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  • 特許-タイヤ消毒装置及びタイヤ消毒方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】タイヤ消毒装置及びタイヤ消毒方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/68 20060101AFI20220322BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20220322BHJP
   A61L 101/06 20060101ALN20220322BHJP
【FI】
B60S1/68
A61L2/18
A61L101:06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018003987
(22)【出願日】2018-01-15
(65)【公開番号】P2019123296
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】506310050
【氏名又は名称】株式会社アクト
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】内海 洋
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-006530(JP,A)
【文献】米国特許第04286617(US,A)
【文献】特開2012-050734(JP,A)
【文献】登録実用新案第3182524(JP,U)
【文献】登録実用新案第3178514(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/68
A61L 2/18
A61L 101/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置され、前記車両のタイヤを消毒する車両設置型のタイヤ消毒装置であって、
前記タイヤと対向する流体噴射部と、
少なくとも全自動用スイッチ、消毒液用スイッチ、空気用スイッチ及び不凍液用スイッチを有する操作手段とを備え、
前記全自動用スイッチが操作された場合には、前記流体噴射部が消毒液、空気及び不凍液を自動的に順次噴射し、
前記消毒液用スイッチが操作された場合には、前記流体噴射部が消毒液を噴射し、
前記空気用スイッチが操作された場合には、前記流体噴射部が空気を噴射し、
前記不凍液用スイッチが操作された場合には、前記流体噴射部が不凍液を噴射する
ことを特徴とするタイヤ消毒装置。
【請求項2】
車両に設置され、前記車両のタイヤを消毒する車両設置型のタイヤ消毒装置であって、
前記タイヤと対向する流体噴射部と、
前記流体噴射部を加熱する加熱手段と、
少なくとも全自動用スイッチ、消毒液用スイッチ、空気用スイッチ、不凍液用スイッチ及び加熱手段用操作部を有する操作手段とを備え、
前記全自動用スイッチが操作された場合には、前記流体噴射部が、前記加熱手段の作動によって加熱された後、消毒液、空気及び不凍液を自動的に順次噴射し、
前記加熱手段用操作部が操作された場合には、前記加熱手段が作動して前記流体噴射部を加熱し、
前記消毒液用スイッチが操作された場合には、前記流体噴射部が消毒液を噴射し、
前記空気用スイッチが操作された場合には、前記流体噴射部が空気を噴射し、
前記不凍液用スイッチが操作された場合には、前記流体噴射部が不凍液を噴射する
ことを特徴とするタイヤ消毒装置。
【請求項3】
前記流体噴射部は、前記空気として前記車両内の空気を噴射する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ消毒装置。
【請求項4】
前記車両内の空気は、前記車両の運転席内の空気である
ことを特徴とする請求項3記載のタイヤ消毒装置。
【請求項5】
前記加熱手段は、前記車両のエアコンからの温風を利用する
ことを特徴とする請求項2記載のタイヤ消毒装置。
【請求項6】
前記操作手段は、全自動の際における消毒液の噴射時間、空気の噴射時間及び不凍液の噴射時間を設定するための操作部を有する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載のタイヤ消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のタイヤを消毒するタイヤ消毒装置及びタイヤ消毒方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された車両消毒装置が知られている。
