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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】パワーモジュールの相互接続部材
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20220322BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220322BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019547635
(86)(22)【出願日】2018-03-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2018055219
(87)【国際公開番号】W WO2018158449
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】17159030.0
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハートマン,サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】トリューセル,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ファビアン
【審査官】多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105575925(CN,A)
【文献】特開平11-317496(JP,A)
【文献】特開2006-013273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0353590(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07、25/18
H01L 23/48
H02M 7/515、7/537、7/757、7/797
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーモジュール(10)のハウジング(12)であって、前記ハウジング(12)は、
前記ハウジング(12)内部の半導体要素を収容するための収容部(26)と、
パワー端子板(28)が設けられる、前記収容部(26)上のパワー端子領域(22)と、
前記パワー端子領域(22)よりも低い高度の前記収容部(26)上の補助端子領域(24)と、
ばね部(46)によって相互接続されるパワー端子コネクタ部(42)および補助端子コネクタ部(44)を有する、相互接続部材(36)と、を備え、前記ばね部(46)は、前記パワー端子板(28)のそばに位置合わせされ、
前記ばね部(46)は、少なくとも部分的に前記パワー端子コネクタ部(42)よりも高い高度で延びるように形成され、
前記ばね部(46)が前記パワー端子板(28)のそばで前記パワー端子領域(22)に係合するとともに前記補助端子領域(24)まで延び、前記補助端子コネクタ部(44)が前記補助端子領域(24)上に配置されるように、前記相互接続部材(36)は、前記パワー端子コネクタ部(42)が前記パワー端子板(28)の下方の前記収容部(26)の開口(40)を通るように挿入される、ハウジング(12)。
【請求項2】
前記ばね部(46)は、前記補助端子コネクタ部(44)が前記パワー端子コネクタ部(42)よりも低い高度で位置合わせされるように形成される、請求項1に記載のハウジング(12)。
【請求項3】
前記補助端子領域(24)上に前記補助端子コネクタ部(44)を位置決めするための誘導構造(60)が、前記補助端子領域(24)および前記パワー端子領域(22)の少なくとも1つに設けられる、請求項1または請求項2に記載のハウジング(12)。
【請求項4】
前記誘導構造(60)は、前記補助端子領域(24)から突出する突出部(62)を備え、前記突出部(62)の間に前記補助端子コネクタ部(44)が誘導される、請求項3に記載のハウジング(12)。
【請求項5】
ナット(58)が、前記収容部(26)の前記パワー端子板(28)の下方に位置決めされ、前記パワー端子コネクタ部(42)が、前記パワー端子板(28)と前記ナット(58)との間に位置決めされ、
前記パワー端子コネクタ部(42)および前記パワー端子板(28)は、ねじのための穴を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のハウジング(12)。
【請求項6】
前記補助端子コネクタ部(44)は、ねじのための穴を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のハウジング(12)。
【請求項7】
前記相互接続部材(36)は、シート金属で作製され、
前記相互接続部材(36)は、ばね鋼合金で作製される、請求項1~6のいずれか1項に記載のハウジング(12)。
【請求項8】
前記相互接続部材(36)の厚さは、0.1mm~0.2mmの間であり、
前記相互接続部材のビッカーズ硬度は、少なくともHV400である、請求項1~7のいずれか1項に記載のハウジング(12)。
【請求項9】
前記相互接続部材(36)の厚さに対する前記ばね部(46)の長さの比は、前記ばね部(46)の長さに対する前記パワー端子領域(22)と前記補助端子領域(24)との間の直交距離との比よりも250~1000倍大きい、請求項1~8のいずれか1項に記載のハウジング(12)。
