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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20220322BHJP
   A63F 13/26 20140101ALI20220322BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20220322BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20220322BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/26
A63F13/52
A63F13/55
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018055861
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2019165997
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上原 一寿
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-64161(JP,A)
【文献】特開2013-248108(JP,A)
【文献】特開2013-111123(JP,A)
【文献】特開2006-262965(JP,A)
【文献】特開2003-290548(JP,A)
【文献】特開2002-224435(JP,A)
【文献】国際公開第2014/068806(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置に実行されるゲームプログラムであって、
プレイヤーオブジェクトに対するプレイヤーの入力操作を検出する操作検出部と、
ノンプレイヤーオブジェクトに対する仮想的な入力操作情報を生成するノンプレイヤーオブジェクト操作決定部と、
前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作する操作主体オブジェクトを表示させる出力処理部として、前記ゲーム装置を機能させ、
前記出力処理部は、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作するよう動作する前記操作主体オブジェクトを前記仮想的な入力操作情報を用いて表示させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記操作検出部は、前記ゲーム装置に対する前記入力操作である対ゲーム装置入力操作と、前記ゲーム装置と一体又は別体であって、該ゲーム装置と通信可能に接続される端末装置に対する入力操作である対端末装置入力操作とを検出し、
前記出力処理部は、
前記対ゲーム装置入力操作に従って動作する前記プレイヤーオブジェクトと、前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部の決定した前記仮想的な入力操作情報に従って動作する前記ノンプレイヤーオブジェクトとを表示するプレイ画面表示領域を前記ゲーム装置の有する出力部に出力させるゲーム装置出力処理部と、
前記操作主体オブジェクトを表示する操作主体オブジェクト表示領域を前記端末装置の有する出力部に出力させる端末装置出力処理部として、前記ゲーム装置を機能させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のゲームプログラムであって、
前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部は、決定した前記ノンプレイヤーオブジェクトの入力操作を示す入力キー情報を入力操作情報として生成し、
前記端末装置出力処理部は、前記入力キー情報に係るキー入力操作を行う前記操作主体オブジェクトを表示させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のゲームプログラムであって、
前記端末装置出力処理部は、前記操作検出部が前記対端末装置入力操作を検出すると、該対端末装置入力操作に基づいて前記操作主体オブジェクトを動作させ、
前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部は、前記対端末装置入力操作を用いて前記仮想的な入力操作情報を決定することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムであって、
前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部は、前記対端末装置入力操作に従って動作する前記操作主体オブジェクトが操作可能な前記入力キー情報を決定することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記出力処理部は、前記プレイヤーオブジェクト及び前記ノンプレイヤーオブジェクトが表示されるプレイ画面表示領域と、前記操作主体オブジェクトが表示される操作主体オブジェクト表示領域とを区別して表示させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項7】
プレイヤーオブジェクトに対するプレイヤーの入力操作を検出する操作検出部と、
ノンプレイヤーオブジェクトに対する仮想的な入力操作情報を生成するノンプレイヤーオブジェクト操作決定部と、
前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作する操作主体オブジェクトを表示させる出力処理部と、を備え、
前記出力処理部は、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作するよう動作する前記操作主体オブジェクトを前記仮想的な入力操作情報を用いて表示させることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項8】
ゲーム装置が行うゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置は、操作検出部と、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部と、出力処理部と、を備え、
前記操作検出部は、プレイヤーオブジェクトに対するプレイヤーの入力操作を検出する操作検出手順を実行し、
前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部は、ノンプレイヤーオブジェクトに対する仮想的な入力操作情報を生成するノンプレイヤーオブジェクト操作決定手順を実行し、
前記出力処理部は、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作する操作主体オブジェクトを表示させる出力処理手順を実行し、
前記出力処理手順において、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作するよう動作する前記操作主体オブジェクトを前記仮想的な入力操作情報を用いて表示させることを特徴とする、ゲーム制御方法。
【請求項9】
端末装置に実行されるゲームプログラムであって、
入力操作を検出する入力検知部と、
前記端末装置と通信可能に接続されるゲーム装置に対し前記入力操作に関する情報を送信する通信部と、
前記入力操作に従って動作する操作主体オブジェクトを表示する出力処理部と、を備え、
前記出力処理部は、前記ゲーム装置により出力されるノンプレイヤーオブジェクトを操作するよう動作する前記操作主体オブジェクトを表示することを特徴とする、ゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤーに操作されるプレイヤーオブジェクトと、ゲーム装置により制御されるノンプレイヤーオブジェクトとが共に表示されるゲームがある。プレイヤーオブジェクトとノンプレイヤーオブジェクトとは課題達成のために協力する場合もあれば、対戦する場合もある。
