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特許7043487液体収納ケース及びそれを具備する知能掃除装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】液体収納ケース及びそれを具備する知能掃除装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 11/24 20060101AFI20220322BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20220322BHJP
   A47L 11/34 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
A47L11/24
A47L9/28 E
A47L11/34
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019510331
(86)(22)【出願日】2017-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-05
(86)【国際出願番号】 CN2017113998
(87)【国際公開番号】W WO2018137407
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2019-02-14
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】201710061574.3
(32)【優先日】2017-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321000174
【氏名又は名称】深▲せん▼洛克時代科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ シン
(72)【発明者】
【氏名】ポン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ル ユウツン
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】塩澤 正和
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第8898844(US,B1)
【文献】実開平4-36958(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0231056(US,A1)
【文献】特開2016-107094(JP,A)
【文献】中国実用新案第204813712(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 11/24
A47L 9/28
A47L 11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
知能掃除装置に用いられる液体収納ケースであって、収納部ケースを含み、前記収納部ケースには出水口(321)が形成され、前記出水口(321)は前記収納部ケース内の液体収納空間と連通し、前記出水口(321)には前記出水口(321)の出水速度を制御する出水制御ノズル(34)が設置されており、前記出水制御ノズル(34)は、筒状のノズルフレーム(341)と柱状のノズルコア(342)を含み、前記ノズルフレーム(341)は前記出水口(321)内に着脱可能に取り付けられ、前記ノズルフレーム(341)の周壁の内周側には前記ノズルフレーム(341)を貫通する収納孔が形成され、柱状の前記ノズルコア(342)は、着脱可能に前記ノズルフレーム(341)の前記収納孔内に挿入されることにより前記出水口(321)は詰められ、前記液体収納ケース内の液体をノズルコア(342)への浸透によって流出させ、
筒状の前記ノズルフレーム(341)には、前記収納孔と前記液体収納空間とを連通する入水孔(341a)が形成され
前記入水孔(341a)は、前記ノズルフレーム(341)の周面に沿って間隔を空けて形成される、ことを特徴とする液体収納ケース。
【請求項2】
前記出水制御ノズル(34)は当接密閉スペーサー(343)を更に含み、前記当接密閉スペーサー(343)は前記ノズルフレーム(341)の一端に取り付けられ
前記収納部ケースには凹槽が形成され、前記凹槽は前記出水口(321)の外周に形成され、前記当接密閉スペーサー(343)は凹槽内に位置することを特徴とする請求項1に記載の液体収納ケース。
【請求項3】
前記入水孔(341a)は、前記ノズルフレーム(341)の前記周壁を貫通して前記収納孔と前記液体収納空間とを連通することにより、前記液体収納空間に収納される液体が前記入水孔(341a)を通じて前記ノズルコア(342)の外周面に入り込むことを特徴とする請求項1に記載の液体収納ケース。
【請求項4】
前記液体収納ケースはクロスカントリー補助ローラー(322)を更に含み、前記クロスカントリー補助ローラー(322)は前記収納部ケースに回転可能に設置されることを特徴とする請求項1に記載の液体収納ケース。
【請求項5】
前記クロスカントリー補助ローラー(322)はその所在位置の前記収納部ケースの表面から突出していることを特徴とする請求項に記載の液体収納ケース。
【請求項6】
知能掃除装置であって、装置本体(1)と掃除システムを含み、
前記掃除システムは前記装置本体(1)に設置され、前記掃除システムは前記装置本体(1)に着脱可能に設置された第一掃除部(2)を含み、前記第一掃除部(2)を前記装置本体(1)に取り付けるか或いは前記装置本体(1)から取り外すとき、前記第一掃除部(2)は前記装置本体(1)の前進方向または後退方向に沿って移動し、前記第一掃除部(2)は液体収納ケース(3)を含み、前記液体収納ケース(3)は請求項4または5に記載の液体収納ケースであり、前記第一掃除部(2)は掃除雑巾(4)を更に含み、前記掃除雑巾(4)は前記液体収納ケースにおける前記クロスカントリー補助ローラー(322)が取り付けられている一側に設置され、前記掃除雑巾(4)には開口が形成され、前記クロスカントリー補助ローラー(322)は前記開口を通過して掃除待ち地面と接触することを特徴とする知能掃除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機の分野に属し、特に、液体収納ケースおよびそれを具備する知能掃除装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、いろいろな自動掃除機が現れている。例えば、自動掃除ロボット(automatic sweeping robot)、自動モップロボット(automatic mopping robot)等である。自動掃除機は掃除作業を自動に実施することができるので、使用者に便利をもたらす。自動掃除ロボットを例とする場合、スクレイピング(scraping)を直接すること、真空で埃を吸収すること等の技術により掃除待ち区域を自動に掃除することができる。スクレイピング作業は自動掃除機の底部に取付けられたドクターブレード(doctor blade)と回転ブラシにより実施することができる。
