(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】超音波プローブを用いた一般化されたインターレース走査
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20220322BHJP
【FI】
A61B8/14
(21)【出願番号】P 2020548660
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(86)【国際出願番号】 US2019019800
(87)【国際公開番号】W WO2019177773
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-11-09
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503129763
【氏名又は名称】ベラソン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Verathon Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジュン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、フーシン
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-128147(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0192904(US,A1)
【文献】特開2011-056291(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0054280(US,A1)
【文献】特開2001-046367(JP,A)
【文献】特開2005-040204(JP,A)
【文献】特開平03-215252(JP,A)
【文献】特開2014-221119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスによって実行される方法であって、
超音波トランスデューサを使用して、患者の体の
関心領域の体積を走査するためのインターレーシング走査のための走査平面の数を前記デバイスによって選択することと、
前記インターレーシング走査のためのインターレーシング・ファクタを前記デバイスによって選択することと、
前記インターレーシング・ファクタに基づいて前記走査平面を走査平面のグループに前記デバイスによって分割することと、
平面を走査するために水平軸の周りに前記超音波トランスデューサを回転するように構成された第1のモータと、異なる平面に移動するために垂直軸の周りに前記超音波トランスデューサを回転するように構成された第2のモータとを制御することによって、前記インターレーシング走査を前記デバイスによって実行することであって、前記第1のモータが、前記走査平面のうちの少なくともいくつかについて第1の方向に移動し、前記走査平面の他の走査平面について、前記第1の方向と反対の第2の方向に移動する、前記インターレーシング走査を前記デバイスによって実行することと
を含む方法。
【請求項2】
前記第2のモータが、走査平面の前記グループのうちの少なくともいくつかについて第3の方向に移動し、走査平面の前記グループのうちの他の走査平面について、前記第3の方向と反対の第4の方向に移動する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のモータが平面ごとに方向を変更し、前記第2のモータが、グループ内で方向を変更することなしにグループごとに方向を変更する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記走査平面が、180度を走査平面の前記数で割ったものに対応する角度によって分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記インターレーシング・ファクタに基づいて前記走査平面を走査平面のグループに分割することが、
前記走査平面に連続的に番号を付けることと、
前記走査平面を前記インターレーシング・ファクタに対応する走査平面のいくつかのグループに分割することと、
前記番号を付けられた走査平面を走査平面の前記グループに連続的に分配することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記インターレーシング走査を実行することが、
前の平面を走査するとき前記第1のモータが移動した方向と反対である方向に前記第1のモータを移動することによって特定の平面を走査することと、
前記インターレーシング・ファクタに対応する平面の数だけ前記第2のモータを移動することによって次の平面に移動することであって、前記次の平面が、走査平面の前記グループのうちの、前記前の平面とは異なるグループ中にある場合に、前記第2のモータの前記方向が変化する、次の平面に移動することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
走査平面の前記数が2に対応し、前記インターレーシング・ファクタが2に対応し、前記インターレーシング走査を実行することが、
連続双平面走査を実行すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のモータの動きの範囲が加速又は減速領域及び定速領域を含み、前記インターレーシング走査を実行することが、
前記第1のモータが動きの前記範囲の前記加速又は減速領域にある間に、回転するように前記第2のモータを制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のモータが走査平面のすべての前記グループについて同じ方向に移動する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記インターレーシング走査を実行することが、
前記第2のモータが第1の平面内で始動して、第1の体積走査を実行することと、
前記第2のモータが第2の平面内で始動して、第2の体積走査を実行することであって、前記第2の平面が前記第1の平面とは異なる、第2の体積走査を実行することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
超音波プローブと、
コントローラ・ユニットと
を備えるシステムであって、
前記超音波プローブが、
超音波トランスデューサと、
平面を走査するために水平軸の周りに前記超音波トランスデューサを回転するように構成された第1のモータと、
異なる平面に移動するために、垂直軸の周りに、又は前記第1のモータの前記水平軸に直角な別の水平軸の周りに前記超音波トランスデューサを回転するように構成された第2のモータと
を備え、
前記コントローラ・ユニットが、
前記超音波プローブを使用して、患者の体の
関心領域の体積を走査するためのインターレーシング走査のための走査平面の数を選択することと、
前記インターレーシング走査のためのインターレーシング・ファクタを選択することと、
前記インターレーシング・ファクタに基づいて前記走査平面を走査平面のグループに分割することと、
前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御することによって前記インターレーシング走査を実行することであって、前記第1のモータが、前記走査平面のうちの少なくともいくつかについて第1の方向に移動し、前記走査平面の他の走査平面について、前記第1の方向と反対の第2の方向に移動する、インターレーシング走査を実行することと
を行うように構成された、
システム。
【請求項12】
前記第1のモータが平面ごとに方向を変更し、前記第2のモータが、グループ内で方向を変更することなしにグループごとに方向を変更する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記インターレーシング走査を実行するとき、前記コントローラ・ユニットがさらに、
前の平面を走査するとき前記第1のモータが移動した方向と反対である方向に前記第1のモータを移動することによって特定の平面を走査することと、
前記インターレーシング・ファクタに対応する平面の数だけ前記第2のモータを移動することによって次の平面に移動することであって、前記次の平面が、走査平面の前記グループのうちの、前記前の平面とは異なるグループ中にある場合に、前記第2のモータの前記方向が変化する、次の平面に移動することと
を行うように構成された、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
走査平面の前記数が2に対応し、前記インターレーシング・ファクタが2に対応し、前記インターレーシング走査を実行するとき、前記コントローラ・ユニットがさらに、
連続双平面走査を実行する
ように構成された、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のモータの動きの範囲が加速又は減速領域及び定速領域を含み、前記インターレーシング走査を実行するとき、前記コントローラ・ユニットがさらに、
前記第1のモータが動きの前記範囲の前記加速又は減速領域にある間に、回転するように前記第2のモータを制御する
ように構成された、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権情報
本特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月13日に出願された「GENERALIZED INTERLACED SCANNING WITH AN ULTRASOND PROBE」という名称の、米国仮出願第62/642,193号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
超音波プローブは、電気信号を超音波エネルギーに変換し、超音波エコーを変換して電気信号に戻す、たとえば、圧電トランスデューサ又は容量性トランスデューサなどの、トランスデューサを使用して、超音波信号を生成し得る。超音波プローブは、一般に、人体においてターゲット器官又は他の構造を識別するために、及び/又は、器官/構造のサイズ又は器官中の流体の量など、ターゲット器官/構造に関連する特徴を決定するために使用される。超音波がターゲット器官/構造を適切に走査するために、超音波プローブは、体積走査を生成するために複数の平面内で走査を実行する必要があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の平面内で走査を実行することは様々な課題を提示し得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】本明細書で説明する一実装形態による例示的な超音波システムを示す図である。
