(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】有機系廃棄物の処理システム
(51)【国際特許分類】
B09B 3/70 20220101AFI20220322BHJP
B09B 3/30 20220101ALI20220322BHJP
【FI】
B09B3/00 304Z
B09B3/00 Z ZAB
(21)【出願番号】P 2021167199
(22)【出願日】2021-10-12
【審査請求日】2021-12-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520137992
【氏名又は名称】日本有機物リサイクルプラント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085257
【氏名又は名称】小山 有
(72)【発明者】
【氏名】水口 浩
【審査官】越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-246300(JP,A)
【文献】特開2008-264756(JP,A)
【文献】特開2010-106133(JP,A)
【文献】特開2010-185021(JP,A)
【文献】特開2010-284589(JP,A)
【文献】特開2012-122655(JP,A)
【文献】特開2011-115723(JP,A)
【文献】特開2003-047409(JP,A)
【文献】特開2015-035973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00-3/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機系廃棄物を処理するシステムであって、このシステムは有機系廃棄物の裁断、破砕または粉砕を行う前処理エリアと、過熱蒸気及び飽和蒸気を発生する蒸気発生エリアと、蒸気発生装置からの過熱蒸気によって有機系廃棄物を低分子化する加水分解エリアと、加水分解後の反応生成物に対し後処理を行う後処置エリアとからなり、前記加水分解エリアに配置される反応槽の外殻には反応槽内の有機系廃棄物を外部から加熱する外殻加熱装置が設けられ、
この外殻加熱装置には前記蒸気発生エリアからの蒸気が低圧状態で放出され凝縮水を生成することを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記蒸気発生エリアから外殻加熱装置に放出される蒸気の圧力は大気圧であることを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記外殻加熱装置は蒸気発生エリアからの飽和蒸気や過熱蒸気が供給される上部の蒸気溜と下部の廃蒸気・凝縮水回収溜とこれら蒸気溜と下部の廃蒸気・凝縮水回収溜とをつなぐ中空パイプまたは二重構造部からなり、蒸気溜、廃蒸気・凝縮水回収溜及び中空パイプまたは二重構造部の内側面は反応槽の外側面に接していることを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記蒸気発生エリアには、過熱蒸気と飽和蒸気を発生する特圧ボイラと低圧或は標準圧ボイラさらに加えて過熱蒸気発生装置が配置されていることを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前処理としては裁断や破砕や粉砕を行い、本処理としては高温高圧加水分解に過熱蒸気を加えて加水分解(低分子化)を行い、後処理として爆砕、酸処理、アルカリ処理などを臨機応変に組み合わせた有機系廃棄物の処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
