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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】全方向性トレッドミル
(51)【国際特許分類】
   A63B 22/02 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
A63B22/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019524029
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-06
(86)【国際出願番号】 AT2017060344
(87)【国際公開番号】W WO2018119485
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】A586/2016
(32)【優先日】2016-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】519153280
【氏名又は名称】ルデルストルファー,エルマー
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルデルストルファー,エルマー
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02345864(GB,A)
【文献】特開平1-295988(JP,A)
【文献】特表2008-528908(JP,A)
【文献】特表2000-516829(JP,A)
【文献】特表2010-501299(JP,A)
【文献】米国特許第07780573(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 22/02
G09B 9/00
B66B 23/10
B66B 21/10
F16H 55/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの空間方向において移動可能な表面を持つデバイスであって、第1の空間方向に移動可能な複数のベルトユニット(1)が少なくとも1つの駆動手段(9)によって駆動されることが可能であり、前記ベルトユニット(1)のそれぞれが支持フレーム(4)を備え、前記ベルトユニット(1)の各支持フレーム(4)は、固定距離において軸線(6)を形成する1つまたは複数の回転接続を介して、隣接するベルトユニット(1)の支持フレーム(4)に枢動接続されており、前記ベルトユニット(1)が、第2の空間方向における移動のために駆動部に連結されているロール(3)および継目なしベルト(2)を備える、デバイスであって、ロール(3)の回転運動が、歯形を有するクラウン歯車(15)により、隣接する前記ベルトユニット(1)のロール(3)に結合され、前記歯形によって、駆動側のロール(3)の可変の回転運動が被動側のロール(3)に継続的に伝達されることが、係合プロフィルの領域内のありかつ前記ロール(3)の回転軸線の交点の外側に位置する軸線(6)について前記ロール(3)の前記回転軸線間の角度(27)が変化するときに、可能となることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記クラウン歯車(15)が、クラウン歯車ホイールの回転軸線(18)に平行な回転軸線と、円のセグメントの形態をした前記回転軸線に直角な断面とを有する回転体の一部分の形態の歯形(16)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記クラウン歯車(15)に、切頭円錐の形態の歯形(16)が与えられ、前記切頭円錐が、場合により2つの部分的な切頭円錐で構成され、また、前記切頭円錐の円錐軸線が、クラウン歯車ホイールの回転軸線(18)に平行に整列されることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記部分的な円錐または部分的な切頭円錐が、前記円錐軸線に対して8.5°から13°の間、好ましくは8.5°から10.5°の間のテーパ角度(25)を有する直線母線によって形成されることを特徴とする、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記クラウン歯車(15)に、2つの直線母線によって形成された回転体または回転体の一部分の形態の歯形(16)が与えられ、前記直線母線のうちの第1の母線が、前記円錐軸線に対して5°から13°の間、好ましくは8.5°から10.5°の間のテーパ角度(25)を有し、第2の母線が、前記円錐軸線に対して8°から15°の間のテーパ角度(29)を有し、第1の円錐から第2の円錐への接続が、好ましくは、前記回転体の中央部分を形成するために丸み線母線(round line