IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オプトワークスの特許一覧

特許7043676情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-18
(45)【発行日】2022-03-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220322BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021201985
(22)【出願日】2021-12-13
【審査請求日】2021-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517193523
【氏名又は名称】株式会社SIGNATE
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 秀
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-180765(JP,A)
【文献】特開2021-144366(JP,A)
【文献】特開2019-95828(JP,A)
【文献】井上 祐寛,データサイエンティストの世界大会 Kaggleに参戦しよう!,日経ソフトウエア2019年9月号,日本,日経BP,2019年07月24日,第22巻,第5号,第122~131頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の成果物に含まれる2つの前記成果物の組を、評価者が操作する評価者端末に提示し、前記評価者による勝敗を示す評価結果を前記評価者端末から取得する処理を繰り返す評価取得部と、
前記評価取得部が取得した前記勝敗の評価結果を累積した累積結果に基づいて順序付けされた、前記複数の成果物の評価順位を、各成果物に対応する対応端末に通知する評価結果通知部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記評価取得部における所定の繰返し回数によって、前記複数の成果物の下位に至るまで評価順位が決定されるように、対戦方式と、前記勝敗の累積結果からの順位付けのルールであるランキングルールとの組み合わせを選定する選定部をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価取得部は、組み合わせの異なる2つの前記成果物の組による所定段数の前記処理を繰り返し、各段の前記処理は、前段の前記処理の結果により同じ勝率となった前記成果物のグループに対して行われる請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価取得部は、スイスドロー方式に従って、前記評価者による勝敗の評価結果を前記評価者端末から取得する処理を繰り返す請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価結果通知部は、前記成果物ごとに前記勝敗の評価結果に重み付けをして加算し、加算結果の順序に従って前記複数の成果物の評価順位を付して通知する請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記勝敗の評価結果は、引き分けを含み、
前記引き分けには、前記勝敗の評価結果に対する重み付けにおいて前記勝敗の間の重み付けを行う請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の成果物は奇数個であって、
前記2つの前記成果物の組を順に取り出した後の残りの前記成果物を不戦勝とし、前記勝敗の評価結果に対する重み付けにおいて前記勝敗の間の重み付けを行う請求項5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価者は複数人であって、
前記勝敗の評価結果は、各評価者の評価点を前記複数人について加点した点数である請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記評価者の少なくとも一部は前記成果物の生成者を含む請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記評価結果通知部は、前記評価取得部が取得した繰り返しごとの前記勝敗の評価結果を前記対応端末に通知し、
前記評価結果通知部が通知した繰り返しごとの前記勝敗の評価結果に基づいて、前記成果物に対する修正を前記対応端末から取得する修正取得部をさらに備え、
前記評価結果通知部は、前記修正取得部が取得した修正後の前記成果物に対する前記勝敗の評価結果をさらに累積した累積結果に基づいて順序付けされた、前記複数の成果物の順位を前記対応端末に通知する請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記複数の成果物は、コンペティションに対する成果物であり、
前記コンペティションは、データ分析学習における問題に対する解答を評価して、順位を提示する請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
評価取得部が、複数の成果物に含まれる2つの前記成果物の組を、評価者が操作する評価者端末に提示し、前記評価者による勝敗を示す評価結果を前記評価者端末から取得する処理を繰り返す評価取得ステップと、
評価結果通知部が、前記評価取得ステップが取得した前記勝敗を示す評価結果を累積した累積結果に基づいて順序付けされた、前記複数の成果物の順位を、各成果物に対応する対応端末に通知する通知ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項13】
複数の成果物に含まれる2つの前記成果物の組を、評価者が操作する評価者端末に提示し、前記評価者による勝敗を示す評価結果を前記評価者端末から取得する処理を繰り返す評価取得ステップと、
前記評価取得ステップが取得した前記勝敗を示す評価結果を累積した累積結果に基づいて順序付けされた、前記複数の成果物の順位を、各成果物に対応する対応端末に通知する通知ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、高い費用をかけることなく、短期間で多数の人からの評価情報を得ることを目的として、投票に基づいてデザインを順位付けする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-044603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、各投票者が全てのデザインを評価しなければならず、負荷が大きかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、
コンペティションに応募された複数の成果物に含まれる2つの前記成果物の組を、評価者が操作する評価者端末に提示し、前記評価者による勝敗の評価結果を前記評価者端末から取得する処理を繰り返す評価取得部と、
前記評価取得部が取得した前記勝敗の評価結果を累積した累積結果に基づいて順序付けされた、前記応募された複数の成果物の評価順位を応募者が操作する応募者端末に通知する評価結果通知部と、
を備える。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法は、
評価取得部が、コンペティションに応募された複数の成果物に含まれる2つの前記成果物の組を評価者が操作する評価者端末に提示し、前記評価者による勝敗の評価結果を前記評価者端末から取得する処理を繰り返す評価取得ステップと、
評価結果通知部が、前記評価取得ステップにおいて取得した前記勝敗の評価結果を累積した累積結果に基づいて順序付けされた、前記応募された複数の成果物の評価順位を応募者が操作する応募者端末に通知する評価結果通知ステップと、
を含む。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理プログラムは、
コンペティションに応募された複数の成果物に含まれる2つの前記成果物の組を評価者が操作する評価者端末に提示し、前記評価者による勝敗の評価結果を前記評価者端末から取得する処理を繰り返す評価取得ステップと、
前記評価取得ステップにおいて取得した前記勝敗の評価結果を累積した累積結果に基づいて順序付けされた前記応募された複数の成果物の評価順位を、応募者が操作する応募者端末に通知する評価結果通知ステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より多くの成果物に対して順位付けを行いつつ、評価者の負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図2A】第2実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムの動作概要を示す図である。
図2B】第2実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムにおける応募者端末および評価者端末の表示を示す図である。
図3】第2実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムの構成を示す図である。
図4】第2実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムの動作手順を示すシーケンス図である。
図5】第2実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図6A】第2実施形態に係る公募データの構成を示す図である。
図6B】第2実施形態に係る応募データの構成を示す図である。
図6C】第2実施形態に係る評価結果の構成を示す図である。
図6D】第2実施形態に係る重み付けテーブルの構成を示す図である。
図6E】第2実施形態に係るランキングデータの構成を示す図である。
図6F】第2実施形態に係る対戦方式のテーブル構成を示す図である。
図6G】第2実施形態に係るランキングルールのテーブル構成を示す図である。
図7】第2実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図8】第2実施形態に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態に係る対戦評価処理の手順を示すフローチャートである。
図10A】第3実施形態に係るコンペティションシステムにおける解答の順位付け手順を示す図である。
図10B図10Aの各対戦における評価者の評価方法を示す図である。
図11A】第3実施形態に係るコンペティションシステムをデータ分析学習に応用した場合の課題設定を示す図である。
図11B図11Aの課題設定におけるテーマ、問題点および正解例を示す図である。
図11C図11Aのコンペティションへの応募データを示す図である。
図12A】第3実施形態に係る情報処理装置による、第1コンペティションに対する応募者からの解答評価の第1ラウンドの結果表示を示す図である。
図12B】第3実施形態に係る情報処理装置による、第1コンペティションに対する応募者からの解答評価の第2ラウンドの結果表示を示す図である。
図12C】第3実施形態に係る情報処理装置による、第1コンペティションに対する応募者からの解答評価の第3ラウンドの結果表示を示す図である。
図12D】第3実施形態に係る情報処理装置による、第1コンペティションに対する応募者からの解答評価の第4ラウンドの最終結果表示を示す図である。
図13A】第3実施形態に係る情報処理装置による、第2コンペティションに対する応募者からの解答評価の第1ラウンドの結果表示を示す図である。
図13B】第3実施形態に係る情報処理装置による、第2コンペティションに対する応募者からの解答評価の第2ラウンドの結果表示を示す図である。
図13C】第3実施形態に係る情報処理装置による、第2コンペティションに対する応募者からの解答評価の第3ラウンドの結果表示を示す図である。
図13D】第3実施形態に係る情報処理装置による、第2コンペティションに対する応募者からの解答評価の第4ラウンドの最終結果表示を示す図である。
図13E】第3実施形態に係る情報処理装置による、第1または第2コンペティションに対する評価者の評価結果を示す図である。
図14A】第4実施形態に係る情報処理装置による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第1ラウンドの結果表示を示す図である。
図14B】第4実施形態に係る情報処理装置による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第2ラウンドの結果表示を示す図である。
図14C】第4実施形態に係る情報処理装置による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第3ラウンドの結果表示を示す図である。
図14D】第4実施形態に係る情報処理装置による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第4ラウンドの最終結果表示を示す図である。