【請求項10】
少なくとも1つのさらなる補助端子(30)が、前記補助端子領域(24)上に設けられる、請求項1~9のいずれか1項に記載のハウジング(12)。
【請求項11】
第2のパワー端子板(28)が設けられる、前記収容部(26)上の第2のパワー端子領域(20)をさらに備え、
第2の前記パワー端子領域(20)は、前記補助端子領域(24)よりも高い高度にあり、
第2の前記パワー端子領域(20)は、第1の前記パワー端子領域(22)と同じ高度にあり、
前記補助端子領域(24)は、第1の前記パワー端子領域(22)と第2の前記パワー端子領域(20)との間に設けられる、請求項1~10のいずれか1項に記載のハウジング(12)。
【請求項12】
第2のパワー端子コネクタ部(42)と、第2の前記パワー端子コネクタ部(42)から突出する第2の補助端子コネクタ部(44)とを有する、第2の相互接続部材(38)をさらに備え、
第2の前記相互接続部材(38)は、第2の前記補助端子コネクタ部(44)が前記補助端子領域(24)上に配置されるように、第2の前記パワー端子コネクタ部(42)が第2の前記パワー端子板(28)の下方の前記収容部(26)の第2の開口(40)を通るように挿入される、請求項11に記載のハウジング(12)。
【請求項13】
第2の前記相互接続部材(38)は、第2の前記パワー端子コネクタ部(42)および第2の前記補助端子コネクタ部(44)を相互接続する中間部(57)を備え、
前記中間部(57)は、第2の前記パワー端子コネクタ部(42)および第2の前記補助端子コネクタ部(44)に直交して位置合わせされる、請求項12に記載のハウジング(12)。
【請求項14】
補助端子(32)を有するパワーモジュール(10)のハウジング(12)を提供する方法であって、前記方法は、
前記ハウジング(12)に、前記ハウジング(12)内部の半導体要素を収容するための収容部(26)と、パワー端子板(28)が設けられる前記収容部(26)上のパワー端子領域(22)と、前記パワー端子領域(22)よりも低い高度の前記収容部(26)上の補助端子領域(24)とを提供することと、
相互接続部材(36)に、ばね部(46)で相互接続されるパワー端子コネクタ部(42)および補助端子コネクタ部(44)を提供することと、を含み、前記ばね部(46)は、前記パワー端子コネクタ部(42)のそばに位置合わせされ、前記ばね部(46)は、少なくとも部分的に前記パワー端子コネクタ部(42)よりも高い高度で延びるように形成され、前記方法はさらに、
前記補助端子コネクタ部(44)が前記パワー端子コネクタ部(42)よりも高い高度にあるように、前記ばね部(46)を弾性的に曲げることと、
前記パワー端子コネクタ部(42)が前記パワー端子板(28)の下方の前記収容部(26)の開口(40)を通るように、前記相互接続部材(36)を挿入することと、
前記補助端子コネクタ部(44)が前記補助端子領域(24)上に配置されるように、および、前記ばね部(46)が前記パワー端子板(28)のそばで前記パワー端子領域(22)に係合するとともに前記補助端子領域(24)まで延びるように、前記ばね部(46)を解放すること、とを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互接続部材を有するパワーモジュールのハウジング、パワーモジュールの補助端子を提供するための相互接続部材の使用、および補助端子を有するパワーモジュールのハウジングを提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーモジュールは、通常、1つ以上のパワー半導体と、電子変換器などの、パワー半導体によって形成される回路を他のパワーモジュールと電気的に接続してより大きいシステムにするための端子も提供する、パワー半導体のための機械的支持構造とを備える。
【0003】
機械的支持構造の1つの可能性は、プラスチックで形成され得る、ハウジングまたは収容部であり、その中にパワー半導体が収納される。パワー端子および補助端子は、ハウジングの外側に設けられ得る。補助端子は、パワー半導体のゲートを接続するために、および/またはパワーモジュール内部のセンサを接続するために用いられ得る。たとえば、2つのパワー半導体スイッチを有するハーフブリッジモジュールのために、補助端子は、スイッチならびに内蔵サーミスタの温度を感知するためのサーミスタ端子を制御するための低側スイッチおよび高側スイッチのためのゲートおよび補助エミッタのための接続を提供し得る。
【0004】
主要エミッタ端子を繰り返す、さらなる追加の補助端子を提供することが有利である場合がある。これらの端子は、パワーモジュールを保護するために、故障事象を検出するために用いられ得る。たとえば、繰り返された主要エミッタと補助エミッタとの間の電圧差が測定され、電流変化、すなわち対応するパワー端子内のdI/dtに関連し得る。これらの追加の補助端子は、すべての用途において望まれ使用されるわけではない。たとえば、これらの追加の端子を取り去ることは、ドライバ回路を実施するためのドライバ基板上の空間を開放し得る。
【0005】
CN202797558Uは、IGBTモジュールの回路ゲートおよび補助エミッタ端子をショートさせるために用いられる可撓性の短絡ブリッジを開示している。
【0006】
DE 10 2014 115 812 A1は、補助端子が設けられる領域に対して隆起したパワー端子を有するハウジングを備えるパワーモジュールを示している。
