(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】支持ヘッドと、天井支持体と、そのような天井支持体を有する天井型枠
(51)【国際特許分類】
E04G 25/00 20060101AFI20220322BHJP
【FI】
E04G25/00 B
(21)【出願番号】P 2018526206
(86)(22)【出願日】2016-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2016079093
(87)【国際公開番号】W WO2017093231
(87)【国際公開日】2017-06-08
【審査請求日】2019-11-28
(31)【優先権主張番号】102015223773.7
(32)【優先日】2015-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508004465
【氏名又は名称】ペリ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ウェルナー
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00878595(EP,A1)
【文献】国際公開第2006/108495(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 9/00-19/00
E04G 25/00-25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井型枠(10)のための天井支持体(14)のための支持ヘッド(16、16a~16f)であって
、該天井支持体(14)が前記支持ヘッド(16、16a~16f)及び型枠支持体(18)を備え、前記支持ヘッド(16、16a~16f)が、
a)
接続領域(54)であって、前記支持ヘッド(16、16a~16f)が前記型枠支持体(18)に接続可能である
接続領域(54)と、
b)前記天井型枠(10)の型枠要素(12)
か、又は
前記天井型枠(10)の型枠要素(12)及び前記天井型枠(10)の梁(90)
かを支持するための支持面(22)と、
c)前記接続領域(54)から
離れるように突出するガイドタブ(26a~26d、30a~30d)であって、前記接続領域(54)から外向きに開く設計を有するガイドタブ(26a~26d、30a~30d)と、を備え、
前記支持ヘッド(16、16a~16f)の第1側面(24)上の第1ガイドタブ(26a~26d)が、前記第1側面(24)の反対に位置する前記支持ヘッド(16、16a~16f)の第2側面(28)上の第2ガイドタブ(30a~30d)よりも広く開いた設計を有することを特徴とする、支持ヘッド(16、16a~16f)であって、
当該第1ガイドタブ(26a~26d)が第1ガイドタブペア(32)と第2ガイドタブペア(34)の形態で配置され、第2ガイドタブ(30a~30d)が第3ガイドタブペア(36)と第4ガイドタブペア(38)の形態で配置され、
前記第1ガイドタブペア(32)が前記第3ガイドタブペア(36)とともに第1チャネルガイド(46)を画定し、前記第2ガイドタブペア(34)が前記第4ガイドタブペア(38)とともに第2チャネルガイド(48)を画定し、型枠要素(12)の平らで継続的な枠セクションが、前記支持ヘッド(16、16a~16f)と表面接触するよう、前記第1チャネルガイド(46)又は前記第2チャネルガイド(48)内に選択的に導入可能である、支持ヘッド(16、16a~16f)。
【請求項2】
前記ガイドタブ(26a~26d、30a~30d)がそれぞれ、前記支持面(22)に垂直に、型枠要素(12)の後ろから部分的に係合するための少なくとも1つの突出部(31a~31h)を有する、請求項1に記載の支持ヘッド。
【請求項3】
