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特許7043242プログラム、情報処理装置、及び配達管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び配達管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220322BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
G06Q10/08
G08G1/00 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017239786
(22)【出願日】2017-12-14
(65)【公開番号】P2019106135
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】519378322
【氏名又は名称】aidea株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(73)【特許権者】
【識別番号】899000079
【氏名又は名称】学校法人慶應義塾
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】山中 直明
(72)【発明者】
【氏名】池田 元英
【審査官】上嶋 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/111224(WO,A1)
【文献】特開2002-324197(JP,A)
【文献】特開平06-290193(JP,A)
【文献】特開2015-090609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機能を有する情報処理装置に、
1つ以上の移動体のそれぞれについて、1つ以上の配達先位置を経由する配達ルートと、前記1つ以上の配達先位置それぞれに前記移動体が到達すべき配達予定時刻と、を含む配達スケジュールを決定するステップと、
ユーザの端末装置から、商品の配達先位置を含む第1注文情報を取得する第1取得ステップと、
前記ユーザの前記端末装置から、移動体が複数の配達先位置を経由して前記商品を配達するシェア配達の許否を示す許否情報を取得するステップと、
前記第1注文情報及び前記許否情報に基づいて前記移動体の前記配達スケジュールを自動的に修正する修正ステップと、
前記ユーザが支払うべき金額を決定する金額決定ステップと、
を実行させ
前記修正ステップにおいて、前記シェア配達が許可されているときに、前記シェア配達を行うとした場合における前記移動体の移動距離又は移動時間距離に対する、前記シェア配達を行わないとした場合における前記移動体の移動距離又は移動時間距離の割合が閾値以上である場合、前記移動体の前記配達スケジュールに含まれる既存の配達ルートを、前記第1注文情報に含まれる前記配達先位置を経由するように修正する、プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記1つ以上の移動体の前記配達スケジュールに基づいて、1日を分割した複数の時間帯のそれぞれについて、前記時間帯に属する配達予定時刻の注文数が基準値以上である場合、前記時間帯を混雑時間帯として検出するステップと、
前記混雑時間帯に対応する第1料金と、前記混雑時間帯以外の時間帯に対応する、前記第1料金よりも低い第2料金と、を前記ユーザの前記端末装置に表示させるステップと、
前記ユーザの前記端末装置から、前記商品の配達希望時刻又は配達希望時間帯を含む第2注文情報を取得する第2取得ステップと、
を更に実行させ、
前記金額決定ステップにおいて、前記第2注文情報に含まれる前記配達希望時刻が前記混雑時間帯に属する場合、又は前記第2注文情報に含まれる前記配達希望時間帯が前記混雑時間帯である場合、前記第1料金を用いて前記金額を決定し、前記配達希望時刻が前記混雑時間帯に属さない場合、又は前記配達希望時間帯が前記混雑時間帯ではない場合、前記第2料金を用いて前記金額を決定する、プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記第1注文情報に含まれる前記配達先位置に基づいて、前記第1料金と前記第2料金との差額を決定するステップ
を更に実行させる、プログラム。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記1つ以上の移動体のそれぞれから、前記移動体の移動中に収集される運転情報を取得するステップと、
前記1つ以上の移動体それぞれの前記運転情報に基づく1つ以上の運転画像を地図上に重畳した画面を外部装置に表示させるステップと、
を更に実行させ、
前記運転画像の表示態様が時間経過に応じて変化する、プログラム。
【請求項5】
請求項に記載のプログラムであって、
前記運転画像は、前記1つ以上の移動体のそれぞれが移動した移動経路を示す第1画像、前記1つ以上の移動体のそれぞれが急停止した位置を示す第2画像、及び前記1つ以上の移動体それぞれの移動速度が所定値を越えた区間を示す第3画像のうち、少なくとも1つを含む、プログラム。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記1つ以上の移動体のそれぞれから、前記移動体の移動中に収集される運転情報を取得するステップと、
前記1つ以上の移動体それぞれの前記運転情報に基づいて、前記1つ以上の移動体それぞれの運転者の評価を示す評価情報を決定するステップと、
を更に実行させる、プログラム。
【請求項7】
通信部と、制御部と、を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
1つ以上の移動体のそれぞれについて、1つ以上の配達先位置を経由する配達ルートと、前記1つ以上の配達先位置それぞれに前記移動体が到達すべき配達予定時刻と、を含む配達スケジュールを決定し、
