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▶ ベクトン ディキンソン アンド カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-17
(45)【発行日】2022-03-28
(54)【発明の名称】流体の閉じた移送のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
A61J1/20 314C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020012612
(22)【出願日】2020-01-29
(62)【分割の表示】P 2016563943の分割
【原出願日】2015-04-21
(65)【公開番号】P2020062539
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2020-02-26
(31)【優先権主張番号】61/982,072
(32)【優先日】2014-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514221366
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン アンド カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローリー サンダース
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ザチェック
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-066748(JP,A)
【文献】国際公開第2014/003614(WO,A1)
【文献】特公平06-038835(JP,B2)
【文献】国際公開第2012/002314(WO,A1)
【文献】米国特許第08287513(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジアダプタであって、
第1端および第2端を有し、前記第1端が、第1の容器に固定されるように構成される、ハウジングと、
第1端および第2端を有するカニューレであって、該カニューレの第2端が、前記ハウジング内に配置された、前記カニューレと、
第1端および第2端を有するコレットであって、該コレットの少なくとも一部は、前記ハウジング内に受容され、前記コレットは、通路を画定する本体と、前記通路に受容されるシール部材と、前記コレットの前記本体に接続される、弾性のロック部材であって、前記コレットの前記ロック部材は連続的およびリング状である、ロック部材とを備え、前記コレットは、前記ロック部材が、開かれて、相手コネクタを受容する第1の位置から、前記ロック部材の径方向外方への移動が規制される第2の位置に移動可能である、前記コレット、
を含むことを特徴とするシリンジアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載のシリンジアダプタであって、前記ロック部材は、複数のアームを介して前記本体に接続されることを特徴とするシリンジアダプタ。
【請求項3】
請求項2のシリンジアダプタであって、前記ロック部材は、前記ロック部材が、半径方向外方に拡がることを可能にするように構成された、複数の切欠きを備えることを特徴とするシリンジアダプタ。
【請求項4】
請求項2に記載のシリンジアダプタであって、前記ロック部材は、前記複数のアームに対して、半径方向内方および半径方向外方に突出することを特徴とするシリンジアダプタ。
【請求項5】
請求項1のシリンジアダプタであって、さらに、第1接続インターフェースを有する接続構造を含み、前記第1接続インターフェースは、前記コレットの第2接続インターフェースと係合するように構成されることを特徴とするシリンジアダプタ。
【請求項6】
請求項5のシリンジアダプタであって、前記コレットの第2接続インターフェースは、前記コレットが前記第2の位置にあるとき、前記接続構造の前記第1接続インターフェースに係合するように構成されることを特徴とするシリンジアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、流体の閉じた移送のためのシステムに関する。特に、本開示は、第1の容器から第2の容器への流体移送中に、漏れのないシールを提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療提供者の、癌治療のような有害な薬剤の再構成、移送、および、投与は、医療提供者をこれらの薬剤への曝露の危険にさらし、医療環境に大きな危険を提供し得る。例えば、癌患者を治療する看護師は、化学療法薬およびそれらの毒性作用にさらされることをあえて行う。意図しない化学療法曝露は、神経系に影響を与え、生殖系を損ない、将来的には血液癌を発症するリスクの増大をもたらし得る。毒性薬剤にさらされる医療提供者のリスクを低減するために、これらの薬剤の閉じた移送が重要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの薬物は、それらが投与される前に、溶解または希釈されねばならず、それは、針を用いて、一つの容器から、粉末または液体の形態の薬物を包含する密封されたバイアルに溶媒を移送することを伴う。薬物は、バイアルからの針の引き抜き中、および、針がバイアルの内部にある間、バイアルの内部と周囲の大気との間に圧力差が存在するなら、ガス状で、または、エアロゾル化を通して、大気中に不注意に放出され得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、シリンジアダプタは、第1端が第1の容器に固定されるように構成された、第1端と第2端を有するハウジング、第2端がハウジング内に配置された、第1端と第2端を有するカニューレ、および、コレットの少なくとも一部が、ハウジング内に受容された、第1端と第2端を有するコレットを含む。コレットは、通路を画定する本体、通路に受容されるシール部材、および、コレットの本体に接続された、弧状で、弾性のロック部材を含む。コレットは、ロック部材が、相手コネクタを受容するために開いている、第1の位置から、ロック部材の径方向外方への移動が規制される、第2の位置へ、移動可能である。