【0003】
特許文献1には、「例えば、プレイヤーは、キャラクターと交代しながら、共通の敵と対戦する仮想ゲームをプレイすることができる。キャラクターは、ゲーム装置300によって生成される仮想的な操作入力により、仮想ゲームを“プレイ”する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-111123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゲームに関わるパートナーやライバルの存在は、ゲームの興趣性を向上させる。これは、パートナーやライバルが仮想的であっても同様である。
【0006】
特許文献1に記載された技術では、プレイヤーオブジェクトを仮想的に操作する操作主体オブジェクト(「キャラクター」と記載)が表示される。当該技術では、操作主体オブジェクトとプレイヤーとが交代しながらプレイヤーオブジェクトを操作する。プレイヤーオブジェクトの動作によりゲームが進行するため、操作主体オブジェクトがプレイヤーオブジェクトを操作する間、プレイヤーはゲームの進行に直接的に関わることができず、興趣性の低下を招く。
【0007】
そこで、本発明は、プレイヤーオブジェクトとノンプレイヤーオブジェクトとが表示されるゲームにおいて、興趣性を向上させるゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、ゲーム装置に実行されるゲームプログラムであって、プレイヤーオブジェクトに対するプレイヤーの入力操作を検出する操作検出部と、ノンプレイヤーオブジェクトに対する仮想的な入力操作情報を生成するノンプレイヤーオブジェクト操作決定部と、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作する操作主体オブジェクトを表示させる出力処理部として、前記ゲーム装置を機能させ、前記出力処理部は、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作するよう動作する前記操作主体オブジェクトを前記仮想的な入力操作情報を用いて表示させることを特徴とする。
【0009】
上記のゲームプログラムにおいて、前記操作検出部は、前記ゲーム装置に対する前記入力操作である対ゲーム装置入力操作と、前記ゲーム装置と一体又は別体であって、該ゲーム装置と通信可能に接続される端末装置に対する入力操作である対端末装置入力操作とを検出し、前記出力処理部は、前記対ゲーム装置入力操作に従って動作する前記プレイヤーオブジェクトと、前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部の決定した前記仮想的な入力操作情報に従って動作する前記ノンプレイヤーオブジェクトとを表示するプレイ画面表示領域を前記ゲーム装置の有する出力部に出力させるゲーム装置出力処理部と、前記操作主体オブジェクトを表示する操作主体オブジェクト表示領域を前記端末装置の有する出力部に出力させる端末装置出力処理部として、前記ゲーム装置を機能させることを特徴としてもよい。
【0010】
上記のゲームプログラムにおいて、前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部は、決定した前記ノンプレイヤーオブジェクトの入力操作を示す入力キー情報を入力操作情報として生成し、前記端末装置出力処理部は、前記入力キー情報に係るキー入力操作を行う前記操作主体オブジェクトを表示させることを特徴としてもよい。
【0011】
上記のゲームプログラムにおいて、前記端末装置出力処理部は、前記操作検出部が前記対端末装置入力操作を検出すると、該対端末装置入力操作に基づいて前記操作主体オブジェクトを動作させ、前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部は、前記対端末装置入力操作を用いて前記仮想的な入力操作情報を決定することを特徴としてもよい。
【0012】
上記のゲームプログラムにおいて、前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部は、前記対端末装置入力操作に従って動作する前記操作主体オブジェクトが操作可能な前記入力キー情報を決定することを特徴としてもよい。
【0013】
上記のゲームプログラムにおいて、前記出力処理部は、前記プレイヤーオブジェクト及び前記ノンプレイヤーオブジェクトが表示されるプレイ画面表示領域と、前記操作主体オブジェクトが表示される操作主体オブジェクト表示領域とを区別して表示させることを特徴としてもよい。
【0014】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、ゲーム装置であって、プレイヤーオブジェクトに対するプレイヤーの入力操作を検出する操作検出部と、ノンプレイヤーオブジェクトに対する仮想的な入力操作情報を生成するノンプレイヤーオブジェクト操作決定部と、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作する操作主体オブジェクトを表示させる出力処理部と、を備え、前記出力処理部は、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作するよう動作する前記操作主体オブジェクトを前記仮想的な入力操作情報を用いて表示させることを特徴とする。
【0015】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、ゲーム装置が行うゲーム制御方法であって、前記ゲーム装置は、操作検出部と、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部と、出力処理部と、を備え、前記操作検出部は、プレイヤーオブジェクトに対するプレイヤーの入力操作を検出する操作検出手順を実行し、前記ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部は、ノンプレイヤーオブジェクトに対する仮想的な入力操作情報を生成するノンプレイヤーオブジェクト操作決定手順を実行し、前記出力処理部は、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作する操作主体オブジェクトを表示させる出力処理手順を実行し、前記出力処理手順において、前記ノンプレイヤーオブジェクトを操作するよう動作する前記操作主体オブジェクトを前記仮想的な入力操作情報を用いて表示させることを特徴とする。
【0016】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、端末装置に実行されるゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムは、入力操作を検出する入力検知部と、前記端末装置と通信可能に接続されるゲーム装置に対し前記入力操作に関する情報を送信する通信部と、前記入力操作に従って動作する操作主体オブジェクトを表示する出力処理部と、を備え、前記出力処理部は、前記ゲーム装置により出力されるノンプレイヤーオブジェクトを操作するよう動作する前記操作主体オブジェクトを表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、プレイヤーオブジェクトとノンプレイヤーオブジェクトとが表示されるゲームにおいて、興趣性を向上させるゲームプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るゲームシステムの概要の一例を示す図である。
