(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1343 20060101AFI20220322BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20220322BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20220322BHJP
G02F 1/1339 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/1333
G02F1/1339 500
(21)【出願番号】P 2018043486
(22)【出願日】2018-03-09
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 大地
(72)【発明者】
【氏名】小日向 直之
(72)【発明者】
【氏名】木谷 正克
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0062164(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0010708(US,A1)
【文献】特開2017-120418(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0228068(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0139692(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0309634(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343-1/1345,1/135
G02F 1/133,1/1333,1/1334
G02F 1/1339-1/1341,1/1347
G02F 1/136-1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1共通電極と、
前記第1共通電極と第1方向に離間する第2共通電極と、
前記第1共通電極及び前記第2共通電極と重畳し、前記第1方向に延在する第1金属配線と、
前記第1共通電極と重畳し、前記第1方向に延在し、前記第1金属配線と前記第1方向に離間した第2金属配線と、を有し、
前記第1金属配線は、前記第1共通電極と前記第2共通電極との間にも位置しており、
前記第1金属配線は、前記第1共通電極と前記第2共通電極のいずれか一方と重畳する第1端部を有し
、
前記第1共通電極は、前記第2共通電極に向かって突出した突出部と、前記第2金属配線と重畳する第1開口部と、を有し、
前記突出部は、前記第1金属配線と重畳し、
前記第2金属配線の第2端部は、前記突出部と前記第1開口部との間に位置している、
表示装置。
【請求項2】
前記第1金属配線の前記第1端部は、前記第1共通電極と重畳し、
前記第1端部と前記第2端部は、前記第1方向に間隔をおいて配置されている、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
さらに、前記第1金属配線及び前記第2金属配線と重畳する信号線を備え、
断面視において、前記第1金属配線及び前記第2金属配線は、前記信号線と前記第1共通電極との間及び前記信号線と前記第2共通電極との間に位置している、請求項
1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
さらに、前記第1金属配線と重畳する信号線を備え、
前記信号線は、前記第1端部と前記第2端部との間において、前記第1共通電極と重畳している、請求項
2に記載の表示装置。
【請求項5】
さらに、前記第1共通電極と重畳し前記第2金属配線を挟むように配置された第1画素電極及び第2画素電極と、前記第1画素電極と第1接続電極を介して接続する第1スイッチング素子と、前記第2画素電極と第2接続電極を介して接続する第2スイッチング素子と、を備え、
前記第1接続電極、前記第1金属配線、及び、前記第2接続電極は、間隔をおいて前記第1方向と交差する第2方向にこの順に並び、同一層に位置している、請求項
4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1共通電極と前記第2共通電極との間において、前記第1接続電極と前記第1金属配線との間隔、及び、前記第2接続電極と前記第1金属配線との間隔は、前記第1端部と前記第2端部との間隔と同等以上である、請求項
5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2共通電極は、前記第1金属配線と重畳する第2開口部を有し、
前記第2開口部は、第1幅を有し、
前記第1金属配線は、前記第2開口部と重畳する位置において、前記第1幅より大きな第2幅を有している、請求項
1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1金属配線は、前記第1共通電極と前記第2共通電極の間において、前記第2幅より小さい第3幅を有している、請求項
7に記載の表示装置。
【請求項9】
さらに、第1スペーサを備え、