前記支持ヘッド(16、16a~16f)は、前記第1ガイドタブペア(32)と前記第3ガイドタブペア(36)との間に第1スペーサタブペア(42)を有し、前記第2ガイドタブペア(34)と前記第4ガイドタブペア(38)との間に第2スペーサタブペア(44)を有し、
前記第1ガイドタブ(26a~26d)と
前記第1スペーサタブペア
及び第2スペーサタブペア(42、44)との間の
スペースが第3チャネルガイド(50)を画定し、
前記第2ガイドタブ(30a~30d)と前記第1スペーサタブペア
及び第2スペーサタブペア(42、44)との間の
スペースが第4チャネルガイド(52)を画定し、
型枠要素(12)の平らで継続的な枠セクションが、前記支持ヘッド(16、16a~16f)と表面接触するよう、前記第3チャネルガイド(50)及び前記第4チャネルガイド(52)内に導入可能である、請求項1又は2に記載の支持ヘッド。
【請求項4】
型枠要素(12)の平らで継続的な枠セクションが、前記第1チャネルガイド(46)、前記第2チャネルガイド(48)、前記第3チャネルガイド(50)、又は前記第4チャネルガイド(52)内へ選択的に導入可能であり、それぞれにおいて前記支持面(22)から同一の垂直距離で導入可能である、請求項3に記載の支持ヘッド。
【請求項5】
互いに対して長手方向配向に90度回転された、少なくとも2つの型枠要素(12)が、
チャネルガイド(46、48、50、52)内へ導入可能である、請求項1~4のうちの1項に記載の支持ヘッド。
【請求項6】
前記梁(90)を中心で支持するために、前記支持ヘッド(16、16a~16f)が、
第1スペーサタブペア
及び第2スペーサタブペア(42、44)の間に導入された梁(90)を前記第1チャネルガイド(46)、前記第2チャネルガイド(48)、
第3チャネルガイド(50)、又は
第4チャネルガイド(52)内に導入された型枠要素(12)よりも支持面(22)から離すようにして前記梁(90)を支持する少なくとも1つのスペーサ突出部(89)を
前記第1スペーサタブペア(42)と
前記第2スペーサタブペア(44)との間に有する、請求項
3~5のうちのいずれか1項に記載の支持ヘッド。
【請求項7】
前記支持ヘッド(16、16a~16f)が、前記天井型枠(10)の梁(90)を部分的に受容するため、前記第1ガイドタブペア(32)と前記第2ガイドタブペア(34)との間に第1梁挿入領域(56)を有し、前記第1梁挿入領域(56)が前記梁(90)の傾斜安定性のため、横ガイド(58a、58b)を有し、前記支持ヘッド(16、16a~16f)が前記天井型枠(10)の梁(90)を部分的に受容するため、前記第3ガイドタブペア(36)と前記第4ガイドタブペア(38)との間に第2梁挿入領域(60)を有し、前記第2梁挿入領域(60)が前記梁(90)の傾斜安定性のため、横ガイド(62a、62b)を有する、請求項1~6のうちの1項に記載の支持ヘッド。
【請求項8】
前記接続領域(54)が、前記型枠支持体(18)の接続プレート(74)をバヨネット接続を介して締結するためのバヨネットレセプタクル(80)を有する、請求項1~7のうちの1項に記載の支持ヘッド。
【請求項9】
前記バヨネットレセプタクル(80)が、前記接続プレート(74)のねじれ防止の保護のための機構を有する、請求項8に記載の支持ヘッド。
【請求項10】
請求項1~9のうちのいずれか1項に記載の支持ヘッド(16、16a~16f)と、前記支持ヘッド(16、16a~16f)
に対して取り付けられる型枠支持体(18)とを有する、天井支持体(14)。
【請求項11】
請求項10に記載の天井支持体(14)と、前記天井支持体(14)上に位置する型枠要素(12)と、及び/又は、前記天井支持体(14)上に位置する梁(90)とを有する、天井型枠(10)。
【請求項12】
請求項7に記載の支持ヘッドを共に用いるものであって、前記梁(90)がその2つの長手方向端部のそれぞれで曲げられたフィンガの形態でフック(92)を有し、第1フック(92)が前記第1梁挿入領域(56)に挿入される、請求項11に記載の天井型枠。
【請求項13】
複数の型枠要素(12)で構成されている型枠表面