図2】実施形態に係るゲームシステムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るゲームシステムの処理の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6】ゲーム入力情報のデータ構造の一例を示す図である。
図7】ゲーム装置における出力処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
図8】ゲーム装置における出力処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
図9】端末装置における出力処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。理解の向上のため、以下では、本実施形態に係るゲームプログラムが適用されたゲームソフトが、ディスプレイ等に表示を行う据え置き型のゲーム装置で実行される場合を例示して説明する。
【0020】
図1は、実施形態に係るゲームシステムの概要の一例を示す図である。本例におけるゲームシステム1では、ゲーム装置10に対し、プレイヤーコントローラー11と、端末装置20と、ディスプレイ30とが通信可能に接続される。プレイヤーAはプレイヤーコントローラー11に入力操作を行うことにより、ディスプレイ30に表示されるプレイヤーオブジェクトaを操作する。
【0021】
ディスプレイ30には、プレイヤーオブジェクトaとノンプレイヤーオブジェクトbとを含むプレイ画面が表示される。ノンプレイヤーオブジェクトbは、プレイヤーオブジェクトa以外のオブジェクトであって、ゲーム装置10により制御される。
【0022】
端末装置20には、操作主体オブジェクトBを含む操作主体オブジェクト表示画面が表示される。操作主体オブジェクトBは、仮想的にノンプレイヤーオブジェクトbを操作するオブジェクトである。図1に示す操作主体オブジェクト表示画面には、操作主体オブジェクトBにより仮想的に操作されるコントローラー21が、操作主体オブジェクトBと共に表示されている。
【0023】
プレイヤーAがプレイヤーコントローラー11を操作すると、プレイヤーオブジェクトaが操作に従って動作する。また、操作主体オブジェクトBがコントローラー21を見かけ上操作すると、ノンプレイヤーオブジェクトbが操作に従って動作する。ゲーム装置10は、プレイヤーオブジェクトaとノンプレイヤーオブジェクトbとの動作に従って、ゲームを進行させることができる。
【0024】
プレイヤーAは、端末装置20に対して入力操作を行うことができる。例えばプレイヤーAは、端末装置20に表示されたコントローラー21をはじく態様の入力操作(例えばフリック入力)を行う。操作主体オブジェクト操作画面では、プレイヤーAの操作に従ってコントローラー21が落下する。操作主体オブジェクトBはコントローラー21を一定時間操作することができず、その結果、ノンプレイヤーオブジェクトbの行動が停止する。
【0025】
また例えば、プレイヤーオブジェクトaとノンプレイヤーオブジェクトbとが協力して課題を達成するゲームにおいて、プレイヤーAは、操作主体オブジェクトBを応援する音声を発声する。発声された音声は、マイクロフォン等の入力装置を介して端末装置20により検出される。操作主体オブジェクト表示画面に表示された操作主体オブジェクトBは、応援の音声に従って喜ぶ動作を行う。プレイ画面では、応援に従ってノンプレイヤーオブジェクトbの有するパラメーター値が増加する様子が表示されてもよい。
【0026】
なお、ディスプレイ30に表示されるプレイ画面に、プレイヤーオブジェクトaが表示されず、ノンプレイヤーオブジェクトbのみが表示されている場合であっても、同様に制御される。即ち、操作主体オブジェクトBがコントローラー21を見かけ上操作すると、ノンプレイヤーオブジェクトbが操作に従って動作する。
【0027】
図2は、実施形態に係るゲームシステム1の機能構成の一例を示すブロック図である。先述のように、ゲーム装置10と端末装置20とは通信可能に接続される。ゲーム装置10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを備える。
【0028】
制御部110は、プレイヤーAの操作を検出するとともに、検出したプレイヤーAの操作に従ってゲーム進行を制御し、ゲーム進行に従ったゲーム画像やゲーム音声を生成して出力する。例えば、制御部110は、検出したプレイヤーAの操作や時間経過などに従って、仮想ゲーム空間を変化させたり、仮想ゲーム空間内のノンプレイヤーオブジェクトb等の各種オブジェクトの挙動を変化させたり、音声を出力したりする。また例えば、制御部110は、生成したゲーム画像をディスプレイ30に出力したり、生成したゲーム音声をスピーカーに出力したりする。
【0029】
上述のような機能を実現するため、制御部110は、操作検出部111と、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112と、出力処理部113と、を備える。操作検出部111は、ゲーム装置10に対する入力操作である対ゲーム装置入力操作を検出し、検出した操作を示す入力操作情報を他の機能部に出力する。
【0030】
例えば、操作検出部111は、プレイヤーオブジェクトaに対するプレイヤーAの操作を示す操作信号を、後述する入力インターフェイス装置を介してプレイヤーコントローラー11等の入力装置から受け付ける。操作検出部111は、受け付けた操作信号を入力操作情報として後述のゲーム入力情報に記憶させる。
【0031】
また、操作検出部111は、端末装置20の備える入力部に対する入力操作である対端末装置入力操作を検出する。操作検出部111は、対端末装置入力操作を示す情報を、後述の端末操作情報に記憶させる。
【0032】
ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbに対する仮想的な入力操作情報を生成し、ゲーム入力情報に記憶させる。入力操作情報は、例えばノンプレイヤーオブジェクトbの仮想的な入力操作を示す入力キー情報である。
【0033】
プレイヤーオブジェクトaの例を用いてより詳細に説明する。プレイヤーAがプレイヤーコントローラー11を操作すると、プレイヤーコントローラー11の有する入力キーの操作情報が、入力キー情報としてゲーム装置10に通知される。これと同様に、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作するための入力キー情報を生成する。ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、生成した入力キー情報をゲーム入力情報に記憶させる。
【0034】
また、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、対端末装置入力操作が検出された場合に、当該対端末装置入力操作を反映させた仮想的な入力操作情報を生成する。ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、対端末装置入力操作に従って動作する操作主体オブジェクトBが操作可能な入力キー情報の中から、ノンプレイヤーオブジェクトbの操作に用いる入力キー情報を特定し、仮想的な入力操作情報としてゲーム入力情報に記憶させる。
【0035】
出力処理部113は、ゲーム装置出力処理部1131と、端末装置出力処理部1132とを備える。ゲーム装置出力処理部1131は、プレイ画面の出力を制御する。例えば、ゲーム装置出力処理部1131は、プレイヤーAの入力操作情報に従って後述のモーション情報からプレイヤーオブジェクトaの動作を選択する。ゲーム装置出力処理部1131は、プレイヤーオブジェクトaに対して選択した動作を行わせる。なお、ゲーム装置出力処理部1131は、プレイヤーオブジェクトaの動作に対して予め設定された補完処理を行うこともできる。
【0036】
