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特許7043506ロングタームエボリューション通信システムのためのマルチテクノロジアグリゲーションアーキテクチャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】ロングタームエボリューション通信システムのためのマルチテクノロジアグリゲーションアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20220322BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20220322BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20220322BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20220322BHJP
【FI】
H04W72/04 111
H04W16/32
H04W92/12
H04W92/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019542385
(86)(22)【出願日】2018-02-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 US2018016989
(87)【国際公開番号】W WO2018145063
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-02-02
(31)【優先権主張番号】62/455,327
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512299576
【氏名又は名称】アルティオスター ネットワークス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】チョンア・リー
(72)【発明者】
【氏名】シ・グエン
(72)【発明者】
【氏名】シャビル・エイ・バガスラワラ
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0217921(US,A1)
【文献】CATT,Discussion on support of multi-connectivity for option 2 and option 3-1[online],3GPP TSG RAN WG3 adhoc_R3_AH_NR_1701 R3-170125,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_AHGs/R3_AH_NR_1701/Docs/R3-170125.zip>,2017年01月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のダウンリンク周波数を用いて第1のダウンリンクデータをユーザ機器に送信するステップと、
第1のアップリンク周波数を利用して前記ユーザ機器から第1のアップリンクデータを受信するステップと、
第2のダウンリンク周波数を用いて第2のダウンリンクデータを前記ユーザ機器に送信するステップと、
前記第1のアップリンク周波数を用いて第2のアップリンクデータを受信するステップとを含み、
前記第1のダウンリンクデータは、無線通信システムにおける第1の基地局を用いて送信され、前記第1のアップリンクデータは、前記第1の基地局を用いて受信され、
前記第2のダウンリンクデータは、前記第2のダウンリンク周波数を用いて、前記無線通信システムにおける第2の基地局から送信され、前記第のアップリンクデータは、前記第1のアップリンク周波数を用いて、前記第2の基地局から前記第1の基地局に送信された後、前記第1の基地局により受信され、
前記第1及び第2の基地局のうちの少なくとも1つは、少なくともパケットデータ収束プロトコル制御情報を前記第1の基地局及び前記第2の基地局の少なくとも1つに提供するように構成された少なくとも1つの集中化ユニットに通信可能に結合され、
前記集中化ユニットは、前記第1及び第2の基地局のうちの少なくとも1つにより提供された情報に基づいて、パケットデータ収束プロトコルパケットデータユニットを生成し、前記生成されたパケットデータユニットを、前記第1及び第2の基地局のうちの少なくとも1つに送信するように構成される、
コンピュータ実装の方法。
【請求項2】
前記第1及び第2の基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の基地局及び前記第2の基地局のうちの少なくとも1つは、無線送信機、及び無線受信機含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2の基地局は、ロングタームエボリューション通信システム及び新しい無線通信システムのうちの少なくとも1つで動作する基地局である
請求項1-3のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの集中化ユニットは、マルチ接続性トラフィック形成機能を含むように構成される、
請求項1-4のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記第1及び第2のアップリンクデータのうちの少なくとも1つは、アップリンク制御情報を含む、
請求項1-5のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の基地局によるスケジューリング情報を独立に生成するステップと、
前記第1及び第2の基地局の中で、前記生成されたスケジューリング情報を共有するステップとをさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと、
命令を格納する非一時的な機械可読媒体であって、前記命令は、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサにより実行されたとき、請求項1-のうちいずれか1つに記載の動作を実行させる
システム。
【請求項9】
命令を格納する非一時的な機械可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに対して、請求項1-のうちいずれか1つに記載の動作を、実行させる、
コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照.
本出願は、2017年2月6日に提出されかつ、「ロングタームエボリューション通信システムのためのマルチテクノロジアグリゲーションアーキテクチャ」と題されたLeeへの米国特許仮出願第62/455327号に基づいて優先権を主張し、当該仮出願の開示内容は参照により全体を通して本明細書に組み込まれる。
【0002】
いくつかの実施形態において、現在の主題は遠隔通信システムに関し、より詳細には、ロングタームエボリューション通信システムのためのマルチテクノロジ集計アーキテクチャに関する。ここで、無線通信システムは、ロングタームエボリューションシステム及び5Gの新しい無線(「NR」)通信システムを含み得る。
【背景技術】
【0003】
今日の世界において、セルラーネットワークは、個人及び事業体にオンデマンドな通信能力を供給する。典型的には、セルラーネットワークはセルと呼ばれる地上エリア中に分散され得る無線ネットワークである。そういったセルの各々には、セルサイト又は基地局と呼ばれる少なくとも1つの定点送受信機によりサービスが提供される。各セルは、近隣のセルと異なる周波数のセットを用いることで、各セル内において互いの干渉を避け、改善されたサービスを提供することができる。複数のセルが互いに接続されるとき、それらは広い地理的エリアに無線到達範囲を提供し、多数の携帯電話機及び/又は他の無線デバイス若しくはポータブル送受信機が、ネットワーク中のどこにあっても、互いに通信したり、固定された送受信機及び電話機と通信したりすることを可能にする。そういった通信は基地局を介して行われ、たとえ携帯送受信機が送信の間に複数のセルを通って移動する場合であっても達成される。主たる無線通信プロバイダは、全世界にわたってそのようなセルサイトを配備しており、それゆえ、この通信は、複数の電話機及び複数の携帯計算デバイスが、公衆交換電話ネットワーク及び公衆インターネットに接続されることを可能にしている。
【0004】
携帯電話機は、携帯電話機への信号及び携帯電話機からの信号を伝送する無線波を用いることにより、セルサイト又は送信塔を介して、電話及び/又はデータの呼び出しを受信及び/又は作成することが可能な、ポータブル電話機である。多数の携帯電話機ユーザの視点から見ると、現在の携帯電話ネットワークは、限定されかつ共有されたリソースを提供する。その点に関して、複数のセルサイト及びハンドセットは、周波数を変更し、低出力の送信機を用いることで、多数の発呼者によるネットワークの同時使用を、より小さい干渉で可能にする。セルサイトによる到達範囲は、特定の地理的位置及び/又はネットワークを使用する可能性のあるユーザの数に依存し得る。例えば、都市内では、セルサイトは最大で約半マイルの範囲を有する一方で、田舎の地域では、範囲は5マイル程度にもなり得る。またある地域では、ユーザは25マイル離れたセルサイトからの信号を受信し得る。
【0005】
以下は、通信プロバイダにより現在用いられているデジタルセルラー技術のいくつかの例である。すなわち、モバイル通信のためのグローバルシステム(「GSM」)(登録商標)、汎用パケット無線システム(「GPRS」)、cdmaOne、CDMA2000、エボリューション-データ最適化(「EV-DO」)、GSMエボリューションのための強化されたデータレート(「EDGE」)、ユニバーサルモバイル通信システム(「UMTS」)、デジタル強化コードレス遠隔通信(「DECT」)、デジタルAMPS(「IS-136/TDMA」)、そして統合デジタル拡張ネットワーク(「iDEN」)等である。ロングタームエボリューション、又は4G LTEは、携帯電話機及びデータ端末のための、高速な無線データ通信のための規格である。5G LTE規格が現在開発されている。LTEはGSM/EDGE及びUMTS/HSPAデジタルセルラー技術に基づいており、コアネットワークの改善とともに、異なる無線インタフェースを用いることにより、容量及びスピードの増加を可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯デバイスは、例えば音声データ(例えば電話呼)、電子メール、テキストメッセージ、インターネットブラウジング、映像データ(例えばビデオ、ビデオ通話、拡張現実/仮想現実等)、オーディオデータ(例えば歌のストリーミング)等、様々な種類のデータを受信及び送信するために用いられている。異なる種類のデータは、異なる送信帯域幅を必要とし得る。例えば、高い品質を有する携帯デバイス上で高画質の映像を再現するためには、携帯デバイスへの電子メール又はテキストメッセージの送信と比較してより高い帯域幅が必要とされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、コンピュータ実装の方法に関する。方法は、第1のダウンリンク周波数を用いて、第1のダウンリンクデータをユーザ機器に送信するステップと、第1のアップリンク周波数を用いて、ユーザ機器から第1のアップリンクデータを受信するステップと、第2のダウンリンク周波数を用いて、ユーザ機器に第2のダウンリンクデータを送信するステップと、第1のアップリンク周波数を用いて、第2のアップリンクデータを受信するステップとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、以下のオプションの特徴のうちの1つ以上を含み得る。第1のダウンリンクデータは、無線通信システムの第1の基地局を用いて送信され、第1のアップリンクデータは、第1の基地局を用いて受信され得る。同様に、第2のダウンリンクデータは、無線通信システムの第2の基地局から送信され、第2のアップリンクデータは、第2の基地局から第1の基地局に送信され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の基地局は、eNodeB基地局と、gNodeB基地局と、それらの任意の組み合わせとのうちの少なくとも1つを含み得る。第1の基地局及び第2の基地局の少なくとも1つは、無線送信機と、無線受信機と、それらの任意の組み合わせとのうちの少なくとも1つを含み得る。第1及び第2の基地局は、ロングタームエボリューション通信システム及び新しい無線通信システムのうちの少なくとも1つにおいて動作し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の基地局のうちの少なくとも1つは、第1の基地局及び第2の基地局のうちの少なくとも1つに少なくともパケットデータ収束プロトコル制御情報を提供するように構成された、少なくとも1つの集中化ユニットと通信可能に結合され得る。第1及び第2のアップリンクデータのうちの少なくとも1つはユーザ制御情報を含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、集中化ユニットを用いて、第1及び第2の基地局のうちの少なくとも1つにより提供された情報に基づいて、パケットデータ収束プロトコルパケットデータユニットを生成するステップと、生成されたパケットデータユニットを第1及び第2の基地局のうちの少なくとも1つに送信するステップとを含み得る。また、方法は、第1及び第2の基地局によるスケジューリング情報を独立に生成するステップと、生成されたスケジューリング情報を第1及び第2の基地局の間で共有するステップとを含み得る。
