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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】インクリボン送り機構及びプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 17/04 20060101AFI20220322BHJP
【FI】
B41J17/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018028582
(22)【出願日】2018-02-21
(65)【公開番号】P2019059223
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】P 2017185769
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 靖幸
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-351847(JP,A)
【文献】特開平09-123574(JP,A)
【文献】米国特許第05820279(US,A)
【文献】米国特許第08882371(US,B2)
【文献】特開2007-230028(JP,A)
【文献】特開2008-168516(JP,A)
【文献】特開2001-030594(JP,A)
【文献】特開2009-241294(JP,A)
【文献】実開平06-053154(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 17/00-17/42
B41J 27/00-27/22
B41J 31/00-35/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸の方向の一方の端面が端壁で塞がれ、他方の端面が開放され、前記端壁と軸回りの外周壁とで空洞を形成し、前記外周壁の外周面に歯が形成された歯車と、前記空洞に配置されて、前記軸の回りの前記歯車の回転に応じて前記軸の回りに捩じれを生じるように設けられたトーションばねと、を有するクラッチ機構を、インクリボンを送出する送出側の軸、前記インクリボンを巻き取る巻取側の軸、前記送出側の軸から回転が阻止される歯車に至るまでの伝達経路及び前記巻取側の軸を駆動する歯車輪列から前記巻取側の軸までの伝達経路のうち少なくとも1つに備え
前記クラッチ機構は、さらに、前記歯車と同軸に設けられた連結板を有し、
前記連結板は、前記トーションばねの他端が結合するとともに、前記空洞に突出する凸部を有し、
前記空洞に、前記トーションばねの一端を係合させるばね係合部と、前記連結板の前記凸部に周方向から接する押圧部と、が形成され、
前記クラッチ機構は、さらに、前記連結板に、摩擦板を挟んで対向する他の連結板と、前記他の連結板を、前記摩擦板を介して前記連結板に押圧させる圧縮ばねと、を備え、
前記圧縮ばねは、前記軸の回りに複数設けられ、
記トーションばねによって、前記クラッチ機構に前記トーションばねの捩じれ量に応じたトーションを生じさせるインクリボン送り機構。
【請求項2】
軸の方向の一方の端面が端壁で塞がれ、他方の端面が開放され、前記端壁と軸回りの外周壁とで空洞を形成し、前記外周壁の外周面に歯が形成された歯車と、前記空洞に配置されて、前記軸の回りの前記歯車の回転に応じて前記軸の回りに捩じれを生じるように設けられたトーションばねと、を有するクラッチ機構を、インクリボンを送出する送出側の軸、前記インクリボンを巻き取る巻取側の軸、前記送出側の軸から回転が阻止される歯車に至るまでの伝達経路及び前記巻取側の軸を駆動する歯車輪列から前記巻取側の軸までの伝達経路のうち少なくとも1つに備え
前記クラッチ機構は、さらに、前記歯車と同軸に設けられた連結板を有し、
前記連結板は、前記トーションばねの他端が結合するとともに、前記空洞に突出する凸部を有し、
前記空洞に、前記トーションばねの一端を係合させるばね係合部と、前記連結板の前記凸部に周方向から接する押圧部と、が形成され、
前記端壁に、前記ばね係合部を前記端壁の外側から露出する孔を形成し、
記トーションばねによって、前記クラッチ機構に前記トーションばねの捩じれ量に応じたトーションを生じさせるインクリボン送り機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクリボン送り機構及びプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
