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特許7043572表示方法、検体分析装置および制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】表示方法、検体分析装置および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220322BHJP
【FI】
G01N35/00 A
G01N35/00 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020198538
(22)【出願日】2020-11-30
(62)【分割の表示】P 2018186074の分割
【原出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2021039135
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】森浦 一真
(72)【発明者】
【氏名】黒野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 輝人
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/094485(WO,A1)
【文献】特開2010-107433(JP,A)
【文献】特開2007-093297(JP,A)
【文献】特開2008-275585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体の分析に用いる試薬の試薬容器を保持する保持部を複数備える検体分析装置における表示方法であって、
前記保持部の各々に対応する複数のアイコンを表示部に表示する第1表示工程と、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、
選択操作の対象となった選択操作対象アイコンに関連する関連アイコンを、選択可能なアイコンであることを判別可能に表示する第2表示工程と
選択可能なアイコンであることを判別可能に表示された前記関連アイコンを一つずつ選択する操作を受け付ける関連アイコン選択工程と、
前記アイコン選択工程および前記関連アイコン選択工程において選択された複数のアイコンに関連する所定の操作を一括して受け付ける操作受付工程と、を含む
ことを特徴とする表示方法。
【請求項2】
前記所定の操作は、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の表示方法。
【請求項3】
前記操作受付工程において、
前記選択された複数のアイコンに対応する前記保持部にて保持された、前記試薬の状態に関する試薬情報を編集するための指示を受け付け、
前記指示に応じて、前記選択された複数のアイコンに対応する前記保持部にて保持された、前記試薬の状態に関する試薬情報を一括して編集する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれか、および当該アイコンに関連する関連アイコンを一括して選択する操作を受け付けるアイコン一括選択工程をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の表示方法。
【請求項5】
アイコンを一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定するモード設定工程をさらに含み、
前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能である、
ことを特徴とする請求項に記載の表示方法。
【請求項6】
前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン選択工程における選択操作と異なる所定の操作を受け付けることにより実行される、
ことを特徴とする請求項に記載の表示方法。
【請求項7】
検体の分析に用いる試薬の試薬容器を保持する保持部を複数備える検体分析装置であって、
前記保持部の各々に対応する複数のアイコンを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれかを選択する操作を受け付ける入力部と、
選択操作の対象となった選択操作対象アイコンに関連する関連アイコンを、選択可能なアイコンであることを判別可能に表示する制御部と、を含み、
前記入力部は、選択可能なアイコンであることを判別可能に表示された前記関連アイコンを一つずつ選択する操作を受け付け、
前記制御部は、前記表示部に表示された前記アイコンのいずれかを選択する操作および選択可能なアイコンであることを判別可能に表示された前記関連アイコンを一つずつ選択する操作において選択された複数のアイコンに関連する所定の操作を一括して受け付ける、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項8】
検体の分析に用いる試薬の試薬容器を保持する保持部を複数備える検体分析装置を制御する制御プログラムであって、
前記保持部の各々に対応する複数のアイコンを表示部に表示する表示工程と、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、
選択操作の対象となった選択操作対象アイコンに関連する関連アイコンを、選択可能なアイコンであることを判別可能に表示する表示工程と、
選択可能なアイコンであることを判別可能に表示された前記関連アイコンを一つずつ選択する操作を受け付ける関連アイコン選択工程と、
前記アイコン選択工程および前記関連アイコン選択工程において選択された複数のアイコンに関連する所定の操作を一括して受け付ける操作受付工程と、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とする制御プログラム。
【請求項9】
検体の分析に用いる試薬の試薬容器を保持する保持部を複数備える検体分析装置における表示方法であって、
前記保持部の各々に対応する複数のアイコンを表示部に表示する第1表示工程と、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、
選択操作の対象となった選択操作対象アイコンに関連する関連アイコンを、選択可能なアイコンであることを判別可能に表示する第2表示工程と、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれか、および当該アイコンに関連する関連アイコンを一括して選択する操作を受け付けるアイコン一括選択工程と、
アイコンを一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定するモード設定工程と、を含み、
前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能である、
ことを特徴とする表示方法。
【請求項10】
検体の分析に用いる試薬の試薬容器を保持する保持部を複数備える検体分析装置であって、
前記保持部の各々に対応する複数のアイコンを表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれかを選択する操作を受け付ける入力部と、
選択操作の対象となった選択操作対象アイコンに関連する関連アイコンを、選択可能なアイコンであることを判別可能に表示する制御部と、を含み、
前記入力部は、前記表示部に表示された前記アイコンのいずれか、および当該アイコンに関連する関連アイコンを一括して選択する操作を受け付け、
前記制御部は、アイコンを一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定し、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれか、および当該アイコンに関連する関連アイコンを一括して選択する操作の受け付けは、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能である、
ことを特徴とする検体分析装置。
【請求項11】
検体の分析に用いる試薬の試薬容器を保持する保持部を複数備える検体分析装置を制御する制御プログラムであって、
前記保持部の各々に対応する複数のアイコンを表示部に表示する表示工程と、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、
選択操作の対象となった選択操作対象アイコンに関連する関連アイコンを、選択可能なアイコンであることを判別可能に表示する表示工程と、
前記表示部に表示された前記アイコンのいずれか、および当該アイコンに関連する関連アイコンを一括して選択する操作を受け付けるアイコン一括選択工程と、
アイコンを一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定するモード設定工程と、をコンピュータに実行させ、
前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能である、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の試薬を用いて検体を分析する検体分析装置における表示方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体毎に設定された測定項目を自動で測定する機能を有する検体分析装置が知られている。このような検体分析装置は、各測定項目の測定に用いられる試薬などの消耗品を筐体内に保持し、これらを用いて、分析対象となる検体毎に、所定の測定項目を自動で測定する。例えば、検体分析装置は、以下の(1)~(4)の工程を、分析対象となる検体を順次交換しながら自動で行うことが可能である。(1)キュベットに検体を分注する工程、(2)測定項目に応じた試薬を試薬容器から取り出して検体と混合し測定試料を調製する工程、(3)各測定項目についての測定を行う工程、(4)測定結果に基づく分析を行う工程。このような検体分析装置は、多数の検体の分析を、連続して行う場合に大変便利である。
【0003】
しかし、多数の検体の分析を連続して行う場合、連続分析の開始前に、検体数、および測定項目数に対して十分な数量のキュベットおよび試薬などの消耗品が検体分析装置によって保持されていなければならない。検体分析装置が保持している消耗品の数量が不足している場合、検体の分析が途中で停止したり、検体分析装置の故障の原因となったりするおそれがある。
【0004】
そこで、検体分析装置に保持されている試薬の管理が適切になされるように、装置に配置されている試薬に対応するアイコンを含む表示画面を、表示部に表示するものがある。そして、この表示画面には、検体の分析に用いられる試薬の状態および測定項目などの情報が表示される。
【0005】
このような表示画面として、例えば、特許文献1に開示されているものが挙げられる。特許文献1には、検体分析装置に保持されている試薬に対応するマークMを表示する試薬配置表示領域Aと、試薬に対する操作を表示する操作手段表示領域Bとが含まれる表示画面が開示されている(図24を参照)。この表示画面では、試薬配置表示領域Aから試薬に対応するマークMを選択した状態で、捜査手段表示領域Bに含まれるいずれかのボタンを選択すると、当該試薬に対して所定の操作が行われる。例えば、試薬を交換したり、新たに試薬を追加したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-036513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
検体分析装置に適宜補充すればよいキュベットなどの管理とは異なり、試薬の管理は複雑で煩わしい作業および所定の操作などが必要であり、検体分析装置の操作者の負担となり得る。例えば、1検体の分析にて消費される量は試薬毎に異なるため、分析開始前の各試薬の残量確認は不可欠である。さらに、検体の分析に用いられる試薬はロット毎に使用期限も異なるため、信頼性の高い分析結果を得るためには各試薬の使用期限を適切に管理することも必要である。
【0008】
より具体的には、試薬の残量が連続分析において使用される量よりも少ない場合、操作者は、試薬毎に交換や追加を行う必要がある。残量が不明である試薬があれば、操作者は当該試薬の残量の測定を行うよう装置に指示する必要がある。未登録のロットの試薬に対しては、操作者は試薬毎に使用期限など登録すべき情報の入力を行う必要がある。試薬容器のバーコード情報の読み取りに失敗した試薬がある場合には、操作者は、バーコード情報の再読み込みを装置に指示するか、手動によって情報入力を行う必要がある。
【0009】