【0003】
地面拭き機能を具備する自動掃除ロボットにより地面を拭くとき、地面を拭くことに必要とする水を供給するために、自動掃除ロボットに水タンクを設置することを必要とする。従来の自動掃除ロボットの水タンクはロボット本体の底部に位置し且つロボットに連結されている。通常、水タンクを取り付けるか又は取り外すとき、ロボットの底部が上に向かうようにロボットを覆すことを必要として、それから水タンクを取付けるか或いは取り外す。このように水タンクを取付けるか或いは取り外す場合、ロボットを覆すことを必要とするので、ロボットの上部がぶつかるか或いは損傷され易く、さらにロボットの上部に取付けられたセンサーが損傷され易く、大きい経済損失をもたらすおそれがある。また、水タンクに水漏れが発生すると、水タンクを取付けるか或いは取り外す場合、漏れた水がロボット底部の隙間からロボットの内部に流入して、内部回路と部品の破損を招く、修理不可能な状態になるおそれがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例において、液体収納ケース及びそれを具備する知能掃除装置を提供することにより、従来の自動掃除ロボットの水タンクの出水効果がよくない問題を解決する。
【0005】
前記目的を実現するために、本発明の実施例において液体収納ケースを提供する。液体収納ケースは収納部ケースを含み、収納部ケースには出水口が形成され、出水口は収納部ケース内の液体収納空間と連通し、出水口には出水口の出水速度を制御する出水制御ノズルが設置されている。
【0006】
好ましくは、出水制御ノズルはノズルコアを含み、ノズルコアが出水口内に挿入されることにより出水口は詰められる。
【0007】
好ましくは、出水制御ノズルはノズルフレームとノズルコアを含み、ノズルフレームは出水口内に着脱可能に取り付けられ、ノズルフレーム上にはノズルフレームを貫通する収納孔が形成され、ノズルコアは収納孔内に収納される。
【0008】
好ましくは、出水制御ノズルは当接密閉スペーサーを更に含み、当接密閉スペーサーはノズルフレームの一端に取り付けられる。
【0009】
好ましくは、収納部ケースには凹槽が形成され、凹槽は出水口の外周に形成され、当接密閉スペーサーは凹槽内に位置する。
【0010】
好ましくは、ノズルフレーム上には入水孔が形成され、入水孔は収納孔及び液体収納空間と連通している。
【0011】
好ましくは、入水孔はノズルフレームに形成され、且つノズルフレームの周面に沿って間隔を置いて形成されている。
【0012】
好ましくは、液体収納ケースはクロスカントリー補助ローラーを更に含み、クロスカントリー補助ローラーは収納部ケースに回転可能に設置される。
【0013】
好ましくは、クロスカントリー補助ローラーはその所在位置の収納部ケースの表面から突出している。
【0014】
本発明の他の実施例において知能掃除装置を提供する。知能掃除装置は装置本体と掃除システムを含み、掃除システムは装置本体に設置され、掃除システムは装置本体に着脱可能に設置された第一掃除部を含み、第一掃除部を装置本体に取り付けるか或いは装置本体から取り外すとき、第一掃除部は装置本体の前進方向または後退方向に沿って移動し、第一掃除部は液体収納ケースを含み、液体収納ケースは上述した液体収納ケースである。
【0015】
好ましくは、液体収納ケースの上のクロスカントリー補助ローラーは液体収納ケースの後退方向における底部の末端に位置する。
【0016】
好ましくは、知能掃除装置はローラー駆動モジュールを更に含み、ローラー駆動モジュールは装置本体に回転可能に設置された走行ローラーを含み、装置本体が水平状態になっているとき、液体収納ケースの上のクロスカントリー補助ローラーの最低点は走行ローラーの最低点より高い。
【0017】
好ましくは、第一掃除部は掃除雑巾を更に含み、掃除雑巾は液体収納ケースにおけるクロスカントリー補助ローラーが取り付けられている一側に設置され、掃除雑巾上にはクロスカントリー補助ローラーを通過させる開口が形成されている。
【0018】
好ましくは、掃除雑巾は液体収納ケースに着脱可能に設置され、掃除雑巾には第一案内部が形成され、液体収納ケースには第二案内部が形成され、第一案内部と第二案内部が結合されることにより掃除雑巾の装着方向を確定する。
【0019】
好ましくは、第一案内部は案内槽を含み、第二案内部は案内槽に結合される案内棒を含み、案内棒が案内槽に結合されることにより掃除雑巾の液体収納ケースに相対した移動を制限する。
【0020】
好ましくは、第一案内部は案内スリムを含み、第二案内部は装着槽を含み、案内スリムが装着槽に挿入固定されることにより、掃除雑巾の液体収納ケースに相対した移動を制限する。
【0021】
好ましくは、案内スリムは連結構造により掃除雑巾に連結固定され、装着槽には連結構造を避けるための切欠口が形成され、装着槽の第一端には案内スリムを挿入させるための開口が形成され、装着槽の第二端には離脱を防止するストップ構造が形成される。
【0022】
好ましくは、掃除雑巾は半円形であり、順次に設置された掃除雑巾は、浸透区域、汚染物除去区域および吸水区域を含む。
【0023】
本発明の実施例の液体収納ケースにおいて、収納部ケースの出水口に設置された出水制御ノズルにより液体収納ケースの出水速度を制御する。従来の技術において、水タンク内には浸透布が取り付けられ、浸透布の一端は水収納空間内に設置され、他端は出水口に設置され、毛細管現象(capillary action)により水タンク内の水を出水口へ案内させることができる。出水制御ノズルの濾過構造により出水を制御する場合、浸透布により出水を制御するとき出水速度を容易に制御することができない従来技術の問題を解決することができる。また、出水制御ノズルが出水口内に設置されることにより取替えが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】は本発明の実施例の知能掃除装置の構造を示す第一観察方向の立体図である。
図2】は本発明の実施例の知能掃除装置の構造を示す第二観察方向の立体図である。
図3】は本発明の実施例の知能掃除装置の装置本体と第一掃除部の構造を示す第一観察方向の立体図である。
図4】は本発明の実施例の知能掃除装置の装置本体と第一掃除部の構造を示す第二観察方向の立体図である。
図5】は本発明の実施例の知能掃除装置の装置本体と第一掃除部の構造を示す第三観察方向の立体図である。
図6】は本発明の実施例の知能掃除装置の装置本体の底面図である。
図7】は本発明の実施例の知能掃除装置の装置本体の底面の構造を示す立体図である。
図8】は本発明の実施例の知能掃除装置の装置本体のシャーシーの底面図である。
図9】は図8のA部分を示す局部拡大図である。
図10】は本発明の実施例の知能掃除装置の装置本体のシャーシーの第一案内槽の構造を示す側面図である。
図11】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの構造を示す第一観察方向の立体図である。