generatrix)を用いてなされ、それにより、前記丸み線の前記テーパ角度が、前記丸み線の経路において前記第1の円錐及び前記第2の円錐の前記テーパ角度間の値を有することを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記クラウン歯車(15)に、回転体の形態の歯形(16)が与えられ、前記回転体が、場合により2つの部分的な回転体で構成され、また、前記2つの部分的な回転体の回転軸線が、前記クラウン歯車ホイールの前記回転軸線(18)に平行に整列されることを特徴とする、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ベルトユニット(1)に回転可能に接続されたローラ(7)が、前記第1の空間方向においてレール(8)上を走行し、ローラ(7)の回転軸線が、ベルトユニット(1)の隣接する前記ベルトユニット(1)との枢動接続の前記軸線(6)に一致することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ロール(3)が、前記ロー(3)に接続された歯車(12)によって駆動されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
少なくとも1つのクラウン歯車(15)が、歯車(12)に接続され、前記歯車(12)が、0°の角度(27)の位置において、前記第1の空間方向に平行に配置された少なくとも1つの歯付き軸(13)に係合することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記クラウン歯車(15)が、0°の角度(27)の位置において、部分的にまたは完全に前記歯車(12)内に配置されることを特徴とする、請求項8または9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の空間方向における駆動が、カム(10)が取り付けられる前記駆動手段(9)によるものであり、前記カム(10)が、前記第1の空間方向において前記ベルトユニット()に係合して前記ベルトユニット(1)を前記第1の空間方向において駆動することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記駆動手段(9)が、前記カム(10)が取り付けられる、駆動される少なくとも1つの歯付きベルトまたは駆動される少なくとも1つの好ましくは細かく連結されたチェーンで構成され、前記は付きベルトまたは前記チェーンに前記カム(10)が取り付けられることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの空間方向において移動可能な表面を有するデバイスを対象とし、具体的には、全方向性トレッドミルを対象とする。
【背景技術】
【0002】
従来のトレッドミルは、人がその上で1つの空間方向において移動することができる表面を有する。トレッドミルは、ジョギングのためにフィットネスやホームエリアで使用されている。トレッドミルは、場所を変えることなしに、前方または後方に任意の長さの距離をカバーすることを可能にする。
【0003】
仮想現実(VR)アプリケーションの場合、ユーザは、仮想的にアプリケーション内でまたはゲーム内で移動する。ユーザは、ゲーム環境をシミュレーションするためにVRグラスを着用することが多く、このVRグラスを用いることで、ゲーム環境およびゲームの経過が、ユーザに視覚的かつ聴覚的に示される。これらのVRアプリケーションでは、プレーヤーが場所を変えることなしに、すなわちプレーヤーの空間位置を著しく変えることなしに例えば歩行または走行により任意の水平の空間方向に(全方向に)仮想的に移動できることが、必要である。
【0004】
本発明は、VRアプリケーションに限定されるものではなく、また、水平の空間方向のみに限定されるものではないことが、留意されるべきである。しかし、好ましい応用分野を考慮すると、VRアプリケーションでのユーザの空間位置を著しく変えることなしに移動、特に歩行または走行を可能にすることが、引き続き例示の焦点に置かれる。
【0005】
空間位置の著しい変更を伴わずに任意の水平の空間方向における仮想の歩行または走行を可能にするために、いくつかの知られた設計がすでに存在する。
【0006】
トレッドミルを含む設計は、以下に挙げられる文献から知られている。
【0007】
特許文献1は、全方向性トレッドミルのための複数の解決策を提案している。解決策のほとんどは、小さな部品を多く必要とし、かつ、ランナー踏面(runner tread surface)に不十分な特性を与える。その説明(0081)~(0085)では、互いに連結された循環するベルトユニットが説明されており、このベルトユニットは、良好な走行面を形成し、また、このベルトユニットにより、第1の空間方向における走行面の移動が行われる。第2の空間方向における移動のために、走行面のゾーン内のベルトユニット上の継目なしベルトが、特別な摩擦ローラによって個別に移動される。継目なしベルトの移動は摩擦によってのみ間接的に結合されるので、高い負荷では、隣り合った継目なしベルトの移動に差違がある。トレッドゾーンの外側に配置された継目なしベルトは、駆動されず、かつ、トレッドゾーンの入口においてのみ結合される。結合過程中に、負荷衝撃(load shock)および追加の摩耗が生じる。