インクリボンを用いてインクを用紙に転写して印字するプリンタは、送出側の軸にロール状に巻かれたインクリボンを巻取側の軸に巻き取ることで、インクリボンを用紙と略同じ速度で送る。インクリボンは厚さが非常に薄くコシが弱いため弛みやすい。そこで、インクリボンには、印字中に常に張力が掛けられて、平らに張られた状態とされる。
【0003】
具体的には、巻取側の軸に連結された歯車輪列が、用紙を送るモータに連動して回転することで、インクリボンは巻取側の軸に巻き付けられ、一方、送出側の軸にはトーションばねを用いたクラッチ機構によって巻取側とは反対方向のトルクが掛けられる。これにより、インクリボンには張力が掛ってインクリボンは平らに張った状態となる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、巻取側の軸にインクリボンを巻き取る際に、インクリボンの弛みを防ぐために、巻取側の軸にも送出側と同様のクラッチ機構を装備することもある。巻取側の軸に装備されるクラッチ機構のトーションバネは、トーションを巻取方向に付与してインクリボンを平らに張った状態に付勢する。さらに、インクリボンがこの状態を維持するように、巻取側の軸のクラッチ機構の直前まで、用紙を送る速度よりも速い速度でモータの回転を伝え、巻取側の軸のクラッチ機構によって用紙とほぼ同じ速度まで減速して、インクリボンに張力を加える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8882371号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、クラッチ機構は、トーションばね、一対の連結板、連結板間の摩擦板及び連結板同士を互いに押圧する圧縮ばねを備え、これらが軸方向に並ぶため、軸方向の長さが長くなり、プリンタの幅方向の大きさを小型化するのに支障がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、インクリボンの送り機構に用いられ、幅方向のサイズが大きくなるのを抑制したクラッチ機構を備えたインクリボン送り機構及びプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1は、軸の方向の一端面が軸方向に開放し、前記軸の回りの外周面に歯が形成された歯車と、前記歯車の前記外周面よりも内側の空間に配置されたトーションばねと、を有するクラッチ機構を、インクリボンを送出する送出側の軸、前記インクリボンを巻き取る巻取側の軸、前記送出側の軸から回転が阻止される歯車に至るまでの伝達経路及び前記巻取側の軸を駆動する歯車輪列から前記巻取側の軸までの伝達経路のうち少なくとも1つに備えたインクリボン送り機構である。
【0009】
本発明の第2は、本発明に係るインクリボン送り機構を備えたプリンタである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るインクリボン送り機構及びプリンタによれば、インクリボンの送り機構に用いられるクラッチ機構の幅方向のサイズが大きくなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るインクリボン送り機構を備えたプリンタの一実施形態であるサーマルプリンタ(カバーが閉じた状態)を示す斜視図である。
図2図1のプリンタにおけるカバーが開いた状態を示す斜視図である。
図3図1のサーマルプリンタにおけるトップカバーが開いた状態を示す斜視図である。
図4】印字ユニットの一部を示す斜視図である。
図5】印字ユニットの一方の側面を示す側面図である。
図6】印字ユニット内におけるインクリボンの配置を示す模式図である。
図7図5におけるA-A線に沿った断面を示す断面図である。
図8】巻取側のクラッチ機構の構成を示す分解斜視図である。
図9】巻取側歯車を示す斜視図である。
図10】巻取側のクラッチ機構の組立状態での断面を示す断面図である。
図11図5におけるB-B線に沿った断面を示す断面図である。
図12】送出側のクラッチ機構の構成を示す分解斜視図である。
図13】送出側のクラッチ機構の組立状態での断面を示す断面図である。
図14図8に示した矢視C方向(クラッチ軸の方向)によるトーションばねの状態を説明する模式図(その1)である。
図15図8に示した矢視C方向(クラッチ軸の方向)によるトーションばねの状態を説明する模式図(その2)である。
図16図8に示した矢視C方向(クラッチ軸の方向)によるトーションばねの状態を説明する模式図(その3)である。
図17図8に示した矢視C方向(クラッチ軸の方向)によるトーションばねの状態を説明する模式図(その4)である。
図18図12に示した矢視C方向(クラッチ軸の方向)によるトーションばねの状態を説明する模式図(その1)である。
図19図12に示した矢視C方向(クラッチ軸の方向)によるトーションばねの状態を説明する模式図(その2)である。
