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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】移送装置
(51)【国際特許分類】
   B01L 1/00 20060101AFI20220322BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20220322BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20220322BHJP
   A61L 2/07 20060101ALI20220322BHJP
   A61L 101/06 20060101ALN20220322BHJP
   A61L 101/10 20060101ALN20220322BHJP
   A61L 101/22 20060101ALN20220322BHJP
   A61L 101/32 20060101ALN20220322BHJP
【FI】
B01L1/00 E
A61L2/10
A61L2/20 106
A61L2/20 102
A61L2/20
A61L2/07
A61L2/20 100
A61L101:06
A61L101:10
A61L101:22
A61L101:32
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018512275
(86)(22)【出願日】2016-08-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-01-17
(86)【国際出願番号】 GB2016052659
(87)【国際公開番号】W WO2017042536
(87)【国際公開日】2017-03-16
【審査請求日】2019-07-22
(31)【優先権主張番号】1515865.2
(32)【優先日】2015-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511176126
【氏名又は名称】チャージポイント テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】エックルス クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ワイリー ベンジャミン
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-284673(JP,A)
【文献】特表2005-517594(JP,A)
【文献】特表2012-504475(JP,A)
【文献】特表2002-532670(JP,A)
【文献】特表2003-534100(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0167442(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0267367(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0153610(US,A1)
【文献】特開平08-042694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0095426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L
A61L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの密閉ボリュームを密封的に接続するための装置であって、
前記装置は、互いに密封的に係合可能なアルファフランジ及びベータフランジを備え、
前記アルファフランジは、第1のエンクロージャに固定可能であり、第1の密閉ボリュームへのアルファポートを画定し、かつアルファドアに接続可能であり、
前記アルファポートは、前記アルファフランジが前記アルファドアに接続されたときに前記アルファフランジが前記アルファドアに密封的に係合する閉鎖形態、及び前記アルファフランジが前記アルファドアから分離され、それによって材料が前記アルファポートを通過することを可能にする開放形態を有し、
前記ベータフランジは、第2のエンクロージャに固定可能であり、第2の密閉ボリュームへのベータポートを画定し、かつベータドアに接続可能であり、
前記ベータポートは、前記ベータフランジが前記ベータドアに密封的に係合する閉鎖形態、及び前記ベータフランジが前記ベータドアから分離され、それによって材料が前記ベータポートを通過することを可能にする開放形態を有し、