を含めて請求項11又は12のうちの1つに記載の天井型枠(10)を
建てる方法であって、前記天井型枠(10)を
建てるため、請求項12に記載の少なくとも2つの天井支持体(14)であって、これら天井支持体(14)のうちの第1の天井支持体(14)は、型枠シェル(66)が上から見て少なくとも実質的に完全に前記支持ヘッド(16、16a)を覆うようにして当該型枠表面の角部において型枠表面を支持し、また第2の天井支持体(14)は、前記型枠シェル(66)がせいぜい前記接続領域(54)の中心まで前記支持ヘッド(16、16c~f)を覆うようにして当該型枠表面の縁部か又は前記角部の1つにおいて前記型枠表面を支持するものである、当該少なくとも2つの天井支持体(14)が使用される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井型枠のための天井支持体の支持ヘッドに関し、支持ヘッドは、
a)支持ヘッドが型枠支持体に接続可能であるか、又は、型枠支持体に接続される接続領域と、
b)天井型枠の型枠要素及び/又は天井型枠の梁を支持する支持面と、
c)接続領域から突出するガイドタブで、接続領域から外向きに開く設計を有するガイドタブと、を備える。
【0002】
本発明はさらに、そのような支持ヘッドを有する天井支持体と、そのような天井支持体を有する天井型枠に関する。
【背景技術】
【0003】
コンクリートの天井を制作するのに型枠要素を使用することは既知である。特に、液体コンクリートを満たす型を少なくとも部分的に形成する枠パネル型枠要素が使用される。型枠要素は、コンクリートが固まった後、取り除かれる。
【0004】
型枠要素は、天井支持体によって支持される。型枠要素が天井支持体によって支持される特定の位置に応じて、様々な天井支持体、又は、様々な支持ヘッドを有する天井支持体が使用される。一方、捕捉領域の広い天井支持体が使用され、型枠要素がその捕捉領域で下から容易に取り付けられ得る。一方、小型の天井支持体を使用することにより、天井支持体を壁又は壁の角部近くに設置することが可能になり、型枠要素を壁に対して面一に、又は、壁の角部に配置できるようにする。
【0005】
従って、本発明の目的は、支持ヘッドと、天井支持体と、そのような天井支持体を有する天井型枠とを提供することであり、その支持ヘッドが共通して使用可能であることが好ましい。本発明のさらなる目的は、そのような天井型枠を建てる方法を提供することである。
【0006】
本目的は、請求項1の特徴を有する支持ヘッドと、請求項12の特徴を有する天井支持体と、請求項13の特徴を有する天井型枠によって本発明において達成される。さらに、本目的は、請求項15における方法によって達成される。従属クレームは有利な改良を明らかにする。
【0007】
よって、本発明における目的は、支持ヘッドによって達成される。支持ヘッドは、支持ヘッドが型枠支持体に固定可能な接続領域を有する。支持ヘッドはまた、支持面を有する。支持面は、支持プレートの表面の形態で設計されるのが好ましい。ガイドタブは、支持ヘッドの2つの対向する側面において接続領域から突出する。ガイドタブは、型枠要素を支持ヘッド上に正確に配置するための捕捉領域となる。支持ヘッドの第1側面の第1ガイドタブは、支持ヘッドの第2側面の第2ガイドタブよりも広い捕捉領域を形成する。第1ガイドタブの端部は接続領域から、第2ガイドタブの端部よりも、さらに突出しているのが好ましい。
【0008】
よって、支持ヘッドは、接続領域にわたる支持面に垂直に延在する面に対して非対称である。
【0009】
第2側面は、開きがより少ない第2ガイドタブを有するが、その第2側面によって支持ヘッドを壁の角部に十分近づけて位置し得るため、支持ヘッドに接続される型枠要素を壁の角部に対して面一に置くことができる。さらに、第2ガイドタブが広く開いているという事実により、型枠要素が第2側面に容易に固定され得る。よって、取付ける状況が異なるからといって、異なる支持ヘッドを設ける必要がない。
