(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】サプリメント推奨システム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20220323BHJP
【FI】
G16H20/60
(21)【出願番号】P 2017229209
(22)【出願日】2017-11-29
【審査請求日】2020-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】517417614
【氏名又は名称】株式会社デザインサプリ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】西根 英一
(72)【発明者】
【氏名】溝口 光俊
【審査官】岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-182264(JP,A)
【文献】特開2004-272618(JP,A)
【文献】特開平01-193216(JP,A)
【文献】特表2005-500074(JP,A)
【文献】特開2005-222158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ユーザ情報取得部で取得されたユーザ情報に基づいて複数のサプリメント推奨シートから1つを選択するサプリメント推奨シート選択部と、
前記サプリメント推奨シート選択部により選択されたサプリメント推奨シートを出力するサプリメント推奨シート出力部と、
を有し、
前記ユーザ情報取得部は、前記ユーザ情報として、ユーザの属性と生活習慣に関する情報と、ユーザの健康課題に関する情報と、ユーザの健康への指向性に関する情報と、サプリメントの由来成分と価格の希望に関する情報と、を取得し、
前記サプリメント推奨シート選択部は、前記サプリメントの
由来成分と価格の希望に関する情報により、前記サプリメント推奨シートを選択し、
前記サプリメント推奨シートは、前記ユーザの属性と生活習慣に関する情報を点数化したものと、前記ユーザの健康課題に関する情報と、前記ユーザの健康への指向性に関する情報と、に応じて、
ユーザに関する複数の健康課題それぞれについて、ユーザに推奨される1又は2種類以上のサプリメントを選択可能なように、
ユーザに推奨されるサプリメント名が一覧表示されたものであ
り、
さらに、所定のコメントが記載されたコメントシートを出力するコメントシート出力部を有し、
前記コメントシート出力部は、前記ユーザの属性と生活習慣に関する情報を点数化したものが所定点数を下回っていたか、又は、前記ユーザにより健康課題として選択されなかったことによってサプリメントがユーザに推奨されないときに、ユーザに推奨されない理由を記した前記コメントシートを出力することを特徴とする、サプリメント推奨システム。
【請求項2】
前記ユーザに推奨されるサプリメントには、推奨が優先される優先サプリメントと優先されない非優先サプリメントが予め設定されており、前記優先サプリメントと前記非優先サプリメントが同時に選択された場合には、前記優先サプリメントがユーザに推奨されることを特徴とする、請求項1に記載のサプリメント推奨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに適したサプリメントを推奨するためのサプリメント推奨システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットを介してサプリメントを提供するシステムとして、特開2004-272618号公報(特許文献1)に開示されるシステムがある。同文献に開示されるシステムは、ユーザの症状、ユーザがサプリメントを摂る目的、ユーザが希望する栄養素、ユーザが希望する商品名又は会社名等を入力することにより、商品マスターデータベース、症状栄養素データベース、目的栄養素データベース等のデータに基づいて、ユーザに必要な(所望の)1又は複数種類のサプリメントが決定され、その後、1日あたりの価格、所定服用回数分の価格が算出され、購入するサプリメントやその量を変更可能に構成されている。
【0003】
