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特許7043592画素ディスプレイモジュール及び画素ディスプレイモジュールを製造するためのマスク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】画素ディスプレイモジュール及び画素ディスプレイモジュールを製造するためのマスク
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20220322BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220322BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220322BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220322BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220322BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 365
G09F9/00 338
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020515715
(86)(22)【出願日】2019-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 CN2019088556
(87)【国際公開番号】W WO2020001214
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-03-16
(31)【優先権主張番号】201810679353.7
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】劉明星
(72)【発明者】
【氏名】李俊峰
(72)【発明者】
【氏名】王徐亮
(72)【発明者】
【氏名】呂東芸
(72)【発明者】
【氏名】甘帥燕
(72)【発明者】
【氏名】高峰
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-209902(JP,A)
【文献】特開2005-208522(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0294491(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0266943(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0249889(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0133440(US,A1)
【文献】中国実用新案第205231067(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107464831(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ状に配列された複数の画素ユニットグループを含み、各前記画素ユニットグルー
プはアレイ状に配列された4つのサブ画素を含み、
各前記画素ユニットグループの1つの対角線上に位置する2つの前記サブ画素は同一で
ある第1の色の光を放出し、各前記画素ユニットグループの他の1つの対角線上に位置す
る2つの前記サブ画素はそれぞれ第2の色の光と第3の色の光を放出し、
第1の方向において隣接する2つの前記画素ユニットグループは、前記第1の方向と直
交する第2の方向においてずれるように配列され、
前記第1の方向において隣接する2つの前記画素ユニットグループは、前記第2の方向
に沿って1つの前記サブ画素の距離だけずれるように配列され、
前記第2の方向においてずれる2つの前記画素ユニットグループにおける、隣接し且つ同一の行又は同一の列に位置する2つのサブ画素は同じ色の光を放出し、
前記第1の方向において隣接する2つの前記画素ユニットグループにおける、同一の行又は同一の列に位置し且つ同じ色の光を放出する2つのサブ画素は、離間して配置される
ことを特徴とする画素ディスプレイモジュール。
【請求項2】
前記第2の方向においてずれる2つの前記画素ユニットグループにおける、隣接し且つ
同一の行又は同一の列に位置する2つのサブ画素は同一である第1の色の光を放出する
ことを特徴とする請求項に記載の画素ディスプレイモジュール。
【請求項3】
前記第1の色の光は緑色の光である
ことを特徴とする請求項に記載の画素ディスプレイモジュール。
【請求項4】
前記第1の色の光は緑色の光であり、前記第2の色の光と前記第3の色の光はそれぞれ
赤色の光と青色の光であり、又は、
前記第1の色の光は青色の光であり、前記第2の色の光と前記第3の色の光はそれぞれ
赤色の光と緑色の光であり、又は、
前記第1の色の光は赤色の光であり、前記第2の色の光と前記第3の色の光はそれぞれ
緑色の光と青色の光である