【0010】
型枠要素は、支持ヘッドのガイドタブに枢支され、次いで床から旋回され得る。
【0011】
第1ガイドタブは、接続領域から、より広く開かれた、すなわち、第2ガイドタブよりも径方向に、より離間した設計を有するのが好ましい。第1ガイドタブ及び第2ガイドタブは、支持面の挿入開口部、特に支持プレートの挿入開口部の横ガイドを形成することが好ましい。
【0012】
ガイドタブはそれぞれ、型枠要素が支持面に対して垂直に持ち上げられるのを防ぎ、型枠要素をしっかりと固定するのを可能にするため、型枠要素を後ろから係合するための少なくとも1つの突出部を有するのが好ましい。
【0013】
第1ガイドタブは、第1ガイドタブペア及び第2ガイドタブペアの形態で設計されるのが好ましく、第2ガイドタブは、第3ガイドタブペア及び第4ガイドタブペアの形態で設計されるのが好ましい。
【0014】
型枠要素を長手方向の中心で支持できるよう、第1ガイドタブペアは、第3ガイドタブペアとともに、第1チャネルガイドを形成するのが好ましく、第2ガイドタブペアは、第4ガイドタブペアとともに、第2チャネルガイドを形成するのが好ましい。型枠要素の枠セクションは、2つのチャネルガイドで選択的に受容可能である。
【0015】
支持ヘッドは、第1ガイドタブと第2ガイドタブとの間に、少なくとも1つのスペーサタブ、特に1つの第1スペーサタブペアを有し得る。スペーサタブは、第1ガイドタブとともに、第3チャネルガイドを画定するのが好ましく、第2ガイドタブとともに、第4チャネルガイドを画定するのが好ましい。よって、支持ヘッドは、型枠要素を長手側の中心で支持するよう、型枠要素の枠セクションを第3チャネルガイド又は第4チャネルガイドで選択的に受容し得る。
【0016】
第1チャネルガイド、第2チャネルガイド、第3チャネルガイド、第4チャネルガイドは、同一の幅を有することが好ましい。第2チャネルガイドは、第4チャネルガイドが第3チャネルガイドから離間する距離と同じ距離だけ、第1チャネルガイドから離間するのが好ましい。よって、型枠要素を中心で支持するのに使用されるよう、支持ヘッドは、支持面に対して垂直に延在する回転軸に対して90度だけ回転され得る。支持ヘッドの本実施形態はまた、様々な配向を有する型枠要素の受容が可能である、すなわち、支持ヘッドで隣接して支持される2つの型枠要素の、より長い側は、互いに対して90度だけ回転され得る。支持ヘッドの本実施形態はまた、様々な配向を有する型枠要素の受容が可能である、すなわち、支持ヘッドで隣接して支持される2つの型枠要素の、より長い側は、互いに対して90度だけ回転され得る。
【0017】
支持ヘッドは、スペーサタブの間に、1つのスペーサ突出部又は複数のスペーサ突出部を有し得る。1つのスペーサ突出部又は複数のスペーサ突出部は、1つのスペーサ突出部又は複数のスペーサ突出部に配置される梁が、支持面から離間するのを可能にする。その結果梁は、支持ヘッドの、離間したガイドタブと衝突しない。スペーサ突出部は、少なくともガイドタブと同じくらい遠くに、支持面に対して垂直に、支持面から突出し得る。
【発明の概要】
【0018】
本発明のある特定の好ましい実施形態では、支持ヘッドは、梁を部分的に受容可能な、少なくとも1つの第1梁挿入領域を有する。第1梁挿入領域は、梁の傾斜安定性のため、横ガイドを有するのが好ましく、第1梁挿入領域に固定される梁は、事故のリスクなしに、通行され(walked on )得る。横ガイドは、タブの形態で設計され得る。支持ヘッドはまた、特に梁の傾斜安定性のため横ガイドを有する、第2梁挿入領域を有し得る。横ガイドは、タブの形態で設計され得る。第1梁挿入領域及び/又は第2梁挿入領域は、支持面において貫通凹部の形態で設計されるのが好ましい。第1梁挿入領域は、第1ガイドタブペアと第2ガイドタブペアとの間に設けられ得、第2梁挿入領域は、第3ガイドタブペアと第4ガイドタブペアとの間に設けられ得る。
【0019】
本発明の別の好ましい実施形態では、接続領域はバヨネットレセプタクルを有し、型枠支持体がバヨネット接続によって締結されるのを可能にする。
