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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】冷却貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 29/00 20060101AFI20220322BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
F25D29/00 A
F25B49/02 510C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018046576
(22)【出願日】2018-03-14
(65)【公開番号】P2019158246
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】広沢 優
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠治
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】実公昭48-022052(JP,Y1)
【文献】特開2008-180406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00-16/00
F25D 19/00
F25D 27/00-31/00
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室と、
前記貯蔵室の内気を冷却する冷却器が収容され、前記貯蔵室と内部が連通する冷却器室と、
前記冷却器を覆うカバーであって、前記貯蔵室の内気を前記冷却器室に導入する吸込口が設けられているカバーと、
前記冷却器に取付けられる冷却器取付部、及び、前記貯蔵室の温度を検知する温度センサを取り付ける温度センサ取付部を有するホルダと、を備え、
前記温度センサ取付部は、前記冷却器と前記吸込口との間に位置しており、
前記冷却器は、多数枚のフィンが並設されたフィン群と、前記フィン群を貫通しつつ蛇行状に配管された蒸発管と、を備えており、
前記冷却器取付部は、
前記温度センサ取付部から隣り合う前記フィンの間に突出する突出部と、
前記突出部の先端から前記温度センサ取付部側に向けて突出し、前記突出部を介して互いに対向する一対の保持部と、を備え、
前記一対の保持部は、前記フィンの間に配管された前記蒸発管に、前記一対の保持部の互いに対向する方向と反対の方向に弾性的にそれぞれ接触することで、前記冷却器取付部は、前記冷却器に取付けられる冷却貯蔵庫。
【請求項2】
前記保持部の先端には、前記蒸発管と面で接触可能なアール状をなす接触部が設けられている請求項1に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項3】
前記ホルダは、前記冷却器取付部と、前記温度センサ取付部との間に設けられた板状の仕切部を備え、
前記温度センサ取付部は、前記温度センサを収容する構成をなし、
前記仕切部の肉厚は、少なくとも、前記温度センサ取付部の前記温度センサを取り囲む部分の肉厚よりも厚くなっている請求項1または請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項4】
貯蔵室と、
前記貯蔵室の内気を冷却する冷却器が収容され、前記貯蔵室と内部が連通する冷却器室と、
前記冷却器を覆うカバーであって、前記貯蔵室の内気を前記冷却器室に導入する吸込口が設けられているカバーと、
前記冷却器に取付けられる冷却器取付部、及び、前記貯蔵室の温度を検知する温度センサを取り付ける温度センサ取付部を有するホルダと、を備え、
前記温度センサ取付部は、前記冷却器と前記吸込口との間に位置しており、
前記ホルダは、前記冷却器取付部と、前記温度センサ取付部との間に設けられた板状の仕切部を備え、
前記温度センサ取付部は、前記温度センサを収容する構成をなし、
前記仕切部の肉厚は、少なくとも、前記温度センサ取付部の前記温度センサを取り囲む部分の肉厚よりも厚くなっており、
前記仕切部は、前記温度センサ取付部よりも一方、及び、前記一方と逆の他方に突出している一対の凸部を備える冷却貯蔵庫。
【請求項5】
