(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】自動運転制御システム、自動運転制御方法、及び車両
(51)【国際特許分類】
H04W 36/18 20090101AFI20220322BHJP
B60W 30/00 20060101ALI20220322BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20220322BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20220322BHJP
H04W 36/38 20090101ALI20220322BHJP
H04W 36/30 20090101ALI20220322BHJP
H04W 36/32 20090101ALI20220322BHJP
H04W 4/24 20090101ALI20220322BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
H04W36/18
B60W30/00
B60W30/10
H04W4/44
H04W36/38
H04W36/30
H04W36/32
H04W4/24
G08G1/16 A
(21)【出願番号】P 2017239782
(22)【出願日】2017-12-14
【審査請求日】2020-10-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1. http://www.kll.keio.ac.jp/ktm/ex_theme09.html 学校法人慶應義塾が、平成29年10月26日付で、上記のURLにて、出願に係る発明を公開。 2. 学校法人慶應義塾が、平成29年11月9日出願に係る発明が記載された書類を関係者に配布して公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】519378322
【氏名又は名称】aidea株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(73)【特許権者】
【識別番号】899000079
【氏名又は名称】学校法人慶應義塾
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】山中 直明
(72)【発明者】
【氏名】池田 元英
【審査官】田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-116979(JP,A)
【文献】特開2013-066135(JP,A)
【文献】特開2017-034534(JP,A)
【文献】国際公開第2013/001655(WO,A1)
【文献】特開2017-169016(JP,A)
【文献】特開2004-088200(JP,A)
【文献】国際公開第2012/132808(WO,A1)
【文献】特開2007-045350(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057528(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
B60W 30/00
B60W 30/10
G08G 1/16
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して互いに通信可能に接続され、無線を介して車両と通信可能な複数の情報処理装置と、前記複数の情報処理装置とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバと、を備える、車両の自動運転制御システムであって、
前記複数の情報処理装置のうち、無線を介して前記車両と通信可能に接続された第1情報処理装置は、前記車両の自動運転に関する演算処理を実行し、前記演算処理の処理結果に基づいて前記車両の自動運転を制御し、
前記サーバは、
前記車両と前記第1情報処理装置との間の通信品質が所定基準を満たさなくなると、前記複数の情報処理装置のうちから、前記車両の走行経路に対する情報処理装置の位置、情報処理装置の処理負担、及び前記第1情報処理装置との間に設定される通信パスの帯域の少なくとも1つに基づいて、前記第1情報処理装置とは異なる第2情報処理装置を選択し、
前記第1情報処理装置と、前記
第2情報処理装置との間に、レイヤ1又はレイヤ2で通信パスを
設定し、
前記第1情報処理装置は、前記通信パスを介するライブマイグレーションにより、前記演算処理を前記第2情報処理装置に引き継がせる、自動運転制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動運転制御システムであって、
レイヤ1又はレイヤ2で設定される前記通信パスは光パスであり、
前記第1情報処理装置は、前記光パスを介するライブマイグレーションにより、前記演算処理を前記第2情報処理装置に引き継がせる、自動運転制御システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動運転制御システムであって、
前記第1情報処理装置は、前記車両と前記第1情報処理装置との間の通信品質が所定基準を満たさなくなると、前記ライブマイグレーションにより前記演算処理を前記第2情報処理装置に引き継がせる、自動運転制御システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の自動運転制御システムであって、
無線を介して前記車両とそれぞれ通信可能に接続された2つ以上の前記第1情報処理装置が存在しており、
前記第1情報処理装置は、前記2つ以上の第1情報処理装置がそれぞれ実行した前記演算処理の処理結果のうち、半数を超える前記第1情報処理装置の処理結果が一致した場合、一致した前記処理結果に基づいて前記車両の自動運転を制御し、半数を超える前記第1情報処理装置の処理結果が一致しない場合、前記2つ以上の第1情報処理装置の処理結果を破棄する、自動運転制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載の自動運転制御システムであって、
前記2つ以上の第1情報処理装置のそれぞれは、他の第1情報処理装置がライブマイグレーションの実行中である場合、前記他の第1情報処理装置のライブマイグレーションが終了するまで、自装置によるライブマイグレーションの実行を保留する、自動運転制御システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転制御システムであって、
無線を介して2つ以上の車両と通信可能に接続された1つ以上の前記第1情報処理装置が存在しており、
前記1つ以上の第1情報処理装置は、前記2つ以上の車両が交差点エリアに所定時間差以内で進入すると、前記2つ以上の車両が前記交差点エリアを通過するまでに要する時間を最小化するように、前記2つ以上の車両それぞれの自動運転に関する前記演算処理を実行し、前記演算処理の処理結果に基づいて前記2つ以上の車両それぞれの自動運転を制御する、自動運転制御システム。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転制御システムであって、
無線を介して2つ以上の車両と通信可能に接続された1つ以上の前記第1情報処理装置が存在しており、
前記1つ以上の第1情報処理装置は、前記2つ以上の車両が交差点エリアに所定時間差以内で進入すると、前記2つ以上の車両のうち他の車両よりも先に前記交差点エリアを通過した車両のユーザに対して料金の支払いを請求する、自動運転制御システム。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転制御システムであって、