図15A】第5実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムの一例における応募者端末および評価者端末の表示を示す図である。
図15B】第5実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムの他例における応募者端末および評価者端末の表示を示す図である。
図16】第6実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムにおける応募者端末および評価者端末の表示を示す図である。
図17】第7実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムにおける応募者端末および評価者端末の表示を示す図である。
図18】第8実施形態に係る応募データの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、図1を用いて説明する。情報処理装置100は、コンペティションに応募された複数の成果物を評価して順位付けする装置である。
【0013】
図1に示すように、情報処理装置100は、評価取得部101と、評価結果通知部102と、を含む。評価取得部101は、コンペティションに応募された複数の成果物に含まれる2つの成果物の組を評価者1341が操作する評価者端末140に提示し、評価者141による勝敗の評価結果111を評価者端末140から取得する処理を繰り返す。評価結果通知部102は、評価取得部101が取得した勝敗の評価結果111を累積した累積結果121に基づいて順序付けされた、応募された複数の成果物の評価順位を応募者131が操作する応募者端末130に通知する。
【0014】
本実施形態によれば、2つの成果物の組の対戦を繰り返した結果を累積して順位を付けるので、応募されてきた成果物に対して、評価者への負荷を低減し、下位までの客観的な順位付けを効率的に行うことができる。
【0015】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、対戦型順位決定方式を用いて、成果物ごとに勝敗の評価結果に重み付けをして加算し、加算結果の順序に従って前記応募された複数の成果物の評価順位を付して提示する。また、勝敗の評価結果は、引き分けあるいは不戦勝を含み、引き分けや不戦勝には、勝敗の間の重み付けを行う。また、評価者を複数人とし、各評価者の評価点を前記複数人について加点した点数とする。また、勝敗の評価結果を応募者に提示して、応募者が修正を加えた成果物を取得することで、修正後の成果物に対する勝敗の評価結果をさらに累積した累積結果に基づいて順序付けを行う。なお、評価者の少なくとも一部が応募者から選定されてもよい。
【0016】
なお、本実施形態においては、成果物を応募者端末230から通信でデータとして送信できる対象として説明するが、成果物はデータで扱える物に限定されない。例えば、物理的な物や人の五感で感じるデータで扱えない物も含まれる。
【0017】
<コンペティションシステム>
図2Aから図4を参照して、本実施形態のコンペティションシステム200の構成および動作を説明する。
【0018】
(動作概要)
図2Aは、本実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステム200の順位付けの動作概要を示す図である。コンペティションシステム200は、対戦型順位決定方式を使用して順位付けを行う。
【0019】
本実施形態のコンペティションシステム200では、ステップS210において、公募に応じて応募者による成果物が登録される。ステップS220においては、同じ実力者同士となるように複数の対戦組を自動的に選定する。ステップS230においては、自動選定された複数の対戦組について評価者を自動的にアサインして、匿名化された成果物組に対する評価者からの勝敗や引き分けの判定を取得する。そして、ステップS230においては、ステップS220とS230とを必要な回数(ラウンド)だけ繰り返して得た、勝敗の累積スコアに基づき順位表を生成する。なお、評価者の少なくとも一部が応募者から選定されてもよい。
【0020】
(応募者端末および評価者端末の表示)
図2Bは、本実施形態に係る情報処理装置210を含むコンペティションシステム200における応募者端末230および評価者端末240の表示を示す図である。
【0021】
応募者231が操作する応募者端末230ではログオンして、コンペティションアプリケーション(以下、コンペティションアプリ)を起動する。応募者端末230の表示画面232には、情報処理装置210からのコンペティションの公募情報233が表示される。応募者231は、応募者端末230の表示画面234に応募する成果物235を入力して、情報処理装置210に登録する。
【0022】
情報処理装置210は、登録した複数の成果物から2つの成果物の組を対戦組として選定する。そして、情報処理装置210は、ログオンしてコンペティションアプリが起動している、評価者241が操作する評価者端末240の表示画面242に、評価対象243として成果物Aと成果物Bとを表示する。評価者241は、評価対象243を比較して、評価者端末240の表示画面245に、評価ラベル表246に従って評価結果247を入力し、評価結果247は情報処理装置210に収集される。
【0023】
情報処理装置210は、収集した評価結果に重み付けをして累積し、累積結果に基づいて成果物の順序付け(ランキング)を行う。情報処理装置210は、応募者端末230の表示画面236に、評価結果237および順位表238を表示させる。なお、応募者231による成果物の修正がある場合は、表示画面234に戻って、成果物の修正あるいは修正された成果物を入力して、情報処理装置210の登録を更新する。
【0024】
(システム構成)
図3、本実施形態に係る情報処理装置210を含むコンペティションシステム200の構成を示す図である。
【0025】
コンペティションシステム200は、ネットワーク320を介して接続された情報処理装置210と、応募者端末230と、評価者端末240と、を備える。応募者端末230は、コンペティションの対象となる成果物を応募する応募者231が操作する端末である。評価者端末240は、応募された成果物のうちの2つの成果物の組の勝敗を評価する評価者241が操作する端末である。
【0026】
情報処理装置210は、応募された成果物の順序付けに使用されるデータを格納するデータベース311を有する。情報処理装置210はデータベース311を利用して、複数の応募者端末230からそれぞれの応募者231による成果物を収集し、2つの成果物の組を評価者端末240に提示する。そして、情報処理装置210は、評価者241による評価結果である勝敗を評価者端末240から収集する。この過程を繰り返して評価結果を累積し、累積結果に基づいて成果物の順位付けを行い、複数の応募者端末230に通知する。なお、情報処理装置210には、その動作をオペレータ351操作するオペレータ端末350が、直接あるいはネットワークを介して接続されている。
【0027】
(動作シーケンス)
図4は、本実施形態に係る情報処理装置210を含むコンペティションシステム200の動作手順を示すシーケンス図である。なお、図4においては、オペレータ端末350からのオペレータ351による指示に基づいて、データベース311に格納された対戦方式401のテーブルやランキングルール402のテーブルから対戦方式やランキングルールが既に選定されているとして、その以降の動作手順を説明する。
【0028】
まず、ステップS400において、オペレータ351がオペレータ端末350により、累積された対戦結果から全成果物の評価ランキングを決定できるように、本コンペティションにおいて使用する対戦方式と、評価方法を定めたランキングルールとを選定する。成果物を公募して応募された成果物を収集する場合、ステップS401において、応募者端末230はログオンを行い、情報処理装置210と接続する。応募者端末230のログオンを受けて、情報処理装置210は、ステップS403において、データベース311から公募のための公募データ411を読み出して、公募期間などを含む応募内容をログオンした応募者端末230に送信する。ログオンした応募者端末230は、ステップS405において、受信した応募内容を応募者231に通知する。応募者231は応募内容に対応する成果物を応募者端末230に入力し、応募者端末230は、ステップS407において、応募のため成果物を情報処理装置210に送信する。情報処理装置210は、公募期間が終了するまで、ステップS409において、応募者端末230からの成果物を収集して、データベース311に応募データ412として格納する。
【0029】
応募された成果物を評価する場合、ステップS411において、評価者端末240はログオンを行い、情報処理装置210と接続する。
【0030】
成果物の評価処理の第1段階(第1ラウンド)では、評価者端末240のログオンを受けて、情報処理装置210は、ステップS413において、データベース311の公募データ411から対戦させる2つの成果物の組を読み出して、それぞれの組をログオンした評価者端末240に送信する。評価者端末240は、ステップS415において、受信した2つの成果物の組を評価者241に提示し、評価者241による勝敗判定である評価結果を情報処理装置210に送信する。なお、各対戦組の評価は、1人の評価者241によって行われても、複数の評価者241によって独立して行われその評価を統合してもよい。また、1人の評価者241が複数の対戦組の評価を行ってもよい。評価者の数や組み合わせは、評価の公正さや正確さによって設定可能である。
【0031】
情報処理装置210は、受信した評価結果をデータベース311の評価結果413に応募者231に対応付けて格納する。また、情報処理装置210は、ステップS417において、収集した評価結果を比較して成果物のランキングを付してデータベース311のランキングデータ414に保持すると共に、評価結果およびランキングを応募者端末230に送信する。応募者端末230は、ステップS419において、受信した評価結果およびランキングを応募者231に通知する。評価結果およびランキングを見た応募者231が成果物の修正を望む場合、応募者端末230は、ステップS421において、応募者231による成果物の修正を情報処理装置210に送信して、応募データ412を更新する。
【0032】
成果物の評価処理の第2段階(第2ラウンド)では、情報処理装置210は、ステップS423において、データベース311の公募データ411から対戦させる異なる2つの成果物の組を読み出して、それぞれの組をログオンした評価者端末240に送信する。評価者端末240は、ステップS425において、受信した2つの成果物の組を評価者241に提示し、評価者241による勝敗判定である評価結果を情報処理装置210に送信する。情報処理装置210は、受信した評価結果をデータベース311の評価結果413に応募者231に対応付けて累積する。また、情報処理装置210は、ステップS427において、累積した評価結果を比較して成果物の累積ランキングを付してデータベース311のランキングデータ414に保持すると共に、評価結果および累積ランキングを応募者端末230に送信する。応募者端末230は、ステップS429において、受信した評価結果および累積ランキングを応募者231に通知する。評価結果および累積ランキングを見た応募者231が成果物の修正を望む場合、応募者端末230は、ステップS431において、応募者231による成果物の修正を情報処理装置210に送信して、応募データ412を更新する。
【0033】
以下、各成果物の累積評価に有意な差異が見られて最終的な累積ランキングが決定されるまで、成果物の評価処理の複数段階(複数ラウンド)を繰り返す。ここで、各ラウンドにおける評価者は、同じでもよいし異なっていてもよい。例えば、リーグ戦方式であれば、同じ評価者グループであるのが望ましいが、トーナメント戦方式(シングルエリミネーション方式)やスイスドロー方式などでは、ラウンドを重ねるごとに接近して勝敗判断が難しくなるので、後のラウンドはより専門知識のある評価者とするのが望ましい。
【0034】
情報処理装置210は、ステップS441において、最終ランキングの決定を確認してランキングデータ414に保持すると共に、最終段階(最終ラウンド)の評価結果および最終ランキングとを応募者端末230に送信する。応募者端末230は、ステップS443において、応募者231に最終評価結果および最終ランキングを通知する。
【0035】
なお、最終ランキングの決定までの段階数(ラウンド数)は、対戦型順位付け方法によってそれぞれ異なる。例えば、組合わせ固定のトーナメント戦方式では(対戦者数P=2n:段階数n)であり、リーグ戦方式では(対戦者数P=n+1:段階数n)である。また、スイスドロー方式では、トーナメント戦方式と同様に(対戦者数P=2n:段階数n)となるが、勝率の近い組み合わせの対戦を行って順位付けの公正さを図るので試合数が若干増える。なお、本実施形態で使用される対戦型順位決定方式は上記方式に限定されず、コンペティションで応募した成果物の順位付けに上記方式以外の対戦型順位決定方式を使用して評価結果を累積しても、客観的な順位付けを効率的に行うことができる。