前記第1スペーサは、前記第1共通電極と前記第2共通電極の間において、前記第1金属配線と重畳している、請求項
4乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置の表示品位を向上するための技術が種々検討されている。一例では、スルーホールが形成された金属配線を備え、スルーホールの内部にスペーサの先端を配置する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品位の低下を抑制できる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
第1共通電極と、前記第1共通電極と第1方向に離間する第2共通電極と、前記第1共通電極及び前記第2共通電極と重畳し、前記第1方向に延在する金属配線と、を有し、前記金属配線は、前記第1共通電極と前記第2共通電極との間にも位置しており、前記金属配線は、前記第1共通電極と前記第2共通電極のいずれか一方と重畳する端部を有している、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したセンサ電極Rxを示す平面図である。
【
図3】
図3は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。
【
図4】
図4は、画素レイアウトの一例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示したA-B線に沿った表示装置DSPの断面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示した境界部BAにおける第1基板SUB1の主要部を示す拡大平面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示したC-D線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
【
図8】
図8は、境界部BAにおける表示装置DSPの構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図1に示したセンサブロックBのブロック内部EAにおける、表示装置DSPの構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、境界部BAにおける表示装置DSPの比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端側の位置を上と称し、矢印の先端とは逆側の位置を下と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。なお、本明細書において、第1方向X及び第2方向Yは、第1方向Y及び第2方向Xと読み替えることができる。
【0009】
ここでは、X-Y平面における表示装置DSPの平面図を示している。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、フレキシブルプリント回路基板1と、ICチップ2と、を備えている。
【0010】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、タッチセンサTSと、を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、平面視で重畳している。表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAとを備えている。タッチセンサTS及び表示部DAは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2が重畳している領域に位置している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも第2方向Yに延出した実装部MAを有している。フレキシブルプリント回路基板1は、実装部MAに接続されている。ICチップ2は、フレキシブルプリント回路基板1に接続されている。なお、ICチップ2は、実装部MAに接続されてもよい。ICチップ2は、画像を表示する表示モードにおいて画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバDDを内蔵している。また、図示した例では、ICチップ2は、表示装置DSPへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードを制御するタッチコントローラTCを内蔵している。図中において、ICチップ2は一点鎖線で示し、ディスプレイドライバDD及びタッチコントローラTCは点線で示している。
【0011】
ここで、自己容量方式のタッチセンサTSについて説明するが、タッチセンサTSは相互容量方式であってもよい。タッチセンサTSは、複数のセンサ電極Rxと、複数のセンサ配線Lと、を備えている。複数のセンサ電極Rxは、表示部DAに位置し、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。1つのセンサ電極Rxは、1つのセンサブロックBを構成している。センサブロックBとは、タッチセンシングが可能な最小単位である。複数のセンサ配線Lは、表示部DAにおいて、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに並んでいる。センサ配線Lの各々は、例えば後述する信号線Sと重畳する位置に設けられている。また、センサ配線Lの各々は、非表示部NDAに引き出され、フレキシブルプリント回路基板1を介してICチップ2に電気的に接続されている。