【0007】
DE 196 12 516 A1は、パワーモジュールの接続レールとの制御接続を接続するための、U字形の相互接続端子を示している。端子は、それらの端部をそれぞれの要素に半田付けされる。
【0008】
US2015/295 336 A1は、回路基板上のパワーレールに接触するためのアームを示している。アームは、パワーレールに対して付勢される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高い追加の費用なく導入することが容易である、パワーモジュールのためのオプションの補助端子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。さらなる例示の実施形態は、従属請求項および以下の説明から明らかである。
【0011】
本発明の局面は、パワーモジュールのハウジングに関する。パワーモジュールは、1つ以上のパワー半導体要素を機械的に支持する任意のタイプのモジュールであり得、1つ以上のパワー半導体要素ための端子を提供するためのものであり得る。「パワー」という用語は、10A超の処理電流および/もしくは100V超の電圧のために適合されているモジュールならびに/または半導体要素に関し得る。パワーモジュールのハウジングは、1つ以上の半導体要素を環境から保護するとともに、1つ以上の半導体要素および/またはセンサなどの他の構成要素などのパワーモジュール内部の構成要素と電気的に相互接続される端子を提供する、パワーモジュールの部分に関し得る。
【0012】
本発明の実施形態によれば、ハウジングは、ハウジング内部の半導体要素を収容するための収容部と、パワー端子板が設けられる収容部上のパワー端子領域と、パワー端子領域よりも低い高度の収容部上の補助端子領域と、を備える。
【0013】
収容部は、端子面または前面にパワー端子領域および補助端子領域を提供する、プラスチックの収容部であり得る。背面において、収容部は、さらなる機械的支持構造に接続され得る。パワー端子領域および/または補助端子は、互いに離間される実質的に平行な板を備え得る。パワー端子領域は、収容部から突出する収容部の一部から提供され得る。
【0014】
パワー端子板は、収容部内部に延びるおよび/または収容部内部のパワー半導体要素と電気的に相互接続され得る、導体の端部によって提供され得る。
【0015】
たとえば、パワーモジュールは、半導体要素として、1つ以上のIGBTまたは他の半導体スイッチを備え得る。補助端子領域上の補助端子は、このような半導体スイッチのゲートの接続のためのゲート端子であり得る。また、パワーモジュールは、2列に接続された半導体スイッチのハーフブリッジを備え得る。パワー端子は、ハーフブリッジのDC+、DC-およびACポテンシャルへの接続を提供し得る。
【0016】
さらに、ハウジングは、ばね部で相互接続されるパワー端子コネクタ部および補助端子コネクタ部を有する相互接続部材を備える。ばね部は、パワー端子板のそばに位置合わせされる。
【0017】
相互接続部材は、収容部の中へ挿入される形成された金属シートであり得る。これとは対照的に、パワー端子コネクタ部は、収容部へ鋳造され得る。パワー端子コネクタ部は、パワー端子板の下方に挿入され得る。ばね部は、補助端子コネクタ部とパワー端子コネクタ部との間の可撓性部分として見られ得る。ばね部は、収容部、たとえばパワー端子領域を提供する収容部の突出部分と係合するように適合される形態へ可塑的に曲げられる。以下に説明されるように、ばね部は、補助端子コネクタ部がパワー端子領域の上方に案内され得るように、収容部の中への相互接続部材の挿入の間に弾性的に曲げられる。
【0018】
パワー端子コネクタ部および補助端子コネクタ部の両方は、平らな部材であり得る。ばね部は、3次元形状の部材であり得る。
【0019】
相互接続部材は、ばね部がパワー端子板のそばでパワー端子領域に係合するとともに補助端子領域まで延びるように、パワー端子コネクタ部が端子板の下方の収容部の開口を通るように挿入される。さらに、補助端子コネクタ部は、補助端子領域上に配置される。
【0020】
補助接続領域は、パワー接続領域に対する、すなわちパワー端子領域の後ろからの視点からおよび/または開口に対してパワー端子領域の反対側の、挿入の方向に位置し得る。開口は、パワー端子板の下方に設けられ得る、および/または、さらに、パワー端子板上への導体をねじ留めするためのナットを収納するために用いられ得る。
【0021】
パワー端子コネクタ部が挿入されるとき、ばね部は、収容部の突出部分上に設けられ得るパワー端子領域を通過し得るように、可塑的に曲げられる。完全に挿入されたとき、補助端子コネクタ部は、ばね部のばね力によって、補助端子領域上、たとえば導体を取り付けるために用いられるナットを収納する開口の上方に配置される。
【0022】
このように、単純に設計され部材を設置しやすいように、追加の補助端子が提供され、パワー端子と電気的に相互接続される。ばね部は、パワー端子コネクタ部と補助端子コネクタ部との間の導電体として用いられる。
【0023】
さらに、ばね部は、少なくとも部分的にパワー端子コネクタ部よりも高い高度で延びるように、可塑的に曲げられるまたは形成される。このように、ばね部の上側区分は、パワー端子板と実質的に同じ高度でパワー端子領域に係合し得る。
【0024】