前記温度センサ取付部は、箱状をなしており、
前記温度センサ取付部の前記吸込口側の面には、第1の開口部が設けられ、
前記第1の開口部が設けられた面と交差する一の側面には、第2の開口部が開口して設けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
【請求項6】
前記温度センサ取付部の前記第2の開口部は、格子状に開口して設けられ、
前記温度センサ取付部の前記一の側面と対向する側面には、第3の開口部が開口して設けられており、
前記温度センサは、前記第3の開口部から挿通され、前記第2の開口部の格子部に当接可能とされる請求項5に記載の冷却貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷却貯蔵庫として、下記特許文献1に記載のものが知られている。下記特許文献1のものでは、貯蔵室の温度を検知するための温度センサ(温度検知器)を備え、温度センサの検知温度に基づいて冷凍装置を駆動させることで貯蔵室の温度を制御する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-69180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような温度センサを貯蔵室内に取り付ける方法ないし構成として、温度センサをホルダに収容し、ホルダを冷却器カバーに貯蔵室側から取付けるものが知られており、例えば、ホルダに爪を設け、冷却器カバーの格子に爪を嵌め込んで取付ける構造がある。このような場合、ホルダの組付け作業性が悪く、また、サービス時にホルダを取外し難いという問題がある。また、ホルダは冷却器カバーに爪で取付ける構造のため、部材が大きくなるという問題がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型で組付け作業性の優れた、温度センサが取付けられるホルダを備える冷却貯蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の冷却貯蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室の内気を冷却する冷却器が収容され、前記貯蔵室と内部が連通する冷却器室と、前記冷却器を覆うカバーであって、前記貯蔵室の内気を前記冷却器室に導入する吸込口が設けられているカバーと、前記冷却器に取付けられる冷却器取付部、及び、前記貯蔵室の温度を検知する温度センサを取り付ける温度センサ取付部を有するホルダと、を備え、前記温度センサ取付部は、前記冷却器と前記吸込口との間に位置している。
【0007】
ホルダの温度センサ取付部は、冷却器と吸込口との間に位置していることから、吸込口から導入された貯蔵室の内気が温度センサに当たるため、温度センサは、貯蔵室の内気の温度を好適に検知することができる。
また、ホルダは、冷却器取付部によって冷却器に直接取付けられることから、従来のように、ホルダを、カバーの格子に爪で取付ける構成と比較して、ホルダの小型化を図ることができる。また、小型化により原料が少なくなり、コストを抑えることができる。また、ホルダを、温度センサ取付部が冷却器と吸込口との間に位置するように正確に配することができ、温度センサの検知精度が向上する。また、冷却器及びホルダを、一体として組み上げることが可能となる。
また、ホルダはカバー内に配されているため、ユーザが温度センサに誤って接触することが抑えられる。
【0008】
また、前記冷却器は、多数枚のフィンが並設されたフィン群と、前記フィン群を貫通しつつ蛇行状に配管された蒸発管と、を備えており、前記冷却器取付部は、前記温度センサ取付部から隣り合う前記フィンの間に突出する突出部と、前記突出部の先端から前記温度センサ取付部側に向けて突出し、前記突出部を介して互いに対向する一対の保持部と、を備え、前記一対の保持部は、前記フィンの間に配管された前記蒸発管に、前記一対の保持部の互いに対向する方向と反対の方向に弾性的にそれぞれ接触することで、前記冷却器取付部は、前記冷却器に取付けられる構成としても良い。
【0009】
一対の保持部は、突出部の先端から温度センサ取付部側に向けて突出しているため、突出部を隣り合うフィンの間に挿入すると共に、一対の保持部を蒸発管の間に、圧入気味に押し込むことで、ホルダを冷却器に取付けることが可能となる。これにより、ホルダの冷却器への取付けが容易なものとなり、ホルダの組付け作業性が向上する。