【0005】
ロック部材は、複数のアームを介して本体に接続され得る。ロック部材は、リング形状であり得、コレットの長手方向軸に垂直な方向に延びる開口部を画定し得る。ロック部材は、ロック部材が、半径方向外方に拡がるのを許可するように構成された、複数の切欠きを有する連続的なリングであり得る。ロック部材は、複数のアームに対して、半径方向内方および半径方向外方に突出し得る。ロック部材は、本体の延長部を介して、本体に接続され得、本体の延長部とロック部材は、ロック部材が、径方向外側に拡がることを許容するように構成されたスリットを画定する。システムは、第1接続インターフェースを有する接続構造を含み得、第1接続インターフェースは、相手コネクタの対応する接続インターフェースと係合するように構成される。コレットは、コレットが第2の位置にあるとき、接続構造の第1接続インターフェースに係合するように構成された、第2接続インターフェースを含み得る。
【0006】
さらなる態様において、流体の閉じた移送のためのシステムは、第1の容器に固定されるように構成された第1端、および、第2端を有するハウジング、第1端および第2端を有し、第2端がハウジング内に配置されるカニューレ、および、第1端および第2端を有し、コレットの少なくとも一部が、ハウジング内に受容されるコレットを有するシリンジアダプタを含む。コレットは、通路を画定する本体、シール部材、および、本体に接続されたロック部材を含み、コレットは、ロック部材が、相手コネクタを受容するために開いている、第1の位置から、ロック部材の半径方向外方への移動が規制される、第2の位置へ移動可能である。シリンジアダプタは、また、第1接続インターフェースを有する接続構造を含み、第1接続インターフェースは、相手コネクタの対応する接続インターフェースと係合するように構成される。システムは、さらに、メンブレンと、コレットのロック部材を受容し、係合するように構成された、コレットインターフェース表面を有する、第2の構成要素を含む。
【0007】
第2の構成要素は、コレットが、第2の位置にあるときに、第1接続インターフェースに係合するように構成された第2接続インターフェースを含み得る。コレットは、コレットが第2の位置にあるときに、接続構造の第1接続インターフェースに係合するように構成された第2接続インターフェースを含み得る。ロック部材は、弧状で、弾性であり得、ロック部材は、複数のアームを介して本体に接続される。ロック部材は、リング形状であり得、コレットの長手方向軸に垂直な方向に延びる開口部を画定する。ロック部材は、ロック部材が、半径方向外方に拡がることを許容するように構成された、複数の切欠きを有する連続的なリングであり得る。ロック部材は、複数のアームに対して、半径方向内方および半径方向外方に突出し得る。ロック部材は、リング形状、弾性であり得、ロック部材は、本体の延長部を介して本体に接続されており、本体の延長部とロック部材は、ロック部材が、半径方向外方に拡がることを許容するように構成されたスリットを画定する。第2の構成要素は、第1端および第2端を有する、患者コネクタであり得、患者コネクタは、通路を画定する本体、および、患者のIVラインに固定されるように構成された患者コネクタの第2端を有する。
【0008】
本開示の、上述の、および、その他の、特徴および利点、ならびに、それらを達成する方法は、添付の図面と併せて解される、以下の本開示の態様の説明を参照することによってより明らかになり、本開示自体は、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一態様による、システムの斜視図である。
図2】本発明の一態様による、図1のシステムのシリンジアダプタの分解斜視図である。
図3】本発明の一態様による、図2のシリンジアダプタの正面図である。
図4】本発明の一態様による、図2のシリンジアダプタの左側面図である。
図5】本発明の一態様による、図2のシリンジアダプタの背面図である。
図6】本発明の一態様による、図2のシリンジアダプタの上面図である。
図7】本発明の一態様による、図2のシリンジアダプタの底面図である。
図8】本発明の一態様による、図3の線8-8に沿ったシリンジアダプタの断面図である。
図9】本発明の一態様による、図2のシリンジアダプタのコレットの斜視図である。
図10】本発明の一態様による、図2のコレットの正面図である。
図11】本発明の一態様による、図10の線11-11に沿ったコレットの断面図である。
図12】本発明の一態様による、図1に示されるシステムの患者コネクタの斜視図である。
図13】本発明の一態様による、図12の患者コネクタの正面図である。
図14】本発明の一態様による、図12の患者コネクタの底面図である。
図15】本発明の一態様による、図12の患者コネクタの上面図である。
図16】本発明の一態様による、図15の線16-16に沿った患者コネクタの断面図である。
図17】本発明の一態様による、患者コネクタに、シリンジアダプタを固定する第1段階を示す、図1のシステムの背面図である。
図18】本発明の一態様による、図17の線18-18に沿ったシステムの断面図である。
図19】本発明の一態様による、患者コネクタに、シリンジアダプタを固定する第2段階を示す、図1のシステムの背面図である。
図20】本発明の一態様による、図19の線20-20に沿ったシステムの断面図である。
図21】本発明の一態様による、患者コネクタに、シリンジアダプタを固定する第3段階を示す、図1のシステムの背面図である。
図22】本発明の一態様による、図21の線22-22に沿ったシステムの断面図である。
図23】本発明の一態様による、患者コネクタに、シリンジアダプタを固定する第4段階を示す、図1のシステムの背面図である。
図24】本発明の一態様による、図23の線24-24に沿ったシステムの断面図である。
図25】本発明の一態様による、患者コネクタに、シリンジアダプタを固定する最終段階を示す、図1のシステムの背面図である。
図26】本発明の一態様による、図25の線26-26に沿ったシステムの断面図である。
図27】本発明の第2の態様による、システムの斜視図である。
図28】本発明の一態様による、図27のシステムの分解斜視図である。
図29】本発明の一態様による、図27のシステムの背面図である。