無線を介して2つ以上の車両と通信可能に接続された1つ以上の前記第1情報処理装置が存在しており、
前記1つ以上の第1情報処理装置は、前記2つ以上の車両が交差点エリアに進入すると、前記2つ以上の車両のうち優先権を有する車両を他の車両よりも先に前記交差点エリアを通過させるように、前記2つ以上の車両それぞれの自動運転に関する前記演算処理を実行し、前記演算処理の処理結果に基づいて前記2つ以上の車両それぞれの自動運転を制御し、
前記優先権は、車両のユーザによる料金の支払いに応じて前記車両に対して付与される、自動運転制御システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の自動運転制御システムであって、
前記第1情報処理装置は、前記車両を第1地点から第2地点まで所定経路で走行させるように、前記車両の自動運転に関する前記演算処理を実行し、
前記サーバは、前記車両が前記所定経路を走行する間の運転情報を、前記車両から取得し、前記車両が前記第1地点から前記第2地点まで次回走行する際に前記第1情報処理装置が実行する前記演算処理の処理内容を、前記運転情報に基づいて更新させる、自動運転制御システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の自動運転制御システムであって、
前記第1情報処理装置は、
走行路に設置されたカメラの映像を用いて物体認識処理を実行し、
前記物体認識処理によって所定のオブジェクトが認識されると、前記映像を用いて前記オブジェクトに関する情報を推定し、
前記オブジェクトに関する前記情報に基づいて、前記車両の自動運転を制御する、自動運転制御システム。
【請求項11】
通信回線を介して互いに通信可能に接続され、無線を介して車両と通信可能な複数の情報処理装置と、前記複数の情報処理装置とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバと、を用いて実行される、車両の自動運転制御方法であって、
前記複数の情報処理装置のうち、無線を介して前記車両と通信可能に接続された第1情報処理装置が、前記車両の自動運転に関する演算処理を実行し、前記演算処理の処理結果に基づいて前記車両の自動運転を制御し、
前記サーバが、
前記車両と前記第1情報処理装置との間の通信品質が所定基準を満たさなくなると、前記複数の情報処理装置のうちから、前記車両の走行経路に対する情報処理装置の位置、情報処理装置の処理負担、及び前記第1情報処理装置との間に設定される通信パスの帯域の少なくとも1つに基づいて、前記第1情報処理装置とは異なる第2情報処理装置を選択し、前記第1情報処理装置と、前記
第2情報処理装置との間に、レイヤ1又はレイヤ2で通信パスを
設定し、
前記第1情報処理装置が、前記通信パスを介するライブマイグレーションにより、前記演算処理を前記第2情報処理装置に引き継がせる、自動運転制御方法。
【請求項12】
無線を介して複数の情報処理装置と通信可能な通信部と、自車両の自動運転を実行する制御部と、を備える車両であって、
前記制御部は、
前記複数の情報処理装置のうちの第1情報処理装置に、無線を介して通信可能に接続し、
自車両の自動運転に関する演算処理を実行する前記第1情報処理装置から受信する制御情報に基づいて、自車両の自動運転を実行し、
前記複数の情報処理装置のうち、
レイヤ1又はレイヤ2の通信パスを介するライブマイグレーションにより前記演算処理を前記第1情報処理装置から引き継いだ第2情報処理装置に、無線を介して通信可能に接続
し、
前記第2情報処理装置は、前記車両と前記第1情報処理装置との間の通信品質が所定基準を満たさなくなると、前記複数の情報処理装置のうちから、前記車両の走行経路に対する情報処理装置の位置、情報処理装置の処理負担、及び前記第1情報処理装置との間に設定される通信パスの帯域の少なくとも1つに基づいて選択される、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転制御システム、自動運転制御方法、及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転を行う車両が知られている。例えば、非特許文献1には、位置センサ、ライダー、及びカメラ等を備える車両において、スタンドアローンで自動運転を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】菅沼直樹、「ソフトインフラとしてのデジタル地図を活用した自動運転システム」、DENSO TECHNICAL REVIEW、株式会社デンソー、2016年、vol.21、p. 3-12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、車両の自動運転を外部から制御することが望まれている。例えば、車両と通信可能な外部装置に処理の一部又は全部を負担させることにより、車両の処理負担が軽減される。車両の処理負担の軽減は、車両の低コスト化、小型化、及び省電力化等を可能にする。また例えば、車両に備えられたプロセッサと比較して演算処理能力の高い外部装置を用いることによって、より高度な自動運転制御が可能となる。しかしながら、例えば車両が比較的高速で走行する場合、車両と外部装置との間の通信を必ずしも維持できない。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、車両の自動運転を外部から制御する自動運転制御システム、自動運転制御方法、及び車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る自動運転制御システムは、
通信回線を介して互いに通信可能に接続され、無線を介して車両と通信可能な複数の情報処理装置と、前記複数の情報処理装置とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバと、を備える、車両の自動運転制御システムであって、
前記複数の情報処理装置のうち、無線を介して前記車両と通信可能に接続された第1情報処理装置は、前記車両の自動運転に関する演算処理を実行し、前記演算処理の処理結果に基づいて前記車両の自動運転を制御し、
前記サーバは、前記第1情報処理装置と、前記複数の情報処理装置のうちから選択した第2情報処理装置との間に、レイヤ1又はレイヤ2で通信パスを動的に設定し、
前記第1情報処理装置は、前記通信パスを介するライブマイグレーションにより、前記演算処理を前記第2情報処理装置に引き継がせる。
【0007】
本発明の一実施形態に係る自動運転制御方法は、
通信回線を介して互いに通信可能に接続され、無線を介して車両と通信可能な複数の情報処理装置と、前記複数の情報処理装置とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバと、を用いて実行される、車両の自動運転制御方法であって、
前記複数の情報処理装置のうち、無線を介して前記車両と通信可能に接続された第1情報処理装置が、前記車両の自動運転に関する演算処理を実行し、前記演算処理の処理結果に基づいて前記車両の自動運転を制御し、
前記サーバが、前記第1情報処理装置と、前記複数の情報処理装置のうちから選択した第2情報処理装置との間に、レイヤ1又はレイヤ2で通信パスを動的に設定し、
前記第1情報処理装置が、前記通信パスを介するライブマイグレーションにより、前記演算処理を前記第2情報処理装置に引き継がせる。
【0008】
発明の一実施形態に係る車両は、
無線を介して複数の情報処理装置と通信可能な通信部と、自車両の自動運転を実行する制御部と、を備える車両であって、
前記制御部は、