【0010】
また、前記保持部の先端には、前記蒸発管と面で接触可能なアール状をなす接触部が設けられている構成としても良い。
【0011】
接触部が蒸発管と面で接触することで、ホルダを冷却器に確実に保持することができる。
【0012】
前記ホルダは、前記冷却器取付部と、前記温度センサ取付部との間に設けられた板状の仕切部を備え、前記温度センサ取付部は、前記温度センサを収容する構成をなし、前記仕切部の肉厚は、少なくとも、前記温度センサ取付部の前記温度センサを取り囲む部分の肉厚よりも厚くなっている構成としても良い。
【0013】
仕切部の肉厚を厚くすることで、冷却器の冷気が、仕切部を介して温度センサ取付部内の温度センサに伝わり、温度センサの検知精度が落ちることを抑制できる。
【0014】
また、前記仕切部は、前記温度センサ取付部よりも一方、及び、前記一方と逆の他方に突出している一対の凸部を備える構成としても良い。
【0015】
仕切部に、一対の凸部を備える構成としたことで、ホルダの温度センサ取付部を手で持って、ホルダを冷却器に押し込むことで、ホルダの冷却器取付部を冷却器に取り付ける際に、一対の凸部に指が当たるため、ホルダを冷却器に押し込み易くなる。
【0016】
また、前記温度センサ取付部は、箱状をなしており、前記温度センサ取付部の前記吸込口側の面には、第1の開口部が設けられ、前記第1の開口部が設けられた面と交差する一の側面には、第2の開口部が開口して設けられている構成としても良い。
【0017】
吸込口から冷却器室内に導入された貯蔵室の内気は、第1の開口部から温度センサ取付部内に通風され、温度センサに直接当たるため、温度センサの検知精度を向上させることができる。また、第1の開口部から温度センサ取付部内に通風された貯蔵室の内気は、第2の開口部から温度センサ取付部の外に通風されるため、温度センサ取付部内が結露することを抑制できる。
【0018】
また、前記温度センサ取付部の前記第2の開口部は、格子状に開口して設けられ、前記温度センサ取付部の前記一の側面と対向する側面には、第3の開口部が開口して設けられており、前記温度センサは、前記第3の開口部から挿通され、前記第2の開口部の格子部に当接可能とされる構成としても良い。
【0019】
温度センサを第3の開口部から挿通し、第2の開口部の格子部に当接するまで挿通することで温度センサの位置決めができるようになり、温度センサ取付部内における温度センサの位置が安定するようになる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、小型で組付け作業性の優れた、温度センサが取付けられるホルダを備える冷却貯蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るショーケースを示す正面図
図2】ショーケースを示す斜視図(スライド扉を取り外した状態)
図3】ショーケースを示す斜視図(ダクト部材のダクト前壁部を省略した図)
図4】ショーケース内の冷却器の配置を示す斜視図
図5】冷却器室及び機械室の内部を示す側断面図
図6】冷却器室の側断面図
図7】ホルダが取付けられる前の状態における冷却器の側断面図
図8】冷却器の斜視図(ホルダ周辺を拡大した図)
図9】ホルダの斜視図
図10】ホルダの斜視図
図11】ホルダの側面図
図12】温度センサが取付けられた状態におけるホルダの斜視図
図13】温度センサが取付けられた状態におけるホルダについて、センサ収容部を切り欠いた状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態を図1から図13によって説明する。本実施形態では、冷却貯蔵庫として、冷蔵用のショーケース10を例示し、以降の説明では、ショーケース10の上下方向、左右方向、及び、前後方向は、図1から図13に示す矢指方向とする。
【0023】
図1及び図2に示すように、ショーケース10は、前側に開口された開口部14を有する箱体12を備える。箱体12は、例えばステンレス鋼板からなる外箱及び内箱の間に、発泡樹脂からなる断熱材が発泡充填されることで構成されている。箱体12は、図3に示すように、貯蔵室16、冷却器室18、及び機械室20を構成するものとされる。貯蔵室16は、箱体12の内部空間の大部分を占める空間であり、開口部14と連通されている。
