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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】外形可変先端部を有する内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220322BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20220322BHJP
   A61B 1/05 20060101ALI20220322BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20220322BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
A61B1/00 715
A61B1/00 632
A61B1/018 513
A61B1/05
A61B1/12 521
G02B23/24 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018526491
(86)(22)【出願日】2016-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-06
(86)【国際出願番号】 US2016045417
(87)【国際公開番号】W WO2017027299
(87)【国際公開日】2017-02-16
【審査請求日】2019-07-24
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】14/821,579
(32)【優先日】2015-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518043036
【氏名又は名称】エンライトンビュー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ENLIGHTENVUE LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クハルスキ、ロバート、シー.
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム、ポール、アイ.
(72)【発明者】
【氏名】バサドンナ、ジャコモ
(72)【発明者】
【氏名】ブランケンシップ、ラリー、オー.
(72)【発明者】
【氏名】バックナム、ローラ、イー.
【合議体】
【審判長】福島 浩司
【審判官】伊藤 幸仙
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0184233(US,A1)
【文献】米国特許第5025778(US,A)
【文献】特開2014-226338(JP,A)
【文献】特開2011-067399(JP,A)
【文献】特表2008-538709(JP,A)
【文献】欧州特許第3331419(EP,B1)
【文献】米国特許第9913570(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子内視鏡であって、
ハブと、
該ハブから延在し、外径(D)を有するシャフトと、
該シャフトの遠位部分から延在している拡張可能な遠位先端部と、
該遠位先端部内にありかつ該内視鏡から外の視野を有する、画像センサと、
該遠位先端部内にありかつ該画像センサの該視野内で発光するように構成された、照明要素と、
単一の管材であって、前記ハブから前記拡張可能な遠位先端部まで延在し、近位部分及び外形可変部分を含み、前記近位部分は前記シャフト内にあり、前記外形可変部分は該遠位先端部内にあり、該遠位先端部内の前記画像センサと拡張可能な外側カバーとの間まで延在する単一の管材を有する作業チャネルであって、
該作業チャネルの該外形可変部分は、全体に非円形の断面形状から異なる断面形状へと変化して、器具の通過に対処するように適合され、
該遠位先端部は、該作業チャネルの該外形可変部分が該異なる断面形状を有するとき、Dより大きい直径を有し、
該作業チャネルは、該作業チャネルの該近位部分の直径全体および該シャフトの該外径Dを大きくすることなく、該作業チャネルの該近位部分を通る該器具の通過に対処するように適合されている、該作業チャネルと、
単一の管材であって、前記ハブから前記拡張可能な遠位先端部まで延在し、近位部分及び外形可変部分を含み、前記近位部分は前記シャフト内にあり、前記外形可変部分は該遠位先端部内にあり、該遠位先端部内の前記画像センサと前記拡張可能な外側カバーとの間まで延在する単一の管材を有する第二チャネルであって、
該第二チャネルの該外形可変部分は、全体に非円形の断面形状から異なる形状へと変化して、該第二チャネルを通る流体または第二の器具の通過に対処するように適合され、
該遠位先端部は、該第二チャネルの該外形可変部分が該異なる形状を有するとき、Dより大きい直径を有し、
該第二チャネルは、該第二チャネルの該近位部分の直径全体および該シャフトの該外径Dを大きくすることなく、該第二チャネルの該近位部分を通る該流体または該第二の器具の通過に対処するように適合されている該第二チャネルと、を備え、
該作業チャネルの該外形可変部分及び該第二チャネルの該外形可変部分は、該画像センサの周りに円周方向に分配され、それにより、該画像センサは、該作業チャネルと該第二チャネルとの間に配置される、電子内視鏡。
【請求項2】
前記拡張可能な外側カバーは、前記作業チャネルの前記外形可変部分が前記異なる断面形状を有するとき、または、前記第二チャネルの前記外形可変部分が前記異なる形状を有するときに、前記遠位先端部において全体に非円形の断面形状へと拡張するように構成されている、請求項1記載の電子内視鏡。
【請求項3】
前記作業チャネルおよび前記拡張可能な外側カバーは、生体適合性エラストマー製の管材を含む、請求項2記載の電子内視鏡。
【請求項4】
前記作業チャネルはポリイミド管材を含み、前記拡張可能な外側カバーはシリコーン・ゴムを含む、請求項2記載の電子内視鏡。
【請求項5】
前記第二チャネルは、前記遠位先端部内で全体に前記非円形の断面形状を有する洗い流しチャネルであり、該洗い流しチャネルは、前記ハブから前記遠位先端部まで流体を運ぶように構成され、該洗い流しチャネルを通る流体の流れに応じて形状が変化するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項記載の電子内視鏡。
【請求項6】
前記拡張可能な外側カバーは、前記洗い流しチャネルの形状が変化するときに、前記遠位先端部において全体に非円形の断面形状へと拡張するように構成されている、請求項5記載の電子内視鏡。
【請求項7】
Dは約2.0mm以下である、請求項1~6のいずれか一項記載の電子内視鏡。
【請求項8】
前記作業チャネルの前記外形可変部分は、Dの少なくとも50%に等しい直径を有する円形の断面形状を有する前記器具の通過に対処するような、前記異なる断面形状をとることができる、請求項1~7のいずれか一項記載の電子内視鏡。
【請求項9】
前記作業チャネルの前記外形可変部分は、Dの少なくとも60%に等しい直径を有する円形の断面形状を有する前記器具の通過に対処するような、前記異なる断面形状をとることができる、請求項8記載の電子内視鏡。
【請求項10】
前記作業チャネルの前記外形可変部分は、Dの少なくとも95%に等しい直径を有する円形の断面形状を有する前記器具の通過に対処するような、前記異なる断面形状をとることができる、請求項9記載の電子内視鏡。
【請求項11】
遠位先端部を有する単回使用の内視鏡であって、
光源を封入しているハブ部分と、
該ハブ部分から延在するシャフトと該シャフトの遠位部分から延在する該遠位先端部とを有する挿入部分であって、(i)該遠位先端部における拡張可能な外側シース、(ii)該シャフト及び該遠位先端部内に延在し、該光源から光を運びその光を該遠位先端部から照明されるべき対象上に投射するための、光伝送系、(iii)該遠位先端部のほぼ中央に配置されかつ該照明された対象の画像を取り込むように構成された、画像センサ、ならびに(iv)該シャフト内を該ハブ部分から拡張可能な該遠位先端部まで延在している単一の管材をそれぞれ含む作業チャネル及び第二チャネルであって、各管材は、該シャフト内の近位部分と、拡張可能な該遠位先端部内の外形可変部分とを含む作業チャネル及び第二チャネルを有する、挿入部分と、を備え、
該作業チャネルの該外形可変部分は、該遠位先端部において、該画像センサの側面と該拡張可能な外側シースとの間に画定された空間の少なくとも一部内に収まるように適合された、薄い外形構成、ならびに、器具の通過に対処するのにおよびそれらが該遠位先端部から外に延在するのを可能にするのに十分な断面形状を有する、拡大された外形構成を有し、
該外形可変部分が該器具に対処するように該拡大された構成をとるとき、該拡張可能な外側シースは該遠位先端部において全体に非円形の形状を有し、
該第二チャネルの該外形可変部分は、該遠位先端部において、該画像センサの側面と該拡張可能な外側シースとの間に画定された空間の少なくとも一部内に収まるように適合された、薄い外形構成、ならびに、該第二チャネルを通る流体または第二の器具の通過に対処するのにおよびそれらが該遠位先端部から外に延在するのを可能にするのに十分な断面形状を有する、拡大された外形構成を有し、
該外形可変部分が該流体または該第二の器具に対処するように該拡大された構成をとるとき、該拡張可能な外側シースは該遠位先端部において全体に非円形の形状を有する、単回使用の内視鏡。
【請求項12】