前記装置は、前記アルファフランジ及び前記ベータフランジが密封的に係合したときに、前記アルファフランジ及び前記ベータフランジの間の接合部を覆う拡張形態に格納形態から移行可能である保護部材を備える、
装置。
【請求項2】
前記アルファフランジは、前記保護部材に作動可能に接続される保護部材アクチュエータを備え、前記保護部材アクチュエータは、前記拡張形態から前記格納形態へ及び前記格納形態から前記拡張形態へ前記保護部材を移行させることができ、かつ前記第1の密閉ボリューム及び前記第2の密閉ボリュームの外部で操作可能である、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
請求項1に記載の前記装置を備えるアルファ/ベータ・ポート・システムであって、
前記アルファフランジ、前記アルファポート、及び前記アルファドアが、アルファポートアセンブリを形成し、
前記ベータフランジ、前記ベータポート、及び前記ベータドアが、ベータポートアセンブリを形成し、
前記ベータドアが前記開放形態にある場合に、前記ベータドアは、前記アルファドアに接続され、それと共に移動可能である、
システム。
【請求項4】
前記アルファポートアセンブリ及び前記ベータポートアセンブリは、互いに係合可能であり、接合部材を介して固着される、
請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記アルファポートアセンブリ及び前記ベータポートアセンブリは、複数の接合部材を備える、
請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記接合部材は、前記アルファドア及び前記ベータドア上に配置されている、
請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ベータポートが前記保護部材を備える、
請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記保護部材は、ゲートルを更に含む、
請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記アルファドアの開閉は、ドアアクチュエータにより制御される、
請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記ドアアクチュエータは湾曲アームに動作可能に接続され、前記湾曲ワームの一端には前記アルファドアが取り付けられ、他端は肩部に取り付けられ、前記肩部は、並進運動することで前記アルファドアを前記アルファポートから後方に移動させることができ、回転運動することで前記アルファドアが前記アルファポートを妨げないように前記アルファドアを前記アルファポートから離すように枢動させることができる、
請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記アルファポートアセンブリは、前記アルファポート及び前記ベータポートから離れて延びるシュートを更に備える、
請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記ベータポートアセンブリは、前記保護部材に作動可能に接続される保護部材アクチュエータを備える、
請求項に記載のシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の前記装置を使用して、第1の密閉ボリュームと第2の密閉ボリュームとの間で材料を移送するための方法であって、
1)前記アルファポート及び前記ベータポートが閉鎖形態にある間に、前記アルファフランジ及び前記ベータフランジを密封的に係合させることと、
2)前記アルファドア及び前記ベータドアを前記アルファフランジ及び前記ベータフランジから離して、前記アルファポート及び前記ベータポート通過できるようにすることで、前記アルファポート及び前記ベータポートを前記開放形態にすることと、
3)前記第1の密閉ボリューム及び前記第2の密閉ボリュームの外部の位置から、前記保護部材を前記格納形態から前記拡張形態に移行させて、前記アルファフランジ及び前記ベータフランジの間の前記接合部を覆い、その後に前記アルファポート及び前記ベータポートを介して材料を通過させることと、
を含む方法。
【請求項14】
前記保護部材は、保護部材アクチュエータにより移行させられる、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ベータドアを前記ベータフランジに密封的に係合させることを更に含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ベータドアが前記ベータフランジから外れなくなるように前記ベータドアを前記ベータフランジにロックすることを更に含む、