また、ゲーム装置出力処理部1131は、ノンプレイヤーオブジェクトbに対する入力操作情報に従ってノンプレイヤーオブジェクトbの動作を選択する。ゲーム装置出力処理部1131は、ノンプレイヤーオブジェクトbに対して選択した動作を行わせる。ゲーム装置出力処理部1131は、動作するプレイヤーオブジェクトa及びノンプレイヤーオブジェクトbの表示情報を生成し、プレイ画面としてディスプレイ30に表示させる。
【0037】
端末装置出力処理部1132は、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作するよう動作する操作主体オブジェクトBの動作を先述の仮想的な入力操作情報を用いて選択する。即ち、端末装置出力処理部1132は、仮想的な入力操作情報として生成された入力キー情報を用いて、該入力キー情報に係るキー入力操作を行う操作主体オブジェクトBの動作を後述のモーション情報から選択する。端末装置出力処理部1132は、選択した動作を操作主体オブジェクトBに行わせる。端末装置出力処理部1132は、動作する操作主体オブジェクトBの表示情報を生成し、端末装置20に送信する。
【0038】
記憶部120は、ゲーム入力情報121と、端末操作情報122と、モーション情報123とを記憶している。ゲーム入力情報121は、プレイヤーオブジェクトaに対する入力操作情報と、ノンプレイヤーオブジェクトbに対する仮想的な入力操作情報とを含む情報である。
【0039】
端末操作情報122は、対端末装置入力操作を示す情報であって、端末装置20に対する入力操作を示す情報と、入力操作の種別とが関連付けられた情報である。端末装置20に対する入力操作とは、例えばコントローラー21をはじく操作、操作主体オブジェクトBに仮想的に触れる操作、操作主体オブジェクトBを応援する操作等である。操作検出部111は、端末装置20から入力操作を示す情報を取得すると、端末装置20への入力操作に従って種別を特定し、入力操作を示す情報と関連付けて記憶させる。
【0040】
種別とは、例えば「コントローラー21をはじく」「腕を攻撃する」「応援する」等の、操作主体オブジェクトBに対する干渉の種類を示す情報である。種別を用いることにより、対端末装置入力操作に従って動作する操作主体オブジェクトBが、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能であるか否かの判断が可能である。
【0041】
モーション情報123は、入力キー情報に対してオブジェクトの動作が関連付けられた情報である。モーション情報123は、例えばオブジェクト毎に異なる動作が関連付けられていてもよい。また、モーション情報123は、対端末装置入力操作に対して操作主体オブジェクトBの動作が関連付けられた情報を含む。
【0042】
通信部130は、端末装置20との間で情報の送信及び受信を行う。
【0043】
端末装置20は、例えばゲーム装置10とは別体のPC(Personal Computer)又はスマートフォン等であって、図示しないサーバー装置からネットワークを介して受信したソフトウェアをダウンロードすることにより、ゲーム装置10との通信が可能となる。端末装置20は、制御部210と、通信部220とを備える。
【0044】
制御部210は、端末装置20の全体を統括的に制御する。通信部220は、ゲーム装置10との間で情報の送信及び受信を行う。例えば通信部220は、端末装置20に対する入力操作に関する情報を、ゲーム装置10に送信する。制御部210は、入力検知部211と、出力処理部212とを備える。
【0045】
入力検知部211は、端末装置20の備える入力装置に対する入力操作を示す操作信号を検出する。操作信号は、対端末装置入力操作を示す情報としてゲーム装置10に送信される。出力処理部212は、ゲーム装置10から受信した情報を出力する。例えば、出力処理部212は、ゲーム装置10から受信した表示情報を用いて、操作主体オブジェクト表示画面を出力する。
【0046】
より具体的には、出力処理部212は、端末装置20への入力操作に従って動作する操作主体オブジェクトBを表示する操作主体オブジェクト表示画面を表示する。また、出力処理部212は、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作するよう動作する操作主体オブジェクトBを表示する。
【0047】
図3は、実施形態に係るゲームシステム1の処理の一例を示すブロック図である。まず、プレイヤーコントローラー11がプレイヤーAの入力操作を受け付けると、操作検出部111が対ゲーム装置入力操作を検出する。操作検出部111は、入力操作情報をゲーム入力情報121に記憶させる。
【0048】
また、操作検出部111は、対端末装置入力操作を示す情報を検出すると、検出した情報に応じて種別を特定し、入力操作を示す情報と種別とを関連付けて端末操作情報122のレコードを生成し、記憶部120に記憶させる。
【0049】
ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作する仮想的な入力操作情報を生成し、ゲーム入力情報121に記憶させる。ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、端末操作情報122を参照し、端末操作情報122の種別に従った入力操作情報を生成する。
【0050】
例えば、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、操作主体オブジェクトBがノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能な状態である場合に、操作可能である入力キーの中から入力操作情報を決定し、ゲーム入力情報121に記憶させる。また例えば、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、操作主体オブジェクトBがノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能な状態でない場合に、仮想的な入力操作情報の生成を抑止する。
【0051】
制御部110は、例えば定期的に設定された表示変更タイミングに従って、操作主体オブジェクト表示画面が変化するよう制御する。ゲーム装置出力処理部1131は、表示変更タイミングに到達すると、ゲーム入力情報121を参照してプレイヤーオブジェクトa及びノンプレイヤーオブジェクトbを動作させる。ゲーム装置出力処理部1131は、動作するプレイヤーオブジェクトa及びノンプレイヤーオブジェクトbの表示情報を生成し、ディスプレイ30に出力する。
【0052】
なお、動作には、各オブジェクトの挙動のほか、入力操作に従った発声等も含まれる。ゲーム入力情報121による操作が音声の出力を行う操作である場合、ゲーム装置出力処理部1131は、ゲーム装置10の有する図示しないスピーカーを介して音声を出力する。
【0053】
端末装置出力処理部1132は、ゲーム入力情報121を参照し、ノンプレイヤーオブジェクトbの入力操作情報を選択する。端末装置出力処理部1132は、選択した入力操作情報に係る入力操作を行う操作主体オブジェクトBの動作を決定し、操作主体オブジェクトBを動作させる。
【0054】
また、端末装置出力処理部1132は、端末操作情報122を参照し、操作主体オブジェクトBに対する端末操作情報122がある場合に、該端末操作情報122に従って操作主体オブジェクトBを動作させる。端末装置出力処理部1132は、動作する操作主体オブジェクトBの表示情報を生成し、端末装置20に送信する。端末装置20では、表示情報に従って操作主体オブジェクト表示画面が表示される。
【0055】
図4は、実施形態に係るゲーム装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置10は、ゲーム専用のゲーム機で実現されてもよいし、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレットコンピューター等の汎用的なコンピューターで実現されてもよい。