前記複数の情報処理装置のうちの第1情報処理装置に、無線を介して通信可能に接続し、
自車両の自動運転に関する演算処理を実行する前記第1情報処理装置から受信する制御情報に基づいて、自車両の自動運転を実行し、
前記複数の情報処理装置のうち、ライブマイグレーションにより前記演算処理を前記第1情報処理装置から引き継いだ第2情報処理装置に、無線を介して通信可能に接続する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態に係る自動運転制御システム、自動運転制御方法、及び車両によれば、車両の自動運転を外部から制御可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る自動運転制御システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図1のサーバの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1の情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の車両の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】複数の情報処理装置と車両との位置関係の例を示す図である。
【
図6】交差点エリアにおける4つの車両の位置関係の例を示す図である。
【
図7】交差点エリアにおける2つの車両の位置関係の例を示す図である。
【
図8】第1地点から第2地点までの経路の例を示す図である。
【
図9】自動運転制御システムの第1動作を示すシーケンス図である。
【
図10】自動運転制御システムの第2動作を示すシーケンス図である。
【
図11】自動運転制御システムの第3動作を示すシーケンス図である。
【
図12】遠隔運転システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(自動運転制御システムの概略構成)
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る自動運転制御システム1の概略構成について説明する。自動運転制御システム1は、例えば自動車等の車両の自動運転を、車両の外部から制御するシステムである。本実施形態において「自動運転」は、車両を運転するユーザ操作の一部又は全部を自動化することを含む。例えば、自動運転は、SAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5を含んでもよい。
【0013】
自動運転制御システム1は、サーバ10と、複数の情報処理装置20と、1つ以上の車両30と、を備える。
図1では説明の簡便のため、情報処理装置20については6つを図示し、車両30については1つを図示している。しかしながら、自動運転制御システム1が備える情報処理装置20及び車両30の数は、任意に定められてもよい。
【0014】
サーバ10は、1つ以上のサーバ装置を含む。サーバ10は、例えばデータセンタに備えられてもよい。サーバ10は、後述する第1ネットワーク40、第2ネットワーク50、及び第3ネットワーク60を介して、複数の情報処理装置20と通信可能に接続される。複数の情報処理装置20のそれぞれは、例えば自装置の近傍を走行する車両30と無線を介して通信可能である。情報処理装置20と車両30との間の無線通信は、例えば5G等、比較的高速な無線通信規格を用いて実行される。
【0015】
第1ネットワーク40は、例えばインターネット及びコアネットワーク等を含む。第2ネットワーク50は、例えばメトロネットワークを含む。第2ネットワーク50は、例えば光回線を介して互いに通信可能に接続された複数のOLT(Optical Line Terminal)51を含む。
図1では、3つのOLT51a乃至51cが図示されている。しかしながら、第2ネットワーク50に含まれるOLT51の数は任意に定められてもよい。第3ネットワーク60は、例えばアクセスネットワークを含む。第3ネットワーク60は、例えば光回線及びONU(Optical Network Unit)を介してOLT51と通信可能に接続された複数の情報処理装置20を含む。したがって、複数の情報処理装置20のそれぞれは、1つ以上のOLT51及び光回線を介して、他の情報処理装置20と通信可能に接続されている。
図1では、OLT51aと3つの情報処理装置20a乃至20cのそれぞれとが接続され、OLT51bと3つの情報処理装置20d乃至20fのそれぞれとが接続された構成が図示されている。しかしながら、複数のOLT51のそれぞれに接続される情報処理装置20の数は、任意に定められてもよい。
【0016】
自動運転制御システム1の動作の概要について説明する。情報処理装置20は、無線を介して通信可能に接続された車両30の自動運転を制御するエッジコンピュータとして機能する。以下、車両30と無線接続中の情報処理装置20を、第1情報処理装置20ともいう。具体的には、第1情報処理装置20は、後述するように車両30に関する情報及び交通情報を用いて、車両30の自動運転に関する演算処理を実行する。第1情報処理装置20は、当該演算処理の処理結果に基づいて生成される制御情報を車両30へ送信する。
【0017】
具体的には、第1情報処理装置20は、自動運転に関する演算処理の処理結果として、制御対象である車両30の目標とする動作を決定する。以下、演算処理によって決定される、車両30の目標とする動作を、目標動作ともいう。目標動作の具体例については後述する。第1情報処理装置20は、車両30の現在の動作を目標動作に近付けるための制御情報を車両30へ送信する。制御情報は、例えば、車両30に関する制御量及び当該制御量の目標値の組み合わせ(例えば、制御量「走行速度」の目標値「40km/h」等)を含んでもよいが、制御情報の具体的内容はこれに限られない。
【0018】
車両30は、第1情報処理装置20から取得した制御情報に基づいて、自車両の現在の動作を目標動作に近付けるように、自車両の自動運転を実行する。具体的には、車両30は、当該制御情報を用いて、例えば車両30の走行路に設定された制限速度に応じて車両30の走行速度を調整し、交差点で他の車両30が通過するまで停止し、或いは通行止めとなった走行路を避けるように車両30の走行経路を修正する等の目標動作を実行する。しかしながら、目標動作の内容は、上述の例に限られない。以下、情報処理装置20からの制御情報に基づく車両30の自動運転の制御を、自動運転の外部制御ともいう。外部制御による車両30の動作の具体的内容は、上述の例に限られず、任意に定められてもよい。
【0019】
ここで、例えば走行する車両30が第1情報処理装置20から離れるにしたがって、当該第1情報処理装置20と車両30との間の通信品質が低下し、或いは通信断になることが想定される。これに対して自動運転制御システム1では、サーバ10が、第1情報処理装置20と、走行する車両30と次に無線接続可能な蓋然性の高い他の情報処理装置20(例えば、車両30の進行方向に設置された他の情報処理装置20)との間に、レイヤ1又はレイヤ2で光パスを動的に設定する。以下、当該他の情報処理装置20を、第2情報処理装置20ともいう。
【0020】
第1情報処理装置20は、当該光パスを介するライブマイグレーションにより、上述した自動運転に関する演算処理を当該第2情報処理装置20に引き継がせる。具体的には、第1情報処理装置20は、例えば自動運転に関する演算処理を実行する仮想マシンの動作に用いられる任意の情報を、上述した光パスを介して第2情報処理装置20へ送信することによって、当該演算処理を当該第2情報処理装置20に引き継がせる。例えば、
