(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】監視用赤外線カメラ装置
(51)【国際特許分類】
G03B 15/00 20210101AFI20220322BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220322BHJP
F21V 9/00 20180101ALI20220322BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220322BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20220322BHJP
H04N 5/235 20060101ALI20220322BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
G03B15/00 S
G03B17/02
F21V9/00 300
F21S2/00 600
G03B15/02 G
H04N5/235 400
H04N5/225 600
(21)【出願番号】P 2018063499
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】305049986
【氏名又は名称】株式会社 ジーアイシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118393
【氏名又は名称】中西 康裕
(72)【発明者】
【氏名】田栗 信昭
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-235458(JP,A)
【文献】実開平02-036266(JP,U)
【文献】特開2000-113351(JP,A)
【文献】特開2007-233177(JP,A)
【文献】特開2010-136200(JP,A)
【文献】特開2014-010336(JP,A)
【文献】特開2006-050454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/00
G03B 17/02
F21V 9/00
F21S 2/00
G03B 15/02
H04N 5/235
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子部と、照明部と、からなる監視用赤外線カメラ装置であって、
前記照明部は、
赤外線光源とレンズからなる第1照明部と、
前記第1照明部よりも指向特性が狭く設定され、赤外線光源とレンズからなる第2照明部と、からな
る監視用赤外線カメラ装置であって、
最上部に前記撮像素子部が配置され、
前記撮像素子部の下方に前記第1照明部が配置され、
前記第1照明部の下方に前記第2照明部が配置されており、
水平方向に対する前記撮像素子部、前記第1照明部、前記第2照明部の設置角度が、前記撮像素子部、前記第1照明部、前記第2照明部の順に小さくなっていることを特徴とする監視用赤外線カメラ装置。
【請求項2】
設置角度が異なる前記第1照明部と前記第2照明部の設置角度の差は、15~25度であることを特徴とする請求項1に記載の監視用赤外線カメラ装置。
【請求項3】
前記第1照明部と前記第2照明部とを取り付ける照明取付部を備えており、
前記照明取付部の傾斜角度が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の監視用赤外線カメラ装置。
【請求項4】
前記撮像素子部は、前記第1照明部及び前記第2照明部よりも被写体側に突出していることを特徴とする
請求項1に記載の監視用赤外線カメラ。
【請求項5】
前記撮像素子部の設置領域と、前記第1、第2照明部の設置領域とは、仕切られていることを特徴とする
請求項4に記載の監視用赤外線カメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視用赤外線カメラ装置に関する。詳しくは、斜め方向からの画像撮影に用いられる監視用赤外線カメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線を発光する照射部と被写体から反射した赤外線を撮像する撮像素子部を有し、夜間でも撮影が可能な赤外線カメラ装置が、種々の監視に使用されている。この監視用赤外線カメラ装置を利用したものとして、例えば、非特許文献1、非特許文献2に記されるような、ベッド上の患者を見守る見守りシステムが知られている。非特許文献2ではベッドと頭部の位置を認識して就床/起床/離床を判定し、看護師へ起床/離床を知らせている。
【0003】
ところで、ベッド上の患者の見守りを行う場合、特許文献1の段落番号[0020]に記されているように、監視用赤外線カメラ装置をベッドの真上に取り付けて、下方向を撮影することは、患者の就寝時の視野領域内にカメラが入るので患者が監視されているという嫌な気持ちを抱くことから好ましくない。そこで、監視用赤外線カメラ装置を撮影用の支柱に取り付けたり、壁に取り付けたりして、ベッドを斜め上から撮影することが多い。
【0004】
このように斜め方向から、監視対象者を撮影する場合、撮影対象範囲における監視用赤外線カメラと被写体との距離が角度によって大きく異なるため、ベッドの奥の方では光量不足の領域が生じる等、均一な画像を得ることが難しい。