【0056】
ゲーム装置10は、演算処理装置161、メインメモリ162、記録装置163、メディアインターフェイス装置164、通信インターフェイス装置165、画像演算処理装置166、画像メモリ167、音声処理装置168、入力インターフェイス装置169、及び出力インターフェイス装置170を有する。
【0057】
演算処理装置161は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算ユニットである。メインメモリ162は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置である。記録装置163は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM(Read Only Memory)などの記録装置である。
【0058】
メディアインターフェイス装置164は、記憶媒体から情報を読み取るための装置である。メディアインターフェイス装置164は、記憶媒体に情報を書き込めてもよい。メディアインターフェイス装置164は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクを読み取るディスクドライブや、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの半導体メモリを読み取るリーダである。通信インターフェイス装置165は、ネットワークケーブルを介して有線通信を行う通信装置、アンテナを介して無線通信を行う通信装置を含む、情報を送受信する装置である。
【0059】
画像演算処理装置166は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)などの、ゲーム画像等のグラフィックスを生成するための演算ユニットである。画像メモリ167は、例えば、VRAM(Video RAM)などの、ゲーム画像等のグラフィックスをレンダリングするために使用される記憶装置である。レンダリングされたグラフィックスは、後述の出力インターフェイス装置170を介してディスプレイ(図示しない)に出力され、表示される。
【0060】
音声処理装置168は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)などの、入力された音声データを処理して音声信号を生成する装置である。生成された音声信号は、出力インターフェイス装置170を介してスピーカー(図示しない)に出力され、音声として出力される。入力インターフェイス装置169は、例えば、プレイヤーコントローラー11、タッチパネル、又はメカニカルキーなどの入力装置に接続され、当該入力装置からの操作信号を受け付ける装置である。
【0061】
出力インターフェイス装置170は、ディスプレイ30やスピーカー等の出力装置に接続され、当該出力装置へと出力を行う装置である。例えば、出力インターフェイス装置170は、画像演算処理装置166の生成したグラフィックス等の表示データを、ディスプレイ30に出力する。また、出力インターフェイス装置170は、音声処理装置168の生成した音声信号を、スピーカーに出力する。
【0062】
例えば、演算処理装置161は、記憶媒体に記憶されているゲームソフト(ゲームプログラムやゲームデータを含む)の少なくとも一部を、メディアインターフェイス装置164を介して読み込み、メインメモリ162に展開する。演算処理装置161は、記録装置163に記憶されているゲームソフトを読み込んでもよい。また例えば、演算処理装置161は、例えば、読み込んだゲームソフトを実行し、プレイヤーAの操作による入力装置からの操作信号に従ってゲーム進行を制御する。
【0063】
また例えば、演算処理装置161は、ゲーム進行に従ったゲーム画像の内容を決定し、その内容を構成する描画データを画像演算処理装置166に生成させる。画像演算処理装置166は、描画データを用いて画像データを画像メモリ167上にレンダリングする。レンダリングされた画像データ(ゲーム画像)は、外部のディスプレイ30に出力される。また例えば、演算処理装置161は、ゲーム進行に従ったゲーム音声を決定し、当該音声の音声信号を音声処理装置168に生成させ、スピーカーに出力させる。
【0064】
図2に示した制御部110は、例えば、演算処理装置161がゲームプログラムを実行することによって実現される。制御部110の少なくとも一部の機能、例えば出力処理部113の一部の機能は、画像演算処理装置166や音声処理装置168により実現されてもよい。また、図2に示した記憶部120は、例えば、メインメモリ162又は記録装置163によりその機能が実現される。
【0065】
図5は、実施形態に係る端末装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示す端末装置20は、メディアインターフェイス装置164と、画像演算処理装置166と、画像メモリ167と、音声処理装置168と、を有さない点において、図4に示すゲーム装置10と異なる。しかしながら、端末装置20は、メディアインターフェイス装置164と、画像演算処理装置166と、画像メモリ167と、音声処理装置168と、の少なくともいずれか1つを有していてもよい。
【0066】
端末装置20を構成する演算処理装置261と、メインメモリ262と、通信インターフェイス装置263と、記録装置264と、入力インターフェイス装置265と、出力インターフェイス装置266とは、各々ゲーム装置10の有する演算処理装置161と、メインメモリ162と、通信インターフェイス装置165と、記録装置163と、入力インターフェイス装置169と、出力インターフェイス装置170と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
例えば端末装置20がタブレット端末である場合、入力インターフェイス装置265は、端末装置20の有するタッチパネル及びマイクと接続され、入力検知部211はタッチパネル及びマイクに対して入力された情報を検出する。
【0068】
図2に示した制御部210は、例えば、演算処理装置261がゲームプログラムを実行することによって実現される。
【0069】
図6は、ゲーム入力情報121のデータ構造の一例を示す図である。ゲーム入力情報121は、オブジェクト識別子1211と、操作情報1212とを含む。オブジェクト識別子1211は、プレイヤーオブジェクトa又はノンプレイヤーオブジェクトbを特定する識別情報である。操作情報1212は、入力キー情報である。
【0070】
ゲーム入力情報121は、入力又は生成順に情報が記憶され、操作情報に係る動作が出力されると出力に係るレコードが削除される。例えば、図6に示すゲーム入力情報121の最上位のレコードによれば、まずオブジェクト識別子1211が「X」のオブジェクト(例えばプレイヤーオブジェクトa)が、操作情報1212の「R」のキーが入力された場合の動作を行う。その後、最上位のレコードは削除される。
【0071】
次に、図6に示すゲーム入力情報121の上から2番目のレコードによれば、オブジェクト識別子1211が「Y」のオブジェクト(例えばノンプレイヤーオブジェクトb)が、操作情報1212の「L」のキーが入力された場合の動作を行う。その後、2番目のレコードが削除される。
【0072】
図7は、ゲーム装置10における出力処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
【0073】
まず、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定タイミングであるか否かを判定する(ステップS11)。本実施形態では、一例として、ゲーム進行に従って、ノンプレイヤーオブジェクトbの操作を決定するタイミングが決定される。即ち、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ゲーム進行により導かれる操作決定タイミングに達したか否かを判定する。
