(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】クロスカップリング方法
(51)【国際特許分類】
C07F 5/02 20060101AFI20220322BHJP
C07D 239/26 20060101ALI20220322BHJP
C07D 213/26 20060101ALI20220322BHJP
C07D 263/56 20060101ALI20220322BHJP
C07D 413/08 20060101ALI20220322BHJP
C07C 67/343 20060101ALI20220322BHJP
C07C 69/753 20060101ALI20220322BHJP
B01J 31/30 20060101ALI20220322BHJP
B01J 31/24 20060101ALI20220322BHJP
B01J 27/128 20060101ALI20220322BHJP
B01J 31/22 20060101ALI20220322BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220322BHJP
A61K 31/69 20060101ALN20220322BHJP
A61K 31/505 20060101ALN20220322BHJP
A61K 31/4418 20060101ALN20220322BHJP
A61K 31/423 20060101ALN20220322BHJP
A61K 31/4709 20060101ALN20220322BHJP
【FI】
C07F5/02 C CSP
C07D239/26
C07D213/26
C07D263/56
C07D413/08
C07C67/343
C07C69/753 Z
C07F5/02 B
B01J31/30 Z
B01J31/24 Z
B01J27/128 Z
B01J31/22 Z
C07B61/00 300
A61K31/69
A61K31/505
A61K31/4418
A61K31/423
A61K31/4709
(21)【出願番号】P 2019510841
(86)(22)【出願日】2017-08-22
(86)【国際出願番号】 US2017048021
(87)【国際公開番号】W WO2018039232
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-08-21
(32)【優先日】2016-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518346476
【氏名又は名称】リキュリウム アイピー ホールディングス リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピンチマン,ジョセフ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス,チャド ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バンカー,ケビン デュアン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ペーター チンホワ
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】Michael D. Levin et al.,Chemical Review,2000年,Vol.100, No.1,p.169-234(特にp.216-217)
【文献】Matthias Messner et al.,European Journal of Organic Chemistry,2000年,No.7,p.1137-1155
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07F
CASREACT(STN)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の置換ビシクロ[1.1.1]ペンタン化合物の調製方法であって、
式(A)の化合物と式(B)の化合物とを第1の遷移金属触媒、任意に第2の遷移金属触媒、及び任意に塩基の存在下で、式(I)の化合物を形成するように選択される条件下で反応させることを含み、
前記式(A)の化合物が下記の構造を有し、
【化1】
式中、R
1が、水素、任意に置換されたC
1~30アルキル、任意に置換されたC
2~30アルケニル、任意に置換されたC
3~10単環式シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、ハロゲン、任意に置換されたC-カルボキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、任意に置換されたC-アミド、任意に置換されたN-アミド、任意に置換されたC
1~30アルコキシ、ヒドロキシ、任意に置換されたC
1~30ハロアルキル、シアノ、任意に置換されたS-スルホンアミド、任意に置換されたN-スルホンアミド、任意に置換されたO-カルボキシ、任意に置換されたC
2~30アルキニル、任意に置換されたC
3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロシクリル(アルキル)、任意に置換されたアシル、任意に置換されたチオカルボニル、任意に置換されたO-カルバミル、任意に置換されたN-カルバミル、任意に置換されたO-チオカルバミル、任意に置換されたN-チオカルバミル、任意に置換されたC-チオアミド、任意に置換されたN-チオアミド、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたハロアルコキシ、及び第1のホウ素含有部分からなる群から選択され、前記第1のホウ素含有部分がホウ素によって結合されており、
前記第1のホウ素含有部分が、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、及びボロナミドからなる群から選択され、
式中、X
1が
、-C(=O)Y、及び第2のホウ素含有部分からなる群から選択され、
前記第2のホウ素含有部分が、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、及びボロナミドからなる群から選択され、前記第2のホウ素含有部分が前記ホウ素によって結合されており、
前記式(B)の化合物が構造R
2-X
2を有し、
式中、R
2が、任意に置換されたC
1~30アルキル、任意に置換されたC
2~30アルケニル、任意に置換されたC
3~10シクロアルキル、任意に置換されたC
3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたヘテロシクリルからなる群から選択され、
式中、X
2が、
塩化物、臭化物、ヨウ化物、擬ハロゲン化物、-C(=O)Y、
塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、擬ハロゲン化亜鉛、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、擬ハロゲン化マグネシウム、並びに有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、及びボロナミドからなる群から選択される第3のホウ素含有部分からなる群から選択され、
前記擬ハロゲン化物が、スルホネート、ホスフェート、シアン化物、アジド、イソシアネート、チオイソシアネート、及び四級窒素部分からなる群から選択され、
前記擬ハロゲン化亜鉛が、亜鉛の前記擬ハロゲン化物であり、
前記擬ハロゲン化マグネシウムが、マグネシウムの前記擬ハロゲン化物であり、
前記第1の遷移金属触媒が、Pd触媒及びNi触媒からなる群から選択され、
前記第2の遷移金属触媒が、Ir触媒、Cu触媒、及びRu触媒からなる群から選択され、
式(I)の化合物が下記の構造を有し、
【化2】
前記式(I)の化合物中のR
2と前記ビシクロ[1.1.1]ペンタンとの間の結合が、炭素-炭素結合であり、
式中、Yが、それぞれ独立して、ハロゲン化物、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたヘテロアリール、SR
6、OR
6、SM、及びOMからなる群から選択され、
式中、R
6が、それぞれ独立して、水素、任意に置換されたC
1~30アルキル、任意に置換されたC
2~30アルケニル、任意に置換されたC
3~30シクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたアリールからなる群から選択され、
式中、Mが、それぞれ独立して、一価の陽イオン及び二価の陽イオンからなる群から選択され、
ただし、X
1及びX
2のうちの少なくとも1つが、ホウ素含有部分ではなく、
前記第2の遷移金属触媒が存在する場合、X
1又はX
2のどちらかが-C(=O)Yである、方法。
【請求項2】
前記第1の遷移金属触媒が、前記式(A)の化合物又は前記式(B)の化合物の酸化的付加を受けるように選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の遷移金属触媒が、Pd原子を含むPd触媒である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の遷移金属触媒が、Ni原子を含むNi触媒である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の遷移金属触媒が、PdCl
2、Pd(ACN)
2Cl
2、Pd(ベンゾニトリル)
2Cl
2、Pd(1,5-COD)Cl
2、アリルパラジウムクロリド二量体、Pd(dba)
2、Pd
2(dba)
3、Pd(OAc)
2、Pd(AmPhos)
2、Pd(P(tBu)
3)
2、Pd(AmPhos)
2Cl
2、Pd(P(o-トリル)
3)
2、Pd(PPh
3)
4、Pd(QPhos)
2、PdCl
2(dtbpf)、Pd(PCy
3)
2、ビス(ジ-t-ブチル-フェニルホスフィン)Pd(Cl)
2、PdCl
2(PPh
3)
4、PdCl
2(dppf)、クロロ{2-[1-(N-メトキシ)イミノエチル]フェニル}{[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル]イミダゾール-2-イリデン}パラジウム(II)、クロロ{2-[(1-(N-フェニル)イミノエチル]フェニル}{[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル]イミダゾール-2-イリデン}パラジウム(II)、メタンスルホナート(1,1-ビス(ジ-t-ブチルホスフィノ)フェロセン)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-3,4,5,6-テトラメチル-2’,4’,6’-トリ-i-プロピルビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、アリル(シクロペンタジエニル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-1,1’-ビナフチル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、ジ-MU-ヨードビス(トリ-t-ブチルホスフィノ)ジパラジウム(I)、メタンスルホナート[2-ジエチルホスフィノ-2’,6’-ビス(ジメチルアミノ)-1,1-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、アセタト(2’-ジ-t-ブチルホスフィノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、アセタト(2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン)パラジウム(II)二量体ビス(トリフルオロメタンスルホネート)、アリルクロロ[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、アリルクロロ[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、アリルクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、トランス-ビス(ジシクロヘキシルアミン)ビス(アセタト)パラジウム(II)、ビス{[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-t-ブチルホスフィノ}パラジウム(0)、N,N’-[ビス(2,6-ジメチルフェニル)-1,3-ジメチル-1,3-プロパンジイリデン](メチル)(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]{2-[(ジメチルアミノ-kN)メチル]フェニル-kC}(ピリジン)パラジウム(II)テトラフルオロボレート、1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン(1,4-ナフトキノン)パラジウム(0)、[P,P’-1,3-ビス(ジ-i-プロピルホスフィノ)プロパン][P-1,3-ビス(ジ-i-プロピルホスフィノ)プロパン]パラジウム(0)、1,2-ビス(フェニルスルフィニル)エタンパラジウム(II)アセテート、ビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]{2-[(ジメチルアミノ-kN)メチル]フェニル-kC}(ピリジン)パラジウム(II)テトラフルオロボレート、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン(1,4-ナフトキノン)パラジウム(0)二量体、ビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(0)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾール-2-イル]パラジウム(II)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)
-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)パラジウム(II)二量体、クロロ(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)、クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)、クロロ{[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-t-ブチルホスフィノ}(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン][2’-アミノ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、クロロ(ジ-2-ノルボルニルホスフィノ)(2’-ジメチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(ジ-2-ノルボルニルホスフィノ)(2-ジメチルアミノメチルフェロセン-1-イル)パラジウム(II)、クロロ[(1,2,3-η)-1-フェニル-2-プロペン-1-イル]-{[1,3-ビス[2,6-ビス(ジフェニルメチル)-4-メチルフェニル]-2H-イミダゾール-2-イリデン}パラジウム(II)、クロロ[(1,2,3-η)-3-フェニル-2-プロペニル][1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、クロロ[(1,2,3-η)-3-フェニル-2-プロペニル][1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、クロロ(トリ-t-ブチルホスフィン)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、ジアセタト[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、トランス-ジ(μ-アセタト)ビス[o-(ジ-o-トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)、ジ-μ-ブロモビス(トリ-t-ブチルホスフィノ)ジパラジウム(I)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(ジ-t-ブチルフェニルホスフィノ)パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、ジクロロ[(R)-(+)-2,2’-ビス(ジ-2-フラニルホスフィノ)-6,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、ジクロロビス{[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-t-ブチルホスフィノ}パラジウム(II)、ジクロロ[(R)-(+)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル]パラジウム(II)、ジクロロ[(S)-(-)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル]パラジウム(II)、ジクロロ[1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ{ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル}パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジ-i-プロピルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、トランス-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、
ジクロロ(ジ-μ-クロロ)ビス[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)]イミダゾール-2-イリデン]ジパラジウム(II)、ジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン]パラジウム(II)、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[4,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェノキサジン](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2-ビス(3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(ジアダマンチル-n-ブチルホスフィノ)-2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2-(ジ-1-アダマンチルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[ジ-t-ブチル(n-ブチル)ホスフィン](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(ジ-t-ブチルネオペンチルホスフィン)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)-3-メトキシ-6-メチル-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ビス(ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンス
ルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート{(R)-(-)-1-[(S)-2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン}(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-1-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート{[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-t-ブチルホスフィノ}(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン][2’-アミノ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、メタンスルホナート[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン](2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(トリ-t-ブチルホスフィノ)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(トリ-t-ブチルホスフィノ)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(トリシクロヘキシルホスフィン)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(トリシクロヘキシルホスフィノ)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)メタンスルホナトパラジウム(II)二量体、トリス{トリス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン}パラジウム(0)、クロロ(η
2-P,C-トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト)(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、2-(2’-ジ-tert-ブチルホスフィン)ビフェニルパラジウム(II)アセテート、ジ-μ-クロロビス[5-クロロ-2-[(4-クロロフェニル)](ヒドロキシイミノ-κN)メチル]フェニル-κC]パラジウム二量体、ジ-μ-クロロビス[5-ヒドロキシ-2-[1-(ヒドロキシイミノ-κN)]エチル]フェニル-κC]パラジウム(II)二量体、ジシクロヘキシル[9-(3-フェニルプロピル)-9-フルオレニル]ホスホニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシル-{2-スルホ-9-[3-(4-スルホ-フェニル)プロピル]-9-フルオレニル}ホスホニウム-硫酸水素塩、2’-(ジメチルアミノ)-2-ビフェニリル-パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体、2-(ジメチルアミノメチル)フェロセン-1-イル-パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン、シクロパラジウム化2-アミノビフェニルメシレート、ベッドフォード触媒、Najera触媒、Pdナノ粒子触媒、NiCl
2(dtbpy)、クロロ(2-メチルフェニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(II)、Ni(acac)
2、NiCl
2(PCy
3)
2、Ni(1,5-COD)
2、NiCl
2・ジメトキシエタン、NiCl
2-グライム、NiCl
2、NiCl
2(dppf)、NiCl