【0005】
均一な画像が得られなければ、その画像を用いて画像処理を行う特許文献2等の見守りシステムにおいては、判定結果に大きく影響してしまい、誤判定が増えてしまう。
【0006】
このように被写体までの距離が大きく異なる場合に、均一画像を得るものとして、特許文献3の撮像装置がある。これは、撮像素子の周りに配置される照明手段として、指向特性の異なる照明手段を用いるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平11-99140号公報
【文献】特許5782737号公報
【文献】特開2014-10336号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】株式会社アルコ・イーエックス、病床見守りシステム、インターネット〈http://www.alco-ex.jp/product/patientwatcher.html〉
【文献】株式会社富士通研究所、2014年5月13日プレスリリース、インターネット〈http://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/05/13-1.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献3の撮像装置はその
図9に示されるように共通の光源基板上に複数のLEDチップを配置し、LEDチップの位置や前方に配置されるレンズの位置をそれぞれ変位させることで指向特性を異ならせるものであるから、汎用光源を使うことができず、LEDチップやレンズに関して専用の設計が必要となることから、開発や生産面でコストアップになるという問題があった。
【0010】
このような問題があることから、まず本願の発明者は、指向特性の狭いナロータイプと、指向特性の広いワイドタイプの二種類の汎用光源を用いて、撮像素子の周りに同じ設置角度で光源を配置して監視用赤外カメラ装置を作成し、この装置を見守りシステムに使用してみた。
【0011】
しかしながら、実際には均一な画像を得ることが難しく、特に頭側での画像が暗くなり、正確な就床/起床/離床などの判定に支障をきたすという問題が生じた。
【0012】
本発明は、角度によって被写体までの距離が大きく異なってくる斜め方向からの画像撮影に用いられるような監視用赤外線カメラ装置に関するものであり、簡単な構成で均一な画像を得ることができる監視用赤外線カメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の監視用赤外線カメラ装置は、撮像素子部と、照明部と、からなる監視用赤外線カメラ装置であって、前記照明部は、赤外線光源とレンズからなる第1照明部と、前記第1照明部よりも指向特性が狭く設定され、赤外線光源とレンズからなる第2照明部と、からなり、前記第1照明部と前記第2照明部の設置角度が異なっていることを特徴とする。
【0014】
この構成により、従来のようなLEDチップやレンズに関してわざわざ専用の設計を行うことなく、汎用性ある市販のLEDを使用して均一な画像を得ることができる監視用赤外線カメラ装置を提供することができる。また、異なる指向特性の第1照明部と第2照明部との設置角度を異ならせるという構成で均一な画像を簡単に得ることができる監視用赤外線カメラ装置を提供することができる。そして、このような監視用赤外線カメラ装置を、例えば患者の見守りシステムに用いることで、均一な照度によって、頭部とベッドの輪郭を正しく認識することができるので、正確な就床/起床/離床などの判定を実現することが可能となる。
【0015】
また、本発明の監視用赤外線カメラ装置においては、設置角度が異なる前記第1照明部と前記第2照明部の設置角度の差は、15~25度であることが好ましい。
【0016】
また、本発明の監視用赤外線カメラ装置は、前記第1照明部と前記第2照明部とを取り付ける照明取付部を備えており、前記照明取付部の傾斜角度が異なっていることが好ましい。
【0017】
このような構成であれば、照明取付部により第1照明部と第2照明部との設置角度を簡単に精度良く変えることができる。また、照明取付部の形状をヒートシンク形状にすることもできるので、照明部からの熱を効率良く放熱できる。
【0018】
また、本発明の監視用赤外線カメラ装置においては、被写体の正面が垂直方向であるとき、最上部に前記撮像素子部が配置され、前記撮像素子部の下方に前記第1照明部が配置され、前記第1照明部の下方に前記第2照明部が配置されていることを特徴とする。
【0019】
このような構成の監視用赤外線カメラ装置は、前屈の猫背形になることから、背面側が広くなり、高温となる照明部の放熱面積を広く確保することができる。室内で使用するタイプ、特にベッド上を監視するタイプの監視用赤外線カメラは、できるだけ小型化が望まれるため、小型であっても放熱性の高いことが重要である。
【0020】
また、本発明の前記撮像素子部は、前記第1照明部及び前記第2照明部よりも被写体側に突出していることを特徴とする。このように、撮像素子部が、第1照明部2、第2照明部3よりも被写体側へ突出することで、下方の第1照明部及び第2照明部が監視用赤外線カメラ装置の直下を撮影した際に写り込むのを防ぐことができる。