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料を移送するための移送装置及び移送方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、操作者及び/又はプロセスの保護のために使用される旧来のクリーンルーム又は隔離システム及び/もしくは格納システムにおいて行われ得る、製造プロセス中の材料移送を支援するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ある無菌容器から別の無菌容器への材料の移送では、特に、無菌環境を維持することで、移送されている材料の汚染、容器自体の汚染、及びそのような移送装置の操作者が配置されて材料の移送を行なう可能性のある周辺環境の汚染を防止することに関して多くの問題が生じる。
【0004】
多くの製造プロセスにおいて、滅菌性の維持は、そのプロセス中に製造される製品を汚染から守るための根本的な課題である。旧来の方法で、又は隔離設備及び/もしくは格納設備で無菌生産を使用する代表的な産業には、製薬産業、医療機器産業、バイオ産業、及び食品産業などがある。
【0005】
製造に使用される材料を、ある無菌エンクロージャから別の無菌エンクロージャに移送する必要がある場合に、特に困難が生じる可能性がある。
【0006】
格納設備の開発により、高速移送(Rapid Transfer:RTP)ポートとも呼ばれる接合ポートが導入され、材料又は周囲環境を汚染することなく、ある領域から別の領域に材料を移送することが可能となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、これらの既知のポートに欠点がないわけではない。通常、プロセスエンクロージャ内の所要の場所には、移送容器の対応するポートと密封的に係合するポートが設けられている。そして接合されたポートを開くことで、ある領域から別の領域への材料の移送が可能となる。
【0008】
このような既知の移送ポートは、特に無菌移送に使用される場合に問題が生じる。1つ又は複数のシールが存在する領域は、シールの露出した周囲に存在し得る汚染の潜在的な領域である。移送される材料はシールの露出部分と接触しやすく、それによって材料及び/又はプロセスエンクロージャの無菌性が損なわれることになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、第1及び第2の密閉ボリュームを密封的に接続するための装置が提供され、互いに密封的に係合可能な第1及び第2のフランジを備え、第1のフランジは第1の密閉空間に関連し、第2のフランジは第2の密閉空間に関連する。
第1のフランジは、材料が通過して移動できる第1のポートを備え、前記第1のポートは第1のポートドアを介して閉鎖可能であり、第1のポートドアは、閉鎖形態にあるときは第1のフランジと密閉可能に係合され、開放形態にあるときは第1のフランジから分離して材料の通過を可能にする。
第2のフランジは、材料が通過して移動できる第2のポートを備え、前記第2のポートは第2のポートドアを介して閉鎖可能であり、第2のポートドアは、閉鎖形態にあるときは第2のフランジと密閉可能に係合され、開放形態にあるときは第2のフランジから分離して材料の通過を可能にする。
この装置は、拡張形態と格納形態との間を移行可能な保護部材を備え、第1のフランジと第2のフランジとがその第2の形態にあって互いに密封的に係合するときは、保護部材がその格納形態から拡張形態に移行することができ、それにより保護部材が第1のフランジと第2のフランジとの間の接合部を覆い、材料が第1及び第2のポートを通過することを可能にしながら、通過して流れる材料を接合部からの予想される汚染から保護する。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、外部操作されるアルファ/ベータ・ポート・システムが提供され、このアルファ/ベータ・ポート・システムはアルファポートのアセンブリ及びベータポートのアセンブリを備え、
a)アルファポートのアセンブリは、
i.エンクロージャに固定可能であり、ポートを画定するフランジと、
ii.閉鎖形態において前記ポートを閉じるように前記フランジに接続可能であり、該ポートが開放される開放形態に移行可能なドアとを備え、
b)ベータポートのアセンブリは、
i)移送される材料を収容する移送容器に固定可能であり、ポートを画定するフランジと、
ii)閉鎖形態おいて前記フランジに接続可能なドアであって、ドアがフランジと密封係合してポートが閉じている閉鎖形態と、ドアがフランジから変位してポートが開いている第2の開放形態との間を移行可能なドアを備え、