図30】本発明の一態様による、図29の線30-30に沿ったシステムの断面図である。
図31】本発明の第3の態様によるシステムの斜視図である。
図32】本発明の一態様による、図31のシステムの分解斜視図である。
図33】本発明の一態様による、図31のシステムの背面図である。
図34】本発明の一態様による、図33の線34-34に沿ったシステムの断面図である。
図35】本発明の第4の態様によるシステムの斜視図である。
図36】本発明の一態様による、図35のシステムの分解斜視図である。
図37】本発明の一態様による、図35のシステムの背面図である。
図38】本発明の一態様による、図37の線38-38に沿ったシステムの断面図である。
図39】本発明の第5の態様によるシステムの斜視図である。
図40】本発明の一態様による、図39のシステムの分解斜視図である。
図41】本発明の一態様による、図39のシステムの正面図である。
図42】本発明の一態様による、図41の線42-42に沿ったシステムの断面図である。
図43A】本発明のさらに別の態様による、シリンジアダプタの斜視図である。
図43B】本発明の一態様による、図43Aのシリンジアダプタの断面図である。
図44】本発明の一態様による、図43Aのシリンジアダプタとの接続に使用するための患者コネクタの断面図である。
図45A】本発明のさらなる態様による、コレットの斜視図である。
図45B】本発明のさらなる態様による、コレットの斜視図である。
図45C】本発明のさらなる態様による、コレットの斜視図である。
図45D】本発明のさらなる態様による、コレットの斜視図である。
図45E】本発明のさらなる態様による、コレットの斜視図である。
図45F】本発明のさらなる態様による、コレットの斜視図である。
図46】本発明の別の態様によるシステムの断面図である。
図47】本発明のさらに別の態様による、システムの断面図である。
図48A】患者コネクタから切り離されたシリンジアダプタを示す、本発明のさらなる態様による、システムの斜視図である。
図48B】本発明の一態様による、患者コネクタに接続されたシリンジアダプタを示す、図48Aのシステムの斜視図である。
図49A】本発明の一態様による、図48Aの線49A-49Aに沿った断面図である。
図49B】本発明の一態様による、図48Bの線49B-49Bに沿った断面図である。
図50A】患者コネクタから切り離されたシリンジアダプタを示す、本発明のさらなる態様による、システムの斜視図である。
図50B】本発明の一態様による、患者コネクタに接続されたシリンジアダプタを示す、図50Aのシステムの斜視図である。
図51A】本発明の一態様による、図50Aの線51A-51Aに沿った断面図である。
図51B】本発明の一態様による、図50Bの線51B-51Bに沿った断面図である。
図52】本発明の別の態様による、シリンジアダプタの断面図である。
図53】本発明のさらなる態様による、シリンジアダプタの断面図である。
図54】本発明のさらに別の態様による、シリンジアダプタの断面図である。
図55A】本発明の種々の態様による、第1メンブレンの断面図である。
図55B】本発明の種々の態様による、第1メンブレンの断面図である。
図55C】本発明の種々の態様による、第1メンブレンの断面図である。
図55D】本発明の種々の態様による、第1メンブレンの断面図である。
図55E】本発明の種々の態様による、第1メンブレンの断面図である。
図55F】本発明の種々の態様による、第1メンブレンの断面図である。
図55G】本発明の種々の態様による、第1メンブレンの断面図である。
図56A】本発明の種々の態様による、第2メンブレンの断面図である。
図56B】本発明の種々の態様による、第2メンブレンの断面図である。
図56C】本発明の種々の態様による、第2メンブレンの断面図である。
図56D】本発明の種々の態様による、第2メンブレンの断面図である。
図56E】本発明の種々の態様による、第2メンブレンの断面図である。
図56F】本発明の種々の態様による、第2メンブレンの断面図である。
図57】本発明の一態様による、バイアルおよびバイアルアダプタに接続されたシリンジアダプタを示す、図2のシリンジアダプタの斜視図である。
図58】本発明の一態様による、バイアル、および、バイアルアダプタと共に、シリンジアダプタを示す、図2のシリンジアダプタの分解斜視図である。
図59】本発明の一態様による、バイアル、および、バイアルアダプタに接続されたシリンジアダプタを示す、図2のシリンジアダプタの正面図である。
図60】本発明の一態様による、バイアル、おおび、バイアルアダプタに接続されたシリンジアダプタを示す、図59の線60-60に沿った断面図である。
図61】本発明の一態様による、IVバッグアダプタの斜視図である。
図62】本発明の一態様による、図61のIVバッグアダプタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
対応する参照文字は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に述べられた例示は、本開示の例示的な態様を説明し、そのような例示は、いかなる方法においても本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0011】
以下の説明は、当業者が、本発明を実施するために企図された、説明された態様を、製造し使用することを可能にするために提供される。しかしながら、種々の修正、均等、変形、および、代替が、当業者には、容易に明らかになるであろう。任意の、および、全ての、そのような修正、変形、均等、および、代替が、本発明の精神および範囲内に入ることが意図される。
【0012】
以下の説明の目的のため、用語「上」「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」、および、それの派生語は、それが、図面に向いているとして、本発明に関連するであろう。しかし、本発明は、明白にそれに反して特定される場合を除き、様々な代替の変形を想定し得ることが理解されるべきである。また、添付の図面に示され、以下の明細書に記載される、特定の器具は、単に、本発明の例示的な態様であることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された態様に関連する特定の寸法および他の物理的特性は限定的であると考慮されるべきではない。