2(dppe)、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル(II)、2,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタンニッケル(II)ジブロミド、ビス[(2-ジメチルアミノ)フェニル]アミンニッケル(II)クロリド、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ニッケル(II)、N,N’-ビス(サリチリデン)エチレンジアミノニッケル(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、クロロ(シクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、クロロ(エチルシクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、クロロ(2-メチルフェニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、クロロ(1-ナフチル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモビス(トリブチルホスフィン)ニッケル(II
)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)ニッケル(II)、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル(II)、メタリルニッケルクロリド二量体、ヘキサアミンニッケル(II)ブロミド、酢酸ニッケル(II)、ニッケル(II)アセチルアセトネート、ニッケル(II)ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、
臭化ニッケル(II)、ニッケル(II)ヘキサフルオロアセチルアセトネート、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル(0)、Trovitch Niプレ触媒、及びNiCl
2(dppp)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の遷移金属触媒が、Ru原子を含むRu触媒である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の遷移金属触媒が、Ir原子を含むIr触媒である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の遷移金属触媒が、Ru(bpy)
3Cl
2、Ru(bpm)
3(PF
6)
2、Ru(bpz)
3(PF
6)
2、Ru(bpy)
3(PF
6)
2、Ru(menbpy)
3(PF
6)
2、Ru(bpm)
3(PF
6)
2、Ru(phen)
3(PF
6)
2、Ir[dF(CF
3)ppy]
2(bpy)PF
6、Ir[dF(Me)ppy]
2(dtbpy)PF
6、Ir[dF(CF
3)ppy]
2(dtbpy)PF
6、Ir(ppy)
2(dtbpy)PF
6、Ir(ppy)
3、Ir[p-F(t-Bu)ppy]
3、Ir(dFppy)
3、及びIr(Fppy)
3からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の遷移金属触媒が、Cu原子を含むCu触媒である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記式(A)の化合物が、下記の構造を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法であって、
【化3】
式中、
R
1A及びR
1Bが、それぞれ独立して、水素、任意に置換されたC
1~30アルキル、若しくは任意に置換されたC
3~10シクロアルキルであるか、又はOR
1A、OR
1B、及びそれらが結合しているホウ素原子が一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、
R
1Cが、それぞれ独立して、水素、任意に置換されたC
1~30アルキル、又は任意に置換されたC
3~10シクロアルキルであり、
R
2A及びR
2Bが、それぞれ独立して、水素、若しくは任意に置換されたC
1~30アルキルであるか、又はOR
2A、OR
2B、及びそれらが結合しているホウ素原子が一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成することができ、
R
3A及びR
3Bが、それぞれ独立して、任意に置換されたC
1~30アルキル、任意に置換されたC
3~10シクロアルキル、アミン、アリールアミン、若しくはアルキルアミンであるか、又はR
3A、R
3B、及びそれらが結合しているホウ素原子が一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、
R
4A及びR
4Bが、それぞれ独立して、任意に置換されたC
1~30アルキル、任意に置換されたC
3~10シクロアルキル、アミン、アリールアミン、若しくはアルキルアミンであるか、又はR
4A、R
4B、及びそれらが結合しているホウ素原子が一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成し、
R
5A及びR
5Bが、それぞれ独立して、任意に置換されたC
1~30アルキル、任意に置換されたC
3~10シクロアルキル、アミン、アリールアミン、若しくはアルキルア
ミンであるか、又はR
5A、R
5B、及びそれらが結合しているホウ素原子が一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成
する、方法。
【請求項11】
前記式(A)の化合物が、下記の構造からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【化4】
【請求項12】
X
2が、塩化物、臭化物、ヨウ化物、
塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、擬ハロゲン化亜鉛、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、及び擬ハロゲン化マグネシウムからなる群から選択され
、
前記擬ハロゲン化亜鉛及び前記擬ハロゲン化マグネシウムは、それぞれ、亜鉛及びマグネシウムの擬ハロゲン化物であり、
前記擬ハロゲン化物が、スルホネート、ホスフェート、シアン化物、アジド、イソシアネート、チオイソシアネート、及び四級窒素部分からなる群から選択される、請求項1~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
R
1が水素である、請求項1~
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記反応が、配位子の存在下で行われる、請求項1~
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記配位子が、A-caPhos、a-taPhos、Binap、BIPHEP、BippyPhos、Ad-BrettPhos、ditBuBrettPhos、BrettPhos、CataCXcium POMeCy、CataCXcium PtB、CataCXium PiCy、CataCXium FBn、CataCXium PCy、CataCXium PInCy、CataCXium POMetB、CataXCium A、CataXCium ABn、CataXCium AHI、CataXCium C、CataXCium FBu、CataXCium FPrPh、CataXCium FSulf、CataXCium PIntB、CPhos、Cy-BIPHEP、Cy-BippyPhos、Cy-JohnPhos、Cy-PhenCarPhos、DavePhos、DCEPhos、DCyPF、DiPPF、ジ-tBu-ネオペンチルホスホニウムHBF
4、DPEPhos、DPPBz、DPPE、DPPF、DtBPF、DTP-DPEPhos、JackiePhos、JohnPhos、Me4XPhos、Me4t-BuXPhos、MeDalPhos、MePhos、MorDalPhos、N-ジシクロヘキシルホスフィノ-2-(2’-メチルフェニル)-1H-インドール、XantPhos、PCy
3 HBF
4、P(o-OMePh)
3、PPh
3、PtBu
3 HBF
4、PXy
3、QPhos、PhDavePhos、RockPhos、RuPhos、SL-J003-1、SL-J009-1、SPhos
、SPhos-SO
3Na、SymPhos、tBuBiNap、tBuDavePhos、tBuMePhos、tBuXantPhos、tBuXPhos、TrixiePhos、XantPhos、XPhos、XPhos-SO
3Na、Me
3P HBF
4、Et
3P HBF
4、xylBinap、Cy-cBRIDP、AmindolePhos、NPCy o-Andole-Phos、NPCy Phendole-Phos、cBRIDP、vBRIDP、CyvBRIDP、CM-Phos、KitPhos、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル、2,2’-ビピリジル、4,4’-ジメトキシ-2,2’-ビピリジル、2,2’-ビキノリン、バソフェナントロリン、s-BuPyBox、ネオクプロイン、トランス-2-アミノシクロヘキサノール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記反応が、プレ触媒の存在下で行われる、請求項1~
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記プレ触媒が、XantPhos 3rd gen、tBuXPhos 3rd gen、CPhos 3rd gen、APhos 3rd gen、ホスファアダマンタン 3rd gen、XPhos 3rd gen、RuPhos 3rd gen、JackiePhos 3rd gen、1st gen BrettPhos、1st gen ditBuXPhos、1st gen RuPhos、1st gen SPhos、1st gen XPhos、2nd gen RuPhos、2nd gen
SPhos、2nd gen XPhos、OMs Pd二量体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記塩基が、金属水酸化物塩基、金属炭酸塩塩基、金属重炭酸塩塩基、アミン塩基、金属フッ化物塩基、金属アルコキシド塩基、金属カルボン酸塩塩基、及び金属リン酸塩塩基からなる群から選択される、請求項1~
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記塩基が、Et
3N、ヒューニッヒ塩基、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、DBU、Na
2CO
3、K
2CO
3、Li
2CO
3、Cs
2CO
3、KOtBu、K
2HPO
4、Na
2HPO
4、Na
3PO
4、K
3PO
4、NaOH、KOH、CsOH、LiOH、KF、CsF、NaOAc、KOAc、CsOAc、LiOAc、LiOtBu、NaOtBu、NaHCO
3、KHCO
3、CsHCO
3、及びLiHCO
3からなる群から選択される、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
Mが、Li
+、Na
+、K
+、Rb
+、Cs
+、四級窒素、Mg
+2、Ca
+2、Sr
+2、及びBa
+2からなる群から選択される、請求項1~
19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記反応が、可視光線の存在下で行われる、請求項1~
20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、及び式(A1d)からなる群から選択される化合物であって、
【化5】
式中、R
1が、任意に置換されたC
1~30アルキル、任意に置換されたC
2~30アルケニル、任意に置換されたC
3~10単環式シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、ハロゲン、任意に置換されたC-カルボキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、任意に置換されたC-アミド、任意に置換されたN-アミド、任意に置換されたC
1~30アルコキシ、ヒドロキシ、任意に置換されたC
1~30ハロアルキル、シアノ、任意に置換されたS-スルホンアミド、任意に置換されたN-スルホンアミド、任意に置換されたO-カルボキシ、任意に置換されたC
2~30アルキニル、任意に置換されたC
3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロシクリル(アルキル)、任意に置換されたアシル、任意に置換されたチオカルボニル、任意に置換されたO-カルバミル、任意に置換されたN-カルバミル、任意に置換されたO-チオカルバミル、任意に置換されたN-チオカルバミル、任意に置換されたC-チオアミド、任意に置換されたN-チオアミド、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたハロアルコキシ、及び第1のホウ素含有部分からなる群から選択され、前記第1のホウ素含有部分がホウ素によって結合されて
おり、
前記第1のホウ素含有部分が、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、又はボロナミドである、化合物。
【請求項23】
下記構造からなる群から選択される、請求項
22に記載の化合物。
【化6】
【請求項24】
下記構造からなる群から選択される化合物、
【化7】
又は前述のうちのいずれかの薬剤的に許容可能な塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(任意の優先権出願への参照による組み込み)
本出願と共に提出された出願データシートで外国又は国内優先権の主張が確認される全ての出願は、37 CFR1.57に基づき、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、置換ビシクロ[1.1.1]ペンタンと修飾有機分子との遷移金属触媒によるカップリング方法、そのようなカップリングを行うための条件、及びそれから得られる生成物に関する。
【背景技術】
【0003】
有機部分の遷移金属触媒によるカップリングのための多くの条件が実証されている。これらの反応は、クロスカップリング及びホモカップリングの広いカテゴリに分類される。クロスカップリング反応では、2つのカップリングパートナーは異なるが、ホモカップリング反応では、2つは同一である。クロスカップリングは、反応生成物の多様性が、ホモカップリングよりも大きいので特に重要である。相互に反応する有機部分は、多くの場合2つの別個の分子の構成成分であるが、分子内反応、すなわち2つの部分が単一の分子内に存在するものも既知である。
【0004】
一般的に、カップリング反応は、炭素-ヘテロ原子結合の切断による遷移金属含有有機金属部分の形成、有機金属部分の金属交換反応による第2の過渡的な有機金属部分の形成、及び連結金属の放出と共に最終的な炭素-炭素結合の形成によって進行すると考えられている。これらのカップリング反応は、一般的に最初に形成された、炭素原子と金属又は半金属原子との間の結合を含む有機金属部分の同一性に関して分類される。例えば、最初に形成された有機金属部分がホウ素を含む場合、カップリング反応は、通常Suzukiカップリング反応として分類される(Miyaura et al.,Chem.Rev.(1995)vol.95,2457~2483;Han,Chem.Soc.Rev.(2013)Vol.42,5270~5298を参照されたい)。最初に形成された有機金属部分が亜鉛を含む場合、カップリング反応は、通常Negishiカップリング反応として分類される(Negishi et al.,Aldrichim.Acta,(2005)Vol.38(3),71~87を参照されたい)。Stille(有機スズ)、Kumada(有機ハロゲン化マグネシウム)、及びHiyama(有機ケイ素)と関連するものを含む、他の型のクロスカップリング反応が認識される。
【0005】
ごく最近では、遷移金属有機金属基が、還元酸化(「レドックス」)不安定基を有する炭素原子と結合する、カップリング反応が実証されている(Prier et al.,Chem.Rev.,(2013)Vol.113,5322~5363を参照されたい)。この型のカップリングが広範な基剤に適用することは実証されていない。更に、このカップリングが、sp3炭素原子と結合を形成することが実証されている場合、隣接するヘテロ原子が必要とされている(Zuo et al.,Science(2014)Vol.345,Issue6195,437~440を参照されたい)。加えて、三級アルキルカルボン酸は、実行可能なカップリングパートナーとみなされていなかった(Noble et al.,J.Am.Chem.Soc.(2015),Vol.137(2),624~627を参照されたい)。レドックス不安定部分を有する化合物は、鉄触媒を用いて、アリール有機亜鉛及びアリール有機マグネシウム種と結合される(Toriyama,F., et al.,Redox-Active Esters in Fe-catalyzed C-C Coupling,J.Am.Chem.Soc.,Publication Date(Web):22 Aug 2016を参照されたい
)。
【0006】
これらのカップリング方法のそれぞれは、一般的に2個のsp2炭素原子間の結合形成に限定される。sp3炭素原子への結合が形成される、いくつかのカップリング反応が実証されたが、このような反応は範囲が限定されている。さらに、クロスカップリング反応は、様々な置換ビシクロ[1.1.1]ペンタンをうまく作るために使用されていない。
【発明の概要】
【0007】
様々な実施形態は、式(A)の化合物と式(B)の化合物とを、
図1及び以下に示されるように第1の遷移金属触媒の存在下で反応させることを含む、式(I)の置換ビシクロ[1.1.1]ペンタン化合物の調製方法を提供する。
【化1】
【0008】
一実施形態では、式(I)の化合物中のR2とビシクロ[1.1.1]ペンタンとの間の結合は、炭素-炭素結合である。一実施形態では、X1及びX2のうちの少なくとも1つは、ホウ素含有部分ではない。
【0009】
一実施形態は、式(I)の置換ビシクロ[1.1.1]ペンタン化合物の調製方法を提供し、本方法は、式(A)の化合物と式(B)の化合物とを第1の遷移金属触媒、任意に第2の遷移金属触媒、及び任意に塩基の存在下で、式(I)の化合物を形成するように選択される条件下で反応させることを含み得る。
【0010】
一実施形態では、式(A)及び式(I)中のR1は、ハロゲン、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC2~30アルケニル、任意に置換されたC3~10単環式シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、ハロゲン、任意に置換されたC-カルボキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、任意に置換されたC-アミド、任意に置換されたN-アミド、任意に置換されたC1~30アルコキシ、ヒドロキシ、任意に置換されたC1~30ハロアルキル、シアノ、任意に置換されたS-スルホンアミド、任意に置換されたN-スルホンアミド、任意に置換されたO-カルボキシ、任意に置換されたC2~30アルキニル、任意に置換されたC3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロシクリル(アルキル)、任意に置換されたアシル、任意に置換されたチオカルボニル、任意に置換されたO-カルバミル、任意に置換されたN-カルバミル、任意に置換されたO-チオカルバミル、任意に置換されたN-チオカルバミル、任意に置換されたC-チオアミド、任意に置換されたN-チオアミド、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたハロアルコキシ、及び第1のホウ素含有部分から選択することができ、第1のホウ素含有部分は、ホウ素によって結合されている。一実施形態では、第1のホウ素含有部分は、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、及びボロナミドから選択することができる。
【0011】
一実施形態では、X1は、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、-C(=O)Y、及び第2のホウ素含有部分から選択することができる。一実施形態では、第2のホウ素含有部分は、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネー
ト、ボロネート、及びボロナミドから選択することができ、第2のホウ素含有部分は、ホウ素によって結合されている。
【0012】
一実施形態では、式(B)の化合物は、構造R2-X2を有することができる。一実施形態では、式(B)及び式(I)中のR2は、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC2~30アルケニル、任意に置換されたC3~10シクロアルキル、任意に置換されたC3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたヘテロシクリルから選択することができる。一実施形態では、式(B)中のX2は、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、-C(=O)Y、ハロゲン化亜鉛、擬ハロゲン化亜鉛、並びに有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、及びボロナミドから選択される第3のホウ素含有部分から選択することができる。
【0013】
一実施形態では、式(A)の化合物と式(B)の化合物とを反応させることは、第1の遷移金属触媒の存在下で実行することができる。一実施形態では、第1の遷移金属触媒は、Pd触媒及びNi触媒から選択することができる。
【0014】
一実施形態では、式(A)の化合物と式(B)の化合物とを反応させることは、第1の遷移金属触媒、及び任意で第2の遷移金属触媒の存在下で実行することができる。一実施形態では、第2の遷移金属触媒は、Ir触媒、Cu触媒、及びRu触媒から選択することができる。一実施形態では、第2の遷移金属触媒が存在する場合、式(A)中のX1、又は式(B)中のX2のどれかは、-C(=O)Yであってもよい。
【0015】
式(A)中のX1、及び/又は式(B)中のX2が-C(=O)Yであり得る、一実施形態では、Yは、それぞれ独立して、ハロゲン化物、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたヘテロアリール、SR6、OR6、SM、及びOMから選択することができる。一実施形態では、R6は、それぞれ独立して、水素、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC2~30アルケニル、任意に置換されたC3~30シクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたアリールから選択することができる。一実施形態では、Mは、それぞれ独立に、一価の陽イオン及び二価の陽イオンから選択することができる。
【0016】
これら及び他の実施形態は、以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】式(I)の化合物を調製するための一般スキーム1を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
別段の定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての特許、出願、公開出願、及び他の出版物は、特に明記しない限り、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書のある用語に対して複数の定義が存在する場合、特に明記しない限り、この節にある定義が優先される。
