぞれのノードを共通ノードに結合する3つの信号経路を有するトライプレクサの一例を示す。
【
図5】
図5Aは、いくつかの実施形態において、
図4の例と同様のトライプレクサが、共通ノードを低雑音増幅器(LNA)の入力に結合するように実装可能であることを示す。
図5Bは、いくつかの実施形態において、トライプレクサ構成が、3つのハイブリッド回路それぞれの出力を対応LNAの入力に結合するように実装可能であることを示す。
図5Cは、いくつかの実施形態において、トライプレクサ構成が、3つのハイブリッド回路それぞれの入力ノードを対応LNAの出力に結合するように実装可能であることを示す。
【
図6】ハイブリッド回路が帯域通過フィルタ及び弾性表面波(SAW)共振器を含み、当該SAW共振器が対応帯域通過フィルタの下流側に実装されるように配列されるトライプレクサ構成の一例を示す。
【
図7】ハイブリッド回路が帯域通過フィルタ及び弾性表面波(SAW)共振器を含み、当該SAW共振器が対応帯域通過フィルタの上流側に実装されるように配列されるトライプレクサ構成の一例を示す。
【
図8】ハイブリッド回路が帯域通過フィルタ並びに第1及び第2弾性表面波(SAW)共振器を含み、当該帯域通過フィルタが対応第1及び第2SAW共振器間に存在するように配列されるトライプレクサ構成の一例を示す。
【
図9】
図9Aは、いくつかの実施形態において、マルチプレクサの少なくとも一つのハイブリッド回路が共振器バイパス機能を含み得ることを示す。
図9Bは、いくつかの実施形態において、マルチプレクサの各ハイブリッド回路が共振器バイパス機能を含み得ることを示す。
【
図10】3つの信号経路それぞれが帯域通過フィルタのみを有する従来型トライプレクサに対する挿入損失プロットを示す。
【
図11】低帯域信号経路が帯域通過フィルタのみを有し、中間帯域及び高帯域信号経路それぞれが
図7の例と同様のハイブリッド回路を含むトライプレクサに対する、
図10と同じ周波数範囲の挿入損失プロットを示す。
【
図12】
図10の従来型トライプレクサ構成のアイソレーションプロットを示す。
【
図13】
図11のトライプレクサ構成のアイソレーションプロットを示す。
【
図14】いくつかの実施形態において、ここに記載される一以上の特徴を有するマルチプレクサが一モジュールに実装可能であることを示す。
【
図15】ここに記載される一以上の有利な特徴を有するワイヤレスデバイスの一例を描く。
【
図16】ここに記載される一以上の有利な特徴を有するワイヤレスデバイスの他例を描く。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここに与えられる見出しは、存在するとしても、便宜上に過ぎず、必ずしも特許請求の範囲に係る発明の範囲又は意味に影響するわけではない。
【0019】
図1は、第1ノードA及び第2ノードB間にハイブリッド回路112を有する無線周波数(RF)信号経路110を描く。ここに記載されるように、かかるハイブリッド回路112は、一以上のフィルタと、一以上の弾性表面波(SAW)共振器のような共振器との組み合わせを含み得る。説明を目的として、ハイブリッド回路112は、フィルタ/共振器アセンブリ、フィルタ/SAWアセンブリ等と言及され得る。ここに記載されるように、マルチプレクサを形成するべく、複数のかかるハイブリッド回路が実装可能である。
【0020】
図2は、
図1のハイブリッド回路112を一以上含み得るRFマルチプレクサ100を描く。かかるRFマルチプレクサは、第1信号RFi及び第2信号RFjに関連付けられた信号経路を含む複数の信号経路を共通経路RF_OUTへと結合するべく構成可能である。説明を目的として、信号経路及び対応信号は互換可能に使用することができる。例えば、RFiは、文脈に応じて第1信号を、及び/又は当該信号に関連付けられた経路を言及するべく使用され得る。
【0021】
理解されることだが、様々な例が、複数の信号がマルチプレクサ100によって共通経路へとマージされ又は組み合わせられる上記文脈においてここに記載されるにもかかわらず、いくつかの実施形態においては、ここに記載される一以上の特徴を有するマルチプレクサを、逆方向に動作させるべく構成することもできる。例えば、共通RF信号を複数の信号に分割することができるが、かかる構成も、ここに記載される一以上の特徴からの利益を得ることができる。
【0022】
説明を目的として、マルチプレクサ又は多重化が、2以上の信号経路を共通信号経路へと結合することを含み得ることが理解される。例えば、
図3Aは、マルチプレクサが、2つの信号経路RF1、RF2を共通信号経路RF_OUTへと結合するべく構成されたダイプレクサ100となり得ることを示す。