【0012】
1つ以上の計算システムの1つ以上のデータプロセッサにより実行されると当該1つ以上のデータプロセッサに本明細書の記載の動作を実行させる命令を格納する非一時的なコンピュータプログラム製品(すなわち物理的に実装されたコンピュータプログラム製品)も説明される。同様に、1つ以上のデータプロセッサ及び当該1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリを含むコンピュータシステムも説明される。メモリは、本明細書に記載の動作のうちの1つ以上を少なくとも1つのプロセッサに実行させる命令を、一時的に又は永久的に格納し得る。加えて、単一の計算システム内の、又は2つ以上の計算システム内に分散された1つ以上のデータプロセッサにより、方法が実現され得る。このような計算システムは、
(1)ネットワーク(例えばインターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)上の接続を含むがそれらに限定されない1つ以上の接続を通じて、又は
(2)複数の計算システムのうちの1つ以上の間の直接接続を通じて
接続され、データ及び/又はコマンド若しくは他の命令等を交換することができる。
【0013】
本明細書に説明される主題の1つ以上の変形例の詳細が、添付の図面及び以下の説明の中に記載される。本明細書に説明される主題の他の特徴及び利点は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになる。
【0014】
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、説明とともに本明細書に開示される主題の特定の態様を示し、開示された実施形態に関係づけられた概念のいくつかの説明を補助する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a】従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システムの例を示す図
図1b図1aに示すLTEシステムの例のさらなる詳細を示す図
図1c図1aに示すLTEシステムの例の進化したパケットコアの追加の詳細を示す図
図1d図1aに示すLTEシステムの例の進化したNodeBの例を示す図
図2図1a~図1dに示す進化したNodeBのさらなる詳細を示す図
図3】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、インテリジェントロングタームエボリューション無線アクセスネットワークの例を示す図
図4】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、キャリアアグリゲーションの特徴を実装したインテリジェントロングタームエボリューション無線アクセスネットワークの例を示す図
図5】5G技術を実施し、より高い周波数帯の使用をユーザに提供することが可能な通信システムの例を示す図
図6】既存のロングタームエボリューション通信ネットワークを示す図
図7】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、ロングタームエボリューション通信ネットワークの例を示す図
図8】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、マルチテクノロジアグリゲーションシステムの例を示す図
図9】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、通信システムの例を示す図
図10】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、通信システムの例を示す図
図11】集中された高ベースバンドユニット(「BBU」)構造を実施することが可能な通信システムの例を示す図
図12】LTE-NRインターネットワーキングアーキテクチャの例を示す図
図13】LTEeNodeB及びNR gNodeBの間のXxインタフェースを実施することが可能なアーキテクチャの例を示す図
図14a】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、マルチテクノロジアグリゲーション集中仮想RANアーキテクチャの例を示す図
図14b】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、図14aに示すシステムにより実行され得るプロセスの例を示す図
図15】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、マルチテクノロジアグリゲーションフロー制御アーキテクチャの例を示す図
図16】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、図15に示すアーキテクチャにより実行され得るフロー制御アルゴリズムの例を示す図
図17】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、図15に示すアーキテクチャにより実行され得るフロー制御アルゴリズムの例を示す図
図18】現在の主題のいくつかの実施形態に係る、マルチテクノロジアグリゲーションロードバランシングプロセスの例を示す図
図19】現在の主題のいくつかの実施形態に係るシステムの例を示す図
図20】現在の主題のいくつかの実施形態に係る方法の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
現在の主題は、マルチテクノロジアグリゲーション無線通信システムにおいて実施可能なシステム及び方法を提供できる。そのようなシステムは、ロングタームエボリューション無線通信システム及び/又は新しい無線通信システムが含まれ得る。現在の主題の1つ以上の態様は、そういった通信システムにおける基地局の送信機及び/又は受信機のコンポーネントに組み込まれ得る。ロングタームエボリューション通信システムの例が以下で説明される。
【0017】
I.ロングタームエボリューション通信システム.
図1a~1c,図2は、従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システム100の例を、その様々なコンポーネントとともに示す図である。LTEシステム又は4G LTEは、商業的に知られているように、携帯電話機及びデータ端末のための高速データの無線通信の規格により管理されている。この規格は、UMTS/HSPA(「ユニバーサル携帯遠隔通信システム」/「高速パケットアクセス」)ネットワーク技術に加えてGSM/EDGE(「モバイル通信のためのグローバルシステム」/「GSMエボリューションのための強化データレート」)に基づく。この規格は、3GPP(「第3世代パートナーシッププロジェクト」)により開発された。
【0018】
図1Aに示すように、システム100は、進化したユニバーサル地上無線アクセスネットワーク102(「EUTRAN」)、進化したパケットコア108(「EPC」)、及びパケットデータネットワーク101(「PDN」)を含み得る。EUTRAN102及びEPC108は、ユーザ機器104及びPDN101の間の通信を提供する。EUTRAN102は、(図1bに示すように)複数のユーザ機器104a~104cに通信機能を提供する複数の「進化したNodeB」(「eNodeB」、「ENODEB」、「enodeb」又は「eNB」)又は基地局106a~106cを含み得る。ユーザ機器104は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(「PDA」)、サーバ、データ端末、及び/又は任意の種類のユーザ機器、及び/又はそれらの任意の組み合わせであり得る。ユーザ機器104は、任意のeNoteB106を介して、EPC108に接続し、その後PDN101に接続できる。典型的には、ユーザ機器104は距離に関して最も近いeNoteB106に接続し得る。LTEシステム100において、EUTRAN102及びEPC108は、接続可能性、モビリティ及びサービスをユーザ機器104に提供するために協働する。
【0019】
図1bは、図1aのネットワーク100のさらなる詳細を示す図である。上述のように、EUTRAN102は、セルサイトとしても知られる複数のeNodeB106を含む。eNodeB106は無線機能を提供し、エアリンクリソースのスケジューリング若しくは無線リソース管理と、アクティブモードのモビリティ若しくはハンドオーバーと、並びにサービスのアドミッション制御とを含む、主要な制御機能を実行する。eNodeB106は、ユーザ機器104にサービスを提供するモビリティ管理エンティティ(図1cに示すMME等)を選択することと、ヘッダ圧縮及び暗号化等のプロトコル機能とを担当する。EUTRAN102を構成するeNodeB106は、無線リソース管理及びハンドオーバーのために、互いに協働する。
【0020】
ユーザ機器104とeNodeB106との間の通信は、エアインタフェース122(「LTE-Uu」インタフェースとしても知られる)を介して発生する。図1bに示すように、エアインタフェース122は、ユーザ機器104bとeNodeB106との間の通信を提供する。エアインタフェース122は、直交周波数分割多元接続(「OFDMA」)及びOFDMAの変形である単一キャリア周波数分割多元接続(「SC-FDMA」)をそれぞれダウンリンク及びアップリンクで使用する。OFDMAは、例えば複数入力複数出力(「MIMO」)等の、複数の既知のアンテナ技術の使用を可能にする。
【0021】
エアインタフェース122は、ユーザ機器104とeNodeB106との間の信号通信のための無線リソース制御(「RRC」)と、(図1cに示すような)ユーザ機器104及びMMEの間の信号通信のための非アクセス層(「NAS」)とを含む様々なプロトコルを使用する。信号通信に加えて、ユーザ機器104及びeNodeB106の間で、ユーザトラヒックが伝送される。システム100内の信号通信及びトラフィックはいずれも、物理レイヤ(「PHY」)チャネルにより伝送される。
【0022】
複数のeNodeB106は、X2インタフェース130a~130cを用いて互いに相互接続することができる。図1aに示すように、X2インタフェース130aはeNodeB106aとeNodeB106bとの間の相互接続を提供し、X2インタフェース130bはeNodeB106aとeNodeB106bとの間の相互接続を提供し、X2インタフェース130cはeNodeB106bとeNodeB106cとの間の相互接続を提供する。X2インタフェースは、2つのeNodeB106の間で確立され、信号の交換を提供し得る。信号の交換は、負荷関連情報、干渉関連情報、及びハンドオーバー関連情報を含み得る。eNodeB106はS1インタフェース124a~124cを介して進化したパケットコア108と通信する。S1インタフェース124は、2つのインタフェースに分割できる。すなわち、制御プレーン(図1cでは制御プレーンインタフェース(S1-MMEインタフェース)128で示す)と、ユーザプレーン(図1cではユーザプレーンインタフェース(S1-Uインタフェース)125で示す)とである。