【0020】
バヨネット接続が不意に開口するのを防止するため、バヨネットレセプタクルは、特にねじロック機構、ディテントロック機構、ウェッジロック機構、及び/又は、ばね負荷ロック機構の形態で、ねじり防止の保護を有し得る。
【0021】
本発明における目的は、天井支持体によって達成され、その天井支持体は上述の支持ヘッドに加え、支持ヘッド上に位置する型枠支持体を有する。型枠支持体は、バヨネット接続を介して支持ヘッドに接続され得る。
【0022】
本発明はさらに、上述の天井支持体を有する天井型枠に関する。
【0023】
天井型枠は、天井支持体上に位置する型枠要素を有することが好ましい。
【0024】
型枠要素は少なくとも1つの接続突出部を有し、その後ろからガイドタブが係合し得る。あるいは、又は、さらに、2つの接続突出部が第1スペーサタブに対して両側に置かれ得る。
【0025】
天井型枠は梁を有し得る。梁は、その2つの長手方向端部のそれぞれにおいて曲げられたフィンガ(curved finger)の形態でフックを有し得、第1フックの一部は第1梁挿入領域内に挿入される。第1フックは、梁の長手方向軸に対して斜めに延在するインテリアベベルを有するのが好ましい。よって、第1フックは、隙間嵌合(clearance fit)されて支持ヘッドに固定され得、固定された状態の梁は、支持ヘッドの中心に向うその重さの力(weight force)によって引かれる。隙間嵌合により、梁は下からセットされた天井支持体上に固定可能である。2つのフックは、互いに対して左右対称の設計(mirror-image design)を有するのが好ましい。
【0026】
目的はさらに、前述した天井型枠を建てる方法によって達成される。天井型枠は、複数の型枠要素から成る型枠表面を有する。天井型枠を建てるため、少なくとも2つの天井支持体が使用され得、これらの天井支持体の1つ目が型枠表面の角部で型枠表面を支持し、2つ目の天井支持体が縁及び角部から離間した型枠表面の中心領域で型枠表面を支持し、特に第3天井支持体がその縁で型枠表面を支持し、その第3天井支持体は、型枠シェルが支持ヘッドを、少なくとも実質的には完全に、又は、せいぜい接続領域の中心までを覆う方法で、その縁部で型枠表面を支持する。よって、本発明では、同一の天井支持体を使用して型枠表面のすべての領域を支持することが提案されている。
【0027】
本発明のさらなる特徴や利点が、本発明のいくつかの例示的実施形態の以下の説明から、特許請求項から、及び、図面の図から明らかになり、それらは本発明に必要な詳細を示す。
【0028】
図面に示された特徴は、本発明における特別な特徴が明確に明らかにされ得る方法で図示される。様々な特徴は、1つずつ、又は任意の組み合わせでまとめて、本発明の変形で実装され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、支持ヘッドを有する天井支持体とともに、天井型枠の斜視図を示す。
【
図4】
図4は、天井型枠の型枠要素の斜視図を示す。
【
図5】
図5は、複数の支持ヘッドを有する天井型枠の頂面断面図を示す。
【
図10】
図10は、据え付けられる前の、天井支持体を、支持ヘッドと型枠支持体とともに底面斜視図で示す。
【
図13】
図13は、天井支持体と、天井支持体上に固定されることになる梁の部分的切欠側面図を示す。
【
図14】
図14は、梁が天井支持体上に固定された状態の、
図12における天井支持体の部分的切欠側面図を示す。
【
図15】
図15は、梁が持ち上げられた状態の、
図13における天井支持体の部分的切欠側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、4つの型枠要素12を備える天井型枠10と、天井支持体14と示す。天井支持体14は、型枠支持体18に接続された支持ヘッド16を有する。本例では、型枠要素12がそれぞれ、それらの角部で支持ヘッド16上に置かれる。
【0031】