このドアは、第2の開放形態ではアルファポートのドアに接続されてドアの両方が移動することで、材料がポートを通って移動することができる。
また、アルファポート及び/又はベータポートは、拡張形態と格納形態との間を移行可能な保護部材を備え、第1のポートであるアルファポートとベータポートとが互いに密封係合するときは、保護部材が第1のフランジアセンブリと第2のフランジアセンブリとの間の接合部を覆い、材料の通過を可能にしながら、移送される材料を接合部からの予想される汚染から保護するように、保護部材がその格納形態から拡張形態に移行することができる。
【0011】
アルファポート及びベータポートは、好ましくは、互いに係合可能であることによって、接合手段を介して固着される。
【0012】
接合手段は、アルファポート又はベータポートの一方に配置された雄部材と、他方に配置された雌部材とを備えてもよい。
【0013】
好適には、雄部材がバヨネット固定部を備え、雌部材が補完形状の凹部を備える。
【0014】
更に好適には、雄部材はベータポートに配置され、雌部材はアルファポートに配置される。
【0015】
さらに、各ポートが複数の接合部材を備えることがより好適である。
【0016】
接合部材は、アルファポート及びベータポートに対してドアに配置してもよい。
【0017】
接合手段は、バヨネット取付具、押込み接続、又は他の適切な手段を備えてもよい。
【0018】
ベータポートは保護部材を備えてもよい。
【0019】
保護部材は、アルファポートとベータポートとの間の接合部を覆い、材料が通過できるように成形された漏斗を備えてもよい。
【0020】
保護部材は、さらに、ゲートルを備えてもよい。
【0021】
好適には、閉鎖形態においてドアが係合されるとき、保護部材がアルファポートとベータポートとの間の接合部を覆うことなくベータポートのドアの後ろに留まることができる第1の格納形態から、保護部材がアルファポートとベータポートとの間の接合部を覆うことができる展開形態である拡張形態への保護部材の移行が、ゲートルによって可能となるように、当該ゲートルは可撓性を有する材料から構成される。
【0022】
可撓壁は、格納形態から展開形態に移行したときに当該可撓壁の変形の程度を決定する手段を有することが好ましい。最も好適には、可撓壁は、格納時の規定位置及び展開時の規定位置を提供する、2つの回旋形又はセグメントから構成される。さらに、安定した中間位置が存在しないことがより好適である。
【0023】
この手段は、所定の位置に環状の肉厚を有してもよい。
【0024】
ゲートルは、いずれの形態においても保護部材を所定位置に保持するのに十分な剛性を有するが、移行を可能にするのに十分な柔軟性を有する、可撓壁を備えてもよい。
【0025】
保護部材とゲートルとは一体的に形成されてもよい。ゲートルの可撓壁は、移送バッグと一体的に形成されてもよい。
【0026】
保護部材は、外部から加えられた力によってその形態間を移行してもよい。
【0027】
保護部材は、移送バッグ上に配置された作動手段に動作可能に接続されてもよく、その作動手段によって、操作者が保護部材をその形態間で移行させることが可能になる。
【0028】
作動手段はハンドルを備えることができ、そのハンドルを使用して操作者が力を加えることで、保護部材をその形態間で移行させることができる。
【0029】
アルファポートは、ポートの開閉を制御する作動手段と関連していてもよい。
【0030】
アクチュエータは、アルファポートのドアに動作可能に接続されてもよい。
【0031】
アクチュエータは、ドアの並進運動及びドアの回転運動を可能とするものであってよい。
【0032】
アクチュエータは湾曲アームに動作可能に接続されてもよく、湾曲アームの一端にはドアが取り付けられ、他端は肩部に取り付けられ、肩部は、並進運動することでドアをアルファポートから後方に移動させることができ、回転運動することでドアがポートを妨げないようにドアをアルファポートから離すように枢動させることができる。
【0033】
上述したようにドアをアルファポートから離すように枢動させることで、このような機構の、エンクロージャによって生じる気流に対する影響が低減される。エンクロージャは典型的に、天井に気流を生成する手段を有し、この手段によって空気を天井から下方に移動させることになる。上記のようにドアをポートから退けると、ドアの外形が比較的低くなり、ドアが開かれてポートから退いたときにエンクロージャの壁に近接して配置されることが保証される。したがって、気流に対して存在するドア及びそのアームの外形が最小限となるため、ドアが開くことによるエンクロージャの機能への影響を低減する。