【0023】
EPC108は、ユーザサービスのサービス品質(「QoS」)を確立及び実効化し、移動中にユーザ機器104が一定のインターネットプロトコル(「IP」)アドレスを維持できるようにする。ネットワーク100内の各ノードはそれぞれのIPアドレスを有することは注意されるべきである。EPC108は、レガシー無線ネットワークと連動するように設計される。EPC108は、コアネットワークアーキテクチャにおいて制御プレーン(すなわち信号通信)と及びユーザプレーン(すなわちトラフィック)とを分離するようにも設計されている。これは実装の柔軟性を高め、制御機能及びユーザデータ機能の独立した拡張性をもたらす。
【0024】
EPC108アーキテクチャは、パケットデータに専用であり、図1cで詳細に示される。EPC108は、サービングゲートウェイ(S-GW)110と、PDNゲートウェイ(P-GW)112と、モビリティ管理エンティティ(「MME」)114と、ホーム加入者サーバ(「HSS」)116(EPC108の加入者のデータベース)と、並びに、ポリシー制御及び課金ルール機能(「PCRF」)118とを含む。これらの一部(S-GW、P-GW、MME、HSS等)は、多くの場合、メーカ実装に従って複数のノードに組み合わされ得る。
【0025】
S-GW110は、IPパケットデータルータとして機能し、EPC108におけるユーザ機器のベアラパスアンカーである。従って、モビリティ動作中にユーザ機器があるeNodeB106から別のeNodeB106に移動するに際し、S-GW110は同一のままであり、ユーザ機器104にサービスを提供する新たなeNodeB106と通信するために、EUTRAN102へのベアラパスが切り替えられる。ユーザ機器104が別のS-GW110の領域に移動する場合、MME114はユーザ機器のベアラパスの全てを新たなS-GWに転送する。S-GW110は、ユーザ機器に対して1つ以上のP-GW112へのベアラパスを確立する。待機状態のユーザ機器に対するダウンストリームデータが受信された場合、S-GW110はダウンストリームパケットをバッファリングし、MME114に、EUTRAN102への、及びEUTRAN102を通るベアラパスを見つけて再確立するように要求する。
【0026】
P-GW112は、EPC108(及びユーザ機器104及びEUTRAN102)とPDN101(図1aに示す)との間のゲートウェイである。P-GW112は、ユーザトラフィックのためのルータとして機能するとともに、ユーザ機器に代わって機能を実行する。この機能には、ユーザ機器へのIPアドレスの割り当て、それが適切なベアラパスに配置されていることを保証するための、ダウンストリームユーザトラフィックのパケットフィルタリング、データレートを含むダウンストリームQoSの実行等が含まれる。加入者が使用しているサービスに応じて、ユーザ機器104及びP-GW112の間には複数のユーザデータベアラパスが存在し得る。加入者は、異なるP-GWにより提供されるPDN上でサービスを使用できる。この場合、ユーザ機器は、各P-GW112に対して確立された少なくとも1つのベアラパスを有する。あるeNodeBから別のeNodeBへのユーザ機器のハンドオーバー中に、S-GW110も変化している場合、P-GWからのベアラパスは新たなS-GWに切り替えられる。
【0027】
MME114は、EPC108内のユーザ機器104を管理する。管理は、認証を管理することと、認証されたユーザ機器104のコンテキストを維持することと、ユーザトラフィック用のネットワークにおけるデータベアラパスを確立することと、及び、ネットワークから切り離されていないアイドル状態の携帯電話機の場所を追跡することとを含む。ダウンストリームデータを受信するためにアクセスネットワークに再接続する必要があるユーザ機器104の場合、MME114は、ページングを開始してユーザ機器の位置を特定し、EUTRAN102への、及びEUTRAN102を通るベアラパスを見つけて再確立するように要求する。特定のユーザ機器104のMME114は、ユーザ機器104がシステムアクセスを開始するeNodeB106によって選択される。MMEは、典型的には、負荷共有及び冗長性の目的のために、EPC108内のMMEの集合の一部である。ユーザのデータベアラパスの確立において、MME114は、P-GW112とS-GW110との選択を担当し、EPC108を通るデータパスの終了端を構成する。
【0028】
PCRF118は、P-GW110に存在するポリシー制御実施機能(「PCEF」)におけるフローベースの課金機能を制御するだけでなく、ポリシー制御の意思決定を担当する。PCRF118は、特定のデータフローがPCEFでどのように処理されるかを決定し、これがユーザの加入プロファイルに従っていることを保証するQoS承認(QoSクラス識別子(「QCI」)及びビットレート)を提供する。
【0029】
上述のように、IPサービス119は、(図1aに示すように)PDN101により提供される。
【0030】
II.eNodeB.
図1dは、eNodeB106の構成例を示す。eNodeB106は、少なくとも1つのリモート無線ヘッド(「RRH」)132(通常、3つのRRH132が存在し得る)と、1つのベースバンドユニット(「BBU」)134とを含み得る。RRH132は、アンテナ136に接続することができる。RRH132及びBBU134は、共通公衆無線インタフェース(「CPRI」)142標準仕様に準拠する光インタフェースを用いて接続することができる。eNodeB106の動作は、次の標準パラメータ(及び仕様)を用いて特徴付けることができる。
・無線周波数帯域(Band4、Band9、Band17)
・帯域幅(5MHz、10MHz、15MHz、20MHz)
・アクセス方式(ダウンリンク:OFDMA、アップリンク:SC-OFDMA)
・アンテナ技術(ダウンリンク:2×2MIMO、アップリンク:1×2単一入力複数出力(「SIMO」))
・セクタ数(最大6個)
・最大送信電力(60W)
・最大送信速度(ダウンリンク:150Mb/s、アップリンク:50Mb/s)
・S1/X2インタフェース(1000Base-SX、1000Base-T)
・モバイル環境(350km/h)
BBU134は、デジタルベースバンド信号処理、S1回線の終了、X2回線の終了、呼び出し処理及び監視制御処理を担当することができる。EPC108(図1dには示されていない)から受信されたIPパケットは、デジタルベースバンド信号に変調され、RRH132に送信され得る。逆に、RRH132から受信されたデジタルベースバンド信号は、EPC108への送信のためにIPパケットに復調することができる。
【0031】
RRH132は、アンテナ136を用いて無線信号を送受信することができる。RRH132は、(コンバータ(「CONV」)140を用いて)BBU134からのデジタルベースバンド信号を無線周波数(「RF」)信号に変換することができ、ユーザ機器104(図1dには示されない)への送信のために(増幅器(「AMP」)138を用いて)電力増幅する。逆に、ユーザ機器104から受信したRF信号は(AMP138を用いて)増幅され、BBU134に送信するためにデジタルベースバンド信号に(CONV140を用いて)変換される。
【0032】
図2は、eNodeB106の例の追加の詳細を示す。eNodeB106は、複数のレイヤを含む。すなわち、LTEレイヤ1(202)と、LTEレイヤ2(204)と、LTEレイヤ3(206)とを含む。LTEレイヤ1は、物理レイヤ(「PHY」)を含む。LTEレイヤ2は、媒体アクセス制御(「MAC」)と、無線リンク制御(「RLC」)と、パケットデータ収束プロトコル(「PDCP」)とを含む。LTEレイヤ3は、無線リソース制御(「RRC」)と、動的リソース割り当てと、eNodeB測定の構成及び提供、無線アドミッション制御と、接続モビリティ制御と、並びに、無線リソース管理(「RRM」)とを含む様々な機能及びプロトコルを含む。RLCプロトコルは、セルラー無線インタフェースで仕様される自動再送要求(「ARQ」)フラグメンテーションプロトコルである。RRCプロトコルは、ユーザ機器とEUTRANの間のLTEレイヤ3の制御プレーンシグナリングを処理する。RRCには、接続の確立及び開放、システム情報のブロードキャスト、無線ベアラの確立/再構成及びリリース、RRC接続モビリティ手続き、ページング通知及びリリース、並びに、外部ループ電力制御のための機能が含まれる。PDCPは、IPヘッダの圧縮及び解凍、ユーザデータの転送、並びに、無線ベアラのシーケンス番号のメンテナンスを実行する。図1dに示すBBU134は、LTEレイヤL1~L3を含み得る。
【0033】
eNodeB106の主たる機能の1つは、無線リソース管理であり、これは、ユーザ機器104のためのアップリンク及びダウンリンクの両方のエアインタフェースリソースのスケジューリングと、ベアラリソースの制御と、並びに、アドミッション制御とを含む。eNodeB106は、EPC108のエージェントとして、携帯電話機がアイドル状態の時に携帯電話機の位置を特定するために用いられるページングメッセージの転送を担当する。eNodeB106はまた、共通制御チャネル情報を無線で通信し、無線で送信されたユーザデータのヘッダ圧縮、暗号化及び復号化、並びに、ハンドオーバー報告及びトリガ基準を確立する。上述のように、eNodeB106は、ハンドオーバー及び干渉管理の目的で、X2インタフェースを介して他のeNodeB106と協力することができる。eNodeB106は、輻輳を回避するために、複数のMMEにより負荷を共有できるように、MMEのグループからMMEを選択する。
【0034】
III.インテリジェントLTE無線アクセスネットワーク.
図3は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、システム300の例を示す。システム300は、集中クラウド無線アクセスネットワーク(「C-RAN」)又は仮想無線アクセスネットワーク(「V-RAN」)として実装され得る。システム300は、少なくとも1つのインテリジェントリモートラジオヘッド(「iRRH」)ユニット302及び1つのインテリジェントベースバンドユニット(「iBBU」)304を含み得る。iRRH302及びiBBU304は、イーサネット(登録商標)フロントホール(「FH」)通信306を用いて接続され、iBBU304は、バックホール(「BH」)通信308を用いてEPC108に接続され得る。ユーザ機器104(図3には示されない)は、iRRH302と通信できる。
【0035】
いくつかの実施形態では、iRRH302は、電力増幅器(「PA」)モジュール312と、無線周波(「RF」)モジュール314と、LTEレイヤL1(又は物理レイヤ)316と、LTEレイヤL2の部分318とを含み得る。LTEレイヤL2の部分318は、MACレイヤを含むことができ、以下で説明するように、RLC及びPDCPに関するいくつかの機能/プロトコルをさらに含み得る。iBBU304は集中化ユニットであってよく、複数のiRRHと通信することができ、LTEレイヤL3(322)(例えばRRC、RRM等)を含み、LTEレイヤL2の部分320も含み得る。部分318と同様、部分320は、PDCPに関する様々な機能/プロトコルを含み得る。従って、システム300は、iRRH302とiBBU304との間でPDCPに関する機能/プロトコルを分割するように構成され得る。
【0036】
システム(例えばLTE通信)300は、キャリアアグリゲーション(「CA」)及び協働マルチポイント(「CoMP」)送信の特徴を実装することができる。CA及びCoMP特徴は、4GLTEアドバンストの3GPP標準、リース10及び11でそれぞれ説明されている。両方の特徴は、データスループットレートを向上させるように設計され、4GLTEアドバンストと連携するように設計されている。以下は、これらの各特徴の簡単な要約である。
【0037】
A.キャリアアグリゲーション.