【0074】
ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112が、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定タイミングであると判定する場合(ステップS11で「YES」の場合)、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、端末操作情報122があるか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、記憶部120を参照し、端末操作情報122が記憶されているか否かを判定する。
【0075】
ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112が、端末操作情報122があると判定する場合(ステップS12で「YES」の場合)、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能な種別であるか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、端末操作情報122に含まれる種別を参照し、該種別がノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能である種別か否かを判定する。
【0076】
例えば記憶部120の図示しない領域に、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能か否かを示す情報と、端末操作情報122の種別とが関連付けられた種別対応テーブルが記憶されている。ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、種別対応テーブルを参照することにより、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能な種別であるか否かを判定する。
【0077】
例えば、端末操作情報122の種別が「コントローラー21をはじく」ことを示す種別である場合、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作不能な種別であると判定する。また、端末操作情報122の種別が「応援する」ことを示す種別である場合、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能な種別であると判定する。
【0078】
ステップS13において、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112が、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能な種別であると判定する場合(ステップS13で「YES」の場合)、又はステップS12において、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112が、端末操作情報122がないと判定する場合(ステップS12で「NO」の場合)、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトの入力操作情報を生成し、ゲーム入力情報121に記憶させる(ステップS14)
【0079】
具体的には、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbの動作をゲーム進行に従って決定し、ゲーム入力情報121に記憶させる。その際、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbを特定する識別情報をオブジェクト識別子1211とし、決定した入力キー情報を操作情報1212としてゲーム入力情報121に新たなレコードを生成する。ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ゲーム入力情報121を構成するレコードのうち最も出力タイミングが遅くなるよう、生成したレコードをゲーム入力情報121に含める。
【0080】
なお、端末操作情報122の種別は、ノンプレイヤーオブジェクトbの操作に関するものに限定されない。例えば、「応援する」ことを示す種別である場合、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、本ステップにおいて、各オブジェクトに対して関連付けられた図示しないパラメーター値を増加させることができる。
【0081】
ステップS13において、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112が、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能な種別でないと判定する場合(ステップS13で「NO」の場合)、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、種別に応じて入力操作情報を生成し、ゲーム入力情報121に記憶させる(ステップS15)。具体的には、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、端末操作情報122の種別を参照し、種別に応じてノンプレイヤーオブジェクトbの入力操作情報を決定する。
【0082】
例えば、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、種別が「コントローラー21をはじく」ことを示す場合、操作主体オブジェクトBはノンプレイヤーオブジェクトbの操作が不可能であるものとして、入力操作情報の生成を抑止する。また、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、種別が「右手にダメージ」である場合に、操作主体オブジェクトBの左手で操作が可能な入力キー情報の中から、動作を行う入力キー情報を決定する。ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、決定した入力キー情報をゲーム入力情報121に記憶させる。
【0083】
また、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、端末操作情報122の種別に応じて必要な制御を行う。例えば、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbと関連付けられた図示しないパラメーター値を種別に従って増減させる。
【0084】
ステップS14の処理の後、又はステップS15の処理の後、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、端末操作情報122を削除する(ステップS16)。具体的には、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ステップS14又はステップS15で入力操作情報の生成又は制御に用いた端末操作情報122を削除する。
【0085】
なお、端末操作情報122は、端末装置20の操作が有効に機能する期間を示す情報を含んでいてもよい。例えば、コントローラー21を遠くに投げる、又はコントローラー21を破壊する等、操作主体オブジェクトBがノンプレイヤーオブジェクトbを操作可能な状況に回復するまでに長時間を要する場合に、端末操作情報122は入力操作を受け付けてから回復までに要する時間を含んでいてもよい。
【0086】
その場合、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、端末操作情報122をゲーム装置10が受け付けてからの経過時間を特定し、まだ回復するまでに要する期間を経過していない場合、端末操作情報122を削除せずに処理をステップS17に移行させる。