【0036】
<情報処理装置の機能構成>
図5は、本実施形態に係る情報処理装置210の機能構成を示すブロック図である。なお、図5において、図2図3および図4と同様の構成要素には同じ参照番号を付している。
【0037】
情報処理装置210は、データベース311と、対戦方式/ランクングルール選定部511と、通信制御部501と、公募通知部502と、応募取得部503と、対戦組選択部504と、対戦組評価依頼部505と、を備える。また、情報処理装置210は、対戦組評価取得部506と、評価結果累積部507と、ランキング生成部508と、評価結果/ランキング通知部509と、成果物修正取得部510と、を備える。
【0038】
データベース311は、情報処理装置210で実行されるコンペティションのための複数の対戦方式401の格納領域と、複数のランキングルール402の格納領域と、を有する。また、データベース311は、応募者端末230に公募を通知するための公募データ411の格納領域と、応募者端末230から取得された成果物を格納する応募データ412の格納領域と、を有する。また、データベース311は、評価者端末240から取得された対戦組の評価結果を応募者に対応付けて累積する評価結果413の格納領域と、応募者に対応付けて累積された評価結果413から生成されたランキングを保持するランキングデータ414の格納領域と、を有する。
【0039】
対戦方式/ランクングルール選定部511は、オペレータ端末350からのオペレータ351による対戦方式およびランクングルールの指定に従って、データベース311に格納された対戦方式およびランクングルールを選定する。なお、対戦方式およびランクングルールの組み合わせは、低負荷で下位までの客観的な順位付けを効率的に行うことができるような組み合わせが選定される。
【0040】
通信制御部501は、応募者端末230や評価者端末240との通信を制御する。公募通知部502は、公募データ411を読み出して応募者端末230に成果物の公募を通知する。応募取得部503は、応募者端末230から応募された成果物を取得して応募データ412として登録する。対戦組選択部504は、公募期間の終了後に、応募され登録された成果物から2つの成果物の組である対戦組を選定する。対戦組の選定方法は、上述のように、対戦型順位決定方式のいずれかを使用する。対戦組評価依頼部505は、対戦組選択部504が選定した対戦組の勝敗評価を評価者端末240に送信して、評価者241の評価を依頼する。
【0041】
対戦組評価取得部506は、評価者241が入力した対戦組の評価結果を評価者端末240から取得する。評価結果累積部507は、対戦組評価取得部506が取得した対戦組の評価結果を応募者(あるいは成果物)に対応付けて累積し、評価結果413として格納する。ランキング生成部508は、重み付けテーブル581を有し、重み付けされた評価結果の現ラウンドまでの累積結果に基づいて応募者(あるいは成果物)のランキングを行い、ランキングデータ414として保持する。評価結果/ランキング通知部509は、現ラウンドの評価結果および現ラウンドまでの累積結果に基づくランキングを、応募者端末230に送信して応募者231に通知する。成果物修正取得部510は、評価結果およびランキングの通知を見た応募者231が成果物の修正を応募者端末230に指示した場合に、応募者端末230からの成果物の修正(あるいは修正された成果物)を取得し、応募データ412を修正する。修正後の評価およびランキングは、修正された成果物に基づいて行われる。なお、修正前の成果物の評価結果と修正後の成果物の評価結果とのランキングへの寄与率は、対象となる成果物によって設定することができる。
【0042】
(公募データ)
図6Aは、本実施形態に係る公募データ411の構成を示す図である。公募データ411は、公募通知部502が応募者端末230にコンペティションの公募を通知するためのデータとして使用される。
【0043】
公募データ411は、コンペティションを識別するコンペID611に対応付けて、コンペティションの名前であるコンペ名称612と、公募期間613と、公募内容614と、を記憶する。
【0044】
(応募データ)
図6Bは、本実施形態に係る応募データ412の構成を示す図である。応募データ412は、応募取得部503が応募者端末230から取得した応募成果物を応募者(または成果物)に対応付けて登録するために使用される。
【0045】
応募データ412は、コンペID621に対応付けて、複数の応募を識別する応募ID622を記憶する。そして、各応募ID622に対応付けて、応募者属性623と、応募日時624と、応募された成果物625と、を記憶する。各応募ID622は、成果物を識別する成果物IDと応募者を識別する応募者IDとを含む。
【0046】
(評価結果)
図6Cは、本実施形態に係る評価結果413の構成を示す図である。評価結果413は、評価者端末240から取得した対戦組の勝敗である評価結果を評価結果累積部507が応募者(あるいは成果物)ごとに累積した累積結果を格納する。
【0047】
評価結果413は、各コンペID631に対応付けて、複数の応募ID632を記憶する。そして、各応募ID632に対応付けて、複数ラウンドの勝負結果633を累積する。勝負結果633には、ラウンド1(round 1)の対戦相手と勝敗結果、ラウンド2(round 2)の対戦相手と勝敗結果、…、ラウンドn(round n)の対戦相手と勝敗結果が対戦終了すると記録される。
【0048】
(重み付けテーブル)
図6Dは、本実施形態に係る重み付けテーブル581の構成を示す図である。重み付けテーブル581は、ランキング生成部508が、各ラウンドが終了すると、今までのラウンドの対戦結果に重み付けをするために使用される。重み付けテーブル581は、対戦結果への重み付けを記憶するスコア記憶部640と、各応募IDの対戦結果に重み付けして加算した累積スコアを算出する対戦評価リスト650と、を有する。
【0049】
スコア記憶部640は、評価者端末240から取得した対戦結果641に対応して、重み付けのスコア642を記憶する。例えば、対戦結果641が“勝ち”であれは“3”、引き分け”であれば“1”、“負け”であれば“0”、などを記憶する。あるいは、“引き分けだが優勢”であれば“1.5”としてもよい。なお、対戦結果641の分け方、あるいは、スコア642の点数については、上記例に限定されず、用いる対戦型順位決定方式や評価者の人数なども考慮して適切に決定されればよい。例えば、勝敗のみで引分なしでもよいし、また、勝敗における大差か僅差かで異なるスコアとすることもできる。あるいは、スコアを加点方式にせずに、敗者には大差か僅差かで異なるマイナス・スコアを付すこともできる。
【0050】
対戦評価リスト650は、各コンペID651に対応付けて、複数の応募ID652を記憶する。そして、各応募ID652に対応付けて、複数ラウンドの勝負結果653を記憶する。勝負結果653は、ラウンド1の結果および重み付けスコア、ラウンド2の結果および重み付けスコア、…、ラウンドnの結果および重み付けスコア、現在までのラウンドの累積スコア、を含む。
【0051】
なお、本実施形態では、ランキング生成部508で重み付けテーブル581を用いて重み付け、あるいは、ランキングを行ったが、評価結果累積部507で重み付けを行って評価結果413に格納し、ランキング生成部508は既に重み付けをした累積結果を用いてランキングを行ってもよい。
【0052】
(ランキングデータ)
図6Eは、本実施形態に係るランキングデータ414の構成を示す図である。ランキングデータ414は、ランキング生成部508が生成したランキングを保持するために使用される。
【0053】
ランキングデータ414は、各コンペID661に対応付けて、ランキング662と、そのランクとなった成果物ID663と、応募者ID664と、累積スコア665と、を記憶する。
【0054】
(対戦方式)
図6Fは、本実施形態に係る対戦方式401のテーブル構成を示す図である。対戦方式401のテーブルは、情報処理装置210が、オペレータ端末350からオペレータ351により指示された対戦方式を複数の対戦方式から選定するために使用するテーブルである。
【0055】
対戦方式401のテーブルは、対戦方式671のそれぞれに対応付けて、複数の対戦結果672を記憶する。対戦方式671には、本実施形態で使用するスイスドローや、トーナメント、リーグ戦などが記憶されるが、対戦を基礎とする他の様々な対戦方式も記憶される。また、対戦結果672としては、不戦勝の有り無し、引分優勢の有り無し、トーナメントの敗者復活などがあるが、図6Fに限定されない。各対戦結果672に対しては、それぞれのスコア方法673と、詳細ルール674と、実行プログラム675と、ランキングルールとの組み合わせ676と、を記憶する。スコア方法673には、選択可能あるいは設定可能な複数のスコア方法が記憶されてよい。また、実行プログラム675は、情報処理装置210によって読み出されて実行されることにより、選定された対戦方式を実現するモジュールを記憶する。また、ランキングルールとの組み合わせ676は、組み合わせる複数のランキングルールとそのランキング結果が記憶されるが、特に、低負荷で下位までの客観的な順位付けを効率的に行うことができるような組み合わせが記憶されるのが望ましい。具体的には、スイスドロー方式やトーナメト方式(シングルエリミネーション)に敗者復活戦を導入する組み合わせや、優勢判定を加えるなどがある。すなわち、なにかしらポイントの偏りを付加する仕組みを導入することで、あるいは、ランキングルールにおいて、対戦相手の強弱や対戦結果が大差か僅差かなどを組み込むことで、あらゆる対戦方式の使用ができる。
【0056】
(ランキングルール)
図6Gは、本実施形態に係るランキングルール402のテーブル構成を示す図である。ランキングルール402のテーブルは、情報処理装置210が、オペレータ端末350からオペレータ351により指示されたランキングルールを複数のランキングルールから選定して、選定されたランキングルールが複数の場合の適用順序を決定するために使用するテーブルである。
【0057】
ランキングルール402のテーブルは、ランキングルール681に対応付けて、ルール内容682と、実行プログラム683と、使用するかしないかのフラグ684と、使用順序685と、を記憶する。ランキングルール681としては、例えば、オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ(OMWP)、ゲーム・ウィン・パーセンテージ(GWP)、オポネント・ゲーム・ウィン・パーセンテージ(OGWP)、などがあるが、これに限定されない。また、実行プログラム683は、情報処理装置210によって読み出されて実行されることにより、選定されたランキングルールを実現するモジュールを記憶する。
【0058】
OMWPは「同じ勝ち点なら、より強い人と戦ってきた方が上と判定する」、GWPは「同じレベルの対戦相手と戦ってきているなら、より圧勝している方が強いと判断する」、OGWPは「全ての対戦相手のゲーム勝率(GWP)の平均が高い方を上位とする」、との順位決定のアルゴリズムである。通常は、OMWP→GWP→OGWPの順で利用される。なお、順位決定の上記アルゴリズムの詳細については、
“https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC”に記載がある。
【0059】
<情報処理装置のハードウェア構成>
図7は、本実施形態に係る情報処理装置210のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、図7において、図2から4と同様の構成要素には同じ参照番号を付している。
【0060】
図7で、CPU(Central Processing Unit)710は演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図5の機能構成部を実現する。ROM(Read Only Memory)720は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびプログラムを記憶する。ネットワークインタフェース730は、応募者端末230や評価者端末240との、ネットワーク320を介する通信を制御する。
【0061】
RAM(Random Access Memory)740は、CPU710が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM740には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。公募データ741は、応募者端末230に送信する公募用のデータである。応募データ(成果物)/応募ID742は、応募IDにより識別される応募者端末230から取得された応募データ(成果物)である。評価結果/応募ID組743は、評価者端末240から取得した、対戦組の2つの応募ID組の成果物の対戦結果のデータである。スコア/応募ID744は、各応募IDに対応する対戦結果および累積結果のスコアである。重み付けテーブル581は、図6Dで説明した対戦結果および累積結果に重み付けするためのテーブルである。なお、重み付けテーブル581は、ストレージ750に格納されてもよい。ランキング/応募ID745は、応募IDをランキング順に並べたデータである。