【0034】
アルファポートはさらに、移送時の材料の進路をアルファポートからチャンバ内への導くためのシュートと関連してもよい。
【0035】
ベータポートはさらに、閉鎖形態において一旦ドアが開かれた後にポートと再び係合されるとき、ドアを永続的に係合させる手段を備えてもよい。
【0036】
保護部材は、好適には、その形態間を移動するように外部操作される。保護部材は、好適には、アイソレータ・バリア・チャンバの密閉ボリュームの外部、及び/又はベータポート、つまり第2ポートが移送容器、例えば移送容器の密閉ボリュームに接続される部分の外部で操作される。
【0037】
ドアの開閉は自動化されてもよい。
【0038】
このシステムは、高速移送ポート(Rapid Transfer port:RTP)システムに使用することができる。
【0039】
エンクロージャは、チャンバ、アイソレータチャンバ、アクセス制限バリア(Restrictive Access Barrier:RAB)、スクリーンなどのうちの任意の1つ又は複数を備えることができる。
【0040】
このシステム又は装置は、無菌の移送システム又は移送装置であってもよい。
【0041】
このシステムは、入口及び出口を有するエンクロージャチャンバを画定するハウジングを含むモジュールをさらに備えてもよい。入口はベータポートに接続可能であり、出口はエンクロージャに接続可能である。入口はアルファポートを含む。このモジュールによって、上述したようなアルファポートを有さないがモジュールの出口が接続可能な閉鎖可能な入口を有するエンクロージャ上で、システムを使用することが可能となる。
【0042】
ここで本発明は、単なる一例として、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、本発明におけるアセンブリの斜視図である。
図2図2は、本発明における拡張形態の保護部材の斜視図である。
図3図3は、本発明における格納形態の保護部材の斜視図である。
図4図4は、本発明におけるドアが取り外された状態のベータポートの斜視図である。
図5図5は、本発明におけるアルファポートの外観図である。
図6図6は、本発明におけるアルファポートの内観図である。
図7図7は、本発明における容器に取り付けられたベータポートの断面図である。
図8a図8a及び図8bは、本発明におけるドアを変位させた状態のアルファポート及びベータポートそれぞれの斜視図及び断面図であり、本構成におけるこれらのポートの斜視図である。
図8b図8a及び図8bは、本発明におけるドアを変位させた状態のアルファポート及びベータポートそれぞれの斜視図及び断面図であり、本構成におけるこれらのポートの斜視図である。
図9a図9a~図9cは、本発明におけるドアを変位及び回転させた状態のアルファポート及びベータポートそれぞれの2つの斜視図及び1つの断面図であり、本構成におけるこれらのポートの斜視図及び本構成におけるチャンバの内部図である。
図9b図9a~図9cは、本発明におけるドアを変位及び回転させた状態のアルファポート及びベータポートそれぞれの2つの斜視図及び1つの断面図であり、本構成におけるこれらのポートの斜視図及び本構成におけるチャンバの内部図である。
図9c図9a~図9cは、本発明におけるドアを変位及び回転させた状態のアルファポート及びベータポートそれぞれの2つの斜視図及び1つの断面図であり、本構成におけるこれらのポートの斜視図及び本構成におけるチャンバの内部図である。
図10a図10a及び図10bは、本発明におけるドアを変位及び回転させ、保護部材を展開させた状態のアルファポート及びベータポートのそれぞれの斜視図及び断面図であり、本構成におけるこれらのポートの斜視図及び本構成におけるチャンバの内部図である。
図10b図10a及び図10bは、本発明におけるドアを変位及び回転させ、保護部材を展開させた状態のアルファポート及びベータポートのそれぞれの斜視図及び断面図であり、本構成におけるこれらのポートの斜視図及び本構成におけるチャンバの内部図である。
図11図11は、ロックアウト機能を有するベータポートの斜視図である。
図12図12は、本発明における接続されたアルファポート及びベータポートの断面図であり、通過する材料の動き及び拡張形態で展開された保護部材を示している。
図13図13は、本発明の別の実施形態を示す。
図14図14のa~jは、図13の実施形態の様々な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
これらの図は、パッシブ・ベータ・ポート12とアクティブ・アルファ・ポート14とを有するアセンブリ10(図1)を示し、このパッシブ・ベータ・ポート及びアクティブ・アルファ・ポートは、互いに係合可能な補完形状を有する。