CA又はチャネルアグリゲーションは、複数のLTEキャリアをまとめて使用し、4GLTEアドバンストに求められた高いデータレートを提供することを可能にする。これらのチャネル又はキャリアは、スペクトルの連続した要素に存在することもあれば、又は異なる帯域に存在することもある。キャリアは、連続的なイントラバンドキャリアアグリゲーションと、非連続的なイントラバンドキャリアアグリゲーションと、インターバンド不連続的キャリアアグリゲーションとを用いて集約され得る。連続的なイントラバンドキャリアアグリゲーションにおいて、キャリアは互いに隣接しており、ユーザ機器により無線周波(「RF」)の観点から、集約されたチャネルは単一の拡大されたチャネルと見なされる(通常、チャネルが隣接していない場合、より多くの送受信機が必要となる)。不連続的なイントラバンドキャリアアグリゲーションは、典型的には2つの送受信機を必要とし、マルチキャリア信号は単一の信号としては扱われない。インターバンドの不連続的キャリアアグリゲーションでは、単一のユーザ機器内に複数の送受信機が存在する必要があり、これはコスト、パフォーマンス、及び電力に影響を与える可能性がある。加えて、このアグリゲーション技術は、2つの送受信機からの相互変調及び混変調の低減を必要とする。キャリアが集約されているとき、各キャリアは、コンポーネントキャリアと呼ばれ得る。コンポーネントキャリアのカテゴリは2つ存在する。すなわち、プライマリコンポーネントキャリア(すなわち、任意のグループ内のメインキャリアであり、プライマリダウンリンクキャリアと関係づけられたアップリンクプライマリコンポーネントキャリアとが存在する)と、及び、セカンダリコンポーネントキャリア(1つ以上のセカンダリコンポーネントキャリアが存在する)である。ダウンリンクプライマリコンポーネントキャリア及び対応するアップリンクプライマリコンポーネントキャリアとの間の関係づけは、セルに固有である。
【0038】
LTEキャリアアグリゲーションが用いられるとき、キャリア全体でデータをスケジューリングし、異なるコンポーネントキャリアのDCIレートを端末に通知できる必要がある。クロスキャリアスケジューリングは、コンポーネントキャリア毎に、又はユーザ機器毎に、RRCシグナリングを介して個別に達成され得る。クロスキャリアスケジューリングが配置されていないとき、ダウンリンクスケジューリングの割り当ては、キャリア毎に達成され得る。アップリンクに対しては、1つのダウンリンクコンポーネントキャリア及びアップリンクコンポーネントキャリアの間に割り当てが生成され得る。クロスキャリアスケジューリングがアクティブであるとき、ダウンリンクにおける物理ダウンリンク共有チャネル(「PDSCH」)、又はアップリンクにおける物理アップリンク共有チャネル(「PUSCH」)は、物理ダウンリンク制御チャネル(「PDCCH」)以外の関連コンポーネントキャリアが送信される。PDCCHにおけるキャリア指示子は、PDSCH又はPUSCHに用いられるコンポーネントキャリアに関する情報を提供する。PDSCHは、動的にユーザに割り当てられたチャネルを有するメインデータであり、MACパケットデータユニット(「PDU」)に対応するトランスポートブロック(「TB」)中のデータを担持する。PDSCHは、送信時間間隔(「TTI」)(すなわち1ms)毎に1回、MACレイヤからPHYレイヤに渡される。PDCCHは、ダウンリンク制御情報(「DCI」)メッセージに含まれるユーザ機器のリソース割り当てを伝送するチャネルである。
【0039】
CAには、5つの展開シナリオが存在する。第1のシナリオでは、セル(例えばF1セル及びF2セル等)は同一の場所に配置されてオーバレイされ得るため、ほぼ同じカバレッジを提供することができる。両方のレイヤが十分なカバレッジを提供し、両方のレイヤにおいてモビリティがサポートされる。第2のシナリオでは、セルF1,F2は同じ場所に配置されてオーバレイされ得るが、F2のセルは、パス損失がより大きいためにカバレッジがより小さい。ここで、F1セルのみが十分なカバレッジを提供し、F2セルはスループットを向上させるために用いられる。ここでは、F1セルのカバレッジに基づいてモビリティが実行される。第3のシナリオでは、F1セルとF2セルは同じ場所に配置されてオーバレイされるが、F2セルのパス損失が大きいため、F2セルのカバレッジは小さくなる。ここではF1セルのみが十分なカバレッジを提供し、F2セルはスループットの向上のために用いられる。ここで、モビリティはF1セルのカバレッジに基づいている。第4のシナリオでは、F1セルがマクロカバレッジを提供し、F2セルのリモートラジオヘッドを用いて、ホットスポットにおけるスループットを改善させる。第2のシナリオに類似した第5のシナリオでは、周波数選択リピータが展開され、キャリア周波数のうちの1つに対してカバレッジが拡張される。カバレッジが重複する場所では、同じeNodeBのF1セル及びF2セルが集約され得ることが想定される。
【0040】
B.協調マルチポイント送信.
上述のように、CoMP送信の特徴は、ユーザ機器への/ユーザ機器からのデータをいくつかのポイントから送信/受信するために用いられ、これによりセルのエッジにおいても改善された性能が達成されることを保証する。CoMPにより、様々な異なる基地局における送受信の動的な協調が可能となり、ユーザの全体的な品質が向上し、ネットワークの利用性が向上する。CoMPは、協調スケジューリング及び送信、受信された信号の共同処理を提供するために、地理的に離れた複数のeNodeBの間の緊密な連絡を必要とする。これにより、信号の送受信を改善し、スループットを向上させるために、セルのエッジにあるユーザ機器に、2つ以上のeNodeBが対応できるようになる。
【0041】
CoMPには4つの展開シナリオが存在する。第1のシナリオは、イントラサイトCoMPを備える同種のネットワークを含む。第2のシナリオも同種ネットワークを含むが、送信パワーRRHが高くなる。第3のシナリオには、マクロセルカバレッジ内の低電力RRHを有する異種ネットワーク含まれる。ここで、RRHによって作成された送信/受信ポイントは、マクロセルとして異なるセル識別子を有する。第4のシナリオは、マクロセルカバレッジ内の低電力RRHを有する異種ネットワークが含まれる。
【0042】
結合受信及び処理、並びに協調スケジューリングは、アップリンクCoMPにより実現できる。結合受信及び処理のフォーマットは、異なるサイトにおいてアンテナを使用し、異なる基地局間で協調することにより、仮想アンテナアレイを形成できる。基地局が受信した信号は結合されて処理され、最終出力信号が生成される。結合受信及び処理のフォーマットにより、低強度の信号又は干渉によりマスクされた信号を受信した場合にも、エラーが減少する。協調スケジューリングフォーマットは、干渉を低減又は最小化するために、複数の基地局間でスケジューリングの決定を協調する。異なる協調する基地局間ではスケジューリングデータのみ伝送されるため、このフォーマットはバックホールの負荷の軽減を可能にする。
【0043】
C.インテリジェントLTE RANにおけるイーサネット基調のフロントホール.
図4は、現在の主題のいくつかの実施形態に係るシステム400の例を示す。システム400の例は、「ロングタームエボリューション無線アクセスネットワーク」と題され、2014年12月に出願された、共同所有及び同時係属中の米国特許出願第14/179421号に開示され、その開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。システム400は、キャリアアグリゲーション機能を含む4G LTEアドバンストの機能を実装するように構成され得る。システム400は、インリジェントベースバンドユニット(「iBBU」)402と、プライマリセル(「Pセル」)インテリジェントリモートラジオヘッド404と、1つ以上のセカンダリセル(「Sセル」)インテリジェントリモートラジオヘッド406とを含み得る。LTE CAでは、Pセルは、UE無線アクセスネットワークとのRRC接続を有するサービングセルである。Pセルは、ハンドオーバー手順を正常に実行することによってのみ変更され得る。Sセルは、UEがカバレッジエリアに出入りするときに、構成済みセルのリストに追加/削除され得るセカンダリセルである。Sセルの構成は、UEでトリガされ、RRCに送信されたモビリティ測定イベントに基づいてRRCにより行われる。
【0044】
図4に示すように、各iRRH404,406の両方は、LTEレイヤ1(すなわちPHYレイヤ)を含み、LTEレイヤ2(すなわちMAC、PDCP、RLC)の両方を含み、iBBU402と同様に、それら自身の内に分割されたLTEレイヤ2(すなわちMAC、PDCP、RLC)を有する。iRRH404は、PHYレイヤ412と、MACレイヤ414と、スケジューラPセルコンポーネント416と、マスタRLCコンポーネント418と、RLCステータスコンポーネント420と、PDCPセキュリティコンポーネント422と、BSRコンポーネント424とを含み得る。同様に、iRRH406は、PHYレイヤ411と、MACレイヤ413と、スケジューラSセルコンポーネント415と、スレーブRLCコンポーネント419と、RLCステータスコンポーネント421と、PDCPセキュリティコンポーネント423と、BSRコンポーネント425とを含み得る。iBBU402は、バッファ管理コンポーネント432と、PDCP-SNコンポーネント434と、PDCP-RoHCコンポーネント436と、VASコンポーネント438と、RRCコンポーネント440と、GTPコンポーネント442とを含み得る。
【0045】
