IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 西部技術コンサルタント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-共同溝蓋開閉運搬装置 図1
  • 特許-共同溝蓋開閉運搬装置 図2
  • 特許-共同溝蓋開閉運搬装置 図3
  • 特許-共同溝蓋開閉運搬装置 図4
  • 特許-共同溝蓋開閉運搬装置 図5
  • 特許-共同溝蓋開閉運搬装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】共同溝蓋開閉運搬装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/12 20060101AFI20220322BHJP
   E03F 5/02 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
E02D29/12 B
E03F5/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020207276
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2020-12-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年6月30日、令和2年7月27日~31日、令和2年8月2日~3日 岡山県岡山市北区南方1丁目と富田町2丁目(番町交差点)~岡山県岡山市北区富田町1丁目(万町跨線橋東交差点)にて試験 令和2年6月30日、令和2年9月1日~4日、令和2年9月9日~10日、令和2年9月14日~18日、令和2年9月23日~25日、令和2年9月28日~10月2日、令和2年10月6日~10月7日 岡山県玉野市築港1丁目(宇野駅前交差点)~岡山県玉野市宇野8丁目(ループ橋南付近歩道橋下)にて試験
(73)【特許権者】
【識別番号】505470683
【氏名又は名称】西部技術コンサルタント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002206
【氏名又は名称】特許業務法人せとうち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森川 洋介
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-227419(JP,A)
【文献】特開2008-280814(JP,A)
【文献】特開平10-280455(JP,A)
【文献】実開昭54-051475(JP,U)
【文献】米国特許第09290370(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/12
E03F 5/02
B66C 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠組構造及び車輪を有し保安装置を兼ねる運搬機構と、横梁部材、支持金具及び重機を有する重機構とから構成される共同溝蓋開閉運搬装置であって、
前記枠組構造の下端に少なくとも4つの前記車輪が配置されてなり、
前記横梁部材は2つの梁部材から構成され、前記2つの梁部材が所定間隔の空隙領域を有するように平行に配置されてなり、
線状部材と面状部材とから構成される固定具の前記線状部材が前記空隙領域に挿入され、前記横梁部材の両端部が前記枠組構造の上端部のフレームに少なくとも1つの前記面状部材で固定され、前記両端部は前記フレーム軸上を任意の位置に可動調整されるものであり、
少なくとも2つの前記支持金具が前記空隙領域に挿入され、前記支持金具は前記空隙領域の任意の位置に可動調整されるものであり、
前記支持金具を前記揚重機の吊り金具を介して共同溝蓋の吊り元に連結することにより共同溝蓋を開閉運搬することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記支持金具が、前記枠組構造のフレームで囲まれる平面上の任意の位置に可動調整されるものである請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記横梁部材の上面に前記面状部材が配置され、前記線状部材が前記面状部材を介して前記空隙領域に挿入されてなる請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記横梁部材の上面と下面の両方に前記面状部材が配置され、前記線状部材が前記面状部材を介して前記空隙領域に挿入されてなる請