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特許7042798車両ホイールディスク、このようなホイールディスクを含む車両ホイール、ならびにこのようなホイールディスクおよび車両ホイールの生産方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】車両ホイールディスク、このようなホイールディスクを含む車両ホイール、ならびにこのようなホイールディスクおよび車両ホイールの生産方法
(51)【国際特許分類】
   B60B 1/08 20060101AFI20220318BHJP
   B60B 1/14 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
B60B1/08
B60B1/14 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019506510
(86)(22)【出願日】2017-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 US2017047081
(87)【国際公開番号】W WO2018035194
(87)【国際公開日】2018-02-22
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】62/375,469
(32)【優先日】2016-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518227005
【氏名又は名称】マキシオン・ホイールズ ユー.エス.エイ.エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,カルロス・エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】ミツヤス,フェルナンド・トシヒコ
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/160999(WO,A1)
【文献】特開2010-208635(JP,A)
【文献】特開2012-040947(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0159469(US,A1)
【文献】特開2004-359045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 1/08
B60B 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイール軸を画定するホイール取付け部(106)と、
前記ホイール取付け部内で周方向に間隔を空けて配置される複数のラグボルト受け穴と、
前記ホイール取付け部から半径方向に延在する複数のスポーク(108)と、
ホイールリムにホイールディスクを接続するための、前記複数のスポークのうちの少なくとも1つのスポークのリム接合部(120)であって、前記リム接合部が、前記少なくとも1つのスポークの、前記ホイール取付け部に対向する端部に存在し、
前記リム接合部(120)は、ジェット機尾部形状またはT字形状であり、第1の部分(122)と、第2の部分(124)と、第3の部分(126)とを有する、前記スポークのリム接合部(120)とを備え、
記第1の部分(122)が、ホイール軸(X)に平行な軸方向に延在し、
記第2の部分(124)および第3の部分(126)が、ホイール軸(X)に垂直な平面内で周方向に延在する
車両ホイール用のホイールディスク(100)
【請求項2】
前記第1の部分の、前記周方向における第1の厚みと、
前記第1の部分の、前記軸方向における高さであって、前記高さが、前記第1の厚みより大きい、高さと、
前記第2の部分および前記第3の部分の、前記周方向における長さと、
前記第2の部分および前記第3の部分の、前記軸方向における第2の厚みであって、前記長さが、前記第2の厚みより大きい、第2の厚みとをさらに備える、
請求項1に記載の車両ホイール用のホイールディスク。
【請求項3】
前記第1の部分と前記第2の部分との間の第1の角度と、
前記第1の部分と前記第3の部分との間の第2の角度とをさらに備える、
請求項1または2に記載の車両ホイール用のホイールディスク。
【請求項4】
前記複数のスポークのうちの隣り合うスポーク同士の間にまたがるブリッジ接合部(160)をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両ホイール用のホイールディスク。
【請求項5】
前記ホイール取付け部の少なくとも1つのハブポケットであって、前記少なくとも1つのハブポケット(166)が、前記ホイールディスクの内面から前記ホイール取付け部の中へと前記軸方向に延在し、前記複数のラグボルト受け穴のうちの2つのラグボルト受け穴の間の空間に配置される、少なくとも1つのハブポケットと、
前記少なくとも1つのハブポケットの底面壁部と、
前記ホイール取付け部の内側リングとをさらに備え、前記内側リング、前記底面壁部、および前記2つのラグボルト受け穴が、前記少なくとも1つのハブポケットを画定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の車両ホイール用のホイールディスク。
【請求項6】
前記少なくとも1つのハブポケット(166)が側壁(180)を有し、前記ハブポケットの側壁が、前記軸方向に延在し、前記ホイール取付け部の半径方向外方の区域であり、さらに、前記少なくとも1つのハブポケットを画定
前記ハブポケット(166)が、
前記側壁(180)のハブポケット開口(178)および/または接線になるように前記複数のラグボルト受け穴を連結する外側リングであって、前記外側リングが、さらに、前記少なくとも1つのハブポケットを画定する、外側リングを備える
請求項に記載の車両ホイール用のホイールディスク。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスポークの、半径方向に延在するスポークポケット(194)であって、前記スポークポケットが、第1端、第2端およびスポークポケット深さを有する、半径方向に延在するスポークポケット(194)を備え
前記第1の端部は、前記ホイール取付け部に隣り合
前記第2の端部は、前記リム接合部に隣り合、前記スポークポケット深さは、前記第1の端部と前記第2の端部との間で減少
前記スポークポケットは、前記スポークポケット深さが一定である第1領域と、前記スポークポケット深さが減少する第2領域とを備え、および/または前記スポークポケットは、スポークポケット長さを有し、前記スポークポケット長さは前記スポークポケット深さより大きい、
請求項1から6のいずれか一項に記載の車両ホイール用のホイールディスク。
【請求項8】
前記ホイールディスクの外面から前記ホイール取付け部の中へと、前記複数のラグボルト受け穴のうちの少なくとも1つの前記ラグボルト受け穴へ向けて延在する、少なくとも1つのナットポケットと、
ットポケット側壁であって、前記ナットポケット側壁は、前記軸方向に延在する、少なくとも1つのナットポケット側壁とをさらに備える、
請求項1から7のいずれか一項に記載のホイールディスク。
【請求項9】
前記ホイール取付け部と前記少なくとも1つのスポークとの間の少なくとも1つのスポーク開始部(224)であって、前記スポーク開始部が、前記少なくとも1つのスポークのスポーク高さよりも大きい、前記軸方向のスポーク開始高さを有する、少なくとも1つのスポーク開始部をさらに備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載の車両ホイール用のホイールディスク。
【請求項10】
前記ホイールディスクの外面と、
前記ホイールディスクの内面であって、前記内面が、前記外面に対向する、内面と、
前記ホイール取付け部のパイロット開口(116)とをさらに備え、
前記複数のラグボルト受け穴が、前記パイロット開口の周りで周方向に間隔を空けて配置される、
請求項1から9のいずれか一項に記載の車両ホイール用のホイールディスク。
【請求項11】
ホイールリム(104)と、
前記ホイールリムに固定されるホイールディスク(100)であって、前記ホイールディスクが請求項1から10のいずれか一項に記載されるように構成され、
前記複数のスポークのうちの少なくとも1つのスポーク(108、308、508、708)と前記ホイールリムとの間のジェット機尾部形状またはT字形状のリム接合部(120)であって、
前記リム接合部の第1の部分が、軸方向におよび、ホイールリム(104)の外側縁部(130)または内側縁部(152)の方へ延在し、
前記リム接合部の第2の部分および第3の部分が、周方向に延在し、前記軸方向が、前記ホイール軸に平行であり、前記周方向が、前記ホイール軸に対して垂直な平面に存在する、リム接合部とを備え
前記少なくとも一つのスポークは、
径方向に延在するスポークポケット(194)であって、前記スポークポケットが、スポークポケット深さを有する、半径方向に延在するスポークポケットと、
1の端部と第2の端部であって、前記第1の端部は、前記ホイール取付け部に隣り合う、前記第1の端部と第2の端部と