図20図12に示した矢視C方向(クラッチ軸の方向)によるトーションばねの状態を説明する模式図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るインクリボン送り機構及びインクリボン送り機構を備えたプリンタの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
<サーマルプリンタの構成>
図1は本発明に係るインクリボン送り機構を備えたプリンタの一実施形態であるサーマルプリンタ100(以下、単にプリンタ100という。)を示す外観斜視図、図2はプリンタ100におけるカバー20(蓋)が開いた状態を示す斜視図、図3はプリンタ100におけるトップカバー30が開いた状態を示す斜視図である。
【0014】
図示のプリンタ100は、図1に示すように、本体10とカバー20とを備えている。カバー20は、図示の後部の下端近傍において、本体10の後部の上端近傍に回転自在に支持されている。これにより、カバー20は、図2に示すように、支持されている部分21を中心として、本体10に対して、図示の上方及び後方に、回動可能となっている。
【0015】
カバー20が回動してカバー20が開いた状態では、本体10に設けられた用紙収容室11が露出する。用紙収容室11には、例えば、ロール状に巻かれたラベル紙1が収容される。本体10には、用紙収容室11の他に、モータ12、本体10側の歯車輪列13、用紙検出センサ14、制御ユニット15、プラテンローラ16などが備えられている。
【0016】
モータ12は、制御ユニット15の制御にしたがって駆動され、歯車輪列13を回転駆動させる。歯車輪列13はプラテンローラ16を回転させて、プラテンローラ16に接したラベル紙1を前方Fに送る。また、歯車輪列13は、カバー20が閉じた状態で、後述するカバー20側の歯車輪列90と噛み合って、歯車輪列90に連結されたインクリボン2の巻取側の軸60を回転させる。
【0017】
用紙検出センサ14は、ラベル紙1の台紙1aに貼付されたラベル1bを検出する。制御ユニット15は、プラテンローラ16上で、ラベル1bに適切に印字ができるように、用紙検出センサ14の検出結果に基づいてモータ12の駆動を制御したり、サーマルプリントヘッド42を制御したりする。
【0018】
カバー20のインクリボン室31には、図3に示すように、印字ユニット40が収容されている。図4は印字ユニット40の一部を示す斜視図、図5は印字ユニット40の一方の側面を示す側面図、図6は印字ユニット40内におけるインクリボン2の配置を示す模式図である。
【0019】
印字ユニット40は、図3,4,5,6に示すように、サーマルプリントヘッド42と、インクリボン2の送出側の軸50と、インクリボン2の巻取側の軸60と、インクリボン2と、リボンフランジ70と、歯車輪列90と、インクリボン2をガイドするリボンガイド48及びガイドシャフト49と、ロック部材80とを備えている。これらサーマルプリントヘッド42等は、箱状の支持部材41に支持されている。歯車輪列13と歯車輪列90は、巻取側の軸60を駆動する駆動機構を構成している。
【0020】
サーマルプリントヘッド42は、図6に示すように、カバー20が閉まった状態でプラテンローラ16の真上に配置され、制御ユニット15によって制御される。インクリボン2は、未使用部分が送出側の軸50にロール状に巻かれ、使用済み部分が巻取側の軸60にロール状に巻かれる。つまり、インクリボン2は、使用時に、送出側の軸50から巻取側の軸60に巻き取られていく。リボンガイド48及びガイドシャフト49は、送出側の軸50と巻取側の軸60との間で、インクリボン2の経路上の、サーマルプリントヘッド42及びカバー20が閉まった状態でのプラテンローラ16を挟む位置に配置されている。
【0021】
そして、インクリボン2は、図6に示すように、送出側の軸50、リボンガイド48、ガイドシャフト49、巻取側の軸60という経路で巻き取られる。また、インクリボン2は、リボンガイド48とガイドシャフト49との間の経路上で、サーマルプリントヘッド42とプラテンローラ16との間を、ラベル紙1に重なって、ラベル紙1と同じ速度又はラベル紙1よりも僅かに早い速度で前方Fに搬送される。
【0022】
送出側の軸50及び巻取側の軸60は、支持部材41の幅方向の両端の側壁41a,41b間に架設されているが、歯車輪列90は、側壁41aの外側に設けられている。歯車輪列90は、クラッチ機構61を介して巻取側の軸60に回転駆動力を伝達する。また、歯車輪列90は、カバー20が閉じた状態で、本体10側の歯車輪列13と噛み合う。
【0023】
