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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20220322BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220322BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
H02J7/04 A
H02J7/04 C
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021014750
(22)【出願日】2021-02-02
【審査請求日】2021-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000195959
【氏名又は名称】西芝電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145816
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿股 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】池田 航
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-193524(JP,A)
【文献】特開2017-017824(JP,A)
【文献】特開2019-213321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/04
H01M 10/48
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電線および第2電線に接続され、前記第1電線を介して入力される入力電力を出力電力に変換し、前記出力電力を、前記第2電線を介してバッテリに供給する電力変換装置と、
前記第1電線における第1電圧を検出する第1電圧検出器と、
前記第1電線を流れる第1電流を検出する第1電流検出器と、
前記第2電線における第2電圧を検出する第2電圧検出器と、
前記第2電線を流れる第2電流を検出する第2電流検出器と、
前記第1電圧および前記第1電流と、前記第2電圧および前記第2電流のうちの少なくとも一方とに基づいて、前記電力変換装置に入力される前記入力電力を制御する電力制御指令を生成し、前記電力制御指令を前記電力変換装置に出力する制御回路と
を具備し、
前記制御回路は、定電流充電モードと定電圧充電モードとの間で充電モードを切り換えるモード切換部を備え、
前記定電流充電モードでは、前記制御回路は、前記第1電圧検出器によって検出される前記第1電圧と、前記第1電流検出器によって検出される前記第1電流と、前記第2電流検出器によって検出される前記第2電流と、予め設定される目標電流とに基づいて、前記電力制御指令を生成し、
前記定電圧充電モードでは、前記制御回路は、前記第1電圧検出器によって検出される前記第1電圧と、前記第1電流検出器によって検出される前記第1電流と、前記第2電圧検出器によって検出される前記第2電圧と、予め設定される充電終止電圧とに基づいて、前記電力制御指令を生成する
充電システム。
【請求項2】
前記制御回路は、
トリガ生成部と、
目標電流切換部と
を有し、
前記トリガ生成部は、前記第2電圧が第1トリガ電圧を超えると、第1トリガを出力し、
前記目標電流切換部は、前記第1トリガが入力されると、前記目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換える
請求項に記載の充電システム。
【請求項3】
前記目標電流切換部は、前記目標電流が第2目標電流に切り換えられてから予め設定される時間後に、前記目標電流を、第2目標電流から、第2目標電流よりも低い第3目標電流に切り換える
請求項に記載の充電システム。
【請求項4】
前記制御回路は、前記バッテリの推定充電量を算出する推定充電量算出部を備え、
前記制御回路は、前記推定充電量に基づいて、前記充電モードを、前記定電流充電モードから前記定電圧充電モードに切り換えること、および、前記目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換えることのうちの少なくとも一方を実行する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項5】
前記バッテリの内部抵抗に起因する電圧降下量が設定閾値以下であることを必要条件として、前記モード切換部は、前記充電モードを、前記定電流充電モードから前記定電圧充電モードに切り換える
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項6】
第1電線および第2電線に接続され、前記第1電線を介して入力される入力電力を出力電力に変換し、前記出力電力を、前記第2電線を介してバッテリに供給する電力変換装置と、
前記第1電線における第1電圧を検出する第1電圧検出器と、
前記第1電線を流れる第1電流を検出する第1電流検出器と、
前記第2電線における第2電圧を検出する第2電圧検出器と、
前記第2電線を流れる第2電流を検出する第2電流検出器と、
前記第1電圧および前記第1電流と、前記第2電圧および前記第2電流のうちの少なくとも一方とに基づいて、前記電力変換装置に入力される前記入力電力を制御する電力制御指令を生成し、前記電力制御指令を前記電力変換装置に出力する制御回路と
を具備し、
前記第1電圧および前記第1電流に基づいて算出される前記入力電力が、前記第2電圧および前記第2電流のうちの少なくとも一方に基づいて決定される目標電力よりも大きいとき、前記制御回路は、前記入力電力を減少させる前記電力制御指令を生成し、
前記第1電圧および前記第1電流に基づいて算出される前記入力電力が、前記第2電圧および前記第2電流のうちの少なくとも一方に基づいて決定される前記目標電力よりも小さいとき、前記制御回路は、前記入力電力を増加させる前記電力制御指令を生成する
充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置を用いてバッテリの充電を制御する充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリを充電する方法として一定の電流値で充電を行う定電流充電を実行し、バッテリの端子電圧が任意の電圧レベルに達すると、充電終止電圧をバッテリに印加して、一定の電圧値で充電を行う定電圧充電を実行するCCCV(定電流定電圧)充電方式が知られている(特許文献1を参照。)。
【0003】
CCCV充電方式では、バッテリが満充電になったときの開路電圧が充電終止電圧として設定されている。バッテリには内部抵抗があるため、定電流充電によってバッテリの端子電圧が充電終止電圧になった時の電圧には、内部抵抗に充電電流が流れることにより生じる電圧降下が含まれている。そのため、バッテリの開路電圧はまだ充電終止電圧に達しておらず、バッテリは満充電されていない。そこで、充電終止電圧等の電圧で定電圧充電を継続することで、満充電に近づける。定電圧充電時には、充電電流は徐々に減少し、内部抵抗に起因する電圧降下量は徐々に減少する。この充電方法における定電圧充電への切換以降の理想形は、完全な定電圧をバッテリに供給することである。
【0004】