【0013】
図1を参照すると、流体の閉じた移送のためのシステム10の一態様は、シリンジアダプタ12と患者コネクタ14を含む。システム10は、バイアルのような、第1の容器(図示せず)から、シリンジ、IVバッグ、または、患者IVラインのような、第2の容器(図示せず)への流体の移送中に、漏れのないシールを実質的に提供する。システム10の漏れのないシールは、システム10の使用中、空気と液体の両方の漏れを、実質的に防止する。図示されないが、システム10は、さらに、バイアルアダプタ、圧力均等化装置、または、IVバッグアダプタ、ならびに、注入ラインおよび拡張セットのような、閉鎖系移送器具に典型的に利用される他の構成要素を含み得る。
【0014】
図2-14を参照すると、シリンジアダプタ12の一態様は、第1端18と第2端20を有し、内部空間22を画定するハウジング16を含む。シリンジアダプタ12のハウジング16の第1端18は、通路26を画定する、雌型ルアーコネクタのような、シリンジアタッチメント24を含む。雌ルアーコネクタ(図示せず)が、シリンジの対応する雄ルアーコネクタとの接続のために示されるが、他の適切な接続構造が、シリンジ、容器、または、任意の他の医療器具への接続のために利用され得る。任意の他の適切な接続が利用され得るが、シリンジアタッチメント24は、ねじ接続を介してハウジング16の第1端18に固定される。遠位端30を有するカニューレ28は、シリンジアタッチメント24に固定され、シリンジアタッチメント24の通路26と流体連通する。シリンジアダプタ12は、さらに、シリンジアダプタ12のハウジング16内に配置されたシール構造を含んでいます。シール構造は、第1のメンブレン34を受容するコレット32を含む。コレット32は、以下により詳細に説明されるように、シリンジアダプタ12のハウジング16の内部空間22内を移動するように構成される。シリンジアダプタ12のハウジング16は、使用者によるシリンジアダプタ12の把持を強めるための構造を含み得る。追加または代替の把持構造および表面が、使用者がシリンジアダプタ12の本体を把持することを支援するために提供され得る。
【0015】
図2-8を参照すると、シリンジアダプタ12は、シリンジアダプタ12のハウジング16の第1および第2端18、20の中間に配置された、第1接続インターフェース36を含み、それは、シリンジアダプタ12のハウジング16の横方向開口40内に収容されるロック部材38を含む。ロック部材38は、閉位置と開位置との間で移動するように構成される。ロック部材38は、中央開口部42を画定し、シリンジアダプタの使用者またはオペレータの手によって係合されるように構成されたボタン44を含む。ロック部材38は、さらに、シリンジアダプタ12の長手方向に延びる片持ちばね46を含む。ロック部材38は、シリンジアダプタ12のハウジング16から半径方向外方に延びるカム面と係合するように構成される。特に、ロック部材38は、外力がロック部材38に印加されないとき、ロック部材38の中央開口部42に隣接するロック部材38の一部が、シリンジアダプタ12の内部空間22内に配置される、閉位置に配設されるように構成される。ロック部材38の中央開口部42が、シリンジアダプタ12の内部空間22に整合させられるか、内部空間22に挿入されるオブジェクトに対する干渉または障壁を生成しない、開位置に、ロック部材38が移動させられると、片持ちばね46は、カム面に係合し、ロック部材38を閉位置に向かって後方に推進する付勢力を作成する。したがって、ロック部材38が開位置に移動させられると、ロック部材38に作用する外力が解除されたとき、ロック部材38は、閉位置に戻るように推進されるであろう。ロック部材38は、片持ちばね46を有して示されるが、圧縮ばね、拡張ばね、エラストマー材料などを含むが、これらに限定されない、任意の他の適切な付勢部材が設けられ得る。
【0016】
図2を参照すると、ロック部材38は、さらに、ロック部材38から半径方向外方に延びる一対の突起48を含む。一対の突起48は、シリンジアダプタ12のハウジング16に設けられた、対応する突起に係合するように構成され、ロック部材38をシリンジアダプタ12のハウジング16に保持する。つまり、ロック部材38の突起48は、シリンジアダプタ12のハウジング16の突起に係合するように構成され、ロック部材38が、シリンジアダプタ12のハウジング16の横方向開口40から離脱させられ、除去されるのを防止する。
【0017】
図8-11を参照すると、コレット32は、第1端54と第2端56を有する本体52を有する。本体52は、本体52を通って延びる通路58を画定する。他の適当な形状のコレットが利用され得るが、本体52は、概して円筒形である。コレット32は、さらに、コレット32の本体52に接続されたロック部材60を含む。以下でより詳細に説明されるように、コレット32は、ロック部材60が、開かれ、患者コネクタ14のような、相手コネクタ(図18に示される)を受容する、第1の位置から、ロック部材60の半径方向外方への移動が規制される、第2の位置へ移動可能である。ロック部材60は、複数のアーム62を介して本体52に接続される。ロック部材60は、複数のアーム62を介したロック部材60の本体52への接続の結果として、弧状で弾力性である。より具体的には、複数のアーム62は柔軟であり、ロック部材60が半径方向外方または半径方向内方に延びることを可能にする。一態様において、ロック部材60は、患者コネクタ14のような、相手コネクタが、ロック部材60に挿入されるとき、半径方向外方に延びるように構成され、続いて、コレット32が、第1の位置から第2の位置に移行させられると半径方向内方に移動する。あるいは、患者コネクタ14のような、相手コネクタが、ロック部材60に挿入されるとき、ロック部材60は、半径方向内方または外方に移動しなくてもよく、続いて、コレット32が、第1の位置から第2の位置に移行させられると、半径方向内方に移動し得る。シリンジアダプタ12のハウジング16の第2端20は、コレット32が第1の位置にあるとき、ロック部材60を受け入れる、内部空間22に隣接する環状凹部64を画定する。ハウジング16の環状凹部64は、ロック部材60が半径方向外方に延びるための空間を提供する。コレット32が、第1の位置から第2の位置へ移行させられると、コレット32は、シリンジアダプタ12の第1端18に向かって軸方向に移動し、ロック部材60とシリンジアダプタ12のハウジング16との係合により、ロック部材60は、半径方向内方に付勢される。