図12】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの構造を示す第二観察方向の立体図である。
図13】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの上部カバーと結合制御モジュールの構造を示す第一観察方向の立体分解図である。
図14】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの上部カバーと結合制御モジュールの構造を示す第二観察方向の立体分解図である。
図15】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの上部カバーと結合制御モジュールの結合を示す図面である。
図16】は本発明の実施例の知能掃除装置の結合制御モジュールの装着フレームの構造を示す第一観察方向の立体図である。
図17】は本発明の実施例の知能掃除装置の結合制御モジュールの装着フレームの構造を示す第二観察方向の立体図である。
図18】は本発明の実施例の知能掃除装置の結合制御モジュール、第一結合部および第二結合部の結合を示す図面である。
図19】は本発明の実施例の知能掃除装置の他の結合制御モジュールの原理を示す図面である。
図20】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの下部カバーの構造を示す第一観察方向の立体図である。
図21】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの下部カバーの構造を示す第二観察方向の立体図である。
図22】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの下部カバーの構造を示す第三観察方向の立体図である。
図23】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースの構造を示す立体分解図である。
図24】は本発明の実施例の知能掃除装置の出水制御ノズルの構造を示す第一観察方向の立体分解図である。
図25】は本発明の実施例の知能掃除装置の出水制御ノズルの構造を示す第二観察方向の立体分解図である。
図26】は本発明の実施例の知能掃除装置の掃除雑巾の構造を示す図面である。
図27】は本発明の実施例の知能掃除装置の掃除雑巾の構造を示す立体図である。
図28】は本発明の実施例の知能掃除装置の液体収納ケースと掃除雑巾の結合を示す立体図である。
図29図28の局部を示す局部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面により本発明の実施例に係る液体収納ケース及びそれを具備する知能掃除装置について詳細に説明する。
【0026】
名称の意味:
前進方向:知能掃除装置の前進方向をいう。
後退方向:知能掃除装置の前進方向と逆する方向をいう。
【0027】
本発明の実施例において液体収納ケースを提供する。液体収納ケースは収納部ケースを含み、収納部ケースには出水口321が形成されている。出水口321は収納部ケース内の液体収納空間に連通されており、出水口321には出水口321の出水速度を制御する出水制御ノズル34が設置されている。出水口321に出水速度を制御する出水制御ノズル34を設置することにより、出水制御ノズル34の濾過構造により出水量を制御することができる。従来の技術において、水タンク内には浸透布が取り付けられており、浸透布の一端は水収納空間内に設置され、他端は出水口に設置され、毛細管現象(capillary action)により水タンク内の水を出水口へ案内する。濾過構造により出水を制御する場合、浸透布により出水を制御するとき出水速度を容易に制御することができない従来技術の問題を解決することができる。また、浸透布全体が収納部ケース内に設けられているので、浸透布の取り替えが不便であり、コストが多くかかり、且つ水タンクを解体することを必要とするので、使用が複雑であり、取替えを容易にすることはできない。出水制御ノズル34を出水口321に取り付ける場合、取替えが容易になる。
【0028】
本実施例において、液体収納ケース内の浸透布を除去し、出水制御ノズル34だけで出水速度を制御することができ、出水制御効果がさらに良くなる。
【0029】
本実施例において、前記液体収納ケースは、知能掃除装置(例えば、掃除ロボットである)に取付けられて、知能掃除装置の洗浄液体(例えば、水である)を収納するために用いられる。他の実施例において、液体収納ケースは他の適宜な環境に適用することもできる。
【0030】
好ましくは、収納部ケースは上部カバー31と下部カバー32を含み、上部カバー31は下部カバー32に結合され、出水口321は下部カバー32に形成されている。
【0031】
選択的に、出水口321は複数個であり且つ間隔を置いて収納部ケースに形成される。異なる出水量の需要に基づいて、出水口321の数量を加減することができる。出水口321が二個であると、出水量を確保するとともに、出水が速いので供水の頻度が増加することを避けることができる。もちろん、出水口321の面積を調節することにより各出水口321の出水量を制御することもできる。
【0032】
選択的に、出水制御ノズル34はノズルコア342を含む。ノズルコア342は出水口321内に挿入されて出水口321を閉めるので、液体収納ケース内の液体はノズルコア342の浸透によって流出する。ノズルコア342の浸透速度を制御することにより出水速度を制御することができ、浸透布を利用して出水する場合に出水速度制御し難い従来技術の問題を解決することができる。
【0033】
選択的に、出水制御ノズル34はノズルフレーム341とノズルコア342を含む。ノズルフレーム341は出水口321内に着脱可能に取付けられる。ノズルフレーム341にはノズルフレーム341を貫通する収納孔が形成されており、ノズルコア342はその収納孔内に収納される。図24及び図25に示されたように、上述した構造を有する出水制御ノズル34を採用して、ノズルフレーム341を下部カバー32の出水口321に取付けた後、ノズルコア342により出水量を制御することができる。ノズルフレーム341は下部カバー32の外側(上部カバー31から離れている一側)から出水口321内に挿入されるので、収納部ケースを解体しなくても出水制御ノズル34を取り替えることができ、部品の取替えが容易になる。異なる浸透率のノズルコア342を選択して出水量を制御することができ、従って出水量をより正確に良好に制御することができ、洗浄の効果を確保する。
【0034】
収納部ケース内の水がノズルコア342に流入することを確保するために、ノズルフレーム341には入水孔341aが設けられる。入水孔341aは収納孔及び液体収納空間に連通される。選択的に、入水孔341aはノズルフレーム341に形成され、且つノズルフレーム341の周面に沿って間隔を置いて形成される。
【0035】
他の実施例において、出水量を制御することができると、出水制御ノズル34にノズルコア342のみを設けてもよい。
【0036】