図10は、従来技術における充電システムを示す。図10において、充電システムは、電源に接続された電源母線91、変換装置92、制御回路93、電流検出器94、電圧検出器95、BMU96(バッテリマネジメントユニット)、バッテリ97を有する。図10に記載の充電システムにおいて、制御回路93は、電流検出器94で検出される直流電流が一定になるように変換装置92が出力する電流を制御する。また、制御回路93は、電圧検出器95で検出される電圧が一定になるように変換装置92が出力する電圧を制御する。こうして、バッテリ97はCCCV充電される。なお、BMU96は、バッテリ97の状態監視、および/または、バッテリ97の保護を行う。BMU96は、省略されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平2―119539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示される従来技術の方法では、一般的な電力変換装置のように入力電力に応じて出力電力が変化する変換装置が採用された場合、バッテリへ給電する電流あるいは電圧を一定にすることが困難である。このため安定したCCCV充電を実現することはできなかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、電力変換装置を用いてより安定的にバッテリの充電を行うことが可能な充電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態における充電システムは、第1電線および第2電線に接続され、前記第1電線を介して入力される入力電力を出力電力に変換し、前記出力電力を、前記第2電線を介してバッテリに供給する電力変換装置と、前記第1電線における第1電圧を検出する第1電圧検出器と、前記第1電線を流れる第1電流を検出する第1電流検出器と、前記第2電線における第2電圧を検出する第2電圧検出器と、前記第2電線を流れる第2電流を検出する第2電流検出器と、前記第1電圧および前記第1電流と、前記第2電圧および前記第2電流のうちの少なくとも一方とに基づいて、前記電力変換装置に入力される前記入力電力を制御する電力制御指令を生成し、前記電力制御指令を前記電力変換装置に出力する制御回路とを具備し、前記制御回路は、定電流充電モードと定電圧充電モードとの間で充電モードを切り換えるモード切換部を備え、前記定電流充電モードでは、前記制御回路は、前記第1電圧検出器によって検出される前記第1電圧と、前記第1電流検出器によって検出される前記第1電流と、前記第2電流検出器によって検出される前記第2電流と、予め設定される目標電流とに基づいて、前記電力制御指令を生成し、前記定電圧充電モードでは、前記制御回路は、前記第1電圧検出器によって検出される前記第1電圧と、前記第1電流検出器によって検出される前記第1電流と、前記第2電圧検出器によって検出される前記第2電圧と、予め設定される充電終止電圧とに基づいて、前記電力制御指令を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、電力変換装置を用いてより安定的にバッテリの充電を行うことが可能な充電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態における充電システムの機器構成の一例を模式的に示す図である。
図2図2は、第1の実施形態における充電システムの回路構成の一例を模式的に示す図である。
図3図3は、第1の実施形態における充電パターンの一例を模式的に示す図である。
図4図4は、第2の実施形態における充電システムの回路構成の一例を模式的に示す図である。
図5図5は、第2の実施形態における充電パターンの一例を模式的に示す図である。
図6図6は、第3の実施形態における充電システムの回路構成の一例を模式的に示す図である。
図7図7は、第3の実施形態における充電パターンの一例を模式的に示す図である。
図8図8は、第4の実施形態における充電システムの回路構成の一例を模式的に示す図である。
図9図9は、第5の実施形態における充電システムの回路構成の一例を模式的に示す図である。
図10図10は、従来技術における充電システムの機器構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態における充電システム100に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、実施形態における充電システム100の概要について説明する。図1は、実施形態における充電システム100の機器構成の一例を模式的に示す図である。
【0013】
(構成・作用)
図1に記載の例では、充電システム100は、電力変換装置2と、制御回路3と、第1電流検出器4Aと、第2電流検出器4Bと、第1電圧検出器5Aと、第2電圧検出器5Bと、バッテリマネジメントユニット6(以下、「BMU」という。)と、バッテリ7とを備える。なお、BMU6は、省略されても構わない。
【0014】
図1に記載の例において、電源1は、電流源、または、電圧源である。電源1からは、例えば、交流電流が供給される。
【0015】
電力変換装置2は、第1電線L1および第2電線L2に接続される。電力変換装置2は、電源1、電源母線11、および、第1電線L1を介して入力される入力電力を出力電力に変換する。また、電力変換装置2は、出力電力を、第2電線L2を介してバッテリ7に供給する。図1に記載の例では、電源母線11と電力変換装置2とが第1電線L1を介して接続され、電力変換装置2とバッテリ7とが第2電線L2を介して接続されている。
【0016】
第1電流検出器4Aとしては、例えば、CT(Current Transformer)、または、電流プローブ等が使用される。第1電流検出器4Aは、電源1と電力変換装置2との間の第1電線L1を流れる第1電流を検出する。第2電流検出器4Bとしては、例えば、CT(Current Transformer)、または、電流プローブ等が使用される。第2電流検出器4Bは、電力変換装置2とバッテリ7との間の第2電線L2を流れる第2電流を検出する。
【0017】
第1電圧検出器5Aとしては、例えば、変圧器などが使用される。第1電圧検出器5Aは、電源1と電力変換装置2との間の第1電線L1における第1電圧を検出する。第2電圧検出器5Bとしては、例えば、分圧器などが使用される。第2電圧検出器5Bは、電力変換装置2とバッテリ7との間の第2電線L2における第2電圧を検出する。
【0018】
なお、第1電流検出器4A、第2電流検出器4B、第1電圧検出器5A、第2電圧検出器5Bのうちの1つ、あるいは、いくつかは、PLC(Programmable Logic Controller)、電力変換装置2、あるいは、BMU6に組み込まれていてもよい。
【0019】
BMU6は、バッテリ7の状態監視、および/または、バッテリ7の保護を行う。図1に記載の例では、BMU6は、バッテリ7に接続されている。
【0020】
図1に記載の例では、制御回路3は、第1電流検出器4Aから第1電流を示す第1電流信号を受け取ることが可能であり、第1電圧検出器5Aから第1電圧を示す第1電圧信号を受け取ることが可能であり、第2電流検出器4Bから第2電流を示す第2電流信号を受け取ることが可能であり、第2電圧検出器5Bから第2電圧を示す第2電圧信号を受け取ることが可能である。
【0021】
図1に記載の例において、制御回路3は、第1電圧および第1電流と、第2電圧および第2電流のうちの少なくとも一方とに基づいて、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する電力制御指令を生成する。また、制御回路3は、生成された電力制御指令を電力変換装置2に出力する。
【0022】
図1に記載の例において、制御回路3は、第1電線L1における第1電流および第1電圧と、第2電線L2における第2電流と、目標電流(換言すれば、第2電流の目標値)とに基づいて、電力制御指令を生成してもよい。この場合、制御回路3は、第2電線L2における第2電流(換言すれば、充電電流)が目標電流と一致するように、電力変換装置2に入力される入力電力を制御することができる。なお、制御において、目標値と実際に達成される値との間に僅かな乖離が生じることが許容されることは言うまでもない。換言すれば、本明細書において、「一致」には、略一致も包含される。
【0023】
また、図1に記載の例において、制御回路3は、第1電線L1における第1電流および第1電圧と、第2電線L2における第2電圧と、充電終止電圧(換言すれば、第2電圧の目標値)とに基づいて、電力制御指令を生成することが可能である。この場合、制御回路3は、第2電線L2における第2電圧(換言すれば、充電電圧)が充電終止電圧と一致するように、電力変換装置2に入力される入力電力を制御することができる。