前記作業チャネルの前記外形可変部分は、前記画像センサを前記光伝送系に対して移動させることなく、前記拡大された構成をとるように適合されている、請求項11記載の単回使用の内視鏡。
【請求項13】
前記遠位先端部における前記挿入部分の外径(D)は、前記薄い外形構成において、約2.0mm以下である、請求項11または12記載の単回使用の内視鏡。
【請求項14】
前記作業チャネルの前記外形可変部分は、前記遠位先端部における前記挿入部分の前記外径(D)の少なくとも50%に等しい直径を有する円形の断面形状を有する器具の通過に対処するような、前記拡大された構成をとることができる、請求項11~13のいずれか一項記載の単回使用の内視鏡。
【請求項15】
前記作業チャネルの前記外形可変部分は、Dの少なくとも95%に等しい直径を有する円形の断面形状を有する器具の通過に対処するような、前記拡大された構成をとることができる、請求項14記載の単回使用の内視鏡。
【請求項16】
近位端、遠位端、およびその遠位端における視野を有する内視鏡であって、
該近位端に、またはその近くにあるハブと、
該ハブから延在し、外径(D)を有するシャフトと、
該シャフトから該遠位端まで延在しておりかつ該視野内の画像を取り込むように構成されたセンサを有する、拡張可能な遠位先端部と、を備え、
作業チャネル、洗い流しルーメン、及び、光ガイドが、該シャフトおよび該遠位先端部内を該ハブから該遠位端まで延在しており、該作業チャネルおよび該洗い流しルーメンのそれぞれが、該ハブから該遠位端まで延在する単一の管材を有し、
該シャフトに沿った点における該内視鏡の第1の断面は、該洗い流しルーメン、該光ガイド、該作業チャネルの全体に円形の断面、および該センサから該ハブまで延在しているケーブル、を含み、
該遠位先端部に沿った点における該内視鏡の第2の断面は、該センサ、該作業チャネル、該洗い流しルーメン、および該光ガイドを含み、該第2の断面における該作業チャネルおよび該洗い流しルーメンの両方は、該拡張可能な遠位先端部内で、全体に非円形の薄い外形構成から拡大された外形構成へと互いに独立して変形するように適合され、
前記第2の断面における前記作業チャネルは、前記シャフトの前記外径(D)の少なくとも95%に等しい直径を有する円形の断面形状を有する器具の通過に対処するような、前記拡大された構成をとることができる、内視鏡。
【請求項17】
前記拡張可能な遠位先端部は、前記作業チャネルまたは前記洗い流しルーメンのいずれかが前記拡大された外形構成となっているときに全体に非円形の断面形状をとるように適合された、エラストマー製の外側シースを備える、請求項16記載の内視鏡。
【請求項18】
前記第1の断面における前記内視鏡の外径(D)は約2.0mm以下である、請求項16または17記載の内視鏡。
【請求項19】
前記シャフトの外径(D)に対する、前記拡張可能な遠位先端部(1)を有する前記内視鏡部分の長さの比は、約4:1未満である、請求項18記載の内視鏡。
【請求項20】
前記作業チャネルの前記外形可変部分および前記第二チャネルの前記外形可変部分のそれぞれが前記非円形の断面形状を有するとき、前記遠位先端部の直径がD以下である、請求項1~6のいずれか一項記載の電子内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される技術は一般に、体腔、空洞、または他の閉鎖空間内で撮影を行うためのデバイスおよび方法に関し、より具体的には、様々な用途のための(例えば、関節鏡下膝手術用の)単回使用の電子内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の診断および治療には多くの場合、内部の器官および構造の検査が含まれる。「直視下手術」では、患者の皮膚および肉に、外科的な大きな切れ目または切開部が生じる。そのようにすることで、医師は処置されている領域の中を直接見、そこに到達することができる。しかしながら、大きな外科的創傷は、相当な患者の苦痛をもたらし、手術中および手術後に患者に苦痛を与えないようにするための、麻薬などの強力な麻酔および鎮痛薬の使用を伴い、治癒するのに多くの場合かなりの時間を要し、術後の患者の活動を制限する(特に処置領域に到達するために筋肉が切断される場合)。
【0003】
付近の組織を侵害しないように、医師は、管、オリフィス、身体の開口部、または他の空間を探査するために、様々な撮像技術を使用する。かかるデバイスは、大きな切開部なしでは到達困難な空間の遠隔視を可能にし、血管内視鏡、関節鏡、ボアスコープ、膀胱鏡、内視鏡、およびファイバスコープを含め、様々な名前で呼ばれている。
【0004】
関節鏡検査法の使用がますます広まっている。一般的な関節鏡手技は、半月板の断裂した軟骨部分の除去または修復、靭帯および腱の再構築、遊離残屑の除去、および損傷した関節軟骨のトリミングまたはシェービングよって、様々な身体関節内の損傷した組織を検査および処置する。米国スポーツ医学整形外科学会(American Orthopedic Society for Sport Medicine)によれば、世界中で毎年4百万例を超える膝関節鏡検査および140万例を超える肩関節鏡検査が行われている。肩、肘、足首、臀部、および手首などの他の関節も、関節鏡検査法によって見ることができる。
【0005】
内視鏡は、光源およびカメラを有する。ファイバスコープ(または光ファイバ内視鏡)は、視野を照明する光を導くための照明ファイバまたは光ガイド、および、照明されたエリアの画像をカメラに転送するための撮像用ファイバ束の両方を含む。診断用の関節鏡検査法では、デバイスを患者の関節内に導入した後で、医師はその関節内に発光させる。カメラは関節の画像を提供し、次いでビデオ・モニタ上でそれを見る。デバイスを通して対象の関節を見ることにより、医師は大きな切開部を設ける必要がない。無菌流体を使用して関節が拡張され、これにより関節領域における視認性が高まり、医師の作業が容易になる。これらの単孔式手技は、医師の診療室、および「ウォーク・イン」または外来外科手術センターにおいて、例えば2.0mm光ファイバ関節鏡を使用して行われてきた。通常はこれらの診断手技は、検査する領域を麻痺させるための局所麻酔下で行われ、患者は手技の間を通して覚醒したままである。
【0006】
患者の関節に対して積極的に処置または手術を施すために、他の内視鏡が使用される。医師は内視鏡を関節内に挿入する。手術中に他の器具を使用して切断、シェービング、関節内の小片の除去、または組織の修復を可能にするために、追加の穴または切開部を設けることができる。別法として、内視鏡は、外科用器具(例えば、生検鉗子および他の器具)が滑動して関節に出入りできるようにする、作業チャネルを含み得る。
【0007】
手術用のまたは治療用のかかる関節鏡外科手術には、限界がある。関節鏡検査用の作業チャネルを有する手術用の内視鏡の直径は、典型的には3~4mmである。このため、手技全体が、より小さい診断用の内視鏡を使用するときよりも、より侵襲性が高くかつ患者にとってより負担の重いものとなる。
【0008】
手術用の関節鏡検査手技には、生死に関わるリスクが存在し得る。特に手術用の介入性関節鏡検査のために、リスクを伴いつつも、全身麻酔が使用され得る。不慮の患者感染を回避するため、医師は無菌の技法および機器を使用する。
【0009】
かかるリスクは些末なことではない。ロナルド・レーガンUCLA医療センターは、最新の最低侵襲性の内視鏡手技の実施における旗手である。2015年2月、この病院で、内視鏡手技の施術中、179人もの人が薬剤耐性バクテリアに曝露された。報道によれば、これらの人のうち7人がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染し、これらの患者のうち2人が死亡した。
【0010】
米国食品医薬品局は、全ての医療従事者に、複雑な内視鏡手技のための医療用内視鏡の使用に関する、全般的な警告を発表した。一部の内視鏡の複雑な設計は、これら再利用可能なデバイスの清浄化、消毒、および殺菌を阻害する。
【0011】
従来知られている内視鏡は、かなりの初期コストおよび使用ごとの殺菌の必要性を含め、いくつかの欠点を有する。かかる殺菌処置は、時間がかかり、また更なる費用につながる。
【0012】
Gattoの米国特許第6,840,909号は、乳管から組織および細胞を除去するためのデバイスについて記載している。デバイスはその遠位端に、剛性または半剛性のカニューレ・チューブを有する。このカニューレは、0.5mmから約1.2mmまでの範囲の外径を有し、内視鏡用の案内管として働く。生検用の細胞および組織を得るために、医師はカニューレ・チューブ自体を操作して、組織から細胞を剥離させる。生理食塩水を領域内に注入し続いて真空を適用することによって、この水および剥離された細胞が患者から引き出される。
【0013】
Mukherjeeの米国特許第8,323,181号は、外径が約1から2mmである挿入端部を有する内視鏡について記載している。図5は、可撓性のポリアミド製シースを有する内視鏡の挿入端部の先端部を示している。シースの中には、画像束焦点レンズ、2つのレーザ焦点レンズ、および照明のために使用される光ファイバ束が封入されている。
【0014】
Farrの米国特許第8,858,425号は、取り外し可能でありプラグ接続可能でありかつ使い捨ての光電子モジュールを有する内視鏡について記載している。図7bは、遠位端702を体内に挿入した後で使い捨てのカニューレ700を通して挿入可能な、外科用器具750を示している。この遠位端702は可撓性になっており、このため、患者内への挿入後にカニューレの遠位先端部702の全体が放射方向に拡張可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