記第2の端部は、前記リム接合部に隣り合、前記スポークポケット深さは、前記第1の端部と前記第2の端部との間で減少する、
車両ホイール。
【請求項12】
前記ホイールディスクの外面であって、前記スポークポケットが、前記外面から前記少なくとも1つのスポークの中へと延在する、外面をさらに備える、
請求項11に記載の車両ホイール。
【請求項13】
前記ホイールリムの外側縁部と前記ホイールリムから最も遠い前記ホイールディスクの区域との間のリムオフセット距離を有する、請求項11または12に記載の車両ホイール。
【請求項14】
前記車両ホイールは一体部品の鋳造アルミニウム車両ホイールであり、前記ホイールディスクは鋳造工程により前記ホイールリムに固定される、請求項11、12または13に記載の車両ホイール。
【請求項15】
前記車両ホイールは、分離して形成されたホイールリムに適切な手段で前記ホイールディスクが固定された状態の組み立てられた車両であり、前記組み立てられた車両のホイールの前記ホイールディスクと前記ホイールリムは、同じかまたは同じでない材料でできている、請求項11、12または13に記載の車両ホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して車両ホイールディスクおよび車両ホイールに関し、詳細には、改良型のホイールディスク、このようなホイールディスクを含む車両ホイール、ならびにこのようなホイールディスクおよび車両ホイールの生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]自動車両用のホイールは、ホイールの重量を軽くするために、軽量の金属から生産される場合がある。たとえば車両ホイールは、アルミニウム、またはアルミニウム合金から生産されることがある。このようなホイールの重量は、ホイールから質量、たとえば材料を取り除くことにより、さらに軽くされ得る。しかし、ホイールから質量を取り除くことにより、ホイールのスチフネスおよび剛性も低くなる。ホイールのスチフネスおよび剛性が低くされると、ホイールの性能が損なわれる恐れがある。したがって、スチフネスおよび剛性を低くすることなしに、ホイールから質量を取り除くことが望ましいはずである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本明細書に例示および/または説明されるように、本発明は、改良型のホイールディスク、このようなホイールディスクを含む車両ホイール、ならびにこのようなホイールディスクおよび車両ホイールの生産方法に関する。
【0004】
[0004]一実施形態によれば、ホイールディスク、およびこのようなホイールディスクを含む車両ホイールは、個々に、かつ/または組み合わせて、以下の特徴、要素または利点のうちの1つまたは複数を備えることができる:(1)関連付けられたスポークに追加的なスチフネスを提供し、車両ホイールの関連付けられたスポークとホイールリムとの間の連結を向上させる、「ジェット機尾部」形状のリム接合部、(2)車両ホイールに追加的な剛性を提供する、スポークの隣り合う対同士の間のブリッジ接合部であって、ブリッジ接合部は、均一な厚みを有してもよく、一様でない厚みを有してもよく、かつ/またはホイールに単一のより大きい開口を提供するために無くされてもよく、ブリッジ接合部によって連結される独立したスポークにより、性能を低下させることなく車両ホイールの重量が減じられ、ブリッジ接合部の内側面は、鋳造上の問題を避けるために大きい厚みを有し、後に機械加工で取り去られ得る、ブリッジ接合部、(3)ホイールマウント表面の内側面から延在するハブポケットであって、ハブポケットは、深く、かつ開口しており、ハブポケットにより、性能を低下させることなく車両ホイールの重量が減じられる、ハブポケット、(4)ハブポケットの側壁のハブポケット開口、(5)ハブポケット開口を画定する、ホイール取付け部の外側リング(または外側リングは無くされてもよい)、(6)スポークのスポークポケットであって、スポークポケットは、高い/高められた、くぼんだ一様でない部分を有し、重量を減らし、スポークに追加的なスチフネスを提供する、スポークポケット、(7)深く、スポークに追加的なスチフネスを提供するナットポケット、(8)大きくされた高さを有してスポークに追加的なスチフネスを提供するスポーク開始部分、(9)車両ホイールに追加的なスチフネスを提供するリムオフセット距離、(10)ホイールリムと共にホイールディスクを鋳造して、重量がより軽い、一体部品の鋳造アルミニウム車両ホイールを生産するか、または別法として(任意の適した材料から形成される)別々に形成されるホイールディスクを生産し、次いで(ホイールディスクの材料と同じでもよく異なっていてもよい任意の適した材料から形成される)別々に形成されるホイールリムにホイールディスクを固定して、組み立てた車両ホイールの重量を減じる、柔軟性、(11)高いホイールオフセットを保持でき、適切なブレーキクリアランスも提供できること、および(12)ホイールディスクの任意の部分におけるホイールディスク鋳造上のいかなる制約も、鋳造中に内側/外側(すなわち裏側/表側)の厚みを追加することによって保証/補償され得、追加された材料は、後に機械加工で取り去られて、ホイールディスク、したがってこのようなホイールディスクを含む車両ホイールの所望の最終重量を提供できること。
【0005】
[0005]別の実施形態によれば、ホイールディスク、およびこのようなホイールディスクを含む車両ホイールは、個々に、かつ/または組み合わせて、以下の特徴、要素、または利点のうちの1つまたは複数を備えることができる:ホイール軸を有するホイール取付け部と、ホイール取付け部から半径方向に延在する複数のスポークと、複数のスポークのうちの少なくとも1つのスポークのリム接合部とを備えるホイールディスク。リム接合部は、少なくとも1つのスポークの、ホイール取付け部に対向する端部に存在する。リム接合部の第1の部分は、軸方向に延在する。リム接合部の第2の部分および第3の部分は、周方向に延在する。軸方向は、ホイール軸に平行であり、周方向は、ホイール軸に対して垂直な平面に存在する。
【0006】
[0006]別の実施形態によれば、ホイールディスク、およびこのようなホイールディスクを含む車両ホイールは、個々に、かつ/または組み合わせて、以下の特徴、要素、または利点のうちの1つまたは複数を備えることができる:車両ホイールは、ホイールリムとホイールディスクとを備える。ホイールリムおよびホイールディスクは、それぞれ適した材料から形成される。ホイールディスクは、ホイールリムに固定されるように構成される。ホイールディスクは、ホイール軸を有するホイール取付け部と、ホイール取付け部から半径方向に延在する複数のスポークと、複数のスポークのうちの少なくとも1つのスポークのリム接合部とを有する。リム接合部は、複数のスポークのうちの少なくとも1つのスポークとホイールリムとの間に存在する。リム接合部の第1の部分は、軸方向に延在する。リム接合部の第2の部分および第3の部分は、周方向に延在する。軸方向は、ホイール軸に平行であり、周方向は、ホイール軸に対して垂直な平面に存在する。少なくとも1つのスポークは、半径方向に延在するスポークポケットを有する。スポークポケットは、スポークポケット深さを有する。スポークポケットの第1の端部はホイール取付け部に隣り合い、スポークポケットの第2の端部はリム接合部に隣り合う。スポークポケット深さは、第1の端部と第2の端部との間で減少する。
【0007】
[0007]別の実施形態によれば、ホイールディスク、およびこのようなホイールディスクを含む車両ホイールは、個々に、かつ/または組み合わせて、以下の特徴、要素、または利点のうちの1つまたは複数を備えることができる:車両ホイールは、ホイールリムとホイールディスクとを備える。ホイールリムおよびホイールディスクは、それぞれ適した材料から形成される。ホイールディスクは、ホイールリムに固定されるように構成される。ホイールディスクは、ホイール軸を有するホイール取付け部と、ホイール取付け部から半径方向に延在する複数のスポークと、ホイール取付け部の、周方向に間隔を空けて配置される複数のラグボルト受け穴と、ホイール取付け部の少なくとも1つのハブポケットとを有する。少なくとも1つのハブポケットは、ホイールディスクの内面からホイール取付け部の中へと軸方向に延在し、複数のラグボルト受け穴のうちの2つのラグボルト受け穴の間の空間に配置され、底面壁部を有する。ホイール取付け部の内側リング、底面壁部、および2つのラグボルト受け穴は、少なくとも1つのハブポケットを画定する。少なくとも1つのハブポケットの側壁が、2つのラグボルト受け穴の間に存在する。側壁は、軸方向に延在し、ホイール取付け部の半径方向外方の区域であり、さらに、少なくとも1つのハブポケットを画定する。ハブポケット開口が、側壁に存在する。
【0008】
[0008]ホイールディスクおよびホイールディスクを含む車両ホイールの一実施形態の、1つまたは複数の潜在的な利点および/または認識されている利点には、剛性およびスチフネスの低下なしに、質量が減じられることが含まれる。本発明の他の利点は、添付図面に照らして読まれたとき、本発明および好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、当業者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]本発明による車両ホイールおよびホイールディスクの第1の実施形態の斜視図である。