【0024】
(効果)
実施形態における充電システム100では、制御回路3は、第1電線L1における電流および電圧を加味して、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する電力制御指令を生成する。よって、実施形態における充電システム100では、電力変換装置2に供給される第1電流および第1電圧を監視し、当該電力変換装置2に入力される入力電力を制御することにより、バッテリ7の充電電流または充電電圧を安定化することができる。また、実施形態における充電システム100では、入力電力に応じて出力電力が変化するような電力変換装置2が用いられる場合であっても、バッテリ7の充電電流または充電電圧を安定化することができる。
【0025】
(第1の実施形態)
図2および図3を参照して、第1の実施形態における充電システム100Aについて説明する。図2は、第1の実施形態における充電システム100Aの回路構成の一例を模式的に示す図である。図3は、第1の実施形態における充電パターンの一例を模式的に示す図である。
【0026】
(構成・作用)
第1の実施形態における充電システム100Aは、(1)第1電線L1および第2電線L2に接続され、第1電線L1を介して入力される入力電力を出力電力に変換し、出力電力を、第2電線L2を介してバッテリ7に供給する電力変換装置2と、(2)第1電線L1における第1電圧を検出する第1電圧検出器5Aと、(3)第1電線L1を流れる第1電流を検出する第1電流検出器4Aと、(4)第2電線L2における第2電圧を検出する第2電圧検出器5Bと、(5)第2電線L2を流れる第2電流を検出する第2電流検出器4Bと、(6)第1電圧および第1電流と、第2電圧および第2電流のうちの少なくとも一方とに基づいて、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する電力制御指令を生成し、電力制御指令を電力変換装置2に出力する制御回路3と、を具備する。充電システム100Aは、BMU6を有していてもよい。また、充電システム100Aは、目標電流の値、充電終止電圧の値、後述のモード切換電圧の値等を記憶する記憶部30を有していてもよい。
【0027】
図2に記載の例では、充電システム100Aは、モード切換部41を備える。モード切換部41は、定電流充電モード(より具体的には、第2電線L2を流れる第2電流を一定に維持するモード)と、定電圧充電モード(より具体的には、第2電線L2における第2電圧を一定に維持するモード)との間で充電モードを切り換える。なお、制御モードにおいて、電圧値(あるいは電流値)を目標値に維持するに際して僅かな変動が許容されることは言うまでもない。換言すれば、本明細書において、「一定に維持する」ことには、略一定に維持することも包含される。
【0028】
定電流充電モードでは、制御回路3は、第1電圧検出器5Aによって検出される第1電圧と、第1電流検出器4Aによって検出される第1電流と、第2電流検出器4Bによって検出される第2電流と、予め設定される目標電流とに基づいて、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する電力制御指令を生成する。また、制御回路3は、生成された電力制御指令を、電力変換装置2に出力する。その結果、電力変換装置2は、第2電線L2を流れる第2電流(換言すれば、充電電流)が目標電流と一致するように、電力変換装置2に入力される入力電力をフィードバック制御する。
【0029】
定電圧充電モードでは、制御回路3は、第1電圧検出器5Aによって検出される第1電圧と、第1電流検出器4Aによって検出される第1電流と、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧と、予め設定される充電終止電圧とに基づいて、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する電力制御指令を生成する。また、制御回路3は、生成された電力制御指令を、電力変換装置2に出力する。その結果、電力変換装置2は、第2電線L2における第2電圧(換言すれば、充電電圧)が充電終止電圧と一致するように、電力変換装置2に入力される入力電力をフィードバック制御する。
【0030】
(効果)
図2に記載の例では、定電流充電モードにおいて、制御回路3は、第1電線L1における第1電圧および第1電流を監視し、第2電線L2における第2電流(換言すれば、充電電流)が目標電流と一致するように、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する。こうして、より安定的にバッテリ7の定電流充電を行うことができる。
【0031】
図2に記載の例では、定電圧充電モードにおいて、制御回路3は、第1電線L1における第1電圧および第1電流を監視し、第2電線L2における第2電圧(換言すれば、充電電圧)が充電終止電圧と一致するように、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する。こうして、より安定的にバッテリ7の定電圧充電を行うことができる。
【0032】
続いて、図2を参照して、実施形態における充電システム100において採用可能な任意付加的な構成について説明する。当該任意付加的な構成は、上述の第1の実施形態、後述の第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、および、第5の実施形態のいずれにおいても採用可能である。
【0033】
(第1電流取得部44、第1電圧取得部45、第2電流取得部32、第2電圧取得部37)
図2に記載の例では、制御回路3は、第1電流取得部44、第1電圧取得部45、第2電流取得部32、および、第2電圧取得部37を有する。
【0034】
第1電流取得部44には、第1電流検出器4Aから、第1電流信号が入力される。第1電流取得部44は、第1電流信号を信号処理して、第1電流を示す値を取得する。また、第1電流取得部44は、第1電流を示す値を、電力演算部46に出力する。
【0035】
第1電圧取得部45には、第1電圧検出器5Aから、第1電圧信号が入力される。第1電圧取得部45は、第1電圧信号を信号処理して、第1電圧を示す値を取得する。また、第1電圧取得部45は、第1電圧を示す値を、電力演算部46に出力する。
【0036】
第2電流取得部32には、第2電流検出器4Bから、第2電流信号が入力される。第2電流取得部32は、第2電流信号を信号処理して、第2電流を示す値を取得する。また、第2電流取得部32は、第2電流を示す値を、第1加算部33に出力する。
【0037】
第2電圧取得部37には、第2電圧検出器5Bから、第2電圧信号が入力される。第2電圧取得部37は、第2電圧信号を信号処理して、第2電圧を示す値を取得する。また、第2電圧取得部37は、第2電圧を示す値を、第2加算部38に出力する。
【0038】
(目標電流出力部31、第1演算部34、および、電流制御指令部35)
図2に記載の例では、制御回路3は、目標電流出力部31と、第1演算部34と、電流制御指令部35とを有する。
【0039】
目標電流出力部31は、予め設定される目標電流を出力する。例えば、目標電流出力部31は、記憶部30に記憶された目標電流を、予め設定される目標電流として出力する。
【0040】
第1演算部34は、第2電流(より具体的には、第2電流を示す値)と、予め設定される目標電流との間の差分を、増幅して電流制御指令部35に出力する。電流制御指令部35は、第1演算部34からの出力に基づいて、電流制御指令を生成する。なお、第1演算部34は、例えば、PID演算部である。なお、「PID演算部」とは、入力される差分から比例項、微分項、積分項をそれぞれ算出し、合算することで制御指令を算出する演算部を意味する。
【0041】
図2に記載の例では、第1加算部33は、予め設定される目標電流と、第2電流を示す値とを比較し、その差分を第1演算部34に出力する。第1演算部34は、第1加算部33から入力される差分を増幅して電流制御指令部35に出力する。電流制御指令部35は、第1演算部34からの出力に基づいて、電流制御指令を生成する。なお、第1加算部33は、第1演算部34に含まれていても構わない。また、第1演算部34は、電流制御指令部35に含まれていても構わない。