また、本発明の監視用赤外線カメラ装置においては、前記撮像素子部の設置領域と、前記第1、第2照明部の設置領域とは、仕切られていることが好ましい。
【0021】
これにより、監視用赤外線カメラ装置内での照明部からの光の写り込みを防止することができる。この監視用赤外線カメラ装置を、見守りシステムに用いる場合に、写り込みによる誤判定を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態の監視用赤外線カメラ装置の外観の要部を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の外観の要部を示す平面図である。
【
図3】
図2の上遮光板と下遮光板を透かした透視図である。
【
図5】第1照明部と第2照明部の設置角度を示す図である。
【
図6】頭部とベッドの輪郭の検出例を示す撮像である。
【
図8】第2実施形態の監視用赤外線カメラ装置の要部を示す右側面図である。
【
図9】
図9Aは第3実施形態の監視用赤外線カメラ装置の要部を示す正面図であり、
図9Bは
図9AのIXB-IXB断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施形態及び図面を参照にして本発明を実施するための形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
【0024】
[第1実施形態]
図1~
図4を用いて、監視用赤外線カメラ装置100の要部の構成を説明する。監視用赤外線カメラ装置100は、撮像素子部と、照明部と、からなる。より詳しくは、
図1~
図4に示すように監視用赤外線カメラ装置100は、カメラ部1、第1照明部2、第2照明部3、メイン基板4と、これらを収容する第1パネルP1、第2パネルP2、上遮光板P3、下遮光板P4、右側板P5、左側板P6、4本の第1ネジN1、8本の第2ネジN2、12本の第3ネジN3からなる。
【0025】
第1パネルP1と第2パネルP2は、アルミニウムを押し出し材である。第1パネルP1は、主にカメラ部1を取り付けるためのものである。また、第2パネルP2は、主に第1照明部2、第2照明部3、メイン基板4を取り付けるためのものである。ここで、第2パネルP2は、第1照明部2、第2照明部3を取り付ける照明取付部PX(第1取付部X1及び第2取付部X2)と、メイン基板4を取り付ける基板取付部PYと、で主に構成されている。なお、本実施形態においては第1パネルP1と第2パネルP2で構成しているが、一体として1つの部品で構成しても構わない。また、メイン基板取付用のパネルを別体とする等、2つ以上の部品で構成することも可能である。
また、上遮光板P3と下遮光板P4は、可視光を遮って赤外線を透光させるフィルタである。右側板P5と左側板P6は、射出成形される合成樹脂である。
【0026】
カメラ部1は、被写体から反射された赤外線により被写体を撮像する撮像素子部11と、この撮像素子部11が搭載されるカメラ用基板12からなる。この撮像素子部11は、画角が100度程度の広角レンズを有するものとなっており、ベッド及びその周辺を撮影できるものである。
図4、
図5に示すように、撮像素子部11は、ボルト、ナットからなる4本の第1ネジN1によってカメラ用基板12に螺着される。このカメラ用基板12は、第1パネルP1の上下2つの第1溝P11に嵌入される。この時、カメラ部1は、
図5に示すように、監視用赤外線カメラ装置100が設置された状態で、撮像の中心方向D1が水平線(ベッドの床面)に対して45度になるように保持されている。なお、ここに記載した角度や以下に述べる角度や数値については、厳密なものではなく、製品設計時や製品設置時における誤差や多少の幅を許容するものであり、例えば角度については2~3度の違いについては許容される値である。
【0027】
また、撮像素子部11の先端近傍には、第1パネルP1から延在する遮光リブP12が上下2つ設けられている。そして、下側の遮光リブP12によって、撮像素子部11の撮像設置領域と、第1照明部2、第2照明部3の照明設置領域とが、それぞれ別々に仕切られた構成となっている。これにより、監視用赤外線カメラ装置100の内部で生じる第1照明部2や第2照明部3からの反射光等、装置内部における撮像素子部11周辺での余計な光の写り込みを防止することができる。なお、この防止策として、遮光リブP12に代わり筒状のフードを追加することもできる。
【0028】
第1照明部2は、赤外線LEDからなる赤外線光源と、前方のレンズ部材と、赤外線光源を実装する実装基板で構成され、この時実装基板の裏面側が第1取付面22となる。また、第2照明部3も同様に、赤外線LEDからなる赤外線光源と、前方のレンズ部材と、赤外線光源を実装する実装基板で構成され、実装基板の裏面側が第2取付面32となる。なお、第1取付面22、第2取付面32を構成する実装基板は、熱対策としてアルミニウム等のメタルベース基板が好ましい。
【0029】
ここで、第1照明部2の第1指向特性21は、レンズ部材により広くなっており、例えば、指向半値角(Half angle)が±75度で広く短く射光するよう設計されている。このような第1照明部2は、一例として、市販のOsram Opto Semiconductors製のSFH4726Sを用いて簡単に実現することができる。