これは、出願当初の請求項に範囲が相当する、記載される技術の全般的な概要である。本技術は、従来知られている手術用の内視鏡の欠点を克服し、単回使用のまたは使い捨ての、低コストな、外形可変遠位先端部を有する電子内視鏡を提供する。本技術は、以下に記載する本発明を実施するための特定の様式(「実施形態」とも呼ばれる)に類似したおよびそれらとは異なる、様々な形態を包含している。これらの記載される内視鏡は、本技術のいくつかの可能な形態の簡潔な概要を提供することを意図しており、記載される技術の全範囲または特徴の全ての包括的な開示としては意図されておらず、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
1つの態様では、電子内視鏡はハブを有する。ハブからシャフトが延在している。シャフトから拡張可能な遠位先端部が延在している。遠位先端部内の画像センサは、内視鏡から外の視野を有する。遠位先端部内の光源は、画像センサの視野内で発光する。
【0017】
ハブから作業チャネル内のシャフトに沿って遠位先端部まで、器具を通すことができる。遠位先端部にある外形可変作業チャネルは、近位のシャフトにおいて内視鏡の全体サイズを大きくすることなく、1つ以上の器具が画像センサを通過してその視野内まで移動することを可能にする。作業チャネルは、比較的コンパクトな全体に非円形の断面形状から、異なる拡大された断面形状へと変化する。この形状変化により、器具が作業チャネルを通過するのに対処することができ、最初に患者内に挿入するときに内視鏡を比較的薄い外形にすることも可能になる。
【0018】
別の態様では、遠位先端部を有する単回使用の内視鏡は、光源を封入しているハブ部分、およびハブ部分から延在している挿入部分(患者の身体に挿入可能な部分)を有する。挿入部分は、内視鏡の遠位先端部にある拡張可能な外側シースを含む。挿入部分内の光伝送系は、光源からの光を運び、その光を遠位先端部から照明されるべき対象へと投射する。遠位先端部のほぼ中心に配置された画像センサが、照明された対象の画像を取り込む。
【0019】
ハブ部分から内視鏡の遠位先端部まで、外形可変作業チャネルが延在している。作業チャネルの薄い外形構成または縮小された外形構成は、画像センサと拡張可能な外側シースとの間に画定された空間の少なくとも一部内に嵌合する。拡大された外形構成は、器具が画像センサを通過することおよび内視鏡の遠位先端部から外に延在することを可能にするのに十分な断面形状を有する。作業チャネルが拡大された外形構成となっているとき、拡張可能な外側シースは、遠位先端部において全体に非円形の形状を有する。
【0020】
更なる態様では、内視鏡は、近位端、遠位端、およびその遠位端における視野を有する。ハブは、近位端に、またはその近くにある。挿入部分は、ハブから遠位端に向かって延在している。拡張可能な遠位先端部は、挿入部分から遠位端まで延在しており、センサを有する。センサは視野内の画像を取り込む。作業チャネル、洗い流しルーメン、および光ガイドが、挿入部分内をハブから遠位端まで延在している。挿入部分に沿った点において、内視鏡は、洗い流しルーメン、光ガイド、作業チャネルの全体に円形の断面、およびセンサからハブまで延在しているケーブルを有する断面を有する。
【0021】
断面は、遠位先端部に沿った別の点では異なっている。この第2の断面は、センサ、作業チャネル、洗い流しルーメン、および光ガイドを有する。この第2の断面においては、作業チャネルおよび洗い流しルーメンの両方が、独立して変化可能な外形を有する。各々が、全体に非円形の薄い外形構成から拡大された外形構成へと変形する。拡大された外形構成により、1つ以上の器具が作業チャネルを通過することが可能になるか、または、液体が洗い流しルーメンを通って移動することができる。
【0022】
これらの内視鏡は、多くの変形形態が可能である。例えば、挿入部分の外径(D)に対する、拡張可能なまたはエラストマー製の作業チャネルを有する内視鏡部分の長さ(l)の比は、約5:1から約1:1までの範囲であり、好ましくは約4:1未満、最も好ましくは約2:1未満である。
【0023】
開示される内視鏡のうちの少なくともいくつかにおいては、拡張可能な作業チャネルは、光伝送系に対して画像センサを移動させることなく、拡大された外形をとる。例えば、拡張可能な遠位先端部はエラストマー製のシースを有することができ、これは、作業チャネルまたは洗い流しルーメンのいずれかが拡大されるときに、全体に非円形の断面形状をとる。他の開示される内視鏡においては、先端部が拡張して器具が通れるようになっている間、カメラは一方向に僅かに移動する。器具が姿を現し拡張が完了すると、カメラを位置直しすることができる。カメラを通した後で、カメラをそれ以上移動させないような動きの範囲で、器具を前方または後方に押すことができる。
【0024】
拡張可能な外側シース、洗い流しルーメン、および外形可変作業チャネルは、様々な殺菌可能な生体適合性ポリマー材料から作製できる。各々を、生体適合性エラストマー製の管材を有する材料から作製可能であり、これらは同じ材料であっても異なる材料であってもよい。加えて、洗い流しルーメンおよび外形可変作業チャネルは、生体適合性の非エラストマー材料から作製できる。拡大された作業チャネルは、挿入部分の外径(D)の少なくとも50%に等しい、好ましくはDの少なくとも60%に等しい、最も好ましくはDの少なくとも95%に等しい直径を有する、円形の断面形状を有する器具の通過に対処できる。洗い流しルーメンまたは作業チャネルのいずれかが拡大されるとき、外側シースは全体に非円形の断面形状をとる。
【0025】
記載される電子内視鏡は、様々な手術用のまたは治療用の手技(例えば、関節鏡検査法、胆石インターベンション、婦人科内視鏡検査、腎臓結石インターベンション、耳鼻咽喉科内視鏡検査、泌尿器科内視鏡検査)にとって有用である。かかる使い捨ての内視鏡は再度の殺菌を必要とせず、比較的小さなパッケージにおいて良好な視覚化を実現できるが、その理由は、内視鏡の患者に挿入される部分の外径が約2mm以下であるからである。これにより、一般開業医による自身の診療室での外来患者ごとの治療用の内視鏡の使用が容易になり、また、病院の手術室で行われる手技のスケジューリングに関連する遅延およびコストが回避される。
【0026】
これらの内視鏡の組立ておよび使用の方法も提供される。
【0027】
本技術について、ここまで簡潔に記載してきた。この「概要」は選ばれた概念を簡略化された形態で紹介しているが、それらについて、「発明を実施するための形態」におけるものを含め、本願の全体を通して更に記載する。この「概要」は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することは意図しておらず、また、本明細書に添付された特許請求の範囲を何らかの形で限定することも意図していない。上述の特徴およびこれから以下で説明されることになる特徴は、述べられた組み合わせにおいてのみならず、他の組み合わせにおいてもまたは単独でも、本願の範囲から逸脱することなく使用できる。以下のテキストおよび添付の例示的な図面を考慮することによって、上記した例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、当業者には、記載される技術のこれらのおよび他の目的、特徴、および利点のより完全な理解ならびに実現がもたらされるであろう。
【0028】
記載される技術を説明しまたそれ以外に本技術の上記のおよび他の特徴および利点を明らかにするために、添付の例示的な図面に図示される特定の実施形態を参照して、より具体的な記載が以下に提供される。これらの図面は、記載される技術の選ばれた様式を描写しており、その範囲を限定するものと見なされるべきではない。本技術は、全体を通して同様の参照番号が同様の部分を指す、これらの図面の使用を通して、更に具体的かつ詳細に記載され説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本願において概説された原理により構築された、例示的な内視鏡の概略図である。
【0030】
図2a図1の内視鏡の、拡張されていない構成をとっている拡張可能先端部の斜視図である。
【0031】
図2b図2aの断面に沿って取られた、図1の拡張可能先端部の断面図である。
【0032】
図2c】非円形のカメラを有する内視鏡の、拡張されていない構成をとっている拡張可能先端部の斜視図である。
【0033】
図3】外側カバーシースの下にある、図2aおよび図2bの内視鏡の、拡張されていない先端部構成要素の図である。
【0034】
図4図1の内視鏡の、拡張された構成をとっている拡張可能先端部の図である。
【0035】
図5】遠位ハブ筐体を取り外した、図1の連結ハブの拡大図である。
【0036】
図6】全筐体を取り外した、図1の連結ハブの内側の構成要素の図である。
【0037】
図7図1の連結ハブの内側のPCA(プリント回路組立体)ボードの図である。
【0038】
図8】内視鏡照明系の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
提供される図面は例示的なものであり、この技術は示される配置構成に厳密に限定されるものではない。記載される技術は、図面に描写されていない様々な他の様式で実行することができる。本開示の図面および角度は、本技術の属性をはっきりと描出するために常に正確な縮尺では描かれておらず、本開示の典型的な態様を描写することが意図されており、記載される技術の広さ、範囲、または適用可能性を限定するものと見なされるべきではない。記載される技術の追加の特徴および利点は、以下の「発明を実施するための形態」に明記されており、そこから明らかになるであろう。