【0042】
(充電終止電圧出力部36、第2演算部39、および、電圧制御指令部40)
図2に記載の例では、制御回路3は、充電終止電圧出力部36と、第2演算部39と、電圧制御指令部40とを有する。
【0043】
充電終止電圧出力部36は、予め設定される充電終止電圧を出力する。例えば、充電終止電圧出力部36は、記憶部30に記憶された充電終止電圧を、予め設定される充電終止電圧として出力する。
【0044】
第2演算部39は、第2電圧(より具体的には、第2電圧を示す値)と、予め設定される充電終止電圧との間の差分を、増幅して電圧制御指令部40に出力する。電圧制御指令部40は、第2演算部39からの出力に基づいて、電圧制御指令を生成する。なお、第2演算部39は、例えば、PID演算部である。
【0045】
図2に記載の例では、第2加算部38は、予め設定される充電終止電圧と、第2電圧を示す値とを比較し、その差分を第2演算部39に出力する。第2演算部39は、第2加算部38から入力される差分を増幅して電圧制御指令部40に出力する。電圧制御指令部40は、第2演算部39からの出力に基づいて、電圧制御指令を生成する。なお、第2加算部38は、第2演算部39に含まれていても構わない。また、第2演算部39は、電圧制御指令部40に含まれていても構わない。
【0046】
(目標電力決定部43)
目標電力決定部43は、電流制御指令部35が生成する電流制御指令、または、電圧制御指令部40が生成する電圧制御指令に基づいて、目標電力を決定する。モード切換部41が定電流充電モードを選択している場合には、目標電力決定部43は、電流制御指令部35から受け取る電流制御指令に基づいて、目標電力を決定する。例えば、目標電力決定部43は、電流制御指令部35から出力される電流制御指令に基づいて、第2電流が目標電流に近づくように目標電力(換言すれば、入力電力の目標値)を決定する。他方、モード切換部41が定電圧充電モードを選択している場合には、目標電力決定部43は、電圧制御指令部40から受け取る電圧制御指令に基づいて、目標電力を決定する。例えば、目標電力決定部43は、電圧制御指令部40から出力される電圧制御指令に基づいて、第2電圧が充電終止電圧に近づくように目標電力(換言すれば、入力電力の目標値)を決定する。
【0047】
(電力演算部46)
電力演算部46は、第1電流検出器4Aによって検出される第1電流と、第1電圧検出器5Aによって検出される第1電圧とに基づいて、電力変換装置2に入力される入力電力を算出する。
【0048】
(第3演算部48、および、電力制御指令部49)
第3演算部48は、電力変換装置2に入力される入力電力と、目標電力との間の差分を、増幅して電力制御指令部49に出力する。電力制御指令部49は、第3演算部48からの出力に基づいて、電力制御指令を生成する。なお、第3演算部48は、例えば、PID演算部である。
【0049】
図2に記載の例では、第3加算部47は、目標電力決定部43で決定される目標電力と、電力演算部46によって算出される入力電力とを比較し、その差分を第3演算部48に出力する。第3演算部48は、第3加算部47から入力される差分を増幅して電力制御指令部49に出力する。電力制御指令部49は、第3演算部48からの出力に基づいて、電力制御指令を生成する。なお、第3加算部47は、第3演算部48に含まれていても構わない。また、第3演算部48は、電力制御指令部49に含まれていても構わない。
【0050】
例えば、電力演算部46で算出される入力電力が、目標電力決定部43で決定される目標電力よりも大きいとき、電力制御指令部49は、入力電力を減少させる電力制御指令を生成する。換言すれば、第1電圧および第1電流に基づいて算出される入力電力が、第2電圧および第2電流のうちの少なくとも一方に基づいて決定される目標電力よりも大きいとき、制御回路3は、入力電力を減少させる電力制御指令を生成する。
【0051】
他方、電力演算部46で算出される入力電力が、目標電力決定部43で決定される目標電力よりも小さいとき、電力制御指令部49は、入力電力を増加させる電力制御指令を生成する。換言すれば、第1電圧および第1電流に基づいて算出される入力電力が、第2電圧および第2電流のうちの少なくとも一方に基づいて決定される目標電力よりも小さいとき、制御回路3は、入力電力を増加させる電力制御指令を生成する。
【0052】
制御回路3は、電力制御指令部49によって生成される電力制御指令を電力変換装置2に出力する。電力変換装置2は、電力制御指令に基づいて、半導体素子をスイッチングする(より具体的には、電力変換装置2に含まれる半導体素子のON/OFF期間を制御する。当該制御は、一般的に、PWM制御:Pulse Width Modulation制御と呼ばれる。)。その結果、電力変換装置2に入力される入力電力が制御される。
【0053】
(トリガ生成部42)
トリガ生成部42は、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧と、予め設定されるモード切換電圧(例えば、記憶部30に記憶されたモード切換電圧)とに基づいて、モード切換トリガを出力する。
【0054】
より具体的には、トリガ生成部42は、第2電圧取得部37から出力される第2電圧を示す値と、予め設定されるモード切換電圧とを比較する。トリガ生成部42は、第2電圧を示す値がモード切換電圧を超えると、モード切換トリガを出力する。トリガ生成部42から出力されるモード切換トリガは、モード切換部41に入力される。なお、モード切換電圧は、充電終止電圧と同じ電圧であってもよいし、充電終止電圧とは異なる電圧であってもよい。
【0055】
充電初期には、モード切換部41は、定電流充電モードを選択している。モード切換部41は、トリガ生成部42からモード切換トリガが入力されると、充電モードを、定電流充電モードから定電圧充電モードに切り換える。その結果、目標電力決定部43は、電流制御指令部35が生成する電流制御指令に基づいて目標電力を決定するのに代えて、電圧制御指令部40が生成する電圧制御指令に基づいて、目標電力を決定する。
【0056】
図3は、第1の実施形態において、第2電流検出器4Bおよび第2電圧検出器5Bによって検出されるバッテリ7の充電電流(換言すれば、第2電流)および充電電圧(換言すれば、第2電圧)の変化を表した充電パターン図である。モード切換電圧を電圧V1とした時、定電圧充電モードに切り換えられた直後はバッテリ7の内部抵抗による電圧降下の影響で、電圧V1が電圧V2に変化する。その後、制御回路3は、充電電圧(換言すれば、第2電線L2における電圧)が充電終止電圧に維持されるように、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する。その結果、充電電圧は、内部抵抗の影響が小さくなるまで増減動作を繰り返し、最終的に、充電終止電圧に収束していく。また、充電電流は、内部抵抗の影響が小さくなるまで増減動作を繰り返し、かつ、ゼロに向かって減少していく。
【0057】
(第2の実施形態)
図4および図5を参照して、第2の実施形態における充電システム100Bについて説明する。図4は、第2の実施形態における充電システム100Bの回路構成の一例を模式的に示す図である。図5は、第2の実施形態における充電パターンの一例を模式的に示す図である。
【0058】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0059】
第2の実施形態では、制御回路3が目標電流切換部31Aを有する点で、第1の実施形態とは異なる。その他の点では、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様である。第2の実施形態では、目標電流切換部31Aおよび目標電流切換部31Aに付随する構成を中心に説明し、それ以外の構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0060】