したがって、巻取側の軸60は、カバー20が閉じた状態ではモータ12と連結した状態となるが、カバー20が開いた状態では、モータ12から切り離された状態となる。そして、カバー20が閉じているとき、モータ12の駆動力が本体10側の歯車輪列13及びカバー20側の歯車輪列90を介して巻取側の軸60を、インクリボン2を巻き取る方向(巻取方向R1(図5において反時計回り方向))に回転させ、インクリボン2を巻取側の軸60に巻き取る。なお、カバー20が閉じていてモータ12が停止しているときは、モータ12が停止している制動力によって、巻取側の軸60は静止した状態を維持する。
【0024】
一方、カバー20を開いた状態では、駆動側の軸60はモータ12から切り離されているため、巻取側の軸60にはモータ12の制動力は作用しないが、駆動側の軸60に設けられた、インクリボン2の偏りを防ぐリボンフランジ70とロック部材80との協働により、駆動側の軸60が時計回り方向R2に回転するのを規制している。
【0025】
送出側の軸50には、巻取側の軸60に巻き取られるインクリボン2の巻取方向R1とは反対向き(時計回り方向)R2にトルクを掛けるトーションばねを含むクラッチ機構51が設けられている。また、巻取側の軸60にも、軸60を回転させるときに歯車輪列90の角速度と軸60の角速度との差を吸収するクラッチ機構61が設けられている。
【0026】
図7図5におけるA-A線に沿った断面を示す断面図、図8は巻取側のクラッチ機構61の構成を示す分解斜視図、図9は巻取側歯車61aを示す斜視図、図10はクラッチ機構61の組み立てた状態を示す断面図(図7における詳細図)である。
【0027】
巻取側のクラッチ機構61は、図7に示すように、巻取側の軸60と一体に軸心回りに回転するリボンフランジ70と歯車輪列90との間に連結されている。クラッチ機構61は、図8に示すように、巻取側歯車61aと、トーションばね61bと、Eリング61cと、ポリスライダワッシャ61dと、回り止めワッシャ61eと、第1連結板61fと、摩擦板61gと、第2連結板61hと、圧縮ばね61iと、ばね押さえ板61jと、スプリングピン61mと、クラッチ軸61kとを備えている。
【0028】
巻取側歯車61a、トーションばね61b、ポリスライダワッシャ61d、回り止めワッシャ61e、第1連結板61f、摩擦板61g、第2連結板61h、及びばね押さえ板61jには、クラッチ軸61kが通されて、2つのEリング61cにより巻取側歯車61aがクラッチ軸61kに回転自在に固定される。圧縮ばね61iは、第2連結板61hとばね押さえ板61jとによって挟まれて固定されている。
【0029】
巻取側歯車61aは、歯車輪列90に噛み合って、モータ12からの回転駆動力を受ける。したがって、巻取側歯車61aは、図9に示すように、歯車輪列90と噛み合う歯61a1が外周面に形成されて、歯車輪列90とともに回転する。巻取側歯車61aは、一方の端面が端壁61a8(閉塞部)で塞がれているが、他方の端面が開放されていて、一方の端壁61a8と外周壁61a9とで、略ハット状(鍔の無い帽子状)の断面を有する空洞61a2を形成している。
【0030】
空洞61a2には、トーションばね61bが収容される。巻取側歯車61aの歯61a1は、軸方向の高さ寸法がトーションばね61bの軸方向の厚さ寸法よりも高く形成されているため、トーションばね61bは、空洞61a2内から開放側にはみ出さない。また、空洞61a2には、外周壁から半径方向内側に延びた略T字状のリブ61a3(押圧部)が形成されている。リブ61a3のT字のうち横棒部分61a4(係合部)には、トーションばね61bの後述するフック部61b1が引っ掛けられる。また、リブ61a3には、巻取側歯車61aが巻取方向R1に回転したとき、第1連結板61fの凸部61f2に周方向から突き当たる。
【0031】
横棒部分61a4の両端部は、空洞61a2の開放側が周方向に長く延び、空洞61a2を閉じる一方の端面側が周方向に短く形成され、トーションばね61bの後述するフック部61b1が引っ掛けやすい形状に形成されている。また、端壁61a8には、巻取側歯車61aの外側から空洞61a2に貫通した覗き孔61a7が横棒部分61a4の両端部に対応した2箇所に設けられている。
【0032】
なお、巻取側歯車61aにおいては、リブ61a6は機能しない。巻取側歯車61aと共通部品である後述の送出側歯車51aにおいて、リブ61a6と同じリブ51a6は機能する。
【0033】
トーションばね61bは、コイル状に巻かれ、両端に折り返しのフック部61b1,61b2が形成されている。トーションばね61bは、図10に示すように、巻取側歯車61aの空洞61a2内に収容され、一方のフック部61b1は巻取側歯車61aの空洞61a2に形成されたリブ61a3の横棒部分61a4に引っ掛けられる。他方のフック部61b2は、第1連結板61fに形成された凸部61f2に引っ掛けられる。
【0034】