図1に示す第1情報処理装置20aから第2情報処理装置20bへマイグレーションする場合、第1情報処理装置20aによって送信された情報は、OLT51aで折り返して第2情報処理装置20bに到達する。一方、例えば第1情報処理装置20aから第2情報処理装置20dへマイグレーションする場合、第1情報処理装置20aによって送信された情報は、OLT51a及び51bを経由して、第2情報処理装置20dに到達する。演算処理を引き継いだ第2情報処理装置20は、車両30に無線接続することで、第1情報処理装置20として機能する。
【0021】
かかる構成によれば、車両30の走行によって第1情報処理装置20と車両30との通信品質が低下し或いは通信断になる場合であっても、自動運転に関する演算処理が、第1情報処理装置20から第2情報処理装置20に引き継がれる。したがって、走行する車両30の自動運転を外部から制御可能となる。また、レイヤ1又はレイヤ2で設定された光パスを介してライブマイグレーションが行われるため、例えばレイヤ3以上のパスを介する構成と比較して、ライブマイグレーションによる演算処理の遅延が低減される。ライブマイグレーションによる演算処理の遅延の低減は、車両30の自動運転制御の安全性及び精度を向上させる。
【0022】
また自動運転制御システム1において、1つの車両30に対して2つ以上の(例えば、3つの)情報処理装置20が無線を介して通信可能に接続されるように制御されてもよい。かかる構成において、2つ以上の第1情報処理装置20のそれぞれが、自動運転に関する同一の演算処理を実行する。当該2つ以上の第1情報処理装置20のうち、半数を超える第1情報処理装置20の処理結果が一致した場合に限り、一致した当該処理結果に基づいて生成される制御情報が車両30へ送信される。
【0023】
かかる構成によれば、当該2つ以上の第1情報処理装置20のうちの一部による処理結果が、何らかの要因で適切でない処理結果となった場合であっても、半数を超える第1情報処理装置20において一致した処理結果(即ち、適切である蓋然性の高い処理結果)に基づいて車両30の自動運転が制御される。したがって、車両30の自動運転制御の安全性及び精度が向上する。
【0024】
次に、自動運転制御システム1の各構成要素について、具体的に説明する。
【0025】
(サーバの構成)
図2を参照して、サーバ10の構成について具体的に説明する。サーバ10は、サーバ通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ制御部13と、を備える。
【0026】
サーバ通信部11は、第1ネットワーク40に接続するための任意の通信モジュールを含む。サーバ10は、サーバ通信部11及び第1ネットワーク40を介して、1つ以上のOLT51と通信可能に接続される。サーバ10は、サーバ通信部11、第1ネットワーク40、第2ネットワーク50、及び第3ネットワーク60を介して、複数の情報処理装置20とそれぞれ通信可能である。またサーバ10は、例えば走行路に設置された監視カメラ及び信号機等の機器が第3ネットワーク60に接続されている場合、これらの機器とも通信可能である。またサーバ10は、サーバ通信部11及び第1ネットワーク40を介して、複数の車両30とそれぞれ通信可能である。
【0027】
サーバ記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んでもよい。サーバ記憶部12は、例えば一次記憶装置及び/又は二次記憶装置として機能してもよい。サーバ記憶部12は、サーバ10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、サーバ記憶部12は、各情報処理装置20の設置位置及びMACアドレス、並びに交通情報等を記憶する。交通情報は、例えば地図情報、走行路に設定された制限速度の情報、及び渋滞情報等、交通に関する任意の情報を含んでもよい。しかしながら、サーバ記憶部12に記憶される情報はこれらに限られない。例えば、後述するように車両30と無線通信可能な基地局に情報処理装置20が接続された構成である場合、サーバ記憶部12は、複数の基地局それぞれの設置位置と、情報処理装置20と基地局との対応関係と、を記憶してもよい。
【0028】
サーバ制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用プロセッサを含んでもよい。サーバ制御部13は、サーバ10全体の動作を制御する。
【0029】
例えば、サーバ制御部13は、車両30の走行経路の情報を取得する。走行経路の情報は、例えば車両30が走行を開始するよりも前に、車両30又は車両30のユーザが操作する端末装置等から取得される。また例えば、サーバ制御部13は、複数の情報処理装置20それぞれの処理負担を監視する。車両30の走行経路、及び各情報処理装置20の処理負担の情報は、後述するように、第1情報処理装置20のマイグレーション先となる第2情報処理装置20を選択する処理に用いられる。
【0030】
また例えば、サーバ制御部13は、1つ以上の車両30それぞれの運転情報に基づく学習機能を実現してもよい。運転情報は、車両30によって走行中に収集される任意の情報を含む。例えば、運転情報は、走行中の車両30が急停止した位置の情報等を含むが、これに限られない。学習機能は、例えば、情報処理装置20に記憶された、車両30の自動運転に関する演算処理の処理内容を記述したプログラムを、複数の車両30から取得した運転情報に基づいて更新させる機能を含んでもよい。例えば、一定数以上の車両30が略同一の位置で急停止している場合、サーバ制御部13は、当該位置の近傍を走行する車両30の走行速度を低減させるように、当該位置の近傍に設置された各情報処理装置20のプログラムを更新させ得る。また例えば、サーバ制御部13は、各車両30から取得される運転情報をログとしてサーバ記憶部12に蓄積してもよい。
【0031】
サーバ制御部13によって制御されるサーバ10の他の動作の詳細については後述する。
【0032】
(情報処理装置の構成)
図3を参照して、情報処理装置20の構成について具体的に説明する。情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0033】
通信部21は、第3ネットワーク60に接続するための任意の通信モジュールを含む。情報処理装置20は、通信部21及び第3ネットワーク60を介して、1つのOLT51と通信可能である。情報処理装置20は、通信部21、第1ネットワーク40、第2ネットワーク50、及び第3ネットワーク60を介して、サーバ10と通信可能である。情報処理装置20は、例えば走行路に設置された監視カメラ及び信号機等の機器が第3ネットワーク60に接続されている場合、これらの機器とも通信可能である。
【0034】
また通信部21は、車両30との間で無線通信するための任意の通信モジュールを含んでもよい。当該通信モジュールは、例えば5Gの無線通信規格に対応する。情報処理装置20は、通信部21を介して、1つ以上の車両30と通信可能である。或いは、通信部21は、例えば5Gの無線通信規格に対応する基地局に接続するための任意の通信モジュールを含んでもよい。かかる場合、情報処理装置20は、通信部21及び基地局を介して、1つ以上の車両30と通信可能である。このとき、車両30と基地局とが無線接続され、当該基地局と情報処理装置20とが有線接続されてもよい。
【0035】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22は、例えば一次記憶装置及び/又は二次記憶装置として機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。
【0036】