【0003】
この従来の車両消毒装置は、消毒液を供給する消毒液供給手段と、少なくとも消毒対象の車両の下部を囲む枠組と、前記消毒液供給手段から供給される前記消毒液を通し、前記枠組に取り付けられた配管と、前記配管に接続され、前記消毒液を前記枠組の内側に噴射するための複数の噴射ノズルとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-89951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記車両消毒装置では、車両のタイヤに対する消毒効果が十分ではなく、車両のタイヤを適切に消毒できないおそれがある。特に、北海道等の寒冷地での冬期間においては、消毒液が凍結してしまい、上記車両消毒装置を使用できないおそれもある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、車両のタイヤを適切に消毒できるタイヤ消毒装置及びタイヤ消毒方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るタイヤ消毒装置は、車両に設置され、前記車両のタイヤを消毒する車両設置型のタイヤ消毒装置であって、前記タイヤと対向する流体噴射部を備え、前記流体噴射部は、消毒液、空気及び不凍液を噴射可能であるものである。
【0008】
また、本発明に係るタイヤ消毒装置は、車両に設置され、前記車両のタイヤを消毒する車両設置型のタイヤ消毒装置であって、前記タイヤと対向する流体噴射部と、少なくとも全自動用スイッチを有する操作手段とを備え、前記流体噴射部は、前記全自動用スイッチの操作に基づいて、消毒液、空気及び不凍液を順次噴射するものである。
【0009】
さらに、本発明に係るタイヤ消毒装置は、車両に設置され、前記車両のタイヤを消毒する車両設置型のタイヤ消毒装置であって、前記タイヤと対向する流体噴射部と、少なくとも消毒液用スイッチ、空気用スイッチ及び不凍液用スイッチを有する操作手段とを備え、前記流体噴射部は、前記消毒液用スイッチの操作に基づいて消毒液を噴射し、前記空気用スイッチの操作に基づいて空気を噴射し、前記不凍液用スイッチの操作に基づいて不凍液を噴射するものである。
【0010】
また、本発明に係るタイヤ消毒方法は、車両のタイヤと対向する流体噴射部を備える車両設置型のタイヤ消毒装置を用いて行うタイヤ消毒方法であって、前記流体噴射部が消毒液を噴射する工程と、この工程後に前記流体噴射部が空気を噴射する工程と、この工程後に前記流体噴射部が不凍液を噴射する工程とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、寒冷地での冬期間であっても、車両のタイヤを適切に消毒することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るタイヤ消毒装置の構成図である。
図2】同上タイヤ消毒装置の操作手段のブロック図である。
図3】同上タイヤ消毒装置が設置された車両(トラック)の部分側面図である。
図4】同上タイヤ消毒装置の動作説明図である。
図5】本発明の第2の実施の形態に係るタイヤ消毒装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。
【0014】
図3において、1は車両で、この車両1には、前後左右の4本のタイヤ2を消毒液を用いて消毒する車両設置型のタイヤ消毒装置3が設置されている。なお、この図示した車両1は、例えば飼料を運搬するトラックであるが、これには限定されず普通車等でもよく、車種は問わない。また、消毒液は、例えば次亜塩素酸の水溶液(無塩型次亜塩素酸水)が好ましいが、これ以外の消毒液でもよい。
【0015】
そして、例えば畜産施設の家畜が伝染病に感染するのを防止するために、車両(トラック)1がその畜産施設の敷地内に入る前に、車両1の4本の各タイヤ2がタイヤ消毒装置3によって消毒される。
【0016】