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画素ディスプレイモジュール
【請求項5】
前記画素ユニットグループは四角形である
ことを特徴とする請求項に記載の画素ディスプレイモジュール。
【請求項6】
各前記画素ユニットグループは、第1の画素ユニットと第2の画素ユニットとを含み、
前記第1の画素ユニットと前記第2の画素ユニットとはそれぞれ、異なる色の光を放出
する3つの前記サブ画素によって構成され、前記画素ユニットグループが発光する場合、
前記第1の画素ユニットと前記第2の画素ユニットとは、前記画素ユニットグループにお
ける1つの対角線上の、それぞれ第2の色の光と第3の色の光を放出する2つの前記サブ
画素を共用する
ことを特徴とする請求項に記載の画素ディスプレイモジュール。
【請求項7】
各前記画素ユニットグループにおいて、列方向における2つのサブ画素の距離は、行方
向における2つのサブ画素の距離の2倍である
ことを特徴とする請求項に記載の画素ディスプレイモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ディスプレイ技術分野に関し、具体的には画素ディスプレイモジュール及び画素ディスプレイモジュールを製造するためのマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスプレイスクリーンのほとんどは三色のサブ画素を原色として用いて色を表示している。特に、RGBを三原色として採用するものが最も一般的である。赤R、緑G、青Bの3つのカラーチャンネルの変化及びそれらの重なりによって色の変化を表現することは、現在最も広く応用されているカラーシステムの一つである。
【0003】
ディスプレイの性能は通常ディスプレイ解像度によって示されており、すなわち各次元において表示されることができる単独画素の絶対的数量(例えば、1920×1080)、又はインチごとにおける画素の相対的数量に関するディスプレイ密度(1インチあたりの画素数、PPIとも称される)で示される。
【0004】
現在、高PPI及び高解像度の表示装置はすでに表示技術分野における主流製品になっており、OLEDの有機発光層は、ファインメタルマスク(FMM)による蒸着技術によって製作されている。しかしながら、FMMを用いて有機材料に対してパターニングする作業精度において、各有機発光層の最小寸法が制限され、各有機発光層がOLEDの同一の面において形成されるため、隣接する画素の間に十分なスペースを空けなければ、隣接する有機発光層同士が重なってしまう。そのため、ファインメタルマスクと蒸着作業自身とによる制約、例えばマスクの孔をより小さくすることができないことにより、画素の配列によって高PPIを実現することはできても、蒸着を行う際、2枚以上のマスクを用いて蒸着することで、コストと製造時間が増えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に鑑みて、本願の実施例は、従来技術においてPPIが高く且つ表示が均一な表示装置の製造が困難である課題を解決するために、画素ディスプレイモジュール及び画素ディスプレイモジュールを製造するためのマスクを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の1つの態様によると、本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールは、アレイ状に配列された複数の画素ユニットグループを含み、各前記画素ユニットグループはアレイ状に配列された4つのサブ画素を含み、前記画素ユニットグループアレイの1つの対角線上に位置する2つの前記サブ画素は同一である第1の色の光を放出し、前記画素ユニットグループアレイの他の1つの対角線上に位置する2つの前記サブ画素はそれぞれ第2の色の光と第3の色の光を放出する。ここで、第1の方向において隣接する2つの前記画素ユニットグループは、前記第1の方向と直交する第2の方向においてずれるように配列される。
【0007】
本願の他の態様として、本願の実施例が提供する画素ディスプレイモジュールを製造するためのマスクは、複数の開口領域を含み、少なくとも1つの前記開口領域は、隣接する2つの画素ユニットグループにおいて隣接し且つ同一の行又は同一の列に位置する、同じ色の光を放出する2つのサブ画素に対応する。
【発明の効果】
【0008】
本願の実施例により提供される画素ディスプレイモジュールは、複数のアレイ状に配列された画素ユニットグループを含み、各画素ユニットグループにおいて、アレイの1つの対角線上に位置する2つのサブ画素は同一である第1の色の光を放出し、他の1つの対角線上に位置する2つのサブ画素はそれぞれ第2の色の光と第3の色の光を放出する。これにより、同じ色の光を放出する2つのサブ画素が位置的に互いにずれ、表示をより均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールの構造模式図である。
図2】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおける画素ユニットグループの画素配列図である。