本発明の実施形態によれば、ばね部は、補助端子コネクタ部がパワー端子コネクタ部よりも低い高度で位置決めされるように、可塑的に曲げられるまたは形成される。ばね部は、補助端子コネクタ部が補助端子領域上にほぼ力がなく配置され得るように、形成され得る。なお、補助端子コネクタ部およびパワー端子コネクタ部は、実質的に平行に、しかし異なる高度で、位置合わせされ得る。
【0025】
本発明の実施形態によれば、ばね部は、ばね部が少なくとも部分的にパワー端子コネクタ部よりも高い高度で延びるように、可塑的に曲げられるまたは形成される。このように、ばね部は、パワー端子領域の頂部に案内され得る。パワー端子コネクタ部は、パワー端子板の下方および/またはパワー端子領域の高度以下に配置され得る。
【0026】
本発明の実施形態によれば、補助端子領域上に補助端子コネクタ部を位置決めするための誘導構造が、補助端子領域およびパワー端子領域の少なくとも1つに設けられる。誘導構造は、パワーモジュールの頂部に実装され得る。補助端子コネクタ部は、補助端子に導体を接続するための開口の上方において、この構造によって案内および/または位置決めされ得る。誘導構造は、横方向のばね部の移動を防ぎ得る。
【0027】
本発明の実施形態によれば、誘導構造は、補助端子領域から突出する突出部またはピンを備え、突出部の間に補助端子コネクタ部が案内される。これらの突出は、収容部の材料によって提供され得、たとえばプラスチック材料から鋳造され得る。
【0028】
本発明の実施形態によれば、ナットが、収容部のパワー端子板の下方に位置決めされ、パワー端子コネクタ部は、パワー端子板とナットとの間に位置決めされる。パワー端子に電気的に接続される導体は、ナットによってパワーモジュールにねじ留めされ得る。相互接続部材のパワー端子部が挿入される開口は、ナットを収納するための開口であり得る。たとえば、開口は、矩形形状を有し得、ナットは、四角形のナットであり得、すなわち、開口は、ナットが回転することを防ぎ得る。
【0029】
導体がナットにねじ留めされるとき、パワー端子板およびナットは、パワー端子部に対して押され、このようにしてパワーモジュール上に機械的に固定される。また、パワー端子板およびパワー端子コネクタ部が電気的に接続される。
【0030】
本発明の実施形態によれば、パワー端子コネクタ部およびパワー端子板は、ねじのための穴を備える。ねじは、パワー端子板およびパワー端子コネクタ部を通ってナットへ挿入され得る。
【0031】
本発明の実施形態によれば、補助端子コネクタ部は、ねじのための穴を備える。また、補助端子コネクタ部は、補助端子に電気的に接続するための導体がハウジングにねじ留めされるとき、パワーモジュールに固定され得る。
【0032】
本発明の実施形態によれば、ナットは、補助端子コネクタ部の下方の収容部の開口に位置決めされる。ねじは、補助端子コネクタ部を通って挿入され得、補助端子コネクタ部は、ハウジングにねじ留めされ得る。なお、この場合、収容部の一部は、ナットと補助端子コネクタ部との間にあり得る。
【0033】
本発明の実施形態によれば、相互接続部材は、シート金属で作製される。たとえば、相互接続部材は、スタンピングによって低費用で製造され得る。
【0034】
本発明の実施形態によれば、相互接続部材は、ばね鋼合金で作製される。この態様では、ばね部は、非常に弾性が高いものであり得、設置手順の間に弾性的に曲げられ得る。設置後、相互接続部材は、初めの形状に戻り得る。調整は必要ではないかもしれない。
【0035】
以下の寸歩および特性が、必要な剛性、弾性、機械的安定性、および伝導度を有する相互接続部材を設計するために有利であることがわかっている。
【0036】
本発明の実施形態によれば、相互接続部材の厚さは、0.1mm~0.2mmの間、たとえば0.15mmである、および/または、相互連結部材のビッカーズ硬度は、少なくともHV400である。
【0037】
本発明の実施形態によれば、相互接続部材の厚さtに対するばね部の長さlの比は、ばね部の長さlに対するパワー端子領域と補助端子領域との間の直交距離dよりも250~1000倍大きい。たとえば、比(l/t)/(d/l)は、500として選択され得る。第1の係数l/tは、可能性のある曲げ角度に関することがわかり得る。第2の係数d/lは、必要な曲げ角度に関することがわかり得る。直交距離dは、パワー端子領域および補助端子領域によって規定される平面の間の最小距離であり得る。
【0038】
本発明の実施形態によれば、少なくとも1つのさらなる補助端子が、補助端子領域上に設けられる。このさらなる補助端子は、収容部の中へ統合され得、たとえば収容部へ鋳造され得る。可能な補助端子は、ゲート端子およびセンサ端子を含み得る。
【0039】
本発明の実施形態によれば、ハウジングは、第2のパワー端子板が設けられる収容部上の第2のパワー端子領域をさらに備える。たとえば、上述されたような第1のパワー端子領域は、ACパワー端子であり得、第2のパワー端子は、DC+および/またはDC-パワー端子領域であり得る。また、第2のパワー端子領域は、収容部の突出部分上に設けられ得る。さらに、第2のパワー端子板は、第2のパワー端子領域上に設けられ得、第2のパワー端子板が第1のパワー端子領域上のパワー端子板と同様に設計され得る。
【0040】
第2のパワー端子領域は、補助端子領域よりも高い高度にあり得る、および/または第1の端子領域と同じ高度にあり得る。補助端子領域は、第1のパワー端子領域と第2のパワー端子領域との間に設けられ得る。要するに、パワー端子は、隆起領域上のパワーモジュールの2つの対向する側に設けられ得る。1つ以上の補助端子は、これら2つの隆起領域の間の領域に設けられ得る。