【0062】
ストレージ750には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。データベース311に格納される対戦方式401とランクングルールとは、図6Fおよび図6Gで説明したテーブルである。また、データベース311に格納される公募データ411と、応募データ412と、評価結果413と、ランキングデータ414は、図6A図6Cおよび図6Eで説明したデータである。ストレージ750には、以下のプログラムが格納される。情報処理プログラム751は、情報処理装置210の全体を制御するプログラムである。公募通知モジュール752は、公募データ411を用いて応募者端末230に対して公募をするためのモジュールである。応募収集モジュール753は、応募者端末230から応募された成果物を収集して応募データに登録するモジュールである。評価収取モジュール754は、評価者端末240からの対戦組の評価結果を収集して応募IDに対応付けて評価結果413に累積するモジュールである。ランキング生成モジュール755は、評価結果413に基づいて重み付けされた累積スコアに従って応募IDに対してランキング付けを行うモジュールである。
【0063】
なお、図7のRAM740やストレージ750には、情報処理装置210が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関連するプログラムやデータは図示されていない。
【0064】
<情報処理装置の処理手順>
図8は、本実施形態に係る情報処理装置210の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、図7のCPU710がRAM740を使用して実行し、図5の構成要素を実現する。
【0065】
情報処理装置210は、ステップS801において、オペレータ端末350からのオペレータ351の指示に従って、データベース311からコンペティションに使用する対戦方式およびランキングルールを選定する。次に、情報処理装置210は、ステップS811において、応募者端末230に対する公募処理であるか否かを判定する。公募処理であれば、情報処理装置210は、ステップS813において、データベース311から公募データ411を取得する。そして、情報処理装置210は、ステップS815において、公募データ411あるいは公募データ411から生成された公募画面をログインされた応募者端末230に通知する。
【0066】
公募処理でなければ、情報処理装置210は、ステップS821において、応募者端末230からの応募を受け付ける応募処理であるか否かを判定する。応募処理であれば、情報処理装置210は、ステップS823において、応募者端末230から応募データとして成果物を取得する。そして、情報処理装置210は、ステップS825において、応募IDに対応付けて成果物を応募データ412としてデータベース311に登録する。
【0067】
公募処理でなく応募処理でもなければ、情報処理装置210は、ステップS831において、評価者端末240に対する対戦評価処理であるか否かを判定する。対戦評価処理であれば、情報処理装置210は、ステップS833において、対戦評価処理を実行する。
【0068】
公募処理でなく応募処理でもなく対戦評価処理でもなければ、情報処理装置210は、ステップS841において、成果物の評価結果に基づくランキング処理であるか否かを判定する。評価ランキング処理であれば、情報処理装置210は、ステップS843において、今までのラウンドの対戦の累積結果に基づいて対戦評価リストを生成する。情報処理装置210は、ステップS845において、対戦評価リストに基づいてスコア順のランキングデータを生成する。そして、情報処理装置210は、ステップS847において、ランキングデータを応募者端末230に通知する。
【0069】
(対戦評価処理)
図9は、本実施形態に係る対戦評価処理S833の手順を示すフローチャートである。
【0070】
情報処理装置210は、ステップS901において、対戦グループの応募成果物から2つの成果物の複数の対戦組を生成する。最初の対戦ラウンドでは、あらかじめ成果物に評価値が付加されてない場合、ランダムに2つの成果物を対戦相手として選定する。2回目以降の対戦ラウンドでは、新たに生成された対戦グループから対戦組を生成する。次の対戦グループは、使用される対戦型順位決定方式に対応して生成される。例えば、トーナメント戦方式では、直近の対戦ラウンドの勝者が新たな対戦グループとなる。リーグ戦方式では、対戦グループは変わらず今まで対戦していない対戦組が選定される。スイスドロー方式では、今までの対戦結果の勝率が同じ、あるいは、勝率が近接しているグループが対戦グループとなる。
【0071】
情報処理装置210は、ステップS903において、ステップS901で生成された各対戦組の成果物を評価者端末240に通知する。情報処理装置210は、ステップS905において、評価者端末240からの評価結果の受信を待つ。評価結果の受信があれば、情報処理装置210は、ステップS907において、評価結果(勝負)および重み付けをしたスコアを、応募ID(応募者IDまたは成果物ID)に対応付けて累積する。なお、図9では複数の対戦組の評価結果や複数の評価者からの評価結果についての受信および累積処理については、煩雑となるため省略しているが全ての評価結果の受信と累積とが繰り返される。
【0072】
情報処理装置210は、ステップS909において、最新の対戦ラウンドの評価結果および現在のランキングを応募者端末230に通知する。そして、情報処理装置210は、ステップS911において、対戦結果も考慮して対戦型順位決定方式に対応した次の対戦グループを生成する。情報処理装置210は、ステップS913において、評価結果および現在のランキングを見た応募者231による成果物の修正があるか否かを判定する。成果物の修正が応募者端末230から受信されれば、情報処理装置210は、ステップS915において、修正した応募成果物を取得して格納、あるいは、格納している成果物を修正する。
【0073】
情報処理装置210は、ステップS917において、全ての応募成果物の公正な順位付けが可能となるだけのラウンドが終了したか否かを判定する。全ての応募成果物の順位付けが可能でなければ、ステップS901に戻って、次の対戦グループによる次の対戦ラウンドを全ての応募成果物の順位付けが可能になるまで繰り返す。
【0074】
本実施形態によれば、応募されてきた成果物に対して、評価者への負荷を低減し、下位までの客観的な順位付けを効率的に行うことができる。また、評価の重み付けにより、より正確で客観的な順位付けを効率的に行うことができる。さらに、各評価後の応募者による成果物の修正をも可能とし、より優れた成果物を得ることができる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、上記第2実施形態と比べると、一般的な対戦型方式でなく対戦型の1つとしてスイスドロー方式を採用した具体的な処理を説明する点で異なる。なお、スイスドロー方式は、組み合わせの異なる2つの成果物の組による所定段数の処理を繰り返し、各段の処理が、前段の処理の結果により同じ勝率となった成果物のグループに対して行われる方式である。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0076】
<コンペティションの順位付け手順>
図10Aは、本実施形態に係るコンペティションシステムにおける解答の順位付け手順1010を示す図である。図10Aには、煩雑さを避けるために登録された成果物(応募者)の数が8人の場合の、スイスドロー方式の順位付け手順を示すが、成果物(応募者)の数が異なる場合も同様の手順である。なお、図10Aにおいては、スイスドロー方式の考え方を示すため、引き分けや不戦勝などを省略して説明する。
【0077】
8人でスタートする1回戦1011においては、(8人=2人×4組)により、ランダムに選定された4組の対戦組が生成される。なお、8人についてレベルが既知の場合には、レベルの近い組が選定される。
【0078】
1回戦1011の終了時には、勝者組4人(1勝)と敗者組4人(1敗)との同勝率の2つの対戦グループが生成される。2回戦1012では、勝者組4人は同勝率なのでランダムに2組の対戦組が選定される。敗者組4人においてもランダムに2組の対戦組が選定される。
【0079】
2回戦1012の終了時には、勝者組4人の対戦結果から勝者組2人(2勝)と敗者組2人(1勝1敗)とが生成され、敗者組4人の対戦結果から勝者組2人(1勝1敗)と敗者組2人(2敗)とが生成される。ここで、勝者組4人の敗者と敗者組4人の勝者とは共に1勝1敗で勝率が同じであるので、1つの1勝1敗組4人の対戦グループを生成する。したがって、2回戦1012の終了時には、2勝組2人と、1勝1敗組4人と、2敗組2人との3つの対戦グループが生成される。そして、3回戦1013では、2勝組2人および2敗組2人では1組の対戦組である。1勝1敗組4人においては2組の対戦組が選定される。なお、1勝1敗組4人においては、既に対戦した組は対戦組に選定されない。また、対戦結果に勝敗のレベル(例えば、複数評価者による勝敗結果の加算、あるいは、点数による勝敗)が含まれていれば、勝率に加えてよりレベルの近い組が選定される。
【0080】
3回戦1013の終了時には、2勝組2人の対戦結果から勝者1人(3勝)と敗者1人(2勝1敗)とが生成される。1勝1敗組4人の対戦結果から勝者組2人(2勝1敗)と敗者組2人(1勝2敗)とが生成される。2敗組2人の対戦結果から勝者1人(1勝2敗)と敗者1人(3敗)とが生成される。ここで、2勝組2人の敗者と1勝1敗組4人の勝者組2人とは、共に2勝1敗で勝率が同じであるので、1つの2勝1敗組3人のグループを生成する。また、2敗組2人の勝者と1勝1敗組4人の敗者組2人とは、共に1勝2敗で勝率が同じであるので、1つの1勝2敗組3人のグループを生成する。
【0081】
3回戦1013の終了時の状態1014においては、最上位と最下位とは決定している。また、2勝1敗組3人のグループおよび1勝2敗組3人のグループにおいても、今までの3回の対戦において、勝率は同じでも勝ち方や対戦相手の違いなどから順位付けが可能となる場合が多い。この時点で、同条件で順位付けできない場合は、同条件の成果物で対戦することも有り得る。
【0082】
なお、本実施形態においては、1つの対戦組を複数評価者で評価して、勝敗、引き分け、優勢に対してスコアで重み付けをするため、勝率が同じであっても順位付けが可能となっている。
【0083】
(対戦評価方法)
図10Bは、図10Aの各対戦における評価者の評価方法1020を示す図である。図10Bは、本実施形態の成果物であるデータ分析(例えば、AI処理のためのデータ分析)の課題に対する解答Aと解答Bとを、評価者241が評価する評価内容1021と、評価結果に対する第1例のスコア表1022と、第2例のスコア表1023を示している。
【0084】
評価内容1021には、評価判定として、評価対象が「2つの解答レポート(成果物)の優劣をジャッジ」であることと、評価結果が「勝ち負け/引き分け(優勢)/論外」であることと、が規定されている。また、評価者の評価基準として、「評価は総合的に判断」すること、「規程を満たす提出物か?」、「データ分析が適正か?」、「分析結果と根拠が整合しているか?」、「結論、主張は支持されるものか?」、「記述のわかりやすさ、工夫がされているか?」、「観点やアイデアに優れているか?」などが規定されている。
【0085】
第1例のスコア表1022には、評価結果が勝ちの場合にスコア“3”、 不戦勝の場合にスコア“2”、引き分けの場合にスコア“1”、負けの場合にスコア“0”、の設定が示されている。
【0086】
第2例のスコア表1023には、評価結果が不戦勝を含む勝ちの場合にスコア“3”、引き分けで優勢の場合にスコア“1.5”、引き分けの場合にスコア“1”、負けの場合にスコア“0”、の設定が示されている。
【0087】
なお、スコアの配分は、これらに限定されず、評価対象の成果物や評価者のレベルなどに対応してより適切な配分に変更してもよい。また、上位をより厳密に順位付け可能なようなスコア配分も考えられる。しかしながら、本願発明は、順位付けを効率的に行うことも目指しているため、各対戦組の評価は高い専門的知識を有さずとも簡単にでき、その評価結果の累積を対戦型順位決定方式に適用して客観的な順位付けを行うことが望ましい。
【0088】
<コンペティションの課題および解答>
(課題設定)
図11Aは、本実施形態に係るコンペティションシステムをデータ分析学習に応用した場合の課題設定1110を示す図である。本実施形態では、データ分析学習の簡単な例として、ある目的のために収集したデータを統計的に処理して、課題に解答する例を示す。
【0089】
本コンペティションへの成果物である課題への解答の提出期間(公募期間)は、8月12日~8月20日である。
【0090】
本コンペティションの課題は、以下の通りである。
『ある疾患の治療効果を検証するため200人の患者に対して臨床試験を実施した。
・介入(Intervention)群は100人で新規治療を行った。
・標準治療(Control)群も100人で該当疾患の標準治療を行った。