【0018】
図9に示されるように、コレット32のロック部材60は、コレット32の長手方向軸に垂直な方向に延びる一対の開口部66を画定する。開口部66は、それぞれ、二つのアーム62によってコレット32の本体52に接続された、2つの弧状部分に、ロック部材60を分ける。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、コレット32とロック部材60のための、他の適切な配置および形状が利用され得る。コレット32のロック部材60は、複数のアーム62に対して、半径方向内方および半径方向外方に突出する。
【0019】
図8-11を再び参照すると、コレット32の本体52は、シリンジアダプタ12の第1接続インターフェース36と係合し、噛み合うように構成された第2接続インターフェース70を含む。第2接続インターフェース70は、コレット32の本体52によって画定され、より具体的には、ロック表面72によって画定される。第2接続インターフェース70は、さらに、コレット32の第1端54によって画定される導入表面を含む。第2接続インターフェース70の導入表面は、コレット32の本体52と導入表面との間の丸みを帯びた移行部を画定する。ロック表面72は、コレット32の本体52に対して窪ませられ、第1接続インターフェース36のロック部材38を受容するように構成された、リング形状の凹部である。他の適切な形状および角度が利用され得るが、ロック表面72は、90度の角度によって画定される。コレット32の第1端54は、第1接続インターフェース36のロック部材38が開位置にあるとき、シリンジアダプタ12の内部空間22内に受容されるように構成され、ロック部材38が閉位置にあるとき、シリンジアダプタ12の内部空間22内において移動することを規制される。第2接続インターフェース70の導入表面は、第1接続インターフェース36のロック部材38に係合するように構成され、ロック部材38を、さらに移動させ、片持ちばね46を、さらに付勢させる。第2接続インターフェース70が、完全に第1接続インターフェース36に係合させられるとき、第1接続インターフェース36のロック部材38は、閉位置にあって、ロック表面72内に受容されるように構成され、第2接続インターフェース70に対する、第1接続インターフェース36の長手方向および横方向移動をロックするが、なお、それに対する回転運動を可能にする。
【0020】
図2および8を参照すると、第1メンブレン34は、第1端84および第2端86を有する本体82を含む。第1メンブレン34の本体82の第1端84と第2端86は、それぞれ、第1ヘッド部88と第2ヘッド部90を含む。第1のメンブレン34の本体82は、本体82の第2端86に向かって第1端84から延びる通路92を画定する。通路92は、本体82の第1および第2端84、86の中間の位置で終端する。図8に示されるように、第1メンブレン34の本体82は、コレット32の通路58によって受容され、コレット32に固定される。第1メンブレン34の第1ヘッド部88は、コレット32の通路58に隣接するコレット32の座繰り部に係合する。第2ヘッド部90は、コレット32の本体52の通路58を越えて延び、第2ヘッド部90は、コレット32の本体52に係合する。以下により詳細に説明されるように、他の適切なメンブレン構造が設けられ得るが、第2ヘッド部90は、凸面を画定する。カニューレ28は、第1メンブレン34の通路92内に受容され、カニューレ28の遠位端30は、コレット32が第1の位置にあるとき、通路92内に配置される。カニューレ28の遠位端30は、コレット32が、第1位置から第2位置に移行させられるとき、第1メンブレン34を貫通し、第1メンブレン34を通って延びるように構成される。第1メンブレン34は、シリンジアダプタ12の使用中に、カニューレ28の中間部分に係合してシールするように構成され、患者コネクタ14または相手部品との、密封された、漏れのない接続を維持する。
【0021】
以下により詳細に説明されるように、使用中に、患者コネクタ14、バイアルアダプタ、または、IVバッグスパイクからのメンブレンのような、対応するメンブレンによる第1のメンブレン34の係合で、コレット32は、シリンジアダプタ12の第1端18に向かって移動し、第1位置から第2位置へ移行するように構成され、カニューレ28の遠位端30は、第1メンブレン34を貫通し、シリンジアダプタ12を、シリンジアダプタ12に固定された対応するデバイスと流体連通に置く。コレット32が第1の位置に戻されると、第1のメンブレン34は、対応するメンブレンから離脱させられ得、それにより、コレット32と第1メンブレン34の通路58、92内に、カニューレ28の遠位端30を位置づける。そのような配置は、カニューレ28の遠位端30を遮蔽し、針刺し事故を防止し、また、シリンジアダプタ12を使用する場合、流体の移送中に、いかなる流体の漏れをも防止する。
【0022】
図12-16を参照すると、患者コネクタ14は、第1端104と第2端106を有する本体102を含み、それを通って延びる通路108を画定する。患者コネクタ14の第1端104は、また、コレットインターフェース110を含む。コレットインターフェース110は、患者コネクタ14の本体102の第1端104に対して凹ませられた、患者コネクタ14の本体102の一部によって画定される。患者コネクタ14の本体102の第1端104は、また、第2メンブレン114を受容するメンブレンシート112を含む。シリンジアダプタ12に関連して上述したように、患者コネクタ14の第2メンブレン114は、シリンジアダプタ12の第1メンブレン34と係合し、流体の移送中、シリンジアダプタ12との漏れのない接続を提供するように構成される。任意の他の適切な接続構造が利用され得るが、患者コネクタ14の第2端106は、雄ルアーコネクタのような、IVラインアタッチメント116を含む。
【0023】