【0041】
パワー端子板の下方におけるパワー端子コネクタ部の挿入によってハウジングに設置されるが、異なって設計される、1つ以上のさらなる補助端子を提供するための相互接続部材が存在してもよい。
【0042】
本発明の実施形態によれば、ハウジングは、第2のパワー端子コネクタ部と、第2の端子コネクタ部から突出する第2の補助端子コネクタ部とを有する第2の相互接続部材をさらに備える。
【0043】
第1の相互接続部材は、第1のタイプの相互接続部材として見られ得、第2の相互接続部材は、第2のタイプの相互接続部材として見られ得る。
【0044】
第2の相互接続部材は、ばね部を有していなくてもよい。しかしながら、第2の相互接続部材の第2のパワー端子コネクタ部および第2の補助端子コネクタ部は、第1の相互接続部材の1つと同様に設計され得る。
【0045】
本発明の実施形態によれば、第2の相互接続部材は、第2の補助端子コネクタ部が補助端子領域上に配置されるように、第2のパワー端子コネクタ部が第2の端子板の下方の収容部の第2の開口を通るように挿入される。この場合、パワー端子コネクタ部のための開口は、補助端子領域に面し得る、および/または、補助端子領域と同じ高度であり得る。
【0046】
本発明の実施形態によれば、第2の相互接続部材は、第2のパワー端子コネクタ部および第2の補助端子コネクタ部を相互接続する中間部を備える。中間部は、L字形であり得る、および/または、第2のパワー端子コネクタ部および第2の補助端子コネクタ部に直交して位置合わせされ得る。中間部は、開口部への第2のパワー端子コネクタ部の挿入のためのストッパとして用いられ得る。さらに、中間部によって、第2のパワー端子コネクタ部に対する第2の補助端子コネクタ部の位置が決定され得る。
【0047】
さらに、第1の相互接続部材は、ハーフブリッジの高側の半導体スイッチのエミッタと電気的に相互接続される、第1の補助エミッタ端子を提供するために用いられ得る。第2の相互接続部材は、ハーフブリッジの低側の半導体スイッチのエミッタと電気的に相互接続される、第2の補助エミッタ端子を提供するために用いられ得る。
【0048】
本発明のさらなる局面は、パワーモジュールの補助端子を提供するための、上記および以下に記載されるような、相互接続部材の使用に関する。相互接続部材は、ばね部で相互接続されるパワー端子コネクタ部および補助端子コネクタ部を備え得る。さらに、ばね部は、少なくとも部分的にパワーモジュールの収容部に係合するためのパワー端子コネクタ部よりも高い高度で延びるように、曲げられ得る。いくつかの相互接続部材は、いくつかの補助端子を提供するために用いられ得る。
【0049】
本発明のさらなる局面は、補助端子を有するパワーモジュールのハウジングを提供する方法に関する。たとえば、上記方法は、パワーモジュールの製造の間に行われ得る。技術者は、追加の補助端子が必要とされるときに、パワーモジュールのハウジングの中へ相互接続部材を挿入し得る。
【0050】
本発明の実施形態によれば、上記方法は、ハウジングに、ハウジング内部の半導体要素を収容するための収容部と、パワー端子板が設けられる収容部上のパワー端子領域と、パワー端子領域よりも低い高度の収容部上の補助端子領域とを提供することと、相互接続部材に、ねじ部で相互接続されるパワー端子ネクタ部および補助端子コネクタ部を提供することと、を含み、ばね部は、パワー端子コネクタ部のそばに位置合わせされ、ばね部は、少なくとも部分的にパワー端子コネクタ部よりも高い高度で延びるように形成され、上記方法はさらに、補助端子コネクタ部がパワー端子コネクタ部よりも高い高度にあるように、ばね部を弾性的に曲げることと、パワー端子コネクタ部が端子板の下方の収容部の開口を通るように相互接続部材を挿入することと、補助端子コネクタ部が補助端子領域上に配置されるように、および、ばね部がパワー端子板のそばでパワー端子領域に係合するとともに補助端子領域まで延びるように、ばね部を解放することと、を含む。
【0051】
その後、パワー端子コネクタ部は、パワー端子コネクタ部およびパワー端子板を通ってねじを介してバスバーにパワー端子をねじ留めすることによって、パワー端子板に取り付けられ得る。このような態様では、パワー端子がバスバーにねじ留めされるとき、ドライ接触接続が形成され得る。
【0052】
2つ以上の補助端子が必要とされるときは、このようにして2つ以上の相互接続部材がハウジングの中へ挿入され得ることが理解されるべきである。
【0053】
さらに、第2のパワー端子コネクタと、第2の端子コネクタ部から突出する第2の補助端子コネクタ部とを有する第2のタイプの相互接続部材は、さらなる補助端子を提供するためにハウジングの中へ挿入され得る。
【0054】
第1のタイプおよび/または第2のタイプの相互接続部材は、簡単な手動による組立てステップにおいて設置され得る。たとえば、2つの補助エミッタ端子には、パワーモジュールのACパワー端子に接続される第1のタイプの相互接続部材およびDC-パワー端子に接続される第2のタイプの相互接続部材が設けられ得る。2つの相互接続部材の設置は、簡単な手動による組立てステップにおいて行われ得、約20秒以内に行われ得る。
【0055】
上記および以下に説明されるような方法および使用の特徴は、上記および以下に説明されるようなハウジングおよび/またはパワーモジュールの特徴であり得ることが理解されるべきである。
【0056】
本発明のこれらのおよび他の局面は、以下に説明される実施形態から明らかであり、これを参照して説明される。
【0057】