バッファ管理コンポーネント432は、バッファ占有レポートの使用を実施することができる。バッファ占有レポートはiRRHから受信され、Pセル及び/又はSセルへのユーザデータのフローを制御し、ユーザ機器へのデータのシーケンス配信を可能にする。PDCP-SNコンポーネント434は、PDCPサービスデータユニット(「PDCPSDU」)のシーケンス番号付けを実行できる。PDCPロバストヘッダ圧縮(「PDCP-RoHC」)コンポーネント436は、ボイスオーバーLTEサービスフローのためにIPヘッダ圧縮を実行することができる。付加価値サービス(「VAS」)コンポーネント438は、データフローの浅いパケット検査と深いパケット検査を実行することで、eNodeBにアプリケーションインテリジェンスを提供し得る。このコンポーネントは、特定のデータフローがどのように扱われるか決定できる。浅いパケットの検査(「SPI」)は、データパケットの1つ又は複数のヘッダを検査して、データパケットに関連づけられた情報を判断することにより実行できる。たとえば、浅いパケットの検査では、データパケットのソースIPアドレスを特定するために、データパケットのIPヘッダを検査できる。いくつかの実施形態では、浅いパケット検査の結果に基づいて、データパケットの他のレイヤを調べることにより、深いパケット検査(「DPI」)を実行できる。いくつかの実施形態では、データパケットのペイロードを検査して、データパケットに割り当てるリソースブロックを決定できる。
【0046】
iRRH404及びiRRH406は、直接接続452又はフロントホール接続458と共有可能な接続であり得るiRRH間インタフェースを介して違いに接続され得る。iRRH404は、フロントホール(「FH」)接続458を用いてiBBU402と通信することができ、iRRH406は、FH接続464を用いてiBBUと通信できる。
【0047】
いくつかの実施形態では、iBBU402はRRCコンポーネント440を用いて集中化リモート無線リソース制御(「RRC」)を提供することができる。これにより、長い遅延RRC間協調の必要性を排除し、iRRH404,406でLTEレイヤ2を設定する機能を提供する。この機能は、以下で説明するように、協調マルチポイント送信機能の一部として実施され得る。
【0048】
図4に示すように、PDCPプロトコルに関連する機能は、iBBU402、iRRH404、及びiRRH406の間で分割することができる。PDCP-RPHC436(ROHCはパケットの圧縮に用いられる堅牢なヘッダ圧縮プロトコルを指す)及びPDCP-SN434(SNはシーケンス番号を指す)、並びにiBBU402中のバッファ管理コンポーネント432がPDPC-アッパーと呼ばれることとともに、それぞれiRRH404,406内のPDCP-セキュリティ422,423はPDCP-ロウアーと呼ばれる。iBBU402にPDCP-アッパーを持たせ、iRRH404,406にPDCP-ロウアーを持たせることにより、PDCP機能が集中化され、iBBU402によりROHC及びシーケンス番号付け機能、iRRHによる暗号化機能(既知のPDPC技術を参照する)を処理することができる。いくつかの実施形態では、iBBU402におけるPDCP-アッパーは、iRRH内のスケジューラへのデータフローの協調も処理することができる。
【0049】
さらに、PDCP-アッパー及びPDCP-ロウアーを用いることにより、iBBU402とiRRH406との間のフロー制御を提供し得る。フロー制御は、ベアラの推定データレートに依存する。例えば、ダウンリンク462では、バッファ占有レベルとPDCP-ロウアーが提供するレポートからの推定データレートに応じて、PDCP-アッパーは、圧縮及び番号付きパケットをPセルiRRH404及びSセルiRRH406に送信できる。いくつかの実施形態では、PDCP-ロウアーは、バッファ占有レベルのレポートを生成できる。このレポートは、定期的に、要求に応じて、自動的に、手動に、及び/又は任意の期間で生成できる。このレポートに基づいて、PDCP上部は、連続するバッファ占有率レポート(2つのレポート等)、レポート間の経過時間、及びレポート間でバッファに送信された追加データに基づいて、バッファ流出率を推定できる。
【0050】
iBBU402は、バッファ管理機能432を含むことで、PDCPパケットデータユニットの順次配信(「PDCPPDU」)をサポートし、デフォルトベアラの付加価値サービス(「VAS」)マルチキュー実装をサポートすることができる。バッファ管理機能432は、Sセル406内のバッファストールを検出し、ストールしたPDCPPDUパケットのPセル404への再方向付けをトリガすることができる。PDCP-ロウアーは、古いパケットを検出し、そのパケットを破棄することができる。PDCPPDUのインシーケンス配信は、RLC確認モードと非確認モードで送信されるデータフローの要件を参照できる。VASマルチキューの実装により、デフォルトのベアラ内でデータフローの優先順位付けが可能となる。いくつかの実施形態では、バッファストールの検出は、PDCP-ロウアーから受信したバッファ占有率レポートから導出できる推定バッファドレインレートに基づいてなされる。
【0051】
いくつかの実施形態では、パケットの再方向付けを実行するために、PDCP-アッパーは各パケットデータユニットに存続時間情報(データパケットの有効期限が切れるまでの時間を指す)をタグ付けすることができる。次に、PDCP-ロウアーは、そのパケットの存続可能タイマが切れた時に、そのバッファからパケットを削除し、削除されたパケットの番号をPDCP-アッパーに通知できる。PDCP-アッパーは、削除されたパケットを同じPDCP-ロウアーに再送信するか、削除されたパケットを別のiRRHのPDCP-ロウアーに再方向付けするか否かを決定できる。パケットの破棄は、Pセル及び/又はSセルで実行でき、パケットはPセル及び/又はSセルに再方向付けすることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、RLCプロトコル処理はiRRH404とiRRH406に分割できる。ここで、iRRH404はマスタRLCコンポーネント418を含み得て、iRRH406はスレーブRLCコンポーネント419を含み得る。マスタRLCコンポーネント418は、RLCPDUシーケンス番号をスレーブRLCコンポーネント419に割り当てることができ、それにより、RLCPDUシーケンス番号付けプロセスを集中化することができる。現在の主題のシステムでは、各RLCエンティティは、送信した未確認のPDUのリストを維持できるため、送信した未確認のPDUのみに対するARQ手続きを処理できる。これは、RLCエンティティが、他のエンティティにより送信可能な他のPDUを認識していないか、未確認のPDUの再送信を処理するための元データを持たない可能性があるからである。いくつかの実施形態では、RLCARQステータスPDUは、わずか数十ミリ秒のレートでユーザ機器から送信可能であり、iRRHインタフェース間、すなわち直接接続452及び/又はフロントホール458と共有される接続を介して、2つのRLCエンティティ間で共有できる。いくつかの実施形態では、上記のiRRH間インタフェースは、IP経由で業界標準のストリーム制御トランスポートプロトコル(「SCTP」)を活用できる。アプリケーションレイヤの情報交換は、プロセス間通信プロトコルに基づき得る。
【0053】
PセルiRRH404が受信するチャネル状態情報(「CSI」)、確認/非確認(「ACK/NACK」)シグナリング、プリコーディングマトリクス指示子(「PMI」)、及びランク指示子(「RI」)は、フロントホール又は直接ギガビットイーサネット(「GE」)接続を介してSセルスケジューラ415と共有するために、iRRHインタフェース452を介して転送され得る。この情報は、8ミリ秒を目標とするH-ARQRTTに影響を及ぼさないために、送信されたサブフレームと同じサブフレームにおいて、Sセルスケジューラにとって利用可能になる。
【0054】
いくつかの実施形態では、iRRH間インタフェース452をSセルiRRH406で使用して、Sセルで送信されたパケットに対するH-ARQACK/NACKフィードバックの到着をどのPUCCHリソースが期待するかをPセルiRRH404に通知することができる(PUCCHリソースの割り当ては4G LTEの3GPP規格で画定される)。非限定的な例として、スケジューラは、データが無線で送信される時の2ミリ秒前に、どのユーザ機器でスケジュールするかを決定するように設計され得る。H-ARQACK/NACKは、データを受信してから4ms後にユーザ機器から送信できる。従って、ダウンリンクH-ARQACK/NACK情報がユーザ機器から到着する前に、PセルiRRH404にRUCCHリソースの使用が通知されるようにするために、iRRH間インタフェース452の一方向遅延は、例えば4ミリ秒より大きくはならない。理解され得るように、上述のことは、現在の主題のシステムの例示的かつ非限定的な実施例として提供される。さらに、現在の主題のシステムは、特定のデータスケジューリングパラメータ及び/又はデータの送信に関する特定の遅延に限定されず、任意のスケジューリング、遅延、及び/又は他のパラメータを用いて設計できることも理解されるべきである。
【0055】
いくつかの実施形態では、iRRH間トランスポート456をフロントホールと共有し、iBBU402及び/又はギガビットイーサネットインタフェースを用いたiRRH404,406間の物理的直接接続452で切り替えることができる。iRRH間インタフェースがフロントホール全体で切り替えられた接続456として構成されているとき、例えばiBBU402とiRRH404及び/又はiRRH406とが連結及び/若しくは配置されている場合、並びに/又はMW、mmWave、FSO等のLOSワイヤレストランスポートに基づく場合、iRRHが地理的に離れている場合等において、フロントホールの遅延は非常に低い遅延トランスポートに基づき得る。
【0056】
IV.新しい無線マルチテクノロジアグリゲーション通信ネットワーク.