前記通信部を介してユーザの端末装置から、商品の配達先位置を含む注文情報を取得し、
前記ユーザの前記端末装置から、移動体が複数の配達先位置を経由して前記商品を配達するシェア配達の許否を示す許否情報を取得し、
前記注文情報及び前記許否情報に基づいて、前記シェア配達が許可されているときに、前記シェア配達を行うとした場合における前記移動体の移動距離又は移動時間距離に対する、前記シェア配達を行わないとした場合における前記移動体の移動距離又は移動時間距離の割合が閾値以上である場合、前記移動体の前記配達スケジュールに含まれる既存の配達ルートを、前記第1注文情報に含まれる前記配達先位置を経由するように自動的に修正する、情報処理装置。
【請求項8】
1つ以上の移動体と、通信機能を有する情報処理装置と、を備える配達管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記1つ以上の移動体のそれぞれについて、1つ以上の配達先位置を経由する配達ルートと、前記1つ以上の配達先位置それぞれに前記移動体が到達すべき配達予定時刻と、を含む配達スケジュールを決定し、
ユーザの端末装置から、商品の配達先位置を含む注文情報を取得し、
前記ユーザの前記端末装置から、移動体が複数の配達先位置を経由して前記商品を配達するシェア配達の許否を示す許否情報を取得し、
前記注文情報及び前記許否情報に基づいて、前記シェア配達が許可されているときに、前記シェア配達を行うとした場合における前記移動体の移動距離又は移動時間距離に対する、前記シェア配達を行わないとした場合における前記移動体の移動距離又は移動時間距離の割合が閾値以上である場合、前記移動体の前記配達スケジュールに含まれる既存の配達ルートを、前記第1注文情報に含まれる前記配達先位置を経由するように自動的に修正し、
前記1つ以上の移動体のそれぞれは、前記配達スケジュールに基づく自動運転又はルート案内を実行する、配達管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び配達管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転を行う車両等の移動体が知られている。例えば、非特許文献1には、位置センサ、ライダー、及びカメラ等を備える車両において、スタンドアローンで自動運転を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】菅沼直樹、「ソフトインフラとしてのデジタル地図を活用した自動運転システム」、DENSO TECHNICAL REVIEW、株式会社デンソー、2016年、vol.21、p. 3-12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、例えば食品等の商品を移動体で配達する商品配達サービスが知られている。かかるサービスにおいて、例えば経済的及び時間的コストの観点から、配達の効率の向上が望まれている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、移動体で商品を配達するサービスにおける配達の効率を向上させるプログラム、情報処理装置、及び配達管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、
通信機能を有する情報処理装置に、
1つ以上の移動体のそれぞれについて、1つ以上の配達先位置を経由する配達ルートと、前記1つ以上の配達先位置それぞれに前記移動体が到達すべき配達予定時刻と、を含む配達スケジュールを決定するステップと、
ユーザの端末装置から、商品の配達先位置を含む第1注文情報を取得する第1取得ステップと、
前記第1注文情報に基づいて前記移動体の前記配達スケジュールを自動的に修正する修正ステップと、
前記ユーザが支払うべき金額を決定する金額決定ステップと、を実行させる。
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、
通信部と、制御部と、を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
1つ以上の移動体のそれぞれについて、1つ以上の配達先位置を経由する配達ルートと、前記1つ以上の配達先位置それぞれに前記移動体が到達すべき配達予定時刻と、を含む配達スケジュールを決定し、
前記通信部を介してユーザの端末装置から、商品の配達先位置を含む注文情報を取得し、
前記注文情報に基づいて前記移動体の前記配達スケジュールを自動的に修正する。
【0008】
発明の一実施形態に係る配達管理システムは、
1つ以上の移動体と、通信機能を有する情報処理装置と、を備える配達管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記1つ以上の移動体のそれぞれについて、1つ以上の配達先位置を経由する配達ルートと、前記1つ以上の配達先位置それぞれに前記移動体が到達すべき配達予定時刻と、を含む配達スケジュールを決定し、
ユーザの端末装置から、商品の配達先位置を含む注文情報を取得し、
前記注文情報に基づいて前記移動体の前記配達スケジュールを自動的に修正し、
前記1つ以上の移動体のそれぞれは、前記配達スケジュールに基づく自動運転又はルート案内を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態に係るプログラム、情報処理装置、及び配達管理システムによれば、移動体で商品を配達するサービスにおける配達の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る配達管理システムの概略構成を示す図である。
図2】修正前の配達スケジュールの例を示す図である。
図3】時間帯毎の注文数の例を示すグラフである。
図4】修正後の配達スケジュールの例を示す図である。
図5】端末装置に表示される注文画面の例を示す図である。
図6】サーバが外部装置に表示させる画面の例を示す図である。
図7】配達管理システムの第1動作を示すシーケンス図である。
