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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】指力トレーニング器
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/16 20060101AFI20220322BHJP
   A63B 23/035 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
A63B23/16
A63B23/035 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018098300
(22)【出願日】2018-05-07
(65)【公開番号】P2019130274
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2018028274
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518059130
【氏名又は名称】五十嵐 啓晋
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 啓晋
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-168361(JP,U)
【文献】特許第5451936(JP,B1)
【文献】特開2015-171498(JP,A)
【文献】特開2017-094032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/16
A63B 23/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球技ボール大の球体の外郭曲面の一部を切取ったような傾斜面を有する盤体を本体として該傾斜面を指を広げて添わせる指台として形成し、また、掌をのせる台すなわち掌台を本体に突設し、指台と掌台には段差を設け、掌台垂直中心軸に対し本体垂直中心軸はずれており、指台中心軸はさらに本体垂直中心軸からずれていることを特徴とする指力トレーニング器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手の指に適切に負荷を加えて指力をトレーニングする器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献は腕立て伏せタイプのエクササイズを行う際に使用するための腕立て伏せエクササイズユニットおよび器具として提案されたものである。
【先行技術文献】
【0003】
【文献】特開2009-240797号公報
【0004】
この特許文献1は持ち手のついた腕立伏せ器具を用いたもので、ユーザが、関節にかかる負担を軽減しながら、追加の筋肉系を係合するために、自らの身体を自然に回転させつつ動かすことができ得る。
【0005】
ハンドルが対応するエンドキャップと、ハンドル支持構造体の対応コラムの上方部分と交差するように、下方ベース部と隔離したエンドキャップとの間で一組のコラムを有するハンドル支持構造体を含むことができる。
【0006】
器具は、ハンドル支持構造体に取り付けられた固定ベース支持体と、ユーザが、平らな面上にあるベース支持体を用いて、隣接するハンドルとエンドキャップとハンドル支持構造体とを回転させることが可能な軸受アセンブリとを含んでいる。
【0007】
また、ハンドルアセンブリは、ハンドル支持構造体上の第1の面から取り外すことができ、移動用に積み込みやすくするために第2の面に挿入されるようにしてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1に示される先行技術は、種々の手/肩の方向を強いる回転動きを与えることによって、トレーニングに利益をもたらし、それによって、ユーザは、腕および肩の種々の部分、および、背中上部および背中下部をエクササイズすることができるとされるが、指に適切な負荷がかかりずらいもので、手の指に適切に負荷を加えて指力をトレーニングすることはできない。
【0009】
また、特許文献はないが、指のトレーニングには、手の平は地表に接地せず、指だけで体を支える腕立伏せや、ボールの上に手の平をのせて腕立伏せをする方法がある。
【0010】
しかし、従来の腕立伏せと同じ姿勢、方法で指だけで体を支える指立伏せでは指及び指関節に過大な負荷がかかり怪我をする可能性がある。
【0011】
球技ボールの球面に手の平を置いた状態では、腕からの負荷が指に伝わりずらく、指に負荷をかける為に手の平から指方向へ重心を方向に移動した場合、つまり球技ボールの中心軸上に指先を位置させ手首が側面に位置する場合、球面の角度分の手首の角度が狭くなることで手首関節に不自然な負荷がかかり怪我をする可能性がある。
【0012】
本発明の目的は前記従来例の不具合を解消し、手首関節に不自然な負荷をかけずに、指関節や手首関節が自然な角度で指に適切な負荷を加えることができる指力トレーニング器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、球技ボール大の球体の外郭曲面の一部を切取ったような傾斜面を有する盤体を本体として該傾斜面を指を広げて添わせる指台として形成し、また、掌をのせる台すなわち掌台を本体に突設し、指台と掌台には段差を設け、掌台垂直中心軸に対し本体垂直中心軸はずれており、指台中心軸はさらに本体垂直中心軸からずれていることを要旨とするものである。