【0030】
また、第2照明部の第2指向特性31は、レンズ部材により狭くなっており、例えば指向半値角が±45度で狭く長く射光するよう設計されている。このような第2照明部2についても、例えば、市販のOsram Opto Semiconductors製のSFH4725Sを用いて実現することができる。
【0031】
図4、
図5に示すように、第1照明部2は、カメラ部1の下方且つ第2照明部3の上方に位置する。また、第1照明部2と第2照明部3は、それぞれ8本の第2ネジN2によって第1取付面22、第2取付面32が(第2パネルP2の)照明取付部PXの第1取付部X1、第2取付部X2に、熱伝導性のよい接着樹脂や接着シート(図示せず)を介して螺着される。この時、第1照明部2の第1取付面22と第2照明部3の第2取付面32は、角度が異なって螺着され保持される。
【0032】
具体的には、照明取付部PXにおける第1取付部X1を傾斜させ、第1照明部2の射光の中心方向D2が、水平線に対して35度になるように、つまり、第1照明部2の第1取付面22は、垂直線に対して35度で保持される。
【0033】
一方、第2照明部3の射光の中心方向D3は、照明取付部PXにおける第2取付部X2を傾斜させ、水平線に対して20度になるように、つまり、第2照明部3の第2取付面32は、垂直線に対して20度で保持される。
【0034】
なお、撮像素子部11の撮像の中心方向D1を基準にすると、第1照明部2は、第1照明部2の射光の中心方向D2がD1に対して上方に10度傾斜するように保持されている。また、第2照明部3は、第2照明部3の射光の中心方向D3がD1に対して上方に25度傾斜するように保持されている。つまり、撮像素子部11が、被写体に対し45度の角度で設置されているとき、第1照明部2は撮像素子部11よりも10度傾斜して設置され、第2照明部は、撮像素子部11よりも25度傾斜して設置されている。
【0035】
ところで、監視用のカメラ装置の場合、第1照明部2、第2照明部3に用いる赤外線LEDは、パワーLEDと呼ばれるような高出力タイプが好ましい。従って、高出力の第1照明部2と第2照明部3は、使用中非常に高温となる。本実施形態においては、放熱のために、照明取付部PXにおける第1取付部X1と第2取付部X2とは、
図4に示すように肉厚となっている。また、放熱面積を増加させるために、第1取付部X1と第2取付部X2の背面側に4枚の放熱フィンP21が、設けられている。このように、第1照明部2、第2照明部3が取り付けられる照明取付部PXは、肉厚の取付部(第1取付部X1、第2取付部X2)と放熱フィンP21とで構成されるヒートシンク形状となっている。
【0036】
また、水平線に対して傾斜が大きい第1照明部2が第2照明部3の上方に位置する構成となっているため、後述するように監視用赤外カメラ装置100は、前屈の猫背形になる。従って、第1照明部2と第2照明部3の背面側の放熱フィンP21は、先端が広がって延在する構成となり、これにより放熱効果が非常に向上する。
【0037】
また、第2パネルP2は、照明取付部PXと、基板取付部PYとを一体にして構成されている。従って、照明取付部PXにおける熱が、基板取付部PY側にも伝わり放熱できることから、監視用赤外線カメラ装置100は、より放熱効果の高いものとなっている。
【0038】
メイン基板4は、第2照明部3の下方に位置し、監視用赤外線カメラ装置100を操作、制御するためのものである。ここで、メイン基板4が取り付けられる基板取付部PYは、
図4に示すように筒形状となっている。このように基板取付部PYを筒状に構成することで、監視用赤外線カメラ部100は、照明取付部PXからの熱を筒状部分の全周で効率良く放熱することができるようになっている。
【0039】
メイン基板4は、筒形状からなる基板取付部PYの内側、上下2つの第2溝P22に側方からスライドされて嵌入される。メイン基板4は、例えば、右側板P5に設けられている(図示していない)外部接続用端子と接続し、撮影した画像を部接続用端子に接続されるケーブルを介して外部の処理装置へと送信する。
【0040】
なお、例えば、監視用赤外線カメラ装置100を見守りシステムに利用するような場合、取得した画像を用いて就寝/起床/離床の判定を行う判定部をメイン基板4に備える構成とすることもできる。
【0041】
上遮光板P3は、カメラ部1の前方に位置し、第1パネルP1の上下2つの第3溝P13に嵌入される。この上遮光板P3は、可視光を遮断し、赤外線を透過させるフィルタからなり、カメラ部1へ入射する可視光を遮るとともに、患者Hが撮像に気付くのを防止するために用いる。
【0042】
下遮光板P4は、第1照明部2と第2照明部3の前方に位置し、第2パネルP2の上下2つの第4溝P23に嵌入される。本実施形態においては、下遮光板P4も上遮光板P3と同じく可視光を遮断し赤外線を透過させるフィルタであり、主に患者Hが撮像に気付くのを防止するために用いている。なお、下遮光板P4は、一枚のフィルタを用いて第1照明部2と第2照明部3の前方に配置しているが、第1照明部2、第2照明部3の前方にそれぞれフィルタを配置する構成でもよい。
【0043】
第1パネルP1には組み立て用の3つの貫通第1ネジ下孔P14が設けられている。また、第2パネルP2の下方には監視用赤外線カメラ装置100をスタンドSに取り付けるための取付孔P24(