図3Bは、マルチプレクサが、3つの信号経路RF1、RF2、RF3を共通信号経路RF_OUTへと結合するべく構成されたトライプレクサ100となり得ることを示す。
図3Cは、マルチプレクサが、4つの信号経路RF1、RF2、RF3、RF4を共通信号経路RF_OUTへと結合するべく構成されたクワッドプレクサ100となり得ることを示す。他の数の信号経路もまた、共通信号経路へと組み合わせられるように構成することができる。
【0023】
図4~13は、マルチプレクサがトライプレクサである様々な例を示す。しかしながら、本開示の一以上の特徴は、他のタイプのマルチプレクサに実装可能であることも理解される。
【0024】
図4は、ノードA1、A2、A3それぞれを共通ノードBに結合する3つの信号経路を有するトライプレクサ100の一例を示す。信号経路はそれぞれ、フィルタ及び共振器を含むハイブリッド回路を含むように示される。例えば、第1信号経路は、フィルタ及び共振器を有する第1ハイブリッド回路112aを含むように示される。同様に、第2信号経路112b及び第3信号経路112cのそれぞれは、フィルタ及び共振器を含むように示される。
【0025】
図4の例において、トライプレクサ100の3つの信号経路すべては、それぞれのハイブリッド回路(112a、112b、112c)を有するように描かれる。しかしながら、ここに記載されるように、マルチプレクサは必ずしも、その信号経路すべてに対してハイブリッド回路を有する必要があるわけではない。
【0026】
図5A~5Cは、ここに記載される一以上の特徴を有するトライプレクサが、ダウンリンクアプリケーションに実装可能である非制限的な例を示す。理解されることだが、本開示の一以上の特徴は、アップリンクアプリケーションにも実装可能である。かかるアップリンクアプリケーションは、例えば、一以上の電力増幅器(PA)に関連付けられたRF信号の引き回しを含み得る。
【0027】
図5Aは、いくつかの実施形態において、
図4の例と同様のトライプレクサ100が、共通ノードBが低雑音増幅器(LNA)120の入力に結合されるように実装可能であることを示す。かかるLNAは、例えば、3つのハイブリッド回路112a、112b、112cによって処理された異なる帯域の受信RF信号を増幅するべく構成された広帯域LNAとすることができる。
【0028】
図5Bは、いくつかの実施形態において、トライプレクサ構成100が、3つのハイブリッド回路それぞれの出力が対応LNAの入力に結合されるように実装可能であることを示す。すなわち、第1ハイブリッド回路112aの出力が、第1LNA120aの入力に結合されるように示される。同様に、第2及び第3ハイブリッド回路112b、112cの出力が、第2及び第3LNA120b、120cそれぞれの入力に結合されるように示される。いくつかの実施形態において、3つのLNA120a、120b、120cはそれぞれ、狭帯域LNAとすることができる。
【0029】
図5Cは、いくつかの実施形態において、トライプレクサ構成100が、3つのハイブリッド回路それぞれの入力ノードが対応LNAの出力に結合されるように実装可能であることを示す。すなわち、第1ハイブリッド回路112aの入力が、第1LNA120aの出力に結合されるように示される。同様に、第2及び第3ハイブリッド回路112b、112cの入力が第2及び第3LNA120b、120cそれぞれの出力に結合されるように示される。
【0030】
図5Cの例において、LNA120a、120b、120cの入力は、それぞれの上流側フィルタ122a、122b、122cを通って共通入力ノードに結合することができる。
図5Cにおいても、ハイブリッド回路112a、112b、112cの出力を共通ノードに結合することができる。
【0031】
理解されることだが、ここに記載される一以上の特徴を有するトライプレクサは、他構成に実装することもできる。
【0032】
図6~8は、ハイブリッド回路が帯域通過フィルタ及び弾性表面波(SAW)共振器を含み得る例を示す。
図6の例において、トライプレクサ100は、それぞれの入力ノードA1、A2、A3を共通ノードBに結合する3つのハイブリッド回路112a、112b、112cを含むように示される。3つのハイブリッド回路112a、112b、112cはそれぞれ、SAW共振器が対応帯域通過フィルタの下流側に実装される構成で示される。したがって、SAW共振器116aが、第1ハイブリッド回路112aにおいて帯域通過フィルタ114aの下流側となるように示される。同様に、第2及び第3ハイブリッド回路112b、112cにおいてSAW共振器116b、116cは、それぞれの帯域通過フィルタ114b、114cの下流側となるように示される。
【0033】