例えば、記憶部22は、少なくとも情報処理装置20の周辺の交通情報を記憶する。交通情報は、例えばサーバ10から取得される。また例えば、記憶部22は、車両30の自動運転に関する上述した演算処理の処理内容を記述したプログラムを記憶する。しかしながら、記憶部22に記憶される情報はこれらに限られない。
【0037】
制御部23は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。制御部23によって制御される情報処理装置20の動作の詳細については後述する。
【0038】
(車両の構成)
図4を参照して、車両30の構成について具体的に説明する。車両30は、車両通信部31と、センサ部32と、車両記憶部33と、車両制御部34と、を備える。車両通信部31、センサ部32、車両記憶部33、及び車両制御部34は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して、互いに通信可能に接続される。
【0039】
車両通信部31は、外部装置との間で無線通信するための任意の通信モジュールを含む。当該通信モジュールは、例えば5Gの無線通信規格に対応する。車両30は、車両通信部31を介して、1つ以上の情報処理装置20及びサーバ10と無線通信可能である。また車両通信部31は、V2X(Vehicle to Everything)通信を行うための任意の通信モジュールを含んでもよい。かかる場合、車両30は、車両通信部31を介して、例えば他の車両30、歩行者端末、路側機、信号機、及び監視カメラ等の機器と通信可能である。
【0040】
センサ部32は、車両30に関する情報を検出するための、1つ以上の任意のセンサを含む。当該センサは、例えば位置情報受信機、速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、ステアリング舵角センサ、バッテリ残量センサ、単眼カメラ、ステレオカメラ、ライダー、及びミリ波レーダ等を含んでもよい。車両30に関する情報は、例えば車両30の位置、向き、速度、加速度、姿勢、ステアリング舵角、車両30に備えられたバッテリの残量、車両30の周辺における物体の存在若しくは非存在、及び当該物体と車両30との間の距離等を示す情報を含んでもよい。しかしながら、車両30に関する情報の内容はこれらに限られない。
【0041】
車両記憶部33は、1つ以上のメモリを含む。車両記憶部33は、例えば一次記憶装置及び/又は二次記憶装置として機能してもよい。車両記憶部33は、車両30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。
【0042】
車両制御部34は、1つ以上のプロセッサ及び/又はECU(Electronic Control Unit)を含む。車両制御部34は、車両30全体の動作を制御する。
【0043】
例えば、車両制御部34は、上述したように第1情報処理装置20からの制御情報に基づいて、外部制御による車両30の自動運転を実行する。外部制御による車両30の自動運転の具体例については後述する。
【0044】
また例えば、車両制御部34は、センサ部32によって検出された情報に基づいて所定状況の発生を検出すると、第1情報処理装置20による外部制御に優先して、当該所定状況に応じた自動運転制御を実行してもよい。例えば、車両制御部34は、歩行者の飛び出しを検出すると、第1情報処理装置20から受信する制御情報の内容に関わらず、急停止するように制御してもよい。また例えば、車両制御部34は、情報処理装置20との通信が途絶えた場合、スタンドアローンで自動運転制御を実行してもよい。具体的には、車両制御部34は、セーフモードで(例えば、走行速度及びステアリング舵角等を維持したまま)走行を継続させ、一定時間が経過しても情報処理装置20との通信が回復しない場合、例えば停車等の緊急動作を実行するように、車両30を制御してもよい。
【0045】
(自動運転制御システムの動作)
次に、自動運転制御システム1の動作の詳細について、具体的に説明する。
【0046】
図5を参照して、上述したライブマイグレーションを行う際の自動運転制御システム1の動作について説明する。
図5において、図中の上方向に走行中の車両30の周辺に、6つの情報処理装置20a乃至20fが図示されている。3つの情報処理装置20a乃至20cは、車両30と無線接続中である。このため、当該3つの情報処理装置20a乃至20cを、ここでは第1情報処理装置20a乃至20cという。
【0047】
例えば、第1情報処理装置20aは、車両30との間の通信品質を監視する。第1情報処理装置20aは、当該通信品質が所定基準を満たさなくなったことを検出すると、移行要求をサーバ10へ送信する。例えば、第1情報処理装置20aは、車両30からの応答時間が所定時間(例えば、10ms)未満であるとの基準を満たさなくなったこと(即ち、応答時間が所定時間以上になったこと)を検出すると、移行要求をサーバ10へ送信してもよい。
【0048】
サーバ10は、第1情報処理装置20aから移行要求を受信すると、3つの第1情報処理装置20a乃至20cを除く複数の情報処理装置20(ここでは、3つの情報処理装置20d乃至20f)のうちから、車両30と次に無線接続可能な蓋然性の高い情報処理装置20を、第1情報処理装置20aのマイグレーション先である第2情報処理装置20として選択する。
【0049】
例えば、サーバ10は、上述したように車両30の走行経路の情報、及び複数の情報処理装置20(若しくは複数の情報処理装置20と接続された複数の基地局)の設置位置の情報を予め記憶している。サーバ10は、車両30の走行経路に対する情報処理装置20又は基地局の位置に基づいて、例えば車両30の走行経路の近くに設置された情報処理装置20、又は当該走行経路の近くに設置された基地局に接続された情報処理装置20を優先的に、第2情報処理装置20として選択してもよい。
【0050】
また例えば、サーバ10は、上述したように各情報処理装置20の処理負担を監視している。サーバ10は、情報処理装置20の処理負担に基づいて、例えば処理負担の少ない情報処理装置20を優先的に、第2情報処理装置20として選択してもよい。
【0051】
また例えば、サーバ10は、第1情報処理装置20aと、情報処理装置20d乃至20fのそれぞれと、の間に、レイヤ1又はレイヤ2で光パスを設定する場合における、当該光パスで使用可能な帯域を予測してもよい。サーバ10は、例えば予測した帯域の広い情報処理装置20aを優先的に、第2情報処理装置20として選択してもよい。
【0052】
サーバ10は、上述した車両30の走行経路に対する情報処理装置20の位置、情報処理装置20の処理負担、及び光パスの帯域のうちの組み合わせに基づいて、第2情報処理装置20を選択してもよい。例えば、
図5に示す例において、サーバ10は、3つの情報処理装置20d乃至20fのうち、車両30の走行経路に比較的近い領域A内に位置する2つの情報処理装置20d及び20eを特定する。サーバ10は、特定した2つの情報処理装置20d及び20eの処理負担及び/又は光パスの帯域に基づいて、2つの情報処理装置20d及び20eのいずれか一方を第2情報処理装置20として選択する。
【0053】
サーバ10は、第1情報処理装置20aと、選択した第2情報処理装置20との間に、レイヤ1又はレイヤ2で光パスを動的に設定する。サーバ10は、第2情報処理装置20へのライブマイグレーションの実行指示を、第1情報処理装置20aへ送信する。当該実行指示は、例えば、選択された第2情報処理装置20のMACアドレスを含む。第1情報処理装置20aは、当該実行指示に基づいて、第2情報処理装置20aへ上記の光パスを介するライブマイグレーションを行う。ライブマイグレーションにより、第1情報処理装置20aにおいて実行されていた自動運転に関する演算処理が、第2情報処理装置20に引き継がれる。