図8】配達管理システムの第2動作を示すシーケンス図である。
図9】移動体及び配送ロボットを示す図である。
図10】配送ロボットが用いられる場合の配達ルートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(配達管理システムの概要)
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る配達管理システム1の概要について説明する。配達管理システム1は、例えばユーザからの注文に応じて商品を当該ユーザに配達する商品配達サービスに用いられる。配達管理システム1は、サーバ10と、1つ以上の移動体20と、1つ以上の端末装置30と、を備える。図1では説明の簡便のため、移動体20及び端末装置30については1つずつを図示している。しかしながら、配達管理システム1が備える移動体20及び端末装置30の数は、任意に定められてもよい。サーバ10、移動体20、及び端末装置30のそれぞれは、例えばインターネット等のネットワーク40を介して通信可能に接続される。
【0013】
サーバ10は、1つ以上の情報処理装置を含む。当該情報処理装置は、例えば専用の装置であってもよいし、或いはスマートフォン、タブレット端末、又はコンピュータ等の汎用の装置であってもよい。本実施形態では、サーバ10が1つの情報処理装置で実現されている例について説明するが、互いに通信可能な複数の情報処理装置がサーバ10として機能してもよい。サーバ10は、任意の場所に設置される。例えば、サーバ10は、商品を保管又は製造する店舗に備えられてもよいし、店舗とは離れた場所に備えられてもよい。サーバ10は、例えばクラウドサーバとして実現されてもよい。サーバ10は、例えば、後述するように1つ以上の移動体20それぞれの配達スケジュールを管理するために用いられる。
【0014】
移動体20は、自動運転又は手動運転により移動可能な任意の装置を含む。本実施形態において「自動運転」は、移動体を運転する運転者の操作の一部又は全部を自動化することを含む。例えば、自動運転は、SAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5を含んでもよい。移動体20は、例えば運転者が搭乗可能な空間を有してもよいし、有さなくてもよい。例えば、移動体20は、バイク、自動車、及び自転車等の車両、歩行ロボット、並びにドローン等の飛行装置を含むが、これらに限られない。移動体20は、商品を店舗からユーザへ配達する際の移動手段として用いられる。
【0015】
端末装置30は、商品配達サービスを利用するユーザが使用する任意の情報処理装置を含む。当該情報処理装置は、例えば専用の装置であってもよいし、或いはスマートフォン、タブレット端末、又はコンピュータ等の汎用の装置であってもよい。端末装置30は、例えば商品を注文するためにユーザによって用いられる。
【0016】
配達管理システム1の動作の概要について説明する。サーバ10は、1つ以上の移動体20のそれぞれについて、配達スケジュールを決定する。配達スケジュールは、例えば移動体20が店舗を出発すべき時刻(出発予定時刻)と、1つ以上の配達先位置を経由する配達ルートと、当該1つ以上の配達先位置それぞれに移動体20が到達すべき時刻(配達予定時刻)と、当該配達ルートに沿って移動した移動体20が店舗に帰着すべき時刻(帰着予定時刻)と、を含む情報である。しかしながら、配達スケジュールに含まれる情報は、上述した例に限られない。サーバ10は、端末装置30を操作するユーザから商品の注文を新たに受注すると、少なくとも1つの移動体20の配達スケジュールを自動的に修正する。そしてサーバ10は、1つ以上の移動体20のそれぞれに、配達スケジュールに基づく自動運転又は運転支援を実行させる。運転支援は、例えばルート案内等を含んでもよい。
【0017】
かかる構成によれば、1つ以上の移動体20のそれぞれが行う自動運転又は運転支援に用いられる配達スケジュールが、商品配達の注文の受注に応じて動的且つ自動的に修正される。したがって、商品配達サービスにおける配達の効率が向上する。
【0018】
次に、配達管理システム1の各構成要素について、具体的に説明する。
【0019】
(サーバの構成)
サーバ10の構成について具体的に説明する。サーバ10は、サーバ通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ制御部13と、を備える。
【0020】
サーバ通信部11は、外部装置と通信するための任意の通信モジュールを含む。サーバ10は、サーバ通信部11及びネットワーク40を介して、移動体20及び端末装置30と通信可能である。
【0021】
サーバ記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んでもよい。サーバ記憶部12は、例えば一次記憶装置及び/又は二次記憶装置として機能してもよい。サーバ記憶部12は、サーバ10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、サーバ記憶部12は、店舗の位置情報及び交通情報等を記憶する。交通情報は、例えば地図情報、走行路に設定された制限速度の情報、及び渋滞情報等、交通に関する任意の情報を含んでもよい。交通情報は、例えばネットワーク40から定期的に取得されてもよい。しかしながら、サーバ記憶部12に記憶される情報は交通情報に限られない。
【0022】
サーバ制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用プロセッサを含んでもよい。サーバ制御部13は、サーバ10全体の動作を制御する。サーバ制御部13によって制御されるサーバ10の動作の詳細については後述する。
【0023】
(移動体の構成)