図7の例において、トライプレクサ100は、それぞれの入力ノードA1、A2、A3を共通ノードBに結合する3つのハイブリッド回路112a、112b、112cを含むように示される。3つのハイブリッド回路112a、112b、112cは、SAW共振器が対応帯域通過フィルタの上流側に実装される構成で示される。したがって、SAW共振器116aが、第1ハイブリッド回路112aにおいて帯域通過フィルタ114aの上流側となるように示される。同様に、第2及び第3ハイブリッド回路112b、112cにおいてSAW共振器116b、116cは、それぞれの帯域通過フィルタ114b、114cの上流側となるように示される。
【0034】
図8の例において、トライプレクサ100は、それぞれの入力ノードA1、A2、A3を共通ノードBに結合する3つのハイブリッド回路112a、112b、112cを含むように示される。3つのハイブリッド回路112a、112b、112cはそれぞれが、第1SAW共振器が対応帯域通過フィルタの上流側に実装され、第2SAW共振器が同じ帯域通過フィルタの下流側に実装される構成で示される。したがって、第1ハイブリッド回路112aにおいて、SAW共振器116aが帯域通過フィルタ114aの上流側に示され、SAW共振器118aが帯域通過フィルタ114aの下流側に示される。同様に、第2及び第3ハイブリッド回路112b、112cにおいて、SAW共振器116b、116cがそれぞれの帯域通過フィルタ114b、114cの上流側となるように示され、SAW共振器118b、118cが同じ帯域通過フィルタ114b、114cの下流側となるように示される。
【0035】
理解されることだが、所与のハイブリッド回路に対し、一以上のフィルタと一以上のSAW共振器との他の組み合わせも実装可能である。またも理解されることだが、所与のマルチプレクサに対し、複数のハイブリッド回路が、互いの間で同様に構成されても又はされなくてもよい。例えば、一のハイブリッド回路がフィルタの上流側にSAW共振器を有する一方、同じマルチプレクサにおける他のハイブリッド回路が、フィルタの下流側にSAW共振器を有する。またも理解されることだが、マルチプレクサにおける信号経路のすべてが必ずハイブリッド回路を有しなければならないというわけではない。例えば、所与のマルチプレクサにおける一以上の信号経路がそれぞれのハイブリッド回路を含み得る一方、同じマルチプレクサにおける一以上の信号経路は、かかるハイブリッド回路機能を有しない。
【0036】
図9A及び9Bは、いくつかの実施形態において、マルチプレクサにおける一以上のハイブリッド回路のいくつか又はすべてが、対応共振器がスイッチング可能な態様で実装可能となる機能を含み得る。説明を目的として、
図9A及び9Bの例は、3つのハイブリッド回路を有するトライプレクサの文脈にあり、各ハイブリッド回路は、帯域通過フィルタ及びSAW共振器を含むことが仮定される。しかしながら、ここに記載されるように、ハイブリッド回路の他構成もまた一以上のスイッチを利用可能であることと、かかるスイッチング可能な共振器機能が他タイプのマルチプレクサに実装可能であることとが理解される。
【0037】
図9Aの例において、3つのハイブリッド回路112a、112b、112cは、それぞれの帯域通過フィルタ及びSAW共振器の点で
図7の例と同様に配列される。しかしながら、3つのハイブリッド回路の一つ(例えばハイブリッド回路112a)が、SAW共振器116aに並列して実装されるスイッチS1を含むように示される。したがって、ハイブリッド回路112aに対し、帯域通過フィルタプラスSAW共振器機能が望まれる場合、スイッチS1を開にすることができる。かかる帯域通過フィルタプラスSAW共振器機能が必要ない又は望ましくない場合、スイッチS1は、SAW共振器116aが実質的にRF信号からバイパスされるように閉にすることができる。
【0038】
図9Bの例において、3つのハイブリッド回路112a、112b、112cもまた、それぞれの帯域通過フィルタ及びSAW共振器の点で
図7の例と同様に配列される。しかしながら、3つのハイブリッド回路それぞれが、対応SAW共振器に並列して実装されたスイッチを含むように示される。したがって、帯域通過フィルタプラスSAW共振器機能がハイブリッド回路112aに対して望まれる場合、スイッチS1を開にすることができる。かかる帯域通過フィルタプラスSAW共振器機能が必要ない又は望ましくない場合、スイッチS1は、SAW共振器116aが実質的にRF信号からバイパスされるように閉にすることができる。同様に、帯域通過フィルタプラスSAW共振器機能がハイブリッド回路112bにとって望ましい場合、スイッチS2を開にすることができる。かかる帯域通過フィルタプラスSAW共振器機能が必要ない又は望ましくない場合、スイッチS2は、SAW共振器116bが実質的にRF信号からバイパスされるように閉にすることができる。同様に、帯域通過フィルタプラスSAW共振器機能がハイブリッド回路112cにとって望ましい場合、スイッチS3を開にすることができる。かかる帯域通過フィルタプラスSAW共振器機能が必要ない又は望ましくない場合、スイッチS3は、SAW共振器116cが実質的にRF信号からバイパスされるように閉にすることができる。