本発明の主題は、添付された図面に示される例示の実施形態を参照して、以下の本文においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】本発明の実施形態に係るパワーモジュールのハウジングの斜視図である。
図2図1のハウジングのための第1のタイプの相互接続部材の斜視図である。
図3図1のハウジングのための第2のタイプの相互接続部材の斜視図である。
図4図1のハウジングの一部の斜視断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る方法のステップの間における、図1のハウジングの斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る方法のステップの間における、図1のハウジングの斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る方法のステップの間における、図1のハウジングの斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係る方法のステップの間における、図1のハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図面において用いられる参照符号およびそれらの意味は、参照符合の一覧に要約されて列挙される。原則として、図において、同一の部分には、同様の参照符合が付される。
【0060】
図1は、ハウジング12を有するパワーモジュール10を示す。直列に接続され、ハーフブリッジを形成する2つの半導体スイッチが、ハウジング12内部に収容され得る。
【0061】
ハウジング12は、実質的に矩形の基部14と、基部14の反対側に、3つのパワー端子領域18,20,22および補助端子領域24を有する端子面16とを有する。ハウジング12の片側には、DC+端子領域18およびDC-端子領域20が並んで配置される。他方の側には、AC端子領域22が配置される。AC端子領域22とDC-端子領域20との間には、補助端子領域24が配置される。
【0062】
端子領域18,20,22,24は、プラスチック材料で作製され得る、収容部26の実質的に平坦な面として設けられ得る。補助端子領域24は、パワー端子領域18,20,22が平面的な面として設けられる、収容部の一部が突出する、収容部26の実質的に平面的な面であり得る。パワー端子領域18,20,22は、同じ高度にあり、補助端子領域24の高度よりも高い高度にあり得る。
【0063】
各パワー端子領域18,20,22上には、2つのパワー端子板28が配置され、パワー端子のための電気接続を提供する。各パワー端子板28は、導体を介して電気的に接続され、その1つの端部には、収容部26の半導体スイッチの少なくとも1つを有する、パワー端子板28が設けられ得る。
【0064】
補助端子領域24には、いくつかの固定された導入された補助端子30が設けられる。固定された導入された補助端子30は、半導体スイッチのゲートへの電気接続、すなわちおそらくゲート端子を提供し得る。それらは、また、半導体端子のエミッタへの電気接続、すなわちおそらくパワー端子板28のいくつかと電気的に接触する、補助アミッタ端子を提供し得る。さらに、補助端子30の1つ以上は、ハウジング12内部の温度センサおよび/または他のセンサへの電気接触を提供し得る。
【0065】
さらに、2つの追加のオプションで導入可能な補助端子32,34が、補助端子領域24に設けられ得る。補助端子32は、AC端子領域22上のパワー端子板28に接続される相互接続材36によって提供される。補助端子34は、DC-端子領域20上のパワー端子板28に接続される、異なって設計された相互接続部材38によって提供される。したがって、両方の補助端子32,34は、パワーモジュール10によって提供されるハーフブリッジの低側の半導体スイッチおよび高側の半導体スイッチに電気的に接続される補助エミッタ端子であり得る。
【0066】
他の補助端子30およびパワー端子板28によって提供されるパワー端子が、収容部26に取り外し不能で接続され得る、および/または、収容部26の製造の間に収容部の中へ統合され得る一方、相互接続部材36,38は、その後、収容部26に設置され得る。一般に、それらは、それぞれのパワー端子板28の下方のスロットまたは開口40の中へ部分的に挿入される。
【0067】
図2は、第1の相互接続部材36を示しており、図3は、第2の相互接続部材38を詳細に示している。
【0068】
両方の相互接続部材36,38は、金属シートからスタンピング加工され得る、および/または、ばね鋼合金で作製され得る。
【0069】
図2の相互接続部材36は、パワー端子コネクタ部42と、補助端子コネクタ部44と、ばね部46とを備える。パワー端子コネクタ部42は、ねじを受容するための穴48を有する平らな部材であり得る。また、補助端子コネクタ部44は、ねじを受容するための穴50を有する平らな部材であり得る。パワー端子コネクタ部42および補助端子コネクタ部44は、パワー端子コネクタ部42に取り付けられる第1の区分52を備える、および/または、パワー端子コネクタ部42に実質的に直交して位置合わせされる、ばね部46と相互接続される。第1の区分52は、パワー端子コネクタ部42が開口40の中へ深く挿入されすぎることを防ぐためのストッパとして用いられ得る。
【0070】