第1の実施形態では、電力変換装置2に入力される入力電力がフィードバック制御される。第1の実施形態では、定電流充電モードから定電圧充電モードに充電モードが切り換えられた直後にバッテリ7の内部抵抗による電圧降下分、充電電圧が下がる。当該充電電圧の低下を補償するために、充電電流は増加する(図3における電流I1から電流I2への増加を参照。)。このような充電電流の変化は、電源電力の変動を招き、ひいては、電源系統の安定性の低下、および/または、電源1を構成する発電機等の振動発生等を引き起こす可能性がある。そこで、第2の実施形態では、定電流充電モードから定電圧充電モードに充電モードが切り換えられる際のショックを抑え、電源系統および/または発電機等に配慮した改良案が提案される。
【0061】
(構成・作用)
第2の実施形態における充電システム100Bは、電力変換装置2と、制御回路3と、第1電流検出器4Aと、第2電流検出器4Bと、第1電圧検出器5Aと、第2電圧検出器5Bとを備える。また、制御回路3は、目標電流切換部31A、および、トリガ生成部42を有する。
【0062】
(目標電流切換部31A、および、トリガ生成部42)
目標電流切換部31Aは、目標電流出力部31が出力する目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換えることができる。付加的に、目標電流切換部31Aは、目標電流を、第2目標電流から、第2目標電流よりも低い第3目標電流に切り換え可能であってもよい。図4に記載の例では、目標電流切換部31Aは、3段階に、目標電流を切り換え可能であるが、目標電流切換部31Aは、2段階、あるいは、4段階以上に、目標電流を切り換え可能であってもよい。
【0063】
目標電流切換部31Aは、第1の実施形態における目標電流出力部31の一部として機能する。目標電流切換部31Aは、予め設定される複数の目標電流候補(図4に記載の例では、第1目標電流、第2目標電流、および、第3目標電流)の中から、1つの目標電流候補を選択し、選択された目標電流候補を、目標電流として出力する。なお、予め設定される複数の目標電流候補は、記憶部30に記憶されていてもよい。
【0064】
トリガ生成部42は、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧(より具体的には、第2電圧取得部37から出力される第2電圧を示す値)と、予め設定される第1トリガ電圧(例えば、記憶部30に記憶された第1トリガ電圧)とに基づいて、第1トリガを出力する。なお、第1トリガ電圧は、モード切換電圧よりも低い電圧である。
【0065】
図4に記載の例において、トリガ生成部42は、第2電圧(より具体的には、第2電圧を示す値)と、予め設定される第1トリガ電圧とを比較する。トリガ生成部42は、第2電圧が第1トリガ電圧を超えると、第1トリガを出力する。トリガ生成部42が出力する第1トリガは、目標電流切換部31Aに入力される。
【0066】
充電初期には、目標電流切換部31Aは、複数の目標電流候補の中から第1目標電流を選択している。目標電流切換部31Aは、トリガ生成部42から第1トリガが入力されると、目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換える。その結果、目標電流出力部31(より具体的には、目標電流切換部31A)は、第2目標電流を出力する。
【0067】
トリガ生成部42は、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧が、予め設定される第2トリガ電圧を超えると、第2トリガを出力してもよい。なお、第2トリガ電圧は、第1トリガ電圧よりも高く、モード切換電圧よりも低い電圧である。
【0068】
目標電流切換部31Aに第1トリガが入力された後、目標電流切換部31Aは、複数の目標電流候補の中から第2目標電流を選択している。目標電流切換部31Aは、トリガ生成部42から第2トリガが入力されると、目標電流を、第2目標電流から、第2目標電流よりも低い第3目標電流に切り換える。その結果、目標電流出力部31(より具体的には、目標電流切換部31A)は、第3目標電流を出力する。
【0069】
図4に記載の例では、目標電流切換部31Aに第1トリガが入力される前は、目標電流出力部31は、第1目標電流を出力する。また、目標電流切換部31Aに第1トリガが入力された後、かつ、目標電流切換部31Aに第2トリガが入力される前は、目標電流出力部31は、第2目標電流を出力する。また、目標電流切換部31Aに第2トリガが入力された後は、目標電流出力部31は、第3目標電流を出力する。
【0070】
(第1演算部34、および、電流制御指令部35)
「K」を1以上の任意の自然数とするとき、第1演算部34は、第2電流(より具体的には、第2電流検出器4Bによって検出される第2電流)と、目標電流出力部31から出力される第K目標電流との間の差分を、増幅して電流制御指令部35に出力する。電流制御指令部35は、第1演算部34からの出力に基づいて、電流制御指令を生成する。なお、図4に記載の例では、「K」は、1、2、または、3である。
【0071】
より具体的には、図4に記載の例では、第1加算部33は、第K目標電流と、第2電流検出器4Bにより検出される第2電流とを比較し、その差分を第1演算部34に出力する。第1演算部34は、第1加算部33から入力された差分を増幅して電流制御指令部35に出力する。電流制御指令部35は、第1演算部34からの出力に基づいて、電流制御指令を生成する。
【0072】
(目標電力決定部43)
目標電力決定部43は、電流制御指令部35が生成する電流制御指令、または、電圧制御指令部40が生成する電圧制御指令に基づいて、目標電力を決定する。モード切換部41が定電流充電モードを選択している場合には、目標電力決定部43は、電流制御指令部35が生成する電流制御指令に基づいて、目標電力を決定する。他方、モード切換部41が定電圧充電モードを選択している場合には、目標電力決定部43は、電圧制御指令部40が生成する電圧制御指令に基づいて、目標電力を決定する。
【0073】
目標電力が決定された後の動作については、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様である。よって、目標電力が決定された後の動作についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0074】
図5は、第2の実施形態において、第2電流検出器4Bおよび第2電圧検出器5Bによって検出されるバッテリ7の充電電流(換言すれば、第2電流)および充電電圧(換言すれば、第2電圧)の変化を表した充電パターン図である。充電電圧(換言すれば、第2電線L2における電圧)が第1トリガ電圧V3を超えると、目標電流が、第1目標電流I1から第2目標電流I3に切り換えられる。また、充電電圧が第2トリガ電圧V4を超えると、目標電流が、第2目標電流I3から第3目標電流I4に切り換えられる。なお、図5に記載の例では、目標電流が切り換えられる電圧レベルが2つ(より具体的には、第1トリガ電圧V3、および第2トリガ電圧V4)であるが、目標電流が切り換えられる電圧レベルは、1つ、あるいは、3つ以上であってもよい。
【0075】
その後、充電電圧(換言すれば、第2電線L2における電圧)がモード切換電圧V1を超えると、充電モードが、定電流充電モードから定電圧充電モードに切り換えられる。定電圧充電モードに切り換えられた直後はバッテリ7の内部抵抗による電圧降下の影響で、電圧V1が電圧V2に変化する。その後、制御回路3は、充電電圧(換言すれば、第2電線L2における電圧)が充電終止電圧に維持されるように、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する。その結果、充電電圧は、内部抵抗の影響が小さくなるまで増減動作を繰り返し、最終的に、充電終止電圧に収束していく。また、充電電流は、内部抵抗の影響が小さくなるまで増減動作を繰り返し、かつ、ゼロに向かって減少していく。
【0076】
(効果)