移動体20の構成について具体的に説明する。移動体20は、通信部21と、センサ部22と、記憶部23と、表示部24と、入力部25と、制御部26と、を備える。通信部21、センサ部22、記憶部23、表示部24、入力部25、及び制御部26は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークと通信可能に接続されてもよい。通信部21、センサ部22、記憶部23、表示部24、入力部25、及び制御部26の一部又は全部が、移動体20に内蔵されてもよい。或いは、通信部21、センサ部22、記憶部23、表示部24、入力部25、及び制御部26の一部又は全部が、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はナビゲーション装置等の汎用の装置に内蔵され、車載ネットワークと通信可能に接続されてもよい。
【0024】
通信部21は、外部装置との間で無線通信するための任意の通信モジュールを含む。当該通信モジュールは、例えば3G~5G等の任意の無線通信規格に対応する。移動体20は、通信部21を介して、サーバ10と無線通信可能である。また通信部21は、V2X(Vehicle to Everything)通信を行うための任意の通信モジュールを含んでもよい。かかる場合、移動体20は、通信部21を介して、例えば他の移動体、歩行者端末、路側機、信号機、及び監視カメラ等の機器と通信可能である。
【0025】
センサ部22は、移動体20に関する情報を検出するための、1つ以上の任意のセンサを含む。当該センサは、例えば位置情報受信機、速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、ステアリング舵角センサ、バッテリ残量センサ、単眼カメラ、ステレオカメラ、ライダー、及びミリ波レーダ等を含んでもよい。移動体20に関する情報は、例えば移動体20の位置、向き、速度、加速度、姿勢、ステアリング舵角、移動体20に備えられたバッテリの残量、移動体20の周辺における物体の存在若しくは非存在、及び当該物体と移動体20との間の距離等を示す情報を含んでもよい。しかしながら、移動体20に関する情報の内容はこれらに限られない。
【0026】
記憶部23は、1つ以上のメモリを含む。記憶部23は、例えば一次記憶装置及び/又は二次記憶装置として機能してもよい。記憶部23は、移動体20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。
【0027】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示デバイスを含む。表示部24は、任意の画面を表示可能である。
【0028】
入力部25は、例えば移動体20に搭乗する運転者による操作を受け付ける任意の入力インタフェースを含む。入力インタフェースは、例えば表示部24と一体的に設けられたタッチパネル、及び物理キー等を含んでもよい。
【0029】
制御部26は、1つ以上のプロセッサ及び/又はECU(Electronic Control Unit)を含む。制御部26は、移動体20全体の動作を制御する。制御部26によって制御される移動体20の動作の詳細については後述する。
【0030】
(端末装置の構成)
端末装置30の構成について具体的に説明する。端末装置30は、端末通信部31と、端末記憶部32と、端末表示部33と、端末入力部34と、端末制御部35と、を備える。
【0031】
端末通信部31は、外部装置との間で無線通信するための任意の通信モジュールを含む。当該通信モジュールは、例えば3G~5G等の任意の無線通信規格に対応する。端末装置30は、端末通信部31を介して、サーバ10と無線通信可能である。
【0032】
端末記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。端末記憶部32は、例えば一次記憶装置及び/又は二次記憶装置として機能してもよい。端末記憶部32は、端末装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。
【0033】
端末表示部33は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示デバイスを含む。端末表示部33は、任意の画面を表示可能である。
【0034】
端末入力部34は、例えば端末装置30のユーザによる操作を受け付ける任意の入力インタフェースを含む。入力インタフェースは、例えば端末表示部33と一体的に設けられたタッチパネル、及び物理キー等を含んでもよい。
【0035】
端末制御部35は、1つ以上のプロセッサを含む。端末制御部35は、端末装置30全体の動作を制御する。端末制御部35によって制御される端末装置30の動作の詳細については後述する。
【0036】
(配達管理システムの第1動作)
配達管理システム1の第1動作について説明する。サーバ制御部13は、1つ以上の移動体20のそれぞれについて配達スケジュールを決定し、サーバ記憶部12に記憶する。説明の簡便のため、ここでは1つの移動体20に着目して説明する。上述したように、配達スケジュールは、例えば移動体20が店舗を出発すべき出発予定時刻と、1つ以上の配達先位置を経由する配達ルートと、当該1つ以上の配達先位置それぞれに移動体20が到達すべき配達予定時刻と、当該配達ルートに沿って移動した移動体20が店舗に帰着すべき帰着予定時刻と、を含む情報である。
【0037】
ここでは、例えば図2に示す配達スケジュールが、サーバ制御部13によって決定されたものとして説明する。当該配達スケジュールにおける配達ルートは、店舗位置Aから配達先位置Bに移動するルートr1と、配達先位置Bから店舗位置Aに戻るルートr2と、を含む。また、出発予定時刻は12時であり、配達先位置Bにおける配達予定時刻は12時30分であり、帰着予定時刻は13時である。
【0038】