図2】[0010]図1の車両ホイールの追加的な斜視図である。
図2A】[0011]リム接合部を示す図2の第1の拡大部を示す図である。
図2B】[0012]スポークポケットを示す図2の第2の拡大部を示す図である。
図2C】[0013]ナットポケットを示す図2の第3の拡大部を示す図である。
図3】[0014]図1の車両ホイールの反対側を示す斜視図である。
図3A】[0015]ハブポケットを示す図3の拡大部を示す図である。
図4】[0016]図1の線4-4に沿って取られた断面図である。
図5】[0017]図1の車両ホイールの立面図である。
図6】[0018]図1の車両ホイールの追加的な立面図である。
図7】[0019]ブリッジ部が無くされた、図1の車両ホイールの立面図である。
図8】[0020]本発明による車両ホイールおよびホイールディスクの第2の実施形態の部分斜視図である。
図8A】[0021]リム接合部およびスポークポケットを示す図8の拡大部を示す図である。
図9】[0022]図8の車両ホイールの立面図である。
図10】[0023]本発明による車両ホイールおよびホイールディスクの第3の実施形態の立面図である。
図10A】[0024]リム接合部を示す図10の拡大部を示す図である。
図11】[0025]図10の車両ホイールの追加的な立面図である。
図12】[0026]図10の車両ホイールの斜視図である。
図13】[0027]本発明による車両ホイールおよびホイールディスクの第4の実施形態の斜視図である。
図13A】[0028]リム接合部を示す図13の拡大部を示す図である。
図14】[0029]図13の車両ホイールの追加的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0030]ここで図面を参照すると、図1図7には、全体を100で示す、車両ホイールの第1の実施形態が示されている。車両ホイール100は、全体を102で示す「内側の」ホイールディスクまたは正面部と、全体を104で示す「フル」ホイールリムとを備える。本発明は本明細書に開示される特定の車両ホイール構造と併せて例示および説明されるが、本発明は、他のタイプの車両ホイール構造と共に使用されてもよいことが理解されよう。
【0011】
[0031]図示されているように、ホイールディスク102とホイールリム104とは、たとえば単一の鋳造物として、一体に、または一体式構造で生産される。別法として、ホイールディスク102とホイールリム104とは、たとえば別々の鋳造物および/または非鋳造物として別々に生産され、次いで適した手段で互いに接合されて、「組み立てた」車両ホイール100を生み出してもよい。車両ホイール100は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成される、単一の鋳造物で生産されることが好ましい。別法として、車両ホイール100は、任意の適した材料から形成されてもよい。非限定的な例として、車両ホイール100(すなわちホイールディスク102およびホイールリム104の一方または両方)は、一体に(すなわち単一のユニットとして)形成されてもよく、別々の構成要素として形成され、適した手段で互いに固定されてもよく、またアルミニウム、マグネシウム、チタン、もしくはこれらの合金、鋼、炭素繊維および/または複合材料を含むがこれらに限定はされない、同様の材料および/または異なる材料から形成されてもよい。
【0012】
[0032]図示されているホイールディスク102は、ホイール軸X(図4に示される)を画定する。ホイールディスク102は、概ね中心に位置付けられるホイール取付け部またはハブ部106と、ホイール取付け部106から外方へ延在する複数のスポーク108とを含む。ホイール取付け部106は、ホイール取付け部高さ110を有する。ホイールディスク102は、対向する外面112と内面114とを有する。
【0013】
[0033]図示されている実施形態では、ホイールディスク102は、こうした5本のスポーク108を含み、これらはホイール取付け部106およびホイールリム104と一体に形成されるように示されている。別法として、スポーク108の数は、そう所望される場合、示されている以外の数であってもよい。たとえば、車両ホイール100は、5本未満のスポーク108を含んでもよく、5本を超えるスポーク108を含んでもよい。別法として、スポーク108は、個々に形成され、適した手段でホイールリム104およびホイール取付け部106に固定されてもよく、ホイールリム104は、スポーク108と互いに一体に形成されるがホイール取付け部106とは別々にされ、適した方法でホイール取付け部106に接合されてもよい。
【0014】
[0034]図示されている実施形態では、ホイール取付け部106には、中心に位置付けられるパイロット開口またはハブ穴116が提供される。パイロット開口116は、ホイール軸Xに沿って延在する。複数のラグボルト受け穴118が、(ホイール取付け部106の)パイロット開口116の周りに周方向に間隔を空けて配置される。図示されている実施形態では、ホイール取付け部106は5つのラグボルト受け穴118を含み、これらは、各スポーク108のうちのそれぞれ1つと半径方向に「一直線に」、ホイール取付け部106に提供されることが好ましい。別法として、ラグボルト受け穴118の数および/または場所は、そう所望される場合、示されている以外のものであってもよい。ラグボルト受け穴118は、ラグボルト(図示せず)を受けて、ナット(図示せず)を用いて関連付けられる車両の車軸(図示せず)に車両ホイール100を固定する。
【0015】
[0035]全体を120で示され、図2Aに最もよく示されている「ジェット機尾部」または「隆起したT字形状」のリム接合部が、ホイールリム104にスポーク108を連結、固定、または接合する。したがって、リム接合部120は、ホイール取付け部106に対向する、スポーク108の端部に存在する。非限定的な例として、「ジェット機尾部」または「隆起したT字形状」のリム接合部120は、関連付けられるスポーク108に追加的なスチフネスを与え、スポーク108とホイールリム104との間の連結部を提供する。リム接合部120は、第1の部分または第1の尾部122と、第2の部分または第2の尾部124と、第3の部分または第3の尾部126とを有する。
【0016】
[0036]第1の部分122は軸方向128に延在し、軸方向128はホイール軸Xに平行である。図示されているように、第1の部分122は、軸方向128に、スポーク108からホイールリム104の外側縁部130に向かって延在する。外側縁部130は、車両ホイール100が固定される車両から外側寄りの、ホイールリム104の縁部である。別法として、リム接合部120は、示されている構成から「逆」にされてもよく、たとえば、第1の部分122は、外側縁部130ではなく、内側縁部152に向かって延在してもよい。内側縁部152は、車両ホイール100が固定される車両に対して内側寄りの、ホイールリム104の縁部である。さらに、内側縁部152は、ホイールリム104上で外側縁部130に対向する。図示されているように、第1の部分122は、スポーク108のスポーク中心線132について対称であり、スポーク中心線132は、ホイール取付け部106からホイールリム104へと半径方向に延在する。別法として、第1の部分122は、スポーク中心線132について対称以外でもよい。
【0017】
[0037]第1の部分122は、ホイール取付け部106に最も近い端部では第1の厚み134を有し、ホイールリム104では第2の厚み136を有する。第1の厚み134および第2の厚み136は、スポーク中心線132に対して横方向に測定される。図示されているように、第2の厚み136は、第1の厚み134より小さい。別法として、第2の厚み136が第1の厚み134より大きくてもよく、第1の厚み134と第2の厚み136とが等しくてもよい。好ましくは、19×4.5の一体部品の鋳造アルミニウムホイールにおいては、第1の厚み134は10ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなり、第2の厚み136は5ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1の厚み134は10ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなり、第2の厚み136は5ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各第1の部分122は、同じ第1の厚み134および同じ第2の厚み136を有してもよい。別法として、第1の部分122のうちの1つまたは複数は、異なる第1の厚み134または異なる第2の厚み136を有してもよい。また、本明細書で用いるあらゆる範囲は、上記のサイズおよびタイプの車両ホイールのためのものであり、したがって他のサイズおよび/またはタイプの車両ホイールにおいては、「範囲」は記述されている以外のものであってもよいことは明らかである。
【0018】