【0012】
ここで、第1方向Xに並んだセンサ配線L1乃至L3と、第2方向Yに並んだセンサ電極Rx1乃至Rx3との関係に着目する。センサ配線L1は、センサ電極Rx1乃至Rx3と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。
センサ配線L2は、センサ電極Rx2及びRx3と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。ダミー配線D21は、センサ配線L2から離間している。ダミー配線D21は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。センサ配線L2及びダミー配線D21は、後述するように同一の信号線上に位置している。
センサ配線L3は、センサ電極Rx3と重畳し、センサ電極Rx3と電気的に接続されている。ダミー配線D31は、センサ電極Rx1と重畳し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。ダミー配線D32は、ダミー配線D31及びセンサ配線L3から離間している。ダミー配線D32は、センサ電極Rx2と重畳し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。センサ配線L3、ダミー配線D31及びD32は、同一の信号線上に位置している。
【0013】
タッチセンシングモードにおいては、タッチコントローラTCは、センサ配線Lにタッチ駆動電圧を印加する。これにより、センサ電極Rxにはタッチ駆動電圧が印加され、センサ電極Rxでのセンシングが行われる。センサ電極Rxでのセンシング結果に対応したセンサ信号は、センサ配線Lを介してタッチコントローラTCに出力される。タッチコントローラTCあるいは外部のホストは、センサ信号に基づいて、表示装置DSPへの物体の接近又は接触の有無及び物体の位置座標を検出する。
なお、表示モードにおいては、センサ電極Rxは、コモン電圧(Vcom)が印加された共通電極CEとして機能する。コモン電圧は、例えばディスプレイドライバDDに含まれる電圧供給部からセンサ配線Lを介して印加される。
【0014】
図2は、
図1に示したセンサ電極Rxを示す平面図である。
図2において、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2とほぼ同一である。
【0015】
1つのセンサ電極Rxは、複数の画素PXに亘って配置されている。図示した例では、第2方向Yに沿って奇数行目に位置する画素PXは、方向D1に沿って延出している。また、第2方向Yに沿って偶数行目に位置する画素PXは、方向D2に沿って延出している。なお、ここでの画素PXとは、画素信号に応じて個別に制御することができる最小単位を示し、副画素と称する場合がある。また、カラー表示を実現するための最小単位を主画素MPと称する場合がある。主画素MPは、互いに異なる色を表示する複数の副画素PXを備えて構成されるものである。一例では、主画素MPは、副画素PXとして、赤色を表示する赤画素、緑色を表示する緑画素、及び、青色を表示する青画素を備えている。また、主画素MPは、白色を表示する白画素を備えていてもよい。
一例では、1つのセンサ電極Rxには、第1方向Xに沿って60~70個の主画素MPが配置され、第2方向に沿って60~70個の主画素MPが配置されている。
【0016】
図3は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。複数本の走査線G1、G2…は、走査線駆動回路GDに接続されている。複数本の信号線S1、S2…は、信号線駆動回路SDに接続されている。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0017】
共通電極CEは、センサブロックB毎にそれぞれ設けられている。共通電極CEは、コモン電圧(Vcom)の電圧供給部CDに接続され、複数の画素PXに亘って配置されている。また、共通電極CEは、それぞれ上記の通りタッチコントローラTCにも接続され、センサ電極Rxとしても機能する。
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWのゲート電極GEと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWのソース電極SEと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWのドレイン電極DEと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0018】
図4は、画素レイアウトの一例を示す平面図である。ここでは、
図1に示したセンサブロックBの境界部BA(つまり、センサ電極Rx1及びRx2に跨る領域)における画素レイアウトを拡大して示している。走査線G1乃至G3は、それぞれ第1方向Xに沿って直線的に延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線S1乃至S3は、それぞれ概ね第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。