図3】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおいて隣接する2つの画素ユニットグループの配列図である。
図4】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおいて隣接する2つの画素ユニットグループの配列図である。
図5】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおいて隣接する2つの画素ユニットグループの配列図である。
図6】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールの構造模式図である。
図7】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールの構造模式図である。
図8】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールの画素ユニットグループにおける第1の画素ユニットと第2の画素ユニットとの配列図である。
図9】本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールの画素ユニットグループにおける第1の画素ユニットと第2の画素ユニットとの配列図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例に係る技術案について明確且つ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて当業者が創造的な労働をせずに取得する他の実施例は、すべて本願の保護範囲に属する。
【0011】
図1は、本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールの構造模式図である。当該画素ディスプレイモジュールはアレイ状に配列された複数の画素ユニットグループ1を含み、各画素ユニットグループ1はアレイ状に配列された4つのサブ画素を含む。図2に示すように、画素ユニットグループ1の1つの対角線上に位置するサブ画素2とサブ画素3とは同一である第1の色の光を放出し、画素ユニットグループ1の他の1つの対角線上に位置するサブ画素4とサブ画素5はそれぞれ第2の色の光と第3の色の光を放出する。
【0012】
なお、同じ色の光を放出するサブ画素が画素ユニットグループ1のどの対角線上に位置するかは、実際のニーズや作業手法に応じて選択することができる。本願の一実施例において、画素ユニットグループ1の1つの対角線上に位置するサブ画素4とサブ画素5とは同一である第1の色の光を放出し、他の1つの対角線上に位置するサブ画素2とサブ画素3とはそれぞれ第2の色の光と第3の色の光を放出する。
【0013】
本願の実施例により提供される画素ディスプレイモジュールはアレイ状に配列された複数の画素ユニットグループ1を含み、且つ各画素ユニットグループ1はアレイ状に配列された4つのサブ画素を含む。ここで、各画素ユニットグループにおける1つの対角線上に位置するサブ画素は同一である第1の色の光を放出し、他の1つの対角線上に位置する2つのサブ画素はそれぞれ第2の色の光と第3の色の光を放出する。これにより、同じ色の光を位置的に互いにずらし、表示装置の表示を均一にすることができる。
【0014】
本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおいて、第1の方向において隣接する2つの前記画素ユニットグループは、前記第1の方向と直交する第2の方向においてずれるように配列される。本願の一実施例において、第1の方向は列方向であり、第2の方向は行方向であり、列方向において隣接する2つの画素ユニットグループ1は、行方向においてずれるように配列される。ここで、画素ユニットグループ同士がずれる方向は右方向であってもよく、左方向であってもよく、ずれる距離は行方向における1つのサブ画素の距離より小さい。つまり、列方向において隣接する2つの画素ユニットグループの中で、下にある画素ユニットグループ1の中の1つのサブ画素は、上にある画素ユニットグループ1の中の2つの画素の間に位置する。
【0015】
ここで、人間がアレイ状に配列された画素ディスプレイモジュールを観察する際に目線が左右方向に移動する方向を画素ディスプレイモジュールの行方向と定義し、目線が上下方向に移動する方向を列方向と定義する。
【0016】
なお、本願の実施例において、列方向において隣接する2つの画素ユニットグループ1が行方向において互いにずれる距離は、画素についての実際のニーズや作業手法に応じて選択することができる。ずれる距離は、行方向における1つのサブ画素の距離より小さくてもよく、行方向における1つのサブ画素の距離より大きくてもよく、行方向における1つのサブ画素の距離と同一であってもよく、本願はこれについて制限しない。
【0017】
さらに、本願の実施例において、第1の方向が行方向であり且つ第2の方向が列方向である場合、隣接する2つの画素ユニットグループ1は列方向において一定の距離だけずれてもよい。ここで、ずれる距離は実際のニーズや作業手法に応じて選択することができるため、本願はこれについて制限しない。
【0018】