【
図1B】本明細書で説明する一実装形態による
図1Aの超音波システムのための例示的な環境を示す図である。
【
図2A】本明細書で説明する一実装形態による第1の例示的な超音波プローブの図である。
【
図2B】本明細書で説明する一実装形態による第2の例示的な超音波プローブの図である。
【
図2C】本明細書で説明する一実装形態による第3の例示的な超音波プローブの図である。
【
図2D】本明細書で説明する一実装形態による第4の例示的な超音波プローブの図である。
【
図3】
図1Aのコントローラ・ユニットの例示的な構成要素を示す図である。
【
図4】
図1Aのシステムの例示的な機能構成要素を示す図である。
【
図5】本明細書で説明する一実装形態による、インターレース走査(interlaced scanning)のためのプロセスのフローチャートである。
【
図6A】本明細書で説明する一実装形態による、例示的な走査順序テーブルの図である。
【
図6B】本明細書で説明する一実装形態による、例示的な走査順序テーブルの図である。
【
図6C】本明細書で説明する一実装形態による、例示的な走査順序テーブルの図である。
【
図6D】本明細書で説明する一実装形態による、例示的な走査順序テーブルの図である。
【
図7A】本明細書で説明する一実装形態による、12個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡(trajectory)の図である。
【
図7B】本明細書で説明する一実装形態による、12個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図7C】本明細書で説明する一実装形態による、12個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図7D】本明細書で説明する一実装形態による、12個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図8A】本明細書で説明する一実装形態による、24個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図8B】本明細書で説明する一実装形態による、24個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図8C】本明細書で説明する一実装形態による、24個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図8D】本明細書で説明する一実装形態による、24個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図9A】本明細書で説明する一実装形態による、4個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図9B】本明細書で説明する一実装形態による、4個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図10A】本明細書で説明する一実装形態による、2個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図10B】本明細書で説明する一実装形態による、2個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図11】本明細書で説明する一実装形態による、連続双平面(bi-plane)走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図12】本明細書で説明する一実装形態による、超音波プローブのφモータの動きの範囲を示す図である。
【
図13A】本明細書で説明する一実装形態による、重ね合わせなしの及び重ね合わせありの2平面体積走査のためのモータの動き軌跡及び位置を示す図である。
【
図13B】本明細書で説明する一実装形態による、重ね合わせなしの及び重ね合わせありの12平面体積走査のためのモータの動き軌跡及び位置を示す図である。
【
図14A】本明細書で説明する一実装形態による、連続θモータ動きをもつ例示的な走査順序テーブルの図である。
【
図14B】本明細書で説明する一実装形態による、連続θモータ動きをもつ例示的な走査順序テーブルの図である。
【
図15A】本明細書で説明する一実装形態による、連続θモータ動きをもつ12個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図15B】本明細書で説明する一実装形態による、連続θモータ動きをもつ12個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【
図15C】本明細書で説明する一実装形態による、連続θモータ動きをもつ12個の平面に基づく体積走査のための例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明では添付の図面を参照する。異なる図面における同じ参照番号は同じ又は同様の要素を識別する。
【0006】
超音波プローブは、人体器官、関節、血管、及び/又は患者の体の別のタイプの領域など、当該領域の体積走査(たとえば、3次元(3D)走査)を実行するために、患者の体の上に配置され得る。体積走査は、当該領域を横断する異なる平面内でキャプチャされる超音波画像のセットを含み得る。たとえば、体積走査は、当該領域の中心の周りの円内で特定の角度間隔で取られる平面超音波画像を含み得る。
【0007】
超音波プローブは、単一要素超音波トランスデューサを含み得る。超音波プローブは、平面を走査するために特定の超音波撮像平面のセクタに沿って超音波トランスデューサを移動するために水平面の周りに回転するように構成された、本明細書で「φ」モータと呼ぶ、第1のモータを含み得る。超音波プローブは、異なる超音波撮像平面に超音波トランスデューサを移動するために垂直面の周りに回転するように構成された、本明細書で「θ」モータと呼ぶ、第2のモータをさらに含み得る。したがって、体積走査は、すべての平面が、1つの体積走査を完了するように走査されるまで、θモータを第1の平面に移動し、第1の平面のセクタを掃引するようにφモータを移動し、θモータを第2の平面に移動し、第2の平面のセクタを掃引するようにφモータを移動し、θモータを第3の平面に移動することなどによって実行され得る。
【0008】
体積走査はθホーミング(homing)を用いて実行され得る。θホーミングでは、θモータは、次の体積走査を開始するために、体積走査が完了した後に初期θモータ位置に戻る。体積走査はまた、φホーミングを用いて実行され得る。φホーミングでは、φモータは、ある方向において走査を実行するだけである。したがって、φホーミングでは、φモータは、平面を走査した後に初期位置に戻り、θモータは、次の平面に移動する前にφモータが戻るのを待つ必要がある。θホーミング及びφホーミングは、走査を減速させ、画像品質を低減する。たとえば、θホーミングは、連続体積走査間に大きい遅延を生成し得、φホーミングは、各個々の体積走査を実行するために必要とされる時間の量を増加させ得る。さらに、そのような遅い体積走査レートは、かなりの動きぶれを引き起こし、画像品質を低減し得る。
【0009】
本明細書で説明する実装形態は、超音波プローブを用いた一般化されたインターレース走査に関する。インターレース走査は、インターレースθモータ動きと双方向φモータ動きとを含み得る。インターレース走査は、θホーミングなしで及びφホーミングなしで実行され得、ホーミング遅延なしのスムーズな連続体積走査、改善された体積走査レート、及び低減された動きぶれを生成する。
【0010】
インターレース走査は走査平面の数によって定義され得る。たとえば、走査平面は、円の周りに分配され、180°を走査平面の数で割ったものに対応する角度によって分離され得る。インターレース走査はさらに、インターレーシング・ファクタkによって定義され得、走査平面はk個のグループに分割され得る。インターレース走査はルールのセットに従い得る。ルールは、φモータが平面ごとに方向を変更することと、θモータが平面のグループごとに方向を変更することと、θモータが平面のグループ内で方向を変更しないこととを含み得る。さらに、θホーミングが実行されないので、θモータが特定の平面内で始動する状態で第1の体積走査が実行され、その後、θモータが異なる平面内で始動する状態で第2の体積走査が実行され得る。
【0011】
超音波システムは、超音波トランスデューサを使用して患者の体の当該領域の体積を走査するためのインターレーシング走査のための走査平面の数を選択することと、インターレーシング走査のためのインターレーシング・ファクタを選択することと、インターレーシング・ファクタに基づいて走査平面を走査平面のグループに分割することと、平面を走査するためのφモータと、異なる平面に移動するためのθモータとを制御することによってインターレーシング走査を実行することであって、φモータが走査平面のうちの少なくともいくつかについて前方向に移動し、走査平面の他の走査平面について後方向に移動する、インターレーシング走査を実行することとを行うように構成され得る。さらに、θモータは、走査平面のグループのうちの少なくともいくつかについて前方向に移動し、走査平面のグループの他の走査平面について後方向に移動し得る。
【0012】
さらに、インターレーシング・ファクタに基づいて走査平面を走査平面のグループに分割することは、走査平面に連続的に番号を付けることと、走査平面をインターレーシング・ファクタに対応する走査平面のいくつかのグループに分割することと、番号を付けられた走査平面を走査平面のグループに連続的に分配することとを含み得る。
【0013】
さらに、インターレーシング走査を実行することは、前の平面を走査するときφモータが移動した方向と反対である方向にφモータを移動することによって特定の平面を走査することと、インターレーシング・ファクタに対応する平面の数だけθモータを移動することによって次の平面に移動することであって、次の平面が、前に走査された平面とは異なるグループ中にある場合、θモータの方向が変化する、次の平面に移動することとを含み得る。