【0008】
特許文献2は、横方向に案内される大型の主ベルトによって移動される複数のベルトユニットを提案している。個別のベルトユニットは、並んで配置されて、表面を形成する。ベルトユニット上のベルトの移動のために、2つの歯車を備えるロールを用いて各ベルトを駆動することが提案されている。歯車は、歯付き軸によって駆動される。欠点は、ベルトユニットの歯車が、カーブ段階中に歯付き軸と接触せず、ベルトユニットが歯付き軸と再び接触するときに歯付き軸と突然係合されることである。推移段階中、遅延、騒音、ひいては摩耗の増大の原因となる衝撃が発生する。加えて、個々のベルトユニットは、摺動
面を含む安定した支持フレームを有さず、このことは、ベルト単独では安定性の乏しい表面しか得られないので、負の効果を有する。
【0009】
特許文献3もまた、主ベルト上の個別のベルトユニットを提案している。個別のベルトユニットは、油圧モータおよび支持構造体を備える。ベルトユニットの全ての油圧モータは、油圧で直列に接続されており、したがって、同じ搬送速度を有する。欠点は、油圧モータを含む複雑で高価な構成のほかに、多数の油圧要素の少々遅い応答挙動である。
【0010】
特許文献4は、チェーンホイールおよびチェーンにより第1の空間方向において移動され、かつ、オムニホイール(Omni-wheel)として設計された接触要素を介した摩擦により第2の空間方向において駆動される、個別のベルトユニットを提案している。ベルトユニットは、第1の空間方向における移動の伝達のために、小ピッチのチェーンに一点でのみヒンジ接続されている。チェーンへの第2の接続は、変位可能性を有し、したがって、カーブにおいてベルトユニットの非対称の位置をもたらす。個々のベルトユニット上のベルトの移動は、定速度継手、波形管、またはカルダン継手などの結合要素を介して結合される。結合の長さの変化を補正するために、摺動要素が設けられる。摺動要素を含まない波形管は、耐用寿命が短い。この発明の欠点は、ベルトユニットが、互いに直接に接続されるのではなくチェーンを介して間接的にのみ接続されており、したがって、結合要素が、必要な位置まで入念に運ばれなければならないことである。長さ補正のために、結合要素の両側に追加の摺動要素が必要とされ、ロールの回転軸線の交差点に結合要素を維持するための用意がなされていないので、摺動要素は詰まる傾向がある。
【0011】
特許文献5もまた、主ベルト上に固定されて移動される個別のベルトユニットを提案している。ベルトユニットは、全て、ベルトの下側上の傾斜したランにより次のベルトユニットへ案内される、非常に長い共通の継目なしベルトを有する。したがって、ベルトユニットの全ての搬送面は、同じ搬送速度を有する。継目なしベルトは、楕円体ローラを介した摩擦によって駆動される。この設計の欠点は、急速な速度変化の場合に慣性力に起因して局所的な伸びをもたらし、したがって継目なしベルトの歪みをもたらす、長い継目なしベルトである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】EP0948377B1
【文献】米国特許第6,123,647A号
【文献】DE102006040485A1
【文献】米国特許第7,780,573B1号
【文献】米国特許第8,790,222B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述の既知のデバイスの欠点を有さないデバイスを作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特性を有するデバイスによって達成される。
【0015】
本発明の優先的な実施形態および有利な実施形態が、さらなる請求項の主題である。
【0016】
本発明によれば、平面の任意の方向における走行を可能にする全方向性トレッドミルが
提供される。
【0017】
本発明の個々の実施形態は、図面によって大まかに示され、また、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の可能な一実施形態における循環ベルトユニットの側面図である。
図2】循環の様々な位置における本発明の一実施形態のベルトユニットのロールを側面図で示す図である。
図3】本発明の一実施形態におけるデバイスの主要な機能を含む斜視図である。
図4】本発明の一実施形態の側面図である。
図5】本発明のクラウン歯車の歯の設計図である。
図6】本発明のクラウン歯車の歯の別の設計図である。