【0087】
ステップS16の処理の後、又はステップS12において、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112がノンプレイヤーオブジェクト操作決定タイミングでないと判定する場合(ステップS11で「NO」の場合)、操作検出部111は、プレイヤーコントローラー11の入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS17)。
【0088】
操作検出部111が、プレイヤーコントローラー11の入力操作を受け付けたと判定する場合(ステップS17で「YES」の場合)、操作検出部111は、入力操作情報をゲーム入力情報121に記憶させる(ステップS18)。具体的には、操作検出部111は、プレイヤーコントローラー11に入力されたキー情報を操作情報1212とし、プレイヤーオブジェクトaを特定するオブジェクト識別子1211と関連付けて新たなレコードを生成し、ゲーム入力情報121に記憶させる。その際、生成されたレコードは、ゲーム入力情報121を構成するレコードのうち現時点で最も出力タイミングが遅くなる。
【0089】
ステップS18の後、又はステップS17において、操作検出部111がプレイヤーコントローラー11の入力操作を受け付けていないと判定する場合(ステップS17で「NO」の場合)、操作検出部111は、端末装置20への入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS19)。具体的には、操作検出部111は、対端末装置入力操作を示す情報を端末装置20から受信したか否かを判定する。
【0090】
操作検出部111が、端末装置20への入力操作を受け付けたと判定する場合(ステップS19で「YES」の場合)、操作検出部111は、入力された情報を端末操作情報122に記憶させる(ステップS20)。具体的には、操作検出部111は、端末装置20から受け付けた情報に基づいて種別を特定し、入力操作を示す情報と関連付けてレコードを生成し、端末操作情報122として記憶部120に記憶させる。
【0091】
ステップS20の後、又はステップS19において、操作検出部111が端末装置20への入力操作を受け付けていないと判定する場合(ステップS19で「NO」の場合)、制御部110は、表示変更タイミングに到達したか否かを判定する(ステップS21)。制御部110が、表示変更タイミングに到達していないと判定する場合(ステップS21で「NO」の場合)、制御部110は処理をステップS11に戻す。
【0092】
制御部110が、表示変更タイミングに到達したと判定する場合(ステップS21で「YES」の場合)、制御部110は図8のステップS22に処理を移行させる。
【0093】
図8は、ゲーム装置10における出力処理の一例を示すフローチャート(その2)である。ステップS22において、端末装置出力処理部1132は、端末操作情報122があるか否かを判定する。
【0094】
端末装置出力処理部1132が、端末操作情報122があると判定した場合(ステップS22で「YES」の場合)、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbの入力操作情報及び端末操作情報122に従った操作主体オブジェクトBの表示情報を生成する(ステップS23)。
【0095】
具体的には、端末装置出力処理部1132は、ノンプレイヤーオブジェクトbの入力操作情報に従って、当該入力操作情報を操作主体オブジェクトBが操作するモーション情報123を記憶部120から選択する。また、端末装置出力処理部1132は、端末操作情報122に従った動作をモーション情報123から選択する。一例として、端末装置出力処理部1132は、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作する動作の後、端末操作情報122に従った動作を操作主体オブジェクトBに行わせ、動作する操作主体オブジェクトBの表示情報を生成する。
【0096】
なお、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作する動作と、端末装置20への入力に従った動作とが両立可能である場合、端末装置出力処理部1132は、同じタイミングで操作主体オブジェクトBに両動作を行わせ、表示情報を生成してもよい。例えば、種別が「応援する」である入力操作を端末装置20が受け付けた場合に、応援に反応する動作とノンプレイヤーオブジェクトbを操作する動作が両立可能であれば、端末装置出力処理部1132は両動作を操作主体オブジェクトBに実行させ、表示情報を生成する。
【0097】
付言すれば、端末装置出力処理部1132は、端末操作情報122の種別を参照することにより、ノンプレイヤーオブジェクトbの入力操作情報に従った動作と端末装置20への入力に従った動作とが両立可能であるか否かを判断することができる。
【0098】
次に、端末装置出力処理部1132は、表示情報を端末装置20に送信する(ステップS24)。端末装置出力処理部1132は、ステップS23で生成した表示情報を、通信部130を介して端末装置20に送信する。なお、端末装置20の出力処理部212は、受信した表示情報を用いて操作主体オブジェクト表示画面を出力する。
【0099】
次に、ゲーム装置出力処理部1131は、ゲーム入力情報121に従って動作するプレイヤーオブジェクトa及びノンプレイヤーオブジェクトbをディスプレイ30に表示する(ステップS25)。具体的には、ゲーム装置出力処理部1131は、ゲーム入力情報121を参照し、ゲーム入力情報121により特定される順序でプレイヤーオブジェクトa又はノンプレイヤーオブジェクトbに操作情報1212に従った動作を行わせる。
【0100】
その際、ゲーム装置出力処理部1131は、操作情報1212を参照してモーション情報123のレコードを順序に従って選択し、オブジェクト識別子1211により特定されるオブジェクトを動作させる。ゲーム装置出力処理部1131は、動作するプレイヤーオブジェクトa及びノンプレイヤーオブジェクトbを表示する表示情報を生成し、プレイ画面としてディスプレイ30に出力する。
【0101】
また、ゲーム装置出力処理部1131は、操作情報1212に従った音声情報を生成し、ゲーム装置10の有するスピーカーから出力する。その後、制御部110は処理を図7のステップS11に戻す。
【0102】
端末装置出力処理部1132が、端末操作情報122がないと判定した場合(ステップS22で「NO」の場合)、ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部112は、ノンプレイヤーオブジェクトbの入力操作情報を用いて、操作主体オブジェクトBの表示情報を生成する(ステップS26)。具体的には、端末装置出力処理部1132は、ノンプレイヤーオブジェクトbの入力操作情報に従って、当該入力操作情報を操作主体オブジェクトBが操作するモーション情報123を記憶部120から選択する。
【0103】
端末装置出力処理部1132は、選択したモーション情報123を用いて動作する操作主体オブジェクトBの表示情報を生成する。
【0104】
ステップS27及びステップS28で行われる処理は、ステップS24及びステップS25で行われる処理と同様であるため、説明を省略する。制御部110は、その後処理を図7のステップS11に戻す。
【0105】
以上、本実施形態により、プレイヤーオブジェクトaとノンプレイヤーオブジェクトbとが表示されるゲームにおいて、プレイヤーAはノンプレイヤーオブジェクトbを操作する操作主体オブジェクトBと共にゲームをプレイすることができ、興趣性が向上する。また、プレイヤーAが操作主体オブジェクトBに対して干渉することができるため、ゲーム構成に深みを持たせることができる。
【0106】