有機系廃棄物を焼却炉や熱回収炉内において燃焼させて焼却処理すると、環境汚染の原因となる温暖化ガス、ダイオキシン、窒素酸化物などの有害物質を生成する場合がある。発生した有害物質は、再処理を行う必要性があり、それらに膨大なコストが生じている。このため、真正細菌やバクテリアなどを利用した食品系有機物の分解法が提案されているが、長時間要することや同時処理能力に欠点が見られる。
【0003】
有機系廃棄物の処理手順としては、前処理として裁断や破砕や粉砕を行い、次いで本処理として加水分解を行い、後処理として酸処理やアルカリ処理などを行っている。
【0004】
特許文献1には、飽和蒸気を発生するボイラと、このボイラからの飽和蒸気を亜臨界水状態の過熱蒸気に変換する蒸気発生装置と、この蒸気発生装置からの過熱蒸気を反応槽の天井部から供給する蒸気供給路と、前記反応槽の底面外側に沿って配置され前記蒸気発生装置からの過熱蒸気を前記ボイラに戻す循環経路とからなる亜臨界水処理装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、重金属類を含む廃棄物の処理装置として、密閉容器、蒸気噴出手段、冷却手段及び分離回収手段とから構成され、前記密閉容器の内部に重金属類を含む廃棄物および処理中に少なくとも前記重金属類を結晶構造中に封じ込めるための5CaO・6SiO2・5H2O結晶(トバモライト)が形成されるのに十分な量のCa成分原料およびSiO2成分原料を収容するものが提案されている。
【0006】
特許文献3には、廃棄物を高温高圧の蒸気を用いて処理する装置に連続して、処理された廃棄物と液体とを簡単な操作で分離して回収できる有機系廃棄物の処理装置が開示されている。
【0007】
特許文献4には、フルボ酸の製造装置として、内部に木材チップである原料を収容する閉鎖空間を有する密閉容器と、密閉容器内に亜臨界水である高温高圧の蒸気を噴出する蒸気噴出手段と、密閉容器の底側に設けられ開閉機構を有する排出口と、排出口からの直接排出操作のみで処理された原料と液体とを分離して回収する分離回収手段を備えた構造が提案されている。
【0008】
特許文献5には、産業廃棄物の加熱処理に用いる加熱蒸気(過熱水蒸気)を用いた加熱装置が開示されている。具体的には、流路を通過する被加熱物を加熱する加熱装置の上記流路として、電気抵抗率が100μΩ・cm以上である高抵抗素材からなり、外部が断熱層で被覆された中空状の発熱パイプの中空部が提案されている。
【0009】
特許文献6には、超臨界水又は亜臨界水による有機物質等の反応装置が開示されている。この反応装置は水蒸気を圧縮して超臨界水又は亜臨界水を得る手段と、この超臨界水又は亜臨界水を有機物等の被反応物質に接触させて化学反応を行なわせる手段と、この化学反応によって生じる生成物を含む水を膨張させて減圧させる手段とから構成される。
【0010】
特許文献7には、超臨界水、亜臨界水、蒸気の少なくともいずれかを抽出して超臨界水を得て、この超臨界水を利用した蒸気プラントが開示されている。この蒸気プラントはボイラ給水系統と蒸気供給系統とを備え、ボイラ、ボイラ給水系統または蒸気供給系統のいずれかの部位より超臨界水、亜臨界水または蒸気を抽出して超臨界水を得る超臨界水取り出し装置と、この超臨界水取り出し装置によって得た超臨界水を溶媒とし、有機物を酸化分解処理する有機物分解反応タンクと、有機物の酸化分解処理により生成した処理済水を取り出す処理済水取り出し装置とを有する超臨界水有機物処理設備から構成される。
【0011】
特許文献8には、二段プロセスを有する植物系バイオマス由来生成物の製造方法として、植物系バイオマスからヘミセルロースを分離する処理工程(1)と、 処理工程(1)から得られる固形分と、有機溶媒単独、または有機溶媒と水との混合溶媒から選択される溶媒とを混合して、加熱処理をする処理工程(2)の二段プロセスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特許第6737561号公報
【文献】WO2013/150660
【文献】WO2006/126273
【文献】特開2019-044029号公報