図1においては図示せず)と、組み立て用の3つの貫通第2ネジ下孔P25が設けられている。そして、第2パネルP2の上方に第1パネルP1が配置され、第1パネルP1と第2パネルP2が右側板P3と左側板P4によって合計12本の第3ネジN3で連結される。
【0044】
なお、
図3に示すように、カメラ部1、第1照明部2と第2照明部3からメイン基板4への配線Kのために、第1パネルP1と第2パネルP2の右側板P5側の必要な箇所が、押出成形後のフライス盤加工で切り欠かれている。そして各配線Kは束ねられ、切欠きによる溝部分に配置されることで、監視用赤外線カメラ装置100は、組み立てられている。
【0045】
このように監視用赤外線カメラ装置100は、上方に向かって、20度傾斜の第2照明部3、35度傾斜の第1照明部2、45度傾斜のカメラ部1というように徐々に傾くように配設されている。従って、監視用赤外線カメラ装置100は、
図4に示すように猫背のように前のめりの形状となっている。前屈した形状とすることで、前述したように監視用赤外線カメラ装置100は、第1照明部2と第2照明部3からの熱を効率よく放熱することができる。また、撮像素子部11が、第1照明部2、第2照明部3よりも被写体側へ位置することになる。このように最上部に位置する撮像素子部11が、第1照明部2、第2照明部3よりも被写体側へ突出することで、撮像素子部11よりも下方に位置する第1照明部2、第2照明部3が監視用赤外線カメラ装置100の直下を撮影した際の障害となることを防ぐことができる。また、このような形状はデザイン面でも優れており、監視用赤外線カメラ装置100を監視用カメラではなく照明装置のような物として監視対象者に認識させることもできるため、監視されているという不快感を低減することができる。
【0046】
また、本実施形態の監視用赤外線カメラ装置100は、第1照明部2と第2照明部3の設置角度を変える具体的な方法として、第2パネルP2の照明取付部PXにおける第1取付部X1と第2取付部X2との角度を変えて実現している。他の方法としては、照明取付部PXを単一構造(第1取付部X1と第2取付部X2とを同じ構造)としておき、例えば、第1照明部2の実装基板の断面形状(厚さ)を楔状に変える構成や、実装基板の第1取付面22と第1取付部X1との間に他部材を配置する構成も考えられる。
【0047】
しかしながら、本実施形態のように、照明取付部PXの第1取付部X1と第2取付部X2との角度を変える構成は、第2パネルP2の押出成形によって簡単に精度良く実現することができる。また、照明取付部PXの形状を上述したようなヒートシンク形状とすることも簡単にできるので、効率良く放熱を行うことができる。
【0048】
そして、監視用赤外線カメラ装置100をベッド上の患者Hの監視に用いる場合、
図5に示すように、監視用赤外線カメラ装置100の撮像素子部11の位置が患者HのベッドBの頭部H1側のベッドから1.3m(床面から1.7m)の位置になるように、専用のスタンドSに監視用赤外線カメラ装置100が取り付けられる。
【0049】
なお、監視用赤外線カメラ装置100の取り付けは、スタンドSを用いることなく病室の壁に直接取り付けてもよい。このような壁への直接の取り付けは、例えば
図4に破線で示す取付板Wを用いることができる。この取付板Wは、板金を折り曲げて構成されている。そして、取付板Wの一端側は、スタンドSへの取り付けのための取付孔P24を介して第2パネルP2へネジで固定される。また、取付板Wの他端側は、最下部の放熱フィンP21の屈曲した先端と係合して第2パネルP2へ固定される。そして、取付板Wは、壁へ螺着するためのネジ孔が板金の垂直面に設けられた構成となっている。このような構成の取付板Wを用いて監視用赤外線カメラ装置100は、壁に直接取り付けることも可能である。
【0050】
このような構成の監視用赤外線カメラ装置100を患者見守りシステムに用いるよう場合、
図6に例示するように、患者見守りシステムでは、ベッドBの輪郭認識B1と患者Hの頭部H1の輪郭領域認識H11を行い、ベッドBと頭部H1の相対的な位置関係から患者の就寝/起床/離床を判定する。これらのベッドBの輪郭認識B1、頭部H1の輪郭領域認識H11を正しく行うためには、
図7に示すベッドBの全体と、患者の就寝時/ベッドに座った時/ベッドの傍に立った時の頭部H1を均等に赤外線で照射しなければならない。なお、暗いのは露出不足で当然ながら、明る過ぎるのも露出過多となって誤認識となる。
【0051】
この時、監視用赤外線カメラ装置100では、指向半値角が±75度で広く短く射光する第1指向特性21の第1照明部2は、水平線に対して射光の中心が35度になるように配設されている。これにより、第1照明部2は、ベッドBのスタンドS側の領域を中心に照射する。
【0052】
一方、第1照明部2のみではベッドBのスタンドSとは逆側の領域、特に患者のベッドに座った時/ベッドの傍に立った時の頭部H1が照射不足となる。そこで、指向半値角が±45度で狭く長く射光する第2指向特性31の第2照明部3が、水平線に対して射光の中心が20度になるように配設されている。このように、追加の第2照明部3は、ベッドBのスタンドS側の領域が明る過ぎないように、指向半値角が狭く且つ第1照明部2よりも水平線に近い角度で照射される。
【0053】