[0038]第1の部分122は、第1の厚み134と第2の厚み136との間に湾曲表面138も有する。湾曲表面138は、概ね軸方向128に延在し、第1の半径140を有する。第1の半径140は、一定でもよく、一様でなくてもよい。好ましくは、第1の半径140は、8ミリメートル~100ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1の半径140は、8ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各第1の部分122は、同じ第1の半径140を有してもよい。別法として、第1の部分122のうちの1つまたは複数は、異なる第1の半径140を有してもよい。別法として、第1の部分122は、第1の厚み134と第2の厚み136との間に平坦な表面を有してもよく、その他の形状にされた表面を有してもよい。
【0019】
[0039]第1の部分122は、ホイールリム104において軸方向128に接合部高さ142を有する。接合部高さ142は、第2の厚み136より大きいことが好ましい。好ましくは、接合部高さ142は、10ミリメートル~100ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、接合部高さ142は、10ミリメートル~40ミリメートルの範囲からなる。各第1の部分122は、同じ接合部高さ142を有してもよい。別法として、第1の部分122のうちの1つまたは複数は、異なる接合部高さ142を有してもよい。
【0020】
[0040]第2の部分124と第3の部分126とは、スポーク中心線132を挟んで対向する。図示されているように、第2の部分124と第3の部分126とは、スポーク中心線132を挟んで互いに対称であることが好ましい。したがって、第2の部分124または第3の部分126の一方に関する議論は、第2の部分124または第3の部分126の他方にも当てはまる。別法として、第2の部分124および第3の部分126は、スポーク中心線132を挟んで互いに対称以外でもよい。
【0021】
[0041]図示されているように、第2の部分124および第3の部分126は、スポーク108からホイールリム104へと周方向144に延在し、周方向144は、ホイール軸Xの周りの円の円周または外辺部を辿る。円は、ホイール軸Xに対して好ましくは垂直な平面に存在し、円の中心にホイール軸Xを有する。好ましくは、第2の部分124および第3の部分126は湾曲しており、またスポーク108からホイールリム104へと軸方向128に延在し、すなわち第2の部分124および第3の部分126は、好ましくは周方向144と軸方向128の両方に延在する。別法として、第2の部分124および第3の部分126は、周方向144にのみスポーク108からホイールリム104へと延在してもよい。
【0022】
[0042]第2の部分124および第3の部分126は、第3の厚み146を有する。図示されているように、第3の厚み146は、第1の厚み134と第2の厚み136のいずれよりも小さいことが好ましい。別法として、第3の厚み146は、第1の厚み134または第2の厚み136に等しくてもよく、第1の厚み134または第2の厚み136の一方または両方より大きくてもよく、第1の厚み134および第2の厚み136の一方より大きく、他方より小さくてもよい。好ましくは、第3の厚み146は、5ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第3の厚み146は、5ミリメートル~15ミリメートルの範囲からなる。各第2の部分124および各第3の部分126は、同じ第3の厚み146を有してもよい。別法として、第2の部分124または第3の部分126のうちの1つまたは複数は、異なる第3の厚み146を有してもよい。
【0023】
[0043]第2の部分124および第3の部分126は、スポーク108とホイールリム104との間に湾曲縁部148を有することが好ましい。湾曲縁部148は、第2の半径150を有する。第2の半径150は、一定でもよく、一様でなくてもよい。好ましくは、第2の半径150は、10ミリメートル~100ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第2の半径150は、10ミリメートル~60ミリメートルの範囲からなる。各第2の部分124および各第3の部分126は、同じ第2の半径150を有してもよい。別法として、第2の部分124または第3の部分126のうちの1つまたは複数は、異なる第2の半径150を有してもよい。別法として、第2の部分124および第3の部分126は、スポーク108とホイールリム104との間に平坦な面を有してもよく、その他の形状にされた表面を有してもよい。
【0024】
[0044]さらに、第2の部分124および第3の部分126は、スポーク108からホイールリム104の内側縁部152に向かって延在する。第2の部分124および第3の部分126は、第3の半径154で内側縁部152に向かって湾曲する。好ましくは、第3の半径154は、10ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第3の半径154は、10ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各第2の部分124および各第3の部分126は、同じ第3の半径154を有してもよい。別法として、第2の部分124または第3の部分126のうちの1つまたは複数は、異なる第3の半径154を有してもよい。別法として、第2の部分124および第3の部分126は、平坦な表面、またはその他の形状にされた表面を用いて、内側縁部152に向かって延在してもよい。
【0025】
[0045]第2の部分124および第3の部分126は、ホイールリム104において周方向144に延在する接合部長さ156を有する。接合部長さ156は、第3の厚み146より大きいことが好ましい。図示されているように、接合部長さ156は、接合部高さ142よりも大きいことが好ましい。別法として、接合部長さ156は、接合部高さ142以下でもよい。好ましくは、接合部長さ156は、5ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、接合部長さ156は、5ミリメートル~35ミリメートルの範囲からなる。各第2の部分124および各第3の部分126は、同じ接合部長さ156を有してもよい。別法として、第2の部分124または第3の部分126のうちの1つまたは複数は、異なる接合部長さ156を有してもよい。
【0026】
[0046]図示されているように、ホイールリム104での第1の部分122と第2の部分124および第3の部分126との間の角度158は、実質的に90度(接合部高さ142と接合部長さ156との間であるように示されている)であることが好ましい。別法として、角度158は、90度以外でもよい。たとえば、角度158は90度を超えてもよい。非限定的な一例として、角度158は、第1の部分122、第2の部分124、および第3の部分126がスポーク108の周りで周方向に等しく間隔を空けて配置されるように、120度であってもよい。
【0027】
[0047]図示されているように、第1の部分122は単一の部材である。別法として、第1の部分122は、2つの第1の部分122が外側縁部130に向かって延在し第2の部分124および第3の部分126が内側縁部152に向かって延在した状態でリム接合部120が概ね「X」の形状を有するように、2つの部材であってもよい。2つの第1の部分122ならびに第2の部分124および第3の部分126は、90度で均等に間隔を空けられることになることが好ましい。別法として、2つの第1の部分122ならびに第2の部分124および第3の部分126は、90度以外で間隔を空けられてもよい。
【0028】
[0048]ブリッジ接合部160は、複数のスポーク108のうち、隣り合うスポーク間にまたがるかまたはそれらを連結する。非限定的な一例として、ブリッジ接合部160は、スポーク108のうちの隣り合う対同士の間に、また車両ホイール100に、追加的な剛性を提供する。ブリッジ接合部160は、ホイールディスク102に第1の開口162および第2の開口164を画定する。
【0029】
[0049]ブリッジ接合部160の厚みは、軸方向128に一定でもよく、一様でなくてもよい。一定の厚みをもつブリッジ接合部160もあれば、一様でない厚みをもつブリッジ接合部160もあってもよい。ブリッジ接合部160の厚みは、ブリッジ接合部160間で異なっていてもよく、ブリッジ接合部160のうちの単一のブリッジ接合部160において異なっていてもよい。非限定的な一例として、ブリッジ接合部160は、一定の厚みで生産され、次いで厚みを変化させるために材料または構造体を機械加工で取り去ってもよい。
【0030】
[0050]別法として、図7に示されているように、ブリッジ接合部160は、ホイールディスク102から無くされてもよい。ブリッジ接合部160が無くされるとき、より大きい第2の開口164が1つだけ、スポーク108の隣り合う対同士の間でホイールディスク102に提供される。
【0031】
