IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
  • 特許-画像形成装置 図8
  • 特許-画像形成装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20220323BHJP
【FI】
G03G21/00 345
G03G21/00 510
G03G21/00 310
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017217103
(22)【出願日】2017-11-10
(65)【公開番号】P2019086740
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100161953
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 敬直
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 裕朗
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-068870(JP,A)
【文献】特開2017-068084(JP,A)
【文献】特開2000-181321(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0205756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、
前記感光体ドラムの表面に向かって除電光を照射する発光素子と、前記発光素子に流れる電流を制限する制限抵抗と、を備えた除電装置と、
所定の条件が満たされる場合に、前記感光体ドラムの表面に静電潜像が形成されないのと共に該感光体ドラムの表面にトナー帯が形成されるように、前記感光体ドラムの表面から水分を除去するリフレッシュ制御を実行する制御部と、を備え、
前記リフレッシュ制御の実行時に前記除電装置に投入される電力を通常印字の実行時に前記除電装置に投入される電力よりも大きくし、
前記リフレッシュ制御を実行可能な実行モードと、前記リフレッシュ制御の実行が停止される停止モードと、を選択可能に設け、
前記停止モードが選択されると共に前記所定の条件が満たされる場合に、前記除電装置に投入される電力を通常印字の実行時よりも大きくするリフレッシュ印字が実行されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記リフレッシュ印字は、前記停止モードが選択されると共に前記所定の条件が満たされてから所定枚数の印字が終了するまで実行されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体ドラムの表面を帯電させる帯電部材と、
前記感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像する現像部材と、を更に備え、
前記リフレッシュ制御は、
前記現像部材が前記感光体ドラムの表面にトナー帯を形成するトナーエージング期間と、
前記トナーエージング期間の終了後に、前記帯電部材が前記感光体ドラムの表面を帯電させる通電エージング期間と、を含み、
前記トナーエージング期間中及び前記通電エージング期間中は、常に、前記除電装置に投入される電力を通常印字の実行時よりも大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
機内又は機外の湿度を検知する湿度センサーを更に備え、
前記制御部は、前記湿度センサーが検知する湿度が所定の閾値以上である場合に、前記リフレッシュ制御を実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像することで、画像を形成している。
【0003】
従来、感光体ドラムとして、アモルファスシリコン感光体が使われている。このアモルファスシリコン感光体は、耐摩耗性に優れているため、感光体ドラムの長寿命化が可能になるという利点を有している。
【0004】
一方で、アモルファスシリコン感光体は、いわゆる画像流れが発生しやすいという欠点を有している。ここで、画像流れとは、感光体ドラムの表面に付着した放電生成物が水分を吸着し、感光体ドラムの表面の電気抵抗が低下することで、感光体ドラムの表面の電荷が流れ、静電潜像の境界がぼやける現象である。このような画像流れが発生すると、結果として、画像不良が引き起こされる。アモルファスシリコン感光体に画像流れが発生しやすいのは、アモルファスシリコン感光体の表面が水分を吸着しやすいためである。
【0005】
このような画像流れを解消するためには、感光体ドラムの表面に付着した水分を除去することが求められる。そこで、従来、感光体ドラムの表面に付着した水分を除去するための多くの技術が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、中間転写体の下方に位置しているヒーター手段からの暖気の対流によって、中間転写体と感光体の表面を加温する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2004-191790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、中間転写体と感光体の表面を加温するための専用のヒーター手段を追加することで、画像形成装置の製造コストが上昇する恐れがある。また、特許文献1では、ヒーター手段を設置するためのスペースが必要となり、これに伴って、画像形成装置の大型化を招く恐れがある。