いくつかの実施形態では、現在の主題は、5G新しい無線(「NR」)通信システムに関する。5G NRは、現在の4G/IMTアドバンスト規格を超えて提案される次世代遠隔通信規格である。5Gネットワークは、現在の4Gよりも高い容量で提供され、エリアユニットあたりのモバイルブロードバンドユーザ数を増やし、1ヶ月あたり及びユーザあたりギガバイト単位でより多く、又は無制限のデータ量を消費可能となるように計画されている。これにより、ユーザはWi-Fiネットワークでない場合でも、モバイルデバイスを用いて何時間も高解像度メディアをストリーミングできる。5Gネットワークは、改善されたデバイス間通信のサポート、4G機器よりも低いコスト、低い遅延、低いバッテリー消費等を有することが計画されている。このようなネットワークは、多数のユーザに対しては数十メガビット毎秒のデータレート、大都市圏に対しては100Mb/sのデータレート、限られたエリア(オフィスフロア等)内のユーザに対しては同時に1Gb/s、ワイヤレスセンサネットワークの多数の同時接続、改善されたスペクトル効率、改善されたカバレッジ、改善されたシグナリング効率、既存のシステムに比較して低減された1~10ミリ秒の遅延を有することが計画されている。
【0057】
図5は、5G技術を実施することができ、かつより高い周波数帯域(例えば、10GHzを超える)の使用をユーザに提供することができる通信システム500の例を示す。システム500は、マクロセル502と、スモールセル504,506とを含み得る。
【0058】
モバイルデバイス508は、スモールセル504,506のうちの1つ以上と通信するように構成され得る。システム500は、マクロプレーン502とスモールセル504,506との間の制御プレーン(Cプレーン)及びユーザプレーン(Uプレーン)の分割を可能とする。ここで、Cプレーン及びUプレーンは異なる周波数帯域を利用している。特に、スモールセル502,504は、モバイルデバイス508と通信するときに、より高い周波数帯域を利用するように構成され得る。マクロセル502は、Cプレーン通信のために既存のセルラー帯域を利用することができる。モバイルデバイス508は、Uプレーン512を介して通信可能に結合することができ、スモールセル(例えばスモールセル506)は、より高いデータレート及びより柔軟/高コスト効率/高エネルギー効率の動作を提供できる。マクロセル502は、Cプレーン510を介して、良好な接続性とモビリティを維持できる。さらに、場所によっては、LTE PUCCHとNR PUCCHを同じ周波数で送信できる。
【0059】
図6は、既存のロングタームエボリューション通信ネットワーク600を示す。ネットワーク600は、図1a~図1dについて上で示されて説明されたものと同様の要素を含む。図6に示すように、システム600は、無線アクセスネットワーク(「cRAN」)604に通信可能に結合された、進化したパケットコア(「EPC」)602を含み得る。cRAN604は、1つ以上のマスタeNodeB(「MeNB」)606に通信可能に結合される。上述のように、システム600は、キャリアアグリゲーション(「CA」)技術を実施して、システム600と通信するユーザ機器に通信可能性を提供することができる。
【0060】
MeNB606は、1つ以上のサービングeNodeB(「SeNB」)608と(二重接続技術(「DC」)を用いて)通信可能に結合614することができる。MeNB606は、PDCP、RLC、MAC、PHYレイヤを含む様々なネットワーキングコンポーネントも含み得る。RFコンポーネント612は、CPRIインタフェースを用いてMeNB606に結合され得る。SeNB608は、MeNB606及び/又はシステム600と通信可能に結合することができる他の任意のサードパーティeNodeB610と通信できるようにすることができる対応するコンポーネントを含み得る。RFコンポーネント612は、SeNB608に統合され得る。eNodeBは、上述の議論に関して、そのネットワークユーザにサービス(「サービス」)616を提供することができる。
【0061】
図7は、ロングタームエボリューション通信ネットワーク700の例を示す。ネットワーク600とは対照的に、PDCPコンポーネント718は、MeNB706から除去され、代わりに、無線アクセスネットワーク(「cRAN」)704に組み込まれ得る。さらに、RFコンポーネント712はMeNB706に組み込まれ得る。LTE及びNRの機能を含み得るマルチテクノロジアグリゲーション通信システムでは、iRRHコンポーネントはdBBUコンポーネントに置き換えられ、iBBUコンポーネントはcBBUコンポーネントに置き換えられ、dBBUとcBBU間の通信はミッドホールリンクを介して行われる(LTEシステムでは、iRRHとiBBUとの間の通信にフロントホールリンクが使用される)。また、全てのdBBUコンポーネントは通信可能にcBBUに結合される。
【0062】
図8は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、マルチテクノロジアグリゲーションシステム800の例を示す。現在、LTEデュアルコネクティビティ(「DC」)アーキテクチャに基づくマルチテクノロジアグリゲーションがサポートされている。マルチテクノロジアグリゲーションシステムは、信頼性の高いアップリンク(「UL」)操作のために、同じキャリア周波数でLTE UL及び新しい無線アップリンク(「NR UL」)の送信をサポートできる。アップリンクの多重化の目的で、マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(「MBSFN」)サブフレーム及び/又はミニスロット及び/又は同一の周波数における同時送信が実装され得る。しかしながら、これには2つのアップリンクが必要となり得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、従来のシステムの欠点を解決するために、システム800は、LTE PUCCHを再利用しながら、新しい無線(NR)アップリンク制御情報(「UCI」)の送信を可能にする、集中化及び分散RANの実装のためのマルチテクノロジアグリゲーションアーキテクチャ及びインタフェースを提供できる。さらに、LTE ULデータが存在する場合、PUCIでUCIを送信できる。図8に示されるように、システム800は、LTE基地局(例えばeNodeB)802と、NR基地局(例えば、gNodeB)804と、LTE基地局(例えばeNodeB)806とを含み得る。eNodeB806は、eNodeB802と同じであり得る。eNodeB802及びgNodeB804は、1つ以上のユーザ機器(CCTV、仮想現実デバイス、スマートフォン、携帯電話機等)へのダウンリンク送信に使用できる。eNodeB802は、ダウンリンク上でPDCCH、PDSCHデータを送信でき、約1Gb/sまでの送信レートを有し得る。gNodeB804は、ダウンリンク上でNR-PDCCH、NR-PDSCHデータを送信することができ、1Gb/sを超える(例えば、5Gb/s以上までの)送信レートを有し得る。ノード802及び804は、マルチテクノロジアグリゲーションネットワークを用いて通信可能に結合され得る。アップリンクデータの送信には、eNodeB806(eNodeB802と同じ場合も、異なる場合もある)を用いられ得る。ユーザ機器は、PUCCH及びPUSCHを他のアップリンクデータとともにeNodeB806に送信できる。
【0064】
図9は、現在の主題のいくつかの実施形態による、通信システム900の例を示す図である。システム900は、基地局(例えばeNodeB)902及びNR基地局(例えばgNodeB)904を含み得る。基地局902は、傘下エリアのカバレッジを提供することができ、その中に基地局904が配置され得る。基地局904は、小さなエリアで数Gb/sのピークスループットを提供できる。基地局904は、大きな面積スペクトル効率を提供できるユーザ機器に固有の信号/ビームを生成できる。NRセルエッジ(すなわち、基地局904でカバーされるエリアのセルエッジ)の一部のユーザ機器では、無線状態が低下し、頻繁なハンドオーバー、制御チャネル受信パフォーマンスの低下を引き起こし得る。
【0065】
図10は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、通信システム1000の例を示す。システム1000は、図9に示すシステム900に類似し得て、基地局(例えばeNodeB)1002及びNR基地局(例えばgNodeB)1004を含み得る。繰り返し、基地局1002は傘下エリアのカバレッジを提供できる。基地局1004は、基地局1002のセル領域に配置され得る。基地局1002は、モビリティアンカーとして機能し、そのセルエリアのユーザ機器にダウンリンク(PDCCH、PDSCH)及びアップリンク(PUCCH、PUSCH)の送信を提供できる。さらに、基地局1002は、基地局1002からアップリンク制御情報を受信することもでき、これは基地局1002のアップリンク(PUCCH)で基地局1002に送信し得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、基地局1004は、ダウンリンク送信(容量/スループット)にのみ用いられ得る。基地局1004は、アクティブアンテナシステム(「AAS」)及びビーム形成(「BF」)追跡アルゴリズムを実施し、そのカバレッジエリア内のユーザ機器に送信し得る。ビーム形成は、ダウンリンクNR-PDCCH及びNR-PDSCH情報/データの送信に使用され得る。基地局1004は、容量のニーズに基づいて、及び/又は他のパラメータに基づいてオンデマンドで送信ビームを生成できる。基地局1004は、様々な高度なマルチサイト処理機能も実行できる。
【0067】
図11は、集中化高ベースバンドユニット(「BBU」)構造を実施できる通信システム1100の例を示す。システム1100は、より高いBBU(「H-BBU」)コンポーネント1102及びより低いBBU(「L-BBU」)コンポーネント1104-1108を含み得る。H-BBUコンポーネント1102は、RRCと、フロー制御と、VASと、PDCP機能とを含み得る。L-BBUコンポーネント1104-1108は、RCL/MAC、PHY及びRFレイヤ/コンポーネントを含み得る。L-BBUコンポーネント1104,1106は、LTEコンポーネントとして構成され得て、L-BBUコンポーネント1108は、NRコンポーネントとして構成され得る。eNodeB及びgNodeB(すなわちそれぞれのL-BBUコンポーネント)からの情報は、H-BBUコンポーネント1102に送信され得る。これは、Xx-C(制御)インタフェース及びXx-Uインタフェースを用いて達成され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、ダウンリンクスケジューリングは、次のように実行され得る。eNodeBは、アップリンク制御情報(「UCI」)をgNodeBに送信し得る。これには、ダウンリンクACK/NACK、チャネル状態情報(「CSI」)、プリコーディングマトリクス指示子(「PMI」)、及びランク指示子(「RI」)を含み得る。gNodeBは、ダウンリンク制御情報(「DCI」)をeNodeBに送信し得る。これには、変調コーディング方式(「MCS」)及びリソース指示値(「RIV」)を含み得る。システム1100のフロー制御の一部として、バッファ状態情報(eNodeB/gNodeB)、平均スループット(eNodeB/gNodeB)、セルローディング(eNodeB/gNodeB)、及びチャネル品質(eNodeB/gNodeB)を提供することができる。gNodeBのアクティブ化/非アクティブ化の目的のために、基準信号受信電力(「RSRP」)及び基準信号受信品質(「RSRQ」)(eNodeB/gNodeB)をアクティブ化/非アクティブ化情報とともに用いられ得る。eNodeB/gNodeBは、様々なRRCパラメータの構成により、不連続受信パラメータ(「DRX」)を構成することもできる。さらに、gNodeB無線リソースの構成と測定、モビリティ制御情報もシステム1100で利用され得る。
【0069】