[0051]166で示され、図3Aに最もよく示されている複数のハブポケットが、内面114からホイール取付け部106の中へと延在する。ハブポケット166は、「深い」とともに、開口していることが好ましい。非限定的な一例として、ハブポケット166は、車両ホイール100の重量を減らす。
【0032】
[0052]ハブポケット166は、ラグボルト受け穴118の間の空間に配置される。図示されているように、5つのハブポケット166が存在する。別法として、ホイールディスク102は、5つ未満、または5つを超えるハブポケット166を有してもよい。非限定的な例として、ハブポケット166は、ラグボルト受け穴118のすべての対同士の間に存在しなくてもよく、または2つ以上のハブポケット166がラグボルト受け穴118の対同士の間に存在してもよい。図示されているように、ハブポケット166は、ホイール取付け部106のラグボルト受け穴118、ならびに同軸の内側リング168および外側リング170により、ホイール取付け部106に画定される。
【0033】
[0053]ハブポケット166は、(図4に示される)ハブポケット深さ172を有する。ハブポケット深さ172は、ホイール取付け部高さ110より小さいことが好ましい。したがって、ハブポケット166は、半径方向に延在する底面壁部174を有することが好ましい。底面壁部174は、ハブポケット166が軸方向128において貫通開口にならないように、ハブポケット166を画定する。ハブポケット深さ172は、底面壁部174までである。
【0034】
[0054]図示されているように、ハブポケット深さ172は、内側リング168の内側リング高さ176だけ、ホイール取付け部高さ110より小さいことが好ましい。別法として、ハブポケット深さ172は、内側リング高さ176以外だけ、ホイール取付け部高さ110より小さくてもよい。好ましくは、ハブポケット深さ172は、10ミリメートル~60ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、ハブポケット深さ172は、10ミリメートル~45ミリメートルの範囲からなる。各ハブポケット166は、同じハブポケット深さ172を有してもよい。別法として、ハブポケット166のうちの1つまたは複数は、異なるハブポケット深さ172を有してもよい。別法として、ハブポケット166は、ホイールディスク102から無くされてもよい。
【0035】
[0055]図3Aに最もよく示されているように、ハブポケット166は、その側壁180にハブポケット開口178を有することが好ましい。側壁180は、軸方向128に延在し、ホイール取付け部106の半径方向外方の区域である。外側リング170は、内面114において、側壁180にそろうかまたはその他の方法で側壁180に「蓋」をする。ハブポケット開口178は、ハブポケット開口幅182とハブポケット開口高さ184とを有する。各ハブポケット開口178は、同じハブポケット開口幅182および同じハブポケット高さ184を有してもよい。別法として、ハブポケット開口178のうちの1つまたは複数は、異なるハブポケット幅182または異なるハブポケット高さ184を有してもよい。別法として、ハブポケット開口178は、そう所望される場合、ホイールディスク102から無くされてもよい。
【0036】
[0056]内側リング168は、所定の厚み186を有する。好ましくは、内側リング厚み186は、5ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。外側リング170は、厚み188を有する。好ましくは、外側リング厚み188は、5ミリメートル~10ミリメートルの範囲からなる。図示されているように、内側リング厚み186は、外側リング厚み188より大きい。別法として、内側リング厚み186は、外側リング厚み188以下でもよい。内側リング168および外側リング170は、ハブポケット166の底面壁部174に対して概ね垂直である。
【0037】
[0057]図3において190で示されるように、外側リング170は、好ましくはラグボルト受け穴118の接線になっており、ラグボルト受け穴118の間にまたがる。好ましくは、図3Aに示されるように、内側リング168の半径方向内側面から外側リング170の半径方向外側面までの距離192は、10ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、内側リング168の半径方向内側面から外側リング170の半径方向外側面までの距離192は、10ミリメートル~35ミリメートルの範囲からなる。外側リング170は、ホイールディスク102から無くされてもよい。非限定的な一例として、車両ホイール100の重量は、外側リング170を無くすことによって減じられる。外側リング170が無くされるとき、スポーク108はブリッジ接合部160によって連結され、ハブポケット166は、ラグボルト受け穴118および外側リング170によってホイール取付け部106に画定される。
【0038】
[0058]好ましくは、全体を194で示され、図2Bに最もよく示されているスポークポケットまたはスポーク凹部が、外面112からスポーク108の中へと延在する。別法として、スポークポケット194は、内面114からスポーク108の中へと延在してもよい。非限定的な例として、スポークポケット194は車両ホイール100の重量を減じ、スポーク108に追加的なスチフネスを提供する。また、各スポーク108に単一のスポークポケット194のみが提供されるように示されているが、そう所望される場合、スポーク108のうちの1つまたは複数には、2つ以上のスポークポケット194が提供されてもよい。
【0039】
[0059]図示されているように、スポークポケット194は、外面112において、概して楕円形状にされることが好ましい。別法として、スポークポケット194は、楕円以外の形状にされてもよい。たとえば、スポークポケット194は、たとえば円形、長方形、またはその他の多角形形状などの、任意の所望の形状でもよい。たとえば、スポークポケット194は、一連の直線、曲線、または直線と曲線の組合せによって外面112に画定されてもよい。スポークポケット194は、スポーク108のスポーク中心線132について対称であることが好ましい。別法として、スポークポケット194は、スポーク中心線132について対称以外でもよく、かつ/またはホイールディスク102から無くされてもよい。
【0040】
[0060]スポークポケット194は、好ましくはスポーク中心線132に概ね平行なポケット長さ196と、ポケット長さ196に対して横方向のポケット幅198と、軸方向128に、スポーク108の中へと延在するポケット深さ200とを有する。図示されているように、ポケット長さ196は、ポケット幅198より大きいことが好ましい。別法として、ポケット長さ196は、ポケット幅198以下でもよい。図示されているように、ポケット幅198は、ポケット深さ200より大きい。別法として、ポケット幅198は、ポケット深さ200以下でもよい。
【0041】
[0061]好ましくは、ポケット長さ196は、50ミリメートル~150ミリメートルの範囲からなり、ポケット幅198は、20ミリメートル~60ミリメートルの範囲からなり、ポケット深さ200は、5ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、ポケット長さ196は、50ミリメートル~120ミリメートルの範囲からなり、ポケット幅198は、20ミリメートル~45ミリメートルの範囲からなり、ポケット深さ200は、5ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各スポークポケット194は、同じポケット長さ196、同じポケット幅198、および同じポケット深さ200を有してもよい。別法として、スポークポケット194のうちの1つまたは複数は、異なるポケット長さ196、異なるポケット幅198、および/または異なるポケット深さ200を有してもよい。
【0042】
[0062]スポークポケット194は、第1の側壁202および第2の側壁204によって画定される。図示されているように、第1の側壁202と第2の側壁204とは、スポーク中心線132を挟んで互いに対称であることが好ましい。別法として、第1の側壁202と第2の側壁204とは、スポーク中心線132を挟んで互いに対称以外でもよい。図示されているように、第1の側壁202および第2の側壁204は、それらが外面112からスポーク108の中へと延在するにつれて、互いに向かって内側に傾斜することが好ましい。これにより、ポケット幅198は外面112において最大になり、次いで底表面206での最小値まで減少する。別法として、ポケット幅198は外面112から底表面206に向かって増加してもよく、一定のままでもよい。
【0043】
[0063]第1の側壁202および第2の側壁204は、側壁厚み208を有する。好ましくは、側壁厚み208は、5ミリメートル~20ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、側壁厚み208は、5ミリメートル~15ミリメートルの範囲からなる。各スポークポケット194は、同じ側壁厚み208を有してもよい。別法として、スポークポケット194のうちの1つまたは複数は、異なる側壁厚み208を有してもよい。好ましくは、第1の側壁202および第2の側壁204において、側壁厚み208は一定である。別法として、第1の側壁202および第2の側壁204の一方または両方において、側壁厚み208は一様でなくてもよい。別法として、第1の側壁202は側壁厚み208を有し、第2の側壁204は異なる側壁厚みを有してもよい。