【0014】
いくつかの実装形態では、超音波プローブは、θモータ及びφモータをもつ単一の超音波トランスデューサの代わりに、超音波トランスデューサの1次元(1D)線形又は屈曲アレイと、θモータとを含み得る。そのような実装形態では、平面を走査するためのφモータの動きは、平面を走査するために超音波トランスデューサの1Dアレイを電子的に制御することによって交換され得る。したがって、そのような実装形態では、インターレーシング走査を実行することは、平面を走査するために超音波トランスデューサの1Dアレイを制御することと、異なる平面に移動するために垂直軸の周りに超音波トランスデューサの1Dアレイを回転するように構成されたモータを制御することとを含み、モータは、走査平面のグループ内で方向を変更することなしに、走査平面のあらゆるグループについて方向を変更し得る。たとえば、インターレーシング走査は、トランスデューサの1Dアレイを電子的に制御することによって特定の平面を走査することと、インターレーシング・ファクタに対応する平面の数だけθモータを移動することによって次の平面に移動することであって、次の平面が、前に走査された平面とは異なるグループ中にある場合、θモータの方向が変化する、次の平面に移動することとを含み得る。
【0015】
特定の実装形態は、2つの走査平面をもち、インターレーシング・ファクタkが2に設定された、インターレーシング走査を含み得る。そのような実装形態は連続双平面走査を生じ得る。
【0016】
本明細書で説明する実装形態は、さらに、φモータ及びθモータの動きを重ね合わせることに関する。φモータの動きのアークは、加速の領域と、定速の領域と、減速の領域とを含み得る。超音波画像データ収集は、θモータが静止したままでいる間に定速の領域内で実行され得る。しかしながら、φモータの加速又は減速中にデータ収集が実行されないので、φモータが加速又は減速している時間の間のθモータの動きは、φモータ加速/減速及び/又はθモータ動きからの遅延を低減することによって体積走査レートを改善し得る。したがって、インターレーシング走査を実行することは、φモータがφモータの動きの範囲の加速又は減速領域にある間に回転するようにθモータを制御することを含み得る。たとえば、θモータは、φモータが動きの範囲の加速又は減速領域にある間、第1の平面から第2の平面に移動し得る。
【0017】
本明細書で説明する実装形態は、さらに、連続θモータ動きに関する。超音波プローブは、超音波トランスデューサへの配線などの配線を含み得る。配線はθモータの動きの範囲を限定し得る。たとえば、ある方向において連続的に回転することは、配線が超音波トランスデューサをベースに取り付けるスピンドルの周りに巻き付く原因になり得るか、又は配線が破損する原因になり得るので、配線は、θモータがある方向において連続的に回転することを妨げ得る。超音波プローブは連続θモータ動きを可能にするように構成され得る。いくつかの実装形態では、配線は導電性スリップ・リングと交換され得る。他の実装形態では、配線は、Bluetooth接続、Bluetooth低エネルギー接続、近距離通信(NFC)接続、及び/又は別のタイプの短距離ワイヤレス通信接続など、超音波トランスデューサへのワイヤレス通信接続と交換され得る。したがって、インターレーシング走査を実行することは、走査平面のすべてのグループについて同じ方向に移動するようにθモータを制御することを含み得る。
【0018】
図1Aは、本明細書で説明する一実装形態による例示的な超音波システム100を示す図である。
図1Aに示されているように、超音波システム100は、超音波プローブ110と、ベース・ユニット120と、ケーブル130とを含み得る。
【0019】
超音波プローブ110は、特定の周波数及び/又はパルス繰り返し率で超音波エネルギーを生成し、反射された超音波エネルギー(たとえば、超音波エコー)を受信し、反射した超音波エネルギーを電気信号に変換するように構成された1つ又は複数の超音波トランスデューサを格納し得る。たとえば、いくつかの実装形態では、超音波プローブ110は、約2メガヘルツ(MHz)から約10MHz又はそれ以上(たとえば、18MHz)まで延びる範囲内で超音波信号を送信するように構成され得る。他の実装形態では、超音波プローブ110は、異なる範囲内で超音波信号を送信するように構成され得る。さらに、超音波プローブ110は、超音波トランスデューサの動きを制御するための1つ又は複数のモータを格納し得る。
【0020】
超音波プローブ110は、ハンドル112と、トリガ114と、(「ノーズ」とも呼ばれる)ドーム118とを含み得る。ユーザ(たとえば、医師など)は、ハンドル112を介して超音波プローブ110を保持し、トリガ114を押して、ドーム118中に位置する1つ又は複数の超音波トランシーバ及びトランスデューサを活動化させて、患者の当該領域(たとえば、特定の人体器官、人体関節、血管など)に向けて超音波信号を送信し得る。たとえば、プローブ110は患者の骨盤領域上及び患者の膀胱の上に配置され得る。
【0021】
ハンドル112は、ユーザが患者の当該領域に対してプローブ110を移動することを可能にする。トリガ114が活動化すると、患者の当該領域が走査されるときにドーム118が患者の体の表面部分と接触している間、選択された解剖学的部分の超音波走査が開始される。いくつかの実装形態では、トリガ114はトグル・スイッチ116を含み得る。トグル・スイッチ116は、超音波システム100の照準モード中に、異なる照準平面間でトグルするために使用され得る。
【0022】
ドーム118は、1つ又は複数の超音波トランスデューサを囲み得、解剖学的部分に適切な音響インピーダンス整合を与え、及び/又は超音波エネルギーが解剖学的部分中に投影される際に超音波エネルギーが適切に集束されることを可能にする材料から形成され得る。ドーム118はまた、超音波信号を送信し、受信するための送信機と受信機とを含むトランシーバ回路を含み得る。プローブ110は、ケーブル130を介してなど、ワイヤード接続を介してベース・ユニット120と通信し得る。他の実装形態では、プローブ110は、ワイヤレス接続(たとえば、Bluetooth、WiFiなど)を介してベース・ユニット120と通信し得る。
【0023】
ベース・ユニット120は、走査された解剖学的領域の画像を生成するために、プローブ110によって受信された反射された超音波エネルギーを処理するように構成された1つ又は複数のプロセッサ又は処理論理を格納し、含み得る。さらに、ベース・ユニット120は、ユーザが超音波走査からの画像を閲覧することを可能にするための、及び/又はプローブ110の動作中にユーザに対して動作上の対話を可能にするためのディスプレイ122を含み得る。たとえば、ディスプレイ122は、液晶ディスプレイ(LCD)など、出力ディスプレイ/スクリーン、発光ダイオード(LED)ベースディスプレイ、タッチスクリーン、及び/又はユーザにテキスト及び/又は画像データを与える別のタイプのディスプレイを含み得る。
【0024】
たとえば、ディスプレイ122は、プローブ110を患者の選択された解剖学的部分に対して配置するための命令を与え得る。代替的に、超音波プローブ110は、超音波プローブ110を配置するための命令を与える(たとえば、ハンドル112中に)小型ディスプレイを含み得る。ディスプレイ122はまた、選択された解剖学的領域の2次元又は3次元画像を表示し得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイ122は、ユーザが、超音波走査に関連する様々な特徴を選択することを可能にするグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を含み得る。たとえば、ディスプレイ122は、平面の数及び/又はインターレーシング・ファクタなど、インターレース体積走査を実行するための1つ又は複数のパラメータを選択するための選択項目(たとえば、ボタン、ドロップダウン・メニュー項目、チェックボックスなど)を含み得る。さらに、ディスプレイ122は、Bモード超音波画像、確率モード(Pモード)超音波画像、ドップラー・モード超音波画像、高調波モード超音波画像、Mモード超音波画像、及び/又は他のタイプの超音波画像など、取得されるべき特定のタイプの超音波画像を選択するための選択項目を含み得る。
【0025】
図1Bは、本明細書で説明する一実装形態による超音波システム100のための例示的な環境150を示す図である。環境150は、患者160に対する超音波システム100の動作を示す。
図1Bに示されているように、患者160は、患者の当該領域が走査され得るように配置され得る。たとえば、当該領域が患者の膀胱165に対応すると仮定する。膀胱165を走査するために、超音波プローブ110は、走査されるべき解剖学的部分に近接する患者160の表面部分に対して配置され得る。ユーザは、ドーム118が皮膚に対して配置されたときに音響インピーダンス整合を与えるために、膀胱165の領域の上の患者160の皮膚に音響ゲル170(又はゲル・パッド)を塗布し得る。ユーザは、トリガ114を押下することによって、ディスプレイ122上の走査ボタンを押下することによって、ボイス・コマンドを発話することによって、及び/又は別のタイプの走査アクティブ化技法を使用して、膀胱165の体積走査を実行することを選択し得る。応答して、超音波プローブ110は、膀胱165を通して超音波信号180を送信し得、反射された超音波信号を受信し得る。反射された超音波信号は処理されて、ディスプレイ122上に表示される画像になり得る。
【0026】
図1A及び
図1Bは超音波システム100の例示的な構成要素を示すが、他の実装形態では、超音波システム100は、より少ない構成要素、異なる構成要素、追加の構成要素、又は
図1A及び
図1Bに示されているものとは異なって構成される構成要素を含み得る。追加又は代替として、超音波システム100の1つ又は複数の構成要素は、超音波システム100の1つ又は複数の他の構成要素によって実行されるものとして説明される1つ又は複数のタスクを実行し得る。
【0027】
たとえば、他の実施例では、超音波プローブ110は、1つ又は複数の超音波トランスデューサを動作可能に制御するように、また、超音波画像を生成するために反射された超音波エネルギーを処理するように構成された、超音波プローブ110内に格納されたマイクロプロセッサを含む自蔵式デバイスに対応し得る。したがって、超音波プローブ110上のディスプレイは、生成された画像を表示するために、及び/又は超音波プローブ110の動作に関連する他の情報を閲覧するために使用され得る。また他の実装形態では、超音波プローブ110は、超音波プローブ110の動作を少なくとも部分的に制御するソフトウェアを含む、及び/又は超音波画像を生成するために超音波プローブ110から受信された情報を処理するソフトウェアを含む、ラップトップ、タブレット、及び/又はデスクトップ・コンピュータなどの汎用コンピュータに(ワイヤード又はワイヤレス接続を介して)結合され得る。