【0019】
ある基が「任意に置換」されていると記載されるときはいつでも、その基は、非置換であっても、又は示された置換基のうちの1つ以上で置換されてもよい。同様に、ある基が「非置換又は置換」であると記載されるとき、置換の場合は、置換基(複数可)が示された置換基のうちの1つ以上から選択されてもよい。置換基が示されていない場合、示された「任意に置換された」又は「置換された」基は、個別にかつ独立して、D(重水素)、
ハロゲン、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、C1~4アルキル、C3~10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1~6ハロアルキル、シアノ、アルケニル、アルキニル、C3~10シクロアルケニル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、ヘテロシクリル(アルキル)、アシル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、C-チオアミド、N-チオアミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ基、及びジ置換アミノ基から選択される、1つ以上の基(複数可)で、置換することができることを意味する。
【0020】
本明細書で使用される場合、「a」及び「b」が整数である「Ca~Cb」は、基における炭素原子の数を指す。示された基は、「a」~「b」個(a及びbを含む)の炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、「C1~C4アルキル」基は、1~4個の炭素を有する全てのアルキル基、つまり、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-、及び(CH3)3C-を指す。「a」及び「b」が指定されない場合、これらの定義に記載される最も広い範囲が想定されるものとする。
【0021】
2つの「R」基が「一緒になって」いると記載される場合、R基及びそれらが付着する原子は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環を形成することができる。例えば、これらに限定されないが、NR
aR
b基のR
a及びR
bが「一緒になって」いると示される場合、例えば、それらが中間原子を介して間接的に、又は直接的に互いに共有結合して環を形成することを意味する。
【化2】
【0022】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、完全に飽和した脂肪族炭化水素基を指す。アルキル部分は、分枝鎖又は直鎖であってもよい。分枝鎖アルキル基の例としては、イソ-プロピル、sec-ブチル、t-ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-へキシル、n-ヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、1~30個の炭素原子を有してもよい(それが本明細書で見られるときはいつでも、「1~30」などの数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指し、例えば、「1~30個の炭素原子」とは、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などから最大30個(30個を含む)の炭素原子からなってもよいことを意味するが、この定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキル」の存在も含む)。アルキル基はまた、1~12個の炭素原子を有する中鎖アルキルであってもよい。アルキル基はまた、1~6個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基は、置換又は非置換であってもよい。
【0023】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含有する一価の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指す。アルケニル基は、2~30個の炭素原子、2~12個の炭素原子、又は2~6個の炭素原子を有することができる。アルケニルの例としては、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、非置換又は置換であってもよい。
【0024】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を
含有する一価の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指す。アルキニル基は、2~30個の炭素原子、2~12個の炭素原子、又は2~6個の炭素原子を有することができる。アルキニルの例としては、1-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、非置換又は置換であってもよい。
【0025】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全に飽和した(二重又は三重結合なし)単環式又は多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。シクロアルキル基は、環(複数可)中に3~30個の原子、環(複数可)中に3~20個の原子、環(複数可)中に3~10個の原子、環(複数可)中に3~8個の原子、又は環(複数可)中に3~6個の原子を含有することができる。シクロアルキル基は、非置換又は置換であってもよい。
【0026】
本明細書で使用される場合、「縮合」という用語は、少なくとも1つの結合(飽和又は不飽和)を共有する2つの隣接する原子が2つの環に共通である、2つの環の間の結合性を指す。例えば、下記の構造において、環A及びBは縮合している。
【化3】
縮合環構造の例としては、デカヒドロナフタレン、1H-インドール、キノロン、クロマン、ビシクロ[2.1.0]ペンタン、及び6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[7]アヌレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書で使用される場合、「架橋」という用語は、3つ以上の原子が2つの環の間で共有される結合性を指す。下記構造体:
【化4】
【0028】
は、示された原子が少なくとも2つの環の間で共有されているので、「架橋」環の例である。架橋環の例としては、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、2-オキサビシクロ[1.1.1]ペンタン、5-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、アダマンタン及びノルボルナンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「スピロ」という用語は、2つの環が1つの原子のみ共有する、2つの環の間の結合性を指す。例えば、構造
【化5】
において、環CとDはスピロ結合により結合されている。スピロ結合した環構造の例とし
ては、スピロ[3.3]ヘプタン、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、スピロ[4.5]デカン、及び2,6-ジオキサスピロ[3.3]ヘプタンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの環中に1つ以上の二重結合を含有する、単環式又は多環式炭化水素環系を指すが、2つ以上が存在する場合、二重結合は、全ての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を形成することができない(そうでなければ、その基は、本明細書に定義される「アリール」である)。シクロアルケニル基は、環(複数可)中に3~30個の原子、環(複数可)中に3~20個の原子、環(複数可)中に3~10個の原子、環(複数可)中に3~8個の原子、又は環(複数可)中に3~6個の原子を含有することができる。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。シクロアルケニル基は、非置換又は置換であってもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキニル」は、少なくとも1つの環中に1つ以上の三重結合を含有する、単環式又は多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の三重結合が存在する場合、三重結合は、全ての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を形成することができない。シクロアルキニル基は、環(複数可)中に8~30個の原子、環(複数可)中に8~20個の原子、又は環(複数可)中に8~10個の原子を含有することができる。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。シクロアルキニル基は、非置換又は置換であってもよい。
【0032】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、全ての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を有する、炭素環式(全てが炭素の)単環式又は多環式芳香環系(2つの炭素環が化学結合を共有する縮合環系を含む)を指す。アリール基中の炭素原子の数は異なり得る。例えば、アリール基は、C6~C14アリール基、C6~C10アリール基、又はC6アリール基であってもよい。アリール基の例としては、ベンゼン、ナフタレン、及びアズレンが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、置換又は非置換であってもよい。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子(例えば、1個、2個、3個、4個、又は5個のヘテロ原子)、つまり、窒素、酸素、及び硫黄が挙げられるが、これらに限定されない、炭素以外の元素を含有する、単環式、二環式、及び三環式芳香環系(完全に非局在化したπ電子系を有する環系)を指す。ヘテロアリールは、分子の残りの部分に結合、及び/又は炭素原子若しくは窒素原子などのヘテロ原子を介して置換され得る。ヘテロアリール基の環(複数可)中の原子の数は異なり得る。例えば、ヘテロアリール基は、環(複数可)中に4~14個の原子、環(複数可)中に5~10個の原子、又は環(複数可)中に5~6個の原子を含有することができる。その上、「ヘテロアリール」という用語は、縮合環系を含む。ヘテロアリール環の例としては、フラン、フラザン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、チアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリン、及びトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、置換又は非置換であってもよい。
【0034】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」は、炭素
原子と1~5個のヘテロ原子が一緒に前述の環系を構成する、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、最大18員の単環式、二環式、及び三環式環系を指す。複素環は、そのように位置している1つ以上の不飽和結合を任意に含有してもよいが、完全に非局在化したπ電子系は、全ての環全体にわたって発生しない。ヘテロ原子(複数可)は、酸素、硫黄、及び窒素が挙げられるが、これらに限定されない、炭素以外の元素である。ヘテロシクリルは、分子の残りの部分に結合され、及び/又は炭素原子若しくは窒素原子などのヘテロ原子を介して置換され得る。複素環は、定義にラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド、及び環状カルバメートなどのオキソ系及びチオ系を含むように、1つ以上のカルボニル又はチオカルボニル官能基を更に含有してもよい。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。加えて、ヘテロ脂環式環中の任意の窒素は、四級化されてもよい。ヘテロシクリル又はヘテロ脂環式基は、置換又は非置換であってもよい。そのような「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」基の例としては、1,3-ジオキシン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、1,2-ジオキソラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキソラン、1,3-オキサチアン、1,4-オキサチイン、1,3-オキサチオラン、1,3-ジチオール、1,3-ジチオラン、1,4-オキサチアン、テトラヒドロ-1,4-チアジン、2H-1,2-オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、トリオキサン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、オキシラン、ピペリジンN-オキシド、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ピロリドン、ピロリジオン、4-ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、2-オキソピロリジン、テトラヒドロピラン、4H-ピラン、テトラヒドロチオピラン、チアモルホリン、チアモルホリンスルホキシド、チアモルホリンスルホン、及びそれらのベンゾ縮合類似体(例えば、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン、及び/又は3,4-メチレンジオキシフェニル)が挙げられるが、これらに限定されない。架橋複素環式化合物の例としては、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及び1,4-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタンが挙げられるが、これらに限定されない。スピロ結合複素環式化合物の例としては、2-アザスピロ[3,3]ヘプタン、2,6-ジアザスピロ[3,3]ヘプタン、及び2-オキサ-6-アザスピロ[3,3]ヘプタンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される場合、「アラルキル」及び「アリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合されるアリール基を指す。アラルキルの低級アルキレン及びアリール基は、置換又は非置換であってもよい。例としては、ベンジル、2-フェニルアルキル、3-フェニルアルキル、及びナフチルアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロアリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合されるヘテロアリール基を指す。ヘテロアラルキルの低級アルキレン及びヘテロアリール基は、置換又は非置換であってもよい。例としては、2-チエニルアルキル、3-チエニルアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキル、並びにそれらのベンゾ縮合類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
「ヘテロアリシクリル(アルキル)」及び「ヘテロシクリル(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として結合される複素環式又はヘテロ脂環式基を指す。(ヘテロアリシクリル)アルキルの低級アルキレン及びヘテロシクリルは、置換又は非置換であってもよい。例としては、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル(メチル)、ピペリジ
ン-4-イル(エチル)、ピペリジン-4-イル(プロピル)、テトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル(メチル)、及び1,3-チアジナン-4-イル(メチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「低級アルキレン基」は、直鎖-CH
2-連結基であり、それらの末端炭素原子を介して分子断片を連結するように結合を形成する。例としては、メチレン(-CH
2-)、エチレン(-CH
2CH
2-)、プロピレン(-CH
2CH
2CH
2-)、及びブチレン(-CH
2CH
2CH
2CH
2-)が挙げられるが、これらに限定されない。低級アルキレン基は、シクロアルキル基(例えば、
【化6】
)で、低級アルキレン基の1つ以上の水素を置き換えることによって、及び/又は同じ炭素上の両方の水素を置換することによって置換され得る。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
【0040】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、式-ORを指し、式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)である。アルコキシの非限定的なリストは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシ、及びベンゾキシである。アルコキシは、置換又は非置換であってもよい。
【0041】
本明細書で使用される場合、「アシル」は、カルボニル基を介して置換基として結合される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、及びヘテロシクリル(アルキル)を指す。例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、及びアクリルが含まれる。アシルは、置換又は非置換であってもよい。
【0042】
「シアノ」基は、「-CN」基を指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭化物、及びヨウ素などの元素周期表の第7列の放射安定性原子のうちのいずれか1つを意味する。
【0044】
「チオカルボニル」基は、「-C(=S)R」基を指し、式中、Rは、O-カルボキシに関して定義されるものと同じであってもよい。チオカルボニルは、置換又は非置換であってもよい。
【0045】
「O-カルバミル」基は、「-OC(=O)N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-カルバミルは、置換又は非置換であってもよい。
【0046】
「N-カルバミル」基は、「ROC(=O)N(RA)-」基を指し、式中、R及びR
Aは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-カルバミルは、置換又は非置換であってもよい。
【0047】
「O-チオカルバミル」基は、「-OC(=S)-N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-チオカルバミルは、置換又は非置換であってもよい。
【0048】
「N-チオカルバミル」基は、「ROC(=S)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-チオカルバミルは、置換又は非置換であってもよい。
【0049】
「C-アミド」基は、「-C(=O)N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。C-アミドは、置換又は非置換であってもよい。
【0050】
N-アミド」基は、「RC(=O)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-アミドは、置換又は非置換であってもよい。
【0051】
「C-チオアミド」基は、「-C(=S)N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。C-チオアミドは、置換又は非置換であってもよい。
【0052】
「N-チオアミド」基は、「RC(=S)N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-チオアミドは、置換又は非置換であってもよい。
【0053】
「S-スルホンアミド」基は、「-SO2N(RARB)」基を指し、式中、RA及びRBは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。S-スルホンアミドは、置換又は非置換であってもよい。
【0054】
「N-スルホンアミド」基は、「RSO2N(RA)-」基を指し、式中、R及びRAは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリ
ール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N-スルホンアミドは、置換又は非置換であってもよい。
【0055】
「O-カルボキシ」基は、「RC(=O)O-」基を指し、式中、Rは、本明細書に定義される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O-カルボキシは、置換又は非置換であってもよい。
【0056】
「エステル」及び「C-カルボキシ」という用語は、「-C(=O)OR」基を指し、式中、Rは、O-カルボキシに関して定義されるものと同じであってもよい。エステル及びC-カルボキシは、置換又は非置換であってもよい。
【0057】
「オキソ」基は、「=O」基を指す。
【0058】
「スルフェニル」基は、「-SR」基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。スルフェニルは、置換又は非置換であってもよい。
【0059】
「スルフィニル」基は、「-S(=O)-R」基を指し、式中、Rは、スルフェニルに関して定義されるものと同じであってもよい。スルフィニルは、置換又は非置換であってもよい。
【0060】
「スルホニル」基は、「SO2R」基を指し、式中、Rは、スルフェニルに関して定義されるものと同じであってもよい。スルホニルは、置換又は非置換であってもよい。
【0061】
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き換えられる、アルキル基を指す(例えば、モノ-ハロアルキル、ジ-ハロアルキル、及びトリ-ハロアルキル)。そのような基としては、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-クロロ-2-フルオロメチル、及び2-フルオロイソブチルが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキルは、置換又は非置換であってもよい。
【0062】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き換えられる、アルコキシ基を指す(例えば、モノ-ハロアルコキシ、ジ-ハロアルコキシ、及びトリ-ハロアルコキシ)。そのような基としては、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-クロロ-2-フルオロメトキシ、及び2-フルオロイソブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルコキシは、置換又は非置換であってもよい。
【0063】