端壁61a8に形成された覗き孔61a7は、トーションばね61bのフック部61b1を露出させて、フック部61b1が横棒部分61a4に引っ掛けられているか否かを、巻取側歯車61aの外側から視認するために設けられている。図10に示すように、クラッチ機構61が組み立てられた状態では、トーションばね61bは、空洞61a2内に収容され、空洞61a2の他方の開放された端面が第1連結板61fによって閉じられて、巻取側歯車61aの幅方向の寸法の範囲に収められる。この状態で、覗き孔61a7から横棒部分61a4の端部を視認することにより、トーションばね61bのフック部61b1が横棒部分61a4から外れていないか否かを目視で確認することができる。
【0035】
ポリスライダワッシャ61dは、滑り性能が高いワッシャであり、図10に示すように、接しているEリング61c及び回り止めワッシャ61eとの間での摺動摩擦抵抗を低減している。なお、ポリスライダワッシャ61dは無くてもよい。
【0036】
回り止めワッシャ61eは第1連結板61fと一体に回転する。第1連結板61fには、トーションばね61bの側に突出したリブ61f1が形成されている。このリブ61f1は、巻取側歯車61aのボス61a5と対向する位置に設けられ、リブ61f1とボス61a5とを取り囲むように、トーションばね61bが配置される。また、第1連結板61fには、巻取側歯車61aに向いた面に凸部61f2が形成されている。
【0037】
この凸部61f2は、巻取側歯車61aに形成されたリブ61a3と同じ半径の位置に形成されている。そして、クラッチ機構61が組み立てられた状態(図10参照)で、凸部61f2も巻取側歯車61aの空洞61a2内に配置される。したがって、巻取側歯車61aが巻取方向R1に回転してリブ61a3が凸部61f2に周方向から当たると、その後は、リブ61a3が凸部61f2を押して、巻取側歯車61aと第1連結板61fは巻取側歯車61aと同じ角速度、すなわち歯車輪列90と同じ角速度で一体的に巻取方向R1に回転する。
【0038】
リブ61a3の両側部には、窪み部が形成され、この窪み部の一方に、トーションばね61bのフック部61b1が引っ掛けられる。
【0039】
摩擦板61gは、第1連結板61fと第2連結板61hとの間に挟まれて配置され、それぞれ摩擦力で接している。第2連結板61hは、摩擦板61gを挟んで第1連結板61fと対向して配置されている。第2連結板61hは、第1連結板61fに対向した面とは反対の面に、軸心方向に延び、軸心回りに等角度間隔で6個の円筒状収容部61h1が形成されている。
【0040】
6個の円筒状収容部61h1にはそれぞれ、圧縮ばね61iの一端側が収容されている。圧縮ばね61iの他端側は、ばね押さえ板61jが配置されていて、圧縮ばね61iは、第2連結板61hとばね押さえ板61jとにより挟まれて圧縮され、第2連結板61hを第1連結板61fの方に向けて押圧している。
【0041】
なお、図10では、圧縮ばね61iが圧縮されない状態の図を示していて、実際は、ばね押さえ板61jによって圧縮される。
【0042】
摩擦板61gは、第1連結板61fと第2連結板61hとにそれぞれ摩擦力で接しているが、この摩擦力は圧縮ばね61iの弾性力で規定される。したがって、ばね押さえ板61jの軸方向の位置を変化させることで、摩擦力を変化させることができる。
【0043】
スプリングピン61mは、クラッチ軸61kを貫通し、クラッチ軸61kと一体に回転する。スプリングピン61mは、第2連結板61hに嵌め合わされて第2連結板61hの回り止めの機能を発揮し、第2連結板61hをクラッチ軸61kと一体に回転させる。クラッチ軸61kは、巻取側の軸60と一体に回転するリボンフランジ70と一体に回転する。したがって、クラッチ軸61kは、巻取側の軸60と同じ角速度で回転する。
【0044】
送出側のクラッチ機構51は、図11に示すように、側壁41aの外側に設けられ、送出側の軸50と一体に軸心回りに回転するリボンフランジ75と連結されている。クラッチ機構51は、図12に示すように、送出側歯車51aと、トーションばね51bと、Eリング51cと、ポリスライダワッシャ51dと、回り止めワッシャ51eと、第1連結板51fと、摩擦板51gと、第2連結板51hと、圧縮ばね51iと、ばね押さえ板51jと、スプリングピン51mと、クラッチ軸51kとを備えている。
【0045】
このうち、送出側歯車51aは巻取側歯車61aと同じであり、Eリング51cはEリング61cと同じであり、ポリスライダワッシャ51dはポリスライダワッシャ61dと同じである。また、回り止めワッシャ51eは回り止めワッシャ61eと同じであり、第1連結板51fは第1連結板61fと同じであり、摩擦板51gは摩擦板61gと同じである。
【0046】