【0040】
記載される技術の様々な例示の態様が各図において図示され以下で検討されるが、これらは、この技術の様々な態様および例の製造および使用を可能にするために提示されている。特定の材料、技法、および用途についての記載は、例として提供されている。以下の図面、実施例、または考察から、本技術の範囲および以下の特許請求の範囲の範囲に対する限定を導き出すべきではない。
【0041】
本願は、外形可変先端部を有する電子内視鏡、特に、単回使用のまたは使い捨ての、低コストの、外形可変作業チャネルを有する電子内視鏡を提供する。
【0042】
ある内視鏡においては、電子内視鏡は、患者の身体の外側に留まるハブを有する。ハブは医師が内視鏡を操作するために使用される。このハブから、細長い可撓性のシャフトが延在している。これは、内視鏡の患者の身体に挿入可能な部分である。ハブから最も遠く離れているシャフトの端部から、拡張可能先端部が延在している。これは遠位先端部である。この拡張可能な遠位先端部は、医師が患者の身体の内側を見ることを可能にするセンサ、および、医師が付近の構造を処置または手術することを可能にする作業チャネルを有する。特に、遠位先端部内に相補形金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサが位置付けられ、これは内視鏡から外の視野を有するが、他のセンサも使用可能である。遠位先端部内の1つ以上の照明用ファイバが、画像センサの視野内で発光する。
【0043】
遠位先端部は外形可変作業チャネルを有する。作業チャネルは、1つ以上の器具(例えば、アブレーション・デバイス、カニューレ、ディセクタ、電極、鉗子、把持器、ノット・プッシャー、レーザ・ファイバ、持針器、吸引および灌流器具、トロカール、および他の器具)が、内視鏡内をハブから画像センサの前方視野まで通るのを可能にする。外形可変作業チャネルは、器具が画像センサの脇を通ることができるように形状を変えることができる。例えば、拡張可能な作業チャネルは、全体に非円形の断面形状から、器具の通過を可能にする異なる拡大された断面形状へと変化することができる。
【0044】
別の内視鏡は、光源を封入しているハブを有する。医師はハブを使用して内視鏡を操作する。ハブから挿入部分が延在している。内視鏡の(ハブから最も遠い)遠位先端部において、挿入部分は拡張可能な外側シースを有する。光伝送系によって、ハブから照明されるべき対象上に遠位先端部を越えて光が運ばれる。内視鏡の遠位先端部のほぼ中心に、画像センサが位置付けられる。センサは照明された対象の画像を取り込む。
【0045】
ハブから内視鏡の遠位先端部まで、外形可変作業チャネルが延在している。作業チャネルは、拡張可能な外側シースの内側に位置付けられている。作業チャネルの薄い外形構成は、画像センサと拡張可能な外側シースとの間に画定された空間内に嵌合する。作業チャネルの拡大された外形構成により、器具が移動して画像センサを通過し遠位先端部から出ることができる。作業チャネルが拡大された外形構成となっているとき、拡張可能な外側シースは、遠位先端部において全体に非円形の形状を有する。
【0046】
更に別の内視鏡は、医師に最も近い近位端、反対側の端部にある遠位端、およびこの遠位端における視野を有する。ハブは近位端にある。内視鏡のハブから遠位端に向かって延在している部分は、「挿入部分」と名付けることができる。医師の必要に応じて、挿入部分の一部または全体を患者に挿入することができる。ハブは患者の外側に留まる。
【0047】
拡張可能な遠位先端部は、挿入部分から遠位端まで延在しており、視野内の画像を取り込むように構成されたセンサを有する。挿入部分内をハブから遠位端まで、作業チャネル、洗い流しルーメン、および光ガイド(例えば、1つ以上の光ファイバ)が延在している。挿入部分に沿った点において、内視鏡は、洗い流しルーメン、光ガイド、作業チャネルの全体に円形の断面、およびセンサからハブまで延在しているケーブルを含む断面を有する。
【0048】
遠位先端部に沿った異なる点において、内視鏡は異なる断面を有する。この異なる断面は、画像センサ、作業チャネル、洗い流しルーメン、および光ガイドを有する。作業チャネルおよび洗い流しルーメンの両方は、その外形を変えることができ、このことを互いに独立して行うことができる。各々が全体に非円形の薄い外形構成をとることができる。各々はまた、器具が作業チャネルを通過するのに対処するような、または液体が洗い流しルーメンを通過するのに対処するような、拡大された外形をとることもできる。
【0049】
上で簡潔に記載された内視鏡の各々は、拡張可能な遠位先端部、外形可変作業チャネル、および任意選択的に、拡張可能な洗い流しルーメンを有する。これらの3つの構造が作製される材料は、同じであっても異なっていてもよい。生体適合性エラストマー材料(例えば、シリコーン・ゴム、熱可塑性エラストマー(TPE))を使用して、3つ全ての構造を作製することができる。TPEとしては、コポリエステルエラストマー(例えば、DSMのARNITEL(登録商標))、ポリエーテルブロックアミド(例えば、ArkemaのPEBAX(登録商標))、ポリエーテルポリエステルブロックコポリマー(例えば、Du PontのHYf REL(登録商標))、ポリオレフィンエラストマー(例えば、Dow ChemicalのENGAGE(登録商標))、ポリウレタンエラストマー(例えば、Dow ChemicalのPELLETHANE(登録商標))、スチレンブロックコポリマー(例えば、AlphaGaryのEVOPRENE(登録商標))、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー(例えば、BASFのSTYROFLEX(登録商標))、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー(例えば、Kraton PolymersのKRATON(登録商標))、ならびに、熱可塑性加硫物(例えば、ExxonMobilのSANTOPRENE(登録商標)およびGEOLAST(登録商標))が挙げられる。
【0050】
作業チャネルおよび任意選択的な洗い流しルーメンはまた、薄い外形構成から拡大された外形構成へと変化できる非エラストマー材料から作製することもできる(例えば、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはポリ塩化ビニル(PVC))。比較的剛性の器具が作業チャネルを通過するが、この作業チャネルはより耐久性のある丈夫なポリマー材料であるのが都合がよい場合があり、一方、遠位先端部は、拡大された作業チャネルおよび/または拡大された洗い流しルーメンに対処する必要がある。
【0051】
ここで図1を参照すると、内視鏡1は、拡張可能先端部2と、シャフト3と、連結ハブ4と、コネクタ組立体5と、USBコネクタ13と、を有する。示される内視鏡1は、5cmから200cmの間、好ましくは10cmから100cmの間、最も好ましくは12cmから60cmの間の、全体的な作業長さ(シャフト3と遠位先端部2を組み合わせた長さ)を有する。作業長さは、連結ハブ4を患者の身体の外側に維持したままで、内視鏡1の先端部を患者の身体内に位置付けて、関連する解剖学的構造が見えるようにするのに十分であるべきである。
【0052】
シャフト3は、遠位先端部2から連結ハブ4までから延在している。シャフト3は、シャフト3の長手軸を中心にして加えられるトルク(回転)を伝達する。シャフトの近位端に加えられるトルクは、シャフト3の長さに沿って遠位先端部2に伝えられる。一部の内視鏡では、シャフト3は可撓性であり、シャフトの横断軸を中心にして、比較的小さい曲がり半径で曲げることができる。このことにより、医療手技の間、解剖学的構造の周囲で内視鏡を操作することができる。他方で、他の用途では、シャフト3の一部または全部は、剛性または半剛性である。
【0053】
シャフト3は、適切な強度特性(例えば、伸張および圧縮時に可撓性および強度をもたらすこと、ならびに、近位端から遠位端への適切なトルク伝達)を有する、任意の生体適合性材料から作製することができる。シャフト3を作製できる材料としては、生体適合性のポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、およびポリウレタンエポキシが挙げられる。更なる強度または剛性を提供するために、シャフト3に補強材料を組み込むことができる。かかる補強材料としては、銅合金、ニッケル合金(例えばニチノール)、ステンレス鋼、およびポリイミドなどの高弾性プラスチックが挙げられる。
【0054】
連結ハブ4は、器具、洗浄流体、およびスタイレット、ならびに任意選択的な電子機器のための、1つ以上のコネクタ8、9、10を含む。連結ハブ4は、これらの構成要素に対処するサイズおよび形状を有する。連結ハブ4内の電子機器は、以下で検討される内視鏡およびカメラ信号伝達系を動作させるための回路構成を有するPCAを含む。別法として、PCAは、内視鏡の外側の外部制御回路構成への相互接続部として機能し得る。そうではなくハブ4の内部の電子機器が望まれていない場合、ハブ4を非常に小さくすることができ、これは他のチューブ、ワイヤ、および光ファイバの間の接続接合部の役割を果たし得る。
【0055】
ハブ4は、ポリカーボネート、アクリル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、注型エポキシ、熱硬化プラスチックなどの、生体適合性プラスチックで作製される。ステンレス鋼またはチタンの一部のグレードのものなどの、生体適合性材料を使用した成形金属ハウジングもまた可能である。