図17-26を参照すると、シリンジアダプタ12を患者コネクタ14に係合する工程が示される。シリンジアダプタ12は、患者コネクタ14に接続されて示されるが、シリンジアダプタ12は、バイアルアダプタおよびIVバッグアダプタを含むが、これらに限定されない、患者のコネクタ14と同様の構造を有する他の構成要素に、同様に接続するであろう。図17および18に示されるように、シリンジアダプタ12の内部空間22は、患者コネクタ14と整列させられる。特に、シリンジアダプタ12の長手方向軸は、閉位置にある第1接続インターフェース36のロック部材38を備えて、患者コネクタ14の長手方向軸と整列させられる。図19および20に示されるように、コレット32が、第1の位置に設けられ、ロック部材60が、患者コネクタ14を受け入れるために開いている状態で、患者コネクタ14は、コレット32に向かってシリンジアダプタ12の内部空間22に移動させられる。
【0024】
図21および22を参照すると、シリンジアダプタ12の第1端18に向かう患者コネクタ14のさらなる移動は、第1のメンブレン34が、第2のメンブレン114と係合し、患者コネクタ14の第1端104が、コレット32のロック部材60を通過することをもたらす。上述したように、ロック部材60内の患者コネクタ14の移動は、ロック部材60を、半径方向外方に付勢し得、または、代わりに、ロック部材60のいかなる半径方向の移動もなしに、患者コネクタ14の第1端104を受容し得る。ロック部材60とシリンジアダプタ12のハウジング16の間の干渉、並びに、患者コネクタ14の第1端104とロック部材60との接触に起因して、第1および第2メンブレン34、114が十分に圧縮され、ロック部材60が、患者コネクタ14のコレットインターフェース110内に受容されるまで、コレット32は、シリンジアダプタ12の第1端18に向かって移動しないであろう。第1および第2のメンブレン34、114が十分に圧縮されると、ロック部材60は、ロック部材60のシリンジアダプタ12のハウジング16との係合、および、シリンジアダプタ12の第1端18に向けた、コレット32の継続した軸方向移動に起因して、患者コネクタ14のコレットインターフェース110に押しやられるであろう。
【0025】
図23および24を参照すると、シリンジアダプタ12の第1端18に向かう、患者コネクタ14の更なる継続した移動は、コレット32が、また、第1および第2メンブレン34、114の間の係合を介して、シリンジアダプタ12の第1端18に向かって移動することをもたらす。この段階で、コレット32は、第2の位置にあり、患者コネクタ14の第1端104は、コレット32のロック部材60のコレットインターフェース110との係合により、コレット32に、ロックされ、固定されるであろう。コレット32のロック部材60は、コレット32が第1の位置に戻されるまで、患者コネクタ14を解放するために、半径方向外方に拡がることができない。また、この段階での継続した移動中、第1接続インターフェース36のロック部材38は、コレット32の第2接続インターフェース70と係合し、閉位置(図22に示される)から開位置(図24に示される)に、ロック部材38を移行させる。
【0026】
ロック部材38が閉位置から開位置へ移動させられると、片持ちばね46は、シリンジアダプタ12のハウジング16のカム面に係合し、ロック部材38を閉位置に戻すように付勢する付勢力を生成する。しかしながら、閉位置に戻るそのような移動は、ロック部材38のコレット32の本体52との係合によって防止される。図24は、コレット32と第1接続インターフェース36の間の重なりを示すけれども、本明細書において説明されるように、コレット32は、第1接続インターフェース36を移動させるであろう。同様に、コレット32のロック部材60は、シリンジアダプタ12のハウジング16と重ならないだろうが、本明細書に記載されるように、内方に付勢されるだろう。第1接続インターフェース36のロック部材38が開位置にある状態で、第2接続インターフェース70は、シリンジアダプタ12の内部空間22内におけるその移動を継続させることを可能とされ、患者コネクタ14へのシリンジアダプタ12の係合の工程を続行する。この工程の間、カニューレ28の遠位端30は、第1および第2のメンブレン34、114を穿刺し、患者コネクタ14の通路108と流体連通に置かれる。
【0027】
図25および26を参照すると、第1のメンブレン34が、シリンジアダプタ12のシリンジアタッチメント24に当接するまで、および/または、患者コネクタ14の第2端106が、シリンジアダプタ12の第2端20に当接するまで、患者コネクタ14とコレット32は、シリンジアダプタ12の第1端18に向かって移動させられる。この段階で、コレット32の第2接続インターフェース70は、第1接続インターフェース36のロック部材38と整列させられ、ロック部材38は、第2接続インターフェース70内に受容される。ロック部材38は、片持ちばね46によって閉位置に向かって付勢され、ロック部材38が、第2接続インターフェース70に到達するとき、ロック部材38は、ロック部材38の一部が、シリンジアダプタ12の内部空間22内に配置される閉位置に、自由に移動する。
【0028】
図26に示された位置において、第1接続インターフェース36は、第2接続インターフェース70に対して、完全に、係合され、ロックされる。そのような位置で、シリンジアダプタ12は、第1接続インターフェース36のロック部材38および第2接続インターフェース70の係合により、患者コネクタ14から離脱させられるのを防止される。第1接続インターフェース36および第2接続インターフェース70の間のロック係合は、互いに対する軸方向および横方向の動きを防止するが、第1接続インターフェース36および第2接続インターフェース70は、互いにロックされたとき、互いに対して回転自在であり、これは、有利には、IVラインの絡まり、および/または、構成要素間の回転の欠如に関連する、他の偶発的な離脱または器具の故障を防止する。特に、患者コネクタ14は、典型的には、患者IVラインに取り付けられ、第2接続インターフェース70に対する第1接続インターフェース36の回転は、患者コネクタ14に接続された患者IVラインのねじれを防止することを支援する。しかし、第1接続インターフェース36および第2接続インターフェース70は、所望であれば、そのような相対的な回転を防止するためのキー付き表面構造を備え得る。
【0029】