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、第2の実施形態では、定電流充電モードにおいて、充電電流が段階的に減少される。こうして、バッテリ7の内部抵抗に起因する電圧降下の大きさを小さくすることができ、定電流充電モードから定電圧充電モードに充電モードが切り換えられる際のショックを抑えることができる。
【0077】
(第3の実施形態)
図6および図7を参照して、第3の実施形態における充電システム100Cについて説明する。図6は、第3の実施形態における充電システム100Cの回路構成の一例を模式的に示す図である。図7は、第3の実施形態における充電パターンの一例を模式的に示す図である。
【0078】
第3の実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第3の実施形態では、第1の実施形態または第2の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第3の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態または第2の実施形態において説明済みの事項を第3の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0079】
第3の実施形態では、制御回路3がタイマ回路51を有する点で、第2の実施形態とは異なる。その他の点では、第3の実施形態は、第2の実施形態と同様である。第3の実施形態では、タイマ回路51およびタイマ回路51に付随する構成を中心に説明し、それ以外の構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0080】
第3の実施形態では、目標電流切換部31Aが目標電流を切り換えるトリガとして、タイマ回路51からの出力が利用される。
【0081】
(構成・作用)
第3の実施形態における充電システム100Cは、電力変換装置2と、制御回路3と、第1電流検出器4Aと、第2電流検出器4Bと、第1電圧検出器5Aと、第2電圧検出器5Bとを備える。また、制御回路3は、目標電流切換部31Aと、トリガ生成部42と、タイマ回路51とを有する。
【0082】
(目標電流切換部31A、トリガ生成部42、および、タイマ回路51)
目標電流切換部31Aは、目標電流出力部31が出力する目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換えることができる。また、目標電流切換部31Aは、目標電流を、第2目標電流から、第2目標電流よりも低い第3目標電流に切り換えることができる。
【0083】
目標電流切換部31Aは、第1の実施形態における目標電流出力部31の一部として機能する。目標電流切換部31Aは、予め設定される複数の目標電流候補(図6に記載の例では、第1目標電流、第2目標電流、および、第3目標電流)の中から、1つの目標電流候補を選択し、選択された目標電流候補を、目標電流として出力する。なお、予め設定される複数の目標電流候補は、記憶部30に記憶された複数の目標電流候補であってもよい。
【0084】
トリガ生成部42は、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧が、予め設定される第1トリガ電圧を超えると、第1トリガを出力する。トリガ生成部42が出力する第1トリガは、目標電流切換部31Aに入力される。なお、第1トリガ電圧は、モード切換電圧よりも低い電圧である。
【0085】
充電初期には、目標電流切換部31Aは、複数の目標電流候補の中から第1目標電流を選択している。目標電流切換部31Aは、トリガ生成部42から第1トリガが入力されると、目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換える。その結果、目標電流出力部31は、第2目標電流を出力する。
【0086】
目標電流切換部31Aは、目標電流が第1目標電流から第2目標電流に切り換えられてから予め設定される時間後に、目標電流を、第2目標電流から、第2目標電流よりも低い第3目標電流に切り換える。
【0087】
より具体的には、タイマ回路51は、目標電流が、第1目標電流から第2目標電流に切り換えられた後の経過時間をカウントする。タイマ回路51は、目標電流が第2目標電流に切り換えられてから予め設定される時間後に、目標電流切換部31Aに、第2トリガを出力する。目標電流切換部31Aは、タイマ回路51から第2トリガが入力されると、目標電流を、第2目標電流から、第2目標電流よりも低い第3目標電流に切り換える。その結果、目標電流出力部31は、第3目標電流を出力する。
【0088】
目標電流出力部31が、第1目標電流、第2目標電流、あるいは、第3目標電流を出力した後の動作については、第3の実施形態は、第2の実施形態と同様である。よって、第1目標電流、第2目標電流、あるいは、第3目標電流が出力された後の動作についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0089】
図7は、第3の実施形態において、第2電流検出器4Bおよび第2電圧検出器5Bによって検出されるバッテリ7の充電電流(換言すれば、第2電流)および充電電圧(換言すれば、第2電圧)の変化を表した充電パターン図である。充電電圧(換言すれば、第2電線L2における電圧)が第1トリガ電圧V3を超えると、目標電流が、第1目標電流I1から第2目標電流I3に切り換えられる。また、目標電流が第2目標電流I3に切り換えられてから予め設定される時間tだけ経過すると、目標電流が、第2目標電流I3から第3目標電流I4に切り換えられる。なお、図7に記載の例では、目標電流が切り換えられる時間tが、1つだけ設定されているが、目標電流が切り換えられる時間tは、複数設定されてもよい。例えば、目標電流が第2目標電流I3に切り換えられてから予め設定される第1の時間tだけ経過すると、目標電流が、第2目標電流I3から第3目標電流I4に切り換えられ、目標電流が第3目標電流I4に切り換えられてから予め設定される第2の時間t2だけ経過すると、目標電流が、第3目標電流I4から第4目標電流に切り換えられるようにしてもよい。
【0090】
(効果)
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様の効果を奏する。また、第3の実施形態では、時間経過に応じて目標電流が切り換えられる構成が採用される。この場合、目標電流を切り換えるための電圧レベルの監視および設定の少なくとも一部を省略することができ、充電制御を簡素化することができる。
【0091】
(第4の実施形態)
図8を参照して、第4の実施形態における充電システム100Dについて説明する。図8は、第4の実施形態における充電システム100Dの回路構成の一例を模式的に示す図である。
【0092】
第4の実施形態では、第1の実施形態、第2の実施形態および第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第4の実施形態では、第1の実施形態、第2の実施形態または第3の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第4の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態、第2の実施形態または第3の実施形態において説明済みの事項を第4の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0093】
第4の実施形態では、制御回路3に、推定充電量の情報を活用する構成が追加されている点で、第1の実施形態乃至第3の実施形態とは異なる。その他の点では、第4の実施形態は、第1の実施形態乃至第3の実施形態のいずれかと同様である。第4の実施形態では、推定充電量の情報を活用する構成を中心に説明し、それ以外の構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0094】