本願の実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおいては、隣接する2つの画素ユニットグループ1がずれるように配列されることで、第1の色の光を放出するサブ画素と、第2の色の光を放出するサブ画素と、第3の色の光を放出するサブ画素とは、列方向又は行方向において均一に表示されることができる。
【0019】
本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールによると、図3に示すように、第1の方向が列方向であり且つ第2の方向が行方向である場合、列方向において互いに隣接する2行の画素ユニットグループは行方向に沿って右へ1つのサブ画素の距離だけずれる。つまり、列方向において、下の行における1つ目の画素ユニットグループ1における1行目の1つ目のサブ画素2は、上の行における1つ目の画素ユニットグループ1における2行目の2つ目のサブ画素3の真下に位置し、且つ両者が同じ色の光を放出する。好ましくは、本願の一実施例において、第1の色の光を放出する。つまり、画素ユニットグループ1の1つの対角線上に位置する2つのサブ画素は同じ色の光を放出し、好ましくは、本願の一実施例において緑色の光を放出する。
【0020】
本願の実施例により提供される画素ディスプレイモジュールによると、列方向において隣接する画素ユニットグループは行方向において互いに1つのサブ画素の距離だけずれるため、隣接する2つの画素ユニットグループの中で、列方向において隣接し且つ同一の列に位置する2つのサブ画素が同じ色の光を放出する。これにより、同じ色の光を放出する2つのサブ画素はマスク上の1つの開口を共用することができ、表示装置の開口率を向上させることができる。作業条件さえ満たせば、よりサイズの小さい画素ユニットを製作することが可能であり、表示装置のPPIを向上させることができる。
【0021】
なお、列方向において隣接する2つの画素ユニットグループの中の隣接する2つのサブ画素に同じ色の光を放出させるために、列方向において隣接する2つの画素ユニットグループが行方向で1つのサブ画素の距離だけずれるように設置する場合、下にある画素ユニットグループを上にある画素ユニットグループに対して左方向又は右方向のどちらにずらすかは、画素ユニットグループにおけるサブ画素の配列形態に基づいて決定することができる。本願の一実施例において、図4に示すように、列方向において隣接する2行の画素ユニットグループが行方向において互いにずれる場合、下の行にある画素ユニットグループは行方向に沿って左方向に1つのサブ画素の距離だけずらされている。つまり、下の行にある1つ目の画素ユニットグループの1行目の2つ目のサブ画素4は、上の行にある1つ目の画素ユニットグループの2行目の1つ目のサブ画素5の真下に位置する。したがって、本願はこれについて制限しない。
【0022】
また、画素ディスプレイモジュールにおいてアレイ状に配列された画素ユニットグループ1に対して、隣接する2つの画素ユニットグループ1の中の隣接する2つのサブ画素に同じ色の光を放出させようとする場合、列方向において隣接する2つの画素ユニットグループ1が行方向に沿って互いに1つのサブ画素の距離だけずれるように設置できるだけでなく、行方向において隣接する2つの画素ユニットグループ1が列方向に沿って互いに1つのサブ画素の距離だけずれるように設置することによっても実現することができる。つまり、第1の方向が行方向であり、第2の方向が列方向である場合、図5に示すように、行方向において隣接する2つの画素ユニットグループ1が列方向に沿って1つのサブ画素の距離だけずれる。つまり、行方向において、右にある画素ユニットグループ1における2行目の1つ目のサブ画素5は、左にある画素ユニットグループ1における1行目の2つ目のサブ画素4のちょうど右側又はちょうど左側に位置するとともに、同一の色の光を放出する。このような複数の画素ユニットグループ1がアレイ状に配列されて構成する画素ディスプレイモジュールは図6に示す通りである。
【0023】
なお、どのような方式によって行方向において隣接する2つの画素ユニットグループを列方向に沿ってずらすかは、画素ユニットグループにおけるサブ画素の配列形態に基づいて決定することができるため、本願はこれについて制限しない。
【0024】
なお、前述の1つのサブ画素の距離とは、隣接する2つの画素ユニットグループが互いにずれる方向における1つのサブ画素の距離である。つまり、画素ユニットグループが行方向においてずれる場合、1つのサブ画素の距離Dは、1つのサブ画素自身の行方向における長さに、行方向において当該サブ画素と繋がっている左右両側の2つの隔離柱の長さを加えた値に等しく、図7に示す通りである。
【0025】
本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおいて、複数の画素ユニットグループがアレイ状に配列されており、各画素ユニットグループはアレイ状に配列された4つのサブ画素によって構成される。ここで、画素ユニットグループアレイの1つの対角線上に位置する2つのサブ画素は同一である第1の色の光を放出し、他の1つの対角線上に位置する2つのサブ画素はそれぞれ第2の色の光と第3の色の光を放出する。なお、第1の色の光は緑色の光であり、第2の色の光と第3の色の光はそれぞれ赤色の光と青色の光である。