また、第2連結板51hは第2連結板61hと同じであり、圧縮ばね51iは圧縮ばね61iと同じである。また、ばね押さえ板51jはばね押さえ板61jと同じであり、スプリングピン51mはスプリングピン61mと同じであり、クラッチ軸51kはクラッチ軸61kと同じである。
【0047】
つまり、クラッチ機構51とクラッチ機構61とは、トーションばね51bとトーションばね61bとが異なる以外、同じ構成であり、多くの構成部品が共通化されている。トーションばね51bは、トーションばね61bに対して捩じられている向きが反対である以外は、トーションばね61bと同じである。
【0048】
トーションばね51bは、コイル状に巻かれ、両端に折り返しのフック部51b1,51b2が形成されている。トーションばね51bは、図13に示すように、送出側歯車51aの空洞51a2内に収容され、一方のフック部51b1は送出側歯車51aの空洞51a2(図9参照)に形成されたリブ51a3の横棒部分51a4に引っ掛けられる。他方のフック部51b2は、第1連結板51fに形成された凸部51f2に引っ掛けられる。
【0049】
なお、リボンフランジ75の側壁41a側に取り付けられた反射シート76は、等角度間隔に複数(例えば8個)、半径方向外側に向けて延びた羽部76aを有し、この羽部76aに光を照射し、その反射光を光センサで検出することにより、リボンフランジ75が回転しているか否かの別を検出することができる。
【0050】
<作用>
以上のように、構成された本実施形態のインクリボン送り機構及びインクリボン送り機構を備えたプリンタ100によれば、巻取側のクラッチ機構61については、モータ12の回転が、歯車輪列13を介して歯車輪列90に伝達され、歯車輪列90に噛み合った巻取側歯車61aがトーションばね61bを捩じりながら巻取方向R1に回転する。
【0051】
具体的には、図14に示すように、巻取側歯車61aの横棒部分61a4にフック部61b1が引っ掛けられているトーションばね61bは、フック部61b1が、巻取側歯車61aの巻取方向R1への回転に従って変位する。第1連結板51fの巻取方向R1への回転は、図6に示したように、インクリボン2が前方Fへの搬送で送出側の軸50が巻取方向R1に回転することによるものである。
【0052】
一方、第1連結板61fは巻取側の軸60に巻き付けられているインクリボン2の張力により回転しないため、第1連結板61fの凸部61f2に引っ掛けられているフック部61b2は変位しない。この結果、図15に示すように、巻取側歯車61aの巻取方向R1への回転が進むにしたがって、トーションばね61bの捩じり量が増大し、第1連結板61fには、トーションばね61bの捩じり量に応じたトーションが掛る。
【0053】
巻取側歯車61aの巻取方向R1への回転がさらに進み、図16に示すように、巻取側歯車61aが略1回転して、横棒部分61a4が第1連結板61fの凸部61f2に周方向から突き当たると、それ以後は、図17に示すように、第1連結板61fが、巻取側歯車61aに押されて巻取側歯車61aと一体的に巻取方向R1に回転する。
【0054】
第1連結板61fの回転により、摩擦板61gを挟んで配置されている第2連結板61hは、第1連結板61fと摩擦板61gとの間の摩擦力及び摩擦板61gと第2連結板61hとの間の摩擦力により回転する。このときの第2連結板61hが回転する角速度は、第1連結板61fの角速度よりも小さいが、上述した2つの摩擦力の強さに応じて変化する。
【0055】
すなわち、摩擦力が大きいときは、第1連結板61fと摩擦板61gとの間の滑り及び摩擦板61gと第2連結板61hとの間の滑りは小さくなり、第1連結板61fの角速度と第2連結板61hの角速度との差は小さくなり、第2連結板61hの角速度は第1連結板61fの角速度に近づく。
【0056】
一方、摩擦力が小さいときは、第1連結板61fと摩擦板61gとの間の滑り及び摩擦板61gと第2連結板61hとの間の滑りが大きくなり、第1連結板61fの角速度と第2連結板61hの角速度との差は大きくなる。第2連結板61hに伝達された回転は、そのまま巻取側の軸60の回転となる。
【0057】
このように、巻取側のクラッチ機構61は、モータ12の回転と巻取側の軸60の回転との差を吸収する。
【0058】
送出側のクラッチ機構51については、送出側の軸50に巻かれたインクリボン2が巻取側の軸60に巻き取られることにより、第2連結板51hが回転し、第2連結板51hの回転が摩擦板51gを介して、摩擦板51gとの摩擦力に応じた角速度で第1連結板51fを回転させる。
【0059】
ここで、送出側歯車51aは、リブ51a6(係合部の一例。図9参照)が回転しない側壁41aの孔(図13には図示せず)に挿入されることにより係合して固定されているため回転が阻止されている。これにより、一端が送出側歯車51aに連結されたトーションばね51bは、回転する第1連結板51fに対して、トーションばね51bの捩じれによるトーションを掛ける。