第4の実施形態では、充電システム100Dの制御回路3は、バッテリ7の推定充電量を算出する推定充電量算出部52を備える。また、制御回路3は、バッテリ7の推定充電量に基づいて、充電モードを、定電流充電モードから定電圧充電モードに切り換えること、および、目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換えることのうちの少なくとも一方を実行する。
【0095】
(構成・作用)
第4の実施形態における充電システム100Dは、電力変換装置2と、制御回路3と、第1電流検出器4Aと、第2電流検出器4Bと、第1電圧検出器5Aと、第2電圧検出器5Bとを備える。また、制御回路3は、推定充電量算出部52を有する。
【0096】
(推定充電量算出部52)
推定充電量算出部52は、バッテリ7の推定充電量(例えば、SOC(State Of Charge))を算出する。図8に記載の例では、推定充電量算出部52は、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧を用いることなくバッテリ7の推定充電量を算出する。より具体的には、推定充電量算出部52は、BMU6から受信する信号に基づいて、バッテリ7の推定充電量を算出する。代替的に、推定充電量算出部52は、電力変換装置2から受信する信号に基づいて、バッテリ7の推定充電量を算出してもよい。
【0097】
更に代替的に、推定充電量算出部52は、制御回路3とは別の他の制御回路、PLC等から受信する情報に基づいて、バッテリ7の推定充電量を算出してもよい。なお、「推定充電量の算出」には、BMU6、電力変換装置2、制御回路3とは別の他の制御回路、あるいは、PLC等によって算出された推定充電量をそのまま利用することも含まれる。
【0098】
(モード切換部41、および、トリガ生成部42A)
モード切換部41は、定電流充電モードと定電圧充電モードとの間で充電モードを切り換える。充電モードの切り換えは、モード切換部41が、トリガ生成部42Aからモード切換トリガを受け取ることにより実行される。
【0099】
トリガ生成部42Aは、バッテリ7の推定充電量と、予め設定される第1閾値(例えば、記憶部30に記憶された第1閾値)とに基づいて、モード切換トリガを出力する。
【0100】
より具体的には、トリガ生成部42Aは、推定充電量算出部52によって算出されるバッテリ7の推定充電量と、予め設定される第1閾値とを比較する。トリガ生成部42Aは、バッテリ7の推定充電量が第1閾値を超えると、モード切換トリガを出力する。トリガ生成部42Aから出力されるモード切換トリガは、モード切換部41に入力される。
【0101】
モード切換部41は、トリガ生成部42Aからモード切換トリガが入力されると、充電モードを、定電流充電モードから定電圧充電モードに切り換える。その結果、目標電力決定部43は、電流制御指令部35が生成する電流制御指令に基づいて目標電力を決定するのに代えて、電圧制御指令部40が生成する電圧制御指令に基づいて、目標電力を決定する。
【0102】
バッテリ7の推定充電量を示す値(より具体的には、推定充電量算出部52によって算出されるバッテリ7の推定充電量)と第1閾値とに基づいてモード切換トリガが生成される点を除き、トリガ生成部42Aは、第1の実施形態乃至第3の実施形態のいずれかにおけるトリガ生成部42と同様である。なお、充電モードの切り換えにおいて、バッテリ7の推定充電量の情報が利用されない場合には、図8におけるトリガ生成部42Aは、第1の実施形態乃至第3の実施形態のいずれかにおけるトリガ生成部42と同一であってもよい。
【0103】
(目標電流切換部31A、および、トリガ生成部42B)
目標電流切換部31Aは、目標電流出力部31が出力する目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換える。第1目標電流から第2目標電流への切り換えは、目標電流切換部31Aが、トリガ生成部42Bから第1トリガを受け取ることにより実行される。
【0104】
トリガ生成部42Bは、バッテリ7の推定充電量と、予め設定される第2閾値(例えば、記憶部30に記憶された第2閾値)とに基づいて、第1トリガを出力する。
【0105】
より具体的には、トリガ生成部42Bは、推定充電量算出部52によって算出されるバッテリ7の推定充電量と、予め設定される第2閾値とを比較する。トリガ生成部42Bは、バッテリ7の推定充電量が第2閾値を超えると、第1トリガを出力する。トリガ生成部42Bから出力される第1トリガは、目標電流切換部31Aに入力される。
【0106】
目標電流切換部31Aは、トリガ生成部42Bから第1トリガが入力されると、目標電流を、第1目標電流から、第1目標電流よりも低い第2目標電流に切り換える。その結果、目標電流出力部31は、第2目標電流を出力する。
【0107】
バッテリ7の推定充電量を示す値(より具体的には、推定充電量算出部52によって算出されるバッテリ7の推定充電量)と第2閾値とに基づいて第1トリガが生成される点を除き、トリガ生成部42Bは、第2の実施形態または第3の実施形態におけるトリガ生成部42と同様である。なお、目標電流の切り換えにおいて、バッテリ7の推定充電量の情報が利用されない場合には、トリガ生成部42Bは省略される。
【0108】
図8に記載の例では、充電システム100Dは、複数のトリガ生成部(42A、42B)を有する。代替的に、充電システム100Dは、1つのみのトリガ生成部を有していてもよい。例えば、トリガ生成部42Aの機能と、トリガ生成部42Bの機能とが、1つのトリガ生成部によって実現されてもよい。
【0109】
(効果)
第4の実施形態は、第1の実施形態乃至第3の実施形態のいずれかと同様の効果を奏する。
【0110】
(第5の実施形態)
図9を参照して、第5の実施形態における充電システム100Eについて説明する。図9は、第5の実施形態における充電システム100Eの回路構成の一例を模式的に示す図である。
【0111】
第5の実施形態では、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態および第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第5の実施形態では、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態または第4の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第5の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態または第4の実施形態において説明済みの事項を第5の実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0112】
第5の実施形態では、バッテリ7の内部抵抗に起因する電圧降下量が設定閾値以下であることを必要条件として、充電モードの切り換えが実行される点で、第1の実施形態乃至第4の実施形態とは異なる。その他の点では、第5の実施形態は、第1の実施形態乃至第4の実施形態のいずれかと同様である。第5の実施形態では、電圧降下に関連する構成を中心に説明し、それ以外の構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0113】
第5の実施形態では、バッテリ7の内部抵抗に起因する電圧降下量が設定閾値以下であることを必要条件として、モード切換部41が、充電モードを、定電流充電モードから定電圧充電モードに切り換える。換言すれば、第5の実施形態では、バッテリ7の内部抵抗に起因する電圧降下量が設定閾値以下とならない限り、充電モードを定電圧充電モードに切り換えない。
【0114】
(構成・作用)
第5の実施形態における充電システム100Eは、電力変換装置2と、制御回路3と、第1電流検出器4Aと、第2電流検出器4Bと、第1電圧検出器5Aと、第2電圧検出器5Bとを備える。また、制御回路3は、電圧降下量演算部53、および、トリガ生成部42Cを有する。
【0115】
(電圧降下量演算部53)
図9に記載の例では、制御回路3は、バッテリ7の内部抵抗に起因する電圧降下量を算出する電圧降下量演算部53を備える。電圧降下量演算部53が、電圧降下量を算出する方法としては、公知の任意の方法を採用することができる。