【0028】
図2Aは、本明細書で説明する一実装形態による超音波プローブ110の第1の例示的な実装形態の図である。
図2Aに示されているように、超音波プローブ110は、2つの回転モータに結合された単一のトランスデューサ要素を含み得る。この実装形態では、超音波プローブ110は、ドーム118に接続されたベース210と、θモータ220と、スピンドル230と、φモータ240と、トランスデューサ260をもつトランスデューサ・バケット250とを含み得る。θモータ220、φモータ240、及び/又はトランスデューサ260は、ケーブル130(
図2Aに示されていない)を介してθモータ220、φモータ240、及び/又はトランスデューサ260をベース・ユニット120に電気的に接続するワイヤード又はワイヤレス電気接続を含み得る。
【0029】
ベース210は、θモータ220を格納し、超音波プローブ110に対する構造的支持を与え得る。ベース210は、ドーム118に接続し得、超音波プローブ110の構成要素を外部環境から保護するためにドーム118とともにシールを形成し得る。θモータ220は、本明細書でθ(シータ)回転平面225と呼ぶ垂直軸の周りを回転することによって、トランスデューサ260に対して長手方向にスピンドル230をベース210に対して回転し得る。スピンドル230はシャフト235において終端し得、φモータ240はシャフト235上に取り付けられ得る。φモータ240は、本明細書でφ(ファイ)回転平面245と呼ぶ水平軸の周りをθ回転平面225に直交する軸の周りを回転し得る。トランスデューサ・バケット250は、φモータ240に取り付けられ得、φモータ240とともに移動し得る。
【0030】
トランスデューサ260はトランスデューサ・バケット250に取り付けられ得る。トランスデューサ260は、圧電トランスデューサ、容量性トランスデューサ、及び/又は別のタイプの超音波トランスデューサを含み得る。トランスデューサ260は、トランスデューサ260に関連するトランシーバ回路とともに、特定の超音波周波数又は超音波周波数の範囲において電気信号を超音波信号に変換し、反射された超音波信号(たとえば、エコーなど)を受信し、受信された超音波信号を電気信号に変換する。トランスデューサ260は、トランスデューサ260の表面に実質的に直角である信号方向265において超音波信号を送信し、受信し得る。
【0031】
信号方向265はφモータ240の動きによって制御され得、φモータの方位はθモータ220によって制御され得る。たとえば、φモータ240は、特定の平面についての超音波画像データを生成するために180度よりも小さい角にわたって往復回転し得、θモータ220は、異なる平面についての超音波画像データを取得するために特定の位置に対して回転し得る。
【0032】
照準モードでは、φモータ240が、特定の照準平面についての超音波画像データを取得するために往復回転している間、θモータ220は静止したままであり得る。照準モードでは、θモータ220は複数の照準平面の間で往復移動し得、φモータ240は、超音波画像データを取得するために往復回転し得る。実例として、θモータ220は、照準モードが選択されている間、2つの直交する平面の間で移動し得る。別の実例として、θモータ220は、照準モード中に、互いに120度にある3つの平面を通して連続的に回転し得る。
【0033】
3D走査モードでは、θモータ220は、当該領域のフル3D走査を取得するために、1回又は複数回、平面のセットを通して巡回し得る。平面のセットの各特定の平面内で、φモータ240は、特定の平面についての超音波画像データを取得するために回転し得る。θモータ220及びφモータ240の動きは3D走査モードにおいてインターレースされ得る。たとえば、第1の方向におけるφモータ240の動きの後には、第1の平面から第2の平面へのθモータ220の動きが続き、その後、第1の方向と反対の第2の方向におけるφモータ240の動きが続き、その後、第2の平面から第3の平面へのθモータ220の動きなどが続き得る。そのようなインターレースされた動きは、超音波プローブ110が、スムーズな連続体積走査を取得することを可能にするとともに、走査データが取得されるレートを改善し得る。
【0034】
3D走査を備える超音波平面画像は、Bモード超音波画像、Pモード超音波画像、ドップラー・モード画像(たとえば、電力ドップラー、持続波ドップラー、パルス波ドップラーなど)、高調波モード超音波画像、動きモード(Mモード)超音波画像、及び/又は他のタイプの超音波画像を含み得る。
【0035】
いくつかの実装形態では、超音波プローブ110は、θモータ220の連続動きを可能にするように構成され得る。たとえば、ベース210からφモータ240及び/又は超音波トランスデューサ260への配線はθモータ220の動きを特定の方向に限定し得る。したがって、θモータ220は、ワイヤの巻き付き又は破損を防ぐために、超音波トランスデューサ260を特定の走査平面に移動するように、前方に回転することと後方に回転することとを交互に行う必要があり得る。いくつかの実装形態では、配線は、θモータ220のそのような動きを限定せず、θモータ220がある方向に回転し続けることを可能にする、電気接続と交換され得る。
【0036】
いくつかの実装形態では、配線はスピンドル230上の及び/又はシャフト235上の1つ又は複数の導電性スリップ・リングと交換され得る。導電性スリップ・リングは、互いの周りに回転する間に接触を維持する2つの導電面との電気接続を維持し得る。さらに、摩擦を低減するために2つの導電面間に導電性潤滑剤が存在し得る。他の実装形態では、配線は1つ又は複数のワイヤレス接続と交換され得る。たとえば、ベース210は第1のワイヤレス・トランシーバを含み得、トランスデューサ・バケット250は第2のワイヤレス・トランスデューサを含み得る。2つのワイヤレス・トランスデューサは、超音波トランスデューサ260を制御するためにワイヤレス信号を交換し得る。ワイヤレス・トランスデューサは、たとえば、Bluetooth接続、Bluetooth低エネルギー接続、NFC接続、及び/又は別のタイプの短距離ワイヤレス通信方法など、短距離ワイヤレス通信方法を介して通信し得る。
【0037】
図2Bは、本明細書で説明する一実装形態による超音波プローブ110の第2の例示的な実装形態の図である。
図2Bに示されているように、超音波プローブ110は、回転モータに結合されたトランスデューサ要素の1Dアレイを含み得る。この実装形態では、超音波プローブ110は、ドーム118に接続されたベース210と、θモータ220と、スピンドル230と、1Dトランスデューサ・アレイ275をもつトランスデューサ・バケット270とを含み得る。θモータ220及び/又は1Dトランスデューサ・アレイ275は、ケーブル130(
図2Bに示されていない)を介してθモータ220及び/又は1Dトランスデューサ・アレイ275をベース・ユニット120に電気的に接続するワイヤード又はワイヤレス電気接続を含み得る。
【0038】
ベース210は、θモータ220を格納し、超音波プローブ110に対する構造的支持を与え得る。ベース210は、ドーム118に接続し得、超音波プローブ110の構成要素を外部環境から保護するためにドーム118とともにシールを形成し得る。θモータ220は、θ回転平面225の周りを回転することによって、1Dトランスデューサ・アレイ275に対して長手方向にスピンドル230をベース210に対して回転し得る。スピンドル230はトランスデューサ・バケット270において終端し得る。1Dトランスデューサ・アレイ275はトランスデューサ・バケット270に取り付けられ得る。1Dトランスデューサ・アレイ275は、圧電トランスデューサ、容量性トランスデューサ、及び/又は他のタイプの超音波トランスデューサの湾曲した又は段階的1Dアレイを含み得る。1Dトランスデューサ・アレイ275は、特定の超音波周波数又は超音波周波数の範囲において電気信号を超音波信号に変換し得、反射された超音波信号(たとえば、エコーなど)を受信し得、受信された超音波信号を電気信号に変換し得る。1Dトランスデューサ・アレイ275の1つ又は複数の要素は、
図2Bに項目276として示されている、方向のセットのうちの特定の方向に超音波信号を送信し、受信し得る。したがって、一緒に、1Dトランスデューサ・アレイ275の要素は、1Dトランスデューサ・アレイ275の要素を電子的に制御することによって特定の平面についての超音波画像データを生成し得る。
【0039】
φモータ240を使用する代わりに、特定の平面を走査するために
図2Bの超音波プローブ110を使用してインターレーシング走査を実行するとき、1Dトランスデューサ・アレイ275は、1Dトランスデューサ・アレイ275中のトランスデューサのサブセットを選択的に発射させることによって、又は個々のトランスデューサ要素間の発射遅延を制御することによってのいずれかで、φ方向に超音波ビームを電子的にティルトするように制御され、その結果、1Dトランスデューサ・アレイ275が前方又は後方のいずれかの方向にアークで超音波ビームを電子的に掃引し得る。他の実装形態では、1Dトランスデューサ・アレイ275のトランスデューサは、1Dトランスデューサ・アレイ275が配置された平面についての超音波画像データを取得するように実質的に同時に発射させられ得る。
【0040】
したがって、3D走査モードでは、θモータ220は、当該領域のフル3D走査を取得するために1回又は複数回、平面のセットを通して巡回し得る。平面のセットの各特定の平面内で、1Dトランスデューサ・アレイ275は、1Dトランスデューサ・アレイ275のトランスデューサを制御することによって超音波画像データを取得し得る。θモータ220の動き及び1Dトランスデューサ・アレイ275の発射は3D走査モードでインターレースされ得る。たとえば、1Dトランスデューサ・アレイ275の発射の後に、第1の平面から第2の平面へのθモータ220の動きが続き、その後に、1Dトランスデューサ・アレイ275の別の発射が続き、その後に、第2の平面から第3の平面へのθモータ220の動きなどが続き得る。そのようなインターレースされた動きは、超音波プローブ110が、スムーズな連続体積走査を取得すること、並びに、走査データが取得されるレートを改善することを可能にし得る。