・症状改善をスコアリング(Score)し評価した。ここで、得られたデータで以下をあきらかにしたい。
・課題(Q):標準治療にくらべ、新規治療の介入による症状の改善が期待できるか? データ分析により結論を導く。』
【0091】
以下のデータを提供する。
『・ID:患者ID
・Group:「新規介入群(Intervention)」or「標準治療群(Control)」
・Score:症状改善スコア。0-25までの値をとり、数値が大きいほど症状改善が認められた。
・Age:年齢
・Sex:性別
・Seriousness:重症度(Low or High)。医師が総合的に判断した対象患者の症状の重さ。』
【0092】
以下のルールに従う。
『・提出物は提供フォーマットに従い作成する。
・提出物に名前等、個人を識別できるもの、あるいはその掛かりになるものは記述しない。
・参加者間の情報交換は禁止する。』
【0093】
(解答)
図11Bは、図11Aの課題設定1110におけるテーマ1120、問題点1130および正解例1140を示す図である。なお、図11Bでは、煩雑さを避けるため、実際の詳細なデータ、数値は示さない。詳細なデータ、数値を示さなくとも、本実施形態で扱ったデータ分析学習の内容と、それに対する解答の順位付け方式については明瞭である。
【0094】
図11Bにおいて、応募者に対して課題用データとして、「新規介入群(Intervention)」の症状改善結果1121と、「標準治療群(Control)」の症状改善結果1122と、が提供された。各症状改善結果1121および1122には、患者IDに対応付けて、患者が重症か軽症かのフラグと、0-25までの値をとる症状改善スコアと、が記憶されている。
【0095】
この課題用データに基づいて設定された課題は、『標準治療にくらべ、新規治療の介入による症状の改善が期待できるか? データ分析により結論を導く。』である。本課題は、間違った統計処理を行うと介入による改善なしとの結論に達するが、正しい統計処理を行うと介入による改善ありとの結論に達するように、あらかじめ設計されている。以下、本課題についてその内容を説明する。
【0096】
この課題の解答を得るために間違った統計処理を行うと、介入による改善なしとの結論に達する(シンプソンのパラドックス)。「新規介入群(Intervention)」の間違った統計処理1131においては、患者が重症か軽症かを考慮せずに、患者数分の症状改善スコアを加算してトータル治療効果とし、患者数で割ることで平均治療効果を算出している。また、同様に、「標準治療群(Control)」の間違った統計処理1132においても、患者が重症か軽症かを考慮せずに、患者数分の症状改善スコアを加算してトータル治療効果とし、患者数で割ることで平均治療効果を算出している。このように、患者が重症か軽症かを考慮せずに統計処理を行うと、例えば、「新規介入群(Intervention)」では100人中、重症が68人/軽症が32であり、重症は症状改善スコアが小さく/軽症は症状改善スコアが大きい。そのため、全患者数の平均を取ると平均治療効果は小さくなる。一方、「標準治療群(Control)」では100人中、重症が32人/軽症が68であり、重症は症状改善スコアが小さく/軽症は症状改善スコアが大きい。そのため、全患者数の平均を取ると平均治療効果は大きくなる。このように、「標準治療群(Control)」の平均治療効果が「新規介入群(Intervention)」の平均治療効果を上回って、介入による改善なしとの結論に達してしまう。
【0097】
この課題の解答を得るための正しい統計処理を行うと、介入による改善ありとの結論に達する。「新規介入群(Intervention)」の正しい統計処理においては、患者が重症の場合の統計処理1141として、重症患者数分の症状改善スコアを加算して重症者の治療効果とし、重症患者数で割ることで重症者の平均治療効果を算出している。そして、患者が軽症の場合の統計処理1142として、軽症患者数分の症状改善スコアを加算して軽症者の治療効果とし、軽症患者数で割ることで軽症者の平均治療効果を算出している。一方、「標準治療群(Control)」の正しい統計処理においても、患者が重症の場合の統計処理1143として、重症患者数分の症状改善スコアを加算して重症者の治療効果とし、重症患者数で割ることで重症者の平均治療効果を算出している。そして、患者が軽症の場合の統計処理1144として、軽症患者数分の症状改善スコアを加算して軽症者の治療効果とし、軽症患者数で割ることで軽症者の平均治療効果を算出している。
【0098】
このように、患者が重症か軽症かを分けて統計処理を行うと、例えば、「新規介入群(Intervention)」では100人中、重症が68人であり、重症患者数の平均治療効果を算出する。一方、「標準治療群(Control)」では100人中、重症が32人であり、重症患者数の平均治療効果を算出する。このため、重症者における「標準治療群(Control)」の平均治療効果と「新規介入群(Intervention)」の平均治療効果とを比較することで、正しい結論に達することができる。また、「新規介入群(Intervention)」では100人中、軽症が32人であり、軽症患者数の平均治療効果を算出する。一方、「標準治療群(Control)」では100人中、軽症が68人であり、軽症患者数の平均治療効果を算出する。このため、軽症者における「標準治療群(Control)」の平均治療効果と「新規介入群(Intervention)」の平均治療効果とを比較することで、正しい結論に達することができる。
【0099】
具体的な数値としては、患者が重症か軽症かを分けて統計処理を行った場合に、重症の場合も軽症の場合も「新規介入群(Intervention)」の平均治療効果が「標準治療群(Control)」の平均治療効果を上回り、介入による改善ありとの結論に達することができる。
【0100】
本コンペティションでは、『標準治療にくらべ、新規治療の介入による症状の改善が期待できるか? データ分析により結論を導く。』との課題に対して、提供されたデータを正しく統計処理することで正しい結論に達することの説明を応募し、その説明を図10Bに示した評価基準に照らして評価して勝敗を付けた。
【0101】
(応募データ)
図11Cは、図11Aのコンペティションへの応募データ1150を示す図である。本コンペティションに対して、13人の応募者から応募があった。なお、本コンペティションは、一般公募でなく、テストケースとして組織内(社内)での応募で行った。
【0102】
応募データ1150は、応募者ID1151に対応付けて、応募者名1152と、応募日時1153と、所属部署1154と、成果物としての解答1155と、を記憶する。
【0103】
<解答評価のラウンドの第1例>
以下、図12A図12Dを参照して、図10Bの第1例のスコア表1022に従った、コンペティションに対する応募者からの解答評価の経過について説明する。なお、本コンペティションの解答評価においては、応募者が組織内に限られているので、対戦組の評価は応募者から3人を選別して行ったため、対戦ラウンド間での解答(成果物)の修正は行わないように構成した。なお、評価者(レビュア)にも課題に潜むシンプソンのパラドックスを事前に伝えていなので、知識の有無に関わらず、複数の評価者により対戦を繰り返すことで評価が統計的に安定することも検証している。
【0104】
(第1ラウンド:round 1)
図12Aは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する応募者(player)からの解答評価の第1ラウンドの結果表示1210を示す図である。第1ラウンドでは、ランダムに対戦カードを生成した。人数が奇数(13人:A~M)なので、ランダムで不戦勝の応募者を決定した。なお、事前にプレーヤのランクがあれば、ランクに基づき対戦カードを生成してよい。評価者(レビュア:reviewer)もランダムで3人選出した。
【0105】
結果表示1210の上段の表は、第1ラウンドによる各対戦組の評価結果である。対戦ID(match ID)に対応付けて、対戦するplayer1およびplayer2と、勝者(winner)と、player1に与えられるスコア(score1)と、player2に与えられるスコア(score2)と、が記憶され表示される。また、3人の評価者(reviewer1, reviewer2, reviewer3)と、3人の評価者の評価結果(judge1, judge2, judge3)と、が記憶され表示される。なお、不戦勝の対戦組には“bot”が、評価結果の引き分けには“draw”が記憶され表示される。不戦勝には1673(M)が選出された。
【0106】
結果表示1210の下段の表は、第1ラウンド終了時のランキング(ranking)に対応付けて、応募者(player)と、勝数(win)と、負数(lose)と、現在までの獲得スコア(total score)と、不戦勝(bot)と、が記憶され表示される。また、3人の評価者による勝敗表(reviewer/win, draw, lose)が記憶され表示される。
【0107】
例えば、第1ラウンドの第1対戦(match ID=1_0)は、3982(A)と5318(B)との対戦であり、5318(B)がスコア9:0で勝者となった。その評価は、4739(C)と9187(D)と9859(E)との3人で行われ、それぞれの評価の勝者は共に5318(B)である。したがって、スコアは9(=3勝×スコア3)となる。また、第1ラウンドの第2対戦(match ID=1_1)は、4739(C)と9187(D)との対戦であり、9187(D)がスコア1:7で勝者となった。その評価は、9859(E)と8432(F)と2313(G)との3人で行われ、それぞれの評価は4739(C)が引き分けで、他の2人は共に9187(D)が勝者である。したがって、スコアは、4739(C)が1(=引き分けスコア1)、9187(D)が7(=引き分けスコア1+2勝×スコア3)となる。以下、同様である。結果表示1210の下段の表では、そのスコアの大小に従ってランキングがされている。なお、同じtotal scoreのplayerには同じランクが付けられ、次のscoreのplayerには同じscoreのplayer数を飛ばしたランクが付けられる。このランク付けにより、同じランクがなくなったことで全体の順序付けが可能となったことを判定できる。
【0108】
なお、本例におけるスコア(score)は、各評価者の評価結果に図10Bの第1例のスコア表1022に基づき設定したスコアを加算した結果である。しかし、本実施形態の順序付けをラフな選別として使用する場合には、応募者(player)の勝敗にスコアを設定する方式であってもよい。
【0109】
(第2ラウンド:round 2)
図12Bは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第2ラウンドの結果表示1220を示す図である。第2ラウンドでは、勝者および敗者それぞれの中でスコアが近いペアで対戦カードを生成する。なお、スコアに差がない場合はランダムに対戦カードを生成する。そして、勝者群または敗者群で奇数の方からランダムに不戦勝が選ばれる。また、レビュアはランキングの高い対戦カードに対して高いランクのレビュアが割り当てられる。
【0110】
第2ラウンドの対戦組は、第1ラウンドの勝者の7人の中でランダムに選定される。また、第1ラウンドの敗者の6人の中でランダムに選定される。なお、図12Bにおいては、勝者の7人中の2312(G)が不戦勝になっている。
【0111】
図12Bにおいて、図12Aと同様に、各対戦組に対して3人の評価者による引き分けを含む勝敗が決定されて、スコアが割り当てられてその合計スコアで勝敗を決定する。そして、獲得スコアを第1ラウンドのスコアに加算した合計スコア(total score)の大小に従って再度ランキングを行って、結果表示1220の下段の表を記憶して表示する。
【0112】
なお、3人の評価者に選定については、既に第1ラウンドでの勝敗や獲得スコアでランキングができているので、ランクの高い同士の対戦にはランクの高い評価者を選定するように調整する。図12Bにおいて、第1対戦(match ID=2_0)~第3対戦(match ID=2_2)は第1ラウンドの勝者同士の対戦なので、3人の評価者は第1ラウンドの勝者グループから選定されている。以下、評価の質を高めるため、できるだけランキング上位の応募者を3人の評価者として選定する。また、評価者の重複は多くても1ラウンドに3回、できるだけ2回以下としている。
【0113】
(第3ラウンド:round 3)
図12Cは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第3ラウンドの結果表示1230を示す図である。第3ラウンドでは、同じ勝率群それぞれの中でスコアが近いペアで対戦カードを生成する。なお、スコアに差がない場合はランダムに対戦カードを生成する。そして、同じ勝率群で奇数個の群からランダムに不戦勝が選ばれる。また、レビュアはランキングの高い対戦カードに対して高いランクのレビュアが割り当てられる。
【0114】
第3ラウンドの対戦組は、第2ラウンド終了後の2勝の4人の中でランダムに選定される。また、第2ラウンド終了後の1勝1敗の7人の中でランダムに選定される。また、第2ラウンド終了後の2敗の2人に選定される。なお、図12Cにおいては、1勝1敗の7人中の1429(K)が不戦勝になっている。