【文献】特開2010-214364号公報
【文献】特開2002-263465号公報
【文献】特開2002-248334号公報
【文献】WO2017/222084
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
処理対象となる有機系廃棄物は、個々に大きさ、形状の他に含有水分量が異なる。反応槽に投入した有機系廃棄物を過熱蒸気を用いて効率よく加水分解して低分子化するには、最適の反応条件がある。例えば、有機物の分解時は、含水率が少ないほうが、エネルギ効率が良く分解が促進されるが、バイオガス原料として使用するときは、湿式反応や乾式反応のどちらでも発酵槽に投入する時点で含水率を調整する必要がある。
【0014】
従来の反応槽に飽和蒸気或は過熱蒸気を供給し加水分解によって有機系廃棄物を低分子化する場合、飽和蒸気或いは過熱蒸気は反応槽と有機系廃棄物に熱を奪われて、凝縮水として反応槽内に溜まってしまう。
【0015】
また、過熱蒸気はすぐれた加熱能力を持ち、他の物質との反応性も高く、有機物からの塩素の分離や、樹脂等の分解などすぐれた特徴を有している。但し、有機物の種類によっては、炭化が進み過ぎるきらいがある。
【0016】
即ち、反応槽において、個々の有機系廃棄物に対して最適な反応条件(水分条件)があり、この条件を維持するには反応槽に投入される有機系廃棄物の水分量を一定にする必要がある。
【0017】
従来技術にあっては、別途に水分調整装置を設けることを記載したものがあるが、別途に装置を設けるのは他の装置の配置に影響を及ぼし、また有機系廃棄物の水分量が多い場合には効率よく対処することができない。
【0018】
また、有機系廃棄物を分解処理するに当たり、従来にあっては複数の段階に分けて処理することは行っているが、各段階では装置を単体で使用することを前提としている。このため、有機物を分解しても、有価物や有益な物質に変換できるとは限らない。有益な物質に変換するには、各処理段階ごとに処理対象である有機系廃棄物の特性に合わせて最も適した装置を選択する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するため、本発明に係る有機系廃棄物の処理システムは、有機系廃棄物の裁断、破砕または粉砕を行う前処理エリアと、過熱蒸気及び飽和蒸気を発生する蒸気発生エリアと、蒸気発生エリアからの蒸気によって有機系廃棄物を低分子化する加水分解エリアと、加水分解後の反応生成物に対し後処理を行う後処置エリアとからなり、前記加水分解エリアに配置される反応槽の外殻には蒸気発生エリアからの過熱蒸気で反応槽内の有機系廃棄物を外部から加熱する外殻加熱装置を設けた構成とした。
【0020】
前記蒸気発生エリアには、過熱蒸気を発生する高圧ボイラと飽和蒸気を発生する低圧或は標準圧ボイラを配置し、前処理エリア及び後処置エリアには複数の装置を配置し、処理対象である有機系廃棄物の状況、及び回収目的に応じて複数の装置のうちの1つを選択可能とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
加水分解装置並びに高温高圧水解装置の反応槽や処理物質が常温時に高温高圧状態の蒸気を直接反応槽に投入すると、圧力容器と処理物に熱を奪われて、凝縮水として反応槽内に溜まってしまう。本発明によれば、反応槽外部から加熱を行うことにより、処理物内部の水分が気化(蒸気)し、含水率を下げることが可能となる。
【0022】
また、蒸気発生エリアに異なる種類の蒸気を発生させる装置(ボイラ)を配置することで、用途に応じて、加水分解方法を使い分けでき、加水分解機能、高温高圧水解機能、加水分解や高温高圧状態に過熱蒸気を加えた機能、高温高圧水解機能等に過熱蒸気や爆砕機能を加えた機能と水分調整を可能とした機能を併用することができる。
【0023】