【0041】
いくつかの実装形態では、
図2Bの超音波プローブ110は、θモータ220の連続動きを可能にするように構成され得る。たとえば、ベース210から1Dトランスデューサ・アレイ275への配線はθモータ220の動きを特定の方向に限定し得る。したがって、θモータ220は、ワイヤの巻き付き又は破損を防ぐために、1Dトランスデューサ・アレイ275を特定の走査平面に移動するように、前方に回転することと後方に回転することとを交互に行う必要があり得る。いくつかの実装形態では、配線は、θモータ220のそのような動きを限定せず、θモータ220がある方向に回転し続けることを可能にする、電気接続と交換され得る。さらに、いくつかの実装形態では、配線は、
図2Aに関して上記で説明したように、スピンドル230上の及び/若しくはシャフト235上の1つ又は複数の導電性スリップ・リング、並びに/又は1つ又は複数のワイヤレス接続と交換され得る。
【0042】
図2Cは、本明細書で説明する一実装形態による、超音波プローブ110の第3の例示的な実装形態の図である。
図2Cに示されているように、超音波プローブ110は、スピンドル230がシャフト235及び信号方向265に対して直角に配置された状態で構成され得る。φモータ240はシャフト235の軸の周りに回転するので、
図2Cに示された超音波プローブ110の構成では、θモータ220は、スピンドル230の周りの回転平面225内でφモータ240によって走査される走査平面を移動することになり得る。
【0043】
図2Dは、本明細書で説明する一実装形態による、超音波プローブ110の第4の例示的な実装形態の図である。
図2Dに示されているように、超音波プローブ110はトランスデューサ・バケット270と1Dトランスデューサ・アレイ275とを含み、スピンドル230は方向276のセットの中心に対して直角に配置され得る。
図2Dに示された超音波プローブ11の構成では、θモータ220は、スピンドル230の周りの回転平面225内で1Dトランスデューサ・アレイ275によって走査される走査平面を移動することになり得る。したがって、
図2A及び
図2Bでは、φモータ240は水平軸の周りに回転し、θモータ220は垂直軸の周りに回転するが、
図2C及び2Dでは、φモータ240は第1の水平軸の周りに回転し、θモータ220は、第1の水平軸に対して直角である第2の水平軸の周りに回転する。
【0044】
図2C及び
図2Dに示された超音波プローブ110の構成は、
図2A及び
図2Bに示された超音波プローブ110の構成を使用して、平面(たとえば、水平面)内で走査平面を移動することと比較して、円柱湾曲面に沿ってφモータ240によって走査される走査平面を移動することによって、ファン走査(fan scan)の実行を可能にする。ファン走査は、患者の当該領域が凹表面(たとえば、首の前面、関節の屈曲面、下背部など)に対応するときに、及び/又はターゲット器官が細長い形状を有する(たとえば、大動脈、大腸などを走査する)ときに使用され得る。本明細書で説明するインターレース走査はまた、
図2C及び
図2Dに示された超音波プローブ110の構成を使用して実装され得る。
【0045】
図2A及び
図2Bは超音波プローブ110の例示的な構成要素を示すが、他の実装形態では、超音波プローブ110は、より少ない構成要素、異なる構成要素、追加の構成要素、又は
図2A及び
図2Bに示されているものとは異なって構成される構成要素を含み得る。追加又は代替として、超音波プローブ110の1つ又は複数の構成要素は、超音波プローブ110の1つ又は複数の他の構成要素によって実行されるものとして説明される1つ又は複数のタスクを実行し得る。
【0046】
図3は、本明細書で説明する一実装形態によるデバイス300の例示的な構成要素を示す図である。超音波プローブ110及び/又はベース・ユニット120は、それぞれ1つ又は複数のデバイス300を含み得る。
図3に示されているように、デバイス300は、バス310と、プロセッサ320と、メモリ330と、入力デバイス340と、出力デバイス350と、通信インターフェース360とを含み得る。
【0047】
バス310は、デバイス300の構成要素の間の通信を可能にする経路を含み得る。プロセッサ320は、命令を解釈し、実行する、任意のタイプのシングルコア・プロセッサ、マルチコア・プロセッサ、マイクロプロセッサ、ラッチベース・プロセッサ、及び/又は処理論理(又はプロセッサ、マイクロプロセッサ、及び/又は処理論理のファミリー)を含み得る。他の実施例では、プロセッサ320は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、及び/又は別のタイプの集積回路又は処理論理を含み得る。
【0048】
メモリ330は、プロセッサ320による実行のための、情報及び/又は命令を記憶し得る任意のタイプの動的記憶デバイス、及び/又はプロセッサ320による使用のための情報を記憶し得る任意のタイプの不揮発性記憶デバイスを含み得る。たとえば、メモリ330は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、又は別のタイプの動的記憶デバイス、読取り専用メモリ(ROM)デバイス、若しくは別のタイプの静的記憶デバイス、コンテンツ・アドレッサブル・メモリ(CAM)、磁気及び/又は光記録メモリ・デバイス及びそれの対応するドライブ(たとえば、ハード・ディスク・ドライブ、光ドライブなど)、及び/又はフラッシュ・メモリなどの取外し可能な形態のメモリを含み得る。
【0049】
入力デバイス340は、オペレータがデバイス300に情報を入力することを可能にし得る。入力デバイス340は、たとえば、キーボード、マウス、ペン、マイクロフォン、リモート・コントロール、オーディオ・キャプチャ・デバイス、画像及び/又はビデオ・キャプチャ・デバイス、タッチスクリーン・ディスプレイ、及び/又は別のタイプの入力デバイスを含み得る。いくつかの実施例では、デバイス300は、リモートで管理され得、入力デバイス340を含まないことがある。言い換えれば、デバイス300は、「ヘッドレス」であり得、たとえば、キーボードを含まないことがある。
【0050】
出力デバイス350はデバイス300のオペレータに情報を出力し得る。出力デバイス350は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、及び/又は別のタイプの出力デバイスを含み得る。たとえば、デバイス300は、顧客にコンテンツを表示するための液晶ディスプレイ(LCD)を含み得る、ディスプレイを含み得る。いくつかの実施例では、デバイス300は、リモートで管理され得、出力デバイス350を含まないことがある。言い換えれば、デバイス300は、「ヘッドレス」であり得、たとえば、ディスプレイを含まないことがある。
【0051】
通信インターフェース360は、デバイス300が、ワイヤレス通信(たとえば、無線周波数、赤外線、及び/又は視覚オプティクスなど)、ワイヤード通信(たとえば、導線、より対線、同軸ケーブル、伝送線路、光ファイバー・ケーブル、及び/又は導波路など)、又はワイヤレス通信とワイヤード通信の組合せを介して、他のデバイス及び/又はシステムと通信することを可能にする、トランシーバを含み得る。通信インターフェース360は、ベースバンド信号を無線周波数(RF)信号に変換する送信機、及び/又はRF信号をベースバンド信号に変換する受信機を含み得る。通信インターフェース360は、RF信号を送信し、受信するためのアンテナに結合され得る。
【0052】
通信インターフェース360は、入力ポート及び/若しくは出力ポートを含む論理構成要素、入力システム及び/若しくは出力システム、並びに/又は他のデバイスへのデータの送信を促進する他の入力構成要素及び出力構成要素を含み得る。たとえば、通信インターフェース360は、ワイヤード通信のためのネットワーク・インターフェース・カード(たとえば、イーサネット(登録商標)・カード)、及び/又はワイヤレス通信のためのワイヤレス・ネットワーク・インターフェース(たとえば、WiFi)カードを含み得る。通信インターフェース360はまた、ケーブルを介した通信のためのユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、Bluetooth(商標)ワイヤレス・インターフェース、無線周波数識別(RFID)インターフェース、近距離通信(NFC)ワイヤレス・インターフェース、及び/又はデータを1つの形態から別の形態に変換する任意の他のタイプのインターフェースを含み得る。
【0053】
以下で詳細に説明するように、デバイス300は、インターレース走査を実行することに関係するいくつかの動作を実行し得る。デバイス300は、プロセッサ320がメモリ330などコンピュータ可読媒体に含まれているソフトウェア命令を実行することに応答して、これらの動作を実行し得る。コンピュータ可読媒体は非一時的メモリ・デバイスとして定義され得る。メモリ・デバイスは、単一の物理メモリ・デバイス内で実装されるか、又は複数の物理メモリ・デバイスにわたって拡散し得る。ソフトウェア命令は別のコンピュータ可読媒体から又は別のデバイスからメモリ330に読み込まれ得る。メモリ330に含まれているソフトウェア命令は、プロセッサ320に本明細書で説明するプロセスを実行させ得る。代替的に、本明細書で説明するプロセスを実装するためのソフトウェア命令の代わりに、又はそれと組み合わせて、ハードワイヤード回路が使用され得る。したがって、本明細書で説明する実装形態はハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されない。
【0054】
図3はデバイス300の例示的な構成要素を示すが、他の実装形態では、デバイス300は、より少ない構成要素、異なる構成要素、追加の構成要素、又は
図3に示されているものとは異なって構成される構成要素を含み得る。追加又は代替として、デバイス300の1つ又は複数の構成要素は、デバイス300の1つ又は複数の他の構成要素によって実行されるものとして説明される1つ又は複数のタスクを実行し得る。
【0055】
図4は、超音波システム100の例示的な機能構成要素を示す図である。超音波システム100の機能構成要素は、たとえば、メモリ330からの命令を実行するプロセッサ320を介して実装され得る。代替的に、超音波システム100の機能構成要素のいくつか又はすべてはハードワイヤード回路を介して実装され得る。