【0056】
連結ハブ4は、遠位部分18および近位部分19を有する。連結ハブ4は、1つ以上のポートまたはコネクタ8、9、10、およびストレイン・リリーフ特徴部11、12を含む。これらのコネクタ8、9、10は、連結ハブ4とコネクタ8、9、10との間に液密封止を提供するための封止材(例えば、LUER-LOK(登録商標)のロック部品)を含む。
【0057】
コネクタ8、9、10は連結ハブ4に強固に取り付けられ、内視鏡の遠位先端部2において使用できる器具および流体を医師がハブ4において導入するのを可能にする。これは、糊着、熱溶接、熱硬化プラスチックまたはエポキシを用いたポッティング、RF溶接、コネクタをねじ接続で螺着すること、溶剤結合、超音波溶接、またはこれらの工程の組み合わせによって実現できる。これら3つのコネクタ8、9、10のいずれかまたは全てを、ハブ4に入る可撓性のチューブに取り付けることができる。
【0058】
洗い流しチャネル・コネクタ8は、ハブ4における流体の導入を可能にし、この流体は洗い流しルーメン24を通って移動することができる。スタイレット・チャネル・コネクタ9により、ハブ4においてスタイレット(図示せず)をスタイレット・チャネル27に挿入することが可能になる。スタイレットは、内視鏡の可撓性のシャフト3の形状に影響を与えることを意図されている。例えば、300系ステンレス鋼などの材料で作製された展性および弾性を有するワイヤを、所望の曲率または角度へと曲げ、スタイレット・チャネルを通して挿入して、かかる曲率または角度に可撓性の内視鏡を一致させることができる。作業チャネル・コネクタ10により、ハブ4からシャフト3内の作業チャネル28を通って、遠位先端部2内の作業チャネル部分23まで、器具を下ろすことが可能になる。
【0059】
示された内視鏡は単一の外形可変作業チャネルを有するが、2つ以上の作業チャネルが含まれ得ることが企図されている。複数の作業チャネルが採用されるとき、それらは同じサイズであっても異なるサイズであってもよい。一部のまたは全ての作業チャネルは、外形が可変であるという特徴を有し得る。例えば、5mm内視鏡は2つの1.2mm作業チャネルを有することができ、これらはいずれも、外形が可変であるという特徴を有する。
【0060】
同様に、図1は、それぞれ洗い流しルーメン、スタイレット、および作業チャネル用の、3つのコネクタ8、9、10を示している。この特定の内視鏡の、洗い流しルーメン、スタイレット、および作業チャネルの特徴のために、少ない場合で1つのコネクタを、または必要なだけ多くのコネクタを、使用できることが企図されている。例えば、2つの作業チャネル、1つのスタイレット、および1つの洗い流しルーメンを有する内視鏡は、4つの別個のコネクタを有し得る。
【0061】
電気ケーブル5およびUSBコネクタ13は、連結ハブ4内の回路構成と外部デバイスとの間のインタフェースを提供する。図1では、単一のケーブル5は、連結ハブ4からUSBコネクタ13まで延在している。このケーブル5は、連結ハブ4内の光源に電力供給するための導体を有し、また、カメラ22が出力した信号をUSBコネクタ13に送信するための接点を有する。複数のケーブル、例えば、連結ハブ4内の発光ダイオード(LED)光源に電力を導通する第1のケーブル5、および、カメラ22から受信した信号を送信する、別個の第2のケーブル(図示せず)を使用することができる。
【0062】
USBコネクタ13は、外部制御/表示デバイスに、または、USB信号を外部制御または表示デバイスが使用する信号に翻訳する、電子インタフェース・ボックス内に接続する。USBコネクタ13はまた、電子内視鏡に電力を提供する。図1にはUSBコネクタが示されているが、以下で検討するように、他の有線接続部(例えば、HDMI(登録商標))および無線接続部(例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi)もまた可能である。
【0063】
連結ハブ4は、曲げ力を含め、使用中様々な力を受ける。ストレイン・リリーフ特徴部11、12は、これらの力からハブ4およびその構成要素を保護する。例えば、図1は、遠位のストレイン・リリーフ部11および近位のストレイン・リリーフ部12を示している。ストレイン・リリーフ特徴部11、12は、様々な材料から作製することができる。これらは、射出成形された比較的固い熱可塑性物質(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))、または既に特定したTPEなどのより可撓性の高い材料を含む。TPEが使用されるとき、これは好ましくは、拡張可能先端部の構成要素よりも高いデュロメータ硬さ値を有する。
【0064】
図2aおよび図2bは、斜視図および断面図の両方で、内視鏡1の遠位端を示している。図2aでは、拡張可能先端部2は、拡張可能な外側カバー21を有する。遠位端において、拡張可能先端部2内の構造が示されており、これは、外形可変作業チャネル23、拡張可能な洗い流しチャネル24、3つの照明ファイバ25、およびカメラ22を含む。遠位先端部2は、カメラ22を収容するのに十分な長さである。例えば、遠位先端部2は、シャフトの端部3から内視鏡の最も遠位の部分まで、3mmから50mmの間、好ましくは7mmから15mmの間、最も好ましくは8mmから10mmの間の長さを有する。
【0065】
遠位先端部2は拡大および収縮が可能である。薄い外形の状態では、遠位先端部2は、約1.5mmから20mmの間、好ましくは約1.5mmから5mmの間、最も好ましくは約1.5mmから約2.0mmの間の外径を有する、縮小された断面積を有する。拡大された外形の状態または拡張された状態では、遠位先端部2は、作業チャネルを通して1つ以上の器具が通過するのに対処することになる、拡大された断面積を有する。例えば、拡大された外形は、1.8mmから20mmの間、好ましくは2mmから5mmの間、最も好ましくは1mmから2mmの間の直径を有する、円形の断面形状を有する器具の通過に対処する。この外形変化により、器具がカメラ22を通過すること、および最終的に内視鏡の遠位先端部から出ることが可能になる。
【0066】
照明ファイバ25は、3つの可撓性の光ファイバ光ガイドとして描写されている。これらのファイバ25は、連結ハブ4内の光源から内視鏡の遠位先端部2まで光を運んで、視野を照明する。図2Aには3つのファイバ25が示されているが、カメラ22に十分な光を提供する限りは、少ない場合には1つのファイバを、または許容可能な空間内に収まり得るだけの多くのファイバを、使用することができる。照明ファイバ25は、ガラス、PMMA、または他の光透過性材料で作製することができる。薄い外形構成となっている遠位先端部2の断面積内に収まり、かつ十分な照明強度を提供する限りは、異なるサイズのファイバ25の組み合わせを使用することができる。
【0067】
カメラ22および照明ファイバ25は、撮像されるべき領域が十分に照明されるように位置付けられる。示された構成では、カメラ22は遠位先端部2のほぼ中心にあることができ、作業チャネル23、洗い流しルーメン24、および照明ファイバ25は、周囲に角度を付けて分散している(例えば、作業チャネル23は、洗い流しルーメン24から約120°だけ、および照明ファイバ25から等しい量だけ、分離されている)。しかしながら、作業チャネル23および洗い流しチャネル24の、互いに対するおよびカメラ22または照明ファイバ25に対する、様々な位置が可能である。
【0068】
外側カバー21、作業チャネル23、および洗い流しチャネル24は、殺菌可能なポリマー材料で作製することができる。少なくとも拡張可能な先端部分内で、これらの構造を、形状変化または拡張が可能となるように構成することができる。これらの構造の各々は、同じ材料から作製することができるか、または材料は異なっていてもよい。例えば、各々を、生体適合性エラストマー製の管材(例えば、ラテックス・ゴム、シリコーン・ゴム、またはUSPクラス6適合の様々なTPE)から構築することができる。例としてのTPEは上で述べられている。
【0069】
単回使用の内視鏡においては、当初の製造者による殺菌は、一括して(例えば、エチレンオキシド・ガス、ガンマ線放射、蒸気を使用して)行われる可能性がある。単回使用のデバイスは、互いに当接する管材接続部を有し得るが、接合部において依然として小さい裂け目、隙間、または空隙の余地があり得る。エチレンオキシド・ガスによるものなどの一括殺菌に好適な材料はまた、材料がグルタルアルデヒドなどの殺菌化学物質への複数回の曝露に適合せねばならないという懸念なしに内視鏡を構築するためにも、使用され得る。
【0070】
内視鏡の外側にコーティング(図示せず)を付着させることができる。例えば、かかるコーティングは、抗バクテリアまたは抗細菌特性を提供し得る(例えば、銅イオン、銀イオン)。コーティングを使用して、医師が特定の症状を検出することもできる。例えば、バクテリア汚染または他の種類のバイオマーカーの存在を検出する、特別なペプチドおよび他の調合物を付着させることができる。
【0071】
内視鏡の遠位先端部を封止するため、遠位先端部にUV硬化接着ポッティング化合物が付着され、これは粘性である間に構成要素間を流れる。余分なポッティング化合物が除去され、紫外光が当てられて、材料が硬化されるかまたは固められる。二液型エポキシなどの他の材料も使用することができる。ポッティング化合物の付着は、拡張可能な遠位先端部の区域と干渉しない領域に(例えば、化合物の分布領域を限定する冶具によって)限定される場合があり、かつ/または、これらの拡張可能な区域に結合しない材料を使用する。
【0072】