【0014】
請求項1記載の本発明によれば、傾斜面には指台があり、指台に指を沿わせ、指のガイドとすることで指関節に極端で不自然な負荷がかかることを防ぎ、指先などの特定部分だけでなく指全体に負荷をかけることができる。また、掌が指よりも上方に位置するので掌の手首に対する角度が自然に広がった状態で負荷を指に加えることができる。
【0015】
また、掌台垂直中心軸は掌台に加わる負荷の中心上にあり、本体中心上にある本体垂直中心軸とずれており、さらに指を沿わせる指台の中心上にある指台垂直中心軸とずれていることにより、上腕から掌台に加わる負荷を指台に分散することが可能になるもので、意図的に分散割合を変化させることで、指への負荷の大きさを調整できる。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように本発明の指力トレーニング器は、手首関節に不自然な負荷をかけずに、指関節や手首関節が自然な角度で指に適切な負荷を加えることができるもので、実際のボール等を利用した球技トレーニングで得られる指の筋力や感覚のトレーニングが、効率的で安全に、あらゆる場所や時間に実行できるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態を示す裏面側から見た斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態を示す表面側から見た斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態を示す裏面にバランスパーツを設置していない状態を示す斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態を示す掌台を設置していない状態を示す斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態を示す斜視図である。
図6】バランスパーツの第2例を示す斜視図である。
図7】掌台の1例を示す斜視図である。
図8】バランスパーツの第3例を示す斜視図である。
図9】バランスパーツの第4例を示す斜視図である。
図10】本発明の第3実施形態を示す側面図である。
図11】本発明の第3実施形態の使用例を示す左斜め後面から見た斜視図である。
図12】本発明の第3実施形態の使用例を示す後面から見た斜視図である。
図13】本発明の第3実施形態の使用例を示す前面から見た斜視図である。
図14】本発明の第3実施形態の使用例を示す右前面から見た斜視図である。
図15】本発明の第4実施形態を示す表面から見た斜視図である。
図16】本発明の第4実施形態を示す裏面から見た斜視図である。
図17】本発明の第5実施形態を示す裏面から見た斜視である。
図18】本発明の第5実施形態を示す表面から見た斜視図である。
図19】本発明の第6実施形態を示す斜視図である。
図20】本発明の第7実施形態を示す斜視図である。
図21】本発明の第8実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面について本発明の実施の形態を説明する。図1図4は第1実施形態を示すもので、球技ボール大の球体の外郭曲面の一部を切取ったような傾斜面23を有する盤体1を本体として該傾斜面23を指を広げて添わせる指台14として形成し、また、掌をのせる台すなわち掌台2を本体に突設し、指台14と掌台2には段差15を設けた。
【0019】
本実施形態では、傾斜面23は球体の外郭曲面で、盤体1は円盤体であり、膨らんだドーム面を表面7として、反対側の扁平面を裏面8とする。球技ボールとはバスケットボール、バレーボール、ハンドボール、ラグビーボール、アメリカンフットボール、ベースボール等、手でボールを扱うスポーツで使用されるボールである。
【0020】
図10に示すように、掌台垂直中心軸17に対し本体垂直中心軸18はずれており、指台中心軸16はさらに本体垂直中心軸18からずれている
【0021】
掌台2は本体からの一体形成物でもよいが、図7に示すような円柱体を嵌め込み設置するもので、盤体1の表面7の中心点から約50ミリ離れた縁偏りの一箇所に直径約50ミリ、最深約20ミリ、反対側最浅5ミリの垂直な穴溝、即ち掌台受穴溝9を嵌め込みのために設けてある。
【0022】
前記掌台受穴溝9には直径約50ミリの円柱体が掌台2として嵌合される。設置された掌台2は盤体1の天頂部10に対し、同等もしくは僅かに高くなっている。
【0023】
なお、掌台2の上端は平端面とせずに、図10図12に示すように球形としてもよい。
【0024】
また、本体の裏面8に盤体1の水平バランスを取る突起であるバランスパーツ3を設けた。
【0025】
このバランスパーツ3も本体からの一体形成物でもよいが、嵌め込み設置するもので、本実施形態では図6に示すように台部3aからの円錐3bをもってこれを形成した。
【0026】
盤体1の裏面には中心部に直径約40ミリ、深さ約11ミリの穴溝、即ちバランスパーツ受穴溝11を設けてあり、バランスパーツ受穴溝11の底に直径約20ミリ、深さ約4ミリの小穴溝12を設ける。
【0027】
バランスパーツ受穴溝11に前記台部3aを嵌め込み、円錐3bを突出させる。
【0028】