有機物をバイオガス原料として使用するときは、当該反応槽で処理後、発酵槽に投入する時点で含水率を調整する必要があり、用途によっては、細分化や微細化、易分解性などの最適化が必要なため、化学的な分解能力と物理的な分解能力を高める必要性があり、本発明はこれに対応できる。
【0024】
本発明によれば、反応槽を外殻面から加熱するため、大型化しても被処理物の比熱や量や含水率などによって、蒸気の熱が奪われることが無く、反応槽内で凝縮水を作りにくく、蒸気が反応槽内の有機系廃棄物全体にいきわたるため、分解反応が均一に行われる。また、反応槽を大型化できるので、1日当たりの処理量を大幅に増やすことができる。
【0025】
特に、反応槽の外郭に取り付けられた加熱装置により反応槽内を常時加熱することで、反応槽内全体の温度を均一に維持でき、また処理時のみに反応槽の天井部から加熱蒸気を供給すればよいので蒸気量を最低限にでき、熱効率が向上する。
この加熱装置は、内部蒸気を1.6MPaの圧力から、0.1MPa(大気圧)に近い圧力下に放出されることから、大量の凝縮熱エネルギが反応槽に伝わり、反応槽が急激に温度上昇が起ることを利用している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る有機系廃棄物の処理システムの全体図
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
有機系廃棄物の処理システムは、有機系廃棄物の裁断、破砕または粉砕を行う前処理エリア1と、過熱蒸気及び飽和蒸気を発生する蒸気発生エリア2と、蒸気発生エリア1からの蒸気によって有機系廃棄物を低分子化する加水分解エリア3と、加水分解後の反応生成物に対し後処理を行う後処置エリア4とからなる。
【0028】
前処理エリア1には、裁断装置、破砕装置、粉砕装置が配置され、後処置エリア4には中和装置、酸化装置、還元装置、脱臭装置、炭酸ガス除去装置、爆砕装置及び分別装置が配置され、反応生成物や要求される特性に応じて、必要な装置を選択して使用する。
【0029】
前記加水分解エリア3には反応槽5が配置され、この反応槽5の中央上面には処理エリア1からの有機系廃棄物を投入するための投入口6、下面中央には反応後の生成物を後処置エリア4へ送り出す排出口7が設けられている。
【0030】
また、反応槽5には
図3に示すように中空回転軸8が設けられ、この中空回転軸8にアーム9を介して攪拌羽根10が取付けられ、攪拌羽根10は順方向回転時には有機系廃棄物を攪拌しながら、スコップや除雪スコップのように有機系廃棄物持ち上げて蒸気に当て、逆方向回転時には有機系廃棄物を掻き出す構造としている。このようにすることで、反応槽5を単純な筒状としても、内部に有機系廃棄物や生成物が残りにくい。又、物質によっては、単純に攪拌を必要としている場合があるので、単純な攪拌羽を使うこともある。
又、物質によっては、攪拌を不要とする物質もあるので、攪拌装置が付かない場合もある。
【0031】
前記蒸気発生エリア2には、特圧ボイラ11、標準圧ボイラ12及び低圧ボイラ13を配置し、これらボイラを組み合わせることで、加水分解状態(0.1~2MPa、170~250℃)、過熱蒸気併用状態(1~2MPa、170~300℃、この状態を高温高圧水解と呼ぶ)の飽和並びに過熱蒸気を発生する。
【0032】
加水分解装置として使用する場合は、低圧ボイラ13か標準圧ボイラ12を使用し、処理時間短縮や加熱時間短縮には、さらに過熱蒸気発生装置を組み合わせる。高温高圧水解状態にするには、標準圧ボイラ12か特圧ボイラ11を使用し、さらに時間短縮や分解を早めるときは、過熱蒸気との組み合わせを行う。
【0033】
前記反応槽5の外殻には投入口6及び排出口7を避けて左右に外殻加熱装置14、14を配置している。
図3に示すように外殻加熱装置14はあばら骨状をなし、上部の矩形ボックス状をなす蒸気溜15と下部の廃蒸気・凝縮水回収溜16との間を複数の半円形をなす断面矩形状の中空パイプ17で連結している。
尚、外殻加熱装置14の形状は上記に限らず、反応槽5の外壁を二重構造にすることも考えられる。