好ましくは、出水制御ノズル34の数量は2個以上であり、各出水制御ノズル34は各出水口321と1つずつ対応する。出水制御ノズル34の数量は掃除雑巾4の面積と所定の湿度により適当に選択することができる。より好ましくは、出水制御ノズル34の数量は2個であり、両者の間の距離は10mm乃至350mmであり、掃除雑巾4全体が均一に濡れていることを確保することができる。さらに好ましくは、両者の間の距離は80mm乃至90mmである。出水制御ノズル34は当接密閉スペーサー343を更に含み、当接密閉スペーサー343はノズルフレーム341の一端に設置される。収納部ケースには凹槽が形成され、凹槽は出水口321の外周に形成され、当接密閉スペーサー343は凹槽内に位置する。好ましくは、出水制御ノズル34は当接密閉スペーサー343(この材質はゴムであることができる)を更に含み、当接密閉スペーサー343は上部カバー31から離れているノズルフレーム341の一端に取付けられ、上部カバー31から離れている下部カバー32の一側には当接密閉スペーサー343を収納するための凹槽が形成されている。当接密閉スペーサー343は、液体が出水口と出水制御ノズル34との間の隙間から流出することを防止する一方、操作位置を提供して出水制御ノズル34の着脱が便利になる。出水制御ノズル34で出水量を制御することにより、部品の取り替えがさらに便利になる。また、異なる環境の需要によって、材料が違うノズルコア342を採用することにより、出水量の制御が可能であり、使用者は便利に選択することができる。
【0037】
好ましくは、知能掃除装置のクライミングとクロスカントリーの能力を向上させ、知能掃除装置を色々な環境に適用させるために、液体収納ケースはクロスカントリー補助ローラー322を更に含み、このクロスカントリー補助ローラー322は収納部ケースに回転可能に設置される。クロスカントリー補助ローラー322はその所在位置の収納部ケースの表面から突出する。理解を簡単にするために、クロスカントリー補助ローラー322の作用は、それを応用する知能掃除装置を結合して説明する。
【0038】
本発明の他の実施例において知能掃除装置を提供し、知能掃除装置は装置本体1と掃除システムを含む。装置本体1は装置本体1に設置される掃除システムと他の構造を支持するために用いられ、掃除システムは装置本体1に着脱可能に設置された第一掃除部2を含む。第一掃除部2を装置本体1に取り付けるか或いは装置本体1から取り外すとき、第一掃除部2は装置本体1の前進方向に沿って移動する。第一掃除部2は液体収納ケース3を含み、液体収納ケース3は上述した液体収納ケースである。第一掃除部2を装置本体1に取り付けるか或いは装置本体1から取り外すとき、第一掃除部2は装置本体1の前進方向(或いは反対の方向)に沿って移動する。通常、装置本体1の前進方向は水平方向であるので、第一掃除部2の着脱がさらに便利であり、従来の技術における自動掃除ロボットをその底部が上に向かうように覆さなければ水タンクを取付けるか或いは取り外すことができない問題を解決することができる。従って第一掃除部2の取替えとメンテナンスをさらに便利になる。上述した構造を有する液体収納ケース3を採用することにより、出水効果を向上させて、掃除効果を確保することができる。
【0039】
図1図2に示されたように、知能掃除装置は知能掃除ロボットであることができるが、それに限定されるものではなく、ソーラーパネルの掃除機またはビル外壁の掃除機等であることもできる。本実施例において、知能掃除ロボットを例として説明する。
【0040】
知能掃除装置は、装置本体1及び掃除システムばかりではなく、感知システム、制御システム(図示せず)、駆動システム、エネルギーシステム及びマンマシンインタフェース(man machine interface)9を更に含む。以下、知能掃除装置の主な構成部分について詳細に説明する。
【0041】
装置本体1は、上部密閉カバー、前進部分13、後退部分14及びシャーシー11等を含む。装置本体1は略円形の形状(前後はいずれも円形である)を有し、且つ他の形状を有することもでき、例えば、前部が方形であり且つ後部が円形である略D形の形状であるが、それに限定されるものではない。
【0042】
感知システムは、装置本体1の上方に位置する位置確定装置と、装置本体1の前進部分13に位置する緩衝装置と、段階センサー51と、超音波センサー、赤外線センサー、磁力計、加速度計、ジャイロスコープ、走行距離計等のセンサーと、を含む。これらのセンサーは制御システムに知能掃除装置の位置情報と移動状態情報を送信する。位置確定装置は、赤外線送信受信装置、カメラ、レーザー距離測定装置(LDS)を含むことができるが、それに限定されるものではない。
【0043】
掃除システムは乾式掃除部と湿式掃除部を含む。湿式掃除部は第一掃除部2であり、その作用は洗浄液体を含む掃除雑巾4で掃除表面(例えば、地面である)を拭くことである。乾式掃除部は第二掃除部であり、その作用はブラシ等の構造により掃除表面の固体粒子ゴミを掃くことである。
【0044】
乾式掃除部として、主な掃除機能は、回転ブラシ61、埃収納部、送風機、風出口及びそれらの間の連結部品によって構成された第二掃除部により実施される。地面とある程度で接触する回転ブラシ61は地面上のごみを掃くとともにそれを回転ブラシ61と埃収納部との間の埃吸引口の前方に案内する。そのごみは送風機により形成され且つ埃収納部を通過する吸引力付き気体により埃収納部内に案内される。掃除機の掃除能力はごみ除去効率DPU(Dust pick up efficiency)により示すことができる。ごみ除去効率DPUは、回転ブラシ61の構造及び材料による影響と、埃吸引口、埃収納部、送風機、風出口及びそれらの間の連結部品で構成される風道の風力利用率による影響と、送風機の種類及びパワーによる影響と、を受ける。普通の電気入力式掃除機に比べて、エネルギーが限定された掃除ロボットにとって、埃除去能力の向上はさらに大きい意義がある。埃除去能力を向上させることによりエネルギーの需要を有効に低減することができる。例えば、元々は一回充電すると80平方メートルの地面を掃除することができたが、埃除去能力を向上させた後、一回充電すると100平方メートル以上の地面を掃除することができる。充電の回数を減少させることによりバッテリーの使用寿命を大幅に増加させ、使用者がバッテリーを取り替える頻度を低減することができる。より重要なことは埃除去能力が向上することにより使用者は顕著である使用感を獲得することができ、使用者は綺麗に掃かれているか否か、綺麗に拭かれているか否かという結論を得ることができる。乾式掃除システムは回転軸を有する側部ブラシ62を更に含むことができる。回転軸が地面に相対して一定の角度を有するので、埃を第二掃除部の回転ブラシ61の掃除区域に案内することができる。
【0045】
湿式掃除部である第一掃除部2は、主として、上述した液体収納ケース3と掃除雑巾4等を含む。液体収納ケース3は第一掃除部2を支持する部品として重要な部品である。掃除雑巾4は液体収納ケース3に着脱可能に取付けられる。液体収納ケース3内の液体は掃除雑巾4に流動し、掃除雑巾4は回転ブラシ等によって掃除された地面を拭く。
【0046】