このような所定の操作を行う際、特許文献1に開示されている表示画面では、1つのマークごとに所定の操作を行わなければならなかった。つまり、1つの試薬毎に、所定の操作を行うよう、操作者が入力する必要があった。この方法は確実であるが、2つ以上の試薬に対して所定の操作を行いたい場合には、手数が多くなってしまい、操作者の負担を軽減するという点では改善の余地が残されていた。
【0010】
本発明は、前記のような課題を解決するために成されたものであり、その目的の一つは、検体分析装置の試薬の管理を行う操作者の負担を軽減する表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示方法は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)における表示方法であって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する第1表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する第2表示工程と、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示された関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一つずつ選択する操作を受け付ける関連アイコン選択工程と、前記アイコン選択工程および前記関連アイコン選択工程において選択された複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を一括して受け付ける操作受付工程と、を含む。
【0012】
前記所定の操作は、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含んでもよい。
【0013】
前記表示方法は、前記操作受付工程において、選択された複数のアイコン(700)に対応する保持部(441)にて保持された、試薬の状態に関する試薬情報を編集するための指示を受け付け、前記指示に応じて、選択された複数のアイコン(700)に対応する保持部(441)にて保持された、前記試薬の状態に関する試薬情報を一括して編集してもよい。
【0014】
前記表示方法は、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれか、および当該アイコン(700)に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一括して選択する操作を受け付けるアイコン一括選択工程をさらに含んでもよい。
【0015】
前記表示方法は、アイコン(700)を一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定するモード設定工程をさらに含み、前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能であってもよい。
【0016】
前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン選択工程における選択操作と異なる所定の操作を受け付けることにより実行されてもよい。
【0017】
本発明の他の態様に係る検体分析装置(30)は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)であって、保持部(442)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示する表示部(33c)と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付ける入力部(33d)と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する制御部(分析制御部33a)と、を含み、入力部(33d)は、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示された関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一つずつ選択する操作を受け付け、制御部(分析制御部33a)は、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作および選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示された関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一つずつ選択する操作において選択された複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を一括して受け付ける
【0018】
本発明のさらに他の態様に係る制御プログラムは、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)を制御するプログラムであって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する表示工程と、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示された関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一つずつ選択する操作を受け付ける関連アイコン選択工程と、前記アイコン選択工程および前記関連アイコン選択工程において選択された複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を一括して受け付ける操作受付工程と、をコンピュータに実行させる。
【0019】
本発明のさらに他の態様に係る表示方法は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)における表示方法であって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する第1表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する第2表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれか、および当該アイコン(700)に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一括して選択する操作を受け付けるアイコン一括選択工程と、アイコン(700)を一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定するモード設定工程をさらに含み、前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能である。
【0020】
本発明のさらに他の態様に係る検体分析装置(30)は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)であって、保持部(442)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示する表示部(33c)と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付ける入力部(33d)と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する制御部(分析制御部33a)と、を含み、入力部(33d)は、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれか、および当該アイコン(700)に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一括して選択する操作を受け付け、制御部(分析制御部33a)は、アイコン(700)を一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定し、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれか、および当該アイコン(700)に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一括して選択する操作の受け付けは、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能である。
【0021】
本発明のさらに他の態様に係る制御プログラムは、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)を制御するプログラムであって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれか、および当該アイコン(700)に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一括して選択する操作を受け付けるアイコン一括選択工程と、アイコン(700)を一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定するモード設定工程と、をコンピュータに実行させ、前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能である
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、検体分析装置の試薬の管理を行う操作者の負担を軽減する表示方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る検体分析装置の、要部構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る検体分析装置の、測定部を模式的に表す上面図である
図3】本発明の一実施形態に係る表示方法に関わる各部を表すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示方法における処理の流れを表すフローチャートである。
図5】試薬情報データベースの構成の一例を示す図である。
図6】試薬容器ラックに試薬容器が保持された状態を示す斜視図である。
図7】バーコード情報の読み取りステップにおける処理の流れを表すフローチャートである。
図8】(a)~(l)は、アイコンに含まれる試薬情報の一例を表す図である。
図9】試薬情報をカテゴリにより分類した例を示す表である。
図10】本発明の一実施形態に係る検体分析装置の、試薬管理画面の構成例を示す図である。
図11】(a)~(c)は、実施形態1における表示画面の遷移図である。
図12】(a)~(b)は、参考例における表示画面の遷移図である。
図13】(a)~(b)は、実施形態2における表示画面の遷移図である。
図14】(a)~(b)は、実施形態3における表示画面の遷移図である。
図15】変形例1における表示画面の遷移図である。
図16】変形例2における表示画面の遷移図である。
図17】変形例3-1における表示画面の遷移図である。
図18】変形例3-2における表示画面の遷移図である。
図19】本発明の一実施形態に係る表示方法における、所定の操作の例を示すフローチャートである。本図では、所定の操作として、試薬の残量測定を採用している。
図20】試薬容器内の試薬の液面の高さを算出する様子を、模式的に表した図である。
図21】本発明の一実施形態に係る表示方法における、所定の操作の他の例を示すフローチャートである。本図では、所定の操作として、試薬情報の一括編集を採用している。
図22】試薬情報編集領域の構成の一例を示す図である。
図23】本発明の一実施形態に係る表示方法における、所定の操作のさらに他の例を示すフローチャートである。本図では、所定の操作として、試薬情報の復元を採用している。
図24】従来技術における試薬モニター情報の表示画面を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0025】
まず、図1、2を参照して、本発明の一実施形態に係る検体分析装置30の構造を説明する。図1に示すように、検体分析装置30は、測定部32と、分析部33と、を備える。
【0026】
測定部32は、測定制御部32aと、測定記憶部32bと、図2に示す各種の機構部と、を備える。測定制御部32aは、例えば、CPUである。測定記憶部32bは、例えば、ROM、RAM、ハードディスクである。測定制御部32aは、測定記憶部32bに記憶されたプログラムやデータに従って、測定部32内の各部を制御する。測定制御部32aは、例えば検体の血液凝固分析に必要な測定を行い、測定結果を分析部33に送る。
【0027】