【0034】
蒸気溜15、廃蒸気・凝縮水回収溜16及び中空パイプ17は内側面が反応槽5の外殻面に接するようにして伝熱効率を高める。
【0035】
水分含有量の少ない過熱蒸気(乾燥蒸気ともいう)の反応槽5への投入は、水分調整も兼ねる。水分調整とは、低圧で高度の分解機能を必要としない時などに、低圧状態の蒸気を大気に放散しながら、調整する機能を有する。
【0036】
ボイラや過熱蒸気発生装置から発生される蒸気(飽和水蒸気、過熱水蒸気を含む)は、反応槽の天井部から一部が供給され、残りは外殻加熱装置14の外殻加熱装置14はあばら骨状をなし、上部の矩形ボックス状をなす蒸気溜15に供給される。
【0037】
蒸気溜15は、蒸気発生エリア2から排出される蒸気より低圧(例えば大気圧)に設計され、蒸気溜15に放出された瞬間に大量の熱量を発散する。蒸気溜15からは、蒸気や凝縮水は、反応槽5の外郭にすだれ状に配管された中空パイプ17を通し、反応槽5に熱を伝えながら、凝縮水や蒸気を下部の凝縮水・蒸気回収溜16に落下する。
回収溜16内の水は汚染水では無いので循環路を介してボイラに戻される。この時点での蒸気はかなりの高温を保っているため、廃熱の有効利用が図れる。
【0038】
又、ボイラから発生する飽和蒸気に加えて過熱蒸気発生装置を付加してもよい。また保温のため、外部加熱装置を加えたさらに外側には、保温材並びに保温塗料などにより、保温するとともに外部のダメージから保護される。
【0039】
前記過熱蒸気供給路4と循環路5には遠隔操作バルブ6、7が設けられ、遠隔操作バルブ6は廃棄物を分解処理する間だけ開とし、遠隔操作バルブ7は長時間装置を停止する以外は常時開とし、反応槽3の全体の温度を一定以上に保っている。
【0040】
蒸気溜15に送られた過熱蒸気は、急激な圧力変化により、大量の熱量を放出しながら、中空パイプ17を通して、熱を反応槽外郭に伝えながら、下部の凝縮水・蒸気回収溜16に落下する。凝縮水・蒸気回収溜16に拐取された凝縮水類は、再度、ボイラに循環され、加熱される。
この外郭を温める循環経路は、圧力変化の少ない独自の熱媒体を使う時は、反応槽内部で使用される蒸気と別なボイラ又は加熱装置を使用する。
【0041】
以上において、有機系廃棄物を投入口6から反応槽5内に投入し、反応槽5内に過熱蒸気(亜臨界水)を供給する。すると反応槽5内の有機系廃棄物は0.1~8MPa、100~300℃の条件下で攪拌と水解され低分子化される。
例えば、都市ごみは水熱分解されて堆肥かバイオガス原料となり、魚残渣や家畜からはアミノ酸が生産され、木材は飼料となりフルボ酸が生産される。
バイオガス原料としては、バイオガス発生量が未処理状態に比較し、1.5倍又はそれ以上増大する。
【0042】
前記外殻加熱装置14の熱源は、水蒸気以外に電気ヒーターや電磁波や超音波やマイクロ波などでもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…前処理エリア、2…蒸気発生エリア2、3…加水分解エリア、4…後処置エリア、5…反応槽、6…投入口、7…排出口、8…中空回転軸、9…アーム、10…攪拌羽根、11…特圧ボイラ、12…標準圧ボイラ、13…低圧ボイラ、14…外殻加熱装置、15…蒸気溜、16…廃蒸気・凝縮水回収溜、17…中空パイプ。
【要約】
【課題】 有機系廃棄物の処理システムを提供する。
【解決手段】
反応槽5の外側の外殻加熱装置の蒸気溜15に送られた過熱蒸気は、急激な圧力変化により、大量の熱量を放出しながら、中空パイプ17を通して、熱を反応槽外郭に伝えながら、下部の凝縮水・蒸気回収溜16に落下する。凝縮水・蒸気回収溜16に拐取された凝縮水類は、再度、ボイラに循環され、加熱される。反応槽を外殻面から加熱するため、大型化しても被処理物の比熱や量や含水率などによって、蒸気の熱が奪われることが無く、反応槽内で凝縮水を作りにくく、蒸気が反応槽内の有機系廃棄物全体にいきわたる。
【選択図】
図1