【0116】
図9に記載の例では、電圧降下量演算部53は、第2電流検出器4Bによって検出される第2電流、および、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧のうちの少なくとも一方を用いて、電圧降下量を算出する。
【0117】
例えば、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧(換言すれば、バッテリ7の充電電圧)が、任意の電圧レベルLV1を超えたタイミングで、バッテリ7の充電が停止される場合を想定する。この場合、充電停止直前に第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧を「V」、充電停止直後に第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧を「V’」、バッテリ7の内部抵抗に起因する電圧降下量を「ΔV」、充電停止直前に第2電流検出器4Bによって検出される第2電流を「I」、バッテリ7の内部抵抗を「R」と定義すると、ΔV=|V-V’|=I×Rとなる。よって、電圧降下量演算部53は、「V」および「V’」に基づいて、電圧降下量ΔVを算出することができる。また、バッテリ7の内部抵抗Rが既知である場合、あるいは、内部抵抗Rを算出可能である場合には、電圧降下量演算部53は、「I」に基づいて、電圧降下量ΔVを算出することができる。
【0118】
(トリガ生成部42C)
トリガ生成部42Cは、電圧降下量演算部53から受け取る電圧降下量ΔVと、予め設定される設定閾値(例えば、記憶部30に記憶された設定閾値)とに基づいて、モード切換部41に向けてモード切換トリガを出力することが許可されるか否かを決定する。
【0119】
図9に記載の例では、トリガ生成部42Cは、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧が所定の電圧レベルLV1を超えたタイミング(あるいは、第2電圧が所定の電圧レベルLV1を超え、その後、バッテリ7の充電が一時停止されたタイミング)で、電圧降下量ΔVと、設定閾値とを比較する。電圧降下量ΔVが設定閾値を超える場合には、トリガ生成部42Cは、モード切換部41に向けてモード切換トリガを出力しない。他方、電圧降下量ΔVが設定閾値以下である場合には、トリガ生成部42Cが、モード切換部41に向けてモード切換トリガを出力することが許される。
【0120】
トリガ生成部42Cによって、電圧降下量ΔVが設定閾値を超えていると判断された場合には、制御回路3は、再度、定電流充電モードを実行する。なお、制御回路3が、再度、定電流充電モードを実行するに際して、目標電流は、前回の定電流充電モードを実行する際に使用された目標電流と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0121】
トリガ生成部42Cによって、電圧降下量ΔVが設定閾値以下であると判断された場合には、トリガ生成部42Cは、直ちに、モード切換部41に向けてモード切換トリガを出力してもよい。代替的に、トリガ生成部42Cは、電圧降下量ΔVが設定閾値以下であり、かつ、第2電圧検出器5Bによって検出される第2電圧が、モード切換電圧を超えている場合に、モード切換部41に向けてモード切換トリガを出力してもよい。更に代替的に、トリガ生成部42Cは、電圧降下量ΔVが設定閾値以下であり、かつ、バッテリ7の推定充電量が第1閾値を超えている場合に、モード切換部41に向けてモード切換トリガを出力してもよい。
【0122】
(効果)
第5の実施形態は、第1の実施形態乃至第4の実施形態のいずれかと同様の効果を奏する。また、第5の実施形態では、電圧降下量ΔVが設定閾値以下となるまでは、定電圧充電モードが開始されない。よって、第5の実施形態では、定電圧充電モードに切り換えられる時のショックが抑制される。また、第5の実施形態では、電圧降下量ΔVが設定閾値以下となるまでは、定電圧充電モードが開始されないため、充電完了までに要する時間を短縮することができる。
【0123】
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態又は変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態又は変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態又は変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態又は変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【0124】
例えば、上記の制御回路3の全ての構成はハードウェアによって実現されていてもよいし、上記の制御回路3の構成の一部がソフトウェアによって実現されていてもよい。例えば、第1加算部33、第2加算部38、第3加算部47等の加算部は、ハードウェアとしての加算器によって構成されていてもよい。代替的に、第1加算部33、第2加算部38、第3加算部47等の加算部は、プログラムを制御回路3が実行することにより加算あるいは減算を行うように構成されたソフトウェア上の加算部であってもよい。また、第1演算部34、第2演算部39、第3演算部48等の演算部は、ハードウェアとしての演算器によって構成されていてもよい。代替的に、第1演算部34、第2演算部39、第3演算部48等の演算部は、プログラムを制御回路3が実行することにより所定の演算を実行するように構成されたソフトウェア上の演算部であってもよい。更に、モード切換部41、目標電流切換部31A等の切換部は、ハードウェアとしてのスイッチによって構成されていてもよい。代替的に、モード切換部41、目標電流切換部31A等の切換部は、プログラムを制御回路3が実行することにより所定の切り換えを実行するように構成されたソフトウェア上の切換部であってもよい。
【符号の説明】
【0125】
1…電源、2…電力変換装置、3…制御回路、4A…第1電流検出器、4B…第2電流検出器、5A…第1電圧検出器、5B…第2電圧検出器、6…BMU、7…バッテリ、11…電源母線、30…記憶部、31…目標電流出力部、31A…目標電流切換部、32…第2電流取得部、33…第1加算部、34…第1演算部、35…電流制御指令部、36…充電終止電圧出力部、37…第2電圧取得部、38…第2加算部、39…第2演算部、40…電圧制御指令部、41…モード切換部、42、42A、42B、42C…トリガ生成部、43…目標電力決定部、44…第1電流取得部、45…第1電圧取得部、46…電力演算部、47…第3加算部、48…第3演算部、49…電力制御指令部、51…タイマ回路、52…推定充電量算出部、53…電圧降下量演算部、91…電源母線、92…変換装置、93…制御回路、94…電流検出器、95…電圧検出器、96・・・BMU、97…バッテリ、100、100A、100B、100C、100D、100E…充電システム、L1…第1電線、L2…第2電線
【要約】
【課題】電力変換装置を用いてより安定的にバッテリの充電を行うことが可能な充電システムを提供する。
【解決手段】充電システム100は、第1電線L1および第2電線L2に接続され、第1電線L1を介して入力される入力電力を出力電力に変換し、出力電力を、第2電線L2を介してバッテリ7に供給する電力変換装置2と、第1電線L1における第1電圧を検出する第1電圧検出器5Aと、第1電線L1を流れる第1電流を検出する第1電流検出器4Aと、第2電線L2における第2電圧を検出する第2電圧検出器5Bと、第2電線L2を流れる第2電流を検出する第2電流検出器4Bと、第1電圧および第1電流と、第2電圧および第2電流のうちの少なくとも一方とに基づいて、電力変換装置2に入力される入力電力を制御する電力制御指令を生成し、電力制御指令を電力変換装置2に出力する制御回路3と、を具備する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10