タイヤ消毒装置3は、図1に示すように、車両1の4本の各タイヤ2と近接して対向する複数の流体噴射部である噴射ノズル6を備えている。なお、図3に示されるように、噴射ノズル6は、各タイヤ2ごとに1個或いは複数個(例えば3個)ずつ、車両1のタイヤ対向部であるタイヤハウジング7の前側に互いに間隔をおいて取り付けられている。噴射ノズル6の先端の噴射口は、タイヤ2の外周面に向かって常時開口している。なお、噴射ノズル6にチェックバルブを取り付けてもよい。
【0017】
噴射ノズル6には、この噴射ノズル6を加熱する加熱手段であるノズルヒーター8が設けられている。ノズルヒーター8は、例えば電熱線からなるもので、噴射ノズル6の外面側に装着されている。そして、噴射ノズル6は、車両1の底部側に取り付けられた配管11の下流側に接続されている。
【0018】
つまり、配管11は、タイヤ2の本数に対応した4本のノズル取付管部12を下流側に有し、この各ノズル取付管部12の下流端部に、噴射ノズル6が圧力バルブ(図示せず)を介して取り付けられている。圧力バルブ(圧力調整弁)は、配管11内の圧力が上昇して予め設定された設定圧力(開弁圧力)になったときに、閉状態から開状態に自動的に切り換わるものである。なお、圧力バルブは、必ずしも必要ではなく、噴射ノズル6を配管11に直接取り付けてもよい。
【0019】
また、配管11の上流側には、消毒液が貯留された消毒液タンク16及び不凍液が貯留された不凍液タンク17が接続されている。配管11の途中には、エアーポンプを兼ねた1台のポンプ(圧送手段)18が設けられているとともに、各タンク16,17を接続した2つの流路切換用の電磁弁(三方電磁弁)21,22がそれぞれ設けられている。これら2つの電磁弁21,22のうち、不凍液タンク17を接続した一方の電磁弁22には、ポンプ18の作動時に車両1の運転席の空気(車両内の空気)を吸い込む吸込管部13が接続されている。
【0020】
そして、2つの電磁弁21,22による配管11中の流路切換に基づき、当該配管11内には、消毒液、不凍液及び空気の中から選択された一の流体が供給される。
【0021】
消毒液タンク16は、所定量の消毒液を貯留可能なもので、この消毒液タンク16には、当該タンク16内の消毒液の凍結を防止するための凍結防止用のタンクヒーター(加熱手段)25が設けられている。また、消毒液タンク16には、当該タンク16内の消毒液を外部へ排出するための排出バルブ26が接続され、この排出バルブ26にはバルブヒーター27が設けられている。
【0022】
なお、凍結防止用のタンクヒーター25を設けない場合には、毎回、車両1の使用後に消毒液を排出し、次に車両1を使用する際に消毒液を消毒液タンク16内に入れる。
【0023】
不凍液タンク17は、所定量の不凍液を貯留可能なもので、この不凍液タンク17にも、消毒液タンク16と同様、当該タンク17内の不凍液を外部へ排出するための排出バルブ28が接続され、この排出バルブ28にはバルブヒーター29が設けられている。なお、不凍液タンク17内の不凍液は、消毒液タンク16内の消毒液に比べて凝固点が低いため、氷点下になる寒冷地の冬でも凍結しない。
【0024】
また、タイヤ消毒装置3は、少なくともノズルヒーター8、ポンプ18及び電磁弁21,22を制御する制御手段31を備えている。制御手段31には、車両1の運転席に配置された操作手段(リモコンスイッチ)32が電気的に接続されている。そして、車両1の運転席に乗った運転者が操作手段32を操作すると、この操作に基づいて制御手段31がノズルヒーター8、ポンプ18及び電磁弁21,22を適宜制御する。
【0025】
操作手段32は、図2に示すように、例えば車両1の運転席に乗った運転者が車両1を運転しながら押し操作可能な複数、すなわち例えば5つのスイッチ(押しボタンスイッチ)、つまり全自動用スイッチ35、消毒液用スイッチ36、空気用スイッチ37、不凍液用スイッチ38及びノズルヒーター用スイッチ39を有している。なお、ノズルヒーター用スイッチ(加熱手段用操作部)39は、ノズルヒーター8側に設けてもよい。
【0026】
さらに、タイヤ消毒装置3の各ヒーター8,25,27,29やポンプ18のモータ部等には、車両1のバッテリーとは別に設けた予備バッテリー40からの電力が供給される。なお、車両1のバッテリーの容量を大きくして対応してもよい。また、凍結防止用のタンクヒーター25に関しては、外部電源からの電力を利用してもよい。
【0027】
次に、上記タイヤ消毒装置1の作用等を説明する。
【0028】
例えば北海道等の寒冷地での冬期間に、タイヤ消毒装置1を使用する場合について説明する。