図12は、LTE-NRインターネットワーキングアーキテクチャ1200の例を示す。図12に示すように、LTE eNodeB1202は、S1-MMEインタフェース1201を介してEPCのMME1204にXx-Cインタフェース1203を介してgNodeB1206に通信可能に結合され得る。さらに、LTE eNodeB1202は、S1-Uインタフェース1205を介して、EPCのS-GW1208と、Xx-Uインタフェース1207を介してgNodeB1206と通信可能に結合され得る。gNodeB1206は、S1-Uインタフェース1209を用いてS-GW1208に通信可能に結合され得る。特に、LTE eNodeB122のPDCPコンポーネント1211は、Xxインタフェース1215を介してgNodeB1206の新しい無線(NR)RLCコンポーネント1213に通信可能に結合され得る。
【0070】
図13は、LTE eNodeB1302及びNR gNodeB1304の間のXxインタフェース1301を実装することが可能なアーキテクチャ1300の例を示す。Xxインタフェース1301は、制御インタフェース(Xx-C)及びユーザインタフェース(Xx-u)を含み得る。いくつかの実施形態では、eNodeB1302がgNodeBにアップリンク制御情報(「UCI」)を送信することで、ダウンスケジューリングが実行され得る。ここで、アップリンク制御情報は、ダウンリンクACK/NACK、チャネル状態情報(「CSI」)、プリコーディングマトリクス指示子(「PMI」)、及びランク指示子(「RI」)を含み得る。gNodeBは、ダウンリンク制御情報(「DCI」)をgNodeBに送信し得る。ここで、ダウンリンク制御情報は、変調コーディングスキーム(「MCS」)及びリソース指示値(「RIV」)を含み得る。フロー制御では、バッファステータス情報(eNodeB/gNodeB)、平均スループット(eNodeB/gNodeB)、セル負荷(eNodeB/gNodeB)、及びチャネル品質(eNodeB/gNodeB)を提供し得る。gNodeBをアクティブ化/非アクティブ化するために、様々なアクティブ化/非アクティブ化情報とともに、基準信号受信電力(「RSRP」)及び基準信号受信品質(「RSRQ」)(eNodeB/gNodeB)を提供できる。eNodeB/gNodeBは、不連続受信パラメータ(「DRX」)も構成できる。gNodeB無線リソースの構成と即手、モビリティ制御情報もシステム1300で用いられ得る。
【0071】
図14aは、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、マルチテクノロジアグリゲーション集中化仮想RANアーキテクチャ1400を示す。アーキテクチャ1400は、集中化ユニット1402、マスタeNodeB(「MeNB」)ユニット1404、及びgNodeB(「gNB」)ユニット1406を含み得る。集中化ユニット1402は、少なくとも以下のコンポーネントを含み得る。すなわち、RRC、GPRSトンネリングプロトコル(「GTP」)、VAS、PDCP-RoHC、PDCP-SN、PDCPセキュリティ、及びフロー制御を含み得る。MeNBユニット1404は、ミッドホール(スモールセルからマスターセルへの、又はより低いBBUからより高いBBUへの、バックホールリンクを含み得る)を介して集中化ユニット1402に通信可能に結合され得る。MeNBユニット1404は、少なくとも以下の構成要素を含み得る。すなわち、BSR、RLC(ARQを伴う)、スケジューラMeNB、及びMAC/PHYレイヤ(H-ARQを伴う)を含み得る。gNBユニット1406は、Xx(直接)インタフェースを用いてMeNBユニット1404に通信可能に結合され得る。gNBユニット1406は、少なくとも以下のコンポーネントを含み得る。すなわち、BSR、RLC(ARQを伴う)、スケジューラgNB、及びMAC/PHYレイヤ(H-ARQを伴う)。
【0072】
いくつかの実施形態では、集中化ユニット1402のRRCコンポーネントを用いて、セル(例えばgNB、eNodeB等)を追加/ドロップすることができる。Uプレーンを固定するために、PDCPコンポーネントが用いられ得る。集中化ユニット1402内のフロー制御コンポーネントは、gNBユニット1406のアクティブ化/非アクティブ化、及びDRX構成のためのバッファステータス管理及びRSRP/RSRQ更新を提供することができる。gNBユニット1406では、信号対ノイズ比率(「SNR」)を用いて、適応RLCサービスデータユニット(「SDU」)を生成し得る。ユニット1406のスケジューラgNBコンポーネントは、Xxインタフェースを介してユニット1404のスケジューラMeNBコンポーネントと通信し得る。スケジューラは、様々なスケジューリング情報、CSI、PMI、RI、HARQフィードバック情報、及び/又はその他の情報を共有できる。
【0073】
いくつかの実施形態では、システム1400は、UCIの多重化及び送信の目的で、LTEダウンリンク情報の送信の目的で周波数F1_DLを用いることができる。アップリンクLTE送信の場合、周波数F1_DLを用いることができる。NRアップリンク生業情報の送信のためには、周波数F2が利用され得る。例えば、情報は、NRダウンリンク送信、NR DL CSI RSに基づいて推定されたNR CSIフィードバック、又はユーザ機器からのDM RS測定を含み得る。これらは、CQI、PMI、CQI、RI、並びにRSからの到来角(「AOA」)及び強度の推定の形のPMIのうちの少なくとも1つを含み得る。さらに、NRアップリンク制御情報には、スケジューリング要求(「SR」)を含み得る。さらに、NR UCIはLTE PUCCHにマッピングされ、周波数F1_ULで送信され得る。
【0074】
図14bは、図14aのシステム1400により実行され得るプロセス1410の例を示す。ステップ1412において、集中化ユニット1402の集中化RRCコンポーネントは、セルの追加/ドロップを実行し得る。ステップ1414において、集中化ユニット1402の様々なPDCPコンポーネントは、ユーザプレーンのアンカリンクを実行することができる。ステップ1416において、有効化/無効化DRX設定のためのバッファステータス管理及び/又はRSRP/RSRQ更新は、集中化ユニット1402及びNR gNB1406の間で通信され得る。ステップ1416において、適応RLC SDUは、eNB1404及びgNB1406の両方による信号対ノイズ比率(SNR)情報に基づいて生成され得る。eNB1404及びgNB1406のスケジューラ(「スケジューラMeNB」及び「スケジューラgNB」)は、ステップ1418において、独立スケジューリングプロセスを実行し得る。次に、eNB1404及びgNB1406の間のXx直接インタフェースは、スケジューリング、CSI/PMI/RI、及び/又はHRQフィードバック情報を共有するために用いられ得る。
【0075】
図15は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、マルチテクノロジアグリゲーションフロー制御アーキテクチャ1500の例を示す。アーキテクチャ1500は、集中化ユニット(「CU」)1502と、eNBユニット1504と、gNBユニット1506とを含み得る。ユニット1502は、少なくともPDCPコンポーネント及びマルチ接続性(「MC」)トラフィック形成機能を含み得る。ユニット1504,1506は、少なくともそれぞれのRLC、MAC、PHYコンポーネント/レイヤを含み得る。
【0076】
図16は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、フロー制御アルゴリズム1600の例を示し、図17は、アーキテクチャ1500により実行され得るフロー制御アルゴリズムの例を示す。
【0077】
図16に示すように、フローセイギョアルゴリズム1600の例は、(例えば図15に示す)CU1502内のPDCP及びRLCの間で実行され得る。セルセットアップの間の初期設定の間に、最大RLCバッファサイズがRLCからPDCPに送信され得る。これは、トラフィック形成機能のパラメータであり得るQminパラメータを含み得る。RLCは、RLCバッファ状態情報(例えばRLC_buffer_drain_rate及びavg_RLC_buffer_size)とともに、データ転送リクエストを送信できる。データ転送リクエストを受信すると、CU1502のトラフィック形成機能は、PDCP PDUのサイズを決定し、PDCP PDUをRLCに転送し得る。トラフィック形成機能は、以下のように表現され得る。
【0078】
f(Qmax,Qmin,RLC_buffer_drain_rate,avg_RLC_buffer_size)
【0079】
図17に示すように、フロー制御アルゴリズム1700の例は、フロー制御アルゴリズム1700と同様であり得る。しかしながら、この場合、トラフィック形成機能は、最大/最小RLCバッファサイズとパケットラウンドトリップ時間に基づいて、必要なパケットサイズを推定できる。その後、PDCPはPDCP PDUをRLCに送信できる。この場合、トラフィック形成機能は、次のように表現され得る。
【0080】
f(Qmax,Qmin,RTT)
【0081】
図18は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、eNB1802及び/又はgNB1804を用いて実行され得るマルチテクノロジアグリゲーションロードバランシングプロセス1800の例を示す。プロセス1800の間に、各RLCコンポーネント(すなわち、eNB及びgNBのそれぞれのRLCコンポーネント)により着信データ1801が受信及び処理され、CU(例えば、図15に示すユニット1502)のPDCPにデータ転送要求を送信できる。1つ以上のgNB1804は、そのRLCバッファステータス1820情報をPDCPに送信することもできる(これは、CU内のトラフィック形成機能にも提供され得る)。1つ以上のgNB1804は、そのRLCバッファ状態1821情報をPDCPに送信することもできる(これは、CU内のトラフィックシェーピング機能にも提供され得る)。データ転送要求を受信すると、トラフィックシェーピング機能1805は、ベアラを複数のパケットデータユニット(「PDU」)1805に分割し、データをeNB1802(Pセル1807のためのRLC SDU及びセグメント化されたRLC PDU1811)及びgNB1804(Sセル1809のためのRLC SDU及びRLC PDU1813)のRLCに送信することができる。チャネル認識MAC SDU1815,1817は、それぞれのeNB1802及びgNB1804内のRLCコンポーネントにリソース割り当てサイズを提供できる。
【0082】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、特定のデータ無線ベアラに関連するデータのユーザ機器への送信のための分散ユニットgNB(gNB-DU)における、平均バッファサイズ並びにバッファ占有レートに関する様々な情報を含み得る。この情報は、F1ユーザプレーンプロトコルサービスの一部として提供できる(F1は、集中化ユニットgNB(gNB-CU)及び分散gNB(gNB-DU)の間の論理インタフェースである)。データ無線ベアラの平均バッファサイズは、関連するデータ無線ベアラのための平均バッファサイズを表し得る。この平均バッファサイズは、特定のデータ無線ベアラのためのダウンリンクユーザデータフローを制御するためのフィードバックプロセスの一部として、gNB-DUによりgNB-CUへとレポートされ得る。平均バッファサイズは、連続する状態レポートの間の時間で平均され得る。平均バッファ占有レートは、連続したレポート間で特定のベアラのMACレイヤにより取得された多数のRLC SDUにおいてレポートされ得る。実施例として、データ無線ベアラの平均バッファサイズは、4オクテットのステータスレポートフレーム(例えば、0…232-1の値の範囲を有する)であり、平均バッファ占有レートも、4オクテットの状態レポートフレーム(例えば、0…232-1の値の範囲であり得る)であり得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、例えば図19に示すシステム1900において実装されるように構成され得る。システム1900は、プロセッサ1910と、メモリ1920と、ストレージデバイス1930と、及び入出力装置1940とのうちの1つ以上を含み得る。コンポーネント1910,1920,1930,1940の各々は、システムバス1950を用いて相互接続され得る。プロセッサ1910は、システム600内での実行のための命令を処理するように構成され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ1910は、シングルスレッドのプロセッサであり得る。代替の実施形態では、プロセッサ1910はマルチスレッドプロセッサであり得る。プロセッサ1910は、入出力装置1940を介する情報の送受信を含む、メモリ1920又はストレージデバイス1930に格納された命令を処理するようにさらに構成され得る。メモリ1920は、システム1900内に情報を保存することができる。いくつかの実施形態では、メモリ1920は、コンピュータ可読媒体であり得る。さらにいくつかの実施形態では、メモリ1920は不揮発性のメモリユニットであり得る。記憶装置1930は、システム1900に大容量ストレージデバイスを提供できてよい。いくつかの実施形態では、ストレージデバイス1930は、コンピュータ可読媒体であり得る。代替の実施形態では、ストレージデバイス1930は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、テープデバイス、不揮発性のソリッドステートメモリ、又は他の任意の種類の記憶装置であり得る。入出力装置1940は、システム1900に入出力動作を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、入出力装置1940は、キーボード及び/又はポンティングデバイスを含み得る。代替の実施形態において、入出力デバイス1940は、グラフィカルユーザインタフェースを表示するための表示ユニットを含み得る。