駆動システムは装置本体1とその上の部品が移動するように駆動し、それにより知能掃除装置は自動に走行しながら掃除を行う。駆動システムはローラー駆動モジュール71を含み、駆動システムは距離及び角度の情報、例えば、x、y及θの分量に基づいて駆動指令を出力して、掃除ロボットが地面上で移動するようにする。ローラー駆動モジュール71は左側ローラーと右側ローラーを同時に制御することができる。掃除ロボットの移動を正確に制御するために、ローラー駆動モジュール71は左側ローラー駆動モジュールと右側ローラー駆動モジュールをそれぞれ含むことが好ましい。左側ローラー駆動モジュールと右側ローラー駆動モジュールは、装置本体1の横方向軸の両側に設けられる(対称に設けられる)。掃除ロボットが地面上でより安定に移動するか或いはより強い移動能力を有するようにするために、掃除ロボットは1個または複数個の従動ローラー72を含むことができる。従動ローラーは全方向移動ローラーであることができるが、それに限定されるものでない。
【0047】
ローラー駆動モジュール71は、走行ローラー、駆動モーター及び駆動モーターを制御する制御回路を含む。ローラー駆動モジュール71は駆動電流を測定する回路と走行距離計を更に含むことができる。ローラー駆動モジュール71は装置本体1に着脱可能に連結されるので、着脱とメンテナンスが便利になる。駆動ローラーは、偏移設置下向き式懸垂装置を含み、移動可能方式で固定し、例えば、回転可能方式で装置本体1に固定され、且つ偏移設置スプリングにより下に向かう力と装置本体1から離れる方向の力を受けて偏移設置される。偏移設置スプリングは、駆動ローラーが一定の着地力で地面との接触と牽引を維持し、且つ掃除ロボットの掃除部品(例えば回転ブラシ)も一定の圧力で地面と接触することを許可する。
【0048】
装置本体1の前進部分13に緩衝装置を取り付けることができる。掃除過程でローラー駆動モジュール71の駆動によって掃除ロボットが地面上で移動するとき、緩衝装置は赤外線センサーのようなセンサーシステムによって掃除ロボットの走行路線中の一個または複数個の障害を検出する。掃除ロボットは、緩衝装置が検出した障害、例えば、障害物、壁面等に基づいて、ローラー駆動モジュール71を制御して、障害を避ける対策を取ることができる。例えば、障害物を遠ざける方向に移動することができる。
【0049】
制御システムは、装置本体1内の回路基板に設置され、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリなどのような不揮発性メモリ(non-volatile memory)、中央処理ユニット、アプリケーションプロセッサーなどのような通信計算処理装置を含む。アプリケーションプロセッサーはレーザー距離測定装置がフィードバックした障害物の情報を獲得した後、定位計算方法、例えば、SLAMにより掃除ロボットの所在環境の即時地図を形成する。緩衝装置と、段階センサー51と、超音波センサー、赤外線センサー、磁力計、加速度計、ジャイロスコープ、走行距離計等のセンサーとがフィードバックした距離情報、速度情報を結合して、掃除ロボットが現在どのような状況になっているかを判断する。例えば、敷居または絨毯上にあること、段階のそばに位置すること、上方または下方が掛かること、埃収納部が満タンになること、持たれること等を判断する。したがって異なる状況に基づいて次の作動対策を提供する。それにより掃除ロボットは使用者の意図に従って作動し、より良い使用感を獲得することができる。制御システムはSLAMが形成した即時地図により最も有効である掃除路線と掃除方法を企画することができるので、掃除ロボットの掃除効率を大幅に向上させることができる。
【0050】
エネルギーシステムは、ニッケル水素電池、リチウム電池のような充電電池を含む。充電電池は、充電制御回路、電池組充電温度検出回路及び電池低電圧検出回路に接続され、充電制御回路、電池組充電温度検出回路及び電池低電圧検出回路はシングルチップ制御回路に接続される。装置本体は、装置本体の一側または下方に設けられた充電電極を充電パイルに接続することにより充電を行う。露出された充電電極に埃が付いていると、充電過程において発生する電荷の蓄積により、充電電極の周辺のプラスチックが溶解、変形することができるので、充電電極の形状が変形し、正常に充電することができないおそれがある。
【0051】
マンマシンインタフェース9は装置本体のパネル上のキーボードを含み、使用者はキーボードにより機能を選択することができる。マンマシンインタフェース9は、表示パネルと/或いは表示ランプと/或いはスピーカーを更に含むことができ、表示パネル、表示ランプおよびスピーカーにより、使用者に掃除ロボットの現在の状態または選択された機能を示すことができる。マンマシンインタフェース9は、携帯電話型端末のプログラムを更に含むことができる。路線案内型掃除装置は、携帯電話型端末を介して掃除ロボットの所在環境の地図、掃除ロボットの所在位置を使用者に提供することができるので、より豊富であり、よりよい機能を使用者に提供することができる。
【0052】
掃除ロボットの走行をより詳細に説明するために、以下、走行の方向を定義する。掃除ロボットが装置本体1により形成された三個の垂直方向軸に沿って移動することにより掃除ロボットが地面上で走行することを示すことができる。三個の垂直方向軸は、前後方向軸X(装置本体1の前進部分13と後退部分14の方向に沿う軸線)、横方向軸Y(X軸に垂直であり且つX軸と同一の水平面に位置する軸)及び中心垂直方向軸Z(X軸とY軸により形成される平面に垂直である軸)を指す。前後方向軸Xの前進方向に沿って駆動する方向を「前進方向」といい、前後方向軸Xの後退方向に沿って駆動する方向を「後退方向」という。横方向軸Yはローラー駆動モジュール71の中心点により画定された軸心に沿って右側ローラーと左側ローラーとの間で延伸することを意味する。
【0053】
掃除ロボットはY軸を回転軸として回転することができる。掃除ロボットの前進部分が上に傾き、後退部分が下に傾いている場合を「上向き」といい、掃除ロボットの前進部分が下に傾き、後退部分が上に傾いている場合を「下向き」という。掃除ロボットはZ軸を回転軸として回転することができる。掃除ロボットの前進方向において、掃除ロボットがX軸の右側に傾いている場合を「右回転」といい、掃除ロボットがX軸の左側に傾いている場合を「左回転」という。
【0054】
埃収納部に機械的結合部を設けることにより埃収納部を収納部に結合させることができる。結合部を押すときフックは収縮され、結合部を放すときフックが元の形状に回復することにより、フックは収納部内においてフックを収納する凹槽内に結合される。
【0055】
以下、第一掃除部2と装置本体1との間の具体的な結合について詳細に説明する。
【0056】
第一掃除部2は案内構造により装置本体1上に取付けられ、第一掃除部2を装置本体1上に取付けた後、第一掃除部2は装置本体1に相対して上下に移動することができる。すなわち第一掃除部2と装置本体1との間には隙間が形成されている。
【0057】
具体的に、第一掃除部2は装置本体1のシャーシー11上に取り付けられる。シャーシー11上には第一掃除部2を取り付けるための突起構造113が形成されている。本実施例において、第一掃除部2は装置本体1の後退部分14のシャーシー11上に取り付けられる。