【0009】
そこで、本発明は、画像形成装置の製造コストの上昇や画像形成装置の大型化を招くことなく、画像流れを速やかに解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムの表面に向かって除電光を照射する発光素子と、前記発光素子に流れる電流を制限する制限抵抗と、を備えた除電装置と、所定の条件が満たされる場合に、前記感光体ドラムの表面から水分を除去するリフレッシュ制御を実行する制御部と、を備え、前記リフレッシュ制御の実行時に前記除電装置に投入される電力を通常印字の実行時に前記除電装置に投入される電力よりも大きくすることを特徴とする。
【0011】
前記画像形成装置は、前記リフレッシュ制御を実行可能な実行モードと、前記リフレッシュ制御の実行が停止される停止モードと、を選択可能に設けられ、前記停止モードが選択されると共に前記所定の条件が満たされる場合に、前記除電装置に投入される電力を通常印字の実行時よりも大きくするリフレッシュ印字が実行されても良い。
【0012】
前記リフレッシュ印字は、前記停止モードが選択されると共に前記所定の条件が満たされてから所定枚数の印字が終了するまで実行されても良い。
【0013】
前記画像形成装置は、前記感光体ドラムの表面を帯電させる帯電部材と、前記感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像する現像部材と、を更に備え、前記リフレッシュ制御は、前記現像部材が前記感光体ドラムの表面にトナー帯を形成するトナーエージング期間と、前記トナーエージング期間の終了後に、前記帯電部材が前記感光体ドラムの表面を帯電させる通電エージング期間と、を含み、前記トナーエージング期間中及び前記通電エージング期間中は、常に、前記除電装置に投入される電力を通常印字の実行時よりも大きくしても良い。
【0014】
前記画像形成装置は、機内又は機外の湿度を検知する湿度センサーを更に備え、前記制御部は、前記湿度センサーが検知する湿度が所定の閾値以上である場合に、前記リフレッシュ制御を実行しても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像形成装置の製造コストの上昇や画像形成装置の大型化を招くことなく、画像流れを速やかに解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成部を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る除電装置を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る除電装置を示す回路図である。
図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御システムを示すブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、リフレッシュ制御を示すタイミングチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、主電源立ち上げ時の制御を示すフローチャートである。
図8】実験1の結果を示すグラフである。
図9】実験3の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1について説明する。各図に適宜付される矢印Fr、Rr、L、R、U、Loは、それぞれ画像形成装置1の前側、後側、左側、右側、上側、下側を示している。
【0018】
まず、画像形成装置1の全体の構成について説明する。画像形成装置1は、例えば、プリント機能、コピー機能及びファックス機能等を複合的に備えた複合機である。
【0019】
図1に示されるように、画像形成装置1は、箱型の装置本体2を備えている。装置本体2の上端部には、原稿画像を読み取るための画像読取装置3が設けられている。装置本体2の上部には、排紙トレイ4が設けられている。装置本体2の略中央部には、中間転写ベルト5が収容されている。中間転写ベルト5の右端部は、駆動ローラー6に巻き掛けられている。装置本体2の略中央部には、中間転写ベルト5の下側に、4個の画像形成部7が収容されている。4個の画像形成部7は、それぞれ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナーに対応している。装置本体2の下部には、露光装置8が収容されている。装置本体2の下端部には、用紙S(記録媒体)を収納する給紙カセット9が収容されている。
【0020】
装置本体2の右側部には、用紙Sの搬送路Pが設けられている。搬送路Pの上流端部には、給紙部10が設けられている。搬送路Pの中流部には、二次転写ローラー11が設けられている。搬送路Pの下流部には、定着装置12が設けられている。
【0021】
次に、画像形成装置1の動作について説明する。