【0039】
図10は、3つの信号経路それぞれが帯域通過フィルタのみを有する従来型トライプレクサに対する挿入損失プロットを示す。第1信号経路の帯域通過フィルタは低帯域(LB)フィルタとして構成され、第2信号経路の帯域通過フィルタは中間帯域(MB)フィルタとして構成され、第3信号経路の帯域通過フィルタは高帯域(HB)フィルタとして構成される。したがって、3つの挿入損失プロットは、
図10においてLB(左)、MB(中間)及びHB(右)に示される。
【0040】
図11は、
図10と同じLB、MB及びHB周波数範囲に対する挿入損失プロットを示す。
図11の例において、トライプレクサは、帯域通過フィルタのみを有するLB信号経路を含み、MB及びHB信号経路のそれぞれが、
図7の例と同様のハイブリッド回路を含む(ここでSAW共振器は帯域通過フィルタの上流側に実装される)。
図11において、かかる構成から得られる3つの挿入損失プロットが、LB(左)、MB(中間)及びHB(右)として示される。
【0041】
図10及び11それぞれにおいて、基準挿入損失レベルの一例は近似的に1.5dBに示される。LB範囲における挿入損失プロットは、双方のトライプレクサにおいてLB経路が同じに構成されるので、
図10及び11において、一般に予測と同じである。
【0042】
MB及びHBの結果に関し、
図11に対応するトライプレクサは、
図10に対応するトライプレクサよりも著しく良好な挿入損失性能を有することがわかる。さらに、
図11における帯域画定は、
図10のものよりも著しく良好である。例えば、MBの上端とHBの近隣下端は、
図10よりも
図11において良好に分離かつ画定されている。
【0043】
図12は、
図10の従来型トライプレクサ構成に対する、同じLB、MB及びHB周波数範囲でのアイソレーションプロットを示す。
図13は、
図11のトライプレクサ構成に対する、同じLB、MB及びHB周波数範囲でのアイソレーションプロットを示す。
図12及び13を参照すると、基準アイソレーションレベルの一例が、3つの例示帯域それぞれに対して示される。
図13に対応するトライプレクサが、
図12に対応するトライプレクサと比較して、改善されたアイソレーション性能を有することがわかる。
【0044】
ここに記載の様々な例において、帯域通過フィルタのようなフィルタが、例えば、集中コンポーネントベース、伝送線路ベース、キャビティベース、又はこれらの任意の組み合わせとし得ることが理解される。またも理解されるのは、様々な共振器がSAW共振器の文脈で記載される一方、他のタイプの共振器も利用可能ということである。例えば、弾性バルク波(BAW)共振器又は圧電薄膜共振器(FBAR又はTFBAR)のような共振器も利用可能である。他例において、高Qファクタを有する共振器デバイス及び/又は回路(弾性波ベース又はそれ以外)も利用可能である。いくつかの実施形態において、ここに記載される共振器(SAW又はその他)は、対応フィルタよりも高いQファクタ値を有し得る。
【0045】
ワイヤレスアプリケーションの例
【0046】
とりわけ、ここに記載される一以上の特徴を有するマルチプレクサは、例えばLTE(ロングタームエボリューション)通信技術に関連付けられた多重帯域キャリアアグリゲーション(CA)において利用することができる。かかるアプリケーションにおいて、凝集した帯域のいくつか同士の相対的に狭い周波数間隔が、アイソレーション及び挿入損失性能レベルを満たす上で課題をもたらし得る。かかる課題に対処するべく、特殊フィルタが実装可能である。しかしながら、かかる特殊フィルタはコストがかかるのが典型的であり、さらには、処理対象信号に過剰な損失を導入し得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、ここに記載される一以上の特徴を有するトライプレクサのようなマルチプレクサが、フロントエンドモジュール(FEM)に実装可能である。かかるフロントエンドモジュールは、上記特殊フィルタの必要性を低減又はなくすことができるので、許容可能な性能レベルを有する多重帯域CA機能が容易となる。ここに記載される一以上の特徴を有するマルチプレクサは、例えば、良好な画定V字ノッチ(例えば鋭いロールオフを含む)を与えることができるので、隣接周波数帯域間の改善されたアイソレーションが得られる。またもここに記載されるように、通過帯域挿入損失の低下を、一以上のハイブリッド回路を有するマルチプレクサによって実現することができる。