分析部33は、分析制御部33aと、分析記憶部33bと、表示部33cと、入力部33dと、を備える。分析制御部33aは、例えば、CPUである。分析記憶部33bは、例えば、ROM、RAM、ハードディスクである。分析制御部33aは、分析記憶部33bに記憶されたプログラムやデータに従って、分析部33内の各部と、測定部32とを制御する。表示部33cは、例えば、液晶ディスプレイである。入力部33dは、例えば、マウスやキーボードである。表示部33cと入力部33dは、タッチパネル式のディスプレイなどにより一体的に構成されてもよい。
【0028】
ここで、分析制御部33aは、ハードウェアによって実現してもよい(例えば、集積回路などに形成された論理回路を用いて)。あるいは、分析制御部33aは、ソフトウェアによって実現してもよい(例えば、1つ以上のプロセッサと、コンピュータに各機能を実現させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体と、を備える装置を用いて)。
【0029】
分析制御部33aは、測定部32から受け取った測定結果に基づいて、例えば検体の血液凝固分析を行う。この場合、分析制御部33aは、PT、APTT、Fbg、外因系凝固因子、内因系凝固因子、凝固第XIII因子、HpT、TTO、FDP、Dダイマー、PIC、FM、ATIII、Plg、APL、PC、VWF:Ag、VWF:RCo、ADP、コラーゲン、エピネフリンなどの測定項目について分析を行う。
【0030】
図2に示すように、測定部32は、搬送部31の後方に配置されている。一実施形態において、測定部32は、血液凝固分析に必要な測定を行う。この場合、検体容器20に収容されている検体は、血漿である。
【0031】
なお、検体容器20に検体として収容される液体は、血漿に限らない。すなわち、検体容器20に収容される検体は、血漿に限らず、全血、血清、尿、リンパ液、体腔液などでもよい。例えば、検体に対して測定部32で血球検査に関する測定が行われる場合、検体は全血とされうる。例えば、検体に対して測定部32で血液凝固検査、免疫検査、または生化学検査に関する測定が行われる場合、検体は血漿とされうる。例えば、検体に対して測定部32で免疫検査または生化学検査に関する測定が行われる場合、検体は血清とされうる。
【0032】
測定部32は、検体分注部410と、反応容器テーブル420と、加温テーブル430と、試薬テーブル440と、試薬分注部450、460と、移送部470と、検出部480と、検体分注部490と、を備える。
【0033】
検体分注部410は、吸引部411と、アーム412と、機構部413と、を備える。検体分注部410は、検体ラック10にセットされ、吸引位置301に位置付けられている検体容器20から、吸引部411を介して検体を吸引する。その後、検体分注部410は、吸引した検体を反応容器テーブル420の保持孔421に保持されている反応容器422に吐出する。
【0034】
検体分注部490は、検体分注部410と同様、吸引部491と、アーム492と、機構部493と、を備える。吸引部491は、アーム492の先端に設置されている。吸引部491は、ノズルにより構成される。機構部493は、アーム492を周方向に回転させるとともに上下方向に移動させるよう構成されている。これにより、吸引部491が周方向および上下方向に移動可能となる。
【0035】
検体分注部490は、検体ラック10にセットされ、ラック搬送部42上の吸引位置302に位置付けられている検体容器20に対して、吸引部491を上側から下降させて検体容器20に挿入する。そして、検体分注部490は、吸引部491を介して検体容器20から検体を吸引し、吸引した検体を反応容器テーブル420の保持孔421に保持された反応容器422に吐出する。
【0036】
反応容器テーブル420は、平面視においてリング形状を有し、試薬テーブル440の外側に配置されている。反応容器テーブル420は、周方向に回転可能に構成されている。反応容器テーブル420は、反応容器422を保持するための複数の保持孔421を有する。
【0037】
加温テーブル430は、反応容器422を保持するための複数の保持孔431と、反応容器422を移送するための移送部432と、を備える。加温テーブル430は、平面視において円形の輪郭を有し、周方向に回転可能に構成されている。加温テーブル430は、保持孔431にセットされた反応容器422を37℃に加温する。
【0038】
反応容器テーブル420に保持された反応容器422に検体が吐出されると、反応容器テーブル420が回転され、検体を収容する反応容器422が加温テーブル430の近傍まで移送される。そして、加温テーブル430の移送部432が、この反応容器422を把持して、加温テーブル430の保持孔431にセットする。
【0039】
試薬テーブル440には複数の保持部441が設けられている。保持部441には、血液凝固分析に必要な測定に使用する試薬を収容した試薬容器442を保持させることができる。つまり、試薬テーブル440には、複数の試薬容器442を保持させることができる。試薬テーブル440は周方向に回転可能に構成されている。試薬テーブル440には、測定項目の測定において用いる試薬を収容した試薬容器442が複数設置される。
【0040】
試薬分注部450は、ノズル451と機構部452を備える。機構部452は、試薬テーブル440を横切るようにノズル451を水平方向に移動させるとともに、ノズル451を上下方向に移動させるよう構成されている。同様に、試薬分注部460は、ノズル461と機構部462を備える。機構部462は、試薬テーブル440を横切るようにノズル461を水平方向に移動させるとともに、ノズル461を上下方向に移動させるよう構成されている。試薬分注部450、460は、測定部32の筐体上面の下側に設置されている。
【0041】
試薬分注部450、460は、加温テーブル430で加温された反応容器422に試薬を分注する。試薬の分注の際は、移送部432または移送部470が、加温テーブル430の保持孔431から反応容器422を取り出し、加温テーブル430近傍の所定位置に位置付ける。そして、試薬分注部450、460が、試薬容器442からノズル451、461を介して試薬を吸引し、吸引した試薬を反応容器422に吐出する。これにより、検体に試薬が混合され、測定試料が調製される。その後、移送部470は、反応容器422を検出部480の保持孔481にセットする。
【0042】
検出部480の測定原理は、例えば、凝固法、合成基質法、免疫比濁法、凝集法、などである。検出部480は、複数の保持孔481を備える。検出部480は、保持孔481にセットされた反応容器422に対して光を照射し、測定試料を透過した光を受光して、受光強度に応じた信号を出力する。測定部32の測定制御部32aは、検出部480から出力される信号を測定結果として記憶するとともに、測定結果を分析部33に送る。
【0043】
〔表示方法に関わる各部〕
次に、図3を参照しながら、本発明の一実施形態に係る表示方法に関わる各部を説明する。
【0044】
図3において、測定部32には、バーコードリーダ32cが備わっている(測定制御部32aについては、前述の通りなので説明を省略する)。また、測定制御部32aには、バーコード読取部41が含まれている。バーコード読取部41は、バーコードリーダ32cがバーコードから読み取った情報を受け取り、各部へと送る。
【0045】
分析制御部33aには、表示制御部51、関連アイコン抽出部52、アイコン生成部54が含まれている。
【0046】
表示制御部51は、各部から表示画面の生成に必要なデータを受け取り、表示部33cに表示画面を表示させる。関連アイコン抽出部52は、入力部33dを介した1つのアイコン700を選択する入力に基づいて、当該1つのアイコン700に関連するアイコン700に該当するアイコン700を抽出する。アイコン生成部54は、分析記憶部33bに格納されている試薬情報データベース36を参照して、受け取ったバーコード情報に対応する試薬情報を取得し、当該試薬情報を含むアイコン700を生成する。
【0047】
なお、上述した測定制御部32aおよび分析制御部33aの要部構成は一例であり、両制御部は、ハードウェア(例えば、集積回路などに形成された論理回路)によって実現してもよいし、ソフトウェア(例えば、1つ以上のプロセッサと、コンピュータに各機能を実現させるプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体と、を備える装置)によって実現してもよい。
【0048】
次に、図4を参照しながら、本発明の一実施形態に係る表示方法を実行する際の、処理の流れについて説明する。
【0049】
S10では、検体分析装置30の電源がONにされる。これによって、検体分析装置30が起動する。
【0050】
S20では、測定部32では、バーコード情報の読み取りが行われる。具体的には、バーコードリーダ32cが、試薬容器442または試薬容器ラック440aに備わっているバーコードを読み取る。読み取ったバーコード情報は、分析部33に送られる。ステップS20の詳細については、項目を改めて後述する。
【0051】
S30では、表示部33cにアイコンが表示される。具体的には、アイコン生成部54が、試薬情報データベース36から試薬情報を読み出し、アイコンを生成する。このとき、アイコン生成部は、試薬テーブル440に保持されている試薬のそれぞれについて、アイコンを生成する。生成されたアイコンは表示制御部51に送られ、表示部33cに表示される。
【0052】
ここで、試薬情報データベース36は、リレーショナルデータベースであり、ホルダ番号、試薬名、ロット番号、残量、残り使用可能回数、セット日、セット時刻などのフィールドを備えている(図5を参照)。以下の記載において、「試薬」とは、試薬容器442および試薬容器442に収容されている試薬を指すものとする。ホルダ番号とは、試薬を保持する保持部441の各々に割り当てられた番号である。各レコードは、試薬テーブル440に配置されている複数の試薬のうちの、1つの試薬に対応している。
【0053】
S40では、表示部33cに表示されているアイコンの中から、複数のアイコン700を選択する操作が、入力部33dを介して受け付けられる。一実施形態において、前記操作は、1つのアイコン700を選択することである。この場合、関連アイコン抽出部52は、選択された1つのアイコン700と関連するアイコン700を抽出し、表示制御部51に送る。表示制御部51は、選択された1つのアイコン700と、当該1つのアイコンと関連するアイコン700を、他のアイコン700とは判別可能な態様で、表示部33cに表示させる。異なる態様の例としては、例えば、アイコン700の色を変える、アイコン700の明度を変える、アイコン700の形状を変える、などが挙げられる。
【0054】
S50では、所定の操作を行わせる入力が、入力部33dを介して受け付けられる。この操作入力は分析制御部33aによって処理されてもよい。あるいは、測定部32へ送られた後、測定制御部32aによって処理されてもよい。所定の操作の結果、試薬情報はS30の時点から変化したものとなる。例えば、試薬情報が新たに入力されてもよいし、試薬が補充されてもよい。
【0055】
S60では、S50の段階で変化した試薬情報を、試薬情報データベース36に書き込む。これにより、試薬情報データベース36に含まれる試薬情報は、最新のものとなる。その後、S30と同様の処理によって、更新された試薬情報を含むアイコンが、表示部33cに表示される。
【0056】
S70では、検体分析装置30の電源がOFFにされる。これによって、検体分析装置30は稼働を終了する。
【0057】
〔バーコード情報の読み取りステップ〕
図6、7を参照しながら、バーコード情報の読み取りステップ(S20)の処理について説明する。S20では、試薬容器442または試薬容器ラック440aに設けられているバーコードが読み取られる。
【0058】
図6は、試薬容器ラック440aを示す斜視図である。試薬容器ラック440aは、試薬テーブル440に複数配置されている。試薬容器ラック440aには、保持部441が設けられており、保持部441に試薬容器442を保持させることができる(右側の保持部441を参照)。保持部441の内径を異ならせて試薬容器ラック440aを設計したり、保持部441にアダプタ(図示せず)を取り付けたりすれば、様々な大きさの試薬容器442を保持部441に保持させることができる。
【0059】
ここで、試薬容器442には、バーコードAが設けられている。また、保持部441の外側面の前面側にはバーコードBが設けられており、保持部441の内側面にはバーコードCが設けられている。
【0060】
バーコードAには、試薬容器442に収容されている試薬の詳細情報(試薬名、試薬容器の種類、ロット番号、試薬の有効期限などの情報)が含まれている。バーコードBには、保持部441の各々の位置を識別するための位置情報(ホルダ番号)が含まれている。バーコードCには、保持されている試薬容器442が存在しない旨を示す情報が含まれている。
【0061】