図7】一体化された駆動歯車を含むクラウン歯車の一バージョンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、ロール3およびロール21上で第2の空間方向において循環する連続的な継目なし主ベルト2を含むベルトユニット1の可能な一実施形態を側面図で示す。ロール3およびロール21は、ベルトユニット1の支持フレーム4に回転可能に取り付けられている。ブラケット5が、支持フレーム4に取り付けられる。ブラケット5は、軸線6において、隣接するベルトユニット1の支持フレームに取り付けられた別のブラケット5に旋回取付け(swivel-mount)される。
【0020】
それにより、全てのベルトユニット1が連続的なチェーンを形成するように、隣接するベルトユニット1は、旋回され得るブラケット5を介して次のベルトユニット1に接続され、それが続く。
【0021】
隣り合ったベルトユニット1の接続部によって画定される同じ軸線6上には、空間的に固定されたレール8上を走行するローラ7が配置される。
【0022】
レール8は、ベルトユニット1の完全な循環が第1の空間方向において行われ得るように、両端に半円形のレールを備える(図2)。
【0023】
図2は、互いに接続された、循環の一部分におけるベルトユニット1のいくつかのロール3を示す。循環において、ベルトユニットは、固定されたレール8上でローラ7によって案内される。ロール3のその軸線の周りでの回転運動は、以下で説明されるクラウン歯車15により、隣接するベルトユニット1のロール3の回転運動と結合される。隣り合ったロール3の回転軸線間の角度27は、中心点6において広い範囲にわたって変更される。クラウン歯車15の1つのクラウンホイールが、それぞれ関連するロール3に固定されて、ロール3とともに固定回転ユニットを形成する。隣り合ったロール3の回転運動の結合は、長さ補正のための摺動要素などのさらなる要素を必要とせずに、軸線6の近傍での直接接触により、クラウン歯車を用いて行われ得る。
【0024】
隣り合ったロール3の回転軸線の角度変更27のための軸線6は、旋回接続部(swivel connection)によって形成される。軸線6は、レール8上を走行するローラ7の回転軸線と同じ位置を有する。
【0025】
図3は、本発明によるデバイスの主要な機能を簡易化した概観で示す。上部の歩行可能部分内に横たわっているベルトユニット1は、それらの継目なしベルト2によって水平面を形成するように、並んで配置されている。ベルトユニット1は、固定されたレール8(図2)に沿ってローラ7とともに転動し、それにより、第1の空間方向における移動が行
われる。ベルトユニット1の継目なしベルト2を移動させることにより、第2の空間方向における移動が行われる。主要な2つの移動方向の組合せ(図3では2重矢印によって象徴されている)において、平面での任意の移動方向が達成可能である。
【0026】
第1の空間方向における駆動は、駆動手段9を移動させる駆動輪11によって引き起こされ、駆動手段9は、それにより、第1の空間方向においてベルトユニット1を移動させる。
【0027】
示された実施形態での第2の空間方向における駆動は、ベルトユニット1のロール3にそれぞれが接続された歯車12によるものである。歯車12は、第1の主軸線に平行な歯付き軸13によって駆動され得る。歯付き軸13は、駆動輪14を介して駆動され得る。歯車12を回転させることにより、継目なしベルト2によって形成された平面が、第2の空間方向において移動される。
【0028】
図4は、第1の空間方向における循環においてローラ7によりレール8上に配置されている複数のベルトユニット1を、側面図で示す。直線状のレール8の端部において、ベルトユニット1は、曲線状のレールによって案内され、かつ、さらに連結されて、継目なしチェーンを形成する。ベルトユニット1の幅に起因するローラ7間の距離は、直線状のレール8の端部では半円形のレールの半径に関連して大きいことが、図から分かる。チェーンホイールを用いた駆動の場合、カーブでは強力な多角形効果が生じるはずである。これは、好ましい実施形態では、第1の空間方向に駆動するための継目なし駆動手段9を使用することによって回避される。駆動手段9は、好ましくは歯付きベルトとして設計された、可撓性ベルトから成る。駆動手段9は、それ自体の楕円形軌道を有し、かつ、カム10を備え、このカム10は、軌道の直線部分においてベルトユニット1と接触して、第1の空間方向におけるベルトユニット1の移動を生じさせる。
【0029】
図5は、本発明のクラウン歯車の歯の設計を詳細図で示す。
【0030】
以下の条件下で1つのベルトユニット1のロール3の回転運動を隣接するベルトユニット1のロール3に伝達するクラウン歯車15が、本発明に有利である:
(i)構造体の低い全高のために、伝達は、ロール3の回転軸線の広い角度範囲27にわたって、例えば0°から60°の間で行われるべきである。
(ii)駆動クラウンホイールの軸線18の周りでの回転運動は、あらゆる動作条件下で連続的にかつ顕著な時間遅延を伴わずに、軸線19の周りの駆動クラウンホイールに伝達されるべきである。これは、回転速度の変更および回転方向の変更に特に適用される。