図2は、支持ヘッド16を単独で示す。支持ヘッド16は、部分的に切断されて形状付けられ、部分的に曲げられた板金から形成される。支持ヘッド16は 支持プレート20を有し、その支持プレート20の上面は、支持ヘッド16が固定された状態では、支持面22を形成する。第1ガイドタブ26a~26dは、第1側面24上の支持プレート20上に設けられる。第2ガイドタブ30a~30dは、第1側面24の反対に位置する第2側面28上に設けられる。第1ガイドタブ26a~26dは、第2ガイドタブ30a~30dよりもさらに広がっている。よって、第2側面28よりも第1側面24のほうが、遠くから型枠要素12(
図1参照)を締結するのがより容易である。
【0032】
図2より、ガイドタブ26a~26d及び30a~30dは、いずれの場合も突出部31a~31hを有し、それによって支持ヘッド16が型枠要素12に後方から係合することを可能にすることが明らかである。
【0033】
図3は、
図2における支持ヘッド16を頂面図で示す。
図3より、第1ガイドタブ26a~26dは、第1ガイドタブペア32と第2ガイドタブペア34とを形成することが明らかである。第2ガイドタブ30a~30dは、第3ガイドタブペア36と第4ガイドタブペア38とを形成する。支持ヘッド16は、第1ガイドタブ26a~26dと第2ガイドタブ30a~30dとの間にスペーサタブ40a~40dを有する。スペーサタブ40a及び40bは第1スペーサタブペア42を形成し、スペーサタブ40c及び40dは、第2スペーサタブペア44を形成する。
【0034】
第1ガイドタブペア32は、第3ガイドタブペア36及び第1スペーサタブペア42とともに、第1チャネルガイド46を画定する。第2ガイドタブペア34は、第4ガイドタブペア38及び第2スペーサタブペア44とともに、第2チャネルガイド48を画定する。さらに、第1ガイドタブペア32と第1スペーサタブペア42との間のスペース、及び、第2ガイドタブペア34と第2スペーサタブペア44との間のスペースは、第3チャネルガイド50を画定する。最後に、第3ガイドタブペア36と第1スペーサタブペア42との間のスペース、及び、第4ガイドタブペア38と第2スペーサタブペア44との間のスペースは、第4チャネルガイド52を画定する。チャネルガイド46、48、50、52は、型枠要素12(
図1参照)を受ける枠セクションの選択肢を形成する。チャネルガイド46、48、50、52によって正方形が定められる(delimit a square)のが好ましい。チャネルガイド46、48、50、52は、支持ヘッド16の接続領域54に対して中心に設けられるのがさらに好ましい。
よって、支持ヘッド16は、
図1に示す位置、又は、支持面22で90度回転した位置において、型枠要素12上に位置し得る。
【0035】
横ガイド58a及び58bをタブの形態で有する第1梁挿入領域56は、支持プレート20において、第1ガイドタブペア32と第2ガイドタブペア34との間に設けられる。さらに、横ガイド62a及び62bをタブの形態で有する第2梁挿入領域60は、支持プレート20において、第3ガイドタブペア36と第4ガイドタブペア38との間に設けられる。梁90は、耐傾斜の方法で、梁挿入領域56及び60に締結可能である(
図13から
図15参照)。
【0036】
図4は、型枠要素12の図を示す。
図4より、型枠要素12は接続突出部を有し、明瞭化のため、そのうちの接続突出部64a~64hのみに参照番号が設けられることが明らかである。接続突出部64a~64hは、型枠要素12上で支持ヘッド16(
図1参照)又は支持ヘッド16a~16f(
図5参照)を精密に嵌合した状態で配置するために使用される。
【0037】
型枠要素12は、型枠シェル66の面において外側当接面68a~68dを有し、固定された状態で壁部(図示なし)を当接するか、又は、同一型枠要素12が複数ある場合は、面一で互いを当接する。
【0038】
図5は、
図4における型枠要素12の支持ヘッド16a~16fを示す。支持ヘッド16aは、型枠要素12によって最大まで覆われている。当接面68a及び68bは、