ここで、例えばユーザが商品の配達を新たに注文する場合について説明する。当該ユーザが使用する端末装置30の端末制御部35は、商品の識別情報、名称、個数、及び配達先位置を含む第1注文情報をサーバ10へ送信する。サーバ制御部13は、当該第1注文情報を取得する。サーバ制御部13は、1つ以上の移動体20の配達スケジュールに基づいて、1日を分割した複数の時間帯(例えば、1日を1時間ずつ分割した24個の時間帯)のそれぞれについて、当該時間帯に属する配達予定時刻の注文数が所定の基準値以上である場合、当該時間帯を混雑時間帯として検出する。例えば図3に示す例では、12時から13時の時間帯が基準値を上回っている。かかる場合、12時から13時の時間帯が混雑時間帯として検出される。
【0039】
サーバ制御部13は、時間帯毎に異なり得る料金をユーザに提示して、商品の配達希望時刻又は配達希望時間帯の決定をユーザに促す。具体的には、サーバ制御部13は、混雑時間帯に対応する第1料金と、混雑時間帯以外の時間帯に対応する第2料金と、を決定する。第2料金は、例えば第1料金よりも低い料金である。第1料金及び第2料金は任意に定められてもよい。例えば、当該商品の価格に基づいて第1料金が決定され、第1料金を基準に第2料金が決定されてもよい。或いは、当該商品の価格に基づいて第2料金が決定され、第2料金を基準に第1料金が決定されてもよい。
【0040】
ここで、サーバ制御部13は、店舗位置と、第1注文情報に含まれる配達先位置とに基づいて、第1料金と第2料金との差額を決定してもよい。例えば、サーバ制御部13は、店舗位置と配達先位置との間の距離又は時間距離が離れているほど、当該差額を大きくしてもよい。かかる構成によれば、例えば、店舗から遠い配達先位置を指定するユーザに対して、混雑時間帯を避けて注文する強い動機付けを与えることができる。
【0041】
またサーバ制御部13は、第2料金に対応する時間帯に属する配達予定時刻の注文数が少ないほど、当該時間帯に対応する第2料金を低くしてもよい。例えば図3に示す例では、混雑時間帯である12時から13時以外の時間帯のうち、10時から11時の時間帯の注文数は、他の時間帯と比較して少ない。かかる場合、10時から11時の時間帯に対応する第2料金が、混雑時間帯以外の他の時間帯(11時から12時、13時から14時、及び14時から15時の3つの時間帯)それぞれに対応する第2料金よりも低くなってもよい。
【0042】
サーバ制御部13は、ユーザによってシェア配達が許可された場合に適用される割引額を決定する。シェア配達とは、複数の配達先位置を経由する配達ルートを用いた商品の配達である。ユーザによってシェア配達が許可された場合、ユーザが支払うべき金額が割引額の分だけ減額される。例えば、サーバ制御部13は、店舗位置と、第1注文情報に含まれる配達先位置とに基づいて、割引額を決定してもよい。例えば、サーバ制御部13は、店舗位置と配達先位置との間の距離又は時間距離が離れている程、当該割引額を大きく又は小さくしてもよい。
【0043】
サーバ制御部13は、複数の時間帯のそれぞれに対応する第1料金及び第2料金、並びに第1料金又は第2料金から割引額の分だけ減額した料金の表示指示を端末装置30へ送信する。端末制御部35は、例えば後述する注文画面において、減額前後の第1料金及び第2料金を表示する。端末制御部35は、例えばユーザ操作に基づいて入力された第2注文情報及び許否情報をサーバ10へ送信する。第2注文情報は、商品の配達希望時刻又は配達希望時間帯を含む情報である。許否情報は、複数の配達先位置を経由する配達ルートの使用(即ち、シェア配達)の許否を示す情報である。サーバ制御部13は、当該第2注文情報及び許否情報を取得する。
【0044】
サーバ制御部13は、上述のように取得された第1注文情報、第2注文情報、及び許否情報に基づいて、サーバ記憶部12に記憶された配達スケジュールを自動的に修正する。例えば、サーバ制御部13は、許否情報に基づき上述したシェア配達が許可されていない場合、第1注文情報に含まれる配達先位置のみを経由する新規の配達ルートで、第2注文情報に含まれる配達希望時刻又は配達希望時間帯に商品を配達するように、配達スケジュールを自動的に修正する。一方、サーバ制御部13は、許否情報に基づき上述したシェア配達が許可されている場合、図2に示す移動体20の既存の配達ルートを、第1注文情報に含まれる配達先位置を経由するように修正し得る。
【0045】
詳細には、サーバ制御部13は、シェア配達を行う場合の配達ルート及び配達予定時刻を含む配達スケジュールを仮定する。例えば図4に示すように、店舗位置Aから配達先位置Bに移動するルートr1と、配達先位置Bから第1注文情報に含まれる配達先位置Cに移動するルートr3と、配達先位置Cから店舗位置Aに戻るルートr4と、を含む配達スケジュールが仮定される。サーバ制御部13は、位置Aと、位置B及び位置Cのそれぞれとの間を往復して配達を行う場合(即ち、シェア配達を行わない場合)と比較して、上述のように仮定した配達スケジュールで配達を行う場合(即ち、シェア配達を行う場合)の配達効率が高いか否かを判定する。配達効率の判定には、任意のアルゴリズムが採用可能である。例えば、シェア配達を行う場合における移動体20の移動距離又は移動時間距離に対する、シェア配達を行わない場合における移動体20の移動距離又は移動時間距離の割合が所定の基準値(例えば、1)以上であるとき、シェア配達を行う場合の配達効率が高いと判定されてもよい。シェア配達を行う場合の配達効率が高いと判定された場合、サーバ制御部13は、配達先位置Cにおける配達予定時刻(図4に示す例では、12時50分)が、第2注文情報に含まれる配達希望時刻と略一致し又は配達希望時間帯に属するときに、図2に示す既存の配達スケジュールを、図4に示す配達スケジュールに修正する。
【0046】
サーバ制御部13は、ユーザが支払うべき金額を決定する。具体的には、サーバ制御部13は、第2注文情報に含まれる配達希望時刻が混雑時間帯に属する場合、又は配達希望時間帯が混雑時間帯である場合、上述した第1料金を用いて当該金額を決定する。一方、サーバ制御部13は、第2注文情報に含まれる配達希望時刻が混雑時間帯に属さない場合、又は配達希望時間帯が混雑時間帯ではない場合、上述した第2料金を用いて当該金額を決定する。また、サーバ制御部13は、許否情報に基づきシェア配達が許可されている場合、ユーザが支払うべき金額を上述した割引額の分だけ減額する。