なお、本実施形態において、操作検出部111は、端末装置20に対して入力された情報を参照することにより、操作主体オブジェクトBに対する干渉の種類を示す種別を決定したが、種別の決定方法はこの限りでない。例えば、操作主体オブジェクト表示画面への操作位置、及び入力方法を用いて、種別を特定してもよい。例えば種別は、「画面左上部」、「画面右上部」、「画面左下部」、「画面右下部」、「音声入力」等を示す情報であってもよい。
【0107】
また例えば、操作検出部111は、操作主体オブジェクトを構成する各部品(右上腕部、右前腕部、右手首部等)及びコントローラー22等と関連付けられた判定用のオブジェクトを用いて、種別を特定してもよい。
【0108】
また、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS11からステップS16がノンプレイヤーオブジェクトbに対する入力に関する処理、ステップS17からステップS18がプレイヤーオブジェクトaに対する入力に関する処理、ステップS19からステップS20が操作主体オブジェクトBに対する入力に関する処理である。各処理の順序は、図7に示す順序に限定されない。
【0109】
図9は、端末装置20における出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0110】
まず、入力検知部211は、入力操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS31)。具体的には、入力検知部211は、入力インターフェイス装置169を介して情報が入力されたか否かを判定する。例えば、タッチパネルが操作されたり、マイクを介して音声情報の入力を受け付けた場合に、入力検知部211は入力操作を受け付けたと判定する。
【0111】
入力検知部211が、入力操作を受け付けたと判定する場合(ステップS31で「YES」の場合)、入力検知部211は、入力された情報をゲーム装置10に送信する(ステップS32)。
【0112】
ステップS32の次、又はステップS31において、入力検知部211が入力操作を受け付けていないと判定する場合(ステップS31で「NO」の場合)、出力処理部212は、操作主体オブジェクトBの表示情報を受信したか否かを判定する(ステップS33)。具体的には、出力処理部212は、ステップS24又はステップS27においてゲーム装置10から送信される、操作主体オブジェクト表示画面の表示情報を受信したか否かを判定する。
【0113】
出力処理部212が、操作主体オブジェクトBの表示情報を受信していないと判定する場合(ステップS33で「NO」の場合)、出力処理部212は処理をステップS31に戻す。
【0114】
出力処理部212が、操作主体オブジェクトBの表示情報を受信したと判定する場合(ステップS33で「YES」の場合)、出力処理部212は、操作主体オブジェクトBを表示する(ステップS34)。具体的には、出力処理部212は、ステップS33で受信したと判定された表示情報を用いて、操作主体オブジェクト表示画面を出力装置に出力する。その後、出力処理部212は、処理をステップS31に戻す。
【0115】
なお、ステップS31及びステップS32において行われる処理と、ステップS33及びステップS34において行われる処理の実行順序は、図9に示す順序に限定されない。
【0116】
本実施形態において、ゲーム装置10から受信した情報を用いて、ノンプレイヤーオブジェクトbを操作する操作主体オブジェクトBの画像を効率的に表示することができる。また、操作主体オブジェクトBに対して行われた干渉を、適切にプレイ画面に反映させることができる。
【0117】
なお、本実施形態では、ゲーム装置10と端末装置20とは別体であり、プレイ画面をディスプレイ30、操作主体オブジェクト表示画面を端末装置20に各々表示していた。しかしながら、表示態様はこれに限定されない。例えば、端末装置20はゲーム装置10と一体であって、プレイ画面表示領域と操作主体オブジェクト表示領域とを、ディスプレイ30内に区別して表示してもよい。また例えば、端末装置20はゲーム装置10と一体であって、プレイ画面又は操作主体オブジェクトのどちらか一方を、コントローラーの有するディスプレイに表示してもよい。
【0118】
なお、図2で示したゲームシステム1の構成は、ゲーム装置10、端末装置20、及びゲームプログラムの構成を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。ゲーム装置10、端末装置20、及びゲームプログラムの構成は、処理内容に基づいて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理又は機能の分担は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。また、図4で示したゲーム装置10のハードウェア構成、及び図5で示した端末装置20のハードウェア構成は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。
【0119】
また、図7図8及び図9等で示したフローチャートの処理単位は、ゲーム装置10、端末装置20、及びゲームプログラムの処理を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。ゲーム装置10、端末装置20、及びゲームプログラムの処理は、処理内容に基づいて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。さらに、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。また、図1に示したゲーム画像は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示した構成態様に限られない。
【0120】
また、本発明におけるゲーム装置10の構成は、家庭用ゲーム機に限らず、携帯型ゲーム機、アーケードゲーム機等のゲーム機にも適用することができるし、PC、スマートフォン等の汎用的なコンピューターにも適用することができる。また、本発明は、単独のゲーム装置10によってゲームプログラムが実行される場合に限らず、複数のゲーム装置あるいはゲーム装置とサーバーによってゲームプログラムが実行される場合にも適用できる。
【0121】
また、本発明は、ゲームプログラムだけでなく、当該ゲームプログラムを実行するゲーム装置あるいはコンピューター、ゲーム制御方法、当該ゲームプログラムにより実行されるゲームシステム、当該ゲームプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記憶媒体、などの様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0122】
1:ゲームシステム、10:ゲーム装置、11:プレイヤーコントローラー、20:端末装置、21:コントローラー、30:ディスプレイ、110・210:制御部、111:操作検出部、112:ノンプレイヤーオブジェクト操作決定部、113:出力処理部、120:記憶部、121:ゲーム入力情報、122:端末操作情報、123:モーション情報、130:通信部、161・261:演算処理装置、162・262:メインメモリ、163:記録装置、164:メディアインターフェイス装置、165・263:通信インターフェイス装置、166:画像演算処理装置、167:画像メモリ、168:音声処理装置、169・265:入力インターフェイス装置、170・266:出力インターフェイス装置、211:入力検知部、212:出力処理部、220:通信部、1131:ゲーム装置出力処理部、1132:端末装置出力処理部、
A:プレイヤー、B:操作主体オブジェクト、a:プレイヤーオブジェクト、b:ノンプレイヤーオブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9