図7は、バーコード情報の読み取りステップ(S20)における処理の流れを表すフローチャートである。S21では、バーコード情報の読み取りに関係する各種部材(バーコードリーダ32cなど)の状態が確認される。
【0062】
S22では、試薬容器442のバーコードが読み取られる。具体的には、バーコードリーダ32cが、試薬容器442または試薬容器ラック440aに備わっているバーコードを順に読み取ってゆく。図3の例では、まず、右側のバーコードBが読み取られ、次いでバーコードAが読み取られる。これによって、右側の保持部441と、試薬容器442に収容されている試薬の詳細情報とが関連付けられる。次に、左側のバーコードBが読み取られ、次いでバーコードCが読み取られる。これによって、左側の保持部441と、「試薬容器なし」を表す情報とが関連付けられる。
【0063】
S23では、バーコード情報の読み取りに失敗した保持部441があるかどうかが判定される。具体的には、バーコードリーダ32cがバーコードBを読み取った後、バーコードAまたはバーコードCのいずれも読み取らなかった場合がないかが判定される。例えば、試薬容器442が横を向いている場合は、バーコードAもバーコードCも読み取れないので、S23の判定がYESとなる。判定がNOの場合はS24へ、YESの場合はS25へ移行する。
【0064】
S24では、試薬情報データベースを参照して、バーコード情報に関連付けられている試薬情報が取得される。具体的には、バーコード読取部41は、取得したバーコード情報をアイコン生成部54に送る。アイコン生成部54は、分析記憶部33bに格納されている試薬情報データベース36を参照して、受け取ったバーコード情報に対応する試薬情報を取得する。
【0065】
S25では、試薬テーブル440を回転させ、読み取りに失敗した保持部441を含む試薬容器ラック440aを、当該試薬容器442が交換可能な位置に移動させる。これによって操作者は、バーコード情報の読み取りに失敗した保持部441に保持されている試薬容器442を交換したり、試薬容器442の向きを変えたりすることができる。
【0066】
S26では、試薬容器442の交換が受け付けられる。このステップは、例えば、試薬テーブル440の蓋(図示せず)を閉めることがトリガとなりうる。S26の後、処理は再びS22に戻り、再度バーコードの読み取りが行われることになる。
【0067】
なお、S23においてYESであった場合、S25に移行するのではなく、バーコードBに含まれる位置情報と、「バーコード読取エラー」を表す情報とが関連付けて、アイコンとして表示させてもよい。
【0068】
〔複数のアイコンの選択ステップ〕
以下、図8~18を参照しながら、複数のアイコン700の選択ステップについて説明する。なお、説明に際しては、画面の遷移に基づいた説明を行う。
【0069】
[アイコン]
図8の(a)は、表示部33cに表示されるアイコン700の一例を表す図である。同図において、アイコン700には、試薬の位置を表示する位置表示部701と、試薬名を表示する試薬名表示部702と、が含まれている。位置表示部701に表示されるホルダ番号は、試薬容器ラック440aに設けられているバーコードBから、バーコードリーダ32cが読み取った情報に基づいて、アイコン生成部54が決定する。また、試薬名表示部702に表示される試薬名は、試薬容器442に設けられているバーコードCから、バーコードリーダ32cが読み取ったバーコード情報と、試薬情報データベース36とを参照して、アイコン生成部54が決定する。希釈液または洗浄液を表すアイコンについても、同様の方法により、試薬の位置および試薬名を表示することができる。
【0070】
その他の試薬情報として、図8の(a)では、可能な使用回数703、精度管理警告704、検量線警告705、試薬の使用順706が表示されている。可能な使用回数703は、試薬の残量および測定項目によって決まり、あと何回測定が可能であるかを示す。精度管理警告704は、試薬の精度管理が基準値外であることを示す。検量線警告705は、試薬のロットに対応する検量線が未作成であることを示す。試薬の使用順706は、同じ試薬が複数の保持部441に配置されている場合に、どの順番に使用するかを示す。その他、図示していないが、試薬を設置してからの経過時間(単位:時間)や、試薬の残量(単位:mL)を試薬情報として表示してもよい。
【0071】
また、より大きな範囲に表示される試薬情報もある。これについて、図8の(b)~(l)を基に説明する。図8の(b)は「試薬なし」を表し、(c)は「使用禁止」を表し、(d)は「使用期限切れ」を表している。これらの試薬情報が表示されているアイコン700は、選択工程において選択することができない。その理由は、以下の通りである。「試薬なし」が表示されているアイコン700は、対応する保持部441に試薬が配置されていない。それゆえ、この保持部441に対しては、何も操作ができない。「使用禁止」が表示されているアイコン700は、保持部441に配置すべき試薬の容器の大きさが間違っている(例えば、大型の試薬容器442を設置するための保持部441に、小型の試薬容器442を配置している)。それゆえ、正しい位置に試薬容器442を配置し直すまでは、検体分析装置30によって操作することができない。「使用期限切れ」が表示されているアイコン700は、対応する試薬の使用期限が切れている。使用期限切れの試薬を使用することは推奨されないため、設定により、検体分析装置30による操作を禁じている。
【0072】
図8の(e)は「バーコード読取エラー(前回試薬情報なし)」を表し、(f)は「バーコード読取エラー(前回試薬情報なし)」を表し、(g)は「未登録試薬」を表し、(h)は「未登録試薬ロット」を表す試薬情報である。これらの試薬情報は、バーコード情報の読み取りに失敗したり、試薬情報データベース36に情報が格納されていなかったりするために、図8の(a)のようなアイコン700が表示できないときに表示される試薬情報である。
【0073】
検体分析装置30は、試薬情報データベース36に格納されている情報に基づき、各試薬容器442を認識している。それゆえ、図8の(e)~(h)に示す試薬情報が表示されるアイコン700に対応する試薬容器442について、どんな試薬が収容されているか、残量がどれだけであるか、検量線はどのようなものか、などの情報を、検体分析装置30は認識できない。その結果、検体分析装置30は、これらの試薬情報が表示されているアイコン700に対応する試薬容器442を、検体分析に用いることができない。
【0074】
「バーコード読取エラー(前回試薬情報なし)」とは、(i)試薬バーコードリーダ350が試薬容器442のバーコードAから情報を読み取れず、かつ、(ii)同じ保持部441と関連付けられている試薬が、試薬情報データベース36に登録されていない場合に表示される。例えば、検体分析装置30を前回に使用した際には試薬が配置されていなかった保持部441に新たに試薬を配置し、さらにバーコードAの読み取りに失敗した場合が、この例に当たる。
【0075】
「バーコード読取エラー(前回試薬情報なし)」のアイコン700が表示されている試薬容器442に対して、操作者は、試薬情報を編集して、試薬情報データベース36に登録することができる。この操作によって、アイコン700の表示は、バーコード読取エラーから、図8の(a)に示すようなものに変化する。また、分析制御部33aは、アイコン700に対応する試薬容器442を、試薬情報データベース36に新たに登録された試薬情報に基づいて認識するようになる。その結果、検体分析装置30は、アイコン700に対応する試薬容器442を、検体の分析に用いることができるようになる。試薬情報を編集する際の具体的な処理の流れについては、後述する[例2]の項目を参照されたい。
【0076】
「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」とは、(i)バーコードリーダ32cが試薬容器442のバーコードAから情報を読み取れず、かつ、(ii)同じ保持部441と関連付けられている試薬が、試薬情報データベース36に登録されている場合に表示される。例えば、検体分析装置30を前回に使用した際に試薬を配置していた保持部に、同じ試薬を配置したが、バーコードAの読み取りに失敗した場合が、この例に当たる。「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」が表示されているアイコン700に対して、操作者は、(i)試薬情報を編集することもできるし、(ii)アイコン700に対応する保持部441の位置情報に基づいて、試薬情報データベース36を参照し、試薬情報を復元することもできる。
【0077】
試薬情報を編集して試薬情報データベース36に登録すれば、上述のように、検体分析装置30は、アイコン700に対応する試薬容器442を検体の分析に用いることができる。一方、試薬情報を復元すると、分析制御部33aは、アイコン700に対応する試薬容器442を認識するための情報を、試薬情報データベース36から取得する。その結果、検体分析装置30は、アイコン700に対応する試薬容器442を検体の分析に用いることができるようになる。試薬情報を復元する際の具体的な処理の流れについては、後述する[例3]の項目を参照されたい。
【0078】
「未登録試薬」とは、バーコードリーダ32cが試薬容器442のバーコードAから情報を読み取ったが、試薬情報データベース36に試薬名が登録されていない場合に表示される。「未登録試薬」が表示されているアイコン700に対して、操作者は、試薬情報を編集することができる。「未登録試薬ロット」とは、バーコードリーダ32cが試薬容器442のバーコードAから情報を読み取ったが、試薬情報データベース36にロットが登録されていない場合に表示される。「未登録試薬ロット」が表示されているアイコン700に対して、操作者は、試薬情報を編集することができる。試薬情報を編集して試薬情報データベース36に登録すれば、上述のように、検体分析装置30は、アイコン700に対応する試薬容器442を検体の分析に用いることができる。
【0079】
図8の(i)は「残量あり」を表し、(j)は「残量警告」を表し、(k)は「試薬切れ」を表し、(l)は「残量不明」を表す試薬情報である。これらはいずれも、試薬の残量に関する試薬情報で、通常は「残量あり」が、試薬の残量が所定の閾値以下となったときには「残量警告」が、残量がなくなったときには「残量なし」が、残量が不明であるときには「残量不明」が、それぞれ表示される。これらの試薬情報が表示されているアイコンに対して、操作者は、検体分析装置30に残量の計測を行わせることができる。
【0080】
残量の計測を行うことによって、分析制御部33aは、各アイコン700に対応する試薬容器442に収容されている試薬の正確な量を把握することができる。試薬の量が所定の閾値未満である場合、分析制御部33aは、試薬の補充を促すよう報知してもよい(例えば、アイコン700に表示する試薬情報を変更することによって)。また、分析制御部33aは、試薬の補充を受け入れるように測定部32を動作させてもよい(例えば、試薬テーブル440を所定の位置に回転させることにより)。操作者が試薬を補充すれることにより、連続分析の途中で試薬の残量が不足する事態を回避でき、検体分析装置30を効率的に稼働させることが可能となる。
【0081】
[試薬情報のカテゴリ]
図8の(e)~(l)に示されている試薬情報について、操作者が何をすることができるかをまとめた表が、図9である。図9の表では、それぞれの試薬情報に「カテゴリ」を設定し、1つのカテゴリには1または複数の試薬情報が分類されている。
【0082】
同じカテゴリに分類される試薬情報が表す試薬の状態には、少なくとも一部の共通項がある。一実施形態において、この共通項は、試薬に対して操作者が行いうる操作が共通しているということである。例えば、「未登録試薬」および「未登録試薬ロット」には、「試薬容器442のバーコードAから情報は読み取れたが、試薬情報の一部(試薬名または試薬ロット)が試薬情報データベース36に登録されていない」点で共通しており、「試薬情報を編集する」操作が可能である点も共通している。同様に、「残量あり」、「残量警告」、「試薬切れ」および「残量不明」には、「試薬容器442のバーコードAから情報を読み取り、試薬情報データベースから試薬情報を取得できた」点で共通しており、「残量の計測」または「残量のリセット」が可能である点も共通している。
【0083】
もっとも、図9で示した試薬情報のカテゴリ分けは一例であって、目的に応じて適宜他のカテゴリを設定してもよい。例えば、「残量あり」「残量警告」「試薬切れ」「残量不明」を、それぞれ異なるカテゴリとしてもよい。
【0084】
一実施形態において、1つのアイコン700を選択した後に選択できる関連するアイコン700(または、1つのアイコン700を選択した際に、共に選択されるアイコン700)は、「選択された1つのアイコン700と同じカテゴリのアイコン」である。つまり、選択した1つのアイコン700の表す試薬の状態と、関連するアイコン700の表す試薬の状態とは、少なくとも一部が共通している。