【0044】
[0064]ポケット深さ200は、ホイール取付け部106に隣り合うかまたは近い第1の端部210からホイールリム104に隣り合うかまたは近い第2の端部212へと、スポークポケット194が延在するにつれて減少することが好ましい。ポケット深さ200は、第2の端部212でゼロかまたは実質的にゼロになるまで減少することが好ましい。図示されているように、ポケット深さ200は、全体を216で示す第2の領域において減少するまで、全体を214で示す第1の領域においては、実質的に一定であることが好ましい。別法として、ポケット深さ200は、第1の端部210と第2の端部212との間で、一定の比率または一様でない比率で減少してもよい。別法として、ポケット深さ200は、第1の端部210と第2の端部212との間で連続的に増加してもよく、増減するように変化してもよい。
【0045】
[0065]ポケット深さ200が減少する間、ポケット底表面206は平坦なままであることが好ましい。別法として、ポケット底表面206のうちの1つまたは複数は、平坦以外であってもよい。
【0046】
[0066]図示されているように、スポークポケット194の楕円形状は、第1の端部210では連続的でないことが好ましい。代わりに、第1の端部210は、好ましくは(図2Bにおいて破線で示される)折れ目213、または楕円形状におけるその他の非連続的な点を有する。別法として、スポークポケット194の楕円形状は、第1の端部210において連続的であってもよい。
【0047】
[0067]さらに、スポークポケット194は、第1の端部210と第2の端部212との間に、(スポーク中心線132に対して横方向の)一様でない部分を有してもよい。
[0068]図示されているように、スポークポケット194は、外面112からスポーク108の中へと延在することが好ましい。別法として、すべてのスポークポケット194を含む1つまたは複数のスポークポケット194は、内面114からスポーク108の中へと延在してもよい。
【0048】
[0069]全体を218で示され、図2Cに最もよく示されているナットポケットが、ナットポケット側壁220が形成されるように、ラグボルト受け穴118において外面112からホイール取付け部106の中へと延在することが好ましい。ナットポケット側壁220は、ホイール軸Xに実質的に平行であることが好ましい。ナットポケット218は、深さ222を有する。ナットポケット218は、「深い」ナットポケットであることが好ましい。非限定的な一例として、ナットポケット218は、スポーク108に追加的なスチフネスを提供する。好ましくは、ナットポケット深さ222は、10ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、ナットポケット深さ222は、10ミリメートル~35ミリメートルの範囲からなる。各ナットポケット218は、同じナットポケット深さ222を有してもよい。別法として、ナットポケット218のうちの1つまたは複数は、異なるナットポケット深さ222を有してもよい。別法として、ナットポケット218は、ホイールディスク102から無くされてもよい。
【0049】
[0070]全体を224で示され、図4に最もよく示されているスポーク開始部が、ホイール取付け部106と各スポーク108との間に位置付けられることが好ましい。別法として、スポーク開始部224は、各スポーク108よりも少ない数だけ配置されてもよい。スポーク開始部224は、スポーク108とホイール取付け部106との間にスポーク開始高さ226を有する。好ましくは、また図示されているように、スポーク開始高さ226は、スポーク高さ228より大きい。非限定的な一例として、スポーク開始部224は、スポーク108に追加的なスチフネスを提供する。好ましくは、スポーク開始高さ226は10ミリメートル~70ミリメートルの範囲からなり、スポーク高さ228は10ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、スポーク開始高さ226は10ミリメートル~55ミリメートルの範囲からなり、スポーク高さ228は10ミリメートル~35ミリメートルの範囲からなる。各スポーク開始部224は、同じスポーク開始高さ226を有してもよい。別法として、スポーク開始部224のうちの1つまたは複数は、異なるスポーク開始高さ226を有してもよい。別法として、スポーク開始高さ226は、スポーク高さ226以下でもよく、スポーク開始部224は、ホイールディスク102から無くされてもよい。
【0050】
[0071]図5に最もよく示されているように、ホイールディスク102、すなわちホイールディスク102の外面112は、ホイールリム104の外側縁部130からリムオフセット距離230だけ外方へ突出または延在する。リムオフセット距離230は、ホイールディスク102の外面112の、ホイールリム104から最も遠い区域または突出部であり、すなわち、ホイールディスク102の外面112の一部はホイールリム104からリムオフセット距離230未満であってもよいが、好ましくは、外面112にはリムオフセット距離230よりホイールリム104から遠い部分は存在しない。非限定的な一例として、リムオフセット距離230は、車両ホイール100に追加的なスチフネスを提供する。好ましくは、リムオフセット距離230は、10ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、リムオフセット距離230は、10ミリメートル~20ミリメートルの範囲からなる。別法として、ホイールディスク102の外面112は、ホイールリム104から外方へ延在しなくてもよい。すなわち、リムオフセット距離230はゼロでもよく、ゼロ未満でもよく、ホイールディスク102から無くされてもよい。
【0051】
[0072]好ましくは、ホイールディスク102、したがってホイールディスク102を有する車両ホイール100は、高いホイールオフセットを有し、関連付けられた車両ブレーキ、たとえばディスクブレーキ組立体、ドラムブレーキ組立体、またはドラムインハットブレーキ組立体にクリアランスを提供する。
【0052】
[0073]好ましくは、リム接合部120、ブリッジ接合部160、ハブポケット166、ハブポケット開口178、外側リング170、スポークポケット194、ナットポケット218、スポーク開始部224、リムオフセット距離230、高いホイールオフセット、ブレーキクリアランス、および/またはホイールディスク102の他の特徴のうちの1つまたは複数は、好ましくはホイールディスク102(またはこのようなホイールディスク102を有する車両ホイール100)の鋳造中に形成される。鋳造上のいかなる制約も、鋳造中に材料厚みを追加することにより、すなわち、ホイールディスク102の外面112および/または内面114に材料を追加することにより、補償され得る。追加された材料厚みは、後に機械加工で取り去られて、リム接合部120、ブリッジ接合部160、ハブポケット166、ハブポケット開口178、外側リング170、スポークポケット194、ナットポケット218、スポーク開始部224、リムオフセット距離230、高いホイールオフセット、ブレーキクリアランス、および/またはホイールディスク102の他の特徴のうちの1つまたは複数を形成することができる。
【0053】
[0074]好ましくは、車両ホイール100は少なくともリム接合部120を含むが、ブリッジ接合部160、ハブポケット166、ハブポケット開口178、外側リング170、スポークポケット194、ナットポケット218、スポーク開始部224、リムオフセット距離230、車両ホイール100およびホイールディスク102の一体式鋳造もしくは別々の鋳造、高いホイールオフセット、ブレーキクリアランス、ならびに/または車両ホイール100に関して論じられた他の特徴のうちの1つもしくは複数は、無くされてもよい。別法として、リム接合部120は無くされ、車両ホイール100は、ブリッジ接合部160、ハブポケット166、ハブポケット開口178、外側リング170、スポークポケット194、ナットポケット218、スポーク開始部224、リムオフセット距離230、車両ホイール100およびホイールディスク102の一体式鋳造もしくは別々の鋳造、高いホイールオフセット、ブレーキクリアランス、ならびに/または車両ホイール100に関して論じられた他の特徴の組合せを備えてもよい。
【0054】
[0075]ここで図8および図9を参照すると、全体を300で示される、本発明による車両ホイールの第2の実施形態が図示されている。車両ホイール300は図1図7の車両ホイール100の一変形形態であるので、200だけ増やされた同様の参照符号は、図面中の対応する部分を示し、その詳細な説明は割愛される。
【0055】
[0076]車両ホイール300は、スポーク308とホイールリム304との間にリム接合部320を有する。リム接合部320は、全体を322で示される第1の部分と、全体を324で示される第2の部分と、全体を326で示される第3の部分とを有して、ホイールリム304に各スポーク308を連結する。