(iii)ロール3の回転軸線の角度27の変更の軸線6は、最大の角度27におけるベルトユニット同士の衝突が回避されるように、回転軸線18および19の交点の外側で遠くに配置されるべきである。
【0031】
上記の伝達のための条件は、本発明によれば、クラウン歯車によって遂行され、このクラウン歯車のクラウン歯車ホイール(crown gear wheel)は、円錐の一部分のような形状の歯形を有し、駆動するクラウン歯車ホイールおよび駆動されるクラウン歯車ホイールは、好ましくは同じ歯形を有する。歯16、17は、完全な回転対称の切頭円錐(図5)で、または2つの部分的な円錐(図6)で構成され得る。部分的な円錐または切頭円錐は、クラウンホイールの回転軸線に平行な円錐軸線を有する。円錐面は、円錐軸線に直交する切り口が円形のまたは弓形の断面をもたらすように、円錐軸線の周りで母線を回転させることによって生成されることが好ましい。
【0032】
図5は、直線母線によって生成された完全な回転対称の切頭円錐の一実施形態を説明する。駆動輪の円錐16は、接触点20において被駆動輪の円錐に接触する。回転軸線18
および19を含む歯車は、軸線6を使用して、旋回角度27まで旋回される。円錐生成線(cone generating line)の回転軸線24は、駆動クラウンホイールの回転軸線18に平行である。
【0033】
直線母線は、回転軸線24に対してテーパ角度25で傾いている。テーパ角度は、8.5°から13°の間、好ましくは8.5°から10.5°の間である。好ましいテーパ角度範囲は、要件(i)および(ii)の特に有利な解決策を提供するが、アンダーカットを避けるために、低い歯高さを必要とする。アンダーカットは、切頭円錐の縁部に食付き部28を適用することにより、歯高さの減少を伴わずに回避され得る。食付き部28のための第2の円錐母線は、テーパ角度29を含む直線である。
【0034】
テーパ角度25を有する円錐からテーパ角度29を有する円錐への接続は、丸みによってなされることが好ましい。それによって得られる回転体は、2つの直線母線の第1のテーパ角度から第2のテーパ角度まで進行するテーパ角度を有する弧を母線として優先的に有する。
【0035】
可能な一実施形態では、直線母線のうちの少なくとも1つの長さは、ゼロまで減少されてもよく、それにより、弧の最終的な角度のみが固定され、食付き部28は単純な丸みとして現れる。
【0036】
図6は、クラウン歯車ホイールの歯16および17を形成するために2つの部分的な円錐がどのようにして一緒に組み立てられ得るかの一例を示す。クラウン歯車ホイールの歯16は、部分円錐22、および鏡面対称に配置された部分円錐23から成る。鏡面対称に配置された部分円錐23は、回転軸線18に沿った回転方向の変更後に駆動接触を引き継ぐ。部分円錐22に対して、円錐生成軸線24およびテーパ角度25が記される。円錐生成軸線24は、駆動クラウンホイールの回転軸線18に平行である。部分円錐の表面は、回転軸線24に対してテーパ角度25を有する直線の回転によって生成される。完全な切頭円錐のために図5で説明されたのと同じテーパ角度範囲が、図6の部分円錐にも適用される。
【0037】
図7は、クラウン歯車15の1つのクラウン歯車ホイールが駆動歯車12と組み合わせられている、クラウン歯車の好ましい一実施形態を示す。ベルトユニット1の継目なしベルト2がデバイスの直線状の歩行可能部分内に配置されると、それらは平面を形成する。継目なしベルト2によって形成される平面は、クラウン歯車ホイール、駆動および/または支持構造体を配置する設計要件に起因して、部分的に間隙を有する。有利な実施形態は、駆動歯車12内でのクラウン歯車の組合せである。循環の上部直線部分内に配置されるベルトユニット1は、それらのロール3の回転軸線を整列させる。好ましい実施形態として、クラウン歯車15は、この位置において駆動歯車12内に完全に収容される。したがって、ベルト2間の設計間隙は狭く、駆動歯車12の幅によってのみ決定される。
【0038】
本発明によるトレッドミルは、あらゆる方向に移動され得る平面をランナーに提供する。実際には、バンドユニット1の継目なしベルト2間には、第1の空間方向の移動のみを引き受ける狭い表面が残る。しかし、これらの狭い表面は、継目なしベルトの厚さによって低くなり、したがってユーザが継目なしベルトを踏むときに届かないので、実際の動作に干渉しない。
【0039】
要約すると、本発明は、全方向性トレッドミルを対象とし、この全方向性トレッドミルは、支持フレーム4と、第1の空間方向において回転して移動される継目なしベルト2とを含む、いくつかの接続されたベルトユニット1を有する。第2の空間方向において、ベルトユニット1の継目なしベルト2が移動される。継目なしベルト2は、好ましくは、ロ
ール3に取り付けられた歯車12により、また、歯付き軸13により、第2の空間方向において駆動される。全ての継目なしベルト2の移動は、ベルトユニット1間に配置された特別な歯形のクラウン歯車15との連結によって同調される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7