【0022】
まず、露光装置8からの光(図1の二点鎖線矢印参照)によって、各画像形成部7において静電潜像が形成される。この静電潜像は、各画像形成部7においてトナー像に現像される。このトナー像は、各画像形成部7から中間転写ベルト5に一次転写される。これにより、中間転写ベルト5上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0023】
また、給紙部10によって給紙カセット9から取り出された用紙Sは、搬送路Pを下流側へと搬送されて、中間転写ベルト5と二次転写ローラー11のニップ領域に進入する。二次転写ローラー11は、中間転写ベルト5上に形成されたフルカラーのトナー像を用紙Sに二次転写する。トナー像を二次転写された用紙Sは、搬送路Pを更に下流側へと搬送されて、定着装置12に進入する。定着装置12は、用紙Sにトナー像を定着させる。トナー像が定着された用紙Sは、排紙トレイ4上に排出される。
【0024】
次に、画像形成部7について説明する。
【0025】
図2を参照して、画像形成部7は、感光体ドラム14と、感光体ドラム14の下側に設けられる帯電ローラー15(帯電部材の一例)と、感光体ドラム14の左側に設けられる現像ローラー16(現像部材の一例)と、感光体ドラム14の上側に設けられる1次転写ローラー17と、感光体ドラム14の右側に設けられるクリーニング装置18と、感光体ドラム14の右上側に設けられる除電装置19と、を備えている。
【0026】
画像形成部7の感光体ドラム14は、円筒状を成している。感光体ドラム14は、前後方向に沿って延びている回転軸Xの周りを回転可能に設けられている。つまり、本実施形態では、前後方向が感光体ドラム14の回転軸方向である。なお、図2の矢印Aは、感光体ドラム14の回転方向を示している。
【0027】
感光体ドラム14は、基材層21と、基材層21の外周を覆う感光層22と、を備えている。基材層21は、例えば、金属によって構成されており、電気的に接地されている。感光層22は、例えば、アモルファスシリコンによって形成されている。以下、感光層22の表面のことを、「感光体ドラム14の表面」と称する。
【0028】
画像形成部7の帯電ローラー15は、円柱状を成している。帯電ローラー15は、回転可能に設けられている。帯電ローラー15は、芯金24と、芯金24の外周を覆う弾性層25と、を備えている。芯金24は、例えば、金属によって形成されている。弾性層25は、例えば、エピクロルヒドリンゴム等の弾性材料によって形成されており、導電性を有している。弾性層25の外周面は、感光体ドラム14の表面に接触している。
【0029】
画像形成部7の現像ローラー16は、円筒状を成している。現像ローラー16は、回転可能に設けられている。現像ローラー16の外周面は、感光体ドラム14の表面と間隔を介して対向している。現像ローラー16の内部には、回転不能な複数の磁極(図示せず)が収容されている。
【0030】
画像形成部7の1次転写ローラー17は、感光体ドラム14とともに中間転写ベルト5を挟み込んでいる。1次転写ローラー17は、回転可能に設けられている。1次転写ローラー17は、芯金27と、芯金27の外周を覆う弾性層28と、を備えている。芯金27は、例えば、金属によって形成されている。弾性層28は、例えば、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等の弾性材料によって形成されており、導電性を有している。
【0031】
画像形成部7のクリーニング装置18は、ハウジング30と、ハウジング30の左上部に固定されるシール部材31と、ハウジング30に収容される摺擦ローラー32と、摺擦ローラー32の左下側に設けられるブレード33と、を備えている。
【0032】
クリーニング装置18のハウジング30は、左側(感光体ドラム14側)に向かって開口されており、断面略コ字状を成している。ハウジング30は、左右方向に沿って延びている上壁35と、上壁35の右端部から下側に向かって屈曲されている側壁36と、側壁36の下端部から左側に向かって屈曲されている底壁37と、を備えている。上壁35の左端部は、感光体ドラム14の表面と隙間Gを介して対向している。
【0033】
クリーニング装置18のシール部材31は、例えば、ウレタンシートによって形成されている。シール部材31の基端部は、ハウジング30の上壁35の左端部に固定されている。シール部材31の先端部は、感光体ドラム14の表面に接触している。シール部材31は、ハウジング30の上壁35の左端部と感光体ドラム14の表面の間の隙間Gを覆っている。
【0034】
クリーニング装置18の摺擦ローラー32は、ハウジング30に収容されている。摺擦ローラー32は、回転可能に設けられている。摺擦ローラー32は、感光体ドラム14の回転方向においてシール部材31よりも下流側に配置されている。摺擦ローラー32は、芯金38と、芯金38の外周を覆う弾性層39と、を備えている。芯金38は、例えば、金属によって形成されている。弾性層39は、例えば、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等の弾性材料によって形成されている。
【0035】