図5では見えないが(
図4参照)、支持ヘッド16aの最も遠くに突出した部分と面一である。このようにして、支持ヘッド16aと型枠要素12は、壁の角部(図示なし)において面一に位置し得る。
【0039】
一方、型枠要素12は、支持ヘッド16c、16d、16f上では部分的に支持されるのみであるため、さらに別の型枠要素12(
図1参照、
図5には図示なし)が支持ヘッド16c、16d、16fに取付けられ得る。
【0040】
支持ヘッド16b及び16eは、非常に重い屋根をコンクリートで固められるよう、型枠要素12を中心で支持するのに使用される。支持ヘッド16bは型枠要素12を超えて突出しないため、型枠要素12は、壁部上に直接、又は、壁部に平行に、配置され得る。さらに別の型枠要素12(
図5には図示なし)が、支持ヘッド16eに取付けられ得る。
【0041】
図6は、
図5のAの拡大詳細図を示す。
図6より、型枠要素12が第1チャネルガイド46内及び第4チャネルガイド52内に配置されることが明らかである。接続突出部64b及び64cによって、支持ヘッド16aに確実に型枠要素12を正確に配置させる。接続突出部64a~64cは、型枠要素12の、角度がついた板金の一部であることが好ましい。
【0042】
図7は、
図5のBの拡大詳細図を示す。
図7より、型枠要素12が支持ヘッド16b上の第1チャネルガイド46内で保持されることが明らかである。型枠要素12は、スペーサタブ40bに置かれる接続突出部64d及び64eによって配置される。よって、型枠要素12は、型枠要素12の長手方向軸70の方向に、支持ヘッド16bに対して固定される。接続突出部64d及び64eは、型枠要素12の板金帯板の一部であることが好ましい。
【0043】
図8は、
図5のCの拡大詳細図を示す。
図8より、型枠要素12は、第1チャネルガイド46内及び第4チャネルガイド52内に配置されていることが明らかである。接続突出部64gは、第2ガイドタブ30bによって後ろから係合されるため、支持ヘッド16cは、ずれないように保護がなされた状態で型枠要素12にしっかりと締結される。
【0044】
図9は、支持ヘッド16の底面斜視図を示す。支持ヘッド16は、接続領域54を具備する。支持ヘッド16は、接続領域54内に管72を有する。
【0045】
図10は、
図1における天井支持体14の、固定中の天井支持体14を示す。天井支持体14は、支持ヘッド16と型枠支持体18とを有する。管72(
図9参照)は、型枠支持体18内に、少なくとも部分的に、特に完全に、挿入される。型枠支持体18は、接続プレート74を有する。接続プレート74は、型枠支持体18の長手方向軸76を中心に回転した後、支持ヘッドの接続タブ78a~78d内へ部分的に挿入可能である。接続領域54(
図9参照)は、接続タブ78a~78dによって、バヨネットレセプタクル80を形成する。
【0046】
図11は、固定された状態の天井支持体14を示す。バヨネットレセプタクル80内での接続プレート74のねじれ防止の保護のため、天井支持体14は、型枠支持体18と支持ヘッド16との間に少なくとも1つのねじ接続部82a及び82bを有する。少なくとも1つの接続タブ78a~78dは、本事例では接続タブ78a及び78cであるが、ねじナットをロックするための凹部を有することが好ましく、凹部は本事例では凹部84a及び84bであり、ねじナットは本事例では、ねじナット86a及び86bである。そのため、ねじナット86a及び86bは、ねじ接続部82a及び82bが設けられるときには、確保されていなくてもよい。
【0047】
図12は、
図11における天井支持体14を頂面図で示す。
図12より、支持ヘッド16は、ねじ接続部82a及び82bのねじを配置するため、支持プレート20内に貫通凹部88a~88dを有することが明らかである。
【0048】
梁90の中心位置において梁90を降ろすため(
図13~