図4に示されているように、超音波システム100は、ユーザ・インターフェース410と、インターレース走査マネージャ420と、走査順序テーブル・データベース(DB)425と、画像生成器430と、データ・コレクタ450とを含み得る。
【0056】
ユーザ・インターフェース410は、ディスプレイ122を介して超音波画像をユーザに表示し、ディスプレイ122に関連するタッチスクリーンを介して、ベース・ユニット120上及び/又は超音波プローブ110上に位置する1つ又は複数の制御キーを介して、ベース・ユニット120中に含まれるマイクロフォンを介して、及び/又は別のタイプの入力方法を介して、ユーザからの選択及び/又はコマンドを受信するように構成されたユーザ・インターフェース(たとえば、グラフィカル・ユーザ・インターフェース)を生成し得る。たとえば、ユーザは、ユーザ・インターフェース410を介して超音波画像のタイプ、照準モードを選択し得、1つ又は複数の照準モード平面を選択し得、並びに/又はユーザが照準モード中の超音波プローブ110の位置に満足すると3D走査を実行することを選択し得る。
【0057】
インターレース走査マネージャ420は、患者の体における当該領域についての3D走査を生成し得る。たとえば、ユーザが3D走査を実行することを選択したことに応答して、インターレース走査マネージャ420は、走査順序テーブルDB425に記憶された情報に基づいて、θモータ220及びφモータ240のインターレース動きを用いて特定のシーケンスにおける平面の特定のセットについての超音波画像を生成するように、画像生成器430に命令し得る。走査順序テーブルDB425は1つ又は複数の走査順序テーブルを記憶し得る。特定の走査順序テーブルは、特定の数の平面及び特定のインターレーシング・ファクタkについて、平面のセットのための走査順序と、各平面についてのθモータ220及びφモータ240のための対応する移動方向とを識別する情報を含み得る。いくつかの実装形態では、特定の走査順序テーブルがユーザによって選択され得る。他の実装形態では、特定の走査順序テーブルが1つ又は複数の走査パラメータに基づいて選択され得る。例示的な走査順序テーブルについて、
図6A、
図6B、及び
図6Cを参照して以下で説明する。
【0058】
さらに、インターレース走査マネージャ420は、ユーザが特定のタイプのインターレース走査を選択し、次いで実行することを可能にするように構成され得る。たとえば、インターレース走査マネージャ420は、ある方向における連続θモータ動き、及び/又は他のタイプのインターレース走査を実行するために、φモータ及びθモータ動きの重ね合わせを伴う走査(たとえば、φモータ240がそれの動きの範囲の加速又は減速領域にある間に、θモータ220を第1の平面から第2の平面に移動する)を実行するために連続双平面走査を選択し、実行し得る。
【0059】
画像生成器430は特定の平面内に超音波画像を生成し得る。たとえば、画像生成器430は、特定のタイプの超音波画像を取得するように、特定の平面に(たとえば、θモータ220の特定の位置)移動するように、及び(たとえば、φモータ240及びトランスデューサ260を使用して)特定の平面についての特定のタイプの超音波画像を生成するように、データ・コレクタに命令し得る。
【0060】
データ・コレクタ450は、超音波プローブ110から超音波画像データを収集するように構成され得る。データ・コレクタ450は、φモータ・コントローラ460と、θモータ・コントローラ470と、トランスデューサ・コントローラ480とを含み得る。φモータ・コントローラ460はφモータ240を制御し得る。θモータ・コントローラ470はθモータ220を制御し得る。トランスデューサ・コントローラ480はトランスデューサ260を制御し得る。
【0061】
図4は超音波システム100の例示的な構成要素を示すが、他の実装形態では、超音波システム100は、より少ない構成要素、異なる構成要素、追加の構成要素、又は
図4に示されているものとは異なって構成される構成要素を含み得る。追加又は代替として、超音波システム100の1つ又は複数の構成要素は、超音波システム100の1つ又は複数の他の構成要素によって実行されるものとして説明される1つ又は複数のタスクを実行し得る。
【0062】
図5は、本明細書で説明する一実装形態による、インターレース走査のためのプロセスのフローチャートである。いくつかの実装形態では、
図5のプロセスは超音波システム100によって実行され得る。他の実装形態では、
図5のプロセスのいくつか又はすべては、超音波システム100とは別個の別のデバイス又はデバイスのグループによって実行され得る。
【0063】
図5のプロセスは、平面の数Nと、インターレーシング・ファクタkと、整数{1,...,k}のセットのうちの置換セット{b
1,...,b
k}とを定義することを含み得る(ブロック510)。インターレーシング・ファクタkは走査平面のグループの数を決定し得、置換セットは、走査平面のグループが走査されるシーケンスを定義し得る。したがって、b
iは走査平面のi番目のグループを指す。たとえば、インターレーシング・ファクタk=4をもつ、N=12個の平面がある場合、平面は、番号を付けられた平面を、4つのグループ、すなわち、グループ1={1,5,9}、グループ2={2,6,10}、グループ3={3,7,11}、及びグループ4={4,8,12}に連続的に割り当てることによって、4つのグループに分割される。実例として、{b
1,b
2,b
3,b
4}={3,2,4,1}の置換セットを選定すると、走査方向が連続グループ間で前方向と後方向との間で交互に替わる、(3->7->11)->(10->6->2)->(4->8->12)->(9->5->1)という走査平面順序が生じる。別の実例として、{b
1,b
2,b
3,b
4}={1,2,3,4}の置換セットを選定すると、(1->5->9)->(10->6->2)->(3->7->11)->(12->8->4)という走査平面順序が生じる。
【0064】
いくつかの実装形態では、ユーザは、平面の数Nと、インターレーシング・ファクタkと、インターレーシング走査が選択されるときにディスプレイ122上に表示されるオプションのリストからの置換セット{b1,...,bk}とを選択し得る。他の実装形態では、超音波システム100は、当該領域、画像サイズ、選択される超音波画像のタイプ、及び/又は別のタイプのパラメータなど、実行されるべき走査に関連する1つ又は複数のパラメータに基づいて、走査平面の特定の数、インターレーシング・ファクタ、及び/又は置換セットを自動的に選択し得る。
【0065】
変数は初期化され得る(ブロック520)。特に、現在のインデックスiは1に設定され得、現在のθモータ方向dは前方又は後方のいずれかに設定され得、現在の走査平面nは、θモータ方向dが「前方」に設定された場合は、biに設定され、θモータ方向dが「後方」に設定された場合は、N-k+biに設定され得る。いくつかの実装形態では、θモータ220についての「前方」方向は、増加する平面の数の方向に、円に沿って移動するものとして定義され得、「後方」方向は、減少する平面の数の方向に、円に沿って移動するものとして定義され得る。他の実装形態では、θモータ220についての「前方」方向と「後方」方向とは異なって定義され得る。たとえば、θモータ220についての「前方」は反時計回りと定義され得、θモータ220についての「後方」は時計回りと定義され得る。
【0066】
さらに、いくつかの実装形態では、φモータ240についての「前方」は、平面が番号を付けられた円に沿った位置から、その平面に沿って移動することと定義され得、φモータ240についての「後方」は、平面が番号を付けられた円に沿った位置に向かって、その平面に沿って移動することと定義され得る。他の実装形態では、φモータ240についての「前方」方向と「後方」方向とは異なって定義され得る。たとえば、φモータ240についての「前方」は時計回りと定義され得、θモータ220についての「後方」は反時計回りと定義され得る。
【0067】
n番目の平面が次いで走査され得る(ブロック530)。トランスデューサ260又は1Dトランスデューサ・アレイ275は、Bモード超音波走査、Pモード超音波走査、ドップラー・モード超音波走査、高調波モード超音波走査、及び/又はn番目の平面の別のタイプの超音波走査を実行し得る。実例として、
図2Aの超音波プローブ110を使用する実装形態では、n番目の平面は、前の平面を走査しているときに、φモータ240が移動した方向と反対である方向にφモータ240を移動することによって走査され得る。したがって、φモータ240が前の平面について前方向に移動した場合は、φモータ240は後方向に移動し得、φモータ240が前の平面について後方向に移動した場合は、φモータ240は前方向に移動し得る。第1の平面を走査するときφモータ240はデフォルトの第1の方向(たとえば、いくつかの実装形態では前方に、他の実装形態では後方に、など)に移動し得る。
【0068】
別の実例として、
図2Bの超音波プローブ110を使用する実装形態では、n番目の平面は、特定のシーケンスにおいてトランスデューサを発射させることによってn番目を走査するように1Dトランスデューサ・アレイ275のトランスデューサを電子的に制御することによって走査され得る。また別の実例として、1Dトランスデューサ・アレイ275のトランスデューサは、実質的に同時に又はランダムな順序でトランスデューサを発射させることによって、時間遅延なしに発射させられ得る。
【0069】
現在のθ方向が前方に設定されるかどうかに関する決定が行われ得る(ブロック540)。現在のθ方向が前方に設定される場合(ブロック540-はい)、nはn+kに設定され得る(ブロック550)。言い換えれば、現在の走査平面はインターレーシング・ファクタによって増加し得る。nが走査平面の総数に対応する、Nよりも大きい数に設定されるかどうかに関する決定が行われ得る(ブロック560)。n>N(ブロック560-はい)の場合、現在のインデックスiはmod(i,k)+1に設定され得、nはN-k+biに設定され得(ブロック570)、θモータ方向は後方に設定され得る(ブロック580)。θモータ220は、次いでn番目の走査平面に移動され得(ブロック590)、処理は、φモータ240が移動した最後の方向と反対である方向にφモータ240を移動することによって(又はn番目の平面を走査するために1Dトランスデューサ・アレイ275を電子的に制御することによって)n番目の走査平面を走査するために、ブロック530に戻り得る。ブロック560に戻ると、n≦N(ブロック560-いいえ)の場合、処理は、n番目の走査平面にθモータ220を移動するためにブロック590に進み得、処理は、φモータ240が移動した最後の方向と反対である方向にφモータ240を移動することによって(又はn番目の平面を走査するために1Dトランスデューサ・アレイ275を電子的に制御することによって)n番目の走査平面を走査するために、ブロック530に戻り得る。