【0029】
寒冷地の冬期間においては、気温が氷点下となり、雪が多く降るため、車両1のタイヤ2の周囲に位置する噴射ノズル6の先端部には、回転するタイヤ2から飛散する雪解け水が付着して凍り付く。
【0030】
例えば飼料を積んだトラックである車両1の運転席に乗った運転者は、畜産施設の敷地内に入る手前で、走行速度を遅くして徐行しながら、運転席にある操作手段32の全自動用スイッチ35を1回押し操作する。
【0031】
すると、図4(a)に示すように、まず、ノズルヒーター8が予め設定された設定時間だけ作動し、噴射ノズル6が加熱される。その結果、噴射ノズル6の先端部に付着した氷が解けて、氷の詰まりが解消する。
【0032】
次いで、噴射ノズル6は、ポンプ18の作動に基づき、予め設定された設定時間の間、配管11を通って圧送される消毒液タンク16からの消毒液をタイヤ2に向けて噴射する。その結果、車両1のタイヤ2は、その全周にわたって消毒液で消毒されるとともに、外周面に付着した付着物(雪や泥等)が除去される。
【0033】
次いで、噴射ノズル6は、ポンプ18の作動に基づき、予め設定された設定時間の間、配管11を通って圧送される車両1の運転席の空気をタイヤ2に向けて噴射する。
【0034】
これにより、配管11内及び噴射ノズル6内に残存した消毒液は、すべて外部へ排出される。つまり、空気の噴射により、配管11内及び噴射ノズル6内から余分が水分が排出される。またこのとき、空気の噴射により、車両1に付着した消毒液の液滴が除去される。
【0035】
次いで、噴射ノズル6は、ポンプ18の作動に基づき、予め設定された設定時間の間、配管11を通って圧送される不凍液タンク17からの不凍液をタイヤ2に向けて噴射する。
【0036】
これにより、配管11内及び噴射ノズル6内は、不凍液によって満たされる。この不凍液は、凝固点が低く(例えば-30度以下)、配管11内及び噴射ノズル6内で凍結せず、液体の状態を維持する。このため、次回の消毒液の噴射時には、消毒液は、不凍液を押し出しながら、配管11内及び噴射ノズル6内をスムーズに流れる。
【0037】
このように、車両1の運転者が全自動用スイッチ35を操作した場合には、噴射ノズル6は、ノズルヒーター8の作動後、消毒液、空気及び不凍液を自動的に順次噴射する。
【0038】
また、車両1の運転者は、図4(b)に示すように、全自動用スイッチ35の代わりに、各スイッチ36,37,38,39を押し操作することで、全自動の場合と同様に、タイヤ2の消毒を行うことが可能である。
【0039】
すなわち、車両1の運転席に乗った運転者は、まず、ノズルヒーター用スイッチ39を押し操作する。すると、ノズルヒーター8が予め設定された設定時間だけ作動し、噴射ノズル6が加熱されて氷の詰まりが解消する。その後、運転者は、消毒液用スイッチ36を所望時間、押し操作する。
【0040】
すると、消毒液用スイッチ36が押し操作されている間だけ、噴射ノズル6が消毒液をタイヤ2に向けて噴射する。つまり、消毒液用スイッチ36を押している間だけ噴射ノズル6が消毒液を噴射し、消毒液用スイッチ36から手を離すと、噴射ノズル6からの消毒液の噴射が停止する。
【0041】
次いで、車両1の運転席に乗った運転者は、空気用スイッチ37を所望時間、押し操作する。
【0042】
すると、空気用スイッチ37が押し操作されている間だけ、噴射ノズル6が空気をタイヤ2に向けて噴射し、配管11内及び噴射ノズル6内の消毒液が外部へ排出されるとともに、車両1に付着した消毒液の液滴が除去される。
【0043】
次いで、車両1の運転席に乗った運転者は、不凍液用スイッチ38を所望時間、押し操作する。
【0044】
すると、不凍液用スイッチ38が押し操作されている間だけ、噴射ノズル6が不凍液をタイヤ2に向けて噴射し、配管11内及び噴射ノズル6内が不凍液で満たされる。
【0045】
このように、各スイッチ36,37,38,39を順次押し操作することで、寒冷地の冬期間でも車両1のタイヤ2の消毒を行うことができる。
【0046】
また一方、冬期間以外で、気温が氷点下にはならず、消毒液が凍結するおそれがない場合(夏期間等)には、図4(c)に示すように、車両1の運転席に乗った運転者は、消毒液用スイッチ36のみを所望時間押し操作して噴射ノズル6から消毒液を噴射させて(消毒液用スイッチ36を押している間のみ消毒液が噴射し、離すと噴射停止)、タイヤ2の消毒を行えばよい。