クリーニング装置18のブレード33は、例えば、ウレタンゴムによって形成されている。ブレード33は、ハウジング30の底壁37の左端部に固定されている。ブレード33は、感光体ドラム14の回転方向において摺擦ローラー32よりも下流側に配置されている。ブレード33の先端部は、感光体ドラム14の表面に接触している。
【0036】
画像形成部7の除電装置19は、中間転写ベルト5の下面とクリーニング装置18のハウジング30の上壁35の上面の間に配置されている。除電装置19は、感光体ドラム14の回転方向において1次転写ローラー17よりも下流側且つクリーニング装置18よりも上流側に配置されている。
【0037】
図3を参照して、除電装置19は、基板41と、基板41の上面に実装される複数(例えば、18個)の発光素子42と、基板41の上面に実装される複数(例えば、3個)の制限抵抗43と、を備えている。基板41は、前後方向に長い平板状を成している。複数の発光素子42と複数の制限抵抗43は、すべて、前後方向に沿って一列に並んでいる。各発光素子42は、例えば、チップ型のLED(Light Emitting Diode)によって構成されている。各制限抵抗43は、例えば、チップ型の抵抗によって構成されている。
【0038】
図4を参照して、除電装置19の一端部は、第1受電端子46に接続され、除電装置19の他端部は、第2受電端子47に接続されている。除電装置19は、互いに並列に接続される3個の除電ユニット48を備えている。各除電ユニット48は、互いに直列に接続される6個の発光素子42と、この6個の発光素子42に対して直列に接続される1個の制限抵抗43と、によって構成されている。各除電ユニット48を電流が流れる方向(図4の矢印I参照)において、各制限抵抗43は各発光素子42よりも上流側に配置されている。各制限抵抗43は、各発光素子42に流れる電流を制限し、各発光素子42を保護している。
【0039】
次に、画像形成装置1の制御システムについて説明する。
【0040】
図5を参照して、画像形成装置1は、制御部51を備えている。制御部51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成されている。
【0041】
制御部51は、記憶部52に接続されている。記憶部52は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を備えている。記憶部52は、機外の湿度の閾値Thを記憶している。
【0042】
制御部51は、表示部53に接続されている。表示部53は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)によって構成されている。表示部53は、制御部51からの信号に基づいて各種画面(例えば、操作画面やエラー表示画面)を表示する。
【0043】
制御部51は、ベルトモーター54に接続されている。ベルトモーター54は、駆動ローラー6に接続されており、制御部51からの信号に基づいてベルトモーター54が駆動ローラー6を回転させると、駆動ローラー6の回転に従動して中間転写ベルト5が回転する。つまり、制御部51からの信号に基づいてベルトモーター54が中間転写ベルト5を回転させる。
【0044】
制御部51は、ドラムモーター55に接続されている。ドラムモーター55は、感光体ドラム14に接続されており、制御部51からの信号に基づいて感光体ドラム14を回転させる。
【0045】
制御部51は、現像モーター56に接続されている。現像モーター56は、現像ローラー16に接続されており、制御部51からの信号に基づいて現像ローラー16を回転させる。
【0046】
制御部51は、現像バイアス印加部57に接続されている。現像バイアス印加部57は、現像ローラー16に接続されており、制御部51からの信号に基づいて現像ローラー16に現像バイアスを印加する。現像バイアスの極性は、トナーの帯電極性と同一である。
【0047】
制御部51は、冷却ファン58に接続されている。冷却ファン58は、制御部51からの信号に基づいて作動し、機外の空気を機内に取り込む。
【0048】
制御部51は、電源59に接続されている。電源59は、除電装置19の各受電端子46、47に接続されており、制御部51からの信号に基づいて除電装置19の各受電端子46、47間に電圧を印加する。
【0049】
制御部51は、帯電バイアス印加部60に接続されている。帯電バイアス印加部60は、帯電ローラー15に接続されており、制御部51からの信号に基づいて帯電ローラー15に帯電バイアスを印加する。帯電バイアスの極性は、トナーの帯電極性と同一である。
【0050】
制御部51は、1次転写バイアス印加部61に接続されている。1次転写バイアス印加部61は、1次転写ローラー17に接続されており、制御部51からの信号に基づいて1次転写ローラー17に1次転写バイアス(順バイアス)又は1次転写バイアス(逆バイアス)を印加する。1次転写バイアス(順バイアス)の極性は、トナーの帯電極性と逆である。1次転写バイアス(逆バイアス)の極性は、トナーの帯電極性と同一である。
【0051】
制御部51は、2次転写バイアス印加部62に接続されている。2次転写バイアス印加部62は、2次転写ローラー11に接続されており、制御部51からの信号に基づいて2次転写ローラー11に2次転写バイアス(順バイアス)又は2次転写バイアス(逆バイアス)を印加する。2次転写バイアス(順バイアス)の極性は、トナーの帯電極性と逆である。2次転写バイアス(逆バイアス)の極性は、トナーの帯電極性と同一である。