【0048】
ここに記載される一以上の特徴を有する製品の例
【0049】
図14は、いくつかの実施形態において、ここに記載される一以上の特徴を有するマルチプレクサがモジュール300に実装可能であることを示す。かかるモジュールは、例えば、上述のフロントエンドモジュールとすることができる。いくつかの実施形態において、かかるモジュールは、積層基板又はセラミック基板のようなパッケージング基板302を含み得る。モジュール300は、パッケージング基板302に実装された一以上のLNA304を含み得る。モジュール300はさらに、ここに記載される一以上の特徴を有するマルチプレクサ100を含み得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、
図14のモジュールは、ダイバーシティ受信(DRx)モジュールとして構成することができる。かかるDRxモジュールをワイヤレスデバイスに実装可能とする態様の一例がここに記載される。
【0051】
いくつかの実施形態において、ここに記載される一以上の特徴を有するマルチプレクサは、LNAを含んでも又は含まなくてもよいがフィルタリング機能を利用するモジュールに実装可能である。かかるモジュールは、例えば、電力増幅器(PA)モジュール、又は複数のRF信号経路が異なる周波数帯域のために構成される任意のモジュールを含み得る。
【0052】
いくつかの実装において、ここに記載の一以上の特徴を有するアーキテクチャ、デバイス及び/又は回路が、ワイヤレスデバイスのようなRFデバイスに含まれ得る。かかるアーキテクチャ、デバイス及び/又は回路は、ワイヤレスデバイスに直接的に、ここに記載される一以上のモジュール形態で、又はこれらの所定の組み合わせで実装可能である。いくつかの実施形態において、かかるワイヤレスデバイスは、例えば、セルラー電話、スマートフォン、電話機能有り又はなしのハンドヘルドワイヤレスデバイス、ワイヤレスタブレット、ワイヤレスルータ、ワイヤレスアクセスポイント、ワイヤレス基地局等を含み得る。ワイヤレスデバイスで記載されるにもかかわらず、本開示の一以上の特徴はまた、基地局のような他のRFシステムにも実装可能であることが理解される。
【0053】
図15は、ここに記載の一以上の有利な特徴を有するワイヤレスデバイス400の一例を描く。いくつかの実施形態において、かかる有利な特徴は、フロントエンド(FE)モジュール又はLNAモジュール300に実装可能である。いくつかの実施形態において、かかるモジュールは、破線枠により示されるよりも多い又は少ないコンポーネントを含み得る。
【0054】
PAモジュール412における複数の電力増幅器(PA)は、それぞれのRF信号を送受信器410から受信することができる。送受信器410は、増幅及び送信対象のRF信号を生成し及び受信信号を処理するべく構成かつ動作可能である。送受信器410は、ユーザに適したデータ及び/又は音声信号と送受信器410に適したRF信号との変換を与えるべく構成されたベース帯域サブシステム408と相互作用をするように示される。送受信器410はまた、ワイヤレスデバイス400の動作電力を管理するべく構成された電力管理コンポーネント406に接続されるように示される。かかる電力管理部はまた、ワイヤレスデバイス400のベース帯域サブシステム408及び他のコンポーネントの動作を制御することもできる。
【0055】
ベース帯域サブシステム408は、ユーザに与えられ及びユーザから受信する音声及び/又はデータの様々な入力及び出力を容易にするユーザインタフェイス402に接続されるように示される。ベース帯域サブシステム408はまた、データ及び/又は命令を格納するべく構成されたメモリ404に接続されることにより、ワイヤレスデバイスの動作を容易にし及び/又はユーザ用の情報を格納することもできる。
【0056】
ワイヤレスデバイス400の例において、モジュール300は、ここに記載される一以上の機能を与えるべく構成されたマルチプレクサ100を含み得る。かかるマルチプレクサは、アンテナ420及びアンテナスイッチモジュール(ASM)414を通って受信された信号の処理を容易にし得る。マルチプレクサ100からの増幅及び多重化された信号が、送受信器410へと引き回されるように示される。
【0057】
図16は、本開示の一以上の特徴をダイバーシティ受信(DRx)モジュール300に実装可能なワイヤレスデバイス500の他例を示す。かかるワイヤレスデバイスにおいて、ユーザインタフェイス502、メモリ504、電力管理506、ベース帯域サブシステム508、送受信器510、電力増幅器(PA)512、アンテナスイッチモジュール(ASM)514及びアンテナ520のようなコンポーネントは一般に、