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語は、-NH2基を指す。
【0064】
「モノ置換アミノ」基は、「-NHR」基を指し、式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。モノ置換アミノは、置換又は非置換であってもよい。モノ置換アミノ基の例としては、-NH(メチル)、-NH(フェニル)などが挙げられるが、これらに限定されない
。
【0065】
「ジ置換アミノ」基は、「-NRARB」基を指し、式中、RA及びRBは独立して、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。ジ置換アミノは、置換又は非置換であってもよい。ジ置換アミノ基の例としては、-N(メチル)2、-N(フェニル)(メチル)、-N(エチル)(メチル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
本明細書で使用される場合、「反応」とは、物質の分子及び/又はイオン構造及び/又は物質が転移する化学反応を引き起こす行為を指す幅広い用語である。「反応」は、化学変換をもたらす環境に分子を配置すること、及び/又は分子の周りの環境を変化させて化学変換もたらすことを含む。このような反応の行為は、直接又は中間体種を介して、相互に化学的に反応する2つ以上の分子を化合させることを含む。「反応」はまた、特定の環境に置かれた分子から生じる中間体種の化学変換を引き起こすことを指すこともある。
【0067】
本明細書で使用される場合、「配位子」とは、金属又は半金属原子に結合している、又は結合することができる分子を指す幅広い用語である。配位子は、結合又は非結合電子を介して金属又は半金属に結合することができる。配位子分子は、単一の原子又は複数の原子を含むことができる。連結金属又は半金属は、配位子が配位したものである。配位子の例は、「Organotransition Metal Chemistry-From Bonding to Catalysis」John Hartwig(University Science Books,2010)で見つけることができる。
【0068】
本明細書で使用される場合、「擬ハロゲン化物」とは、ハロゲン化物の反応特性を受けることができる部分を指す幅広い用語である。例えば、擬ハロゲン化物は、スルホネート、ホスフェート、イソシアヌレート、シアン化物、アジド、イソシアネート、チオイソシアネート、又は四級窒素部分であってもよい。擬ハロゲン化物がスルホネートである場合、例えば、トリフレート、メシレート、トシレート、ニトロフェニルスルホネート、ブロモフェニルスルホネート、又はベンゼンスルホネートであってもよい。
【0069】
置換基の数が指定されない場合(例えば、ハロアルキル)、1つ以上の置換基が存在してもよい。例えば、「ハロアルキル」は、同じ又は異なるハロゲンのうちの1つ以上を含んでもよい。別の例として、「C1~C3アルコキシフェニル」は、1個、2個、又は3個の原子を含有する同じ又は異なるアルコキシ基のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0070】
本明細書で使用される場合、「フリーラジカル」とは、不対電子を含む種、又はそのような種内の不対電子を指す。
【0071】
「薬学的に許容される塩」という用語は、それが投与される生物に著しい刺激をもたらさず、かつ化合物の生物活性及び特性を無効にしない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、塩は、化合物の酸付加塩である。薬学的塩は、化合物を無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)、硫酸、硝酸、及びリン酸(2,3-ジヒドロキシプロピルニ水素リン酸塩など)と反応させることによって得ることができる。薬学的塩はまた、化合物を有機酸、例えば、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸又はスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、2-オキソペンタン二酸、又はナフタレンスルホン酸と反応させることによっても得ることができる。薬学的塩はまた、化合物を塩基と反
応させて、塩、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はリチウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム又はマグネシウム塩、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩、有機塩基の塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C1~C7アルキルアミン、シクロへキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、並びにアルギニン及びリシンなどのアミノ酸の塩を形成することによっても得ることができる。式(I)の化合物に関して、当業者は、塩が窒素ベースの基(例えば、NH2)のプロトン化によって形成される場合、窒素ベースの基が正電荷と会合し得(例えば、NH2がNH3
+になり得)、正電荷が負の電荷を持つ対イオン(Cl-など)によってバランスがとられ得ることを理解している。
【0072】
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載の任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に示されない場合、各中心が独立して、R配置若しくはS配置、又はこれらの混合物であってもよいことが理解される。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的に豊富な、ラセミ混合物、ジアステレオマー的に純粋な、ジアステレオマー的に豊富な、又は立体異性混合物であってもよい。加えて、E又はZと定義され得る幾何異性体を生じる1つ以上の二重結合(複数可)を有する、本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合が独立して、E又はZ、又はこれらの混合物であってもよいことが理解される。
【0073】
記載された任意の化合物において、全ての互変異性型もまた含まれるよう意図されることが理解される。例えば、以下は、互変異性体である。
【化7】
【0074】
本明細書に開示の化合物が不完全原子価を有する場合、その原子価が、水素又はその同位体、例えば、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)で満たされることを理解されたい。
【0075】
本明細書に記載の化合物が同位体で標識され得ることが理解される。重水素などの同位体での置換は、例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の低減など、より大きい代謝安定性に起因するある特定の治療上の利点をもたらし得る。化合物構造中に表される各化学元素は、前述の元素の任意の同位体を含んでもよい。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明示的に開示または理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)が挙げられるが、これらに限定されない、水素の任意の同位体であってもよい。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、文脈が明確にそうでないと示さない限り、全ての可能な同位体形態を包含する。
【0076】
本明細書に記載の方法及び組み合わせが、結晶形態(多形体としても既知であり、化合物の同じ元素組成の異なる結晶充填配置を含む)、非晶相、塩、溶媒和物、及び水和物を含むことが理解される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を有する溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒での結晶化プロセス中に形成されてもよい。溶媒が水である場合に水和物が形成されるか、又は溶媒がアルコールである場合にアルコラートが形成される。加えて、本明細書に提供
される化合物は、非溶媒和及び溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、本明細書に提供される化合物及び方法の目的で、非溶媒和形態と同等であるとみなされる。
【0077】
値の範囲が提供される場合、上限及び下限、並びにその範囲の上限と下限との間に介在する各値が、実施形態内に包含されることが理解される。
【0078】
本願で使用される用語及び語句並びにこれらの変化形、特に添付の特許請求の範囲にあるものは、特に明記しない限り、限定的ではなく非限定的であると解釈されるべきである。上記の例として、「含むこと」という用語は、「限定することなく含むこと」、「含むが、これらに限定されないこと」などを意味するよう解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「備えること」という用語は、「含むこと」、「含有すること」、又は「特徴とする」と同義語であり、包括的又は非限定的であり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外しない。「有すること」という用語は、「少なくとも有すること」と解釈されるべきである。「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。「例」という用語は、考察中の項目の網羅的又は限定的なリストではなく例示的な実例を提供するために使用される。「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、又は「望ましい」のような用語、及び同様の意味の単語の使用は、ある特定の特徴がその構造又は機能にとって重大、本質的、又は重要でさえあるということを暗示するものとして理解されるべきではなく、むしろ単に特定の実施形態で利用されてもされなくてもよい代替又は追加の特徴を強調することを目的とする。加えて、「備えること」という用語は、「少なくとも有すること」又は「少なくとも含むこと」という語句の同意語として解釈されるものとする。プロセスの文脈で使用される場合、「備えること」という用語は、プロセスが少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程を含んでもよいことを意味する。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、「備えること」という用語は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含んでもよいことを意味する。同様に、接続詞「及び」で連結された項目の群は、それらの項目の1つ1つが群に存在することを要求するものと解釈されるべきではなく、むしろ、文脈が明確にそうでないと示さない限り、「及び/又は」と解釈されるべきである。同様に、接続詞「又は」で連結された項目の群は、その群中の相互排他性を要求するものと解釈されるべきではなく、むしろ、文脈が明確にそうでないと示さない限り、「及び/又は」と解釈されるべきである。
【0079】
本明細書の実質的にいかなる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しても、当業者は、文脈及び/又は用途に応じて適切に、複数形から単数形、及び/又は単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の入れ替えは、明確にするために本明細書で明示的に記載され得る。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかの項目の機能を果たすことができる。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、利益を得るためにこれらの手段の組み合わせを使用することができないということを示すものではない。請求項中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0080】
本明細書で規定される場合、「カップリング」とは、2つの原子、例えば2つの炭素原子間のシグマ結合の形成である。カップリングされる各原子は、必然的に部分の構成要素であり、各部分は、必然的に分子の構成要素である。カップリングされる部分は、単一の分子又は2つの異なる分子の構成要素であってもよい。
【0081】
本明細書で規定される場合、クロスカップリング触媒とは、適切な条件下で、2つの異なる部分間のカップリングを誘発し得る(1つ以上の配位子を含む)遷移金属錯体である
。
【0082】
本明細書で規定される場合、光レドックス触媒とは、照射下かつ他の適切な条件下で、部分を酸化又は還元することによってフリーラジカルを生成し得る(1つ以上の配位子を含む)遷移金属錯体である。
プロセス
【0083】
様々な実施形態は、以下の構造を有する式(I)の置換ビシクロ[1.1.1]ペンタン化合物の調製方法を提供する。
【化8】
【0084】
一実施形態では、式(I)の化合物中のR2とビシクロ[1.1.1]ペンタンとの間の結合は、炭素-炭素結合である。
【0085】
一実施形態では、式(I)の化合物の作製方法は、
図1に示されるように、式(A)の化合物と式(B)の化合物とを反応させることを含む。一実施形態では、式(A)の化合物と式(B)の化合物との反応は、第1の遷移金属触媒、任意に第2の遷移金属触媒、及び任意に塩基の存在下で、式(I)の化合物を形成するように選択される条件下で実行される。一実施形態では、式(B)の化合物は、R
2-X
2であってもよい。一実施形態では、式(A)の化合物は、下記の構造を有する。
【化9】
【0086】
様々な実施形態では、式(I)及び/又は式(A)の化合物中の可変部分R1は、ハロゲン、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC2~30アルケニル、任意に置換されたC3~10単環式シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、ハロゲン、任意に置換されたC-カルボキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、任意に置換されたC-アミド、任意に置換されたN-アミド、任意に置換されたC1~30アルコキシ、ヒドロキシ、任意に置換されたC1~30ハロアルキル、シアノ、任意に置換されたS-スルホンアミド、任意に置換されたN-スルホンアミド、任意に置換されたO-カルボキシ、任意に置換されたC2~30アルキニル、任意に置換されたC3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロシクリル(アルキル)、任意に置換されたアシル、任意に置換されたチオカルボニル、任意に置換されたO-カルバミル、任意に置換されたN-カルバミル、任意に置換されたO-チオカルバミル、任意に置換されたN-チオカルバミル、任意に置換されたC-チオアミド、任意に置換されたN-チオアミド、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたハロアルコキシ、又は第1のホウ素含有部分であってもよく、第1のホウ素含有部分は、ホウ素によって結合されている。いくつかの実施形態では、式(I)及び/又は式(A)の化合物中の可変部分R1は、ハロゲン、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC2~30アルケニル、任意に置換されたC3~10単環式シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘ
テロシクリル、ハロゲン、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、任意に置換されたC-アミド、任意に置換されたN-アミド、任意に置換されたC1~30アルコキシ、ヒドロキシ、任意に置換されたC1~30ハロアルキル、シアノ、任意に置換されたS-スルホンアミド、任意に置換されたN-スルホンアミド、任意に置換されたO-カルボキシ、任意に置換されたC2~30アルキニル、任意に置換されたC3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロシクリル(アルキル)、任意に置換されたアシル、任意に置換されたチオカルボニル、任意に置換されたO-カルバミル、任意に置換されたN-カルバミル、任意に置換されたO-チオカルバミル、任意に置換されたN-チオカルバミル、任意に置換されたC-チオアミド、任意に置換されたN-チオアミド、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたハロアルコキシ、又は第1のホウ素含有部分であってもよく、第1のホウ素含有部分は、ホウ素によって結合されている。例えば、一実施形態では、第1のホウ素含有部分は、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、又はボロナミドであってもよい。
【0087】
様々な実施形態では、式(A)の化合物中の可変部分X
1は、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、-C(=O)Y、又は第2のホウ素含有部分であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のホウ素含有部分は、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、又はボロナミドであってもよい。特定の実施形態では、Yは、それぞれ独立して、ハロゲン化物、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたヘテロアリール、SR
6、OR
6、SM、又はOMであってもよい。一実施形態では、R
6は、それぞれ独立して、水素、任意に置換されたC
1~30アルキル、任意に置換されたC
2~30アルケニル、任意に置換されたC
3~30シクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたヘテロアリール、又は任意に置換されたアリールであってもよい。一実施形態では、Mは、それぞれ独立して、一価の陽イオン(例えば、Li
+、Na
+、K
+、若しくはNH
4
+)、又は二価の陽イオン(例えば、Mg
2+又はCa
2+)であってもよい。いくつかの実施形態では、式(A)の化合物中の可変部分X
1は、-C(=O)OR
6であってもよい。いくつかの実施形態では、YはOR
6であってもよく、R
6は水素であってもよい。他の実施形態では、YはOR
6であってもよく、R
6は非置換C
1~30アルキルであってもよい。他の実施形態では、YはOR
6であってもよく、R
6は非置換C
1~4アルキルであってもよい。更なる他の実施形態では、YはOR
6であってもよく、R
6は任意に置換されたヘテロシクリルであってもよい。これらの実施形態の変形では、ヘテロシクリルは、構造
【化10】
を有することができる。様々な実施形態では、X
1は、スルホネート、又は塩化物、臭化物、若しくはヨウ化物から選択されるハロゲン化物であってもよい。様々な実施形態では、式(A)の化合物中の可変部分X
1は、本明細書に記載されるものを含む、第2のホウ素含有部分であってもよい。本明細書に記載される方法の利点は、X
1が、活性化エステル(例えば、-C(=O)O(アルキル))に変換されて反応して、式(I)の化合物などの生成物の良好な収率を提供する必要がない。例えば、第2の遷移金属触媒が光レドックス触媒である場合、X
1は、カルボン酸(-C(=O)OH)であってもよく、反応し、式(I)の化合物などの生成物の良好な収率を提供する。
【0088】
特定の実施形態では、X1は、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物ではあり得ない。特定
の他の実施形態では、X1は、ホウ素含有部分ではあり得ない。他の実施形態では、X1は、-C(=O)Yであり得ない。更なる他の実施形態では、X1は、-C(=O)OCH3などの、-C(=O)O(非置換C1~4アルキル)ではあり得ない。
【0089】
いくつかの実施形態では、R2は、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC2~30アルケニル、任意に置換されたC3~10シクロアルキル、任意に置換されたC3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、又は任意に置換されたヘテロシクリルであってもよい。いくつかの実施形態では、R2は、任意に置換されたC2~30アルケニル、任意に置換されたC3~10シクロアルケニル、又は任意に置換されたアリールであってもよい。様々な実施形態では、アリールは、モノ置換フェニル、ジ置換フェニル、トリ置換フェニル、オルト置換フェニル、メタ置換フェニル、又はパラ置換フェニルであってもよい。他の実施形態では、R2は、任意に置換された5又は6員環単環式ヘテロアリール、任意に置換された9又は10員環二環式ヘテロアリールなどの、任意に置換されたヘテロアリールであってもよい。置換される場合、R2のヘテロアリールは、1つの置換基を有することができる。R2のヘテロアリールはまた、複数の置換基で置換することもできる。置換R2基上に存在し得る可能な置換基は、「任意に置換された」の下に本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、置換基が、ハロゲン、非置換C1~4アルキル、非置換C1~4アルコキシ、非置換C1~4ハロアルキル、非置換C1~4ハロアルコキシ、非置換モノ置換アミノ、非置換ジ置換アミノ、シアノ、ニトロ、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたヘテロシクリルから選択され得る場合、R2は、置換することができる。更なる実施形態では、R2は、任意に置換された(E)-C2~30アルケニル、又は任意に置換された(Z)-C2~30アルケニルであってもよい。また更なる実施形態では、R2は、アルファ(α)位にヘテロ原子を含むことができない。本項において記載されるR2置換は、X2による置換とは無関係である。
【0090】
いくつかの実施形態では、X2は、ハロゲン化物、擬似ハロゲン化物、-C(=O)Y、ハロゲン化亜鉛、擬ハロゲン化亜鉛、又は第3のホウ素含有部分であってもよい。一実施形態では、第3のホウ素含有部分は、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、又はボロナミドであってもよい。特定の実施形態では、R2がアルキルの場合、X2は、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物ではあり得ない。特定の他の実施形態では、X1及びX2のうちの少なくとも1つは、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物ではあり得ない。様々な実施形態では、R2とX2との間の結合は、sp2炭素-ヘテロ原子結合であってもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1の遷移金属触媒は、Pd触媒又はNi触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の遷移金属触媒がPd触媒である場合、第2の遷移金属触媒は存在しない。
【0092】
いくつかの実施形態では、第2の遷移金属触媒は、Ir触媒、Cu触媒、又はRu触媒であってもよい。特定の実施形態では、第2の遷移金属触媒が存在する場合、第2の遷移金属触媒はIr触媒であってもよく、第1の遷移金属触媒はNi触媒であってもよく、X1は-C(=O)Yであってもよく、X2はハロゲン化物又は擬ハロゲン化物であってもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、X1及びX2のうちの少なくとも1つは、ホウ素含有部分ではあり得ない。