【0052】
制御部51は、湿度センサー63に接続されている。湿度センサー63は、機外の湿度Hを検知し、制御部51に送信する。
【0053】
次に、上記のように構成された画像形成装置1において、通常印字の一例について説明する。
【0054】
通常印字の実行時には、ドラムモーター55が感光体ドラム14を回転させることで、帯電ローラー15が感光体ドラム14に従動して回転する。また、帯電バイアス印加部60が帯電ローラー15に帯電バイアスを印加する。これにより、帯電ローラー15が感光体ドラム14の表面を一様に帯電させる。
【0055】
また、通常印字の実行時には、帯電した感光体ドラム14の表面を露光装置8が露光する。これにより、感光体ドラム14の表面に静電潜像が形成される。
【0056】
また、通常印字の実行時には、現像モーター56が現像ローラー16を回転させる。また、現像バイアス印加部57が現像ローラー16に現像バイアスを印加する。これにより、現像ローラー16から感光体ドラム14の表面にトナーTが移動し、感光体ドラム14の表面に形成された静電潜像が現像され、感光体ドラム14の表面にトナー像が形成される。つまり、現像ローラー16が感光体ドラム14の表面に形成された静電潜像を現像する。
【0057】
また、通常印字の実行時には、ベルトモーター54が中間転写ベルト5を回転させる。また、1次転写バイアス印加部61が1次転写ローラー17に1次転写バイアス(順バイアス)を印加する。これにより、感光体ドラム14の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト5に1次転写される。
【0058】
また、通常印字の実行時には、2次転写バイアス印加部62が2次転写ローラー11に2次転写バイアス(順バイアス)を印加する。これにより、中間転写ベルト5に1次転写されたトナー像が用紙Sに2次転写される。
【0059】
また、通常印字の実行時には、クリーニング装置18の摺擦ローラー32が感光体ドラム14とは異なる回転速度で回転し、感光体ドラム14の表面と摺擦する。これにより、摺擦ローラー32によって感光体ドラム14の表面が研磨されると共に、摺擦ローラー32によって感光体ドラム14の表面から残留トナーT´(1次転写後に感光体ドラム14の表面に残留しているトナー)が除去される。
【0060】
また、通常印字の実行時には、クリーニング装置18のブレード33に対して感光体ドラム14が回転する。これにより、ブレード33によって感光体ドラム14の表面が研磨されると共に、ブレード33によって感光体ドラム14の表面から残留トナーT´が除去される。
【0061】
また、通常印字の実行時には、電源59が除電装置19の各受電端子46、47間に電圧を印加する。これにより、除電装置19の各発光素子42が感光体ドラム14の表面に向かって除電光ELを照射する。この除電光ELが感光体ドラム14の表面に到達することで、感光体ドラム14の表面から残留電荷(1次転写後に感光体ドラム14の表面に残留している電荷)が除去される。
【0062】
なお、通常印字の実行時には、電源59から除電装置19に電力Pw1[W]が投入される。これに伴って、除電装置19にI1[mA]の電流が流れる。
【0063】
次に、上記のように構成された画像形成装置1において、感光体ドラム14の表面から水分を除去するリフレッシュ制御の一例について説明する。
【0064】
図6を参照して、リフレッシュ制御の実行期間Pは、第1期間P1~第5期間P5を含んでいる。第1期間P1~第5期間P5のうち、第2期間P2はトナーエージング期間の一例であり、第4期間P4は通電エージング期間の一例である。
【0065】
リフレッシュ制御の実行時には、実行期間Pの全期間にわたって、ベルトモーター54が中間転写ベルト5を回転させる。また、実行期間Pの全期間にわたって、ドラムモーター55が感光体ドラム14を回転させる。
【0066】
また、リフレッシュ制御の実行時には、第1期間P1の最初から第3期間P3の途中までの間、現像モーター56が現像ローラー16を回転させる。また、第2期間P2の間、現像バイアス印加部57が現像ローラー16に現像バイアスを印加する。これにより、第2期間P2の間、現像ローラー16から感光体ドラム14の表面にトナーTが移動する。
【0067】
なお、リフレッシュ制御の実行時には、実行期間Pの全期間にわたって、露光装置8の作動が停止しており、感光体ドラム14の表面に静電潜像が形成されない。そのため、上記のように現像ローラー16から感光体ドラム14の表面にトナーTが移動すると、感光体ドラム14の表面にはトナー帯(前後方向に連続する帯状のトナー像)が形成される。
【0068】
また、リフレッシュ制御の実行時には、実行期間Pの全期間にわたって、クリーニング装置18の摺擦ローラー32が感光体ドラム14とは異なる回転速度で回転し、感光体ドラム14の表面と摺擦する。これにより、摺擦ローラー32によって感光体ドラム14の表面が研磨されると共に、摺擦ローラー32によって感光体ドラム14の表面からトナー帯が除去される。
【0069】