図15参照)、すなわち、梁90を長手方向の側端から離れてさらに支持するため、スペーサ突出部89が支持ヘッド16上に設けられる。スペーサ突出部89は、管72(
図9参照)の一部であることが好ましい。スペーサ突出部89は、スペーサタブペア42と44との間に位置する。
【0049】
図13は、支持ヘッド16と、支持ヘッド16上に位置することになる梁90とを示す。梁90は、曲げられたフィンガの形態で第1フック92を有する。第1フック92は、その端部が梁90から突出した状態で、第1梁挿入領域56内に挿入される。
【0050】
図14は、梁90が支持ヘッド16上に完全に位置した状態の支持ヘッド16を示す。梁90は、支持プレート20上で支持される。
【0051】
図15は、梁90が垂直にリフトされた状態の支持ヘッド16を示す。
図15より、第1フック92は、梁90の長手方向軸96に対して傾斜しているインテリアべベル94を有することが明らかである。べベル94は、固定された状態の梁90が、支持ヘッド16の中心に向かう、その梁90の重さの力(weight force)によって引かれるように設計される。よって、梁90は、隙間嵌合された状態で支持ヘッド16上に固定され得、その結果、梁90が固定された状態で支持ヘッド16に対する梁90の着座が画定される。
【0052】
図16は、複数の天井型枠10を示す。天井型枠10は、複数の同一型枠要素12と複数の同一支持ヘッド16を有し、支持ヘッド16は、概略的にのみ図示される。さらに、明瞭化のため、支持ヘッド16のうちのいくつかのみに参照番号が設けられる。
図16は、とりわけ、1つの型枠要素のみが支持ヘッド16 (矢印a参照)上に置かれている状況を図示する。支持ヘッド16は係合されている(
図5における支持ヘッド16a参照)ため、型枠要素12は壁部98に対して面一に置かれ得る。支持ヘッド16は、異なる配向を有する型枠要素12を受けるよう設計される。隣接して位置する型枠要素12は、支持ヘッド16上で互いに対して90度だけ回転(矢印b参照)され得る。
【0053】
図面の全ての図の概要において考慮すると、本発明は、支持ヘッド16、16a~16f及び天井支持体14に関する。支持ヘッド16、16a~16fは特に、プレート形状の設計を有し、複数のガイドタブ26a~26d及び30a~30dを有する。ガイドタブ26a~26d及び30a~30dは、様々な位置で型枠要素12がずれるのを防止するよう、支持ヘッド16、16a~16f上に置かれ得るように配置されるか又は設けられるのが好ましい。支持ヘッド16、16a~16fは、開きの幅がより少ないガイドタブ30a~30dの反対に位置する、広く開かれた第1ガイドタブ26a~26dを有する。このように支持ヘッド16、16a~16fが非対称であることによって、支持ヘッド16、16a~16fは、型枠要素12が同時に容易に締結され得る一方で、壁の角部近くに位置することが可能になる。支持ヘッド16、16a~16fは、ガイドタブ26a~26d及び30a~30dに加え、横ガイド58a、58b、62a、62bを、特に横ガイドタブの形態で有する、少なくとも1つの梁挿入領域56及び60を有することが好ましい。ガイドタブ26a~26d及び30a~30d、及び/又は、梁挿入領域56及び60は、支持プレート20上に配置されるか又は設けられるのが好ましく、支持ヘッド16、16a~16fの接続領域54から向きをそらした支持プレート20の頂面が、支持面22を形成する。本発明はさらに、支持ヘッド16、16a~16f、型枠要素12、及び/又は梁90などを備える天井型枠10に関する。天井型枠10を建てるため、第1端を有する型枠要素12は、型枠支持体18に締結される2つの支持ヘッド16、16a、16dの第1ガイドタブ26a~26dの間で、下から留められるのが好ましい。続いて、型枠支持体18に締結されるさらに2つの支持ヘッド16、16c、16fが、第2ガイドタブ30a~30dによって、型枠要素12に固定される。続いて、型枠要素12は旋回され、さらに旋回した状態で、天井支持体14によって保持され得る。