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記梁部材の端部において垂直方向に突起部材を有する請求項1~4のいずれかに記載の装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路照明、信号等を制御する道路管理用ケーブル及び電気通信事業者等のケーブルを収納する共同溝の蓋を開閉運搬する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電線等が収納される共同溝は、通常、歩道を中心とする道路下に埋設されており、防護管で保護されたケーブルを道路下の土中に埋設する管路部と、管路と管路とを接続する特殊部を有するものである。前記特殊部は蓋を有しており、当該蓋を開閉して人が出入りできる構造となっている。共同溝の内部に新たなケーブルを設置する際や、既存ケーブルのメンテナンスを行う際には、当該蓋を開閉する必要があるが、共同溝の蓋については様々な種類があり、材質としては鋼製とコンクリート製の二つに大別される。共同溝の蓋の形状と大きさは統一されておらず、当該蓋に設けられる吊り具の位置も各々異なるため、蓋の形状や大きさ、吊り具の位置に影響を受けにくいとされているクレーン車が使用されてきた。
【0003】
しかしながら、長期間路面上に設置された蓋の周囲の隙間には土砂等が詰まっていることが多く、モルタル材等で間詰め処理が施されている場合もあった。このような状況でクレーン車を使用すると、蓋の重量以上の負荷がクレーン車にかかり、クレーン車が転倒する危険性があり、また蓋が開く瞬間に衝撃的に蓋が跳ね上がるおそれもあった。クレーン車を使用する際には、ほとんどのケースで車道にクレーン車を駐車する必要が生じ、安全対策としての保安施設設置に伴う費用も増加する。また、歩道に設置された蓋を開閉するにあたっても、クレーン車を使用する場合はほとんどのケースで車道にクレーン車を駐車する必要が生じるため、施工条件として制約を受けるとともに、開口部への安全対策としての保安施設設置に伴う費用も増加する。
【0004】
一方、クレーン車を使用する代わりに、共同溝蓋の開閉運搬装置も開発されてきている。例えば、特許文献1には、両端に車輪を有し一体に形成される一対の支柱枠と、前記一対の支柱枠の上端部に直交して水平に横架され、中央に所定の間隙を備え、該間隙上の一端に手動油圧ポンプと中央部に油圧ジャッキが一体に形成される横架枠と、からなることを特徴とする共同溝蓋開閉装置が記載されている。これによれば、ジャッキを1箇所としているため、複数の昇降装置を備えた共同溝蓋開閉装置と異なり、複数の昇降装置を同調させる装置は不要であり、また、ジャッキを手動油圧ポンプで作動する油圧ジャッキとしているため、きわめて軽い労力で共同溝蓋を着脱することができ、油圧ジャッキの作動に際して、人力以外の電力等は不要であるとされている。
【0005】
また、特許文献2には、複数個の枠部材を組み立てて直方体形状の枠組体を形成するとともに、該枠組体の上部に架設した梁部材を介して設置した一対の蓋昇降体とからなる下端に滑車を備えた装置本体と、該装置本体が走行する軌道装置とから構成され、前記蓋昇降体は、回転自在で上下動不能に前記梁部材に設けた回転レバー付き昇降用ナットにハンドル付き昇降用ボルトを回転自在に螺合して直立するとともに、該昇降用ボルトの下端にはマンホールの蓋に装着した埋め込みナットと螺合する螺子部を形成してなり、前記軌道装置は、前記滑車が乗る一対のレールと、該両レールを平行に固定し設置するための着脱自在なベルトからなることを特徴とするマンホールの蓋の開閉装置が記載されている。これによれば、(1)蓋を開閉するときだけ開閉装置を分解した状態で現場に持ち込み、簡単に組み立てることができるため、搬送が容易であると共に、装置本体は蓋の大きさに合わせたサイズで済むため、作業スペースが狭い所でも使用が可能、(2)蓋に何らの加工を施す必要がないため、汎用のマンホールの蓋にそのまま適用することができる、(3)回転レバーによる操作だけで容易に蓋を水平に持ち上げることができるとともに、蓋は装置本体に完全に支持されているため、蓋が損傷したり落下する危険性もないし、装置本体はレール上を走行するので軽い力で蓋を安全に移動することができる、といった諸効果があるとされている。
【0006】
しかしながら、これらの装置は、単一構造の蓋、特に装置の進行方向に直交する向きと平行な位置に吊り具が設けられている場合に適用させることが可能であるが、前述のとおり共同溝の蓋には様々な構造のものがあるため、各構造に適した装置を複数用意する必要があること、さらに吊り具が当該平行な位置にない共同溝の蓋に対してはこれらの装置を適用させることができない問題もあり、改善が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-299520号公報