【0094】
いくつかの実施形態では、第2の遷移金属触媒が存在する場合、X1又はX2のどちらかが-C(=O)Yである。
【0095】
特定の実施形態では、第1の遷移金属触媒は、クロスカップリング触媒であってもよい。様々な実施形態では、クロスカップリング触媒は、Suzukiカップリング触媒又はNegishiカップリング触媒クロスカップリング触媒であってもよい。特定の実施形態では、第1の遷移金属触媒は、式(A)の化合物及び/又は式(B)の化合物への酸化的付加を受けるように選択される。一実施形態では、第1の遷移金属触媒は、Fe原子を含む鉄(Fe)触媒ではない。
【0096】
特定の実施形態では、第1の遷移金属触媒は、Pd原子を含むPd触媒であってもよい。これらの実施形態の変形では、Pd原子は、ハロゲン化物、スルホネート、カルボキシレート、ホスフィン、イミン、芳香族化されたN(例えば、ピリジン)、アルケン、アミン、ニトリル、カルバニオン、又はカルベンのうちの1つ以上によって連結することができる。更なる変形では、Pd触媒は、Pd(0)原子を含むことができる。また更なる変形では、Pd触媒は、Pd(II)原子を含むことができる。いくつかの変形では、Pd原子は、二座部分によって連結することができる。いくつかの更なる変形では、Pd原子は、三座部分によって連結することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、Pd触媒は、本明細書の他の個所に記載されるような触媒であってもよい。特定の実施形態では、Pd触媒は、Pd(PPh3)4であってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、第1の遷移金属触媒は、Ni原子を含むNi触媒であってもよい。これらの実施形態の変形では、Ni原子は、ハロゲン化物、スルホネート、カルボキシレート、ホスフィン、イミン、芳香族化されたN、アルケン、アミン、ニトリル、カルバニオン、又はカルベンのうちの1つ以上によって連結することができる。更なる変形では、Ni触媒は、Ni(0)原子を含むことができる。また更なる変形では、Ni触媒は、Ni(II)原子を含むことができる。いくつかの変形では、Ni原子は、二座部分によって連結することができる。いくつかの更なる変形では、Ni原子は、三座部分によって連結することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、Ni触媒は、本明細書の他の個所に記載されるような触媒であってもよい。いくつかの実施形態では、Ni触媒は、NiCl2・ジメトキシエタンであってもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、第2の遷移金属触媒は、光レドックス触媒であってもよい。一実施形態では、第2の遷移金属触媒は、Fe原子を含む鉄(Fe)触媒ではない。
【0101】
いくつかの実施形態では、第2の遷移金属触媒は、Ru原子を含むRu触媒であってもよい。これらの実施形態の変形では、Ru原子は、ハロゲン化物、スルホネート、カルボキシレート、ホスフィン、イミン、芳香族化されたN(例えば、ピリジン)、アルケン、アミン、ニトリル、カルバニオン、又はカルベンのうちの1つ以上によって連結することができる。更なる変形では、Ru原子は、二座部分、例えば、ビピリジン(bpy)又はその誘導体によって連結することができる。いくつかの実施形態では、Ru触媒は、本明細書の他の個所に記載されるような触媒であってもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、第2の遷移金属触媒は、Ir原子を含むIr触媒であってもよい。これらの実施形態の変形では、Ir原子は、ハロゲン化物、スルホネート、カルボキシレート、ホスフィン、イミン、芳香族化されたN(例えば、ピリジン)、アルケン、アミン、ニトリル、カルバニオン、又はカルベンのうちの1つ以上によって連結すること
ができる。更なる変形では、Ir原子は、二座部分、例えば、ビピリジン(bpy)又はその誘導体によって連結することができる。いくつかの実施形態では、Ir触媒は、本明細書の他の個所に記載されるような触媒であってもよい。特定の実施形態では、Ir触媒は、[Ir{dF(CF3)ppy}2(dtbpy)]PF6であってもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、第2の遷移金属触媒は、Cu原子を含むCu触媒であってもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、式(A)の化合物は、下記の構造を有することができる。
【化11】
【0105】
いくつかの実施形態では、R
1A及びR
1Bは、独立して、水素、任意に置換されたC
1~30アルキル、又は任意に置換されたC
3~10シクロアルキルであってもよい。他の実施形態では、OR
1A、OR
1B、及びそれらが結合するホウ素原子は一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成することができる。例えば、OR
1A、OR
1B、及びホウ素原子は、
【化12】
などの、任意に置換された5員環ヘテロシクリル、
【化13】
などの、8員環ヘテロシクリルを形成することができる。いくつかの実施形態では、R
1A及びR
1Bはそれぞれ、水素であってもよい。いくつかの実施形態では、R
1Cは、それぞれ独立して、水素、任意に置換されたC
1~30アルキル、又は任意に置換されたC
3~10シクロアルキルであってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、R
2A及びR
2Bは、独立して、水素、又は任意に置換されたC
1~30アルキルであってもよい。他の実施形態では、OR
2A、OR
2B、及びそれらが結合するホウ素原子は一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成することができる。例えば、OR
2A、OR
2B、及びホウ素原子は、
【化14】
などの、任意に置換された5員環ヘテロシクリルを形成することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、R3A及びR3Bは、独立して、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC3~10シクロアルキル、アミン、アリールアミン、又はアルキルアミンであってもよい。他の実施形態では、R3A、R3B、及びそれらが結合するホウ素原子は一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、R4A及びR4Bは、独立して、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC3~10シクロアルキル、アミン、アリールアミン、又はアルキルアミンであってもよい。他の実施形態では、R4A、R4B、及びそれらが結合するホウ素原子は一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、R5A及びR5Bは、独立して、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC3~10シクロアルキル、アミン、アリールアミン、又はアルキルアミンであってもよい。他の実施形態では、R5A、R5B、及びそれらが結合するホウ素原子は一緒になって、任意に置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、X1は、ハロゲン化物、例えば、塩化物、臭化物、又はヨウ化物であってもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、X1は、擬ハロゲン化物、例えば、スルホネート、ホスフェート、シアン化物、アジド、イソシアネート、チオイソシアネート、又は四級窒素部分であってもよい。これらの実施形態の変形では、X1は、スルホネート、例えば、トリフレート、メシレート、トシレート、ニトロフェニルスルホネート、ブロモフェニルスルホネート、又はベンゼンスルホネートであってもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、X2は、ハロゲン化物、例えば、塩化物、臭化物、又はヨウ化物であってもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、X2は、ハロゲン化亜鉛又は擬ハロゲン化亜鉛、例えば、塩化亜鉛又は臭化亜鉛であってもよい。特定の実施形態では、X2がハロゲン化亜鉛又は擬ハロゲン化亜鉛である場合、第1の遷移金属触媒は、Negishiカップリング触媒であってもよい。他の実施形態では、X2は、ハロゲン化マグネシウム又は擬ハロゲン化マグネシウム、例えば、塩化マグネシウム又は臭化マグネシウムであってもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、R1は水素であってもよい。他の実施形態では、R1は、任意に置換されたアリール、例えば非置換又は置換フェニルであってもよい。いくつかの実施形態では、R1はモノ置換フェニルであってもよい。モノ置換フェニル上に存在し得る可能な置換基は、「任意に置換された」の下に本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、R1は、モノ置換フェニルであってもよく、前記置換は、ハロゲン、ヒドロキシ、非置換C1~4アルキル、非置換C1~4アルコキシ、非置換C1~4ハロアルキル、非置換C1~4ハロアルコキシ、非置換モノ置換アミノ、非置換ジ置換アミノ、シアノ、ニトロ、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたヘテロシクリルから選択され得る。更なる他の実施形態では、R1は任意に置換されたヘテロアリールであってもよい。例えば、R1は、非置換若しくは置換単環式ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換二環式ヘテロアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、R1は任意に置換された5又は6員環単環式ヘテロアリールであってもよい。他の実施形態では、R1は任意に置換された9又は10員環二環式ヘテロアリールであってもよい。置換される場合、R1のヘテロアリールは、モノ置換であってもよい。R1のヘテロアリールはまた、複数の置換基で置換することもできる。R1の置換ヘテロアリール上に存在し得る可能な置換基は、「任意に置換された」の下に本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、R1は、モノ置換ヘテロアリールであってもよく、前記置換は、ハロゲン、ヒドロキシ、非置換C1~4アルキル、非置換C1~4アルコキシ、非置換C1~4ハロアルキル、非置換C1~4ハロアルコキシ、非置換モノ置換アミノ、非置換ジ置換アミノ、シアノ、ニトロ、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、及び任意に置換されたヘテロシクリルから選択され得る。また更に他の実施形態では、R1は、第1のホウ素含有部分であり得、第1のホウ素含有部分は、ホウ素によって結合されている。第1のホウ素含有部分の例は、本明細書において更に詳細に記載される。いくつかの実施形態では、R1は、任意に置換された-C(=O)-O-(任意に置換されたヘテロアリール)などの、任意に置換されたC-カルボキシであってもよい。他の実施形態では、R1は任意に置換されたN-カルバミルであってもよい。例えば、R1は、-NH(C=O))O-(C1~4アルキル)であってもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、R1は、第1のホウ素含有部分であってもよく、第1のホウ素含有部分は、ホウ素によって結合され、X1は、本明細書に記載されるものなどの、第2のホウ素含有部分であってもよい。他の実施形態では、R1は、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであってもよく、X1は、-C(=O)OR6(例えば、-C(=O)OH)などの-C(=O)Yであってもよい。更に他の実施形態では、R1は、任意に置換されたアリール又は任意に置換されたヘテロアリールであってもよく、X1は、第2のホウ素含有部分であってもよい。更なる他の実施形態では、R1は、任意に置換されたC-カルボキシであってもよく、X1は、-C(=O)OR6(例えば、-C(=O)OH)などの-C(=O)Yであってもよい。本明細書に記載されるように、X1は、-C(=O)OH又は-C(=O)O(非置換C1~4アルキル)であってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を形成するための、式(A)の化合物と式(B)の化合物との反応は、配位子の存在下で行われ得る。これらの実施形態の変形では、配位子は、A-caPhos、a-taPhos、Binap、BIPHEP、BippyPhos、Ad-BrettPhos、ditBuBrettPhos、BrettPhos、CataCXcium POMeCy、CataCXcium PtB、CataCXium PiCy、CataCXium FBn、CataCXium PCy、CataCXium PInCy、CataCXium POMetB、CataXCium A、CataXCium ABn、CataXCium AHI、CataXCium C、CataXCium FBu、CataXCium FPrPh、CataXCium FSulf、CataXCium PIntB、CPhos、Cy-BIPHEP、Cy-BippyPhos、Cy-JohnPhos、Cy-PhenCarPhos、DavePhos、DCEPhos、DCyPF、DiPPF、ジ-tBu-ネオペンチルホスホニウムHBF4、DPEPhos、DPPBz、DPPE、DPPF、DtBPF、DTP-DPEPhos、JackiePhos、JohnPhos、Me4XPhos、Me4t-BuXPhos、MeDalPhos、MePhos、MorDalPhos、N-ジシクロヘキシルホスフィノ-2-(2’-メチルフェニル)-1H-インドール、XantPhos、PCy3HBF4、P(o-OMePh)3、PPh3、PtBu3HBF4、PXy3、QPhos、PhDavePhos、RockPhos、RuPhos、SL-J003-1、SL-J009-1、SPhos、SPhos-SO3Na、SymPhos、tBuBiNap、tBuDavePhos、tBuMePhos、tBuXantPhos、tBuXPhos、TrixiePhos、XantPhos、XPhos、XPhos-SO3Na、Me3P HBF4、Et3P HBF4、xylBinap、Cy-cBRIDP、AmindolePhos、NPCy o-Andole-Phos、NPCy Phendole-Phos、cBRIDP、vBRIDP、CyvBRIDP、CM-Phos、KitPhos、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル(bbbpy)、2,2’-ビピリジル、4,4’-ジメトキシ-2,2’-ビピリジル、2,2’-ビキノリン、バソフェナントロリン、s-BuPyBox、ネオクプロイン、トランス-2-アミノシクロヘキサノール、又はそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、配位子はbbbpyであってもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を形成するための、式(A)の化合物と式(B)の化合物との反応は、プレ触媒の存在下で行われ得る。これらの実施形態の変形では、プレ触媒は、XantPhos3rd gen、tBuXPhos3rd gen、CPhos3rd gen、APhos3rd gen、ホスファアダマンタン3rd gen、XPhos3rd gen、RuPhos3rd gen、JackiePhos3rd gen、1st gen BrettPhos、1st gen ditBuXPhos、1st gen RuPhos、1st gen SPhos、1st g
en XPhos、2nd gen RuPhos、2nd gen SPhos、2nd gen XPhos、OMs Pd二量体、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を形成するための、式(A)の化合物と式(B)の化合物との反応は、塩基の存在下で行われ得る。いくつかの実施形態では、塩基が、金属水酸化物塩基、金属炭酸塩塩基、金属重炭酸塩塩基、アミン塩基、金属フッ化物塩基、金属アルコキシド塩基、金属カルボン酸塩塩基、又は金属リン酸塩塩基であってもよい。これらの実施形態の変形では、塩基は、本明細書の他の個所に記載される塩基であってもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、Y及びX1の記載における可変部分Mは、一価の陽イオン、例えばLi+、Na+、K+、Rb+、Cs+、又は四級窒素であってもよい。他の実施形態では、Mは二価の陽イオン、例えば、Mg+2、Ca+2、Sr+2、又はBa+2であってもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、R6は、それぞれ独立して、水素又はC1~4アルキルであってもよい。いくつかの実施形態では、R6はそれぞれ、水素であってもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を形成するための、式(A)の化合物と式(B)の化合物との反応は、可視光線の存在下で行われ得る。更なる実施形態では、第2の遷移金属触媒が光レドックス触媒として存在する場合、そのような反応は、可視光線の存在下で行われ得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、塩として調製することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、式(A)の化合物対式(B)の化合物のモル比は、約0.1:1~約10:1であってもよく、塩基は、金属アルコキシド塩基であってもよく、第1の遷移金属触媒は、Pd触媒であってもよい。反応のいくつかの実施形態では、X1は、有機ボラン、ボロン酸エステル、ボロン酸、トリフルオロホウ酸塩、N-配位ボロネート、ボロネート、又はボロナミドから選択される第2のホウ素含有部分であってもよい。反応のいくつかの実施形態では、X1は、塩化物、臭化物、又はヨウ化物から選択されるハロゲン化物であってもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、式(I)を形成するための反応中の式(A)の化合物対式(B)の化合物のモル比は、約0.1:1~約10:1の範囲であってもよく、塩基は金属炭酸塩塩基であってもよく、第1の遷移金属触媒はNi触媒であってもよく、X1は-C(=O)Yであってもよく、YはOR6であってもよく、X1は塩化物、臭化物、及びヨウ化物から選択されるハロゲン化物であってもよい。
【0125】
当業者は、本明細書の詳細な教示によって導かれ、第1の遷移金属触媒として、適切なクロスカップリング触媒を選択することができる。クロスカップリング触媒は、一般的に、少なくとも2つの作用、酸化的付加及び還元的脱離を実行するように選択される。酸化的付加において、金属(例えば、遷移金属)は、有機ハロゲン化物又は有機擬ハロゲン化物に一対の電子を供与して、第1の中間有機金属種を生成する。一般的に、電子を豊富に含む又は低原子価遷移金属種は、酸化的付加を受けるようになる。還元的脱離において、第2の中間有機金属種中の炭素-金属結合中の金属は、2つの有機分子配位子間に新たな結合を残して、2電子還元を受ける。一般的に、電子を豊富に含まない又は高原子価遷移金属種は、還元的脱離を受けるようになる。したがって、第1の遷移金属触媒を選択することは、これらの2つの型の種の間をサイクルし得るクロスカップリング触媒を特定する
ことを含み得る。反応混合物中に光レドックス触媒が存在しない場合、クロスカップリング触媒はまた、金属交換反応作用を実行するように選択することもできる。金属交換反応において、有機部分に結合した第1の金属又は半金属は、第2の金属で置換されて、第2の中間有機金属種を生成し、前記第1の金属又は半金属は、例えば、ホウ素含有部分のホウ素原子又は亜鉛含有部分の亜鉛原子であってもよく、第2の金属は、クロスカップリング触媒の遷移金属であってもよく、例えば第1の中間有機金属種に含まれる。クロスカップリング触媒はまた、特に光レドックス触媒を有する反応混合物中に混合される場合、フリーラジカルで一電子酸化作用を受ける(フリーラジカルが低減される)ように選択することもできる。そのような作用において、金属、例えば、第1の中間有機金属種中に含まれるクロスカップリング触媒の遷移金属は、フリーラジカルに電子を供与して、新たな炭素-金属結合を形成する。クロスカップリング触媒の様々な作用は、別々に発生し得る、又は同一の広がりを持ち得、一般に、それぞれは、触媒中の遷移金属の酸化状態のサイクルを伴う。
【0126】
クロスカップリング触媒は、反応混合物に添加される形態で、本明細書に記載される作用を実行することができるか、又は異なる形態、例えば反応混合物中インサイチューで生成される形態で、例えば配位子交換によって、活性であり得る。クロスカップリング触媒は、帯電していても帯電していなくてもよく、反応混合物中で非帯電と帯電の間でサイクルすることができる。クロスカップリング触媒中の遷移金属原子は、酸化的付加、金属交換反応、フリーラジカルを用いる一電子酸化、及び/又は還元的脱離を実行するために、一般的に、任意の好適な遷移金属原子であってもよい。そのような原子は、Ni原子及びPd原子を含んでいることが知られているが、他の遷移金属は、状況によってはカップリング反応を誘発するのに有効であり得る。クロスカップリング触媒は、1つ以上の遷移金属原子を含むことができる。いくつかの実施形態では、クロスカップリング触媒は、Ni原子を含むNi触媒であってもよい。他の実施形態では、クロスカップリング触媒は、Pd原子を含むPd触媒であってもよい。クロスカップリング触媒中の遷移金属は、1つ以上の配位子によって連結される。当業者は、本明細書で提供される詳細な教示によって導かれるような、人に利用可能な知識に基づいて、適切な触媒及び配位子を選択することができる。クロスカップリング触媒の考察のために、Meijere et al.,Eds.,Metal-Catalyzed Cross coupling Reactions and More(2014,Wiley-VCH);Phan et al.,On the Nature of the Active Species in Palladium Catalyzed Mizoroki-Heck and Suzuki-Miyaura Couplings-Homogeneous or Heterogeneous Catalysis,A Critical Review,Advanced Synthesis & Catalysis(2006)Vol.348,Issue 6,pages 609~679;「Organotransition Metal Chemistry-From Bonding to Catalysis」John Hartwig(University Science Books,2010)を参照されたい。触媒添加量は、所望の収率を提供するように選択される必要がある。いくつかの実施形態では、クロスカップリング触媒は、式(A)の化合物を基準として、約0.1モル%、約1モル%、約5モル%、又は約10モル%で含めることができる。
【0127】
Suzukiカップリング触媒とは、適切な条件下で、有機ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物と、ホウ素含有有機部分との間のカップリングを誘発することができるクロスカップリング触媒である。本明細書で提供される教示によって導かれた当業者は、特定の反応のために、好適なSuzukiカップリング触媒を選択することができ、有効量を決定することができる。Miyaura et al.,Chem.Rev.(1995)vol.95,2457~2483;Han,Chem.Soc.Rev.(2013)Vo