これにより、本実施形態の監視用赤外線カメラ装置100は、
図7に示すベッドBの全体と、患者の就寝時/ベッドに座った時/ベッドの傍に立った時の頭部H1を均等に赤外線で照射することができる。従って、患者見守りシステムに用いた場合でも、ベッドBの輪郭認識B1と頭部H1の輪郭領域認識H11を正しく行い、患者の起床や離床を精度よく判定することができる。
【0054】
また、第1照明部2と第2照明部3の設置角度が異なって設置されていることで、上記の効果を奏しているが、本発明者は、様々な設置角度で検証を行った。その結果、第2照明部3は、水平線に対して照射の中心が20度前後になるように設置するのがよく、このように設置する第2照明部3に対して、第1照明部1は、その設置角度の差が15~25度の範囲(つまり、第1照明部2が水平線に対して照射の中心角度が35~45度の範囲になるように設置)であれば、上記のような効果を奏することができる監視用赤外線カメラ装置100を実現することができる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、
図8を用いて、第2実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Aを説明する。
図9はカメラ部1、第1照明部2、第2照明部3と透視した右側面図である。第2実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Aにおいては、第1実施形態の監視用赤外線カメラ装置100と構成が同一の部分については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略し、構成が異なる同一名の部分については参照符号に添え字「A」を付す。
【0056】
図8に示すように、第2実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Aのカメラ部1と第1照明部2と第2照明部3の上下関係は、第1実施形態とは逆である。つまり、監視用赤外線カメラ装置100Aは、カメラ部1の設置角度が45度の第1パネルP1Aが第2パネルP2Aの下方に配設されている。第2パネルP2Aでは、照明取付部PXAが基板取付部PYAの下方に配設されている。照明取付部PXAでは、第1照明部2の設置角度が35度の第1取付部X1Aが、第2照明部3の設置角度が20度の第2取付部X2Aの下に配設されている。このような配列であっても、第1照明部2の第1取付面22と第2照明部3の第2取付面32は角度が異なっているので、第1実施形態と同様に、第2実施形態の監視用赤外線カメラ装置100AもベッドBの全体と、患者の就寝時/ベッドに座った時/ベッドの傍に立った時の頭部H1を均等に赤外線で照射することができる。
【0057】
なお、第1実施形態の監視用赤外線カメラ装置100は、
図4に示すように猫背のように前のめりの形状となっていたが、本実施形態においては
図8に示すように反り返ったような形状となる。このような形状もデザイン面で優れており、第1実施形態及び本実施形態のように本発明は、監視用赤外線カメラ装置におけるデザインの幅を広げる製品設計を可能とする。
【0058】
[第3実施形態]
次に、
図9A、
図9B、
図10A、
図10Bを用いて、第3実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Bを説明する。
図9Aはカメラ部1、第1照明部2、第2照明部3を透視した正面図であり、
図9Bは
図9AのIXB-IXB断面図である。
図10Aは、
図9AのXA-XA断面図であり、
図10Bは、
図9AのXB-XB断面図である。また、第3実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Bにおいては、第1実施形態の監視用赤外線カメラ装置100と構成が同一の部分については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略し、構成が異なる同一名の部分については参照符号に添え字「B」を付す。
【0059】
第3実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Bは、カメラ部1を収容する第1パネルP1Bと、第1照明部2を収容する第2パネルP2Bと、第2照明部3を収容する第3パネルP7と、右側板P5Bと、左側板P6Bと、3つのパネルP1B、P2B、P7を右側板P5Bと左側板P6Bで挟持するための図示しない4本の長い第3ネジと、照明取付金具5からなる。
【0060】
また、
図9Aに示すように、第3実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Bは、向かって左から順に第1照明部2を収容する第2パネルP2B、カメラ部1を収容する第1パネルP1B、第2照明部3を収容する第3パネルP7が横方向に並んだ構成となっている。
【0061】
照明取付金具5は、照明取付部を形成し、第2パネルP2B内の第1取付部X1Bと、第3パネルP7内の第2取付部X2Bと、第1パネルP1Bを通って第1取付部X1Bと第2取付部X2Bを連結する連結部51からなる。また、照明取付金具5は、熱伝導性を高めるために肉厚のアルミニウム板が板金加工されたものである。