また、リフレッシュ制御の実行時には、クリーニング装置18のブレード33に対して感光体ドラム14が回転する。これにより、ブレード33によって感光体ドラム14の表面が研磨されると共に、ブレード33によって感光体ドラム14の表面からトナー帯が除去される。なお、上記のようにトナー帯が感光体ドラム14の表面から除去される際に、感光体ドラム14の表面に付着した水分もトナー帯と共に感光体ドラム14の表面から除去される。
【0070】
また、リフレッシュ制御の実行時には、実行期間Pの全期間にわたって、冷却ファン58の作動が停止している。これにより、機外の湿った空気が機内に取り込まれることが抑制される。
【0071】
また、リフレッシュ制御の実行時には、実行期間Pの全期間にわたって、電源59が除電装置19の各受電端子46、47間に電圧を印加する。これにより、除電装置19の各発光素子42が感光体ドラム14の表面に向かって除電光ELを照射する。
【0072】
なお、リフレッシュ制御の実行時には、実行期間Pの全期間にわたって、通常印字の実行時に電源59から除電装置19に投入される電力Pw1[W]よりも大きな電力Pw2[W]が電源59から除電装置19に投入される。これに伴って、通常印字の実行時に除電装置19に流れる電流I1[mA]よりも大きな電流I2[mA]が除電装置19に流れる。そのため、除電装置19の各除電ユニット48の制限抵抗43にも通常印字の実行時よりも大きな電流が流れ、制限抵抗43の発熱量が通常印字の実行時よりも大きくなる。これに伴って、発熱した制限抵抗43によって感光体ドラム14の表面が加熱される。
【0073】
また、リフレッシュ制御の実行時には、実行期間Pの全期間にわたって、帯電ローラー15が感光体ドラム14に従動して回転する。また、第4期間P4の間、帯電バイアス印加部60が帯電ローラー15に帯電バイアスを印加する。これにより、第4期間P4の間、帯電ローラー15が感光体ドラム14の表面を一様に帯電させる。
【0074】
また、リフレッシュ制御の実行時には、実行期間Pの全期間にわたって、1次転写バイアス印加部61が1次転写ローラー17に1次転写バイアス(逆バイアス)を印加する。また、実行期間Pの全期間にわたって、2次転写バイアス印加部62が2次転写ローラー11に2次転写バイアス(逆バイアス)を印加する。
【0075】
以上のようなリフレッシュ制御が終了すると、通常印字を実行するための起動動作が開始される。
【0076】
なお、本実施形態に係る画像形成装置1は、リフレッシュ制御を実行可能な実行モードと、リフレッシュ制御の実行が停止される停止モードと、を選択可能に設けられている。例えば、ユーザーやサービスマン等の作業者が表示部53を操作することでモード選択画面が表示され、作業者がモード選択画面を操作することで、実行モード又は停止モードのいずれか一方が選択されるようになっている。
【0077】
次に、上記のように構成された画像形成装置1において、主電源立ち上げ時の制御の一例について説明する。
【0078】
図7を参照して、画像形成装置1の主電源が立ち上げられると(ステップS101)、湿度センサー63が機外の湿度Hを検知し、制御部51に送信する(ステップS102)。
【0079】
制御部51は、湿度センサー63が検知した機外の湿度Hが記憶部52に記憶された閾値Th以上であるか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103の判定がNoの場合には、制御部51は、通常印字を実行する(ステップS104)。
【0080】
一方で、ステップS103の判定がYesの場合には、制御部51は、実行モードが選択されているか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105の判定がYesの場合、実行モードが選択されており、リフレッシュ制御を実行可能である。そのため、制御部51は、リフレッシュ制御を実行する(ステップS106)。
【0081】
リフレッシュ制御が終了すると、制御部51は、画像流れが発生しやすい状態が解消しているか否かを判定する(ステップS107)。この判定は、例えば、帯電ローラー15に流れる電流の値が所定の閾値未満になっているか否かに基づいて行われる。ステップS107の判定がNoの場合には、制御部51は、ステップS106に戻って、再びリフレッシュ制御を実行する。一方で、ステップS107の判定がYesの場合には、制御部51は、通常印字を実行する(ステップS104)。
【0082】
一方で、ステップS105の判定がNoの場合には、停止モードが選択されており、リフレッシュ制御の実行が停止されている。この場合、制御部51は、所定枚数(例えば100枚)の印字が終了するまで、リフレッシュ印字を実行する(ステップS108)。
【0083】
リフレッシュ印字の実行時には、通常印字の実行時に電源59から除電装置19に投入される電力Pw1[W]よりも大きな電力Pw2[W]が電源59から除電装置19に投入される。これに伴って、通常印字の実行時に除電装置19に流れる電流I1[mA]よりも大きな電流I2[mA]が除電装置19に流れる。そのため、除電装置19の各除電ユニット48の制限抵抗43にも通常印字の実行時よりも大きな電流が流れ、制限抵抗43の発熱量が通常印字の実行時よりも大きくなる。これに伴って、発熱した制限抵抗43によって感光体ドラム14の表面が加熱される。その他の点については、リフレッシュ印字の実行方法は、通常印字の実行方法と同様であるため、説明を省略する。リフレッシュ印字が完了すると、制御部51は、通常印字を実行する(ステップS104)。