作業チャネル23は薄い外形構成を有する。例えば、2mm内視鏡の薄い外形の作業チャネル23は、シャフト3内で0.5mmの直径を有することができ、その場合、遠位先端部2内で、拡張可能な外側カバー21とカメラ22との間の空間に適合するような、よりコンパクトな構成をとる。図2aでは、薄い外形の作業チャネル23は、全体に三日月形の断面形状を有する。三日月形の断面形状の両端部は、(図2Aにおけるように)丸めてもよく、またはより鋭く曲げてもよい。円形、腎臓形、楕円形、卵形、等を含む、他の形状が可能である。
【0073】
作業チャネル23はまた、器具がカメラ22を通過するのを可能にするための、拡大された外形構成も有する。例えば、2mm内視鏡の拡大された外形の作業チャネル23は、約1.2mmの外径を有する器具が中を通過することができる程度に十分大きい。
【0074】
カメラ22はCMOSカラーカメラであり、生体適合性および防水性を有する。好ましくは、カメラは内視鏡から外の視野を提供する。前方視野は内視鏡の遠位先端部の向こうに見えることになる。ただし、視野はまた、内視鏡から外のある角度にあることもできる(例えば、30°などの偏角視内視鏡)。CMOS画像センサは、30~180°の、好ましくは50~130°の、最も好ましくは60~120°の視野を提供する、マルチエレメントのレンズ組立体または勾配屈折率(GRIN)レンズを含む。有効画像解像度は、好ましくは少なくとも10,000ピクセル、より好ましくは少なくとも40,000ピクセル、最も好ましくは少なくとも60,000ピクセルであるが、1メガピクセル以上の画像解像度が可能である。十分な画像解像度を提供する限りは、CMOSデバイスの代わりにまたはこれと併せて、他のセンサを使用することができる。例えば、電荷結合デバイス(CCD)を使用することができる。
【0075】
任意選択的に、光学プリズムを追加して、画像センサの特定の角度の視野を修正することができる。プリズムは、画像センサのビューイング・コーンを30°70°等のような所定の量だけ「傾斜させる」、反射面を有する。プリズムは、ガラス、または、アクリルもしくはポリカーボネートなどの任意の透明なポリマーで作製することができる。プリズムは、光学的に透明なエポキシを使用して、カメラの平坦な遠位の表面に結合することができる。より好ましくは、プリズムは、デバイスの当初の製造における最後のカメラ・レンズを置き換えることができる。
【0076】
カメラ・センサを内視鏡の構造に更に固着することができる。カメラ・センサを光ガイドに直接固着して、更なる支持を提供することができる。カメラ・ケーブルを、シース・カバー、作業チャネル、または両方に接着できる。例えば、カメラ・ケーブルを、拡張可能な遠位先端部の区域の近位側すぐの、シース・カバーの内側に結合することができる。これらの更なる接続部は、追加の剛直性を提供する。
【0077】
図2bの断面図は、図2aの断面A-Aに沿っており、細長いシャフト3を通過している。可撓性の編み製シース・カバー26が、ステンレス鋼補強ポリイミド材料から作製されるが、他の材料を使用することができる。
【0078】
編み製シース・カバー26は、5つの構造を含む。この区域における作業チャネル28は、全体に円形の断面形状を有する可撓性のチューブである。作業チャネル28は、図1および図2aに示す外形可変作業チャネル23に固着できる任意の殺菌可能なポリマー材料から構築することができるか、または、作業チャネル28および外形可変作業チャネル23は、同じ長さの管材から作製することができる。作業チャネル28の材料は、外形可変作業チャネル部分23の材料と同じ材料であってよいか、またはこれらは、異なる材料から作製することができる。例えば、シャフト3内の作業チャネルを、非エラストマー製のポリマー材料(例えば、ポリエチレン酢酸ビニル(PEVA)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC))から、あるいは、生体適合性エラストマー製の管材(例えば、ラテックス・ゴム、シリコーン・ゴム、または様々なUSPクラス6適合のTPE)から、作製することができる。
【0079】
洗い流しチャネル24を洗浄流体が通過する。洗い流しチャネル24は、十分な流体を通すことのできる限りは、シャフト3内で任意の断面形状を有し得る。図3に示す洗い流しチャネル24は、単一の長さのエラストマー製の管材から作製される。別法として、シャフト3内の洗い流しチャネル24の近位部分は、非エラストマー材料(例えば、ポリアミド製チューブ)から作製することができ、エラストマー製の先端部の区域に連結することができる。洗い流しチャネル24にとって好適なエラストマー材料は、上で特定されている。
【0080】
スタイレット・チャネル27により、典型的には金属から作製される細身のプローブであるスタイレット(図示せず)を、内視鏡内に導入することが可能になる。スタイレットが導入されると、追加の剛直性が提供される。これにより、内視鏡の遠位先端部の、患者の中での適切な位置付けが容易になる。加えて、スタイレットは、内視鏡に特定の形状(例えば、特定の湾曲または屈曲)を付与できる。スタイレット・チャネル27は、スタイレットの先端部により穴が開くのに耐えられるべきである。補強材は任意選択による。このスタイレット・チャネル27は、PEVA、ポリイミド、PTFE、またはPVCなどの、様々なポリマー製の管材材料から作製される。スタイレット・チャネル27は、円形の外形を有するように示されているが、スタイレットが中を通過できるような任意の外形を有することができる。
【0081】
また、カメラ・ケーブル29は、カメラ22(図2aに示す)から連結ハブ4(図1に示す)まで延在している。カメラ・ケーブルは単純な信号導通ワイヤ(例えば、直径約0.52mmの24AWGゲージの銅線)、または、いくつかの絶縁された導体を有するリボン・ケーブルとすることができる。例示の導体組成物としては、銅、銅合金、MP35N、DFT、プラチナ、プラチナ/イリジウム、タングステン、金、およびステンレス鋼が挙げられる。導体は、被覆なしの、スズめっきされた、銀めっきされた、または金めっきされたものとすることができる。フッ化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含め、様々な絶縁材料を使用できる。例えば、リボン・ケーブルを、以下の4つの導体を用いて構築できる:(1)接地線、(2)シリアル・データ線、(3)シリアル・クロック線、および(4)電力線(例えば、41AWG銀めっき銅導体を使用する)。
【0082】
図2cは、内視鏡の中心から放射方向にずらされている非円形のカメラ22を有して作製された別の内視鏡の、遠位端を示している。遠位先端部2の作業チャネル部分23および洗い流しルーメン24は、カメラ22およびエラストマー製の先端部カバー21に隣接している。
【0083】
内部構造が見えるようにするために、図3は、図2aの内視鏡を外側カバー21および26を有さない状態で示している。連結スリーブ31は、エラストマー製の先端部カバー21と可撓性の編み製シース26を接合する、壁の薄い円筒形の材料である。図3に描写された連結スリーブ31は、ポリイミド、ステンレス鋼、ポリウレタン、または他の壁の薄い管材から作製することができる。この連結スリーブ31は、編み製の可撓性シース26およびエラストマー製の拡張可能先端部カバー21の、内側表面に結合される。接合は、接着結合、熱溶接、機械的なリングクランピング、もしくは溶剤結合、またはこれらの構成要素に耐久性のある結合を行うための他の方法によって行われ得る。
【0084】
スタイレット・チャネル27は、ポリイミド、PTFE、または他の管材などの、他の作業チャネルに関して既に記載したものと類似の、壁の薄い管材であり、これはその遠位先端部に、アクリル、ABS、またはスタイレット・チャネルに結合可能もしくは機械的に固止可能な他の材料などの硬質プラスチックのプラグなどの、耐久性のある停止部33を有し、この停止部は、スタイレットが構成要素に穴を開けるかまたはこれを損傷するのを防止することを意図している。管材はまた、スタイレットの先端部が丸められている場合、停止部を作り出すために、端部で圧着することまたは折り畳むことができる。これは、硬質プラスチック製プラグへの追加、またはその代わりとすることができる。
【0085】
図3には、任意選択的な偏向傾斜部34も示されている。偏向傾斜部は、カメラの近位縁部の周囲で、作業チャネルの遠位先端部の拡張領域内へと、器具の遠位先端部を案内するための、角度のついた比較的硬質な表面を提供する。この偏向傾斜部は、アクリルもしくはABSなどの硬質プラスチックで、または薄いプレス加工されたステンレス鋼金属片から作製することができ、作業チャネル・シャフトの外径と整合するように湾曲させてよい。図2aおよび図2bと関連して上記したように、作業チャネルは、シャフト3内の全体に円形の断面28、および、遠位先端部2内の外形可変区域23を有する。器具は、作業チャネル・シャフト28の円形の断面を外形可変作業チャネル23まで通過する際、カメラ22の周囲を移動し、内視鏡の遠位先端部から外に出る。傾斜部34は内視鏡に固着されている。例えば、傾斜部は、カメラ22の近位表面に、拡張可能なワーク・チャネル23に、シース・カバー26に、またはこれらの構造の組み合わせに、接着することができる。この目的のために、UV硬化性エポキシまたは他の接着剤を使用することができる。傾斜部34は、内視鏡の長手軸に対して、約30°から約60°までの範囲であり得る、好ましくは40°から50°の間の範囲である、最も好ましくは約45°の、角度を画定する。遠位先端部における、内視鏡の外径全体に対する傾斜部34の長さの比は、約1:2未満であり、好ましくは約1:3未満であり、最も好ましくは約1:5未満である。