【0026】
なお、第1の色の光、第2の色の光及び第3の色の光の色は、実際のニーズに応じて選択することができる。本願の他の実施例において、第1の色の光は青色の光であってもよく、第2の色の光と第3の色の光はそれぞれ赤色の光と緑色の光であってもよい。本願のもう1つの実施例において、第1の色の光は赤色の光であってもよく、第2の色の光と第3の色の光はそれぞれ緑色の光と青色の光であってもよく、本願はこれについて制限しない。
【0027】
本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおいては、製造プロセスにおけるマスキング作業の難しさを緩和するために、画素ユニットグループを四角形にして、画素を全体的に規則的な四角形アレイになるように配列する。これにより、マスキング作業の難しさが緩和される。なお、四角形の長さと幅は実際のニーズと作業手法に基づいて選択することができ、本願の一実施例において画素ユニットグループは正方形であり、本願はこれについて制限しない。
【0028】
また、画素ユニットグループを四角形にするために、画素ユニットグループにおける4つのサブ画素の形状を実際の応用シーンによって設計することができる。例えば、いずれも正方形にしてもよく、長方形にしてもよく、又は図7に示すように、一部を長方形にして一部を正方形にしてもよい。4つのサブ画素からなる画素ユニットグループの形状が四角形であればよいため、本願においては画素ユニットグループに含まれる4つのサブ画素の形状について制限しない。
【0029】
本願の一実施例により提供される画素ディスプレイモジュールは、アレイ状に配列された複数の画素ユニットグループ1を含み、各画素ユニットグループ1は一列に分布する第1の画素ユニット6と第2の画素ユニット7とを含む。図8に示すように、第1の画素ユニット6と第2の画素ユニット7とはそれぞれ、異なる色の光を放出する3つのサブ画素から構成される。ここで、第1の画素ユニット6と第2の画素ユニット7とは、画素ユニットグループ1における1つの対角線上においてそれぞれ第2の色の光と第3の色の光とを放出する2つのサブ画素を共用する。画素ユニットグループ1が発光するとき、第1の画素ユニット6と第2の画素ユニット7とは画素ユニットグループ1における対角線上に位置する異なる色の光を放出する2つのサブ画素を共用するとともに、第1の画素ユニット6と第2の画素ユニット7とにおいて共用されていない2つのサブ画素は同じ色の光を放出するため、画素ユニットグループ1の表示がより均一になる。
【0030】
本願の一実施例において、画素ユニットグループ1では、列方向における2つのサブ画素の距離は、行方向における2つのサブ画素の距離の2倍である。なお、2つのサブ画素の距離とは、2つのサブ画素の中心の間の距離である。図9に示すように、本願の実施例により提供される画素ディスプレイモジュールにおいて、画素ユニットグループ1の中で列方向における2つのサブ画素の距離は行方向における2つのサブ画素の距離の2倍である。第1の画素ユニット6と第2の画素ユニット7とは異なる色の光を放出する2つのサブ画素を共用するため、表示が行われる際に、駆動形態の作用により、サブ画素を表示するとき、第1の画素ユニット6と第2の画素ユニット7とにより実際に表示される表示ユニットはいずれも正方形であり、表示装置の表示信号と表示スケールとに影響を与えない。
【0031】
列方向における2つのサブ画素の距離を行方向における2つのサブ画素の距離の2倍にするために、図9に示すように、本願の一実施例において、各画素ユニットグループ1における4つのサブ画素の形状はいずれも四角形である。なお、各画素ユニットグループ1における4つのサブ画素の形状は具体的な応用シーンによって選択することができ、例えば、正方形であってもよく、四角形であり且つ四角形の4つの角が丸い角であってもよく、本願はサブ画素の形状について制限しない。
【0032】
本願の一実施例が提供する画素ディスプレイモジュールを製造するためのマスクは、複数の開口領域を含み、当該複数の開口領域のうちの1つの開口領域は、隣接する2つの画素ユニットグループにおいて隣接し且つ同一の行又は同一の列に位置する同じ色の光を放出する2つのサブ画素に対応する。画素の構造において、異なる色のサブ画素は異なる蒸着手法によって製造されるため、異なる色のサブ画素に対応するマスクもそれぞれ異なる。本願の実施例により提供される画素ディスプレイモジュールを製造するためのマスクは、1つの開口が隣接する2つの画素ユニットグループにおける隣接し且つ同じ色の光を放出する2つのサブ画素に対応するため、PPIが高い表示装置では、マスク製造の難しさを下げることができるとともに、蒸着によって得られる画素の構造もより品質が良くなる。
【0033】
以上は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を制限するものにはならない。本願の精神と原則の範囲内で行われる変更や同等の置換などは、すべて本願の保護範囲に属するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9