【0115】
図12Cにおいて、図12Aおよび図12Bと同様に、各対戦組に対して3人の評価者による引き分けを含む勝敗が決定されて、スコアが割り当てられてその合計スコアで勝敗を決定する。そして、獲得スコアを第2ラウンドまで累積のスコアに加算した合計スコア(total score)の大小に従って再度ランキングを行って、結果表示1230の下段の表を記憶して表示する。
【0116】
なお、3人の評価者に選定については、既に第1ラウンドおよび第2ラウンドでの勝敗や獲得スコアでより確かなランキングができているので、ランクの高い同士の対戦にはランクの高い評価者を選定するように調整する。図12Bにおいて、第1対戦(match ID=3_0)および第2対戦(match ID=3_1)は2勝の者同士の対戦なので、3人の評価者は第2ラウンド後の上位ランクから選定されている。以下、評価の質を高めるため、できるだけランキング上位の応募者を3人の評価者として選定する。また、評価者の重複は多くても1ラウンドに3回、できるだけ2回以下としている。
【0117】
(第4ラウンド:round 4)
図12Dは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第4ラウンドの最終結果表示1240を示す図である。第4ラウンドでは、同じ勝率群それぞれのスコアが近いペアで対戦カードを生成する。なお、スコアに差がない場合はランダムに対戦カードを生成する。そして、同じ勝率群で奇数個の群から不戦勝が選ばれる。また、レビュアはランキングの高い対戦カードに対して高いランクのレビュアが割り当てられる。
【0118】
第4ラウンドの対戦組は、第3ラウンド終了後の3勝の2人が選定される。また、第3ラウンド終了後の2勝1敗の6人の中で上位から順にペアが選定される。また、第2ラウンド終了後の1勝2敗の4人の中で順にペアが選定される。なお、図12Dにおいては、1人の3敗である8432(F)が不戦勝になっている。
【0119】
図12Dにおいて、図12Aから図12Cと同様に、各対戦組に対して3人の評価者による引き分けを含む勝敗が決定されて、スコアが割り当てられてその合計スコアで勝敗を決定する。そして、獲得スコアを第3ラウンドまでの累積スコアに加算した合計スコア(total score)の大小に従って再度ランキングを行って、最終結果表示1240の下段の表を記憶して表示する。なお、また、最終結果表示1240の下段の表には、敗戦した相手が表示されている。
【0120】
なお、3人の評価者に選定については、既に第1ラウンドから第3ラウンドでの勝敗や獲得スコアでより確かなランキングができているので、ランクの高い同士の対戦にはランクの高い評価者を選定するように調整する。評価者の重複は多くても1ラウンドに3回、できるだけ2回以下としている。
【0121】
(分析結果)
図11Cおよび図12A図12Dの各ラウンドの結果から、本実施形態の対戦型順位決定方式が客観的な順位付けをより効率的に行うことができることが分析できる。
【0122】
例えば、一般に公募した課題の解答は、データの統計処理などに精通した応募者から正解が得られ、データの統計処理に疎い応募者は、図11Bに示した「シンプソンのパラドックス」に引っ掛かることが多い。図12Dの下段の表に示された最終ランキングによれば、図11Cに示した応募者の内、所属部署が"data science"関連の応募者は上位に集まっている。一方、所属部署が"data engineer"関連の応募者が下位に位置し、所属部署が"business"関連の応募者は最下位になっている。また、図12Dの下段の表にランク1~9とランク10~13とを太線で分けたように、解答内容のレベル差がトータルスコアに明らかに現れている。この結果から、本実施形態の対戦型順位決定方式が13人の応募者から4ラウンドの対戦により、有意なランキングが達成できることを示している。
【0123】
また、図12A図12Dの各ラウンドの結果の表示において、同じ勝率のグループを色分けしたり、勝数、引き分け数および負数のそれぞれの違いを色分けしたりして表示することにより、現状の勝ち負けの分布を把握することもできる。
【0124】
また、得意でないと思われる所属部署であるにも関わらず成績が上位である応募者(例えば、“6位の5318(B)”)や、専門部署であるにも関わらず成績が下位である応募者(例えば、“10位の6998(L)”)を識別表示することで、有用な情報を得ることができる。
【0125】
また、図12A図12Dの上段の表において太枠で示した対戦は、勝敗が一方的でなく接戦の場合を示している。例えば、3人の評価者で勝敗の評価結果が異なった場合や、引き分けの評価が2つ以上ある場合などである。第1ラウンドでは、全くなかった接戦が、第2ラウンドでは6対戦(不戦勝は除く)の内1つ、第3ラウンドでは6対戦の内2つ、第4ラウンドでは6対戦の内4つ、とラウンドごとに増加している。ことのとは、本実施形態の対戦型順位決定方式がラウンドを重ねるたびに、よりレベル差の少ない均衡した対戦に進むことによりランキングの確定に近付いていることを示している。勝敗が一方的であった結果と、接戦であった結果とを識別可能な色などで表示することにより、現状を容易に把握することができる。
【0126】
また、図12Dの下段の表に表示した敗戦した相手において、最終ランキングの下位の応募者に敗戦した場合を識別表示(図12Dでは太枠)することによって、応募した解答の問題点を指摘するともできる。
【0127】
解答評価のラウンドの第1例によれば、対戦方式の1つであるスイスドロー方式が、ランキングルールと相まって正しく結論が評価できることが検証された。また、評価が統計的に安定することも明らかとなった。
【0128】
<解答評価のラウンドの第2例>
以下、図13A図13Dを参照して、図10Bの第2例のスコア表1023に従った、コンペティションに対する応募者からの解答評価の経過について説明する。なお、本コンペティションの解答評価においては、応募者が組織内に限られているので、第1例と同様に対戦組の評価は応募者から3人を選別して行ったため、対戦ラウンド間での解答(成果物)の修正は行わないように構成した。
【0129】
(第1ラウンド:round 1)
図13Aは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する応募者(player)からの解答評価の第1ラウンドの結果表示1310を示す図である。第1ラウンドでは、ランダムに対戦カードを生成した。人数が奇数(13人:A~M)なので、ランダムで不戦勝の応募者を決定した。なお、事前にプレーヤのランクがあれば、ランクに基づき対戦カードを生成してよい。評価者(レビュア:reviewer)もランダムで3人選出した。
【0130】
結果表示1310の上段の表は、第1ラウンドによる各対戦組の評価結果である。対戦ID(match ID)に対応付けて、対戦するplayer1およびplayer2と、勝者(winner)と、player1に与えられるスコア(score1)と、player2に与えられるスコア(score2)と、が記憶され表示される。また、3人の評価者(reviewer1, reviewer2, reviewer3)と、3人の評価者の評価結果(judge1, judge2, judge3)と、が記憶され表示される。なお、不戦勝の対戦組には“bot”が、評価結果の引き分けには“draw(X)”(Xが優勢である)が記憶され表示される。不戦勝には2313(G)が選出された。
【0131】
結果表示1310の下段の表は、第1ラウンド終了時のランキング(ranking)に対応付けて、応募者(player)と、勝数(win)と、負数(lose)と、現在までの獲得スコア(total score)と、不戦勝(bot)と、が記憶され表示される。また、3人の評価者による勝敗表(reviewer/win, draw, lose)が記憶され表示される。
【0132】
例えば、第1ラウンドの第1対戦(match ID=1_0)は、3982(A)と5318(B)との対戦であり、5318(B)がスコア9:0で勝者となった。その評価は、4739(C)と9187(D)と9859(E)との3人で行われ、それぞれの評価の勝者は共に5318(B)である。したがって、スコアは9(=3勝×スコア3)となる。また、第1ラウンドの第2対戦(match ID=1_1)は、4739(C)と9187(D)との対戦であり、9187(D)がスコア1.5:7で勝者となった。その評価は、9859(E)と8432(F)と2313(G)との3人で行われ、それぞれの評価は4739(C)が引き分けで4739(C)の優勢(draw(C))、他の2人は共に9187(D)が勝者である。したがって、スコアは、4739(C)が1.5(=引き分け優勢スコア1.5)、9187(D)が7(=引き分けスコア1+2勝×スコア3)となる。以下、同様である。結果表示1310の下段の表では、そのスコアの大小に従ってランキングがされている。なお、同じtotal scoreのplayerには同じランクが付けられ、次のscoreのplayerには同じscoreのplayer数を飛ばしたランクが付けられる。このランク付けにより、同じランクがなくなったことで全体の順序付けが可能となったことを判定できる。
【0133】
なお、本例におけるスコア(score)は、各評価者の評価結果に図10Bの第2例のスコア表1023に基づき設定したスコアを加算した結果である。しかし、本実施形態の順序付けをラフな選別として使用する場合には、応募者(player)の勝敗にスコアを設定する方式であってもよい。
【0134】
(第2ラウンド:round 2)
図13Bは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第2ラウンドの結果表示1320を示す図である。第2ラウンドでは、勝者および敗者それぞれの中でスコアが近いペアで対戦カードを生成する。なお、スコアに差がない場合はランダムに対戦カードを生成する。そして、勝者群または敗者群で奇数の方からランダムに不戦勝が選ばれる。また、レビュアはランキングの高い対戦カードに対して高いランクのレビュアが割り当てられる。
【0135】
第2ラウンドの対戦組は、第1ラウンドの勝者の7人の中でランダムに選定される。また、第1ラウンドの敗者の6人の中でランダムに選定される。なお、図13Bにおいては、勝者の7人中の2312(G)が不戦勝になっている。
【0136】
図13Bにおいて、図13Aと同様に、各対戦組に対して3人の評価者による引き分けを含む勝敗が決定されて、スコアが割り当てられてその合計スコアで勝敗を決定する。そして、獲得スコアを第1ラウンドのスコアに加算した合計スコア(total score)の大小に従って再度ランキングを行って、結果表示1320の下段の表を記憶して表示する。
【0137】
なお、3人の評価者に選定については、既に第1ラウンドでの勝敗や獲得スコアでランキングができているので、ランクの高い同士の対戦にはランクの高い評価者を選定するように調整する。図13Bにおいて、第1対戦(match ID=2_0)~第3対戦(match ID=2_2)は第1ラウンドの勝者同士の対戦なので、3人の評価者は第1ラウンドの勝者グループから選定されている。以下、評価の質を高めるため、できるだけランキング上位の応募者を3人の評価者として選定する。また、評価者の重複は多くても1ラウンドに3回、できるだけ2回以下としている。
【0138】
(第3ラウンド:round 3)
図13Cは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第3ラウンドの結果表示1330を示す図である。第3ラウンドでは、同じ勝率群それぞれの中でスコアが近いペアで対戦カードを生成する。なお、スコアに差がない場合はランダムに対戦カードを生成する。そして、同じ勝率群で奇数個の群からランダムに不戦勝が選ばれる。また、レビュアはランキングの高い対戦カードに対して高いランクのレビュアが割り当てられる。
【0139】
第3ラウンドの対戦組は、第2ラウンド終了後の2勝の4人の中でランダムに選定される。また、第2ラウンド終了後の1勝1敗の7人の中でランダムに選定される。また、第2ラウンド終了後の2敗の2人に選定される。なお、図13Cにおいては、1勝1敗の7人中の1429(K)が不戦勝になっている。
【0140】
図13Cにおいて、図13Aおよび図13Bと同様に、各対戦組に対して3人の評価者による引き分けを含む勝敗が決定されて、スコアが割り当てられてその合計スコアで勝敗を決定する。そして、獲得スコアを第2ラウンドまで累積のスコアに加算した合計スコア(total score)の大小に従って再度ランキングを行って、結果表示1330の下段の表を記憶して表示する。
【0141】
なお、3人の評価者に選定については、既に第1ラウンドおよび第2ラウンドでの勝敗や獲得スコアでより確かなランキングができているので、ランクの高い同士の対戦にはランクの高い評価者を選定するように調整する。図13Bにおいて、第1対戦(match ID=3_0)および第2対戦(match ID=3_1)は2勝の者同士の対戦なので、3人の評価者は第2ラウンド後の上位ランクから選定されている。以下、評価の質を高めるため、できるだけランキング上位の応募者を3人の評価者として選定する。また、評価者の重複は多くても1ラウンドに3回、できるだけ2回以下としている。