【0054】
ここで、第1情報処理装置20aは、他の第1情報処理装置20b又は20cがライブマイグレーションの実行中である場合、当該他の第1情報処理装置20b又は20cのライブマイグレーションが終了するまで、自装置によるライブマイグレーションの実行を保留してもよい。例えば、第1情報処理装置20aは、上述したライブマイグレーションの実行指示を受信した後、自装置によるライブマイグレーションの実行を保留してもよい。或いは、第1情報処理装置20aは、上述した移行要求のサーバ10への送信を保留してもよい。
【0055】
またサーバ10は、車両30の接続先を第1情報処理装置20aから第2情報処理装置20に切り替えさせる指示を、車両30及び/又は第2情報処理装置20へ送信する。車両30及び第2情報処理装置20は、当該指示に基づいて、両者の間で無線通信接続を確立する。車両30に接続された第2情報処理装置20は、第1情報処理装置20として機能する。
【0056】
次に
図6を参照して、外部制御による車両30の自動運転の第1例について具体的に説明する。
図6において、交差点の近傍に位置する4つの車両30a乃至30dが図示されている。ここで、無線を介して4つの車両30a乃至30dと通信可能に接続された1つ以上の第1情報処理装置20が存在するものとして説明する。ここでは、説明の簡便のため、1つの第1情報処理装置20が、4つの車両30a乃至30dそれぞれに対して自動運転の外部制御を行うものとして説明する。
【0057】
第1情報処理装置20は、4つの車両30a乃至30dが交差点の近傍のエリア(交差点エリア)に所定時間差以内で進入すると、当該4つの車両30a乃至30dの全てが当該交差点エリアを通過するまでに要する時間を低減し又は最小化するように、当該4つの車両30a乃至30dそれぞれの自動運転に関する演算処理を実行する。例えば、所定時間差は、複数の車両30それぞれが走行速度を維持したまま交差点エリアに進入した場合に、当該複数の車両30が交差点で衝突し得る程度に短い時間差であるが、任意に定められてもよい。
【0058】
例えば
図6において、車両30aの走行経路が図中で下から上に向かって交差点を通過する経路であり、3つの車両30b乃至30dそれぞれの走行経路が図中で右から左に向かって交差点を通過する経路であるものとする。このとき、例えば3つの車両30b乃至30dが連続して交差点エリアを右から左に通過する場合と、3つの車両30b乃至30dの間に車両30aが割り込んで交差点エリアを下から上に通過する場合とでは、前者の方が、3つの車両30b乃至30dの車間距離を短くすることができる。このため、後者と比較して前者の方が、4つの車両30a乃至30dの全てが交差点エリアを通過するまでに要する時間が短くなり得る。
【0059】
第1情報処理装置20は、自動運転に関する演算処理によって、3つの車両30b乃至30dに交差点エリアを連続して通過させた後、車両30aに交差点エリアを通過させる、という目標動作を処理結果として決定する。第1情報処理装置20は、当該処理結果に基づいて、4つの車両30a乃至30dそれぞれの自動運転を制御する。したがって、3つの車両30b乃至30dが交差点エリアを通過した後、車両30aが交差点エリアを通過する。
【0060】
ここで、第1情報処理装置20は、当該4つの車両30a乃至30dに交差点エリアを通過させる際に、例えば当該交差点エリアに設置された信号機を制御してもよい。例えば、第1情報処理装置20は、3つの車両30b乃至30dに交差点エリアを右から左に通過させている間、車両30aに対する信号機に赤信号を維持させ、3つの車両30b乃至30dが交差点エリアを通過し終えると、当該信号機に赤信号から青信号へ切り替えさせてもよい。
【0061】
上述の例では、交差点エリアに所定時間差以内で進入した4つの車両30a乃至30dが交差点エリアを通過するまでに要する時間に着目した外部制御について説明した。しかしながら、例えばソーシャルウェルフェア(Social Welfare)の観点から、当該時間を低減し又は最小化する以外の外部制御も可能である。例えば、上述の例において、4つの車両30a乃至30dが交差点エリアを通過するために消費する総エネルギー量を低減し又は最小化する外部制御等が考えられる。
【0062】
次に
図7を参照して、外部制御による車両30の自動運転の第2例について具体的に説明する。
図7において、交差点の近傍に位置する2つの車両30e及び30fが図示されている。ここで、無線を介して2つの車両30e及び30fと通信可能に接続された1つ以上の第1情報処理装置20が存在するものとして説明する。ここでは、説明の簡便のため、1つの第1情報処理装置20が、2つの車両30e及び30fそれぞれに対して自動運転の外部制御を行うものとして説明する。
【0063】
例えば、第1情報処理装置20は、2つの車両30e及び30fが交差点エリアに所定時間差以内で進入すると、当該2つの車両30e及び30fのうち、先に交差点エリアを通過した一方の車両30(例えば、車両30e)のユーザに対して、料金の支払いを請求してもよい。第1情報処理装置20は、例えば電子決済により料金の支払いを受け付ける。第1情報処理装置20は、支払われた料金の少なくとも一部を、例えば他方の車両30(例えば、車両30f)のユーザ若しくは自動運転制御システム1の提供者に付与してもよいし、或いは預かり金としてプールし、社会に還元してもよい。
【0064】
或いは、サーバ10は、車両30のユーザから予め料金の支払いを受け付け可能であってもよい。サーバ10は、ユーザから支払われた料金に応じた優先度を、当該ユーザの車両30に対応付けて記憶する。例えば、支払われた料金の額が高いほど、優先度を高くしてもよい。サーバ10は、複数の車両30それぞれの優先度を、複数の情報処理装置20へ通知する。したがって、上述した第1情報処理装置20は、複数の車両30それぞれの優先度を予め記憶している。
【0065】
かかる前提のもと、
図7に示す例において第1情報処理装置20は、2つの車両30e及び30fが交差点エリアに上述した所定時間差以内で進入すると、自動運転に関する演算処理によって、当該2つの車両30e及び30fのうち、優先度が高い一方の車両30(例えば、車両30e)に交差点エリアを通過させた後、他方の車両30(例えば、車両30f)に交差点エリアを通過させる、という目標動作を処理結果として決定する。第1情報処理装置20は、当該処理結果に基づいて、2つの車両30e及び30fそれぞれの自動運転を制御する。したがって、優先度の高い車両30eが交差点エリアを通過した後、優先度の低い車両30fが交差点エリアを通過する。ここで、第1情報処理装置20は、当該2つの車両30e及び30fに交差点エリアを通過させる際に、例えば当該交差点エリアに設置された信号機を制御してもよい。
【0066】
次に
図8を参照して、外部制御による車両30の自動運転の第3例について具体的に説明する。第3例では、例えば車両30をシェアリングカーとして利用する場合における、車両30の自動回送が行われる。また第3例では、上述したサーバ10による学習機能が用いられる。
図8において、第1地点及び第2地点をつなぐ走行路が図示されている。概略として、例えば、集合住宅等の第2地点には、1つ以上の車両30が設けられる。集合住宅に住むユーザは、車両30を利用して第2地点から駅等の第1地点へ移動する。第2地点から第1地点へ移動する間の車両30の運転は、自動運転又はユーザによる手動運転のいずれであってもよい。一方、第1地点に到着した車両30は、例えばユーザを乗車させることなく完全自動運転で、第2地点から第1地点へ移動する。かかる構成によれば、ユーザは、第2地点から第1地点への移動に車両30を利用した場合に、当該車両30を自ら運転して第1地点へ返却する必要がない。このため、自動運転制御システム1の利便性が向上する。