かかるシステムによれば、ユーザに必要な1又は複数種類のサプリメントを決定し、決定された1又は複数種類のサプリメントを分包機で自動的に分包してユーザに提供でき、さらに、最終的にはユーザが購入予定のサプリメント、購入量、価格を決定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に開示されるような従来のシステムは、システムを自動化することが目的であり、薬剤師など専門家のアドバイスを有効に生かすことは難しかった。具体的には、サプリメントに対するユーザの希望の内容について改善の余地があった。また、ユーザが希望した内容に応じてサプリメントが決定されても、購入直前になって希望を変更したくなることがある。この場合、ユーザの希望の入力という最初のステップからやり直さなければならず、購入の意思を削ぐおそれがあった。これらの点について、薬剤師など専門家のアドバイスを有効に生かすことは難しかった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、薬剤師など専門家のアドバイスを有効に生かすことの可能な、新規かつ改良されたサプリメント推奨システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によれば、ユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、前記ユーザ情報取得部で取得されたユーザ情報に基づいて複数のサプリメント推奨シートから1つを選択するサプリメント推奨シート選択部と、前記サプリメント推奨シート選択部により選択されたサプリメント推奨シートを出力するサプリメント推奨シート出力部と、を有するシステムが提供される。ここで、前記ユーザ情報取得部は、前記ユーザ情報として、ユーザの属性と生活習慣に関する情報と、ユーザの健康課題に関する情報と、ユーザの健康への指向性に関する情報と、サプリメントの由来成分と価格の希望に関する情報と、を取得する。前記サプリメント推奨シート選択部は、前記サプリメントの成分由来と価格の希望に関する情報により、前記サプリメント推奨シートを選択する。前記サプリメント推奨シートは、前記ユーザの属性と生活習慣に関する情報を点数化したものと、前記ユーザの健康課題に関する情報と、前記ユーザの健康への指向性に関する情報と、に応じて、ユーザに推奨される1又は2種類以上のサプリメントを選択可能なように、サプリメント名が一覧表示されたものであることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、薬剤師など専門家のアドバイスを聞きながらサプリメントを選択することができる。すなわち、ユーザ情報の入力の際、動物由来や植物由来など、専門家でないとわかりにくい項目をユーザ情報として取得することができる。また、サプリメント推奨シートには、具体的なサプリメント名が記載されているので、わかりやすい。さらに、購入直前になってユーザの希望が変更された場合であっても、サプリメント推奨シートによって、変更された内容後のサプリメントをすぐに選ぶことができる。このため、ユーザの希望の入力という最初のステップからやり直す必要がなく、購入の意思を削ぐおそれがなくなる。このように、システムにヒューマン要素をとり入れることで、薬剤師など専門家のアドバイスを有効に生かすことが可能である。
【0009】
本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は適宜組み合わせることが可能である。
例えば、前記ユーザに推奨されるサプリメントには、推奨が優先される優先サプリメントと優先されない非優先サプリメントが予め設定されており、前記優先サプリメントと前記非優先サプリメントが同時に選択された場合には、前記優先サプリメントがユーザに推奨されるようにしてもよい。
【0010】
サプリメント推奨シートが、サプリメント名が一覧表示されたものであるという特質上、複数のサプリメントが選択された場合に、サプリメントによっては飲み合わせが悪かったり、同じ成分が複数のサプリメントに含まれており、過剰摂取になったりすることがある。この点、推奨が優先される優先サプリメントと優先されない非優先サプリメントとを予め設定しておくことにより、サプリメントの組み合わせの不具合や過剰摂取を効果的に防止することができる。
【0011】
また、所定のコメントが記載されたコメントシートを出力するコメントシート出力部をさらに有し、前記コメントシート出力部は、前記ユーザの属性と生活習慣に関する情報を点数化したものが所定点数を下回っていたか、又は、前記ユーザにより健康課題として選択されなかったことによってサプリメントがユーザに推奨されないときに、前記コメントシートを出力するようにしてもよい。
【0012】