ばね部46の第1の区分52は、パワー端子コネクタ部42のそばであるが、パワー端子コネクタ部42よりも高い高度で延びる第2の区分54に接続される。相互接続部材36がハウジング12の中へ挿入されたとき、第2の区分54は、パワー端子板28のそばでおよび/またはパワー端子領域22の上に延びる。
【0071】
端部において、第2の区分54は、パワー端子コネクタ部42よりも深い高度までおよび/または補助端子コネクタ部44と実質的に同じ高度まで曲げられるL字形の第3の区分56と接続される。第3の区分56は、補助端子領域24からわずかに突出するハウジングの一部に配置され得る、補助端子コネクタ部44よりも深い高度に一部を有し得る。
【0072】
図5図8に関して以下に示されるように、ばね部46は、補助端子コネクタ部44がパワー端子領域22を通過可能であるように、相互接続部材36の設置手順の間に弾性的に曲げられる。
【0073】
この設置手順を可能にするために、相互接続部材36は、必要とされる可撓性を有して設計されることが必要である。これは、図2に示される設計によって達成され得る。可撓性は、長さlおよび板厚さtの可撓性部によって達成され得る。塑性変形を引き起こすことなく達成可能である最大たわみは、材料特性降伏強度σおよび弾性率Eにも依存する。
【0074】
厚さtの板が半径rで上方向に曲げられるとき、材料は、その下面で引張され、その上面で圧縮される。ひずみεは、幾何学によって定義され、以下の等式によって説明される。
【0075】
【数1】
【0076】
板表面に近い材料における応力σが、その後、材料の弾性率Eによって与えられる。
【0077】
【数2】
【0078】
応力σが降伏強度σよりも大きい場合、材料は、塑性変形し始め、板は、変形後、その最初の形状に戻ることはない。このことは、相互接続部材36の設計によって回避されなければならない。以下の関係が、可能な最大曲げ(最小半径rminの逆数として定義され得る)に有効であり得る。
【0079】
【数3】
【0080】
この最大曲げによって、ばね部46の最大たわみは、幾何学によって与えられる。cos式は、二次近似によって近似され得る。
【0081】
【数4】
【0082】
maxは最大距離であり、補助端子コネクタ部44は、ばね部が弾性的に曲げられ、lがばね部46の長さとなる位置から移動され得る。
【0083】
最大曲げについての等式と結合して、以下をもたらす。
【0084】
【数5】
【0085】
これは、以下の無次元等式に変換可能である。
【0086】
【数6】
【0087】
等式の左辺は、最大たわみ角度として理解され得る。右辺の第1の係数は、曲げ要素、すなわちばね部46のアスペクト比であり、第2の係数は、材料特性である。
【0088】
典型的には、長さlは、パワーモジュール10の設計および/またはパワー端子領域22の設計によって制限される。十分に大きいたわみを達成するための選択肢は、非常に薄い板を有すること、および弾性率に対する降伏強度の比率が高い非常に弾性の高い材料を有することである。
【0089】
たとえば、相互接続部材36は、0.15mmの厚さを有し得る、および/または、半硬質条件のX10CrNi18-8(1.4310)などの、ばね鋼合金で作製され得る。材料の降伏強度は、約400MPaであり、ビッカーズ硬度は、HV410~HV520の間であり、弾性率は、約200GPaである。この組み合わせによって、約10mmの所望のたわみが達成され得る。
【0090】
図3は、相互接続部材36と同じ材料で作製され得るおよび/または同じ厚さを有し得る、相互接続部材38を示す。
【0091】
相互接続部材38は、パワー端子コネクタ部42と、相互接続部材38の1つと同様に形成され得る補助端子コネクタ部44とを備える。しかしながら、相互接続部材38は、相互接続部材38ならびに/またはパワー端子コネクタ部42および補助端子コネクタ部44がL字形の中間部57で互いに接続され得るように、ばね部46を有していない。中間部57は、パワー端子コネクタ部42に取り付けられるおよび/またはパワー端子コネクタ部42に実質的に直交するように位置合わせされる第1の区分52を備える。第1の区分52は、パワー端子コネクタ部42が開口40の中へ深く挿入されすぎることを防ぐためのストッパとして用いられ得る。さらに、中間部57は、補助端子コネクタ部44および第1の区分52に取り付けられる第2の区分59を備える。第2の区分59は、パワー端子コネクタ部42および/または第1の区分52に実質的に直交して位置合わせされ得る。第2の区分59の長さおよび/または高さは、補助端子領域24に対する補助端子コネクタ部44の位置を決定する。第2の区分の方向は、開口40の中への相互接続部材38の挿入方向であり得る。
【0092】
たとえば、図1に示されるように、相互接続部材38は、DC-パワー端子板28の下方に挿入されて追加のDC-補助端子34を提供し得る。相互接続部材38は、開口40において、DC-端子板28の下方に挿入され得る。補助端子コネクタ部44は、その後、ナットが受容される収容部26の開口に配置され得る。導体は、ナットの中へ補助端子コネクタ部44の穴50を通ってねじ留めされ得る。
【0093】
図4は、ACパワー端子領域22上のパワー端子板28における、図1のパワーモジュール10を通る断面を示す。相互接続部材36がパワー端子板28の下方およびナット58の上方に挿入されることがわかる。導体は、ナット58の中へパワー端子板28の穴およびパワー端子コネクタ部42を通ってねじ留めされ得る。
【0094】