【0019】
画素電極PE1及びPE2は、走査線G1及びG2の間に配置されている。画素電極PE1及びPE2は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE3及びPE4は、走査線G2及びG3の間に配置されている。画素電極PE3及びPE4は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE1及びPE3は信号線S1及びS2の間に配置され、画素電極PE2及びPE4は信号線S2及びS3の間に配置されている。
【0020】
画素電極PE1及びPE2は、それぞれ方向D1に沿って延出した帯電極Pa1及びPa2を有している。画素電極PE3及びPE4は、それぞれ方向D2に沿って延出した帯電極Pa3及びPa4を有している。図示した例では、帯電極Pa1乃至Pa4は、2本であるが、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0021】
共通電極CE1及びCE2は、それぞれ
図1に示したセンサ電極Rx1及びRx2に相当する。共通電極CE1は、信号線S1乃至S3の上に重畳している。画素電極PE1及びPE2は、共通電極CE1の上に重畳している。共通電極CE2は、信号線S1乃至S3の上に重畳している。画素電極PE3及びPE4は、共通電極CE2の上に重畳している。共通電極CE2は、共通電極CE1から第2方向Yに離間し、互いに電気的に絶縁されている。図示した例では、走査線G2は、共通電極CE1及びCE2の間に位置している。
【0022】
図5は、
図4に示したA-B線に沿った表示装置DSPの断面図である。図示した例は、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードが適用された例に相当する。
【0023】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、光学素子OD1及びOD2と、照明装置ILと、を備えている。照明装置IL、光学素子OD1、表示パネルPNL、及び、光学素子OD2は、この順に第3方向Zに沿って配置されている。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、を備えている。
【0024】
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至16、信号線S2及びS3、金属配線ML21及びML31、共通電極CE1、画素電極PE2、配向膜AL1などを備えている。
【0025】
絶縁基板10は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの光透過性を有する基板である。絶縁膜11乃至13は、絶縁基板10の上において、この順に第3方向Zに沿って配置されている。
信号線S2及びS3は、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜14によって覆われている。
なお、信号線S2及びS3は、図示しない他の信号線S1と同一層に位置している。信号線S2及びS3は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、信号線S2及びS3は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、及び、チタン(Ti)を順に積層した積層体である。
【0026】
金属配線ML21及びML31は、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15によって覆われている。金属配線ML21は信号線S2の直上に位置し、金属配線ML31は信号線S3の直上に位置している。金属配線ML21及びML31は、上記の金属材料や、上記の金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、金属配線ML21及びML31は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、及び、チタン(Ti)を順に積層した積層体、あるいは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、及び、モリブデン(Mo)を順に積層した積層体である。
【0027】
共通電極CE1は、絶縁膜15の上に位置し、絶縁膜16によって覆われている。共通電極CE1は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。画素電極PE2は、絶縁膜16の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PE2は、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
【0028】
絶縁膜11乃至13、及び、絶縁膜16は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14及び15は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁膜である。なお、絶縁膜15は、無機絶縁膜であってもよい。