サプリメントがユーザに推奨されないときであっても、コメントシートが出力されることによって、適切なアドバイス(コメント)を得ることができる。このようにして、薬剤師など専門家のアドバイスをより有効に生かすことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、薬剤師など専門家のアドバイスを有効に生かすことの可能なサプリメント推奨システムが提供される。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】サプリメント推奨システム100の構成を示す図である。
【
図2】ユーザ情報を取得するための設問と回答選択肢を示す図であり、(a)はX軸(属性と生活習慣)を示し、(b)はY軸(健康課題)を示し、(c)はZ軸(健康への指向性)を示し、(d)は由来成分と価格の希望を示す。
【
図3】X軸の設問に対応するブロック番号を示す図である。
【
図4】ブロック番号とブロック名称との対応を示す図である。
【
図5】素材リスト(ブロック番号とサプリメントとの対応)を示す図である。
【
図6】X軸の加算ポイントロジックの一例を示す図である。
【
図7】成分由来と価格の希望での分岐を示す図である。
【
図8】サプリメント推奨シート出力部130により出力されるサプリメント推奨シートの一例を示す図である。
【
図9】サプリメント推奨システム100の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のサプリメント推奨システム100の構成を示す図である。サプリメント推奨システム100は、
図1に示したように、ユーザ情報を取得するユーザ情報取得部110と、ユーザ情報取得部110で取得されたユーザ情報に基づいて複数のサプリメント推奨シートから1つを選択するサプリメント推奨シート選択部120と、サプリメント推奨シート選択部120により選択されたサプリメント推奨シートを出力するサプリメント推奨シート出力部130と、を主に有することを特徴とする。以下、各システム要素について詳細に説明する。
【0017】
(ユーザ情報取得部110)
ユーザ情報取得部110は、ユーザ情報を取得する機能部である。ユーザ情報取得部110は、ユーザが操作するコンピュータにインストールされている。ユーザはユーザ自身の判断でユーザ情報を入力してもよく、薬剤師など専門家のアドバイスに従ってユーザ情報を入力してもよい。入力作業自体は薬剤師など他の者が行ってもよい。ユーザ情報取得部110は、
図1に示したように、取得されたユーザ情報を、後段のサプリメント推奨シート選択部120に渡す。
【0018】
ユーザ情報取得部110により取得されるユーザ情報について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、ユーザ情報を取得するための設問と回答選択肢を示す図である。ユーザ情報取得部110は、ユーザ情報として、以下の3軸(Q1~Q8)と、成分由来と価格の希望(Q9、Q10)を取得する。後述するサプリメント推奨シート選択部120とサプリメント推奨シート出力部130は、本システムのアウトプットとして、各個人に最適化(カスタマイズ)されたサプリメント推奨シートをアウトプットする。
【0019】
ユーザ情報の3軸(X軸・Y軸・Z軸)は、
図2に示したように、以下のとおりである。
X軸:ユーザの属性と生活習慣「食事・運動・睡眠・ストレス改善」区分(Q1~Q6)
Y軸:ユーザの健康課題25種類(Q7)
Z軸:ユーザ健康への指向性「健康・未病自覚あり/なし・病気」区分(Q8)
これらは、紙媒体であるアンケート用紙であってもよく、コンピュータ上に表示してもよい。ユーザ情報の入力はコンピュータ上で行われる。この際に、ユーザ本人だけで行ってもよいが、薬剤師のアドバイスを受けながら入力するとより確実である。以下詳細に説明する。
【0020】
<X軸>(属性と生活習慣)
X軸(属性と生活習慣)に関する設問(問診)は、
図2(a)に示したように、以下のとおりである。
設問1(年齢・性別)
設問2(女性にお伺いします。)
設問3(現在受診をしていますか?飲んでいる薬はありますか?)
設問4(食生活に関するもの)
設問5(生活状況に関するもの)
設問6(嗜好品に関するもの)
【0021】
X軸(属性と生活習慣)に関する設問は、以下の特徴がある。
・最低限の質問で必要な健康課題を抽出している。ユーザが答える手間と抽出される健康課題のバランスを考慮している。
・設問により直ちにサプリメントを抽出するのではなく、改善ポイントを抽出している。結果的には、その改善ポイントに紐づけされたサプリメントが推奨される。