【0047】
そして、このようなタイヤ消毒装置1によれば、車両1の各タイヤ2に対向する噴射ノズル6は、消毒液、空気及び不凍液を噴射可能であるため、寒冷地での冬期間においても、消毒液の凍結を防止でき、車両1のタイヤ2を適切に消毒できる。よって、菌やウイルス等の活動が活発になる低温乾燥時であっても十分な消毒効果を得ることができ、畜産施設の家畜が伝染病に感染することを適切に防止できる。
【0048】
また、車両1の運転席に設置される操作手段32は、少なくとも全自動用スイッチ35、消毒液用スイッチ36、空気用スイッチ37、不凍液用スイッチ38及びノズルヒーター用スイッチ39を有するため、操作性が良好であり、しかも冬期間や夏期間に対して適切に対応できる。
【0049】
さらに、噴射ノズル6を加熱するノズルヒーター8を備えるため、噴射ノズル6の先端部に付着した氷による噴射口の詰まりを適切に解消することができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態について図5を参照して説明する。
【0051】
この図5に示すタイヤ消毒装置3は、消毒液タンク16及び不凍液タンク17のほかに、圧縮された空気(乾燥空気が好ましい)が貯留された空気タンク(エアータンク)41を備えている。この空気タンク41は、接続管部42を介して電磁弁22に接続されている。そして、全自動用スイッチ35の操作の際及び空気用スイッチ37の操作の際に、空気タンク41からの空気が配管11内を通って噴射ノズル6から噴射される。その他の構成は、第1の実施の形態と基本的に同じである。
【0052】
なお、空気タンク41内の空気を加熱するタンクヒーター(加熱手段)を空気タンク41に設けてもよい。
【0053】
また、車両(トラック)1がブレーキ用の空気タンク(圧縮タンク)を備えている場合には、その車両1の空気タンクからの空気を配管11内に供給するようにしてもよい。
【0054】
また一方、いずれの実施の形態でも、圧送手段であるポンプは1台である構成について説明したが、例えば消毒液、空気及び不凍液のそれぞれに対応する3台のポンプを設けた構成等でもよい。
【0055】
さらに、ポンプは、電力で駆動するモータ部を有するものには限定されず、例えば車両1のエンジンからの動力で作動するポンプでもよい。
【0056】
また、タイヤ2と対向する流体噴射部は、流体を高圧で噴射する噴射ノズル6には限定されず、例えば流体を低圧噴射(吐出)する管端部(配管の下流端部)でもよい。
【0057】
さらに、消毒液、空気及び不凍液が流動する配管11を加熱する配管加熱手段(配管ヒーター)を配管11の外周側に設けてもよい。
【0058】
また、配管11や噴射ノズル6を加熱する加熱手段は、車両1のエアコンからの温風等を利用してもよい。
【0059】
さらに、操作手段32は、例えばノズルヒーター8の作動時間を設定するための操作部や、全自動の際における各噴射時間(消毒液の噴射時間、空気の噴射時間、不凍液の噴射時間)を設定するための操作部を有してもよい。
【0060】
また、タイヤ消毒装置1は、車両1のタイヤ2のみを消毒するものには限定されず、タイヤ2に加えて、例えばタイヤハウジング7や車両1の底部等、車両1の他の部分を消毒するようにしてもよい。
【0061】
さらに、例えば夏期間には不凍液タンク17を消毒液タンクとして使用することも可能であり、そのために排出バルブ28及びバルブヒーター29も必要である。なお、不凍液タンク17を消毒液タンクとして使用することがない場合には、排出バルブ28及びバルブヒーター29は必ずしも必要ではない。
【0062】
また、例えば噴射ノズル6の詰まり(例えば氷による詰まり等)を検知する検知手段を設けて、この検知手段の検知に基づいてノズルヒーターが作動する構成でもよく、また、例えば温度センサーの検知温度に基づいてノズルヒーター8が作動する構成でもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 車両
2 タイヤ
3 タイヤ消毒装置
6 流体噴射部である噴射ノズル
8 加熱手段であるノズルヒーター
11 配管
16 消毒液タンク
17 不凍液タンク
32 操作手段
35 全自動用スイッチ
36 消毒液用スイッチ
37 空気用スイッチ
38 不凍液用スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5