【0070】
ブロック540に戻ると、現在のθ方向が後方に設定される場合(ブロック540-いいえ)、nはn-kに設定され得る(ブロック555)。言い換えれば、現在の走査平面はインターレーシング・ファクタによって減少し得る。nが1未満に設定されるかどうかに関する決定が行われ得る(ブロック565)。n<1(ブロック565-はい)の場合、現在のインデックスiはmod(i,k)+1に設定され得、nはbiに設定され得(ブロック575)、θモータ方向は前方に設定され得る(ブロック585)。θモータ220は、次いでn番目の走査平面に移動され得(ブロック590)、処理は、φモータ240が移動した最後の方向と反対である方向にφモータ240を移動することによって(又はn番目の平面を走査するために1Dトランスデューサ・アレイ275を電子的に制御することによって)n番目の走査平面を走査するために、ブロック530に戻り得る。ブロック565に戻ると、n≧1(ブロック565-いいえ)の場合、処理は、n番目の走査平面にθモータ220を移動するためにブロック590に進み得、処理は、φモータ240が移動した最後の方向と反対である方向にφモータ240を移動することによって(又はn番目の平面を走査するために1Dトランスデューサ・アレイ275を電子的に制御することによって)n番目の走査平面を走査するために、ブロック530に戻り得る。
【0071】
図5のプロセスは、ユーザが、体積走査を実行するのを停止することを選択するまで、選択された数の体積走査が実行されるまで、及び/又は異なるタイプのトリガ条件が満たされるまで、継続し得る。
【0072】
図6A、
図6B、
図6C、及び
図6Dは例示的な走査順序テーブルの図である。
図6Aは、12個の平面及び2のインターレーシング・ファクタkを用いたインターレーシング走査のための走査順序テーブル601を示す。走査順序テーブル601は、走査順序列610と、平面数列620と、φモータ方向列630と、θモータ方向列640とを含み得る。走査順序列610は、平面が走査される順序を識別する情報を含み得る。平面数列620は、円の周りの開始平面からの平面の連続番号付け(たとえば、
図7A参照)に基づいて平面の数を識別する情報を含み得る。φモータ方向列630は、各平面についてφモータ240の移動方向を識別する情報を含み得る(「FW」は平面番号付けに対する前方動きに対応し、「BW」は平面番号付けに対する後方動きに対応する)。θモータ方向列640は、平面の各グループについてのθモータ220の移動方向を識別する情報を含み得る。
【0073】
図6Aに示されているように、12個の平面、2のインターレーシング・ファクタ、及び{1,2}の置換セットについてのインターレーシング走査のための1つの体積走査についての平面の走査順序は、1、3、5、7、9、11と、後続の12、10、8、6、4、2である。φモータ240の方向は各平面とともに変化し、θモータ220の方向は平面の各グループとともに変化する。インターレーシング・ファクタが2であるので、平面のグループの数は2である。
【0074】
図6Bは、12個の平面、4のインターレーシング・ファクタk、及び{1,2,3,4}の置換セットを用いたインターレーシング走査のための走査順序テーブル602を示す。
図6Bに示されているように、12個の平面及び4のインターレーシング・ファクタについてのインターレーシング走査のための1つの体積走査についての平面の走査順序は、1、5、9と、後続の10、6、2と、後続の3、7、11と、後続の12、8、4である。φモータ240の方向は各平面とともに変化し、θモータ220の方向は平面の各グループとともに変化する。インターレーシング・ファクタが4であるので、平面のグループの数は4である。
【0075】
図6Cは、12個の平面、4のインターレーシング・ファクタk、及び{3,2,4,1}の置換セットを用いた別のインターレーシング走査のための走査順序テーブル603を示す。
図6Cに示されているように、1つの体積走査のための走査順序テーブル603についての走査順序は、3、7、11と、後続の10、6、2と、後続の4、8、12と、後続の9、5、1である。走査順序テーブル603は、異なる置換セットを有することによって走査順序テーブル602とは異なる。
【0076】
図6Dは、12個の平面、2のインターレーシング・ファクタk、及び{2,1}の置換セットを用いたインターレーシング走査のための走査順序テーブル604を示す。
図6Dに示されているように、走査順序テーブル604についての走査順序は、11、9、7、5、3、1と、後続の2、4、6、8、10、及び12である。走査順序テーブル604は、異なる置換セットを有することによって走査順序テーブル601とは異なり、θモータ方向列640が「前方」方向で開始する必要がないことを示す。
【0077】
図7A、
図7B、
図7C、及び
図7Dは、12個の平面に基づく体積走査についての例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
図7Aは、第1の体積走査710及び第2の体積走査712のための12個の平面と1のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡701を示す。
図7Aは、φモータ240が特定の平面上を移動することを証明するための平面9についてのφモータ動き714と、θモータ220が平面から平面へ移動することを証明するための平面2から平面3へのθモータ動き716とを識別する。
【0078】
図7Bは、第1の体積走査(項目720及び722)及び第2の体積走査(項目724及び726)についての12個の平面と2のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡702を示す。
図7Cは、第1の体積走査(項目730、731、及び732)及び第2の体積走査(項目733、734、及び735)についての12個の平面と3のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサの軌跡703を示す。
図7Dは、第1の体積走査(項目740、741、742、及び743)及び第2の体積走査(項目744、745、746、及び747)についての12個の平面と4のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサの軌跡704を示す。
【0079】
図8A、
図8B、
図8C、及び
図8Dは、24個の平面に基づく体積走査についての例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
図8Aは、第1の体積走査810及び第2の体積走査812についての24個の平面と1のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡801を示す。
図8Bは、第1の体積走査(項目820及び822)及び第2の体積走査(項目824及び826)についての24個の平面と2のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡802を示す。
図8Cは、第1の体積走査(項目830、831、及び832)及び第2の体積走査(項目833、834、及び835)についての24個の平面と3のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサの軌跡803を示す。
図8Dは、第1の体積走査(項目840、841、842、及び843)及び第2の体積走査(項目844、845、846、及び847)についての24個の平面と4のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサの軌跡804を示す。
【0080】
図9A及び
図9Bは、4個の平面に基づく体積走査についての例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
図9Aは、第1の体積走査910及び第2の体積走査912についての4個の平面と1のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡901を示す。
図9Bは、第1の体積走査(項目920及び922)及び第2の体積走査(項目924及び926)についての4個の平面と2のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡902を示す。
【0081】
図10A及び
図10Bは、2個の平面に基づく体積走査についての例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
図10Aは、第1の双平面走査1010及び第2の双平面走査1012についての2個の平面と1のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡1001を示す。
図10Bは、第1の双平面走査(項目1020及び1022)及び第2の双平面走査(項目1024及び1026)についての2個の平面と2のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡1002を示す。2個の平面と2のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査は連続双平面走査のケースに対応する。
【0082】
図11は連続双平面走査軌跡1100を示す。連続双平面走査では、超音波トランスデューサ260は2つの直交超音波画像(たとえば、Bモード画像)を収集し得る。φモータ240及びθモータ220の速度が十分に速い場合、連続双平面走査はリアルタイム、又はほぼリアルタイムの双平面超音波撮像のために使用され得る。連続双平面走査は、たとえば、患者の体の当該領域のリアルタイムの横方向及び縦方向図を取得するために有用であり得る。
【0083】
図7A、
図7B、
図7C、及び
図7D、
図8A、
図8B、
図8C、及び
図8D、
図9A及び
図9B、
図10A及び
図10B、並びに
図11は、θモータ220及びφモータ240の動きを含む、