図17-26を再び参照すると、第2接続インターフェース70から第1接続インターフェース36を離脱させるために、第1接続インターフェース36のロック部材38のボタン44は、使用者によって捕まれ、半径方向内方に押されて、ロック部材38を、閉位置から開位置に移行させる。患者コネクタ14は、それから、患者コネクタ14にシリンジアダプタ12を接続するための工程の逆の順序で、シリンジアダプタ12の内部空間22から除去され得る。第2接続インターフェース70が、第1接続インターフェース36から分離させられると、ロック部材38は、閉位置に移動させられる。患者コネクタ14は、コレット32が、図22に示される第1の位置に戻されるまで、シリンジアダプタ12から分離され得ず、第1の位置で、コレット32のロック部材60は、ハウジング16の環状凹部64内に、半径方向外方に拡がり得、それによって、コレット32から患者コネクタ14の分離を可能にする。図示されないが、シリンジアダプタ12は、相手部品へのシリンジアダプタの接続中に、使用者への視覚的、触覚的、または、聴覚的指示を提供するために、1つ以上の指示構造を備え得る。
【0030】
上述のシステム10、ならびに、以下に説明されるシステム10の更なる態様は、第1のメンブレン34とカニューレ28との間の摩擦を低減するための1つ以上の構造を含み得る。そのような構造は、第1のメンブレン34および/またはカニューレ28の上または中に設けられた潤滑剤であり得る。潤滑剤は、任意の他の適切な潤滑剤、コーティング、層、材料等が利用され得るが、シリコーン系潤滑剤であり得る。第1のメンブレン34および/またはカニューレ28は、滑りやすい、または、摩擦を低減された材料から製造され得、潤滑剤を塗布され得、および/または、潤滑剤を含浸させられ得る。第1メンブレン34とニードル28との間の摩擦を低減するための構造は、湿式および/または乾式の潤滑システムであり得る。
【0031】
図27-30を参照すると、流体の閉じた移送のための、システム140のさらなる態様が示される。図27-30に示されるシステム140は、図1-26に示され、上述されたシステム10と類似している。しかしながら、図27-30に示されるシステム140において、コレット32のロック部材60は、リング形状であり、コレット32の長手方向軸に対して横方向に延びるただ一つの開口142を画定する。さらに、システム140は、シリンジアダプタ12からシリンジの偶発的離脱を防止する、離脱防止機構144を含む。コレット32が、完全に、シリンジアダプタ12の第1端18に向かって変位させられると、コレット32は、離脱防止機構144と係合し得、シリンジアタッチメント24が自由に回転することを可能にすることで、シリンジアダプタ12からのシリンジの離脱を、実質的に防止する。患者コネクタ14は、また、第2のメンブレン114の対応する形状の部分を受容して係合する、少なくとも一つの突起部と上部リム148を有するメンブレンシート146を含み得る。他の適切な取付け構造が利用され得るが、第2メンブレン114は、超音波溶接を介して、シート146をかしめることにより、または、接着剤によって、メンブレンシート146に固定され得る。
【0032】
図31-34を参照すると、流体の閉じた移送のためのシステム152のさらなる態様が示される。図31~34に示されるシステム152は、図1-26に示され、上述されたシステム10と類似する。図31-34に示されるシステム152において、しかしながら、第1メンブレン154は、コレット32によって画定される対応するシート158内に受容される、フランジ部156を備える概してT字形である。
【0033】
図35-38を参照すると、流体の閉じた移送のためのシステム162のさらなる態様が示される。図35~38に示されるシステム162は、図1-26に示され、上述されたシステムに類似する。しかしながら、図35-38に示されるシステム162において、コレット32は、コレット32内でそれらの間の空間を画定する、一対の離間したメンブレン164を受容する。一対のメンブレン164は、それぞれ、第1および第2のメンブレンシート166に受容される。
【0034】
図39-42を参照すると、流体の閉じた移送のためのシステム170のさらなる態様が示される。図39-42に示されるシステム170は、図1-26に示され、上述されたシステム10と類似する。しかしながら、図39-42に示されたシステム170において、第1メンブレン171は、コレット32の対応する突起174によって受容される環状凹部172を画定する。また、第1メンブレン171は、輪郭形成され、コレット32の、対応して輪郭形成された部分によって受容される。第2メンブレン175は、また、患者コネクタ14の対応する突出部178によって受容される環状凹部176を画定する。患者コネクタ14の本体102は、超音波溶接、スピン溶接、または、レーザ溶接のような、任意の適切な固定構造を介して、互いに固定される、外側部分180と内側部分182によって画定される。
【0035】
図43A、43B、および44を参照すると、シリンジアダプタ12Aの別の態様が示される。図43A、43B、および44に示されるシリンジアダプタ12Aは、図1-11に示され、上述されたシリンジアダプタ12と類似する。図43A、43B、および44に示されるシリンジアダプタ12Aは、しかしながら、シリンジアダプタ12Aの第2端20またはその近傍に、第1接続インターフェース36を備える。さらに、コレット32に第2接続インターフェース70を備えるよりは、むしろ、患者コネクタ14が、コレットインターフェース110、並びに、第2接続インターフェース70の両方を含む。シリンジアダプタ12Aは、図1-26に関連して上述されたのと同様に作動する。
【0036】
図45A-45Fを参照すると、図9-11のコレット32のさらなる態様が示される。図45Aにおいて、コレット32のロック部材60は、連続的でリング形状であり、ロック部材60が半径方向外方に拡がることを可能にするように構成された、複数のノッチを画定する。図45Bにおいて、ロック部材60は、リング形状であり、コレットの長手方向軸に対して横方向に延びる小さなスリットを画定する。図45Cにおいて、コレット32の本体52は、本体52の延長部202を介して、ロック部材60に固定され、ロック部材60は、リング形状であり、ロック部材60が、半径方向外方に拡がることを許容するように構成されたスリット204を画定する。図45Dにおいて、複数のアーム62は、それぞれ、それぞれのアーム62の端の拡大ヘッド部分によって形成される、それぞれのロック部材60を含む。図45Eにおいて、ロック部材60は、半リング形状である。図45Fにおいて、ロック部材60は、弧状であり、単一の開口部を画定する。