【0045】
パッシブ・ベータ・ポート12は環状開口を画定する環状フランジ16を有し、環状開口にはパッシブ・ポート・ドア18を解放可能に固着できる。パッシブ・ベータ・ポート12の先端には、環状フランジ16と反対側の端部に、2つのハンドル24を有する環状クランプ22が配置されている。
【0046】
環状リング16と環状クランプ22との間には、保護部材28(図2)のゲートル26が配置されている。保護部材は筒状体30を有し、筒状体30は、材料が通過できる漏斗を形成する。自由端32は、アルファポート14とベータポート12との間に形成されたポートを通過することができるように寸法決めされている。
【0047】
保護部材28の他端34は円形クランプフランジ36を備え、この円形クランプフランジ36は環状クランプ22と協働して、可撓壁を有する容器(図示せず)を円形クランプフランジ36と環状クランプ22との間に固着する。クランプフランジ36とポートフランジ16との間にはゲートル26が延在し、このゲートル26によって、筒状体30がフランジ16(図3)の近くまで、好ましくはわずかに越えて延在した格納形態と、筒状体30がフランジ16(図2)を大幅に越えて延在した拡張形態との間で保護部材28を移行させることができる。
【0048】
ゲートル26は可撓壁38を有し、この可撓壁38は、保護部材の格納形態において伸張されるときにフランジ36に近接する狭い部分40と、フランジ16に近接する、より広い部分42とを有する。可撓壁はウエスト44を有し、ゲートル26は、このウエスト44においてフランジ36からフランジ16に向かって広がる。
【0049】
ゲートル26は、いくつかの分離構成を有するように形成されている。ゲートル26の可撓壁38が環状の肉厚を有することで、保護部材28の格納形態から拡張形態への移行、及びその逆の移行が予め定められるように分離構成を決定するための手段を提供し、それによって筒状体がフランジ36を越えて所定の距離だけ延在し、ユーザに正のフィードバックを提供することで、保護部材が正しい位置に正常に展開されたことをユーザが確認することができる。可撓壁は、格納時の規定位置及び展開時の規定位置を提供する、2つの回旋形又はセグメントから構成される。壁38及び肉厚の可撓性により、安定した中間位置が設けられていないので、保護部材は中間位置に逆らって格納位置又は展開位置に付勢され、それによってユーザは、2つの形態のうち使用中の1つを確認することができる。これによりユーザは、材料をいつ移送すべきか、使用後にベータポートのポートドア18をいつ取り付けるべきかを決定することができる。
【0050】
図4は、パッシブドア18が取り外された状態のベータポート12を示す。パッシブドア18は中空の略円錐台形の本体を有し、この本体は円形の平らな端壁45と開放端46とを有し、この開放端46は4つのスロット47を有し、4つのスロット47は、タブ58を受けてドア18を選択的に適所に保持するように、環状フランジ16上の位置決めタブ58に対して相補的な形状を有し、周方向かつ等距離に配置される。
【0051】
端壁45の周囲には、アクティブポートのドア50に配置された保持溝49に対して相補的な形状を有する位置決めタブ48が、周方向にかつ等距離に配置される。
【0052】
図5は、閉鎖形態においてアルファ・ポート・ドア50によって閉鎖されたアルファポート14を示し、環状フランジ52と係合している。ポート14の一方の側には、係合時にアルファポート/ベータポートの開閉を作動させるアクチュエータ54がある。
【0053】
環状フランジ52は、その周囲に等距離に配置された4つの凹スロット56を有する。このスロットは、ベータポートの環状リング16の周囲に等距離に配置されたバヨネット位置決めタブ58の形状に対して相補的な形状を有している。
【0054】
使用時には、位置決めタブ58が、ベータポートをアルファポートに合わせて正しい配向で配置するのを補助する。図6は、アイソレータ・バリア・チャンバの内部からの、閉鎖形態におけるアルファ・ポート・ドア50を示す。ドア50には作動アーム62が動作可能に接続され、この作動アーム62は湾曲した外形を有し、その一端が伸縮可能な肩部64に固定され、開放形態においては、この肩部64もまた、アームをアルファポートから離れる方向に枢動させることができる。フランジ52の内面の下側周縁からは、材料を受け、それをチャンバの内壁68から離れるように導くシュート66が延在している。作動アーム62は、アルファ・ポート・ドアが閉じられたときにシュートとの間に間隙を設けるような、湾曲した外形を有している。回転軸はシュートの下側及び片側に位置して人間工学に基づいてドアを開放し、これは(1)ドアを開くために必要な回転角度が好ましくは90度以下であり、(2)ドアを開くため、又は閉じるために必要なトルクが人間工学的範囲内であり、(3)動作による弧は、ドアの重量によって、ドアが開いているときの安定した位置と、閉じているときの安定した位置を提供することを意味する。