l.42,5270~5298を参照されたい。Negishiカップリング触媒とは、適切な条件下で、有機ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物と、亜鉛含有有機部分との間のカップリングを誘発することができるクロスカップリング触媒である。本明細書で提供される教示によって導かれた当業者は、特定の反応のために、好適なNegishiカップリング触媒を選択することができる。Negishi et al.,Aldrichim.Acta,(2005)Vol.38(3),71~87を参照されたい。
【0128】
様々なNi触媒は、カップリング反応を誘発することができるクロスカップリング触媒である。本明細書で提供される教示によって導かれた当業者は、特定のカップリング反応のために、好適なNi触媒を選択することができ、有効量を決定することがでる。Ni触媒は、特定の条件下で解離して、例えば、溶媒分子又は他の配位子によって置換される配位子を含むことができる。Ni触媒は、反応混合物に添加される形態で活性であり得るか、又はインサイチューで生成される異なる形態で活性であり得る。いくつかの実施形態では、Ni触媒は、炭素-ハロゲン化物又は炭素-擬ハロゲン化物結合の酸化的付加を受けるように選択することができる。更なる実施形態では、Ni触媒は、式(A)の化合物又は式(B)の化合物への酸化的付加を受けるように選択することができる。他の実施形態では、Ni触媒は、特定の酸化状態においてNi原子、例えば、Ni(0)原子又はNi(II)原子を含むことができる。いくつかの実施形態では、Ni触媒は、NiCl
2(dtbpy)、クロロ(2-メチルフェニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(II)、Ni(acac)
2、NiCl
2(PCy
3)
2、Ni(1,5-COD)
2、NiCl
2・ジメトキシエタン、NiCl
2-グライム、NiCl
2、NiCl
2(dppf)、NiCl
2(dppe)、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル(II)、2,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタンニッケル(II)ジブロミド、ビス[(2-ジメチルアミノ)フェニル]アミンニッケル(II)クロリド、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ニッケル(II)、N,N’-ビス(サリチリデン)エチレンジアミノニッケル(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、クロロ(シクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、クロロ(エチルシクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、クロロ(2-メチルフェニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、クロロ(1-ナフチル)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモビス(トリブチルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)ニッケル(II)、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル(II)、メタリルニッケルクロリド二量体、ヘキサアミンニッケル(II)ブロミド、酢酸ニッケル(II)、ニッケル(II)アセチルアセトネート、ニッケル(II)ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、臭化ニッケル(II)、ニッケル(II)ヘキサフルオロアセチルアセトネート、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル(0)、Trovitch Niプレ触媒、及びNiCl
2(dppp)から選択することができる。Adhikary,A. et al.,Pincer and Pincer-Type Complexes(2014),117~147;Takahashi,T. et al.,Modern
Organonickel Chemistry(2005),41~55を参照されたい。いくつかの実施形態では、光レドックス触媒が存在する場合、Ni触媒は、
【化15】
及びNiCl
2・グライムから選択することができる。
【0129】
様々なPd触媒は、カップリング反応を誘発することができるクロスカップリング触媒である。本明細書で提供される教示によって導かれた当業者は、特定のカップリング反応のために、好適なPd触媒を選択することができ、有効量を決定することがでる。Pd触媒は、特定の条件下で解離して、例えば、溶媒分子又は他の配位子によって置換される配位子を含むことができる。Pd触媒は、反応混合物に添加される形態で活性であり得るか、又はインサイチューで生成される異なる形態で活性であり得る。いくつかの実施形態では、Pd触媒は、炭素-ハロゲン化物又は炭素-擬ハロゲン化物結合の酸化的付加を受けるように選択される。更なる実施形態では、Pd触媒は、式(A)の化合物及び/又は式(B)の化合物への酸化的付加を受けるように選択される。他の実施形態では、Pd触媒は、特定の酸化状態においてPd原子、例えば、Pd(0)原子又はPd(II)原子を含むことができる。いくつかの実施形態では、Pd触媒は、PdCl2、Pd(ACN)2Cl2、Pd(ベンゾニトリル)2Cl2、Pd(1,5-COD)Cl2、アリルパラジウムクロリド二量体、Pd(dba)2、Pd2(dba)3、Pd(OAc)2、Pd(AmPhos)2、Pd(P(tBu)3)2、Pd(AmPhos)2Cl2、Pd(P(o-tolyl)3)2、Pd(PPh3)4、Pd(QPhos)2、PdCl2(dtbpf)、Pd(PCy3)2、ビス(ジ-t-ブチル-フェニルホスフィン)Pd(Cl)2、PdCl2(PPh3)4、PdCl2(dppf)、クロロ{2-[1-(N-メトキシ)イミノエチル]フェニル}{[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル]イミダゾール-2-イリデン}パラジウム(II)、クロロ{2-[(1-(N-フェニル)イミノエチル]フェニル}{[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル]イミダゾール-2-イリデン}パラジウム(II)、メタンスルホナート(1,1-ビス(ジ-t-ブチルホスフィノ)フェロセン)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-3,4,5,6-テトラメチル-2’,4’,6’-トリ-i-プロピルビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、アリル(シクロペンタジエニル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-1,1’-ビナフチル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、ジ-MU-ヨードビス(トリ-t-ブチルホスフィノ)ジパラジウム(I)、メタンスルホナート[2-ジエチルホスフィノ-2’,6’-ビス(ジメチルアミノ)-1,1-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、アセタト(2’-ジ-t-ブチルホスフィノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、アセタト(2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン)パラジウム(II)二量体ビス(トリフルオロメタンスルホネート)、アリルクロロ[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、アリルクロロ[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、アリルクロロ[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、トランス-ビス(ジシクロヘキシルアミン)ビス(アセタト)パラジウム(II)、ビス{[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-
t-ブチルホスフィノ}パラジウム(0)、N,N’-[ビス(2,6-ジメチルフェニル)-1,3-ジメチル-1,3-プロパンジイリデン](メチル)(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]{2-[(ジメチルアミノ-kN)メチル]フェニル-kC}(ピリジン)パラジウム(II)テトラフルオロボレート、1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン(1,4-ナフトキノン)パラジウム(0)、[P,P’-1,3-ビス(ジ-i-プロピルホスフィノ)プロパン][P-1,3-ビス(ジ-i-プロピルホスフィノ)プロパン]パラジウム(0)、1,2-ビス(フェニルスルフィニル)エタンパラジウム(II)アセテート、ビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)、[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]{2-[(ジメチルアミノ-kN)メチル]フェニル-kC}(ピリジン)パラジウム(II)テトラフルオロボレート、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリデン(1,4-ナフトキノン)パラジウム(0)二量体、ビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム(0)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾール-2-イル]パラジウム(II)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、クロロ(1-t-ブチルインデニル)パラジウム(II)二量体、クロロ(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)、クロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)、クロロ{[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-t-ブチルホスフィノ}(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン][2’-アミノ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、クロロ(ジ-2-ノルボルニルホスフィノ)(2’-ジメチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、クロロ(ジ-2-ノルボルニルホスフィノ)(2-ジメチルアミノメチルフェロセン-1-イル)パラジウム(II)、クロロ[(1,2,3-η)-1-フェニル-2-プロペン-1-イル]-{[1,3-ビス[2,6-ビス(ジフェ
ニルメチル)-4-メチルフェニル]-2H-イミダゾール-2-イリデン}パラジウム(II)、クロロ[(1,2,3-η)-3-フェニル-2-プロペニル][1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、クロロ[(1,2,3-η)-3-フェニル-2-プロペニル][1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)イミダゾール-2-イリデン]パラジウム(II)、クロロ(トリ-t-ブチルホスフィン)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、ジアセタト[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、トランス-ジ(μ-アセタト)ビス[o-(ジ-o-トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)、ジ-μ-ブロモビス(トリ-t-ブチルホスフィノ)ジパラジウム(I)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(ジ-t-ブチルフェニルホスフィノ)パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、ジクロロ[(R)-(+)-2,2’-ビス(ジ-2-フラニルホスフィノ)-6,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、ジクロロビス{[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-t-ブチルホスフィノ}パラジウム(II)、ジクロロ[(R)-(+)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル]パラジウム(II)、ジクロロ[(S)-(-)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル]パラジウム(II)、ジクロロ[1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、ジクロロ{ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル}パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジ-i-プロピルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、トランス-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ(ジ-μ-クロロ)ビス[1,3-ビス(2,6-ジ-i-プロピルフェニル)]イミダゾール-2-イリデン]ジパラジウム(II)、ジクロロ[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン]パラジウム(II)、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム(II)、
メタンスルホナート[2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[4,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェノキサジン](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2-ビス(3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(ジアダマンチル-n-ブチルホスフィノ)-2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2-(ジ-1-アダマンチルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[ジ-t-ブチル(n-ブチル)ホスフィン](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(ジ-t-ブチルネオペンチルホスフィン)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)-3-メトキシ-6-メチル-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メ
タンスルホナート(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジ-t-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ビス(ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’-(N,N-ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル](2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート{(R)-(-)-1-[(S)-2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン}(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-1-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート{[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジ-t-ブチルホスフィノ}(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン][2’-アミノ-1,1’-ビフェニル]パラジウム(II)、メタンスルホナート[9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン](2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(トリ-t-ブチルホスフィノ)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(トリ-t-ブチルホスフィノ)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(トリシクロヘキシルホスフィン)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、メタンスルホナート(トリシクロヘキシルホスフィノ)(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)メタンスルホナトパラジウム(II)二量体、トリス{トリス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン}パラジウム(0)、クロロ(η2-P,C-トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト)(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、2-(2’-ジ-tert-ブチルホスフィン)ビフェニルパラジウム(II)アセテート、ジ-μ-クロロビス[5-クロロ-2-[(4-クロロフェニル)](ヒドロキシイミノ-κN)メチル]フェニル-κC]パラジウム二量体、ジ-μ-クロロビス[5-ヒドロキシ-2-[1-(ヒドロキシイミノ-κN)]エチル]フェニル-κC]パラジウム(II)二量体、ジシクロヘキシル[9-
(3-フェニルプロピル)-9-フルオレニル]ホスホニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシル-{2-スルホ-9-[3-(4-スルホ-フェニル)プロピル]-9-フルオレニル}ホスホニウム-硫酸水素塩、2’-(ジメチルアミノ)-2-ビフェニリル-パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン錯体、2-(ジメチルアミノメチル)フェロセン-1-イル-パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン、Buchwald触媒、例えばBuchwaldパラダサイクル触媒(Bruno et al.,Chem Sci.(2013)4:916~920;Bruno et
al.,The Strem Chemiker Vol.XXVII No.1,January,2014、及びその中に引用されている参考文献を参照されたい)、シクロパラジウム化2-アミノビフェニルメシレート、ベッドフォード触媒(Sommer,W.,Aldrich ChemFiles(2007)7.10,17を参照されたい)、Najera触媒(Aldrich ChemFiles(2007)7.5,6を参照されたい)、Pdピンサー錯体(Selander et al.,Chem.Rev.(2011)Vol.111,2048~2076;Albrecht et al.,Angew.Chem.Int Ed.(2001)Vol.40,3750~3781及びその中に引用されている参考文献を参照されたい)、及びPdナノ粒子触媒から選択することができる。
【0130】
当業者は、本明細書の詳細な教示によって導かれ、第2の遷移金属触媒として、適切な光レドックス触媒を選択することができる。光レドックス触媒は、一般的に、少なくとも2つの作用、即ち、照射下での励起、並びに有機分子の一電子酸化及び/又は還元を実行するように選択される。光レドックス触媒は、照射、特に可視光線による照射下で、束縛電子の励起を受けるように選択することができる。一電子酸化において、励起触媒中の金属(例えば、遷移金属)は、有機分子に一電子を供与する。有機分子がはじめから電子対のみを含む場合、酸化又は還元の結果、フリーラジカルとなる。そのようなフリーラジカルは、上記に記載されているように、クロスカップリング触媒を用いて炭素-金属結合を形成することができる。したがって、第2の遷移金属触媒を選択することは、照射、特に可視光線により励起され得、且つ有機分子中の部分の一電子酸化及び/又は還元を受け得る光レドックス触媒を特定することを含み得る。光源は、本明細書の教示及び当業者の知識によって導かれるように、選択された光レドックス触媒と相互作用するための好適な波長を放射する任意の供給源とすることができ、例えば、白熱電球又は蛍光灯、発光ダイオードなどの家庭用光源であってもよい。励起光レドックス触媒は、有機分子中の部分から電子を受容、又は有機分子中の部分へ電子を供与することができ、当該部分は、例えば、カルボキシレート又はチオヒドロキサメートエステル(例えば、Bartonエステル)であってもよい。いくつかの実施形態では、光レドックス触媒は、カルボキシレート陰イオンを酸化することができる。光レドックス触媒は、反応混合物に添加される形態で、本明細書に記載される作用を実行することができるか、又は異なる形態、例えば反応混合物中インサイチューで生成される形態で、例えば配位子交換によって、活性であり得る。光レドックス触媒は、帯電していても帯電していなくてもよく、反応混合物中で非帯電と帯電の間でサイクルすることができる。光レドックス触媒の例に関しては、Zuo et al.,Merging photoredox with nickel catalysis:Coupling of a-carboxyl sp3-carbons with aryl halides,Science(2014)Vol.345,Issue 6195,437~440;Prier et al.,Visible Light Photoredox Catalysis with Transition Metal Complexes:Applications in Organic Synthesis,Chem.Rev.,(2013)Vol.113,5322~5363を参照されたい。触媒添加量は、所望の収率を提供するように選択される必要がある。いくつかの実施形態では、光レドックス触媒は、式(A)の化合物を基準として、約0.1モル%、約1モル%、約5モル%、約10モル%、又は約20モル%、好まし
くは1モル%で含めることができる。
【0131】