【0024】
開口部14は、図1に示すように、左右方向に配列された一対のスライド扉22によって覆われている。一対のスライド扉22は、箱体12に対してそれぞれが左右方向についてスライド移動可能に設けられている。これにより、スライド扉22の各々をスライド移動させることで、開口部14を開閉可能となっている。また、図2に示すように、貯蔵室16内には、貯蔵物を載置することが可能な棚網24が設けられている。機械室20は、図3に示すように、冷却器室18の下方に配されている。機械室20内には、圧縮機26、凝縮器28等からなる冷凍装置30と、電装箱32等が設置されている。機械室20は、図2に示すように、フロントパネル34によって前側から覆われる構成となっている。
【0025】
冷却器室18は、貯蔵室16と隣り合う形で配され、貯蔵室16と内部が連通しており、具体的には、図3に示すように、箱体12内において貯蔵室16の下方(且つ機械室20の上方)に配されている。冷却器室18には、図5に示すように、冷却器36及び冷却器ファン37が収容されている。貯蔵室16と冷却器室18とは、冷却器36を覆う冷却器カバー(カバー)38によって仕切られている。
【0026】
冷却器カバー38は、図6に示すように、貯蔵室16の底壁部を構成するカバー上壁部40と、カバー上壁部40の前端部から下方に延びるカバー前壁部42と、を備える。カバー前壁部42には、前後方向に貫通する複数のカバー吸込口(吸込口)44が形成されている。カバー前壁部42において、複数のカバー吸込口44の形成箇所は格子状をなしている。カバー吸込口44は、貯蔵室16の内気を冷却器室18に導入することが可能となっている。カバー上壁部40の後端部には、上下方向に貫通する吹出口48が形成されている。冷却器36は、上記した冷凍装置30と冷媒配管により循環接続されることで、周知の冷凍回路を構成する。
【0027】
貯蔵室16において、カバー前壁部42の前方には、ダクト部材50が配されている。ダクト部材50は、図6に示すように、カバー上壁部40の前方に連なる形で配されるダクト上壁部52と、ダクト上壁部52の前端部から下方に延びるダクト前壁部56と、を備える。ダクト上壁部52には、図2に示すように、上下方向に貫通するダクト吸込口54が形成されている。ダクト吸込口54は、前後方向に長い形状をなし、左右方向に沿って複数配列されている。ダクト前壁部56は、図6に示すように、カバー前壁部42に対して、前後方向に距離を空けて対向配置されている。また、ダクト上壁部52の後端部には下方に延びる延設壁部58が設けられている。延設壁部58が、冷却器カバー38のカバー前壁部42に形成された溝部60に嵌合されることで、冷却器カバー38に対してダクト部材50が固定されている。
【0028】
冷却器36は、多数枚の板状のフィン62が並設されたフィン群64と、フィン群64を貫通しつつ蛇行状に配管された蒸発管66と、を備えている。なお、図4図8においては、便宜上、フィン62は2枚のみ図示している。
【0029】
圧縮機26及び冷却器ファン37が駆動すると、図6に示すように、貯蔵室16内の内気が、ダクト前壁部56、ダクト前壁部56とカバー前壁部42の間の空間S1(通気路)、カバー吸込口44を経由して冷却器室18内に吸引され(内気の流れを矢線F1で示す)、冷却器36の蒸発管66を通過する過程で熱交換により冷やされた後、吹出口48から貯蔵室16内に吹き出される(内気の流れを矢線F2で示す)。このような内気の流れが循環することで、貯蔵室16の内気が冷却されるようになっている。
【0030】
冷却器36には、貯蔵室16内の温度制御用の温度センサ68が収容されたホルダ70が取付けられている。このように、ホルダ70は冷却器36に取付けられるため、ホルダ70を冷却器36と一体に組み上げることができ、温度センサ68の配線処理を容易に仕上げることが可能となる。ホルダ70は、図9に示すように、冷却器取付部72と、温度センサ取付部74と、冷却器取付部72と温度センサ取付部74との間に設けられた方形板状の仕切部76と、を備えている。温度センサ68としては、例えばサーミスタを用いることができるが、これに限定されない。
【0031】