【0084】
本実施形態では上記のように、リフレッシュ制御の実行時に除電装置19に投入される電力を通常印字の実行時に除電装置19に投入される電力よりも大きくしている。これにより、除電装置19の制限抵抗43の発熱を利用して感光体ドラム14の表面を加熱し、感光体ドラム14の表面から水分を除去することが可能となる。これに伴って、画像流れを速やかに解消することが可能となる。
【0085】
また、上記のように制限抵抗43の発熱を利用して感光体ドラム14の表面を加熱するため、感光体ドラム14の表面を加熱するための専用のヒーターを追加する必要が無い。そのため、ヒーターの追加に伴う画像形成装置1の製造コストの上昇や画像形成装置1の大型化を防止することが可能となる。また、ヒーターにおける電力消費に伴うユーザーの料金負担の増大も抑制することが可能となる。
【0086】
また、上記のように制限抵抗43の発熱を利用して感光体ドラム14の表面を加熱するため、感光体ドラム14を加熱するための専用の抵抗が制限抵抗43とは別に基板41の裏面に実装されるような場合と比較して、除電装置19に必要とされる抵抗の数を少なくすることが可能となる。そのため、除電装置19の構成を簡易化し、除電装置19の製造コストを低廉化することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態では、リフレッシュ制御の実行時に、トナーエージング(感光体ドラム14の表面にトナー帯を形成すると共に、感光体ドラム14の表面を摺擦ローラー32やブレード33によって研磨する動作)を実行している。このようなトナーエージングは、画像流れの早期解消に対して有利であるが、印字とは無関係にトナーを消費するものであるため、長期間にわたって実行されると、ユーザーの待ち時間が長くなったり、無駄なトナー消費が増えたりするという弊害が生じる。特に、画像流れは、画像形成装置1の耐久後半の状態(画像形成装置1が相当程度使用された状態)や画像形成装置1が長期間放置された状態で起こりやすいため、これらの状態ではトナーエージングが長期化しやすく、上記のような弊害が生じやすい。
【0088】
これに対して、本実施形態では上記の通り、トナーエージングのみを利用して画像流れの解消を図るのではなく、トナーエージングと制限抵抗43の発熱の両方を利用して画像流れの解消を図っている。そのため、トナーエージングのみを利用する場合と比較して、リフレッシュ制御の所要時間を短くすることが可能となる。その結果、ユーザーの待ち時間を短くすることが可能となると共に、トナーエージングによるトナーの消費を抑制することが可能となる。
【0089】
また、本実施形態では、リフレッシュ制御を実行可能な実行モードと、リフレッシュ制御の実行が停止される停止モードと、を選択可能に設けられている。これにより、リフレッシュ制御を実行して画像流れを早期に解消したいユーザーの要請だけでなく、リフレッシュ制御の実行を停止して待ち時間の長期化やトナー消費量の上昇を抑制したいユーザーの要請にも応えることが可能となる。
【0090】
また、本実施形態では、停止モードが選択されると共に所定の条件(湿度H≧閾値Th)が満たされる場合に、除電装置19に投入される電力を通常印字の実行時よりも大きくするリフレッシュ印字が実行されている。このような構成を採用することで、停止モードが選択された場合であっても、画像流れを速やかに解消することが可能となる。
【0091】
また、リフレッシュ印字は、停止モードが選択されると共に所定の条件(湿度H≧閾値Th)が満たされてから所定枚数の印字が終了するまで実行されている。このような構成を採用することで、リフレッシュ印字の実行期間を容易に決定することが可能となる。
【0092】
また、リフレッシュ制御は、現像ローラー16が感光体ドラム14の表面にトナー帯を形成する第2期間P2(トナーエージング期間の一例)と、第2期間P2の終了後に、帯電ローラー15が感光体ドラム14の表面を帯電させる第4期間P4(通電エージング期間の一例)と、を含んでおり、第2期間P2中及び第4期間P4中は、常に、除電装置19に投入される電力を通常印字の実行時よりも大きくしている。このような構成を採用することで、画像流れを一層確実に解消することが可能となる。
【0093】
また、制御部51は、湿度センサー63が検知する湿度が所定の閾値Th以上である場合に、リフレッシュ制御を実行している。このような構成を採用することで、画像流れが発生しやすい場合にのみリフレッシュ制御を実行することが可能となり、不必要なリフレッシュ制御の実行によるユーザーの待ち時間の長期化やトナー消費量の上昇を抑制することが可能となる。
【0094】
本実施形態では、湿度センサー63が機外の湿度を検知している。一方で、他の異なる実施形態では、湿度センサー63が機内の湿度を検知しても良い。
【0095】
本実施形態では、画像形成装置1が複合機である。一方で、他の異なる実施形態では、画像形成装置1がプリンター、コピー機、ファクシミリ等であっても良い。
【0096】
<実験>