・ユーザ自身の要望として顕在化されていない内容である。なお、薬であれば症状が無いものに薬を推奨することは問題があるが、サプリメントは予防のための健康食品であるため問題はない。ユーザ自身の要望として顕在化されていない内容に関するサプリメントを推奨することができる。よって予防の観点から症状が無くても本人の意識に顕在化している課題へのアウトプットが重要となる。当アルゴリズムは、顕在と非顕在の両面をサポートしている。
【0022】
<Y軸>(健康課題)
Y軸(健康課題)に関する設問は、
図2(b)に示したように、以下の25項目((1)~(25))から複数選択可能。すなわち、1又は2以上の項目が選択される。
(1)体重、(2)血圧・糖質・脂質、(3)足腰、(4)意欲・集中力、(5)記憶・判断力、(6)疲労感、(7)感染対策、(8)アレルギー対策、(9)アンチエイジング、(10)がん予防、(11)脳血管の健康、(12)心血管の健康、(13)呼吸の健康、(14)消化の健康、(15)排泄の健康、(16)女性性の維持、(17)肌の健康、(18)目の健康、(19)耳・鼻の健康、(20)口腔の健康、(21)睡眠の健康、(22)セクシュアルヘルス、(23)メンタルヘルス、(24)飲酒対策、(25)腫れ対策
【0023】
なお、上記の設問は一例に過ぎず、設問の内容を変更したり(例えば、脂質を尿酸値に変更するなど)、設問の数を増減したりするようにしてもよい。このようにY軸は、ユーザ自身の要望として顕在化している内容である。上記のX軸とY軸の2つの軸を用いることによって、ユーザの顕在化していない要望と顕在化している要望の両面からサポートすることができる。
【0024】
<Z軸>(健康への指向性)
Z軸(健康への指向性)に関する設問は、
図2(c)に示したように、以下のとおりである。
(a)今は健康だが予防したい
(b)自覚症状はあるが、検査などの数値に異常はない。
(c)自覚症状はないが、検査などの数値に異常がある。
(d)自覚症状、数値に異常がある。
【0025】
<その他>(成分由来と価格の希望)
その他(成分由来と価格の希望)は、
図2(d)に示したように、以下のとおりである。
(Q9)同じ機能性をもつサプリメントがある場合の成分由来の優先希望をお選びください。植物性原料を希望、動物性原料を希望、植物性原料と動物性原料を問わない、のいずれかを選択する。
(Q10)サプリメント機能と価格についての希望をお選びください。価格を優先、機能を優先、優先は問わない、のいずれかを選択する。
【0026】
本実施形態ではこのように、ユーザ情報取得部110は、ユーザ情報として、サプリメントの由来成分と価格の希望に関する情報を取得することを特徴とする。特に、本実施形態では、薬剤師など専門家のアドバイスを有効に生かすことにより、専門的な情報であるサプリメントの由来成分に関する情報を取得できることを特徴とする。
【0027】
以上、ユーザが操作する側であるユーザ情報取得部110について説明した。次に、サプリメント推奨シートに関する機能部である、サプリメント推奨シート選択部120とサプリメント推奨シート出力部130について説明する。
【0028】
(サプリメント推奨シート選択部120)
サプリメント推奨シート選択部120は、ユーザ情報取得部110で取得されたユーザ情報に基づいて、複数のサプリメント推奨シートから1つを選択する機能部である。ここでサプリメント推奨シートは、X軸(属性と生活習慣)に関する情報を点数化したものと、Y軸(健康課題)に関する情報と、Z軸(健康への指向性)に関する情報と、に応じて、ユーザに推奨される1又は2種類以上のサプリメントを決定可能なように、サプリメント名が一覧表示されたものである。このためにサプリメント推奨シート選択部120は、以下のいくつかの情報をデータベース化して保持している。以下説明する。
【0029】
<X軸:設問に対応するブロック番号(
図3~
図5)>
図3は、上述したX軸(属性と生活習慣)に対応するものであり、設問とブロック番号との対応を示す図である。
図3に示したように、各設問は1又は2以上の設問に対応している。そして、各設問は、ブロック番号に対応している。例えば、設問番号:1は、年齢に関する設問であり、年齢に関する設問はブロック番号:11、13、17に対応している。設問番号:4は、食事に関する設問である。設問の一つ「カロリーの高いもの(肉や脂分・油分)をよく摂っていますか?」は、ブロック番号:9、11、18、31に対応している。このようにして、設問とブロック番号とが対応付けられている。
【0030】
図4は、ブロック番号とブロック名称との対応を示す図である。各ブロック番号は、