【0029】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、配向膜AL2などを備えている。
絶縁基板20は、絶縁基板10と同様に、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。カラーフィルタCFは、画素電極PE2と対向する位置に配置され、その一部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFとしては、赤色、緑色、青色のそれぞれのカラーフィルタが含まれる。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及び配向膜AL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、配向膜AL1及び配向膜AL2が対向するように配置されている。
【0030】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、液晶分子LMを備えている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0031】
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20に接着されている。なお、光学素子OD1及び光学素子OD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。
【0032】
このような表示パネルPNLにおいては、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていないオフ状態において、液晶分子LMは、配向膜AL1及び配向膜AL2の間で所定の方向に初期配向している。このようなオフ状態では、照明装置ILから表示パネルPNLに向けて照射された光は、光学素子OD1及び光学素子OD2によって吸収され、暗表示となる。一方、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されたオン状態においては、液晶分子LMは、電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。このようなオン状態では、照明装置ILからの光の一部は、光学素子OD1及び光学素子OD2を透過し、明表示となる。
【0033】
図6は、
図1に示した境界部BAにおける第1基板SUB1の主要部を示す拡大平面図である。なお、ここでは、走査線G2、画素電極PE1乃至PE4、半導体層SCの図示を省略している。
【0034】
第1基板SUB1は、さらに、ドレイン電極DE1及びDE2と、接続電極BE1及びBE2と、を備えている。
【0035】
信号線S1乃至S3は、共通電極CE1と重畳する位置において、方向D1に沿って延出している。信号線S1乃至S3は、共通電極CE2と重畳する位置において、方向D2に沿って延出している。信号線S1乃至S3は、共通電極CE1と共通電極CE2との間において、第2方向Yに沿って延出している。
【0036】
金属配線ML11及びML12は、信号線S1と重畳し、概ね第2方向Yに沿って延出している。金属配線ML12は、金属配線ML11から離間している。同様に、金属配線ML21及びML22は、信号線S2と重畳し、互いに離間している。金属配線ML31及びML32は、信号線S3と重畳し、互いに離間している。金属配線ML11、ML21、ML31は、間隔をおいて第1方向Xに沿って並んでいる。金属配線ML12、ML22、ML32は、間隔をおいて第1方向Xに沿って並んでいる。
【0037】
ドレイン電極DE1及びDE2は、共通電極CE1と共通電極CE2との間に位置し、それぞれ島状に形成されている。ドレイン電極DE1は信号線S1と信号線S2との間に配置され、ドレイン電極DE2は信号線S2と信号線S3との間に配置されている。ドレイン電極DE1及びDE2は、信号線S2等と同一層に位置し、信号線S2と同一材料によって形成されている。
【0038】
接続電極BE1及びBE2は、共通電極CE1と共通電極CE2との間に位置し、それぞれ島状に形成されている。接続電極BE1はドレイン電極DE1と重畳し、接続電極BE2はドレイン電極DE2と重畳している。接続電極BE1は、コンタクトホール10を介して、ドレイン電極DE1にコンタクトしている。接続電極BE2は、コンタクトホール20を介して、ドレイン電極DE2にコンタクトしている。接続電極BE1及びBE2は、金属配線ML21等と同一層に位置し、金属配線ML21と同一材料によって形成されている。
【0039】
ここで、信号線S2に重畳する金属配線ML21及びML22に着目する。例えば、金属配線ML21は、
図1に示したダミー配線D21に相当し、金属配線ML22は、
図1に示したセンサ配線L2に相当する。