本実施形態に係る画像形成装置1を用いて、本願発明の効果を実証するための実験を行った。
【0097】
<実験条件>
実験に用いられた画像形成装置1の詳細は、以下の通りである。
感光体ドラム14の表面の線速:250[mm/sec]
感光体ドラム14の感光層22の材質:アモルファスシリコン
感光体ドラム14の直径:30[mm]
帯電ローラー15の弾性層25の材質:エピクロルヒドリンゴム
帯電ローラー15の直径:9.5[mm]
帯電ローラー15の帯電電位:+250[V]
ブレード33の材質:ウレタンゴム
ブレード33の厚み:2.0[mm]
ブレード33のJIS-A硬度:79[°]
ブレード33の反発弾性:28[%](23[℃]の環境で測定)
ブレード33のヤング率:11.4[MPa]
制限抵抗43の抵抗値:470[Ω]
【0098】
<実験1>
実験1では、除電装置19に流す電流(以下、「除電電流Ie」と称する)の値を変えて1分間の連続印字を実行し、基板41の上面に搭載された制限抵抗43の温度を測定した。実験時の温度は25[℃]、実験時の湿度は50[%]であった。実験1の結果を図8に示す。
【0099】
図8から明らかな通り、除電電流Ieの値が大きくなるほど、制限抵抗43の温度が上昇している。このことから、電源59から除電装置19に投入する電力を大きくして除電電流Ieの値を大きくすれば、制限抵抗43の温度を上昇させることができることが分かる。
【0100】
<実験2>
実験2では、高温高湿環境(温度32.5[℃]、相対湿度80[%])に48時間放置された画像形成装置1に対して、除電電流Ieの値を変えてリフレッシュ制御を実行し、画像流れが解消されるまでの回数を測定した。なお、画像流れが解消されているか否かの判定は、目視にて行った。
【0101】
実験2では、リフレッシュ制御の実行期間Pの第1期間P1~第5期間P5を以下のように設定した。
第1期間P1:400[msec]
第2期間P2:475[msec]
第3期間P3: 2[sec]
第4期間P4: 50[sec]
第5期間P5: 7[sec]
従って、リフレッシュ制御の実行期間Pは、
P=P1+P2+P3+P4+P5=59.875[sec]≒60[sec]
である。実験2の結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
表1から明らかな通り、除電電流Ieの値が大きくなるほど、リフレッシュ制御の実行回数が少なくなる。このことから、電源59から除電装置19に投入する電力を大きくして除電電流Ieの値を大きくすれば、制限抵抗43の発熱を促進して感光体ドラム14の表面から水分を除去することができ、リフレッシュ制御の実行回数を少なくすることができることが分かる。
【0104】
また、除電電流Ieの値ごとのリフレッシュ制御の総実行時間は、以下の通りである。
除電電流Ie= 0[mA]の場合:60[sec]×10[回]=600[sec]
除電電流Ie=20[mA]の場合:60[sec]× 8[回]=480[sec]
除電電流Ie=40[mA]の場合:60[sec]× 4[回]=240[sec]
従って、除電電流Ieの値を0[mA]から40[mA]まで増加させることで、360[sec](=600[sec]-240[sec])もリフレッシュ制御のためのユーザーの待ち時間を短縮することができる。
【0105】
また、例えば、1回のリフレッシュ制御では、125[mg]のトナーが使用される。従って、除電電流Ieの値ごとのトナーの総使用量は、以下の通りである。
除電電流Ie= 0[mA]の場合:125[mg]×10[回]=1250[mg]
除電電流Ie=20[mA]の場合:125[mg]× 8[回]=1000[mg]
除電電流Ie=40[mA]の場合:125[mg]× 4[回]= 500[mg]
従って、除電電流Ieの値を0[mA]から40[mA]まで増加させることで、750[mg](=1250[mg]-500[mg])もリフレッシュ制御のためのトナーの総使用量を削減することができる。
【0106】
<実験3>
実験3では、高温高湿環境(温度32.5[℃]、相対湿度80[%])に48時間放置された画像形成装置1に対して、リフレッシュ制御を実行せずに、除電電流Ieの値を変えて印字を実行し、印字枚数ごとの画像流れレベルを測定した。なお、画像流れレベルの測定は、目視にて行った。画像流れレベルの基準を表2に示す。
【0107】
【表2】
【0108】
表2から明らかなように、画像流れレベル4が最も良い状態であり、画像流れレベル1が最も悪い状態である。実験3の結果を図9に示す。
【0109】
図9から明らかなように、画像流れは印字によって徐々に解消されていく。また、図9から明らかなように、除電電流Ieの値を上昇させることで、画像流れが解消されるまでの印字枚数が少なくなる。このことから、電源59から除電装置19に投入する電力を大きくして除電電流Ieの値を大きくすれば、画像流れを早期に解消できることが分かる。
【符号の説明】
【0110】
1 画像形成装置
14 感光体ドラム
15 帯電ローラー(帯電部材)
16 現像ローラー(現像部材)
19 除電装置
42 発光素子
43 制限抵抗
51 制御部
63 湿度センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9