【0047】
サーバ制御部13は、ユーザの端末装置30から新たに注文を受注する度に、上述した処理によって配達スケジュールを動的に修正する。
【0048】
図5を参照して、上述した注文画面50について説明する。注文画面50は、例えば上述した第1注文情報が端末装置30から送信された後に、端末表示部33に表示される。注文画面50は、商品表示領域51、配達先表示領域52、第1入力領域53、料金表示領域54、第2入力領域55、金額表示領域56、戻るボタン57、及び注文ボタン58を含む。
【0049】
商品表示領域51には、第1注文情報に含まれる商品に関する情報(例えば、商品の識別情報、名称、及び個数等)が表示される。配達先表示領域52には、第1注文情報に含まれる配達先位置が表示される。
【0050】
第1入力領域53は、シェア配達の許否の選択するユーザの入力を受け付ける領域である。第1入力領域53に対するユーザ操作に基づいて、シェア配達を許可するか否かが選択される。図5に示す例では、シェア配達が許可されている。
【0051】
料金表示領域54には、複数の時間帯それぞれに対応する通常配達料金及びシェア配達料金が表示される。通常配達料金は、シェア配達が許可されない場合に適用される料金であって、上述した第1料金又は第2料金である。例えば、12時から13時の混雑時間帯に対応する通常配達料金は、第1料金(図中では、1800円)である。一方、混雑時間帯ではない他の時間帯に対応する通常配達料金は、第2料金(図中では、1400円又は1600円)である。例えば図3に示すように、10時から11時の時間帯の注文数は、混雑時間帯以外の他の時間帯(11時から12時、13時から14時、及び14時から15時の3つの時間帯)と比較して少ない。このため、10時から11時の時間帯に対応する第2料金(1400円)が、混雑時間帯以外の他の時間帯それぞれに対応する第2料金(1600円)よりも低くなっている。一方、シェア配達料金は、シェア配達が許可される場合に適用される料金であって、通常配達料金から上述した割引額の分だけ減額した料金である。図5に示す例では、割引額は200円である。
【0052】
第2入力領域55には、配達希望時刻又は配達希望時間帯を指定するユーザの入力を受け付ける領域である。第2入力領域55に対するユーザ操作に基づいて、配達希望時刻又は配達希望時間帯が入力される。図5に示す例では、「13時10分」が配達希望時刻として入力されている。金額表示領域56には、第1入力領域53及び第2入力領域55に対するユーザの入力に基づいて決定される、ユーザが支払うべき金額が表示される。図5に示す例では、13時から14時の時間帯に対応するシェア配達料金(1400円)が、金額表示領域56に表示されている。
【0053】
戻るボタン57は、商品配達の注文をキャンセルするユーザの入力を受け付けるGUI(Graphical User Interface)である。戻るボタン57に対するユーザ操作が検出されると、商品配達の注文を完了せずに、例えば注文画面50が他の画面に遷移する。注文ボタン58は、商品配達の注文を確定するユーザの入力を受け付けるGUIである。注文ボタン58に対するユーザ操作が検出されると、第1入力領域53において選択されたシェア配達の許否を示す許否情報と、第2入力領域55において入力された配達希望時刻又は配達希望時間を含む第2注文情報とが、サーバ10へ送信される。
【0054】
上述した配達管理システム1の第1動作によれば、1つ以上の移動体20のそれぞれが行う自動運転又は運転支援に用いられる配達スケジュールが、商品配達の注文の受注に応じて動的且つ自動的に修正される。したがって、商品配達サービスにおける配達の効率が向上する。
【0055】
また、混雑時間帯に対応する第1料金よりも、混雑時間帯以外の時間帯に対応する第2料金を低くする構成によれば、商品配達を注文しようとするユーザに対して、混雑時間帯を避けて注文を行う動機付けを与えることができる。したがって、混雑時間帯に注文が殺到する蓋然性が低減されるので、商品配達サービスにおける配達の効率が更に向上する。
【0056】
(配達管理システムの第2動作)
配達管理システム1の第2動作について説明する。サーバ制御部13は、例えば移動体20の配達スケジュールに含まれる出発予定時刻になると、当該配達スケジュールに基づく自動運転又は運転支援の実行指示を移動体20へ送信する。移動体20の制御部26は、当該指示に基づき、配達スケジュールに沿った自動運転又は運転支援を実行する。
【0057】
制御部26は、移動体20の運転中に運転情報を収集する。運転情報は、移動体20の運転中に、例えばセンサ部22によって収集される任意の情報を含む。例えば、運転情報は、移動体20の位置、移動体20が急停止した位置、及び移動体20の移動速度が所定値(例えば、走行路に設定された制限速度)を越えて移動した区間等の情報を含むが、これらに限られない。制御部26は、収集された運転情報をサーバ10へ送信する。運転情報の送信は、リアルタイムで実行されてもよく、或いは定期的に実行されてもよい。
【0058】
サーバ制御部13は、1つ以上の移動体20のそれぞれから運転情報を取得する。サーバ制御部13は、取得された運転情報に基づく1つ以上の運転画像を地図上に重畳した画面の表示指示を送信する。当該表示指示の送信先は、例えば店舗に備えられたディスプレイ装置、及び移動体20の表示部24等、任意の外部装置を含んでもよい。運転画像は、1つ以上の移動体20のそれぞれが移動した移動経路を示す第1画像、1つ以上の移動体20のそれぞれが急停止した位置を示す第2画像、及び1つ以上の移動体20それぞれの移動速度が所定値を越えた区間を示す第3画像を含む。しかしながら、運転画像はこれらの例に限られず、運転情報の内容に応じて任意に定められてもよい。
【0059】