【0058】
第一掃除部2は案内構造によりシャーシー11に取り付けられ、第一掃除部2とシャーシー11との間には隙間が形成されている。
【0059】
図3乃至図10に示されたように、案内構造は、第一案内突起311と第一案内槽111を含む。第一案内槽111は第一掃除部2とシャーシー11のうちいずれかの1つに形成され、第一案内突起311は第一掃除部2とシャーシー11のうち他の1つに形成される。
【0060】
本実施例において、シャーシー11の突起構造113の側壁には前記第一案内槽111が形成されている。第一案内突起311は第一掃除部2の液体収納ケース3に形成され、液体収納ケース3とシャーシー11が結合されるとき、第一案内突起311はシャーシー11内に挿入されることにより案内とストップの機能を実現する。図11に示されたように、シャーシー11の突起構造113を避けるために液体収納ケース3に凹槽を形成する。
【0061】
好ましくは、液体収納ケース3を便利に取り付けるために、第一案内突起311の厚さを第一案内槽111の槽の幅(第一案内槽111の槽の幅とは第一案内槽111の対向する2つの側面の間の幅をいい、掃除ロボットが水平の状態になっているとき、対向する2つの側面の間の垂直距離をいう)より小さくする。したがって、第一案内突起311を第一案内槽111内に挿入すると、第一案内突起311と第一案内槽111の対向する2つの側面との間には隙間が形成されるので、液体収納ケース3とシャーシー11との間の隙間結合を獲得し、使用者が液体収納ケース3を便利に取り付けることができる。
【0062】
液体収納ケース3とシャーシー11との間の隙間のサイズは実際の需要により確定することができる。本実施例において、両者の間の隙間のサイズの範囲は1.5mm乃至4mmである。好ましくは、両者の間の隙間のサイズは2mmである。この場合、使用者は掃除ロボットを逆立てずに液体収納ケース3をシャーシー11に挿入するとき、挿入のために充分な隙間を提供することができる。したがって、使用者は液体収納ケース3をシャーシー11に正確に合わせなくても液体収納ケース3をシャーシー11に容易に挿入することができる。従来の掃除ロボットにおいて、使用者は掃除ロボットを(その底部が上に向かうように)逆立てなければ、水タンクを取り付けることができない。それにより使用および着脱の利便性が悪くなり、且つ水タンクの水が漏れるときその水が掃除ロボットの内部に流入して掃除ロボットが破損されるおそれがある。
【0063】
本実施例において、装置本体1の前進方向または後退方向に沿って第一掃除部2を装置本体1に取り付けてから、連結構造により装置本体1に連結される。連結構造は装置本体1に位置する第一連結構造と第一掃除部2に位置する第二連結構造を含む。
【0064】
好ましくは、第一掃除部2と装置本体1との間の連結および分離を便利に制御するために、連結構造は連結制御システムを更に含み、連結制御システムにより第一連結構造と第二連結構造の連結および分離を制御することができる。連結制御システムは第一掃除部2または装置本体1に位置する。
【0065】
好ましくは、連結制御システムは第一掃除部2に設置される。
【0066】
本実施例において、連結構造は結合構造であり、液体収納ケース3とシャーシー11は結合構造により連結される。結合構造により連結をするとき、連結の利便性がよく、連結の安定性が高い。他の実施例において、連結構造として他の連結構造例えば磁石吸着構造を採用することができる。液体収納ケース3とシャーシー11は他の連結構造例えば磁石吸着構造により連結されることができる。連結制御システムは結合制御システムであるか或いは磁石吸着制御システムであることができ、使用および着脱の利便性を確保できるものであればいずれであってもよい。
【0067】
以下、液体収納ケース3とシャーシー11が結合構造により連結される具体的な実施例について詳細に説明する。
【0068】
図7を参照すると、シャーシー11には第一連結構造が形成され、第一連結構造は第一結合部112、電磁石または磁性導体等であることができる。第一結合部を採用するとき、第一結合部112は液体収納ケース3との結合に用いられ、これにより液体収納ケース3を固定することができる。図11乃至図17を参照すると、液体収納ケース3には第二連結構造が形成され、第二連結構造は第一結合部112に結合される第二結合部331、電磁石または磁性導体等であることができる。第一結合部112と第二結合部331により連結構造が形成される。第二結合部331はストップ位置と譲歩位置を具備する。図18に示されたように、ストップ位置に位置しているとき、第二結合部331と第一結合部112は移動不可能な状態になり、液体収納ケース3はシャーシー11に連結される。譲歩位置に位置しているとき、第二結合部331と第一結合部112は分離可能な状態になり、液体収納ケース3をシャーシー11から取り外すことができる。
【0069】
第一結合部と第二結合部331の結合と分離を制御するために、連結制御システムは結合制御モジュール33を含む。結合制御モジュール33は、第二結合部331の位置を制御することにより、第二結合部331と第一結合部112を結合させるかまたは分離させる。掃除ロボットを使用するとき、使用者は結合制御モジュール33を制御することにより第二結合部331の位置を制御し、即ち液体収納ケース3とシャーシー11の連結固定または分離を制御することにより液体収納ケース3を便利に取り付けるか或いは取り外すことができる。
【0070】
具体的に、液体収納ケースの上部カバー31には結合制御モジュール33と第二結合部331を取付けるための1つの槽が形成されている。結合制御モジュール33は上部カバー31内に取付けられ、上部カバー31上には第一結合部112を挿入させかつ第二結合部331を結合させる開口312が形成されている。
【0071】
また、液体収納ケース3は収納部ケースを含み、収納部ケースは上部カバー31と下部カバー32で構成され、収納部ケース内には液体収納空間が形成されている。本実施例において、液体収納ケース3内に収納される液体は水であるが、他の実施例において、需要により液体収納ケース3内にいずれかの洗浄液体を収納させることができる。
【0072】
図14乃至17に示されたように、結合制御モジュール33は、装着フレーム332、操作部品333および弾性部品334などを含む。
【0073】
第二結合部331は装着フレーム332に固定され、装着フレーム332は収納部ケース内に移動可能に設置され且つ第二結合部331を連動してそれをストップ位置または譲歩位置まで移動するようにする。操作部品333は装着フレーム332と一体になるように装着フレーム332に設置される。使用者が操作部品333を押すとき、操作部品333は装着フレーム332およびその上の第二結合部331を連動して一緒に移動する。
【0074】