【0085】
図9のようにカテゴリが設定されている場合、一例において、選択した1つのアイコン700および関連するアイコン700には、「残量あり」、「残量警告」、「試薬切れ」および「残量不明」のいずれかが表示されていてもよい。この場合、操作者は、「残量あり」、「残量警告」、「試薬切れ」および「残量不明」のいずれかが表示されている複数のアイコン700対応する複数の試薬に対して、残量計測を行うことができる。
【0086】
一例において、選択した1つのアイコン700および関連するアイコン700には、いずれも「バーコード読取エラー(前回試薬情報なし)」が表示されていてもよい。この場合、操作者は、「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」が表示されている複数のアイコン700に対応する複数の試薬容器442に対して、試薬情報の編集を一括して行うことができる。他の例において、選択した1つのアイコン700および関連するアイコン700には、いずれも「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」が表示されていてもよい。この場合、操作者は、「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」が表示されている複数のアイコン700に対応する複数の試薬容器442に対して、試薬情報の編集を一括して行うことができるし、試薬情報の復元を一括して行うこともできる。さらに他の例において、選択した1つのアイコン700および関連するアイコン700には、「バーコード読取エラー(前回試薬情報なし)」および「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」のいずれかが表示されていてもよい。この場合、操作者は、「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」および「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」のいずれかが表示されている複数のアイコン700に対応する複数の試薬容器442に対して、試薬情報の編集を一括して行うことができる。
【0087】
一例において、選択した1つのアイコン700および関連するアイコン700には、「未登録試薬」および「未登録試薬ロット」のいずれかが表示されていてもよい。この場合、操作者は、「未登録試薬」および「未登録試薬ロット」が表示されているアイコン700に対応する試薬容器442に対して、例えば、試薬情報の編集を一括して行うことができる。
【0088】
一例において、選択した1つのアイコン700および関連するアイコン700は、試薬容器442のバーコードAから情報が読み取られた試薬であり、かつ有効期限が切れていない試薬に対応していてもよい(図9の分類では「残量あり」、「残量警告」、「試薬切れ」および「残量不明」が表示されているアイコン700該当)。この場合、操作者は、「残量あり」、「残量警告」、「試薬切れ」および「残量不明」のいずれかが表示されている複数のアイコン700対応する複数の試薬に対して、例えば、残量計測を一括して行うこともできるし、検量線を一括して作成させることもできるし、精度管理を一括して行わせることもできる。
【0089】
[試薬管理画面]
図10は、試薬管理画面600の全体図である。試薬管理画面600には、試薬配置表示領域610と、ホルダ情報表示領域620と、消耗品情報表示領域630と、一覧情報表示領域640と、操作指示領域650と、モード切替部680と、が含まれる。ここで、表示部33cはタッチパネル機能を有している。そのため、試薬管理画面600に表示されるボタンなどを操作者が直接触れることによって、選択または操作が可能となる。
【0090】
図10では、アイコン700の配置を、検体分析装置30の保持部441における試薬の配置と対応させた画面設計としている。同図では、試薬テーブル440に配置されている試薬の配置状態に対応して、38個のアイコン700が配置されている。さらに、希釈液または洗浄液の配置状態に対応して、試薬管理画面600の下部にある試薬配置表示領域610に、6個のアイコン700が配置されている。なお、保持部441に試薬が配置されていない場合は、「試薬なし」という試薬情報を含むアイコン700が表示される。
【0091】
これらのアイコン700は、選択操作(指によるタップ、マウスによるクリックなど)により選択可能である。図10では、A1-10のアイコン700は、選択された状態にあることが判別可能であるように表示されている。アイコン700(A1-10)の周囲が太枠で囲まれていることに注目されたい(なお、以降の図では、個々のアイコン700を区別するために、括弧書きで対応する保持部441のホルダ名を記載する場合がある)。
【0092】
上述の通り、アイコン700には、様々な試薬情報が表示される。例えば、図10において、アイコン700(A1-10)、アイコン700(A1-7)、アイコン700(D2-2)は、いずれも検体分析に用いる試薬を表しているが、試薬の残量が異なる。アイコン700(B-2)は、希釈液を表している。アイコン700(A2-5)は、未登録の試薬が配置されていることを表している。
【0093】
試薬配置表示領域610には、保持部441に配置されている試薬に対応する、アイコン700が表示されている。ホルダ情報表示領域620には、選択状態にあるアイコン700に対応する保持部441に配置されている試薬に関する情報が表示される。このような情報としては、ホルダ番号、試薬名、使用順、使用可能な残量(使用可能量)、残テスト数、攪拌の有無、ロット番号、試薬容器の種類、試薬の有効期限、セット日、セット時刻および経過時間などがある。消耗品情報表示領域630には、洗浄水やキュベットのストック量、廃液タンクや使用済キュベット廃棄箱の残り容量などが表示される。一覧情報表示領域640には、実行できるテストの残り回数(試薬の残量などにより決まる)、試薬の残量、希釈液の残量などが、タブにより表示される。操作指示領域650には、選択したアイコンに対応する試薬に対して、所定の操作を行うよう指示するボタンが含まれる。図10では、「残量測定」ボタン、「残量リセット」ボタン「試薬情報入力」ボタン、「試薬情報復元」ボタンの4種類のボタンが示されており、ボタンをタップすることにより、選択された状態のアイコン700に対応する試薬について、それぞれのボタンに記載の操作が行われる。モード切替部680は、試薬管理画面600のモードを切り替える。特に重要なのは、「通常選択モード」と「複数選択モード」との切り替えである。これについては、実施形態1~3にて詳述する。
【0094】
[実施形態1]
以下、図11を参照しながら、本発明の実施形態1に係る表示方法について説明する。実施形態1では、複数選択モードにおいて、複数の試薬を選択する。
【0095】
まず、モード切替部680をタップし、複数選択モードに切り替える(図11の(a))。モード切替部680のチェックボックスにチェックが入っていることに注目されたい。複数選択モードの表示画面では、複数のアイコン700が選択可能である。
【0096】
図11の(a)の状態から、アイコン700(A1-10)を選択したときの表示画面が、図11の(b)である。実施形態1では、タップによりアイコン700(A1-10)を選択する。このとき、選択したアイコン700(A1-10)に含まれる試薬情報に関連する試薬のアイコン(第2試薬アイコン)である、アイコン700(A1-8)およびアイコン700(A1-2)は、明るく表示されている。これに対し、他のアイコン700は暗く表示されている。これにより、アイコン700(A1-10)と、関連する試薬のアイコン700(A1-2)、700(A1-8)とは、他のアイコン700から判別可能に表示される。
【0097】
つまり、図11の(b)においては、(i)最初に選択したアイコン700(A1-10)は、選択された状態にあることが判別可能に表示され、(ii)アイコン700(A1-10)に含まれる試薬情報に関連する試薬のアイコンである、アイコン700(A1-2)、700(A1-8)は、選択可能であることが判別可能に表示されている。
【0098】
なお、図11の(b)では、「試薬名が同じ」であるアイコンを、「関連する試薬のアイコン」としている。しかし、関連する試薬のアイコンの選び方はこれに限定されない(他の実施形態でも同様)。
【0099】
図11の(b)の状態から、アイコン700(A1-8)を選択したときの表示画面が、図11の(c)である。このとき、追加で選択されたアイコン700(A1-8)も選択された状態になっており(周囲が太枠になっていることに注目されたい)、最初に選択したアイコン700(A1-10)と併せて、2つのアイコンが選択された状態になっている。一方、選択可能な状態であるが、操作者が選択していないアイコン700(A1-2)は、選択された状態にはない。
【0100】
つまり、図11の(c)では、(b)において選択可能であることが判別可能に表示されていたアイコン700(A1-8)を選択することにより、アイコン700(A1-8)も選択された状態にあることが判別可能に表示されている。
【0101】
[参考例]
参考例として、図12を参照しながら、複数選択モード以外のモード(以下、「通常選択モード」と称する)における操作を説明する。本参考例では、モード切替部680のチェックボックスにチェックが入っていないことに注目されたい。
【0102】
図12の(a)は、通常選択モードにおいて、アイコン700(A1-10)が選択されている状態を示している。アイコン700(A1-10)の周囲が太枠になっていることに注目されたい。また、アイコン700(A1-10)以外のアイコンの周囲は、明るく表示されることも、暗く表示されることもない。つまり、関連する試薬のアイコンが判別可能に表示されない。
【0103】
図12の(a)の状態から、アイコン700(A1-8)を選択したときの表示画面が、図12の(b)である。このとき、アイコン700(A1-8)は選択状態になっているのに対し、アイコン700(A1-10)は選択状態になっていない。つまり、あるアイコン700を選択した状態で、他のアイコン700を選択しても、選択された状態のアイコンが変更されるだけで、複数のアイコンを選択することができない。
【0104】
[実施形態2]
以下、図13を参照しながら、本発明の実施形態2に係る表示方法について説明する。実施形態2では、複数選択モードにおいて、複数の試薬を一括して選択する。図13の(a)は、モード切替部680をタップし、複数選択モードに切り替えた状態である(つまり、図13の(a)と同じ状態である)。
【0105】
図13の(a)の状態から、アイコン700(A1-10)を選択したときの表示画面が、図13の(b)である。実施形態2では、長押しによりアイコン700(A1-10)を選択する。このとき、操作者が選択したアイコン700(A1-10)に加えて、関連する試薬のアイコン700(A1-2)、700(A1-8)も選択された状態になっている。つまり、実施形態1のように追加のタップ操作を必要とせずに、選択したアイコン700(A1-10)と、関連する試薬のアイコン700(A1-2)、700(A1-8)とを、一括して選択状態とすることができる。
【0106】
つまり、図13の(b)では、アイコン700(A1-2)、700(A1-8)、700(A1-10)のいずれもが、選択された状態であり、かつ、選択された状態にあることが判別可能に表示されている。
【0107】
[実施形態3]
以下、図14を参照しながら、本発明の実施形態3に係る表示方法について説明する。実施形態3では、通常選択モードから、複数選択モードへの切り替えと、複数の試薬の一括選択とを、同じ操作で行う。図14の(a)は、モード切替部680をタップし、通常選択モードに切り替えた状態である。
【0108】
図14の(a)の状態から、アイコン700(A1-10)を選択したときの表示画面が、図14の(b)である。実施形態3では、長押しによりアイコン700(A1-10)を選択する。このとき、選択したアイコン700(A1-10)と、関連する試薬のアイコン700(A1-2)、700(A1-8)とが、一括して選択される。また、選択モードも切り替わり、モード切替部680にチェックが入った状態となっている。
【0109】
[変形例1]