金属配線ML21は、端部ML1Aを有している。金属配線ML22は、端部ML2Aを有している。端部ML1A及び端部ML2Aは、第2方向Yに沿って間隔をおいて対向している。信号線S2は、端部ML1Aと端部ML2Aとの間においてはいずれの金属配線とも重畳していない。信号線S2は、後述する半導体層とコンタクトするコンタクト部CTAを有している。コンタクト部CTAは、他の配線部分よりも第1方向Xに拡張されている。金属配線ML21は、共通電極CE1とコンタクトするコンタクト部CTBを有している。端部ML1Aは、コンタクト部CTBに含まれる。つまり、信号線S2は、コンタクト部CTBと金属配線ML22との間において、いずれの金属配線と重畳することなく露出している。
共通電極CE1は、端部ML1Aと端部ML2Aとの間において、図中に斜線で示したように、信号線S2と重畳する重畳部OL11を有している。また、共通電極CE1は、金属配線ML22と重畳する重畳部OL12、及び、金属配線ML21と重畳する重畳部OL13を有している。重畳部OL11は、重畳部OL12及びOL13の間に位置している。共通電極CE1は、共通電極CE2と対向する側に非直線状の端部CE1Eを有している。すなわち、共通電極CE1は、共通電極CE2に向かって突出した突出部PJを有している。突出部PJは、重畳部OL12を含んでいる。つまり、突出部PJは、金属配線ML22と重畳するように形成され、共通電極CE2から離間している。
【0040】
共通電極CE2は、金属配線ML22と重畳する重畳部OL21を有している。共通電極CE2は、共通電極CE1と対向する側に、第1方向Xに沿った直線状の端部CE2Eを有している。金属配線ML22は、重畳部OL12と重畳部OL21との間において、信号線S2と重畳している。
【0041】
金属配線ML22は、接続電極BE1及びBE2の間に延出している。接続電極BE1及びBE2は、それぞれ端部CE1Eに近接する端部BE1E及びBE2Eを有している。図示した例では、端部ML2A、及び、端部BE1E及びBE2Eは、第1方向Xに沿った同一直線上に位置している。但し、端部ML2Aは共通電極CE1と重畳している一方で、端部BE1E及びBE2Eは共通電極CE1とは重畳していない。
共通電極CE1及びCE2の間において、接続電極BE1、金属配線ML22、及び、接続電極BE2は、間隔をおいてこの順に第1方向Xに沿って並んでいる。金属配線ML22と、接続電極BE1及びBE2とは、上記の通り、同一層に位置しているが、金属配線ML22と接続電極BE1との間隔d1、及び、金属配線ML22と接続電極BE2との間隔d2は、互いに電気的な絶縁性を確保するのに十分な大きさに設定されている。ここでの間隔d1及びd2は、第1方向Xに沿った距離である。同様に、金属配線ML21及びML22の第2方向Yに沿った間隔d3は、互いに電気的な絶縁性を確保するのに十分な大きさに設定されている。間隔d1乃至d3の相互の関係性については、間隔d1及びd2は、間隔d3と同等以上である。一例では、間隔d1乃至d3は、1μm~10μm程度である。
【0042】
共通電極CE2は、金属配線ML22に重畳する開口部OP2を有している。図示した開口部OP2は、方向D2に沿って延出したスリットである。開口部OP2は、幅WOPを有している。金属配線ML22は、開口部OP2と重畳する位置において、幅WM2Aを有している。幅WM2Aは、幅WOPより大きい。重畳部OL21は、開口部OP2を囲むように形成されている。なお、本明細書での幅とは、第1方向Xに沿った長さに相当する。同様に、共通電極CE1は、金属配線ML21に重畳する開口部OP1を有している。端部ML1Aと端部ML2Aは、突出部PJと開口部OP1との間に位置している。
金属配線ML22は、共通電極CE1と共通電極CE2の間、あるいは、接続電極BE1と接続電極BE2との間において、幅WM2Bを有している。幅WM2Bは、幅WM2Aより小さい。
【0043】
信号線S2は、幅WS2を有している。金属配線ML22における幅WM2A及びWM2Bは、信号線S2における幅WS2より大きい。信号線S2は、金属配線ML22よりも内側に位置している。
【0044】
図6に示した例において、共通電極CE1は第1共通電極に相当し、共通電極CE2は、第2共通電極に相当し、金属配線ML21は第1配線に相当し、金属配線ML22は第2配線に相当し、重畳部OL11は第1重畳部に相当し、重畳部OL12は第2重畳部に相当し、重畳部OL21は第3重畳部に相当し、接続電極BE1は第1接続電極に相当し、接続電極BE2は第2接続電極に相当し、幅WOPは第1幅に相当し、幅WM2Aは第2幅に相当し、幅WM2Bは第3幅に相当し、端部ML1Aは第1端部に相当し、端部ML2Aは第2端部に相当する。また、
図6に示した例において、第2方向Yは第1方向と読み替えることができる。
【0045】
図7は、
図6に示したC-D線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
第1基板SUB1は、さらに、半導体層SC、走査線G2などを備えている。半導体層SCは、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。走査線G2は、絶縁膜12の上に位置し、絶縁膜13によって覆われている。なお、図示しない他の走査線も、走査線G2と同一層に位置している。走査線G2は、上記した金属材料を用いて形成されている。