【0142】
(第4ラウンド:round 4)
図13Dは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第4ラウンドの最終結果表示1340を示す図である。第4ラウンドでは、同じ勝率群それぞれのスコアが近いペアで対戦カードを生成する。なお、スコアに差がない場合はランダムに対戦カードを生成する。そして、同じ勝率群で奇数個の群から不戦勝が選ばれる。また、レビュアはランキングの高い対戦カードに対して高いランクのレビュアが割り当てられる。
【0143】
第4ラウンドの対戦組は、第3ラウンド終了後の3勝の2人が選定される。また、第3ラウンド終了後の2勝1敗の6人の中で上位から順にペアが選定される。また、第2ラウンド終了後の1勝2敗の4人の中で順にペアが選定される。なお、図13Dにおいては、1人の3敗である8432(F)が不戦勝になっている。
【0144】
図13Dにおいて、図13Aから図13Cと同様に、各対戦組に対して3人の評価者による引き分けを含む勝敗が決定されて、スコアが割り当てられてその合計スコアで勝敗を決定する。そして、獲得スコアを第3ラウンドまでの累積スコアに加算した合計スコア(total score)の大小に従って再度ランキングを行って、最終結果表示1340の下段の表を記憶して表示する。なお、また、最終結果表示1340の下段の表には、敗戦した相手が表示されている。
【0145】
なお、3人の評価者に選定については、既に第1ラウンドから第3ラウンドでの勝敗や獲得スコアでより確かなランキングができているので、ランクの高い同士の対戦にはランクの高い評価者を選定するように調整する。評価者の重複は多くても1ラウンドに3回、できるだけ2回以下としている。
【0146】
(分析結果)
図11Cおよび図13A図13Dの各ラウンドの結果から、本実施形態の対戦型順位決定方式が客観的な順位付けをより効率的に行うことができることが分析できる。
【0147】
例えば、一般に公募した課題の解答は、データの統計処理などに精通した応募者から正解が得られ、データの統計処理に疎い応募者は、図11Bに示した「シンプソンのパラドックス」に引っ掛かることが多い。図13Dの下段の表に示された最終ランキングによれば、図11Cに示した応募者の内、所属部署が"data science"関連の応募者は上位に集まっている。一方、所属部署が"data engineer"関連の応募者が下位に位置し、所属部署が"business"関連の応募者は最下位になっている。また、図13Dの下段の表にランク1~9とランク10~13とを太線で分けたように、解答内容のレベル差がトータルスコアに明らかに現れている。この結果から、本実施形態の対戦型順位決定方式が13人の応募者から4ラウンドの対戦により、有意なランキングが達成できることを示している。
【0148】
また、図13A図13Dの各ラウンドの結果の表示において、同じ勝率のグループを色分けしたり、勝数、引き分け数および負数のそれぞれの違いを色分けしたりして表示することにより、現状の勝ち負けの分布を把握することもできる。
【0149】
また、得意でないと思われる所属部署であるにも関わらず成績が上位である応募者(例えば、“7位の5318(B)”)や、専門部署であるにも関わらず成績が下位である応募者(例えば、“10位の6998(L)”)を識別表示することで、有用な情報を得ることができる。
【0150】
また、図13A図13Dの上段の表において太枠で示した対戦は、勝敗が一方的でなく接戦の場合を示している。例えば、3人の評価者で勝敗の評価結果が異なった場合や、引き分けの評価が2つ以上ある場合などである。第1ラウンドでは、全くなかった接戦が、第2ラウンドでは6対戦(不戦勝は除く)の内1つ、第3ラウンドでは6対戦の内2つ、第4ラウンドでは6対戦の内4つ、とラウンドごとに増加している。このことは、本実施形態の対戦型順位決定方式がラウンドを重ねるたびに、よりレベル差の少ない均衡した対戦に進むことによりランキングの確定に近付いていることを示している。勝敗が一方的であった結果と、接戦であった結果とを識別可能な色などで表示することにより、現状を容易に把握することができる。
【0151】
また、図13Dの下段の表に表示した敗戦した相手において、最終ランキングの下位の応募者に敗戦した場合を識別表示(図13Dでは太枠)することによって、応募した解答の問題点を指摘するともできる。
【0152】
解答評価のラウンドの第2例によれば、対戦方式の1つであるスイスドロー方式が、ランキングルールと相まって正しく結論が評価できることが検証された。また、評価が統計的に安定することも明らかとなった。
【0153】
上記第1例(図12A図12D)および第2例(図13A図13D)によれば、いずれの対戦方式やランクングルールにおいても、ランキング結果では熟練者が上位に初心者が下位に集まっており、十分にコンペティションにおける順位付けに使用可能であることが分かる。また、多数の応募者が予想されるコンペティションにおいて、第一次審査として本対戦方式で上位グループを選別して、当該上位グループでのトーナメントやリーグ戦などを組み合わせることもできる。
【0154】
(評価者の評価結果)
図13Eは、本実施形態に係る情報処理装置210による、コンペティションに対する評価者の評価結果1350を示す図である。
【0155】
図13Eには、各応募者がどのラウンドで何回評価者として評価処理を行ったかが集計されている。図13Eによって、レビュアの負荷をモニタリングするために、各レビュアが何回レビューしているか、重複した成果物を判定するケースがあり得るので、ユニークな成果物を何個観たことになるのかを確認できる。上記第1例と第2例のように、レビュアが応募者から選択される場合には、レビューに教育効果を期待できる。図13Eを参照することによって、教育効果の状況を把握することも可能である。
【0156】
本実施形態によれば、スイスドロー方式を採用することにより、応募されてきた成果物に対して、評価者への負荷を低減し、下位までの客観的な順位付けをより効率的に行うことができる。そして、対戦方式の1つであるスイスドロー方式が、ランキングルールと相まって正しく結論が評価できることが検証された。また、評価が統計的に安定することも明らかとなった。また、応募者が評価者としても参加することで、評価の経験によってより大きな学習効果を達成することができる。
【0157】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、上記第3実施形態と比べると、各対戦ラウンドの間に応募者が自身の成果物(解答)を改善可能である点で異なる。その他の構成および動作は、第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0158】
なお、本実施形態においては、評価者は応募者以外の者から選定される。そのため応募者は正解あるいは他人の解答を知り得ないため、各ラウンド間で応募した成果物の修正をすることができる。ただし、ランキングに大きな影響を与えるので最終の第4ラウンドの前には修正はできないようにした。
【0159】
<解答評価のラウンド>
以下、図14A図14Dを参照して、コンペティションに対する応募者からの解答評価の経過について説明する。以下の例では、3人の評価者応募者以外の固定されたQ~Sとしたが、ラウンドの進行に従ってより緻密な評価を必要とする場合は変更してもよい。なお、基本的には、図13A図13Dと同様の結果については、重複する説明を省略する。
【0160】
(第1ラウンド:round 1)
図14Aは、本実施形態に係る情報処理装置による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第1ラウンドの結果表示1410を示す図である。図14Aにおいては、応募者からランダムに対戦カードを生成する。人数が奇数の場合はランダムで不戦勝とする。なお、事前にプレーヤのランクがあれば、ランクに基づき対戦カード生成する。レビュアは応募者を除く3人(Q,R,S)が選出された。そして、スコアは勝ち“3、引き分けの優勢“1.5”、引き分け“1”、負け“0”である。
【0161】
第1ラウンドは、3人の評価者(reviewer)が応募者以外である点を除いて、図13Aと同様である。なお、煩雑さを避けるために、勝敗判定結果(judge1~judge3)も図13Aと同じとしている。
【0162】
(第2ラウンド:round 2)
図14Bは、本実施形態に係る情報処理装置による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第2ラウンドの結果表示1420を示す図である。第2ラウンドに入る前に、round1の評価結果を応募者に通知後、応募者の修正を受け入れた。図14Bにおいては、6005(I)が修正を行った。第1ラウンドの勝者と敗者それぞれの中でスコアが近いペアで対戦カードを生成する。なお、スコアに差がない場合はランダムに選定する。勝者群と敗者群で奇数の方からランダムに不戦勝が選ばれる。レビュアは応募者を除く3人を選出するが、本例では第1ラウンドと同じ(Q,R,S)とした。
【0163】
図14Bの下段の表において、6005(I)の行に、解答にver1とver2とがあることが示されている。そして、ver1に対応付けて第1ラウンドの結果が記憶されて表示され、ver2に対応付けて第2ラウンドの結果が記憶されて表示される。図14Bの下段の表では、ランキングのため“total score”はver1とver2に分けていないが、修正した場合の表示の仕方は本例に限定されない。
【0164】
(第3ラウンド:round 3)
図14Cは、本実施形態に係る情報処理装置による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第3ラウンドの結果表示1430を示す図である。第3ラウンドに入る前に、round2の評価結果を応募者に通知後、応募者の修正を受け入れた。図14Cにおいては、9859(E)が修正を行った。なお、同じ勝率群それぞれの中でスコアが近いペアで対戦カードを生成する。スコアに差がない場合はランダムに選定する。同じ勝率群で奇数個の群からランダムに不戦勝が選ばれる。レビュアは応募者を除く3人を選出するが、本例では第2ラウンドと同じ(Q,R,S)とした。
【0165】
図14Cの下段の表において、9859(E)の行に、解答にver1とver2とがあることが示されている。そして、ver1に対応付けて第1ラウンドおよび第2ラウンドの結果が記憶されて表示され、ver2に対応付けて第3ラウンドの結果が記憶されて表示される。なお、9859(E)の順位は、同率8位から単独5位に上昇した。
【0166】
(第4ラウンド:round 4)
図14Dは、本実施形態に係る情報処理装置による、コンペティションに対する応募者からの解答評価の第4ラウンドの最終結果表示1440による最終結果を示す図である。図14Dにおいては、5318(B)が修正を行った。同じ勝率群それぞれの中でスコアが近いペアで対戦カードを生成する。なお、スコアに差がない場合はランダムに選定する。同じ勝率群で奇数個の群からランダムに不戦勝が選ばれる。レビュアは応募者を除く3人を選出するが、本例では第1から第3ラウンドとは異なり、より専門知識のある(X,Y,Z)とした。
【0167】
図14Dの下段の表において、6005(I)の行には、ver1に対応付けて第1ラウンドの結果が記憶されて表示され、ver2に対応付けて第2ラウンド、第3ラウンドおよび第4ラウンドの結果が記憶されて表示される。
【0168】
また、9859(E)の行には、ver1に対応付けて第1ラウンドおよび第2ラウンドの結果が記憶されて表示され、ver2に対応付けて第3ラウンドおよび第4ラウンドの結果が記憶されて表示される。また、5318(B)の行には、ver1に対応付けて第1ラウンド、第2ラウンドおよび第3ラウンドの結果が記憶されて表示され、ver2に対応付けて第4ラウンドの結果が記憶されて表示される。なお、5318(B)の順位は、単独9位から単独6位に上昇した。
【0169】
本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加えて、前のラウンドの結果の表示後に、次のラウンド間で応募者による解答(成果物)を修正することができる。そのため、応募者による成果物の改善意欲を高めることが出来、コンペティションの終了時により有用な成果物が提供されることにつながる。
【0170】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、上記第2実施形態から第4実施形態と比べると、コンペディションを行う対象となる成果物が創作物である点で異なる。本実施形態においては、創作物を評価者が視覚的に評価をする対象物である。例えば、各種デザインや設計物、あるいは、絵画や彫刻や写真なども含む。その他の構成および動作は、第2実施形態から第4実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0171】