【文献】特開平8-302721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、現場の状況に応じて組み立てが可能であり、縁石等の支障物が周辺に存在して装置の設置位置の制約を受ける場合においても、クレーン車を使用することなく少人数で、吊り元の設置位置が異なる様々な構造の共同溝蓋の開閉運搬を1つの装置で確実に行うことができる共同溝蓋開閉運搬装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、枠組構造及び車輪を有し保安装置を兼ねる運搬機構と、横梁部材、支持金具及び重機を有する重機構とから構成される共同溝蓋開閉運搬装置であって、
前記枠組構造の下端に少なくとも4つの前記車輪が配置されてなり、
前記横梁部材は2つの梁部材から構成され、前記2つの梁部材が所定間隔の空隙領域を有するように平行に配置されてなり、
線状部材と面状部材とから構成される固定具の前記線状部材が前記空隙領域に挿入され、前記横梁部材の両端部が前記枠組構造の上端部のフレームに少なくとも1つの前記面状部材で固定され、前記両端部は前記フレーム軸上を任意の位置に可動調整されるものであり、
少なくとも2つの前記支持金具が前記空隙領域に挿入され、前記支持金具は前記空隙領域の任意の位置に可動調整されるものであり、
前記支持金具を前記揚重機の吊り金具を介して共同溝蓋の吊り元に連結することにより共同溝蓋を開閉運搬することを特徴とする装置を提供することによって解決される。
【0010】
このとき、前記支持金具が、前記枠組構造のフレームで囲まれる平面上の任意の位置に可動調整されるものであることが好適な実施態様であり、前記横梁部材の上面に前記面状部材が配置され、前記線状部材が前記面状部材を介して前記空隙領域に挿入されてなることが好適な実施態様である。また、前記横梁部材の上面と下面の両方に前記面状部材が配置され、前記線状部材が前記面状部材を介して前記空隙領域に挿入されてなることが好適な実施態様であり、前記梁部材の端部において垂直方向に突起部材を有することも好適な実施態様である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の共同溝蓋開閉運搬装置は、現場の状況に応じて組み立てが可能であり、枠組構造のフレームで囲まれる平面上の任意の位置に支持金具を可動調整することができるため、縁石等の支障物が周辺に存在して装置の設置位置の制約を受ける場合においても、クレーン車を使用することなく少人数で、吊り元の設置位置が異なる様々な構造の共同溝蓋の開閉運搬を1つの装置で確実に行うことができる。したがって、現場作業における施工性及び経済性が飛躍的に向上し、開閉作業中の安全性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の共同溝蓋開閉運搬装置の一例を示した図である。
図2】本発明の共同溝蓋開閉運搬装置を真上から見た一例を示した図である。
図3】本発明の共同溝蓋開閉運搬装置を真横から見た一例を示した図である。
図4】本発明の共同溝蓋開閉運搬装置において、横梁部材が枠組構造の上端部のフレームに固定された部分の一例を拡大した図である。
図5】共同溝蓋の一例を示した写真である。
図6】本発明の共同溝蓋開閉運搬装置を用いて共同溝蓋を開いた状態の実施態様の一例を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1の一例を示した図であり、図2は、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1を真上から見た一例を示した図であり、図3は、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1を真横から見た一例を示した図である。図4は、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1において、横梁部材5が枠組構造2の上端部のフレーム14に固定された部分の一例を拡大した図であり、図5は、共同溝蓋15の一例をいくつか示した写真である。図6は、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1を用いて共同溝蓋15を開いた状態の実施態様の一例を示した写真である。
【0014】
図1に示されるように、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1は、枠組構造2及び車輪3を有し保安装置を兼ねる運搬機構4と、横梁部材5、支持金具6及び重機7を有する重機構9とから構成される。