【0055】
図7は、容器69に取り付けられたベータポートを示す。第1の形態では、アルファポートとベータポートとが接続し、フランジ16とフランジ52とが係合している。ドア18及び50は、依然として閉鎖形態にある。
【0056】
図8a及び図8bは、それぞれのフランジ16及び52が係合していないドア18及び50を示しており、ドア18及び50はチャンバの内部に向かって並進して変位している。
【0057】
図9aから図9cは、第3の形態におけるアルファポート及びベータポートを示している。ドア18及び50は互いに係合しており、アルファポートのドア50は各フランジ16及び52から係脱し、ベータ・ポート・ドア18は基端フランジ16の内面にある突起58から係脱している。作動アームは肩部64を中心として枢動し、ドア18及び50をアルファポート及びベータポートの経路外に回転させ、これによって、ベータポートを固着することができる容器の内部とチャンバとを接続する貫通孔が、アルファポートとベータポートとの間に形成される。保護部材28の筒状体30は、格納形態において視認することができる。
【0058】
図10a及び図10bは、アルファポート及びベータポート(図9a~図9c)の第3の形態を示すが、保護部材28がその拡張形態で展開されている。ゲートルの可撓壁は、保護部材がその拡張形態に移行できるように変形し、環状の肉厚によって提供される所定の位置がはっきりと視認できる。さらに、ここで筒状体30は、アルファポートとベータポートとの間の接合部を越えてチャンバ内へ、シュート66の上方へ延在する。ポート間の接合部に存在する可能性がある汚染物質による汚染を懸念することなく、ポートを通して材料を安全に移送することができるようになる。
【0059】
一旦材料が移送されると、プロセスを逆にしてポートのドアを閉め、アルファポートからベータポートを外す。
【0060】
図11は、ベータポート上のロックアウト機能を示しており、ベータポートが再使用されるのを防ぎ、無菌状態を維持する効果がある。ドア18がベータポートのフランジ16に再び係合されるとき、ロックアウト機能によってドアをフランジに永続的に固定し、容器及びそのポートの再開放及び再使用を防止することが保証される。ロックアウト機能は、基端パッシブフランジの内面にある逆止クリップ70を含み、逆止クリップ70はパッシブドア20及びパッシブフランジ16の突起及びスロットが回転してその開始位置に位置決めされることを防止し、それによって、移送が行われた後にパッシブドアがパッシブフランジから容易に外れないようになる。このロックアウト機能は、パッシブドアがパッシブフランジから最初に解放されるときに自動的に(他のユーザ操作に依存することなく)適用される。
【0061】
図12は、容器69からチャンバ内部への材料100の移送を示し、矢印は移動方向を示す。保護部材は、問題となるリングの上に展開して重なることで汚染を回避する。
【0062】
図13は、パッシブ・ベータ・ポート202とアクティブ・アルファ・ポート204とを有するアセンブリ200を示し、このパッシブ・ベータ・ポート及びアクティブ・アルファ・ポートは、互いに係合し上述した機能を有するように補完形状を有している。ポート202とポート204との間には移送モジュール206が存在し、この移送モジュール206はチャンバを備え、そのチャンバの一方の端部にアルファポートを有し、他方には従来のアイソレータチャンバ208等と接合するためのコネクタを有する。このモジュールの利点は、既存のシステムが、本発明に関連する利点からの利益を得られることである。
【0063】
移送モジュールとアイソレータチャンバとの間にはシュート210が延在し、このシュート210は展開形態において保護部材212に接続可能であり、それによって材料の通過が容易になる。
【0064】
図14a~図14jは、アセンブリ200の様々な形態を概略的に示し、アセンブリ200はアルファポート及びベータポートを開閉して、チャンバ内への材料の移動、ならびにアルファポートとベータポートが接続されるとき220のアルファポート及びベータポートの2つのドアの移動を容易にする。矢印は、使用時におけるシステムの様々な構成要素の移動方向を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b
図11
図12
図13
図14a
図14b
図14c
図14d
図14e
図14f
図14g
図14h
図14i
図14j