図4に示したように、それぞれブロック名称に対応している。ブロック番号:1は、ブロック名称:マルチビタミン(MV)に対応している。ブロック番号:1~8は栄養素に対応している。ブロック番号:9~33はY軸(健康課題)の各設問(1)~(25)の25種類に対応している。
【0031】
以上のようにして、各設問とブロック名称とが対応付けられている。
【0032】
図5は、素材リストを示す図であり、ブロック番号とサプリメントとの対応を示す。具体的には、ブロック番号、健康課題((1)~(25)の25種類)、素材、抽出成分、産地(国)、産地(地方)、素材由来、価値・機能、及び由来成分の関係を示す図である。例えば、ブロック番号:9は、健康課題:(1)体重、素材:甲殻類キチン質、抽出成分:キトサン、産地(国):日本、産地(地方):空、素材由来:、価値・機能:廉価、及び由来成分:かにである。
【0033】
次に、サプリメント推奨シート選択部120によるサプリメント推奨シートの選択処理について、
図6~
図8を参照しながら説明する。サプリメント推奨シートは、複数のユーザ情報をそれぞれ点数化しその合計点に応じてユーザに推奨される1又は2種類以上のサプリメント名を決定可能なものであることを特徴とする。
【0034】
図6は、X軸の加算ポイントロジックの一例を示す図である。
上述の
図2~
図5に示したユーザ情報とサプリメントとの対応付けを行うために、具体的な質問の流れを示す図である。
Q1「基本情報についてお伺いします。」に対してユーザが回答する。
ユーザの回答が60歳以上であるなら(ステップS110)、ブロック番号:13の(5)記憶・判断力を1ポイント加算し、ブロック番号:17の(9)アンチエイジングを2ポイント加算する(ステップS112)。そして、次の質問に移る。
ユーザの回答が50歳以上60歳未満であるなら(ステップS120)、ブロック番号:17の(9)アンチエイジングを2ポイント加算する(ステップS122)。そして、次の質問に移る。
ユーザの回答が40歳以上50歳未満であるなら(ステップS130)、ブロック番号:17の(9)アンチエイジングを1ポイント加算する(ステップS132)。そして、次の質問に移る。
【0035】
年齢以外の質問についても、
図6と同様の流れで、ユーザの回答の選択によって、対応するブロック番号にポイントが加算される。そして、最終的な集計において、加算ポイントが例えば「6以上」の場合に、そのブロック番号のサプリメントが推奨シートとしてアウトプットされる。なお、この加算(スコアリング)については、パラメーターを変更することにより調節することができる。
【0036】
図7は、成分由来と価格の希望での分岐を示す図である。
Q9は成分由来の優先希望についての設問として「同じ機能性をもつサプリメントがある場合の成分由来の優先希望をお選びください。」が問われる。ユーザの希望により、植物性原料を優先希望、動物性原料を優先希望、又は植物性原料でも動物性原料でも問わない、の3つに分岐する。
【0037】
Q10は価格についての設問として、「サプリメント機能と価格についての希望をお選びください。」が問われる。ユーザの希望により、価格優先、機能優先、又は優先なしの3つに分岐する。
【0038】
Q9とQ10のユーザごとの回答の選択によって、サプリメント推奨シートA~Iが分岐する。本実施形態では、サプリメント推奨プランを9種類(A~I)用意している。
【0039】
図8は、サプリメント推奨シート出力部130により出力されるサプリメント推奨シートの一例を示す図である。サプリメント推奨シートは、具体的なサプリメントが一覧表示されている。サプリメント推奨シートは、
図8に示したように、縦軸が健康課題によって構成され、横軸がZ軸(健康への指向性)に関する設問によって構成されている。縦軸の健康課題においては、X軸(ユーザの属性と生活習慣)の加算ポイントが「6以上」のブロック番号の項目及びY軸(健康課題)の設問で選択された内容で、1又は2以上の行が選択される。そして、その選択された行と、横軸のZ軸(健康への指向性)に関する設問の回答によって選択される列との交わる点のサプリメントが選択される。
【0040】
例えば、Y軸(健康課題)の設問で選択された内容が、ブロック番号が10の健康課題:がん予防であり、Z軸(健康への指向性)に関する設問の回答が「自覚症状はないが数字がある」である場合、これらが交わる点の「フコイダン」が選択される。なお、X軸(ユーザの属性と生活習慣)は、上述したように、ユーザ自身の要望として顕在化されていない内容に関するサプリメントを推奨するものである。この性質上、X軸に対応するZ軸としては「自覚症状はないが数字がある」が自動的に選択される。このようにして、1又は2種類以上のサプリメントが選択される。