信号線S2のコンタクト部CTAは、絶縁膜12及び絶縁膜13を貫通するコンタクトホールCH1を通じて半導体層SCにコンタクトしている。金属配線ML21及びML22は、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15によって覆われている。絶縁膜15は、端部ML1Aと端部ML2Aとの間において、絶縁膜14に接している。金属配線ML21のコンタクト部CTBは、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH3を通じて共通電極CE1にコンタクトしている。共通電極CE1は、端部ML1Aと端部ML2Aとの間において、信号線S2の直上を覆っている。つまり、端部ML1Aと端部ML2Aとの間においては、信号線S2、絶縁膜14、絶縁膜15、及び、共通電極CE1がこの順に積層されている。
【0046】
このような本実施形態によれば、センサブロックBの境界部BAにおいて、信号線S2は、センサ配線L2として機能する金属配線ML21とダミー配線D21として機能する金属配線ML22との間で共通電極CE1と重畳している。また別の観点では、信号線S2は、センサ電極Rx1として機能する共通電極CE1とセンサ電極Rx2として機能する共通電極CE2との間で金属配線ML22と重畳している。このように、信号線は、いずれかの金属配線あるいはいずれかの共通電極によって覆われるため、信号線S2から近隣の画素電極PEへの電界漏れを抑制することができる。したがって、各画素において信号線からの不所望な電界の影響による液晶分子の配向乱れを抑制することができ、表示品位の低下を抑制することができる。
【0047】
また、金属配線ML22は、接続電極BE1及びBE2の間において、開口部OP2と重畳する位置の幅WM2Aよりも小さい幅WM2Bを有している。このため、同一層に形成される金属配線ML22、接続電極BE1、及び、接続電極BE2をパターニングした際に、互いの電気的なショートを抑制することができる。
【0048】
また、共通電極CE2は、金属配線ML22と重畳する開口部OP2を有している。このため、共通電極CE2と金属配線ML22との間の寄生容量を低減することができる。なお、開口部OP2において、金属配線ML22は、信号線S2と重畳しており、開口部OP2からの電界漏れは抑制される。
【0049】
次に、
図8乃至10を用いて、スペーサのレイアウト例について説明する。
図8は、境界部BAにおける表示装置DSPの構成例を示す図である。
図8の(A)は、境界部BAにおける、スペーサSP1の周辺の主要部を示す平面図である。スペーサSP1は、共通電極CE1と共通電極CE2との間において、接続電極BE1及びBE2の間に位置し、金属配線ML22に重畳している。
図8の(A)に示したスペーサSP1は、境界部BAに位置する第1スペーサに相当する。
【0050】
図8の(B)は、
図8の(A)に示したE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。画素電極PE1及びPE2は、絶縁膜16の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PE1は、接続電極BE1の直上に位置し、絶縁膜15を接続電極BE1まで貫通するコンタクトホールCH11、及び、絶縁膜16を接続電極BE1まで貫通するコンタクトホールCH12を通じて、接続電極BE1にコンタクトしている。同様に、画素電極PE2は、接続電極BE1の直上に位置し、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH21、及び、絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCH22を通じて、接続電極BE2にコンタクトしている。
【0051】
スペーサSP1は、第2基板SUB2に設けられている。スペーサSP1は、オーバーコート層OCに接する上面SP1Aと、第1基板SUB1に対向する下面SP1Bを、を有している。スペーサSP1は、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とのセルギャップを形成する。セルギャップは、例えば2~5μmである。スペーサSP1は、例えば、樹脂材料によって形成される。
【0052】
第1基板SUB1は、スペーサSP1と対向する上面SUB1Aを有している。ここでは、上面SUB1Aは配向膜AL1の上面に相当する。信号線S2及び金属配線ML22と重畳する位置において、上面SUB1Aと下面SP1Bとは接している場合もあるが、上面SUB1Aと下面SP1Bとの間に配向膜AL2が介在している場合もありうる。第1基板SUB1は、下面SP1Bと重畳する位置において、厚さT10を有している。厚さT10は、第3方向Zに沿った絶縁基板10の上面10Aから上面SUB1Aまでの長さに相当する。すなわち、信号線S2と上面SUB1Aとの間において、絶縁膜14が信号線S2に接して積層され、金属配線ML22が絶縁膜14に接して積層され、絶縁膜15が金属配線ML22に接して積層され、絶縁膜16が絶縁膜15に接して積層され、配向膜AL1が絶縁膜16に接して積層されている。図示した例では、信号線S2と下面SP1Bとの間において、金属配線ML22以外の導電層は存在していない。金属配線ML22は、第3方向Zに沿った厚さT20を有している。一例として、厚さT20は300nmである。図示した例では、上面SUB1Aは、金属配線ML22と重畳する位置において、厚さT20の影響を受けて、第2基板SUB2側に突出している。