【0056】
[0077]図示されているように、第1の部分322は、実質的に平行な第1のフォーク432と第2のフォーク434とに二股分岐する。別法として、第1の部分322は、単一のフォークでもよい。別法として、第1のフォーク432および第2のフォーク434は、スポーク308とホイールリム304との間で収束および/または発散する、すなわち平行以外であってもよい。
【0057】
[0078]第1のフォーク432と第2のフォーク434とは、第1のフォーク432と第2のフォーク434との間に画定される第1の部分の開口438が存在するように、距離436だけ隔てられる。好ましくは、距離436は10ミリメートル~70ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、距離436は、10ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。図示されているように、第1の部分の開口438は、周方向344において、中心線332を中心とする。別法として、第1の部分の開口438は、周方向344において、中心線332以外を中心としてもよい。別法として、第1の部分の開口438は無くされてもよい。
【0058】
[0079]周方向344において、第1のフォーク432は第1の厚み440を有し、第2のフォーク434は第2の厚み442を有する。第1の厚み440と第2の厚み442とは等しいことが好ましい。別法として、第1の厚み440は、第2の厚み442より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第1の厚み440は、10ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1の厚み440は、10ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。各第1のフォーク432は同じ第1の厚み440を有してもよく、各第2のフォーク434は同じ第2の厚み442を有してもよい。別法として、第1のフォーク432または第2のフォーク434のうちの1つまたは複数は、異なる第1の厚み440または異なる第2の厚み442を有してもよい。
【0059】
[0080]図示されているように、第1の厚み440および第2の厚み442は、スポーク308とホイールリム304との間で実質的に一定である。別法として、第1の厚み440および第2の厚み442のうちの一方または両方は、スポーク308とホイールリム304との間で変化してもよい。たとえば、第1の厚み440および/または第2の厚み442は、スポーク308とホイールリム304との間で増加または減少してもよい。
【0060】
[0081]どちらも軸方向328において、第1のフォーク432は第1の高さ444をさらに有し、第2のフォーク434は第2の高さ446をさらに有する。第1の高さ444と第2の高さ446とは等しいことが好ましい。別法として、第1の高さ444は第2の高さ446より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第1の高さ444は、10ミリメートル~50ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1の高さ444は、10ミリメートル~35ミリメートルの範囲からなる。各第1のフォーク432は同じ第1の高さ444を有してもよく、各第2のフォーク434は同じ第2の高さ446を有してもよい。別法として、第1のフォーク432または第2のフォーク434のうちの1つまたは複数は、異なる第1の高さ444または異なる第2の高さ446を有してもよい。
【0061】
[0082]図示されているように、第1の高さ444および第2の高さ446は、スポーク308とホイールリム304との間で実質的に一定である。別法として、第1の高さ444および第2の高さ446の一方または両方は、スポーク308とホイールリム304との間で変化してもよい。たとえば、第1の高さ444および/または第2の高さ446は、スポーク308とホイールリム304との間で増加または減少してもよい。
【0062】
[0083]第1の高さ444は第1の厚み440よりも実質的に大きく、第2の高さ446は第2の厚み442よりも実質的に大きいことが好ましい。その結果、第1の部分322は、周方向344よりも軸方向318に長く延在する。別法として、第1の高さ444は、第1の厚みよりも実質的に大きくなくても第1の厚み440以下でもよく、第2の高さ446は、第2の厚み442よりも実質的に大きくなくても第2の厚み442以下でもよい。非限定的な例として、第1のフォーク432および第2のフォーク434は、スポーク308とホイールリム304との間で、軸方向318の追加的なスチフネスを提供する。
【0063】
[0084]第2の部分324および第3の部分326も、第3のフォーク448と第4のフォーク450とにそれぞれ二股分岐する(第3のフォーク448および第4のフォーク450は、スポーク中心線332を挟んで対称である)。別法として、第2の部分324および第3の部分326は、二股分岐以外であってもよい。別法として、第2の部分324および第3の部分326のうちの一方は二股分岐しないが、第2の部分324および第3の部分326のうちの他方は二股分岐してもよい。第3のフォーク448と第4のフォーク450とは、それらがスポーク308からホイールリム304へと延在するにつれて、互いから発散することが好ましい。別法として、第3のフォーク448および第4のフォーク450は、平行でもよく、スポーク308からホイールリム304へと収束してもよい。
【0064】
[0085]さらに、第2の部分324および第3の部分326は、スポーク中心線332から、かつ互いに発散する。第2の部分324および第3の部分326は、スポーク中心線332から、そのスポーク中心線332から最も離れた点までの、発散距離452をそれぞれ有する(たとえば、図8Aを見たとき、第3の部分326の最も離れた点は、第4のフォーク450の最も右側の点である)。好ましくは、発散距離452は、第1の高さ444および第2の高さ446よりも実質的に大きい。非限定的な一例として、発散距離452は、スポーク308とホイールリム304との間で周方向344に追加的なスチフネスを提供する。好ましくは、発散距離452は、100ミリメートル~180ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、発散距離452は、100ミリメートル~160ミリメートルの範囲からなる。
【0065】
[0086]第3のフォーク448と第4のフォーク450との発散構成は、第3のフォーク448と第4のフォーク450との間に凹部または開口454を画定する。全体を456で示されるホイールリム304のリムプロファイルは、凹部454が外面312と内面314との間に延在する貫通開口にならないように、凹部454を閉じるかまたは閉鎖する。別法として、リムプロファイル456は、凹部454が外面312から内面314への貫通開口になるようなものであってもよい。
【0066】
[0087]どちらも周方向344において、第3のフォーク448は第3の厚み458を有し、第4のフォーク450は第4の厚み460を有する。第3の厚み458と第4の厚み460とは、等しいことが好ましい。別法として、第3の厚み458は、第4の厚み460より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第3の厚み458は5ミリメートル~20ミリメートルの範囲からなり、第4の厚み460は5ミリメートル~20ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第3の厚み458は5ミリメートル~15ミリメートルの範囲からなり、第4の厚み460は5ミリメートル~15ミリメートルの範囲からなる。別法として、第3のフォーク448または第4のフォーク450のうちの1つまたは複数は、異なる第3の厚み458または異なる第4の厚み460を有してもよい。
【0067】
[0088]図示されているように、第3の厚み458および第4の厚み460は、スポーク308とホイールリム304との間で実質的に一定である。別法として、第3の厚み458および第4の厚み460のうちの一方または両方は、スポーク308とホイールリム304との間で一定以外であってもよい。たとえば、第3の厚み458および/または第4の厚み460は、スポーク308とホイールリム304との間で増加または減少してもよい。
【0068】
[0089]どちらも軸方向328において、第3のフォーク448は第3の高さ462をさらに有し、第4のフォーク450は第4の高さ464をさらに有する。第3の高さ462と第4の高さ464とは、第3のフォーク448および第4のフォーク450に沿った対応する位置では、等しいことが好ましい。別法として、第3の高さ462は、第3のフォーク448および第4のフォーク450に沿った対応する位置において第4の高さ464より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第3の高さ462は、10ミリメートル~60ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第3の高さ462は、10ミリメートル~45ミリメートルの範囲からなる。各第3のフォーク448は同じ第3の高さ462を有してもよく、各第4のフォーク450は同じ第4の高さ464を有してもよい。別法として、第3のフォーク448または第4のフォーク450のうちの1つまたは複数は、異なる第3の高さ462または異なる第4の高さ464を有してもよい。