【0067】
車両30が第1地点から第2地点へ移動するための、自動運転の外部制御について詳細に説明する。例えば
図8において第1地点から第2地点へ延びる矢印で示すように、第1地点から第2地点への車両30の走行経路は、例えば予め定められている。したがって、第1情報処理装置20は、車両30を第1地点から第2地点まで当該所定の走行経路で走行させるように、車両30の自動運転に関する演算処理を実行する。
【0068】
一方、車両30は、当該走行経路を走行する間の運転情報を収集する。例えば、運転情報は、車両30が所定状況の発生を検出した位置の情報を含んでもよい。具体的には、
図8に示す位置Aにおいて、例えば歩行者の飛び出しが検出されたものとする。かかる場合、車両30は、位置Aにおいて歩行者の飛び出しが検出されたことを示す運転情報を、サーバ10へ送信する。また、
図8に示す位置Bにおいて、例えば道路工事に伴う渋滞が検出されたものとする。かかる場合、車両30は、位置Bにおいて渋滞が検出されたことを示す運転情報を、サーバ10へ送信する。
【0069】
サーバ10は、1つ以上の車両30それぞれの運転情報に基づく学習機能により、情報処理装置20に記憶された、車両30の自動運転に関する演算処理のプログラムを更新させる。例えば、サーバ10は、位置Aの近傍で車両30の走行速度を低減させるように、プログラムの更新指示を複数の情報処理装置20へ送信する。また例えば、サーバ10は、位置Bを迂回する新たな走行経路に沿って車両30を走行させるように、プログラムの更新指示を複数の情報処理装置20へ送信する。かかる構成によれば、第1地点から第2地点まで完全自動運転により車両30を走行させる場合において、例えば安全性の向上及び走行時間の短縮が可能である。
【0070】
次に
図9乃至
図11を参照して、自動運転制御システム1の動作のフローについて説明する。
【0071】
図9を参照して、自動運転制御システム1の第1動作のフローについて説明する。第1動作は、1つの車両30と無線接続中の2つ以上の第1情報処理装置20のうち、半数を超える第1情報処理装置20の処理結果が一致した場合に限り、一致した当該処理結果に基づいて車両30の自動運転を外部制御する動作を含む。
図9では説明の簡便のため、2つ以上の第1情報処理装置20については1つのみ図示している。
【0072】
ステップS100:第1情報処理装置20は、車両30の自動運転に関する演算処理を開始する。また、他の第1情報処理装置20も、同一の演算処理をそれぞれ開始する。
【0073】
ステップS101:第1情報処理装置20は、演算処理の処理結果を決定する。また、他の第1情報処理装置20それぞれも、演算処理の処理結果をそれぞれ決定する。
【0074】
ステップS102:第1情報処理装置20は、他の第1情報処理装置20の処理結果を取得する。
【0075】
ステップS103:第1情報処理装置20は、半数を超える第1情報処理装置20の処理結果が一致するか否かを判定する。半数を超える第1情報処理装置20の処理結果が一致すると判定された場合(ステップS103-Yes)、第1情報処理装置20のプロセスはステップS105に進む。一方、半数を超える第1情報処理装置20の処理結果が一致しないと判定された場合(ステップS103-No)、第1情報処理装置20のプロセスはステップS104に進む。
【0076】
ステップS104:ステップS103で半数を超える第1情報処理装置20の処理結果が一致しないと判定された場合(ステップS103-No)、第1情報処理装置20は、自装置が決定した処理結果を破棄する。また、他の第1情報処理装置20も、処理結果をそれぞれ破棄する。その後、第1情報処理装置20のプロセスはステップS101に戻る。
【0077】
ステップS105:ステップS103で半数を超える第1情報処理装置20の処理結果が一致すると判定された場合(ステップS103-Yes)、第1情報処理装置20は、一致した当該処理結果に基づいて生成した制御情報を車両30へ送信する。その後、第1情報処理装置20のプロセスはステップS101に戻る。
【0078】
ステップS106:車両30は、第1情報処理装置20から受信した制御情報に基づいて自動運転を実行する。
【0079】
次に
図10を参照して、自動運転制御システム1の第2動作のフローについて説明する。第2動作は、上述したライブマイグレーションを行う動作を含む。第2動作は、例えば第1情報処理装置20と車両30との間の通信品質が所定基準を満たさなくなった場合に実行される。
【0080】
ステップS200:サーバ10は、複数の情報処理装置20のうちから、第2情報処理装置20を選択する。
【0081】
ステップS201:サーバ10は、第1情報処理装置20と第2情報処理装置20との間に、レイヤ1又はレイヤ2で光パスを動的に設定する。
【0082】
ステップS202:サーバ10は、第2情報処理装置20へのライブマイグレーションの実行指示を、第1情報処理装置20へ送信する。
【0083】
ステップS203:第1情報処理装置20は、サーバ10からの当該実行指示に基づいて、第2情報処理装置20へ上記の光パスを介するライブマイグレーションを行う。換言すると、第1情報処理装置20は、上記の光パスを介するライブマイグレーションにより、自動運転に関する演算処理を第2情報処理装置20に引き継がせる。
【0084】
ステップS204:第2情報処理装置20は、ステップS203のライブマイグレーションが終了すると、自動運転に関する上記の演算処理を継続する。
【0085】
図11を参照して、自動運転制御システム1の第3動作のフローについて説明する。第3動作は、上述したサーバ10の学習機能に関する動作を含む。
【0086】
ステップS300:車両30は、所定経路を移動する間に収集した運転情報をサーバ10へ送信する。
【0087】
ステップS301:サーバ10は、車両30から運転情報を取得する。
【0088】
ステップS302:サーバ10は、車両30の自動運転に関する演算処理の処理内容の更新指示を、複数の情報処理装置20へ送信する。
【0089】
ステップS303:情報処理装置20は、サーバ10から取得した更新指示に基づいて、車両30の自動運転に関する演算処理の処理内容を更新する。具体的には、情報処理装置20は、当該演算処理の処理内容を記述したプログラムを更新してもよい。
【0090】
以上述べたように、本実施形態に係る自動運転制御システム1によれば、第1情報処理装置20と第2情報処理装置20との間に、レイヤ1又はレイヤ2の光パスが動的に設定される。当該光パスを介するライブマイグレーションにより、車両30の自動運転に関する演算処理が第1情報処理装置20から第2情報処理装置20に引き継がれる。かかる構成によれば、例えば車両30の走行によって第1情報処理装置20と車両30との通信品質が低下し或いは通信断になる場合であっても、自動運転に関する演算処理が、第1情報処理装置20から第2情報処理装置20に引き継がれる。したがって、走行する車両30の自動運転を外部から制御可能となる。また、レイヤ1又はレイヤ2で設定された光パスを介してライブマイグレーションが行われるため、例えばレイヤ3以上のパスを介する構成と比較して、ライブマイグレーションによる演算処理の遅延が低減される。ライブマイグレーションによる演算処理の遅延の低減は、車両30の自動運転制御の安全性及び精度を向上させる。