【0037】
図46を参照すると、図1-11のシリンジアダプタ12の更なる態様が示される。特に、第1メンブレン34は、概してスリーブ状であり、患者コネクタ14との係合で後退するように構成される。
【0038】
図47を参照すると、図1-11のシリンジアダプタ12の更なる態様が示される。特に、第1メンブレン34は、第1のメンブレン34の第1および第2端に凸部を有する、概して円筒形である。
【0039】
図48A-49Bを参照すると、図1-11のシリンジアダプタ12の更なる態様が示される。図48A-49Bに示されるシリンジアダプタ210は、コレット212と一体的に設けられた、一対の弾性ボタン214を有するコレット212を含む。ボタン214は、シリンジアダプタ210のハウジング16の一対の開口216によって受容され、シリンジアダプタ210が、患者コネクタ14のような相手コネクタと完全に接続され、流体連通すると、コレット212をロックする。ボタン214を押すことは、相手コネクタが、シリンジアダプタ210から離脱させられ、取り外されることを可能にするだろう。
【0040】
図50A-51Bを参照すると、図48A-49Bに示されるように、コレット212にボタン214を設けるよりは、むしろ、間接的なボタン構造が提供され得る。特に、シリンジアダプタ210のハウジング16は、シリンジアダプタ210の内部空間22内に内方に押されるように構成される、一対のボタン220を備える。コレット212は、シリンジアダプタ210が、患者コネクタ14のような相手コネクタと完全に接続され、流体連通すると、コレット212をロックするように構成された、弾性ボタンインターフェース部222を含む。ボタン220を押すことは、コレット212のボタンインターフェース部222を離脱させ、相手コネクタが、シリンジアダプタ210から離脱させられ、取り外されることを可能にするだろう。
【0041】
図52~54を参照すると、図9-11のコレット32のさらなる態様が示される。特に、一体型、または、単一の成形部品として形成されるコレットを備えるよりも、むしろ、コレット32は、コレット32を形成するために互いに固定される、1つ以上の部品から形成され得る。複数片コレット32態様は、メンブレンが、コレット32の最終的な組立に先立って搭載され得る場合、様々なメンブレン構造を可能にする。コレット32を形成する複数片は、超音波溶接、スピン溶接、または、レーザ溶接のような、任意の適切な接合方法を介して相互に固定され得る。
【0042】
図55A-55Gを参照すると、第1メンブレン34の更なる態様が示される。特に、様々な形状、構造、および、空洞が、第1メンブレン34に利用され得る。また、図55Gに示されるように、第1メンブレン34は、第1のメンブレン34内に配置された挿入片228を含み得る。図55A-55Gに示される形状は、相手部品内に、押し引きされ得、二次組立工程または複数片ハウジングを必要とせずに保持され得る。図55D、55E、および55Fに示される第1メンブレン34の態様は、第1のメンブレン34の頂部にシール部230を含み、使用中に、カニューレ28の中間部に係合して、シールする。
【0043】
図56A-56Fを参照すると、第2メンブレン114の更なる態様が示される。特に、様々な形状、構造、および、空洞が、第2メンブレン114に利用され得る。
【0044】
図57-60を参照すると、バイアルアダプタ240と係合され、使用される、シリンジアダプタ12が示される。図60に示されるように、バイアルアダプタ240は、患者コネクタ14に、また設けられる、コレットインターフェース110と第2のメンブレン114を含む。シリンジアダプタ12は、シリンジアダプタ12が患者コネクタ14に接続される、上述したのと同様の方法で、バイアルアダプタ240に接続される。バイアルアダプタ240は、バイアルに固定され、コレットインターフェース110を備え、シリンジアダプタ12は、バイアルと流体連通するように配置され得、また、流体が外部環境に漏れるのを防ぐために、圧力均等化装置を備える。
【0045】
図61および62を参照すると、IVバッグアダプタ260の一態様が示される。上述したように、シリンジアダプタ12は、典型的には、閉鎖系移送器具システムで利用される、種々の構成要素に接続され得る。IVバッグアダプタ260は、また、患者コネクタ14とバイアルアダプタ240に設けられる、コレットインターフェース110と第2メンブレン114を、また含む。IVバッグアダプタ260は、シリンジアダプタ12が、注入またはIVセットとの流体連通に置かれることを可能にし、第1および第2チャネル264、266を有するスパイク部材262を含む。
【0046】
本開示は例示的な設計を有するものとして説明されたが、本開示は、本開示の精神および範囲内で、さらに変更され得る。本出願は、したがって、その一般的な原理を用いる、本開示の任意の変形、用途、または、適応をカバーすることを意図される。さらに、本出願は、本開示が関係し、および、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る、本開示からの当技術分野で公知または通例の実践内に至るような発展をカバーすることを意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図37
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図42
図43A
図43B
図44
図45A
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図45D
図45E
図45F
図46
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図48A
図48B
図49A
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図50A
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