【0062】
そして、第1取付部X1Bは、連結部51から延在した舌片が曲げ加工されることによって形成され、第2取付部X2Bも連結部51から延在した舌片が曲げ加工されることによって形成される。また、連結部51は、第2パネルP2Bと第3パネルP7にそれぞれ第4ネジN4で螺着される。また、連結部51が螺着される第2パネルP2Bと第3パネルP7の部分は、放熱のために肉厚となり、放熱フィンP21B、P71が形成されている。
【0063】
第3実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Bは、箱型であるが、連結部51はカメラ部1の撮像の中心方向D1が水平線に対して45度になるように設置される。この設置状態で、第1照明部2の設置角度が35度になるように第1取付部X1Bが曲げ加工され、第2照明部3の設置角度が20度になるように第2取付部X2Bが曲げ加工される。
【0064】
このように、第1実施形態や第2実施形態のように縦並びの配置でなく、横並びの配設であっても、第1照明部2の第1取付面22と第2照明部3の第2取付面32の設置角度を異ならせることもできる。そして、第3実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Bも、ベッドBの全体と、患者の就寝時/ベッドに座った時/ベッドの傍に立った時の頭部H1を均等に赤外線で照射することができる。
【0065】
また第3実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Bは、照明取付部を形成する照明取付金具5が、第2パネルP2B、第3パネルP7と別体で構成されている。従って、監視用赤外線カメラ装置100Bは、照明取付金具5の第1取付部X1Bと第2取付部X2Bの曲げ角度を変更するのみで第1照明部2や第2照明部3の設置角度を変更することができるという長所がある。なお、監視用赤外線カメラ装置100Bの放熱性をより高めるために、第1取付部X1Bと第2取付部X2Bに削り起こし加工で放熱フィンを形成することもできる。また、照明取付金具5は、第1パネルP1Bにおける第1取付部X1Bと第2取付部X2Bを連結する連結部51を設けない構成とすることもできる。
【0066】
[第4実施形態]
次に、
図11A、
図11B、
図12A、
図12Bを用いて、第4実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Cを説明する。
図11Aはカメラ部1、第1照明部2、第2照明部3を透視した正面図であり、
図11Bは
図11AのXIB-XIB断面図である。
図12Aは
図11AのXII-XII断面図である。また、
図12Bは
図12Aの第1照明取付金具6の螺着を示す正面図である。第4実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Cにおいては、第1実施形態の監視用赤外線カメラ装置100と構成が同一の部分については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略し、構成が異なる同一名の部分については参照符号に添え字「C」を付す。
【0067】
第4実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Cは、カメラ部1を収容する第1パネルP1Cと、第1照明部2と第2照明部3とを収容する第2パネルP2Cと、右側板P5Cと、左側板P6Cと、2つのパネルP1C、P2Cを右側板P5Cと左側板P6Cで挟持するための図示しない4本の長い第3ネジと、第1照明取付金具6と、第2照明取付金具7からなる。
【0068】
また、
図11Aに示すように、第4実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Cは、向かって右にカメラ部1を収容する第1パネルP1C、左に第1照明部2と第2照明部3を収容する第2パネルP2Bが横方向に並んだ構成となっている。
【0069】
第1照明取付金具6、第2照明取付金具7は、アルミニウム材からなり、照明取付部を形成する。そして、
図12Aに示すように、第1照明部2、第2照明部3が、それぞれ第2ネジN2で螺着される。また、第1照明取付金具6、第2照明取付金具7は、第1照明取付金具6を上にして上下に並んで第2パネルP2Cに第5ネジN5で螺着される。また、第1照明取付金具6と第2照明取付金具7が当接する第2パネルP2Cの部分は、放熱のために肉厚となっており、放熱フィンP21Cが形成されている。
【0070】
ここで、第1照明取付金具6と第2パネルP2Cは、
図12に示すように円弧面6a、P2Caで当接している。そして、第1照明取付金具6の両端に設けられている取付孔61は長孔となっており、第1照明取付金具6は、円弧面Eaを有する座金Eを介して第5ネジN5で第2パネルP2Cに螺着される。このような構成により、第1照明部2の取付角度は、第2パネルP2Cに対して微調整することが可能となっている。また、同様の構成により、第2照明取付金具7も第2照明部3の取付角度が、第2パネルP2Cに対して微調整することが可能となっている。このように、照明部の取付角度を微調整できる構成性は、特に監視用赤外線カメラ装置100Cを用いる場合に、ベッドの高さや距離が実施形態1で説明した場合と異なるような場合にも微調整できるので効果的である。