圧力が消えるとき、第二結合部331がストップ位置に回復することを確保し、且つ液体収納ケース3がシャーシー11に安定に連結されることを確保するために、操作部品333と液体収納ケース3の収納部ケースとの間には弾性部品334(弾性部品334は、スプリング、弾性ゴム等のような弾力を提供できる構造である)が設置される。弾性部品334の第一端は操作部品333または装着フレーム332に当接し、弾性部品334の第二端は収納部ケースに当接し、弾性部品334の伸縮方向は操作部品333の移動方向と一致する。圧力が消えるとき、弾性部品334の弾力により第二結合部331をストップ位置に停めることができる。使用者が液体収納ケース3を取り外すとき、使用者が操作部品333を押すことにより第二結合部331を譲歩位置まで移動させる。それによりシャーシー11の第一結合部112と第二結合部331は分離可能な状態になるので、液体収納ケース3を取り外すことができる。
【0075】
図13を参照すると、装着フレーム332の移動を制限し、制限がない場合弾性部品334の弾力により装着フレーム332が液体収納ケース3から離脱することを防止するために、液体収納ケースの収納部ケースにはストップ突起313が形成され、装着フレーム332にはストップ突起313を挿入させる孔が形成されている。ストップ突起313が孔の内壁332aに結合されることにより装着フレーム332の移動を制限することができる。
【0076】
本実施例において、弾性部品334の第一端は操作部品333に当接し、第二端はストップ突起313に当接する。操作部品333とストップ突起313には別々に弾性部品334を取り付けるための十字型突起が形成されている。
【0077】
液体収納ケース3をシャーシー11に取り付ける具体的な過程は次のとおりである。
図3図4に示されたように、液体収納ケース3をシャーシー11の第一案内槽111に沿ってシャーシー11の後部に挿入すると、知能自動掃除ロボットの外観全体が形成される。掃除ロボットのシャーシー11には第一連結部が形成され、具体的な実施例において第一連結部はホックである。前記ホックは液体収納ケースの第二連結部に連結され、具体的な実施例において第二連結部はファスナーである。それにより液体収納ケースを装置本体1の底部に固定させることができる。第一案内槽111はU型槽であり且つ液体収納ケースの第一案内突起311に滑動可能に結合されるので、液体収納ケース3はシャーシー11上で滑動することができる。
【0078】
液体収納ケース3をシャーシー11に取り付けた後、液体収納ケースをシャーシーから取り外すとき、結合制御モジュール33の操作部品333を押すことによりスプリングの弾性を克服し、且つ力を伝送することにより第二結合部331が液体収納ケース3において後退するようにする(自然状態において、第二結合部331は液体収納ケース3の凹槽に位置し、液体収納ケース3がシャーシー11の第一案内槽111に沿って結合の位置に滑動するとき、シャーシー11の第一結合部112(ホック)は第二結合部331に結合されることにより第二結合部331を凹槽以外の区域に移動させる。力を一定の程度まで印加するとき、第一結合部112(ホック)は第二結合部331上の斜面に沿って凹槽内に滑動する。それにより第二結合部331と第一結合部112(ホック)は互いに結合され、液体収納ケース3をシャーシー11の上に固定することができる)。それにより第一結合部112(ホック)と第二結合部331との間の結合は消えるので、このとき装置本体1の後退方向に沿って液体収納ケースを取り出すことができる。すなわち液体収納ケース3を取り外すことができる。
【0079】
図面に示されていない他の結合制御モジュールにおいて、結合制御モジュールは、連結棒381、スプリング382、押し部383および結合部384を含み、前記結合部384と第一結合部112の協力により液体収納ケース3とシャーシー11を連結させる。連結棒381は液体収納ケース3内に取付けられ、連結棒381の第一端には結合部384が形成され、連結棒381の第二端には押し部383が形成され、押し部383は液体収納ケース3内に回転可能に取付けられ、押し部383の第一端にはスプリング382が連結され、押し部383の第二端は操作端である。スプリング382は押し部383と液体収納ケース3との間に連結される。前記結合制御モジュールの原理は図19に示すとおりである。
【0080】
図20乃至図23を参照すると、液体収納ケース3の上部カバー31には注水口35が形成され、この注水口により液体収納空間内に液体を注入することができる。注水口35の上に注水口フランジと注水口カバーが設置されることにより注水口35を密閉させることができる。
【0081】
液体収納ケース3の下部カバー32には出水口321が形成され、出水口321は液体収納空間に連通され、出水口321には出水量を制御する出水制御ノズル34が着脱可能に取り付けられている。
【0082】
前記下部カバー32と上部カバー31の結合により収納部ケースが形成されるとともに液体を収納させる液体収納空間が形成される。下部カバー32に掃除雑巾4を取り付けることもできる。上部カバー31から離れている下部カバー32の一面には複数個の接着構造324が形成されている。掃除雑巾4は上部カバー31から離れている下部カバー32の側面に取り付けられ、且つ接着構造により下部カバー32に敷かれる。接着構造324は両面テープ及びベルクロ等であることができる。掃除雑巾4を便利に取り替えるために、接着構造324はベルクロであることが好ましい。
【0083】
図27乃至図29に示されたように、さらに好ましくは、掃除雑巾4の辺縁を固定して、正確な掃除雑巾4の方向と位置を確保することにより、掃除雑巾4が傾斜して、洗浄の効果に影響を与えることを防止することができる。その場合、他の接着方法で掃除雑巾4を固定する場合、掃除雑巾4の辺縁が所定の方向に取り付けられず、掃除雑巾4を正確に取り付けることを確保することができない問題を避けることができる。例えば、使用者が掃除雑巾を使用するとき、掃除雑巾を水タンクに傾斜に取り付けると、洗浄効果に大きい影響を与えるおそれがある。掃除雑巾4には第一案内部が形成され、液体収納ケース3には第二案内部が形成され、第一案内部と第二案内部が結合されることにより掃除雑巾4を液体収納ケース3に取り付けることができる。第一案内部は案内槽であり、第二案内部は案内槽に結合される案内棒であることができる。
【0084】
具体的に、掃除雑巾4の側辺には案内スリム44が形成され、液体収納ケース3には装着槽323が形成され、案内スリム44を装着槽323に挿入させることにより掃除雑巾4の側辺を液体収納ケース3に取り付けることができる。
【0085】
案内スリム44は、一定の剛度を有するプラスチックスリムまたは鋼製スリムなどであり、或いは柔軟なスリムであることもできる。案内スリム44の横方向断面の形状は円形または非円形である他の形状であることができる。液体収納ケース3の装着槽323の横方向断面の形状はC型またはC型に類似する形状であり、案内スリム44を収納させてその位置を決める形状であればいずれでもよい。装着槽323には掃除雑巾4を送出するために用いられる下向きの開口(すなわちC型開口)が形成され、装着槽323の一端は挿入端(該挿入端にはストップ構造が形成されず、掃除雑巾4を挿入するため用いられる)であり、他端はストップ端(ストップ端にはストップ構造が形成され、案内スリム44がストップ端から離脱することを防止する)である。すなわち装着槽323の一端は密閉され、他端は開口である。掃除雑巾4の末端は案内スリム44と装着槽323の結合により液体収納ケース3に固定されるので、固定の安定性を向上させ、掃除雑巾4の離脱を防止することができる。前記案内スリム44と装着槽323は液体収納ケース3における掃除ロボットの前進方向に向かう方向に位置する。案内スリム44を取り付けた後、掃除雑巾4をベルクロに接着させることにより掃除雑巾4が正確に取り付けられることを確保することができる。