【0086】
円形断面の作業チャネル・シャフト28および拡張可能な作業チャネル23が、異なる材料または管材の異なる区域を1つに固着して作製されるとき、連結スリーブ35を使用できる。これらが単一の長さの管材を使用して作製される場合、連結スリーブ35を省略できる。(拡張可能先端部カバー21の外側カバーの内側に収まる)外側シース連結スリーブ31、および(内視鏡が均一な外径を維持するのを可能にする)可撓性の編み製シース・カバー26とは異なり、作業チャネル連結スリーブ35は、器具の挿入および取り外しのための一定の内径を保つために、円形断面の作業チャネル・シャフト28と拡張可能な作業チャネル23との間の接合部の外面上に被嵌される。連結スリーブ35は、壁の薄いポリマー製の管材(例えば、壁厚さ0.0.254mmの4~5mmポリイミド管材、これはPutnam PlasticsまたはVention Medicalから入手可能である)の短片とすることができる。
【0087】
外形可変遠位先端部により、これが薄い外形構成となっている間に、医師が内視鏡を、最小限の切開部または穿孔(例えば、12ゲージの針に対する)のサイズを通して挿入することが可能になる。内視鏡が処置されるべき領域に入ると、先端部の区域が拡大される。図4は、拡大された外形構成となっている遠位先端部2を図示している。
【0088】
かかる構成は、例えば、全Lo mmの直径(full Lo mm diameter)の器具を作業チャネル先端部23に通すこと、および/または、洗い流しチャネル24を遠位先端部2において拡張させるのに十分な流量で、洗浄流体(滅菌水の0.9%生理食塩水)を洗い流しチャネル24に通すことによって、実現される。
【0089】
図5および図6は、連結ハブ4の詳細を示している。図5では、遠位の筐体部分6は取り外されている。洗い流しチャネル・チューブ51は、洗い流しチャネル・コネクタ8に取り付けられている。スタイレット・チャネルチューブ52は、スタイレット・チャネル・コネクタ9に取り付けられている。作業チャネル・シャフト53は、作業チャネル・コネクタ10に取り付けられている。近位端上では、チューブ51、52、53は、ルアー・コネクタまたはルアー・ロック・コネクタなどのコネクタに取り付けられている。この接続を行うために、溶剤結合、接着結合、またはプレス嵌めを使用することができる。
【0090】
図6では、近位のハブ筐体7が取り外されて、PCA61、カメラ・ケーブル29の近位端、および照明ファイバ25の近位端が露出されている。
【0091】
図7は、PCA61の拡大図である。カメラ・ケーブル29は、コネクタ72を使用してPCA61に接続されている。LED71はLED表面実装型チップであり、照明ファイバ25の近位端が、LED71の発光表面領域に対して面一に設置されている。ただし、選ばれた特定の照明をカメラまたはセンサが取り込める限りは、非LED照明源(例えば、ハロゲン白熱灯、キセノン・ライト、ダイオード・レーザ)を使用することができる。エポキシにより確実な取り付けが実現されるが、他の方法が適切である場合もある。
【0092】
PCA61は装着ねじ73により、近位のハブ筐体7に成形されたスタッドに取り付けられる。近位のハブ筐体部分19と遠位のハブ筐体部分6との間でPCA61を捕捉することを含め、他のPCA装着技法を使用することができる。2つのハブ筐体部分6、7の取り付け、ストレイン・リリーフ部11、12、そしてこれらの電子ケーブル5、連結ハブ4、および内視鏡シャフト3への取り付けは、水密である。かかる水密の接続は、可撓性の接着剤、溶剤結合剤、熱封止材、ゴム製グロメット、および他の封止材を含む、いくつかの手段によって達成され得る。
【0093】
PCA61の回路構成は、光源71の照明強度を制御し、カメラ22を動作させる。PCA61の回路は、外部の制御装置/ディスプレイ(図示せず)との間で信号を翻訳する。これらの回路は、カメラ22が必要とするまたはカメラ22から送られた、照明源71のために使用される信号を、パターン、電圧、タイミング、等に変換する。かかる翻訳は、信号をユニバーサル・シリアル・バス(USB)規格に変換することを含み得る。組み込まれたソフトウェア(例えば、ファームウェア)およびフィールドプログラマブル論理アレイ(FPGA)を有する多層または積層多層回路が、信号の翻訳および通信を行う。
【0094】
無線通信が(RFであれ赤外であれまたは別の通信方法であれ)望まれる場合は、PCA61は、無線送受信機および電源(例えば、電池)を含む。電池により、PCA61および画像センサ7に電力を供給する。無線送受信機は、外部の制御デバイスおよび表示デバイスと相互作用する。例えば、PCA61は、画像センサ7から外部のディスプレイへと、画像信号を無線で送信する。
【0095】
別法として、信号の翻訳は、内視鏡の外部で遂行することができる。この場合、PCA61は相互接続部として機能し、信号をケーブル5に回送し、その場合ケーブル5は、外部制御/ディスプレイユニット(図示せず)に接続している。
【0096】
図8は、電子内視鏡用の照明構成を図示している。ハブ4内には、所望の視野および被写界深度を達成するのに十分な照明強度を確保するために、多数のLED、および照明ファイバまたはファイバ束を配置することができる。LED82は、十分に小さい場合、拡張可能先端部の区域2内で、カメラ22に隣接して装着することができる。照明ファイバ81は、LED82から引き回されて、遠位先端部2においてカメラ22の外側に達する。かかる照明サブアセンブリは、剛性とすることができる。
【0097】
照明サブアセンブリは、所望の視野および被写界深度を達成するための十分な照明強度がある限り、変更することができる。例えば、開口数および光ガイドの発する光の照明場パターンがカメラ22の視野と適合する限りは、ある形状の光ガイドを使用して、照明光ファイバを置き換えることができる。LEDは、ハブ筐体4内の代わりに、シャフト区域3内に装着することができるか、または、内視鏡の外部に置くことができる。
【0098】
以下の実施例は、記載される技術を説明するために提示されており、添付の特許請求の範囲を何らかの形で限定することは意図していない。
【実施例1】
【0099】
図1に示したものと同様の、拡張可能な作業チャネルおよびハブ内のLED光源を有する2mm内視鏡を、以下に記載するように形成する。2つの射出成形ABS片6、7(Dow Chemicalから入手可能)がハブ筐体を形成している。
【0100】
USBコネクタ13(Molex Connector Corp.から入手可能)を有するケーブル組立体5を、ストレイン・リリーフ部チューブ12に、次いで近位のハブ筐体7の近位の開口部に挿入する。ストレイン・リリーフ部チューブ12は、Shore A 60 TPEから作製された、射出成形された構成要素である。ケーブル組立体5を、プリント回路組立体(PCA)61に電気接続する。
【0101】
PCA61は、カメラへの/からのUSB信号および通信をカメラの仕様が要求する信号レベルおよびタイミングに変換するための表面実装集積回路を有する、小型の多層プリント回路基板である。PCA61は、4つのねじ73を使用して近位のハブ筐体7に固着されている。図7を参照されたい。
【0102】
近位のハブ筐体は、作業チャネル用の開口部を有する。作業チャネル・コネクタ10は、近位のハブ筐体7と作業チャネルとの間に、液密封止を提供する。コネクタ10(市販のLUER-LOK(登録商標)のロック部品)を、近位のハブ筐体7に挿入する。
【0103】
シース・カバー26は、長さ29.2cmの編み製ステンレス鋼補強ポリイミド管材(Putnam Plasticsカタログ番号142-0045、OD i.88mm、ID i.689mm)である。
【0104】
遠位のストレイン・リリーフ部チューブ11は、Shore A 60 TPEで作製された、射出成形された構成要素である。このチューブを、ハブ筐体6の開口部を通して挿入する。シース・カバー26を、遠位のストレイン・リリーフ部11を通して摺動させて、ハブ筐体6の内部に到達させる。シクロヘキサノンを用いて溶剤結合を行い、シース・カバー26を遠位のストレイン・リリーフ部チューブ11に固着する。
【0105】
外側シース21/26を、ポリイミドおよびシリコーン管材から、製造用マンドレルを使用して形成する。外径(OD)約i.689mmの壁の薄いポリイミド連結チューブ31を、適切なサイズのマンドレル上へと摺動させる。次いで、IDが約i.689mmの長さ8mmのシリコーン・ゴム管材(これが拡張可能な遠位先端部カバー21を形成することになる)およびシース/カバー組立体11、26を、両側からマンドレル上へと摺動させて、ポリイミド連結チューブ31を覆うようにしてこれらを互いに当接させる。シリコーン・ゴムチューブ21、ポリイミド連結チューブ31、およびステンレス鋼補強ポリイミド・チューブ26を、シクロヘキサノンを用いて結合して、耐久性のある接合部を作り出す。
【0106】
作業チャネルもまた、マンドレルを使用して形成する。長さ29.2cmのポリイミド管材28(Vention Medicalカタログ番号141-0083、OD 0.0505xID 0.048)を、適切な直径のマンドレル上へと摺動させる。長さ8mmのUSPクラス6のTPE管材(Kraton PolymersのKRATON)を、マンドレル上へと摺動させて、ポリイミド管材28に当接させる。結果として得られる接合部を、壁の薄いポリイミド連結スリーブ35(Vention Medicalより)で覆う。これらの構成要素を、低粘性の紫外光硬化接着剤(Dymax Corp.から入手可能な、208-CTH-F、可撓性および耐水性を有するカテーテル結合接着剤)を用いて、1つに接合する。作業チャネル組立体23/28/35を合わせた長さは、30cmである。