【0084】
図20は、現在の主題のいくつかの実施形態に係る、方法2000の例を示す。ステップ2002において、第1の基地局(例えばLTE eNodeB)は、ダウンリンクデータをユーザ機器に送信できる。送信は、第1のダウンリンク周波数を利用できる。ステップ2004において、第1の基地局は、第1のアップリンク周波数を利用して、ユーザ機器からアップリンクデータを受信できる。ステップ2006において、第2の基地局(例えばNR gNodeB等)は、ダウンリンクデータをユーザ機器に送信し得る。この送信では、第2のダウンリンク周波数を利用し得る。ステップ2008において、第2の基地局は、第1のアップリンク周波数を用いて、第1の基地局にアップリンクデータを送信できる。
【0085】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、以下のオプションの特徴のうちの1つ以上を含み得る。第1のダウンリンクデータは、無線通信システムの第1の基地局を用いて送信され得て、第1のアップリンクデータは、第1の基地局を用いて受信され得る。同様に、第2のダウンリンクデータは無線通信システムの第2の基地局から送信でき、第2のアップリンクデータは第2の基地局から第1の基地局に送信され得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。第1の基地局及び第2の基地局のうちの少なくとも1つは、無線送信機、無線受信機、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。第1及び第2の基地局は、ロングタームエボリューション通信システムと新しい無線通信システムのうちの少なくとも1つの通信システムで動作する基地局であり得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の基地局の少なくとも1つは、第1の基地局及び第2の基地局の少なくとも1つに少なくともパケットデータ収束プロトコル制御情報を提供するように構成された少なくとも1つの集中化ユニットに通信可能に結合され得る。第1及び第2のアップリンクデータのうちの少なくとも1つは、ユーザ制御情報を含み得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、方法2000は、集中化ユニットを用いて、第1及び第2の基地局のうちの少なくとも1つから提供される情報に基づいて、パケットデータ収束プロトコルパケットデータユニットを生成するステップと、生成されたパケットデータユニットを、第1及び第2の基地局のうちの少なくとも1つに送信するステップとを含み得る。方法は、第1及び第2の基地局により個別にスケジューリング情報を生成するステップと、生成されたスケジューリング情報を第1及び第2の基地局の間で共有するステップとを含み得る。
【0089】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェアも含むコンピュータ等のデータプロセッサ等を含む、様々な形で実装され得る。さらに、本開示の実施例の上で触れた特徴及び他の態様並びに概念は、様々な環境において実施され得る。これらの環境及び関連するアプリケーションは、開示された実施形態に係る様々な処理及び動作を実行するために特別に構築されてもよいし、又はそれらは、必須の機能を提供するために、コードにより選択的に有効化または再構成された汎用コンピュータ若しくは計算プラットフォームを含み得る。本明細書に開示されたプロセスは、いかなる特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境または他の装置に本質的に関連したものではなく、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの適切な組み合わせにより実施され得る。例えば、様々な汎用マシンが、開示された実施形態の教示に係って書かれたプログラムとともに用いられ得る。また、要求された方法及び技術を実行するための特化された装置若しくはシステムを構築するのが便利であり得る。
【0090】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、コンピュータプログラム製品、すなわち、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータ又は複数のコンピュータ等のデータ処理装置による実行のために、又はそれらのデータ処理装置の動作を制御するために、例えば機械可読ストレージ媒体又は伝播される信号等の情報キャリアとして明白に実装されたコンピュータプログラムとして実施され得る。コンピュータプログラムは、コンパイル又は翻訳された言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書かれてよく、スタンドアロンなプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン若しくは計算環境における利用に適した他の単位としての形を含む任意の形で配備され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、1地点の複数のコンピュータ、複数の地点に分散されて通信ネットワークにより相互接続された複数のコンピュータの上に配備され得る。
【0091】
本明細書で用いられるに際し、「ユーザ」の用語は、人物又はコンピュータを含む任意のエンティティを指し得る。
【0092】
いくつかの場合には、「第1の」「第2の」等の順序の番号はある順序と関連し得るが、本明細書で用いられるに際し、順序の番号はある順序を必ずしも示唆するものではない。例えば、順序の番号はある物体を別の物体と区別するためだけに用いられ得る。例えば、第1のイベントを第2のイベントと区別するためであって、時系列的順序又は固定の参照システムを必ずしも示唆するものではない(例えば、明細書の1段落における第1のイベントは、明細書の別の段落における第1のイベントとは異なるものであり得る)。
【0093】
上述の説明は、続く特許請求の範囲で画定された本発明の保護範囲を例示するためのものであって、それを限定するためのものではない。他の実施形態が、以下の特許請求の範囲の保護範囲に含まれる。
【0094】
これらのコンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、又はコードとも呼ばれ、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高級手続きプログラミング言語及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語により実装され得る。本明細書で用いられるに際し、「機械可読媒体」とは、機械命令を機械可読信号として受け取る機械可読媒体を含み、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD)等の任意のプログラム製品、装置及び/又はデバイスを指す。「機械可読信号」の用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために用いられる任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば非一時的ソリッドステートメモリ又は磁気ハードドライブ、又はこれらと等価な任意のストレージ媒体がするように、これらの機械命令を非一時的に格納できる。機械可読媒体は、代替的に又は追加で、例えばプロセッサキャッシュか、又は1つ以上の物理プロセッサコアと関係づけられた他のランダムアクセスメモリがするように、それらの機械命令を一時的なやり方で格納してもよい。
【0095】
ユーザとのインタラクションを提供するために、本明細書に説明された主題は、ユーザに情報を表示するための例えばブラウン管(CRT)モニタ又は液晶ディスプレイ(LCD)モニタ等のディスプレイデバイスと、ユーザがコンピュータに入力を提供することが可能な、キーボード並びに例えばマウス若しくはトラックボール等のポインティングデバイスとを有するコンピュータ上で実装され得る。ユーザとのインタラクションを提供するために他の種類のデバイスが用いられてもよい。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック等、任意の形の感覚フィードバックであってよく、また、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力を含むがそれらに限定されない任意の形で受け取られ得る。
【0096】
本明細書に説明された主題は、
(1)例えば1つ以上のデータサーバ等のバックエンドコンポーネントを含むか、又は
(2)例えば1つ以上のアプリケーションサーバ等のミドルウェアコンポーネントを含むか、又は
(3)例えばユーザが本明細書に説明された主題の実施形態と相互作用できるグラフィカルユーザインタフェース若しくはウェブブラウザを有する1つ以上のクライアント計算機等のフロントエンドコンポーネントを含むか、又は
(4)これらのバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、若しくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む
計算システム上で実施され得る。システムのコンポーネントは、例えば通信ネットワーク等の、デジタルデータ通信のいかなる形態又は媒介によっても相互接続され得る。通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、インターネット等を含むが、これらに限定されない。
【0097】
計算システムはクライアント及びサーバを含み得る。一般に、ただし非排他的に、クライアント及びサーバは、互いに遠隔で、典型的には通信ネットワークを介して相互作用する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれの計算機において実行されて互いにクライアント-サーバ関係を持つコンピュータプログラムにより発生する。
【0098】
上述の説明に記載された実施形態は、本明細書に説明される主題に係る全ての実施形態を示すものではない。むしろ、それらの実施形態は説明された主題に関する態様に係るいくつかの例に過ぎない。上ではいくつかの変形例が説明されたが、他の変更又は追加も可能である。特に、本明細書に記載された特徴及び/又は変形に加えて、さらなる特徴及び/又は変形が提供され得る。例えば、開示された特徴の様々な組み合わせ及び部分的組み合わせ、及び/又は、上で開示されるいくつかのさらなる特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせであり得る。加えて、添付の図に示され、及び/又は本明細書に説明されたロジックフローは、好ましい結果を得るために必ずしも示された特定の順序を必要とするものではない。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の保護範囲に含まれ得る。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図15
図16
図17
図18
図19
図20