【0086】
図26に示されたように、掃除雑巾4は全体が同一の材料で製造される掃除雑巾であるか或いは異なる部位が異なる材料で製造される複合式掃除雑巾であることができる。本実施例において、掃除雑巾4は複合式掃除雑巾であり、掃除雑巾の主体は略半円形であり、掃除雑巾の内層43は浸透区域であり、この区域は浸透率が高い材料で製造される。掃除雑巾の中間層42は汚染物除去区域であり、この区域が硬質材料で製造されることにより地面の硬性汚染物をスクレイピングすることができる。掃除雑巾の外層41は吸水区域であり、この区域で地面上の水分を吸収することによりウォータロギング、水痕跡を除去することができる。吸水区域として吸水の効果がよい材料を採用する。それにより掃除効率を向上させることができる。案内スリム44は半円形の直線段に設置される。
【0087】
下部カバー32の出水口321により液体収納空間内の液体が流出することにより掃除雑巾4を湿すことができる。異なる濾過構造を有する材料を選択することにより出水量を制御し、使用者の需要を満たすことができる。
【0088】
液体収納ケース3の底部にクロスカントリー補助ローラー322が設置されているので、知能掃除装置がクライミングとクロスカントリーをするとき知能掃除装置のローラー駆動モジュール71を補助することができる。クロスカントリー補助ローラーは知能掃除装置の液体収納ケース3を支持することによりクライミングとクロスカントリーの能力を向上させることができる。
【0089】
好ましくは、クロスカントリー補助ローラー322は液体収納ケース3に回転可能に設置される。具体的に、液体収納ケース3の下部カバー32に前記クロスカントリー補助ローラー322が設置され、クロスカントリー補助ローラー322は下部カバー32に回転可能に設置され、かつ液体収納ケース3の後退方向の末端に位置する。掃除雑巾4におけるクロスカントリー補助ローラー322と対応する箇所には開口が形成され、この開口はクロスカントリー補助ローラー322を通過させて、クロスカントリー補助ローラー322が地面と接触することにする。
【0090】
掃除雑巾4には開口が形成されているので、クロスカントリー補助ローラー322は地面と接触することができる。知能掃除装置が水平の地面上で移動するとき、クロスカントリー補助ローラー322は地面と接触しない(すなわち知能掃除装置が水平の状態になっているとき、液体収納ケース3のクロスカントリー補助ローラー322の最低点は走行ローラーの最低点より高い)。斜面で移動するか或いは段階を越えることにより知能掃除装置が傾斜の状態になるとき、クロスカントリー補助ローラー322は地面と接触する。それにより滑動可能な支持点が形成されるので、装置本体1が掛かることを避け、クロスカントリーをすることができる。前記知能掃除装置が越えることができる段階の高さは需要により決めることができる。例えば前記知能掃除装置が越えることができる段階の高さは17mm、19mmまたはこれより高い段階であることができる。
【0091】
本発明の液体収納ケース及びそれを具備する知能掃除装置により下記の効果を獲得することができる。
液体収納ケースと装置本体の連結方法として結合構造を採用することにより、液体収納ケースにそれを装置本体に水平方向に装入できる装着および連結構造を形成することができる。装置本体を逆立てずに液体収納ケースを掃除ロボットのシャーシーに水平方向に直接挿入することができるので、使用者が液体収納ケースの着脱の利便性を大幅に向上させることができる。
【0092】
液体収納ケースと装置本体との間の結合方法として隙間結合を採用するので、使用者は液体収納ケースを容易に取り付けることができる(隙間が小さいとき、使用者は液体収納ケースの位置を正確に合わせなければ液体収納ケースを容易に挿入することができないので、使用上の利便性がよくない。充分な隙間があるとき、使用者は液体収納ケースを容易に挿入し且つ液体収納ケースが傾いてもこれを容易に装入することができる)。また、掃除ロボットのクロスカントリーの能力を向上させ、クロスカントリーをするとき掃除ロボットが(障害物)掛かることを防止し、障害物があるとき液体収納ケースの上下方向の移動によりクロスカントリーを容易にすることができる。
【0093】
液体収納ケースの底部にはクロスカントリー補助ローラーが設置され、クロスカントリー補助ローラーは掃除雑巾から突出しており、クロスカントリーをするときクロスカントリー補助ローラーは地面と接触する。また、液体収納ケースと装置本体のシャーシーとの間の結合方法として隙間結合を採用するので、クロスカントリー補助ローラーとその隙間結合の協力によりクロスカントリーの能力を大幅に向上させることができる。
液体収納ケースの中央に凹部が形成され、この凹部を水タンクとして用いることができ、且つ装着部として用いることができるので、利便性がよい。
出水制御ノズルで出水を制御する方法を採用し、浸透布を採用する方法を採用しないので、取り替えの利便性がよく、出水の速度を調節することができる。
クロスカントリー補助ローラーが液体収納ケースに直接取付けられているので、クロスカントリーの能力を大幅に向上させることができる。
【0094】
以上、ただ本発明の具体的な実施例であり、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれることは勿論である。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定されるべきである
【符号の説明】
【0095】
1 装置本体、
11 シャーシー、
111 第一案内槽、
112 第一結合部、
113 突起構造、
13 前進部分、
14 後退部分、
2 第一掃除部、
3 液体収納ケース、
31 上部カバー、
311 第一案内突起、
312 開口、
313 ストップ突起、
32 下部カバー、
321 出水口、
322 クロスカントリー補助ローラー、
323 装着槽、
324 接着構造、
33 結合制御モジュール、
331 第二結合部、
332 装着フレーム、
332a 孔の内壁、
333 操作部品、
334 弾性部品、
34 出水制御ノズル、
341 ノズルフレーム、
341a 入水孔、
342 ノズルコア、
343 当接密閉スペーサー、
35 注水口、
381 連結棒、
382 スプリング、
383 押し部、
384 結合部、
4 掃除雑巾、
41 外層、
42 中間層、
43 内層、
44 案内スリム、
51 段階センサー、
61 回転ブラシ、
62 側部ブラシ、
71 ローラー駆動モジュール、
72 従動ローラー、
9 マンマシンインタフェース

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29