【0069】
[0090]図示されているように、第3の高さ462および第4の高さ464は、スポーク308からホイールリム304に向けて増加する。別法として、第3の高さ462および第4の高さ464のうちの一方または両方は、スポーク308とホイールリム304との間で一定でもよく、減少していてもよい。
【0070】
[0091]第3の高さ462は第3の厚み458よりも実質的に大きく、第4の高さ464は第4の厚み460よりも実質的に大きいことが好ましい。その結果、第2の部分324および第3の部分326は、軸方向328よりも周方向344に実質的に長く延在する。第2の部分324および第3の部分326は、スパン距離466にわたって周方向326に延在する。別法として、第3の高さ462は、第3の厚み458よりも実質的に大きくなくても第3の厚み458以下でもよく、第4の高さ464は、第4の厚み460よりも実質的に大きくなくても第4の厚み460以下でもよい。非限定的な例として、第3のフォーク448および第4のフォーク450は、スポーク308とホイールリム304との間で、周方向344の追加的なスチフネスを提供する。
【0071】
[0092]発散距離452は、第3の高さ462および第4の高さ462よりも実質的に大きい。別法として、発散距離452は、第3の高さ462および第4の高さ464より実質的に大きくなくてもよい。
【0072】
[0093]好ましくは、また図示されているように、第1の高さ444と、第2の高さ446と、第3の高さ462と、第4の高さ464とは等しい。別法として、第1の高さ444、第2の高さ446、第3の高さ462、または第4の高さ464のうちの1つまたは複数は、他のものとは異なっていてもよい。
【0073】
[0094]各スポーク308は、外面312から内面314へとホイールディスク302を通るスポークポケット開口468を備えるスポークポケット394を有する。さらに、スポークポケット394は、外面312において概ね三角形の形状を有する。スポークポケット394のポケット幅398は、ホイール取付け部306からホイールリム304に向けて増加する。
【0074】
[0095]ここで図10図12を参照すると、全体を500で示される、車両ホイールの第3の実施形態が図示されている。車両ホイール500は図8および図9の車両ホイール300の一変形形態であるので、200だけ増やされた同様の参照符号は、図面中の対応する部分を示し、その詳細な説明は割愛される。
【0075】
[0096]図示されているように、第1のフォーク632および第2のフォーク634は、スポーク508とホイールリム504との間で平行以外になっている。図示されているように、スポーク508からホイールリム504に向けて、第1のフォーク632と第2のフォーク634とは、初めは収束し、その後、それに続いて発散する。さらに、第1のフォーク632および第2のフォーク634の第1の幅670は、スポーク508からホイールリム504に向けて、初めは減少し、次にそれに続いて増加し、第1の幅670は、周方向526である。好ましくは、第1の幅670は、5ミリメートル~20ミリメートルの間で変化する範囲からなる。より好ましくは、第1の幅670は、5ミリメートル~15ミリメートルの間で変化する範囲からなる。別法として、第1の幅670は、スポーク508からホイールリム504に向けて、初めは減少し、次にそれに続いて増加する以外であってもよい。非限定的な例として、第1の幅670は、スポーク508からホイールリム504まで一定でもよい。
【0076】
[0097]第2の部分524および第3の部分526は、二股分岐しない。第2の部分524および第3の部分526の第2の幅672はスポーク508からホイールリム504に向けて増加し、第2の幅672は周方向526である。好ましくは、第2の幅672は、5ミリメートル~30ミリメートルの間で変化する範囲からなる。より好ましくは、第2の幅672は、5ミリメートル~15ミリメートルの間で変化する範囲からなる。別法として、第2の幅672は、スポーク508からホイールリム504に向けて増加する以外であってもよい。非限定的な例として、第2の幅672は一定でもよく、スポーク508からホイールリム504に向けて減少してもよく、その他の方法で変化してもよい。
【0077】
[0098]ここで図13および図14を参照すると、全体を700で示される、車両ホイールの第4の実施形態が図示されている。車両ホイール700は図1図7の車両ホイール100の一変形形態であるので、600だけ増やされた同様の参照符号は、図面中の対応する部分を示し、その詳細な説明は割愛される。
【0078】
[0099]車両ホイール700は、スポーク708とホイールリム704との間にリム接合部720を有する。リム接合部720は、全体を722で示す第1の部分と、第2の部分724と、第3の部分726とを有して、ホイールリム704に各スポーク708を連結する。
【0079】
[00100]図示されているように、第1の部分722は、第1のフォーク874および第2のフォーク876に二股分岐する。別法として、第1の部分722は二股分岐しなくてもよい。第1のフォーク874と第2のフォーク876とは、実質的に平行である。別法として、第1のフォーク874および第2のフォーク876は、スポーク708とホイールリム704との間で収束および/または発散してもよい。
【0080】
[00101]第1のフォーク874と第2のフォーク876とは、第1のフォーク874と第2のフォーク876との間に第1の部分の凹部880が存在するように、距離878だけ隔てられる。好ましくは、距離878は、5ミリメートル~40ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、距離878は、5ミリメートル~30ミリメートルの範囲からなる。図示されているように、第1の部分の凹部880は、周方向744において、スポーク中心線732を中心とする。別法として、第1の部分の凹部880は、周方向744において、中心線732以外を中心としてもよい。別法として、第1の部分の凹部880は無くされてもよい。
【0081】
[00102]どちらも周方向744において、第1のフォーク874は第1の厚み882を有し、第2のフォーク876は第2の厚み884を有する。第1の厚み882と第2の厚み884とは等しいことが好ましい。別法として、第1の厚み882は、第2の厚み884より大きくてもよく、小さくてもよい。好ましくは、第1の厚み882は、5ミリメートル~20ミリメートルの範囲からなる。より好ましくは、第1の厚み882は、5ミリメートル~15ミリメートルの範囲からなる。各第1のフォーク874は同じ第1の厚み882を有してもよく、各第2のフォーク876は同じ第2の厚み884を有してもよい。別法として、第1のフォーク874または第2のフォーク876のうちの1つまたは複数は、異なる第1の厚み882または異なる第2の厚み884を有してもよい。
【0082】
[00103]図示されているように、第1の厚み882および第2の厚み884は、スポーク708とホイールリム704との間で実質的に一定である。別法として、第1の厚み882および第2の厚み884の一方または両方は、スポーク708とホイールリム704との間で変化してもよい。
【0083】
[00104]第1の部分722は、周方向744よりも軸方向728に実質的に長く延在する。非限定的な例として、第1のフォーク874および第2のフォーク876は、スポーク708とホイールリム704との間で軸方向718に追加的なスチフネスを提供する。
【0084】
[00105]第2の部分724は、隣接するスポーク708の第3の部分726に接合され、逆も同様である。第2の部分724と第3の部分726とは、(図13Aにおいて破線で示される)中間点886で互いに接合する。したがって、第2の部分724および第3の部分726は、隣接するスポーク708同士の間で連続的な部材を形成する。
【0085】
[00106]スポーク708は、スポークポケット794を有する。図示されているように、スポークポケット794は、外面712と内面714との間でスポーク708を貫通する開口である。別法として、スポークポケット794は、スポーク708を貫通しない単なる凹部であってもよい。
【0086】
[00107]本発明の原理および動作モードが、その種々の実施形態において説明されてきた。しかし、本発明は、その範囲から逸脱しない限り、具体的に例示および説明されたものとは異なる方法で実施されてもよいことに留意されたい。
図1
図2
図2A
図2B
図2C
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図9
図10
図10A
図11
図12
図13
図13A
図14