(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】簡易構造物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/343 20060101AFI20220322BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
E04B1/343 X
E04H1/12 B
(21)【出願番号】P 2018100310
(22)【出願日】2018-05-25
【審査請求日】2020-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【氏名又は名称】宮田 信道
(72)【発明者】
【氏名】面谷 智久
(72)【発明者】
【氏名】保坂 純平
(72)【発明者】
【氏名】若松 英司
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 勝也
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋平
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-076738(JP,A)
【文献】特開平08-239978(JP,A)
【文献】特開2005-213756(JP,A)
【文献】実開平06-044912(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00 - 1/36
E04B 1/38 - 1/61
E04H 1/12
E04F 13/08
E04F 11/00 - 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無目と、横バーと、取付材とを備え、
無目は、柱間の腰高さ位置に取り付けられており、
横バーは、取付材を介して無目の室内側に隙間を空けて取り付けてあって、長手方向に沿って上面に係止面と、側面又は下面に機能部品取付溝を有
するものであり、
横バーの係止面の任意の位置にタオルまたはS字フックを掛けることができると共に、機能部品取付溝の任意の位置に、任意の数の機能部品を取り付け可能であることを特徴とする簡易構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラス囲い等の簡易構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテラス囲い等の簡易構造物は、内部に腰高さでハンガーやかご等の小物を掛けたり一時置きしたりすることのできる部分を備えておらず、簡易構造物内における洗濯物干し等の作業中にはハンガー等を頭上の竿に掛けて一時置きするしかなく、一時置きした物が邪魔になり作業もしにくいため、簡易構造物の内部をより使い易くしたいという要望があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記課題に鑑み、内部に小物等を掛けたり一時置きしたりすることのできる部分を備えた簡易構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の簡易構造物は、無目と、横バーと、取付材とを備え、横バーは、取付材を介して無目の室内側に隙間を空けて取り付けてあって、長手方向に沿って上面に係止面と、側面又は下面に機能部品取付溝を有し、機能部品取付溝の任意の位置に、任意の数の機能部品を取り付け可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の簡易構造物は、無目と、横バーと、取付材とを備え、無目は、柱間の腰高さ位置に取り付けられており、横バーは、取付材を介して無目の室内側に隙間を空けて取り付けてあって、長手方向に沿って上面に係止面と、側面又は下面に機能部品取付溝を有するものであり、横バーの係止面の任意の位置にタオルまたはS字フックを掛けることができると共に、機能部品取付溝の任意の位置に、任意の数の機能部品を取り付け可能であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】(a)は
図4のA-A線端面図であり、(b)は
図4のB-B線端面図である。
【
図2】本発明の簡易構造物の(a)は側面図、(b)は正面図である。
【
図3】本発明の簡易構造物の内観の一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の簡易構造物の使用場所は特に限定されるものではないが、ここでは建物の外壁に沿って設置されるテラス囲いの場合を示す。簡易構造物Yは、建物の外壁Xに沿って設置されるテラス囲いである。なお、以下の説明において左右方向とは
図2(b)における左右方向を示し、前後とは
図2(b)における手前側及び奥側を示すものとする。本簡易構造物Yは、
図1乃至及び
図6に示すように、建物の外壁Xに左右一対の躯体方立11,11が取り付けられ、屋外側に2本の柱12,12が地面から立設され、柱12,12の上端に桁13が架設してあり、躯体方立11と桁13の間に腕木14が取り付けてある。左右の柱12,12間及び、柱12と躯体方立11の間には、下端部において図示せぬベース材がそれぞれ取り付けられている。なお、本実施形態の簡易構造物Yは土間仕様であるが、床材を用いたデッキ仕様であってもよい。
【0008】
簡易構造物Yは正面及び側面において開口部を有する。開口部にはFIX窓や引き違い戸等の開口部建材が取り付けられ、後述の横バー30は開口部建材の室内側に取り付けられる。横バー30は正面又は側面のいずれの開口部建材に取り付けても良いが、ここでは、桁13とベース材と左右の柱12,12間の前側開口部に設けられた開口部建材Oに横バー30を取り付けた場合を説明する。本実施形態において開口部建材Oは無目15を有するFIX窓であって、左右の縦枠16,16と上下の横枠17,17によって枠組みされており、開口部建材Oの高さ方向略中間部は、無目15によって仕切ってあり、左右方向略中間部は方立18によって仕切ってある。開口部建材Oは、内周にガラスパネルを取り付けてある。
【0009】
無目15は、左右の柱12、12間の腰高さ位置に取り付けられていて、無目15の室内側には長手方向に亘って、横バー30が取付材20を介して無目15との隙間Gを空けて取り付けてある。
【0010】
横バー30は、中空の略円筒形状であり、長手方向に沿って上面に係止面31と、下面に機能部品取付溝32を有する。係止面31は、断面略円弧形状である。機能部品取付溝32は、断面が略凸字形状であり、取付材20及び機能部品50を取り付けるための裏板40の挿入孔33(凸字の下半分の矩形空間)と、凸字の底面において外周側へ開口した開口部34を有し、開口部34の室内側端及び室外側端には、裏板40の底面に当接する支持部35,35を有する。裏板40の前後幅は開口部34の前後幅よりも大きいので、裏板40は挿入孔33から脱落することなく支持部35,35によって支持される。
【0011】
取付材20は、横バー30を無目15に取付けるための、平板を折り曲げた形状の断面略L字状の部材であって、一端を無目15の室内側見付面に室内側からネジ止めされていて、他端を、横バー30の挿入孔33に挿入された裏板40に、支持部35,35を間に挟んだ状態で下からネジ止めされている。
【0012】
機能部品50は、形状や用途が特に限定されるものではないが、ここではフックの場合を示す。フック(機能部品)50は、一端にフック部51と、他端に平板状の固定部52を有し、固定部52は横バー30の挿入孔33に挿入された裏板40に、支持部35,35を間に挟んだ状態で下からネジ止めされている。
なお、
図5に示すように本実施形態例においてフック50を固定する裏板40は回転裏板を使用しており、裏板40の外径の最小幅d1は機能部品取付溝32の支持部35,35間の隙間の幅d2よりも小さい。すなわち、裏板40を固定しているネジを緩めた際に裏板40が回転して機能部品取付溝32に対し着脱可能な構造であるので、フック50を横バー30の任意の位置に容易に着脱自在である。
【0013】
次いで、本発明の簡易構造物の構成による作用および効果について説明する。
本発明の簡易構造物は、腰高さの無目15の室内側に隙間Gを空けて取り付けた横バー30の上面に係止面31を有しているので、係止面31にタオルやS字フック等を掛けたり、ハンガー53等を仮置き等のため掛けたりすることができる。さらに、横バー30の下面には機能部品取付溝32を有していて、機能部品取付溝32の任意の位置に任意の数のフック等の機能部品50を取り付け可能であるので、簡易構造物内における各種作業の際に小物等を掛けることができ、作業効率が良い。
【0014】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。例えば、横バーは簡易構造物の前面開口部だけでなく側面開口部にも適用可能であり、また、テラス囲いに限らず様々な構造物にも広く適用できる。また開口部に納まる窓種はFIX窓に限らず、引き違い窓等のあらゆる建具枠を適用可能である。
【符号の説明】
【0015】
15 無目
G 隙間
20 取付材
30 横バー
31 係止面
32 機能部品取付溝
50 フック(機能部品)