例えば図6に示す画面には、地図上に位置A乃至Dが表示されている。また当該画面には、位置A、B、C、D、及びAをこの順で通過した移動体20の移動経路を示す第1画像(図中の矢印)が表示されている。また当該画面には、移動体20が急停止した位置Xを示す第2画像が表示されている。また当該画面には、移動体20の移動速度が所定値を越えた区間Yを示す第3画像が表示されている。図面の視認性確保のため、図6においては1つの移動体20に対応する運転画像のみを図示し、他の移動体20に対応する運転画像の図示を省略している。
【0060】
ここで、画面上の運転画像の表示態様が、時間経過に応じて変化してもよい。例えば、時間経過に応じて運転画像が薄くなっていき、所定時間が経過すると非表示になってもよい。例えば図6に示す例では、移動体20が最初に通過したルートr1に対応する第1画像が最も薄く表示され、移動体20が最後に移動したルートr6に対応する第1画像が最も濃く表示されている。また例えば、運転画像は、同一の画像が重なるほど濃く表示されてもよい。例えば、ある移動体20の移動経路の一部と他の移動体20の移動経路の一部とが重なった場合、当該重なった部分の経路を示す第1画像が、重なっていない場合と比較して濃く表示されてもよい。
【0061】
また、運転画像に対応する補足情報が画面上に表示されてもよい。補足情報は、例えば第1画像に示される移動経路を移動体20が移動した日時、第2画像に示される位置で急停止した移動体20の合計数、及び第3画像に示される区間で移動速度が所定値を超えた移動体20の合計数等を示す情報を含んでもよい。
【0062】
また、移動体20が運転者の操作に基づいて移動する場合、サーバ制御部13は、1つ以上の移動体20のそれぞれから取得される運転情報に基づいて、当該1つ以上の移動体20それぞれの運転者の評価を示す評価情報を決定してもよい。例えば、サーバ制御部13は、運転者が移動体20を急停止させたり、所定値を超える移動速度で移動させたりした場合、当該運転者の評価を下げる方向に評価情報を修正してもよい。
【0063】
上述した配達管理システム1の第2動作によれば、上述した第1動作において動的且つ自動的に修正される配達スケジュールに基づいて、1つ以上の移動体20が自動運転又は運転支援を実行する。また、移動中の各移動体20から取得される運転情報に基づく画面が表示される。かかる構成によれば、例えば商品配達サービスの提供者が、移動体20の移動傾向を視覚的に認識することができる。当該提供者は、移動体20の移動傾向に基づいて、例えば新たに設けようとする店舗の位置を検討することができる。したがって、商品配達サービスにおける配達の効率が更に向上する。
【0064】
次に図7及び8を参照して、配達管理システム1の動作のフローについて説明する。
【0065】
図7を参照して、配達管理システム1の上述した第1動作のフローについて説明する。
【0066】
ステップS100:サーバ10は、1つ以上の移動体20のそれぞれについて配達スケジュールを決定し、サーバ記憶部12に記憶する。
【0067】
ステップS101:端末装置30は、商品の識別情報、名称、個数、及び配達先位置を含む第1注文情報をサーバ10へ送信する。
【0068】
ステップS102:サーバ10は、第1注文情報を取得する。
【0069】
ステップS103:サーバ10は、1つ以上の移動体20の配達スケジュールに基づいて、1日を分割した複数の時間帯のそれぞれについて、当該時間帯に属する配達予定時刻の注文数が所定の基準値以上である場合、当該時間帯を混雑時間帯として検出する。
【0070】
ステップS104:サーバ10は、店舗位置と、第1注文情報に含まれる配達先位置とに基づいて、混雑時間帯に対応する第1料金と、混雑時間帯以外の時間帯に対応する、第1料金よりも低い第2料金との差額を決定する。サーバ10は、例えば商品の価格に基づいて第1料金及び第2料金の一方を決定し、当該差額に基づいて他方を決定する。
【0071】
ステップS105:サーバ10は、ユーザによってシェア配達が許可された場合に適用される割引額を決定する。
【0072】
ステップS106:サーバ10は、複数の時間帯のそれぞれに対応する第1料金及び第2料金、並びに第1料金又は第2料金から割引額の分だけ減額した料金の表示指示を端末装置30へ送信する。
【0073】
ステップS107:端末装置30は、減額前後の第1料金及び第2料金を表示する。例えば、図5に示す注文画面50における通常配達料金が、減額前の第1料金及び第2料金に対応し、シェア配達料金が、減額後の第1料金及び第2料金に対応する。
【0074】
ステップS108:端末装置30は、例えば図5に示す注文画面50の注文ボタン58に対するユーザ操作に応じて、第2注文情報及び許否情報をサーバ10へ送信する。第2注文情報は、商品の配達希望時刻又は配達希望時間帯を含む。許否情報は、複数の配達先位置を経由する配達ルートの使用(即ち、シェア配達)の許否を示す。
【0075】
ステップS109:サーバ10は、第2注文情報及び許否情報を取得する。
【0076】
ステップS110:サーバ10は、第1注文情報、第2注文情報、及び許否情報に基づいて、サーバ記憶部12に記憶された配達スケジュールを自動的に修正する。
【0077】
ステップS111:サーバ10は、ユーザが支払うべき金額を決定する。具体的には、サーバ10は、第2注文情報に含まれる配達希望時刻が混雑時間帯に属する場合、又は配達希望時間帯が混雑時間帯である場合、第1料金を用いて当該金額を決定する。一方、サーバ10は、第2注文情報に含まれる配達希望時刻が混雑時間帯に属さない場合、又は配達希望時間帯が混雑時間帯ではない場合、第2料金を用いて当該金額を決定する。また、サーバ10は、許否情報に基づきシェア配達が許可されている場合、ユーザが支払うべき金額を上述した割引額の分だけ減額する。
【0078】
図8を参照して、配達管理システム1の上述した第2動作のフローについて説明する。
【0079】
ステップS200:サーバ10は、配達スケジュールに基づく自動運転又は運転支援の実行指示を移動体20へ送信する。
【0080】
ステップS201:移動体20は、配達スケジュールに沿った自動運転又は運転支援を実行する。運転中、移動体20は、例えばセンサ部22を用いて運転情報を収集する。
【0081】