実施形態1および実施形態2、または、実施形態1および実施形態3を、組み合わせることができる(図15を参照)。本変形例では、分析制御部33aは、タッチパネルに触れる時間に対して所定の閾値を設け、タップ(第1選択手段)と長押し(第2選択手段)とを区別する。そして、タップ(第1選択手段)による選択に応じては、選択したアイコン700(A1-10)を選択された状態にし、関連する試薬のアイコン700(A1-2)、700(A1-8)は選択可能な状態にする。一方、長押し(第2選択手段)による選択に応じては、選択したアイコン700(A1-10)と、関連する試薬のアイコン700(A1-2)、700(A1-8)とを選択された状態にする。
【0110】
[変形例2]
2種類の複数選択モードを用意することにより、一括選択するか否かを切り替えてもよい(図16を参照)。すなわち、第1複数選択モードにおいては、アイコン700(A1-10)の選択(タップ)に応じて、選択したアイコン700(A1-10)を選択された状態にし、関連する試薬のアイコン700(A1-2)、700(A1-8)は選択可能な状態にする。一方、第2複数選択モードにおいては、アイコン700(A1-10)の選択(タップ)に応じて、選択したアイコン700(A1-10)と、関連する試薬のアイコン700(A1-2)、700(A1-8)とを選択された状態にする。変形例1との違いは、複数の選択手段を用意する必要がないことである。
【0111】
[変形例3]
上述の実施形態および変形例において、アイコン700の選択状態を解除する方法を設けてもよい。
【0112】
(変形例3-1)
このような方法の一例として、図17では、選択状態にあるアイコンを、再度選択する方法を例示している。(a)では、アイコン700(A1-2)、700(A1-8)、700(A1-10)が選択されている。(b)では、アイコン700(A1-2)を選択することによって、アイコン700(A1-8)、700(A1-10)のみが選択されている状態に変化する。ここで、アイコン700の選択状態を解除する際の選択手段は、アイコン700を選択する際の選択手段と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、アイコン700をワンタップによって選択する場合、同じくワンタップによって選択状態を解除する設計としてもよいし、ダブルタップによって選択状態を解除する設計としてもよい。
【0113】
(変形例3-2)
アイコン700の選択状態を解除する方法の他の例として、図18では、複数選択モードから複数選択モード以外のモードに切り替える方法を例示している。(a)では、アイコン700(A1-8)、700(A1-10)が選択されており、700(A1-2)が選択可能な状態となっている。(b)では、複数選択モードを通常選択モードに切り替えることによって、全てのアイコンが選択されていない状態に変化している。なお、複数選択モードから通常選択モードに切り替える際には、少なくとも1つのアイコン700の選択状態が解除されればよい。
【0114】
〔所定の操作工程〕
以下では、図4のS50において行われる「所定の操作」について、典型的な3つの例を挙げて説明する。
【0115】
[例1:試薬の残量測定]
例1は、選択された複数のアイコン700に対応する試薬に対して、残量の測定を行う例である。図9のカテゴリによると、「残量あり」「残量警告」「残量なし」「残量不明」の試薬情報を含むアイコンに対して、この操作は実行可能である。上述した通り、効率の良い測定のためには、検体分析装置30を用いた連続測定を行う前に、予定されている測定に必要な試薬が充分にあるかを確認することが必要である。
【0116】
また、血液の凝固・線溶機能を分析する際に用いられる試薬は、カートリッジ式ではなく、バイアルに封入されているものが多い。そのため、同じ種類・同じロットの試薬同士を、1つのバイアルにまとめて利用することができる。例えば、検体分析装置30を使用し終わった後、容量の半分程度まで使用した2つの試薬を1つのバイアルに移し替えて、次の使用に備えるという運用が現場では行われている。この場合、試薬情報データベース36には、検体分析装置30の使用終了直前における試薬の残量は記憶されているが、その後操作者の手によって、試薬が継ぎ足されたことまではわからない。
【0117】
このような事情があるため、検体分析装置30による連続測定を開始する前には、残量の測定が重要になる。検体分析装置30により表示される試薬管理画面600では、複数の試薬(試薬名およびロットが判明している試薬)を選択することができるので、複数の試薬を一括して残量測定に供することができる。また、残量の測定結果を操作者に対して報知することにより、必要な試薬の補充を促すこともできる。
【0118】
以下、図19に基づいて、複数のアイコン700を選択した後、対応する複数の試薬の残量を測定するときの処理の流れを説明する。
【0119】
S51aでは、残量測定の入力が受け付けられる。このステップは、操作者が操作指示領域650から「残量測定」のボタンをタップすることをトリガとする。
【0120】
S52aでは、試薬容器442に収容されている試薬の液面が検知される。具体的には、試薬分注部450(460)のノズル451(461)が、試薬を吸引するための初期位置(高さH1)から、下方に移動する。ノズル451(461)は、ステッピングモータで駆動され、ステッピングモータに1パルス入力されるたびに、移動距離Dだけ移動する。ノズル451(461)の先端にはセンサが設けられており、これによって試薬の液面が検知される。併せて、センサが試薬の液面を検知したときのパルス数Pが、測定制御部32aによって取得される。
【0121】
S53aでは、分析制御部33aが、液面の高さを算出する(図20を参照)。具体的には、分析制御部33aは、測定制御部32aからパルス数Pを受け取る。その後、分析制御部33aは、以下の式(1)によって液面の高さHを算出する(なお、H1およびDは所与の値として、分析記憶部33bに格納されている)。
H(液面の高さ) = H1(初期位置の高さ) - P(パルス数)×D(1パルスの移動距離)・・・(1)。
【0122】
S54aでは、分析制御部33aが、容器の種類と液面の高さとから試薬の残量を算出する。具体的には、分析制御部33aは、試薬情報データベース36から、試薬容器442の水平方向の内面積Sを取得する。次に分析制御部33aは、以下の式(2)によって、試薬の残量Tを算出する。
T(残量) = H(液面の高さ)×S(試薬容器の内面積)・・・(2)。
【0123】
S55aでは、分析制御部33aは、算出された試薬残量Tを、試薬情報データベース36に格納する。ここで、試薬情報データベースに既に試薬残量のデータが格納されている場合には、当該データを削除し、S51a~S54aのステップにて算出された試薬残量Tを新たに格納する。
【0124】
[例2:試薬情報の一括編集]
例2は、選択された複数のアイコン700に対応する試薬に対して、残量の測定を行う例である。図9のカテゴリによると、「バーコード読取エラー(前回試薬情報なし)」「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」「未登録試薬」「未登録試薬ロット」の試薬情報を含むアイコンに対して、この操作は実行可能である。例えば、ロット未登録の試薬が複数あり、いずれも同じロットである場合に、この例は有用である。
【0125】
以下、図21に基づいて、複数のアイコン700を選択した後、対応する複数の試薬の試薬情報を一括して編集するときの処理の流れを説明する。
【0126】
S51bでは、情報編集の入力が受け付けられる。このステップは、操作者が操作指示領域650から「情報編集」のボタンをタップすることをトリガとする。
【0127】
S52bでは、表示制御部51は、試薬情報編集領域2300を表示部33cに表示させる。試薬情報編集領域2300は、例えば、図22に表すようなポップアップ画面である。図22においては、試薬名「PT THS」の情報は、試薬容器442のバーコードAから読み取れているが、容器の種類、試薬のロット番号、使用期限、使用順などは設定されていない。
【0128】
S53bにおいて、情報の入力が受け付けられる。このとき操作者は、入力部33dを介して、適宜試薬情報を入力する。
【0129】
S54bにおいて、分析制御部33aは、編集された試薬情報を、試薬情報データベース36に格納する。これによって、選択された複数のアイコン700に対応する、複数の試薬の試薬情報が更新される。
【0130】
[例3:試薬情報の復元]
例3は、選択された複数のアイコン700に対応する試薬に対して、試薬情報の復元を行う例である。図9のカテゴリによると、「バーコード読取エラー(前回試薬情報あり)」の試薬情報を含むアイコンに対して、この操作は実行可能である。例えば、検体分析装置30を前回使用した後、保持部441に試薬容器442を配置したままであったにもかかわらず、検体分析装置30を今回使用するに先立って、バーコード読取エラーが発生した場合に、このような操作を行うことができる。
【0131】
以下、図23に基づいて、複数のアイコン700を選択した後、対応する複数の試薬情報を復元するときの処理の流れを説明する。
【0132】
S51cでは、情報復元の入力が受け付けられる。このステップは、操作者が操作指示領域650から「情報復元」のボタンをタップすることをトリガとする。
【0133】
S52cでは、分析制御部33aは、試薬情報データベース36を検索して、必要な試薬情報を取得する。具体的には、分析制御部33aは、選択された複数のアイコン700に対応する保持部441のホルダ番号を参照する。次に、分析制御部33aは、前記のホルダ番号に対応する試薬情報を、試薬情報データベース36から取得する。その結果、選択された複数のアイコン700に対応する保持部441の位置に、前回の使用時まで配置されていた試薬が抽出される。
【0134】
S53cでは、分析制御部33aは、S52cで取得した試薬情報を、試薬情報データベース36に格納する。これにより、試薬情報データベース36は更新される。
【0135】
〔その他の態様〕
本発明には、以下の態様も含まれる。
【0136】
本発明の一態様に係る表示方法は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)における表示方法であって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)から、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、アイコン選択工程において選択された互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付ける操作受付工程と、を含み、アイコン選択工程における互いに関連する前記複数のアイコン(700)を選択する操作は、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から一部のアイコン(700)を選択する操作であり、一部のアイコン(700)の選択操作により、(i)当該選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))と、(ii)前記選択操作対象アイコンに関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))と、が選択され、前記所定の操作は、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含む。
【0137】
前記の構成によれば、互いに関連する複数のアイコン(すなわち、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8)))を選択し、当該互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作(すなわち、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含む操作)を、検体分析装置(30)に行わせることができる。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、互いに関連する複数のアイコンに関連する所定の操作を、一度の操作入力で行うことができ、操作の手間が省略される。
【0138】
ここで、アイコン(700)とは、検体分析装置(30)の表示部(33c)の試薬管理画面(600)などに表示されるアイコンを意味する。
【0139】
試薬には、試薬に関する試薬情報が対応づけられており、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))は、試薬情報に応じた態様で表示されてもよい。
【0140】
前記の構成によれば、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))は、対応する試薬の試薬情報に応じた態様で表示される。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を見ることによって、試薬情報を視覚的に認識することができる。