【0071】
また、第1照明取付金具6と第2照明取付金具7の円弧面6a、7aの半径は、同一となっている。従って、監視用赤外線カメラ装置100Cは、第1照明取付金具6と第2照明取付金具7の上下を取り換えることも可能である。また、第1照明取付金具6と第2照明取付金具7は第2パネルP2Cとは別体であるので、他の角度の照明取付金具と取り換えることにより、照射角度を変更することも可能である。
【0072】
このように、第4実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Cは、照明取付部を形成する第1照明取付金具6と第2照明取付金具7とが、別々で構成されており、また第2パネルP2Cとも別体で構成されている。
【0073】
また、第4実施形態の監視用赤外線カメラ装置100Cは、
図11B、
図12Aに示すように、上段に第1照明部2とカメラ部1が横に並んで配設され、その下段に第2照明部3が配設された構成となっている。このような配設によって、よりコンパクトな形状の監視用赤外線カメラ装置100Cを実現することができる。
【0074】
また、監視用赤外線カメラ装置100Cにおいても、第1照明部2と第2照明部3の設置角度が異なって設置されている必要がある。そしてこの時、第1照明部2は第2照明部3との設置角度の差が15~25度の範囲であればよい。従って、第2照明部3を水平線に対して照射の中心が20度前後になるように設置し、第1照明部2は、
図12(A)では35度で設置している例を示しているが、カメラ部1と同じ角度(45度)で設置することも可能である。
【0075】
また、第1照明部2とカメラ部1が並んで設置される場合には、第1照明部2からの光が内部で反射し、カメラ部1に写り込むおそれがあるため、光の写り込みを防止するため、並んで設置される第1照明部2の照明設置領域と、カメラ部1の撮像設置領域との間も仕切っておくことが必要である。
【0076】
なお、上段にカメラ部1が配設され、その下段に第1照明部2と第2照明部3が並んで配設されても、コンパクトな形状とすることができる。このときは、第1照明部2と第2照明部3の放熱の空気が互いに妨げることなく上方に流れるので放熱効果が優れる。
【0077】
以上のような本発明の監視用赤外線カメラ装置により、異なる指向特性の第1照明部と第2照明部との設置角度を異ならせるという構成で、均一な照度により均一画像を簡単に得ることができる。そして、このような監視用赤外線カメラ装置を、例えば患者の見守りシステムに用いることで、均一な照度によって、頭部とベッドの輪郭を正しく認識することができるので、正確な就床/起床/離床などの判定を実現することが可能となる。
【0078】
なお、本発明の監視用赤外線カメラ装置は、ベッドの患者の監視に限定するものではない。また、上記実施形態においては、監視用赤外線カメラ装置における被写体である患者の正面が垂直方向であったが、本発明の監視用赤外線カメラ装置は、被写体の正面が水平方向となる場合にも適用することができる。被写体の正面が水平方向となる具体例としては、例えば、ガレージの入り口を被写体として監視するような場合がある。この場合、例えば、ガレージの左方に監視用赤外線カメラ装置が配設され、ガレージ入り口への照射を均一にするために、第1照明部よりも指向特性が狭い第2照明部を第1照明部の水平方向の設置角度とは異なる設置角度で(第1実施形態では第1照明部2と第2に照明部3の垂直方向における設置角度が異なるとして説明した。)配設する。具体的には、撮像素子部が被写体となるガレージ入り口の正面方向に対し45度の角度で設置され、第1照明部の設置角度は、水平線に対し35度となり、第2照明部の設置角度は、水平線に対して20度になる。
【0079】
また、本発明の監視用赤外線カメラ装置は、指向特性の異なる照明部の設置角度が異なることをその特徴とするものである。従って、監視用赤外線カメラ装置は、本実施形態の第1照明部2と第2照明部3に第3照明部を加え、第2照明部3の指向特性よりも狭い第3照明部を第2照明部3よりも水平に近い角度で配設して、より照度を均一にすることもできる。
【0080】
また、カメラ部と、第1照明部と、第2照明部の位置関係について、第1実施形態では上方から順にカメラ部1、第1照明部2、第2照明部3となっており、第2実施形態では下方から順にカメラ部1、第1照明部2、第2照明部3となっており、第3実施形態では左から順に第1照明部2、カメラ部1、第2照明部3となっており、第4実施形態では、カメラ部1と第1照明部2が横方向に並びその下方に第2照明部3となっている。しかしながら、このような位置関係に限定されるものではなく、本発明の監視用赤外線カメラ装置は、例えば、上方から順に第1照明部、カメラ部、第2照明部となるような構成でも実現可能である。
【符号の説明】
【0081】
100:監視用赤外線カメラ装置
P1:第1パネル
P2:第2パネル
PX:照明取付部
X1:第1取付部
X2:第2取付部
PY:基板取付部
1:カメラ部
11:撮像素子部
2:第1照明部
22:第1取付面
3:第2照明部
32:第2取付面
D1:撮像の中心方向
D2:第1照明部の射光の中心方向
D3:第2照明部の射光の中心方向