図15の例と同様である。
【0058】
いくつかの実施形態において、DRxモジュール300は、一以上のダイバーシティアンテナ(例えばダイバーシティアンテナ530)とASM514との間に実装可能である。かかる構成により、ダイバーシティアンテナ530を通って受信されたRF信号を、ダイバーシティアンテナ530からのRF信号がほとんど若しくは全く損失されずに、及び/又は当該RF信号にノイズがほとんど若しくは全く付加されずに処理(いくつかの実施形態においてLNAによる増幅を含む)をすることができる。DRxモジュール300からのかかる処理済み信号はその後、相対的に損失性であり得る一以上の信号経路532を通ってASMへと引き回される。
【0059】
図16の例において、DRxモジュール300からのRF信号は、ASM514を通って引き回され、一以上の受信(Rx)経路を通って送受信器510に至る。かかるRx経路のいくつか又はすべては、それぞれのLNAを含み得る。いくつかの実施形態において、DRxモジュール300からのRF信号は、かかるLNAによってさらに増幅されても又はされなくてもよい。
【0060】
一定数の他のワイヤレスデバイス構成は、ここに記載の一以上の特徴を利用することができる。例えば、ワイヤレスデバイスは、多重帯域デバイスにする必要がない。他例において、ワイヤレスデバイスは、ダイバーシティアンテナのような付加的アンテナ、並びにWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)及びGPSのような付加的接続機能を含み得る。
【0061】
本開示の一以上の特徴は、ここに記載される様々なセルラー周波数帯域に実装可能である。かかる帯域の例を表1に列挙する。理解されることだが、当該帯域の少なくともいくつかはサブ帯域へと分割することができる。またも理解されることだが、本開示の一以上の特徴は、表1の例のような指定を有しない周波数範囲に関しても実装可能である。
【表1】
【0062】
一般的なコメント
【0063】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「~を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される用語「結合」は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかとなり得る2以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の特定部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」について、当該用語は以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。
【0064】
本発明の実施形態の上記詳細な説明は、排他的であることすなわち本発明を上記開示の正確な形態に制限することを意図しない。本発明の及びその例の特定の実施形態が例示を目的として上述されたが、当業者が認識するように、本発明の範囲において様々な均等の修正も可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを有するルーチンを行うこと又はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正することができる。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装することができる。また、プロセス又はブロックが直列的に行われるように示されることがあるが、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに、並列して行い又は異なる時に行うこともできる。
【0065】
ここに与えられた本発明の教示は、必ずしも上述のシステムに限られることがなく、他のシステムにも適用することができる。上述の様々な実施形態要素及び行為は、さらなる実施形態を与えるべく組み合わせることができる。
【0066】
本発明のいくつか実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際のところ、ここに記載される新規な方法、装置及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要旨から逸脱することなくなし得る。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。