【0091】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0092】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置20が、例えば走行路に設置された監視カメラと通信可能である構成について説明した。かかる構成において、監視カメラの映像を用いて、車両30の自動運転の外部制御が行われてもよい。例えば、車両30と無線接続中の第1情報処理装置20は、監視カメラの映像を取得し、当該映像を用いて物体認識処理を行う。物体認識処理には、例えば特徴点抽出又はパターンマッチング等、任意のアルゴリズムが採用可能である。物体認識処理によって、監視カメラの映像上の所望のオブジェクトが認識され得る。物体認識処理によって認識される当該オブジェクトは、例えば情報処理装置20と通信しない車両、歩行者、自転車等の移動オブジェクトを含んでもよい。第1情報処理装置20は、認識されたオブジェクトに関する情報(オブジェクト情報)を推定する。オブジェクト情報は、例えば当該オブジェクトの実空間における位置、移動速度、及び進路等の情報を含んでもよい。第1情報処理装置20は、車両30に関する情報、交通情報、及び推定したオブジェクト情報に基づいて、車両30の自動運転の外部制御を行う。当該外部制御によって、車両30は、例えば交差点で当該オブジェクトが通過するまで停止する等の目標動作を実行し得る。
【0093】
かかる構成によれば、情報処理装置20と通信できないオブジェクトを考慮した車両30の自動運転の外部制御が可能である。したがって、例えば車両30とオブジェクトとが衝突する等の事故の発生する蓋然性を低減できるので、自動運転制御システム1の安全性が更に向上する。ここで、監視カメラの映像に基づいてオブジェクトを認識する処理、及びオブジェクト情報を推定する処理の一部又は全部が、サーバ10によって実行されてもよい。
【0094】
また、上述した自動運転制御システム1は、例えば運転者が離れた場所から手動による遠隔運転が可能な車両30を含んでもよい。例えば
図12に示すように、車両30の遠隔運転を行う運転者は、車両30とは異なる任意の場所に設置された遠隔運転システム70を用いて、車両30の手動で遠隔運転する。例えば、遠隔運転システム70は、入力装置71と、ディスプレイ72と、コンピュータ73と、を備える。
【0095】
入力装置71は、例えばステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、及びシフトレバー等、運転者による車両30の運転操作を受け付ける任意の装置を含む。ディスプレイ72には、後述するように、例えば車両30の周囲の風景の映像が表示される。車両30の周囲の風景の映像は、例えば車両30のセンサ部32に含まれるカメラの映像であってもよいし、或いは車両30の周囲の風景を再現した仮想空間の映像であってもよい。ディスプレイ72は、例えばヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0096】
コンピュータ73は、コンピュータ73全体の動作を制御する1つ以上のプロセッサと、通信インタフェースと、を備える。コンピュータ73は、当該通信インタフェースを介して、サーバ10、情報処理装置20、車両30、及び走行路に設置された監視カメラ等と通信可能である。コンピュータ73は、例えばセンサ部32に含まれるカメラの映像を車両30から取得して、ディスプレイ72に表示させてもよい。或いは、コンピュータ73は、サーバ10、情報処理装置20、車両30、及び監視カメラ等から取得される情報に基づいて、車両30の周囲の風景を再現した仮想空間の映像を生成し、ディスプレイ72に表示させてもよい。仮想空間の映像の生成は、例えば地図情報、車両30に関する情報(例えば、車両30の位置、向き、速度、加速度、ステアリング舵角、及び車両30の周辺に存在する物体の情報等)、車両30の走行経路の情報、及び上述したオブジェクト情報等に基づいて生成可能である。コンピュータ73は、入力装置71を介して受け付けた運転操作に基づいて、車両30の動作を遠隔制御する。
【0097】
上述のように映像をディスプレイ72に表示させる際、コンピュータ73は、例えばシミュレーションによって車両30の周囲の将来の風景を予測した予測映像を表示させてもよい。当該シミュレーションは、例えば、地図情報、車両30に関する情報(例えば、車両30の位置、向き、速度、加速度、ステアリング舵角、及び車両30の周辺に存在する物体の情報等)、車両30の走行経路の情報、及びオブジェクト情報等を用いて実行可能である。例えば、予測映像は、センサ部32に含まれるカメラの映像上に、車両30の周囲に存在する他の車両30及びオブジェクト等の、シミュレーションによって予測された所定時間後の様子を示す予測画像が重畳された映像であってもよい。或いは、予測映像は、車両30の周囲の、シミュレーションによって予測された所定時間後の風景を示す仮想空間の映像であってもよい。所定時間は、例えば遠隔運転システム70を用いる運転操作が実行されてから、当該運転操作が実際に車両30に反映されるまでのタイムラグに略一致するように、予め定められてもよい。かかる構成によれば、運転者は、予測映像を介して、現在時刻よりも所定時間だけ先の風景を視認して運転操作を行うことができる。したがって、例えばリアルタイムの映像をディスプレイ72に表示させる構成と比較して、上述したタイムラグによる悪影響が低減される。
【0098】
また、上述した実施形態において、車両30の自動運転を外部制御する構成について説明した。しかしながら、論理的に矛盾しない範囲において、サーバ10及び情報処理装置20が実行する処理の一部を、車両30がスタンドアローンで実行する構成も可能である。例えば、
図8を参照して説明した車両30の自動運転の第3例は、情報処理装置20を用いることなく車両30がスタンドアローンで自動運転を実行する構成も可能である。
【0099】
また、上述した実施形態において、1つの車両30に対して2つ以上の情報処理装置20が無線を介して通信可能に接続される構成について説明した。具体的には、上述の実施形態では、当該2つ以上の情報処理装置20、即ち2つ以上の第1情報処理装置20それぞれは、自動運転に関する同一の演算処理を実行する。半数以上の第1情報処理装置20の処理結果が一致する場合、第1情報処理装置20は、当該処理結果に基づく制御情報を車両30へ送信する。一方、半数以上の第1情報処理装置20の処理結果が一致しない場合、当該演算処理を実行し直す。
【0100】
ここで、半数以上の第1情報処理装置20の処理結果が一致しないことが連続して基準回数発生した場合、又は当該2つ以上の第1情報処理装置20それぞれと車両30との間の通信品質が所定基準(例えば、車両30からの応答速度が所定時間未満であるとの基準)を満たさなくなった場合、当該2つ以上の第1情報処理装置20のうち少なくとも1つが、スタンドアローンによる自動運転への切替指示を車両30へ送信してもよい。車両30は、当該切替指示を受信すると、スタンドアローンで自動運転制御を実行する。具体的には、車両30は、セーフモードで(例えば、走行速度及びステアリング舵角等を維持したまま)走行を継続させ、一定時間が経過しても第1情報処理装置20から自動運転の制御情報が受信されない場合、例えば停車等の緊急動作を実行してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 自動運転制御システム
10 サーバ
11 サーバ通信部
12 サーバ記憶部
13 サーバ制御部
20、20a~20f 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30、30a~30f 車両
31 車両通信部
32 センサ部
33 車両記憶部
34 車両制御部
40 第1ネットワーク
50 第2ネットワーク
51、51a~51c OLT
60 第3ネットワーク
70 遠隔運転システム
71 入力装置
72 ディスプレイ
73 コンピュータ