【0141】
ここで、試薬情報とは、試薬に関する各種の情報を意味する。試薬情報には、検体分析装置(30)が備える保持部(441)に配置された各試薬の状態に関する情報も含まれ得る。試薬情報には、例えば、試薬を識別するための情報、試薬の状態を示す情報、および試薬の測定項目に関する情報、などが含まれる。また、試薬容器が保持部(441)に配置されていない場合もあり得るため、試薬情報は、保持部(441)に試薬容器が配置されているか否かを示す情報を含んでいてもよい。
【0142】
選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))は、それぞれの試薬情報に応じた態様に共通部分を有していてもよい。
【0143】
前記の構成によれば、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))の表示態様には、共通部分が生じる。つまり、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))は、互いに、一部が共通した表示態様にて表示される。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、視覚的に認識することができる。
【0144】
操作受付工程において、選択操作対象アイコン(700(A1-10))に対応する保持部(421)にて保持された、試薬の状態に関する試薬情報を編集するための指示を受け付け、前記指示に応じて、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))に対応する保持部(421)にて保持された、試薬の状態に関する試薬情報を一括して編集してもよい。
【0145】
前記の構成によれば、分析制御部(33a)は、選択操作対象アイコン(700(A1-10))に対応する試薬の試薬情報を編集するための指示を受け付けることにより、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))に対応する試薬の試薬情報を一括して編集することができる。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、選択操作対象アイコン(700(A1-10))を選択し、さらに選択操作対象アイコン(700(A1-10))に対応する試薬の試薬情報を更新する操作入力を行うことにより、関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))に対応する試薬の試薬情報をも併せて更新することができる。
【0146】
試薬容器(422)は、試薬情報を格納する試薬情報格納部(バーコードA)を備えており、保持部(421)に保持された各試薬容器(422)から、試薬情報を読み取る読み取り工程をさらに含み、選択操作対象アイコン(700(A1-10))に対応する保持部(421)に保持された試薬が、読み取り工程において試薬情報が読み取れなかった試薬である場合、関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))は、試薬情報が読み取れなかった試薬を保持する保持部(421)に対応するアイコンであってもよい。
【0147】
前記の構成によれば、選択操作対象アイコン(700(A1-10))として、試薬情報格納部(バーコードA)の読み取りができなかった保持部(441)に対応するアイコン(700)が選択されたとき、分析制御部(33a)は、同様に試薬情報格納部(バーコードA)の読み取りができなかった保持部(441)に対応するアイコン(700)を関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))とする。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、試薬情報格納部(バーコードA)の読み取りができなかった保持部(441)に対応するアイコン(700)の1つを選択することにより、同様に試薬情報格納部(バーコードA)の読み取りができなかった保持部に対応する他のアイコン(700)も併せて選択することができる。このような保持部(441)に保持されている試薬容器(442)に収容されている試薬に対しては、例えば、試薬情報を一括して更新することができるし、試薬情報データベース(36)から適当な試薬情報を取得することもできる。
【0148】
試薬容器(422)は、試薬情報を格納する試薬情報格納部(バーコードA)を備えており、保持部(421)に保持された各試薬容器(422)から、試薬情報を読み取る読み取り工程をさらに含み、選択操作対象アイコン(700(A1-10))に対応する保持部(421)にて保持された試薬が、読み取り工程において試薬情報が読み取られた試薬であり、かつ、試薬情報データベースに試薬情報が登録されていない試薬である場合、関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))は、試薬情報が読み取られた試薬であり、かつ、試薬情報データベースに試薬情報が登録されていない試薬を保持する保持部(421)に対応するアイコン(700)であってもよい。
【0149】
前記の構成によれば、選択操作対象アイコン(700(A1-10))が、「試薬情報を読み取れたが、試薬情報が登録されていない試薬」に対応するアイコン(700)であったとき、分析制御部(33a)は、同様に「試薬情報を読み取れたが、試薬情報が登録されていない試薬」に対応するアイコン(700)を関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))とする。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、「試薬情報を読み取れたが、試薬情報が登録されていない試薬」に対応するアイコン(700)の1つを選択することにより、同様に「試薬情報を読み取れたが、試薬情報が登録されていない試薬」に対応する他のアイコン(700)も併せて選択することができる。このような試薬に対しては、例えば、試薬情報を一括して編集することができる。
【0150】
試薬容器(441)は、試薬情報を格納する試薬情報格納部(バーコードA)を備えており、保持部(441)に保持された各試薬容器(442)から、試薬情報を読み取る読み取り工程をさらに含み、選択操作対象アイコン(700(A1-10))に対応する保持部(421)にて保持された試薬が、読み取り工程において試薬情報が読み取られた試薬であり、かつ、有効期限が切れていない試薬である場合、関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))も、試薬情報が読み取られた試薬であり、かつ、有効期限が切れていない試薬を保持する保持部(421)に対応するアイコンであってもよい。
【0151】
前記の構成によれば、選択操作対象アイコン(700(A1-10))が、「試薬情報が読み取れ、有効期限が切れていない試薬」に対応するアイコン(700)であったとき、分析制御部(33a)は、同様に「試薬情報が読み取れ、有効期限が切れていない試薬」に対応するアイコン(700)を関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))とする。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、「試薬情報が読み取れ、有効期限が切れていない試薬」に対応するアイコン(700)の1つを選択することにより、同様に「試薬情報が読み取れ、有効期限が切れていない試薬」に対応する他のアイコン(700)も併せて選択することができる。このような試薬に対しては、例えば、残量の測定を一括して指示することもできるし、検量線の作成を一括して指示することもできるし、精度管理の実行を一括して指示することもできる。
【0152】
表示部(33c)に表示される表示画面における複数のアイコン(700)の配置と、当該複数のアイコン(700)が示す試薬容器(442)が装着されている保持部(441)の配置と、が対応していてもよい。
【0153】
前記の構成によれば、表示部(33c)におけるアイコン(700)の配置と、試薬テーブル(440)における試薬容器(442)の配置とが、互いに対応する。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、実際の試薬容器(442)の配置を表示画面上で直感的に認識することができ、より操作性が高まる。
【0154】
本発明の他の態様に係る検体分析装置(30)は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(422)を保持する保持部(421)を複数備える検体分析装置(30)であって、保持部(421)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示制御部(51)と、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作を受け付ける入力部(33d)と、選択された互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付ける制御部(分析制御部33a)と、を備え、入力部(33d)が受け付ける互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作は、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から一部のアイコン(700)を選択する操作であり、一部のアイコン(700)の選択操作により、(i)当該選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))と、(ii)前記選択操作対象アイコンに関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))と、が選択され、前記所定の操作は、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含む。
【0155】
前記の構成によれば、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))に関連する所定の操作(すなわち、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含む操作)を受け付けることができる検体分析装置(30)が提供される。
【0156】
本発明のさらに他の態様に係るプログラムは、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(422)を保持する保持部(421)を複数備える検体分析装置(30)を制御するプログラムであって、保持部(421)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、アイコン選択工程において選択された互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付ける操作受付工程と、をコンピュータに実行させ、アイコン選択工程における互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作は、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から一部のアイコン(700)を選択する操作であり、一部のアイコン(700)の選択操作により、(i)当該選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))と、(ii)前記選択操作対象アイコンに関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))と、が選択され、前記所定の操作は、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含む。
【0157】
前記の構成によれば、選択操作対象アイコン(700(A1-10))および関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))に関連する所定の操作(すなわち、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含む操作)を受け付けることができるように、検体分析装置(30)を制御するプログラムが提供される。
【0158】
本発明のさらにまた他の態様に係る記録媒体は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0159】
前記の構成によれば、前記のプログラムを、物理的な実体を伴う形態で存在させることができる。