補助端子コネクタ部44は、パワー端子板28によって提供されるACパワー端子を繰り返す補助端子領域24上の補助端子32を提供する。補助端子コネクタ部44は、その下方にさらなるナットが位置決めされ得る、補助端子領域24上のわずかに隆起した要素上に配置され得る。
【0095】
図4に示されるように、補助端子領域24上に補助端子コネクタ部44を位置決めするための誘導構造60が設けられる。誘導構造60は、ばね部の第3の区分56がばね部46の第3の区分56および第2の区分54の伸張方向に直交する方向に移動することを防ぎ得る、補助端子領域24から突出する突出部62を備える。
【0096】
図5図8は、補助端子32を有するパワーモジュール10のハウジング12を提供するための方法のステップの間における、図1のハウジング12の一部を示す。
【0097】
図4は、ハウジング12がハウジング12内部の半導体要素を収容するための収容部26を有して設けられたことを示す。収容部26は、パワー端子板28が設けられるパワー端子領域22と、パワー端子領域22よりも低い高度の補助端子領域とを提供する。
【0098】
一般に、ハウジングは、図1に関して説明されたように設計され得る。
さらに、ばね部46で相互接続されるパワー端子コネクタ部42および補助端子コネクタ部44を有する相互接続部材36が提供される。ばね部46は、パワー端子コネクタ部42のそばに位置合わせされ、ばね部46は、少なくとも部分的にパワー端子コネクタ部42よりも高い高度で延びるように曲げられる。
【0099】
一般に、相互接続部材36は、図2に示されるように設計され得る。
図5に示されるように、相互接続部材36は、それをハウジング12に設置するために弾性変形されることが必要である。
【0100】
ばね部46は、補助端子コネクタ部44がパワー端子コネクタ部42よりも高い高度にあるように弾性的に曲げられる。この目的のために、相互接続部材36は、一方でばね部46の区分52において保持され得、補助端子コネクタ部44は他方で持ち上げられ得る。
【0101】
その後、図6に示されるように、相互接続部材36は、パワー端子コネクタ部42がパワー端子板28の下方の収容部26の開口40を通るように挿入される。挿入の間、ばね部46は、弾性変形される状態が継続する。補助端子コネクタ部44は、補助端子領域24の上方に位置合わせされるまで、パワー端子領域20の上方に移動される。
【0102】
図7に示されるように、パワー端子コネクタ部42が完全に挿入されたときおよび/または補助端子コネクタ部44が補助端子領域24の上方の位置に到達したとき、補助端子コネクタ部44は、その最終位置に移動される。
【0103】
ばね部46は、補助端子コネクタ部44が補助端子領域24上に配置されるように、およびばね部46がパワー端子板28のそばでパワー端子領域22に係合するとともに補助端子領域24まで延びるように、解放される。
【0104】
ばね部46の弾性によって、相互接続部材36および/またはばね部46は、その最初の形状に戻るように移動し、追加の補助端子32を提供することが意図される位置に良好に嵌まる。
【0105】
相互接続部材36の最終位置が、図8に示される。最終的に、導体がパワー端子板28、ナット58およびパワー端子コネクタ部42によって提供されるパワー端子にねじ留めされ得る。
【0106】
パワー端子板28によって提供されるパワー端子がバスバーに接続されるとき、パワー端子コネクタ部は、ナット58とパワー端子板28との間に固定され、信頼性の高い接続をもたらす。
【0107】
相互接続部材36の設置の前後で、相互接続部材38は、パワーモジュール10および/またはそのハウジング12に設置され得る。
【0108】
本発明は、図面および前述の説明において詳細に示され説明されたが、このような例示および説明は、例示または例であって制限ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形が、当業者、ならびに図面、開示および添付された請求項の研究から請求された発明を実施することによって理解され実施されることが可能である。請求項において、「備える(comprising)」という単語は、他の要素またはステップを除外せず、「a」または「an」といった不定冠詞は、複数を除外しない。単一の処理部または制御部または他のユニットが、請求項に記載された、いくつかの項目の機能を満足し得る。単にある手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実は、これらの手段の組み合わせが有利であるように用いられることができないということを意図しない。請求項における参照符合は、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0109】
10 パワーモジュール
12 ハウジング
14 基部
16 端子面
18 DC+パワー端子領域
20 DC-パワー端子領域
24 補助端子領域
26 収容部
28 パワー端子板
30 固定的に導入された補助端子
32 第1のオプションで導入可能な補助端子
34 第2のオプションで導入可能な補助端子
36 第1の相互接続部材
38 第2の相互接続部材
40 開口
42 パワー端子コネクタ部
44 補助端子コネクタ部
46 ばね部
48 穴
50 穴
52 第1の区分
54 第2の区分
56 第3の区分
57 L字形の中間部
59 第2の区分
58 ナット
60 誘導構造
62 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8