次に、使用法について説明すると、図11図12では掌を掌台2に置いた状態と手首の角度24について、図13図14では指台14の場所を示している。本発明を使用するときは、1台で片手のみ、又は2台で左右1台ずつ両手で同時に使用する。盤体1の外郭曲面部分に指の腹全体を接触させ、手首が無理な角度に曲がらないように掌台2に掌をのせる。
【0029】
(イ)腕立伏せの状態、又は膝を着いた腕立伏せの上体で上方から自己体重の一部をかける事により、掌だけではなく、指に負荷が分散され、バランスを取ることで、指の筋力や感覚をトレーニングをする。
(ロ)また、上半身を起こした状態で、本発明を手の届く場所に設置して使用することで、より少ない負荷で安全に指の筋力や感覚が鍛えられる。
【0030】
このように傾斜面をもった盤体1を本体とするが、傾斜面は曲面や平面の場合がある。また本体は円盤体に限らない立体で、木材、樹脂、金属に限らず様々な材質の場合がある。傾斜面には指台があり、指台に指を沿わせ、指のガイドとすることで指関節に極端で不自然な負荷がかかることを防ぎ、指先などの特定部分だけでなく指全体に負荷をかけることができる。
【0031】
掌が指よりも上方に位置するように、掌をのせる台すなわち掌台2を本体に突設し、指台14と掌台2の段差15を設けることで、掌に対する手首の角度22が自然に広がった状態で負荷を指に加えることができる。
【0032】
また、バランスパーツ3を設置することで、本体の接地面積が少なくなり、前記指力トレーニングに加えて、バランスをとりながらのトレーニングで、指力と同時に体幹も鍛えることができる。
【0033】
バランスパーツ3が円錐3bの場合、台部3aは直径約40ミリ、高さ約20ミリの円柱体であって、上面側がなだらかな円錐状になって、約10ミリ昇った地点が天頂点となっている。
【0034】
このバランスパーツ3については、円錐3bの場合以外で、図8に示すかまぼこ体4の場合、図5図9図21に示すようにコイルバネによるバネ5を介在させる場合などがある。
【0035】
前記かまぼこ体4の場合は線で接地する為、前後、又は左右等、二方向でバランスをとることが必要になり、比較的単純な動きに対する指の筋力や感覚をトレーニングできる
【0036】
かまぼこ体4は直径約40ミリで高さ約11ミリの円柱体を台部3aとし、縦約40ミリ、横約40ミリ、高さ約10ミリの半円柱体からなる。
【0037】
バネ5を介在させる場合は、直径約40ミリ、高さ約100ミリの円筒形コイルばねを直径約110ミリ、厚さ約5ミリの扁平円盤の中心点に設置した。図中3aは台部3a、3cは接地用の脚板で、バランスパーツ受穴溝11に台部3aを嵌合して設置し、盤体1を上下に弾ませることで、上下運動を含む不規則な動きをコントロールし、実際にボールを弾ませた状態を擬似再現することで指の筋力や感覚をトレーニングをする。
【0038】
前記バネ5を介在させたバランスパーツ3はこれを単数、又は複数設ける場合があり、バネ5の種類もコイルバネ型に限らず、板バネ式等、弾性の性質をもった素材や仕組みを持ったものを用いることができる。
【0039】
他の実施形態として図示は省略するが、バランスパーツ3の代わりに本体の裏面にスライドパーツを設置してもよい。
【0040】
スライドパーツは、本体接合部分との接合部分と摩擦係数の少ない滑りやすい素材の接地面からできている。滑りやすい素材は超高分子量ポリエチレンやフエルト生地等、様々な摩擦係数の少ない素材が使われる場合がある。スライドパーツを設置した本体を前後左右にスライド移動させて指に加わる負荷の大きさや角度を変えることができる。
【0041】
さらに他の実施形態として図20に示すように、本体の裏面に盤体を回転させる回転機構19を設けた。
【0042】
回転機構19は本体接合部分と回転板による回転部分と接地部分からなる。接地部分はゴム素材等、摩擦抵抗の大きい素材からできているため接地箇所が移動しないが、回転部分は本体と接地面の間のベアリング等摩擦係数を少なくする素材や仕組みであり、本体を回転させて指や手の方向転換することにより指の筋力や感覚をトレーニングできる。
【0043】
図15図16は本発明の第4実施形態を示すもので、盤体1は円盤体とせずに、半円のものとし、掌台2はアーム6の先端に上向きの台部として形成した。アーム6はその先端を半円盤体の直線部分に嵌め込んで結合する。
【0044】
図17図18は本発明の第5実施形態を示すもので、盤体1は円盤体とせずに、半円のものとした点は前記第4実施形態と同様であるが、掌台2はこれをアーム6介さずに直接半円盤体の直線部分に嵌め込んで結合した。
【0045】
図19は本発明の第6実施形態を示すもので、盤体1は球体に近い曲率を有するものであり、半球部分の裏面全体を山状のバランスパーツ3として突出させた。
【0046】
図21は本発明の第8実施形態を示すもので、コイルバネ型のバネ5を複数設けた場合である。
【符号の説明】
【0047】
1 盤体
2 掌台
3 バランスパーツ
3a 台部
3b 円錐
3c 脚板
4 かまぼこ体型
5 バネ
6 アーム
7 表面
8 裏面
9 掌台受穴溝
10 天頂部
11 バランスパーツ受穴溝
12 小穴溝
13 本体
14 指台
15 段差
16 指台垂直中心軸
17 掌台垂直中心軸
18 本体垂直中心軸
19 回転機構
23 傾斜面
24 手首の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21