【0160】
本発明の他の態様に係る表示方法は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)における表示方法であって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、アイコン選択工程において選択されたアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付ける操作受付工程と、1つのアイコン(700)を選択するための第1選択モード、または、複数のアイコン(700)を選択するための第2選択モードを選択するモード選択工程と、を含み、第2選択モードにおけるアイコン選択工程は、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する前記操作を受け付ける。
【0161】
前記の構成によれば、1つのアイコン(700)を選択するための第1選択モードと、複数のアイコン(700)を選択するための第2選択モードとを選択できる。その上で、第2選択モードを選択した場合には、互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を、検体分析装置(30)に行わせることができる。それゆえ、検体分析装置(30)の操作者は、互いに関連する複数のアイコンに関連する所定の操作を、一度の操作入力で行うことができ、操作の手間が省略される。
【0162】
第2選択モードのアイコン選択工程における、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作は、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から一部のアイコン(700)を選択する操作であり、当該アイコン(700)の選択操作により、(i)当該選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))と、(ii)前記選択操作対象アイコンに関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))と、が選択されてもよい。
【0163】
前記の構成によれば、選択操作対象アイコン(700(A1-10))に対する選択操作のみで、関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))も選択状態にすることができる。
【0164】
第2選択モードのアイコン選択工程における、互いに関連する複数のアイコンを選択する操作は、(i)前記表示部に表示された複数のアイコン(700)から一部のアイコンを選択する操作と、(ii)選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を選択する操作と、を含んでもよい。
【0165】
前記の構成によれば、「関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))のうち、一部を選択し一部を選択しない」という操作が可能になる。
【0166】
第2選択モードにおけるアイコン選択工程は、選択操作対象アイコン(700(A1-10))を選択する操作を受け付けると、関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を他のアイコンから識別可能に表示する識別表示工程を含んでもよい。
【0167】
前記の構成によれば、関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))型のアイコンから識別可能に表示される。そのため、操作者は、関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を認識しやすくなる。
【0168】
本発明の他の態様に係る検体分析装置(30)は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(422)を保持する保持部(421)を複数備える検体分析装置(30)であって、保持部(421)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示制御部(51)と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付ける入力部(33d)と、選択されたアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付ける制御部(分析制御部33a)と、を備え、入力部(33d)は、1つのアイコンを選択するための第1選択モード、または、複数のアイコンを選択するための第2選択モードを選択する操作をさらに受け付け、第2選択モードにおけるアイコン(700)を選択する操作は、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作を含む。
【0169】
前記の構成によれば、(i)1つのアイコン(700)を選択するための第1選択モードと、複数のアイコン(700)を選択するための第2選択モードとを選択でき、かつ、(ii)第2選択モードを選択した場合には、互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付けることができる検体分析装置(30)が提供される。
【0170】
本発明の他の態様に係るプログラムは、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)を制御するプログラムであって、保持部(442)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、アイコン選択工程において選択されたアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付ける操作受付工程と、1つのアイコン(700)を選択するための第1選択モード、または、複数のアイコン(700)を選択するための第2選択モードを選択するモード選択工程と、をコンピュータに実行させ、第2選択モードにおけるアイコン選択工程は、表示部(33c)に表示された複数のアイコン(700)から、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作を受け付ける。
【0171】
前記の構成によれば、(i)1つのアイコン(700)を選択するための第1選択モードと、複数のアイコン(700)を選択するための第2選択モードとを選択でき、かつ、(ii)第2選択モードを選択した場合には、互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付けることができるように、検体分析装置(30)を制御するプログラムが提供される。
【0172】
本発明の他の態様に係る表示方法は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)における表示方法であって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)から、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、アイコン選択工程において選択された互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を受け付ける操作受付工程と、1つのアイコン(700)を選択するための第1選択モード、または、複数のアイコン(700)を選択するための第2選択モードを選択するモード選択工程と、を含み、第2選択モードにおけるアイコン選択工程は、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)から、互いに関連する複数のアイコン(700)を選択する操作を受け付ける。
【0173】
前記の構成によれば、(i)1つのアイコン(700)を選択するための第1選択モードと、複数のアイコン(700)を選択するための第2選択モードとを選択でき、かつ、(ii)第2選択モードを選択した場合には、互いに関連する複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を、検体分析装置(30)に行わせることができる。
【0174】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示方法は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)における表示方法であって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する第1表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する第2表示工程と、を含む。
【0175】
前記表示方法は、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示された関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一つずつ選択する操作を受け付ける関連アイコン選択工程と、前記アイコン選択工程および前記関連アイコン選択工程において選択された複数のアイコン(700)に関連する所定の操作を一括して受け付ける操作受付工程と、をさらに含んでもよい。
【0176】
前記所定の操作は、(i)前記試薬の残量の測定、(ii)前記試薬に関する試薬情報の編集、(iii)使用開始後の前記試薬に関する試薬情報の復元、または(iv)前記試薬の残量のリセット、を含んでもよい。
【0177】
前記表示方法は、前記操作受付工程において、選択された複数のアイコン(700)に対応する保持部(441)にて保持された、試薬の状態に関する試薬情報を編集するための指示を受け付け、前記指示に応じて、選択された複数のアイコン(700)に対応する保持部(441)にて保持された、前記試薬の状態に関する試薬情報を一括して編集してもよい。
【0178】
前記表示方法は、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれか、および当該アイコン(700)に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を一括して選択する操作を受け付けるアイコン一括選択工程をさらに含んでもよい。
【0179】
前記表示方法は、アイコン(700)を一括して選択するためのアイコン一括選択モードを設定するモード設定工程をさらに含み、前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン一括選択モードが設定されているときに実行可能であってもよい。
【0180】
前記アイコン一括選択工程は、前記アイコン選択工程における選択操作と異なる所定の操作を受け付けることにより実行されてもよい。
【0181】
本発明の他の態様に係る検体分析装置(30)は、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)であって、保持部(442)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示する表示部(33c)と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付ける入力部(33d)と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する制御部(分析制御部33a)と、を含む。
【0182】
本発明のさらに他の態様に係る制御プログラムは、検体の分析に用いる試薬の試薬容器(442)を保持する保持部(441)を複数備える検体分析装置(30)を制御するプログラムであって、保持部(441)の各々に対応する複数のアイコン(700)を表示部(33c)に表示する表示工程と、表示部(33c)に表示されたアイコン(700)のいずれかを選択する操作を受け付けるアイコン選択工程と、選択操作の対象となった選択操作対象アイコン(700(A1-10))に関連する関連アイコン(700(A1-2)、700(A1-8))を、選択可能なアイコン(700)であることを判別可能に表示する表示工程と、をコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0183】
30 :検体分析装置
33a:分析制御部(制御部)
33c:表示部
33d:入力部
36 :試薬情報データベース
51 :表示制御部
441 :保持部
442 :試薬容器
700 :アイコン
A :バーコード
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