(修正前)
例えば、加算ポイントが「6以上」のブロック番号が10の健康課題:がん予防であり、Z軸(健康への指向性)に関する設問の回答が「自覚症状はないが数字がある」である場合、これらが交わる点の「フコダイン」が選択される。このようにして、1又は2種類以上のサプリメントが選択される。
【0041】
なお、複数のサプリメントが選択された場合に、サプリメントによっては飲み合わせが悪かったり、同じ成分が複数のサプリメントに含まれており、過剰摂取になったりすることがある。このようなことを防止するために、サプリメント推奨シートのサプリメントには、推奨(処方)が優先される優先サプリメントと優先されない非優先サプリメントとが予め設定されている。優先サプリメントと非優先サプリメントとが同時に推奨された場合には、優先サプリメントが選択される。
【0042】
(サプリメント推奨シート出力部130)
サプリメント推奨シート出力部130は、サプリメント推奨シート選択部120により選択されたサプリメント推奨シートを出力する機能部である。ここで出力とは、紙媒体として印刷するようにしてもよく、コンピュータ(タブレット機器・スマートフォンも含む)に表示するようにしてもよい。
【0043】
サプリメント推奨シート出力部130により出力されたサプリメント推奨シートは、ユーザ本人が使用してもよいが、薬剤師のアドバイスを受けながら使用することが好ましい。この際、薬剤師は、ユーザが希望を変更した場合には、サプリメント推奨シートを見ながら簡単にサプリメントを変更することができる。ユーザ情報の入力を最初からやり直す必要がない。
【0044】
以上、サプリメント推奨システム100の構成について説明した。次に、サプリメント推奨システム100の動作について、
図9を参照しながら説明する。
【0045】
図9は、サプリメント推奨システム100の動作を説明する図である。
(1)ユーザ情報の入力(ステップS100)
(2)サプリメント推奨シートをアウトプット(ステップS200)
(3)サプリメントの確定(ステップS300)
(4)サプリメント購入(ステップS400)
【0046】
ステップS100はユーザ情報取得部110により行われ、ステップS200はサプリメント推奨シート選択部120及びサプリメント推奨シート出力部130により行われる。
【0047】
(1)ユーザ情報の入力(ステップS100)
まず、ユーザ情報取得部110にユーザ情報が入力される。このユーザ情報の入力は、健康サポート薬局の店舗等に設置されたユーザ情報取得部110で入力することができる。この際、薬剤師のコンサルテーションがあってもよい。
【0048】
(2)サプリメント推奨シートをアウトプット(ステップS200)
上記ステップS100で入力されたユーザ情報に基づいて、サプリメント推奨シート選択部120によりサプリメント推奨シートが選択される。そして、サプリメント推奨シート出力部130により、サプリメント推奨シートがアウトプットされる。このようにして、ユーザにカスタマイズされたサプリメント推奨シートがアウトプットされる。
【0049】
(3)サプリメントの確定(ステップS300)
ユーザの状況を最も把握している薬剤師による最終コンサルテーションにて、ユーザに最適なサプリメントが確定される。
【0050】
(4)サプリメント購入(ステップS400)
ユーザはサプリメントの購入を行う。オンライン上でサプリメントを購入する仕組みについては、従来から知られており、それらを活用することができる。このようにして、ユーザにカスタマイズされたサプリメントを購入することができる。
【0051】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、薬剤師など専門家のアドバイスを聞きながらサプリメントを選択することができる。すなわち、ユーザ情報の入力の際、動物由来や植物由来など、専門家でないとわかりにくい項目をユーザ情報として取得することができる。また、サプリメント推奨シートには、具体的なサプリメント名が記載されているので、わかりやすい。さらに、購入直前になってユーザの希望が変更された場合であっても、サプリメント推奨シートによって、変更された内容後のサプリメントをすぐに選ぶことができる。このため、ユーザの希望の入力という最初のステップからやり直す必要がなく、購入の意思を削ぐおそれがなくなる。このように、システムにヒューマン要素をとり入れることで、薬剤師など専門家のアドバイスを有効に生かすことが可能である。