光レドックス触媒中の遷移金属原子は、一般的に、照射下での励起を受けて、有機分子から電子を受容することができる種を作成する、任意の好適な遷移金属原子であってもよい。そのような原子は、Ir原子、Ru原子、及びCu原子を含んでいることが知られているが、他の遷移金属は、状況によっては光レドックス反応を誘発するのに好適であり得る。光レドックス触媒は、1つ以上の遷移金属原子を含むことができる。光レドックス触媒中の遷移金属原子は、bpy配位子、bpm配位子、bpz配位子、bipy配位子、phen配位子、dap配位子、及びppy配位子の1つ以上によって連結されるのが好ましく、ppy配位子が特に好ましい。
【0132】
いくつかの実施形態では、光レドックス触媒は、Ru触媒であってもよい。本明細書で提供される教示によって導かれた当業者は、特定のカップリング反応のために、好適なRu触媒を選択することができ、有効量を決定することがでる。Ru触媒は、特定の条件下で解離して、例えば、溶媒分子又は他の配位子によって置換される配位子を含むことができる。Ru触媒は、反応混合物に添加される形態で活性であり得るか、又はインサイチューで生成される異なる形態で活性であり得る。いくつかの実施形態では、Ru触媒は、Ru(bpy)3Cl2、Ru(bpm)3(PF6)2、Ru(bpz)3(PF6)2、Ru(bpy)3(PF6)2Ru(menbpy)3(PF6)2Ru(bpm)3(PF6)2、及びRu(phen)3(PF6)2から選択することができる。
【0133】
他の実施形態では、光レドックス触媒は、Ir触媒であってもよい。本明細書で提供される教示によって導かれた当業者は、特定のカップリング反応のために、好適なIr触媒を選択することができ、有効量を決定することがでる。Ir触媒は、特定の条件下で解離して、例えば、溶媒分子又は他の配位子によって置換される配位子を含むことができる。Ir触媒は、反応混合物に添加される形態で活性であり得るか、又はインサイチューで生成される異なる形態で活性であり得る。いくつかの実施形態では、Ir触媒は、Ir[dF(CF3)ppy]2(bpy)PF6、Ir[dF(Me)ppy]2(dtbpy)PF6、Ir[dF(CF3)ppy]2(dtbpy)PF6、Ir(ppy)2(dtbpy)PF6,Ir(ppy)3、Ir[p-F(t-Bu)ppy]3、Ir(dFppy)3、及びIr(Fppy)3から選択することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、光レドックス触媒は、下記の構造を有するIr錯体又はRu錯体であってもよい。
【化16】
式中、M
Tは、Ir又はRuであってもよく、L
1及びL
2は、それぞれ独立して、C又はNであってもよく、mは3であり、R
L1は、それぞれ独立して、F、CF
3、又はC
1~4アルキルであってもよく、pは、それぞれ独立して、0~3であってもよく、錯体は、正に帯電していても帯電していなくてもよく、正に帯電している場合は、パークロレート(ClO
4
-)、アセテート(CH
3CO
2
-)、クロリド(Cl
-)、シアニド
(CN
-)、テトラフルオロボレート(BF
4
-)、及びヘキサフルオロホスフェート(PF
6
-)から選択される1つ以上の対イオンと会合することができる。
【0135】
本明細書で使用される場合、「塩基」という用語は、当業者に対してその通常の慣習的な意味を有し(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されない)、プロトンを結合することができる化合物を指すが、これに限定されない。塩基は、他の作用を任意に実行することができ、例えば、塩基は、配位子であってもよく、及び/又はホウ素含有部分を活性化することができる。塩基は、帯電していても帯電していなくても良く、プロトンと結合すると、非帯電と帯電の間、及び帯電の異なる状態の間でサイクルすることができる。塩基に結合するプロトンは、一般的に、塩基中の原子によって提供される孤立電子対によって、塩基の任意の好適な位置に結合することができる。いくつかの実施形態では、塩基は、式(A)の化合物を基準として、約1モル%、約5モル%、約10モル%、約100モル%、約200モル%、約300モル%、又はその超過で含めることができる。塩基は、本明細書で規定される場合、反応によって発生されるプロトンの各モルと反応するように選択されるモル量で含められる必要があり、式(A)の化合物を基準として、好ましくは約100モル%で含められる。いくつかの実施形態では、塩基は、Et3N、ヒューニッヒ塩基、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、Proton Sponge(商標)、DBU、Na2CO3、K2CO3、Li2CO3、Cs2CO3、KOtBu、K2HPO4、Na2HPO4、Na3PO4、K3PO4、NaOH、KOH、CsOH、LiOH、KF、CsF、NaOAc、KOAc、CsOAc、LiOAc、LiOtBu、NaOtBu、NaHCO3、KHCO3、CsHCO3、又はLiHCO3であってもよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、式(A)の化合物は、下記の構造を有する式(A1)、式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(A5)、式(A6)、又は式(A7)によって表すことができる。
【化17】
【0137】
そのような式(A)の化合物の様々な実施形態では、可変部分R1、R1A、R1B、R1C、R3A、R3B、R6、及びX1は、本明細書の他の個所に記載されるようであってもよい。そのような式(A)の化合物中のR11及びR12は、それぞれ独立して、D(重水素)、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、C1~4アルキル、C3~
10シクロアルキル、任意に置換されたC3~10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、C1~6ハロアルキル、シアノ、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、ヘテロシクリル(アルキル)、アシル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、C-チオアミド、N-チオアミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ基、又はジ置換アミノ基であってもよい。
【0138】
一実施形態では、そのような式(A)の化合物中の可変部分nは、0~4の整数である。一実施形態では、可変部分Q
1は、-N=、-N(R
2B)-、
【化18】
-O-、及び-S-から選択される0~4個のヘテロ原子部分を含む、任意に置換された単環式若しくは二環式ヘテロアリール、又は任意に置換された単環式若しくは二環式ヘテロシクリルである。一実施形態では、R
2Bは、それぞれ独立して、D(重水素)、ヒドロキシ、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1~6ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、ヘテロシクリル(アルキル)、アシル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、アミノ、モノ置換アミノ基、又はジ置換アミノ基であってもよい。
【0139】
特定の実施形態では、式(I)の置換ビシクロ[1.1.1]ペンタン化合物の調製方法は、式(A1)、式(A2)、式(A3)、又は式(A4)の化合物と式(B)の化合物とを反応させることを含む。更なる実施形態では、式(I)の置換ビシクロ[1.1.1]ペンタン化合物の調製方法は、式(A5)、式(A6)、又は式(A7)の化合物と式(B)の化合物とを反応させることを含む。
【0140】
様々な実施形態では、式(A1)の化合物は、式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、又は式(A1d)の化合物であってもよい。
【化19】
【0141】
いくつかの実施形態では、式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、及び/又は式(A1d)のR1は、任意に置換されたC1~30アルキル、任意に置換されたC2~30アルケニル、任意に置換されたC3~10単環式シクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたヘテロシクリル、ハロゲン、任意に置換されたC-カルボキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、任意に置
換されたC-アミド、任意に置換されたN-アミド、任意に置換されたC1~30アルコキシ、ヒドロキシ、任意に置換されたC1~30ハロアルキル、シアノ、任意に置換されたS-スルホンアミド、任意に置換されたN-スルホンアミド、任意に置換されたO-カルボキシ、任意に置換されたC2~30アルキニル、任意に置換されたC3~10シクロアルケニル、任意に置換されたアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロアリール(アルキル)、任意に置換されたヘテロシクリル(アルキル)、任意に置換されたアシル、任意に置換されたチオカルボニル、任意に置換されたO-カルバミル、任意に置換されたN-カルバミル、任意に置換されたO-チオカルバミル、任意に置換されたN-チオカルバミル、任意に置換されたC-チオアミド、任意に置換されたN-チオアミド、任意に置換されたスルフェニル、任意に置換されたスルフィニル、任意に置換されたスルホニル、任意に置換されたハロアルコキシ、及び第1のホウ素含有部分から選択することができ、第1のホウ素含有部分は、ホウ素によって結合されている。
【0142】
いくつかの実施形態では、式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、及び/又は式(A1d)のR
1は、任意に置換されたN-カルバミル、例えば-NH(C=O))O-(C
1~4アルキル)であってもよい。他の実施形態では、式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、及び/又は式(A1d)のR
1は、任意に置換されたアリール、例えば置換又は非置換フェニルであってもよい。更なる他の実施形態では、式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、及び/又は式(A1d)のR
1は、任意に置換された単環式ヘテロアリール、例えば置換又は非置換、5又は6員環ヘテロアリールであってもよい。更なる他の実施形態では、式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、及び/又は式(A1d)のR
1は、任意に置換された二環式ヘテロアリール、例えば置換又は非置換、9又は10員環ヘテロアリールであってもよい。いくつかの実施形態では、式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、及び/又は式(A1d)のR
1は、第1のホウ素含有部分であってもよい。R
1における第1のホウ素含有部分の例としては、
【化20】
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0143】
いくつかの実施形態では、式(A1a)、式(A1b)、式(A1c)、及び式(A1d)から選択された化合物は、
【化21】
又は前述のうちのいずれかの薬剤的に許容可能な塩から選択することができる。
【0144】
式(I)の化合物を形成するための、式(A)の化合物と式(B)の化合物との反応のいくつかの実施形態では、式(A)の化合物が、式(A1)、式(A2)、式(A3)、又は式(A4)の化合物である場合、第1の遷移金属触媒は、Suzukiカップリング触媒であってもよく、第2の遷移金属触媒は存在せず、X2は、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物であってもよい。いくつかの実施形態では、式(A)の化合物が式(A5)の化合物である場合、第1遷移金属触媒は、Ni触媒であってもよく、第2遷移金属触媒は存在してもよく、第2遷移金属触媒は、光レドックス触媒であってもよく、X2は、ハロゲン化物又は擬ハロゲン化物であってもよい。
【0145】
いくつかの実施形態では、式(B)の化合物は、下記の構造を有する式(B1)又は式(B2)によって表すことができる。
【化22】
【0146】
そのような式(B)の化合物の様々な実施形態では、可変部分X
2は、本明細書の他の個所に記載されるようであってもよい。そのような式(B)の化合物中のR
21は、それぞれ独立して、D(重水素)、ハロゲン、ヒドロキシ、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、任意に置換されたC
3~10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、C
1~6ハロアルキル、シアノ、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、ヘテロシクリル(アルキル)、アシル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、C-チオアミド、N-チオアミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ基、又はジ置換アミノ基であってもよい。様々な実施形態では、nは0~4の整数である。様々な実施形態では、Q
2は、-N=、-N(R
2B)-、
【化23】
-O-、及び-S-から選択される0~4個のヘテロ原子部分を含む、任意に置換された単環式若しくは二環式ヘテロアリール、又は任意に置換された単環式若しくは二環式ヘテロシクリルである。様々な実施形態では、R
2Bは、それぞれ独立して、D(重水素)、ヒドロキシ、C
1~4アルコキシ、C
1~4アルキル、C
3~10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C
1~6ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、ヘテロシクリル(アルキル)、アシル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、アミノ、モノ置換アミノ基、又はジ置換アミノ基であってもよい。
【0147】
式(A)の化合物のいくつかの実施形態では、R1は水素ではあり得ない。追加の実施形態では、R1は非置換フェニルではあり得ない。他の実施形態では、R1はモノ置換フェニルではあり得ない。更なる他の実施形態では、R1はジ置換フェニルではあり得ない。様々な実施形態では、R1は置換又は非置換アルキルではあり得ない。更なる実施形態では、R1は置換又は非置換アルケニルではあり得ない。様々な実施形態では、R1は置換又は非置換ヘテロシクリルではあり得ない。更なる実施形態では、R1は置換又は非置換ヘテロアリールではあり得ない。特定の実施形態では、R1は置換又は非置換C1~4アルキルによって置換することはできない。いくつかの実施形態では、R1は、任意に置換されたC-カルボキシ、例えば-C(=O)O(非置換C1~4アルキル)ではあり得ない。いくつかの実施形態では、R1は、任意に置換されたC-カルボキシ、例えば-C(=O)OCH3ではあり得ない。
【0148】
式(A)の化合物及び式(B)の化合物を含む出発物質は、任意の好適な方法で調製することができる。本明細書で提供されるガイダンスによって情報を与えられた当業者は、様々な利用可能な方法によって、そのような化合物を調製する知識と技能を有する。式(A)の化合物に関して、例えば、国際公開第2015/089170号;国際公開第2015/134710号;米国特許第5,405,550号;Levin et al.,Chem.Rev.(2000),Vol.100,169~234;Bunker et al.,Org.Lett.(2011),Vol.13(17),4746~4748;Atack,T.C., et al.,J.Am.Chem.Soc.(2014),Vol.136(27),9521~9523;及びAtack,T.C., et al.,J.Am.Chem.Soc.(2016),Vol.138(19),6139~6142を参照されたい。式(A)の出発化合物を形成するために使用される任意の予備反応工程は、当業者によって容易に実行することができる。式(B)の化合物の調製に有用な方法及び技術もまた、当業者には周知されている。(例えば、March,J.,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure(6th Ed.,Wiley,John & Sons,Inc.,Jan.2007);Larock,R.C.,Comprehensive Organic Transformations,A Guide to Functional Group Preparations(Wiley 1999,2nd Ed.)を参照されたい)。
【0149】
特定の実施形態では、式(A)の化合物又は式(B)の化合物は、塩として存在することができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、
【化24】
又は前述のうちのいずれかの薬剤的に許容可能な塩から選択することができる。
【0151】
本明細書で提供される方法は、本明細書で提供される詳細な教示によって導かれた当業者によって、様々な方法で実行することができる。一般的に、特段の規定がない限り、構成成分、例えば、式(A)の化合物、式(B)の化合物、第1の遷移金属触媒、任意に第2の遷移金属触媒、及び任意に塩基は、1つ以上の溶媒を用いて反応混合物中に混合することができ、反応混合物は、本明細書の教示によって導かれるように、温度及び圧力の条件にさらされる。反応混合物の撹拌などの物理的撹拌は好ましい。反応混合物の構成成分は、一般的に、溶液状態にあるが、溶媒に懸濁され得るか、又は部分的に溶解及び部分的に懸濁され得る。特に、式(A)の化合物、式(B)の化合物、第1の遷移金属触媒、及び任意に第2の遷移金属触媒は、溶解されるのが好ましい。構成成分、例えば、触媒は、ポリマーに結合することができ、固体媒体、例えば、シリカ、アルミナ、木炭などに吸着することができる。
【0152】
本明細書で提供されるガイダンスによって情報を与えられた通常の実験は、所望のカップリング反応を招じさせるために、構成成分の混合の順序及び条件の適用を選択するために使用される。一般的に、各種構成成分の反応混合物への添加順序は、カップリング反応を実現するのに重要ではないが、一般的に、カップリングは、式(A)の化合物、式(B)の化合物、第1の遷移金属触媒、任意に第2の遷移金属触媒が、反応混合物中に混合される際に進行する。式(A)又は式(B)の化合物、第1の遷移金属触媒、第2の遷移金属触媒、及び塩基は、固体、オイル、溶液、又は任意の好適な様式として反応混合物に添加することができる。構成成分は、一般的に一度に添加されるが、反応の過程で少量ずつ添加することができる。
【0153】
本明細書に記載される反応は、様々な温度で実行することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、室温、約0℃、約20℃、約40℃、約60℃、約80℃、約100℃、約120℃、約140℃、約160℃、約180℃、約200℃、又は間の値で実行される。好ましい温度は、典型的には、室温から約80℃の範囲である。そのような温度は、加熱又は冷却源において測定される。一般的に、温度は、反応の過程で変動するが、到達した最高温度が反応温度であるとみなされる。
【0154】
本明細書に記載される反応は、一般的に、所望量の反応生成物を確保するために必要な時間の長さの間実行される。式(I)の化合物などの、所望の生成物の形成は、任意の好適な分析方法によってモニターすることができる。一般的に、反応時間は、数分~数日間を必要とする。
【0155】
当業者は、本明細書で提供される教示によって導かれ、本明細書に記載される方法の実施において、様々な反応構成成分のモル比を選択することができる。特定の実施形態では、式(A)の化合物及び式(B)の化合物のうちの1つ以上は、互いに対して、約1.1
:1、約1.5:1、約2:1、約3:1、約0.9:1、約0.7:1、約0.5:1、約0.3:1、約0.1:1、又は間の値のモル比で存在することができる。更なる実施形態では、式(A)の化合物及び式(B)の化合物は、約1:1のモル比で含めることができる。
【0156】
一般的に、反応は、窒素又はアルゴン雰囲気などの、不活性雰囲気下で実行される。いくつかの実施形態では、反応は、実質的に酸素を含まない媒体中で行われ、前述の実質的に含まないということは、含まれている触媒又は他の構成成分の安定性を確実にするのに必要とされることによって決定される。
【0157】
当業者は、利用可能な知識及び本明細書の詳細な教示に基づいて、適切な溶媒を選択することができる。一般的に、非プロトン性溶媒が好ましい。いくつかの実施形態では、溶媒としては、テトラヒドロフランなどのエーテル、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、ジメチルホルムアミド又はNメチルピロリジノンなどのアミド、ジクロロメタンなどハロゲン化アルキル、トルエンなどの任意に置換されたベンゼン、アセトニトリルなどのニトリル、酢酸エチルなどのエステル、ヘプタンなどの任意に置換されたアルカン、エタノールなどのアルコール、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、又はテトラヒドロフランから選択することができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、酸化剤又は還元剤は、反応混合物に含めることができる。酸化又は還元剤が含まれる場合、例えば、触媒を活性状態に復元させるか、又は式(A)、式(B)、若しくは式(I)の化合物中の部分の酸化状態を調節することができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、水捕捉剤は、反応混合物に含めることができる。好適な捕捉剤としては、例えば、オルトギ酸トリアルキルなどの溶液相捕捉剤、又はモレキュラーシーブス、ゼオライトなどの固体相捕捉剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、反応は、実質的に水を含まない媒体中で行われ、前述の実質的に含まないということは、水の存在に起因する反応収率の低下を防止するのに必要とされることによって決定される。
【0160】
いくつかの実施形態では、段階的又は多段階反応が適切であり得る。例えば、触媒は、反応の他の成分と混合される前に、1つ以上の配位子で化学的に変性することができるが、これに限定されない。追加の例として、保護基調節、配位子交換、酸化状態調節、又は擬ハロゲン化物形成、続いて単一槽中でのカップリングが提供される。特に、カルボキシレート部分は、インサイチューで化学的に変換することができる。例えば、カルボン酸は脱プロトン化されて、又はエステル、チオエステル、若しくはハロゲン化アシルは加水分解されて、カルボキシレート陰イオンを形成することができる。いくつかの実施形態では、X1又はX2が-C(=O)Yで、且つYがOMの場合、X1又はX2が形成され得る。好適な変換の更なる例が、Richard C.Larock Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations(2nd Ed.,Wiley,John & Sons,Inc.,Nov.1999);及びJerry March,(Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure(6th Ed.,Wiley,John & Sons,Inc.,Jan.2007)において提供されている。
【0161】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、オリゴマー又はポリマーであってもよい。
【0162】