ステップS202:移動体20は、運転情報をサーバ10へ送信する。
【0082】
ステップS203:サーバ10は、運転情報を取得する。
【0083】
ステップS204:サーバ10は、取得された運転情報に基づく1つ以上の運転画像を地図上に重畳した画面の表示指示を送信する。当該表示指示の送信先は、例えば店舗に備えられたディスプレイ装置、及び移動体20の表示部24等、任意の外部装置を含んでもよい。
【0084】
ステップS205:サーバ10は、取得された運転情報に基づいて、移動体20の運転者の評価情報を決定する。
【0085】
以上述べたように、本実施形態に係る配達管理システム1によれば、サーバ10は、1つ以上の移動体20のそれぞれについて配達スケジュールを決定する。サーバ10は、ユーザの端末装置30から、商品の配達先位置を含む第1注文情報を取得する。サーバ10は、第1注文情報に基づいて、移動体20の配達スケジュールを自動的に修正する。かかる構成によれば、1つ以上の移動体20のそれぞれが行う自動運転又は運転支援に用いられる配達スケジュールが、商品配達の注文の受注に応じて動的且つ自動的に修正される。したがって、商品配達サービスにおける配達の効率が向上する。
【0086】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0087】
例えば、上述した実施形態において、移動体20の制御部26が、配達スケジュールに沿った自動運転又は運転支援を実行する構成について説明した。自動運転又は運転支援に関する処理の一部又は全部を、移動体20と通信可能な外部装置(例えば、エッジコンピュータ)に実行させる構成も可能である。
【0088】
また、上述した実施形態において、ユーザによってシェア配達が許可された場合、ユーザが支払うべき金額が減額される構成について説明した。反対に、ユーザによってシェア配達が許可されない場合、ユーザが支払うべき金額が増額される構成も可能である。
【0089】
また、上述した実施形態において、移動体20が配達先位置に到着した際、任意の手法によって商品がユーザに届けられる。例えば、移動体20に運転者が搭乗する場合、配達先位置に到着したあと、運転者自身が商品をユーザに届けてもよい。或いは、サーバ10又は移動体20は、移動体20が配達先位置又はその近傍まで移動すると、ユーザの端末装置30へ、商品を引き渡す詳細な場所を通知してもよい。かかる場合、ユーザは、通知された場所まで移動して、移動体20から商品を直接取り出してもよい。
【0090】
また例えば、移動体20が到着してから商品をユーザに届ける作業を、配送ロボットに実行させてもよい。例えば図9に示すように、1つ以上の配送ロボット60が、移動体20と着脱可能に接続されてもよい。移動体20は、接続された配送ロボット60を、例えば牽引して配達先位置まで移動させる。配達先位置まで移動すると、移動体20は、商品とともに配送ロボット60を切り離して、例えば次の配達先位置に向かって移動を開始してもよい。切り離された配送ロボット60は、商品をユーザに届ける作業を実行する。具体的には、配送ロボット60は、例えばユーザの自宅のインターフォンを操作して、商品をユーザに直接届けてもよい。商品をユーザに届けた後、配送ロボット60は、例えば配達を終えた移動体20によって回収されてもよい。
【0091】
図10を参照して、配送ロボット60が用いられる構成における、配達スケジュールの例について説明する。例えば、移動体20は、配達先位置B及びCのそれぞれに配達すべき商品、及び少なくとも2つの配送ロボット60とともに、店舗位置Aを出発する。移動体20は、ルートr1を移動して配達先位置Bに到着すると、配達先位置Bに配達すべき商品とともに第1の配送ロボット60を切り離して、配達先位置Cに向かって移動を開始する。移動体20は、ルートr3を移動して配達先位置Cに到着すると、配達先位置Cに配達すべき商品とともに第2の配送ロボット60を切り離す。移動体20は、当該第2の配送ロボット60が商品を届けて戻ってくるまで、配達先位置Cで待機してもよいし、他の移動体20から切り離された他の配送ロボット60の回収に向かってもよい。移動体20は、第2の配送ロボット60を回収すると、配達先位置Bに向かって移動を開始する。移動体20は、ルートr7を移動して配達先位置Bに到着すると、第1の配送ロボット60を回収する。第1の配送ロボット60の回収後、移動体20は、ルートr2を移動して店舗位置Aまで戻る。
【0092】
配送ロボット60を用いる上述の構成によれば、移動体20は、各配達先位置において商品がユーザに届けられるまで待機する必要が無い。したがって、商品配達サービスにおける配達の効率が更に向上する。
【0093】
また、上述した実施形態に係るサーバ10、移動体20の構成要素の一部、及び端末装置30は、スマートフォン、タブレット端末、又はPC等の汎用の装置を用いて実現可能である。例えば、実施形態に係るサーバ10、移動体20の構成要素の一部、及び端末装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、当該装置のメモリに格納し、当該装置のプロセッサに実行させてもよい。したがって、本実施形態に係る発明をプログラムとして実現することも可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 配達管理システム
10 サーバ
11 サーバ通信部
12 サーバ記憶部
13 サーバ制御部
20 移動体
21 通信部
22 センサ部
23 記憶部
24 表示部
25 入力部
26 制御部
30 端末装置
31 端末通信部
32 端末記憶部
33 端末表示部
34 端末入力部
35 端末制御部
40 ネットワーク
50 注文画面
51 商品表示領域
52 配達先表示領域
53 第1入力領域
54 料金表示領域
55 第2入力領域
56 金額表示領域
57 戻るボタン
58 注文ボタン
60 配送ロボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10