【0015】
運搬機構4における枠組構造2は、フレーム14により形成されるものである。フレーム14の断面形状は円形であっても四角形やH型やコ型であっても構わない。フレーム14の断面の直径もしくは辺長としては30mm以上150mm以下であることが好ましい。枠組構造2の形状としては特に限定されず、直方体であっても立方体であっても構わない。枠組構造2の大きさとしては特に限定されないが、開閉作業中の保安装置としての利用を考慮すると、共同溝蓋15の寸法以上の大きさであることが好ましく、さらに、枠組構造2の軸方向端部に補強用フレームを設置してもよい。枠組構造2は、予め形成されたものを現場に運んでもよいし、複数のフレーム14と固定部材を用いて、現場で組み立てることにより枠組構造2を形成してもよい。様々な構造の共同溝蓋に適用させる観点から、現場で枠組構造2を形成することが好適な実施態様である。市販の枠組み足場部材を用いて枠組構造2を形成しても構わない。
【0016】
運搬機構4における枠組構造2の下端には、少なくとも4つの車輪3が配置されてなる。これにより、共同溝蓋15を吊り上げた状態で運搬機構4を移動させることにより所定位置まで共同溝蓋を運搬することができる。車輪3の数は4つ以上であれば特に限定されず、運搬機構4が自立させる観点から、車輪3の数は偶数であることが好ましく、例えば、6つ以上であってもよいし、8つ以上であってもよい。通常、車輪3の数は12以下である。
【0017】
重機構9は、横梁部材5、支持金具6及び重機7を有するものである。図1に示されるように、横梁部材5は、2つの梁部材10から構成されており、この2つの梁部材10が所定間隔の空隙領域11を有するように平行に配置されてなる。
【0018】
梁部材10の形状としては特に限定されないが、図1及び4に示されるように、コの字形状であることが好ましく、材質としては鋼材等の金属からなるものが好ましい。横梁部材5としては、コの字形状の2つの梁部材10の開口部がそれぞれ外側を向くように平行に配置されてなることが好適な実施態様である。2つの梁部材10については、部分的にボルト等で接合されていてもよい。
【0019】
そして、空隙領域11に少なくとも2つの支持金具6が挿入されてなるものである。2つの梁部材10の間隔としては、支持金具6が挿入できる間隔があれば特に限定されず、10mm以上50mm以下の間隔が好適に採用される。このように2つの梁部材10が並行に配置されることで、空隙領域11の任意の位置に支持金具6を設置することが可能となり、支持金具6の挿入方法としては、空隙領域11の上部から挿入される着脱式であることが好適な実施態様である。すなわち、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1は、支持金具6を空隙領域11の任意の位置に可動調整される構成を有するものである。支持金具6は少なくとも2つ前記空隙領域11に挿入されるが、共同溝蓋15の吊り元16の数に合わせて増やすことが可能である。
【0020】
重機構9において、支持金具6の先端には揚重機7が取り付けられる。揚重機7としては、当該揚重機7の吊り金具8を介して吊り元16に連結して共同溝蓋15を吊り上げることができるものであれば特に限定されない。手動又は電動のチェーン式滑車揚重機、ワイヤー式揚重機等、市販のものを好適に用いることができる。揚重機7の設置数は、支持金具6の数に対応するため、少なくとも2つであるが、共同溝蓋15の吊り元16の数に合わせて増やすことが可能である。また、重機構9の設置数を増やしても構わないが、本発明では、枠組構造2のフレーム14で囲まれる平面上の任意の位置に支持金具6を可動調整することができるため、重機構9を1つのみ有することが好適な実施態様である。
【0021】
重機構9が上記説明した運搬機構4に固定されることにより、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1が形成される。固定手段としては、重機構9における横梁部材5の両端部が枠組構造2の上端部のフレーム14に固定される構成が採用され、線状部材12と面状部材13とから構成される固定具が用いられる。横梁部材5の上面に面状部材13が配置され、線状部材12が面状部材13を介して空隙領域11に挿入されてなる構成が好適な実施態様である。図4に示されるように、横梁部材5の上面と下面の両方に面状部材13が配置され、線状部材12が面状部材13を介して空隙領域11に挿入されてなる構成がより好適な実施態様である。このような構成により、横梁部材5の両端部が枠組構造2の上端部のフレーム14軸上を任意の位置に可動調整されることになる。