図2Aの超音波プローブ110を使用した体積走査についての超音波トランスデューサ軌跡を示す。しかしながら、示されている超音波トランスデューサ軌跡はまた、φモータ動き714が、物理的なモータ動きを含むのではなく、むしろ走査されている特定の平面を表す、1Dトランスデューサ・アレイ275を使用する電子的に制御される走査で代用される場合、θモータ220と1Dトランスデューサ・アレイ275とをもつ
図2Bの超音波プローブ110を使用する体積走査について適用され得る。したがって、そのような実装形態では、各平面内のφモータ動き714の方向を表す矢印は無視され得る。
【0084】
図12はφモータ240の動きの範囲の
図1200である。
図12に示されているように、φモータ240についての動きの範囲1210は円のセクタを含み得る。たとえば、いくつかの実装形態では、動きの範囲1210は、約150°など、180°未満に及び得る。動きの範囲1210は2つの加速/減速領域1220と定速領域1230とを含み得る。たとえば、いくつかの実装形態では、定速領域1230は約120°に及び得る。φモータ240が平面を走査するとき、φモータ240は0の回転速度から走査モータ速度まで加速し得、走査モータ速度は、φモータ240が定速領域1230の開始点に到着する時間までに到達され得る。超音波トランスデューサ260は、次いで平面を走査することを開始し得、φモータ240が定速領域1230上を移動する際に平面を走査することを続け得る。超音波トランスデューサ260は定速領域1230の端部で走査することを停止し得、φモータ240は、減速することを開始し、動きの範囲1210の端部にも対応する、加速/減速領域1220の端部における静止位置に到達し得る。したがって、φモータ240は、定速領域1230に対応し、定速領域1230の角度(たとえば、120°)に対応する視角をもつ超音波画像をもたらすセクタを走査し得る。
【0085】
図12に関して上記で説明したように、加速/減速領域1220では、走査することは行われない。したがって、体積走査速度は、インターレース走査の前の平面(加速中)から又は次の平面(減速中)にθモータ220を移動することによって、φモータ240が加速/減速領域1220のうちの1つを通って移動している時間を利用することによって改善され得る。したがって、θモータ220とφモータ240との動きは重なり得る。
【0086】
図13Aは、重ね合わせなしの及び重ね合わせありの2平面体積走査についてのモータの動き軌跡及び位置を示す
図1301である。
図13Aに示されているように、重ね合わせなしの動き軌跡1310により、5つの連続体積走査について
図13Aに示されている、重ね合わせなしの動きプロファイル1315が生じる。また、
図13Aには、同じく5つの連続体積走査について示されている、重ね合わせありの動きプロファイル1325を生じる、重ね合わせありの動き軌跡1320が示されている。重ね合わせを用いると、θモータ220は、φモータ240が減速している間に次の平面に移動することを開始し、φモータ240は、θモータ220が依然として移動している間に、及びθモータ220が次の平面への移動を完了する前に、次の平面の走査のために加速することを開始する。重ね合わせありの動きプロファイル1325は、この例示的なインターレース走査では、重ね合わせが、たとえば5つの体積走査について0.2秒よりも大きい時間節約をもたらし、その結果、リアルタイムにより近い体積走査がより速くなり、動きぶれが低減されることを示す。
【0087】
図13Bは、重ね合わせなしの及び重ね合わせありの12平面体積走査についてのモータの動き軌跡及び位置を示す図である。
図13Bに示されているように、重ね合わせなしの動き軌跡1350により、1つの体積走査について
図13Bに示されている、重ね合わせなしの動きプロファイル1355が生じる。また、
図13Bには、同じく1つの体積走査について示されている、重ね合わせありの動きプロファイル1365を生じる、重ね合わせありの動き軌跡1360が示されている。重ね合わせありの動きプロファイル1365は、12個の走査平面をもつこの例示的なインターレース走査では、重ね合わせが、たとえば単一の体積走査について0.2秒よりも大きい時間節約をもたらすことを示す。
【0088】
図2に関して上記で説明したように、いくつかの実装形態では、超音波プローブ110は、ある方向におけるθモータ220の連続動きを可能にするように構成され得る。θモータ220の連続動きは、たとえば、超音波トランスデューサ260への配線を導電性スリップ・リング及び/又はワイヤレス接続と交換することによって可能にされ得る。
図14A及び
図14Bは、連続θモータ動きをもつ例示的な走査順序テーブルの図である。θモータ220の連続動きを用いた実装形態では、インターレース走査についてのルールは、以下のルール、すなわち、φモータ240の方向は体積走査中に平面ごとに変化し、θモータ220の方向は変化しない、と交換され得る。
【0089】
図14Aは、12個の平面、2のインターレーシング・ファクタk、及びθモータ220の連続動きを用いたインターレーシング走査のための走査順序テーブル1401を示す。
図14Aに示されているように、φモータ240の方向は各平面とともに変化し、θモータ220の方向は変化しない。
図14Bは、12個の平面、4のインターレーシング・ファクタk、及びθモータ220の連続動きを用いたインターレーシング走査のための走査順序テーブル1402を示す。
図14Bに示されているように、φモータ240の方向は各平面とともに変化し、θモータ220の方向は変化しない。
【0090】
図15A、
図15B、及び
図15Cは、連続θモータ動きをもつ12個の平面に基づく体積走査についての例示的な超音波トランスデューサ軌跡の図である。
図15Aは、第1の体積走査(項目1510及び1512)及び第2の体積走査(項目1514及び1516)のための12個の平面と2のインターレーシング・ファクタとに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡1501を示す。
図15Bは、第1の体積走査(項目1520及び1521)、第2の体積走査(項目1522及び1523)、及び第3の体積走査(項目1524及び1525)のための2つの平面と2のインターレーシング・ファクタ(すなわち、双平面走査)とに基づくインターレース走査についての超音波トランスデューサの軌跡1502を示す。
図15Cは、重ね合わせなし(1530)の及び重ね合わせあり(項目1535)の連続θモータ動きを用いた連続双平面走査についての超音波トランスデューサ260の軌跡を比較する
図1503を示す。
【0091】
以上の明細書では、添付の図面を参照しながら、様々な好ましい実施例について説明した。しかしながら、様々な変更及び改変がそれに対して行われ得、以下の特許請求の範囲に記載されているように、本発明のより広い範囲から逸脱することなしに、追加の実施例が実装され得ることは明らかである。明細書及び図面は、したがって、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考えられるべきである。
【0092】
たとえば、
図5に関して一連のブロックについて説明したが、ブロックの順序は他の実装形態では変更され得る。さらに、非依存ブロックは並行して実行され得る。
【0093】
上記で説明した実施例は、膀胱を走査することに関するが、大動脈、前立腺、腎臓、子宮、卵巣、心臓など、他の器官、関節、血管、及び/又は人体領域は、他の実装形態では、走査及び/又は撮像され得るだろう。さらに、いくつかの実装形態では、平面の数及び/又はインターレーシング・ファクタの選択は、画像のサイズ、当該領域、及び/又は別のパラメータに基づいて自動的であり得る。
【0094】
本システム及び/又は方法は、上記で説明したように、図に示された実装形態において、ソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアの多くの異なる形態で実装され得ることが明らかになろう。これらのシステム及び方法を実装するために使用される実際のソフトウェア・コード又は専用制御ハードウェアは実施例を限定しない。したがって、本システム及び方法の動作及び挙動については、特定のソフトウェア・コードへの言及なしに説明した。すなわち、ソフトウェア及び制御ハードウェアは、本明細書の説明に基づくシステム及び方法を実装するように設計され得ることが理解される。
【0095】
さらに、上記で説明したいくつかの部分は、1つ又は複数の機能を実行する構成要素として実装され得る。構成要素は、本明細書で使用する際、プロセッサ、ASIC、又はFPGAなどのハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せ(たとえば、ソフトウェアを実行するプロセッサ)を含み得る。
【0096】
「備える(comprise)」/「備える(comprising)」という用語は、本明細書において使用されるとき、述べられる特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を指定するために用いられるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが強調されるべきである。
【0097】
「論理」という用語は、本明細書で使用する際、1つ又は複数のメモリ・デバイスにおいて記憶される命令を実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサの組合せを指すことがあり、ハードワイヤード回路を指すことがあり、及び/又はそれらの組合せを指すことがある。さらに、論理は、単一のデバイス中に含まれ得るか、又は複数の、場合によってはリモートのデバイスにわたって分配され得る。
【0098】
本発明を説明し、定義する目的で、さらに、「実質的に」という用語は、本明細書では、任意の定量比較、値、測定、又は他の表現に帰せられ得る不確定性の固有の程度を表すために利用されることに留意されたい。「実質的に」という用語はまた、本明細書では、定量的表現が、問題となっている主題の基本機能の変化を生じることなしに、述べられた参照から変動し得る程度を表すために利用される。
【0099】
本出願において使用される要素、行為、又は命令はいずれも、そのようなものとして明示的に説明されていない限り、実施例にとって重要な又は本質的なものとして解釈されるべきでない。また、本明細書で使用する際、冠詞「a」は、1つ又は複数のアイテムを含むものとする。さらに、「に基づいて」という句は、別段に明記されていない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味するものとする。