温度センサ取付部74は、図9図10に示すように、左右方向に長い箱状のセンサ収容部78を備えている。センサ収容部78の前面には、左右方向に長い方形状に開口する第1の開口部80が設けられており、センサ収容部78の左面には、第3の開口部82が開口して設けられている。また、センサ収容部78の右面には、第2の開口部84が格子状に開口して設けられている。温度センサ68は、第3の開口部82からセンサ収容部78内に挿通され、図12図13に示すように、第2の開口部84のホルダ格子部(格子部)86に当接可能な状態で収容される。温度センサ68をセンサ収容部78内に挿通する際は、温度センサ68がホルダ格子部86に当接するまで挿通することで、温度センサ68のセンサ収容部78内での位置が定まる。
【0032】
温度センサ68の配線88は、第3の開口部82から左方に延び、機械室20の電装箱32内の制御部(図示せず)に接続されている。制御部は、温度センサ68の検知温度に基づいて、冷凍装置30を駆動することで、貯蔵室16の温度が設定温度範囲内となるように制御する。
【0033】
仕切部76は、センサ収容部78の後面と連なっており、図11に示すように、温度センサ取付部74及び冷却器取付部72の肉厚よりも厚くなっている。仕切部76の上部及び下部は、温度センサ取付部74上面及び下面よりも上下方向に突出する凸部90とされる。
【0034】
温度センサ取付部74には、図9図10に示すように、第3の開口部82の上側開口縁から左方に突出する突出板92が設けられている。突出板92の前端は、温度センサ取付部74の上壁の前端よりもやや後方に位置しており、突出板92の前端と温度センサ取付部74の上壁の前端とは、段差部94をもって連なっている。突出板92には、上面の左前端から上方に突出する突起96が設けられている。
【0035】
冷却器取付部72は、温度センサ取付部74側から後方(即ち、冷却器36側)に突出する突出部98と、突出部98の先端から温度センサ取付部74側に向けて突出する、上下一対の保持部100と、を備えている。
【0036】
一対の保持部100は、突出部98を介して、上下方向に互いに対向しており、突出部98の先端から温度センサ取付部74側に向けて片持ち状に突出する一対の撓み部102と、一対の撓み部102の先端にそれぞれ設けられ、アール状をなす一対の接触部104と、を備えている。一対の接触部104は、図11に示すように、一対の撓み部102の先端から、互いに対向する方向に一旦傾斜し、さらに互いに対向する方向と反対の方向に湾曲しながら突出して形成されており、一対の撓み部102と一対の接触部104との間には、一対の土手部106が形成されている。一対の土手部106間の長さL1は、図7に示すように、冷却器36の蒸発管66の間の長さL2よりも長く設定されている。
【0037】
ホルダ70を冷却器36に取付ける手順を図6から図8を用いて説明する。ホルダ70を冷却器36に取り付ける際は、カバー前壁部42を含む冷却器カバー38が備わっていない状態で行うものとされる。
先ず、温度センサ取付部74のセンサ収容部78の上面と下面を指でつまみ、ホルダ70の突出部98を、左右方向に隣り合うフィン62の間に挿通する。
次に、突出部98を上下の蒸発管66の間に押し込む。すると、一対の撓み部102の土手部106が蒸発管66と摺動しながら、一対の撓み部102は、互いに対向する方向に弾性変位する。この時、センサ収容部78をつまんでいる指が、仕切部76の凸部90の前面に当たるため、ホルダ70を押し込み易くなっている。
さらに突出部98を後方に押し込むと、一対の撓み部102は、互いに対向する方向と逆方向に変位し、一対の接触部104が上下の蒸発管66と面で弾性的に接触する。これにより、ホルダ70は、冷却器36に取付けられる。
このように、一対の接触部104は、蒸発管66と面で接触し、蒸発管66にフィットしているため、ホルダ70は、蒸発管66に安定して取付けられている。また、ホルダ70の突出部98を冷却器36の蒸発管66の間に押し込んで取付ける際、一対の撓み部102が弾性変形するため、ホルダ70の冷却器36への取付けが容易なものとなる。
次に、図8に示すように、結束バンド108により、突出板92及び温度センサ68の配線88を締結し、温度センサ68がセンサ収容部78から抜け落ちないようにする。この時、結束バンド108は、突起96の右端と、仕切部76の凸部90の左端及び段差部94との間を通るように取付けられる。これにより、ホルダ70が右方に変位しようとしても、結束バンド108が仕切部76の凸部90及び段差部94に当たるため、ホルダ70の右方への変位が阻止される。また、ホルダ70が左方に変位しようとしても、結束バンド108が突起96に当たるため、ホルダ70の左方への変位が阻止される。これにより、結束バンド108がホルダ70から抜け落ちることが抑制される。