【0052】
また、推奨が優先される優先サプリメントと優先されない非優先サプリメントとを予め設定しておくことにより、サプリメントの組み合わせの不具合や過剰摂取を効果的に防止することができる。
【0053】
以下では、上記第1の実施形態を応用した他の実施形態について説明する。以下の実施形態の説明では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明することとし、上記第1の実施形態と同様の点については、重複説明を省略する。
【0054】
(第2の実施形態)
上記実施形態の特徴に加えて、さらに、アドバイスやコメントが記載されたコメントシートを出力するコメント出力部を有してもよい。コメントシートは、例えば
図10に示したように、アドバイス(コメント)一覧である。このようなコメントシートには、例えば、条件:X軸問診の結果体重のポイントが4か5の人、かつ、Y軸問診で体重を選ばなかった人に対して、コメント「ヘルスチェックにより体重の増加に注意が必要となりました」というアドバイスが表示される。ここで、ポイントが4か5であることの意味は、サプリメントが推奨されるポイントが6には達しないものの何らかのアドバイス(コメント)が必要な人に適切に対応するという意味である。本実施形態では、
図10に示したように、コメント1~17のアドバイスが表示される。
【0055】
薬剤師はコメントシートを参照しながら最終コンサルテーションを行ってもよい。あるいは、薬剤師を介さない場合は、ユーザ自らがコメントシートを参照しながらサプリメントを適宜追加等しつつ確定してもよい。
【0056】
(第2の実施形態の効果)
以上のように、本実施形態によれば、X軸問診の結果で加算ポイントが所定点数を下回って低い場合や、Y軸問診でユーザにより健康課題として選択されなかったことによってサプリメントがユーザに推奨されないときであっても、コメントシートが出力されることによって、適切なアドバイス(コメント)を得ることができる。このようにして、薬剤師など専門家のアドバイスをより有効に生かすことができる。
【0057】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0058】
例えば、サプリメント推奨シートの内容については、中期・長期的にあるいは任意のタイミングに変更してもよい。例えば、以下のようなタイミングで変更することができる。
(1)新カテゴリーの新しいサプリメントが導入された場合
この際、X軸(属性と生活習慣)のスコアリングの設定も連動してアップデートする必要がある。また、Y軸(健康課題)の新しいカテゴリーを設定する必要がある。
(2)既存のカテゴリーへの既存のサプリメントの差し替え
例えば既存と同じ「アンセリン」でも、より純度の高いサプリメントに差し替えるような場合であるが、その場合、オプション補助のビタミンBなどが不要となったりする可能性がある。そうなればサプリメント推奨シートをアップデートする必要の可能性がある。
(3)既存カテゴリーへの新サプリメント
例えば、既存の健康課題「(1)血圧」に既存のサプリメントと併行して、新しいサプリメントが追加されるような場合であるが、既存のサプリメントとどちらをアウトプットした方がより健康に寄与するかの判定に合わせて、サプリメント推奨シートがアップデートされる必要がある。
【0059】
上記実施形態では、サプリメント推奨シート出力部130がサプリメント推奨シートを出力する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。サプリメント推奨シートを出力せず、サプリメント推奨シートからのサプリメントの決定は、すべてサプリメント推奨システム内で処理されてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、ユーザが健康サポート薬局などに出向いて本システムを利用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。ユーザが所有するコンピュータを用いて処理を行ってもよい。この場合でも必要に応じて、薬剤師など専門家のアドバイスを受けることは可能である。
【0061】
上記実施形態、応用例、変形例は、任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
100 サプリメント推奨システム
110 ユーザ情報取得部
120 サプリメント推奨シート選択部
130 サプリメント推奨シート出力部