【0107】
作業チャネル組立体23/28/35を、外側シースおよび既に構築したカバー組立体の中へと摺動させる。作業チャネル組立体23/28/35の近位端を、作業チャネル・コネクタ10に接続する。シクロヘキサノン溶剤により、作業チャネルの近位端をコネクタ10に結合する。
【0108】
アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)製の傾斜部34を、シクロヘキサノンを用いて作業チャネルの拡張可能先端部の外側に結合する。傾斜部34のおおよその中間点は、カメラ22の後縁部にあり、この傾斜部は、拡張可能な遠位先端部の領域内へと器具が移るための、滑らかな角度を提供する。傾斜部34は内視鏡の長手軸に対して45°の角度を形成し、この長手軸に沿って約2~3mmの長さを有する。
【0109】
次いで、カメラ22をPCA61に取り付ける。カメラは、micro ScoutCam(商標)1.2(Israel国OmerのMedigus, Ltd.)である。このカメラ22は、円筒形の形状であり、寸法が、直径1.2mm、長さ5mmであり、有効画像解像度が約44,880ピクセルである。カメラ22からカメラ・ケーブル29が延在しており、これはカバー組立体内を組み立て済みの作業チャネルの外側に沿って延び、カメラ・コネクタ72においてPCA61に接続している。図7を参照されたい。PCA61は、カメラ22を制御し、これから画像を受信する。
【0110】
3つの照明光ファイバ25(外径o.25mm、LightHouse LEDsのカタログ番号o.25MMファイバENDGLOW)もまた、カバー組立体を作業チャネル組立体の外側に沿って延びており、これらはカメラ22に隣接するに至る。照明ファイバ25の近位端を、光源71、Luxeon(登録商標)C power LED(Philips Lumileds Lighting Companyから入手可能)上に、紫外線接着剤(208-CTH-F接着剤、Dymax Corp.から入手可能)を用いて接着する。
【0111】
次いで、先端部を封止し、Dymaxの接着剤を用いて、構成要素を1つに結合する。
【0112】
遠位ハブ筐体6を、カバー/作業チャネル組立体を覆うように摺動させる。遠位ハブ筐体6および近位ハブ筐体7を、スナップ嵌めして1つにする。これらを併せて熱封止して、液密な封止を得る。
【0113】
これにより、30cmの作業長さ、2mmのOD、ならびに外形可変遠位先端部および作業チャネルを有する内視鏡が得られる。かかる内視鏡は、手、肩、膝、等の、関節鏡による関節の検査および外科手術を含む、様々な内視鏡用途に使用できる。
【実施例2】
【0114】
外形可変洗い流しルーメン24ならびに図2Aに図示したような外形可変作業チャネルを有する、実施例1で記載した内視鏡と同様の内視鏡を形成する。長さ30cmのTPE管材(Vention Medical PEBAX(登録商標)管材、カタログ番号115-1289、ID 0.0.279mm、壁厚さ0.1143mm、OD 0.51mm、Shore A63)が、洗い流しルーメン24を形成する。内視鏡を作製する工程は、実施例1と同様である。相違点を以下で検討する。
【0115】
PEBAX(登録商標)管材を作業チャネル組立体23/28/35に隣接させて設置し、管材の近位端を押してLUER-LOK(登録商標)のロック・コネクタ8に嵌合する返しを超えさせる。これにより、洗い流しルーメン24を近位のハブ筐体7に固止する。洗い流しルーメン管材24の遠位端を、拡張可能先端部を封止する前に、この先端部内でカメラ22に隣接させて位置付ける。
【実施例3】
【0116】
洗い流しルーメン24を除いて実施例2で記載した内視鏡と同様の内視鏡を、拡張可能でない材料から作製する。PEBAX(登録商標)管材の代わりに、洗い流しルーメン24を、ポリイミド管材(Vention Medicalカタログ番号141-0023、OD 0.508mm、ID 0-457mm)から作製する。
【0117】
材料自体は拡張可能ではないが、洗い流しルーメンは、この特徴を実現するように製造される。遠位端において、長さ8mmのポリイミド管材を熱プレスして、複数の折り目および平坦な端部を形成する。これにより、拡張可能な外側カバー21の内側で、ポリイミド管材がカメラ22の周囲で湾曲することが可能になる。ポリイミド管材の近位端を市販のコネクタ8(LUER-LOK(登録商標)の部品)の返しの付いたコネクタの上に設置し、これをメチルエチルケトン溶剤を用いて固着する。
【0118】
使用時、洗い流しルーメン24の折り目の付いた平坦な遠位先端部は、洗い流しルーメン24内を流体が通る際に拡張する。これにより続いて、外側カバー21が拡張される。図3および図4を参照されたい。
【実施例4】
【0119】
実施例1に記載した内視鏡と同様の内視鏡を、外部のディスプレイおよび制御デバイス(例えば、PCまたはタブレット・コンピュータ)と無線通信を行うように構成する。PCA61は、無線送受信構成要素を有する。ハブ組立体内に、PCA61に電力供給するための、一般に入手可能なボタン型電池が収納されている。アンテナ線が含まれており、これはPCA61に接続されている。電池と直列にスイッチを接続する。電池は、内視鏡のシステムが数時間機能するのに十分な電力を提供する。
【実施例5】
【0120】
拡張可能な作業チャネルが長さ30cmの補強なしのポリイミド管材(Vention Medicalカタログ番号141-0083、OD i.283mmxID i.219mm)であること以外は実施例1で記載した内視鏡と同様の、内視鏡。実施例3で記載したように、長さ8mmのポリイミド管材を遠位端において熱プレスして、複数の折り目および平坦な端部を形成する。これにより、拡張可能な外側カバー21の内側で、ポリイミド管材がカメラ22の周囲で湾曲することが可能になる。器具または他の物品が作業チャネルを押し通る場合、折り目のついた平坦な遠位先端部は拡張することになり、この結果、外側カバー21が、器具または他の物品の通過を可能にするために必要な程度に拡張される。
【0121】
加えて、この実施例では、カメラ22は、Awaiba NanEyeカメラ(AWAIBA Ldaから入手可能)である。このカメラ22は、寸法が、長さ1.1mmx1.1mmx1.7mm、対角寸法i.41mmであり、有効画像解像度が約62,500ピクセルである。図2cは、遠位先端部におけるこの内視鏡の断面図を示している。
【実施例6】
【0122】
外径が1.7mmであること以外は実施例1で記載した内視鏡と同様の、内視鏡。
【0123】
外側シース21/26を、長さ29.2cmの編み製ステンレス鋼補強ポリイミド管材(OD i.72mm、ID 1.57mm、Vention Medicalカタログ142-0042から入手可能)、IDが約i.689mmの長さ8mmのシリコーン・ゴム管材、およびODが約i.689mmの壁の薄いポリイミド連結チューブ31から形成する。
【0124】
作業チャネルを、壁の薄いポリウレタン管材(Vention Medicalカタログ番号115-0565、OD i.346mm、壁0.089mm、ID i.168mm)から形成する。
【0125】
カメラは、実施例5で上記したNanEyeカメラである。照明光ガイド(光ファイバ)はODが0.125mm(コア直径0.1mm、Edmund Opticsストック#57-061)であり、照明用として全部で8本のファイバを使用している。NanEyeカメラ22からの4つの導体ケーブルをPCA61に接続して、外部使用に好適なケーブルへの信号接続を行い、場合によってはPCA61上には、信号をUSB規格または他の所望の設定に変換するための、信号処理回路が含まれる。PCA61は、使用中の特定のNanEyeカメラに関する較正情報を含むメモリを有する。
【0126】
前記の詳細な説明は、本技術の実施についての様々な形態の検討を包含しており、例示の目的で多くの詳細を含む。本技術は、特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、本願に記載された開示および提案に基づく多くの変形、修正、置換、および代替形態が可能である。実施例は特定の実施形態を説明するために使用されているが、特許請求の範囲は、これらの実施例に限定されることを意図されておらず、むしろ特許請求の範囲の全範囲を含む。したがって、選ばれた実施形態および続く実施例の前記の説明は、および記載される技術の一般性を何ら損なうことなく、また記載される技術に限定を課すことなく、提示されている。
【0127】
更に、選択された実施形態の前記の詳細な説明において、本明細書の一部を形成する添付の図面への参照が行われ、これらの図面においては、例示として、記載される技術を実施できる具体的な実施形態が示されている。記載される技術の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、また、構造の変更を行うことができる。例えば、ある実施形態の一部として例示または記載される一般原理および特徴は、記載される技術の精神および範囲から逸脱することなく、更に別の実施形態を生むために、別の実施形態において使用可能である。したがって、特許請求の範囲の範囲は、上記の記載によって限定されない。特許請求の範囲の意味内容および等価な範囲の中で行われるあらゆる変更は、その範囲内に包含されるものである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8