【0038】
ホルダ70が冷却器36に取付けられた状態では、図6に示すように、温度センサ取付部74は、突出部98によって前方にオフセットされており、冷却器36とカバー吸込口44との間の略中央に位置している。このように、温度センサ取付部74は冷却器36と接触しない位置に配されており、さらに、温度センサ取付部74のセンサ収容部78の後面側に仕切部76が設けられていることから、温度センサ68は、冷却器36の冷気の影響を受けにくくなっている。また、温度センサ取付部74は、カバー吸込口44の後方に位置していることから、ユーザが温度センサ68に触れることが抑制される。
【0039】
カバー吸込口44から冷却器室18内に貯蔵室16の内気が取込まれると、センサ収容部78の第1の開口部80からセンサ収容部78内に通風され、貯蔵室16の内気が温度センサ68に当たり、温度センサ68は、貯蔵室16内の温度を検知することができる。さらに、センサ収容部78の第1の開口部80から通風された貯蔵室16の内気は、第2の開口部84及び第3の開口部82側に流れてセンサ収容部78の外に通風される。これにより、センサ収容部78内が結露することが抑制される。
【0040】
本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
本実施形態のショーケース(冷却貯蔵庫)10は、貯蔵室16と、貯蔵室16の内気を冷却する冷却器36が収容され、貯蔵室16と内部が連通する冷却器室18と、冷却器36を覆う冷却器カバー(カバー)38であって、貯蔵室16の内気を冷却器室18に導入するカバー吸込口(吸込口)44が設けられている冷却器カバー(カバー)38と、冷却器36に取付けられる冷却器取付部72、及び、貯蔵室16の温度を検知する温度センサ68を取り付ける温度センサ取付部74を有するホルダ70と、を備え、温度センサ取付部74は、冷却器36とカバー吸込口(吸込口)44との間に位置している。
【0041】
本実施形態によれば、ホルダ70の温度センサ取付部74は、冷却器36とカバー吸込口(吸込口)44との間に位置していることから、カバー吸込口(吸込口)44から導入された貯蔵室16の内気が温度センサ68に当たるため、温度センサ68は、貯蔵室16の内気の温度を好適に検知することができる。
また、ホルダ70は、冷却器取付部72によって冷却器36に直接取付けられることから、従来のように、ホルダを、冷却器カバー(カバー)38の格子に爪で取付ける構成と比較して、ホルダ70の小型化を図ることができる。また、小型化により原料が少なくなり、コストを抑えることができる。また、ホルダ70を、温度センサ取付部74が冷却器36とカバー吸込口(吸込口)44との間に位置するように正確に配することができ、温度センサ68の検知精度が向上する。また、冷却器36及びホルダ70を、一体として組み上げることが可能となる。
また、ホルダ70は冷却器カバー(カバー)38内に配されているため、ユーザが温度センサ68に誤って接触することが抑えられる。
【0042】
また、冷却器36は、多数枚のフィン62が並設されたフィン群64と、フィン群64を貫通しつつ蛇行状に配管された蒸発管66と、を備えており、冷却器取付部72は、温度センサ取付部74から隣り合うフィン62の間に突出する突出部98と、突出部98の先端から温度センサ取付部74側に向けて突出し、突出部98を介して互いに対向する一対の保持部100と、を備え、一対の保持部100は、フィン62の間に配管された蒸発管66に、一対の保持部100の互いに対向する方向と反対の方向に弾性的にそれぞれ接触することで、冷却器取付部72は、冷却器36に取付けられる構成としても良い。
【0043】
一対の保持部100は、突出部98の先端から温度センサ取付部74側に向けて突出しているため、突出部98を隣り合うフィン62の間に挿入すると共に、一対の保持部100を蒸発管66の間に、圧入気味に押し込むことで、ホルダ70を冷却器36に取付けることが可能となる。これにより、ホルダ70の冷却器36への取付けが容易なものとなり、ホルダ70の組付け作業性が向上する。