【0060】
具体的には、図18に示すように、第1連結板51fの凸部51f2にフック部51b2が引っ掛けられているトーションばね51bは、フック部51b2が、第1連結板51fの巻取方向R1への回転に従って変位する。第1連結板51fの巻取方向R1への回転は、図6に示したように、インクリボン2が前方Fへの搬送で送出側の軸50が巻取方向R1に回転することによるものである。
【0061】
一方、送出側歯車51aは回転しないため、送出側歯車51aの横棒部分51a4に引っ掛けられているフック部51b1は変位しない。この結果、図19に示すように、第1連結板51fの巻取方向R1への回転が進むにしたがって、トーションばね51bの捩じり量が増大し、第1連結板51fには、トーションばね51bの捩じり量に応じたトーションが掛る。
【0062】
したがって、送出側の軸50には摩擦板51gでの滑りを加味したトーションが掛り、巻取側の軸60に巻き取られるインクリボン2に巻取側の軸60による引っ張る方向の張力を与えて、インクリボン2が弛むのを防止する。
【0063】
なお、送出側歯車51aは、リブ51a3とボス51a5が空洞51a2内から軸方向には突出せず、回転止め用のリブ51a6が空洞51a2内から軸方向の外側に突出するため、クラッチ機構51の薄型化を損ねず、側壁41aに特別な工夫をしなくても、側壁41aに孔を形成するだけで容易に送出側歯車51aを固定することができる。
【0064】
そして、送出側の軸50に巻き付けられた未使用のインクリボン2が全て巻取側の軸60に巻き取られると、トーションばね51bがさらに捩じられ、図20に示すように、第1連結板51fの凸部51f2の巻取方向R1への回転がさらに進み、凸部51f2が略1回転して、送出側歯車51aの横棒部分51a4に周方向から突き当たると、それ以後は、第1連結板61fの回転は停止する。
【0065】
これにより、送出側の軸50は回転しなくなり、反射シート76の羽部76aからの反射光の動きが無くなったことを光センサで検出し、未使用のインクリボン2が無くなったことを検出することができる。光センサによりインクリボン2が無くなったことが検出されると、制御ユニット15の制御によりモータ12の回転が停止される。送出側の軸50から送出されるインクリボン2に送出側の軸50による引っ張る方向の張力を与えて、インクリボン2が弛むのを防止する。
【0066】
以上、詳細に説明したように、本実施形態のインクリボン送り機構及びインクリボン送り機構を備えたプリンタ100は、巻取側のクラッチ機構61の巻取側歯車61aの空洞61a2内にトーションばね61bを収容しているため、空洞61a2が形成されずに巻取側歯車の軸方向の外側にトーションばねが配置されたものに比べて、クラッチ機構61の軸方向の長さを短くすることができる。または、本実施形態のプリンタ100は、図9に示した巻取側歯車61aとほぼ同じ直径の円板状の部分に、これよりも小さな直径の歯車部分を軸方向に一体に重ねた歯車を用いて、円板状の部分にトーションばねを配置した場合と比べて、クラッチ機構61の軸方向の長さを短くすることができる。
【0067】
同様に送出側のクラッチ機構51の送出側歯車51aの空洞51a2内にトーションばね51bを収容しているため、空洞51a2が形成されずに送出側歯車の軸方向の外側にトーションばねが配置されたものに比べて、クラッチ機構51の軸方向の長さを短くすることができる。これにより、プリンタ100の幅方向の寸法を小さくすることができる。
【0068】
また、本実施形態のプリンタ100によれば、巻取側のクラッチ機構61の巻取側歯車61aの空洞61a2内に、第1連結板61fの凸部61f2も収容したため、巻取側歯車の軸方向の外側に、第1連結板の凸部を配置したものに比べて、クラッチ機構61の軸方向の長さをさらに短くすることができる。同様に、送出側のクラッチ機構51の送出側歯車51aの空洞51a2内に、第1連結板51fの凸部51f2も収容したため、送出側歯車の軸方向の外側に、第1連結板の凸部を配置したものに比べて、クラッチ機構51の軸方向の長さをさらに短くすることができる。これにより、プリンタ100の幅方向の寸法をさらに小さくすることができる。
【0069】
また、本実施形態のプリンタ100によれば、圧縮ばね61iをクラッチ軸61kの回りに複数配置した構成により、クラッチ軸61kの半径方向の外方を螺旋状に巻かれた1つの大きな圧縮ばねを配置したものに比べて、圧縮ばね61iの弾性変形のストロークを確保し易くなる。
【0070】