式(I)の化合物を単離及び/又は精製するために、更なる処理が望まれ得る。本明細
書で提供されるガイダンスによって情報を与えられた通常の実験は、適切な単離及び/又は精製条件を特定するために用いることができる。例えば、異なる疎水性の溶媒間の反応混合物を分離することなどの標準方法、例えば、抽出、沈殿、例えば、結晶化、蒸留、及びクロマトグラフィーが利用可能である。当業者は、本明細書で提供される教示によって導かれる通常の実験を用いて、彼らが式(I)の化合物を単離及び/又は精製することを可能にする利用可能な知識及び技能を有する。
【0163】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(A)の開始化合物を基準として、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%の収率で製造される。
【0164】
式(I)の化合物は、任意の好適な用途、例えば、農産物、医薬品、素材、及び/又は科学研究に使用することができる。
【0165】
薬学的組成物
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、有効量の1つ以上の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせとを含むことができる、薬学的組成物に関する。
【0166】
「薬学的組成物」という用語は、本明細書に開示の1つ以上の化合物及び/又は塩と、希釈剤若しくは担体などの他の化学構成成分との混合物を指す。薬学的組成物は、生物への化合物の投与を促進する。薬学的組成物は、一般に、特定の意図した投与経路に調整される。いくつかの場合、塩は、化合物を、無機又は有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸と反応させることによって得られ得る。
【0167】
「生理学的に許容される」という用語は、生物活性及び化合物の特性を無効にすることも、組成物の送達が意図される動物に相当な損傷又は負傷を引き起こすこともしない、担体、希釈剤、又は賦形剤を定義する。
【0168】
本明細書で使用される場合、「担体」は、細胞又は組織への化合物の組み込みを促進する化合物を指す。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、対象の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを促進する、一般的に利用される担体であるが、これに限定されない。
【0169】
本明細書で使用される場合、「希釈剤」は、相当な薬理活性はないが、薬学的に必要又は望ましくあり得る、薬学的組成物中の成分を指す。例えば、希釈剤は、製造及び/又は投与には質量が小さ過ぎる、効力のある薬物のかさを増加させるために使用されてもよい。それはまた、注射、摂取、又は吸入によって投与される薬物の溶解のための液体であってもよい。当該技術分野において一般的な希釈剤の形態は、限定されないが、ヒト血液のpH及び等張性を模倣するリン酸緩衝生理食塩水などの緩衝水溶液である。
【0170】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、限定されないが、かさ、稠度、安定性、結合能力、潤滑、崩壊能力などを組成物に提供するために、薬学的組成物に添加される本質的に不活性の物質を指す。「希釈剤」は、ある種の賦形剤である。
【0171】
本明細書に記載の薬学的組成物は、それ自体、又は併用療法の場合のように、他の活性成分、若しくは担体、希釈剤、賦形剤、若しくはこれらの組み合わせと混合された薬学的
組成物として投与され得る。適切な製剤化は、選択される投与経路によって決まる。本明細書に記載の化合物の製剤化及び投与のための技術は、当業者に既知である。
【0172】
本明細書に開示の薬学的組成物は、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠形成、粉末化、乳化、カプセル化、封入、又は錠剤化プロセスによって、それ自体が既知である様式で製造され得る。加えて、活性成分は、その意図した目的を達成するために有効な量で含有される。本明細書に開示の薬剤の組み合わせで使用される化合物の多くは、薬学的に適合する対イオンを有する塩として提供されてもよい。
【0173】
筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、くも膜下、直接心室内、腹腔内、鼻腔内、及び眼内注射を含む、経口、直腸、肺、局所、エアロゾル、注射、注入、及び非経口送達が挙げられるが、これらに限定されず、化合物、塩、及び/又は組成物を投与する複数の技術が当該技術分野において存在する。
【0174】
また、全身的よりも局所的に、例えば、多くの場合、デポー又は持続放出製剤として化合物を患部に直接注射又は埋め込むことによって化合物、塩、及び/又は組成物を投与し得る。更に、標的薬物送達システムで、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソーム中に化合物を投与し得る。リポソームは、臓器を標的とし、かつ臓器によって選択的に取り込まれる。例えば、呼吸器疾患又は病態を標的とするための鼻腔内又は肺内送達が望ましくあり得る。
【0175】
組成物は、望ましい場合、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を含み得る、パック又はディスペンサデバイス中に提供されてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチック箔を含んでもよい。パック又はディスペンサデバイスは、投与に関する説明書が添付されていてもよい。パック又はディスペンサはまた、薬剤の製造、使用、又は販売を規制する行政機関によって規定された形式の、容器に関連する注意書きが添付されていてもよく、その注意書きは、ヒト又は動物投与のための薬物の形態の機関による承認を反映する。そのような注意書きは、例えば、処方薬に関する米国食品医薬品局によって承認されたラベル、又は承認された製品添付文書であってもよい。適合する薬学的担体中で製剤化される本明細書に記載の化合物及び/又は塩を含むことができる組成物はまた、示された病態の治療のために調製され、適切な容器内に入れられ、かつラベル付けされてもよい。
【実施例】
【0176】
更なる実施形態が、以下の実施例において更に詳細に開示され、それらは、特許請求の範囲を決して限定しない。
化合物
【0177】
表1は、本明細書に開示される方法によって調製される式(I)の化合物を示す。
【表1】
(実施例1)
化合物1の調製
【化25】
【0178】
[1.1.1]プロペランの溶液(Et2O中0.25M)を含むバイアルを、室温(RT)でビス(ピナコラト)ジボロン(120モル%)を用いて処理し、N2雰囲気下で密封した。3日後、この反応液を濾過し、回収された固体をEt2Oで洗浄して、真空下で乾燥して、白色固体として化合物1-1を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 2.03(s,6H),1.22(s,24H)。
【0179】
化合物1-1、続いてPd(PPh
3)
4(20モル%)、及び4-ブロモアニソール1-2(120モル%)を、撹拌子を備えたフレーム乾燥バイアルに添加した。反応バイアルをN
2でパージし、THF(化合物1-1中0.08M)、続いてtBuOK(TH
F中1M、300モル%)を添加した。この混合物を85℃で20時間加熱した。この反応物をRTに冷却し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン/EtOAc)による粗生成物の精製により、白色固体として化合物1を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.12(d,J=8.6Hz,2H),6.83(d,J=8.7Hz,2H),3.78(s,3H),2.13(s,6H),1.26(s,12H)。
(実施例2)
化合物2の調製
【化26】
【0180】
撹拌子を備えたオーブン乾燥バイアルに、5-ブロモピリミジン2-2、化合物2-1(300モル%)、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(15モル%)、塩化ニッケル(II)(ジメトキシエタン付加物)(10モル%)、炭酸セシウム(300モル%)、イリジウム触媒[Ir{dF(CF
3)ppy}
2(dtbpy)]PF
6(1モル%)、及びDMF(化合物2-2中0.02M)を入れた。この溶液を、凍結脱気(3×)し、次いで3W青色LED光を4時間照射した。この混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した(4×)。混合された有機物を乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、更にカラムクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、淡黄色残渣として化合物2を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.21(s,1H),8.71(d,J=5.3Hz,1H),7.34(d,J=5.3Hz,1H),7.17(m,2H),7.11(m,2H),2.45(s,6H),2.35(s,3H);LC/MS(APCI)m/z 237.1[C
16H
16N
2+H]
+。
(実施例3)
化合物3の調製
【化27】
【0181】
撹拌子を備えたオーブン乾燥バイアルに、化合物3-2、化合物2-1(150モル%)、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(15モル%)、塩化ニッケル(II)(ジメトキシエタン付加物)(10モル%)、炭酸セシウム(150モル%)、イリジウム触媒[Ir{dF(CF
3)ppy}
2(dtbpy)]PF
6(1モル%)、及びDMF(化合物3-2中0.02M)を入れた。この溶液を、凍結脱気(3×)し、次いで3W青色LED光を4時間照射した。この混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した(4×)。混合された有機物を乾燥(Na
2SO
4)し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、更にカラムクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、淡黄色残渣として化合物3を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.66(d,J=5.0Hz,1H),7.56(s,1H),7.37(d,J=4.9Hz,1H),2.37(s,6H),2.35(s,3H);LC/MS(APCI)m/z 304.1[C
18H
16F
3N+H]
+。
(実施例4)
化合物4の調製
【化28】
【0182】
化合物4-1(2.00g、11.8mmol)のDCM(23.5mL)溶液を、2滴のDMFを用いて処理し、0℃に冷却した。塩化オキサリル(1.21mL、14.1mmol)をゆっくり添加し、得られた溶液をRTで2時間撹拌した。この溶液を、減圧下で濃縮して、酸塩化物を得、それをDCM(58.8mL)中に溶解し、0℃に冷却した。この溶液を、Et3N(4.91mL、35.3mmol)、続いて化合物4-2(1.45g、11.8mmol)を用いて処理した。この混合物を、RTで2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して、化合物4-3を得、それを更に精製することなく使用した。LC/MS(APCI)m/z 276.1[C15H17NO4+H]+。
【0183】
粗化合物4-3のAcOH(19.6mL)とTFA(19.6mL)溶液を、2つのマイクロ波バイアルに分配し、それぞれを100℃で70分照射した。2つのバイアルの
内容物を再混合し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、それを更に精製し、カラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、化合物4-4を得、それを更に精製することなく使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ
7.69(d,J=8.3Hz,1H),7.35(m,1H),7.24-7.22(m,1H),3.76(s,3H),2.63(s,6H),2.50(s,3H);LC/MS(APCI)m/z 258.1[C15H15NO3+H]+。
【0184】
セミクルード化合物4-4(3.03g、11.8mmol)のTHF(29.4mL)溶液を、2M NaOH(17.7mL、35.3mmol)を用いて処理した。混合物をRTで2時間撹拌した。次いで揮発物を減圧下で除去した。塩基性水層をEtOAc(1×20mL)で洗浄し、次いでこの水層を1N HClを用いて酸性化した。得られた白色沈殿物を、濾過によって回収した。濾滓をH2O(20mL)で洗浄し、乾燥して、ベージュ色固体として化合物4-5を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 12.68(s,1H),7.56(d,J=8.2Hz,1H),7.50(s,1H),7.18(d,J=7.9Hz,1H),2.45(s,6H),2.43(s,3H);LC/MS(APCI)m/z 244.1[C14H13NO3+H]+。
【0185】
化合物4-5(1.98g、8.13mmol)、NHPI(1.33g、8.13mmol)、及びDMAP(0.099g、0.813mmol)を、バイアルに添加し、無水DCM(81mL)中に懸濁させた。DIC(1.26mL、8.13mmol)を添加し、得られた溶液をRTで一晩中撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をセライト上に堆積し、カラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/EtOAc)によって更に精製して、オフホワイト色固体として化合物4-6を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.97-7.86(m,2H),7.85-7.80(m,2H),7.57(d,J=8.1Hz,1H),7.31(s,1H),7.15(d,J=8.2Hz,1H),2.81(s,6H),2.49(s,3H);LC/MS(APCI)m/z 389.0[C22H16N2O5+H]+。
【0186】
化合物4-6(1.20g、3.09mmol)とB2cat2(0.92g、3.86mmol)のDMA(31mL)溶液を含むバイアルを、N2で10分間パージし、密封し、次いでバイアルを囲む青色LEDストリップによって照射した。40時間後、トリエチルアミン(12.1mL、87.0mmol)、続いてピナコール(1.46g、12.4mmol)を、この混合物に添加した。3時間後、この混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、白色固体として化合物4-7を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.53(d,J=8.1Hz,1H),7.27(br s,1H),7.10(d,J=8.1Hz,1H),2.46(s,3H),2.40(s,6H),1.27(s,12H)。
【0187】
化合物4-7(50.0mg、0.15mmol)、続いて、Pd(PPh
3)
4(17.8mg、0.015mmol)、及び4-ブロモアニソール4-8(38.0μL、0.31mmol)を、撹拌子を備えたバイアルに添加した。反応バイアルをN
2でパージし、DME(1.1mL)、続いてtBuOK(0.46mL、0.46mmol、tBuOH中1M)を添加した。この混合物を85℃で20時間加熱した。この反応物をRTに冷却し、濃縮して、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン/EtOAc)による粗生成物の精製により、白色固体として化合物4を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.56(d,J=8.0Hz,1H),7.31-7.29(m,1H),7.23-7.20(m,2H),7.14-7.11(m,1H),6.90-6.86(m,2H),3.81(s,3H),2.54(s,6H),2.48(s,3H)。LC/MS(APCI)m/z 306.1[C
20H
19NO
2+H]
+。
(実施例5)
化合物5の調製
【化29】
【0188】
化合物4-7(100mg、0.31mmol)、続いて、Cs
2CO
3(301mg、0.92mmol)、Pd(dppf)Cl
2(45.0mg、0.061mmol)、及び2-ブロモキノリン5-1(84.0μL、0.62mmol)を、撹拌子を備えたバイアルに添加した。反応バイアルをN
2でパージし、DME(2.8mL)、続いてH
2O(0.28mL)を添加した。この混合物を85℃で20時間加熱した。この混合物をRTに冷却し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物のカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン/EtOAc)、続いて逆相カラムクロマトグラフィー(C18、H
2O/CH
3CN)による精製によって、白色固体として化合物5を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.89(d,J=2.2Hz,1H),8.11(d,J=8.8Hz,1H),8.00(ap dd,J=2.2,0.8Hz,1H),7.83-7.81(m,1H),7.70(ddd,J=8.4,6.9,1.5Hz,1H),7.58(d,J=8.1Hz,1H),7.56(ddd,J=8.4,7.0,1.3Hz,1H),7.33-7.32(m,1H),7.17-7.14(m,1H),2.73(s,6H),2.50(s,3H)。LC/MS(APCI)m/z 327.1[C
22H
18N
2O+H]
+。
(実施例6)
化合物6の調製
【化30】
【0189】
バイアルに、NiCl2・DME(0.028g、0.127mmol)、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(0.068g、0.254mmol)、及び化合物6-1(0.200g、0.634mmol)を入れ、次いでN2でフラッシングした。無水DMF(2.53mL)を添加し、アリール亜鉛試薬の添加の前に、この混合物を2分間撹拌した。別個のバイアルにおいて、p-トリルマグネシウムブロミド溶液(1.90mL、1.90mmol)の溶液を、ZnCl2(ジエチルエーテル中1M)の溶液(1.90mL、1.90mmol)に添加することによって、アリール亜鉛試薬を調製し、この混合物を10分間撹拌した。次いで、このアリール亜鉛溶液を、触媒溶液を一部に含むバイアルに添加した。得られた混合物を、RTで一晩中撹拌した。この混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン)によって精製して、オフホワイト色固体として化合物6を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.12(s,4H),3.71(s,3H),2.33(s,3H),
2.30(s,3H);LC/MS(APCI)m/z 217.1[C14H16O2+H]+。
【0190】
表2は、本明細書に開示される方法によって調製される式(A)の化合物を示す。
【表2】
(実施例7)
化合物7の調製
【化31】
【0191】
化合物1-1(150mg、0.47mmol)とN-メチルイミノ二酢酸(103mg、0.7mmol)のDMSO(4.7mL)の不均一溶液、及び1,2-DCE(2.0mL)を、Biotage(登録商標)Initiator+マイクロウェーブ合成装置中、120℃で1時間加熱した。次いで、この反応液をRTに冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した(3×)。混合された有機層を乾燥(MgSO
4)し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、更にカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM/CH
3CN)によって精製して、白色固体として化合物7を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 3.75(d,J=16.1Hz,2H),3.61(d,J=16.0Hz,2H),2.98(s,3H),2.00(s,6H),1.22(s,12H)。
(実施例8)
化合物8の調製
【化32】
【0192】
メトキシアミン(1.91mL、1.88mmol、THF中0.98M)の溶液を、THF(4mL)で希釈し、-78℃に冷却し、t-BuLi(1.14mL、1.94mmol、ペンタン中1.7M)を用いて処理した。30分後、化合物1-1(200mg、0.63mmol)を、この反応混合物に一度に添加した。5分後、この反応液を密封し、RTに加温し、次いで60℃に加熱した。16時間後、この反応液をRTに冷却し、Boc無水物(477mg、2.19mmol)を用いて処理した。1時間後、DCMをこの反応液に添加し、この反応液をセライトのプラグ上で濾過した。セライトプラグをDCMで洗浄し、混合濾液を濃縮して、粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘキサン/EtOAc)による粗生成物の精製により、白色固体として化合物8を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 4.85(s,1H),2.07(s,6H),1.44(s,9H),1.24(s,12H)。
(実施例9)
化合物9の調製
【化33】
【0193】
化合物8(127.9mg、0.41mmol)のTHF(2.2mL)とH
2O(0.55mL)溶液を、過ヨウ素酸ナトリウム(265mg、1.241mmol)を用いて処理した。5分後、1N HCl(aq)(0.83mL)を添加した。1時間後、この反応液をEtOAcで抽出し(2×)、混合された有機層を水で洗浄し、濃縮して、白色固体として化合物9を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 1.84(s,6H),1.37(s,9H)。
(実施例10)
化合物10の調製
【化34】
【0194】
化合物7(290.4mg、0.94mmol)のMeOH(6.5mL)溶液を、KHF2(1.69mL、4.23mmol、H2O中2.5M)を用いて、RTで処理した。2時間後、反応液を濃縮し、1:1 MeOH:H2O(8mL)中に溶解し、再濃縮した。このプロセスを、更に1回繰り返した。次いで、アセトンをこの反応混合物に添加した。この反応液を濾過し、回収された固体を追加のアセトンで洗浄した。混合濾液を濃縮して、白色固体を得、次いでそれをEt2Oで洗浄して、残留ピナコールを除去して
、白色固体として化合物10を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ1.46(s,6H),1.35(s,9H);19F NMR(376MHz,DMSO-d6,未参照)δ-141.09。
【0195】
さらに、明確さと理解のために、図及び実施例によって上記のものをある程度詳細に記述してきたが、当業者であれば、本開示の趣旨を逸脱することなく数多くの様々な修正がなされ得ることを理解するであろう。したがって、本明細書に開示される形態は、例示にすぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものでなく、むしろ本発明の真の範囲及び趣旨に沿った全ての修正及び代替案を包含することが明確に理解される。