(応募者端末および評価者端末の表示)
図15Aは、本実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムの一例1501における応募者端末230および評価者端末240の表示を示す図である。図15Aは、応募する成果物として、評価者が視覚的に評価をする創作物であるデザインの応募を示している。なお、図15Aにおいて、図2Bと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明は省略する。
【0172】
コンペティションアプリが起動した応募者端末230表示画面1532には、情報処理装置210からのコンペティションの公募要綱1533が表示される。応募者231は、応募者端末230の表示画面1534に応募するデザイン1535を入力して、情報処理装置210に登録する。
【0173】
情報処理装置210は、登録した複数のデザインから2つのデザインの組を対戦組として選定する。そして、情報処理装置210は、コンペティションアプリが起動している評価者端末240の表示画面1542に、評価対象1543としてデザインAとデザインBとを表示する。評価者241は、評価対象1543を比較して、評価者端末240の表示画面1546に、評価ラベル表1547に従って評価結果1548を入力し、評価結果1548は情報処理装置210に収集される。
【0174】
情報処理装置210は、収集した評価結果に重み付けをして累積し、累積結果に基づいてデザインの順序付け(ランキング)を行う。情報処理装置210は、応募者端末230の表示画面1536に、評価結果1537および順位表1538を表示させる。
【0175】
なお、デザインを公募する場合には、一般に応募期間を過ぎると修正はできないが、応募者231によるデザインの修正を認める場合は、表示画面1534に戻って、デザインの修正あるいは修正されたデザインを入力して、情報処理装置210の登録を更新する。
【0176】
図15Bは、本実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステムの他例1502における応募者端末230および評価者端末240の表示を示す図である。図15Bは、応募する成果物として、評価者が視覚的に評価をする創作物である彫刻の応募を示している。なお、図15Bにおいて、図2Bおよび図15Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明は省略する。
【0177】
コンペティションに応募する彫刻1411~1513が、野外1510に置かれている。彫刻1411~1513の識別情報および配置位置が、情報処理装置210に登録されている。情報処理装置210は、登録された複数の彫刻から2つの彫刻の組を対戦組として選定する。そして、情報処理装置210は、野外1510の彫刻展示場に居る評価者241が携帯している、コンペティションアプリが起動している評価者端末240の表示画面1544に、評価対象1545として彫刻Aの位置および作品名(識別情報)と彫刻Bの位置および作品名(識別情報)とを表示する。評価者241は、評価対象1545で示された彫刻Aと彫刻Bとを比較して、評価者端末240の表示画面1546に、評価ラベル表1547に従って評価結果1548を入力し、評価結果1548は情報処理装置210に収集される。
【0178】
情報処理装置210は、収集した評価結果に重み付けをして累積し、累積結果に基づいて彫刻の順序付け(ランキング)を行う。情報処理装置210は、応募者端末230の表示画面1536に、評価結果1537および順位表1538を表示させる。
【0179】
本実施形態によれば、創作物を評価者が視覚的に評価をする成果物に対しても、評価者への負荷を低減し、下位までの客観的な順位付けを効率的に行うことができる。さらに、成果物はデータによる成果物に限定されることなく、評価者が現場に出向いて評価結果を入力するようなコンペティションにも適用可能であり、応募されてきた成果物に対して客観的な順位付けを効率的に行うことができる。
【0180】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、上記第5実施形態と比べると、コンペディションの対象となる創作物が、評価者が聴覚的に評価をする対象物である点で異なる。例えば、音楽や話術芸、あるいは、弁論なども含む。その他の構成および動作は、第2実施形態から第5実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0181】
(応募者端末および評価者端末の表示)
図16は、本実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステム1600における応募者端末230および評価者端末240の表示を示す図である。図16は、応募する成果物として、評価者が聴覚的に評価をする創作物である音楽の応募を示している。なお、図16において、図2B図15Aおよび図15Bと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
【0182】
コンペティションアプリが起動した応募者端末230表示画面1632には、情報処理装置210からのコンペティションの公募要綱1633が表示される。公募要綱1633には、公募内容と応募する時の応募仕様(例えば、音声チューニグの調整パラメータなど)が含まれる。応募者231は、応募者端末230の表示画面1634に応募する音楽の調整パラメータ1635を入力して、音楽を情報処理装置210に登録する。
【0183】
情報処理装置210は、登録された複数の音楽から2つの音楽の組を対戦組として選定する。そして、情報処理装置210は、コンペティションアプリが起動している評価者端末240の表示画面1542に、評価対象の調整パラメータ1643として調整パラメータAと調整パラメータBとを表示する。評価者241は、指定された調整パラメータを用いて再生された音楽を比較して、評価者端末240の表示画面1646に、評価ラベル表1647に従って評価結果1648を入力し、評価結果1648は情報処理装置210に収集される。
【0184】
情報処理装置210は、収集した評価結果に重み付けをして累積し、累積結果に基づいて音楽の順序付け(ランキング)を行う。情報処理装置210は、応募者端末230の表示画面1636に、評価結果1637および順位表1638を表示させる。
【0185】
本実施形態によれば、創作物を評価者が聴覚的に評価をする成果物に対しても、評価者への負荷を低減し、下位までの客観的な順位付けを効率的に行うことができる。
【0186】
[第7実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、上記第5実施形態および第6実施形態と比べると、コンペディションを行う対象となる創作物が文学作品である点で異なる。例えば、小説、エッセイ、詩歌、俳句などを含む。その他の構成および動作は、第2実施形態から第6実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0187】
(応募者端末および評価者端末の表示)
図17は、本実施形態に係る情報処理装置を含むコンペティションシステム1700における応募者端末230および評価者端末240の表示を示す図である。図17は、応募する成果物として、創作物である文学作品の俳句の応募を示している。なお、図17において、図2B図15A図15Bおよび図16と同様の構成要素には同じ参照番号を付して、重複する説明を省略する。
【0188】
コンペティションアプリが起動した応募者端末230表示画面1732には、情報処理装置210からのコンペティションの公募要綱1733が表示される。公募要綱1733には、俳句のテーマと季節と締切日などが含まれる。応募者231は、応募者端末230の表示画面1734に応募する俳句1735を入力して、俳句を情報処理装置210に登録する。なお、音声による登録であってもよい。
【0189】
情報処理装置210は、登録された複数の俳句から2つの俳句の組を対戦組として選定する。そして、情報処理装置210は、コンペティションアプリが起動している評価者端末240の表示画面1742に、評価対象1743として俳句Aと俳句Bとを表示する。評価者241は、表示された2つの俳句を比較して、評価者端末240の表示画面1746に、評価ラベル表1747に従って評価結果1748を入力し、評価結果1748は情報処理装置210に収集される。なお、俳句の比較は、評価者241が声を出して読んで比較してもよい。
【0190】
情報処理装置210は、収集した評価結果に重み付けをして累積し、累積結果に基づいて俳句の順序付け(ランキング)を行う。情報処理装置210は、応募者端末230の表示画面1736に、評価結果1737および順位表1738を表示させる。
【0191】
本実施形態によれば、創作物である文学作品の成果物に対しても、評価者への負荷を低減し、下位までの客観的な順位付けを効率的に行うことができる。
【0192】
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係る情報処理装置について説明する。本実施形態に係る情報処理装置は、上記第2実施形態から第7実施形態と比べると、コンペディションの対象となる成果物が、評価者が経済的な観点も含む評価をする対象物である点で異なる。例えば、製品や部品の採用、あるいは、入札制度なども含む。その他の構成および動作は、第2実施形態から第7実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0193】
(応募データ)
図18は、本実施形態に係る応募データ1812の構成を示す図である。応募データ1812は、応募者が入札した内容を応募者に対応付けて登録されたデータであり、本実施携帯に従って、個々の入札対象に応募された複数の入札から2つの入札の組を選定して対戦を繰り返し、ランキングの最上位の応募入札を落札する。
【0194】
応募データ1812は、各入札の入札番号1821に対応付けて、複数の入札ID1822を記憶する。入札ID1822は、入札内容IDと入札者IDとを含む。そして、各入札ID1822に対応付けて、入札者属性1823と、入札日時1824、入札内容1825と、を記憶する。
【0195】
入札内容1825としては、費用と品質レベルと納期などが含まれる。評価者は、2つの入札の組の費用と品質レベルと納期などを比較して、勝敗結果を評価者端末から情報処理装置に送信する。情報処理装置は、収集した勝敗結果に基づいて順位付けを行い、落札を行う。
【0196】
本実施形態によれば、評価者が経済的な観点も含む評価をする対象物である場合も、評価者への負荷を低減し、下位までの客観的な順位付けをより効率的に行うことができる。
【0197】
[他の実施形態]
なお、上記実施形態においては、本願発明の対戦型評価の繰り返しで最終的な順位を決定した。しかしながら、本願発明の対戦型評価で多数の応募成果物を絞った後に他のより高度な評価を行う構成にしても、他の評価方法で絞った後に本願発明の対戦型評価を行う構成にしても、他の評価と本願発明の評価とを並行に行って評価結果を組み合わせて最終順位を決定してもよい。
【0198】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明の適用は上記実施形態の分野に限定されるものではなく、他の様々な分野のコンペディションに対して適用することにより、複数の成果物に対する客観的で公正な順位付けを効率的に行うができる。例えば、評価者の味覚や嗅覚による対戦型評価の累積に基づいて順位付けをする分野にも適用できて、客観的で公正な順位付けを効率的に行うができる。さらに、評価者による外部からの評価でなく、装飾品の装着感覚などの良否を評価するコンペディションに対する適用であってもよい。
【0199】
また、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0200】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に供給され、内蔵されたプロセッサによって実行される場合にも適用可能である。本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるサーバも、プログラムを実行するプロセッサも本発明の技術的範囲に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の技術的範囲に含まれる。
【要約】
【課題】より多くの成果物に対して順位付けを行いつつ、評価者の負荷を低減すること。
【解決手段】コンペティションに応募された複数の成果物に含まれる2つの成果物の組を、評価者が操作する評価者端末に提示し、評価者による勝敗の評価結果を評価者端末から取得する処理を繰り返す評価取得部と、評価取得部が取得した勝敗の評価結果を累積した累積結果に基づいて順序付けされた応募された複数の成果物の評価順位を、応募者が操作する応募者端末に通知する評価結果通知部と、を備える。
【選択図】 図1
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図16
図17
図18