仮に、1つの大きな圧縮ばねを用いる場合は、圧縮ばねの配置空間を軸方向に延ばさず、限られた長さの空間で圧縮ばねのストロークを確保するためには、圧縮ばねの直径を大きくする必要がある。しかし、圧縮ばねの直径を大きくすると、圧縮ばねの弾性力が弱まり、クラッチとして必要な弾性力が得られない。弾性力を強くする方法として、圧縮ばねを太くすることも考えられるが、そうすると、圧縮ばねのストロークが短くなり、クラッチとして必要な圧縮のストロークが確保できない。
【0071】
すなわち、圧縮ばねのストロークと弾性力とは、ある程度の調整はできるが、クラッチの軸方向に限られた短い配置スペースに収まる圧縮ばねでは、圧縮ばねのストロークと弾性力を調整するのが困難である。同様に、圧縮ばね51iをクラッチ軸51kの回りに複数配置した構成により、クラッチ軸51kの半径方向の外方を螺旋状に巻かれた1つの大きな圧縮ばねを配置したものに比べて、圧縮ばね51iの弾性変形のストロークを確保し、かつ、クラッチに必要な弾性力を付与し易い。
【0072】
さらに、圧縮ばねの弾性力のアンバランスを圧縮ばねの太さ等で解消しようとすると、圧縮ばねが弾性変形し難くなり、ストロークの確保が難くなる。同様に、圧縮ばね51iをクラッチ軸51kの回りに複数配置した構成により、クラッチ軸51kの半径方向の外方を螺旋状に巻かれた1つの大きな圧縮ばねを配置したものに比べて、圧縮ばね51iの弾性変形のストロークを確保し、かつ、クラッチ軸61kを取り囲む周方向の全周に亘って均一に圧縮ばね61iの弾性力を付与し易い。
【0073】
なお、図9に示した、巻取側歯車61aの空洞61a2内に収容したトーションばね61bの配置を規制するためのボス61a5が軸方向に長く形成されている場合は、第1連結板61fにおけるトーションばね61bを向いた面に、ボス61a5を軸方向に逃がす溝を形成してもよい。これにより、ボス61a5が軸方向に長く形成されていても、クラッチ機構61の軸方向の長さが長くなるのを抑制することができる。
【0074】
本実施形態のプリンタ100は、巻取側の軸60にクラッチ機構61を備えるとともに、送出側の軸50にもクラッチ機構51を備えている。しかし、本発明に係るプリンタは、巻取側の軸及び送出側の軸のうち一方の軸にのみクラッチ機構を設けてもよい。
【0075】
また、本発明に係るインクリボン送り機構及びインクリボン送り機構を備えたプリンタは、クラッチ機構が、巻取側の軸そのものや送出側の軸そのものに設けられていなくてもよい。すなわち、本発明に係るプリンタは、巻取側の軸を駆動する駆動源から巻取側の軸に駆動力を伝達する歯車輪列を含む伝達経路に、クラッチ機構が設けられていてもよい。同様に、本発明に係るプリンタは、送出側の軸を駆動する駆動源から送出側の軸に駆動力を伝達する歯車輪列を含む伝達経路に、クラッチ機構が設けられていてもよい。
【0076】
例えば、歯車輪列90にクラッチ機構61が設けられていてもよい。この場合、クラッチ機構61は、リボンフランジ70の代わりとなる他の歯車に同軸上に設けられる。クラッチ機構61は、同軸上の歯車との間にクラッチとトーションとが機能するように構成される。そして、歯車輪列90を、駆動力を伝達する入力側と、駆動力を伝達する出力側とに分離する。クラッチ機構61を構成する巻取側歯車61aは駆動力を伝達する入力側に連結し、同軸上の歯車を、駆動力が伝達される出力側に連結する。
【0077】
また、送出側の軸に連動する一又は複数の歯車と、回転が阻止される歯車とを設け、送出側の軸から、回転が阻止される歯車に到るまでの伝達経路にクラッチ機構が設けられていてもよい。この場合は、クラッチ機構51が、送出側の軸に連動する歯車として設けられるか、又は、回転が阻止される歯車として設けられる。
【0078】
前者の場合、例えば、クラッチ機構51は、リボンフランジ75の代わりとなる他の歯車の上に同軸上に設けられ、両者の間にクラッチとトーションとが機能するように構成される。そして、クラッチ機構51を構成する送出側歯車51aは、回転が阻止される歯車側に連結され、同軸上の歯車は送出側の軸側に連結される。また、後者の場合、クラッチ機構51は、例えば、クラッチ機構51を構成する送出側歯車51aが、側壁41a等に固定され、同軸上の歯車は、送出側の軸側に連結される。
【符号の説明】
【0079】
2 インクリボン
50 送出側の軸
51 クラッチ機構
51a 送出側歯車
51a2 空洞
51b トーションばね
60 巻取側の軸
61 クラッチ機構
61a 巻取側歯車
61a1 歯
61a2 空洞
61b トーションばね
90 歯車輪列
100 サーマルプリンタ
R1 巻取方向(時計回り方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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