【0044】
また、保持部100の先端には、蒸発管66と面で接触可能なアール状をなす接触部104が設けられている構成としても良い。
【0045】
接触部104が蒸発管66と面で接触することで、ホルダ70を冷却器36に確実に保持することができる。
【0046】
また、ホルダ70は、冷却器取付部72と、温度センサ取付部74との間に設けられた板状の仕切部76を備え、温度センサ取付部74は、温度センサ68を収容する構成をなし、仕切部76の肉厚は、少なくとも、温度センサ取付部74の温度センサ68を取り囲む部分の肉厚よりも厚くなっている構成としても良い。
【0047】
仕切部76の肉厚を厚くすることで、冷却器36の冷気が、仕切部76を介して温度センサ取付部74内の温度センサ68に伝わり、温度センサ68の検知精度が落ちることを抑制できる。
【0048】
また、仕切部76は、温度センサ取付部74よりも一方、及び、一方と逆の他方に突出している構成としても良い。
【0049】
仕切部76に、一対の凸部90を備える構成としたことで、ホルダ70の温度センサ取付部74を手で持って、ホルダ70を冷却器36に押し込むことで、ホルダ70の冷却器取付部72を冷却器36に取り付ける際に、一対の凸部90に指が当たるため、ホルダ70を冷却器36に押し込み易くなる。
【0050】
また、温度センサ取付部74は、箱状をなしており、温度センサ取付部74のカバー吸込口(吸込口)44側の面には、第1の開口部80が設けられ、第1の開口部80が設けられた面と交差する一の側面には、第2の開口部84が開口して設けられている構成としても良い。
【0051】
カバー吸込口(吸込口)44から冷却器室18内に導入された貯蔵室16の内気は、第1の開口部80から温度センサ取付部74内に通風され、温度センサ68に直接当たるため、温度センサ68の検知精度を向上させることができる。また、第1の開口部80から温度センサ取付部74内に通風された貯蔵室16の内気は、第2の開口部84から温度センサ取付部74の外に通風されるため、温度センサ取付部74内が結露することを抑制できる。
【0052】
また、温度センサ取付部74の第2の開口部84は、格子状に開口して設けられ、温度センサ取付部74の一の側面と対向する側面には、第3の開口部82が開口して設けられており、温度センサ68は、第3の開口部82から挿通され、第2の開口部84のホルダ格子部(格子部)86に当接可能とされる構成としても良い。
【0053】
温度センサ68を第3の開口部82から挿通し、第2の開口部84のホルダ格子部(格子部)86に当接するまで挿通することで温度センサ68の位置決めができるようになり、温度センサ取付部74内における温度センサ68の位置が安定するようになる。
【0054】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、冷却貯蔵庫として、冷蔵用のショーケース10を例示したが、これに限定されない。例えば、ショーケース10以外の冷却貯蔵庫であってもよい。また、冷蔵機能に加えて、加熱や温蔵などの機能を備えていてもよい。
(2)上記実施形態では、貯蔵室16の下方に冷却器室18が配される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、貯蔵室16と冷却器室18が水平方向に沿って並んでいる構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、冷却器室18は、貯蔵室16内の下方に配される構成としたが、これに限定されない。例えば、冷却器室18は、貯蔵室16内の上方に配される構成であっても良い。
【符号の説明】
【0055】
10…ショーケース(冷却貯蔵庫)
16…貯蔵室
18…冷却器室
36…冷却器
38…冷却器カバー(カバー)
44…カバー吸込口(吸込口)
62…フィン
64…フィン群
66…蒸発管
68…温度センサ
70…ホルダ
72…冷却器取付部
74…温度センサ取付部
76…仕切部
80…第1の開口部
82…第3の開口部
84…第2の開口部
86…ホルダ格子部(格子部)
90…凸部
98…突出部
100…保持部
104…接触部
図1
図2
図3
図4
図5
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図13