【0022】
また、図4に示されるように、2つの梁部材10から構成される横梁部材5において、それぞれの梁部材10の端部において垂直方向に突起部材17を有することが好適な実施態様である。この構成により、梁部材10が水平方向に抜け出すのを防止できる利点を有する。垂直方向における突起部材17の長さとしては、30mm以上100mm以下であることが好ましい。
【0023】
上記説明したように、本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1は、重機構9における横梁部材5の両端部が枠組構造2の上端部のフレーム14軸上を任意の位置に可動調整され、かつ、支持金具6が重機構9における空隙領域11の任意の位置に可動調整されるものである。すなわち、支持金具6が、枠組構造2のフレーム14で囲まれる平面上の任意の位置に可動調整されるものである。したがって、図5における共同溝蓋15のように、吊り元16の位置が、共同溝蓋15の外枠いずれか一辺と平行な位置にない場合であっても、図6における本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1を用いた実施態様の一例に示されるように、吊り元16の真上の位置に支持金具6を可動させることができる。そして、共同溝蓋15を吊り上げた状態で枠組構造2の下端に配置された車輪3により共同溝蓋開閉運搬装置1を移動させ、所望の位置まで共同溝蓋15を運搬することができる。状況に応じて車輪3の下にレールを設けても構わない。本発明では、縁石等の支障物が周辺に存在して装置の設置位置の制約を受ける場合においても、様々な構造の共同溝蓋15の開閉運搬を1つの共同溝蓋開閉運搬装置1で確実に行うことができる。
【0024】
本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1は、運搬機構4、重機構9、支持金具6が各々着脱式の分離構造であってよい。これにより各構造の仕様変更が容易であるとともに、現場の状況に応じて組み立てが可能である。運搬機構4における枠組構造2に重機構9を載せる横梁形式であるため、重機構9の固定位置を任意に可動調整することができる。そして、運搬機構4の進行方向に対して共同溝蓋15の吊り元16の位置が斜めに配置されている場合や、縁石等の支障物が周辺に存在して共同溝蓋開閉運搬装置1の設置位置の制約を受ける場合においても、吊り元16の真上の位置に支持金具6を可動させることができる。また、運搬機構4は、開閉作業中の保安装置として利用が可能である。さらに、汎用性の高い枠組み足場部材を用いて枠組構造2を形成する等、現場条件に応じて柔軟性を持った運搬機構4の構築が可能である。このように、各構造について市販品を利用してもよく、安価に本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1を製造することが可能となる。したがって、現場作業における施工性及び経済性が飛躍的に向上し、開閉作業中の安全性も確保できる。本発明の共同溝蓋開閉運搬装置1は、道路照明、信号等を制御する道路管理用ケーブル及び電気通信事業者等のケーブルを収納する共同溝の蓋を開閉運搬する装置として好適に使用される。
【符号の説明】
【0025】
1 共同溝蓋開閉運搬装置
2 枠組構造
3 車輪
4 運搬機構
5 横梁部材
6 支持金具
重機
8 吊り金具
重機構
10 梁部材
11 空隙領域
12 線状部材
13 面状部材
14 フレーム
15 共同溝蓋
16 吊り元
17 突起部材
【要約】      (修正有)
【課題】現場の状況に応じて組み立てが可能であり、クレーン車を使用することなく少人数で、様々な構造の共同溝蓋の開閉運搬を1つの装置で確実に行うことができる共同溝蓋開閉運搬装置を提供する。
【解決手段】枠組構造及び車輪を有し保安装置を兼ねる運搬機構と、横梁部材、支持金具及び揚重機を有する揚重機構とから構成され、枠組構造の下端に少なくとも4つの車輪が配置されてなり、横梁部材は2つの梁部材から構成され、2つの梁部材が所定間隔の空隙領域を有するように平行に配置されてなり、線状部材と面状部材とから構成される固定具の線状部材が空隙領域に挿入され、横梁部材の両端部が枠組構造の上端部のフレームに少なくとも1つの面状部材で固定され、両端部はフレーム軸上を任意の位置に可動調整されるものであり、少なくとも2つの支持金具が空隙領域に挿入され、支持金具は空隙領域の任意の位置に可動調整されるものであり、支持金具を揚重機の吊り金具を介して共同溝蓋の吊り元に連結することにより共同溝蓋を開閉運搬する装置。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6