【0053】
図9は、
図1に示したセンサブロックBのブロック内部EAにおける、表示装置DSPの構成例を示す図である。
図9の(A)は、ブロック内部EAにおける、スペーサSP2の周辺の主要部を示す平面図である。スペーサSP2は、共通電極CE2内において、接続電極BE3及びBE4の間に位置し、共通電極CE2に重畳している。共通電極CE2は、接続電極BE3及びドレイン電極DE3と重畳する開口部AP3と、接続電極BE4及びドレイン電極DE4と重畳する開口部AP4と、を有している。共通電極CE2は、接続電極BE3及びBE4の間において、信号線S2及び金属配線ML22と重畳している。
図9の(A)に示したスペーサSP2は、ブロック内部EAに位置する第2スペーサに相当し、接続電極BE3は第3接続電極に相当し、接続電極BE4は第4接続電極に相当する。
【0054】
図9の(B)は、
図9の(A)に示したG-H線に沿った表示パネルPNLの断面図である。接続電極BE3、金属配線ML2、及び、接続電極BE4は、間隔をおいてこの順に並び、同一層に位置している。接続電極BE3は、絶縁膜14を貫通するコンタクトホールCH30を通じてドレイン電極DE3にコンタクトしている。画素電極PE11は、接続電極BE3の直上に位置し、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH31、及び、絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCH32を通じて、接続電極BE3にコンタクトしている。
同様に、接続電極BE4は、コンタクトホールCH40を通じてドレイン電極DE4にコンタクトしている。画素電極PE12は、コンタクトホールCH41及びCH42を通じて、接続電極BE4にコンタクトしている。
【0055】
第1基板SUB1は、スペーサSP2の下面SP2Bと重畳する位置において、上面10Aから厚さT30を有している。厚さT30は、第3方向Zに沿った上面SUB1Aまでの長さに相当する。すなわち、
図9の(B)に示した例は、
図8の(B)に示した例と比較して、絶縁膜15及び16の間に共通電極CE2が介在している点で相違している。つまり、厚さT30は、厚さT10と比較して、共通電極CE2の厚さT40の分だけ厚い。厚さT40は、厚さT20より薄く、一例では、厚さT40は、厚さT20の1/3程度である。このため、厚さT30と厚さT10との差分がセルギャップに与える影響は極めて小さい。
【0056】
図10は、境界部BAにおける表示装置DSPの比較例を示す図である。
図10の(A)は、境界部BAにおける、スペーサSP1の周辺の主要部を示す平面図である。図示した比較例は、
図8に示した構成例と比較して、スペーサSP1が信号線S1と重畳し、信号線S2とスペーサSP1との間に金属配線が存在しない点で相違している。
【0057】
図10の(B)は、
図10の(A)に示したI-J線に沿った表示パネルPNLの断面図である。第1基板SUB1は、下面SP1Bと重畳する位置において、上面10Aから厚さT50を有している。厚さT50は、厚さT10と比較して、金属配線ML22の厚さT20の分だけ薄い。つまり、
図9の(B)に示したブロック内部EAのスペーサSP2の下地の厚さT30と、
図10の(B)に示した境界部BAのスペーサSP1の下地の厚さT50とでは、金属配線ML22の厚さT20と、共通電極CE2の厚さT40との総和分だけ段差が生ずる。このため、比較例では、セルギャップが不均一となって、表示品位の低下を招くおそれがある。
【0058】
本実施形態によれば、上記の通り、
図9の(B)に示したブロック内部EAのスペーサSP2の下地の厚さT30と、
図8の(B)に示した境界部BAのスペーサSP1の下地の厚さT10とでは、共通電極CE2の厚さT40分の段差しか生じえない。つまり、ブロック内部EA及び境界部BAにおいて、ほぼ均一なセルギャップを形成することができる。したがって、セルギャップの不均一に起因した表示品位の低下を抑制することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の低下を抑制することができる表示装置を提供することができる。
【0060】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0061】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型に限らず、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであってもよい。
また、本実施形態では、基板主面に沿った横電界を利用する表示モードに対応した表示パネルPNLについて説明したが、これに限らず、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの表示パネルであってもよい。ここでの基板主面とは、X-Y平面と平行な面である。
【符号の説明】
【0062】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル BA…境界部 EA…ブロック内部
CE…共通電極 S…信号線 ML…金属配線 BE…接続電極 PE…画素電極
SP…スペーサ OP…開口部